熱砂の砂漠に駱駝に跨る騎兵が雲霞の如く散っている。その手に持った摸擬刀―――それに似せた鉄の棒などで軍事演習を行っているのは、黒い肌色の人間達である。
この熱砂の国における標準的な人種の人間達が、摸擬戦をおこなっては、その都度戦う相手が入れ替わる。いなくなった人間達は怒号と土煙が上がるところから逃げていく。
判定撃破されたからだ。時間を置いて―――再びの演習となる。
ともあれ実戦形式というには、程遠いが、それでも乱戦となった際の動きの良し悪し、指揮の明暗ぐらいは分かる。
「カシムは良さそうだな。ブリューヌに入った際には先鋒を任せてもいいだろう」
「カシムはそこまで大軍を動かせるほどの将であるとは思えません。奴は一度、土に塗れると冷静な判断を下せないと思われます」
「経験させればいいだけだ。第一、あの男が言う限りでは、そこまで余裕があるとは思えんからな。そうでなくても手に入れた情報だけならば、進入口の戦力は減らされているはずだからな」
あの男―――ダーマードは、つい二週間前に謁見してきたブリューヌ不平貴族「ウルリシュ=スカルポン」なる人間の顔を思い出す。
最初は交易目的での謁見及び、ムオジネルに対する間諜もしくは一種の反乱煽動の為の調略行為だと思った。
ブリューヌにおける復権を遂げるためにムオジネルの力を利用したい。そういう追い詰められた人間特有のものを感じつつもダーマードは、胡散臭いものを感じていた。
平民の出ゆえの妙な嗅覚とでもいえばいいのか、その男から感じられるのは没落したがゆえのものではなく栄華を享受しつつも、更なる欲を求めているように感じられた。
王家に対しての忠誠などは感じられなかったが、それでも自分達に対する完全な仲間ともいえないだろう。
「まぁ嘘であろうな。嘘であろうが一応聞いておいて悪い話ではない。恐らくブリューヌ南部には然程の影響力を持たない貴族なのだろう。察するにテナルディエや王宮とは別―――、恐らくガヌロン公爵ゆかりのものであろうな」
「そこまで分かっていながら、何故に切り捨てなかったので?」
「意味が無い。出自が明らかでないブリューヌ人を殺したところで金銭がさほど取れるわけではないからな」
物盗りと同じことをさせる気か。と言外に含みながら再びクレイシュは演習現場をつぶさに見る。
「ふむサラディン、カシュー、ケイド、シャダム、ルーファス……そんな所かな。軍団指揮に適した人間というのは」
どれだけの数の方面軍を作るか分からないが、大軍指揮が出来る人間の選定は済んだ。そんな中、ふとダーマードは思い出す。あの男―――まだヤーファに放った工作員から人物像を知られていないが、それでも中々の戦略戦術を知っている人間であった。
彼にも出世への道があれば、寧ろ―――彼が連れて来た家臣団には有能なものが多いのだ。それさえあればブリューヌを奪い取るぐらいは出来るかもしれない。
「……閣下、あの者を使わないので? 王墓の守番だけではあまりにも無体が過ぎませんか?」
「ダーマード、それは温情で言っているのか? それとも純粋に戦術的な見地に立って言っているのか?」
「半分半分といったところです……ただ、あまりにも左遷が過ぎるとどんな激発が起こるかわかりませぬ」
剽悍な顔を少し歪ませながらダーマードはクレイシュの無表情の言葉に肝を冷やしつつも応える。
確かに情もある。彼は自分と同じく距離の「近長」を選ばぬ戦いが出来る男だ。ヤーファ人の実力者としては、以前見た「化け物」に及ぶかもしれないが、それでも親近感沸いてしまう。
それ以外にもあの男を自由にさせておくのは不味いとも思えるのだ。そんな懸念はクレイシュとてあるだろうに。
「確かにな。だが、あの男を一度戦場に出せば―――出世は容易のはず」
「だから捨て置くと?」
「ワシとて実力は理解している。その才知・勇気ともに明敏にして素晴らしいが――――あの男、心に『狼』を飼っておる。確かに戦わせれば大きな益を齎すだろうが、それと同じぐらいの災厄も齎すだろうよ」
冷静に、こちらに懇々と理解させるようにクレイシュは言う。
ならば暗殺者でも向ければいいのではと思うが、アサシン教団全てを圧倒出来るだけの「忍者集団」を家臣としているので、全て退けられた。
「しかしお前の言うことも一理ある。兄君が気に入っている以上、一度は戦ばたらきさせねばなるまいな……遠ざけるのも限界だ」
王弟クレイシュはムオジネルの軍事総責任者であり、兄である王に忠誠を誓っている。それはいずれ反乱を起こすためではなく、当人が「政事」よりも「軍事」に重きを置いていたからだ。
そして何より二人とも求めていたものが一致していた。兄は「領土」を、弟は「戦争」を。
この西方における傍迷惑極まりない『金銀』兄弟のそれに誰もが頭を抱えていた。
