俺が転生・憑依してから一ヶ月も経っていない。
だというのになんなんだこのエンカウント率の高さは!
横島鍛えるとか人の事気にしてる場合じゃねーぞ、割とマジで。ああ、はやての方も自分で確認もせんと志貴に放りぱなしだった。
あと自分の念能力、思いついたんだが試す時間を寄越せ、割と切実に。
こんだけ立て続けに事件起こされたら生活の時間さっ引くと殆ど何も出来んだろうが常識的に考えて。
「ライ?」
口元に手を当て、こてんと首を傾げるライキ。暴れるだけ暴れてすっきりしたのかどことなくすっきりした風である。
「悩みが多いのがこの年頃なのだよ」
一頻りなでくり回しすと、嬉しそうにライライ鳴くライキ。癒されるぜ。
で、ここは郊外のそれなりに有名で高額なブティックの駐車場である。
やくざだか何だか知らんが、如何にも普通に生活してませんとでも自己主張している連中をなぎ倒し、鋼糸で全員の親指同士結んだ後、全員を一つに纏めて拘束したところでバニング家のSPどもが到着。
襲撃犯どもを片付けつつ、警察の対応したりしていた(と言っても警察は現場に入らせていない、何という権力)。
鮫島のじいさん57歳は実はまだ地面に倒れている。と言ってももう血は止まってるし、傷口も殆ど見えなくなってるのだが。ちなみに弾丸は二発とも抜けてるらしく、ユーノが張った結界の外に転がってたのをSPが回収した。
何故いまだこんなトコで寝てるのか? ユーノの張った結界が硬すぎて誰にも壊せないのだ。
ちなみにライチュウが剣の舞を踊った後ボルテッカーぶちかましても、小揺るぎもしなかった。
バリア貫通とか破壊とかそういう属性攻撃がない場合、「インド象を一撃で気絶させる電撃」を放つライキがブースト(剣の舞は自身の攻撃力を約二倍に上げる技)した上で放つ最強雷撃以上の攻撃力が必要というわけだ。
関係ないけど剣の舞を踊るライキはすげー可愛かった。剣の舞踊ってる最中に攻撃してくる奴に人の心はないんだと確信出来る位には。
それは兎も角、ユーノの魔力総量って自己申告でB+(総合Aだっけ?)だった筈(なのは・フェイトはAAA+)なのにこの堅さ。目立たないけどやっぱユーノも天才だわ。
ちなみにすずかも外に出られないのでちょっと困ってる。
なのはの携帯はフェイトに貸した為、なのはに連絡も取れないしなぁ。
「誘拐だなんて物騒な話だよね…」
フェイト→恭也→俺の携帯という経路でとりあえずアリサの無事は確認された為、美由希も多少は安心した風に話しかけてくる。
勿論、俺は飛針を、美由希も龍鱗を鞘に収めてはいないが。
「だからと言って小学生のアリサに、デビットのおっさん並のSPを常時貼り付けるのもアレだろう」
デビット・バニングス。アリサのパパである。
なのはが小学一年の頃、アリサをひっぱたいた件でうちの父と共に学校に呼び出された事が切っ掛けで、飲み友達だったりする。趣味のサッカーで気があって飲みに行ったりするようになったとか。
で、そんなデビットも普段はムサいSPに囲まれて生活している訳で。
それを娘に押しつけたいかというと、なあ。アリサも性格上、そういうのは嫌がりそうだし。
まあ所詮他人の家庭事情だが。
しかし鮫島のじいさん、普通の人だったのな。
こんな世界だから流派東方不敗の使い手でもおかしくなかったのに。
…こんな世界に普通のじいさん付けとくだけで娘放っておけるってのはやっぱそれなりに平和なのか? この世界。
「なのは達大丈夫かな」
「ユーノが死ぬ事はあってもなのはが死ぬ事はあり得んよ」
これは割と本音。
逆行までしておいて(意図した事でないにしろ)なのはを守れませんでした、等という漢ではないのだ。
