広大な大海原である宇宙で一人の男がザンギャックの追撃部隊から逃げている。
男の名は――シド・バミック。
帝国の正体に気づき、後輩であり、弟子でもあったジョー・ギブケンと共に途中まで脱走していたが、一緒に行動していては両方助からないと察し、せめてジョーだけでも逃がそうと思い、追撃部隊の目を引きつけながら逃げていた。
本来の彼ならば、逃げずに撃退できるほどの実力がある、が休むことのない追撃に精神・体力共に尽きかけていた。
『ズゴー!!』
そして、遂にザンギャックの部隊に囲まれてしまった。
(……ここまでか。ジョーを逃がせたのは幸いだったな――だが!!)
彼は持っていた剣を構え
「――無抵抗で殺せると思うなよ。
俺は寂しがり屋でな……ここで死ぬというのなら、一人でも多く死出の道連れを生み出してやる――さぁ、死にたい奴から掛かって来い!!」
追撃部隊に切っ先を向けて叫ぶ!!
『ズゴー!?』
もはや手負いの獣同然の筈なのにその気迫に追撃部隊の面々は圧倒される……が、それも一瞬のこと、接近戦を割け、クローとライフルから発射する光線で仕留める方針に固める。
軍人としては正しい判断――しかし、剣士としては侮辱されたに等しい対応にシドは
「――――貴様らァァァ!!」
怨嗟の叫びを上げる。
追撃部隊が光線を放ち、それがシドに当たろうとした時――――黒色の光がシドを包み込んだ!!
「……ッ!!ここは、一体?」
シドが目を開けて見えた光景――――それは、地球のコロッセオに似た場所だった。
無論、地球人でない彼にそんなことが分かる訳がなく混乱している。
それも当然、彼はつい直前まで追撃部隊に囲まれて光線を放たれたはずなのに傷一つないのだから。
そんな彼の耳に笛の音色が聞こえ、その方向へ振り向くとそこには全身を黒い鎧で固め、狼の様な顔、額に一本角が生えた鬼――――デュークオルグ・狼鬼の姿があった!!
その姿を見て咄嗟に剣を構えようとすると、後ろに複数の足音が聞こえ、背中越しに見てみるとそこには四人の姿があった。
かつて、宇宙海賊バルバンに故郷を滅ぼされ、弟・クランツをゼイハブに殺されたタウラス星の戦士――――黒騎士ブルブラック!!
魔導馬バリキオンを従え、闇のエレメントを持つ黒(紫)色の魔法使い――――魔導騎士ウルザード!!
ジャマール科学によって生み出された昆虫戦士、悪のビーファイターにしてブルービートの宿敵――――ブラックビート!!
リプラスフォーム以上の硬度を誇るシルバーガードに覆われ、両肘の強化装具エルボートリガー、両足の強化装具レッグトリガーで武装している仮面ライダーBLACK RXの永遠のライバル――――シャドームーン!!
狼鬼を含めたこの五人にはある共通項がある……それは、誰もがレジェンド達と戦いながらも、誇り高い戦士だったということだ。
彼ら五人を代表してシャドームーンがシドへ近づき
「――――貴様の先程の怨嗟の叫び、確かに我々が聞き届けた……故に、選べ――ここで安易な死を選ぶか、それとも……果てのない修羅の道を選ぶかを。
後者を選ぶというのなら、その為の力を我々がお前にくれてやる」
「何故、お前たちと何の関係もない俺にそこまでする?」
「フン、貴様にそこまで話す義理はない……と言いたいところだが、ただ一人で戦い、敵対した連中に殺されかけている貴様の境遇がどこか我々に似ているからだ」
冷暖な声でシドの問いに珍しく返答を返すシャドームーン。
それを聞き、シドは
「……そうだな、ザンギャックを潰すためなら果てのない修羅の道だろうと歩んでやる!!」
修羅の道を歩むことを選択した!!
その返答を聞き、シャドームーンは柄・刀身共に黒で統一されている両刃の剣と同色の鞘、一つのレジェンドキーを差し出す。
「――――これを使い、お前は孤高の修羅となれ!!」
それをシドが受け取ったと同時にシャドームーン達の体が光に包まれてレジェンドキーとなり、彼の手元に舞い降りる。
それと同時にこの空間も消滅する。
黒い光が収まった時、そこには――――
「――――掛かって来い、ザンギャック。貴様らの最大の敵は赤き海賊団ではなく、この俺だということを教えてやる!!」
黒のカラーリンクに赤いゴーグル、黒いマントを着用した――――ゴーカイブラックの姿があった!!
『ズゴー!?』
追撃対象の突然の変身に驚いてしまう追撃部隊。
しかし、気を取り直して光線をゴーカイブラックに向けて放つ。
だが――――
「――――ハァッ!!」
ゴーカイブラックは自身専用の武装であるゴーカイブレードを取り出し、弾き返す!!
弾き返された光線に当たり、吹き飛ぶ追撃部隊。
それによってできた隙を使い、ゴーカイバックルに一つのレジェンドキーを入れ
「――――豪快チェンジ!!」
【ガ――オ、レンジャー!!】
彼の叫びと電子音声が鳴り響き、黒い光がゴーカイブラックを覆った次の瞬間、そこにはガオレンジャー達と戦った狼鬼の姿へと変わっていた。
そして、ゴーカイブレードから三日月剣へと変わった獲物を構え
「――――クレセントウェーブ!!」
追撃部隊たちへ必殺技を放つ。
その技の威力はかつてガオレンジャーを苦しめた時と何ら変わりはない。
故に、追撃部隊に訪れる運命は爆発という名の死。
爆炎を背に、狼鬼からゴーカイブラックへと姿が戻る。
今ここに、正史では存在しない孤高の修羅・ゴーカイブラックが誕生した!!
後書き まずは、更新が遅れてすいません<(_ _)>
言い訳をさせてもらえるなら、正直体調を崩していたのとゴーカイジャーが一周休みになってテンションが落ちてしまったので……(汗)
さて、今回はゴーカイブルーの先輩をゴーカイジャーの一人にしました。
まぁ、ゴーカイシルバーが変身の力を手に入れる過程とほぼ同じになってしまいましたが。
感想返しは次回の更新の時にまとめてします。