突然だが袁家は中央に対して強い影響力を持つが、それは皇帝に対して強い発言権を持っているというわけではない。
皇帝を実質的に動かしているのは外戚と宦官であり、皇帝が信を置くのは宦官だけだ。外戚は皇帝にとっていずれ邪魔になる存在である。
故に結局のところ宦官が一番皇帝に対する発言権を持っていると言っても差し支えない。では、袁家が持っている中央に対する強い影響力。これは一体、誰に対して持っているのか?
それは地方領主と中央官吏に対して持っているのである。
その意味を考えれば実に単純で、要するに中央に対して"あんまり粗雑に扱うと反乱起こすぞ。こっちは中央政治の頂点に立った事もあるんだし、俺の人脈なめんな"と言う事によって袁家に不都合なことを握りつぶしているのである。
そして、袁家に便宜を図るために中央の官吏が動き、また中央が袁家に対して文句を言う場合には地方領主の多くが袁家を弁護する事で中央の発言を封殺する。
このどちらにもお金や地位が発生することは言うまでもないが、当然最初に無理を言って捻じ込んでもらった時点で地位も金も手に入っている。そうして地位や金をばらまくことで袁家は力を増し続けている。
名門といえば聞こえは良いが、実態は中々器用なようで中央に対してこれだけ好き勝手にやっているのに、意見を押し通す力がある。何故、このような横暴な行為をしているのに大きな問題は発生していないのか。
それは中央の皇帝周辺が宦官に牛耳られているからだ。地方領主にとって宦官は悪以外の何者ではなく、彼らを抑えている袁家は善である。
故に宦官に対抗するために力を増しておかなければいけないと言う大義名分の下に力を集結させている。大義名分の恐ろしい側面の一つだ。
その大義名分の裏の側面を目的に多くの人材が袁家に集い、袁家はソレに対して地位とお金で応える必要がある。コレをなんと言うか知っているだろうか?
御恩と奉公というのである。
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恐らく、この国の最も決定的な凋落はこの時点で起きたと言っても過言ではない。
もっとも、直接的な原因は間違いなく宦官と皇帝と外戚による売官などの諸々の政策のせいだが、この世界において乱世の兆しを作り上げたのは他でもない、袁家だ。
元々の歴史ではどうだったか覚えていないが、少なくともこの後漢っぽい何かではそうとしか言えない。
そもそも国内の人間から土地や地位を奪い取ると言う行為は本来なら反乱である。で、あるのだが凄いことにほぼ合法的に行ってしまった。
既に町中で陸家の頭首が裁かれる事はほぼ知られている事である。詳しい罪状は伝わってこないが、聞いた噂を纏めた限りではいちゃもんも良い所である。
目的がわかりやすくて大変助かるが、当の陸家はたまったものではないだろう。
しかし、この様な横暴に対しても中央からの圧力でるからには無視する事は決して出来ない。だから頭首は既に色々腹をくくったようで袁家の兵士が政庁に来てすぐに外に出る準備を始めている。
そして今まで頭首に付き従って来た人達も我が家は陸家とは関係ないと言う態度を示すようになった。官吏の多くも罪状は事実だとする方針を決めたようである。
末端官吏の買収も済んでいるとは、中々に根回しが上手なご様子。もちろん積極的な寝返りによる地位確保の意図もあろうが。
袁家が為したのは表から見れば任務を真っ当しなかった上にそれに対する弁明も無かった陸家の排除を皇帝に代わって行い、新たな清廉の士を楊州全域に根付かせて皇帝のご威光を示すという大変有り難い行いであるが、裏から見るとぶっちゃけ地位と税目当ての侵略である。
