始まりましたオーブ戦。
前回と同じように俺が奇襲→部隊で強襲がまたまたハマる。
ちょっとは情報渡しておけよジブリール。
オーブ軍が哀れにも駆逐されまくっているぞ。
周りを見渡す余裕すら生まれちまったよ。
チームワークの習熟度の高い部隊ほど戦果をあげているのが面白い。
サポートしてくれるバビ部隊に低空から支援するディン部隊。
意外にも少数のガズウートによる支援もいい感じに助かってる。
ムラサメやアストレイが蚊トンボのように落ちてくのは爽快だ。
爽快なんだがなぜかイラつく。
パイロット、どんだけ未熟なんだよ。
少なくとも俺が乗ったあの時より性能は上がってるはずなんだけど。
あ、また落とされた。
複雑な気持ちだがここは我慢だ。
先行部隊はオーブ首都までもうすぐ入るとこまで行ったらしいから、あっと言う間に終わるはずだ。
<緊急事態! フリーダムに酷似した機体が我が軍を襲っています! パイロットで可能な者は一時撤退してください>
そういえばこんなこともあったような。
よりにもよって勝ってる時に乱入してくるから……んもう!
迎撃部隊は、核動力の機体を保持してる俺、レイ、ルナの3人でチームを組んでの迎撃になった。
ハイネは前回に逃げられた反省から一部隊を率いて戦場を見張るとのこと。
てなわけで急いで襲われてる仲間がいる場所に行くとそこには死屍累々のMSが。
全部が全部、綺麗に手足だけもがれてる。
激しい戦闘が行われてる先には確かにフリーダムをシャープにしたようなガンダムがいた。
遠くに浮かぶアークエンジェルとムラサメたち。
そして赤いガイア。
「大勢でお出ましだな」
『ゲェっ……あんな大勢を私たちだけで相手するの?』
「女の子がハシタナイ言い方をすんなよ。ただでさえ少ない幻想がなくなっちゃうだろ」
『うっさいわね! 余計なお世話よ』
『夫婦漫才もそこまでにしておけ。来るぞ』
一気に襲ってくるムラサメにストライクフリーダム。
レイとルナが先行してくれた。
なので俺はその場から動かずに高エネルギー砲をスタンバイ。
「シン・アスカ、撃ちまーす」
密集地帯めがけ乱射と連射を繰り返し殲滅してく。
おもしろいように一気に数を減らす敵さんたち。
そりゃ馬鹿正直に向かってきたら回避もできんよね。
レイを振り払いこっちに来るストライクフリーダム。
正面きって相手をするのは前だけで十分だ。
アークエンジェルに大きく迂回するよう動くと予想通り進路に立ちふさがってくる。
俺は無理に突破せず逆にアークエンジェルとは反対に向かう。
予想通り逃がさないといわんばかりに追ってきた。
その間にレイとルナマリアが敵を相手に無双してくた。
あっという間に数を減らしていくムラサメたち。
赤いガイアとオレンジムラサメもきれいサッパリ、ルナに落とされた。
慌てて戻るストライクフリーダム。
そうはさせまいとライフルを撃ちまくる俺。
二人とも、このまま落としてくれ……。
まだまだ敵は多いけどこっちは無傷の核動力三機。
一方の相手は同じ核動力だが一機。
が、もらった。
これなら確実に全ての敵を墜とせる。
少しでも隙を見せるとアークエンジェルに戻ろうとするキラ。
でも俺がアークエンジェル目がけて高エネルギー砲を撃てば防がずにはいられない。
確かに核動力機体のシールドは破れないだろう。
しかし戦艦に傷を与えることはできるからな。
痺れを切らして近付いて来ても瞬発力ならばこちらが上だ。
おまけに地球だからドラグーンも使えない。
デッドウェイトはコッチと同じでも武装が邪魔にならないのも幸運だった。
宇宙で戦うなら殆ど武器なしで戦わないと追いかけるのも面倒だったろう。
「おっと?」
レーダー外から誰かが撃ってきた?
望遠レンズを最大に。
……インフィニットジャスティス?
あれ?
ルナはちゃんとあっちでレイとガンダム無双してるんだが。
ん~?
ジャスティスの援護を受けストライクフリーダムはムラサメたちの援護に向かった。
止めようにもジャスティスの的確な邪魔でできない。
この動き、アスランか?
いや待て。インフィニットジャスティスをもう一機作れるなんて……。
いくらラクスの影響が強大でも資金や技術者をおいそれと集められるわけがない。
一体誰がこんなことを。
仕方ない。なんとかジャスティスをボコってやろう。
そしたらもう一機の核動力が俺達のものに!
ハイネも乗れて戦力アップだ。
『シン! もうやめるんだ!』
「うるさい死ね!」
回線を切った。
やっぱアスランが乗ってたのか。
心置きなくぶっ飛ばせるな!