「にしても陛下はなぜ、彼を召抱えたのでしょうな?」
「アスヴァールでのことが一番だろう」
アスヴァールの内乱。これにはかなりの国々が関わっていた。それぞれの思惑で二つの陣営に協力することで自分達に負い目がある政体を作ろうとしたのだが、東方よりやってきた龍は、それらの思惑を全て覆した。
そして片方の勢力は完全に自分達のあずかり知らぬ第三勢力に取って代わられた。ムオジネルにとっての関心事に変化が起こった瞬間だった。
それ以来、ヤーファという国が特殊なのか、それともその男だけが特殊なのか、それを確認したくて件の男の素性調査とともにヤーファに人を放ったが、どうにも滞っている。
流石にヤーファという国に溶け込むには、ムオジネル人は異端すぎたのかもしれない。
「何にせよ今の所はブリューヌ侵攻だ。それが先か――――」
クレイシュの嘆息と共の言葉を引き継いでダーマードが言った。
「アケチ=『テンカイ』=ミツヒデの素性が判明するのが先か―――ですな」
男の名前を告げながらダーマードは、その人間の姿を思い出していた。
「そういうことだ。まぁとにかくミツヒデにはそれとなく言っておけ。客将として出番がくるか分からぬが、出陣時期ぐらいは教えておいたほうがいいだろう」
「承知しました」
そうしてダーマードは頭を下げながら、恐らく『ミツヒデ』を使うことは確実だろうと思えていた。
自由騎士を抑えられるだけの剣士は――――彼しかいないのだから―――――。それぐらいの剣の冴えを、あの武芸大会の後に見ていた。
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「成程、俺がジスタート王宮であれこれやっている間に、お前は愛のままに我がままにリムアリーシャのわがままボディを思う存分まさぐって、僕は君だけを離さないな状態だったと。そういう認識で大丈夫か?」
「大丈夫だ。問題ない――――なんて言うわけないだろ。まぁとにかく野盗から受けた毒を何とかしなければならなかったんだよ。怪我人として見ていただけで、そんな疚しい気持ちは無い」
幕舎の中で、薬草の類を調合しつつティグルがあんなことになっていた弁解を受けていたのだが、まぁそれは仕方ないのだろう。
しかし、看病する際に胸を揉んでいる辺り、この青年の趣味が分かった瞬間でもある。苛立たしげに赤毛を乱雑に髪を掻きつつも顔が赤い。
「サカガミ卿、そのあたりで」
「失礼、まぁ俺もあんまり人のことどうこう言えないしな」
リムアリーシャの窘めの言葉で、最後の作業―――後遺症を残さない類の成分を入れて薬草をお湯に溶かす。
「苦いだろうが我慢しろ―――その前に、『其は、祖にして素にして礎―――』」
御椀に入った「薬湯」。寝台で上体だけ起こしたリムアリーシャに渡す前に、御稜威の中でも『身体復調』の類を掛ける。
手に出来上がった緑色の光がリムアリーシャに移っていく。
これならば治りは速いはずだ。としていると興味深そうにティグルの侍女であるティッタが見ていた。
「ウラさん。今のは……?」
「何と説明すればいいのやら……まぁ簡単に言えば「奇跡」ってところだな。昔から修行を積んだ巫女や神官の類が出来るものだ」
「神職に就いていれば出来るものなんですか?」
「――――覚えたいの?」
興味深いどころではなく、むしろ学べるならば学びたいと言わんばかりに、身を乗り出してくるティッタ。
ブリューヌの神々に対する正確な知識がない自分では、それに相応した呪言を教えられるかどうか微妙なところではあるが、ティッタが覚えたいのは「回復・解毒・解呪」などの「癒しの秘蹟」のはず。
それぐらいならば、特に問題ないだろう。しかし実践出来るかどうか……未知数だ。
「君もどうやら行軍に付き合うみたいだからな。戦う術はともかくとして、そういったことを覚えておくのは悪くない」
「お願いします!」
意気込むティッタ。その姿に一応ティグルの了解はどうなのかと思うが、彼は特に止めないようだ。
「とりあえず今は、山に篭っている連中を叩き潰すことだな。詳しい状況教えてくれるか?」
「ああ、とりあえずここより外で説明した方がいいだろうな。ティッタ、リムの看病頼む」
「はい。お気をつけて」
そう言い残し、幕舎から出てヴォージュ山脈の全体が見れるところまで歩いていく。幕営全体は慌しいようで整然としている。
次に攻め入る時が決戦であると誰もが認識しているのだろう。
連れ立って歩きながら、状況も良く見ておく。皆それほど悲観はしていない。特に不平不満もないようだ。
「まずはどこから話すか……」
「一当てしたんだろ。その際の状況から」
思案したティグルに、聞くべき一番は野盗共と一戦やらかした時、その状況などからだ。
