<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

とらハSS投稿掲示板


[広告]


No.17211の一覧
[0] 魔法少女リリカルなのはWarMaster(なのは×洋ミニチュアゲーム、オリキャラ介入)[カラス](2010/09/27 00:57)
[1] 第一話[カラス](2010/03/14 05:00)
[2] 第二話[カラス](2010/03/11 14:25)
[3] 第三話[カラス](2010/03/11 22:10)
[4] 第四話[カラス](2010/03/12 04:07)
[5] 第五話[カラス](2010/03/13 03:57)
[6] 第六話[カラス](2010/03/14 00:27)
[7] 第七話[カラス](2010/03/15 05:55)
[8] 第八話[カラス](2010/03/15 06:01)
[9] 第九話[カラス](2010/04/01 19:01)
[10] 第十話[カラス](2010/04/19 03:02)
[11] 第十一話[カラス](2010/05/26 00:24)
[12] 第十二話[カラス](2010/08/17 02:19)
[13] 第十三話[カラス](2010/09/27 00:56)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[17211] 第三話
Name: カラス◆3e236f0a ID:966563b6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/11 22:10
茜色の空に浮かぶ雲やかもめを見ながら、なのはは小学三年生でありながら深いテーマに考え深けていた。
自分ができる事、自分にしかやれない事。
そのようなテーマを深く考え込んでしまうのは彼女のクセとも言えるものだ。
とは言え、友人と下校している時もそのように考えてしまうのはある意味悪癖とは言えない事もない。

「今日のすずか、かっこよかったよね。」

数時間前の体育の授業についてなのはの友人、月村すずかとアリサ・バニングスはとりとめのない雑談をしている。
1年生からの付き合いで、少女達は習い事などがあまり無い場合はこうやって森林公園を通って下校している。
しかし今日の森林公園はいつもとかなり違った風景を彼女達に見せ付けていた。

「え、何よこれ!」

アリサがそう叫ぶのも無理はない。
かつて綺麗な川の辺にあった柵はボロボロに崩れ、木で出来ていた支柱が灰になったものすら有る。
生い茂っている木の一部は穴だらけになり、地面には何かが爆発したかのような焦げ跡やクレーターのようなものも見られた。
本来戦争とは無縁であるはずのこの海鳴市に何かおかしげな事件が起こっているのかもしれないが、なのはだけにはその戦闘跡が何なのかはっきりと分かる。
それは夢に出てきた風景と同じ光景で、恐ろしい音を立てて砲が砲弾を吐き出し、容赦なく森ごと

「これは………ひどい。」

今朝見た夢は本当で、少年はここで命を落とした。
だとすれば様々な疑問が起こる。
夢の中に出現した軍隊は大々的に重火器や戦闘車両を使っていたはずなのに、その騒音はこの森林公園から近い自宅にも届くのではないか。
それだけの派手な行動に出ているのなら、警察も出動しているはずだしなのはの父が見ていた新聞にもそのようなそぶりはない。
つまり、夢が本当ならそれらの騒動は無音かつ短時間で行われたものである事は確かなのかもしれない。

が、それらは可能なのだろうか。
テレビで見た番組でも重機関銃対日本刀と言う企画で機関銃が轟音を起こしながら弾丸を発射する所はまじまじと見ていた。
それから考えるとあの三脚に乗せられた巨大な砲の音を消すことなど不可能だった。
ふと通学路を見ると、警察官のような男性が黄色いテープを張っていて、とてもそこを突っ切る事は不可能に見える。

「いやあ、ごめんね。ここから先は昼から立ち入り禁止になってるんだ。」
「なにかあったんですか?」
「それが、分からないんだ。そういう僕も殆どお手上げ状態。これだけひどい状態になってるのに朝まで通報も何も無かったのも不自然だろ?」

不安げにすずかが警察官に聞くと、警察官も困った顔をしていた。
曰くこの惨状は誰も気づかれずに行われた。
死傷者やケガ人は見られていない。
爆発物が一斉に爆発したかのような犯行なため、過激派集団の仕業ではないかと考えられている。
などの情報がなのは達に伝えられたがなのはたちは不安そうに顔を見合わせ、他の道を探すことにした。

「ほら、こっちこっち。ここを通ると、普段は近道なんだ。」

アリサが指を指した道は典型的な横道で、木が生い茂って道も整備されていない。
少女3人組が通るには用心の悪い道だが、人目に付き難いが故に子供達の遊び場になりやすい側面もある。
とは言え今はなのは達三人しか居らず、爆発物騒ぎのおかげか不気味なほどに静かだった。

「ここ、夕べ夢で見たような………。」

うっかりなのははつぶやいてしまい、何か言ってるのかと感じたアリサたちが振り向く。

「どうしたのよ?」
「ううん、なんでもない。」

本当は何かあるのだが、反射的に返事を返す。
夢でここを見た。なんて言ってしまえば怪しげな顔をされるだろう。
しかし、少女にとってこの場は夢のラストシーンで使われた場所であることは爆発跡から容易に感じることができた。
となれば少年の痕跡がどこかにあるはずなのだが。

「じゃあ、行くわよ。」

アリサが通行を促し、すずか達がそれに続く。
一部痛々しい傷跡が見える森を進んでいると、突然森のどこかからある声が聞こえた。
助けて、と少年の声が響いてくる。
おそらく同年代ぐらいの声で、何か聞き覚えが有る声だ。
その声ははっきりしていて、聞き間違いではないはずだ。
声にはっとしてなのはは立ち止まり、あたりを見回す。
さすがにその様子が気になったのかすずかやアリサは後ろを振り向いた。

「なのは?」
「今、何か聞こえなかった?」
「何か?」

アリサ達は不思議そうな顔をしている。
そのような声は聞こえもしなかったし、なのはの表情が変わったからだ。
そのなのは達の様子など知らず、声はもう一度響く
助けて、と。

「たぶん、こっち!」

声の響いた方向へなのはは駆け出した。
運動神経が切れているのではないかとされていた彼女には珍しくその足取りは確かなもので、驚いたアリサやすずかが追いつけないほどのスピードで走る。
ある程度走っていくと爆発跡の近くの木に、衰弱しきったフェレットのような動物が寝転がっているのを見つけ、足を止める。
そのフェレットは誰かに飼われているのか首に赤い宝石のようなものを下げていた。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.02298903465271