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No.12261の一覧
[0] 機動戦艦ナデシコ ~守りたいもの~[黒](2009/09/27 16:26)
[1] 「ちょっとぶっ飛ばしてくる」[黒](2009/09/28 22:58)
[2] 「もうちょいマシなところに出してくれよ」[黒](2009/09/28 22:59)
[3] 「……尚更、負けられなくなった」[黒](2009/09/30 13:04)
[4] 「記憶がないんだ」[黒](2009/09/30 22:38)
[5] 「疲れる戦艦だな」[黒](2009/10/01 14:06)
[6] 「褒めてねえよ」[黒](2009/10/01 17:06)
[7] 「お前はそのままくたばっちまえ」[黒](2009/10/01 18:22)
[8] 「……悪くないな、こういうのも」[黒](2009/10/01 20:02)
[9] 「……喧嘩売る才能でも持ってんのか、お前は?」[黒](2009/10/03 15:26)
[10] 「……寝言は寝て言えよ」[黒](2009/10/04 16:02)
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[12261] 「褒めてねえよ」
Name: 黒◆527d4c14 ID:d0cffb4c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/10/01 17:06
アキトとユリカがブリッジに行くと、全員の視線が二人に向いた。どうやら、彼等が一番遅かったらしい。

「テンカワさん、艦長。もう少し早く来てくれないと困りますなぁ」
「ユリカに言ってくれよ、そういうのは」
「あ~、アキトひど~い!」

頬を膨らませるユリカに手をひらひらと振り、プロスペクターの隣りに移動するアキト。未だ頬を膨らませているユリカに、ミナトとメグミが近寄り、

「ねえ、艦長。アキトくんとはどういう関係なの?」

ニヤリと笑いながら聞く。隣にいるメグミも興味津々だ。

「アキトと? そんなの決まってるじゃないですか~。アキトは私が」
「艦長!!」

このままでは話が進まないと判断したのか、プロスペクターが怒鳴る。ユリカはしゅんとなって、申し訳なさそうに下を向く。

「え~、ではそろそろナデシコの目的地をお教えしようと思います」
「しつも~ん」

ミナトが手を上げる。……小学校か? そう思いながらも、プロスペクターはどうぞと促す。

「何で最初から言わなかったのよ? 普通、目的とかは契約の最初に言わない?」
「妨害者の目を欺くためですよ、ハルカさん」

アキトが腕を組み答える。アキトはプロスペクターを見る。プロスペクターが頷くのを見ると、一歩前に出て説明を続ける。

「これよりナデシコは、スキャバレリプロジェクトの一端を担い、軍とは別行動を取ります」
「で、結局どこに行くの?」

急かすミナトを宥め、アキトはフクベに一礼すると、スッと下がる。フクベは咳払いし、

「我々の目的地は、火星だ!!」

高らかに宣言した。









「それじゃあ、地球は見捨てるのですか!?」

それまで大人しかったジュンが、突然声を荒げる。それを見てアキトは溜息を吐き、ジュンの前に出る。

「そうは言わないさ。だが、火星の住人は? 資源は? まだ残っている可能性だってあるんだ。その救助のために、ナデシコは火星に行く」
「そ、そんな確率の低い事をするより、このままナデシコは地球防衛に使うべきだ!」
「つまり、火星の住人は見捨てる、と」
「そんな事は言ってない!!」
「言ってるだろ」
「ぐっ……」

黙ったジュンを見て、アキトはプロスを見る。プロスは頷き、

「では、これよりナデシコは火星に向けて発進します!」
「そうはさせないわよ!!」

突然の声と同時に、銃を持った軍人が大量にブリッジに入ってきた。
そして、少し遅れてムネタケが入ってくる。

「……何のつもりですか、ムネタケ副提督?」
「この艦は軍が地球防衛に使わせてもらうわよ!!」
「困りますなぁ。軍とのお話はすでに済んでいるはずですよ」
「あら、そうだったの? けど、これも軍の命令なのよ、悪いわね」

ムネタケはふふん、と笑い、アキトに近寄る。アキトは相変わらず腕を組んでいる。

「久しぶりねぇ、テンカワ元中尉」
「そうですね、ムネタケ中佐。ああ、今は副提督でしたっけ」
「相変わらず生意気な奴ね」
「お互い様ですよ」

ニヤリと二人は笑い合う。暫くするとアキトが口を開き、

「しっかし、ホントにムカつく人ですね。わざと大騒ぎして自分を無能だと思わせ、油断したところを突然の奇襲。ホント、あくどい事この上なしですよ」
「褒め言葉と受け取っておくわ」
「お好きにどうぞ。しかし、この人数で何ができます?」
「確かに何にも出来ないわね。けど……」

そのとき、ナデシコのモニターに海から現れる戦艦が映し出された。その名は、連合宇宙軍第3艦隊旗艦、トビウメ。
アキトやプロスペクターなどのネルガル職員以外が呆然とする中、モニターにカイゼル髭の男が姿を現した。

「こちらは、連合宇宙軍第3艦隊提督、ミスマル・コウイチロウである!!」

カイゼル髭の男、ミスマル・コウイチロウは告げる。アキトは苦笑してムネタケを軽く睨み、

「……ホント、あくどい事この上ない人ですね、あんたは」
「ありがと」
「褒めてねえよ」

とうとう敬語を使わなくなったアキト。だが、そこである事に気付く。

「ミスマル? ってことは……」
「お父様!!」
『えぇっ!?』

ユリカの衝撃発言に、全員が驚く。そりゃあそうだ。ユリカとは似ても似つかない。コウイチロウはユリカの姿を確認すると、










「ユウウゥゥウウゥウゥゥゥリカアァアァァァ!!」

涙を流さんばかりの大音量で叫んだ。

『ギャアァアアァアァアァ!!』

その余りの声の大きさに、全員が、ムネタケまでもが悲鳴を上げた。


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