まあユーノがジュエルシードで死ぬ状況ってのも想像……出来るな割と。
吸血鬼とか死神とか虚とかポケモンとかetc、割と死亡フラグが転がってるからなぁ、この世界。
「もう! そういう事言うの、静ちゃんの悪い癖だよ!」
ライキを抱っこする美由希。ライライ言いながらされるがままのライキ。
ホント可愛くてズルいぞ、全く。
「別にユーノが死んで良いとか言ってないぞ?」
「分かってるわよ!」
何をそんなに怒るのだ妹よ。
カルシウムが足らないのか、そうか、あんなに牛乳飲んでた時期があったのにな。
ぶろろろろ…
なんだ今時爆音上げてバイクとか馬鹿じゃねーの。
スピードの向こう側でも見てこいってんだ。
そのバイク――やたらでかいハーレーの後部座席にアリサとフェイトが乗ってるとかどういうジョークだ。
お、SPともめてやがる。まあ見ようによっちゃあのバイクの男が誘拐犯だし、フェイトはバリアジャケットのままだから良く言ってコスプレ状態だしな。
「美由希」
「もう、静ちゃんの面倒くさがり屋!」
「この後夕飯の支度をする私によくぞ言えるな?」
ライキを受け取り抱っこする俺。もふもふだぜ、静電気痛いけど。
「ごめんなさい」
最近の高町母は家事を俺に任せまくるから困る。その分、翠屋の売り上げも結構な事になってるらしいが。
美由希がメシマズじゃなかったら楽なんだけどなぁ。カレーを不味く作るとかどんな魔法だ全く。
お、ユーノの結界が消えたぞ。
「すずか、尋ねるまでもないが大丈夫か?」
ユーノの回復魔法の中にいて怪我なんぞしようがないしな。
「はい、大丈夫です。あの、なのはちゃんは?」
「そろそろ戻ってくるだろう。まあ、今週末にでも纏めて説明する、今は訊くな」
メンドイからな。
色々訊きたそうな顔をしてこっちを見てから、鮫島のじいさん、アリサと共にSP達に連れられリムジンに乗せられたすずか。
「静香、この人がアリサを助けてくれたの」
ハーレーのエンジンを切って、こちらに寄ってくるチンピラ風の青年。
ん? 何か妙な…?
今の俺はポニーを更に纏めてシニョン風にしてある、セイバーのお団子と一緒。理由は戦闘になるの分かってて腰まである髪を放置とかあり得ないだろ。
で、服は黒ずくめの皮の上下、キエサルヒマ大陸の黒魔術士の戦闘服といえば分かるかな。美由希も一緒である。
まあ荒事となるの分かってれはそれなりの装備で突入するという話。ちなみにもう最近物騒なんで、士郎の分も含めて翠屋のスタッフルームのロッカーに突っ込んであるのだ。
で、この兄ちゃんはなんでまじまじと俺にガンつけてるの?
お前さんの方が変な格好だよね?
というかこいつの服装ありえなくね?
肩のメタリックなのとかベルトのどくろとか、そもそもなんでジャケットの中にシャツ着てねーんだよ。
まだ春だぞ。しかも思い切り額と胸に傷跡あるし、めちゃくちゃ立ってるし。今日俺の伊藤かお前は。グローブもズボンも鋲が打ち込まれまくってて痛そうですね!
何というセンス。これが噂の暴走族か? 特攻の拓でももう少しまともな格好してね? いや有刺鉄線を腕に巻かれても困りますが、見た目的にも。
まあいい。
「高町静香だ、協力感謝する」
アリサを助けてくれたというなら悪い奴ではないんだろう、多分。
「ライ♪」
俺の腕の中からフェイトに飛びかかるライキ。
30㎏って子供にはちと重くないかね、ライキさん。案の定受け止めきれず尻餅をつくフェイトも可愛いな。
「あ…いや、大した事はしてねぇさ。
たまたま通りすがったから手を出しただけだしな」
「でもタイヤキ屋さん、こんなトコへ何を?」
「ああ、妹が誕生日が近いんでな。服を買いに来たんだ」
「タイヤキ屋?」
「静ちゃん覚えてない?