それによるとこういうことらしい。ユーグ卿の要請で野盗征伐に出た「ライトメリッツ軍」は、『巳の刻』の半ば辺りで山道から降りてきた山賊達と戦うこととなった。
ユーグ卿の時のように誘い込まれないように平原での戦いに終始しつつ、防御で後退しつつ、敵を平原側に誘い込んでいって―――、伏兵で挟撃することが出来た。
壊滅と言っても差し支えない状況だったのだが、壊走する山賊たちの中に一人手練れの「人間」がいて毒矢を放った。それは運悪くリムアリーシャの甲冑を砕いて、胸の辺りに突き刺さった。
「処置は早く出来たんだが、少し不安になってな。リョウは薬師としての技量もあるって聞いていたから、トレブションに行ってもらったんだ」
「成程、ただ処置は完璧だったぞ。ベルフォルの街の医者にも見せただろうに、お前は心配しすぎだ」
失態というか甘えだと思っているのかティグルは髪をかき回しながら言ってくる。
そうして山賊共は未だに立てこもっている――――住処は既に割れているとのことだが。
「朽ち果てた城砦か。そういう廃墟とか所有者なしの建築物は取り壊せと言いたい」
「だよな……いずれにせよ。そういう所に篭っている。それでどうしたものかと思案の最中だ」
「予備兵力もあると見た方がいいな……流石に一戦した時に、砦を空にしているわけがない―――とするとだ」
最低でも五十人、多くて六十人以上がいまだに立て篭もっている。しかし城砦にいるということは……。ティグルが広げていた地図を見て考えを巡らす。
一つ、城砦から野盗を追い出す方法を思いつく。恐らくあちらも復讐戦をしたいと意気を上げているだろう。
場合によっては窮鼠になるかもしれないので……もう一つの策で、あちらの戦意を下げることも必要だとしていたのだが……。
『何か奇策でも思いつきましたかな?』
同時に呼びかけられる。方向は後ろからだ。
見ると美男子二人がいた。しかし、お互いの言葉が調和したのが気に入らないのか互いに険悪な視線を向け合う。
ここの領地の後継者である男と、この軍の次席武官である男。
髪の多寡は――――勝敗が着いていた。
「リョウ、こちらは」
「紹介は無用ですよ。お久しぶりですね。まさか―――と思っていましたが、本当だったとは」
「言いたいことは分かるがな。俺は伯爵閣下に忠孝を尽くすと決めたんだ」
髪の多い美男子―――ジェラールを紹介しようとしたティグル、それを制して含みのある言葉をかけてきた。
それに対して、言外に余計なことを言うんじゃないと含めておく。
「心得ておきましょう……さて、どうしますか? あまり日にちも掛けられないのではないですかな?」
軍と言うのは策源地にいるわけでもない限り、一日待機しているだけでも金がかかるのだ。
何より借金まみれの主に更に借金を負わせるわけにもいくまい。そしてユージェン様から頂いた「花代」はこれからの戦いに必要なものだ。
「山を登って戦うってのは、かなり犠牲が出るからな。こっちから打っては出ない……よし、『水の手』を切ってしまえ」
「水脈を断つのか? けれど山にあるんじゃ意味が無いんじゃ……」
「いや、地図を見ると野盗共の水は山頂から引いているわけじゃない……『ここ』と『ここ』を人を使って掘らせろ―――その上で、奴らを―――『ここ』で待ち伏せる」
地図を指で示しながら、作戦の概要を話す。これを採用するかどうかはティグル次第なのだ。
「捕らえるのか……その後は?」
「内部分裂を起こさせる―――お前の武功は減るが構わないか?」
「……同じようなことリムが言っていたな。けれど、もう犠牲は出させられない。兵を無傷で生かし、奪われたものを無事に取り返す―――その術あるんならば、それで頼む」
ティグルが望むかどうかであったが、彼にとってはそれで構わないようだ。
「あとはそうだな……絵心ある奴―――詳細な人物画が書けるのいるか?」
無ければ無くていいのだが、いればそれだけ「簡単になる」。
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「くそがっ!」
火酒の入ったグラスを壁に叩きつける。ガラスが砕けるその音に驚き、身を戦かせる村から攫ってきた娘達。
貞節を汚し、陵辱をすることで慰みとするためだけのものとしてきたが、今はそんな気分にもなれない。
恐らくジスタート軍は、こちらの食糧事情を掴んでいるはずだ。包囲を解かずにいるのは、後々近隣諸侯の援軍が来ると分かっているからだ。
流石に奴らも山の上にいる自分達に戦いを挑む愚は冒してこない。
何よりも腹立たしいのは……。
「どうなっていやがる! 支援は出ないってのか!?」
「さぁな。我々はただ主家と頭領である「ソウジュ」様の求めに応じて貴様に協力しているだけだ」
