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No.11062の一覧
[0] 帝国の影に生きる者[帝国軍衛士](2009/08/15 22:41)
[1] 帝国の影に生きる者[帝国軍衛士](2009/08/22 19:31)
[2] 帝国の影に生きる者[帝国軍衛士](2009/12/06 00:34)
[3] 帝国の影に生きる者[帝国軍衛士](2010/12/05 23:36)
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[11062] 帝国の影に生きる者
Name: 帝国軍衛士◆a3be3cf2 ID:0d91dbf1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/08/22 19:31
~帝国陸軍富士駐屯地~
「渡辺依々子大尉、転属命令を受け本日着任いたしました。」
私は大隊長以下部隊員の前で着任の挨拶をした。
「渡辺大尉、貴官を歓迎する。」と、特別任務部隊、通称フェアリーズの隊長、朝倉涼介少佐が代表して挨拶する。見た目はまだ幼さが残る。十七、八と言った所か。
「我々は教導部隊としての任務が主だが、時折重要な任務を与えられることもある。それだけ我々の技量が高いと評されているということだ。貴官にもそれを期待されていると言うことを忘れないでほしい。」
と続けて挨拶をする隊長。よく、この年齢で大隊長を務められると思う。
その後、部隊の編成や主要人物を紹介してもらった。
「我が大隊は四中隊に分かれて作戦を行う。第一中隊は私が隊長を勤める。第二中隊は朝倉恋大尉が、第三中隊は梶原剣一大尉が勤める。CPは朝倉悠大尉が勤めている。」隊長が紹介した三名が一歩前へ出てくる。ふと私は疑問に思った。四中隊あると言うのに三名しか各中隊長を紹介されていない。
「少佐、第四中隊の隊長はどなたが…?」と私は聞いた。「第四中隊の隊長、石塚中佐はもうここには居ない。」「では、昇進して別の部隊へ配属されたのですか?」「いや、先の新潟へのBETA上陸の際、要撃級にやられて二階級特進だ。そして君が彼の後任というわけだ。」と隊長は
言う。世間話でもするかのように。「わ、私がですか?」と思わず聞き返してしまう。「君の階級ならば、中隊長でも問題はないと思われるが?」「いえ、そのような問題ではなく、着任したばかりの人物を中隊長に置いても良いのですか?」「資料のデータを見る限りでは前の部隊でも隊長を勤めていたようだし、出来ないことは無いと思うのだが…?」などという遣り取りをする事数十分、結局私が第四中隊の隊長になってしまった。「では大尉、後で中隊の隊員と顔合わせをしておいてくれ。後ほど歓迎会をPXで開くことになるが…。」
などと、こちらの内情をちっとも気にしていない様子で少佐が話を進めている。気がつけば、私と隊長以外は皆解散している。
「我が隊の運用について少し説明する。基本、我々の部隊は他の教導隊と同様に仮想敵機として演習に参加する。だが、それはあくまで表面上だけの話だ。」表面上…。特殊部隊だけに演習だけではなく何かややこしい仕事をやらされるのだろうと前々から予測はしていたものの、改めて言われると少し緊張する。
「まず、我々の部隊に配備されている機体についてだが、全て不知火だ。」
うん、これについては問題ない。富士教導隊といえば、露迷彩の不知火が有名だ。それに私も前に所属していた部隊で使っていた。「だが、通常の部隊に配備されている不知火とは少し違う。センサーや装甲など、常に最新の物へ換装されている。」なるほど、最新の機材のテストをしているわけだ。「機体の迷彩も青を基調とした露迷彩ではなく、黒や灰色がメインカラーになっている。極力視認されないようにだ。」
それは少し残念だ。あの可愛い(?)青い迷彩ではなく、黒い露迷彩だからだ。「うん?何か残念そうに見えるが…。どうかしたか?」「いえ、何でもないです。」人を観察するのは得意なようで油断ならない。「BETAは色を識別しない。なぜ視認されにくい黒色なのかと言うと、我々が相手をするのはBETAだけではないからだ。」対人戦も仕事なのだろう。まさか要人の暗殺なども仕事でやっているのではないだろうか?「まあ、どこかの偉い人を闇討ちするようなことは仕事には入っていない。そこは安心しても良い。」あっさりと否定された。「最近の出撃記録を渡しておくから適当に見ておいてくれ。」
もう適当だ。配属初日は隊長との遣り取りで散々な目にあったのを覚えている。

歓迎会の後、私の副官の七瀬風香中尉から、明日私のために演習を行うとの連絡を受けた。着任して早々、忙しいものである。とりあえず自室に戻り、渡された資料を熟読する。少しでも
私が指揮を執る中隊、通称ピクシーズの部隊構成を見て私は驚いた。機体数九機というのは問題ない(もともと一個大隊三十六機を四中隊に分けている時点で知っていたので)。だが、隊員のポジションを見てみるとどうだ。私のポジションは左翼迎撃後衛。これは問題ない。しかし、他の部下はどうだ。強襲掃討四名、制圧支援が四名。戦力が偏っているなどという問題ではない。前衛が一人もいないのだ。
「大尉、ブリーフィングを始めますのでハンガーまで向かいましょう。」
やるというのであれば仕方がない。私は不安を残しながら部下達の待つハンガーへと足を向けた。

続く


次回更新は都合により9月下旬を予定しています
皆さんのアドバイスを有効活用できるべく努力したいです


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