これまでの出来事 時系列順まとめ作中第3部終了までの時系列表です。警視庁が把握している事柄かどうかを基準としています。小田切刑事部長のレベルでも知らない情報は、★を付けた上、カッコ付き表記です。また、登場話が書かれていない文章は「本編には書いていないけれど、警視庁が把握している事柄」です。作者でも目が滑るレベルでかなり細かく記載しています。また、当然ながら思い切りネタバレしています。ご了承ください。~~~~~~~~ ↓(★7月下旬 夏休み初日の出来事)↓ ~~~~~~~~・召喚者(=★小泉 紅子)、召喚の魔術でミスをする。 本当に召喚したい相手は召喚出来ず、代わりに異世界から召喚されたのは15歳の少女。→第1部-4・その少女は、元の世界では家庭環境面で追い詰められて死ぬ寸前だった。召喚者はそんな少女を『サキュバス』と名付ける。 世界の違いのせいで、この世界ではサキュバスの身体は長持ちしない。 召喚者の義務としてサキュバスの生命を維持するために、他者を犠牲にするしかない、と、覚悟を決める。→第1部-2、4~~~~~~ ↓ 以降、召喚翌日~8月5日にかけての出来事 ↓ ~~~~~~・時間の余裕の無い中、サキュバスと召喚者の間で、どうやってサキュバスを生かすのか検討される。 成功度の見込みから、サキュバスとして1個の人格と身体を持つよりも、他者の身体を襲って元の人格と融合することが選ばれる。→第1部-2・必要なのは融合する相手と、その融合魔術のための生贄。(★そして、魔術によって、相性の良い相手が探される。居場所の探知等で魔力を多大に使用) 融合相手に選ばれたのは、民間人の女子高生、毛利 蘭。一方で生贄に使う者は、民間人の犠牲を避けたい召喚者の強い希望で、拘置所にいる未決囚2人、と決まる。→第1部-4(★サキュバスと召喚者、融合前に、毛利 蘭の周りの人間も調べる。分析の魔術で蘭の身近に居る者達(主にコナン)の厄介な因果も見抜く。 面倒な相手を融合相手に選んだのだと悟ったが、他にふさわしい者を探す余裕はなかった)→第3部-3・とにかく必死になって計画を練り、間に合わせの素材で必要な魔道具を作り上げてから、サキュバスは召喚者の元を出立する。 この時点で、召喚者は魔力不足でかなり苦しんでいた。→第1部-3~~~~~~ ↓ 以降、8月6日の出来事 ↓ ~~~~~~午前0時頃・サキュバス、大阪拘置所に侵入、坂田 祐介を誘拐。 にわか作りの魔術符を使用したせいで、連れ去る転移魔術の使用時に音が発生+坂田が居た独居房の壁や床をえぐる。→第1部-3 また、転移魔術の影響で独房の監視カメラ等も破壊されている。独房には大量の魔術符の残骸が残される。→第1部-1深夜・サキュバス、坂田と公園で会話。坂田は、サキュバスの魔術を見せつけられ、死の宣告を受け入れざるを得ない。 もう1人の生贄予定者が因縁のある相手だと知らされて、サキュバスの前で思い切り哂う。→第1部-エピローグ午前1時55分・サキュバス、坂田を伴って大阪のゲテモノ料理屋「天界」に移動。結界を展開した空間で、坂田を殺害。→第1部-プロローグ 魔術の生贄とするため、遺体から内臓等を抉って持ち去る。現場には坂田の遺体と魔術符の残骸が残される。 (★作業時、結界に使った魔術符の暴発で、坂田の遺体が壁に叩きつけられている。その模様が)店外で撮影された監視カメラに、妙な映像として記録される→第1部-1・またサキュバスは、店主の奥さんが店に忘れていた携帯を発見、拝借して遺体の写真を撮影。以後、この携帯を持って移動する。→第1部-3 (★その後サキュバスは携帯の電源を切った上で、魔術で、大阪から東京へ一気に転移)午前5時頃・「天界」の店主、店内でズタボロになった坂田の遺体を発見。即座に警察に通報。→第1部-1午前7時15分(★服部 平次、大滝警部の知らせで坂田の失踪と遺体発見を知る。捜査情報を聞き出した後、即座にコナンに電話して知らせる)→第1部-1午前11時15分(★大阪府警の刑事部長室にて、本部長と刑事部長に、坂田殺害事件の一応の捜査結果が報告される)→第1部-1正午頃・サキュバス、東京の葛飾区小菅にある東京拘置所に侵入、沼淵 己一郎を誘拐。現場には坂田を連れ去った時と同様の証拠が残される。→第1部-1午後1時(★平次、坂田の事件について大滝警部から聞き出していた情報を元に、コナンと推理の電話。 推理途中でまた大滝から知らせが入り、沼淵の失踪を知る。即座にコナンに電話して知らせる)→第1部-1正午~午後2時の間・大阪拘置所の坂田に続く、東京での沼淵の失踪を受け、警視庁に捜査本部が立ち上がる。 この時点では、原作によく登場する警視庁捜査一課の面々(=目暮・佐藤・高木etc)は、普通に捜査に関わっていた。午後2時半頃・サキュバス、米花町の和食店だった建物で沼淵を殺害。坂田と同様の殺害方法で、同じように内臓等を抉って持ち去る。現場には遺体と魔術符の残骸が残される。 サキュバスは拝借していた携帯で沼淵の遺体を撮影。→第1部-2午後2時53分~3時15分・サキュバス、坂田と沼淵の遺体写真をネットのアップローダーに掲載。証拠写真として提示の上、ネットの掲示板で自分の事情を暴露。 掲示板住民と安価でやり取りしつつ、警察関係者との質問も募集する。→第1部-2・書き込んだのは警視庁捜査一課の高木と白鳥。大阪府警の者もこのやり取りを見ていた。 この時に書き込んだのは、異世界人だという主張、召喚された時の召喚者とのやり取り、自首出来ない事情、融合魔術を行うということ、等。 書き込みの後、サキュバスは携帯の電源を切って現地から移動。(★移動手段は魔術での転移)→第1部-2午後5時30分・この時までに沼淵の遺体が発見され、警視庁の捜査本部に報告が行く。→第1部-3午後6時(★魔術で姿を隠したサキュバス、部活帰りの毛利 蘭を発見、捕捉。その後、蘭を襲って意識を失わせ、誘拐する)→第1部-3午後6時25分・この時点でサキュバスは、蘭を都内某所の雑居ビル2Fの空き部屋に連れ込んでおり、融合魔術の準備も完了していた。 その状態で、蘭のスマホからネットの掲示板に遺言を書き込む。 融合魔術の相手が一般人であること、元の世界に戻れない理由、そして警察に向けて、融合魔術の現場から光が出ている間、現場に近づかないように警告を書く。→第1部-3午後6時33分・サキュバス、都内某所の雑居ビルで、蘭に対する融合の魔術を開始。→第1部-3 以降、現地の魔術陣から、盛大に青い光の発光が続く。→第1部-4午後6時38分・雑居ビルの発光を目撃した通行人、交番に申し出る。即座に警察官が現地を確認。→第1部-4午後6時40分~午後7時30分の間・警視庁の捜査員、現場の雑居ビル周辺を封鎖。サキュバスの最後の書き込みに、魔術が暴発すれば爆発するかもしれないと警告が有ったため。 現地対策本部は、現場のビルのはす向かいの、別のビル内に設置される。万一爆発した場合の巻き込みを考慮したため。 また、現場ビルの内部(2階に続く階段)で、まとめて置いてあった毛利 蘭の制服・カバン・スマホなどが回収される。→第1部-4・蘭の帰りを待っていたコナン、サキュバスの最後の書き込みを発見。小五郎に紹介して一緒に読む。 蘭が帰ってこないので心配になり、小五郎は蘭のスマホに電話。蘭ではなく警察が出て、警察も小五郎もコナンも、「サキュバスの融合相手」=「毛利 蘭」と認識する。→第1部-4午後7時15分(★自室のベッドで臥せっていた小泉 紅子、現場の状況をネットの生中継で観察する。 光る現場を撮影すると機材が砂になって壊れる。中継には野次馬しか映っていない)→第1部-4午後7時38分・小五郎とコナン、現地対策本部に到着。捜査本部の者から説明を受ける。警察も、爆発しないように祈りながら現場を見守るしかない。 警察は現地に様々な機械を向けて、壊れない機械を探っている。カメラは壊れる。放射線の測定器は壊れない。融合魔術の光は青いが、放射線では無い。→第1部-4~~~~~~ ↓ 以降、8月7日の出来事 ↓ ~~~~~~午前4時(★『サキュバス』の人格が融合した『蘭』(=以後、『彼女』と表記)覚醒。ぼんやりとした頭でも、魔術の成功は悟る。 