臨海のタイヤキ屋さん。チーズカレータイヤキとか変なの売ってる」
「…ああ、そういえばタイヤキ屋があったな? ここ数ヶ月行ってなかったが」
「その数ヶ月の間に、二代目タイヤキ屋さんってわけだ」
しかし美由希、本人目の前に変なのとか言うな。
「タイヤキ…ってなに?」
小動物よろしく俺の陰にいて、ライキと手を繋いでいたフェイトが尋ねる。
「お菓子だ。今度食べさせてもらおう」
「ああ、待ってるぜ……ところで、俺はアキラ、田所晃だ」
「改めて言うが、助かった。
日を改めてバニングス家からも挨拶に来るだろうが、今日は無理だろうな。
執事長が負傷してるし彼女の両親も海外に出張中だしな」
「ンな事はどうでもいい!」
いやどうでもいいのは分かったが怒鳴るなよ? あ? たどころあきら???
田所晃! タイヤキ屋! ライブアライブか! 一番主人公ぽく、かつ一番弱いと評判の主人公!
大好きでしたよ、あのゲームは色んな意味で! ブリキ大王の格好良さに俺涙目でしたよ!
まああのゲームは最高のトラウマ発生ゲームの一つだったけど。
…そーいやこの世界のゲーム事情なんて調べもせんかったな…テレビも見ない事に決めてるし。
ちょっと調べてみるか。まあLiveALiveを超えるゲームなんてもう出ないんだろうけどな、衝撃的に考えて。
ポケモンのゲームはありそうだよな、遊戯王のカードゲームもDSとかで出てたし、前世の世界でも。
ふう、落ち着け。この世界じゃよくある事だから。
あれ? こいつ読心術使えなかったっけ? ヤバくね?
「ふむ? 何か問題でもあったか?」
「――くっ!」
苦悶しながら頭を振り、がしっと俺の両手を取って、俺とアキラの胸の前で、自分の両手で包むように握るアキラ。
痛いんですけど?
「惚れた! 俺と付き合ってくれ!」
( ゚Д゚)ハァ?
「えええ!?」
美由希ウルサい。
えーと、SP達もほぼ撤収準備が終了したみたいだな。
アキラとの交渉は俺らに任せてもらうらしいから、先に帰ってくれて結構。
バニングス家に恥はかかせないという事でSP達には帰ってもらおう。
後は、ああ、なのは達に連絡取らないとな。フェイトの念話で連絡取ってもらわねば。
そーいやアルフは何してるんだ? なに、プレシアの手伝いで朝からいないとな。
なんか悪巧みしてんのか? まあオーフェンが側にいるなら悪い事じゃないのかも知れんけど。
という指示を、がしって両手を包むように握られたまま、美由希とフェイトに出す俺。
うん、ちょっと現実逃避したかったんだ。
しかし律儀に待ってたもんだな、顔赤いぞアキラ。
「で、熱でもあるのか? それともマタンゴでもキメたのか?」
あくまで本気にしない俺。当然だろう、常識的に考えて。
あと手を放せ。
「いや本気だ! やっと理想の女に出会えた!」
「静香! ユーノが怪我したって! なのはの所へ行ってくる!」
ええい、放せ!
「待て! ライキ!」
「(o`ω´o)ゝ ライ!」
敬礼しつつウィンクとはおぬしやるな。可愛いじゃねーか。
それは兎も角!
音を立てて懐から取り出したゴージャスボールに戻るライキ。そしてそれをそのままフェイトへ放る!
「真ん中のボタンを押せば中から出てくる!」
「うん!」
受け取ると同時にブリッツアクションでかっとんでいくフェイト!
アルフがいれば直接転移出来たんだがな。アルフがいない以上、使える戦力は使うべきだ、こういう時ポケモンは便利だな、バッチがなきゃ言うこと聞かないなんてゲーム的な制約はない訳だし。
あ、ポケモン図鑑はゲットしたぜ? 勿論、最初から全データ揃ってるし、ネットに接続して最新の状態維持出来たりするのだ。簡単なポケモンの性格診断も出来て、それによるとライキは「やんちゃ」らしい。物理型?
