これはひどいオルタネイティヴ42001年10月23日 午前「マジ眠い。」ゆーこさんの所為(決めつけ)で眠れなかった俺は、おぼつかない足取りで通路を歩いていた。……だが、なんのこれしき……徹夜でゲームでもしたと思えば我慢できるってもんさ。そんな今はいわゆる考えがてらの散歩。 初めて着た国連軍の軍服に慣れる為でも有る。あっちの俺が着てもガタイの所為で似合わないんだろうけど、白銀は様になってるな~。んでもって横浜基地の構造は白銀が知ってても、いちいちブツブツ自問自答もアレだし、2ヶ月以上世話になる施設って事で、早いうちに造りを理解しておいても良いだろうな。それはそうと、少佐の階級を得た俺だが、どこの隊にも所属していないので、今のところゆーこさんに呼び出される以外は何もやる事が無かったりする。つまり、これからの自由度がかなり高いって事になるんだけど、何事にもデダシが肝心だ。俺の未来予告は11月11日だけど……それまでに、できる限りの事をやろう。でも大きな事をし過ぎてオルタと流れが大きく変わったら、決断力の無い俺は躓いちまうと思うから、慎重にオルタの流れを思い出しつつ進めていこう。「食堂の場所……PXは……其処を曲がって直ぐ……」判らない今の段階では、仕方なく小声で白銀に頼りながら歩みを進める。目的地はPXであり、昨日の朝から何も食っていなかったから腹がペコペコだったりする。するとテラ広い食堂……俺の高校はマンモス校だったが、その何倍も広くて圧巻だった。でも、何だか昔を思い出して懐かしい気もした。 白銀も違う意味では懐かしい場所だろう。「えっと……たぬきうどん ください。」京塚のオバハンが忙しなく動いているのを遠目に、俺はうどん(大盛り)を受け取る。この世界のメシはあんまり美味くないらしいからな……できるだけ味が変わらないっぽいのを選んだ。そんで食堂を見回したら例の訓練兵の連中が居た……が、今のところはスルーしておく。それにしても判りやすい髪型の連中だよな、耐性が無かったらお盆ごとブチ撒けてたところだ。「(居た居た)……すんません、隣 良いっすか?」「!? し、少佐……!!」≪――――ガタッ≫「うわっ、びっくりした。」「お早う御座いますッ!」「ち、ちょっと止めてくださいよ……めっちゃ見られてるじゃないっスか。」「申し訳ありません。 ですが、規律ですので……」「そうですか、規律なら仕方無いね。」「少佐?」多分、何を言われても仕方無いNEと返した だろう。「いやまあ、座ってください。 畏まらないで良いですから。」「しかし――――」「まりも殿、座ってくだされ、後生でござる。」「は、はぁ……」声を掛けたの相手は まりもちゃんであり、この人しか思いつかなかったのだ。一人で食うのも精神的にアレだし、昨日紹介してくれたしで、何となく声を掛けたつもりだった。なのにイキナリの敬礼……僅かであれ予想していたから良かったが、一歩間違えれば彼女を全身火傷にさせてしまってかもしれない。まぁ、それはそれで責任とって結婚して……って、話が跳躍し過ぎだろ常識的に考えて。それはさておき、まりもちゃんが座ってくれたので、俺も横に座るのだが、ぎこちない雰囲気だ。≪ずずずずーーーーっ≫「……(ん? それなりに美味い……)」「あの。」「ふぁい?」「少佐はどう言った経緯で副指令の元に来られたのですか?」「もぐもぐ、ゴクンッ。 ……ん~。」気分はドナ●ド調。ついやっちゃったんだ☆「あ……機密に入るのであれば、無理に御答え頂けなくても結構ですから。」「えっと、拙僧には目的がありまして。」「目的?(拙僧?)」「えぇ。 "俺の目的(帰還)"にはゆーこさんの頭脳がど~しても必要で、 "ゆーこさんの目的(00ユニット)"にも一応 俺が居た方が良いっぽいんで、 目指す"目標"が同じって事で、昨日からお世話になる事になりました……と。」「では、目標とは……?」案外 食い付いてくるなぁ……でも機密は言えないから歯痒いッ。「"俺の目的"と"ゆーこさんの目的"については詳しくは言えませんけど、 どっちにも共通している"目標"ってのが"オリジナルハイヴ"の消滅になりますね。」