次の試合の出場者のうち、専用機を保持していない二人――篠ノ之さんと鷹月さんの整備内容を確認していると。
ふと、まったく関係ない事が頭に浮かんだ。
「そういえば会長って、噂の事は知っているんでしょうか?」
打鉄弐式の一件、あの人は知っているんだろうか。そんな些細な疑問だったけど。
「あれ? 確か、更識楯無はいないんじゃなかったか?」
「え? そうでしたっけ?」
帰ってきた答えは、とても意外な物だった。
「ええ。ロシア国家代表としての用事で、学園を離れているはずです。だから、トーナメントは途中棄権……とクラスメートが言っていましたが」
「何でこのトーナメントの最中に?」
「さあな。まあ、悲惨なのはパートナーだけどな」
「そうですね……」
優勝候補だったであろう更識会長と組めたのに、途中で棄権なんて想いもよらなかったでしょうから。
「まあ、これで二年生はだれが優勝するかわからなくなっちまったからな。面白いと言えば面白いぜ?」
「あれ? もう一人、専用機持ちがいませんでしたっけ?」
「ああ、フォルテ・サファイアだろ? あいつだけは読めないんだよなあ。案外、ダルいからって途中棄権しそうだし」
「……どんな人なんですか、それ」
専用機を預かるという事は、国家代表候補生なんでしょうに。
「まあ、それはいいだろ。それより、そろそろ休憩は終わりだ。次の試合の準備もあるんだからな。残り二日、気合い入れていけよ!」
「「はい!」」
「お待たせ~~。物資、持ってきましたよ~~」
私と戸塚さんの声が重なり、それと同時に足りなくなりかけていた物資の補充に行っていたフィー先輩が帰ってくる。
織斑君・デュノア君と更識さん・ドレさんの戦いはもう間もなくだけど、私の戦いも、また始まったのだった。
「ドイッチ君は、更識さんに近づいているのでしょうか?」
アリーナの中枢である監督室では、教師達の話題に簪とゴウがのぼっていた。
そんな中、一年二組の担任が、やや、考え込む表情になった。欧州連合所属のゴウと、日本の代表候補生の簪。
同じクラスであり二度戦ったが、簪がいずれも敗れた。そんな関係であるのに、突然協力関係になった事への不可解さがあったのだ。
「だが、交流である限りは私達が関わる事は出来ないでしょう。ましてや、両者の同意がある以上は、ね」
四組の副担任教師が、そう言いながらコンソールを操作していた。
彼女としては、自分に火の粉が降りかからなければどのような交流であったとしても介入する気はなかった。
「山田先生は、どう思いますか?」
「うーん……素直で優秀で、いい生徒さんだと思いますよ」
男子の入浴許可を伝えに言ったときの、ゴウの(表向きの)態度を思い出してフォローに入る。
その時は、コンソールの上で潰れている大きな胸を元にした悪口雑言(あっこうぞうごん)が相手の心の中にあったのだが。
そんな事など、思いもよらないようだった。
「……本当にそうならば、それで良いのだがな」
そう呟いたのは、千冬だった。かつてゴウが自分に向けてきた表情を思い出し、それで言葉を打ち切る。
それはゴウの言葉から発せられる、理解できない敵意と理解『してしまった』性根が元だった。
「あ、そろそろ試合開始ですね」
山田真耶が告げたとおり、試合会場には既に白式とラファール・リヴァイヴカスタムⅡが登場していた。
唯一の男子同士のペア、そして片方が男子の中でも人気の高いシャルル・デュノアという事もあり、歓声が沸き起こる。
「織斑先生は、どうみますか?」
「……専用機持ち同士であり、シールドエネルギー軽減措置のないこの試合。その使い方、でしょうね」
「やはり、ですか」
教師達も、やはりこの試合には注目していた。そして、対戦相手も入場してくる中。先に登場したのは、ノーマルのラファール・リヴァイヴ。
その機体を見たとき、教師達の顔に驚きの表情が現われた。
『なるほど、ね。まさか、私がちょっと日本を離れた間にそんな事になっているなんてねえ』
生徒会室では、会計を担う布仏虚が主である更識楯無への報告を行っていた。
IS以外の通信としては、最高レベルの機密性を持つ特殊回線での通信であり、ロシア西部と日本との間をタイムラグなしで通信可能である。
「本音が知らないふりをして今朝に接触したようですが、やはり様子がおかしかったとの事でした」
正確な報告は『かんちゃんらしくないよ~~。絶対に、あの男子と接触しちゃったからだよ~~。
これならまだ、おりむーに落とされちゃった方がずっとずっとマシだよ~~』だったのだが。
ゴウとの接触が原因なのか断定しかねる部分があった事、そして姉妹関係にこれ以上波風を立てないために、様子のおかしい事だけを報告したのだった。
『虚ちゃん、任せていいかしら?』
「お任せください」
『お願いね。私も、なるべく早くそっちに戻るから』
珍しくも心配を露わにした声で、ロシアからの電話は終わった。そして、その瞬間から布仏虚の思考は始まる。
「明らかに、お嬢様の不在を狙った動き。とはいえ、早すぎます。欧州の方で動いているのかもしれませんが、狙いが読めませんね。
打鉄弐式そのものではなく、簪様自身が狙いとなると――更識家自体が狙い、とみるべきでしょうか?
