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No.17211の一覧
[0] 魔法少女リリカルなのはWarMaster(なのは×洋ミニチュアゲーム、オリキャラ介入)[カラス](2010/09/27 00:57)
[1] 第一話[カラス](2010/03/14 05:00)
[2] 第二話[カラス](2010/03/11 14:25)
[3] 第三話[カラス](2010/03/11 22:10)
[4] 第四話[カラス](2010/03/12 04:07)
[5] 第五話[カラス](2010/03/13 03:57)
[6] 第六話[カラス](2010/03/14 00:27)
[7] 第七話[カラス](2010/03/15 05:55)
[8] 第八話[カラス](2010/03/15 06:01)
[9] 第九話[カラス](2010/04/01 19:01)
[10] 第十話[カラス](2010/04/19 03:02)
[11] 第十一話[カラス](2010/05/26 00:24)
[12] 第十二話[カラス](2010/08/17 02:19)
[13] 第十三話[カラス](2010/09/27 00:56)
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[17211] 第八話
Name: カラス◆3e236f0a ID:966563b6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/15 06:01
ルーカスはユーノの一連の行動を追跡しながら自らの魔力残量を冷静に計算していた。
何故なら彼は魔力と言う資源を無駄使いできない魔法をいくつか有しており、自分なりに尖らせたスティンガーレイも少ない手数で相手を制圧するための手札だ。
彼の切り札でもあり主な戦闘手段であるコデックスは、一見驚異的な能力を有しているかと思えばその能力はさほどたいした物ではない。
コデックス、それに登録された軍勢を魔力と言う資源が許すならばそれのコピーを召還できるストレージデバイスだ。

しかし、所詮コピーはコピー。オリジナルと同じ戦闘能力を有する訳でもなく、存在するだけにも僅かとは言え魔力が必要。
更にコデックスから召還できる軍勢はコデックスに予め記載されているものでなければならず、それを召還するにしても厳格なルールがそれを縛る。
つまりスティンガーレイの行使ですらルーカスにとっては大盤振る舞いであると言っても過言ではなかった。
コデックスで呼び出せる軍勢は得てしてコピーである影響もあるが一人一人の戦闘能力は魔道士には遠く届かない。
模倣は原本には勝てないものだ。
そう、ルーカスが知る限り一人を除いて。

『ハンスさん、そちらからのアサルトは可能ですか?』

念話のチャンネルを弄り、大きく先回りしているハンスへと連絡を取る。
本来なら何らかの方法で急加速して目の前の二人を無理やり排除すればいいのだろうが、今ルーカスが求めているのは目標の排除ではなく捕獲だった。
折角魔力を大量に費やすのであれば何らかの収穫が欲しい。
でなければ軍勢を呼び出さずにハンスと二人で強襲して排除すればいいだけの話だ。
そうすればヴェンデッタを呼び出すまでもなく、素人というハンデを抱えた魔道士を気付かれない位置から攻撃すればいい。
ルーカスとハンスには、彼らを確保するなんでもない策があった。

『問題ない。今から実行する。』

ハンスは超低空で空戦機動を取ってはいるが厳密には魔道士ではない。
彼はコデックスが生み出した自己防衛プログラムの一つの姿。
コピーし得る個体の中からコデックスに選定されたルーカスの分身と言っても過言ではない。
ハンス・ブルクドルフはロードコミッサーのクラスに適合する屈強かつ伝説的な特務将校であり、
かつて彼の祖国であるどこか遠い次元世界で名を馳せた英雄でもあった。
ルーカスの『帝国の守護者達』と言うコデックスはその名の通り「インペリアルガード」と言う軍団を呼び出すコデックスで、
彼らの次元世界は今も尚戦乱に満ち溢れた世界である事は確かだろう。

何故なら彼らの世界には平和はない。
休息もない。慰めすらない。
赦しなど、あろうはずもない。
彼らの世界に残った物は、人類と言う種が生き残るための闘争だけなのだ。
彼らの世界は禁忌であるものも容赦なく闘争に投入する。
そうしなければ生き延びる事すらままならないのだから。

「"アウト・フランク"」
『Out Flank,Sentinel Squadron.』

ハンスへの指示が終わったルーカスが呪文を唱えると、ユーノ達に3機の2脚歩行戦車が左方向から空間をゆがめて展開される。
そのカゴのような丸出しなコクピットの下には機械の大きな足。
コックピット横にはかつてユーノを追い詰めたオートカノン。
そしてルーカスは追加で魔力を費やしてこの機体全てに使い捨てミサイルを増設している。
名はセンチネルと言い、軽快な動きで動く"門番"はユーノの動きを遅らせた。
アウトフランクとは奇襲攻撃の事だ。クラスによって部隊は区別され、クラスの能力に則って部隊は均一化される。
今回の戦いではルーカスは部隊の全てがアウトフランクできるクラスを使用しており、奇襲攻撃の名の下に出現した直後に攻撃を始める。
無論コデックスが持ち得る能力の中でも有数の使い勝手ではあるが、それだけ不安定な能力だった。