「――――ッ」酷いな、目的については全く答えになって無いぞ?BETAの抹殺なんて~のも、全人類の"目標"じゃないか。まりもちゃんが一番知りたいのは、それぞれの"目的"に、俺とゆーこせんせーに必要なのが"何か"って事なんだろうしなあ。ゆーこさんの目的は00ユニットだから、目標を潰すのは"目的"の後になるんだが……「此処に来た経緯としては……そうだなぁ、その共通の目標にあたって、 ゆーこさんの下に居た方が最もコンプリートし易いと判りましてね。」「…………」そもそもゆーこさんの下に居ないと、100%オリジナルハイヴは落ちないのよね。「俺の生い立ちとか軍歴については、一切お答えできません。」「……そうですか。(それが一番 気になってたんだけど……)」俺の正体は問題外、こっちに来て一日しか経ってないんだから どうにもならない。一回死んだとか言うわけにもいかね~しなあ。 ヘタしたらもう一回殺される。つまり まともに答えられる事がひとつもなく、全部暴露しても、彼女なら力になってくれるとは思うけど、まりもちゃんは眉を落としている。うわっ……俺は悪く無いのに、これってヤバくね? 少しフォローでもしとくかな~。「でも、シミュレーターくらいなら暇な時 付き合いますよ?」「えっ!?」「なんか昨日、気になってたみたいだし……俺 如きで良ければですけど。」「と、とんでもありませんっ!」≪ガタッ!!≫「――――っ!?」「機会があれば、是非 お願い致します!!」ジーザス! い、今……揺れたッ? うわ~、凄ぇ、服の上から揺れるなんて初めて見たっ!まりもちゃんは唐突に立ち上がると敬礼し、俺の興奮を他所に、また腰を降ろしたのだ。……そっかあ。 根っからの軍人だし、衛士として精進する事が生き甲斐なんですねぇ。(遠い目)ま~良いモンも見れたし。 俺は"何時かは生でも拝むぞ!"と言う希望を胸に、彼女に微笑んだ。まりもちゃん、荒んだこの時代に飛ばされた俺に、ぬくもり(乳揺れ)をありがとうッ!「はははっ、そんな事で喜んで貰えるなら、言ってみた甲斐がありました。」「それは勿論です。 少しでもBETAを多く倒す事が、私達軍人の存在意義なのですから。」「流石ですね~。(絶対 俺には真似できない心意気だし)」「それは私の台詞です。 少佐 程の腕を持つ衛士は、私は見た事がありませんでした。」まぁ、そりゃそうですよねー。 反則ワザ使ってますから。でも説明しようが無いし、適当に"それっぽい事"言っとくか~。「俺があの機動概念を確立させたのは、最近ですからね。 それをまり……軍曹ほどの教官に広めて貰えれば、それだけで戦死者が減るでしょう。」「買いかぶりぎです。」「いやいや。 それに、そろそろ戦術機の"新しいOS"もできると思うので、共に検証しましょう。 それならジオ……人類は後10年は戦えますッ。 ……あ、今の話に限っては絶対内緒ですよ?」「……くすっ。」「ど……どうしました?」「いえ、誠に失礼ながら……あまりにも表情 豊かな方なので、つい面白くて。」「あーー……」やべっ、ベラベラと喋りすぎたかも。 まりもちゃんって、年も近くて話し易いからなぁ……そう言えば感覚が狂ってたけど、この基地で少佐って結構な階級みたいなんだよね。つまり……軍曹である彼女にこんなフレンドリーに話してる時点で異常なんだわ。まりもちゃんは教官だからアレだけど、少佐になってもオカしくはない人だったんだっけ。まぁ……状況が状況だし仕方無いから、階級による上下関係の所為で、少佐に対する相手の反応の空気は読むようにはするつもりだけど、俺にとっては"こっち"の人たちの表情が硬すぎるのに違和感を感じまくりなんだよな~。「ですが何時かは"心から笑える日"が来るのを願いたいものですね。」「……同意です。」それはそうと、やっぱ眠いな~。 何せ部屋を出た第一声がそれだったしね。ふぁ嗚呼、なんだか眠くて涙が出てきたよこりゃ……そこで、流石にまりもちゃんの方は向かずに、大きな欠伸をする。「――――っ!?」「(ねむっ……)……うわ、すんません。 格好悪いトコロ見せちゃって。」「い、いえ。」「そう言えば話は変わりますけど、受け持ってる訓練兵が5名 居ますよね?」「あっ……はい。 おります。」