しかも最終的な敵候補は面白いことに中央である。あくまで敵としているのは宦官であり皇帝ではないと言う事にしているが皇帝を蔑ろにしている事に変わりはないので似たようなものだ。
ここまで皇帝の権威と力をそぎ落としておいて敵は皇帝ではありませんではさすがに済まないだろうと思うのだが、皇帝は宦官にどっぷり、しかも政治は外戚。打つ手なしとはこの事だ。
さらに名士の多くも袁家を支持している事実がある。何故なら、この宦官と外戚が売官を行う世界で、普通に出世して行くにはどうするかと言えば、力のある袁家に頼る他ないのである。
宦官に対抗するために本来集まった力が何故か袁家を中心とする地方連合へと姿を変えて、地方統治を目的とする政権へと変貌してしまったのだ。
知る限り実際の歴史でも起こった貴族化の流れだ。そして基本的な実権は領主が握り中央の力は弱まる。流れとしてはとても自然と言える。
これを意図としてやったのならば強かであり、遠謀に長けた人物で好敵手にふさわしいなどと言って対抗心を燃やすのも良いのかもしれない。が、残念ながらどうにも本当に気づかずにやっているご様子。
「凄いんだけど馬鹿なんだなぁ……」
今のところ俺が袁家に対して下せる評価はこれである。凄い、けど馬鹿。何故気づかずに行っているとわかるかと言うと、袁家が何処に向かいたいのか謎だからだ。
地方で力を持ちたいと言うのなら、むしろもう持ち過ぎと言っても過言ではなく、これ以上大きくなれば中央が本気で潰しにかかるだろう。それなに楊州に手を出す。
場合によっては中央が袁家とは縁も所縁も無い地方領主と手を組んで実権を握ってしまう可能性だって出てくる。そうなった時に一番困るのは当然袁家のはずである。
今までの行為のお咎めが一気に来るのは決定事項であろうし、何よりそれに逆らうにはその地方領主を悪者にして討伐しなければならないが、そんな事をすれば当然乱世突入だ。
袁家は乱世に突入してしまった場合は困る立場の人間だ。わざわざそんな不利なほうに計画的に自分を持っていく人間がいるだろうか。故にこれは違うと思われる。
逆に自らが時代の覇者になろうとしているのかと言えば、別にそうでもなさそうだ。もしも国家の中心になりたいのならば楊州に対する今回の行いは失敗である。
今まで築きあげて来た袁家の信用をだいぶ削る行為だからだ。袁家はあくまで地方領主と中央官吏に対して影響力を持っているのであって皇帝のように絶対的な発言権を持っているわけではない。
その場合に重要なのは利権保障をきっちり行うことである。あくまで連合であるならば双方の利益が守られなければいけない。もちろん力の多寡はあるにせよ、立場としては建前上は対等で無ければいけないのである。
それはまだ盟を結んでいない相手に対しても同様である。そもそも、まだ国は袁家のものなどではないからだ。
今回の行動は今まで袁家に付き従っていた諸侯に対して"領地没収・地位剥奪"を合法的に行えるのだと示してしまった。
力が無ければ宦官に立ち向かう事は出来ないが、しかしその力が自らに向くのはどの諸侯だって嫌である。残念だが可能性は見せる事だけでも悪なのだ。
もしも、自分たちにこの力が向けられたら? と言う疑問こそが袁家に対する疑惑や猜疑心を育てるだろう。
そういう意味で袁家が国の血筋になるという目的からすれば、今回の行動は完全に的外れである。
では、これはどういう意図で行われているのか?