……残り少ないですが、トーナメントの整備の方は、休むしかありませんね。――ですがこれも布仏の務め。しっかりと、果たすとしましょう」
自分のやるべき事をまとめた少女は、すぐさま動き出す。――そこへ入ってきたのは、彼女の妹からの通信。
「本音? まだ何か、あったの?」
『あのねー。四組のドレドレのルームメイトから聞いたんだけど、かんちゃんの様子はやっぱりあの男子と接触してからみたいー』
そういう事は、ちゃんと報告としてまとめて、それから一度に伝えなさい――と言いそうになるのを虚は自制した。
妹が、自身の使える主であり幼馴染みでもある少女を案じているのは、解っていたから。
『それとねー。あの男子についてだけどー、おりむーに対するしののんやせっしー、りんりん達みたいな特に親しい女子はいないみたいー』
「それは、三組の安芸野君もそうでしょう?」
『んー、でもー、あぎのんとは少し違うみたいだったよー。何処か、壁を作っている感じだったー』
「そう。報告は、以上?」
『以上だよ~~』
「――本音。貴女は簪様から目を離さないでおきなさい。何かあれば、報告する事。良いわね?」
『了解~~』
いつもと同じ間延びした声のように聞こえたが、姉にとってはそれが本音の焦りを隠した声である事は一目……いや、一聞瞭然だった。
普段から仕事をさぼることの多い彼女だが、流石に今回はそうも言っていられなかったようである。
「いつも、このくらい働いてくれると助かるのだけれど。来年からが、不安ですね」
現在三年生である虚は、遅くとも来年三月には生徒会を離れてしまう。後に残るのは、有能だが奔放な主君と、有能だがサボり魔な妹。
その二人で生徒会を運営していけるのか、不安がないと言えば嘘だった。
「宇月さんのように、信頼できる一般生徒を引き込むのと――出来れば『彼ら』も引き込みたいですね。そのためにも、今は」
虚は思考を終え、一気に行動へと移った。彼女が日本政府内の動きを知り、それへの対処を始めたのは間もなくのことだった。
「あれが、今日の対戦するマルグリット・ドレさんの機体か」
アリーナでは、今日の僕達の対戦相手の一人、マルグリット・ドレさんが入場してきた。その機体データは、ハイパーセンサーで捉えていたけれど。
「ドレさんの方は、軽装甲の機動性重視みたいだね」
ドレさんの選んだ機体は、緑色のノーマルリヴァイヴだった。
専用機を相手にする生徒達は、時に異形とさえいえる改造を自分の機体に施してきたけれど……。
彼女のリヴァイヴは、そんな様子が一切なかった。量子変換領域に、何かを隠している可能性もないわけではないけど。
『どうする、シャルロット? 見た感じ、そんな変わった様子はなさそうだぜ』
個人秘匿通信で、一夏も同じような感想を伝えてきた。……この場合は。
『先にドレさんを倒して、更識さんに2対1で立ち向かうのが理想の展開かな』
『どっちが、どっちに当たった方がいい?』
『それじゃあ僕が、更識さんを抑えておくから。一夏は、零落白夜でドレさんをすぐに落として』
『解った』
そんな事を言っているうちに、もう一方――対戦相手のうち、特に重視すべき相手である更識簪さんが入場した。
あの先輩の妹で、日本の代表候補生。敗者復活制度で勝ち残ってきたけれど、少し耳にした噂が本当なら……。
「な、何だアレ!?」
遅れて出てきた打鉄弐式を見た瞬間。一夏が、珍しいほどの大声で驚いていた。その視線の先には――。
「!」
そして僕も、その理由を察する。やっぱり今日も、ただでは終わりそうにはなかった。
アリーナの監督室では、千冬や真耶らが驚きを浮かべていた。そんな中、整備課生徒からの通信が届く。その内容は。
「織斑先生。これが、整備課や補助生徒からの最終報告です」
最終報告。それは、試合に出る前に、自分達の装備や改造内容を本人が整備課生徒確認の上で報告した電子書類であった。
ただ、これに記入漏れがあったとしても特に罰則はない。正確には、そのメリットがない。
相手に手の内を隠すのは当然だが、教師達にまで隠す必要はない。
国家機密である専用機の情報などは教師達にも『一応』隠匿されてはいるが、隠している事が解っているのならば問題はないのだ。
むしろ『何を使っているか』よりも『何をしたか』が重要視される。
この報告書は試合で何らかのトラブルが発生した際の重要証拠、としての扱いを予想されていたが、幸いにも今までその方面に役立つこともなく。
