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No.17211の一覧
[0] 魔法少女リリカルなのはWarMaster(なのは×洋ミニチュアゲーム、オリキャラ介入)[カラス](2010/09/27 00:57)
[1] 第一話[カラス](2010/03/14 05:00)
[2] 第二話[カラス](2010/03/11 14:25)
[3] 第三話[カラス](2010/03/11 22:10)
[4] 第四話[カラス](2010/03/12 04:07)
[5] 第五話[カラス](2010/03/13 03:57)
[6] 第六話[カラス](2010/03/14 00:27)
[7] 第七話[カラス](2010/03/15 05:55)
[8] 第八話[カラス](2010/03/15 06:01)
[9] 第九話[カラス](2010/04/01 19:01)
[10] 第十話[カラス](2010/04/19 03:02)
[11] 第十一話[カラス](2010/05/26 00:24)
[12] 第十二話[カラス](2010/08/17 02:19)
[13] 第十三話[カラス](2010/09/27 00:56)
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[17211] 第五話
Name: カラス◆3e236f0a ID:966563b6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/13 03:57
朝が訪れ、なのはがいつもの時間に眼を覚ますといつもの風景と少しだけ変わった部屋の様子が眼に映った。
お勉強をするために使う机の上にはバスケットが置かれ、バスケットの中には丸まって寝ているユーノがそこに居た。
ユーノと言えば昨日の騒動はユーノを疲れさせたようだったので、なのはは申し訳なく思っている。
母親にはかわいがられ、父親には芸の一つはできるかななどとお手をさせられていた上、姉もそれに混ざっていたのだから。

「おはよう、ユーノ君。」

そう挨拶すると、ユーノは身を起こし、返事を返す。
一晩ぐっすり寝ていた為か、その挙動は元気そうに見える。
レイジングハートはユーノに返したままだ。
元々彼の持ち物ではあるし、当然の行動である。

「あ、おはよう。」

ユーノが起きた事を確認すると、なのははいつものようにパジャマを脱ぎ始めた。
彼女はまだ9歳の子供であるからか、いやユーノをまだ正体が少年だと知らないからであろう。
彼女は何の抵抗もなく着替えを始めている。
しかし、同じ9歳でありながら精神年齢がそれとは大きく違うユーノにとってすれば、同年齢な少女の着替えとは見てはならないものの一つでもあった。
正確には彼の理性が見てはならないと叫んでいる、そのような状態とも言える。

「な、なのは?」
「とりあえず、夕べはお疲れ様。ん、どうしたの?」

なのはは上半身を晒した状態でユーノが居る机の上へ振り向き、不思議そうに覗き込む。
冷静に見れば未発達な体のラインはある程度少年とも変わりはしないだろうが、ユーノにとってはそれを見る事は背徳的なものであると考える。
結果、ユーノはバスケットに突っ伏して顔を赤くするばかりだった。

「な、なんでもないよ!」

ユーノはなのはの着替えの最中、身を紛らわす為になのはに教える事をリストアップしていた。
有耶無耶になって伝えられなかったレイジングハートの使用法、ジュエルシードの危険性、念話通信の方法。
そしてユーノ自身が人間の男の子である事、これは既に夢の中で見せたはずなので改めて説明する必要は無いはずなのだがこの様子では怪しい。
と生真面目に考えている最中もユーノは煩悩と理性の間で激しい戦いを行っていた。

鞄の留め金を弄るような音が聞こえた時、ユーノは着替え終わったと確信し、顔を上げた。
ユーノの理性は既にボロボロであり、表には見せないがそれだけで多大な体力を使ったと言っても過言ではなかった。

「名前で呼ぶの、慣れてくれた?」
「う、うん。なのは。」

その苦労も知らずなのははユーノの事を気にしていない様子で振舞っている。
今回は理性が勝利する結果に終わったが、いつか近い内に理性が煩悩に敗北するのではないかと大人びた少年は危惧する他無かった。
とは言えなのはにとっては意識すらしていない問題ではある事は確かだろう。



午前10時頃、なのはが学校へ行っている間ユーノは暇をもてあましていた。
暇ならば寝るという選択肢もあるだろうが、なのはと念話で話すという約束もしている。
だからこそユーノは今頃なのはから与えられたクッキーを食べている。
なのはの通う学校のシステムなど知らず、授業中かどうかすら分からない状態だったので念話を躊躇っていたが、
このままでは本当に寝てしまうのでなのはに念話を送る事にした。

