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No.26568の一覧
[0] 【一発ネタ】魔法少女まどか☆マギカ ほむほむハーレム[餅](2011/03/17 21:48)
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[26568] 【一発ネタ】魔法少女まどか☆マギカ ほむほむハーレム
Name: 餅◆4e676b62 ID:1b06d174
Date: 2011/03/17 21:48
10話のネタバレ注意。
性別変更ネタ注意。地雷注意。









私は繰り返す。
繰り返す。何度でも繰り返す。
どのくらい繰り返したかなんて、もう数えていない。
毎回、毎回、変わらない、変えられないあの結末を迎えるたびに私の中にはあるひとつの感情が芽生えた。
誰かのために、いつもその身を犠牲にしてしまう愚かしいほど優しい彼女。
――――まどか。
その気持ちが膨らんでいったのはいつからだっただろうか。


まどかが、好きだ。

幼いころからずっと病室で過ごしてきた私にとって、初めての恋だ。
このどうしようもなく切なくて、苦しい気持ちは繰り返しを経るごとにその大きさを増していった。
自分の性別に、疑問を持ってしまうほどに。

魂の穢れと引き換えに、行使できる魔法の力は人の身には過ぎるものだ。
時を遡ることさえ可能にするのだから、性別を変えることぐらいは造作のないことだった。

今から、暁美ほむらは魔法少年になった。


■ ■

男となった自分を、まどかはどう感じるだろうか。
同じように好意を持ってくれることはありえるだろうか。

「暁美、くん?」

教師の戸惑ったような声も、今の私には耳に入らなかった。
私の五感すべてを捉えて離さないのは、まどかだけ。
私の視線に、まどかは戸惑ったように照れるように顔を背けた。
周りの騒音が酷くなった。

そして、私にとってまどかと転校初日に保健室に行くことは欠かせないことだ。
私とまどかが初めて会話したきっかけである。
私がまどかと共に保健室に向かおうとすると、また教室から騒音が漏れた。

「そ、そんなんじゃないから! ね、暁美くん!」

幸せを噛み締めていると、まどかから声をかけられた。
内容を把握してなかった私は、ただまどかを見つめる。
途端、真っ赤になったまどかを見て私はつい呟いていた。

「かわいい」


■ ■

今回こそは、まどかをこの呪われた運命から救い出そう。
そう決意を新たにした私は、美樹さやかが何故かセッティングしてくれたまどかとの下校を楽しんだ後、魔女退治に向かっていた。

過去に何度も戻るうちに分かったことがある。
私ひとりでは、ワルプルギスの夜を倒せない。
爆弾や銃弾などはあまり効かないのだ。魔力で作りだしたもので攻撃するしか、倒す方法はない。
私ととても相性が悪い。
そうなるとまどか以外にもう一人、魔法少女が必要なのである。
この街で今まで出会った魔法少女は、美樹さやか、佐倉杏子、巴マミの三人だ。
この中から最低でも一人に、協力してもらう必要がある。
個人的には佐倉杏子が一番好ましいのだが、佐倉杏子の出現は美樹さやかの魔法少女化とセットの確立が高い。
そのようなリスクを考慮した場合、選択肢はひとつしかなかった。

■ ■

「あなたは、一体」

魔女退治中、巴マミと遭遇した。
キュウベイの姿はない。まだ一回殺しただけだが、巴マミとの合流を阻止することには成功したようだ。

「話は後で。今はあの魔女を」

「……!ええ、それがよさそうね」

魔女の攻撃を避ける。一つに結った髪が揺れる。
私の魔法少女のユニフォームは、現在ではスカートからズボンに変更している。
男がスカートでは違和感があるだろうという配慮からだ。

巴マミは、特別強い訳ではないが戦いに慣れており安定した戦力となりうる。
ワルプルギスの夜まで協力関係を結びたい所だ。
魔法少女が魔女化する事実は、それまで隠し通さなければならない。
美樹さやかと接触させないように、注意しなければならない。

