ブリューヌ軍敗走。
何のことはない地域紛争、その戦場において多くのことが動こうとしていた。未だにムオジネル、ザクスタンなどには詳細な情報は届いていないものの、風聞で一つのことがまことしやかに囁かれていた。
ブリューヌ皇太子レグナス戦死ーーー。あるものにとっては訃報。あるものにとっては吉報。あるものにとっては偽報の類が、多くの人々に伝わっていく。
何かが起きる。明確な予感ではないとはいえ、ブリューヌに生きる多くの人々が、この平原の王国に起こるだろう不穏なものを感じ取っていた。
そして国王は、唯一の直系を亡くしたということから鬱ぎこむことになっていった。
表向きはーーー。
「レグナスの幕舎はかなり荒らされていた。近衛騎士三人の遺体は、そのままだったが……レグナス本人の遺体と、ジャンヌの遺体は見つからなかった。無論、首検分のために持っていかれたというのならば、どうしようもないが、跡地にいた兵士連中にも聞いたがレグナスらしきものはいなかったそうだ」
「…………全ては不確定ということか、生きているかもしれぬし、死んでいるかもしれない…………」
国王の私室。かつて、多くのことを託された場所に再び舞い戻った。
調べてきたことを全て話しておきながら、断定出来ないのは、自分とエレオノーラの仲が最悪だからだろう。
だが、どうにも不可解なことがあった。レグナス…レギンの幕舎に撒かれていた血飛沫。
その様子から察するに、何かがあった。騎士達は抜刀もせずに死体となっていた様から暗殺者の類いによるもののはず。
エレオノーラが使った可能性もあるが、まだ事実確認の最中だ。
第一、王子の殺害が早すぎた。二万五千を五千で打ち破る。確かに電撃作戦としては成功の部類。
しかしながら、陣の最中央。一番防備が強かっただろう場所にそこまで早く侵攻出来るだろうか、今の所、記録官によるまとめが上がるのを待つようだが……。恐らくレギンは生きている。
確信ではないが予感、天文の星の位置を見るに、まだレギンの命脈は尽きてはいない。
「とにかく暫くは、鬱ぎ混んでいる様子でいた方がいいでしょうな。色々と誤魔化しも効きますし」
と言葉の後半で、部屋の隅に目を向けると、一人の人間、給仕衣装の男が簀巻きにされている。正体はこの王宮の内膳司の一人。そんな人間が何故、部屋の隅にいるのかを事情を知らなければ誰もが訝しむはずだ。
「戦争が終わると同時にまさか一服盛ってくるとは……」
戦争をするというのならば、確かに早さは肝心要のものだ。エレオノーラが背後からの奇襲を成功できたのも決断の速さと迅速な行軍あってこそだ。
だが、ガヌロンもしくはテナルディエ。どちらの手の者かは分からないが、レギンを失うと同時に、王宮にまで手を伸ばしてくるとは
「どちらにせよ目的は王都の機能を麻痺させることだろう。如何にボードワン殿たちが献策講じても、最終的な決裁を取り仕切るのは、ファーロン陛下だからな」
その言葉にボードワンは溜め息を吐き出す。まさか王宮にまで両盟主の毒手が回っているとは思わなかったのだろう。
こちらの言葉に、ファーロンは少し考え込みながら、その思案の顔から、結論を出した。
「内膳司を解放してよいな。そして毒は通常通り私に与えたまえ」
とんでもない結論。王は本当にレギンが死亡したと思って狂ってしまったのではないかと部屋にいる下手人含めて思った。
「……理解出来ませんぞ陛下。何ゆえそのような凶行を……」
「我が王宮のコックは優秀だ。そして今まで彼の人格を尊重して、毒味役などを設けてこなかった。そんな忠臣にすら、このようなことをさせる以上、もはやテナルディエ、ガヌロンを止めるには武力しかあるまい。辛い役目、申し訳ない」
ファーロン陛下は、この内膳司が脅されてやったのだと気づいていた。恐らく人質でも取られているのだろう。
王宮の料理人ともなれば、その給料はちょっとした貴族よりも高いはずだ。
だというのに、こんなことをするということ……そういう事情が見え隠れする。
だが、それだけでファーロンが自ら毒を煽る理由にはならない。
「へ、陛下、ご寛恕いただいてありがたいですが、そのようなことなさらないでください……」
「そなたの作る料理はいつでも、我が腹を心地よく満たしてくれた。それを忘れるわけにはいかぬし、そなたの家族に迷惑をかけるのも我が心にしこりを残す」
温情でありながらも、そのようなことをしては確実に体を害する。
ファーロンとしては、今後起こるだろう争乱終結まで、命があればいいという公算なのだろうが……何事も計算通りにいかないのが、世の中というものだ。
この国王の思惑はことごとく外れてここまで来たのだからーーー。
「一応、中和剤も渡しておきます。但し量もそこまでありません……そして、今から私は王宮には近づけません」
