――――あんな事を言ってアレだが誤解しないで頂きたい。純夏を迎え撃とうとする俺の内心は冷静だった。『みんな……殺すッ……殺す殺す殺す殺す!!!!』「構わん、H行こう!!」『うがああああぁぁぁぁーーーーッ!!!!』「♂いざぁ♂」いくらバーサーカーモードの某洗脳ファイターの様な気迫を持っていようと、彼女の肉体は女性である。よって冥夜と慧に真剣に対峙すれば、普通に楽勝だった俺がシッカリと相手にすれば容易に捉えられるだろう。速瀬が相手の時に多々有ったアレは……只単に俺が女性相手だと言うことで油断していた事にしといてください。さて置き。純夏をガッチリ捕まえたとして、どうすれば彼女は落ち着いてくれるのかが問題となってくるな。暴れる酔っ払いや精神障害の人の相手とは同じ様に思えて相場が違う。彼女は肉体を得たばかりの人間なのだ。そう考えれば、やはり好き放題に暴れさせて置いて精神とカラダが順応してくれてからの接触が妥当だが……霞に大見栄を張ってしまったからには抗わなければならず、まァ俺は否"白銀"なら何とかしてくれるだろう。≪――――純夏。正気に戻ったんだな?≫≪うんッ! タケルちゃんの御陰だよ!!≫つまり主人公 特有のNA☆DE☆POを発動させる事により、純夏は奇跡的に心を取り戻してくれるのだ!!無論お約束として、俺が彼女を捕らえても中々正気には戻ってくれず……色々と抵抗されたりもするだろう。んでソレを見て霞が当然 心配するが、あえて苦戦してる様に見せつつ。安心させる為に声を掛けるのも忘れない。そうなれば一連の動きで俺と純夏の肉体が必要以上に触れ合ってしまうのは必然であり、密着は不回避である。故に不可抗力と言うヤツであり、最後は迷惑を掛けた"お仕置き"と言う事で"ダーク♂潮干狩り"でもしたいな。意味がわからない人はググってね? ……って我ながら完璧過ぎる予定だZE。ともかくレスリングを始めよう。そう一瞬の間で考えると、俺は此方に突撃して来る純夏のカラダを受け止めるべく その場で構えるのだが……『死ねええぇぇ~~ーーッ!!!!』≪――――ドゴオオォォッ!!!!≫「うごふっ!?」――――純夏のタックルが余りにも強烈過ぎて"それ以前"の問題だったみたいなんだ☆これはひどいオルタネイティヴ542001年12月15日 午後「……ぐあッ!?」「し、白銀さん!」≪――――ドドォッ!!≫「ゲホッ……ま、マジかよ……」『……!!』当初の予定では突っ込んで来た純夏のカラダを捉えて寝技に持ち込もうとしていたんだが……何故どうして。俺は彼女の体当たりを耐えれるドコロか数メートル吹き飛ばされてしまい、仰向けにダウンしてしまった。どう考えても女性が出せる威力じゃないぜ……当然 経験は無いけど、まるで車に撥ねられた様な感覚だった。俺がヤワい元の肉体だったら死んでたんじゃないか? マジで。脳のリミッターが外れると此処まで強くなるのか。よって"どうしたモンか"と思いつつ、若干 止まり掛けた呼吸に冷や汗をかきつつ上半身を起こそうとすると……≪ダンッ!!!!≫「なっ!?」『がああぁぁッ!!!!』唐突に上半身を仰向けに"戻されて"しまい、同時に後頭部に痛みを感じながらも何が起こったのかと確認を急ぐ。どうやら俺は素早く距離を詰めてきた純夏にマウント・ポジションをとられた様であり、コレは致命的だった。まさか此処まで彼女のカラダが凶悪だとは……って、その当たり前の様に振り上げた拳は……避けられねえ!!「ちょ、待ッ」『死ねェ!!』≪――――ゴキッ!!!!≫「グハッ!? あァん……ひどぅい!」「……(Oh what are you doing?)」予想外な事態の連続で何に置いても反応が遅れてており、純夏の右腕から繰り出されるのグーパンチを受けた俺。同時に左頬に衝撃が走り血の味が広がるが……幸い当たり所は良かった様で、一歩間違えれば前歯が危うかった。彼女のコブシはそれ程の威力であり、マジで洒落にならんッ! そう思っているウチに純夏は左腕を振り上げる。