別に難しくは無い。要するに私益を増やしたかっただけなのだろう。ほぼ、間違いなく。でないとちょっと計算が合わない。
ここまで見事な政治的運営をやっておいて使うのが私的な行動と言うのは果たしてどうなのかと頭を抱えたくなるが、行動を鑑みるにどうも本当に私的に領地やお金や地位が欲しかったから行っているようなのである。
凄いけど馬鹿という言葉がここまで似合う存在もそうそうおるまい。適当にやってここまで行える事は驚愕すべきことだが、それ以上に凄いのは最後の詰めはキッチリ大失敗していることである。
「こういうのは前世でも見たことないな……」
パラパラとメモに使っていた竹簡を開きながら呟く。話を纏めて結論が「土地とか凄い欲しい、あ、お金も地位も!」と言う即物的なものだった場合に俺はどんな顔をすれば正解なんだろうか。
あんまり言いたくないが天下の器ではないなと感じる。やる事がせこすぎる。俺が言えた義理ではないが。
「んー……そろそろ、陸家の皆様はそろそろ荷物纏め終わった頃だろうし……」
竹簡をクルクルと巻いて馬車に放り込む。屋根もない粗雑なもので、見た目は出来の悪いリアカーのような作り。
後ろには最低限の荷物しかない。溜めていた竹簡や本、服の類はほぼ全部売った。旅には邪魔だからだ。
そして、色々売ったお金でこの馬車を買ったのである。お金は残念なことにあまり余らなかった。馬を買えば当然そうなる。
これで計画通りに行かなかったら俺は大馬鹿野郎だ。だが、それはそれで良い。まともな人間だったらもっと良い道歩いてるだろうしな。
ちなみに馬車は中古であり、馬に至っては厩舎で現役を退きつつある馬を爺さんに無理言って売ってもらったほどだ。
旅に出るだけなら別に馬なんて必要なかったわけだが、ハッタリのためにどうしても必要だったのだ。
そのためだけの行動。意地っ張りで見栄っ張りは男の勲章だと思い込んでおく。こんなに博打な気分は曹騰に"お願い"をした時以来だな
「さーて、奇貨買いに行くか!」
■■
表門からガヤガヤと大きな声がする。恐らくは陸家の頭首が町の人に対して色々と喋っているのであろう。
横に袁家の兵がいるはずのに勇気のある事だと関心するが、恐らく自分が中央政界にも地方でも復帰することは無い事を察して色々と言っているのだろう。
地位も名誉も剥奪されたが、矜持だけは崩さないと言う信念だろうか。横暴に対する物としては逆にそれしか出来ないと言うのもあるかもしれない。
そんな表門と比べて裏門はずいぶんと静かであった。袁家の兵士もいない。その目の前で馬車を止める。
止めると言っても颯爽と手綱を使って御しているのではなく歩いて御しているのである。要するに歩いて馬車を連れて来ただけで別に馬車に乗れているわけではない。我ながら阿呆である。
「どうして俺は馬に乗れないのかねー……」
鐙あるのにね、この世界。なのに乗れません。はは、笑える。いや、深刻な問題だけどね。いつか絶対乗れるまで努力する。今は時間が無いからしないけど。
大きなざわめきの後に、袁家の兵士が声を出して頭首を連れて行く声が微かに聞こえる。あくまで微かにであり、詳しい内容までは聞こえなかった。
中には、惜しむ声もあるだろうか。それとも、不憫に思いながらも誰が来ても政治なんてそうは変わらないと感じているものだろうか。
人々のざわめきはしかし、距離のせいもあり全ては聞こえない。ただ聞き取れないざわめきだけが裏門には満ちている。
もし……このざわめきを聞きながら裏門から出てくる人間がいたらどんな気持ちで来るんだろうか。悲しみだろうか。怒りだろうか。それとも諦念だろうか。
どれにせよ、俺はとても利己的な気持ちで接することになる。そのことに少し苦みを感じるのは、間違っていないだろう。
ガタッと音が聞こえる。ギギギとあまり動かしていない門特有の滑りの悪さ。それを無理やりに押している。開ききった。
「……?」
「どうも初めまして、陸伯言様ですか?」
