☆サーヴァント解説
「”運命”の子供達」の冒頭でも書きましたが、本作に登場する英霊の設定や描写にはかなりの無茶があります。その辺について解説なんぞ書いてみました。何かの参考としてください。少なくとも、本編の描写をそのまま信じ込むことのないようお願いします。
クラス;アサシン
真名;日本武尊
マスター;碇シンジ
宝具;「草薙の剣」
12代景行天皇の第二子。父王の命を受けて熊襲・出雲・蝦夷を征伐、大和朝廷の日本支配体制を固めた。「ヤマトの勇者」という名前が示す通り、各地の地方勢力を屈服させた大和朝廷の軍事力を象徴化した存在であり、実在ではないらしい。実在するとしたら4世紀前半の人物(景行天皇の在位がそのくらいとされるので)。蝦夷征伐の帰路、悲劇の死を遂げる。
伝承では「身の丈2mを越える」とされるらしいが、それが本当なら「女装して宴席に紛れ込んで熊襲王を討った」って話が無茶苦茶になるだろ。だから実際は小柄で中性的な美少年だったに違いない。さらに妄想を進めて「実は男装の美少女だった」とすることに。
キャラ設定には氷室冴子の「ヤマトタケル」という小説を参考にしています。この小説で日本武尊が父王へ寄せる一方的な思慕がシンジのキャラとシンクロしました。シンジのサーヴァントはこいつ以外にあり得ません。外見は、アルトリアを東洋人にしたような凛々しい美少女をイメージしてください。ただし性格は腹黒です。
宝具「草薙の剣」は天皇家の三種の神器の一つ。元は素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した際にその尾から取り出した剣。その時の名は天叢雲剣。日本武尊が蝦夷討伐の際、草原で敵に焼き討ちにされそうになるがこの剣で草を刈って火打ち石で火を放って、逆に敵を焼き討ちとした。それに因んで剣は「草薙の剣」と呼ばれるようになったそうだが……草刈り鎌かこの剣は?
派手な能力を持っておらず宝具に仕立てるのに苦労したけど、「あらゆる攻撃を薙ぎ払い、打ち払う。持ち主に絶対の加護を与える」という属性を付与して宝具らしくしました。「月見草」の「月の浮かびし聖なる杯」というFateSSに影響を受けていたり。
クラス;セイバー
マスター;惣流アスカ・ラングレー
真名;ジークフリート
宝具;「怒れる神の剣(グラム)」
古代北欧神話の英雄。北欧名ではシグルズ。神話を題材にワグナーが叙述した悲劇「ニーベンゲルンの指輪」の主人公。
主神オーディンの血統で、父親はジーゲムント。ジーゲムントはオーディンに認められて剣を与えられ、数々の戦場で武勲を立てた。ジーゲムントがヴァルハラに召された後、ジークフリートはあるドワーフを養父として育つ。成長したジークフリートは養父の頼みで邪竜退治をする。その際竜の血を全身に浴びたジークフリートはどんな攻撃も受け付けない不死身の身体を手に入れた。養父の狙いは邪竜の持つ財宝だったため、ジークフリートは養父に殺されそうになる。が、不死身の身体のため殺されることなく、養父を返り討ちにした。
成長したジークフリートは騎士として取り立ててもらうために、フン族の王アッチラの宮廷に赴く(なおアッチラは5世紀前半の人間なので、ジークフリートもその頃の人物となる)。宮廷の重臣にその武勲を妬まれ騙し討ちに遭い、弱点を突かれて倒された。
アスカの血筋を考えればサーヴァントとして最適なのはやはりこいつだろうと思います。キャラ的には「Fate」の英霊エミヤとクー・フーリンを足して二で割ったような感じ。外見としては英霊エミヤの要素が強いかと。
宝具の神剣グラムは、父がオーディンより与えられた剣を材料とし、養父が打ち直して作成したもの。「グラム」は「怒り」を意味し、「オーディン」という名も「怒り」を意味するとのこと。剣の能力がいまいち判らなかったので、
とにかく凄い剣と描写。
クラス;バーサーカー
マスター;綾波レイ
真名;ヘカトンケイレス
宝具;「異形の巨神」
