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No.33631の一覧
[0] 【ラブプラス】 寧々さんうふふ。 (百合・レズ・羞恥系)[白やかん](2012/07/01 21:28)
[1] 小早川凛子の場合 - 1 -[白やかん](2012/07/01 17:24)
[2] 小早川凛子の場合 - 2 -[白やかん](2012/07/01 17:33)
[3] 小早川凛子の場合 - 3 -[白やかん](2012/07/01 21:27)
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[33631] 小早川凛子の場合 - 1 -
Name: 白やかん◆2c64b133 ID:55dc99db 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/07/01 17:24
 穏やかな空に漂う雲が時間の緩やかさを具現化する。上空の閑静さと対比するかのように、下界では制服姿の男女達の賑やかな談笑が交わされていた。

 下校。
 一日の縛りから開放された若者たちが帰路につく、そんなのんびりとした時間に、姉ヶ崎寧々は図書室にいた。
 特別、調べ物があったわけではない。特別、会いたい人がいるわけでもない。

「あんなに楽しげに話してる……」

 本棚の影からそっと顔を覗かせた彼女の視線。その先にあるのは、寄贈された蔵書の整理に勤しむ一組の男女。
 仏頂面の女子と、人のよさそうな顔をした男子。そんな異性の組み合わせを寧々は真剣な眼差しをぶつける。

 否、睨みつける。
 
「ちょっと。本の棚入れやりたいんだけど、これ重いんだよね。あんた手伝ってよ」

「ん? あぁ。いいよ。っていうか、こういう力仕事は俺がやるよ。小早川はリストで本のチェックしておいてくれよ」

「ん……やだ。めんどくさい」

「めんどくさいって……じゃあどうすんのさ」

「……あんたばっかり力仕事させても悪いから、アタシも一緒にやる。で、アンタも一緒にリストのチェックしてよ」

「あぁ。まぁ1つずつ片付けていくほうが気持ち的に楽か」

「そーゆーこと。ほら、始めるよ」

 静寂に保たれた図書室の空間では、二人の会話は筒抜けだ。ゆえに、寧々の心境は黒く、憎悪に歪む。

「1つずつ片付けていく……? つまり、一緒に同じ作業をしたいってことじゃない……」

 ごおごおと。嫉妬の嵐が寧々の心に吹き荒れる。

 デキシーズにアルバイトでやってきた彼。教育係として親しくなった寧々。

 二人は付き合っているわけではない。しかし、寧々の愛情表現は鈍感な彼を前に少しずつ方向を見失っていた。

「あの子……小早川凛子ちゃん……よね。うん……」
 愛情はやがて愛憎へと変わる。その愛憎は寧々の嵐に触れ、色情へと変化していった。

「先輩として……ちゃんと教えてあげないといけないなぁ」

 そう告げて、寧々は柔らかな唇をぺろっと舐める。


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