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No.14218の一覧
[0] 【とらハ・多重クロス】高町静香のTS人生【ネタ】[陣](2013/05/02 10:31)
[1] 【ネタ】嫌いな要素を詰め込んでみた実験作【基本とらは】[陣](2012/06/06 21:50)
[2] まだまだ増える地雷要素[陣](2012/11/20 19:19)
[3] 分からないようなマイナーネタ、だがそれが(・∀・)イイ!![陣](2011/03/01 22:00)
[4] 地雷作品なので設定のすりあわせなんて考えません(・∀・)[陣](2011/01/02 01:49)
[5] ( ^ω^ )どうしてこうなった!?[陣](2009/11/29 19:17)
[6] 会話が厨二くさい、でも謝らない(`・ω・´)[陣](2009/11/30 23:04)
[7] 戦闘らしい戦闘は始めてかも?(´・ω・`)難しいね[陣](2009/12/02 21:59)
[8] 可愛いは正義(`・ω・´)[陣](2011/03/01 22:00)
[9] 番外:横島の憂鬱[陣](2010/10/24 22:05)
[10] ららいらーいらいららーいヾ(o゚ω゚o)ノ゛[陣](2009/12/06 21:55)
[11] 三人称注意[陣](2009/12/07 21:59)
[12] だが私は謝らない(`・ω・´)[陣](2009/12/09 20:04)
[13] 名前決めが難しい(´Д`;)[陣](2009/12/11 23:44)
[14] 主人公っぽくない能力やね(´・ω・`)[陣](2011/01/02 02:23)
[15] なんかこう書いてて違和感が…?[陣](2009/12/19 23:03)
[16] かよ子さん大好きです(`・ω・´)[陣](2011/01/02 02:29)
[17] 遅れてごめんなさいなんです(><)[陣](2009/12/30 19:03)
[18] 更新は不定期になります(´・ω・`)元からともいう[陣](2009/12/30 22:12)
[19] 先進まない(´Д`;)[陣](2010/01/07 23:46)
[20] 最長すぎた(´Д`;)[陣](2010/03/07 19:04)
[21] 復活(`・ω・´)復活なのでさらっと短編[陣](2010/03/09 15:15)
[22] 閑話的な感じで[陣](2010/03/16 18:34)
[23] 夕方、なのは帰宅後からスタート(・∀・)[陣](2010/03/25 19:19)
[24] 黒髪ポニーで料理上手でクールな美人お姉さんは好きですか[陣](2010/04/13 23:21)
[25] 俺のターン!ドロー!なんだこのカードは!?(|| ゚Д゚)ガーン!![陣](2010/05/29 23:15)
[26] 遊戯王知らん人は飛ばしても大筋問題ないですたい[陣](2010/09/05 19:10)
[27] 本編的な。暑すぎて死ねる[陣](2010/09/05 19:30)
[28] わたしのアルフは凶暴です(せいてきな意味で[陣](2011/03/01 21:44)
[30] 初代ポケ以外も好きだけど(`・ω・´)世代的に思い入れがね[陣](2011/05/29 20:33)
[31] おーまーたーせーしーまーしーたーすーごーいーやーつー[陣](2012/02/17 09:47)
[32] 「\ルナ!/\トリガー!/」[陣](2012/02/25 10:54)
[33] 原作なにそれ美味しいの?[陣](2012/03/01 19:01)
[34] 先に進まない、先の事なんて考えてないが[陣](2012/03/10 08:40)
[35] 強いられてるんだ!(色々と)[陣](2012/03/16 18:38)
[36] 追投稿と全削除の位置が誤爆しそうで怖い[陣](2012/03/23 19:04)
[37] ○と女のぱぴぷぺぽ~♪[陣](2012/04/18 21:44)
[38] 安藤奈津は洋菓子の専門学校での同級生にすれば良かったかも[陣](2012/05/07 19:43)
[39] 違和感感じてるのは静香だけ[陣](2012/05/18 07:40)
[40] 書きたいモノを完璧に書ける人はプロでも少ないハズ、ハズ……[陣](2012/05/30 10:57)
[41] 横島が爆乳音頭と静香を見比べています。コマンド?[陣](2012/06/08 12:11)
[42] P4Gを買ったがVITAを所持していない[陣](2012/06/16 08:50)
[43] OG2を買ったがPS3がない[陣](2012/12/04 18:18)
[44] 露骨な伏線、こなたは便利[陣](2013/05/02 10:30)
[45] あらすじとキャラ紹介[陣](2010/04/04 15:26)
[46] 番外編:ユーノの休日・その一[陣](2010/07/18 12:28)
[47] 番外編シリーズ2-1[陣](2011/03/01 22:03)
[48] 番外編シリーズ2-2[陣](2011/03/01 22:03)
[49] 番外編シリーズ2-3[陣](2011/04/26 20:51)
[50] 番外編シリーズ2-4[陣](2012/02/21 08:50)
[51] 番外編シリーズ2-5[陣](2012/03/03 17:36)
[52] 番外編シリーズ2-6[陣](2012/03/10 08:44)
[53] 番外編シリーズ2-7[陣](2012/03/20 23:34)
[54] 番外編2-8[陣](2012/03/26 07:37)
[55] 番外編2-9[陣](2012/03/26 07:46)
[56] 番外編シリーズ2-10[陣](2012/04/25 00:47)
[57] 番外編シリーズ2-11[陣](2012/04/25 00:48)
[58] 番外編シリーズ2-12[陣](2012/04/24 08:53)
[59] 番外編シリーズ2-13[陣](2012/05/11 09:09)
[60] 番外編シリーズ2-14[陣](2012/05/21 17:10)
[61] 番外編シリーズ2-15[陣](2012/05/30 10:57)
[62] 番外編シリーズ2-16[陣](2012/06/08 12:08)
[63] 番外編シリーズ2-17[陣](2012/11/21 14:24)
[64] 茶を濁す(`・ω・´) 没作品集[陣](2011/05/29 20:34)
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[14218] 番外編シリーズ2-13
Name: 陣◆cf036c84 ID:7d0b3044 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/05/11 09:09

