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No.17211の一覧
[0] 魔法少女リリカルなのはWarMaster(なのは×洋ミニチュアゲーム、オリキャラ介入)[カラス](2010/09/27 00:57)
[1] 第一話[カラス](2010/03/14 05:00)
[2] 第二話[カラス](2010/03/11 14:25)
[3] 第三話[カラス](2010/03/11 22:10)
[4] 第四話[カラス](2010/03/12 04:07)
[5] 第五話[カラス](2010/03/13 03:57)
[6] 第六話[カラス](2010/03/14 00:27)
[7] 第七話[カラス](2010/03/15 05:55)
[8] 第八話[カラス](2010/03/15 06:01)
[9] 第九話[カラス](2010/04/01 19:01)
[10] 第十話[カラス](2010/04/19 03:02)
[11] 第十一話[カラス](2010/05/26 00:24)
[12] 第十二話[カラス](2010/08/17 02:19)
[13] 第十三話[カラス](2010/09/27 00:56)
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[17211] 第七話
Name: カラス◆3e236f0a ID:966563b6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/15 05:55
ジュエルシードを封印したなのは達に緑色の影が飛来してきた。
それは男と呼ぶにはまだ成熟されてはいなかったが、ユーノやなのは達よりは聊か大人びた風貌を持っていた。
その少年はオリーブドグラブを基調にした軍服のようなコートに身を包み、その手には深緑色の古びた本と、拳銃のようなものを手にしている。
彼の表情はなのは達からは遠く読み取れなかったが、それでもその身から放出される殺気とも取れる魔力の奔流は隠せなかったようだ。

[Warning. Enemy in sight.]
(警告。敵を確認しました。)

レイジングハートは敵だと警告し、なのは達はその緑色の影を警戒し始める。
彼は片手で深緑の魔道書を開き、拳銃でなのは達をその狙いに治める。
そして彼は厳かにキーワードを紡ぎ始めた。

「我は力を求む者、卿は力を統べし者。契約に基き我の元にその力の一片を預け給え。」
[Set Up Our Army. Two Vendetta and Grenadiers, Sentinel Squadron. Ready.]

瞬間、空間が歪み航空機が目の前に飛び出してきた。
それはこの管理外世界「地球」では見受けられない形状の機種。
攻撃ヘリのような複座コクピットの左右に備えるは2つの砲。
両翼に吊り下げられているのもまた同じ砲。
左右中央合わせて6本の砲がなのは達を睨む。
そう、この機体は管理局ですら実用化していない類の異形の機体だった。
名はヴァルキリー。その武装パターンはヴェンデッタと呼ばれる。
復讐者としての姿を与えられた複合合金の戦乙女がなのはたちを睨み付けていた。

「なのは、来るよ!」
「う、うん!」
[Flash Move!]

突然襲来して来た異形の機体になのは達は警戒し、レイジングハートは呪文を用いて空高く位置を確保しようとする。
足に生えていた羽根に無理やり魔力を送り込み、推進力を上げる。無論その魔力の供給源はなのはだ。
すると、彼女らが元居た場所をいくつもの細い光線が貫き、不吉な破裂音が響く。
その音は爆発によるものではなく、機体のサイドハッチに搭載されている機関銃のようなものによって発生している。
銃は機関銃と呼ぶには聊か大きく、砲と呼ぶにふさわしいものだった。
威力はさほど高くないにせよ、その斉射はなのはを恐怖させるのに十分なものだった。

「今のは………なに?!」
[Threat is not so much. Just a magic bullet.]
(さほど脅威ではありません。それは魔力弾です。)

人間とは、非現実的なものではなく、現実的な脅威に恐怖するものだ。
悪魔よりも町のマフィア、隕石よりも迫り来る居眠りトラック。
凶悪犯より、いじめっ子。
例えジュエルシードの暴走体の攻撃力がその重機関銃より高かろうが、少女にとってすればコンクリートを粉砕し、
名匠に鍛えられた刀すら粉砕するものと同等のそれの方が恐怖を覚えるだろう。
レイジングハートの回避が遅れていたらなのはの体は無残な肉塊になっていたのかもしれない。
そう考え始めたなのはの足は震えだし、思考はパニック状態に陥りつつある。
姿もそぶりも見えない攻撃をどう防御すればいいのかも分からず、そもそも自分の防御で防ぎきれるのか。
そもそも空中を移動する方法も知らないし、コントロールすることもできない。
そのように暴走した思考はレイジングハートの発言すら耳に入らず、なのはは空中に立ち尽くすだけだった。

[Certainly care, Master.]
(マスター、気を確かに。)

レイジングハートの言葉は通じず、なのはは恐慌が収まる気配がない。
眼と瞳孔は完全に広がり、足に至ってはうまく動かない様子だ。
しかし敵はそんなこともお構いなしに急旋回し、再びこちらを狙いに付けてきた。
狙いはなのは。しかし今回はジュエルシードの攻撃ではなく砲だ。
レイジングハートのプロテクションだけで防ぎきれるとは限らないし、自動操縦の空戦機動も限りがある。
そう考えていた時にはユーノの体は自然に動き出し、温存しているモノを開放した。