『死ね……死ねッ!!』「(やっぱり白銀さん相手でも殺意が……)」「(あ、危ねェ!!)」≪――――ガコオオォォンッ!!!!≫『……ッ!?』「(う、嘘だろ……相当 頑丈な床な筈だぜ!?)」先程のは運が良かったダケだが、次も食らって五体満足で居られるか不安だったので何とかコブシを避けた俺。その為 純夏のパンチは床に直撃したのだが……信じられない事に若干とは言え地面をヘコませてしまっていた。コレが火事場の馬鹿力ってヤツか? それよりも今の影響で純夏の左腕が見るからに脱臼でもしてしまった様子。でも純夏は再び右腕を振り下ろそうとして来ており、コブシに血が滲む等の左腕の痛みを微塵にも感じさせない。俺も俺で馬乗り&おっぱい目の前に有る良いアングルと言う役得を楽しむ余裕すら無く普通に必死になっている。『がああああぁぁぁぁッ!!!!』「ちぃっ!!」≪――――パシッ!!≫『!?!?』「純夏……落ち着けッ! 落ち着くんだ!!」『……グッ……うぅ……!!』「俺だッ! 武だよ!! 分からないのか!?」此処で彼女の右腕を避けてしまった方が"両腕"を使えなくする事で有利な展開になりそうな気もしたが……男としてソレは出来ず何とか左手で純夏のパンチを受け止めると、無駄だと分かっていても説得に移る。だけど……相変わらず凄い力であり、右手で彼女の左肩を抑える事で何とか耐えれていると言った状況だ。無論 抵抗は現在進行形で続いていて……俺は不利な態勢も有ってかガリガリと体力を削られてしまっている。そんな中。今度は純夏は天井を仰いだと思うと頭を振り下ろし……って、今度は頭突きかよ!? ヤベェ!!≪――――がばぁっ!!!!≫『うぐっ!?』「ナウい♂息子」「(Now even score? ……これでオアイコだ……と言う意味……)」「いかん危ない危ない危ない……」流石に今の純夏の"頭突き"をモロに食らったのなら、俺の脳味噌が弾け飛んでしまうのは間違い無いだろう。よって今は純夏の左腕での抑制も無い事から……彼女の"体重ごと"と言ったカンジで純夏を放り投げる。しかも殆ど上半身のチカラだけでだ。白銀の肉体と相手が頭を振り下ろす前だと言う偶然が状況を打破できた。でも今の動作でスタミナを大きく削られてしまったが、純夏は左腕が使えないのでイーブンと言ったトコかな?つまり"仕切り直し"であり、立ち上がった純夏も何を思ってか此方を鋭く睨みつつ……様子を伺っている。「し、白銀さん……やっぱり人を呼んだ方が……」「大丈夫だ。問題ない」「……ッ……で、ですけど……」「あくまでソレは"最後の手段"にしてくれ。何とかして見せるさ」「!?(やっぱり間違いないです……病み上がりなのに、白銀さんは例え重傷を負ってでも純夏さんの心を……)」「一番 良い対応を頼む」←言いたかったダケ。「わ、分かりました(でも……ソレには私の"能力"も不可欠……そう言う意味なんですね? 白銀さん)」――――今は苦戦を装っているドコロか素で逃げ出したい心境だが、霞が見ているので未だ見栄を張っている俺。『……ウウゥゥ……ッ!!』「ビビルわぁ、マジビビるわぁ……」『殺す……殺す……殺す……』「ああ? 俺んち?」「……(I don't wanna hurt you……君[鑑さん]の事を傷付けたくない……)」現在は純夏が拘束されていた台を中心に、互いにユックリと時計回りをしながら威嚇し合っていると言った感じ。正直 十分頑張った気もするけど、助けを呼ぶ判断は全て霞に委ねてしまったので今は遣るしか無いですな~。でも左頬の痛さで泣きそうなのが否めないが……今の一連で目が覚めたし、次こそは冷静に純夏に対応しよう。今思えば余りにも甘く見過ぎていた。だが"本気"に成った白銀で有れば左腕が使えない彼女に抗えるだろう。故に先程 隙を突かれて喉を噛み千切られなかったダケでも幸いだった……と言う事まで考える余裕が出来ている。どうよ? 