しつこく通信コールが入ってくる。
シカトして攻撃するとようやく収まった。
アスランもようやくやる気になったのかジャスティス得意の接近戦をしかけてくる。
手の内を知り尽くしてるんで防げる。
防げるんだが攻撃のキレが記憶よりいいような……。
ああ、キラが一緒に戦ってるからか。
これはルナじゃ抑えられない。
無傷で捕獲するなんて悠長なことを言えない。
トータルバランスが高いインフィニットジャスティスはデスティニーと相性が悪いからな。
遠中近のどれも対応できるってずるい。
接近戦だって武器の性能差で不利だし。
でも負けない。
俺も血の滲むような訓練を乗り越えてきたんだ。
シミュレーターに比べても1対1で余力は十分。
手足ぶった切ってお持ち帰りしてやるぜ!
あれよあれよとアスランを追い詰めていく。
いくらキレが増しているとはいえ所詮はアスラン。
かつての仲間という情に流されて実力を発揮できてない。
おかげで割と楽に抑えられる。
ちなみにここ一番だと本人が認識したときは既に手痛い目にあっている場合も多いのが特徴だ。
ちまちまとインフィニットジャスティスの盾の耐久力を落としたり武器破壊を狙ってるが難しい。
アロンダイトを使えれば盾はすぐ壊せそうだが使ったら最後、こっちがダルマにされる。
ただ純粋なサーベルの出力じゃ負けてるんだよな。
あんま切り結べないし。
どうしようかなーと考え始めてると遠くで何か光った。
あれは作戦終了の信号弾か?
結局、アスランは仕留められなかったけどしょうがない。
リベンジはまたできる。
様子見なのかジャスティスが距離を開いた。
今のうちに回線を再接続して二人につなぐ。
「あれ見たろ。さっさと引こうぜ」
『ああもう! コイツ強すぎ……え、撤退するの?』
『キラ・ヤマトがこれほどとは。今は分が悪い。シンの言うとおりに撤退しよう』
「じゃあパターンCで」
『ちょっと待って……準備OKよ』
『こちらも完了した』
全力可動3歩手前でアークエンジェルの真下に移動する。
即座に反応し攻撃してくるアスランとキラ。
俺は分身殺法を駆使してなんとか避ける。
レイがその隙にルナのインフィニットジャスティスと一緒にファトゥムに乗って離脱。
ムラサメたちが追撃をかけるがレイが前を向いたままドラグーンの射撃で迎撃していく。
ファトゥムに2機乗って遅くなりそうだが問題ない。
推進力としてレジェンドのブースターを使ってる。
おかげでレジェンドの単騎で飛ぶよりも僅かに速い。
ムラサメが諦め始めたのを察知し俺も二人に続いて離脱する。
スピードは維持し分身殺法も織り込んでるがストライクフリーダムの狙いが正確になってきた。
何度もひやりとする場面もあったが辛うじて射程範囲外に逃げきることに成功。
追いついた二人に並び悠々と仲間の元に帰る。
連中は追ってこない。
遠くでアークエンジェルが離脱していくのを確認し改めて元の戦闘地域に戻る。
すでに戦いは終わっていた。
なんとかジブリールの確保に成功。
ハイネとバビ部隊が頑張ってくれたみたいだ。
「正直な話、撃ち落としてもよかった。捕まえられそうだったんでやってみたら運良く翼に当たってな。やってみるもんだな」
とはハイネの言。
近接だけかと思ったら射撃の腕前も高いんですね。
流石は長年、赤服で前線を張ってきた人だ。
兎にも角にも目標を最高の形で終えることができて議長のご機嫌がいい。
おこぼれに預かるように作戦に参加した全員に休暇や特別手当を配布してもらえた。
でもパイロットたちは休暇を使う暇が殆ど無い。てかできない。
なにせ未だにラクス・クライン率いる謎の集団が見つかっていない。
オーブを一時占領している最中に襲われないかと不安でノイローゼになる兵士も結構でてきたが杞憂に終わる。
どうやら統治はすれど政治介入はしないと議長が声明を発表したのが項を奏したようだ。
あれをしなかったら襲ってきたんだろうか……きたな。
というように戦闘やその他で疲労困憊の軍を慰安するためザフトは一時大々的にパーティを開くことにした。
交代制での参加とはいえ酒を飲めるとあってみんな大はしゃぎしてる。
同時に街への買出しも認められ某知人たちはゲーム屋目指して突っ込んでいった。ついでに俺も新しいパソコンや欲しい物を頼んでおいた。
なんでもオーブの復興の手助けをユウナ代表から頼まれたらしい。
死にそうになったところをトダカ一佐に助けられたとか。
生き延びた後は人が変わったかのように優秀な手腕を発揮したっぽい。
カガリ代表になっていたら出来なかっただろうという噂を聞いた。
トダカさんに顔を出そうかと迷ったけどやめた。
暫くオーブは戦争に巻き込まれることはないだろうし、全て終わってからでも大丈夫だと考えたから。
短い休暇はあっという間に終わった。
次が最終決戦だ。