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No.25333の一覧
[0] 【完結】我が名はシン・アスカ[v&w](2011/01/27 01:02)
[1] 第1話 「瑞夢」 改訂[v&w](2011/01/15 15:30)
[2] 第2話 「混沌の先に」[v&w](2011/01/15 15:35)
[3] 第3話 「安寧」[v&w](2011/01/09 23:52)
[4] 第4話 「日常」[v&w](2011/01/11 13:32)
[5] 第5話 「新たな力」[v&w](2011/01/12 20:43)
[6] 第6話 「さまよう眸」[v&w](2011/01/17 14:26)
[7] 第7話 「悪夢」[v&w](2011/01/14 23:41)
[8] 第8話 「アスラン脱走」[v&w](2011/01/16 21:23)
[9] 第9話 「選びし道」[v&w](2011/01/17 21:52)
[10] 第10話 「プライド」[v&w](2011/01/18 21:40)
[11] 第11話 「届かぬ罪」[v&w](2011/01/20 00:05)
[12] 第12話 「勝利」 訂正[v&w](2011/01/25 21:43)
[13] 第13話 「最後の晩餐」[v&w](2011/01/23 22:52)
[14] 第14話 「戦士の条件」[v&w](2011/01/27 00:57)
[15] 第15話 「輝く明日を目指して」[v&w](2011/01/27 00:58)
[16] 我が名はシン・アスカ あとがき[v&w](2011/01/27 01:01)
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[25333] 第2話 「混沌の先に」
Name: v&w◆480fbd7e ID:915498b1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/01/15 15:35
他の基地を中継してようやく本国へと短い時間だが通信に成功した。
相手が相手なだけにプラントへ輸送して欲しいと命令を受けた。
通信機器の調査を進めつつ指定した基地へ連行するよう言われ従うこととなった。

その際にキラ・ヤマトの処遇を決める方法の一つとして監禁を進言したら通った。
既に実行していることは当然ながら秘密である。
実際、誰がスパイかわからない状況なので下手すれば奪取されてしまう可能性がある。

ということで、現在は全乗組員が用事なく部屋から出ることが許可されてない。
それこそ艦長自身も。
さらに非戦闘員は完全に隔離した。
整備班もおやっさんが判断した信頼できる部下だけが頑張っている。
こうなると警戒するにしても人手が足らないが指定した基地につくまでの辛抱ということで大体の人が納得した。

それからキラの営倉前にはレイが率いる警備兵が陣を張ることになった。
「憎いあンちくしょうを俺の手で裁いてやる!」と叫び出す人もいたそうなので対策として配置したとか。
俺ですら侵入したら撃ち殺されるほど厳重です。

とにかく信頼できる基地まで全速で2日で到着するという。
それから俺はアークエンジェル対策としてブラストインパルスに座りっぱなしだった。
トイレと風呂を除いて常にコクピットの中というのは恐ろしく疲れた。
そんな長かった苦行もあと2時間ほどで終わる。
できればこのまま来ないで欲しいなぁ。

そう願ったのがフラグだったのか、やっぱ来た。
急いで基地に支援をお願いしたらテロが発生して無理との返事。

やっぱりな!

艦長が援軍としてレイとルナを呼ぼうとしたが止めた。
基地の方もテロリストを制圧するのはすぐに終わる。
少なくとも合流すれば同時に叩ける。
だからここを凌げれば勝つ。
レイも危険なポジションだが他に信頼できる人間がいない。
スパイの猛攻を止められるがレイしかいないんだ。
さらにルナも機体がない。
体が戦闘に耐えれるかどうか微妙なところだ。
正直いって出てこられても足手まといにしかならない。

『それじゃ貴方が独りで戦うことになるわ』
「大丈夫です。基地にたどり着くまでなら持たせてみせます」
『……わかったわ。こっちもルナが出撃できるように整備班にがんばってもらう。やり遂げなさい』

大丈夫。
急いでソフトの設定も直したし整備具合もバッチリだ。
出撃前に何度見直したことか。

『ねえ、本当に大丈夫なの?』
「ルナ? なんで通信を」
『バカっ! 心配だからに決まってるでしょ』
「ありがとう。生きてる砲座で少しでも敵の目を引いてくれ。それだけでもありがたい」
『ゴメンね。あのときザクが壊れなかったら……』
「気にするな。今度なにか奢ってくれよ?」
『アンタねぇ……。もうちょっと気の利いた台詞をいいなさい!』