そう思考を飛ばしていた所、巴マミの悲鳴で我に返った。
使い魔に、巴マミが囲まれていた。
そう、巴マミは特別強い訳ではないのだ。私は何度も敗れるところを見てきた。

私は時を止め、巴マミの元へと降り立った。
使い魔の数は二十。一体一体に銃弾を飛ばし、そして時を動かす。

「え……?」

いきなり消滅した使い魔達に、巴マミは茫然と声を漏らしている。
私はそのまま魔女本体に向かおうとして、協力体制を築くことを思い出した。

「大丈夫?」

「! これは、あなたが……?」

頷く事で肯定を示し、使い魔をすべて消滅したことにより向かってきている魔女に視線を向ける。
繰り返すたびに、最初に戦っている魔女だ。弱点も熟知している。
早く、こんな雑魚片づけてしまおう。

魔女に向けて爆弾を数個投げつけると同時に、巴マミの腕を掴み緊急離脱の準備を整える。
時が動くと共に、巴マミの悲鳴を無視して高く遠くに飛ぶ。
奥では大きな爆発音。

ここに、魔女退治は終結した。

■ ■

「……巴マミ」

ぼうっと放心状態のような巴マミに、私は訝しげに声をかけた。
それと同時に巴マミは慌てたように、繋がっていた左手を乱暴に引き離した。
私がそれを視線で追うと、巴マミは困ったように視線を泳がした。
少し疑問はあったが、些細なことだ。
私は巴マミから様々な疑問が発せられる前に、本題を切りだすことにした。

「あなたの力が必要。共に魔女退治をして欲しい」

■ ■


ここまでは順調だった。

それからは、学校ではまどかと美樹さやかではないまどかの友達と時間を共にすることが多くなり、放課後は巴マミと魔女退治をした。
私が女の時とは違った表情を見せるまどかとの日々は、とても幸せだった。
魔女の出現場所を過去の経験で把握している私は、まどかと接触させないことに成功していた。
このままワルプルギスの夜まで行き、この街への脅威が去ればまどかは魔法少女になることなどなくなる。
私の悲願は達成される筈、だった。

だが、またもやキュウベイにそれを阻まれることになった。

「ほ、ほむらくん!?」

一番初めの記憶と似たような状況。ただあの時とは役者の立ち位置が違う。
私と巴マミが魔法少女で、まどかが被害者。
まどかは、白くて喋るぬいぐるみにこの場所に導かれたという。

「それに、いつもほむらくんと一緒に居る先輩……」

私がキュウベイことインキュベーターに静かに殺意をみなぎらせていると、まどかは何事かを小さく呟いた。
私はこの場にいるであろうキュウベイを探す。殺してもあまり意味はないが、そうせずにはいられなかった。
後ろではなにやらまどかと巴マミが話している。
今回は見なかった光景だが、それ以前に何度も見ている光景なので私は気にすることなくキュウベイを探す。

■ ■

やっと見つけたと思ったキュウベイは、あろうことかまどかの腕の中に居た。
そして、珍しいことにまどかと巴マミは言い争っていた。

「だったら、私も魔法少女になって魔女を倒すのに協力します!!」

「契約するのかい?」

「いいえ、必要ないわ。この街の魔女は私とほむらくんが責任を持って倒すわ。
 あなたがわざわざ危険に身を晒すことはないの」

「そうかい?」

「私もみんなを、ほむらくんを守りたいんです!!」

「生憎、戦力は足りているの。だから、大丈夫よ」

私はその会話内容を聞いて、キュウベイへの殺意などすっかり抜け落ちて、血の気が引いた。
まどかを契約させる訳にはいかない。
私は巴マミの言葉尻に乗るように、まどかを説得するための言葉を紡いだ。
涙目になるまどかと、どこか勝ち誇ったような巴マミの表情が見えた。
私は早くまどかから離れやがれこの悪魔、と思いながら帰路についた。

翌日から、私と巴マミの魔女退治にはまどかとまどかの友達の仁美という人が同行するようになった。
私はなんの力もないまどかを守るため、契約のきっかけを与えないために魔女退治を更に頑張るようになった。
巴マミをワルプルギスの夜まで生存させて、乗り切らなければならない。

―――その一生懸命、世界(まどか)のために戦うほむらの姿を頬を染めて見つめる三人の少女がいることを彼は知らない。
この物語の結末も、誰も知らない。


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