<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

とらハSS投稿掲示板


[広告]


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2009/04/02 00:40
えーっと まず始めに、



この話はヴィータに憑依するという話です。



二次創作です。



そういうのが嫌いな人は見ないほうがいいっス。



あと、正直こういうSS書くのは初めてなので文章がアレな事も多々あると思いますが、



なんとか生暖かい目で見てくれると助かります。



それと、本来の憑依前の姿に変身魔法でなり一人二役みたいになる事が多々あります。そういうのを不快に思う人は読まないほうがよいです。基本的に深く考えずに書いてるのでご了承ください。



ではでは!






[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第一話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/11/11 23:59
突然だが今日も一日がんばった。



おっす! オラ、隆二  つーことで俺の名前は(秋山 隆二)大学生だ、つっても今は夏休みの真っ最中とくにサークルもいってない俺は家でネットしてるか、バイトにいってるか、もしくはDVD見てるか・・・・・・ あれ?半ひきこもり?  まずい、これはぁまずい(なにがだ!?)よし、さっそく出かけるか!!



あ、でももう夜の2時だ・・・・・冒頭でも言ってたろうが、[今日も一日がんばった]って今日はバイトだったんだよ。



となるともう俺には寝るという選択肢しかないのだが、むぅ無性に[魔法少女リリカルなのはA’S]が見たくなってきた・・・・・12話を・・・・・ま、30分くらい良いよな? 見よう 見よう!!



ところがその日のレジのバイトがきつかったのかどうなのか知らんが俺は鑑賞中に寝てしまった、最後に見たのは、ヴィータの「ちゃんと合わせろよ 高町なのは!!」ってシーンだったような気がする。





・・・・・・・それがまずかったのかなぁ?





目が覚めたら、  











ヴィータになってた・・・・・  なんでさ!?











第一話「とりあえずはやてには守護騎士について教えとく」











む、眩しい・・・朝日か、あぁ昨日なのは見ながら寝てしまったのか、ねみぃ・・・ン?頭がなんか重い、夏場だし別に布団で寝なくても風邪はひかないと思ったけどひいちまったか・・・・・あれ?ベットで寝てた・・・・・・ベット!!? まてまて俺は今大学近くのアパート借りてるんだぞ? ベットなんて置くスペースあるわけないだろーが何だよこれ?よく見ると部屋も違う、くそ! なんじゃこりゃ?とにかく起きて状況の確認をしなくては、



そう思いガバッと体を起こしベットから出ようとしたその時目に入ったのは長くそして赤い二つに分けられたおさげの髪 そう俺の髪の毛、それも、ち・ょ・っ・と・ま・て!! 俺は生粋の日本男児つまり黒髪だぞ?なんで赤毛になっとるんねん、あ!冷静になれないがよく考えると何か手がちっちゃい、足もちっちゃい、視界が低い、おいおいおいおい マジで何が起こってるんだよ俺の身体によぉ、泣くぞ、鳴くぞ、二重の意味でなくぞ!? 



あれこれ考える俺の視界にふとデカイ鏡が見えた、おぉなんて都合のいいとにかくあれで俺の今の姿のチェックをしなくては、



しかし、自分の姿を見たとき驚いた 真っ黒な適当な服、これはいい、次にスカートがある 嫌だが後回しだ、次に幼女になってる、アウトォ!!!この時点でアウトォ!!だが、しかし、まだ、問題があった何故なら・・・



「ヴィータァァァァァァァァァァァ!!!!!?」



になってしまっていた。NOだNO 「OK OK落ち着けおれ」なんていって落ち着けるかNOだくそったれなんだこれ何がどうなっとるんだ!? とにかく考えを無理やりまとめようとする最中にガチャっと扉の開く音がする。



「な、なんや? どうしたん? めぇ覚めたん!?」



車椅子に乗った少女 そう(八神 はやて) が来た・・・・・・・



「これは夢だぁーーーーー!!」

「おちついてーーーーーー!!」





―錯乱中少々お待ちください―





<数十分後>

「はぁ~、つまりこの(闇の書)ちゅうもんの守護騎士さんなんやねヴィータちゃんは?事実は小説より何とやらやぁ~。」

「ん、そういうこと、あと『ちゃん』はいらねぇよ、はやては一応あたしの主なんだからさ。」



あのあといろいろめんどうなごたごたがあったが今はなんとか落ち着いて(誤魔化して)説明をしている、とりあえずはやてには俺のことつまり、【秋山 隆二】のこと以外闇の書について説明した。

