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No.34283の一覧
[0] [Z-E-R-O] (原作:ロックマンゼロ、ロックマンX)[村岡凡斎](2013/09/18 15:00)
[1] はじめに[村岡凡斎](2012/07/18 16:08)
[2] Prologue[村岡凡斎](2012/07/18 16:24)
[3] Waffle for Chapter[村岡凡斎](2012/11/07 01:25)
[4] OPENING STAGE 「涙の少女と寝起きのマルス」[村岡凡斎](2012/10/29 15:54)
[5] 1st STAGE 「剣」[村岡凡斎](2012/10/29 15:58)
[6] 2nd STAGE 「星に願いを 夜空に問いを」[村岡凡斎](2012/10/29 15:58)
[7] 3rd STAGE 「包囲戦線」[村岡凡斎](2013/11/25 19:59)
[8] 4th STAGE 「亡霊の影」[村岡凡斎](2012/10/29 15:59)
[9] 5th STAGE 「死屍軍団」[村岡凡斎](2012/10/29 16:00)
[10] 6th STAGE 「キズダラケ」[村岡凡斎](2012/10/29 16:00)
[11] 7th STAGE 「渇望/葛藤」[村岡凡斎](2012/10/29 16:01)
[12] 8th STAGE 「未来」[村岡凡斎](2012/10/29 16:01)
[13] 9th STAGE 「理想郷の詩」[村岡凡斎](2012/10/29 16:02)
[14] COMMENTARY 1[村岡凡斎](2012/09/18 18:22)
[15] 10th STAGE 「紅いイレギュラー」[村岡凡斎](2012/10/30 23:26)
[16] 11th STAGE 「救い」[村岡凡斎](2012/10/30 23:26)
[17] 12th STAGE 「ウラギリ」[村岡凡斎](2012/10/30 23:26)
[18] 13th STAGE 「闘将」[村岡凡斎](2012/10/30 23:27)
[19] 14th STAGE 「証明」[村岡凡斎](2012/10/30 23:28)
[20] 15th STAGE 「レスキューコール」[村岡凡斎](2012/10/30 23:29)
[21] 16th STAGE 「世界を覆う白雪の上で」[村岡凡斎](2012/10/30 23:30)
[22] 17th STAGE 「理想の表裏」[村岡凡斎](2012/10/30 23:30)
[23] 18th STAGE 「color of mine/d」[村岡凡斎](2012/10/30 23:31)
[24] 19th STAGE 「妖将」[村岡凡斎](2012/10/30 23:32)
[25] 20th STAGE 「届かぬ想い、その結末。」[村岡凡斎](2012/10/30 23:33)
[26] 21st STAGE 「デンジャラス・デイ」[村岡凡斎](2013/05/07 21:37)
[27] COMMENTARY 2[村岡凡斎](2012/10/30 23:37)
[52] 22nd STAGE 「レプリロイドは ぜんまいねずみの夢を見るか?」[村岡凡斎](2012/11/07 01:09)
[53] 23rd STAGE 「殺戮舞台」[村岡凡斎](2012/12/16 00:57)
[54] 24th STAGE 「罪 と 罰」[村岡凡斎](2012/12/16 00:57)
[55] 25th STAGE 「Raging River」[村岡凡斎](2013/11/19 00:54)
[56] 26th STAGE 「ABSOLUTE - JUSTICE」[村岡凡斎](2012/12/17 00:06)
[57] 27th STAGE 「隠将」[村岡凡斎](2013/01/28 22:27)
[58] 28th STAGE 「再会」[村岡凡斎](2013/05/07 21:39)
[59] 29th STAGE 「暗躍の調」[村岡凡斎](2013/05/25 23:30)
[60] 30th STAGE 「死者の国」[村岡凡斎](2013/06/23 01:04)
[61] 31st STAGE 「乱戦四重奏」[村岡凡斎](2013/08/03 00:49)
[62] 32nd STAGE 「Red, White and Bullet Blues」[村岡凡斎](2013/09/18 14:58)
[63] 33rd STAGE 「    」[村岡凡斎](2013/09/28 16:02)
[64] 34th STAGE 「月と影、そして太陽」[村岡凡斎](2013/10/06 09:36)
[65] 35th STAGE 「残光の行方」[村岡凡斎](2013/11/02 15:37)
[66] 36th STAGE 「救世主」(前)[村岡凡斎](2013/12/24 14:36)
[67]          「救世主」(後)[村岡凡斎](2013/12/25 11:54)
[68] FINAL STAGE 「Message from...」[村岡凡斎](2014/01/25 17:09)
[69] LAST COMMENTARY[村岡凡斎](2014/01/25 07:03)
[70] おわりに[村岡凡斎](2014/01/25 07:03)
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[34283] 26th STAGE 「ABSOLUTE - JUSTICE」
Name: 村岡凡斎◆45ff140f ID:697d6d9c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/12/17 00:06


  ―――― * * * ――――


瞬間、壮絶な輝きとともにとてつもない突風が吹き荒れ、ハルピュイアは思わず眼前を手で覆った。
その正体は、肌にまでピリピリと感じる極大のエネルギー波。取り巻いている中央はあまりの眩しさで、ほんの少し目を向けることすら叶わない。

――――いったい……なにが!?

