・ AM9:15 横浜基地 中央司令室
「未確認部隊は甲12号目標に向けフランス領土を依然東進中、母艦と思われる艦隊は大西洋で待機中!」
「現地部隊の通信に全く応じず、かなりの混乱が生じています!」
突然の武達の来訪、ケイイチによるハイヴ撃滅宣言とユーラシアに舞い降りた未確認の軍団。 更に舞い込んできた複数の事態に夕呼を始め、情報が錯綜する基地の司令室には朝から怒号とオペレーターの報告が絶えず飛び交っていた。
「先程の演習といい、今日は何かと忙しい日だな副指令」
「そうですわね。 ひょっとしたら彼らのお陰で、地球上からハイヴが1つ消えるかもしれませんわ」
隣に居るラダビノッドにそんな愛想を付いてみるものの、夕呼は一抹の不安が拭えないでいた。 本来ならすぐさま自分のラボへとんぼ返りして、ケイイチの首を締め上げてでも事の詳細を吐かせたいつもりでいた。
だが当人であるケイイチは詳細を言おうともせず、そうこうしている内に司令部へ召集され、こうして苛立ちを抑えながら司令室に立っているのである。
「(本気でハイヴ一つ潰す気みたいね、あのメガネ。 いいじゃない、同類のよしみでこの喧嘩買ってあげようじゃないの・・・!)」
ケイイチも自分と同じ“破天荒とかを超越した研究者”であると悟ると、夕呼は野心に満ちた表情で戦域モニターを見つめていた。
・ 同時刻 B19フロア 香月ラボ
「大丈夫なんですかケイイチさん! ハイヴを潰すなんて、そんな大それた事を夕呼先生に言っちゃって・・・」
「そうだぞケイイチ君。 白銀の言うとおり、本当に大丈夫なのか?」
あれから門番2人に拘束され、夕呼の手によって彼女のラボへと缶詰状態にされた孝弘、ケイイチ、そして武の三人。 自分らの行動が本当に正しかったのかと疑問に感じる武に、ケイイチは落ち着いた口調で話しかける。
「そう心配する事は無いよ白銀君。 僕らの世界にやって来たBETAの研究解析は、こうしている間にも続いている。 そのデータは今来た派遣部隊にも行き渡っているだろうし、降下直前に現地部隊に対してハッキングに成功したそうだからね」
「は、ハッキングだって!? 夕呼先生に内緒でそんな事して、大丈夫なのか・・・」
「おいおい白銀君、僕らの世界の科学技術を今まで見ていないなんて言わないだろうね?」
そんな武の心配をせせら笑いつつ、ケイイチは何処からか取り出した自前の携帯端末を、先程の通信機を接続させながら話を続ける。
「彼らの網に引っ掛かるどころか、痕跡も残さず根こそぎデータを奪う事だって可能だよ。 この世界の技術は中々の進み具合だけど、電脳暦の物と比べると文字通り『10年早い』ね!」
「そういった事に関しては、ケイイチ君は本当に厳しいなぁ。 それで、増援の連中がハイヴを潰せる確立は?」
「100%確定だね。 さて、僕らの力がどのくらいの物なのか、夕呼博士にご披露してあげようじゃないか!」
自信に満ちた宣言と共に、エンターキーを叩くケイイチ。 モニターには増援部隊であるDNA・RNA合同特別派遣隊の中継映像が映し出されていた。
― マブラヴ 壊れかけたドアの向こう ―
#6 反撃
・ AM9:42 フランス 旧ボルドー市郊外
「敵前衛、依然として時速80で距離10000まで接近!」
「全機、兵器使用自由。 フロントライン全機、突撃体制でスタンバイ!」
一面が荒野と化したユーラシアの大地を、赤褐色のカラーリングをした人型兵器達が列を成して進む。 だが、それらはこの世界で活躍する“戦術機”と呼ばれる人型兵器ではない。