『サキュバス』の元の身体は、魂も魔力も抜けて真っ白になっていた。その身体は1日経たずに砂になるだろうと推測。使用した魔道具もおそらく砂になっている)→第1部-4・現場の光が止んだため、救急隊員が踏み込む。意識が朦朧とした『彼女』と、『サキュバス』の身体を搬送。『彼女』の救急車には、父親である小五郎が付いて来る。→第1部-4・以降、『彼女』は意識不明となり、東都警察病院で眠り続ける。 『彼女』の身体は無論検査された。染色体は人間のまま。身体の見た目も『蘭』のままだが、左胸周辺の皮膚が白っぽくなっていた。→第1部-エピローグ時刻不明・いつもの捜査1課の面々(=目暮・佐藤・高木etc)、サキュバス事件の捜査から外される。 顔見知りの女子高生(=毛利 蘭)が事件に巻き込まれ、捜査に当たるのにはふさわしくないと判断されたため。→第2部-5午後6時・警視庁の刑事部長室に、謎の赤い光と共に便箋とネズミの死骸が出現する。 同時に、室内で通電していたあらゆる物が故障する。→第3部-9・便箋によると、刑事部長宛の手紙と贈り物が、召喚者の魔術で刑事部長室に転移してきたようだった。 便箋にはサキュバスについての今後の理想等が記載されていた。召喚者がキレた場合、魔術で何かするとほのめかした上、蘭の身元が秘匿されるよう要求。 また、この便箋等の出現自体を隠すようにも要求していた。→第3部-9・その日の内に、警視庁の上層部は、召喚者の手紙にどう対応するか極秘協議を行う。魔術の得体が知れないため、要求に従うしかないと判断する。 手紙が出現したことは、出現を目撃した刑事部長と秘書、警視庁+警察庁の極一握りの上層部、手紙と部屋を調べる鑑識達だけの秘密になる。 刑事部長室は証拠保全のため使えない。会議室を転用し、臨時の刑事部長室として使う。部屋を変えた表向きの原因は、単に「電気系統の故障」と発表することにする。→第3部-9夜・佐藤と高木、夕飯を一緒にお店で食べる。共に、翌日は非番だった。 それから雰囲気が出来上がり、賢橋町のホテル「ハニーロード」に宿泊する。・実はこの時点で、共にB型肝炎ウイルスに感染している身だった。結果、お互いにウイルスをうつし合う。 ただし自覚症状はこの段階では皆無。2人とも感染に全く気付いていない。 ちなみに「ハニーロード」での雑談で、『サキュバス』の事件が話題になった。→第2部-5~~~~~~ ↓ 以降、8月8日の出来事 ↓ ~~~~~~・警視庁の刑事部全体に、刑事部長室の変更が通達される。部屋を変えた原因は「電気系統の故障」と発表された。→第3部-8・終日、『彼女』は東都警察病院で眠り続けた。『蘭』の両親とコナンが見舞う。→第1部-エピローグ~~~~~~ ↓ 以降、8月9日の出来事 ↓ ~~~~~~・この日のうちに、坂田・沼淵殺害事件の現場の遺留品は砂と化した。警察が収集できた物のうち、残ったのは坂田と沼淵の遺体のみ。→第3部-10昼頃・東都警察病院で『彼女』が覚醒。人格の変化が確認される。見た目は完全に『蘭』なのに、声色が少し変わり、口調は『どこか面影があるけど違和感がある』程度に変化。 『蘭』の両親はショックを受けた。また、幼い心への負担を考えて、コナンの見舞いを禁止する。→第1部-エピローグ~~~~~~ ↓ 以降、8月11日の出来事 ↓ ~~~~~~午前10時35分・大滝警部、東京に出向き、東都警察病院で『彼女』を聴取する。その聴取のしつこさに『彼女』がキレて、魔術で彼に『サキュバス』の記憶を見せる。 見せたのは、8月6日深夜の公園の『サキュバス』と坂田の会話。その魔術で大滝は錯乱、『彼女』の顔を思い切り殴る。→第1部-エピローグ午前10時36分・大滝が我に返ると、自身の身体は他の刑事達に取り押さえられていた。 『彼女』は意識を失い、ベッドに倒れ込んでいた。以後、また眠り続けることになる。→第1部-エピローグ午後2時~(★大滝の殴打事件を知った平次、コナンに電話。コナンはこの時点で殴打事件を把握済。コナンは『彼女』の今後を案じる)→第1部-エピローグ~~~~~~ ↓ 以降、8月12日の出来事 ↓ ~~~~~~・終日、『彼女』は東都警察病院で眠り続ける。→第2部-プロローグ~~~~~~ ↓ 以降、8月13日の出来事 ↓ ~~~~~~午後3時40分・『彼女』が覚醒。看護師2人と医師が目覚めの瞬間を目撃する。 即座に『彼女』は、とある魔術が発動しっ放しで止められないことに気付いた。それは「他人の、直近の性行為の情報を見抜く」魔術。 以降、『彼女』は周囲の人間の性行為の記憶に晒され続けることになる。→第2部-プロローグ ・『彼女』は、このまま魔術の自動発動が続けば、魔力欠乏で遠からず廃人化して死亡すると即座に悟った。 解決のために召喚者の元に逃げることにも思い至り、だから『彼女』は、魔力の自動発動の事は医師達に明かさないことを決める。(★なおこの時、自身の下腹部の感触から月の障りが近いうちにあることも悟った)→第2部-プロローグ時刻不明・覚醒した『彼女』を『蘭』の両親が見舞う。 『蘭』の両親は『彼女』に少年事件専門の弁護士を付ける事を提案し、『彼女』に受け入れられる。 その弁護士は明日『彼女』の病室に来ることになった。→第2部-2・『彼女』の方は、日記用としてノート、ボールペン、下敷き、そして近日中に必要になりそうと明かした上で生理用ナプキンをねだった。 これらの要望は英理に受け入れられ、翌日病室に持って来ることになる。 また『彼女』は「コナン君に会いたい」とも発言。これを受けて『蘭』の両親は、コナンを明日見舞いに連れて来ることを決断。→第2部-1、3、11夜・毛利探偵事務所の風呂が突然壊れる。小五郎もコナンもこの日は入浴出来なかった。明日の朝、見舞いに行く前に銭湯に行くことにする。→第2部-1~~~~~~ ↓ 以降、8月14日の出来事 ↓ ~~~~~~深夜~午前8時頃・『彼女』の病室は、東都警察病院の7階の703号室。 この病院の7階は訳有り患者用の階で、病室の前にそれぞれ見張りの警官が立っている。→第2部-1・『彼女』の魔術はずっと発動中。入室してきた病院職員はもちろん、廊下で見張り中の婦警の、直近の性行為の情報も見抜く。 午前8時頃まで見張りに立っていた婦警は、彼氏2人との行為中に覚せい剤に手を出していた。気持ちの悪い記憶に晒され、『彼女』の安眠が妨害される。 視えた情報は、8月4日の米花町の「ハニーロード」というホテルでの行為と分かる。婦警の名前(琴美)も把握する。→第2部-3、第3部-1、3午前9時・小五郎、コナンを連れて行った銭湯で、見知らぬ中肉中背の中年男性に声を掛けられる。 星威岳 吉郎と名乗った男性は、「他県で探偵をしている。小五郎は同じ探偵として憧れだ」「自分は、以前は都内である探偵の助手をしていた」と言う。 小五郎は誰の助手だったのか問うが、星威岳探偵は言葉を濁してその場を立ち去った。→第2部-1午前10時30分~51分頃・コナンは『彼女』の覚醒後、初めて『彼女』を見舞う。『蘭』の両親が見守る中で、『彼女』と会話を交わす。 『彼女』はどう呼ばれようとこだわらないらしい。コナンは『蘭姉ちゃん』と呼ぶことにする。 また、『サキュバス』という名は召喚者から与えられたものと分かる。異世界での本名は名乗らないし、今後も名乗る気は無いらしい。→第2部-1・警察は『サキュバス』が召喚者のところに居た時の事を訊いて来るが、『彼女』は何も話していない。「その時の記憶は、融合後に砂になった身体に置いてきた」と。 他にも召喚者の事を喋らない理由は有るそうだが、その理由を『彼女』は答えない。 ただ「ヒントをあげるから推理してみるといい」とコナンに告げ、4つのヒントを提示。→第2部-2・『彼女』は小五郎とコナンにミルクティーをねだった。「両親が依頼した弁護士が来るので、病室で弁護士達と話す間、席を外して自販機で買ってきてほしい」と言う。 少年事件専門の弁護士2名が言う通りに来た。共に女性弁護士の七市 里子氏と神代 杏子氏。 「弁護士が女性でよかった。男性には言いづらい相談事があったから」と『彼女』は発言。 ミルクティーを飲む許可も医師から出た。小五郎とコナンは病室を出て、6階の談話室の自販機でミルクティーを買い、時間を潰すことにする。