その壮絶な光景は、地上の戦闘を、空中に浮かぶメカニロイド達の動きを、軍団の者達全員の動きを静止させ、その全ての視線を奪っていた。
やがて、その鮮烈な輝きは収まり始め、突風もその強さを失ってゆく。煙のように取り囲んでいた粉塵が方々に散り始め、その中央に居座っていた男が姿を現す。

そしてハルピュイアは言葉を失った。
先程まで、擬似体液まみれの瀕死の男がそこにいた。間違いない。紅黒く滲んだ白いコートが今でもまだ記憶の隅に残っている。
だがしかし。姿を見せたのはまるで別の男だった。

見窄らしい白髪は、鮮やかな白銀の輝きを放っていた。白かったコートと腕部、脚部を包むアーマーは、いずれも漆黒に塗りつぶされていた。
そう、漆黒――――まるで全ての狂気と悪意をその身に纏ったような黒。しかしそれでいて、男が発する雰囲気は正に、神話に語り継がれる気高き英雄の“それ”だった。

「なん…なんだ…………その姿は!?」

驚きを隠せず、ハルピュイアはそう問いかける。
だが、漆黒の男――――ゼロは答えない。彼は自身の内に起こった変化に、固く瞼を閉じて心を寄せていた。

――――ああ、分かるよ

ハルピュイアの刃により切り刻まれたはずのコートと、自身の体。そのどれもがまるで何もなかったかのように、綺麗に修復されていた。
右腕で胸の辺りを強く握る。その奥で動力炉が軽快に動き、じんわりとした優しい熱がしっかりと伝導している。氷のように冷えきっていた手足。その先端まで、熱い血潮が巡るのを感じる。
すべてのプログラムからエラーが抹消され、体中の回路が正しく繋がり、正常に機能しているのが分かる。
力が、泉のように湧き出てくる。止めどなく、溢れてくる。
そしてまた、体中に駆け巡る温もりと、優しさと、熱い“想い”を感じる。靭やかに。鮮烈に。

――――お前の“想い”が全身に染みてくる

最期の言葉が、耳の奥で強く響いている。何よりも。どんな呪いの言葉よりも。力強く。鮮明に。響いている。
命懸けで届けようとしてくれた強い想い。この心を優しく包み込んでくれている。暖かく。切なく。そして何よりも愛おしく。


――――すまない、それでも俺はお前の気持ちには答えられない


断言する。それだけは決してできないと。
気休めの嘘を返すことはできない。正真正銘、本気の心を捧げてくれたお前には。

けれど、受け止めよう。
こんなにまで愛しく慕ってくれていたことを。
命を捨ててでも、この身を救おうとしてくれた、深い愛を。

だからこそ、俺からも伝えたい。

こんなにも脆く、不甲斐ない俺を。最期まで支え続けてくれた、大切なパートナーであるお前に向けて。
これからも、この胸の中で共に闘い続けてくれる、お前に向けて――――……‥‥











「……レルピィ。こんな俺を愛してくれて ありがとう」















傍らで恥じらいながら微笑む彼女の姿が、見えたような気がした。






















 26th STAGE











       ABSOLUTE - JUSTICE






























  ――――   1   ――――


立ち上がると共に、宙に残ったエネルギーの残滓が、大きく舞い散る。
しかし、そのどれよりも眩しく輝くのは、中央に立つ漆黒の戦士だった。

SYSTEM:ABSOLUTE――――自身の脳内に表示されたその文字列を再び思い返す。
マグマニオンとの戦闘の最中、自身の体内から突き出そうとしていた破壊衝動の正体は、全身のカラーを見る限り、おそらくこれだろうと推測できた。
けれど、今ははっきりと自我を保っている。間違いない。レルピィのおかげだ。
全身を循環するエネルギーの絶対量が飛躍しているのが分かる。まるで噴出すようにエネルギーが湧き出ているのだ。
視界の隅に表示された数字に注目する。おそらくこの状態でいられる制限時間。――――300秒。五分間。