ギリシア神話の神々の一つ。ガイアとウラノスにより生み落とされるが、ウラノスに忌み嫌われタルタロスに幽閉される。後にゼウスに救出されてその軍勢に加わり、クロノス等ティターン神族と戦う。ゼウスはこの戦いに勝利し、オリンポス神族が全世界を支配することとなる。その中でヘカトンケイレスはティターン神族を幽閉したタルタロスの番人となった。
一番最後まで決まらなかったサーヴァント。「魔道技術により製造された」「非常に下らない役割を押しつけられながらも、それを全うした」という条件で探したけども適当な英霊がなかなか見つからず。結局ギリシア神話を強引に歪曲して彼にバーサーカーをやってもらうことに。結果的には山本弘の「サーラの冒険」の影響が見られるかな、と。
レイは触媒なしでこいつを召還しております。上記の条件でレイとの共鳴があったわけです。
100本の腕と50の頭、というヘカトンケイレスの姿をそのまま宝具に仕立てる。首を50個斬り落とされても即時再生する回復能力が宝具「異形の巨神」。ますますバーサーカーっぽくなって良い感じです。
クラス;ランサー
マスター;葛城ミサト
真名;ロンギヌス
宝具;「世界を征する神の槍(ロンギヌスの槍)」
イエス・キリストと同時代のローマ軍の百人隊長。十字架に架けられて処刑されたイエス・キリストの死を確認するために、その脇腹に槍を突き刺す。ロンギヌスは盲目の兵士だったがイエスの聖なる血を受けて目が見えるようになる。神の奇蹟に触れたロンギヌスはキリストの信者として回心。その後カッパドギアを宣教中に偶像崇拝を拒否して捕らえられ、処刑された。後に殉教者として崇拝されるようになる。
ミサトを教会の代行者としたのでそのサーヴァントはキリスト教関係。クラスをランサーとすると、こいつか聖ゲオルギウスくらいしか選択肢がないかな、と。異英霊召還としてはありふれた選択だったようで、もうちょっと工夫すれば良かったかと今になって思います。
宝具「ロンギヌスの槍」もあまり工夫がなく、
とにかく凄い槍と描写。二又だったり変形したり自力推進したりすれば面白かったかも知れません。
クラス;キャスター(「7日間の黙示録」)
クラス;アーチャー(「”運命”の子供達」)
マスター;赤木リツコ
真名;オイディプス
宝具;「呪われた神託」
ギリシア3代悲劇の一つ、ソフォクレス「オイディプス王」の主人公。
テーバイ王ライオスはデルフォイの神託により「子を作ればその子は父を殺し母と交わる運命にある」と予言され、生まれたばかりのオイディプスを山中に遺棄する。オイディプスは羊飼いに拾われ、やがてコリントス王の実子として育てられた。
ある時「父を殺し、母を妻とする」と予言され、それを避けるためにオイディプスは故国を捨て旅に出る。だが旅の途中で出会ったテーバイ王ライオスをそうとは知らず殺してしまう。さらにテーバイに辿り着いたオイディプスはスフィンクスを退治。その功績により未亡人となっていたテーバイ王妃イオカステを妻とする。後に全ての真実を知ったオイディプスは自らの所行を悔い、何も見ていなかった両目を自ら潰し、流浪の旅に出た。
「リツコに相応しいのはどんな英霊か?」から決定されたサーヴァント。我ながらこの選択はヒットだったと思うけども、オイディプスには適当な宝具がない。仕方ないのでデルフォイの神託と一体化してもらい、「口にした神託がそのまま実現する」という宝具「呪われた神託」をでっち上げました。はっきり言って無理が許される範囲を越えている感がありますが、面白い種類の宝具となったので結果オーライと思ってください。
クラス;アーチャー(「7日間の黙示録」)
クラス;ライダー(「”運命”の子供達」)
マスター;加持リョウジ
真名;クリシュナ
宝具;「天をも滅する神の矢(ナラ・アストラ)」
元々は紀元前7世紀のインドで活躍した実在の人物。ヤーダヴァ族の精神的指導者として新しい宗教を説き、その神をバガヴァットと称する。死後、クリシュナはバガヴァットと同一化され、神格化した。クリシュナ信仰はインドの民衆に広く浸透し、現在でもインドの民衆の間で最も親しまれ愛されている神となっている。