「ちょっときついけど、やらなきゃいけないよね!」

6つの砲から発射されたオレンジ色の光線がなのはへ殺到する。
ラスキャノン、それはインペリアルガードと言う組織の中で対戦車用途に使われる一般的な砲であり、中戦車ですら容易に貫通する程の貫通力を持っている。
それを6つも搭載できるヴェンデッタはタンクキラーとも言うべき存在であることは確かだろう。
普通に考えれば9歳の少女に使うような装備でないことは確かだが、ルーカスは念には念を入れてこのヴェンデッタを投入した。
戦車をも破壊する破壊の光がなのはへ突き刺さると思われた、その時。

「なのは、怖い思いさせちゃったみたいだね。僕が君を守るから、落ち着くまで掴まっていて。」
「ユーノ………くん?」

ユーノは自身をフェレットから本来の姿へ戻し、なのはを両手で抱えたまま6本のラスキャノンをラウンドシールドで受けきった。
受けた衝撃の余波から、威力はディバインバスターより低いものの、用途としてはそれに準じた威力であることを推測した。
いかに結界魔道士であるユーノとしても立ち止まって受けるほど弱い攻撃ではない。
ともなれば選択肢は一つである。
この航空機と緑色の魔道士の追撃を振り切るのみ。
と考えているうちに空が不自然な赤に染まり、自分達は結界の中へ閉じ込められた事を感じた。
こちらの動きには問題ないが、おそらく外部通信や音の遮断などがされているのだろう。

「なるほど、小動物に化けていたとは盲点だったよ。だが、そこの少女まで化けられる訳ではないだろう?」

と言いながら表情が確認できる距離までルーカスはユーノへと接近して来る。
片手で取り回しの利く武器を持っていると言う事は、ルーカスの最適な戦闘距離は近接若しくは中距離であるはずだ。

「つまり、逃げられない。とでも言いたいんだね?」
「そうだ。正直、こちらの思う壺だったよ。」

すると、ユーノの背後右よりにヴェンデッタが回り込んだ事をレイジングハートが伝える。
ユーノは1機と一人に包囲されていて、まともに戦える戦力はユーノ自身とレイジングハートによる自動詠唱のみ。
状況としてはあまりよろしくなかったが、逃げることや生き延びることはスクライア一族の得意技でもある。
それだけはユーノにも自信があった。

「今の所貴方方に降伏する意思は僕にはないよ。」

ユーノはそう言いつつ行動を決定すると実行に移す。
恐怖で動けないなのはが精一杯の力でしがみついているのを確認すると、ユーノは急激に高度を落としにかかる。
いや、高度を落とすと言うよりは落下すると言った方が正しかった。

「レイジングハート、お願い!」
[Yes.]

レイジングハートもユーノの意図を理解したのか、下ベクトルへと力を上げていく。
ユーノはサークルプロテクションを詠唱し、もしもの事態に備える。
ヴェンデッタは設計上空戦には向かないのかユーノへ攻撃を仕掛ける素振りはまだ無かった。

「無駄な足掻きを。"スティンガーレイ"!」
[Stinger Ray!]

拳銃に似たデバイスが機械音声を発しながら呪文を行使する。
瞬間ルーカスも急降下し始め、更にユーノの後ろから魔道弾で撃ち始める。
ルーカスのデバイスは形状だけ拳銃の形をしているが、それは片手で扱う為に最適化した結果であってミッドチルダで禁止されている質量兵器などではなかった。

「"サークルプロテクション"。」

スティンガーレイは本来貫通力を生かした対魔道士魔法であるが、ルーカスのそれは速度を極限まで上げたもので、発射確認してからの防御は困難を極まるものだった。
この状況で一瞬の隙を生み出す事は地表に激突すると言う事と同義であり、もしそうなってしまえばユーノ達はただでは済まないだろう。
しかし、ユーノは打ち出される高速の魔道弾をサークルプロテクションで難なく弾きながら、森へ突入した瞬間に移動方向を水平方向へ戻した。
急降下によって溜まった運動エネルギーはユーノに速度をもたらし、ルーカスもそれに続く。

「なのは、しっかり掴まってよ!」
「う、うん!」

ユーノは高速で左右に林をすり抜けながら結界を解析していた。
結界さえ無ければ転移で逃げ切られるのは確かだし、圧倒的不利な状況を覆すにはそれしかない。
反撃を行うにしてもまだ戦闘訓練をしていないなのはを連れて行う事は自殺行為に等しい。
相手は訓練された魔道士で、それに軍隊のような組織が付いているのだ。
ともなればユーノに与えられた選択肢は限りなく少なく、最善の策は結界を破ることだけとなった。

そうして二人の魔道士と一人の少女による壮絶な高速戦闘が始まった。
方や結界魔道士、対するは2つのデバイスを使う特殊な魔道士。

その戦場にいるはずである大男はユーノからは見えないような位置取りで着実に忍び寄っていた。


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