「それだけあれば、十分だ」

足元に落としていたゼットセイバーを拾い上げ、刃を展開する。それはいつもの緑ではなく、紅紫色に輝いていた。

「……所詮死に損ない……色が変わったところで!」

ハルピュイアはソニックブレードを構え、そう言い切る。
熱センサーが捉えた熱量にはまるで変わりがない。どんな変化が起きたのかは知れないが、形勢を逆転できるとは思わない。
とは言え、これ以上生かしておく訳にはいかない。どのような不確定要素が起きるかもわからない。
地を蹴り、一息で間合いを詰める。戦闘準備の整っていないゼロを完全に捉えた。先手は貰った。

「覚悟ッ!」

そう言い切り、胴から断ち切る。同時に、ゼロの身体がまるで陽炎のように揺らめいた。
「バカな!」――――そう叫ぶより先に、後方に構える気配を感じ取る。
確かに捉えた。そこに実体として。もしも先ほどの姿が幻覚だったというのなら、魔法でも無い限り信じられない。
そう困惑している内に、逆に距離を詰められる。そして勢い良く下から切り上げられる。咄嗟に後方へと躱すが、衝撃波が胸を斬り裂く。

グッと奥歯を噛み締め、ソニックブレードを振るう。だが、放ったソニックブームが切り裂いたのはまたしてもゼロの残像。
本人は真横へ回り込み、ハルピュイアの身体を乱暴に蹴り飛ばす。防ぎきれなかった身体は甲板上を滑るように転がるが、すかさずゼロの追撃に備えて無理やり跳ね起きた。
予測通り、すぐそこまで迫るゼロに、ハルピュイアは「もう一度」と迎え撃つ構えを取り、ソニックブレードで斬りつける。だが、セイバーを構えるゼロの姿はそこから煙のように消え、気づけば全身を稲妻が駆け巡る。
激痛に、言葉にならぬ叫びを上げ、それが止んだ時には覚束ない足で、よろめく。

「降参するなら今のうちだ、賢将ハルピュイア」

「……抜かせッ!」

声を荒げ、空中へ飛び上がる。

「地べたを這いずっていろ! イレギュラー!」

更に空中へと上がり、我武者羅にソニックブームを叩きつける。だがゼロは表情を変えること無くゼットセイバーを一振りする。たったそれだけで全てが相殺され、消え失せた。
そしてゼロは何の躊躇もなくハルピュイアを追撃すべく、地を蹴り飛び上がる。

「届くわけがない!」

そう叫びながら再びソニックブームを繰り出す。それらを同様に捌きながら、ゼロは不敵に笑う。


「悪いな。今の俺は―――― 空 だ っ て 飛 べ る の さ ! 」


言い放つとともに片足を下へと振るう。すると、まるで地を蹴ったかのような勢いで加速し、気づけばハルピュイアの頭上にいた。

「そんな……バカなことが――――……‥‥!?」

驚きのあまり、対応が遅れる。その逡巡が命取りだった。
ゼロはその場で刃を外側に向け、回転する。そこから巻き起こる衝撃刃が刃のように広がり、ハルピュイアの身体を斬りつける。
ハルピュイアはそのままヘルログマーの甲板に叩きつけられた。堪え切れず吐血する。

すかさず直下に向けられたゼットセイバーの刃が、瞬時に鋼鉄の刃へと変形し、そのままゼロは降下してきた。
ハルピュイアは咄嗟にソニックブレードの刀身を重ねあわせ、自身の腹部を貫こうとするその切っ先を防ぐ。

「 ぬ ぅ ぉ ぉ お お ぉ ぉ ぉ ぉ お お ぉ ぉ ぉ ‥………‥ッ!! 」

叫び声を上げながら、全力で弾き返す。
なんとか腹部は貫かれずに済んだものの、甲板に押し付けられたダメージは大きい。よろけながら立ち上がり、ゼロを探す。
すると、どこに隠れるでもなく、悠然と頭上にゼットセイバーを振り上げたまま、ハルピュイアが起きるのを待っていた。

「百年ぶり……ってとこだろうからな。俺にもどれだけ制御がつくかは分からん」

その刀身から煌々と放たれるエネルギー光と止めどない殺気。
どれだけ危険な技が放たれるかは容易に想像できた。

ゼロの持つ必殺の技――――アースクラッシュ、そのエネルギーをゼットセイバーへと送り込む。
ともすればオーバーヒートを起こしかねない状態を、ギリギリ保っていられるのは、作動している急速冷却装置のおかげだ。

SYSTEM:ABSOLUTEの根本を支えるのは、動力炉の限界稼働による爆発的なエネルギー生成と、特別急速冷却装置の稼働だった。
最初にハルピュイアへと見せた残像は、爆発的に生み出したエネルギーを、自身同様の形状に形成し放出する技“双幻夢”。その高エネルギー性故、ハルピュイアは実体と捉え、惑わされた。
次に見せた空中へと駆け上がる技、“空円舞”。圧縮したエネルギーを瞬間的に足元へ放出することで、まるで駆け上がったかのように、空へと飛び上がったのである。

