取り合えず叫ぼうかな第37話
チクリ、チクリ。
さて、出発準備といっても特にこれと言って準備するモノは無い。
何せ必要な物は全て影か、或いはカバンか魔法球の中にしまいこんでいるので、好きな時に出せる。
まぁ、無いモノと言えば父さんがくれた熱い思い、母さんがくれたあの眼差しぐらいか。
ついでに言えば、カバンに一切れのパンが入っていればパーフェクトだろう。
と、まぁ既に天空都市に行った後なのだがなんとも。
更に言えば、空から降ってくる女の子にもなったし。
チクリ、チクリ、チクリ。
まぁ、それにこれから行く旧世界では、早々騒動には巻き込まれないだろう。
なにせ着る服にも気を配り、できるだけ目立たない物を用意している。
例えば修道士が着るローブや、麻製の質素な服、他は商人なんかが着そうなボチボチ豪華な服。
まかり間違っても、ゴスロリ服を着てそこいら辺をうろつく様な真似はしたくない。
そんな事をすれば、下手に目を付けられるは、カモネギ的な感覚で取り入ろうとする奴等が出るかもしれない
更に言えば取り敢えずは10数年、エヴァの家を燃やしてそれだけ経つが、逆を言えばまだそれだけしか経っていない。
つまりは、今の俺を見られると没落貴族と言う、割と利用価値の出る存在となる。
まぁ、知識を漁ってみればエヴァの家計は由緒正しくな家系なので、価値だけ見れば更に急上昇。
が、そこまで恐れる事もまぁないだろう。
チクリ、チクリ、チクリ、チクリ。
「よし出来た。お前達はどうだ?」
そう、煙を吐きながらキセルを口から離し、
横で同じように縫い物をしているディルムッドとロベルタの方を見れば、
「私は終わりました、チャチャゼロさんは?」
「俺の方も終わったよ。しかし、ミスリルなんて便利なものがあるとはな。」
そう言いながら、ディルムッドは自身で作ったローブを見ている。
まぁ、そのディルムッドの発言には少々訂正する所があるのだが、
「あくまでモドキだよ、ミスリルモドキ。
本物なんて見た事ないから似たようなものを作っただけだ。
後、壊すなよ。これ1つで旧世界なら庭付き一戸建てぐらいなら買えるかも知れん。」
ミスリル、別名は妖精の銀と言うゲームでおなじみのあれに似た物を作ったのだが、
錬金術製品と言う事で洒落にならないぐらい豪華である。
何処がどうといえば、材料である銀、それに遺跡めぐりで手に入れた魔力妨害岩に後は鋼、その他もろもろの薬品類。
妨害岩はゴロゴロしているから問題はないのだが、銀や薬品は別。
しかも、作り出して結構な量失敗もしているので、懐への打撃は強力。
それでも何とか完成にまでこぎつけて、今はミスリルモドキを糸にして、
それを紡いで布にし、ようやくローブやらジャケットやらに仕立て上げている。
まぁ、その過程でゲームなんかでミスリルが出たら、絶対に売らないようにしようと心に決めたのは記憶に新しい。
ついでに言えば、属性付加もたぶんミスリルなら楽に出来るだろうが、あいにくまだそこまでするだけの技術はないので、
今の所で言えば、これが出来ただけでも十分だろう。
「しかしエヴァ、これの強度はどれくらいになるんだ?
一番新しく貰っていたコートが確か重鎧ぐらいだっただろ?」
そう言いながら、自らで作ったコートをヒラヒラさせている。
「ふむ、一応の強度は鉄板1センチ分ぐらいだな。
ただ、それが固定されたものじゃなくてヒラヒラ動くから体感的にはもっと上になる。
あと、対魔法防御効果なんかも付加されているからボチボチ魔法攻撃にも耐性があるが、
旧世界なら魔法防御よりも、単なる切れない布だと思ってくれればいい。
ちなみに、素が素なうえに燃えない様に作ったから火にも強い。」
そう言っている横では、ロベルタが布を両手でパンパンと引っ張ったりしている。
「確かに丈夫ですね。
しかし、お嬢様これだけ丈夫だと次に加工するのが大変なのではないですか?」
そう言いながら俺の方を見てくる。
まぁ、確かに俺もこれはどうしようかと考えたが、なんて事は無い。
「矛盾だよロベルタ。ミスリルモドキを加工する時は、ミスリルモドキのハサミを使って切って、
縫い合わせるのもミスリルモドキの糸なら、針もミスリルモドキの針だ。
いくら硬かろうが丈夫だろうが、同じ物質なら一方的に負けはせんだろ。
しかも、布とハサミや針では強度も違うしな。」
そう言うと、ロベルタは使っていた針やらハサミなんかを見て、
「お嬢様、ミスリルモドキに余りはありませんか?
