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No.20364の一覧
[0] メメクラゲ習作 短編集[メメクラゲ](2010/09/15 11:49)
[1] 戦隊陵辱モノ 前編 【習作】 【完結】[メメクラゲ](2010/07/17 15:58)
[2] 戦隊陵辱モノ 後編[メメクラゲ](2010/07/17 15:58)
[3] 【習作】 アネモノ 【1/5】 [メメクラゲ](2010/08/31 23:41)
[4] 【習作】 アネモノ 【2/5】[メメクラゲ](2010/08/31 23:40)
[5] 【習作】 アネモノ 【3/5】[メメクラゲ](2010/08/30 16:15)
[6] 【習作】 アネモノ 【4/5】[メメクラゲ](2010/09/06 15:35)
[7] 【習作】 アネモノ 【5/5】 [メメクラゲ](2010/09/06 15:52)
[8] アンケート終了と結果[メメクラゲ](2010/09/09 00:30)
[9] ルパン三世 カリオストロの城 二次創作 【1/6】[メメクラゲ](2010/09/15 11:51)
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[20364] ルパン三世 カリオストロの城 二次創作 【1/6】
Name: メメクラゲ◆94ad61bb ID:1d3816c3 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/15 11:51
 ルパン三世 カリオストロの城 二次創作 【1/6】


 0.

 人がめったに入り込まない山の中を一人の男が歩いていた。秋という季節らしく大量の枯葉が積もり、男が足を踏み出す度にシャリシャリという軽やかな音を立てる。吹き付ける山の寒い秋風が、男がかぶっていた黒い帽子を飛ばそうとするが、その男は帽子にこだわりがあるのか、左手でしっかりと抑えていた。

「さて、五ェ門のやつ……、そろそろ、この辺りにいる筈だが」

 ポツリとそう呟いた男……帽子の奥から鋭い眼光が見える。年齢は30歳くらいだろうか、長身のカラダを黒いスーツ、白いシャツ、黒いタイに包んだファッション、そして顎に生え揃った黒い髭、黒い帽子。
 立ち止まり、耳を澄ませるように油断なく周囲をうかがっている。常人ではありえない、その雰囲気。男の全身から、まるで軍人のような、常に死線に身を置いている者特有の気配があふれ出していた。

「こっちか……?」

 ザ……と、男が足を踏み出した瞬間。

「――次元、仕事か?」

 低い……まるで鋼鉄のような声が木の上から響き渡った。

「おお、五ェ門。そこか、驚いたぜ。降りて来てくれ」

 とても驚いた……とは思えないほど冷静な様子で、次元と呼ばれた髭の男は頭上を仰ぎ見る。帽子の奥から覗く鋭い視線が、大木の枝で座禅を組んでいる男の姿を捉えた。
 まるで歌舞伎役者……のように鋭く整った顔立ち。世の女性がうらやむほどの美しく黒い長髪。江戸時代の浪人が着ていそうなシンプルな着流し姿の男。そして……腕に抱えている一本の白木作りの長い棒。

「…………何用だ、次元? 一人か?」

 高さ4メートルは越そうかというような高所から、何一つ躊躇せず、五ェ門と呼ばれた男は飛び降りた。それを見る黒い男も、驚く様子もない。ただ平然と目前に降り立った着流し姿の男を見ながら口を開く。

「ああ……ちょっと困った事になった。五ェ門、お前、アイツの居場所を知らねえか?」

「……知らぬ。拙者、ここ3ヶ月ほど下界に降りていない故。どうせ、あの女狐の所でござらぬか?」

「いや、多分違うみたいだ。そうか、まあ五ェ門は知らないだろうとは思っていたが」

 キン……と金属が触れ合う音が男の左手から響く。いつの間にか口に咥えていたポール・モール、そこへ左手に持ったライターで男は火を点けた。
山中にゆっくりと広がる紫煙。二人の男の間に無言の時間が流れていく。
 五ェ門は焦らない、次元が話し出すのを待つように、ただゆったりと自然体のまま、煙草を吸う男を見ていた。

「……五ェ門、カリオストロ公国……、憶えているか?」

 ようやく煙草を吸い終わり、黒いジャケットのポケットへ吸殻を入れた次元が、覚悟を決めたようにゆっくりと口を開いた。

「――かりおすとろ公国? 聞き覚えがかすかに……、ん、あの偽札?」

「ああ、思い出したようだな。そこにお姫様が居ただろ?」

 次元の言葉に無言で頷きを返す五ェ門。興味が無いことには無頓着で、基本的に女性の話題は無視する彼にしては珍しく真剣な表情。

「行方不明になった」

「……何?」

 秋深い山中にこだまする鋭い声。枯葉が舞い落ちる中、二人の男は、緊張した面持ちで言葉を交し始めた。
  

 1.