→第2部-2午前10時52分~午前11時14分頃・病室で『彼女』と弁護士達との会話が始まる。前の日にねだっていたノート類で、『彼女』は筆談を開始。 「他者の、直近の性行為の情報を見抜く魔術」が発動状態であることを打ち明ける。魔術が止められないことと、見張りの婦警の薬物吸引疑惑も。 また、弁護士達に、サキュバス事件の報道具合について質問した。→第2部-3午前10時54分~午前11時14分頃・小五郎とコナン、6階の談話室で遺体を発見。テーブルに突っ伏して眠っているように見える、毛布を被った男性。 だがリュックサックと毛布をめくった下の背中に、まっすぐナイフが刺さっていた。 リュックサックにはナイフの柄が嵌り込むくらいの切れ込みがあった。明らかに殺人事件の被害者だと分かる。→第2部-2、4・被害者は、中年の、かなり太った男性。顔を見て、朝銭湯で会った星威岳探偵に似ているとコナンは感じる。 但し体格が違う(星威岳探偵は中肉中背、この被害者は太っている)ので、別人であることは明らかだった。→第2部-4・現場に駆け付けた看護師が警察に通報。コナンも7階に駆け上がり、廊下で立っている警官を呼んだ。警官2名が6階談話室を封鎖。 第1発見者であるコナン達は談話室から離され、空き病室の603号室へ移動。以後そこで警官と待機。→第2部-4・殺人の捜査のため、本庁から目暮警部・佐藤刑事・高木刑事がやって来る。 彼ら捜査一課の者達は、小五郎達に、現場を発見した状況を説明するように求めた。でも、その前に小五郎が英理に電話したいと申し出、受け入れられる。→第2部-3午前11時15分・弁護士達が『彼女』の筆談文章を読み込んでいる最中に、英理の携帯が鳴る。真下の603号室に居る小五郎からの電話。 「6階談話室で殺された人の遺体を発見した。警察に協力するためミルクティーを持って来るのが遅くなる」とのこと。『彼女』は了解する。→第2部-3午前11時16分~27分頃・603号室で小五郎達の聴取開始。この病院に居る理由を訊かれた小五郎は「娘の見舞い」と答えた。 逆に小五郎は「警部達は『蘭』の事情を知っているのか」を問う。「目暮達3人は、『蘭』が入院した経緯(=サキュバス事件)を知っている」と、佐藤が明言。→第2部-3・小五郎達は、談話室の自販機を目指した理由と、『彼女』が弁護士達と、病室で女性だけの相談事をしていると目暮達に明かす。 談話室で遺体を発見してから、警官を呼ぶまでの経緯も説明。→第2部-3、4午前11時18分~44分頃(★『彼女』の病室にて、『彼女』が筆談した内容を読み、弁護士達がボールペンを取った。悩みながら3人交互に文章を連ねていく。 サキュバスの事件は大々的に報道されているが、『蘭』の身元に繋がる情報は漏れていない。 直近の性行為を見抜く魔術については、証拠が欲しい。英理と小五郎について視えた事を教えてほしい、と書く)→第2部-4・『彼女』は求められた通りに英理達の情報を書いた。 その情報は英理の記憶通りで、かつ、『毛利 蘭』が知りようが無い日時・場所での行為だった。行為中のやり取りも言い当てられた英理は、魔術のことを信じる。 以後、弁護士達は『彼女』が明かした魔術の件については真実、という前提で話をすることにする。→第2部-4、第3部-1午前11時28分~40分頃・603号室で目暮達による聴取が続く。 刺された男性の身元は、「現在入院している星威岳さんの長男ではないか」と看護師が証言。長男と次男が居るが、長男は名字が違うらしい。 星威岳という名字から、コナンは「今朝銭湯で会った探偵さんは、実は次男かも」と証言。名字が合致して顔が似ているから、有り得なくはない。→第2部-4・小五郎は「この事件の捜査に関わって良いのか」を目暮達に質問した。 『蘭』がサキュバス事件で『被害者』兼『加害者』になってしまったから、そんな身内が居るのに捜査に関わって良いのかを気にしている。 目暮は「この件に関しては協力を頼む」と言った。その上でコナンに、『彼女』の病室にミルクティーを買って持っていくよう指示。佐藤にも付いて行くよう命じる。→第2部-4午前11時41分~午前11時54分頃・コナンが佐藤と追い出された603号室で、目暮は医師と看護師にも、礼を言った上で部屋から出す。 小五郎は目暮に向き合い、「警察への捜査協力はこの事件をもって最後にしたい」と申し出る。身内が被疑者に居る状況で、捜査協力をし続けるのは流石に不味いから。 目暮は受け入れざるを得ない。午前11時45分~52分頃・『彼女』と弁護士達が居る703号室に、他の階の談話室で買ったミルクティーを持ったコナンと、佐藤が来る。 ミルクティーを受け取った『彼女』は、魔術で自動的に、佐藤の直近の性行為を見抜く。 (★それで引っ掛かる箇所があったから、とっさの判断で)『彼女』は佐藤に話し掛ける。→第2部-5・『彼女』は、「捜査本部に伝言してほしい事がある」と佐藤に言い出す。その上で「佐藤はかつてサキュバス事件の捜査に関わっていたのではないか」と推理、佐藤は認めた。 捜査本部に伝えて欲しいのは、「警視庁宛てに、後で書面で苦情を言うかもしれない」ということ。「その苦情の内容は、弁護士とすり合わせてないから話せない」とも。 佐藤は「捜査本部に伝える」と約束する。→第2部-5・『彼女』は、佐藤の直近の性行為を見抜いていた。 3月7日夜、相手は高木、賢橋町の「ハニーロード」。互いに肝炎に感染していて、この行為で互いにうつし合っている、と。 (★話しかける間に丁寧に記憶を覗いて解析したから、ほぼ間違いないと確信。でも弁護士達には明かさない)→第2部-5、第3部-8午前11時55分~午後12時5分頃・佐藤とコナン、目暮達が居る603号室に戻る。(★医師と看護師が消えており、部屋の空気が若干重い。小五郎達は何か深刻な事を話していたのでは、とコナンは推測する) 佐藤が、皆の前で『彼女』とのやり取りを報告。『彼女』が警視庁に言うかもしれない苦情が何なのか、小五郎にもコナンにも心当たりは無い。 コナン達が銭湯で会った人物について、目暮が詳細を質問。被害者(と推定される男性)の弟は、今朝会った探偵と同じ、「星威岳 吉郎」という名前だった。 もうすぐこの病院に来るので、聴取すれば、銭湯で会った探偵と同一人物かどうか分かるはす。→第2部-6・監視カメラを確認していた警官から報告が来る。事件現場の談話室内にはカメラは無かった。廊下には有り、談話室への出入りは撮れていた。被害者含め4人の出入りがあった。 佐藤刑事を被害者の弟の対応に残し、それ以外の面々は監視カメラの確認に向かう事にする。→第2部-6午後12時~午後12時48分頃・この間、『彼女』の病室に昼食が配膳される。コナンが持ってきたミルクティーを飲みつつ、食べる。飲み終えた後の空き缶は、食器回収のついでに捨ててもらう。 なお、昼食の前後も弁護士達と筆談は続いている。→第2部-9(★昼食後に『彼女』は病室内のトイレに入る。この時、予想通り、英理にねだったナプキンを使う時が来た)午後12時8分~午後12時10分・東都警察病院は、守衛控室が実質的な監視ルームになっている。守衛控室に向かう4階の廊下で、コナンが付いて来るのを小五郎が咎める。 が、目暮が止めた。「いいだろう、この事件で最後だから」と。コナンは目暮を追及しかけるが、小五郎の視線を受けて黙った。 (★ミルクティーを持って行っている間、捜査協力をもう止める約束をしたのか? と、コナンは推測)→第2部-6午後12時11分~午後12時35分・目暮達は、守衛控室で監視カメラの画像を見る。確かに事件現場の談話室には、今朝、4人分(正確には成人4人と赤ん坊1名)の出入りがあった。 まずモップを持った清掃員が出入りし、それから1時間以上間が開いた後で、赤ん坊入りのベビーカーを押した女性、毛布を持った被害者、右手首を吊った老人が立て続けに入る。 つまり実質的な被疑者は、女性と老人の2名。共にナイフを入れられる大きさの荷物を持っていた。→第2部-6・目暮の携帯に着信。佐藤からの電話。 被害者の弟が病院に来た。被害者の身元は、看護師の証言通り「入院患者(星威岳氏)の長男」で間違いない。