インドの主神ヴィシュヌの化身の一つとされる。また「マハーバーラタ」では主人公アルジュナの戦車の御者となり、またアルジュナを精神的に導く役目も果たす。
加持のサーヴァントをラーマにするかクリシュナにするかなかなか決まりませんでした。当初はラーマを出す予定にしていて、宝具は当然ながら「人がゴミのようだ!」のあれ。けどシーター一筋のラーマよりも性愛に奔放なクリシュナの方が加持向きと思い直し、ラーマ退場。
ただそうなるとクリシュナの宝具というのが探してもなかなか見つかりませんで。
ネットで見た範囲では「アグネアの矢」と「インドラの矢」と「ナラ・アストラ」が同一の物だという
根拠はありません。さらにクリシュナがそれを使えるという保証もありません。ありませんが、「まー使えんこともなかろう、えいっ」て感じで勢いで書いちゃいました。手屁。
「アグネアの矢」は「マハーバーラタ」に登場する武具で、「古代インドで核戦争があった!」という超古代史愛好家によく愛されています。「ナラ・アストラ」の出典はまた別ですが、その描写は弾道ミサイルのそれを思わせるものです。
クラス;キャスター(「”運命”の子供達」)
マスター;渚カヲル
真名;ソロモン
宝具;「七十二の精霊」
前10世紀・古代イスラエル王国の3代目の王。ダビデの息子として王位を継いだソロモンは粛正により反対派を一掃、王権を確立する。
ソロモンの神殿を始めとする神殿・宮殿の建設を行い、王朝は栄華と繁栄を極めた。だが土木工事等の重圧に民衆は耐えかね、ソロモンの死後にそれが爆発。王国は南北に分裂し、衰退した。
ソロモンの英知や王朝の栄華は「シバの女王」のエピソード等に象徴されている。ソロモンは後世のユダヤ教やイスラム教の書物では卓越した賢者としてだけでなく、精神世界を支配する力を持った人物として描かれている。また、ソロモンは数多くの精霊・悪魔を封印し使役し、数々の奇跡を起こしたとされている。宝具「七十二の精霊」はソロモンの使役する精霊が宝具と化したもの。
クラス;アーチャー(前回の聖杯戦争)
マスター;碇ゲンドウ
真名;ダビデ
宝具;「巨人討つ神の礫」
前10世紀・古代イスラエル王国の2代目の王。ペリシテ人との戦争の際、羊飼いの少年だったダビデはただの石投げによりペリシテ人戦士・巨人ゴリアテを討ち果たす。初代王サウルはその功績を讃えて臣下として重用するが、後にその人気を妬むようになった。粛正の危険を感じたダビデはペリシテ人側に亡命。サウルの死後にイスラエルに戻り、内戦の末に玉座に就く。ソロモンに続くイスラエル王国の黄金時代を築いた。
前回の聖杯戦争にゲンドウのサーヴァントとして参加。最後まで生き残り、受肉化する。人間としての名前は渚カヲル。
「ゲンドウのサーヴァントで受肉化した英霊」を出したいと思った時に、即座にカヲルを英霊とすることに決定。ダビデ王の人物像はあまりカヲルらしくなくむしろ加持の方が相応しいような感じだけど、気にしない。白髪紅眼であるべき理由が何もないけど、気にしない。
ゴリアテを討ち果たした石投げが宝具と化して「巨人討つ神の礫」となる。この宝具で投げるのは本当はただの石ころのはず。でもそのまま描写したなら地味さのあまりギャグになってしまうので(「巨人討つ神の礫! えいっ!」こつーん「ああっ、バーサーカーがただの石ころにっ」……てな感じ)絵としての派手さを優先して魔力弾を撃ち放つ宝具とする。
クラス;ライダー(「7日間の黙示録」)
マスター;渚カヲル
真名;黙示録の四つの封印
ヨハネ黙示録に記述されている、封印されし4人の天使。天使が騎乗するのはそれぞれ白・赤・黒・青の馬で、彼等には「地の四分の一を支配する権威」「剣(戦争の象徴)」「飢饉」「死」によって人々を殺戮する権威が神より与えられている。
「神の抑止力」の中でも最上位に位置する普通なら召還は不可能。アレックスが召還したのは言わば四つの封印の形骸に過ぎないが、それでも普通のサーヴァントを遙かに越える力を持っている。