通信が切られちゃった。
笑ってたし大丈夫だろう。


余裕ぶっこいて出撃した。
調子にのって普段使わないブラスト装備を選んでみた。
敵はたった3機だし艦の支援砲撃と組み合わせれば余裕だろと考えてたんだ。

あの時の俺を絞め殺してやりたい。
ストライクは余裕だけどムラサメがしつこいくらい鬱陶しい。
おまけに特別色のムラサメが他の2機の隙を埋めるようにフォローしてきやがる。
もう一機のノーマルカラーが隙を見つけてはミネルバに特攻かけようとする。
ライフル撃ってもきちんと防ぐし。

なによりアークエンジェルはこっちの攻撃を避けすぎだ。
ブラストの射撃をデカイ図体で避けるなボケっ!
少ないチャンスを無駄にさせやがって……ああエネルギーがもったいない。

わかりきったことだがブラストで空中戦はやりづらい。
エネルギーもどんどん減ってく。
虎の子のミサイルも底を尽きた。
ケルベロスも撃てなくなっちゃったよ。
こうなったらジャベリン一本でやるしかない。

『ザフトのパイロット君、凄いねぇ! こんな凌ぐのはキラ以来だよ!!』
「じゃあ早く堕ちてくれ!」

わざわざオープン回線で軽口を叩いてくるコイツ、なんて名前だっけ?
砂漠の虎だったか獅子だったか。

『それは出来ない相談さ。僕たちにとってキラは大事な仲間だ。仲間を取り返そうとするのは当たり前だろ?』
「テロリストのいうことかー!!」
『キラはテロリストなんかじゃない!』

誰だよ微妙に聞き慣れた声はってオーブの姫さんか。
また鬱陶しいのが。

「そうだなカレーだな」
『なっ!? 人の話はちゃんと聞け!』
「安心してください。首相閣下は洗脳されておられても必ず救出いたします」
『私は自分の意志でここいる!』
「余計にタチ悪いだろ。オーブ代表としてどうよ、それ?」

うん、いい子なんだよ。
アホなとこもあるけど頭は悪くないし真面目だし。
融通聞かないとこもあるけど人望も悪くない。
スタイルもいいしね。抱き枕にすると照れて可愛いんだ。
あんときはお世話になりました。

なんて冗談を言う暇もなくなってきた。
本当にヤバい。

時間もないし相打ち覚悟で突っ込むか?
けど相手も読んでし分が悪いな。

『避けて!』
「!? 了解!」

声に反応して機体を右にそらす。
さっきまで俺がいた場所を高エネルギー砲が通過した。

『なんとかザクは動いたわ。支援するからがんばって』
「サンキュー!」

ツギハギだらけの一見するとスクラップなザクがミネルバの片翼に膝を立てオルトロスをこっちに構えていた。
まともに動くことも出来ないはずなのによくあそこまで修理を。
ルナ、おやっさん、ヨーランにヴィーノ。
この機会は無駄にしないぞ。
心意気に応えて見せる。


もう換装する余裕はない。
ルナだけじゃ押えきれない今、いかに早く相手も倒すかが鍵だろう。
ただザクの射撃で牽制してくれてるおかげで相手も慎重になっている。
十分ありがたい援護射撃だ。
残念だけど射程が足りなくてアークエンジェルには届かない。
これ以上は高望みだな。

「ルナ、もう一機をなんとかして押さえててくれ」
『OK。まっかせなさいよ。私だって赤なのよ』

トランスフェイズ装甲を最低ラインに。
コクピット周りを残して灰色になる機体。
残るエネルギーを搾り出してでもケリをつけてみせる。

まず狙うのは弱いカガリだ。
あとは無視してやる。

『カガリ気を付けろ! 君が狙われている』
『わ、わかった!』

素早くこっちの狙いを看破するのは凄いが実行できるか?
なにせトラブルメーカーなお姫様だぞ。
俺だって苦労しまくったんだ。
クーデターの親衛隊経験をナメんなよ!

最後のレール砲をバラけるように撃つ。
簡単に回避される。
推進剤を使い切る気持ちでストライクとの距離を詰める。
そうはさせないとムラサメは俺を狙っているだろう。
賭けになる。
レーダーと勘を頼りにケルベロスの一門で狙い撃つ。
あと2発!

『ぐお!? そこで撃てるのか?』
『バルトフェルド!?』
『よそ見をするな!』

この隙、貰った!
ジャベリンでサーベルを抑えつけた。
盾の上からでも防ぎきれないだろ?
ゼロ距離でごちそうしてやる。

『キャア!』
『カガリ―――!』

バルトフェルドって名前だったな。
そいつが左肩が吹っ飛んだストライクを慌てて支えに行く。
片足が無くなっていてふらついている。
今なら落とせるだろうが……。

下を見るとルナがピンチだった。
接近したムラサメの攻撃を捌き切れてない。
このままじゃ落とされる。

「ルナ、もう少しだけ我慢しててくれ!」
『……シン!』

ガス欠寸前のスラスターを全開で吹かす。
アラームが鳴り止まない。

アークエンジェルの後部エンジンへが見えた。
これ以上近づけないか。

「一つでも落とせれば……」

正真正銘、最後の一発。
当ててみせる!