もちろん後のことを考えてはやての足のこと、闇の書が完成しても主を取り込むだけということ、本当の名は夜天の書ということは伏せておいた。

あと俺のしゃべり方だが、もともとヴィータも言葉使いが悪かったなと判断して「俺」じゃなく「あたし」に変えた以外はとくに変えていない。

それにしても、



「なぁはやて、本当にあたし以外に人が出てこなかったのか?」

「ん、せやよ、ほんまびっくししたで、本が浮いた思ったら急にヴィータちゃ・・・ヴィータが出てきたんやもん。ヴィータが先に気絶しとらんかったら私が気絶しとったで?」



これだ、どういうわけか俺、つまりヴィータしか出てきてないということ、聞けばはやての誕生日はまだまだ先とのこと、おれが憑依してしまった影響か?

とにかくブツブツ言いながら考えてる俺を見て何か勘違いをしたのかはやては満面な笑みを浮かべてこう言った。



「もぉ、心配せんでもええよ?私は闇の書の主として守護騎士達の今の衣食住きっちりめんどうみたるからなぁ!」

いまはヴィータだけやけど、そう付け足して言った。

「あのなぁ・・・本当にいいのかこんな得体の知れない奴を・・・。」

うまくいきそうとはいえ心配だよこの子の将来が・・・あ、部隊長か?

「自分でそういうこという人に悪い人はおらんと思うよ?」

「・・・いや、そうじゃなくて・・・。」

「それに・・・うれしいんよ、ヴィータが家族になってくれるなんて。」

「家族?」

「せや!あかんか?」

そういうと少し不安げな顔をする。俺は慌てて言う。

「べ、別にいいよ!家族で。は、はやてがそう言ってくれるなら!なるよ!!」

そう言うとはやては再び笑顔になって言う。

「ほ、ほんまか!?それならこれからよろしくなヴィータ!!しっかり面倒みたるよ!!」

そう言ってはやては俺の手をしっかり握り締めてくれた。む、柔らかいなはやての手、それに温かい・・・。



俺ははやての手の温もりを感じているうちに急に恥ずかしくなってついそっぽ向いてはやてに言う、



「そ、それにしても!ほ、ほんとお人よしだなお前、し、しかたねぇからめんどう見られてやるよ!!」



おい?なに年下の女の子相手にこんなこと言っちまうんだ俺?

これじゃまじでヴィータみたいじゃねぇか・・・しかしこんな俺の態度にはやては気を悪くする様子もなく



「あはは、ヴィータは照れ屋やなぁ顔真っ赤やで?」

「う、うっさい!!」



なんかそんなこんなで初対面とは思えないほどに仲良くなってしまったと思う、とにかくはやての誕生日はまだまだ先、それまで時間はある。俺のことや、先のことはこれから考えていけばいいとりあえず今は、はやてと他愛のない話をしよう、この子から寂しさが無くなるように・・・・・家族として。











おまけ



「そういえばなんでベットに寝てたんだあたし?」

「都合良くベットのうえに現れてなぁ。」

「ほんま都合ええな!!!?」

「おぉ、関西弁! おそろいやなぁ(笑)」























あとがき



こんにちは、始めましてロウリャンです、始めに書きましたがSS書くのははじめてなのでなんかドキドキです、むぅ大丈夫かなこんなの書いて怒られないかな?

とにかくゆっくりこつこつ書いていこうと思いますのでよかったらよろしくお願いします。





(追加)なんとなく分からない程度にちょっと加筆。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第二話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/22 02:21
おす、おらヴィータ!!