「キモいからその表情辞めろ」

 手の中の水晶玉を強く握る。

「げへへへ…」

 静香ちゃんの膝枕が気持ち良すぎるのが悪いんや。俺は悪くねぇ。
 
 現在、ソファーの上、俺は静香ちゃんの太ももに頭をして横になっている。
 ソファーの端っこに静香ちゃんが座って、そこに俺が頭乗せて横になってる、上にライキが丸まってる。
 鍛えたからには30㎏のナマモノが乗ってようと全然へっちゃら大丈夫だけどさ、寝るなら余所行けと言いたい。
 纏、というか念ってすげーなぁ。まだ油断すると解けてまうけど。
 
 ま、そんな事もノーブラの静香ちゃんの胸を見上げるとどうでも良いけどね!
 しかも頭を優しく撫でてくれてる!
 もー堪らんねっ!
 部屋の中ではノーブラの方が気楽というのは本当だった!
 
 まあそれでもあんま外さない方だけどな、垂れるのが嫌って。
 垂れた乳は男でも嫌な奴は嫌だって言うし、無理ないけどー。
 静香ちゃんのなら例えピーでも愛せるぜ!
 けどいろんなおっぱいを(グラビア写真とかエロ雑誌とかエロサイトとかAVとかで)見てきた俺としては、静香ちゃんのおっぱいは全然垂れてない、てか綺麗、格好良い、びゅーてぃほー! だけどね、やっぱ気になるらしい。

「菓子食べるか?」

「およ? なんすかそれ」

 自分で大概全部作ってしまう人なのにな?
 念弾数個を器用に飛ばして俺の胸の上に、チョコロボ君とかかれた子供向けのお菓子の箱が落とされた。

「なんすかこれ?」

「ファンからの差し入れって奴だな。
 ちなみにパッケージされているそれ以外は全部捨てたぞ」
 
 こえー。
 アイドルか!
 そーいや銀ちゃん(俺の幼なじみのジャニーズアイドル、リア充は師ね)も髪の毛入ったチョコとかもらうのが怖いとか言ってたなぁ…
 カストロの野郎もこの前テレビに出てたし、ここの強豪選手は意外とそういう意味で地位が高いのかも?
 美形だけか、そうだとしても。
 
 ちくしょぉぉぉ! と昔の俺なら叫んでたろうが、今の俺には静香ちゃんがいるもんね!

「これ、一つっすか?」

「ああ、それ以外は色々と問題があったんでな」

「ちなみにこれくれたのどんな奴?」

「忘れた。子供だったと思うが……ああ、自分もバトルオリンピアに出るとか言ってた…ような?」

 膝の上から見上げる静香ちゃんの顔は本気で覚えてないと言っている。
 いちいち覚えてられんって事かも知れんが、俺は知ってるぞー。
 ショタコンの気がある静香ちゃんが覚えてないという事は美少年ではなかったという事を。
 ユーノばりの美少年だったら間違いなく覚えてるハズだしな。
 全く中坊になったユーノは男でも下手したら落とされそうな色気振りまいてたからなぁ…
 まあそれ以上になのはちゃんとフェイトちゃんがヤバかったが。
 中学にして既に女だったからなぁ…こわっ!