そして今、放とうとしている技は、彼が持つ剣技の中でも最凶最悪と呼ぶに相応しい。
アースクラッシュ数発分のエネルギーを、ゼットセイバーの刀身へと送り込み、眼前の敵を一撃のもとに葬り去る刃を放つ、究極剣技。

「堪えろよ。お前を殺すつもりはないからな」

そう言い放つと、雄叫びを上げ、刃を振り下ろす。



    如何なる“幻想”も


    如何なる“夢想”も



    “零”へと帰す、終極の刃――――……‥





















    “ 幻 夢 零 ”  



















刹那、大気を震わすほどの衝撃波とともに、十数メートルはあろう光の刃が空間を切り裂いた。




































  ―――― * * * ――――


「ハル様!」

外の光景に思わず飛び出そうとするリディアを、ヴァシレフが引き止める。

「行くな! ハルピュイア様の指示を忘れたか!?」

「でも…!」

ヴァシレフの瞳もまた、不安と動揺に揺らめいているのが分かった。それでも尚、忠実にこの場を護ろうと、彼は己を抑えているのだ。
リディアはその姿に倣い、深く息を吐き、駆け出したい衝動を押し殺す。

「それでいい。我々が降りたところで、何の解決にもなるまい」

紅いイレギュラーとの激闘の果て、ハルピュイアに万が一のことがあったとして、彼ほどの戦闘力を持たないヴァシレフやリディアにそれをどうにかする力は無い。
彼らにできることはただ、彼の指示と言いつけを守り、残りの部隊を率いることだけだ。

「万が一の時は、貴殿に指揮を執ってもらわねばならぬ。進軍続行にせよ、帰投にせよ…な」

「……そうでした。すみません、取り乱して」

「いや、気にするな」とヴァシレフは硬い表情のまま返すと、軍団の戦闘状況をオペレーターに問いかけた。
依然としてこちらが優位にあることは変わらない。とは言え、それを覆すだけの力を紅いイレギュラーが持っている可能性もある。

万が一の時――――ハルピュイアの生命に関わる事態が起きたならば。その結果この戦局が覆るようなことが起きたならば。
リディアは速やかに撤退を全軍に指示し、本国へ帰らねばならない。その役目を果たさなければならない。
それこそが、彼から託された信頼なのだから。
そうは言い聞かせてみるものの、それでも不安は尽きない。

「ハル様……どうかご無事で」

粉塵に包まれる甲板上へ視線を落としながら、一人呟いていた。















  ――――   2   ――――


タイムリミットを迎え、ゼロの身体から力が抜ける。それに合わせて、体中の漆黒が抜け落ちてゆき、代わりに元の真紅が染め上げてゆく。白銀の髪も、毛根の辺りから金髪へと色が戻っていった。

――――これで、決着のはずだ

巻き起こった粉塵により、ハルピュイアの姿は覆われてしまい確認できない。
手加減の効かない相手だった。その信念を断ち切るには。それ故放った最強技。だが、殺すつもりのなかったゼロの心にはそれが引っかかっている。
敵とはいえ、“あいつ”の分身同然の相手を倒すというのは、些かつらいところだ。ファーブニルと刃を交えた時も、同様の想いになったのを覚えている。

とは言え、この決着も仕方のない事だ。
互いに命を懸けて、それぞれの護るべきもののために戦ったのだ。その果てに生命を落としたというのならば、本望だろう。

「許せよ、ハルピュイア」

そう言って、身を翻す。
目指すは艦橋。制圧し、ヘルログマーを利用して部隊を完全に止めねばならない。
空になったコアユニットを寂しげに見つめ、そう自分に言い聞かせると、身を翻して艦橋に向けて甲板上を歩き始めた。




























    「 認 め ら れ る か ぁ あ あ ぁ ぁ あ ッ ! ! ! 」










雄叫びとともに、粉塵にまみれながら一つの塊がゼロへと向かい突進してくる。

「ハル…ピュイア……!?」

半壊しているフライナーユニットを全開に吹かしながら、小柄なハルピュイアの身体は、振り返るゼロを弾き飛ばす。
既にショルダーアーマーも、ジャケットもボロボロに成り果て、顔を覆っていたバイザーも砕けてなくなっていた。
我を忘れたように毛髪を振り乱しながら、鬼の形相で叫ぶ。

「認められるわけ……無いだろうがァァああ!!」

ソニックブレードをなりふり構わず振り回す。
繰り出されるソニックブームはあらぬ方向へと飛んでゆくが、その一撃一撃の重さは変わらない。ゼロは自分の方へ飛んでくる刃を躱し、防ぎ、掻い潜りながらハルピュイアへと駆け寄る。
ゼロの接近に合わせ、ハルピュイアも前へと進み出る。

