機動戦士ガンダム00 統合戦争緒戦記
第2部 時代設定1
世界状況(2324年時)
イノベイターの増加は続き総人口の5%を超え人類との軋轢が表面化し内乱は拡大の一途を辿る。
また反イノベイター活動がかねてより燻っていた反連邦勢力を再活発させ問題は複雑になっている。
連邦政府の穏健派政権による軍縮が招いた治安悪化などの悪影響から、各地の連邦構成国や大企業が自衛を名分に再軍備し連邦軍とは独自に防衛に乗り出す。
その後の政権交代と軍備増強後で自衛の必要性が消失した以降も、解体を拒み反抗するなど完全に問題を解決できていない。
一方、宇宙開発は一段と進み火星にも宇宙コロニー群を設置し、そこでは地球外の乏しい太陽光に代わって核融合による発電で需要を賄っている。
地球のMS開発史(2324年時)
ガンダムの登場とGN-Xによる機体統合化から多様化に転じている。
発展方向は3つに分かれ、従来機関とGNコンデンサー併用機による補助戦力代替、機能省略及び性能維持のまま小型化、技術革新と擬似太陽炉複数搭載による性能向上となる。
量産機による対イノベイター戦も想定され、GNX-804T/FolGN-XIVフォルティスを皮切りに多様化した擬似太陽炉搭載MSの性能は10年前のガンダム(00系以外)を圧倒する。
粒子制御機の発展は自機のみならず周囲をも範囲に収めるようになり、低性能機相手ならば攻撃無力化を可能にした。
準GN機
主動力の従来機関と戦闘機動用のGNコンデンサーを併用したMS群の総称。
高コストから配備しきれない擬似太陽炉搭載MSの補助と老朽化する三国家MS群の代替に開発され、粒子制御機の標準搭載のおかげで粒子装備が使用可能になりGNX-609T GN-XIIIと同格の性能を獲得した。
旧MSの直接発展故に信頼性と整備性が高く改修次第で主力機と張り合えるレベルに強化可能なので、最前線では大好評と想定外の評価を集め全世界中に普及するようになった。
ただしテロリストや武装勢力にも旧人類軍経由で流れ込み、死傷者の爆発的増加と紛争拡大など深刻な社会問題を招いている。
地球連邦
2324年の大統領選挙でドナルドが選出されて以降、強硬派が穏健派に代わって政権を握るようになった。
それに伴い軍縮から軍備増強に転換し構成国の私設軍を吸収させるなど反攻に転じる。
イノベイター政策は穏健派から引き継ぐが軋轢は深く、厳重な居住区による彼らの隔離や雇用、旧人類の失業者大量発生など問題は山積みで解決には程遠い。
地方の武装化は収まったがテロやデモ、私刑、差別など反イノベイター活動はむしろ激しくなり、政権交代以後も内情は未だ厳しい状態が続く。
地球連邦平和維持軍
通称「連邦軍」もしくは「正規軍」と呼ばれる地球圏最大規模の軍隊。
宥和政策の一環として軍縮されてきたが情勢不安定化と強硬派の再台頭により軍備増強に転換、戦力不足故の水際防衛から積極的攻勢に切り替えつつある。
主な戦場は宇宙やアフリカ、中東で、それ以外の地域でも頻発するテロや反乱にも対応する。
地球連邦地方軍
統合戦争初期に乱立した大企業、連邦構成国の私設軍や義勇軍を統合再編した軍隊。
規模と装備は各地によって差があり指揮権は構成国首脳部が握るが有事には正規軍に編入される。
ただし正規軍の拡張に併せて縮小傾向にあり、正規軍へ編入及び治安部隊や予備役に格下げになった事例が相次ぐ。
第20独立試験部隊ソウルズ
イノベイター増加による将来の軍の方向性の研究実証及び軍内部の相互理解研究を目的とする独立部隊。名称の由来は魂からとっている。
研究班が実戦部隊からコミュニケーションのデータを集め、今以上の兵士同士の衝突や不満防止を模索していくのが活動内容。
アーミア・リー発案、ブリューエット・ボナリー元大統領の援助で設立するが、政権掌握した強硬派がメンバーの半数を不良軍人と落ちこぼれに変更された。
その為に部下同士及び指揮官との衝突が絶えない愚連隊に成り果て、予定にないヘラクレス系MSを集中配備させられたせいで市民の抱く華々しいイメージとは裏腹に最前線から恨まれている。
これは彼女に対する上層部の強い反感と敵意、「相互理解を成し遂げようならやってみろ」という嫌味に起因する。
旧人類軍
反イノベイター派ネットワークの中核にして最大規模を誇る軍事組織。
自力でMS開発生産可能な設備と宇宙艦隊、大量の擬似太陽炉搭載MSを配備し、対抗できるのは地球連邦軍とソレスタルビーイングのみ。
小惑星帯にカストロン・マサダをはじめとする各小惑星基地を構え、地球及び宇宙の反イノベイター勢力領内にも基地が数多く置かれている。
2324年の時点では連邦と正面衝突は避け通商破壊と各地の反乱軍援助が活動の中心で、地上の攻勢作戦を一度試みられたがソレスタルビーイングの武力介入で頓挫した。
組織内におけるイノベイター覚醒は大問題であり、軍事利用のみを主張する主流派と即時抹殺を叫ぶ過激派が問題を巡って内部抗争に発展するようになった。
また地上降下部隊は中央アフリカに領土を置き反乱軍や武装勢力を率いるが、憲兵の組織が巨大で部隊に対する生殺与奪など権力が大きいので最前線から反感を買っている。
ソレスタルビーイング
17年前より世界を相手に武力介入してきた私設武装組織。
ELS戦以後かねてより続く資金難と戦力消耗から一度活動停止していたが、新スポンサーなど資金源確保し活動開始した。
それでも機体更新はあまり進んでおらず旧型機改修で武力介入を可能にしている状態で、活動は以前と違い最低限に留まる。