「ほら、あーん」

 空を飛んでる飛針で器用に封を切って、一つ摘んで俺の口へ入れてくれた。

 いやっふぉぉぉ!!

「っん…嘗めるな、バカ」

 静香ちゃんの白魚のような指まで嘗めてやったぜぇ!
 チョコロボ君はそれなりに旨いな、それはそれとして。

 いやいや長い道のりだった。
 恋人として付き合い初めてもう4年近く経つが、静香ちゃんの身体には一向に飽きない。
 最近はやたら甘えたさんになってますます可愛い。

 ソファーに身体を預けるように座り宙に浮かせている料理雑誌を読んでいる静香ちゃん。
 その膝に、太ももに頭を乗せて、纏の維持をしながらチョコを喰わせてもらう俺。
 そして俺の上で丸まってるライキは静香ちゃんの腕を支えてつつ眠っている。

 こんな事してくれなかったもんなー、昔は。

付き合う前

「あ?」←人も殺せそうな冷たい目

付き合い初め

「馬鹿か」←身内と俺以外解らない程微かに染まる頬
 勿論あーんしてくれない。



「ほら、あーん」←自然な笑顔、ただし身内と俺以外には無表情に見える

 って感じ?
 

 本当に付き合ってるのかと疑った時もあった!
 しかし!
 もう過去の全てが許せるねっ!
 おっぱいに手を伸ばしても揉んでも怒られない!
 おっぱい柔らかい良い匂いだぐへへへ。
 
 環境の変化ってやっぱ影響でかいんかねー?

 つきあい始めから『こっち』に来るまでの数年は、あまり甘えてくれんかった。
 えっちの時も俺のしたい事は殆どさせてくれたし、フェラとかも一生懸命やってくれたけど。
 頼っても甘えてもくれなかったんだよねー。
 本人的には甘えてるつもりだった行為は、こっちからすりゃ甘やかされてる行為って感じ?
 男に頼るのは格好悪いとかガチで考えてたよな、ありゃ。
 
 しかし『こっち』に来てから、特にくじら島出た後はもうね!
 たまらんね!
 思い出しただけで滾る!

 というか手に当たる胸の柔らかさと頭を撫でてくれてる手の柔らかさだけで滾る。
 良い匂いだしおっぱい柔らかいし。
 それはそうと『最近おっきくなってる』気がするんだが。
 静香ちゃん専門のおっぱいマイスターとしては気になる所だ。

 20も半ばになって増量中とか胸がない事で有名なアイドルとかが絶叫しそうやな、72さんだっけ?
 そういやあのグループはまだアイドルしてるんかな?

「鼻息荒いぞ」

「静香ちゃんの顔を思いだし――いて」

 宙に浮いて躍っていた飛針が頬を引っぱたいた。

「阿呆」

 全く、俺にだけは簡単に手を挙げるんだからなー、静香ちゃんは。
 まあ俺だけだけどなっ! なのはちゃんやユーノにも滅多に手を挙げないし。
 俺だけだぜー、ふへへへ。
 
「静香ちゃん愛してるっ」

「はいはい、私も愛してるぞ」

 棒読みだけど、これって随分進歩だぜ?
 二人きりの時でも滅多に言ってくれなかったしなぁ、昔は。
 
 右手で静香ちゃんのノーブラなオパーイを服の上から楽しみつつ、腹の上のライキの上に乗せた左手で水晶玉を握ったり回したりしている俺と、料理雑誌を宙に浮かせて読みながら俺の頭を撫でている静香ちゃん。
 週一のオフの日、俺達はまったりしてるのだ。

 まったりしながらも飛針と鋼糸も空で躍らせてるし、念弾とやらも大小併せて50近く浮いている。
 バスケットボールよかでかい玉もあれば、ビー玉よか小さいのもあるしアn――もとい、パールネックレスのように連なってるのも。
 フワライドの人形もいくつか浮いてたかな?
 
 で、ソレらを空で躍らせてる、これも念の力らしい。
 超能力とどう違うのかよく分からんが、オーラに覆われてるのは分かる。
 
 正確にはオーラで動かして遊んでいるというべき?
 オーラに覆われたネックレスがうにょうにょ揺らしたり躍ったり回転したり。
 手は一切動かしてないのに動くもんだねぇ。
 何が器用って宙に浮かしてる雑誌読みながら、宙に浮いてる奴らを見もせずに動かし、ページ捲るのにネックレスに捲らせたりしてるトコだよ。

 実にシュールだ。
 念弾と飛針と鋼糸、そしてフワライドが宙を躍っている様はゲームの一場面のようやね。
 時に規則的に、或いは不規則的に俺達の部屋を躍り続けてる。
 幻想的だけど別になー、俺、グラフィックにこだわるタイプのゲーマーちゃうし。
 隠とかいう念を見えなくする技術使ってるらしいがよう分からんて。
 
 まったりしてる時間にそんな事しなくても良いと思うんだけどねぇ。
 まあ胸の谷間に手を入れて乳の感触楽しむのに忙しいからどうでも良いけどねっ!