「近いうちに例の"新OS"、彼女達にも試して貰おうと思ってるんです。 戦術機を全く知らない訓練兵がどう動かせるかってのも、貴重な情報になりますから。 だから宜しくお願いしますね? 訓練の様子は、後で見に行ってみますよ。」「わ、判りました! お任せくださいっ!」3度目の立ち上がっての敬礼も、もう慣れました。そして、また揺れた……もう、最高です貴女。 俺の会社に居たら絶対 求婚してました。ミンチ野郎は死ねと思いますが、ストーカーする男の気持ちがちょっとだけ判ります。そりゃ~兵士級も白銀の頭なんかじゃなくて、貴女に"ぱっくん"といきたくもなりますね。「お任せしますた。」「それでは少佐ッ、この度は有難う御座いましたッ!」≪たたたたたたっ……≫時間を確認したまりもちゃんは、その場を走り去ってゆく。お盆を持ちながら走るなんて凄いですね、せめて食器を返却してからにすれば良いのに。俺は恒例のお尻を眺め終えると、伸び切った たぬきうどんを再び食い始めた。≪ズルズルズルズル≫とりあえず、11月11日迄の予定が一つ出来たな……それにしても覚え易いな日付。何をどうやって教えたら良いのか良く判らんけど、ベテランのまりもちゃんだし突き合……付き合うだけで良いっぽいな。今日のこれからの予定は、もう少し基地内を歩き回ってから、207B分隊の連中に会おう。今すぐに行っても良いんだけど、流石にマブラヴのヒロイン達に纏めて会うのは緊張するしね。「(少佐の涙は、大切な"何か"を思い出した為かもしれない……)」ちなみに、後から207B分隊のヒロイン達から聞いた話によると……この日を境に まりもちゃんの"鬼軍曹"っぷりがヒートアップしたらしい。その理由は何となく察せるので、俺は心の中で4名に土下座しておいた。「(昨日の迫力と言い――――私も、負けてられないわ。)」………………2001年10月23日 午後流石に昼食を挟んで4時間も歩き回っていると構造は把握できる。良く歩いたと思うが、この基地が広過ぎなんだっつーの。けど流石 白銀だけあって、足はちっとも堪えていないのはさておき。最初は すれ違う人達は訝しげで俺を見ていたが、少佐の階級証を見るや否や立ち止まって敬礼。対して俺は歩きながら、証明写真の撮影の時をイメージして敬礼しまくって、それで午前に"此処での少佐"が凄いって事に気付かされたのでした。始めは妙な優越感やら戸惑いやらで慣れなかったが、今は結構 順応してきたぜ。勿論、ハンガーの戦術機とかを見た時には開いた口が塞がらなかったが、もうヤケクソだ~、ここまでくると何を見ても驚かないぜ、はっはっはっはっ(涙)。ちなみに地下は手付かずだが、ピアティフちゃんあたりが案内してくれるといいな。「――――小隊集合ッ!」そんなこんなで最後まで放置しておいたグラウンドまでやってくると、目立ち易い姿の俺の姿に、早くも気付いたまりもちゃんが207B分隊の娘達を集めようと叫ぶ。ちょっ、気が早いな!? こう言うのって少し訓練風景を眺めさせて貰ってからやんねぇ?まあいいか、まりもちゃんの言葉で、グランドを走っていた4名がすぐに走ってくるが……走っていた様子は日本記録レベルとは言わなくても、インターハイ・レベルぐらいは有った気が。それより一番 背の低いのはともかく、何であの3人はドッグタグに黒いタンクトップ姿なんですか!?冬が近いんですよ!? 走ったら汗ダクになるからだろうけど、刺激が強すぎるだろこれはッ!……でも……考えてみれば女子陸上選手も皆 アレより走り易い姿なんだよな……そうだよ、ボディラインがヤバ過ぎるんだって。 眼鏡はまだ良いとして残り二人は犯罪だろ。揺れてる、揺れてる。 良いブラ使ってるのか激しくは無いが、こりゃ慣れるまでキツそうだ……俺は自然と内股になるが、流石に情けな過ぎるし、根性で直立不動を維持する事にした。「紹介しておこう、彼は"白銀 武"少佐。お前達にとっては雲の上の存在かもしれんが、 昨日 香月副司令 直属の指令を務めるべく着任された御方だ。 敬礼ッ!!」キャラが変わってる まりもちゃんの言葉で、4人全員が同じ動作で凛々しく敬礼をする。流石だな……新OSの件については旨く隠しているようだ。