あと「ポケモンの公式試合」では各出場ポケモン毎に使用する技を四つ提出して云々と制約があるらしいんだが、別に普通にポケモンに命令する分には「四つ」以外にも覚えている技をがんがん命令して大丈夫らしい。
ま、明らかにゲーム的だしな、技が四つというのも。
勿論、ライキが覚えてる技も、図鑑で確認出来る。凄いハイテクだよな、この図鑑。ポケモンに向けるだけで色々分かるし。
「もう! 静ちゃんがあんな事言うから!」
「別に私のせいじゃないだろう」
いらんフラグ立てたのは自覚した、だが謝らない!
そんな事よりこの男どうするべきか。
「あー、田どこ――」
「アキラだ」
「た――」
「アキラだ」
「…アキラ、とりあえず君がマタンゴをやってもなく、別に脳みそが溶けた訳でもないと仮定して返事をするが。
少なくともそのファッションセンスをどうにかしてから出直して来い」
ジャケット羽織っただけでシャツも着ないで裸とか何考えてんだ。セクハラじゃ。
いや俺には別にセクハラじゃないですよ? 前世の自分の身体で見慣れてるし。
しかし、こんな奴と並んで歩きたいとは思わない訳で。
というか、こんな奴からよくタイヤキ買えるな。怖いぞ、結構。
「なら! 服を変えればいいんだな!」
一目惚れは原始人担当だったはずなんだがなぁ…凄い熱意だぞこれ。
あと俺の心読めるんなら本気で付き合う気がない事位分からんのか。
「いや別にそういう訳じゃない。
そもそも私には男と付き合うという意思がない」
「一目惚れなんて信じてなかったが! 一目惚れした上に俺の能力が効かない相手は初めてなんだよ!」
またなんか勝手にフラグが立ってたのか。勘弁してください。
読心術無効化とかどんだけ。俺は、少なくとも主体的には、能動的には何もやってないんだが。
そりゃあ必死にもなるかもな、一目惚れした上に、自分で心読めない相手とか。
心読めるって言えばHGS患者達もそうなんだが…フィアッセとかリスティとか知佳とか。
ああ、さざなみ寮見に行ってないな、そういえば。せっかくこんな世界に来たんだし一目くらいは見に行かねば。
しっかし…どうしよう?
そら美由希も困って呆然とするわ、しかしこいつもエロゲのヒロインのはずなのに浮いた話がないな。
恭也の事は正直諦めた方が良いと思うぞ?
「とりあえず落ち着け」
「落ち着いてらぁ!」
落ち着いてる奴は怒鳴らない。
俺が巨乳でポニーな美人なのは分かるが、声は低いわ背は高いわ無愛想だわ男っぽいわで魅力相殺してると思うんだが。
あと基本無表情だしな、怖いぞ正直。肩の後ろの二本の牛蒡を思い出し笑いしてたらフェイトにマジ泣きされたしな!
そしてユーノとなのはに詰め寄られて無罪を勝ち取るのに無駄な手間かかったわ! 全く。
「とりあえず、こんな状況だ。
その話は後で聞くだけ聞いてやる」
「おう!」
今はここらが落としどころか。
ユーノの事だからなのはの怪我は心配ないんだが…というか今のユーノがいてなのはが怪我するような状況じゃ誰がいてもなのはは怪我してるだろうし。
フェイトにライキもつけたし、アルフもフェイトが呼べば飛んでくるだろうし、心配は要らんはずなんだが。
要らないハズ、なんだが盛大に心配だな。
「へー、HGS患者なんだ、アキラも」
美由希が気楽にアキラと雑談してる。いい気なもんだ、いきなり告白された身にもなってみろってんだ全く。
「ああ、尤も医者にかかった事はねぇけどな。
俺の場合、知り合いの発明家が身体の検査とかしてくれたんだが、HGS患者にはあり得ない程力が安定してるんだと。薬も飲んでねぇし。
で、実験台にでもされたらかなわんからってその発明家が色々やってくれたって訳よ」
その割に藤兵衛に実験台にされてたような。
HGS――高機能性遺伝子障害者の英語読みの略称。
分かりやすく言うと超能力者になってしまう、或いは超能力者として生まれてきてしまう病気で、大概の発病者は実験所とか病院で生涯飼い殺しらしい。とらハ設定では確かそう。