それは前々から言われていたことだ。調査報告の後の連絡員なども用意出来ていない現状だったので、今回はやむを得ず王宮に来たが、今後ここに自分は来れない。
恐らくガヌロン、テナルディエは本格的に戦争を始めるまえに、王宮の権利を掌握しに来るつもりだろう。
玉璽なども場合によっては奪いに来る可能性もある。
それが終わってから漸く、奸賊は刃を交えるつもりだろう。
そこに自分がいてはどうなるか分からない。無論、暗殺者程度は退けられるだろうが、それでもジスタートの食客である自分は、寄り付かない方がいいだろう。
「まずはどこに行きますかな?」
ボードワンとしては、レギンが生きていれば早くに戻ってきて偽報、虚報の類であったと喧伝することで大貴族を騎士団の勢力などで追い落としたいだろう。
扉に体を翻しながら、語る。
気は進まないが、リュドミラの領地からライトメリッツよりも、直接ライトメリッツに入れるルートの方角。
確か、そのライトメリッツ領に近いブリューヌ領はーーー。
「アルサス、まずはそこを目指そうと思います」
† † †
「それじゃ、君はそんな経緯で捕虜になったのか?」
「ああ、何だか随分と聞かれるが、そんなに変なのかな?」
「君じゃなくて、エレンの行動が可笑しかったのさ。彼女は今までどんな戦を行っても捕虜をあまり取らなかったんだ。身代金目的のものは騎士たちだけに任せてね」
戦姫の個人的な捕虜というのは、かなり重要な意味を持つ。彼女らはその超常の力を持つが故に大半の戦士達を下に見る。
昔の話だが、戦姫の捕虜となった剣士の一人は彼女の薦めもあってムオジネルの前身国家の闘技場において、戦姫御抱えの剣奴となって最終的には時のチャンピオンを打ち破り自由を勝ち取った。
「自由を勝ち取った剣奴がその後やったことは、まずその戦姫に求婚することだった。その頃には彼女とその剣奴との仲は知れ渡っていたんだけどね」
最初から最後まで面白がるように話す黒髪にして、短髪の女性。アレクサンドラという戦姫は、変人戦姫列伝・外典に書いてあることだと告げてきた。
「それじゃ俺には無理だな。俺は剣も槍も苦手だ……剣闘士となって自由を勝ち取ることも出来そうにない」
公宮の廊下にティグルの力ない嘆きがこだまする。こんな時は剣を上手く使えない我が身が悔しい。そんな武勲詩(ジェスタ)にまで伝えられるような存在、例えばリョウ・サカガミのようであれば、如何様にも出来たかもしれないのに
そんなティグルの嘆きは、当の本人が聞いたらば「俺は弓を執らせれば遠雷、天下無双になりたかった」と言うだろう。
アレクサンドラは、そうしてお互いに無い物ねだりをしている似た者同士な男の子たちと結論つけておいた。
「だからエレンは君に違う道を示すだろうね。それを受けるかどうかは君次第だ」
アレクサンドラは、自分に示されるだろうことを半ば予想しているようだ。
エレン……エレオノーラの執務室に入ると同時に、鋭い視線が向けられる。自分に対してだけであり、アレクサンドラにたいしては敬服しているようだ。
そして呼び出したエレオノーラは、目を通して決裁を押した書類から目を離してようやくこちらを見てきた。
「ようやく来てくれたな。リムが起こしても寝てばかりだったからサーシャにいってもらって正解だった」
「リョウで慣れているからね。もちろん一緒の布団に入っていても得意だけど」
「……前言撤回だ。リム、今度から何が何でも起こせ。具体的には剣の切っ先を口に入れても構わん」
……やけに具体的かつ、猟奇的な起こし方を提案するものだ。
「承知しました。今度からはそうします」
しかも了解されてしまっているし…。明日からは絶対に早起きしようと心に決めつつティグルは表情を引き締める。
「俺を呼び出したのは何でだ?」
「色々とあるが、まずはお前に今後の身の振り方を決めさせようと思ってな」
そうしてエレオノーラは、話してくる。自分の今後に関わることだけにティグルもこれには真剣に応じなければならない。
「まずはお前にかかる身代金だが……こんな所だ」
示された金額に眩暈がする。しっかりしようと思っていたところにいきなり衝撃的な一撃だった。
「な、七万ドゥニエ……何でこんな金額が設定されているんだ!? 言っていて悲しくなるが俺は伯爵だし、王家連理でもない。ついでに言えば弓ぐらいしか取り柄がないんだぞ」
「うむ。しかしこれがブリューヌとジスタート側との戦時約款というやつでな。まずは一つずつ答えていこう」
そうして麗しい戦姫の声が響く。その麗しさなど目に入らぬぐらいに衝撃的な答えが突きつけられる。
どの国でも優秀な将軍や騎士……つまり剣や槍の豪傑無双は得難い。そして今までは、それを捕えれば身代金は多く取れたが、しかしそれは同時に相手国の経済をとにかく疲弊させることとなっていった。