半ば、形式的に書類を提出するものになっていた。――だが、その報告を見た教師達は顔を顰める。
その報告書は今から試合に臨む二つのタッグの報告書であり、何か不適切なものがあったわけではない。――むしろ、何もなかったのだ。
「マルグリット・ドレさんのリヴァイヴ……何もありませんね」
今から試合に臨む唯一の非専用機、マルグリット・ドレのリヴァイヴの改造内容欄には何もなく。
そこには、ただ装甲を減らしただけのリヴァイヴのデータが載せられていた。
機動性や加速性を上げるための物もなく、特殊武装もなく、まるで自殺願望でもあるかのようなスタイル。
「ドレさんは、勝負を捨てたのかしら?」
「まあ、この試合は更識さんと織斑君・デュノア君が主となる戦いになりますからね。ドレさんの機体は、あまり戦況に影響を及ぼさないでしょう」
「ふむ……。あまり褒められた判断ではないが、な」
「織斑先生、そう眉間に皺をよせてはいけませんよ。それよりも、レッドキャップとかいう新武装――そちらが気になりますね」
そう。この時点では、元世界最強たる千冬でさえも、マルグリットの狙いを見抜けないでいたのだった。
「……!」
試合開始早々。今までにない簪の武装が火を噴いた。スターライトMarkⅢにも匹敵する長銃から放たれたのは、高速の対空散弾。
「あ、あれが更識さんの新武装……?」
「噂だと、ゴウ君からもらったって話だけど……」
観客の間でも、レッドキャップの噂は広まっていた。正確には、それを広めた者がいたからだが。
「ねえ。貴女が言っていたのって、あれ?」
「そうよ。あれで織斑君とデュノア君に勝てるのかどうかは解らないけど」
「ふうん、でも、善戦できたらいいね」
四組の生徒――以前、石坂悠に『何故、簪に協力するのか』と問いただした生徒――はそういうと、試合へと視線を戻した。
だが、答えた生徒はその試合など、どうでもよかった。
(せいぜい、操り人形は操り人形らしく踊っていろ。……人に頼るしか能のない、馬鹿な小娘が)
簪への罵詈雑言を心中で漏らしつつ。クラス対抗戦の侵入者・ケントルムは密かに嗤っていた。その心根を、誰にも気づかれる事はなく。
「何なんだ、あれは?」
「高機動射撃型……でも、今までとは全然違う!」
簪の新武装に、一夏とシャルロットは驚きを隠せないでいた。簪のデータは、当然彼らも持っていた。
しかし今、それが全く役に立たない。機動性、加速性、攻撃力。全てが、今までとは大幅に変わっていた。
「ちょっとだけ不利、だね……」
簪側は、当然自分達の情報を持っている。それなのに、自分達は相手の情報を持っていない。
その事は、シャルロットが僅かとはいえ顔を顰めるほどの不利な要素だった。そして、簪が次の一撃を長銃から放つが――。
「び、ビーム攻撃!?」
「さっきは実体弾だったのに、どういう事だ!?」
同じ銃器から、今度は光線が発射された。紅いそれは、禍々しささえ感じさせる。
「あれは、ビーム兵器と実体弾兵器を両方使用可能な……マルチライフル!?」
「そんな……我がイギリスでさえ、開発している最中の筈の技術ですわよ!?」
観客席から、悲鳴にも似た声が聞こえてくる。マルチライフルは、まだ机上の武器の筈であり。
こんな所で、軽々しく出てくるはずの代物ではなかったからだった。
「ふむ、アレには銃口が二つあるな……。つまりあれは、二つの銃器を束ねた物か」
「二つの銃器を?」
独り言に近いラウラの言葉。いつもの彼女ならば漏らさないであろう一言は、パートナーたる箒にも驚きをもたらす。
無意識のうちなのか、ラウラの言葉はさらに続く。
「仕組みとしては、単純なものだ。篭った熱の処理や、どちらを使うかという使いこなしが必要となるが。
しかし、日本の代表候補生が扱うということは、あれは日本の武器なのか? そのような情報はなかったが……」
「一夏……」
観客席で軍人モードに入った銀髪の少女は、その瞳を打鉄弐式のライフルから離さなかった。
一方、箒はまたしても苦闘が予感される想い人への憂いを込めた視線を向けるのだった。
「一夏は、ドレさんを先に落として! 僕は彼女を抑えておくから、今のうちに!」
「解った!!」
簪が予想以上の強敵であると認識したシャルロットは、パートナーへの指示を飛ばした。
そして一夏がノーマルのラファール・リヴァイヴに向かい、一方のマルグリットも、自分に向かう白い機体をしっかりと見据える。
「避けきれないなら、せめて……え?」
「遅い」
「なっ!?」
まるで、瞬間移動したようにラファール・リヴァイヴの前に打鉄弐式が出現していた。