見てくれ今の俺の途轍もない集中力……方向性が相手のパンツを狙う人達みたくもなってるけどね☆『がああああぁぁぁぁッ!!!!』「カモン、チ●ポお兄さん」「(Come on I wanna see more of this? ……来い……もっと[君の力を]見せてくれよ……?)」≪――――ドッ!!!!≫『うゥ……!?』「どけよおめぇ!」『があァッ!?』「(Do get out of the way?)」注:そのまんまの意味です。此処で威嚇の後 再び突っ込んで来た純夏だったが……今度は万全に備えた俺を弾き飛ばすのは無理だった様だ。やはり左腕の所為で全体的に威力が落ちている模様。勿論 決して弱くは無い力だが……何とか成る突進でした。其処で俺の何時もの悪い癖が発動する。つい"言いたくなった"ので、純夏の尻を掴みつつ投げてしまうと言う。「くりぃむしちゅー池田?」『!? ウッ……ぐっ……』「(What's you doing? Get up?)」≪――――何やってんだ純夏ッ! 立て!!≫(直訳)『ふぅーーっ、ふぅーーっ、ふぅーーっ!』「(鑑さんの記憶から……白銀さんと喧嘩をしている事も多々有りました……今はソレを思い出させようと?)」『殺してやる……殺してやる……殺してやる……』「今のは流石に怒ったか? 純夏。謝るから、もう暴れるのは止してくれよ」「(でもダメみたいです……もう止めて下さい……それ以上無理をしたら白銀さんのカラダが……)」『八つ裂きに……してやるッ!!!!』「うおっとォ!!」≪――――ガシッ!!!!≫地面に転がった純夏は直ぐに起き上がると、涎を垂らし荒い息をつき此方を見上げ……折角の美少女が台無しだ。コレはコレで絵になっているのは さて置き。馬鹿力の彼女だが、ひょっとしたら肉体が付いて来て無いのかな?そうなると精神とは反対にカラダは悲鳴を上げているのは間違いなく……そろそろ純夏を休ませてあげないとね。とは言え拘束を解いて彼女を暴れさせているのは俺なので、普通に純夏に申し訳ない気持ちになってしまった。こんなんじゃNA☆DE☆POどころじゃ無いからな……今の段階では心を取り戻させるのは不可能だろう。よって今 俺が"するべき事"は純夏を再び拘束して時間を置いて再び接触する事でファイナルアンサーとしよう。まァ直前の"突撃"を受け止めれた事から次でも大丈夫だったので、当身でも食らわせようかと組んだ時 考えたが。『がああァァッ!!!!』≪――――ドスッ!!≫「!?!?」――――此処で まさかの膝蹴りによる"金的"である。ちょっと純夏さん、八つ裂きとは全然 関係無いやん!!「おッ……お前 人のモノを……」「(Oh my shoulder? ま、まさか今ので白銀の負傷した肩がッ!?)」←白銀の背中しか見えていない。『……ッ……』「うげっ!?」≪――――ぐぃっ≫純夏への当身を一瞬でも躊躇っちまった結果がコレだよ!! 弁解の余地は……もはや無いとしか言えません。コレにより思わず前屈みになってしまうと、ソレを好機と見てか純夏は"右腕"ダケの握力で俺の体を持ち上げる!つまり右手で俺の首を鷲掴んで宙吊りにしていると言う事であり、このまま俺を窒息死させようとしているのだ。し、信じられん……片手で俺を持ち上げるとか、量子電導脳のリミッター解除にも程が有るだろマジな話で!!おいおいおいッ! コレって本気でヤバいんじゃないのか!? そう考えているウチに既に意識が朦朧としている。「!? し、白銀さん!!」『アハハハハッ! 死ねっ! 死ね!!』「がっ!? ぎっ! ぐああぁぁ!!」「ま、待って下さいッ! 直ぐに"助け"を呼びますから……!!」此処で"落ちて"しまえば命を失う気がするのだが、相手は純夏なので"強引な手段"に出る事ができなかった。まだ其処まで頭が回っていないのだろう……故に俺は彼女の腕に両腕を沿え何とか呼吸を保つ事しか出来ない。