戦争とは外交の一つであり、相手国を完全に征服できるならばともかく、持ちつ持たれつの関係を持続出来るならば、あまりにも疲弊させるのは、得策ではなかった。
そこで―――例え、剣や槍の豪傑を捕えたとしてもあまり高い金額を設定することはお互いにやめた。
しかし、それでも身代金という制度を持続させて、かつどこかに高い金額を設定しなければ名誉と契約の神ラジガスト、戦神トリグラフに申しわけがないだろうと、二国の高神官達が反発したのだ。
特に戦神トリグラフに仕えている神官は、その性質上―――剛毅なものが多く、メイスやモーニングスターを持ち、己の勇者と信じた戦士と共にいることもあるのだ。そんな連中ばかりなので、そんな風に弓使いにとばっちりが来た。
「結果として弓使いという貴族位のものには、このような金額が設定されているのだ。理解出来たか?」
「ああ、これからはトリグラフを祀る神殿には寄進しないことに決めたよ」
戦というものは時の運だ。しかし勝算のある戦いであったのを崩されたばかりか、一人の男の運命までもここまでかき乱すとは。
だからこそせめてラジガストの加護を信じて交渉を開始する。
「……負けてくれないか?」
「駄目だ」
「せめて二万ドゥニエ程度に」
「駄目だ♪」
びた一文負けてやらんという笑顔。それにティグルはとりあえず降参しておく。蓄えはこれからの事業の投資に回してしまった。つまりそんな金額を払える計算は無いのだ。
春になれば、何とかなりそうだったというのに時期が悪かった。オルガから教えてもらった騎馬民族特有の馬乳食などを参考にした酪農製品の生産体制が整いつつあったというのに。
「五十日以内にこれに対する回答及びそれに類するものが無い場合、ティグルヴルムド・ヴォルン伯爵。あなたの身柄は正式に私のものとなる。それを前提として―――今のうちに良い条件で何とかしてもらいたいと思わないか?」
何とかとは何だろうか? アレクサンドラという女性はすでに察しているようだった。
リムアリーシャという女性は、ため息を吐いている。
「エレオノーラ様、その誘いをする前に、まずは公宮の兵士達、全員の前でティグルヴルムド卿の腕前を見せるべきです」
リムアリーシャという女性が、ため息からそんなことを言ってきてティグルも察しがつく。
「お前の馬を一射で当てたのだぞ。ティグルヴルムド……長いな。これからは私のことはエレンと呼んでいいから、お前も愛称を教えてくれ?」
「ティグルと皆からは呼ばれている。それでエレン、俺は何を『射れば』いいんだ?」
流石に早くも愛称で呼んだことにリムアリーシャは少し怒っているようだが、話が進まないと思ったのか、流れのままにさせていた。
―――そうしてティグルは練兵場の中でも弓使い達の訓練場に連れて行かれて、その実力を披露した。
結果として一人の青年の毛髪全てと驕慢を奪い取り、公宮の女性達に多大な嘆きをさせるのだが、それは彼の大いなる戦果であり、青年一人を英雄の道へと進ませる切欠にもなった。同時に青年の新たな魅力(毛髪を奪った男と一緒の時)に女性達は違うため息を吐くこととなった。
それは後の未来においてもそうなのだが、当時を生きる者たちにとっては知るべくもないことであった。
† † †
鯨油に灯された灯りの中、上がってきた報告を見ながら青髪の少女が目を細めて言う。
「そう。ブリューヌとの戦争はこちらの完勝……エレオノーラも侮れないわね」
「それで……どうするのかしらリュドミラ・ルリエ?」
呟きに対して、青髪の少女の対面に座っていた紅髪の少女が返す。
「どうもしないわエリザヴェータ・フォミナ、私達に何か影響があると思っているの?」
無いわけがないだろう。だからこそこうして緊急の会談にも応じて、氷の戦姫と雷の戦姫はお互いに提供できる中立地帯で話し合っているのだ。
紅茶を飲みながら、別荘の一室にて話し合っていた。
「これを機にブリューヌでは内乱が起こる。それは同時に私達二人の取引相手との決済が増えるということよ。私はウラの事業で出来たものを戦争に使ってほしくないわ」
「……あなたがオニガシマからミスリル鋼や希少金属を私の領地に届けてくれているのは分かっている。エリザヴェータ、あなたの尽力は有難いわ」
目の前の紅髪の戦姫の懸念は分かる。そしてそれはミラも分かっていたことだ。
義兄として慕っている男性は、いずれ起こるだろう大いなる戦いの為に、これを渡してくれたのだ。
それは人の世にあってはならぬ「邪悪」との戦いだ。
あの後、ソフィーから聞いた話ではブリューヌにおいて、蛙の魔物が現れて義兄と戦ったそうだ。
その時は結局、逃げられたそうだが―――。恐らく今後起こるだろう西方の争乱においてこの魔からの被害は出てくるだろう。