ナイフを1~2本ほど作りたいのですが。」
そう言ってきた。
ナイフか、確かにあのフォーク捌きなら十分使えるだろう。
「いいぞ、ただ・・・。」
と、俺が言葉を続ける前に、
「分かっております、ナイフは斬ってこそのナイフ。
ナイフ格闘で突くのはあくまで殺すときのみ。
具体的には左肋骨より斜めに刺し入れるか、もしくは左鎖骨より15度に差し込むか。
或いは背後より背骨に沿わせて頭部を狙うかですね。
それに、斬った方が両手の動脈等が狙えるので有利です。」
そう、にこやかな笑顔で言っているのだが、
内容自体は物騒極まりないな、ついでに言えば言いたかった事ともちょっと違うし、
「いや、まぁ、それはいいんだが。
ナイフ自身の強度が問題でな、いくら硬くとも絶対的に硬い訳ではないから注意してくれ。」
そう言うと、『かしこまりました。』と言って、腰をあげて研究室の方に歩いていった。
まぁ、強度に疑問は残るが、ミスリルモドキでナイフを作れば弱い魔法ぐらいなら切れるだろう。
ただ、ナイフを持ったロベルタは似合いすぎていて、背中が薄ら寒いような気がする。
と、まぁそんな感じでナイフなんかも作り、準備も完了していざ旧世界へ。
服装としては、俺が黒っぽいスカートにブラウス、そして作ったローブをまとって、
首の後ろで大きめのリボンで髪をまとめて出来上がり、年の頃は大体17歳前後ぐらいに化けている。
ディルムッドは茶色っぽいズボンに白のワイシャツにベスト、後ロングコートを着て眼鏡をかけて出来上がり。
そして、ロベルタが尼服にシスターキャップ、髪は1本の三つ編みにして肩からたらし、
作ったナイフは背中に仕込み、すっぽりとローブを羽織っている。
一応コンセプトは宣教師のロベルタと、それに付いて回る夫婦と言った所。
最初は俺の方が修道女が似合うとロベルタは言っていたが、吸血鬼が尼服と言うのは流石に不味いだろうと言う事でこうなった。
それに、修道女だと色々と動きづらそうだしな。
ついでに言えば、設定上はディルムッドの職業は薬の行商人で、俺は医者と言う事になっている。
そして、ゲートを使い旧世界へ到着。
「ロベルタ完成の理想を掲げるために!我が悲願成就のために!旧世界よ!!私は帰ってきたーーー!!」
「エヴァ、叫ぶのはかまわないがあたりは何もないぞ?」
「お嬢様、そんなにも私の事を・・・・、うぅ。」
自身を奮い立たせるために、核弾頭を打ち込む勢いで叫んでみたが、
霧の中で叫んだので当然がごとく聞いているヤツはいない。
まぁ、いたらいたで叫ぶ事は出来ないのでよし。
そして、そんな叫んだ俺をやれやれと言った感じで苦笑しながら見るディルムッドと、
涙は出ていないが白いハンカチで目じりを押さえるロベルタ。
「まぁ、決意表明みたいなものだ。
心にしまうのは思い、声で叫ぶのは決意。
ついでに言えば、今お前達が聞いたから更に決意が固まった。」
そう話しながら霧の外へ向けて歩き出す。
一応、霧の中から空を見た時は太陽が出ていたが、
霧を出るとうっそうと茂る木々の所存で日の光はほとんど届かず薄暗い。
ついでに言えば、不気味な動物達の声や虫の声。
これだけそろっていれば、わざわざこんな森の奥にまで入り込む輩はいないだろう。
ついでに言えば、今が中世なら森は死の国だと思われているのでますます入り込まない。
まぁ、一部の犯罪者や、魔女狩りから逃げる奴等、木こり何か以外だが。