それを直視させられた一夏は、二重の驚きに包まれる。それは、機動性の高さが武器である白式に打鉄弐式が追いついたこと。
そして、パートナーの足止めをいとも容易く掻い潜った事への驚きだった。
「多弾頭ミサイル――発射」
脚部のウェポンラックに搭載されていた大型ミサイルが、空中で分かれて無数の小型ミサイルとなって白式に襲い掛かった。
リヴァイヴに向けて進撃していた一夏に、同じ方向から向かってくる無数のミサイルを回避できるわけはなく。
「ぐっ……!!」
「一夏っ!!」
次々と、白式にミサイルが命中していった。シャルロットがあわてて駆け寄るが、今の攻防では完全に相手に上を行かれた。
「今の加速性能、白式や甲龍並だね」
「くそ、完全にやられたか……」
「彼女の機体、今までとはまるで別物だよ……」
思わぬ強敵に、焦りが生まれ始める二人だが。意外な所に、穴はあった。
「邪魔は、しないでね……」
「う、うん」
パートナーを庇ったと思っていた簪が、辛辣な言葉を吐いた。それをハイパーセンサーで聞き取った、一夏の表情が変わる。
『シャルル、悪いけど作戦変更だ。……先に、更識さんを二人で狙おう』
『二人で?』
個人秘匿通信で一夏が告げたのは、ある意味で悪手の典型例だった。
簪を二人がかりで攻撃しても、マルグリットがフリーになる。そうすれば、どうなるかは一目瞭然だったが。
『今日の更識さんは、何か変だ。今の言葉も、彼女らしくないし……。
連携が、ドイツのアイツ並に全然無い。クラス対抗戦の時の方が、よほど出来てたくらいだ』
『そうなんだ』
ふと『一対一だった筈のクラス対抗戦の時の連携って、どういうこと?』という疑問が浮かんだシャルロットだが、それはスルーした。
一夏も、根拠なしに二人がかりで簪を狙おうと言ったのではない、と解り。
『解った。――どの道、彼女は二人がかりで戦わないと無理だね』
『ああ。ドレさんに気を配りつつ。二人で攻撃だ』
お互いに視線を向き合い、笑みを浮かべる。――少なくとも、連携の高さでは一夏とシャルロットが相手を圧倒していた。
「す、すごい速さ……」
マルグリット・ドレの呆然とした声がする中、白式&ラファール・リヴァイヴカスタムⅡと打鉄弐式『赤帽子』の激闘が続いていた。
放たれる散弾、ミサイル、光線の嵐をかいくぐる白式。様々な武器を切り替えては攻撃するリヴァイヴカスタムⅡ。
そして、高い機動性で攻撃を軽々とかわしていく打鉄弐式。それは、専用機同士とはいえ一年生とは思えない激闘だった。
観客達も、歓声一つあげずにその戦いを見守っている。
「くっ……しつこい!!」
何度目かの突撃を敢行した白式の直線上から離れつつ、ミサイルを打つ簪。その表情は、やや焦りが見え始めていた。
「あいにくと、俺はしつこい時はとことんしつこいぞ!!」
ミサイルを通常モードの雪片弐型で打ち落とし、本体に迫る。
最初は異常な機動性や加速性に翻弄されていた彼も、だんだんとその速度に慣れてきた。
「あいにくと、速度重視や機動性重視の奴とは戦った経験があるんでな!」
以前戦った、攻撃を仕掛けずに回避のみで一夏達に勝とうとした二人。その時の経験が、今回に生きていた。
速度であれば今回の方が上だが、あの時は二人が同じように行動していた。その時に比べれば、今回は実質的に一人になっている。更に。
「なら、リヴァイヴを――なっ!?」
「僕だって、いつも同じ武器じゃないよ!!」
急速接近し、超振動薙刀『夢現』を展開し、シャルロットを強襲する簪だが。その夢現が、金属同士がぶつかる音とともに止まった。
シャルロットが繰り出したのは、斧と槍、ピック(鉤)のついた武器――ハルバード、と言われる長柄の武器だった。薙刀である夢現とは、似たようなリーチを持つ武器。
だが、相手がこの手の武器を使った事はない筈だった。ならば、自分に一日の長がある。そう信じた簪はそれを潜り抜けて一撃を与えんと力を込めるが。
「!?」
経験で劣るはずの相手が、自分と同レベル――いや、やや上回る力量でハルバードを振り回していた。
夢現がはじかれ、手が痺れかけるほどの衝撃を受けてしまう。
「こ、こんな馬鹿な……貴方、いつの間にこんな訓練を……!?」
「秘密、だよ!」
ハルバードとは、槍としても斧としても使える――つまり、振り回しても突いても使えるのが特徴である。更に。
「うっ!?」
突きを避けたはずが、引っかかった。――そう、ハルバードのピックに、レッドキャップの装甲の一部が引っかかったのだ。