「義兄様ならば、出し渋りはしないで稼げと言ってくるでしょうね」
「リュドミラ、貴女―――」
「落ち着いてエリザヴェータ、いえリーザ。私にも考えはあるわ」
腰を浮かせた雷渦の戦姫を手で制しつつ、自分の考えを同世代の戦姫に話す。
「義兄様ならば、この力を使っての混乱はよろしくないとしつつも、これが多くの人間に行き渡らなければ、その方が多くの災厄を招くとしているでしょうね」
力を制限するとしても、いざそれが必要な所になければ、その方が多くの人死にを招く。
義兄もまた長き時の中で、破邪と退魔を統べる一族は、世界と関わることを無くすわけにはいかなくなったのだから。
「結局、テナルディエ家だけでなく多くのブリューヌ貴族と付き合えということでしょうね。まぁ多角的経営を行っていければ、いざというときのリスクを回避できるでしょう」
「お互い、昔からの付き合いしか持っていないものね私も……ミラも……」
俯き加減にして、こちらの名前を呼んだリーザに少しだけ顔を綻ばせる。
(別にエレオノーラだけじゃないわよね……)
昔、年が近く仲良くなろうとした少女とは義兄のことが無くても今でも不仲だった。
しかし少し遠い領地には、自分と同じ年頃の戦姫がいた。それと仲良くすることも重要だったのではないかと今では思う。
「これから私達はお互い色々と助けあっていきましょ。リーザ、戦姫若い方組として」
「ええ、ミラ。よろしくお願いするわ。ついでに言えば私とウラの仲を進展させるために協力してくれないかしら? 具体的には戦姫お局組を遠ざけるためにも」
こうして同じ取引相手を持っていた少女二人は変な所で意気投合し、今後の西方情勢に深く関与しつつも、見極めて新たなる販路開拓も共同で行うことを了承しあった。
† † †
ブリューヌの不穏な空気に対応したそれとは別に、遠き東の果ての国でも同じく情勢の変化を察知していた。
「ブリューヌ王国で遂に我が家の剣士がまみえたらしいが……」
「何かご不満でも?」
隣にて座っている女、男として育てられながらも、その実、女であることを理解してリョウに近づけさせないようにしていた女が副官よろしく聞いてきた。
不満。そんなものはありまくる。寧ろ無いとでも思っていたのか?
秋の季節、紅葉舞い散る庭園の庭を見つつ、ヤーファの最高権力者は憤慨する。
「あやつは何なんだ。私は最初、破邪の使命を果たすようにと送り出したのに……ジスタートに至った辺りから話題が女のことばかりだぞ! 好色自伝でも出版するつもりか!?」
「落ち着いてくださいよサクヤ、まぁ私もどうかと思いますよ。けれどもジスタートの戦姫は恐らく、魔と戦うことを宿命付けられた存在、神流にして戦鬼の家系のリョウが関わりを強くするのは仕方ない話では」
そうしてカズサは庇い立てしつつも、そんな風に腕を振り上げて怒るくらいならば、着いていけばよかったのに、とも思う。
サクヤがダメならば自分が着いていっただろうが、隊の副官も勤めているカズサを動かすことを彼は了承せず、こうなってしまった。
「……そういうわけにもいかん。私が離れれば恐らく今、この国は霊的な守護を失う。第一、私は女王なんだ……そんな簡単に動けない……リョウが、私の剣士が、私の侍が、私の大好きな男の子が、他の女に拐かされているということ以上に私はヤーファの女王なんだ……」
物凄く落ち込んだ様子で、言葉を紡ぐ度に体が下に下にと沈みこんでいく。
そんな主にして女友達にしてリョウを巡るライバルの様子に、カズサも困ったものだとため息を吐くしかなくなる。
伝書を届けに来た鷹。リョウの取得できた微妙な妖術の一つ。その鷹をふんじばって、どこぞの物語の男武者のようにリョウの匂いを嗅ごうとか思わない辺り、まだ冷静ではあるようだ。
「とはいえ、我々も現状に対応しなければなりません。ブリューヌにおいて魔が居り、尚且つ戦争、一触即発な状況では……」
「東方国家である我々からすれ中原及び西方のことなどどうでもいい……と我関せずではいられないだろうな。第一、このようなことまで要請されてはな……」
口約束だけとはいえ、ブリューヌ国家を場合によっては解体する。それをするのが、周辺諸国ではなく遠方の国に任せるというのは色々と不幸な国だ。
「勝手に友好国、同盟国だとでも宣言しようかな?」
「意外とリョウからの贈り物ということかもしれませんよ」
「私には国なんて大きな持ちものは、このオオヤシマだけで十分だ。今の私が欲しいのは愛しき男との甘やかな一時のみだ」
のろけてくれやがる。と敬意など全て投げ捨てた上でそんな感想をカズサは思いながら、もしもこれが姫への贈り物であり断るというのならば、どんな竹取の姫だと言いたくなった。