「まずいッ。"チェーンバインド"!」

この奇襲にはユーノはたまらず温存していたチェーンバインドを放つ。
鎖の数は4つ。鎖は別々の場所へ飛び、ユーノから見えている脅威の全てに対して放たれた。
こちらへ砲撃を加えようとしているセンチネルへ各々のチェーンが絡みつき、砲身が描いていた射線上からユーノは退避する。
恐らく今回戦力にならないであろうなのはを抱えているが、それでもなのはが目を回しそうな戦闘機動を描き続ける他無かった。
そう、センチネルの増設ミサイル、ハンターキラーミサイルが発射されるまでは。

[Lock On Alert!]
(ロックオン警告!)

レイジングハートが警報をがなりたてる。
前に展開されたセンチネルからまだ脅威が残っているのだろうか、ユーノに緊張が走った。
よくユーノが目を凝らすと、センチネルのコクピット外壁にオートカノン以外に武装が装備されている。
その筒はユーノにも瞬時に判明できる形状だった。
対誘導弾機動、それも質量兵器によるものはユーノでも未体験だ。
ともなれば腕に抱えている少女の為にもユーノは素直に防御する事にした。
前方向へ、持ち得る防御の中でも堅牢な物を。そして後ろへ展開するものは相手の行動を見て途中まで詠唱する。

「"ラウンドシールド!"」

ハンターキラーミサイルが発射され、それを受けるべく最速のタイミングでユーノは円形の魔法障壁を展開する。
簡易的な対戦車火器として用いられるそのミサイルは、ユーノが居た位置に着弾。
そのまま弾頭は炸裂する。

「弾着確認。今度こそ降伏してもらおう。」

弾着の煙が晴れた時、ユーノは確かにラウンドシールドでミサイルを防御できたものの、弾着と同時に接近して来たハンスにはどう対応しようもない。
右手の紫電を放つサーベルをユーノに、左手のボルトピストルをなのはに、ラウンドシールドを張る間もなく突きつけた。
ハンスの目は抵抗するなら容赦なく手を動かすとユーノへ語っている。
その一部始終をチェーンバインドをブレイク・インパルスで叩き落としながら確認したルーカスは、自身の拳銃をユーノに狙いを定めて最後の降伏勧告を行う。
残り魔力も半分を切っていたユーノは、その降伏勧告は飲まざるを得ない事は誰の目からも明らかだった。



「つまり、我々は実戦経験以外は無益な戦闘を行っていた。と言う事だな。」
「そうなります。」
[This battle was unproductive.]
(この戦いは非生産的でした。)


降伏勧告の後、なのはとユーノ達はこれから起こる事を不安に思いながらランドクルーザーへと連れて行かれた。
はずだったのだが、ユーノとなのはが正直に事情を話すうちにハンスとルーカスの顔が申し訳ないように表情を変えていた。
極め付けにはなのはが今回の戦闘の事で泣きそうになっていたこと。
このような時、9歳の女の子の涙は凶悪な武器となる。
理由も無い罪悪感に襲われる中年と少年。
特に中年には故郷の子供の幼年期を思い出したのか、思いの他高威力を叩き出していた。
泣きそうになっていたなのはは一つの疑問をユーノ達に尋ねる。

「ユーノ君はフェレットじゃなかったの……?」

なのはからすれば不可解すぎた事だ。
フェレットだと思っていたそれが突然ハンサムな少年になるとは誰が想像するだろうか。
しかも追跡戦の時はしっかりとなのはを所謂お姫様だっこで保持しつつ飛んでいたので、その事実を思い出すたびになのはは赤面してしまう。
なのはは9歳だ。しかしそのような体験は聞いたことがあっても同年代の少年からそれをされることは無い。
つまり少女にとってのある意味始めてをユーノが貰った事になるのだ。
男女の交渉と言う物を知らない少女にとってそれは一大事件とも言える。

「あれ? なのはにはこの姿を見せてなかったかな。」
[Please think for yourself.]
(自分で考えてください。)

なのはは赤い顔で顔を横に振る。
それを聞いていたハンスとルーカスは呆れ、ユーノに疑わしい目を向けた。
その間ユーノは思考し、一つの可能性にたどり着いた。
夢の中へと戦闘の様子を中継した事は忘れてしまわれているのだ、と。
ユーノはこの事をうまく説明できず、ルーカスに頭を冷やされた事は言うまでもなく、ハンスはユーノ達へ敵と誤認した事を詫びた。

この出会いを切欠に、この都市へと忍び寄っている脅威であるジュエルシードへ対応する魔道士が一人増える事になった。
同時にルーカスとユーノ、そしてレイジングハート。この二人と一個の講師がなのはを著しく成長させる事になろうとは、彼らには予想もしなかった事だった。



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