VR(バーチャロイド)、電脳暦で実用化され、限定戦争と呼ばれる終わりなき宴の為に生まれた人型兵器。 先鋒であるケイイチの連絡によってやって来た戦闘興業組織『DNA』・『RNA』に所属するVR部隊が、BETAによって荒野に変わり果てたフランスの大地を疾駆する。
斥候を努める1機のRNA所属のVR、RVR-30 アファームド・ジ・アタッカーが、ついに醜悪極まりない奴らの姿を捉えた。
「敵前衛、目視で確認! ハッキングしたデータより、種類は突撃級BETA『ルイタウラ』と断定!」
「よし! DNAの連中の砲撃を合図にフロントラインは突撃開始! セカンドラインはフロントの援護と撃ち漏らしの片づけだ!」
指揮官の言葉を胸に、部下達はそれぞれの戦いに供える。 そして後方から湧き起こる轟音と砲弾が自分らの上を追い越した瞬間、指揮官は叫んだ。
「馬鹿に数が多いが食われるな!食い尽くせ! 久しぶりの大宴会だ、思う存分平らげろ!!」
『了解!!』
合図と共に、RVR-68 ドルドレイが左腕のドリルを構え、高出力の防護フィールドを纏わせて突撃。 超回転により金色の粒子を撒き散らすそのドリルは戦車砲を弾き返す突撃級の外殻を易々と貫き、突撃時の加速に物を言わせて奥に群れ成す要撃級BETA『メデューム』をボロ雑巾のように引き裂き、その下に無数に蠢く戦車級BETA『エクウス・ペディス』を轢き潰しながら仲間達の進路を確保する。
「突入成功! 前衛のBETAはほぼ壊滅状態です!」
「フロントはそのまま突撃を続行! さあ野郎共、食べ残しの後始末だ!」
オゾン臭が漂うビームの放火と、それらに穿たれたBETAの肉片が焼け焦げる香ばしい匂いが辺りを包む。 押し寄せる何千何万のBETAを本当に食べるかの如く、RNAの猛攻は続いた。
・ AM10:08 横浜基地B19フロア 香月ラボ
「うん、今の所は順調みたいだね」
「凄え・・・BETAがゴミみてーに倒されて行く・・・」
「あそこにいる人達は皆、伊達に鉄火場は踏んでいない猛者だよ。 相手がエイリアンだろうと構わず戦う。 DNAとRNA両軍共に、そういう人選を行ったはずだからね」
モニター越しに繰り広げられるVRとBETAの戦い、それを目の当たりにして興奮が武は抑えきれず、ケイイチは彼の様子を見てニコニコと笑みを浮かべるばかり。
だが一人だけ、孝弘だけがこの状況を完全に受け入れずにいた。 “友達”ではなく“同僚”の口調に切り替え、孝弘はケイイチに話しかける。
「本当に大丈夫なのか? ケイイチ君」
「何がだい?」
「香月博士とのコンタクト、本来は武1人で行うべきじゃなかったのか? それに、今ヨーロッパでやっているDNA・RNA連合軍も、本当に勝てるんだろうな?」
「『最悪の事態を考慮し、それを回避するべく行動する』、軍人と、空気の読める政治家の常磐文句だね。 だが僕は軍人の前に一技術者だ、自分の理論と技術には絶対の自信がある。
それに、今回のコンタクトと攻略作戦は、国連とプラントの総意で決められたんだ。 もう僕一人でどうこう決められるわけじゃないよ」
そう答えるケイイチが見せた、悲しみと後ろめたさが混じる微笑み。 メガネの奥から発せられる視線を受け取った孝弘は、それ以上問いかける事を止めた。 彼もただ笑っていられない立場に存在し、部下や仲間の為に苦悩したであろう事を感じたからだ。
それでもケイイチに抱く疑念は晴れず、孝弘は残るハイヴ攻略について再び問いかける。
「分かったよ・・・ それはそれとして、作戦の方は大丈夫なんだろうな?」
「成功率100%って言ったはずだよ? 今頃、上の司令部では大騒ぎになっているだろうね」
・ 同時刻 横浜基地司令室