「とはいえ……ブリューヌの情勢全てを知ることは出来ないだろうが、恐らくこの大きな戦いは必然的に魔も出てこざるをえないでしょう。そしてサクヤ陛下のご懸念外れてくれていることを私は願うばかりです」
そんなカズサの言葉に、立ち上がり神妙な声で話し出すサクヤ。その姿はどこか神然としていた。
「―――魔道と王道を行く者―――『魔王』にして『英雄』、女神代行者―――『魔弾の王』」
それを探せと言ったのはサクヤだ。その者がどんな道に行くか分からぬのだ。しかしそれこそ西方での光―――そうでありながらも場合によっては際限の無い闇をばら撒く悪鬼羅刹の類。
「黄泉の女神の力を正しく借り受けたのはリョウの始祖だが、西方のものがどうなるかは分からぬ。そういう懸念故だ……まぁどうなるかは分からないな。ただそれを正しく導けるのもまたリョウの役目だな」
納得したのかうんうんと頷くサクヤを見ながら、カズサはそんな不確実な大役を承った男の前途が明るいことを願うことにした。
そうしていざブリューヌ「征服」の号令がかかれば即座に動けるように準備しておきながら、そうはならないことは分かっていた。
† † †
「結局の所、俺を部下にしたかったのか……」
「ああ、私はお前のその弓の腕に惚れた。だからこそお前が欲しいと思ったんだ」
弓だけか。と思いつつも、自分の良さなどもう少し長くいなければ理解されることはあるまい。
もっともそんな器用に女性を口説けるタイプではないことは分かっている。戦姫の色子などと称されている英雄とはどんな人物なのだろうか。執務室のソファーにて対面にいるエレンに聞くことにする。
「一言で言えば、女を騙す詐欺師だ。女を食い物にして次から次へと籠絡して自堕落な生活を送る最低最悪の人間だ。自由騎士などと名乗っていてもその実態はろくなものではないな。ヒモというにふさわしい」
「……個人的な意見入っていないか?」
どうにもこの手の話題になるとエレンはとても感情的になる。まさかそうして「籠絡」された女の一人が彼女なのかと思いつつも、それはないと思った。
「まぁあの男のことはどうでもいい。とにかく私はお前の弓の腕前に惚れたんだ。私に仕えないか? 爵位とて同じく伯爵で迎えよう。望むならば公爵でもいいーーー」
「ありがたい申し出だが断るよ。すまない。そこまでの好条件を出してもらってありがたい気持ちはあるんだ」
こんな話、ブリューヌではありえない。自分の価値を認めてくれた女性。そんな人の側で立身出世を求めてもいいのではないか。
そんな誘惑の言葉をティグルは、即座に打ち消した。確かにエレンは戦場において、自分を認めてくれた。だが、それ以外にも自分を認めてくれた人間はいるのだ。
屋敷に住みこんでいる巫女の家系の幼なじみ。密入国してきた聡明ながらも少し幼いエレンと同類の竜の姫。素性を隠しながらも自分を男として頼ってきた王宮の行儀見習い。
彼女らに「そのままのあなたでいてほしい」と言われたのにそれを裏切ってしまうことだけは出来なかった。
「だがこのままいけばお前はムオジネルに奴隷として売られるのだぞ? それを認識しているか?」
冷静な斬り返し、エレンの言葉にどうしようもない現実が降りかかる。まだ身代金を払えないと決まったわけではない。
場合によっては王宮の方で動いていてくれる可能性もあるのだ。とエレンに言うと少し口ごもってから彼女はブリューヌの内情を話してくれた。
「レグナス王子が戦死された……?」
「ああ、まだ検分の途中だが、我が軍の符丁で『総大将を獲った』という言葉が聞こえたのだ。事実、捕えた捕虜に実況見分させたが王子殿下の天幕は荒らされ放題に、騎士の死体が折り重なっていた」
何という事だ。嘆きが自然と嘆息のカタチで吐き出された。それでは王宮もそんな余裕無いではないか。つまり―――身内からの手助けのみが現状の自分を救う手段となるだろう。
「恨んでいるか?」
「無いと言えば嘘になる。あの方は最近、俺に声を掛けられていたからな。ただ期待と約束を果たせずに恨みつらみより申しわけなさの方が多い」
そしてその言葉の意味する所は、自ずと知れた。ブリューヌは二大貴族が好き勝手やる狩猟場になっていくのだと―――。
アルサスに帰らなければならない。想いは募りつつもどうしようもなくなる。
こんな時、武勲詩にある英雄であるならばどこからともなく忠勇長けし武人が現れ、さっそうと窮地を救ってもらーーーー。
「あ」
『あ?』
こちらの言葉に怪訝な思いを口に出したエレンとリムアリーシャ、何となく考え付いたこと。
彼女がどちらで動くか分からないのだ。多分、最初は相談するはずだが、その後どうなるか。
仮にもしも戦斧携えここに来るとしたならば……。
(俺は色々と謀っていたと思われる……!)