「だが分かることもある。お前が閣下の支援を受けたければ、この領地の貴族―――オージェ卿を討ち取るべきだったのだよ」
歯軋りをして山賊の首領―――ドナルベインは、その男女の―――暗殺者共を睨み付ける。
自分がここで山賊をしているのは、言うなればテナルディエ公爵の要請によるものだった。彼にとって自分達に従わない連中を従わせる術はいくつかあるが、領内に反乱勢力、反動勢力を作り上げる。
どれだけ関与しているかを偽装しつつ、自分達を使っている辺りにあの男の能力の高さが伺える。だがしかしその分、彼は己の手下にすら多くのことをこなすように求める。
たとえ傍目には大戦果であろうとも、公爵の物差しが長すぎれば「功なし」などと言われるのだ。
「……水を切られた以上、これ以上の篭城は不可能だぞ」
要塞という名ばかりの廃墟における唯一の自給出来る兵站を止められた。恐らくこの廃墟の井戸はヴォージュ山脈から引いていたものではなかったのだ。
持ち主の所有分からぬ場所だったから、そういったことが出来るとも考えていなかったのも一つ。
今現在、副頭に指揮をさせた上で、川に水を汲ませにいかせている。だが成果はあがるまい。しかし……明日、もしくは明後日になれば何とか一戦して囲いを突破できるだけのことは出来るだろう。
そう考えていたのだが予想外のことはいつでも起こるものである――――。
「頭領、大変です! 副頭が下の連中に捕らわれました!!」
屋敷に入り込んできた下っ端の焦った言葉で予定を少し変更せざるをえなくなった。
† † † †
「……上手くいくと思うか?」
「いかなきゃ予定通りお前の鳩を使った虚兵手段でやるだけだ。既に別働隊は向けている」
既に丑三つ時ともいえる深夜。そんな時間の前。山に送り出した『酔っ払い』がどうなるか次第だ。
「離間の策の一つとしては、上手くいくさ。あの副頭ってのは心底から頭領に信頼されているわけじゃない」
「まぁ話から俺もそう感じたが」
くすんだ赤毛を掻くティグル。それを見つつ考える。第一に首領の名前が判明したのは僥倖であった。
『あの男』がどういう人間であるか詳細には知らないが、レグニーツァでの金銭授受の際の様子から猜疑心が高く己以外は信用していないタイプに思えた。
そして『傭兵団』のような組織に属していないところから察するに、集団の頭としては使えなさそうな人間である。
「まぁ俺達は合図を待ちつつ一杯やっておこう」
「俺はいいよ。オルガやルーリック達が別働隊という危険任務に就いているんだ。俺だけでも身を正して報告を待っていたい」
「そうか」
山の上を佇立しながら睨み付けるティグル、とりあえずその姿を見つつ、胡坐をかきながら故郷の酒を一杯呷っておく。
彼の立ち居に既視感を覚えつつ、二刻半もした辺りで変化が訪れた。山の上から『三本』の色付きの矢が飛んでルーリックの合図を確認する。
「―――作戦は成功だ」
流石は魔弾の担い手、一瞬自分は『二本』で失敗かと思えたが、ティグルは見間違うことなくそれを見れたようである。
聞いてから、立ち上がり幕舎内に腹からの声を響かせる。
「閣下が出陣される。選抜された者たちは手筈通りに動け!」
盛大な銅鑼を鳴らす必要は無い。太鼓の音もない。ただ馬を使って山道を上がる。それだけだ。
そんなティグル達が出陣する前、山道ではなく獣道のような場所を上がることで野盗共の館を見下ろせる位置に来た別働隊は、眼下で行われている風景を見ていた。
それは拷問風景である。外に連れ出された見知った男が、首領と思しき黒髪の男に吊るし上げられながら、数々の悲惨極まりない行為を行っている。
「離間の策とはいえ、ここまで上手くいくとは……正直予想外でしたな」
「だが、ここからだ。副頭が何を言うかによる……それ次第で作戦の成否が決まる」
後ろで話している禿頭のライトメリッツ兵士と長髪ながらも縮れている褐色髪の貴族の言葉を聴きつつ、オルガは耳を澄ませる。
自由騎士リョウ・サカガミがとった手段は兵糧攻めによって奴らが「窮鼠猫を噛む」形を消すことにあった。
川に水を汲んでくると踏んだ自由騎士は、その際に捕らえた男が指示を出している所から幹部に相当する人員であると理解してからは早業である。
一人を捕らえると同時に、周りの部下達をティグルの矢で適当に殺しつつ、何人かを生かして返した。
「あちらは水も禄に飲めない貧窮状態―――、そんな中で一人だけおっとり刀で帰ってくれば……」
「粛清のためにもああなるか。とはいえあそこまで歓待する意味は見出せないな」
感心するような言い方をするも最後の方には、あの副頭に費やした食事と酒の量を嘆くようなことを言う。
しみったれたことを言う人だ。とオルガは思いつつ兵站もまた軍にとって大切でもあると思う。
