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No.19353の一覧
[0] 【習作】ゼロの使い魔~盟約の流刃~(オリ主転生物)[スタロド](2010/07/08 18:21)
[1] 第1話 現実のち非現実[スタロド](2010/06/27 17:57)
[2] 第2話 一流貴族の風格[スタロド](2010/06/27 17:57)
[3] 幕間1 モンモランシ伯爵の日記[スタロド](2010/06/27 17:58)
[4] 第3話 10%は意外と当たる[スタロド](2010/06/27 17:58)
[5] 第4話 のどかな一点の雨[スタロド](2010/06/27 17:58)
[6] 第5話 領土視察[スタロド](2010/06/27 17:59)
[7] 第6話 早過ぎた顕現[スタロド](2010/06/27 17:59)
[8] 第7話 白き光は禍々しく (前編)[スタロド](2010/06/27 17:59)
[9] 第8話 白き光は禍々しく (中編)[スタロド](2010/06/27 18:00)
[10] 第9話 白き光は禍々しく (後編)[スタロド](2010/06/27 18:00)
[11] 幕間2 我が子の為に[スタロド](2010/07/24 17:44)
[12] 第10話 湖畔の人型はその後黙して・・・[スタロド](2010/06/24 22:51)
[14] 幕間3 移ろいし者[スタロド](2010/06/29 21:47)
[15] 第11話 赤い狼と先見の瞳[スタロド](2010/07/08 18:23)
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[19353] 幕間1 モンモランシ伯爵の日記
Name: スタロド◆d524341c ID:2a11c8c3 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/06/27 17:58
<前書き>
  幕間です。短いです。
  本編にはあまり関係ないので流し読む程度で大丈夫かと。


<本文>


 我が息子、グラムは少し変わった子だ。

 3歳児にしては落ち着きすぎているような気がする。

 赤ん坊のころは、モンモランシーより少し成長が早い位だったし、別段気にしてはいなかったのだが、言葉を覚えた途端に子供にしては落ち着いた口調で話し始めた。

 その後も辞書などを使って難しい言葉を覚えようとしていた。

 遊ぶ事もあるのだが、それはモンモランシーの世話をしている、と言った方がしっくりくる様子であるし、モンモランシーに誘われた時以外遊んでいるのも見たことがない。

 もっと身の回りの物に関心を抱いて走り回る時期ではないのだろうか?

 フレイがあの位の歳のときも、元気良く遊んでいたというのに、グラムは大抵家の者と話したり、本を読んでいたりする。

 それも児童用の本ではなく、図鑑や魔法書などの子供にとっては難しい物ばかり。

 色々と不安はあるが、ひょっとするとグラムは天才という部類に入るのではないだろうか。

 あの歳で文字は完璧に読めるようになっているようだし、難しい計算もなんなくこなしている。

 あの子がどんなメイジになるのか今から楽しみでならない。

「杖との契約がしたい」と言ってきたり、魔法書を読んでいる事もあるので、魔法に興味もあるようだ。

 あいにく、モンモランシ家の杖の契約は5歳からと言うしきたりなので、その時は引き下がってもらったが。

 それからはフレイに魔法の事について色々聞いているらしい。

 フレイとグラムが並ぶと、グラムの方がしっかりしているように見える。

 将来フレイはモンモランシ家を継ぐ立場なのだから、もっと気を引き締めてもらわなくてはならない。

 いや、いっその事グラムを時期当主にしてしまおうか。

 ……まだ決めるには早計だな。じっくりと息子達の成長を見守ってから決める事にしよう。


 グラムは使用人の間でかなり人気があるようだ。

 使用人に対しても感謝の言葉を言うし、使用人の名前を全員覚えてもいるらしい。

 名前を覚えているのはいいが、感謝の言葉を一々口にしていると嘗められるかも知れない。
 大きくなっても治らないようなら注意しよう。

 そんなあの子だが、ときおり歳相応の笑顔や振る舞いを見せる時もある。

 その度に安堵しているのはここだけの話だ。

 兄妹だから当然ではあるが、モンモランシーもグラムに一番懐いている。

 いつもグラムはモンモランシーには優しくしていて、とても仲が良い。

 当初は喧嘩の一つや二つは当たり前だと思っていたのだが、あの二人が喧嘩をしている所は未だ見たことがない。

 おそらくどんな時でもグラムが一歩譲っている結果だろう。

 お陰でモンモランシーはグラムにベッタリだ。

 兄妹と言う物を絵に書いたような二人なので、見ていて微笑ましい。


 そういえばこの前ヴァリエール家に訪問した時、フレイがやたらカトレア嬢の事を気にしていたな。

 ……公爵家なら申し分ないし、頑張ってくれとしか言えんな。似合ってないが。



 子供の話はさておき、新領地の開拓はいつにしようか。

 子育てが落ち着くまでは始める気はないが、多量な時間と金が必要なのだから、今の内に計画を練っておこう。

 水の精霊の力も借りなくてはならないし、王宮との話し合いもいるだろう。

 なにより水精霊の説得が面倒だ。
 グラムがよく私に“水精霊を怒らせると怖い”などと言ってくるが、そんな事は私も十分教わっている。

 今さら気を改めることなどない。

 水精霊と言えば、ちょうどグラムとモンモランシーが生まれた時期あたりから様子がおかしくなっている。
 以前よりも輪をかけて人前に姿を現さなくなり、おかげで水精霊の涙の価格が高騰しているらしい。

 水精霊の涙はモンモランシ家が売り出している水の秘薬に必要不可欠な物だ。
 あれのおかげで我が家の作る秘薬はブランド物として一目置かれているのだ。
 供給が少なくなると非常に困る。
 私の先祖が、王家と『水精霊の涙の独占禁止』に関する誓約をしてしまっているので、安易に直接精霊に頼む事も出来ないのだ。

 そんな事もあり、先日ラグドリアン湖まで行って呼び出してみたが、なんでも「やらねばならない事がある」などとおよそ精霊に似合わない事を言って、すぐに戻って行ってしまった。
 数日前トリスタニアで隠居している父上から、「水精霊の魔力を感じた」などと言う内容の手紙が送られてきたが、それと何か関係があるのだろうか。



 ……話が逸れたな。領地開拓は3年後くらいに乗り出そう。

 子供達を王宮に連れて行くのもその時になるだろう。

 3年などあっと言う間だ。

 ついこの前まで小さかったフレイがもうあれだけ成長してしまっているのだからな。

 まだ11歳だが、すぐに4年経って魔法学院に入学する事になるのだろう。
 ラインなので魔法に関しては心配していないが、いかんせん気が弱いのがたまに傷だ。

 できれば学院で嫁候補でも見つけて来てもらえればこちらも気が楽なのだが。

 ……カトレア嬢も同時期に入学してくるのだろうか。身体が弱いと言っていたが。
 ……まぁ、がんばれ、フレイ。似合わないが。

 当面の楽しみはあの子達の杖の契約だな。

 おそらくは『水』メイジになるのだろうが、やはりこればかりは楽しみでならない。

 ……さて、そろそろ寝る事にしよう。



2010.06.09 初回投稿

2010.06.27 文体修正


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