 ゴミが乱雑に散らばった細い路地。そこを一人の男がドスドスと足音荒く歩いていた。ヨレヨレのキャメル色のトレンチコート、同色の帽子。身長は180センチ以上あるだろう。鍛え上げられた肉体に、アジア系のがっしりした顔立ち、いかつい顎。そして何よりも、その大きな瞳が異彩を放っていた。ギラギラとした獲物を狙う狼のような瞳。
 ――国際刑事警察機構(ICPO)所属、銭形 幸一である。 

「おいっ、本当にここから入国できるんだろうな?」

「大丈夫、大丈夫ね」

 見事な北京語の発音を用い、前方を歩く中年男に声をかける銭形。その声にチラリと振り返りながら、カタコトの北京語で応じる男。
 銭形が現在いる場所……中国吉林省、延辺朝鮮族自治州は、豆満江という河を挟んで北朝鮮へと隣接している。銭形の目的である北朝鮮への極秘潜入……。その為に、銭型は怪しげな中年男性の紹介を受け、北朝鮮へと侵入できるポイントへ案内してもらっているのだ。

「北朝鮮からコッチにくるのは、すごく警戒されてるね。でもコッチからアッチはザルの網目の如しよ。大丈夫、大丈夫ね」

「うむ……そうか」

 納得したように大きく頷き、さらにドスドスを足音を強める銭形。中年男に誘導されるまま、さらに細い路地へズンズンと押し入っていく。いつも一緒に時を過ごしてきたバーバリー製キャメルコートの裾がヒラヒラと揺らめく。積み重ねた経験、あふれ出す力を感じさせる銭形のいぶし銀のような背中。
 だが……その背中を、音もなく数人の男達がつけていた。それぞれの手には廃材の木片、錆のういた金属パイプ、レンガ、石などがしっかりと握り締められている。総勢6名……男達は、ここを縄張りに持つチンピラ集団であった。

『北朝鮮に入りたいと言っている、馬鹿な小日本人がいる』

 と、銭形の前方でガイド役を務めている仲間から聞き、官憲の目に届かぬ路地に誘い込んだら、全員で襲い掛かる……それが計画であった。そして、その計画はあっけないほどスムーズに成功しつつある。集団で背後をつけられている事に気付かず、案内役に誘導されるまま、細い路地に入っていく小日本人。凶器をもった男達の顔に、凶暴な笑みがニヤリと浮かぶ。またとない獲物……彼らの血が暴力への期待に沸き立ち、グツグツと沸騰しているかのようだった。
 そして、とうとう目的の場所まで辿り着く。

「むっ!? キサマ、行き止まりではないかっ!?」

「いやいや、キチンと入国できるよ……、天国へねっ!!」

 中年男の声を合図にして一斉に背後から襲い掛かる男達。
 ――だが、次の瞬間ッ!!

「そりゃああああああああああああああっっっっ!!!」

 行き止まりの路地に響き渡る銭形の怒号……、そして、一瞬のうちに6人の男は壁、ゴミだらけの床へと叩き付けられた。
呼吸も乱さず、平然とトレンチコートの襟を正す銭形。
 あまりの出来事にアワアワと腰を抜かしている中年男性に向かい、ギロリ……とした視線を向けた。

「ワシはICPOの銭形だ! キサマらの悪事などお見通しである。とっとと侵入場所を吐かんかっ!!」

 落雷のような怒声一発。その声に中年男性はカクカクと壊れた人形のように、ただ頷きを返し続けた。





純愛モノです。ちょっと二次創作でやってみようと思います。
全部三人称。エロシーンはほとんど無い予定。
純愛について自分の中で考えていったら、ルーツはここでした。


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