「コイツ……ッ!」

その瞳に躊躇いの色はない。いや、それどころの話ではない。恐怖や生への執着、およそ正常な神経を全てかなぐり捨てた、狂気の滲んだ瞳。
凄絶な迫力に、ゼロが気圧される。

「貴様如きに! イレギュラー如きに! 負けを認められるわけがぁ……!」

しかし繰り出す刃の動きは冷静な状態に比べれば遥かに読みやすい。感情のままに振るう剣はどれも一本調子となり、その軌跡は、一向にゼロの身体を捉えられない。

「いい加減に……しろぉ!」

一瞬の隙を衝き、ゼットセイバーを大きく振る。乱雑に振り下ろされたソニックブレードによって防がれるが、力の押し合いで勝り、ハルピュイアの身体を弾き飛ばす。
再び小柄な身体は甲板上を跳ねながら、転がってゆく。

「勝負はついた! これ以上、トチ狂った頭で向かってこようが、勝敗は変わらない!」

「 黙 れ ぇ ! 」

倒れこむ身体を、無理やり起き上がらせ、ハルピュイアは吠える。
冷静沈着な“賢将”の姿は見えない。そこにいるのは妄執に憑かれた狂気の“鬼”だ。

「認められないんだよぉ! 負けは! 絶対にぃ!」

片腕で地を叩き、飛び上がる。そのまま一直線にゼロとの距離を詰める。

「エックス様の! “僕”の正義が! 負けるわけには! いかないんだぁぁあぁあ!」

力任せの大振りを繰り返す。肘も、肩も、その乱暴な動きに悲鳴を上げているが、それすらお構いなしに、ハルピュイアは二つの牙を振り続ける。

「認めろ! お前は負けた!」

ソニックブレードをゼットセイバーで弾き返す。
右手から柄がこぼれ落ちるが、ハルピュイアは構わずその手を前へと伸ばす。遂には左の剣も落とし、ゼロのコートの襟を両手で鷲掴み、そのままフライナーユニットを吹かして加速する。

「馬鹿…野郎! このままじゃ……――――!」

「砕けろぉ! 紅いイレギュラァァああァァァあ!!」

叫びとともに二人は飛行甲板から滑り落ちる。そして急速に落下してゆく。
それでもハルピュイアの勢いは止まらない。直下へと向けて加速するだけ。


「勝つ! 絶対に! 負けない! 僕は! 正義は! イレギュラー如きに! 絶対に!  負 け ら れ な い ん だ よ ぉ ! ! 」


「闘いの技を忘れ! 挙句! 己の身を顧みない無謀な特攻か! ――――イレギュラーはお前だ! ハルピュイア!」






「 黙 れ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ え ぇ ぇ え ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ っ ! ! 」












残り十数メートルというところ、ゼロは復活していた全身のエネルギーを集約し、脚部の緊急加速装置から放つ。
膝と股の間接が軋むような音が骨格を通じて聞こえてくるが、それに構っている場合ではない。


ゼロの雄叫びが天に突き刺さる。
同時に、二人は地面に激突した。激しく大地が揺れ、砂塵と砂埃がまるで爆煙のように巻き上がった。

……しばらくの後、ゼロはよろめきながら立ち上がる。空中に巻き上げられた礫が、髪に振りかかる。
間一髪、勢いをある程度まで殺し、体勢を入れ替え、ゼロは己の身を守ることができた。

「くそ……なんて野郎だ」

窪んだ大地に倒れたままのハルピュイアを睨み、悪態をついて、その場を離れる。
なりふり構わないまさかの攻撃に、ゼロは驚きを隠せない。
ヘルログマーからの落下は予定外だ。これでは利用しようにも、再び乗り込まねばならない。

「どうする……コイツを人質にでも使うか……?」

自嘲気味に呟く。自分にそんな卑劣な手が取れるだろうか。
これに答えてくれる声が今は聞こえない。自嘲は苦笑に変わる。

「分かってるよ……絶対に勝ちをもぎ取ってみせる」

命と引き替えに生かされた身だ。
自分こそ負けは許されない。もし、諦めてしまうならば、きっと彼女も浮かばれない。
背中を叩かれたような気がして、ゼロは白の団の出撃口へと歩き出す。ライドアーマーを調達して、再び空へ上がるのだ。



「――――……ッ!?」

並々ならぬ気配に、思わず振り返る。驚くべきことに、彼は立ち上がっていきた。
全身を砕かれるほどの激痛が走っただろう。それでもハルピュイアは、立ち上がってきたのだ。
よろめく身体を、無理やり立たせようと、踏ん張る。だが、その足もまた、今にも折れそうな状態だった。