→第2部-6午後12時36分~午後12時46分・603号室。佐藤は、被害者の弟である星威岳 吉郎氏からの情報を目暮に報告する。被害者の名は「夢見 竜太郎」、職業は俳優。 「他に被害者の家族が居ないのか」と、「父親が入院してからの兄弟の動き」を聴きとるよう目暮から指示。→第2部-7・佐藤は指示に基づき、星威岳氏から情報を聴き取る。被害者は夢見家に婿入りしたが、交通事故で婿入り先の家族を一気に亡くした人。 家族を失ったストレスで激太りして父親に心配され、名字を戻さないまま実家の物件(父親の隣室)に住んでいた。 その父親はこの警察病院で意識不明で入院中。母親は早くに亡くなっているので、被害者の顔を確認できるのは実の弟のみ。→第2部-7・父親はきのうの午前3時半に腹痛で搬送され、盲腸の緊急手術を受けていた。兄の夢見氏はずっと付き添っていたが、群馬在住の星威岳氏はきのう夕方に病院に駆けつける。 そのまま星威岳氏は兄の部屋に泊まるはずだったが、昨夜病院から「お父さんの容態が急変した」と電話を受け取る。兄弟は病院にまた駆けつけて一晩を過ごした。 日付が変わり今日の朝、星威岳氏は銭湯に行った後で、前から約束していた人に会いに行った。被害者の夢見氏は、最期まで病院に居たはず。→第2部-7・星威岳氏は1年ほど前まで、東京で金田という探偵の助手をしていた。金田探偵は病気で引退して亡くなり、星威岳氏はそれを機に独立して群馬で探偵をしている。 一方、金田探偵事務所と全く同じ場所で、今は金田探偵の甥が「金田税理士事務所」を開いている。その事務所に星威岳氏宛ての脅迫状が来ていたという。 「毎日届いて気味が悪い。内容を見に来てほしい」と言われ、今朝は脅迫状を見に行っていた。脅されている本人には心当たりが無い。→第2部-7午後12時47分~48分・星威岳氏の聴取が終わった直後に、目暮から佐藤に電話。聴取内容を報告した後で目暮から指示が出た。 「犯行時間に談話室に入った被疑者は2人居るが、そのうち1人は606号室に居る。片手を包帯で吊った年配の男性だ。事情を聴きに行ってくれ」 「被疑者は2人だが、別々の時間帯に入退室していてどちらが犯人なのか断定できない」とも。→第2部-8午後12時49分~午後12時52分頃・コナンは、『彼女』が入院する703号室に入る。病室には変わらず、『彼女』と弁護士達が居る。 捜査協力の邪魔になるから、小五郎はコナンにこの部屋で待つよう指示を出していた。 この病室に居ていい、と、コナンは『彼女』の了承を得る。弁護士達とは大体筆談だから、書いている内容を覗き込まなければ大丈夫らしい。→第2部-9 ・小五郎達は、もう一人の被疑者(ベビーカーを押した女性)の聴取のために隣の705号室に向かっている。 『彼女』は、隣の部屋に向かう人の流れを察知した。構造上、廊下の人の移動は分からないはずなのに。 何でそんな動きが分かるのか、「召喚者のことを言わない理由のヒントが、密接に関係している」と『彼女』は言い、コナンに探偵らしく考えてみるよう挑発。 コナンは音楽を聴きながら(★実はイヤホンで小五郎達の声を盗聴している)、思考に集中することにする。→第2部-9午後12時49分~55分頃・佐藤は指示通り606号室に入る。制服警官の他に、腕を吊った老人と、意識不明の女性患者(酸素マスク・心電図付き)が居た。 喋りになまりのある老人は、霧島 権兵衛と名乗る。女性患者は妹で、いつ死んでも不思議でない肺癌の末期患者。九州から見舞いに来たという。 彼は談話室に入った事は認めた。「自販機のお茶を買うために入った。毛布を被ってテーブルに突っ伏している人が1人居たが、話し掛けていない」と証言。→第2部-8・右腕のギプスは地元での交通事故によるもの。道を歩いていたら近くで車同士が衝突し、タイヤが飛んできた。避けたが、腕にぶつかって手首を脱臼した。 また霧島 権兵衛氏の妹は東京の杯戸で、息子と嫁と一緒に住んでいた。息子は医者、嫁は元看護婦。妹も医者。 ただ妹は酷いヤブ医者で、医療ミスで患者を死なせて刑事裁判沙汰になっていた。まだ地裁の判決前だが、肺癌のため亡くなって裁判打ち切りになる見込みが強い。→第2部-8午後12時51分~午後12時58分頃・目暮と高木と小五郎、そして婦警が705号室に入る。監視カメラに映っていた女性とベビーカーの赤子、ベッドの上で酸素マスクを着けて眠る若い男性患者が居た。 女性は談話室での殺人を知らなかったようで、事情を聴き非常に驚く。女性の名は蜜葉 鐘衣、入院中なのは夫で、連れている赤子は夫婦の娘(1歳1か月)だという。 夫の病名はクロイツフェルト・ヤコブ病。万引きで捕まり、地裁判決は出たが高裁判決はまだ。盗癖持ちで、盗んだ瞬間のビデオもあるのに足掻いていたらしい。→第2部-9・703号室では『彼女』と弁護士達の筆談が続いていた。『彼女』は、他人の直近の性行為を見抜く魔術で、誰がどこに居るのかを見抜いていた。 すなわち、非童貞と非処女限定のレーダーそのもの。当然だが小学1年男児が童貞捨ててるはずがなく、仕組み的にコナンは感知出来ない。(★コナンは、新一だった頃も、そういう行為の経験は無い。だからこの魔術で感知されるはずがない) 誰がどこで交わったのかも筆談で書いたため、弁護士がノートのページを切り取って持っておくことを提案した。『彼女』は了解する。→第2部-10、第3部-2午後12時59分~午後1時20分頃・小五郎達は705号室で蜜葉 鐘衣氏を聴取する。「談話室で飲み物を買おうとしたが、娘がグズり掛けたのでなだめていた」。「その後は障碍者用トイレを利用した」、らしい。 「最初は談話室の中には誰も居なかったが、途中から毛布を持った太った男の人が入ってきて、テーブルに突っ伏して眠り始めた」とのこと。 目暮の「持っているバッグを見せて頂けないか」という要請には、彼女は「男の人に見せたら困る物を選り分けさせて下さい」と懇願。その分は婦警が見ることに。→第2部-10・荷物を選り分けた後の雑談の中で、蜜葉 鐘衣氏は、「まさか警察病院で男の人が刺されて殺されるなんて」と発言。 小五郎は、「誰がどうやって殺されたのか、我々は意図的に全く喋っていないのに、何で知っているのか」を問い掛けた。 その後の反応で、この失言は自白と同じだと部屋に居た皆(★プラス、隣の病室で盗聴しているコナン)が理解する。→第2部-10、11・蜜葉 鐘衣は殺人を認めた。金田探偵と助手の星威岳の推理ミスで、勤め先の社長の殺害疑惑が掛かり、夫と夫の兄は失職するに至った。 せめて金田探偵に謝罪を要求しようとしたが、探偵事務所は親戚の税理士事務所になっていた。金田探偵は体調のせいで事務所を畳み、直後に亡くなっていた。→第2部-11・夫の兄は仕事を見つけたが、夫はそうでは無かった。ストレスで万引きで逮捕され、のち発病して入院。 蜜葉 鐘衣は嫌がらせで星威岳相手に脅迫の手紙を送っていた。そんな日々の中、きのう病院で星威岳探偵を発見した(と思い込む)。 「星威岳」のプレートがついた病室に入って行ったから、運命の巡り会わせだと思った。殺害のチャンスは、今日、来た。→第2部-11・目暮は蜜葉 鐘衣を一喝する。「アンタが殺したのは別人だ!」と。殺害されたのは夢見 竜太郎。顔がそっくりだが体格の違う、星威岳探偵とは名字の違う実兄。 「1歳の子が居るのならば、まずその子のことを考えなかったのか」と説教の上で、連行する。→第2部-11午後1時19分~午後1時30分頃・703号室にて、隣室での事情聴取終了を『彼女』は魔術で感知。弁護士達との約束の通り、筆談に使ったノートを破いて弁護士に渡す。 直後、小五郎が『彼女』の病室に入って来る。小五郎はノートの使用に気付いて、何かに使ったのか質問。 筆談に使った事をコナンがバラす。ただ『彼女』も弁護士達も、「男の人に読まれたら困る」として、筆談の内容は教えない。→第2部-11・『彼女』への、英理からの差し入れがノートだけではない事を、コナンは初めて知った。何を差し入れたのか英理は答えず、『彼女』からはヒントが出る。 そのヒントから導かれる答えは「ナプキン」、おまけに『彼女』が今日から使っている状態だとも知らされ、コナンは狼狽える。