「それもまた連中を分裂させるための策だ……お前はティグルヴルムド卿が信じた戦士を信用出来ないのか?」
「そういうあなたこそ自由騎士を信じている風には聞こえないな。寧ろアルサス伯爵の武威を高める機会を奪ったぐらいには考えているはず」
――――少し声が大きくなりつつある二人だが、それ以上に副頭の悲鳴が甲高く響き、自分達の声を掻き消すほどだ。
「ならばオルガ様がどう感じるかだ。ご裁決いただきたい!」
「公平な裁決をお願いしますよ」
勢い込むルーリック、気障ったらしく言うジェラール。こんな個性的な連中をまとめるのも「将」に必要な素質だとしてあの自由騎士は言ってきた。
とはいえどう言ったものかと少し考えながら……別に贔屓目があってもいいと思って、考えをまとめた。
「リムさんには悪いけれどティグルには特別な武功は必要ないと思う。今回もどう軍を動かすかだけを理解すればいい」
オルガの言葉にルーリックは酷く落胆する。反対にジェラールは、少し得意げな顔だがそれもまた違うとして言葉を続ける。
「けれどそれはティグルが将をまとめる『王』の器だからだ。お兄さんも言っていたけれどティグルはブリューヌでは弱小貴族で弓が得意で馬鹿にされることも多かった――――だから下にいる人間のことを真に理解出来ているって」
そこからのし上がろうという野心は無くとも、様々な人間を理解して、活かすことに長けている。いざ立ち上がれば、彼は多くの人間を動かせるだけの器を持っている。
「勇気もあるし、行動力も、人望もある―――それら全てがティグルの器なんだと思う。だから私もお兄さんもティグルの放つ「矢」の先にある障害を切り崩す「木こり」でいいんだ」
「……それがあの伯爵の魅力であり、あなた方が虜になる理由だと……?」
「付き合いが短いジェラールさんにはまだ分からないかもしれない。けれどそれでいいと思う。私やルーリックさんやお兄さん達がティグルの虜なだけで、冷静な判断が出来なくなった時に鋭い一言で諌めてくれれば、それは最良だよ」
「―――私は別にあの伯爵の部下になってはいません」
「おまえはっ」
しれっ、と言うジェラールに拳を振り下ろさんばかりのルーリック、しかし次の一言でそれも収まる。
「ですが、あの伯爵と行軍することあれば、時には辣言吐くこともしましょう。私とてこの領地を継ぐものとして、あの青年がどんなことをするのか見ておかなければならない」
結局の所、ジェラールがこうなのは性分でしかないのだろう。立場の違いでしかないといえばそれまでだ。
アルサスの保全としてネメタクムへと向かうティグルは様々な目で、これから見られる。そして味方となる貴族達も己の領土をテナルディエ公爵及びガヌロンに脅かされないように動く。
それが第一義である以上、ジェラールの態度は当然である。だからこれ以上は今後のティグル次第だとオルガもこれ以上は言わないでおいた。これ以上は自分の言葉を尽くしたとしても無意味だと思えたから
「うん。存分に見てくれ。私とお兄さんが王様だと感じた男はすごいんだってことを後世にまで伝えてくれ」
「オルガ様、私も含めてください。弓聖王の偉業の語り部となりますから」
「けれどあんまりティグルに傾くとエレオノ――――――――」
言葉が途切れたのは状況に変化が現れたからだ。拷問受けていた副頭の懐から出た「指名手配書」―――五千ドゥニエと頭領ドナルベインの似顔絵が書かれたそれを下っ端が拾い上げたからだ。
『全員聞け!! このままじゃおれらは破滅だ!! ブリューヌ国軍は、ジスタート軍との同盟でおれたちを殺すつもりなんだ!!』
追い詰められた副頭は、教え込まれた情報をペラペラと声を張り上げて叫ぶ。
その指名手配書にはドナルベインの罪状も書かれており、それこそがジスタート軍との同盟理由にもなっている―――はず。
『おれは西方の自由騎士と呼ばれるヤーファ人からそれを受け取った!! 今ならばそこの裏切りのよう―――――』
甲高い声が途切れたのは、頭領でもあるドナルベインが澄んだ青色の刃を振るって絶命させたからだ。
だがそれはあまりにも短慮な行動だった。これでは既に「馬脚」を現したも同然だったからだ。しかし追い詰められていた野盗共である疑いの視線がドナルベイン及び幹部連中に向けられる。
幹部もまたドナルベインに疑いの目を向けていた。一触即発―――全員が得物を引き抜いたのを確認して作戦は最終段階だと感じられた。
「手はず通りに、ジェラールさん達は裏口に回って女性達を安心させると同時に、内側から扉を閉じてください――――それとルーリックさん。あの―――中央の篝火台消せるかな?」
「成程、同士討ちを誘発するのですな。お任せを、奴らが蹴飛ばしたと見せかける形であの巨大な篝火を落としましょう」