そんな事を考えながら、キセルで魔法薬を吸いながら歩いていると、
「お嬢様、足元にお気をつけ下さい。」
そうロベルタが言ってくる。ふむ・・・、不味いな。
新世界や俺がそれなりの格好をしていれば、お嬢様でもいいのだが、
今はあいにくと町娘の格好をしているし、そんな呼ばれ方をしていれば耳のいいやつなら金の匂いを嗅ぎつけるだろう。
「ロベルタ、私の事は呼び捨てでいい。
じゃないと下手に勘ぐられてややこしい事になりそうだ。」
そう言うと、ロベルタは頬に手を宛てて考えた後、
「ではエヴァさんとお呼びしましょう。口調は如何いたしましょうか?」
そう歩きながら聞いてくる。
「いや、口調はかまわんよ。
聖職者の格好をしているんだし問題はないだろう。
何かあれば臨機応変に頼むよ。」
「分かりました、エヴァさん」
そんな事を話していると、
擬装用に持たせた、ただの皮製のカバンを持って先頭を歩くディルムッドが、
「もうじき森を抜ける。
さてエヴァ、久々に帰ってきたわけだし、町に出る前に見ておきたい所とかあるか?」
そう聞いてくる。
見ておきたい所・・・・、エヴァの家・・・は、見なくていいな。
むしろ、あそこには行きたくないし、行った所で得るものはない。
ゲスの隠れ家も同じ、むしろあそこは焼き払ったから今は何もない。
「いや、特にはないよ。
さっさと町に行きましょう、ア・ナ・タ。」
そうニヤニヤしながら言うと、ディルムッドがむず痒そうな顔をする。
「何だ、まだ慣れないか?」
そう聞けば、
「いや・・・、なんと言うか君がそんなにしおらしいと、どうも調子がくるってな。
まぁ、聞き続ければなれるだろう。」
そう頬をかきながら返してくる。
「フフ、まぁそうだろうな。
今までの自身の行動や口調を考えても私自身がむず痒いよ。
まぁ、頑張って慣れてくださいねアナタ。」
そんなやり取りをしていると、
ロベルタが横で手を口に当てて苦笑しながら、
「いいではありませんかチャチャゼロさん。
世界中探しても、こんな美人の奥さんは中々見当たりませんよ?」
そうロベルタに言われたディルムッドは、
やれやれと言った感じに首をすくめながら、
「美しい花には棘がある。
そして、今俺はその美しい花を両手に抱えているわけだが、どうもその花は棘だらけらしい。
それに、どうやらその花は棘だけじゃなくて、とびきりの毒ももっている。
扱いには十分注意するとしよう。」
そう言いながら、俺達の方を見て苦笑している。
「なに、その棘を1ずつ取るのも一興だぞ?」
そう微笑みながら返せば、
「いや、その棘は大切に残しておくよ。
なにせ、その棘も含めての美しい花だからな、我妻よ。」
そんな事を話しながら森を抜け、
道に出たのはいいが人通りは皆無。
ただ、地面が踏み固められているから人通りはあるはずだが、
馬糞なんかが無いから通行量は少ないのだろう。
「さて、近くの町まで歩くか。」
その一声で歩き出す。
ふぅ、とりあえずは町まで出たら馬車を買わんといかんな。
となると、馬2頭に寝れる広さの幌つきの荷馬車。
金額は不明だが、現在持っている財産からすれば問題は無い。
いや、資金を集めておいてよかったよかった。
ついでに言えば、馬具なんかの鉄製品は自分で何とかできるだろうし。
そんな事を考えながら、キセルを口から外し煙を吐いていると、
「そう言えばエヴァ、今は何処に向かっているんだ?