→第2部-11・『彼女』は突然、真剣な顔で小五郎に問い掛ける。 「今の人格の状態で、もし仮に『わたし』が何か人生に関わる決断をしたとして、『お父さん』は、その決断を応援してくれるのかな?」 小五郎の回答は、「内容による。娘の人生を左右するものなんだから、それこそ無条件に応援するなんて言える訳がない」 常識的な内容だが、『彼女』は予想外の泣き笑いの顔を見せる。『サキュバス』の記憶が余計に惨めになったから。『サキュバス』の父親はロクな親じゃなかった。→第2部-11・『彼女』は、『蘭』の両親に向き合った。 「これから『わたし』は、色んな決断をすると思う」「その決断がどれだけ馬鹿馬鹿しいものに見えたとしても、それは考え抜いた末のことだと頭に入れておいてほしい」 また、コナンに対しては「召喚者の事を喋らない理由、明日か明後日に答え合わせをしよう」と提案。 コナンは、『彼女』の脱走なんて想像だにせず、病室での答え合わせを思い浮かべて了解する。 もっとも、『彼女』は病院からの脱走と、その後のインターネットで事情を暴露することを密かに決めていたのだが。→第2部-11、第3部-2午後9時36分・『彼女』、召喚者の元へ脱走。個室のトイレの内部で、(★召喚魔術での繋がりをベースにした)転移の魔術を使う。洋式便座の蓋の上にノートを広げて、書置きを残しておく。 (★魔術には、哺乳類の体液を用いた転移の符が必須。『彼女』は、ノートと、自前の経血を使った。もっとも、魔道具としては簡易の極みで、性能は安定せず。 召喚者から魔力の補助を得て、何とか転移が成功する)→第2部-エピローグ、第3部-プロローグ(★転移した先は、召喚者の屋敷。そもそもの始まりとなった、異世界からの『サキュバス』の召喚が行われた部屋。召喚者は黒い仮面を着けて立っていた。 絶対に素顔を見せず、名を明かすことも無く、必要なときは『サキュバス』の故郷の言葉で『Reune(あるじ)』と呼ぶように命じた、召喚者。 懐かしい部屋で召喚者と向き合い、『彼女』は病院から脱走してきた理由を話し始める)→第3部-プロローグ午後9時37分~44分の間・東都警察病院の看護師、『彼女』が703号室から居なくなっていることに気付く。 見張りの警官と看護師が部屋に入り、トイレの状態から脱走だと即座に判断。捜査本部と『蘭』の両親に連絡が行く。午後9時45分~午後9時52分頃(★コナンは平次と電話し、今日発生した殺人事件の顛末を話す。 被害者の夢見氏はどうも生前AV男優だった。被害者の父は盲腸で亡くなった。被害者の弟の星威岳探偵は、混乱しつつ毛利探偵事務所にお礼の電話を掛けてきた。 入院中の『彼女』のことに話が及び、コナンは『彼女』が出したヒントについて話を振ろうとする。が、小五郎がやってきたため通話を終了せざるを得ない)→第2部-エピローグ(★勢い良く部屋に入って来た小五郎は「『蘭』が病院から消えた」とコナンに告げる。 警察病院へ向かう間、コナンを阿笠博士の家に預けようとする。でもコナンは、「僕も病院についてく」と言い張り、実際に付いて行った)→第2部-エピローグ午後10時10分・この時点で、『彼女』の病室のトイレを鑑識がしつこく調査中。 『彼女』の転移魔術の結果、トイレの壁は一部変色、床は砂まみれになっていた。便座には彼女の書置き付きのノートが残っている。→第2部-エピローグ深夜・小五郎、コナン、英理、トイレに残された『彼女』の書置きを警察から見せられる。 小五郎と英理は、保護者として娘である『毛利 蘭』の捜索願を提出。→第3部-2、9~~~~~~ ↓ 以降、8月15日の出来事 ↓ ~~~~~~朝~昼前(★召喚者と『彼女』、起床後、改めて今後について協議する。『彼女』の生存のためには、誰かを悲しませることが前提。 今後、どんな風に感情に折り合いをつけるか、どんな術を使うか、誰にどこまで情報を明かすかが協議される)→第3部-1、3・警視庁及び警察庁の上層部は、『彼女』の脱走事件への対応を協議する。『毛利 蘭』の情報は、本来は警察内部限りで手配されるべきだが、この件ではそれすらしないこととする。 召喚者は7日の段階で、『毛利 蘭』の情報が漏れないように要求していた。召喚者を刺激させるのは不味い。 漏洩のリスクを考えると、警察内部限りと厳命して情報を流すよりも、そもそも警察内部にすら情報を回さない方が安全。→第3部-9昼前・『彼女』の病院からの脱走がニュースになる。→第3部-1午後11時30分以降~午後12時4分頃(★召喚者、『彼女』が書いた文章データ入りのSDカードを持って、都内某アパートの女子トイレ個室に魔術で転移。 隣の個室に向けて手荷物を忘れるように暗示を掛け、携帯電話を入手する)→第3部-1午後12時5分~午後12時9分頃・召喚者、『彼女』の文章入りのSDカードを携帯電話に挿し、ネットの掲示板にテキストを貼り付けて投稿する。『彼女』の文章を、召喚者が代理投稿したのだと明記。 この書き込みで、警察病院での大阪府警とのトラブル、直近の性行為を見抜く魔術のこと、弁護士達との筆談の事実が世間に明かされた。 魔術の証拠として、検証しやすそうな性行為の情報が2件記載される。共に、警察関係者のラブホテルでの営み。1件は問題無い独身男女の例だが、もう1件がどうも違法薬物事案。 また、弁護士にも言わなかった事実として、魔術の自動発動が続くと廃人になること、だからこそ生存のために召喚者の元に逃げたのだ、と記載。→第3部-1・書き込みの後、召喚者は使用した携帯電話を破壊。下水に流して(★転移魔術で)逃走。→第3部-1・書き込みは即座にネットで拡散。警察への通報も相次ぐ。→第3部-1午後12時20分~午後12時25分(★警視庁捜査1課にて、昼食中の目暮の元に松本管理官が来る。「監察と捜査本部から呼び出しが来た。多分この件の確認だ」との前置きで、召喚者の代理投稿内容を見せられる。 目暮の記憶と辻褄の合う内容の自白。何とか読み通し、苦々しい事だが『彼女』の手段は賢いと感じる。 直近の性行為を見抜く魔術の件が真実なら、捜査本部の捜査員を再編成せざるを得ないだろう)→第3部-1・目暮は『彼女』に情報を見られた可能性がある、と管理官に報告する。 書き込みに載っていた性行為の情報の内、薬物事案でない方は、高木と佐藤の情報かもしれないことも報告。→第3部-1昼~夕方にかけて・警視庁は、すぐさま投稿内容の確認に動く。きのう警察病院の7階に行った警視庁の者は、(本来非番だった者を含めて)皆呼び出された。 調査の結果、投稿に書かれていた性行為の情報のうち、薬物事案のカップル=婦警など3名、薬物事案でない方のカップル=佐藤と高木、が確定。 性行為の日時・場所の裏付けも取れ、『彼女』の魔術関係の記述は事実であろうと判断される。→第3部-1、2、3・小五郎、英理、コナンの3名も捜査本部で聴取を受ける。警察に呼び出された時点で、召喚者の代理投稿は3名とも読了済。皆、『彼女』が書いた文章だとすぐ勘付いていた。 きのう『彼女』から出された謎の答え合わせは、病室ではなくこの書き込みで為されたのだ、とも気付く。 警察に対して、弁護士である英理だけは証言を渋った。が、結局、読む限り書き込みの内容に嘘は無い事を、認めるに至る。 書き込み内容に『彼女』にしか知り得ない情報が書かれていたと、捜査本部も、『蘭』の家族3人も共通の見解になる。→第3部-2・『彼女』は、魔術で掴んだ人の移動を検知できていた(=つまり、非童貞と非処女限定のレーダーを持っているのと同じ)ことを、捜査本部が把握。 それを知った捜査員はコナン達の目の前で頭を抱えた。→第3部-2・逆にコナン達は、捜査本部からの報告を通して情報も得た。 召喚者の投稿は、これまで事件に全く関与したことのない第三者の携帯からの書き込み。捜査関係者も、『蘭』の家族も、『本人』に付いた弁護士も投稿者からは除外される。 消去法で、投稿したのは『サキュバス』側の誰か。忘れ物の携帯電話を、召喚者が盗んだ線が濃厚である、と。→第3部-2(★小五郎と英理は、聴取終了後派手に喧嘩をした。小五郎にとって、弁護士に守秘義務があるのは分かっていても、大事なことを隠されるのは受け入れられない模様。 喧嘩の結果、英理は泣きながら帰宅。