でも案の定"何で自分達に少佐を紹介してくれるの?"と言うのが顔に書いてある。「では一人づつ訓練兵の紹介を致します。 御剣ッ!」「はっ――――御剣 冥夜 訓練兵であります。 分野は主に――――」「あぁ、資料は読んでるから詳しい説明はいい……ぞ。」「……は、失礼致しました。」まりもちゃん含め5人の独特の雰囲気に押されて沈黙している俺。ンなうちに自己紹介が始まり、一番左の御剣 冥夜が一歩踏み出して名乗る。ゲーム通りのスタイルや顔付き。 剣術が十八番の皇女様口調キャラだったか?やっぱり髪型が凄いよな~、ありえないだろそれは。 星っぽいとこはどうなってんDA? ゲームでも誰か一度はツッコんでやれよ。 まぁ、今更 気にしたら負けだけどな。近いうちにじっくり触りたいな~と思いつつ、御剣を下げると不思議少女が一歩前に出る。一人一人 丁寧な自己紹介とかされても、少佐様の自分を維持するのが非常のキツいのDeath。「彩峰 慧 訓練兵です。」余り知識が無い俺だが、彩峰は恐らくマブラヴで一番の巨乳だったハズ。それでどうして運動とか格闘が得意なのかが謎だが、恐らく男は皆、今の足の踏み込みでも若干 揺れるバストに目を奪われるからだろう。BETA相手にも接近戦が強いって事は、純粋に操縦技術が有るからなんだろうけどね。オルタでの彼女の最期あたりの叫びは何か引いたけど、キャラ的に無理があったんじゃね?「榊 千鶴 訓練兵です!」……と、ファンが聞いたら射殺されそうな事を思いつつ、次に一歩出たのは榊 千鶴。分隊長で総理大臣の娘で、委員長。 そして眼鏡。 ついでに彩峰と犬猿の仲だっけ?だが注目すべきは"ふとまゆ"だろう。 現代日本ではそれを萌え要素だと豪語するモノノフも居る。でも、その眼鏡は不便過ぎるだろ……なんでそんなにデカいの掛けてんだYO。少佐権限で戦術機に乗っての実戦時は網膜投影があるし、眼鏡外させようかな~。EXで白銀とデートした時は可愛かったし三つ編みも解いて……とバカな事を考える。「た、珠瀬 壬姫 訓練兵ですっ!」そんなうちに最後の一人。 唯一ドモって自己紹介をする珠瀬。彼女の十八番は一発で出てくる。 世界レベルの超一流とも言える狙撃の腕だ。けど案の定 俺の視線は30度ほど下がり、年齢が17か18だとは考えられない容姿をしている。ついでに髪型も世界どころか銀河クラスだな……ギャグでは武器にもなるみたいだし。……だが、なんか癒される……特に口元辺りに。 だから嬉しくもなって、つい犯っちゃったんだ☆「…………」≪ザッ……≫俺は無言でスタスタと歩くと珠瀬の前まで歩み寄る。対してハテナマークを浮かべる彼女に、腰を落として両脇を掴むと――――「にゃっ!?」「…………」「し、しししししし少佐っ!?」ひょいっと自分の顔の高さまで持ち上げ、まじまじと観察する。う~ん……本物の珠瀬だ。 それにしても軽いな、空に放ったら月まで届きそうな気がする。そう考えて空を仰ぎ、視線を戻すと、珠瀬は顔を真っ赤にして目をぐるぐる回していた。あれっ……あれれ? あがり症って治ってたんじゃなかったっけ?いや、治ってるはずだ……既に治ってるって昨日 白銀が言ってた。(いやマジで)多分、ランニングで疲れていたのだろう。 そう思って珠瀬を地面に置き、まりもちゃんを振り返る。直後 背後でドタッ……と倒れた音がし、訓練兵が何やら騒いでいるが、少佐たるもの訓練兵の軽い失態くらいには、目を瞑ってやろうではないか。「…………」「軍曹、どうしたんです?」「あっ!? い、いえ何でも!」「まぁ、これで自己紹介は終わりですね。 引き続きお願いしまっす。」「は、はい。」「んで話は変わりますけど、鎧衣が退院したあたりで南の島の……なんだっけ、 総戦技評価演習……? やりますから、そのつもりでいてください。」「!? ……成る程、早く戦術機を……」「そそ。 テスパさせますから。」「テスパ?」「テストパイロットの略です。」「あぁ……な、成る程。」「でも迂闊に口にしちゃダメですよ?」「承知しております。」「えっと……本来なら、11月の半ば……あたりだったんですけどね。」「えぇ、その予定でした。」