「未確認部隊、BETAと接敵! も・・・物凄い勢いで押し進んでいます!」
「後方に待機していた別の部隊も移動を開始しました! 凄い速度です!」
ケイイチの予想は的中し、VRの活躍に横浜基地の司令室は再びお祭り騒ぎの様相を呈していた。 その中で夕呼は、見慣れない機体達が持つ武装、そして驚異的ともいえる移動速度に注目していた。
「(あの機体の移動速度、戦術機じゃ到底出せないレベルね。 それに武装も、あたし達の科学レベルを数段越えてるじゃない・・・!)」
やはりケイイチの言うとおり本当に異世界から来たと言うのか、そんな考えばかりが何度も夕呼の頭の中を駆け巡る。 そして彼女が気付いた時、無意識なのかそれとも本能か、出入り口の方へ足を運んでいた。 それに気付いたラダビノッドが、司令室を出る寸での所で彼女に声をかける。
「待ちたまえ副指令、どこへ行くのかね?」
「ええ、ちょっと私の研究室へ。 彼らの秘密が分かるかもしれない鍵を、うっかり置いて来てしまいましたわ」
ラダビノッドの制止を振り切り、そのまま夕呼は自分のラボへと直行した。
「それは、僕らの貸しを受け入れると言うわけですね?」
「そうよ。 だから今すぐ、あの人型兵器について教えなさい!」
武と孝弘が見守る中、鬼の形相をして戻ってきた夕呼がケイイチに問い詰める声が研究室内に響き渡る。 あの人型の秘密は間違いなくケイイチが握っているという確信があるせいか、その口調と態度は先程のケイイチに負けず劣らずの物となっていた。 困り顔を見せながら、ケイイチが言い返す。
「はぁ・・・白銀君や苗村君も居るのに、どうして僕が?」
「アンタが一番効率的だからよ! 他の2人に一から説明させていたら日が暮れちゃうわ!」
「「そ、それはごもっともで・・・」」
「(確かに、俺達の中でVRの事を詳しく他人に話せるのはケイイチ君しか居ないからなぁ・・・)」
「(うんうん。 電脳暦の世界に来てまだ日が浅い俺に、アレを先生に説明しろって言うのが無茶な話だよ・・・)」
自分達はそんな目で彼女に見られていたのかと、武と孝弘の2人は肩を落として落ち込む。 そうしている内に2人の話は進み、手持ちのデータを夕呼に渡しながらケイイチはVRの基本概念を説明する。
依然としてモニターには、襲い来るBETAの群れを食い尽くす様に圧倒しているVR達の姿があった。
「ライブ映像を見て分かると思いますが、VRの特性の1つに“慣性制御”と言う物があります。 つまり、一瞬で最高速に到達し、その逆で最高速からの急停止も可能なんです。」
「はぁ!? そんな事をしたら、中に乗ってる人間がミンチになるじゃない!」
「確かに通常兵器でそれを行えばそうなるでしょうね。 ですがVRの場合、コクピットを包むように展開される“ゲートフィールド”と呼ばれるフィールドで保護されている事で、容易に実現出来るんですよ」
「まあ、中には重力制御で浮遊移動したり、飛行も出来る機体もあるからな」
それが当たり前と言わんばかりに話すケイイチと孝弘に、夕呼は言葉を失う。 こちらの世界では研究もろくに進まない慣性制御や重力制御というテクノロジーを、電脳暦の世界では用意に使用できると言うのだ。
そして次々にケイイチの口から語られるVRの基礎特性は、あらゆる意味で夕呼を大いに震え上がらせる物だった。
―人間の精神力を原動力に、文字通り人馬一体のレスポンスを発揮するOS『MSBS』―
―弾薬補給無しに射撃が出来る光学兵器を始めとする、化け物じみた火力を誇る兵装―
―そして無尽蔵のエネルギーと“実存力”をもたらすVRの心臓部『Vコンバーター』―