そのまま、シャルロットのリヴァイヴに引っ張られ。それが消えたと同時に、高速切り替えで出現したアサルトライフル『ヴェント』が待ち構える。
「うあっ!?」
その中から放たれたのは、弾速は遅いが貫通力に優れたバンカーブリット。打鉄弐式の装甲をも突き破り、簪本人にも衝撃を与えるダメージを与えた。
「ぐっ……でも、この赤帽子――レッドキャップの武器は、まだまだある!」
「は、鋏!?」
簪の声とともに、レッドキャップの脚部装甲の一部がそれぞれ動き出し、まるで獲物に食いつく二匹の蛇のようにシャルロットに襲いかかる。
それは、物理シールドに下向きの鋏がくっ付いたような物だった。クラス対抗戦の時の、安芸野将隆が使った『岩戸封じ』にも似ているだろうか。
「だけど、その武器なら慣れているぜ!」
「っ!?」
それを身をもって体験している一夏が、飛び込んできた。右足から生えた鋏楯『フリーブレイカー』を根元から断つ。
両方で捕えることで相手の動きを封じるこの武器だったが、一方を破壊されては機能は半減以下である。
「もう一本……!?」
「あ、当たった……!」
だが、追撃は辛くも免れた。それまで放置されていたマルグリットが、ライフルによる射撃で白式を狙ったのだ。
今までは簪と戦いながらも一夏が回避しきれていたのだが、簪への攻撃に集中させた分、マルグリットへの警戒がおろそかになったのだった。
「一夏、ありがとう!!」
「おう!」
いったん距離をとり、態勢を立て直す一夏とシャルロット。中空に浮かぶ簪のもとに、マルグリットがやって来る。
「あ、あの、大丈夫……?」
「平気。……それよりも、ダメージを受けないように逃げていて。オフェンスは、私が一人でやるから」
「う、うん……」
今までは、マルグリットが壁となり、簪がミサイルや荷電粒子砲で狙うのがパターンだったのだが、今回は逆転していた。
近接戦闘力も高められた打鉄弐式が、前に出ていく。そして、その赤く染まった青の機体が狙うのは――。
「!」
今までとは全然違う速度で、打鉄弐式が迫ってきた。白式と比べても、そう劣っていない加速力。
もしこれがクラス対抗戦の頃の俺だったら、間違いなくやられていたであろう速度だ。
「くっ……うおっ!?」
薙刀を振りかざしてきたかと思うと、脚部の武装ユニットから短い槍のような物が飛び出してきた。
かと思えば、さっき俺が斬った鋏楯のあった部分からマニピュレータが伸び、手榴弾を投げてくる。本当に、多彩な武装だ。
「これで、私はなる……!! ヒーローに……なるんだっ!!」
打鉄弐式は、クラス対抗戦の時とはまるで別物だった。あの時は距離を保っての遠距離戦闘が主だったが、今日は違う。
前回同様に距離を保ってミサイルや荷電粒子砲を撃ってくるかと思ったら、瞬時加速並みの速度で近づいて薙刀や鋏楯で攻撃してくる。
ちょうど、今上空でドレさんを攻撃しているシャルロットみたいな感じだった。
『一夏、もう少しだけ持ちこたえて! こっちは、僕が何とかするから! やっぱり、彼女をたたいてからじゃないと駄目だよ!』
個人秘匿回線で必死さとともに伝えられた言葉に視線を向けると、ドレさんが、一方的にシャルロットに攻め込まれていた。
しかし、更識さんには動揺も何も無い。……何かの作戦だとか、時間稼ぎじゃない。これは。
「勝てる……勝てる!!」
攻撃を仕掛けている以上は当然なのだろうが、簪さんは、自分の事しか見えていなかった。
それも戦術なのかもしれない。だけど。たとえば箒とアイツはバラバラに戦っていたが、明らかにそれとも違う。
「それで良いのかよ?」
「……?」
更識さんの薙刀と、雪片弐型がぶつかり合い、金属音を響かせる。だが、不思議なほどに俺の心は落ちついていた。
「俺、前に更識さんに話した事があったよな? ――千冬姉の事」
「こ、こんな時に、何を!」
「織斑……?」
雪片弐型と夢現が鍔競り合う中、一夏が突然口を開いた。モニタリングしていた千冬も、不可思議そうに顔を顰める。
「―ー今でも、あの時と同じように思ってるのか?」
「……だったら、どうだっていうの! 私は、なるの……。
完全無欠のヒーローに……泣いたりしない、いじけたりしない、ヒーローになるんだから!!」
夢現を押し、半ば泣いているように絶叫する簪。だが一夏は、まるで弟妹を嗜める兄姉のような表情になる。
「完全無欠のヒーローなんて、いない。完全無欠のヒーローは、泣きもしなけりゃ、いじけたりもしないんだろ?