『なのは、今大丈夫かい?』

授業中で忙しかったら申し訳ないと思いつつユーノは連絡を送る。
かつてスクワイア一族で子供達が物を教わる時は念話は禁止されていたし、授業中に念話で会話などと言う行為は学者を夢見るユーノにとっては考える事も無かった行為だ。
そのような行為をするからなのか、それとも別の理由なのかユーノの動悸は普段より激しかった。

『うん、いいよ。丁度ユーノ君に聞きたい事があったんだ。』
『………授業中じゃないよね?』

ユーノにとってはなのはの授業を妨害するかしないかはとても大事な事だ。
協力させておいてなのはに多大な負担をさせるのは彼としても不本意ではあったし、なのはにとって不快な思いをさせるとも考えたからだ。
しかしユーノにとってなのはの答えは予想外の物だった。

『塾でやった所だし、会話しても大丈夫だよね………ダメ?』
『う、いいよ。』

ユーノは困惑しつつなのはとこれまでの事とこれからの事を話していた。
ジュエルシードがここへ来た理由や見つけられたジュエルシードの数。
昨日なのはに怖い思いをさせて、その後戦わせた事の謝罪。
そして自分は4日ほど滞在し、体調を完璧に回復させたら一人でジュエルシードを探しに行く事。
武装組織の存在を知ったのなら一人で立ち回れるはずだ。
相手は確かに集団ではあるが、ユーノにはフェレットになってやり過ごす真似もできる。
しかしなのははそれを望んでいなかった。

『私、学校と塾の時間は無理だけど、それ以外の時間なら手伝えるよ。』
『だけど、昨日みたいに危ない事になるんだよ?』

そう、昨日のようなモンスターだからこそ生きて帰る事ができたがいつもそれが相手とは限らない。
それこそユーノが戦い傷ついた組織。ミッドチルダの法を知りながら、質量兵器を使う許されざる者が相手ならば少女が無事に帰れる確証は少ない。
ユーノは遺跡調査などで実戦経験はある程度持っていたが、なのはにはそれが無い上に訓練などもされていないただの素人だ。
魔力量などの単純な性能ではなのはの方が上手であることはユーノにも分かる。
だが性能だけが人間と人間の戦闘を決する要素ではない。
それを使う人間の戦術、思想、精神力。
それらがなのはには足りない物ではあるが、それを教え込んでしまう事はなのはが元の道へは戻ってこれない事は火を見るより明らかだった。

『大丈夫。私、耐える事だけは得意だから。それに、昨日はユーノ君は助かったけどここままじゃユーノ君をほっとけないよ。』
『そ、それは………。』

確かにまだ回収したジュエルシードはなのはに手伝って貰ったものを合わせても2個。
対して残るジュエルシードは19個。
とてもではないがユーノ一人ではすべて回収しつつ違法武装集団から逃げるなどと言う行為は不可能だ。
しかしユーノは時空管理局による事態の収拾を望んではいなかった。
時空管理局が介入してくれば、この都市は下手を打たずとも壊滅状態になってしまうかもしれない。
ともなれば今実行できるユーノが取る事ができる選択肢は限られてくる。

『ね、ユーノ君。私にも協力させて。夕べみたいなことがご近所で度々有ったら迷惑をかける事になるし、ね?
一人ぼっちで助けてくれる人、居ないんでしょ?
一人ぼっちはさびしいもん。だったら、私にもお手伝いさせて。』

地球に来てからと言うもの、ユーノは自分を限界まで追い込んでいた。
ほぼ自分ひとりで飛び出したようなものだったので協力者など居らず、それでいてユーノには拠点と呼べるものもない。
しかも地球と言う環境はユーノにはやや合わないらしく、いつもより体力の低下が著しいものだったのだ。
現地の住民に気づかれないように探索しているからか2個目のジュエルシードを見つけた時には体力が限界に近づいている有様だった。

なのはの優しい言葉にユーノは目の前がぼやけかけた。
少女の好意は無下にはできない。しかし生涯付きまとう傷が生まれるかもしれない。
可憐なままで幼年期を過ごせたであろう少女に対してそのようなものを負わせるのはどうなのだろうか。
しかしこのままではなのはの町はとんでもない事態に襲われる事は確かだ。
ユーノは苦悩し尽くした結果、決断を告げた。

『うん。ありがとう。』

ユーノはあくまで自分は前に出て傷も何もかも一切合切請け負う覚悟でなのはの申し出を承諾し、同時に生き残る術を教える事を決めた。
生き残る術。それは魔法の知識と戦術であり、魔法のリリカルではなくロジカルな方面でもあった。



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