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No.16611の一覧
[0] エミノート(Fate×デスノート)[蒲生ゆひ](2010/02/19 03:12)
[1] プロローグ1[蒲生ゆひ](2010/02/19 03:53)
[2] プロローグ2[蒲生ゆひ](2010/02/19 03:54)
[3] プロローグ3[蒲生ゆひ](2010/02/19 03:54)
[4] プロローグ4[蒲生ゆひ](2010/02/19 03:54)
[5] プロローグ5[蒲生ゆひ](2010/02/19 03:55)
[6] プロローグ6[蒲生ゆひ](2010/02/19 03:55)
[7] プロローグ7[蒲生ゆひ](2010/02/19 03:55)
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[16611] プロローグ3
Name: 蒲生ゆひ◆980efe31 ID:4db69d89 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/02/19 03:54

『どうしたんだ、シロウ。
学校に行くなんて、お前らしくないぞ』

「たかが一週間学校を休んだだけで、随分ないいようだな、リューク」

『いや、だってお前、完全に引きこもり状態だったから。
もう学校辞めるのかと思ってた』

「辞めないよ。
この一週間は、聖杯戦争の情報を集めていただけさ。
見てくれよリューク、この右手。
既に令呪の兆しが出ている」











エミノート











教室に入ると、クラスメイトの大半が、ぎょっとした目で俺を見た。
さすがに一週間も休むと、みんな驚くか。

『しかし何だってまた学校に?
聖杯戦争はじまるなら、もういっそ一カ月くらい休んじまえばよかったんじゃないのか』

「まあ、そういうなよ、リューク。
俺だって学校にくらい行きたいさ。
それに、最近藤ねえの俺を見る目つきに、引きこもりに対しての憐みが見え隠れする」

席につく。
隣に座っていた、間桐慎二とかいう馬鹿が話しかけてきた。

「へい、衛宮。
随分と休んでたけど、どうしたんだ?
停学でもくらったの?」

「まさか、違うよ。
おたふく風邪だ」

「へ、へえ……」

こんなやつでも、ちゃんとコミュニケーションをとっとかないと。
あらぬ噂を立てられかねない。

「桜のやつに移してないだろうな?
まったく、なんだって高校生にもなってそんなもんにかかるんだよ。
そのまま死ねばよかったのに」

ぐだぐだ言ってくる慎二を適当にあしらい、授業の準備をした。





昼休み。
生徒会室に行く途中、この学校のマドンナ、遠坂凛とすれ違う。

「ごきげんよう、衛宮君」

「!」

突然挨拶されて、面食らう。
この女と言葉を交わすのは、これが初めてだからだ。
何か、こいつと接点があっただろうか。
いや……ないはず。

「あ、ああ、よお遠坂」

「目にすごいクマができてるわよ。睡眠は貴重よ」

そう言って、遠坂凛は去って行った。
なんだ、俺のクマが気になっただけか。

よかった。
俺に憑いているリュークが、見えたのかと一瞬思った。
相手はこの土地の管理者。
十分に注意しなければならない。


『……』





生徒会室に入る。
しかし、いつもはいるはずの一成は、そこにはいなかった。

「仕事か?」

まあ、いい。
さっさと食おう。

『学園生活を満喫しているじゃないか、シロウ』

「そうか?
普通に過ごしてるだけだ」

『ああ……とても、戦争が起こるとは思えない雰囲気だな』

「……」

戦争。
聖杯戦争か。

「リュークとしてはどうなんだ?
数多の神話、武勇伝から排出される英雄同士の戦争。
興味はあるか」

『ぶっちゃけないな。
神話とか、俺、知らないし。
ただ、お前がそんな中、どう動くのか、ただそれだけが気になる』

「そうか……リュークは俺の味方でも敵でもない。
俺は、この戦争でリュークには何も期待してないよ」

『当然だな』

「ただ―――これだけは教えてくれ、リューク。
このデスノート……英雄に効くのか?」





「仮にこのキラというのが出てきたら、どうする、凛」

「いやだから出てこないって。
何でそんなのがわざわざ、冬木にまで出張ってくるのよ」

「分からんぞ。
万が一、そいつがマスターとして参加してきたら、非常に厄介な存在にならないか」

「いや、なるけど……。
けど、ねえ。
キラは心臓麻痺で人を殺すんでしょ?
そういうのって、どうなの?
サーヴァントに効くのかしら」

「効くさ。
サーヴァントの急所というのは霊核―――頭、首、そして心臓だ。
そこを麻痺させられれば、それは霊体の維持に致命的な打撃を与える。」

「本当なの?
結構もろいのね、サーヴァント」

「君は心臓麻痺というものを舐めているな。
心臓麻痺で死んだ英雄というのも存在するんだぞ。
そもそも心臓麻痺というのはだな、心臓の血液供給機能が消失し―――」

「はいはい、分かったわよ。
そんな仮定の話より、紅茶入れてよ」





『まあ、分からんけど―――効くんじゃないか?』

「曖昧な返事だな」

『そうは言ってもなあ。
死神は霊体なんて相手にしないし。
でも名前がある相手なら、基本効くんじゃないのか』

「心臓麻痺も?」

『うーん、わかんね。
けどまあ、デスノートは心臓麻痺だけじゃないだろ、殺し方は多彩だ』

「……」

要領を得ない答えに、イライラする。
これでサーヴァントにデスノートが通じなかったら……。

まあ、別にかまわない。
それだったらそれで、マスター殺しに専念すればいい。
聖杯戦争の基本は、マスター殺しと聞く。
聞いた話によれば、うちのじいさんも、そればっかりやってたらしいじゃないか。
別に恥ずべき話じゃない。