だったら、そんなヒーローには、どんな奴でもなれないだろ」
簪にとって、意味不明の言葉を吐く一夏。まるで、自分が見下されているように彼女は感じ――そして、思い当たった。
「……自分がなれないから、そう感じているだけでしょ!?」
「ああ。――俺は、ただの人間だ。 泣きも、笑いもする。負ける時だってある。挫ける時だってある、けど、そこで諦めない。逃げ出さずに戦える、人間だ!!」
「な、何を言ってるの!? 私だって、諦めてない!! 貴方達に勝つために、私は……!!」
「諦めてるだろ!!」
何を言っているのか、と言い返そうとした簪だが、一夏の目に宿る光に押されて言葉をつむげなかった。
そして一夏は、簪が気付いていなかったことを口にする。
「だって――パートナーを放っておいて、一人だけで戦うヒーローなんているかよ!! 今の君は、ヒーローなんかじゃない!!」
「!?」
そう。一夏が言っていた、諦めた事とは。――いつかはなりたいと言っていた、ヒーローへの道だった。
パートナーであるドレの事を忘れて、一人だけで戦い勝つつもりでいた自分。それを省みて。
レッドキャップを装備してからの、高揚、自負、興奮――それらが、一気にマイナスへと転じる。
「あ……ああああ……」
「俺、最近、ヒーローって物についてこんな事を聞いたんだ」
『人々を守り、力をふるうことの意味を自覚しているのなら――どんな人でも、ヒーローなんだと思うよ。
(中略)人を守ろうとする人は、皆ヒーローたりえると思うよ』
「って。俺も、そうだと思う。千冬姉にあこがれるのは、世界で一番強いから、とか格好いいからとかじゃない。
――千冬姉が、その強さをどう使ってきたか。それを見てきたから、その姿勢に憧れるんだ」
「……!」
こんな状況だというのに、簪は一夏の言葉から耳を閉ざす事が出来なかった。
夢現と雪片弐型の鍔競り合いも止まり、そしてその言葉を聞いたシャルロットの攻撃さえも止まる。
放送室を通じて、観客やVip達にもその声は届いていた。
「……織斑君って、たまに相手の心にもの凄く響く事を言うのよね。五反田君曰く『無意識に女子のツボを突く』だっけ?」
「へー。なるほど、なあ。面白い奴だな」
ピットでは、苦笑いでため息を吐く香奈枝や面白そうに笑う京子が整備の手を止め。
「教官の、姿勢、だと……?」
一夏を千冬の汚点としか見ていなかったラウラの心にも、僅かながら波紋を起こし。
「やはり変わっていないな、あいつは」
その隣にいた箒に、昔の事を思い起こさせ。
「うーん、まさか私の言葉があそこまで織斑君に響いていたとは思わなかったよ」
「まあ、あいつは『守る』事に人一倍思い入れがあるみたいだからな。……今の更識を見て、黙っていられなかったんだろ」
ヒーローに関する発言を一夏にした唯が、アリーナでやや照れたように笑い。将隆が、ほほえましそうにそれを見守っていた。
「……強いですね、彼は」
「いえ、まだまだです」
そして、アリーナの監督室では四組副担任の言葉を真っ向から否定する千冬がいた。
なお『あ。織斑先生、照れてますねー?』と軽口をたたいた一年一組副担任が、一瞬後に気絶していたのはまったく関係のない余談である。
「私は……わ、私、は……!!」
一夏の言葉に、心の弱い部分を揺り動かされた簪は既に試合を出来る状況ではなかった。
寒さに耐えるように、震えていたかと思うと。
「私は、もう勝つしかないのっ!!」
再び、突撃した。しかしそれは狙いも何も無く、やぶれかぶれな、速度も乗っていない突撃。
今まで赤帽子の加速力を散々に見せ付けられてきた一夏にとって。それは単なる的のようなものだった。
「貰った!!」
雪片弐型から光の刃――零落白夜が出現する。自らの消費したシールドエネルギーの5倍を相手から削り取る、かつて世界最強の女性が使った能力。
今の打鉄弐式といえど、命中すれば必殺といえる一撃だった。……そう、命中すれば。
「え!?」
「なっ!?」
「う、嘘!?」
簪の、一夏の、シャルロットの言葉が重なった。どういう手品を使ったのか。
――打鉄弐式を、物理シールドを翳したノーマルのラファール・リヴァイヴが。マルグリットが、簪を庇っていたのだ。
勿論無傷ではないが、物理シールドの分だけ威力が削がれている。
「そ、そんな……! い、いつの間に、移動したの!?」
「あ、貴方が織斑君の言葉で攻撃を、止めてから……だよ」
「!?」
シャルロットは、自分のミスに気付いた。一夏の言葉に、思わず耳を傾けてしまった自分。
その隙を、突かれたのだ。しかし同時に、拭いきれない疑問が沸く。
(どうして、僕に攻撃を仕掛けずに、更識さんを庇いに行ったんだろう?)