見せしめの効果と燃料節約のためなのか城砦外の火を一箇所に集めたそれのみが、この場所の明かりだ。
それを無くせば惨劇はもっと悲惨になるはず。夜目が利いたとして目の前に「敵」がいる以上、刃は振るわれ放題である。
例え敵が同一であっても「目の前」にいる人間が殺しにかかれば―――――。
月明かりも朧な三日月すらも長く尾を引く暗雲に隠れた時に、野盗同士の切りあいが始まった。
頭領派と副頭派がきり合いする中、怒号が響き鈍い金属音が鳴り響きながら、誰か一人が篝火台に近づいていく。
首領であるドナルベインだ。そしてルーリックは下っ端三人ほどがまとめてドナルベインとぶつかる寸前を狙って矢を放ち―――ドナルベインに処理させる形で、篝火台を消させた。
不審に思ったドナルベインだが、しかし自分の首を取ることで恩赦を得ようとしている連中の前では、あまりにも無駄な思考だった。
「くそがあっ!! フェリックスゥウ!!!!」
堅い地面に落ちて炎は燃え広がるもの無くなり、更に言えば多くの人間が篝火の燃焼物を踏んでいくので三十も数える前に完全な闇の帳が落ちた。
闇の帳の中、誰が敵で誰が味方かも分からぬ中、己の剣のみを振るうドナルベイン。
この中では一番の「業物」を持っているだけにドナルベインの繰り広げた惨劇は恐ろしいほどに進んだ。
悲鳴が加わり怒りの声がそれを上塗りしていき―――――――。
―――――一刻半もする頃には、城砦の外には動く人間は一人だけとなった。
多くの裂傷、打撲跡を全身に負って、もはや死に体である歴戦の傭兵という―――肩書き虚しい敗残兵。
「どこだ! かかってきやがれ!!! おれのくびを取ったところで、てめえらの罪が許されるわけじゃねええ!!!」
「そう。だからあなた以外は全員死んでるよ―――その剣、随分な業物だ」
もはや出血のしすぎで、目も見えなくなっているドナルベインの耳に、涼やかな音色を転がしたような声がした。
陵辱の末の嬌声を上げさせてきた女共とも違う声だ。初めて聞く声ながらも、ドナルベインは察していた。
この女―――というよりも小娘だろうが下手人の関係者なのだと……。恐らく自分の前にて「大型の武器」が軋む音が耳に届きながら、最後を覚悟する。
「自由騎士リョウ・サカガミからの伝言だ――――『最後ぐらいは全てを話して死ね。』と」
「――――あの野郎……はっ、はっ……ちくしょうがぁ―――俺を使ったのは―――」
目の前の野盗の「雇い主」の「名前」を聞きながら小娘――――オルガは、怒りを強くした。
「ちくしょう……あいつと俺とでなにが――――違うってんだぁあああ!!!!」
耳に届く音を頼りにドナルベインは突進していた。音の中に「戦姫様」「オルガ様!」というものがあり、目の前の存在を察していながらも止まらず―――ミスリルソードを振るっていたが。
その前に上半身と下半身が分かたれた。突進からの落下―――底なしの地獄に落ちていく感覚にも似ていて、その顔は絶望に染まっていた。
「お兄さんの伝言の追加だ。『力なき者の剣と盾となる―――自由な翼―――それが自由騎士』だそうだ」
――――おれには出来ない―――生き方だ――――。
既に死んでいた男の口から出るはず無い言葉だったが、オルガはそんな言葉を聞いたような気がした。
やはり幻聴の類だろうと、笑みを浮かべて動かなくなった死体を一瞥してからルーリックに合図矢を出すように指示を出す。
夜明けは近づきつつあった――――。
† † † †
そんなドナルベインの最後を遠くから見ていたものがいた。
オルガ達、別働隊の位置とは別の所に陣取っていた―――距離としては三十アルシンほど頂に近い所でそれを見ていた暗殺者二人は、笠を目深に被りなおしてから、やはり駄目だったかと考える。
「あの桃色の少女が戦姫なのか? ならば我らが毒を食らった女は戦姫ではなかったのか?」
「分からぬ。戦姫は全部で七人。その内の何人がアルサス領主に協力しているか……。もっともあのような超常の武器を振るったのが戦姫であることは理解した」
男と女の暗殺者二人。七鎖と八蜂というテナルディエ家秘蔵の毒手のメンバー二人は、確認しあいながら、合流地点に急ぐことにした。
七鎖にとっては、自分達よりも上位の術者にして自分達の殺しの技の教官となってくれた者。八蜂にとっては、自分達を教育して生きる術を教えてくれた「歩き巫女」の頭に―――。
それを伝えるために「韋駄天の術」を発動させて、向かうことにした。
† † † †
夜明けになると同時にヴォージュ山脈に入り込んだティグル達は、そこでの予想外の光景に一度面食らうこととなってしまう。
野盗共のアジトは廃墟のような城砦と、城砦の周りに岩で作られた質素な塒―――そして死屍累々たる野盗共の死体の山であった。