小五郎は帰宅後事務所で酒浸り。コナンはフォローを頑張るが、夫婦仲の崩壊を危惧する状況)→第3部-2(★『彼女』、転移魔術で阿笠博士宅前に出現、家の郵便受けに封書を直接投函。 宛名は博士と新一の連名。差出人は蘭の名前。表の面には『親展 17日までにお二人御揃いの場で開封下さい』と記載)→第3部-2午後6時15分(★毛利探偵事務所に帰宅したコナン、平次に電話を掛ける。平次は召喚者の代理投稿を読了済みで、コナンを案じている。コナンは今日の聴取で知った情報一切を打ち明けた。 一通りコナンが話したタイミングで、コナンのもう1つのスマホに阿笠博士から着信があった。一旦平次との通話を切る)→第3部-2(★博士は郵便受けにあった『彼女』の封書を発見し、その場でコナンに電話を掛けていた。封書の特徴を知らされたコナンは驚く。 明日博士の家に向かうから、それまで絶対に封書を開けないよう強く頼む。ただ、この通話では『蘭』が『サキュバス』の事件に巻き込まれたことは話さない)→第3部-2、3午後7時頃~午後8時30分頃(★高木、警視庁での聴取が終わってすぐに、佐藤に様子を案じるメールを送る。真っ直ぐに帰宅してから夕飯を食べる)→第3部-2午後8時30分~午後8時40分頃(★高木のスマホに、佐藤から電話が来る。佐藤の声はかなり沈んで落ち込んでいる様子。性行為の情報を『彼女』に見られた挙句、ネットに暴露されたのだから当たり前だが。 佐藤に促されて、高木は自室のテレビをつけた。画面にテロップが出ている。 例の性行為暴露の書き込みの内、自分達ではない方の当事者が、覚せい剤取締法違反で逮捕された模様)→第3部-2(★佐藤と高木は、今後どうなるか推測する。TVのテロップになったということは、これからニュースで集中的に掘り下げられる。魔術のことも一から説明されるだろう。 薬物事案のカップルの方がインパクトがあるのだから、佐藤と高木の方は、忘れ去られてほしい。咎められる要素は無いから、警視庁は、佐藤と高木の所属も名前も伏せるという。 『彼女』も、何も違法なことしないまま、保護できれば良いんだが)→第3部-2~~~~~~ ↓ 以降、8月16日の出来事 ↓ ~~~~~~午前6時30分~午前7時20分頃(★召喚者宅の地下の個室で寝ていた『彼女』、召喚者に起こされる。召喚者が持って来た水で顔を洗い、召喚者が持って来た朝食を食べる。 召喚者は顔を晒さないけれど、でも『彼女』との時間は長くとりたがる人。 仮面を外すところを見られたくないためか、食事は別の場所で摂って、すぐ『彼女』の部屋へ戻ってくる。食後のひととき、『彼女』は新聞を読む)→第3部-3・日売新聞朝刊1面で『彼女』のことが大きく取り上げられている。 『彼女』の脱走も、召喚者が代理投稿した『彼女』の書き込みのことも。但し、『毛利 蘭』の身元についての情報は無い。 書き込みに基づき、婦警など3名が逮捕されたことも明記されていた。婦警の身柄確保→薬物検査→逮捕→聴取→彼氏2人の居場所捜索→確保まで1日掛かっていない。 (★もう、婦警が『彼女』に接触することは無いだろう、と召喚者は推理。警察にとっての恥さらしの記憶が見えるのだから)→第3部-3・別の新聞の朝刊ではコラムが載っている。報道機関OBの評論家が書いた、召喚者と『彼女』に宛てた内容で、タイトルが『召喚者と君へ せめて誰も悲しませない選択を』。 (★記事を見た召喚者と『彼女』からは苦笑しか出ない。悲しませる人を全く出さないのは無理。 もう誰かを悲しませることを前提に、感情にどう折り合いをつけるのかという段階だったから)→第3部-3午前9時30分~午前9時50分頃(★コナン、毛利探偵事務所を出て阿笠博士宅に向かおうとする。新一と博士宛てに来た、『蘭』名義の郵便を見に行くのだが、小五郎にそんな事情は話せない。 「博士の家で夏休みの工作を作る。もしかしたら泊まり込むかも」と言ったら、小五郎は何を作るのか訊いてきた。コナンはとっさに「紙箱で何か作る」と返答。 小五郎は家じゅうの紙箱を探し始めて、コナンに持たせた)→第3部-3午前10時2分~午前10時20分頃(★コナン、博士宅に大量の紙箱を抱えて来る。小五郎から連絡には話を合わせるよう、博士に頼む。 何故『蘭』の名で手紙が届いたことにコナンが驚いたのか、博士は問う。コナンは、『サキュバス』事件の経緯を、灰原 哀と博士に打ち明けざるを得ない。 事情を聴いた2人は、『蘭』の件をコナンが秘密にしていたこと、それ自体は受け入れた)→第3部-3(★ではどうして今、そんな事件に巻き込まれた『蘭』=『彼女』から手紙が来たのか? 手紙の宛先は博士と新一の連名、『親展 17日までにお二人御揃いの場で開封下さい』と記されている。求められている者が両方居るのだから開封するしかない)→第3部-3(★手紙は、新一宛。15日昼の召喚者の代理投稿を新一が読んだ前提で書かれていた。 異世界に居た『サキュバス』は、元々、「他者を分析する・見抜く魔術」を比較的得意とする種族。異世界から召喚された後、融合相手を探すためにたくさんの人を分析した。 新一が幼児化したことを経緯ごと見抜き、厄介な人間がそばに居ると分かっていながら、『サキュバス』は融合相手に『蘭』を選ばざるを得なかった。 新一=コナンだと、今の『彼女』は把握している。16日か17日の夜9時半に博士宅の庭で会いたい。警察に通報せずに人払いして待ってほしい、という内容)→第3部-3、4(★手紙を読み、コナンはこれまでの『サキュバス』の書き込みを思い出す。 『蘭』に融合する前の書き込みによると、『サキュバス』は黒づくめの組織の存在も把握済のようだった。 今の『彼女』には、新一がどんな経緯でコナンになったのかも見抜かれている、と考えるのが自然)→第3部-4(★ある意味では一番知られたくない相手(『蘭』と融合した『犯罪者』)に、コナン=新一だと知られてしまった。 哀はコナンに、『彼女』が求める通りに会うのか会わないのか、あるいはFBIかどこかに保護を求めるのか、問い掛ける。 コナンは「会う」と答えた。「人格の混じった『蘭』が、何を考えてこんな手紙を送ったのか、直に会って訊きたい」と理由を言う)→第3部-4昼~夜にかけて(★コナンは急ピッチで夏休みの宿題と工作をこなしつつ、哀や博士と話し合う。 指定の時間に、庭に出ておくのはコナンだけ。哀と博士は室内待機し、盗聴器等で会話を監視。 『彼女』が求めが犯罪行為の支援である場合は拒絶。それ以外の支援の場合は内容により検討する)→第3部-4午後9時20分頃・ネット上のニュースサイトに、『サキュバス事件 捜査本部の謎判断 女子高生の顔も氏名も手配されてない!?』という記事が出る。 人格を巻き込まれた女子高生(=毛利 蘭)の病院からの脱走後、顔や名前が警察内部で手配されるのが当然であるにも関わらず、それが為されていない、という内容。 『彼女』や召喚者が降臨したスレッドは、スレ番を重ね、事件に関心を持つ者が集う場と化していた。新規に出た記事として、すぐにリンクが貼られて話題になる。(★博士宅の2階で待機していた哀は、スマホでの情報収集中にこの記事を把握する)→第3部-7午後9時20分頃~午後10時(★紅子の屋敷の執事は、紅子に命じられて、この時間帯に出たサキュバス事件の新規記事をインターネットで収集する。 記事は全て印刷し、まとめてレタートレーに入れて地下室のドアの前に置く)→第3部-7午後9時30分~午後10時8分(★約束通り9時30分に、博士宅の庭に立っていたコナンの目の前に、転移魔術の赤い光と共に『彼女』が出現。同時に庭の隠しカメラは壊れ、博士と哀は音声のみ盗聴する羽目に。 『彼女』は「ここでのやり取りは召喚者も聞いている」と話し、新一(=コナン)も盗聴器を着けているだろう、と釘を刺す)→第3部-4、5(★哀どころかFBIや公安のことも、コナンが黒の組織について知っていることは、『彼女』は丸ごと見抜いていた。 もっとも、『彼女』は面倒事に首を突っ込む気は無いらしい。警察とかにそういう秘密をぶちまけたところで、新一(=コナン)だけが危険になるだけ。 