確か、エヴァと出会った町は逆方向だったと思うんだが?」
「そうなのですかチャチャゼロさん?」
そう言いながら、ディルムッドとロベルタが辺りをキョロキョロしている。
「あぁ、あそこには戻らないよ。
下手に戻れば顔つきでばれる可能性があるし、得る物もない。
今向かっているのは近くのリュビンハイゲンと言う町だよ。」
そう言いながら歩いていると、両脇を固めていた木々が晴れだし、
次第に辺りが草原の様を呈してくる。
日の光は柔らかく、草原を吹き渡る風は頬に心地いい。
遠くの方には白い固まり・・・・、羊かなんかだろうか?
それが草をついばむ姿が見える。それに、道の端に馬糞なんかが見え出したから、ボチボチ町も近いのだろう。
さて、願わくば町が大きく、ついでにこの辺りの地図なんかが買えれば幸いだ。
まぁ、無ければ行商人でも探して、ドイツに行くのとイギリスに向かうのはどちらが早いか聞くとしよう。
ふむ、海外は修学旅行の中国以来初めてで物騒なイメージしかなかったが、
こんなにのんびりした雰囲気をかもち出してくれるなら、目的を達成した後に諸国漫遊するのもいいかもしれない。
どの道、こっちでやっておく事もいくつかありはするしな。
そんな事を考えていると、遠くの方に石の壁と塔のような物が見え出す。
たぶん、壁は獣や盗賊除けだろう、あんな木々がうっそうと茂る森があるのだから、
狼や盗賊なんかがいてもおかしくは無い。
「エヴァ、町に着いたどうする?」
そう横を歩くディルムッドがコチラを見ながら聞いてくる。
「そうだな、先ずは宿取りから始めようか。
歩き詰めでお腹もすいたし、町を見るのはそれからでいいだろう。」
そう言うとロベルタも、
「そうですね、それにもう日もだいぶ傾いていますから、
今のうちに宿を取っておかないと草原で野宿なんて事になりかねません。」
そう微笑みながら話し、壁の前の検問のような所に到着。
手っ取り早く近くの兵に話しかけて手続きするとしよう。
「すみません、町に入りたいのですが。」
そう近くにいる槍を持った兵に聞けば、
「理由は何だ、なんの用で町に入る?」
そう、地味に高圧的な態度で返してくる。
まぁ、門番なんだしそんな態度が普通なんだろう。
そう思っていると、ディルムッドが俺の横に来て、
「俺は薬売りの行商をやっていて彼女は俺の妻。
後、尼服の彼女は宣教師で一緒に旅をしているんだ。」
そうディルムッドが言うと、ロベルタは両手を胸の前で組んで祈りを捧げるようなポーズをとる。
しかし、どうも門番の顔は優れず俺達の事をジロジロ見ている。
「なにかあったのですか?」
そう、痺れを切らしたかのようにロベルタが問えば、
門番は顔をしかめながら、
「最近森に傭兵崩れの盗賊が巣食ってな。
お前さん達がその森の方から来たからどうしようかと。」
そう言って一旦言葉を区切り、顔を嫌らしくニヤ付かせながら、
「何か誠意を見せてくれれば疑いも晴れるんだがな、さてどうする?