せめてエレンに対しては義理立てしたいと思っていただけに、告げるか告げまいかという悩みを打ち切る形で「今日は寝ろ。色々と疲れたように見えるからな」と可哀想なものを見るかのように言われてとりあえず勧めに素直に従うことにした。
(オルガに頼んだこと。それでどっちを実行するか……彼女次第という所が賭けだな……)
明確にどっちかにしておけば良かった。客将としてアルサスを守ってくれ。客将として俺を連れ戻してくれ。
自分がアルサスの為を思った答えと、オルガがアルサスの為を思った答えとが矛盾してどっちを選ぶかが不明確だ。
「まいったな……どうすればいいんだ?」
星詠みによって、どうやればアルサスに帰れるかは大方の検討は着いている。
公宮の人達は概ねいい人ばかりで、自分が捕虜であることを忘れてしまいそうになるほどだ。
だが自分の身分は変わらずーーー。このままではアルサスに帰ることは出来ない。
(いや、諦めては駄目だ。まだ身代金を払えないと決まったわけじゃない)
他力本願かもしれないが、マスハス卿にバートラン、ティッタにオルガ。みんなが協力してお金を集めてくれているかもしれない。
それの結果が出るまでは……。しかしそれなく自分の身が奴隷になってしまうと、アルサスに帰るのは、かなり未来の話であり、第一帰れるかどうかすら分からないのだ。
寝台に仰向けになりながら虚空を掴む。この手で掴めるものを求める人生。ブリューヌが嫌いなわけではない。
だが、こんな形で自分の力を認められてもしくは、それによって道が開けるとは思っていなかった。
(駄目だ。これ以上考えていても俺にはどうしようもない)
今は寝ることだ。脱走するとしても、それまでに体力温存及び警戒体制を緩ませるために自分は脱力していなければならない。
そうしてティグルは深い眠りに就くことにした。考えてもどうしようもないことなのだから。
† † †
明け方の時間帯。そんな時間に黒髪の女性は己の部下数名を引き連れてライトメリッツの街門の前に立っていた。
彼女は己の領地に帰るべく、この時間を選んだ。そしてそれを事前に知っていたライトメリッツの主は居なくなるレグニーツァの主を見送るべくそこにいた。
「それじゃ僕はそろそろ失礼するよ。いい加減レグニーツァに帰らないと執政官に怒られるからね」
笑いを含んだそれを見ながら、エレンは世間話をするように彼女に語りかける。
「ヴィクトール王への報告は頼んだ。それにしてもサーシャに傷を負わせるなんて、随分とその女騎士は凄腕なんだな」
ディナントでの戦い。その中で一つの戦いがあった。それは広大な戦場における一角での戦いではあったが、当人達にとっては真剣勝負のそれだった。
まだ闇が戦場に満ちている中、サーシャはエレンとは別行動を取り、ブリューヌ軍を探っていた。
そんな時だった。ブリューヌの騎士。それも有名なパラディン騎士の衣装をした女が現れたのはーーー。
抜き放つ双剣、変化をして大剣となった「小剣」。
両者の交錯は一瞬にして行われた。噛み合う鋼と鋼の応酬。二十も打ち合った後には、お互いに続けるか否かの判断となった。
「彼女は何かを探しているようだったね。けれどもーーー、あっさり僕から去っていったよ」
肩を竦めるサーシャ。考えとしてはもう少し打ち合っていたかったのだろう。浅く斬られた手の甲が、それを物語る。
「それじゃ達者でな。あまり無茶をしないでくれよ」
「君に言われるとはね。けれど少し頑張らないと、リョウも心配してくれないんだよ」
少しだけ眉をひきつらせつつも別れ際でまであれこれしたくないとして、エレンはそれを飲み込んだ。
しかしサーシャは人生の先達として言うべきことは言っておくべきだろうとして、一言忠告しておく。
「彼をもしも本気で欲するならば強気な態度だけじゃ駄目だよ。あんまりにも独占欲強すぎると他の女の子になびいちゃうからね」
「私は男としてのティグルには興味がない。いやまぁ長いこと一緒ならばそれ相応の魅力というものにも気づけるのかもしれないが…ともかく、私は弓使いとしてのアイツが欲しいんだ」
色子はいらないというエレン。そんな風でありながらも硬軟使い分けての懐柔策もありかと考え込む辺り、本気で彼を欲しているようだ。
そうして少しだけ悩みのままのエレンに挨拶一つをしてから、サーシャはレグニーツァに帰っていく。
(リョウは、まだブリューヌにいる。自由騎士が起こす風は多くの人間を巻き込み、やがては世界を席巻する)
それは分かっているのだが、サーシャとしては少しだけ自分の所に来てほしいとも思っていた。
どうしても会えないようならば……。
(その時は、こっちから会いにいってやる。僕が待っているだけの女だと思うなよ。リョウ)
決意と共に今は国の大事をこなすことが先だとして、馬を走らせることに専念した。
† † †
その少女が現れたのは、戦に行った男たちが帰ってくる一刻前といったところ。
旅着が汚れた少女。しかしその髪の美しさからどこかの貴室のものではないかとアルサス領の中心。セレスタの街に現れた。
またもや領主であるティグルの関係者かと思うのは街の住民たちだった。
夏の時期にも、彼は一人の少女を山の中から連れてきた。その時は領主同道であったが、今はその領主は不在だ。