 今までは俺に隠してたが、もう隠す必要ないからこんな事してるらしいぞ。
 俺に水晶玉弄くらせてるのも含めて今後に必要な事なんだってさ、よお分からんけど。
 というわけで俺は手の中で水晶玉を弄びつつ、頭に感じる太ももの柔らかさと手でおぱーいに感じる柔らかさと暖かさを満喫するのだ。
 ぐへへへへ。
 
「動くな」

 ぐさっ
 
 おおおお!? 飛針がさくっと額にっ! バンダナ越しに刺さった!!?
 
「い、痛い…」

「もぞもぞされるとくすぐったくてかなわん。おとなしくしてろ」

「ういー」

 ちぇー。
 仕方ないので纏を維持するのに全力を尽くす。
 簡単っちゃ簡単だがまだまだ無意識に出来ないしな。
 最低、寝ながらこれが出来ないとダメらしい。

 静香ちゃんは宙に広げている料理雑誌に目を通す。
 しかしハンター文字ってのは読み辛くないんかね、俺は読み辛い。
 
 ひらがなみたいなもんだから読めないって事はないんだが、漢字に相当するモンがないからひたすら読み辛い。
 一応、ジャポンとか日本語が使用されている国もあるみたいだが、基本は世界共通語という変な世界なんだよなー。
 よくも世界統一語で運営出来ると感心するわ、マジで。

 あと漫画もあんまり面白くないんだよねー。
 静香ちゃんが言うには「日本が異常なだけだ」という事らしいが。
 割とマニアックな趣味なのかね? ゲームとかアニメとかも。
 

 ん? 今ならコスプレエッチとかしてくれるかも?
 なんだかんだ言ってゴスロリも着てくれたし。
 恥ずかしがってただけで嫌がってはいなかったもんね、アレは。
 うーん、股間がいきり立つ。

 おうっ?! ライキの尻尾がちょうどよく擦ってくれたぜ、ビビったわ。
 うーむ、ちょっと集中を解くと纏が解けるね。
 まだまだ静香ちゃんみたくはいかんか。
 
 もっかい纏と。
 今日は休養日って事で別にゆっくりしてて良いんだけどね。
 静香ちゃんがゆっくりしていながらも修行っぽい事してるから、こっちもあんまりねぇ。
 尻に揉みながらで良いんだから修行という程でもないけどなっ!

「んっ――こら、尻を揉むな」

「ええやないか減る物で無し」

 ふふん、右手は自由に尻も揉むぜ太ももも撫でるぜお腹も撫でるぜ。
 お腹はつまめる程余ってないのがちょっと残念なんだぜ、口に出すと本気で殴られるけど。
 抱き心地の良いスレンダーも良いけどちょっと余り気味も良い、ああなんて贅沢なジレンマ。
 裾の隙間から服の中へお手々が遊びに参りますよー♪
 
 ぴるるるる…
 
「む? 横島、電話だ」

「ゴンかな?」

 ライキをどかし、よっと身体を起こして壁にくっついている電話を取りに行く俺。
 折角のいちゃいちゃタイム邪魔しおってからに。

「もしもし?」

「あ、タダオ選手でいらっしゃいますか?」

「そーだけど? どちらさん?」

「私はテンクージャーナルのドイトと申します。
 シズカ選手はおられますか?」

「いるけど何の用だよ?」

「あの、ご本人様でないと――」

「そのご本人様から訊くように言われてるんだがな?
 まあ言えないなら聞く必要もないな」
 
 がちゃ
 
 ふー、思わずキレちまったぜ、屋上行こうや。
 天空闘技場の屋上はさぞ見晴らしが良いんだろうなぁ。
 
「何の電話だ?」

 雑誌から目を離しもしないで尋ねてくる。
 まあ興味はないんだろうな、ゴンじゃないのは解りきってるし。

「テンクージャーナルとか何とか」

「…ああ、雑誌の取材だよ。お前がいない時にも一回あった」

「初耳っすよ!?」

 雑誌の取材! アイドルか!
 