シャルロットが攻撃を止めたのなら、マルグリットにとってはチャンスであり。
攻撃を仕掛けるなり、距離をとるなり出来る。それにもかかわらず、マルグリットはパートナーの方に向かったのだ。
「一体、君は……」
今までノーマークだった一般生徒に、鋭い視線が向く。その狙いの読めなさは、今まで戦ってきたどの女性よりも上だ、と感じていた。
「あ、あの、大丈夫、だった?」
「う、うん……ありがとう」
庇われた簪は、マルグリットの目を見れないでいた。さっきまで、散々な言葉を投げかけた自分。
そんな自分を、目の前の少女は庇ってくれたのだ。――そう、たとえ守りたい人たちから罵声を浴びせられても立ち上がったヒーローのように。
「あ、あの、更識、さん」
「……?」
「専用機も持っていないし、貴方に頼りきりな私だけど、ふ、二人で、た、戦おう。
れ、零落白夜は、全部私が受け止めるから、だ、大丈夫……!」
たどたどしく話すその口調は、高揚した頬と共にどれだけ自身が緊張しているのかを表していた。
だが、簪はそれを眩しく感じる。自分に出来ることを、精一杯やる。それは、簪にとって忘れていたことだから。
「……うん、お願い」
だから、簪は精一杯の笑顔でパートナーにうなづいた。この時、初めてこの二人は真のタッグとなったのかもしれない。
「何かあの二人、雰囲気変わったな」
「うん、そうだね。……ここからが本番だよ、一夏」
対戦する二人も感じていたように。そして、本当の戦いが始まったのだった。
「このっ!!」
「当たるかよ!!」
操作されたものと操作されていないものが混じったミサイルの嵐を、一夏はかいくぐっていた。
避け、雪片弐型で切り裂き、時にはミサイル同士の相打ちになるように誘導し。そして、打鉄弐式に近づく。だが。
「近づけさせない……」
マルグリットが、物理シールドを構えてパートナーを庇う。
それほどの脅威というわけではないが、とにかく打鉄弐式に攻撃を当てさせないようにしていた。
「一夏!」
「おう!」
ならば、とシャルロットが得意の高速切り替えを駆使した『砂漠の蜃気楼』で襲い掛かる。
アサルトライフルでの射撃かと思えばブラッドスライサーによる斬りつけ、かと思えばハンドガンでの射撃。
だが、それらは全てレッドキャップの新武装の一つ『紅の繭(クリムゾン・コクーン)と呼ばれる特殊シールドに防がれていた。
この武装には、防御にエネルギーを集中させるあまり、自身の機動性を著しく低下させるデメリットがあるため、簪は今まで使わなかったのだが。
そのデメリットを、マルグリットのリヴァイヴが打鉄弐式を『抱える』事でカバーしていた。
いわばマルグリットは、自機を打鉄弐式のブースターにしてしまったのだった。
このあたりは、この大会でも何組か存在した『二人で一機』と同系の戦術である。
「あんな武装まであったのか……」
「でもあれば、エネルギーシールド系だから。零落白夜の前では、脆い筈だよ」
「ああ。……だけどなあ、俺が近づくとあっさり解除するんだよな」
簪も、元日本の国家代表の使う技・零落白夜に関する知識は持っていた。
一夏のそれに対しては、先ほどは隙を突かれたが、本来であればその発動は彼女にとって見破れるレベルである。
「……ねえ、一夏。更識さんに、零落白夜で攻撃してくれる?」
「え? 何だって?」
振り向くと、シャルロットが小悪魔のような笑みを浮かべていた――と一夏は後に述懐した。
ちなみに某副担任いわく『デュノアさんは他の生徒さんよりもちゃっかりしている』そうである。閑話休題。
「来る……!」
簪が、攻撃の気配を感じて身構えた。今回は、まるで居合いのようにも見える体勢。
(クラス対抗戦の時みたいに、瞬時加速で接近して零落白夜を使うつもり……?)