未だに男衆が帰ってきていないことに不安を覚えていた住民は警戒しつつも、その少女がティグルの館に向かうのを見た。
少女は扉を叩き鈴を鳴らした。平時ならば来客として対応しただろうが、今は戦時中だ。
館の主人が帰ってきたと思って中にいた侍女二人と幼竜一匹は喜ぶようにそれを迎え入れた。
「お帰りなさいませティグル様!!!」
「お帰りなさいティグル!!!」
勢いよく扉を開けたのだが、そこにいたのが、領主ではないことに気づく。
「……レギンさん?」
知り合いがいて安堵するレギンだが、様子から察するに領主は不在のようだ。そして、何故か自分と同い年か少し下の少女が睨むように見てきた。
「レギンって……ティグル様の王都での愛人!?」
大声で言ったので、館の回りに何事だろうと集まっていた野次馬たちの耳に入り、領主様も枯れているわけではないと少しだけ安堵しつつ、ティッタ、オルガ頑張れという内心の声が発生することになった。
領主不在のままに来客に対応する。ティッタも流石に恋敵とはいえ、領主の悪評を巻くわけにもいかず、茶をいれ菓子を出す。
「すみませんティグルヴルムドがいない時に訪れてしまって……」
「いえ、それは構わないのですが……あのレギンさんは何故、あんな格好でここに来られたのですか?」
頭を下げるレギン、その姿はまるで長い旅をしてきたかのようだったからだ。聞いている限りでの王宮の行儀見習いという風体ではなかったからだ。
「レギンさんもディナントに行っていたのか?」
「……はい。ジャンヌ様の世話役として着いていきましたので、ティグルに伝えたいことがあったのですが、まだ帰られていない……」
「はい…」
レギンの問いかけに、二人の侍女は気を落とす。幼竜もどことなく落ち込んだ様子だ。いるべき人がいないからだろう。
そうして三人と一匹が、落ち込んでから…一人が勢い込む。
「大丈夫、ティグルは帰ってくるって言ってた。だから帰ってくる」
その言葉を信じたからこそ、竜の姫はここに残って帰りを待つことにしたのだ。何より今、このアルサスにおいて大事をなそうという男が死ぬわけがないのだ。
天は男を死なせるために、そんなことまでさせたのではない。そうオルガは信じている。
「そうだね。オルガちゃんの言う通り、ティグル様は帰ってくる。天上の神様はここであの人を死なせるために戦にいかせたんじゃないんだから」
ティッタは神殿にて祈り続けてきた。一人の若者の命運絶やさぬように、ティル・ナ・ファに彼に無慈悲な鎌を降り下ろさないように嘆願し続けた。
何より幼い頃からティグルは自分の前から完全にいなくなることはなかった。かくれんぼしていても最後には泣きだしそうになる前に自分の前に出てきてくれる人だ。
「私はあなたたちほど付き合いが長いわけじゃない。けれども彼を信じています。……王子殿下も信じられた彼の心根とこの地にて皆に慕われているティグルヴルムド・ヴォルンという青年領主の人間性を」
レギンは知っている。かつてのニースの休日とも言うべき男女の一時、その際に語られた彼の全てをーーー。多くの貴族達がガヌロン、テナルディエに組みして悪行を良しとする中、彼だけは民と同じ目線で語れる人だった。
だからこそレギンはどんなに財も、知も、武も轟くものなくともティグルのその心こそが明日のブリューヌの礎なのだと気付けた。
「彼は帰ってきます。私もあなたたちも信じましょう。そして出来ることを今は全力で行う。それだけです」
レギンは決意して立ち上がる。そして馬を一頭貸してくれと頼む。
「どこかに行くのかレギンさん。暫く滞在していてもいいんじゃないか?」
「そうですよ。ティグル様が帰ってくるまでここにいてもーーー」
「お気遣いありがとうございます。ティッタさん。オルガさん。けれどやるべきことがある以上、私も私に出来ることを行い、いざという時ティグルを助けたいのです」
そうして彼女は二人のティグル思う女の子二人に告げる。
「私はアルテシウムにて待つ。それこそがレグナス王子の遺言だと伝えてください」
仮にもしも王家の力借りたくば、自分を探しだしてくれ。とそう伝えるように二人に言ってから、レギンは去っていった。
「レギンさんも託されたものをこなそうと必死なんだな……」
「そうだね……」
街道に出て、馬を使い去っていくレギンを見送りながら、オルガも覚悟を決めた。このアルサスに本当に必要なのはティグルなのだ。仮に自分が代理として治めていたとしても、それでは駄目だ。
頼まれたこと。その内の一つを破棄する。そして何がなんでもティグルをここに戻すしかないのだ。
決意の後にアルサスに歓声が沸いた。どうやらアルサス兵とオード兵が帰ってきたようだ。
つまりはティグルとマスハスが無事であったという証明なのだと歓声の沸いた方に赴くも、そこに片方はおらず、ティグルの無事は確認出来てもーーーマスハスとバートランからその帰還がかなり困難だと知らされた。
しかし一人だけ困難だとは考えなかった。成る程、確かに戦姫は強力な存在だ。一騎当千というに相応しい。
だが、同じ戦姫どうしならば、条件は対等だ。
(私がライトメリッツに行けばいい。あのエレオノーラ・ヴィルターリアを自分のムマで打ち倒せばいいだけだ!)