地球上に居るBETAを一掃し、かつこの世界の軍隊を簡単に捻り潰せるだけの戦力を持っている。 自分達の持つ力にそう結論付けたケイイチの言葉に、夕呼はこの星の運命を掛けた大博打をしようと決意した。
「フロントラインがハイヴ入り口まで1000を切ったぞ!」
「ハイヴ突入一番乗りはもらった、続けーっ!」
前方から次々に押し寄せてくる突撃級や要撃級を押しのけ、Vコンバーターから甲高い駆動音を轟かせながらハイヴに向かうRNAのVR達。 後方からは追い付いたDNAのVR、SAV-326-D/9 グリス・ボック達がミサイルの雨を降らし、バリエーション機であるSBV-328-B シュタイン・ボックの部隊がRNAを援護するため前面に躍り出て、8問のビーム砲で戦車級が群がる地面を耕す。
その内の1機が、RNAスコードロンのリーダー機に声を掛ける。
「小さい奴は俺達と後ろに任せて早く行け!」
「了解した、貴官らの援護感謝する!」
RNAの代表として敬礼を送った後、掃射を再会するシュタイン・ボックを背にコマンダーが前進する。 そして本日3回目になる砲撃支援に向かって、地上から生えて来た光の束が突き刺さる。 その光景に戦場にいる全ての兵士、そしてそれを見守る横浜基地の面々が息を呑んだ。
ついに一番厄介なタイプのBETAが姿を現したか、スコードロンの隊長は眼前に聳え立つ異形の塔を見ながら唇を噛み締める。
「なんて命中率だ、ミサイルだけではなく、砲弾も打ち落とすとは・・・!」
「支援砲撃は全弾撃墜! サイドウイングから光線属種を確認したとの報告入りました」
「先行するフロントラインに連絡! 急いで奴らを片付けさせろ!」
そう命じながら、部下を引き連れてフルスロットルでBETAの群れの中へ突入。 無数に襲い掛かる戦車級をR-21 ガンランチャーで掃除し、続いて殴りかかる要撃級をマチェットで切り裂く。
そして肉塊で出来た壁を掻き分けた先には、右腕のクローランチャーの火炎放射で光線級BETA『ルクス』と重光線級BETA『マグヌス・ルクス』を炙るドルドレイの姿があった。
「急げ!奴らがエネルギーをチャージしている間に全部仕留めるんだ!」
「了解! 小隊長、目玉焼きは半熟で?」
「黒コゲでもいい! とにかく焼いちまえ!」
重光線級を焼き払うドルドレイ達に檄を飛ばした直後、自分も追い付いて来た機体と共にありったけの弾丸を撃ちまくる。 火炎放射の熱風が当たりに立ち込め、倒されたBETAの肉片と死骸が辺りに散在する。
だが30秒足らずの再チャージ時間までに全滅させる事は出来ず、光線属種の再照射を許してしまった1機のドルドレイがレーザーの照射の洗礼を受ける。 巻き上げられた粉塵の影響で機影は見えず、横浜基地の司令部に絶望的な空気が漂う。 しかし・・・
「何だ? そんな程度か?」
もうもうと上がる土煙の中から聞こえてきた人の声に、夕呼はもとより司令室にいた全ての者が言葉を失った。 戦術機を容易く蒸発させる程のエネルギー量を持った光粒子の濁流の直撃を受けても、このカニような機体はピンピンしているのだから。
そして右腕のクローアームが重光線級の照射膜を掴んで火炎放射、ゆっくり時間を掛けてローストに仕立てる。 更に左腕のドリルを発射し、レーザー照射を終えた他の重光線級を挽肉に変えた。
「俺のドルドレイに傷付けやがって・・・ 死んで詫び入れろやコンチクショー!!」
機体を汚されたパイロットの怒りの叫びと共に、ムクムクと巨大化するドルドレイ。 ライデンのレーザーにも耐え切る超重装甲を生み出すVコンバーターのエネルギーは、このような芸当も可能なのだ。