 …冷静に考えたらこの美貌と爆乳と強さで話題にならんというものおかしい気はするな、テレビ放映もされてるらしいし。
 まあ爆乳に関してはプライベート画像でも見ないと解らんだろうけど。
 戦闘服はがちで戦闘用なので、中の下着も含めて絶対揺れないように出来てるから必然、かなり中に押し込める形なんだよ。
 よって試合が終わって脱ぐと汗でぬれぬれな――は、いかんいかん。
 思い出すと押し倒してしまいそうだ、自重する。
 静香ちゃんは我が儘だからな、自分がヤる気にならない時は何してもしてくれないし。
 スイッチが入るとこっちが修行でぶっ倒れてようが潤んで濡れた目で、本来釣り目気味な目を垂れさせて撓垂れかかってくるのだ。
 
 反則過ぎる。
 普段はボーイッシュを通り越して男っぽい態度が、餌を強請る子猫のようにすり寄ってくるんやぞ!?
 耐えられるかっちゅーねん!
 
 あれ? 
 まてまてプライベートが流出するという事かそれは!?

「ゆゆしき問題っすよ!?」

「前にテレビの出演の依頼もあったぞ。女性闘士は少ないからな」

 本気で興味ないのか、膝の上で丸まってるライキの背中を撫でつつ、念で操作して料理雑誌から視線を逸らさない静香ちゃん。
 しかし心配だ、ヒソカみたいなのに狙われたらどうしよう!?
 しかもあんな強ぇなんて反則やろ!?

「安心しろ。断った」

「安心出来るわきゃねーでしょ!?」

 あああ俺の静香ちゃんが誰とも知れん変態に犯されてしまうかも知れん?!
 
 べしん!

 あいた!?
 オノレ念弾め!
 
「阿呆な事考えてないでそろそろ――…ちょっと退け!」

 おおっ!?
 いきなり立ち上がる静香ちゃんに、ライキが床へ転げ落ちる――
 いや落ちなかったけどね、器用にソファーの上へ着地しまた丸まってしまった。
 うーむ、肝が据わってるというべきか。
 
 と文句を言う間もなくトイレへ行ってしまった。
 
 花摘み?
 
 お? お?
 これは……花見に付き物、必殺モンジャストーム?!
 酒、は静香ちゃん飲まないし。
 病気か? 病気なんか?!
 
「おおお?! ライキ起きろ静香ちゃんが病気じゃ!」

「らい?!」

 ぴょこんっと耳を立て顔上げ、視線が交差するとぴょんと床へ飛び降りた。
 この反応の早さは凄いよな、今まで寝てたのに瞬きする間もなく臨戦態勢だ。

「どうするどうする!?」

 もちつけ俺! いや落ち着け!
 病気だとしたら、何したら良いんだ?!

「落ち着け馬鹿者」

「あいたっ!?」

 気付かぬうちに立ってライキの周りをうろついていたらしい俺の頭に、念弾が一個ぶつけられた。

「…どうも体調が良くないのは事実だが」

 口をタオルで拭いながら、空いたソファーへ座り直す静香ちゃん。

「騒ぐ程じゃない。見ろ」

 と視線を動かせば、自動だが手動だか動きまくってる飛針だの鋼糸だの念弾だの。

「そいつらを維持出来る程度には平気だ。騒ぐ程じゃない」

 嘘や-。
 いや、そこまで酷くないのはホントだろうけど、はっきりと青ざめてるべ、静香ちゃんの綺麗な顔が。

「らい! らぁい!」

 ライキも静香ちゃんのだぼたぼなハーフパンツの裾を咥えて引っ張って、ベッドへ行けと怒っている。

「分かった分かった、横になるからそう急かすな、ライキ」

 抱きかかえようとして? 一瞬身体を曲げようとしてそのままベッドへ向かい、横になる。
 よく分からん。
 そしてベッドの側、静香ちゃんが転げ落ちたら受け止められる場所へ陣取るライキ。
 忠犬ならぬ忠ネズミの鑑やな、全く。ふっといネズミだけど。
 
「すまんがトマトジュース持って来てくれ」

「ういー」

 最近よく飲むよな、トマトジュース。
 料理にもトマト関係が必ず並ぶし。
 いや身体に悪いもんじゃないし、俺も好きだから良いけどさ。
 
「らい!」

 と尻尾と手で念弾だの宙に浮いてるのを指し、怒鳴るライキ。

「分かった分かった」

 苦笑しながら静香ちゃんが手を伸ばすと、念弾が次々に手に吸い込まれるようにして消えて行き、フワライド人形と鋼糸、飛針が最後に纏めて手の中へ収まった。

「片しておいてくれ」

「うっす」

 受け取る俺。
 
「寝間着に……着替える必要はないか」

「このまま寝るさ」
 
 今の静香ちゃんはだぼだぼのハーフパンツにだぼだぼのオフショルダーのシャツ、そしてキャミソールのヒモがエロい!
 で、三つ編みのお下げと大分ラフな格好だ。
 ノーブラのおっぱいが揺れるぜ、可愛いぜ。仰向けに寝るとね、おっぱいがでれっと横に垂れる、エロい!
 服越しでも分かるってんだからなーエロスだなー静香ちゃんの身体は。