社会的な影響や差別を防ぐため、病気自体の内情が世間には公表されていない、って話でフィアッセとかも世間には隠してるみたいだが。勿論、うちの家族はフィアッセも含めてHGS患者は数人知り合いにいるので、今更心が読まれる程度では騒がない。普通は恐がりそうなもんだがな。
…ところで超能力を持った子供が刑事のまねごととか特殊部隊みたいな事してそうなこの世界で、世間的に隠す意味とかあるのか? いやまあそれ言ったらうちのなのはさんとかもそうだが。
というか、だ。
ポケモンが火を噴くのは有りで人間は駄目ってその基準もあやしいよな、というかフェイト、普通に魔法隠す気ないだろ、そういえば。
口封じはバニング家にやってもらうしかないが…
あーもー考える事が多すぎ。
せっかくだからポケモンマスターになるぜとか気楽に言いたいぜ。
まあポケモン使って虚退治とかさせられそうではあるが。
「で、静ちゃん。どうするの? ここでなのは達を待つ? それともアリサちゃんトコの人に連れてってもらって帰る?」
「流石に俺のバイクでも大人三人はキツいな」
別に乗せろとは言ってない。
「そうだな。ちょっと待ってろ。五分待たせとけ」
なのはの携帯へ短縮ダイヤル、と。で、ワン切り。
戦闘中なら無視するだろうし、終わってるならこっちの携帯鳴らすだろ。
じゃじゃじゃじゃーん!
俺の携帯の着信音、みんな大好きベートーベンの運命が鳴る。という事は戦闘は終わってる、か。
「もし――」
「お姉ちゃん! どうしよう、ユーノ君が! ユーノ君が!」
おろ、錯乱してるな。なのはを庇ってユーノ負傷、フェイト(+ライキ)参戦で撃退、しかしユーノ負傷で動けず?
とするとなのはやフェイト程度の回復魔法じゃ追っつかない程度には大けがって所か。
まずは落ち着かせるか。
「喝!」
「ひっ!」
「ユーノはフェレットになってないのか?」
確かあいつは怪我でぶっ倒れたらオートでフェレットになるようレイジングハートに設定してるハズ。じゃないとアニメ一話が納得出来んからな。側にレイハさんがいないってなら兎も角、なのはも一緒だしな…
「そうなの! フェレットになっちゃったの! どうしよう?!」
……
「とりあえず、フェイトが場所知ってるから戻ってこい。今すぐだ!」
「はいっ!」
ぴっ
あれーおかしいなーフェレットVer見せなかったっけなぁ? 確か魔法の説明する時、家族皆の前でフェレットになって見せたような覚えがあるんだが……
…ユーノが怪我した事で落ち着きを無くして、トドメにフェレットに変わったという異常事態で錯乱?
可愛いっちゃ可愛いがマヌケだな。まあいいけど。
「ユーノ大丈夫?」
「とりあえず命に別状はなさそうだ。多分な」
死ぬんだったらむしろフェレットにならず死ぬだろうし。
「とりあえず車一台と運転手セットで置いておいてくれるよう頼んでこい。
後は撤収してくれていい」
ちなみにアリサ達を乗せたリムジンはとっくにここから立ち去ってるので念のため。
今残ってるのはアホども収容したトラックとか現場を封鎖してる連中とかだけだ。
ユーノがフェレットモードだと転移魔法で帰るのは厳しそうだし、足は確保しておかねば。
「怪我人なら俺が治せるぜ?」
そういえば白魔導師ポジションでしたね、アキラさん。
「頼む」
ホント回復系の発にしたいんだが放出系じゃなぁ。強化80%まで極められるとは言え、せいぜい自己治癒能力上げる位しか無理だろ、回復系の発は。
医者並の人体への理解があれば「相手の怪我している部位」を「細胞の増殖などを操作」しつつ「増殖スピードを強化」して「回復」とか出来そうだが、ンな知識はないしな、当然のことながら。
あ、今考えてる能力なら似たような事は出来るか。
色々試すかねぇ。制約と誓約は作った後からでも設定出来るみたいだし。
****
うーん、地雷地雷。
まあいいよね、実験だし(`・ω・´)地雷だし!
それはそれとして先に進まないのは勘弁です(´・ω・`)