しかしまずは正攻法だ。とにかくお金を工面する。そうすることがまずは第一だ。正規の取引でティグルを取り返せるならば、それに越したことはない。
それがダメだった場合、契約そのものを反古にする。無論、そんなこと本来ならば許されるものではないが、泰平の世に見えても、戦国の世である西方諸国なのだ。こんなこともある。その認識を持っていない方が悪いのだ。
(ティグル、待っていてくれ! 今度は私がティグルを助けてみせる!!)
得体の知れない自分を拾ってくれたあの時のティグルの恩に報いるためにも羅轟の月姫(バルディッシュ)は、銀閃の風姫(シルヴフラウ)と戦うことを決意したのだ。
「で、どうしたんだ。その頭?」
「剃りました。東方では敬服する時は、髪を刈り取りそれを出家の証とするとも聞いておりますので、それに倣いこのルーリック、テイグルヴルムド卿の見張りを務めさせていただきます」
「そ、そうか」
見張りというよりも、何だか部下にでもなったかのように敬ってくるルーリックに半ば気圧されつつも、ティグルとしては敵対的な人間が監視役でなくて少しだけほっとした。
そうして、ティグルの思惑とティグルに関わる全員の思惑が決定的にずれつつも様々な邂逅の時は近付きつつあった。
そして、闇に潜むものたちも……己の願いを叶えるために動き出していた。
あとがき
うぉおおおお。感想が四つもついている新規さんに御贔屓さんとマジで感謝である。早速だが感想返信からいきたいと思っている。
>>>チュンチュンさん
感想ありがとうございます。そうだった。魔弾は美少女云々と言うよりも男たちの物語でもあった。それを思い出させてくれてありがとうございます!
これからも書いていきますのでよろしくお願いします。
>>>放浪人さん
まさかの一気読みでの感想、しかも深い考察ありがとうございます。感謝してもしきれない。
実際、原作でもティグルにある意味、意識するライバルとも言えるのはアスヴァ―ルで出てきたタラードぐらいなんですよね。ただライバルと言うのは古来(?)よりなんやかんやあって協力したり、修行したり、腐女子のネタにされたり…最後はともかくルーリックではベジータのようなライバルとしては箔はついていませんからね。
最初書いていた時にはティグルにはエレンよりも男の相棒が必要だなぐらいの感覚でしたから、そこまで深い考えは無かったです。(笑)
そしてザイアンのセリフに関して分かるとは、嬉しい限りである。
まぁアニメは木村良平さんの無駄遣いでしたから、声優さんのギャラに応じたセリフを言わせないと(笑)いやそれは劣等生も同じだ。(笑)
最近私生活で色々ありましたが、なんとか時間を見つけて書いていきますので今後ともよろしくお願いします。
〉〉〉almanosさん
いつもながら感想ありがとうございます。もう流れが変わるどころの話じゃないですからね。とりあえずレギンは、一人孤独にガヌロンに睨まれつつも聖窟宮を目指します。彼女は彼女で戦わなければティグルに申し訳が立ちません。
自分は読んでいないのですが、何だかエレンの少し直情径行な所は傭兵団時代に培われたものとかどっかで見たので、まぁ色々と大人になれないエレンちゃんって感じですね。wikiでもそんな風に書かれちゃってますし。
今後とも読んでくれれば幸いです。
〉〉〉NETさん
久々の感想ありがとうございまーーーって、短いながらも、核心に迫る一言が(笑)
だ、大丈夫。僕らのティグルさんは元々、射れる「範囲」が広いひとなんだ。だから上はサーシャから下はオルガまで(もしかしたらそれよりも下も…)中世的世界ということを差し引いても「ゾーン」が広い魔弾の王なんだよ!……何を言っているんだか…訳が分からなくなってきた。
とはいえ、原作はともかく今作のティグルは妹のような年頃の女の子二人にかいがいしく世話を焼かれて微妙にその傾向は出てきていますね。だからといってエレンやソフィーにときめかないわけではありませんが
長々と失礼しました。今後とも読んでいただき感想一筆よろしくお願いします。
ではでは今回はここまで、特に語りたい時事話題もないので、この辺で失礼させていただきます。お相手はトロイアレイでした。