最初の乱入者に対して使用したが、相手のあまりの反応速度の速さに避けられてしまった攻撃だった。
だが、一夏もあの頃とは違う。あの時よりも、更に速い一撃を繰り出してくる。
「……更識さん、私が壁になろう、か?」
「大丈夫……。貴女には、さっきから守って貰ってるから。今度は、私が防ぐ」
先ほどまでとは似て非なる言葉だった。そして簪が覚悟を決めたのに合わせるように、一夏も自らの刃を上段に向ける。
剣術における袈裟斬り、といわれる攻撃である、と簪は察した。
「……!」
そして瞬時加速が発動し、まるで瞬間移動のように一夏と白式が二人の少女の前に出現した。
その刃は光の刃であり、すぐさま簪は『クリムゾン・コクーン』を解除し迎撃せんとし――次の瞬間、一夏が消えた。
「え?」
目の前に現れたのは、金髪を後ろで束ねた美少年(に見える美少女)シャルロット・デュノア。
視界に映る映像が判断できず、簪は一瞬フリーズしてしまったが。次の瞬間、狙いを悟る。
クリムゾン・コクーンは零落白夜には無力であるため解除したが、それこそが相手の狙いだと言う事に。
そしてその間隙を突き、ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡが『切り札を切って』突撃してきた事に。
「!」
袈裟斬りはフェイントであり、本命はシャルロットの切り札――楯殺し。
瞬時加速+楯殺しという攻撃速度には、さすがのレッドキャップも反応できなかった。
腹部に一撃目が叩き込まれたかと思うと、次々に第二世代最強といわれる威力の杭が打ち込まれていく。
「あっ……ぐううっ!!」
「さ、更識さん!」
「君にも、プレゼントだよ!」
「あうっ!!」
グレネードランチャーをくらい、軽装甲のラファール・リヴァイヴが地面に落下していく。
簪は、その攻撃の前には何も出来なかった。そしてそれを合図にしたように、ハイパーセンサーで捉えた音が聞こえる。
氷の割れるようなその音は、打鉄弐式の――否、その纏う赤い装甲や追加武装から聞こえてきた。
「あ……」
レッドキャップが、ダメージ多過により自動排除された。搭載された推進器の燃料や、弾丸の火薬の誘爆を防ぐための処置だったが。
赤い装甲が、打鉄弐式から離れて地上に落ちていく。それはまるで、流血のようだった。
「決まりだね」
シャルロットも今の一撃で楯殺しを使い切ったとはいえ、受けたダメージの量は打鉄弐式の方が多い。
簪達の勝機が、失われた。誰もがそう思った。彼女を応援する生徒達も、教師やVip達も、そして簪自身も。
「……ふん、興が削がれたな」
レッドキャップを貸し与えたゴウは、中途半端な結果にうんざりした表情を見せるとアリーナを去り。
「やはり、更識簪には専用機は早すぎたか?」
「姉が『盾無を引き継いだ』とはいえ、やはり別物か……」
Vip観客席にいる日本政府の関係者が、口々に残念そうな、あるいは白けたような表情を見せていた。
「まだ……まだ、私の手は残ってる……!」
だが、ただ一人。地に伏せる、緑色のリヴァイヴを駆るドイツ人の少女だけは、勝負をあきらめてはいなかったのだった。
おまけ:トーナメントのルール(※53話 天の諜交、地の悪戦苦闘 に掲載したものと同じです)
学年別トーナメント参加要綱
◇学年別トーナメント(以後、トーナメント)は基本的にIS学園に籍を置く全員が参加するものとする。
◇同学年の生徒による二人一組(以後、タッグ)での参加するものとする
◇特別な事情が無い限り、不参加は認められない。
◇不参加者がいた場合、そのタッグを組んでいる相手も失格とする。
◇トーナメント開始前までに大会運営委員会(以後、委員会)に認められる理由で解消したタッグが複数あった場合、
相手を失った者同士でタッグを再結成する事は認められる。
トーナメント方式
◇一年生は七試合、二・三年生は六試合方式とする。日程は別紙参照。
◇一年生は四回戦が存在する物とし、三回戦の勝者九チームと敗者復活七チームの組み合わせによる八試合を行う物とする。
◇敗者復活七チームは三回戦・二回戦の敗者から委員会により選抜される。
試合ルール
◇基本的にはモンド・グロッソ一般ルールと同じ物とする。
◇試合時間は最長で30分までとする。
◇試合開始の遅延は基本的に認められない。
補足:特別な事情が認められる場合、試合の振り替えは可能とする。
◇敵タッグの両方の撃墜をもって試合終了とする。
◇双方共に敵タッグを撃墜し切れなかった場合、勝敗はシールドエネルギーの残存率の平均値によって決める。
同率の場合、委員会による裁定で判断する。
◇専用機持ちはシールドエネルギーを50%から、その僚機となる訓練機は80%の状態から戦闘開始とする
補足:専用機持ちが双方に存在する試合の場合、上記の制限は無しとする。
◇ドール使用者は、専用機持ちの僚機と同様に扱う。
機体設定
◇機能・武装設定は、モンド・グロッソ一般ルールと同じ物とする。
◇各種武装申請は、試合開始2時間前までに済ませておく事。
◇カスタム機申請はクラス担任に期日までに申し込みの上、委員会による裁定で決定する。
◇参加者自身による機体設定は許可する。ただし、整備課生徒または教員の了承が必要となる。
補足:専用機持ちに関しては、上記の了承を必要とはしない。
禁止行為
◇試合外での妨害、攻撃行為や脅迫行為、買収行為が判明した場合、停学処分とする。
◇シールドエネルギー完全喪失後の攻撃は、被弾側が受けたダメージ量を攻撃側のシールドエネルギーから差し引く形で勝敗を判断する
◇その他悪質行為は委員会の裁定の上、処分を下す。
補足
◇上記のルールで判断できないケースが発生した場合、委員会による裁定で判断する物とする