初対面の相手。気さくに声をかける。挨拶は人間同士の基本だよね。
だから出来るだけ明るい声。あと、敬語のつもりで話しかける。
悪いけど敬語あんまりキッチリ勉強してないから気持ちだけで本当に礼儀作法として成立してるか凄い謎なんだよね。
「はい、そうですけど~……あなたは? 何の用でここにいるんですか?」
凄く睨まれた。当たり前ではある。家を追い出されて表門から多くの親族が連れて行かれたのを見送って裏門から出てみればわけのわからない人間が一人。
もし俺だったら最初に刺客を疑うね。まぁ、警戒はされてもらわないと困るのだが。警戒されると言うのは注目されていると言う事で、なんと話し合いには持ち込めるのだ。
もちろん喋った内容も警戒されるが、それでもキッチリ考えて反応するか、もしくは頭ごなしに否定するかだ。どちらになるかは話術によるけれどね。
「いえ、孫策様のところに行くのなら紹介してもらおうかなと思いましてね。実は官吏志望者なんですよ。
知らないと思いますが、ここの官吏試験も受けたんですよ。どうも信用ならないと落とされましたが」
「……私は孫策さんの所には行きませんよ~?」
「行かないんですか」
「行きません」
「しかし、呉、ひいては楊州の奪還を本気で目指すであろう人達は他にはいないんですけどねえ。もし楊州がどうでも良いのなら、何故他の人達と一緒に首都へ赴かなかったんですか?」
「私が今回の騒動に関係ないからですよ~。私はただおじさんの家に居候していただけですから、元々いた場所へ戻るんです」
「元々いた場所って……呉じゃないですか」
「……何で知っているんですか?」
あ、雰囲気が剣呑になった。武術やってるだけあって圧力凄いなー。今にも背中に背負ってる根で襲い掛かってきそう。
そうなったら弩を構える時間なんて全く無いから負けるよなぁ。上手に話を運ばないと卒倒させられるかも。
「官吏志望者だったので、この町で働いている羅卒の人達に暇があれば話を聞いてたんですよ。
元々は江東付近を治めていた一族だと言う話をね。孫堅様が活躍しだしてからこっちに移ってきたのでしょう?
町の人は皆さん嬉しそうに話してくれましたよ。おかげ様で色々知れました。納得出来ましたか?」
少し逡巡して。
「…………一応」
どうやら警戒度は下がったようだ。それにしても怖い、怖い。やっぱり自分より強かったり頭が良い人間に対する交渉ってのは難しいな。
知識的優位性も頭の回転もは圧倒的に彼女側だからな。前情報なしと半分混乱、奇襲のような会話、さらに少し心が弱ってなかったら食い下がれなかったな。
女性が弱ってて喜ぶような人間にはなりたくないけど今回は助かったとしか言えない。こんな事を心配しなくて良い程度には頭良くなりたいねぇ。
「それで、孫策様の所に行く陸伯言様。どうでしょうか。私を孫策様に紹介して頂けませんか?」
「私はあなたが有能なのかそうでないのか判断出来る材料がありませんからね~」
「情報収集はお手の物って事はわかってもらえたんじゃないですか? まぁ、その判断材料だけで有能と思うかどうかは別問題ですが」
「そうですね、別問題です」
「それでは今後の予想でもして見ましょうか。実は官吏と言ってもどちらかと言えば軍師狙いなんですよ。もちろん、なれるなら下っ端官吏でも何でも良いんですけどね」
「それを聞いて私は何か良い事があるんですか? そろそろ出発したいんですけど~」
「ここは一つ、袁家の凋落予想でも」
スッと目線が狭まった。食いつきが良くて嬉しいね。喋る側からしたら注目されるのが一番嬉しいよ。
「まず、今回のことで袁家は今までのように地方領主達から支持を得るのは難しくなるでしょう。
今までの袁家は地方領主達の支持で中央に対する影響力を持っていました。ですが、今回楊州全域を手にいれるために相当な無茶を行いました。それは、恐らく袁家が思っている以上のものです。