「……ない……だろう……」

微かに聞こえてくる声に、耳を傾ける。

「認められるわけ……無いだろう……絶対に……」

「お前……まだ…!?」

まるで駄々をこねる子供のように、ハルピュイアは同じ言葉を繰り返していた。
そしてまた、叫ぶ。



「認められるわけ無いだろう! 絶対に! 負けを! 認めてしまえば、僕は――――……!! 」



だがその声は、叫ぶ表情は、先程までとはまた打って変わっていた。
悲痛な響きを含ませ、苦痛の表情を浮かべながら、叫んでいたのだ。


それはまるで、懺悔の姿に見えた。





























  ―――― * * * ――――




『迷いが見えます。あなたの“正義”には』




この手で両断した黒狼軍幹部シュウェット・レノーの言葉が、薄暗い洞窟の壁面の様子と共に、まだ脳裏に焼き付いている。

――――ああ、そうだ

言葉の上では、否定とともに切って捨てた。だがそれでも、心の中では跳ね返すだけの確かな依代がなかった。
斬り捨てた者のことを覚えている。ある程度は。なにせ、数えきれぬほど、斬り捨ててきたのだ。――――“正義”の名のもとに。

救世主ロックマンエックスが掲げる“正義”こそが絶対であると信じ、それに逆らう者たちを斬り捨ててきた。
迷いがなかったかといえば、嘘になる。この刃の断ち切るものが、“悪”であるかどうか。
屍を築いた数だけ、悩んだ。今行なっているものはどうか。今眼の前に起きているものはそうなのか。


『これが………“正義”か?』


己の手で切り落とした生首と視線を交錯させながら、自身の内に問いかけた。
何度も。幾度も。飽きるほど。いくつもの朝と夜を乗り越えて。問いかけ続けた。

いつしか、一つの答えに辿り着いた。――――否、一つの答えを作り上げた。

――――そうだ……これが“正義”だ

今、この手で行なっているものが。これまで何度となく行なってきたものが。
同胞を殺め続け、屍の山をいくつも築き上げ、裁きと称して殺戮を繰り返したものが。

それこそが“正義”だ。


『………でなければ、何だというのだ?』












    まるで稚拙な言い訳のように、僕は“正義”を繰り返してきた。



























  ――――   3   ――――


「認められるわけ無いだろう……絶対に」

人間ならば涙を流していてもおかしくはない、俯き加減に情けなく歪めた表情。
消え入りそうな声で弱々しく、まるで懺悔のように言い放つ。

「認められるわけ無いだろう……こんなところで負けを……」

そして抱えていた想いの丈を吐き出すように、悲痛に叫ぶ。

「今更! 今更! “過ち”だったと! この“正義”が“過ち”だったと! 認められるわけが無いだろう!」

さらにその表情を、悲痛に歪める。
まるで心の奥を、強く握りつぶされてしまいそうだ。


「どれだけ殺したと思っている!? どれだけ裁いてきたと思っている!? “正義”の名のもとに!」


    繰り返した


    僕は “正義”を繰り返した


    まるで稚拙な言い訳のように


    何度も 何度も 繰り返してきた



「殺して! 壊して! それなのに! 今更その“正義”が“過ち”だったと! 認めていいわけがないだろう!」



    もしもその“正義”が折れるのならば


    もしもそれが“過ち”だったのならば


    殺めてきた生命はどうなる


    この手で下した裁きがどれも“過ち”だったのならば


    あの骸が空虚な瞳で見つめていた 僕の姿は


    いったい何だったというのだ



「だから! 負けられないんだ! 絶対に! 負けちゃいけないんだ! 僕は!」



    この“正義”が“絶対”であることの証に


    この手で殺めてきた生命が、“必要”であったことの証に


    負けてはならない


    折られてはいけない


    引き返せない道を 走り続けなければならない



    でなければ







    彼らの死は いったいなんだったというのだ……









「“正義”は……勝ち続けなきゃならないんだぁ!!!」





最後の力を振り絞り、地を蹴る、覚束ない足取りで、ゼロへと向かって駆け出す。
そして、持てる力の全てを出しきって拳を固く握りしめ、咆哮とともに、真っ直ぐ前へと突き出した。





ゼロの頬を捉えた鈍い感触が、表面に満ちる。殴り飛ばそうと、拳を振り切ろうと、踏ん張る。
だが、ゼロの身体は動かない。どれだけ力を注ごうと、ゼロの身体はそこから少しも動かない。
不意に拳の向こう側から、微かに言葉が聞こえてくる。

