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No.12261の一覧
[0] 機動戦艦ナデシコ ~守りたいもの~[黒](2009/09/27 16:26)
[1] 「ちょっとぶっ飛ばしてくる」[黒](2009/09/28 22:58)
[2] 「もうちょいマシなところに出してくれよ」[黒](2009/09/28 22:59)
[3] 「……尚更、負けられなくなった」[黒](2009/09/30 13:04)
[4] 「記憶がないんだ」[黒](2009/09/30 22:38)
[5] 「疲れる戦艦だな」[黒](2009/10/01 14:06)
[6] 「褒めてねえよ」[黒](2009/10/01 17:06)
[7] 「お前はそのままくたばっちまえ」[黒](2009/10/01 18:22)
[8] 「……悪くないな、こういうのも」[黒](2009/10/01 20:02)
[9] 「……喧嘩売る才能でも持ってんのか、お前は?」[黒](2009/10/03 15:26)
[10] 「……寝言は寝て言えよ」[黒](2009/10/04 16:02)
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[12261] 「……悪くないな、こういうのも」
Name: 黒◆527d4c14 ID:d0cffb4c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/10/01 20:02
何かを、殴打する音が聞こえた。それと同時に、食堂の前にいた軍人が倒れる。
殴った人物、アキトは落ちたライフルを取ると、

「じゃ、行ってくる」

と言い残し、格納庫へと走って行った。
……だが、少ししてから戻って来て、

「忘れてた忘れてた。ホシノさんとレイナードさん、それとゴートさん。一緒に来てくれ。良く考えたら俺一人じゃ絶対無理だ」

……どこか抜けているアキトだった。






「さて、と。行こうか、サレナ」

ゴートが抑え付けている間にブラックサレナに乗り込んだアキトは、軽くコクピットを叩いて操縦桿を握る。ブラックサレナの赤い目が光り、ゆっくりと動き出す。

『ゴートさん、後の指示お願いしま~す!』
「了解だ! 発進はルリの指示に従え!!」

アキトはゆっくりとカタパルトに行き、構える。

『テンカワさん、気をつけて!』
『大丈夫。馬鹿を一人救出してくるだけだからさ』

そう言い残し、スラスターを噴かせる。全速力で走ると、絶対にぶつかるから、少しずつ出力を上げていく。

『位置に着いて!』
『マニュアル発進。よーい、どん』

やる気のない声だな。などと苦笑し、直に表情を引き締める。

「ブラックサレナ、出る!!」

エステバリスよりも遥かに速い速度で、ブラックサレナは発進した。







「おいおい……チューリップいたのかよ?」

アキトは舌打ちし、スラスターを更に噴かす。その途中で、一機のヘリが見えた。疑問に思って通信を繋げる。

『あっ、アキト! また囮になってくれるの!?』
「……随分と行動力に満ち溢れたお姫さまだ事」

アキトはここまでの苦労は何だったんだ? と言わんばかりに溜息を吐き、

「ああ、もうそういうことでいいよ。だからさっさとナデシコに戻れ」
『うん! アキト、死なないでね』

言い残してヘリは飛び去っていく。それを見届けた後、

「……死なないよ、やっと『乗れる機体』に会えたんだからな」

アキトはスラスターを全開に噴かし、チューリップに向かう。





襲い来る触手を素早い機動で回避し、注意が引くように周りを飛ぶ。

「ちっ、キリがないな。せめてもう一機居ればなぁ」

ぼやきながら、再び接近する。触手を回避し、その触手をディストーションフィールドを展開して攻撃する。だが、まだ触手はかなり残っている。舌打ちして、再接近。

「ったく、パイロットって俺一人なのかよ? ……なんか、最初の方に一人居たような気がしたんだけど……」
『俺を呼んだかアキトォ!!』

そのとき、突然コミュニケが開き、

「が、ガイ!?」
『応よ!! ナデシコのエースパイロット、ダイゴウジ・ガイとは俺の事だぁ!!』

ナデシコから空戦フレームのエステバリスが一機飛んできた。多分、あれがガイの機体なのだろう。『ゲキガン・ウィ~ング!!』などと叫びながら触手を回避している。

「へぇ……中々いい腕だな」
『あたぼうよぉ!! さ~てアキト、とっととあの気持ち悪い奴を倒そうぜ!!』
「了解。……俺があの触手を引きつけるから、その間に触手を吹き飛ばせ」
『任せとけぇ!!』

その通信を最後にコミュニケを閉じると、アキトは口元を小さく歪め、

「……悪くないな、こういうのも」

呟き、スラスターを全開に噴かせる。そのまま常人では失神してしまうほどの速度で触手を避け、しかし自分に狙いを定めさせるために、一定の距離を保ち続ける。

『行くぜ~!! ゲキガン・フレアアアァアアァァ!!』

そして、ガイのディストーションアタックが、触手を全て薙ぎ払った。

『アキト、お疲れ様!! 後は私達に任せて!!』

ユリカのコミュニケが突然開くと、ナデシコはチューリップ目指して飛ぶ。

「ば、馬鹿!! 何考えてんだあいつ!?」
『アキト、あいつはお前の恋人だろ!! だったら最後まで信じてやれ!!』
「いや、恋人じゃねえし!!」

そんな話をしている間に、ナデシコはチューリップに入り込んでしまった。






そして、チューリップは破裂した。

「内側からの大砲。は、はは……。馬鹿かあいつ?」
『アキト、お疲れ様!! あ、ヤマダさんも』
『ダイゴウジ・ガァイ!! つーかアキト、お前顔が真っ青だぞ!!』
『え~!? アキト大丈夫? アキト死なないで~!!』
「原因はてめぇだ~!!」









「追いますか?」
「鈍足の本艦で追いつくのは不可能だ。作戦失敗だな」

ジュンの言葉にコウイチロウはどこか消沈しながら返す。ユリカが出て行く前の、好きな人発言で落ち込んでいるのだろう。

「しかし、テンカワ・アキト……少し前に聞いた覚えがあるのだが……」

コウイチロウは顎に手を当てて、唸る。

「ユリカ……」

置いていかれたジュンは、ただナデシコの、正確にはユリカの去っていった方角を、見つめていた。











「テンカワ・アキト……テンカワ・アキト……!! おお、思い出した!!」

突然、コウイチロウがガバっと顔を上げ、








「テンカワ・アキト! 嘗ての連合宇宙軍の中尉で、『機体殺し』のテンカワ・アキトだ!!」


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