様々な戦利品。中でも―――内部分裂が起きた時点で鎧も着ていなかった人間ばかりだったらしく、修理の必要性が殆ど無い武具を入手出来たのは大きかった。
今後も使えるもの、使えないもの。オージェ子爵に渡すべきもの、そして死体の処理などを手分けして指示していたところ。
やってきたのは、別働隊であり女性陣救出部隊であったジェラールである。表情に変化は無いが、少しだけ……疲れているようにも見えるが、特に指摘しなかった。
指摘しても逆鱗に触れるだけな気もしていたからだ。
「ではここはお願いします」
「承知した。オルガ、ルーリックもジェラールと一緒に下ってくれ……彼女達に必要なのは、お前達だろうからな」
「……分かった」
野盗共の慰みものとなっていた村の女性達は、ジェラールの保護で山を下ることになっていた。
それの護衛であり、安心のためにも女と「二枚目」が一緒にいた方がいいだろうとしてティグルは、そう指示した。
少しの不満を見せつつも、オルガは従って馬車の御者となった。
「ご婦人方の扱いはお任せください。サカガミ卿―――お願いいたします」
「承知した。ティグルは無事に凱旋させる」
そこまでの危険は、もはや無いはずなのだが、もしかしたらば山の獣が血の匂いに惹かれてやってくる可能性もある。
ルーリックの懸念をリョウは察しているのだろう。そうして後方移送の馬車数台を見送ってから―――惨状の程を見る。
「まさかこんな欺瞞情報を信じるとはな……馬鹿が、お前がもう少し「自由」にやってればこんなことにならなかったんだよ」
野盗の首領ドナルベインの死体。そして血と土に塗れた偽の「指名手配書」。その二つを見比べたリョウが嘆くように言う。
「リョウの国では、こんな風な計略も行うのか?」
「基本的にヤーファは平地よりも山地が多くてな。防御の要害である山城を落とすには、こういった離間工作、調略の類は多いよ」
もっとも山にある以上、よほどの備えなくば兵糧攻めされるだけだがと付け加えるリョウ。
「コンスイボギョ―――、水をかき混ぜて、魚を誘導することに似ていることから、名付けられている。――――卑怯だと罵るか?」
「命じたのは俺だ。……この乱世で『戦』の作法にこだわる意味がどこにある。何より敵は野盗だ」
「オルガの話ならば、奴はテナルディエ家の客将だったようだが―――それでもか?」
確認するように視線で問いかけてくるリョウ。試しの言葉であることを理解しながらもティグルは心のままに吐き出した。
「ああ。今回の事で確信したよ。味方でないならば、味方にならないならば同属、同民にすら非道を行う。様々な斟酌無く行うやつ玉座に就けば、ブリューヌ全土がどんなことになるか―――」
今まで、ティグルには確かにアルサスを守る。それが第一義であり、会談の時のマスハスほどの義憤は無かった。
しかし城砦より出てきた様々な指令書、手紙の類などを一読してからティグルは、一種の怒りを覚えた。それは人間として正しき「怒り」であった。
「何で燃やさなかったんだろうやら、あるいはこの事をどこかに密告するぐらいは考えていたのだろうかな」
「どちらにせよ……馬脚を現したな。王になるとかまでは考えないが―――」
そんな奴に玉座を与えることは有り得ない。泥臭くても、例えブリューヌの戦の作法を逸脱したとしても――――。それだけは心が許せないのだ。
「俺の心が正しいと思えたことを必ずや成し遂げる―――これから出るかもしれない悪名は俺が引き受けていく。鬼となり魔王と呼ばれようとも構わない。冥府に落ちるは俺だけだ。だからリョウ、――――平和が訪れ、皆に笑顔が戻るまでは、どんなことあろうともその刀を鈍らせないでくれ」
そう言って来るティグル。そんなことを言われたのは「三度目」である。
一人は神王。一人は魔王。
二人ともが、『お前のカタナは私の『言葉』だ』として、そんな風なことを決意して言ってきたのだ。
「お前はお前の心のままに命じろ。それに俺は応えるだけだ――――お前が斬れと命じたもの守れと命じたものの為にカタナを振るうさ」
全てを背負うと決意した王様。その為に働けるというのならば、これ以上の武士としての誉れは無い。
何より恐らくティグルの心は俺と同じはず。たとえ困難な戦場に民を助けに行くなどという無謀をも、この男は行うはず。
それは―――俺と同じ道だ。だからこそ戦える。
「詳しくは後に話すが、まず行軍する前に……お前は、この「武器」をテナルディエ公爵に供給した『戦姫』に会わなければならない」
決意の言葉の後には現実に引き戻す。とりあえず当面の問題としてドナルベインの得物に関して決着を着けねばならないと告げる。
剣の心得不足しつつも、その剣の良し悪しを感じて、豪奢な鞘から軽く引き抜くティグル。