薬売りの旦那に咥えタバコの美しい奥さんと尼さん?」
そう言って、俺とロベルタの体を嘗め回すかのような視線で見てくる。
とりあえずは、ディルムッドと夫婦と言う設定を設けていてよかった。
下手をすれば、俺だけどこかへ連れて行かれて、そのまま襲われていた可能性もある。
まぁ、そうなったらそうなったで、彼には生涯忘れられない悪夢を通行料代わりに進呈するとしよう。
そんな事を考えていると、ディルムッドが門番に顔を近づけ少々声に凄みを加えながら、
「悪いが、妻に手を出したらどうなるか分かるよな?」
そう、目の前の門番にだけ聞こえるように言うと、
門番の顔色が青くなり、
「わ、悪かったよ旦那。
持ち物はそのカバン1つか?なら、中を見せてくれそしたら通っていいから。」
そう言う門番にディルムッドがカバンを開いて見せて一つ目の検問を突破し、
二つ目の検問は手形と言われたが、持ち合わせていないので賄賂を渡してこっそり手形も貰い町の中へ。
まぁ、渡した賄賂はそこいらの石を宝石に見えるように、魔法でごまかしただけなので懐は痛くないし、
仮にそれが露見しても、俺達に文句を言う事はできない。
何せ、文句を言えば自身が賄賂を貰って通したと言う事がばれる事に繋がるのだから。
「しかしまぁ、あの一つ目の門番も運の悪いヤツだな。
アナタが凄みを利かせた所為で顔が真っ青だったよ。」
そう言って、喉を低く鳴らして笑っていると、
「いや、あの値踏みするような視線に少々苛立ってね。」
そう返してくる。
しかし、あの門番も本当に運が悪い。
なにせ、英雄からメンチ切られたんだから、一般人なら文字通り蛇に睨まれた蛙だろう。
そう思うと、更に笑えてくる。
「そういえば、チャチャゼロさん。
私の事は何もおっしゃりませんでしたね?」
そう言って、ロベルタがジーっと笑っている俺越しにディルムッドの顔を見ている。
そうすればディルムッドがフッっと笑いながら、
「君ももちろん大事だが、妻がもっと大事だからな。」
そう言ってロベルタの方を見返すと、
「なら許します。」
そう言ってディルムッドからロベルタは視線を外したのだが、
さてはて、今の会話でロベルタの欲した答えが得られたのかは甚だ疑問である。
まぁ、本人が納得したのだからいいんだろうが、それよりも、
「先ずは宿取りだな。結構大きな町だからどっかに宿場外があるだろう。」
そう言って、3人で露天商や通行人なんかに宿の事を聞いて回る。
そして、聞いたヤツら全員が口をそろえて宣教師のロベルタがいるのなら、教会に泊めて貰えばいいと言う。
まぁ、泊めてくれるなら泊めて貰おうと教会に行き、宣教師と共に旅をしていると言ったら快く泊めてもらえた。
ただまぁ、俺とディルムッドが夫婦と言う事でなのか、それとも単に部屋が無かったからなのかは知らないが、
部屋には大きなベッドが2つしか無かったが、さして問題ではないな。
そして、礼拝堂で適当に祈りを捧げ、聖水と言う名のただの水をありがたそうに飲んでいざ町へ。
そう意気込んで教会の正面で入り口に回れば、
「白い絨毯だな、多少色がくすんではいるが。」
目の前をモコモコした毛の羊達が、列を成して歩いている。
さて先頭は何処だと辺りを見てみれば、先頭付近には金髪の人の姿。
たぶん線の細さからして女性だろう。
そんな事を考えていると、ロベルタが、
「羊たちの沈黙・・・、では無く、羊たちが沈黙しませんね。」
そう言って羊達を眺めている。
さてはて、あの映画は確かフランス映画だったが、個人的にはアレの流れを組んで出来たハンニバルの方が好きだな。
っと、そうではない。最近常々思うのだが、ロベルタの中の知識は一体何処に直結して出てきているのだろう?
なんだかんだでボケとかギャグ修正とか、そんな次元を超えだしているような気がするのだが・・・・。
ん~、考えすぎなんだろうか、それとも何らかの要因があるのだろうか?
そんな事を思っていると、
「ロベルタは羊が嫌いなのか?」
そうディルムッドがロベルタに聞き、
ロベルタはディルムッドの方を見ながら、
「いえ、ラム肉の捌き方と料理を最近覚えましたので、それの材料に一頭ぐらい急に沈黙していないかと思いまして。
しかしダメですね、羊たちは若く、沈黙する気配がありません。」
そう言って羊の列を見ている。
ん~、やっぱり考えすぎなんだろうか?
まぁ、とりあえずは完成してからだな。
そう思い、3人で夕食の買出しがてら町を見物。
ただ、町が広いのですべて見て回るのは時間が足りず、
後は明日へ持ち越しと言う事で一旦教会へ帰り夕食と言う運びとなった。