「トマトジュースは?」

「あ、今持ってくる」

 いかんいかん、見とれてしまった。
 もう数え切れない程裸だって見てるんやけどね、まだまだ見飽きない。

 居間まで行ってとりあえず手に持ってる色々をテーブルに置いてっと。
 …内線で先生達に連絡しておくか。

 あ、床に散らばったチョコロボ君をライキが食べてる、意地汚いぞ!
 まあ捨てるのも勿体ないから良いか。
 

****
 

「この――」

 ベッドの側で大きく息を吸い込む先生。

「大馬鹿者がぁぁぁ!!!」

 うおう!
 とっさに耳を塞ぐテーブルを囲んで座る俺とサダソ、貂蝉と、ベッドの上、先生の前で正座中の静香ちゃん。
 ……それなりに長いが、静香ちゃんが頭から怒られて反論一つしないで唯々諾々としてるのは珍しいな。
 ライキはボールの中だよ、説教の邪魔だから。
 
「おぬしがこんな阿呆な事するとは、流石に思わなかったぞ」

「いや、その……確信がなかったし……」

「では何故調べんのだこの馬鹿弟子がぁっ!」

 何故か師匠ぉぉ! という声が聞こえたが幻聴だろう。
 それにしても何に怒ってるんだ?

「先生、何をそんな怒ってんすか?」

 ……おい、サダソにまでこいつ何言ってんだって目で見られてるんだけど。
 
「最近トマト関係ばっかっすよね? 姐御」

「うむ」

「米料理の頻度が減ったのは匂いが気になるようになったからぁ、だったしからぁん?」

「ああ、そう言ってたな」

「で、お酒も飲まない姐御が吐き戻すようになったんっすよね?」

「うん。別に食い過ぎてないんだけどね、見てる限りじゃ」

「で、最近気怠げな感じだったかしらぁ?」

「色っぽいよね! 美人が気怠げにしてると!」

「……シズカ、こいつ馬鹿じゃろ」

「言われなくても知ってます……」

 なに、この集中視線の痛さ。

「……シズカ、月のモノは何ヶ月来てない?」

「2ヶ月ほど……」

「はい、どぉぞん」

 貂蝉から何か手渡されると、少し引いて、おずおずと受け取り立ち上がりトイレへ向かう静香ちゃん。
 凄いアレな顔してたな、そう、例えるなら赤点確実の試験を受ける直前の顔みたいな。
 
 ちなみに俺は高校三年、そして専門学校と赤点1度もないぜ。
 士郎さんが怖かったからなー。
 
 
 そして暫くして。
 
 
「……陽性、でした」

 喜んでるのか悲しんでるのか分からない、というか自分がまず分かってなさそうな静香ちゃん。
 全員でテーブルを囲む。
 ちなみに俺がコーヒー淹れた。ちょっとしたもんだぜ? 士郎さんに鬼のように仕込まれたからな。

「……とりあえず、おめでとう」

「はい……」

「……マジで?」

「ああ」

 えーと、おめでたという事はあーと、じゃない、えーと。
 あーと……
 
「いやっほぉぉぉぉぉ!!?」

 子供! 俺と静香ちゃんの子供!!
 
「マージーデー?! いやっふぅぅぅぅ!!!」

「落ち着け馬鹿者」

 痛ぇっ! しかしこの痛みすら今は喜び!
 テンション上げすぎて部屋の中飛び回ってたら杖で引っぱたかれてしまった。
 とりあえず気を落ち着ける為に椅子に座り直す。

「で、いつ産まれるの? 名前なんてつけ――ぶべらっ!?」

「落ち着けと言っておる」

 頬を突かれて超痛い、横島です。
 纏しててもこの痛さって、というか痛みを感じるまで何されたか分からない辺り、やっぱすげーわ先生は。

「で、シズカは何を悩んでいるのかしらン?」

 俯いたまま押し黙る静香ちゃん。

 これはアレだな、どうでも良い事とかどうにもならない事とかで悩んでるな。
 というか、静香ちゃんが顔や態度に出す悩みってそういうのばっかなんだけど。
 そしてなんで悩まないで即断するの? というような事は大抵終わってから聞かされる。
 なんという我が儘お姫様。
 