「新一は死なせたくないなぁ」というのが彼女の弁)→第3部-4(★『彼女』の生命の危機を回避するために『彼女』が思いついている方法はふたつ。 ベストだと思う方の手順が順調に進んでいけば、『蘭』は元の人格を取り戻して両親の元に帰ってくる。 『蘭』と『サキュバス』の人格が再分離するように、仕込みに掛かる。生きている誰かの人格は巻き込まないが、人を悲しませる手段を使う。 『蘭』は融合中の記憶を全て忘れているとするなら、コナンは『蘭』の帰還を待っていてくれるのか。そんな問いにコナンは大声を出し、『彼女』は慌てる)→第3部-4、5(★『彼女』は、『サキュバス』の生態について情報開示を決めた。 ホモ・サピエンスが最低限死なないために、大気と、水と、食糧が必要。『サキュバス』には、更にもう1つ必要な要素があった。それは、「魔力」。 ではその魔力はどうやって身体に取り込んでいたのか。コナンが推理した「大気から」、という答えはハズレ。正解は、「異性との性的接触」)→第3部-5(★元々異世界から召喚された少女は、身体に、他者から受けた精を魔力に変換する、云わば変換回路を持っていた。 定期的に異性と交わらないと生命を維持できないから、召喚者は、『サキュバス』と命名した。 庭の会話を盗聴する哀は、誰かと交わらないと生命を落とす種族の子には、『サキュバス』は確かに向いている名前だ、と思う)→第3部-5(★コナンは、何で元々の生態が自首をためらう理由になるのか訊いた。『彼女』はこれまで話した内容を再確認する。 『彼女』は、魔術の自動発動のせいで、放っておけば魔力の欠乏から生命の危機に瀕している。 ベストな方法は、『サキュバス』用の新しい身体の創造と、融合した人格の再分離)→3部-5(★新しい『サキュバス』用の身体は、この世界で壊れず、魔力の変換回路も練り込んでいる。そんな都合の良い身体を創った上で、人格を再分離したら、どうなるか。 正解は「『蘭』は、その身体で元の人格を取り戻す。『サキュバス』は、定期的に誰かと寝れば魔力を維持できる、つまり、魔力不足にならない身体に分離する」 それこそ『サキュバス』が自首をためらう理由だった。定期的に誰かと交わらないと死んでしまう女の子を、この世界の司法は扱った事が無い)→第3部-5(★哀は、そもそも人格分離後の『サキュバス』が少年法や刑法で裁く扱いになるのか疑問に思う。ホモ・サピエンスではない子に人権が認められるのかも怪しい)→第3部-5(★コナンは、『彼女』の生命の危機を回避するもう1つの方法に、自力で辿り着いた。 要は、どうやって魔力を入手するか、精を魔術に変換する回路をどこに刻み込むかという話。もう一つの方法は、融合した人格のまま『彼女』=『蘭』の身体に変換回路を刻む事。 それは、定期的に誰かと交わらないと死んでしまう、かつ、二度と子どもが産めない身体への改変。精神的に病む確率も高いが、『彼女』の生命は維持できる)→第3部-6(★怒りで再び大声を出しかけたコナンを、『彼女』は遮った。コナンの両肩に手を置き、密かに魅了の魔術を掛ける。 『蘭』の倫理観を召喚者も見透かしたから、人格の再分離という方法がベストだと判断した。 再分離後は、融合した間の事を、どちらかが全て覚えて、どちらかが全て忘れてしまう。『サキュバス』が記憶を引き継ぎ、『蘭』が忘れる形だと筋は通る)→第3部-6(★『彼女』は今夜コナンに会いに来た真の理由を告げる。コナンが無事で生きていると確信している間は、『蘭』も『サキュバス』も、自分のやっている事に耐えられる、と。 すぐには理解できない意味深な内容に、コナンは言葉の意味を問う。が、『彼女』は杖を取り出して魔術で応える。 魅了を受けて身動きできないコナンに、『彼女』は加護の魔術を付与。魔力を受けてコナンの意識は薄れ、『彼女』は身体を抱き留める)→第3部-6(★コナンは『彼女』の腕の中で暴れ、魔術を解くように要求。その動きを抑えて、『彼女』はコナンに告げる。 これから手の届かない頭越しで色んなことが決まっていく。最終的には『蘭』は帰ってくる。その時を見届けたいのなら、帝丹小学校の生徒を続けて、と。 コナンは『彼女』から離れるも、魔術による目まいで尻もちをつく。帰って来る時を見届けてほしいのか、という問いに、『彼女』は笑みを見せた。 『蘭』にとっての愛しい人(=工藤 新一)には、せめて『蘭』が帰って来る時を見届けてほしい。『蘭』の心に触れた『サキュバス』からの心からの願い)→第3部-6(★コナンは『彼女』の告白に真っ赤になるが、目まいが酷過ぎて立ち上がれず、でも『彼女』に詰め寄ろうとする。 『彼女』は、目まいと吐き気はたぶん一晩で治るわよ、と言い残す。呆然としたコナンを残して、『彼女』は転移魔術で庭から消えた)→第3部-6午後10時9分(★『彼女』、転移魔術で、召喚者の屋敷の地下に帰還。博士宅の庭でやりたかったことは全部出来た。『彼女』は今後の予定を確認する。 これから少し休憩して本日最後の転移(=佐藤刑事宅への手紙の投函)。午後10時までにネットに出たニュースを確認して、問題無ければ用意した文面のまま手紙を出しに行く。 執事が収集したニュースを見て、手紙を書き換えた方が良さそうだと2人は判断する。『蘭』の家族にフォローが必要そうな記事があった)→第3部-7午後10時15分(★『彼女』の加護の魔術は、コナンに目まいと吐き気をもたらした。博士に抱えられて家のベッドに移動し、洗面器に向けてえづく。哀はコップの水を枕元に置く。 哀は、コナンにこのまま寝るよう促した。予定では『彼女』との会話を振り返るはずだったが、コナンはまともに頭が回る状況じゃない。博士も賛同。朝に会話の録音を聴けばいい。 だがコナンはその説得を拒絶。哀はあきれて、「いつ推理しようが大して変わらないわよ。警察が変な対応しているらしい事件なのに」と言ってしまう)→第3部-7(★コナンは哀に食いついた。警察の対応についてのニュースをコナンは知らない。教えたら寝てくれるのか、という哀の要求をコナンは呑む。 考えるネタが多い方が気が紛れるらしい。哀は諦めて情報を伝え、その上で、ネットの記事だから信憑性は有る訳じゃない、と釘刺し。 『蘭』の情報が、警察の中で上手く手配されていない。未成年の犯罪者と同じ扱いで、『蘭』の顔や名前が、警察内部限定で手配されるのが当然なのに、されていない)→第3部-7午後11時55分・『彼女』は、佐藤 美和子刑事が暮らすマンション1階の郵便受けに手紙を投函。その姿はマンションの監視カメラに映る。 封書の表面の宛先は佐藤 美和子と高木 渉の連名、差出人は毛利 蘭。朱書きで『中の紙は素手で触らないでください』。 裏面に『先日のハニーロードの件で、デリケートなお話があります。あなた達の身体に関して、わたしが視たことについてです』と記載→第3部-7~~~~~~ ↓ 以降、8月17日の出来事 ↓ ~~~~~~午前7時32分・佐藤 美和子刑事の母、郵便受けに入っていた『彼女』の手紙を娘に見せる。新聞を取りに行った時に気付いた模様。(★差出人の名前を聴くなり、刑事である娘は驚いてむせかけた。母には事件関係の手紙だと明かす。母に促され)手袋を着用の上で手紙を受け取る。 電話を掛けるべく自室に籠る→第3部-7午前7時36分~午前7時50分頃・佐藤は高木に電話を掛けた。手紙の件を話すと高木も驚く。佐藤が手紙を読み上げ、高木はその内容を電話越しで聞くことに。 封筒を開く。全体的に灰を帯びた色の、ゴワゴワした厚い1枚の便箋。ボールペンで書いたらしい文字列がビッシリと並んでいる。→第3部-8・手紙は本文と追伸欄に分かれていた。15日昼の召喚者のネットでの投稿を読んだ前提で書かれている。 本文には、『彼女』が魔術で見抜いた内容を知らせるもの。弁護士にも話していないが、『彼女』には、佐藤と高木は肝炎をうつし合っていたように見えた、らしい。 また、便箋の紙は素手で触ると砂になる材質で、追伸欄はともかく本文まで報告するべきかは佐藤と高木の判断に任せる、とある。→第3部-8・追伸欄は、警視庁上層部へのメッセージ。 8月7日夕方の、刑事部長室のネズミと手紙の件について、蘭の両親と、この手紙を宛てたカップルさん達には情報を開示しても構わない、という内容。 