「……れが……“正義”か…」

ゼロはただ首に力を入れ、ハルピュイアの拳を押し返し始めた。
そして、また語気を強めて言い放つ。右腕でハルピュイアの拳を掴みながら。

「これが……この程度が………お前の“正義”か…?」

気圧されるハルピュイア。その拳を掴み上げ、ゼロはそのままハルピュイアのジャケットの襟を鷲掴む。そして怒りの形相で強く叱咤する。



「 思 い 上 が る の も い い 加 減 に し ろ ぉ !」



そのまま振り下ろされた拳は、ハルピュイアの身体を地面に叩きつける。
落下の痛みが残る身体に、衝撃が走り、思わず「うぁッ」と声が漏れる。
だが、ゼロの両手はハルピュイアの襟元を再び掴み上げる。そしてそのまま無理やり立ち上がらせると怒りをほのかに含んだ低い声を響かせる。

「……無いんだよ、そんなもんは」

その声が体を芯から震わせる。
ゼロは息を大きく吸い込み、もう一度吠えるように言う。


「無いんだよ、そんなもんは! お前の言う“絶対”の“正義”なんてもんは! どこにだって! いつだって! ありはしないんだよ!!」


百年前だろうと。現代だろうと。何ら変わること無く、存在しない。誰もが従う“絶対”の“正義”など。
世界に国家が唯一つとなった今でも、人々の信条はまとまり切らない。人類だけでなく、擬似生命体レプリロイドも含め、誰もがそれぞれの正義を掲げ、生きている。
衝突があれば折れる“正義”がある。残る“正義”がある。消える“正義”がある。必勝を約束された“絶対”の“正義”などどこにもない。

「それでも……」

ゼロは尚も言葉を吐き出し続ける。

「それでも“あいつ”は探していたんだ! その“正義”って言葉を掲げて! 何度も折られて! それでも戦い続けていたんだ! “正義”ってやつを信じて! 求め続けて!」

脳裏によぎる百年前の風景。
背中を預けあった“あいつ”は戦い続けていた。“正義”を叫んで。
しかし、その度に立ち塞がる壁。険しい茨の道。躓いては転んだ。挫けた。涙をこぼした。幾度と無く過ちを繰り返した。
それでも足掻き続けて、前へ進み続けた。“正義”を信じて。幾つもの生命を奪いながら、その先にある“未来”を掴み取るため。
“正義”の力を信じて歩み続けた。決して諦めること無く。真っ直ぐに前を見据えながら。

「だからこそ、俺はそんな“あいつ”を信じた! 何度も立ち上がって、前に進む“あいつ”を!」

数多の敵をその手で葬り、そのことを何度となく嘆き、それでも走り続けた。
多くの者達を救いながら、守りながら、時に剣となり、盾となり。這いつくばってでも、足搔きながらでも、藻掻きながらも前へ、前へと。


「意気地なしで! 泥臭くて! それでも諦めない、そんな“あいつ”の姿こそが! “あいつ”こそが、俺にとっての“正義”だったんだ!」


その視線はいつしかハルピュイアを向いているようで、彼を捉えてはいなかった。
目覚めてこの方、心の奥で燻っていた想いが、堰を切って溢れだす。



「 な の に ! ――――なんなんだよ、この世界は……」

荒れ果てた大地の上、強者に追い立てられ、弱者は貧しく身を寄せ合う。

「なんなんだよ、この“未来”は……!」

理不尽な暴力は止まず、今も理想を求める者たちはその生命を散らしている。

「これが……お前の求めた“世界”か……!?」

ほんの僅かな幸福を求める者が、それすら赦されず、無情な血を流す。

「これがお前の作りたかった“未来”なのかよぉ!?」

それぞれが愛する者のため、護るべきもののため、その身を捧げる者たち。
その願いも報われず虚しく屍に変わってゆく。

「これがお前の…… 俺 達 の 求 め た “ 懐 か し い 未 来 ” っ て や つ な の か よ ぉ ! ? 」

少女が肩を震わせながら零す一滴の涙。それすら拭うことのない、この世界が。
多くの者達の、絶え間ない悲劇の死を容易に受け入れる世界が。
求めた“未来”だというのか。それを赦すことが“正義”だというのか。

「答えろ! なあ! 答えてみせろ!!」

そして天を仰ぎ、一際大きな声で叫ぶ。
ここにいない“あいつ”に向けて。――――全身全霊の怒りと憤りを、胸の奥から噴き出すように。






「 答 え ろ ぉ !  エ  ッ ク ス  ! ! 」

















叫びは、虚しく木霊する。遠い空の果てまで。
しかしそれでも、答える声は聞こえてこない。誰も、何も答えてはくれない。
力の抜けたゼロの手から、呆然とするハルピュイアの体が滑り落ち、その場に座り込む。その瞳は、ジッとゼロを見つめ続けている。
やがて、木霊が消えた頃、ゼロはハルピュイアを見下ろす。そして、言い放つ。どこか悲しげに。悔しげに。