そんな訳で(どういうわけだ?)ヴィータになってしまってから早2週間たってしまった。

とりあえず言うべきこと、はやての料理はマジうまい!!
だってうっかり叫んじまったんだもん、


「ギガうまーーーーーーーーー!!」


って・・・・・








第二話「ちょっくらドラ●エみたいなとこで出稼ぎしてくる」








この2週間でいろいろわかったことがある、まず一つ目はヴィータとしての記憶は一切無いということ、まぁこれはありえない話じゃねぇがそれなのに魔法に関しての知識がなぜかある。これは問題だ。

なぜならおれはヴィータに憑依している身、それならば本来のヴィータは眠っていて俺が体を操っているのか?いやそれならヴィータとしての記憶が無いのは分かるが魔法に関しての知識がある理由にはならない。

次に考えられるのは俺の魂とヴィータの魂(あるのか?守護騎士プログラムに?まぁあってもおかしくねぇが・・・)が融和してしまった可能性、これなら魔法に関しての知識がある理由にはなるが、こんどはヴィータとしての記憶がない理由にはならない。

最後に考えられるのは魂の上書き、まぁこれも知識と記憶の問題解決の理由にはならない。






とりあえずご都合主義ってことで(オイ!)






だってしかたねぇじゃん、あんまり深く考えるの苦手なんだもん。とりあえず魔法がつかえる、グラーフアイゼンも手に馴染んでる、たぶんすぐ銭湯・・・・・・もとい戦闘になってもOKだと思う。

あ、あとこの2週間ではやてに騎士甲冑イメージしてもらった、「ゴスロリかんべんな?」といったのに見事にアニメと同じ騎士甲冑になった、畜生!! そういえば例の「ノロイウサギ」だっけ?あれデパートに行ったときマジであると思ってみてたらはやてが買ってくれた。とりあえずその気持ちに対してありがとうと満面な笑みで言った。正直な感想?いや、実際気に入ったよ?以外にもさわり心地抜群だったんだよ。



他に分かったことこれ重要、今は無印つまりジュエルシードうんぬんが始まる3ヶ月前。つまり俺ことヴィータの第一の目的はとにかくはやてと俺があの悪魔(なのは)やスケィス(フェイト)時空警察(時空管理局)に接触しないようにすること。

あとヴィータが現れたことによってはやての侵食が早まったかどうか心配したがこれについては問題がなかった。どうやら守護騎士一人分くらいなら闇の書のみの魔力でどうにかなるそうな、いちおうこれもロストロギア、0ページでもある程度の魔力はあるということね。一応闇の書を調べてみたけどやっぱり守護騎士プログラムは鉄槌の騎士だけ抜けていた。(ひそかに思っていたコピー説は即効否定された。)



あとこんなこともあったなぁ、



「なぁ、なぁ、ヴィータ!」

「なんだよはやて?」

「ヴィータの力で他の騎士の覚醒はやめられへん?私じゃ無理やったし。」

できたら困るよ、

「無理、第一あるじでもないのに闇の書に命令なんて・・・・・・・・・」

あれ?シャマルやってたよ?ほら、結界破壊のとき・・・・・そう考えてたらはやてが何かに感ずいたのか、

「むむ、なんや心当たりあるみたいやな? よっしゃ主命令や!!駄目もとでやってみぃ!!?」

「お、横暴だ!!」

ま、どうせ無理だしやってみるか、とりあえずシャマルのまねをして、

「闇の書よ、守護騎士ヴィータが命じる、目覚めよ!! 我と同じ主を守りしヴォルケンリッターよ!!!!!!!!!」

次の瞬間風が吹いた、ま、まさか!!?










そして闇の書は、












別に変わりなく机の上でシーンとしていた。今の風開いていた窓から入ったただの風。

「あかん、やっぱむりやった」

「おお、また私と同じ関西弁!!」 そこかよ!?


まぁ、そんなこんなで楽しく過ごしてたんだがアイゼンのある機能を見つけて俺は旅に出ることにした、(つっても2ヶ月くらい、はやてにだって毎日連絡入れるつもり、いくらなんでもほったらかしなんてできん)それは・・・・・






魔力保管システム・・・・・・・






アニメで使われなかったのは日帰りがほとんどだったせいか?それにしても、言いたくは無いが流石は蒐集のためにも存在している守護騎士といったところであろうか、4人がばらばらに行動してすぐに闇の書に魔力を蒐集出来ない時のためにそのシステムは存在した。いくら知識があるとはいえ俺自身本当に戦闘できるかなんてのはまだ予想でしかない、それならば、実際に試してみればよい。このシステムのおかげで魔力の無駄にはならない、クリスマス・イブ・・・・・・運命のあの日対策に持っているのもわるくはない、どう使うかはおいおい考えて・・・・