今 思えば蹴りでも拳でも放てと思ったが、此処で活きるのが"一番良い対応"を頼んだ霞サマの存在である。しかしながら。俺の不屈の肖り魂も未だに健在だった様で、今の状況で全く関係無い事を考えていたりした。「ま、待ってくれ……霞ッ……」「えっ? で、でも"このまま"では白銀さんの命が――――」「だけど……それじゃ……ダメなんだ……」「ど、どういう事なんですかッ?」「頼む……純夏に……リーディング……してくれ……!」「!? い、意味が……意味が分からないですッ! どうして今 鑑さんの心を読む必要が有るんですか!?」「やってくれ……霞ェ……ゲホッ!」「そんな事を遣ってる暇は有りませんッ! 直ぐ助けを呼びます……どうせ何も"見えない"んですから!!」「いいからリーディングだ!!!!」「!?!?」――――此処でまさかの脳内"ゴリ顔"である。同類と思われる"プロジェクション"じゃ無いのは発音の関係です。『死んじゃえ……』「ぐううぅぅ!?」今のは霞の方を見て叫んだ為 余計な体力を使った事から、変わらず首を絞めてくる純夏に抗うのが難しくなった。嗚呼。最期まで肖るのを止めなかったな俺……まァ白銀も純夏に殺されるなら本望だろう。ループしちまうけど。それ以前に助けを呼んでも間に合わない事が分かっていた為に、無理に言いたかったダケの事を喋ったのかもな。「(白銀さんは"この状況"ですら鑑さんの心を知る事を選んだ……自分の命を顧みずに……!!)」≪頼むよ霞。俺は純夏の全てを受け止めて やりたいんだ≫「(ソレは確かに世界を救う為には1秒でも早く必要かもしれません……でも私は……私は……)」≪悪かった、寂しい思いをさせて。 だから、今度は霞も一緒に海へ行こう≫(13話 参照)「(もっともっと白銀さんと……"お兄さん"と……一緒に居たいんです……!!)」≪――――イイイイィィィィン――――≫『!?!?』「あれっ?」『……ッ……』「す、純夏?」……遂に意識を手放そうとした時。突然 腕の力が無くなったので目を開くと純夏は目の焦点が合っていなかった。いわゆる"レイプ目"であり、俺を宙吊りにしたままの状態で制止していて……全く微動だにしないのである。何が起こったのか全く理解できんが……おっ? コレってひょっとするとNA☆DE☆POのチャンスなんじゃね?其処で俺は呼吸困難で震えながらも、何とかと言ったカンジで右手を純夏の頭に持っていって手を添えると……≪――――びくんっ≫『……あ……』「うおっ!?」『何処だろ? ……此処……』「痛てッ!(まさか……NA☆DE☆POが発動したってのか?)」――――彼女は一度 大きく揺れたと思うと俺を地面に落とし、此方を見下ろす純夏は確かに瞳の輝きが有った。『あれ? あれあれ? ……タケル……ちゃん?』「なっ!? す……純夏……なのか?」『そっちも……タケルちゃん……なんだよね?』「そうなるんだと思う」嘘ッ!? 特に何かした覚えは無いんだが、何故 手の力が緩んだんだ? しかも凶暴化が治まってるじゃないか!だけどまだ油断は出来ないので、純夏の問いに在り来たりな返事をしつつ俺はゆっくりと立ち上がり呼吸を戻す。そして心の中で警戒するのは忘れないが、じ~っと純夏を観察していると……徐々に彼女のカオが赤くなった。『そ、そんなに見ないで……恥ずかしいよ。いつの間にか"こんな格好"してるし』「んっ? あァ……悪い悪い」『……痛ッ……』「どうした?」『えっと……どうしてか分からないけど左手が痛くって』「軽い脱臼だと思うから気にしなくて良いと思うぞ」『それって大事だよぉう。タケルちゃんの薄情者~ッ』「俺が純夏に対して薄情だなんて何時もの事だろ?(原作をプレイする限り)」『うぅ~ッ、否定できないかも』「……えっと……ともかく……純夏」『なに?』「なんつーか、色々と辛かったんだよな? 遅くなって正直すまんかった」『……~~ッ……』「純夏?」『……うぅッ……ひぐっ……』「ど、どうした?」どうやら純夏は先程の暴れっぷりを覚えていないらしい。