「あー、ちょっと席外してもらって良いっすか?」

「……まあよかろう」


****


「まさかデキ婚する事になるとは思わなかったすねー」

 椅子をくっつけて並んで座る俺と静香ちゃん。

「…うむ、余りみっとも良くないが、ここに至っては仕方有るまい」
 
 このアマ、俺が子供出来たから別れるとか言い出さないか、かなり真面目に怖がってたな。
 いつもならコレを出汁にエッチなお仕置きと行くが流石に今日はな。
 というか、妊娠初期は過激な運動だって駄目らしいのによくもまあ殺し合いの見せ物なんぞに参加したわ、全く。

 とりあえず精神的に不安定すぎる静香ちゃんの肩を抱き寄せ空いてる手で、服越しにお腹を摩る。

 しかし一昔前は「別れるなら好きにしたら?」と言わんばかりの態度だった事を思うと感慨深いモノがあるな。
 子供が出来たという事は、だ。
 天が裂けようが地が割れようが静香ちゃんが俺と別れる事はないという事なのだよ、ふふん。
 一部の根性あるタイプ以外の子供からは怖がられるけど、子供好きだしなー、まかり間違っても自分から離婚しようなんて言えないタイプだと言うのはお見通しなのだよ。
 だからってそんな阿呆な事はしないけどねっ!

「子供か~…想像もしてへんかったわ」

「…それは私も同じ事だ。
 ヤる事ヤってたのだから、出来て当然なのにな。
 安全日だからと言って妊娠しない訳ではないのだというのがよく分かったよ」
 
「イキが良すぎたかなー」

「…バカが」

 静香ちゃんから馬鹿戴きました! 我々の業界ではご褒美です!
 にしても声に力ないな。
 俺の肩に首から上を預けるように寄り添って、お腹を摩るのを許してくれているのだが。

「なーにが気にくわないんすか?」

「……その、私にまともな子育てが出来るかどうか…そもそもちゃんと産めるのか?
 もし、変な障害持ってたら……そもそも私が親になって良いのか?」

 うん、ホントどうでも良い事で悩んでた。
 正確にはどうにもならん事で悩んでた。
 なんだろーねー? 普段は即断即決速戦速攻で竹を割ったような性格してる癖にドツボにハマるとうじうじと。
 可愛いけどねー、憂い顔の静香ちゃん可愛い!
 
 だが一流の静香ちゃん研究家である俺は見抜いている。
 もっと別の何かで悩んでる事を。
 いや正確に言うとさっきのもホントだろうが、その根本的な原因を語ってない感じか?

「静香ちゃん――」

「んっ――」

 お腹を摩る手を顔に添えてキス。
 うむ、上手く行った。
 つきあい始めは(顔が)気持ち悪いわと殴られたりな……唇突き出したらあかんらしいわ。
 いやー静香ちゃんの口の中は旨いなー柔らかいなー。
 舌を絡ませるとおずおずと返してくれる、気持ち良いし美味しいし。
 トマトジュースの味がします。

 キスすると目を瞑っちゃう静香ちゃん可愛い。
 どうでも良いけど可愛いばっかだな、可愛いから仕方ないけど。
 一昔前は綺麗とか格好良いとかばかりだった彼女が可愛い! この感動を自慢したい。
 
「ふいー。静香ちゃんのキスは旨いなぁ」

「…ふん」

 ぷいっと顔を背ける静香ちゃん可愛い!
 と、いい加減マジにならんと。
 静香ちゃんは鋭いからな、こっちが洒落や本気にならずにやってる事にはまず本気になってくれる事はないのだ。
 逆に言えばマジで話せば本気で話してくれるのだ、話せる事なら。

 両手で静香ちゃんの頬を挟んで、こちらへ向かす。
 目を見る、綺麗な黒曜石の様な目。

「隠し事はなしよ? 大丈夫、静香ちゃんを嫌いになる事だけは絶対有り得ないから」

 じーっとこちらの目を見つめてくる。
 沈黙と視線が痛い、目を逸らしたくなる誘惑に耐えて見つめ合う。
 静香ちゃんの瞳がぶれる、揺れる。
 迷ってるなぁ。
 
 どれだけ見つめ合ってたか。
 ぽつり、と静香ちゃんのハスキーな声。

「………前世って信じるか?」

「…んー? まあ有っても良いし無くても良いし。今が大事なんで正直どーでも」

「あるんだ、少なくとも私には……前世の記憶が、ある。
 生々しく死ぬ瞬間までの記憶がな――」
 
「泣かんでもええがな」

「五月蠅い――お前に解ってたまるかっ! いきなり理不尽に殺されて!
 気付いたら今の私で! 前の人生を全て否定されたようなもんだ!」
 
「はいはい、落ち着いて。で、それがどうしたの?」

 ぎゅっと抱き締めると向こうからも抱き締め返してくれた。
 うほっ、ノーブラの胸が押し付けられてたまらん!
 アレだね、おっきくなったかもってマジだわ、妊娠のせいだ。