そんな訳で、

「突然だけど出稼ぎに行ってくる!!」

「ほんま、突然やなぁ!!」

とりあえず建前上はこれから現れるおれを含めた守護騎士の食費代の確保のためにしておいたが、「そんなんきにせんでえぇ!!」の一点張り結局説得に丸一日かかった。しかし俺としても今できることがあるのに何もしないなんて事はできない。(グレアムの爺さんの施しは受けたくないという俺のプライドも少しあったが)

そんなこんなで何とかはやてを説得できたおれはある条件を満たす世界を探した。その条件は、



一つ、魔法が存在する世界

二つ、なおかつ文明が発展途上なので時空管理局との接触が無い

三つ、傭兵ができる世界

四つ、魔獣がいてなんかリンカーコアを持っている

五つ、宝石などこちらの世界で換金できるものを報酬にできる世界



そう、ド●クエみたいな世界だ!!!!!(少し違うかも)まぁ、流石管理外世界がたくさんあるだけのことはあった

探せば探すほどあるある、そして3日間かけてついにそんな世界を見つけることに成功した流石に傭兵の仕事のときは変身魔法をつかっていかにもな青年になったけどなぁ、つかヴィータ変身魔法つかえたのな、あ、そういえば漫画版でそんな描写があったな。





2ヶ月はあっという間に過ぎた特に語る話はなかった、正直魔獣もザコばかりカートリッジシステム使う必要すらなかった。それでも50ページ分近くの魔力は確保できたとのこと(アイゼン調べ、実際に蒐集したわけではないので正確な値は不明、ちなみにこれ以上の保管は無理との事)なりふりかまわないやりかたでなく正攻法なら上々だろう。しかしこの世界何かと都合が良いな、魔法使っても管理局来なかったし、シグナム達が現れたら教えてあげようかな?

しかし帰り道の転送中この考えは崩れた。だって帰るのに丸一日半かかった上にカートリッジ5発も使っちまった。そううまい話は無いな。(ため息)そういえばはやてに連絡するのそうとうきつかったけ。(はやてにかかる負担はおれがしたからと思ってた。)





帰ってきたらそうそうにはやてが「ヴィータおかえりプチパーティー」を開いてくれた。2ヶ月も離れてた(連絡は毎日したが)のにほんとにいい子だ、二人きりだというのにそうは思えないぐらい騒がしく楽しい時間になった。傭兵もどきをしていたといったら、



「・・・・・・・なんやて?」



の一言で空気が凍った、なのはの「悪魔で、いいよ・・・・・」発言を思い出した。

数時間に及ぶ説教タイム勃発正直マジ泣きしてあやまった。





そのあとはまた二人の平凡な生活を再開した、しかし気をつけなければならない、もうすぐ無印が、・・・・・P・T事件が始まる介入しないように頑張らなくてはならない。





・・・・・・・・とりあえずカートリッジに魔力補充しておこう、シャマルと違ってやたら時間のかかるからな。(まだ会ったことねぇけど)



















おまけ

「そういえば、そこってどんな世界やったん?」

「一言で言うと、ドラク●だ。」

「ド、ドラ●エ!? ヴ、ヴィータ魔王でも倒したん?」

「落ち着けよはやて、あくまでみたいな世界・・・・・・まてよ、そういえば無駄にでかい城にその世界にしてはやけに強い魔獣がいたっけ、なかなかだったけど結局カートリッジ一発でおだぶつに・・・」

「・・・・・・・・」

「しかも倒した後城の周りの黒い霧も消えて・・・・・」

「・・・・・・ヴィータ」

「そのあと、周りのやつが王が倒されたとかなんとか騒いでたな? んで何?」

「今日から二つ名は[鉄槌の勇者]にしたほうがええんとちゃうか?」

なんでさ!?

























あとがき



長い文章が書けない・・・・・・orz

みんなすごいなぁ。(ため息)

むぅちょっとご都合設定つけたしすぎたかも結構矛盾が多数生じてくるかも、そこ

はなんとかパラレル的なものということで(土下座)

更新ペースどれくらいになるか分かりませんがまたお付き合いしていただけたらうれしいです。

あとはやて説得には一文程度しかありませんが壮大な説得ストーリーがあったりなかったり、それはもう文にもできないほどということで(苦笑い)



ではでは、また次回で。







ちなみの次回ヴィータが言う最後に言う予定の台詞は「あ、悪魔め・・・・・」

(*まだクリスマス・イブにはならないです。)










[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第三話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2009/06/20 02:21
それは必然的な出会い、避けられない出会い、それは分かっている、理解しているけどなぁ、





早すぎる出会いってのもあるだろーが!!