ソレは全然構わないんだが……いや、むしろ有り難い。だけど今の彼女は自分の境遇をどれだけ理解しているんだろうか? 意識が戻るの早いし、俺 逃避もしてないし。よって頭を掻きつつ、何となく白銀の事を待ってた事ぐらいは分かってるだろうなと推理して軽く頭を下げた俺。対して純夏の瞳は既に涙をを流しており……更に鼻水までも垂らしていた。その感情は凡(おおよ)そ理解できる。『タケルちゃああああぁぁぁぁんっ!!!!』「おわっ!?」≪――――どッ≫『タケルちゃんッ! タケルちゃんッ! タケルちゃん!! うああああぁぁぁぁ!!!!』「ど、どうしたんだよ? 落ち着けって!!」『グスッ……ずっと逢いたかった!! 逢いたかったんだよ!? わああああぁぁぁぁッ!!!!』「……純夏ェ」彼女は脳ダケとなりながらも因果を変えてしまう程 白銀を想い待ち続け……遂に待ち人が目の前に現れたのだ。それが余りにも嬉しくて俺に抱きついて来たのは理解できるが、その想いの"重み"は到底 俺では量れないぜ。だとすれば今 自分に出来るのは知ったかぶった慰めの言葉を掛けるのではなく、純夏の好きにさせて置く事。何なら一晩中でも構わない。俺は"今の状況"で有れば楽しんでる筈の胸の感触すら忘れ彼女を抱き締めていた。「("あちら"の白銀さんと鑑さんの沢山の思い出の一括プロジェクション……成功して良かったです……でも。 私のアレは"きっかけ"に過ぎず……白銀さんが必死な思いで鑑さんの頭に触れた事が大きかったと思います)」……………………10分後。「落ち着いたか?」『う、うん……ごめんね? タケルちゃん』「別に謝る事でも無いって」『えへへ。有難う……痛ッ……』思ったよりも早く純夏は泣き止み、どうやら俺と此処まで抱き合えた事で一気に安心してしまった様だ。よって たった今 彼女は俺から離れ……まだ自分の姿が恥ずかしいのか上目遣いで俺の様子を伺っている。滅茶苦茶 可愛いじゃないか。他の娘達と違って完全に相思相愛だと分かっている分 俺も意識してしまう。だったら、この流れでベット・インするか~? いやいや流石に話が飛躍し過ぎだな。そう思っていると……急に純夏が頭を抱えたと思うと地面に倒れそうになったので、俺は咄嗟に彼女の肩を抱いて声を掛けた。「大丈夫か? 純夏」『どうしてかな……何だかッ……頭が痛いよ……』「無理もない。目が覚めたばっかだしな」『そ、それに……凄く眠い……もっとタケルちゃんと……いろんな事……話したいのに……』「だったら目が覚めたら幾らでも話そう。病人は安静にしてるのが一番だ」『タケルちゃんが優しい? あははッ……明日は雨なのかなァ』「サラりと失礼な事 言うなって。ともかく休んどけよ」『うん……ッ……そうさせて貰うね……おやすみなさい……』確か"00ユニット"って頭蓋のODL? ……の浄化とか言うヤツを一定期間で遣らないとダメだったよな。恐らく純夏が瞬く間に寝てしまったのも、ソレが関連してるのかもしれない。詳しくは全く分からんけど。まァ普通に考えても暴れたり泣いたりで肉体疲労を考えれば眠くもなるだろうし、深く考えるのは止そう。そんな事を考えながらヒョイっと純夏を持ち上げると、俺は彼女を別室のベットで寝かせてやり充実感に浸る。興味本位で純夏と会う事を決めてしまい、結果 殺され掛けてしまったが……正史より遥かに早く純夏が復活した。つまり より有利に今後の展開を進めてゆく事が出来ると言う事であり、コレも霞の"一番良い対応"の御陰だな。冷静に考えてみると、何を遣ったのかは知らんが純夏の動きが止まったのは間違いなく霞が絡んでいる筈である。何故なら言うまでも無いが"あの部屋"には俺とアイツを除けば霞しか居なかったのだから。ホント命拾いしたぜ!「鑑さんは……休まれたみたいですね」←部屋に入ってきた霞「あァ。見ての通りさ」「まだ信じられません……あれ程まで不安定だった鑑さんが……こうも早く覚醒するなんて……」「コレも霞のフォローの御陰さ」「すみません」「へっ?」