そのまま怒りに任せて大暴れする彼を見た僚機のドルドレイ達も次々に巨大化、勢いに任せて光線属種は数分もしないうちに根絶やしとなる。
「司令部から連絡が来た! DNAの連中がでかい花火をぶち込むぞ!」
「了解! あの様子ならフロントの奴らは心配する必要は無いですね」
「来たっ!」
「聞いてのとおりだ、全機衝撃と爆風に備えろ!」
コマンダーのパイロットが僚機に伝えた後、後方のグリス・ボック隊から放たれたICBMの群れが、地上にそびえ立つハイヴの地表構造物へ一直線に飛ぶ。 ドルドレイ隊が散々暴れまわってくれたお陰で光線属種のレーザーに撃墜される心配は消え、飛行能力を持たないBETAにはあれを落とす手立ては無い。
そして、この不思議な戦いに見入られた全ての人々が見守る中、リヨンハイヴが炸裂する光の渦に飲み込まれていった。
・ PM17:25 横浜基地 B19フロア 香月ラボ
「先程母艦から連絡がありました。 敵ハイヴの反応炉破壊に成功したようです」
「あっそう。 まあ、とりあえずおめでとうと言っておこうかしら」
「あれ、以外に呆気無い返事ですね」
「あんな物見せられて今更驚く気力も無いわ、今頃上の司令室は宴会を始めている最中でしょうね。 はぁ・・・アンタたちのお陰で、余計やる事が増えちゃったじゃないの・・・」
ケイイチからリヨンハイヴ制圧の報を聞き、そう愚痴をこぼした後に夕呼はラボの天井を見上げて大きく溜め息を吐く。 実際にリヨンハイヴ陥落の報は横浜基地のみならず世界中を駆け巡り、国連幹部や各国軍隊の人間を驚愕させた。
だが夕呼だけはその事実に素直に喜べず、今後次々に接触して来るであろう異世界の住人達と、どう付き合うかという事を必死に考えていた。
「1つだけ質問させて。 ハイヴを落とした連中は、アンタ達と同じ所属なの?」
「今回ハイヴを攻略した部隊は、全て“プラント”と呼ばれる旧統治機関をスポンサーに、独自運営している組織の軍隊です。 更に言えば僕と白銀君は国連軍の所属ですが、苗村君は日本の自衛隊に所属しているんですよ」
「ジエータイ? まあこの世界の日本帝国軍と同じ組織だと思っておくわ」
「そう言って頂けると、説明する手間が省けて助かりますよ。 それにしても207訓練小隊の件、白銀君はともかく苗村君まで参加させちゃって大丈夫なんですか?」
話がひと段落着いたところで、ケイイチはこの場に居ない武と孝弘のことについて切り出す。
夕呼の計らいにより、武と孝弘の2人は、豊富な軍隊経験を買われて副教官と言う形で同隊に配属される事になった。
さらに、2人同様に『リーフ・ストライカーズ』メンバーも教官補佐として編入され、夕呼の盟友であり207訓練小隊の担当教官を務める神宮司まりも軍曹は苦い表情を見せたが、仮にも副指令である夕呼の命令には逆らえる訳も無く、渋々それを受け入れた。
その時まりもが見せた表情を思い出しながら、夕呼はケイイチに話しかける。
「そんな心配する必要は無いんじゃない? 本人達は結構楽しんでいるみたいだしね~」
「そう上手くいきますかねぇ・・・」
楽観的に話す夕呼に、あのときのまりもと同じ表情を浮かべるケイイチ。 そしてそれを見て笑いのツボを突いたのか、再び夕呼が笑い出すのだった。
2005時:母艦フィルノートが相模湾に降下、先行したケイイチら3人と合流。
翌日0502時:欧州国連軍がリヨンハイヴ完全陥落を確認、未確認部隊は中東方面へ移動。 アラビア海に展開している所を衛星写真で確認される。
0510時:アメリカ合衆国、未確認部隊に米軍に編入させようと交渉を持ちかけるも失敗。 2番手のソ連も同様の結果に終わる。
7話へ続く・・・