……これは白銀もピンポイントには覚えて無いらしい。まぁ、オルタの世界な時点で別にワザワザ聞くような事じゃねぇや。「じゃあ、俺は行きます。 その前に一つお願いがあるんですけど――――」「何ですか?」「……あいつらに、上着きせてください。 風邪ひかれちゃ困りますから。」「!? わ……わかりました。」些細でくだらない事とは言え……未来を変えてごめんなさい。僕には刺激が強過ぎて、さっき珠瀬を直視しなかったらおっきしちゃってたんだお( ^ω^)ロリコンなら更に悪化してたんだろうけど、俺にはそんな性癖が無くて助かったZE。よって凌いだって事で達成感を味わう意味で、ブーン♪と両手を水平にしてその場を走り去った。まりもちゃんが、俺の背中をずっと見守っていていた事を知らずに……「(まさか……珠瀬の弱点を一目で見抜くとはね…… それに些細な事だけど、あの娘達の体を気遣ってくれるなんて……」冷静に考えてみると少佐があの走りするは無いわ。 死にたくなった。………………「新OSの開発~?」「はい。」まりもちゃんについ言ってしまったからには、作って貰わないとね。そう考えて、俺は執務室に赴いて、忙しそうなゆーこさんに話し掛けた。その時 昨日の事を考えてションベンちびりそうになったけど、重要性を必死にアピールする。第一にスペックの飛躍的な向上による戦死者の低下・及び戦線の維持。第二に交渉の材料としていかに利用できるかだ。 ループでも役に立ったよ~と付け加えて。だがゲームの会話 云々はちっとも覚えていないので、具体的な説明の殆どを白銀に任せた。……結果 最優先で作ってくれる事になったし、正史通りにイケたっぽいな。「それじゃあ、さっさと出て行きなさい。」「え~っ、昨日の事 まだ怒ってます?」「怒って無いわよ、必要以上の会話は時間が勿体無いだけ。」「そーなのかー。」それにしては昨日、俺のバカな会話に付き合ってくれてた気がしたけど。「まあ、言われた通りちゃんと寝たわよ。 これで満足?」「えぇ。 じゃあ、最後にひとつだけ。」「何よ?」「戦術機の新しい武装についてなんですけど。」……おっ? 寝てくれたのか、俺が睡眠不足になってまで助言した甲斐があったな。でも、なんだかさっきの白銀の言葉ダケで戦術機の未来を変えちまうのは癪だな。俺も一つ肖ってみるとするか。 出てけとは仰るけど、なんか言えそうな空気だし。「武装?」「戦術機って両手に武器を持っていないと、攻撃ができ無いじゃないですか。」「なに当たり前の事言ってんの?」「それが"以前(嘘)"不便だと思いましてね、考えた時には戦死 直前で、 設計できそうな ゆーこさんが居なかったんで無理でしたけど、提案があるんです。」「面白そうね、言ってみなさい。」「戦術機が手を使わずに使える武装があると良いなって思うんですよ。」これはマジな話だ。 ゲームでもサブ射撃が無いだけでも何かと不便になる。「ふ~ん、例えば?」「頭部バルカン砲とか胸部バルカン砲とかあるといざと言う時、 弾数は少なくても"戦車級"とかに対して良いんじゃ無いんですかね? 上を目指せば胸部マルチ・ランチャーとか肩部ミサイル・ランチャーとか。 もし両手をモガれても逃げる時、それなりに戦えると思うんですけど。」流石にビーム・サー●ルとかメガ粒●砲とかは無理だろうけど、現実的な武装を色々と言ってみると、結構興味を示してくれたゆーこさん。そんなワケで、OSだけじゃなく戦術機の武装も弄ってくれると言うと、俺は感謝と期待をしまくりつつ退室し、長い通路を一人で歩いている。ここで……本来ならウサギッ娘や"脳味噌"とのご対面なんだろうけど、207B分隊の時で精神力を使い果たしたので、その覚悟は今夜しておく事にしよう。ぶっちゃけ、脳味噌を見たらマジで漏らしてブッ倒れ、フラグがバキ折れそうなので、早く上の階に行ってションベンして飯食って寝たかったのもある。PXでのディナーではまりもちゃんと再びくだらない事を話すモノの、やっぱり訓練兵達は少佐って階級に遠慮して、話し掛けて来てはこなかった。「(世界の平和・純夏頑張れ・世界の平和・純夏頑張れ・世界の平和……!!)」こうして長かった2日目は……例の"念じ"で閉められ、グースカ眠った。