意味深で佐藤も高木もよく分からないが、上層部に見せたら通じる内容であろうことは理解できる。→第3部-8・手紙を全部報告するべきか、つまり本文を砂にして隠すべきかを佐藤と高木は話し合う。報告した場合、肝炎がどうこうという箇所が警視庁の上層部に知られることになる。 魔が差しかけたが、『先日のハニーロードの件で、デリケートなお話があります』という封筒の文は佐藤の母に見られていたため、仮に隠しても隠し通せない、という結論に至った。 また2人は、8月7日に刑事部長室で何があったのかを訝しむ。→第3部-8午前8時~午前11時頃にかけて・佐藤、手紙の件を目暮警部に電話で報告する。警部経由でサキュバス事件の捜査本部に連絡が行く。 捜査員が佐藤宅に赴き、手紙を回収。高木の元にも捜査員が来て、身柄を確保。カップルは捜査本部で別々に聴取を受けた。 それから警察病院で肝炎検査を受けに行かされる。『彼女』の指摘通り、B型肝炎をうつし合っている事が確認される。→第3部-9・佐藤宅に来た『彼女』の手紙の件も、カップルの病院での診察結果も、小田切刑事部長はじめ警視庁と警察庁の上層部に伝わる。 その手紙の内容を踏まえ、佐藤・高木カップルと蘭の両親に、これまで秘匿されていた、7日の召喚者手紙出現事件の経緯を教えることが決まる。 佐藤と高木には、小田切刑事部長が直に話す。蘭の両親には、本日14時に、鑑識と刑事部長の秘書が説明することに。→第3部-9午前11時32分~午前11時52分頃・佐藤と高木、刑事部長室(本来は会議室だった部屋)に呼び出される。2人は小田切刑事部長と向き合う。 今月6日~7日頃の事件の推移を再確認した上で、刑事部長の口から、7日の召喚者の手紙とネズミの出現事件のことが明かされた。実際に出現した便箋の文面(写真)も示される。 その手紙を読んだ上で、思った事を言うように、疑問も出来る限り訊くように、刑事部長は2人に命じる。→第3部-10・召喚者は、刑事部長室に手紙とネズミを送ることが出来た。仮に召喚者を怒らせたら、もっと困る場所に有害な物が出現しかねない。 転移の魔術を防ぐ方法が警察側に無い以上、召喚者の要求に従わざるを得なかった。手紙の出現事件自体も、要求通り、警視庁と警察庁の上層部のみに秘匿された。→第3部-10・小田切は、前日夜にネットに出た記事のコピーと、今日佐藤宅に来た手紙の写真も、加えて2人に提示する。 『彼女』の病院脱走後、『蘭』の情報は手配しない決断が為されていた。その手配情報が漏れてしまえば、召喚者の要求に反する。 それを不審に思った奴が居て、ネットの記事になっていた。→第3部-10・改めて、今朝、佐藤宅に来た手紙を読む。 刑事部長室に湧いた便箋は、素手で触ったりすると砂になる、特異な灰色っぽい紙。警察関係者への手紙には同じ紙を使う、とあった。 佐藤は警察の者だから、刑事部長室に出現した便箋と同じ紙が使われた。他人が作ろうとしても真似できないから、誰かが召喚者を騙るのは不可能。→第3部-11・事情を知っている者の発想はひとつでも多く欲しいから、今ここで思い付いた推理はどんどん言うよう、改めて小田切は促す。 佐藤と高木は考察を連ねる。→第3部-11 ・佐藤と高木の考察1―『彼女』の理想を踏まえた、警察の対応 『彼女』の理想は、『生命の危機に瀕することなく、この世の中で平穏に一市民として生活できること』。 法の裁きを受けて、裁かれた通りに務めた後なら、世の中で暮らせる。だから自首しろ、という線で説得できないか。『彼女』の生命の危機が解決しないと難しいだろうが。→理想が分かっているのなら、今の段階でも呼び掛けられないか? 周囲の人選から何から気を遣って、人為的に魔術の自動発動を抑えた場所。そんな、『彼女』がとりあえず死なない環境をつくったなら、自首は呼び掛けられる?→一生『彼女』をそこに留め置くことになる。一市民としての生活を望む者には飲めそうにない話。だが、魔力の知識が一切無い警察が提案できる方法は、それ位しかない。・佐藤と高木の考察2―刑事部長室に出現したネズミの意図 刑事部長室に出現したのは、手紙とネズミの死骸。手紙によるとネズミは『魔力の塊』らしい。鑑識が調べた結果は普通のネズミ。ただ手紙の通り、6時間後には完全に砂になった。→もし高木が召喚者なら、そのネズミに、魔術で発信機能なり盗聴機能なりを付けておく。警察の、魔術関係の伝手や技術を探るために。→実際には、警察にはそんな伝手は存在しない。自称『魔術を知る者』や『魔力持ち』の、警察への協力申し出等は山ほど来ているが、名前と連絡だけ聞いて全て断っている。 警察には、その手の話の真偽も区別できない。申し出の中に本物が居ても、よほどの証拠が無い限り信用できない。・佐藤と高木の考察3―警察が出来ること、召喚者が出来ること 拘置所被告殺人事件の遺留品は、坂田と沼淵の遺体以外、事件3日後にはほぼ全て砂に変わっている。警察にとって推理することが何より大事。(=それくらいしか出来る事が無い)→召喚者はどれだけの事が出来るのか。物を出現させる時に、現地の様子を把握出来ないように読める。だが、手紙にわざわざ書いたのは何故? 実際に誰が居たのか分かっているのに、分かっていないように偽った?→召喚者と『サキュバス』にどこまでの事が出来るのか。警察が関知している術以外に、使える魔術があるのかも。佐藤の住所を突き止めた経緯も謎。蘭に住所を知る機会は無かった。午後2時~午後3時30分頃・小五郎と英理とコナン、捜査本部にまた呼び出される。本来小五郎と英理だけ呼ぶはずが、手違いでコナンも呼び出され、結局コナンだけ部屋から隔離された。 小五郎と英理に対して、8月7日に刑事部長室に出現した手紙の件が公表される。今朝に佐藤刑事宅に来た手紙の件も、本文は教えられなかったものの、追伸部分は明らかにされた。 この説明の中で、今の警察に、召喚者達を止める方法は無い、と捜査員が明言。(★コナンは、密かに小五郎に盗聴機を着けていた。英理が文章を音読したこともあって、コナンもおおよその事態を把握する)→第3部-エピローグ・説明終了後、小五郎と英理の雰囲気が酷く険悪になる。オロオロする小学1年生を演じたコナンの言葉で、帰りの車中ではだんまりが維持された。→第3部-エピローグ午後3時52分・小五郎と英理、毛利探偵事務所2階で派手な口論を開始。コナンは3階に駆け上がり、周囲に誰も居ない状況を作り出した。→第3部-エピローグ・コナン、阿笠博士宅に電話を掛ける。博士は家に居たが灰原は不在。灰原には後で電話を掛けることにして、コナンはとりあえず博士と話す。 警察で会話を盗聴した経緯は明かすが、盗聴した内容は伏せた。ただ、『蘭』が『サキュバス』の事件に巻き込まれてしまってる事を誰にも話さないよう、博士に釘を刺す。 相当に不味い事態が起こっていることらしい、と、博士は悟った。コナンも、警察が負ける恐れが高いことを改めて認識する。→第3部-エピローグ 3月14日 初出 作中8月11日分(およそ第1部終了)まで掲載3月15日 作中8月14日途中(およそ第2部-5)まで追記3月23日 作中8月14日途中(およそ第2部-11)まで追記3月28日 作中8月14日分(およそ第2部終了)まで追記4月14日 作中8月17日途中(およそ第3部-8)まで追記4月25日 作中8月17日分(第3部終了)まで追記 ようやく作成完了!5月10日 作中第1部-3の変更(蘭が持っている端末を、携帯からスマホに変更)を反映大変遅くなりました。途中で記述が細かすぎることに気付きましたが、引き返せずに突き進みました。まさか1月以上かかるとは……第1部の簡潔さと対照的に、第2部以降が細かく複雑になった事を実感するまとめ作成でした。作業の中で、書いた話の矛盾に初めて気付いたりしています。修正できるところは修正しましたが、見落としている点があれば御指摘頂ければ幸いです。なお、最近、原作(少年サンデー誌上)で松本管理官が昇格&異動し、他のキャラクターが管理官になりました。迷いましたが、取り敢えずこちらの作品ではキャラはそのままにしています。今後も、こういう原作と設定が乖離するような場面が生じるかもしれませんが、執筆時の設定に準拠する、ということでよろしくお願いします。