袁家を頼ってきている人間には二種類います。袁家の内部に入って出世したい人間と、袁家と対等の盟を結ぶことで利権を安全に確保し続けたい人間の二つです。この二つを同時に集めることで今まで袁家は成り立っていました。
ですが、今回の事件で後者は下手に袁家に楯突けば家が滅ぶと言う現実を見てしまいました。そして、それによって袁家内部で出世し、新しく領地や地位を手にした成り上がりも増えました。
国内が平和な場合は、出世は血筋や能力もそうですが、どちらかと言えば過去の実績も含めた一族全体の功績により与えられていました。ですが、そういったことが通用しない出世の例が起きてしまった。
しかも、同じ過去の実績で地域を統治している人間の領土や地位を奪って、です。そうなると起こるのは当然袁家への不信です。
成り上がりを作り上げた事もそうですが、そう言った者でも出世出来るという事を見せてしまう事は乱世の遠因となるでしょう。
袁家がどう思おうが勝手ですが、少なくとも一部の敏感な諸侯はそう思う事でしょう。そうなると、袁家の中央への発言力を支えていた屋台骨の一つを失ってしまった事になります。
当然、中央への影響力は大きく削がれました。そうなると今まで地位やお金を得ていた人間は不満に思います。出世が上手くいかないのですから。そうして、袁家は内部にも不安を持つに至ります。
今はまだ良いでしょう。ですが、少し立てばすぐに地位の席はいっぱいになってしまい、お金も無尽蔵にあるわけではありませんからいずれ無くなります。
渡す物がなくなった袁家は中央への力を大幅に失い、そうして地方の一領主へと緩やかに、しかし確実に戻っていきます。その時に起こるのは、恐らくは宦官か外戚による大規模諸侯への中央召集。
そうする事で宦官は軍事力を得るに至ります。この時に袁家が有効な手を打てなければ、まず間違いなく今までの行いを咎められる事でしょう。そして、今度は袁家が草刈場になります」
捲くし立てるように喋る。こういう時に一々詰まらせるのは損だ。何度か噛みそうになったが誤魔化して言い切る。
実際、未来としてはかなり近い物が予想される。さらにどうも州牧になった袁術は袁招とはあまりそりが合わないらしい。
もちろん噂なのでどうにも怪しいと感じているし、むしろ仲良くやっていると言う話も聞こえるのでどれが本当かはわからない。
わからないが、実際楊州全域を手に入れるとなれば北部の大部分を手に入れている袁招よりも領土的には大きくなる。
そこで大きないざこざが起きないとは言い切れないし、土地が変われば政策や外交も変わる。密接な連携は望めないだろう。
袁家は領土を得たと同時に内部崩壊への階段を登り始めたと言う事も出来るのだ。今回のことが無ければ袁家が天下に最も近かったのは間違いないだろう。
だが、時勢はそうはならなかった。天下は定まらず、しかし未だ乱れずと言った所だろうか。
「ま、聞いて損だったなと思ったのなら別にそれでも良いのですよ。どうせ貴方が行こうが行くまいが私は孫策様のところにこの馬車で行く予定でしたから。
さっきの話を孫策様に話して、もしもダメだったら……」
少し溜めて。
「それこそ袁家にでも行きますよ」
我ながら最高の嘘じゃないだろうか。本当はいく気なんて欠片もない癖に俺もよく言う。
そもそも袁家に言って上のことを言っても後の祭りなのだから、気づかせないに越したことは無い。どうして上手くいかないのか歯がゆそうにする所を眺めて楽しむ分には良い娯楽なのだから。
「……その馬車に乗せて下さい」
「紹介して下さるんですね?」
「判断するのは孫策さんですからねー。今は口車に乗せられておく事にします。よく考えたら別に私に損は無いですしね~」
「そうでしょうとも、ところで一つお願いが」
「何ですか?」
「私、馬車使えないんですよ。良かったら手綱握ってもらえませんか?」
「………………」
その呆れ顔は、何とも素敵な顔だった。それはもう忘れられないくらいに。