「“正義”は死んだ。もう、どこにもいない」


その言葉はゼロにとってのケジメだった。

呆然としたままのハルピュイアをその場に残し、ゼロは振り返る。
そのまま歩き出そうとする。と、「待て」と小さな声が呼びかける。

「お前の言葉が真実ならば……“正義”がどこにもないというのなら……」

縋るように、求めるよに、ハルピュイアは悲痛な嘆きの問いを口にする。

「僕はいったい……これから何を信じてゆけばいい?」

何を掲げ、生きてゆけばいいのだ。
多くの者達を殺めた業を背負いながら、それでも心折れずに、どうやって前へ進めば良いのだ。

足を止め、暫くして、ゼロは振り返る。
そして言葉を紡ぐ。救いを求める彼の心に、確かに染みこむように。

「探せ。かつて“あいつ”がそうしたように」

業を背負ったまま。罪を抱えたまま。

「足掻いて、藻掻いて、進み続けろ」

その手にかけてきた者達の、死に顔を心に抱きながら。
それでも前を向いて、強かに生き続けろ。


「その先にきっと……お前にとっての“正義”が見えてくる筈だ」


いつかの“あいつ”の背中のように。
胸に突き刺さった言葉を、心の中で繰り返し、それからハルピュイアは深い溜息をついた。

――――完敗だ

何もかも、完全に負けていた。
勝利にかける信念も。見据えているものも。抱えていたものも。信じているものも。
言葉通り、何もかもが。


「……リディア、聞こえるか」

〔ハル様……ご無事ですか!?〕

通信回線の向こう側で、飛び上がるように答える彼女。心配し過ぎて気が気でなかったのだろう。
そんな彼女に申し訳なく思いながら、彼女が再び飛び上がるような言葉を告げる。

「全軍を停止させて、退却しろ。これ以上は余計な損失を生む」

〔え………ええッ!?〕

「以上だ」と通信を不躾に切断した。

――――仕方あるまい

自分一人の敗北で、優勢な戦場において全軍を停止するなど、愚の骨頂としか言いようがない。

だがしかし、こうせざるを得なかった。
何より、紅いイレギュラーはハルピュイアを斬らなかった。情けをかけたのだ。圧倒的な勝利の上で。
それを跳ね返すだけの信条を、今のハルピュイアは持ち合わせていない。
それ故に、ハルピュイアは紅いイレギュラーを斬ることができない。そこまでの卑怯者に成り下がるつもりもない。
となれば、この先戦線を続行するにあたり、彼を誰が止めるというのか。
無論、ここまでの戦闘での疲労は蓄積しており、彼も本領を発揮することはできないだろう。だとしても、いったいどれだけ戦力を投入すれば、今の彼を止められるのか。
結局のところ、不確定要素がありすぎる今は、戦線続行はこちらの被害を増やすだけとしか思えない。恥の上に恥を塗り重ねるつもりはない。――――それ故の全軍停止、そして退却なのだ。


それでも内心では、どこか安堵のようなものを感じてならなかった。
脅迫めいた信仰を断ち切られ、その上で「前に進め」と言葉をかけられた。
そのようにして新たな道を示されたのだ。“未来”への道を。


「今は……構わない」


次に会うときは必ずや倒してみせると胸に誓い、去りゆく背中を真っ直ぐに見つめていた。














































  ―――― * * * ――――


















突如として起こった事態に、頭の整理が追いつかない。己の目に映ったその光景が、どうにも理解できない。

――――どういう……ことだ……

その場を離れてゆく男の背中を見送った後、立ち上がろうと膝を立てた瞬間、閃光が走り抜けた。
気づけば、視界を遮っているのは真紅の背中。金色の長髪。
その向こう側には、漆黒のコート。白塗りの仮面。
交えているのは光の刃。

「どういう……ことだ……」

堪え切れず、遂に言葉が漏れ出す。
一瞬の内に起きた非常事態。突然の乱入者。――――それはまだいい。
何よりも理解できないのは、この二人の構図だ。

それが逆であるならば良かった。まだ理解できた。
漆黒の男が鮮緑の刃から自分を守ってくれていたというならば。しかし、目の前の光景はまるで逆だった。
敵であるはずの男が自分を守っている。そして味方であるはずの男が、自分に向けて刃を振り下ろしたのだ。

「答えろ……何故だ……どうして……」

追いつかない心のまま、ハルピュイアは真紅の背中――――ゼロの向こう側にいる“漆黒の男”へ問いかける。


「 何 故 こ こ に い る ! ?  フ ァ ン ト ム ! ! 」



薄笑いを浮かべたような仮面の下の表情は、どれだけ目を凝らそうと読み取れはしなかった。





























 NEXT STAGE











         隠将
























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