「いっけぇー!」

回避行動を見せたアークエンジェル。
予想した進路とややズレた。
けどケルベロスの砲撃はアークエンジェルのエンジンの一つをかすめた。

運良くエンジンが暴発した。

追撃する余裕があるわけなく必死になって降下を制御してる。
まさか地上でAMBCする機会がくるとは思わなかった。
エネルギーもカラッポ同然で微妙にしか動かせないのが悲しい。

それでもやりくりすれば無事に着艦できるはず……?

『見事だザフトレッドのパイロット!』

あのムラサメはバルトフェルド! 近づいてくるってことは。

『君は危険だ。今後のことを考えてここで落とさせてもらう!』

ぎゃー!
くそテメエ卑怯だぞ。こっちは死に体だってのに攻撃するなんて。
さすがはテロリスト。やることが違いすぎる。

エンジン、ダメだ。燃料を使ったら着艦できない。
ジャベリンも起動しない、か。
下手に動くとすぐにエネルギーが切れる。
くそったれ!

「ぐぉ!?」

あーっとインパルス君右足が吹っ飛んだーって何いわせんだ!
今度は左足か。
なんで一思いにコクピットを狙わない?
考える暇はないか。
せめてバルカンで反撃を。

『おっと。そんなのは食らってやれないね』

あっさりかわされた。
バルカンの位置が頭にあればもう少しいけそうなんだけど。
仕方ない。
腕を動かして盾で3射目は防げた。
危ね。コクピット直撃コースかよ。
あ、右腕吹っ飛んだ。

あれだけの腕のパイロットが連発して外すなんてことありえない。
たぶん射撃管制装置がいかれてるな。

ちょっと余裕出てきた。
そういえばと下を見ればルナがムラサメにマウント取られてる。
やべ。サーベルを押し込まれてる。
このままだとルナは殺される。

「だからアークエンジェル軍団は嫌いなんだよ!」

正真正銘、最後の推進剤を使ってその場から脱出した。
向かう先は下。
ルナを殺そうとしてるムラサメ。

『ダコスタ君逃げろ!』

後ろから撃たれるが当たらない。
システムが狂ってるから当然だ。
進路クリア。横風なし。進入角OK。
シン・アスカ、突貫します!

まさにザクのコクピットを貫こうとするムラサメの横からインパルスは突っ込んだ。



さよなら僕のインパルス。

コアスプレンダーの中からムラサメを巻き込んで沈む相棒に敬礼を送る。
こういう使い方もできるの忘れてた。
物資が少ない状況でやりたくなかんだよな。

急いで格納庫に戻り半壊したレイのザクに乗って出撃する。
おやっさんから止められたが時間がない。
外に出るとバルトフェルドのムラサメがもう一機を助けようとしてる場面だった。
ルナがオルトロスを撃とうとするのを止めた。

『なんでよ? 今なら絶対に倒せるのよ』
「……上空のストライクを警戒してくれ。頼む」
『っ~~~~! わかったわよ!』

めっちゃ怒ってる。
あとで謝んないとヤバいな。

「元ザフト軍バルトフェルド。聞こえるか?」
『……ああ、バッチリさ。どういう風の吹き回しだい?」
「少なくとも今回の戦闘は終了した。人命救助してる人間を殺す必要はない」
『甘い、甘いよ。甘いすぎるねぇ。僕たちは必ず君たちの前に立ちふさがる。だったら今撃つべきだ』
「戦争にもルールはある。それを順守しなければお前たちの同類になる。それは嫌だ」
『フン。青臭いことを……』

一応、ライフルで狙ってはいるけど大丈夫だよな?
ザクの調子が悪すぎて戦闘できません。
戦ったら今度こそ死ぬ。

『今回は君に免じて引き上げるとしよう。だが忘れないでくれ。キラがいる限り僕たちは諦めないよ』
「了解した。しっかり覚えておく」

バルトフェルドはムラサメを引き上げミネルバの上方に移動していく。
ついでにカタパルトにブラストの上半身を落っことしてくれた。
部品が使えたら御の字な壊れ具合ですね。
ごめんヨおやっさん……。

ザクも構えを解いてムラサメを見送る。
バルトフェルドのムラサメを支えるように横からストライクが肩を貸す。

長い数分間だった。
誰も一言も話さず息を飲んで互いの動向を見守り合う。
3機を収納したアークエンジェルはこっちを睨むように停滞してた。
暫くして空の向こうに消えていった。


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