「"あの時"白銀さんはリーディングをしろと言ったのに……私は逆の事をしてしまいました……」「!? そ、それって……"プロジェクション"の事か?」「はい」「ふむ」ヤベェ!! 俺とした事が肖るコトしか考えてなくて、プロジェクション(投影)の事をすっかり忘れてたぜッ!いやプロジェクションの意味は知ってたけど、"あの時"非常に有効な手段と言う事に気づかなかった意味でね。コレで霞が指示通りにリーディングしか行ってくれなかったら俺って死んでたんじゃね? 彼女の機転に感謝だ。そう思いながら相変わらず感情を余り表に出さず霞に感謝の視線を向けていると、何故か表情が曇り出している。「(やっぱり快く思っていない)……ですけど私は……私はッ」≪――――じわっ≫「私は? ……って、何で泣いてんだ!? 霞」「白銀さんにこれ以上ッ! 無理をして欲しく無かったんです!! ……うぅうッ……グスッ」「ちょっ!? だからって何で――――」「……ッ!!」≪――――ぽすっ≫純夏はともかくだけど、霞が"その場"泣いてしまった理由が全く理解できず俺は慌てて彼女に近づいた。すると霞は俺に(彼女にしては)大胆にも抱き付いて来たので、予想外の行動に受け止めるしか無かった。恐らく彼女にとっては"俺が純夏にボコられていた"時点で相当ハラハラする程の事だと感じていたのだろう。う~む。そう言えばクーデターの後も俺を心配して泣いてくれたし、此処は落ち着いて貰うしかあるまい。よって俺は俺の胸に顔を埋めて泣いている霞の頭を撫でながら……優しい(つもりの)言葉を投げ掛けてみる。「霞」「な、何ですか?」「とりあえず"この後"は今の事を ゆーこさんに報告して、俺は御医者さんに頬の傷を診て貰うよ」「……ッ……」「(やっぱり怒ってる!?)それで今日は唯依達とは会わないで寝る。それで勘弁してくれないか?」「だ、大丈夫です(結果が伴ったとは言え……私は白銀さんの決死の意思に背いたと言うのに……)」「それなら良かった。じゃあ暫く……こうしてようか?」「はい……(純粋に結果を喜んでくれた上に……逆に私の事を気遣ってくれるなんて……)」「しっかし俺のシャツ。随分と濡れちゃったなあ」「(……"お兄さん"な筈なのに……私がソレで我慢 出来なくなったら……どうするんですか?)」こうして霞に何とか許しを得れた俺は、霞が泣き疲れて寝てしまったのを確認した後 執務室に直行する。其処で話したのは当然 純夏の完全復活の件で有り、ゆーこさんは流石に驚いた様で目を丸くした。(ドヤァ)でも純夏と俺が負傷した事を告げると、詳しい事は明日と言う事で即 受診の手続きを済ませてくださる。以前の負傷では霞ダケでなく他の皆にも心配を掛けてしまったので、今回は大事になるのを予防してくれたのだ。そして簡単な診察を済ませてしまい……電話で訓練を行っていた唯依達に休む事を伝え俺は寝床に着いた。しっかし只でさえ悠陽と会ったりイベントの連続なのに、追撃の純夏の復活で更に考え事が増えちまうけど……明日 改めて整理してみる事にしますか。時間は正史と比べれば佐渡島までタップリと有るんだからな~。≪タケルちゃあ~ん♪≫≪白銀お兄さん……♪≫「新日暮里ッ!!」(Two can play it)――――意味は2人諸共だッ! そんなワケで今晩は純夏と霞をオカズに、つい抜いちゃったんだ☆『…………』「まさか鑑を安定させるドコロか、こうも早く心を取り戻させるとはね……ほんと見上げたモンだわ」「すぅ……すぅ……」「それに様子を見に来てみれば……鑑の横で社を寝かすなんて、随分と味な真似をするじゃない」「むにゃ……しろがね……お兄さん……」「はァ~。この娘達を見てたら何だか眠くなって来たし、あたしも此処で寝させて貰おうかしら?」●戯言●大変長らくお待たせ致しましたorz SSを書いたのが約5ヶ月振りだった事も有って酷い内容で面目ありません。