まあ、名前を知る、ということが一番厄介なわけだが。





「それともう一つ。」

『なんだ、要求多いな』

「リュークの存在は―――誰にも、俺以外の誰にも見えない。
これは真実か?」

『まあ、そうだろ。
でないととっくにお前、魔術師に見つかってるだろ。』

「そうだな。
しかし、すごい魔術師が出てきた場合はどうだ」

『(すごい魔術師って……)
いや、それでも大丈夫だろ。
基本、霊だの何だのよりも、俺たち死神は上位の存在だ。
なんつーか、そう次元が違うっていうの。
一応神様だぜ、俺ら』

「そうか。
頼もしいな、リューク」

『俺は何もしないけどな。
まあ、今までその英雄たちの寿命さえも食ってきた俺たちだ。
そこんとこの心配はしなくていいと思うぜ』

「ああ。
この前提がないと、俺は戦えない」

『まあ、ノートに触れられた場合は、その限りじゃないけどな。
あの間桐桜とか、危ないんじゃないのか』

「桜はそんなことしないよ。
あいつが俺の机をいじるはずがない」

『(けっこう危ないと思うが……こいつ、妙なところで素直だな)』




「じゃあ、今日から聖杯戦争を始めるぞ、リューク」

『そう言いつつ、なぜまだ教室にいるんだ?
もうクラスのやつら、みんな帰ったぜ』

「一週間も休んだからな。
随分と課題を与えられたよ」

藤ねえめ。
覚えていろ、今日、お前のおかずにマカビンビンを混入してやる。

『いきなり出鼻をくじかれたんじゃないのか?』

「まあな。
今日は取り寄せてもらった召喚陣で、サーヴァントを召喚するつもりだったんだが」

あてが外れてしまった。

『っていうか、取り寄せてもらったとか……大丈夫なのか?
それ、キラとしての立場を使って、だろ。
住所とかバレバレじゃん』

「大丈夫だよ、リューク。
一応、いろいろと経由させたし、ごまかしも入れたからね。
それに、取引相手はキラ信奉者だ。
心配はいらない」

リュークが、こいつ……大丈夫なのか、という顔をする。
心配性な死神だ。

さて、そろそろ課題も終わる。
後はこれを職員室に届けるだけだ。

もう時刻は六時。
外は暗くなり始めていた。





職員室で、藤ねえと罵倒しあった後、帰路につく。

ふと、弓道場が目に入った。
ここでも色々あった。
桜と会ったり、慎二を影ではぶったり、美綴と勝負したり。
色々なことがあったが、まあ、辞めた身だ。
もうかかわることはないだろう。

でも、足は勝手に弓道場に向かう。
しばらくは学校に来なくなる。
最後くらい、いいだろう。





しかし、その一瞬の気の迷いが。
俺を、とんでもないことに巻き込んだ。

弓道場の、前。
グラウンド。

金網越しの世界で―――二体の人外が、剣を交わしていた。


「(ああああああぁぁぁあああああああ!!!)」

声にならない叫びが、僕の胸を圧迫する。

『どうしたんだ、シロウ。
とうとう、気が狂ったのか?』

しかしリュークには聞こえていたようだ。

違う!
やばいぞ!
あの二体、あれは明らかにサーヴァントだ!

この、サーヴァントもまだ召喚してない時点で、やつらに遭遇してどうする!?
デスノートは、現時点では無力だ。

そしてご丁寧に、この空間には誰もいない……たぶん、人払いの結界がはられてたんだろう。
そんな慎重な相手が、目撃者の存在を許すと思うか?
殺されるわ!

『に、逃げればいいじゃないか』

そうだ!
逃げるぞ!

と、俺は振り返る。
しかし、運の悪いことに、足元には小枝が。
パキリ、という音がした。

遠くで、声が聞こえる。

「誰だ!?」





『お前って、まじめだから分かりにくいけど、本当はすげえ馬鹿なんじゃないか?』
終わった……。

俺は逃げる気も起きず、その場にうずくまった。
俺は、デスノート以外ではろくな魔術も使えない一般人だ。
なすすべもない。

「悪く思うなよ、小僧」

そう言って、青い男は、赤い槍を振りかぶる。

『つまんねえなあ、シロウ。
俺がノートに書く前に、殺されるなんてな』

そう言ったリュークの顔は、本当につまらなそうだった。
最期に見る顔がお前だなんて、本当につまらないな、リューク。



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