見滝原市――――そこは、魔女と魔法少女の未来(きぼう)なき戦いの地。
そう、正史ならば殆どの可能性がそうなる地だ。
しかし、仮に考えて欲しい。
かつて、25番目のスーパー戦隊――――百獣戦隊ガオレンジャーがあるオルグによってレッド以外が戦士の魂を吸い取られ、絶望して戦えなかった時……彼らの先人である五色の戦士たちが彼らに再び戦士の魂を復活させたことを。
そんな彼らがこの世界に居たとしたら?
これはそんなifの話。
暁美ほむらが何度になるかもしれないループの始まり、病室で目を覚ますと
「――――やっとお目覚めかな、時を駆けるお嬢さん」
「……ッ!?」
病室には彼女以外の人間――――白を基調とした格好の男、ジャッカー電撃隊・行動隊長、番場壮吉の姿があった。
だが、彼女が驚いたのは彼が居たからではなく
「――――何故、貴方がここにいるの、新命明?」
彼女がループしてきた時間の中で出会った戦士に彼が似ていたからだ。
その質問に番場壮吉は
「人違いだな、お嬢さん。私の名は――――ジャッカー電撃隊・行動隊長、番場壮吉……よろしく!」
驚くことなく、己の名前を告げる。
「――――そんなことはどうでもいいわ。それよりもどうして私が時を遡ったことを知っているの?」
「何、我々の仲間に30世紀の未来から現代に来て戦った戦士がいるのでな。そこからの情報だ」
ほむらの詰問に対しても飄々とした態度で返す番場壮吉。
「そして、あと一か月後にワルプルギスの夜という最大級の絶望を振り撒く魔女がこの町に出現することも知っている」
「――――!?」
目の前の相手が言ったワルプルギスの魔女とその出現時期の正確さに驚きを隠せないほむら。
無理もない、これまでの彼女の経験の中にはここまで知っている人間はいなかったのだから。
だからこそ、彼女の心の中で希望という言葉が蘇りかける。が、あのキュウべぇという悪魔の存在がそれを邪魔する。
(……そうだ、この番場壮吉という男は私の逆行やワルプルギスの夜のことを知っていてもアイツの事は知らない。仮に、教えたとしても――――ッ!!)
ほむらがループした時間の中で新命明にキュウべえのことを話した結果、訪れた悲惨な結末を思い出しかけようとして―――――
「これは言うまでもないだろうが――――インキュベーター、魔法少女たちにはキュウべえと名乗っている存在がこの地球で何をしようとしているのかも知っている。
だから、君はその小さい肩の重荷を少しは我々にわけてくれ」
それを鎮めるかのように番場壮吉が優しく声をかける。
「既に、我々34のスーパー戦隊が世界中で奴らの活動を阻止するために動き、宇宙でも我々に賛同してくれた協力者と共に奴の本体を探索している。
無論、君たちの体の事も含めて」
「……どうして、どうして貴方たちはそこまでしてくれるの――――私たちはゾンビといってもいい存在なのよ?
そんな……そんな私たちを助けるために、どうして自分たちの命を懸けられるの!?」
「――――誰もが笑顔でいられる世界、それこそが我々の望みだからさ」
この台詞を彼のように命を懸けた戦士以外が言ったところで何の意味もないだろう。
しかし、己が体を自ら志願して改造し、命を懸けて人々の笑顔を護ってきた彼の言葉を聞いたほむらの胸に希望を灯した。
「――――そして、これは君がよければだが……もしかしたら、我々もキュウべえに騙されるかもしれない。
だから、奴のことをよく知っている君に共に戦って欲しい――――いかがかな?」
本来ならば、人々を護るスーパー戦隊の一人である彼も被害者である魔法少女であるほむらを戦場に立たせることはさせたくはないだろう。
しかし、同時に孤独な時の牢獄の中を独りで戦い続けた彼女ほどキュウべえに詳しい人材はいない。
だか、キュウべえと違って彼らは別にほむらが断っても攻めることはないだろう。
寧ろ、守るべき少女を戦場に立たせないことに安堵するだろう。
そんな問いに、ほむらは
「――――ええ、蚊帳の外に置かれて享受される奇跡なんて御免こうむるわ」
戦う意思を、ループした時の戦いで失った輝きを宿した瞳と共に返した!!
後書き なんかニコニコ動画でスーパー戦隊のopのMADをみてたらマギカと絡めたのがあったので書いてしまった……(汗)
冒頭で書いているように、まどか達と出会う五色の戦士たちはガオレンジャーVSスーパー戦隊で登場したビッグワン、レッドファルコン、ギンガブルー、ゴーイエロー、メガピンクの方々です。
出会う組み合わせは各々の色です。
次回の更新は多分本編に戻ると思います……(笑)