 うひっ首筋に噛みつかれた、てかキスされた。
 こそばゆいな。
 
「……前世の記憶があるんだ」

「うん、それで?」

「………」

「………?」

「前世の――俺は男だったんだ」

「それがどうかしたんすか??」

 がばっと俺の首筋に頭を預けてた静香ちゃんが身体を起こして、こっちをまじまじと見た。
 
「……男だったんだぞ?」

「前世はでしょ?」

 まー正直前世云々眉唾だが、念能力なんぞ見ればなぁ?
 元の世界でだって幽霊やら化け狐やらいたわけだし、あり得るかもとは思える程度の経験はしてる訳で。
 異世界とやらにも来てしまった。
 
 つかさー?
 中身が男だったとしても肉体は普通に女なのは俺がよーく解ってる事だし?
 だいたい中身にしたって前世って事はもう20年以上女の子してる訳で。
 ボーイッシュ通り越して男らしいトコあるなと思ってた謎は解けたけどねぇ?

「別に今更男になりたいとか言うんじゃないんでしょうが」

「そりゃあな……」

 ポッと頬を染める静香ちゃん可愛い!
 これはエッチぃ事考えた時の顔だな、誘ってるつもりはないんだろうけどさ。
 どう考えても押し倒してくれって言ってるよね、しないけど。

「だったら問題なし! 俺のお嫁さんなんだからそんなどーでも良い事気にしなくて良いっすよ」

 ぎゅーっと抱き締める。
 うーん、ノーブラの胸がけしからん程に気持ち良い。
 あれだけ筋力があってこんなに柔らかいんだから女の子…って年でもないけど、女の身体って不思議やねぇ。

 お、一度腕を解いて? おお、静香ちゃんが俺の太ももの上に座って来たー!
 しかし俺も強くなったもんだ、昔なら重くて呻いていたかも知れん。

 対面座位そのものな姿勢で、しがみつかれる俺。
 服越しでも感じるノーブラの胸の柔らかさとジーンズ越しに感じる尻の感触がたまらん!
 しかしここで押し倒したら色々台無しや。

「まあ……その、アレだ……
 色々思う所がないではないが……うん……」
 
「なんすか?」

 耳に齧り付いたら怒るやろーなぁ、耳は弱いからなぁ、静香ちゃん。
 部屋ではポニーでなくお下げにしたり、首の後ろで結うだけにしている綺麗な髪に手を通す。
 こんだけ長いのに一度も引っかからずにすーっと流れる辺り、凄いよなぁ。
 髪の毛の匂いもええ匂いやぁ…シャンプーの匂いだろうけど。
 ああ、しかし緊張の汗をさっきまでかいていた静香ちゃんのからd――
 
「聞け」

「ぐぇぇぇぇ!?」

 首っ! 首締まってるのぉぉぉ!?
 タップタップぅぅぅ!!
 
「阿呆な事考えるな!
 大体! こ、こっ! こういうのは! 男から言うものだ!」
 
 うえぇ…痣になってねぇかなって位締め付けおってからに…全く。
 
「こういうのって?」

「……」

 あ、逆鱗に触れたわ、俺オワタ。
 まてまてまて、折角孕ませたのに人生投げ捨ててどうする。
 やべ、久しく見なかった凍り付きそうな視線! ぞくぞくしてくるぜ!
 いやいや、ゾクゾクしてる場合じゃねーだろ。
 
 しかしこれは何をしたら…あ、ああ、そーいや。

「――結婚してください、静香ちゃん」

 ガキだけ孕ませておいてプロポーズしてなかったわ。
 ったく。男ならこんなん拘らんちゃうか?
 絶対自分で気にしてる程男の成分残ってねーよ、静香ちゃんは。

「――うん、喜んで」

 泣くほどの事じゃないんじゃね? 
 それともそんなに嬉しかったのか。
 そしてそんな静香ちゃんは有り得ない程綺麗に笑っていた。
 あー…これを惚れ直すと言うんだな、実感したわ。
 

****


妊娠発覚→告白。
TS多重クロスオリ主がトリップ先の異世界で妊娠出産はきっと初めての試み!(多分)

AA略「よく頭のおかしいライターやクリエイター気取りのバカが
「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが大抵それは
「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ。
王道が何故面白いか理解できない人間に面白い話は作れないぞ!」

という四次元殺法コンビさんの科白を噛みしめながら頑張ります。
それにしても四次元殺法コンビさんは良い事言いますね。


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