夜明けの光に透けて刀身に見えるのはこの辺りの戦神の紋章である。
「トリグラフの紋章の……ショートソード」
「オニガシマより産出せし神鍛金属ミスリル、火竜の炎により溶けて鍛えるは、氷結の土地の鍛冶職人」
「……近いのか? ここから」
ティグルの質問に首肯で答えてから、件の戦姫の名前を告げる。
「公国オルミュッツの蒼の公主 リュドミラ=ルリエ。まずは彼女と話を着けるべきだ」
あとがき
前回話題に出した最弱無敗がアニメ化決定。何となくそんな気はしていたんですよね。
今のダンまちの後に続くGA文庫のアニメ化の矢の一本に加わるだろうなぁとは感じていましたが……。
とりあえずアニメ化したらISのパクリだ何だと罵られるかもしれないが、その面白さ!俺だけは認めてやろう!最弱無敗の神装機竜!!(アオイホノオ風)
きっとアニメ化したら、俺だけの最弱無敗じゃなくなるんだ……。(失礼)
ではでは変な話は置いていつも通りの感想返信にいたります。
>>almanosさん
感想ありがとうございます。
ええ、ヤーファの魔王は女ということにしました。最初は男の予定だったんですが、やはり「シェフ」よりも「忍び」の方の信長のイメージですっかり塗り替えられた挙句、戦国恋姫(未プレイ)などもありこうなりました。
まぁ英霊女性化で有名な型月でも信長が女になっているし、そうしていこうと思った次第です。
リョウ自身は少しホームシックになりつつ、「みんな元気かなー」と思っています。
ジスタートの女子会よりも賑やかなのがヤーファの女子会。賑やか過ぎて時に怪我人まで出そうです。
リョウの主人公イメージの中には「帝都」「巴里」と二つの破邪の乙女達を率いた「隊長」もありますから、みんなして見送りには来てくれました。(心中は穏やかではないでしょうが)
後々この辺りも書いていこうかと思っています。
そしてムオジネルにいるは、史実では戦国を代表する『謀反人』―――、後々この辺りも書いていきますが、この男の暗躍が更に原作以上に複雑なものを作り出します。ご期待ください。
>>放浪人さん
感想ありがとうございます。
あんまりネタバレもどうかと思いますが、手に入るのも容易じゃなくなってきているかもしれないので簡単に戦鬼の概要を……。
鬼の頭領として吉備にて人間と共存していた主人公の父親が、桃生なる謎の男に殺されて首を皇宮に献上、その後、桃生は吉備を支配して「自分を神として信仰しろ」「国を譲れ」などと『三種の神器』を奪った上で、皇宮に要求。
主人公は鬼と人間の混血であり、父親の首を取り戻し桃生に復讐をするために、巫女見習いの少女、皇宮からの役人(下っ端)などと共に旅をしていくという話です。
川口先生のデビュー作なので一巻で終わっていますが、「実在の神話・伝説」をモチーフにするというスタイルは魔弾のテイストに受け継がれています。(事実、本人も認めている)
そんな桃生のビジュアルはFF7のセフィロス、オーフェンのコルゴン。人によっては「うざい長髪のビジュアル系」にも見えます。
ヤーファの現状は後々書いていきますが、とりあえずは平穏ですね。まぁリョウ自身は結婚云々の前に「家督」を禅譲してほしいと思っているんですが、まぁそのあたりも劇中で描いていきます。
皇剣隊は、あれですよ。レギオスの天剣とかハンター十二支んとか、そういう連中。必然的に「個人武力」「軍隊能力」などを鑑みて、そういう面子が選ばれるのは仕方ないといったところです。
上で書いたように「花見の準備をせよ!」「体が勝手に…」などという主人公の要素もあるんで……まぁ仕方ないんですねー(遠い目)
ムオジネルにいるは奴です。戦国を代表する謀反人。後の創作だなんだと言われていますが「毛利元就」に心に「狼」を飼っていると言われた男です。
色々とご期待ください!(笑)
>>雷天狗さん
とりあえず理想郷のXXX板を要チェックや!(ヤング小野坂)
拙いものですが、そちらの方でも、よろしくお願いします。
さてさて、気付かれた方は気付いたようですが、XXX板の方に今作の外伝。色々とえっちぃ話を投稿するスレッドを立てました。
気が向いたらば書いていくスタイルなので、まぁあんまり期待しないでください。
最初の相手は、えろこし……ではなく「みかこし」ボイスが色々と魅力的なサーシャということにしました。
というか一話だけで約5800PVとか、全くこのエロどもめ(おまいう)
何か気付いたことなどありましたらば、そちらの方でもご一筆よろしくお願いします。
ではでは、今回はここまで、お相手はトロイアレイでした。
追伸―――pixivでのオミナ先生の魔弾絵の破壊力はとんでもなかった。つぎにエロを書くとしたらばソフィーになってしまうかもしれない。(笑)