騎士少女リリカルヴィータ始まっちまってるぜ!!

畜生あのホワイトデビルガールが全部わりぃんだ!!











第三話「それは必然だけど早すぎる出会いなの・・・・・・とでもいってほしいのか!!?」










とうとうきた、危険物質、淫獣ユーノ・スクライア・・・奴は危険だ俺のように女になったわけでもなくかわいい娘と一緒に風呂に入る。あ、話変わるけどはやてと俺はいっしょに風呂に入ってる。理由はお察しのとおり、2ヶ月の出稼ぎのときはこれが一番心ぐるしかった、だけどおかしい、いくらおれがロリコンじゃないとはいえ興奮の(こ)の文字も無いとはやっぱそういうのって男性ホルモンが・・・・・・・・・・コホン、コホン、ゴホッ・・・・・・・話を戻そう、そうあの淫獣ユーノ・スクライアが男のままでかわいい娘とお風呂に、いっそアイゼンの頑固な汚れにしてやろうかと・・・・・・・じゃなくって、えっとなんだっけ?

ま、いいやアイス食べようヴィータ=アイスだし。







・・・・・・・・・まてまて、そうジュエルシードだ!!アレが来たんだよとうとう。







そしてそれからしばらくしたあとあの淫獣ユーノ・スクライアの・・・・・さすがにかわいそうだな(勝手に同情)ユーノからの無差別念話が届いた!!



『助けて!!』



まずい、正直はやての家まで届くとは思わなかった、はやての魔力資質はたしかにほとんど闇の書にねむっている、その証拠に念話の傍受なんざできねぇ、いやそれなりの訓練しないと傍受なんてできんがだが、無差別念話なら十分に聞こえるんだぞ!!? くそっ!! やっぱてめぇは淫獣ユーノ・スクライアで十分だ、アイゼンの頑固な汚れにしてやる!!! 

とにかく今は、はやてにこの念話のごまかしを!!

「はやて!!い、今のは・・・・・・・・・あれ?」

はやてはやすらかにソファのうえでスゥー、スゥー寝ていた。あ、アニメで念話が聞こえなかったのってこれが理由なのな?ん、なっとく。



とりあえずすべて順調に事が進んでいる。デビル・・・もとい高町なのはのレイジングハート起動、フェイト・テスタロッサの活動開始、そして時空管理局の介入。別に遠視魔法とか使ったわけじゃないが奴らの魔力はでかすぎる、記憶にある物語と照らし合わせて予測した。さすがに例のなのはの決意が深まる町中大樹だらけ事件は隠しきれなかった。つーか、巻き込まれたし。はやてに問い詰められジュエルシード(何かのロストロギアとぼかしたが、)が町に散らばってそれを回収している人がいることを話した・・・・・さすがにそれを巡って争っているとは言ってないが。

これを聞いたら「ヴィータもてつだいぃ!!」といってきたので闇の書のことを話し、もし見つかれば闇の書は没収され最悪あたしは消される・と話した。正直「ちゃんと話せば分かってくれる!」と言ってくるかと思ってたらそんなことはなく渋々理解してくれた、やっぱり世界は全部奇麗事ばかりではないことを理解しているのだろうか?十歳前後の女の子が?くそ、なんか納得いかねぇ!!とりあえずどうしようもない時は何とか手を貸すと伝えたら、「しゃぁないから、それでかんべんしとくわ」とのこと。

その日のおかずは一品減らされた上にご飯のおかわりは無しにされちっまったがな、ギャフン!!











とにかく管理局があらわれた以上もうすぐこの事件は終わる、このまま無介入だぜ!!!











・・・・・・・・そう思ってたころが俺にもありました。







そうあれは運命のあの日俺とはやてが浜辺が散歩してるときの事(車椅子押すのきついけどはやてのために根性ものだった)ちまたで次期ムッツリシスコン野郎と噂のクロノ(別にエリートなのが羨ましいわけじゃないもんね!!)が現れて少ししかたってなかったなので、まだフェイトが無茶をしないとわかっていたからか油断してた。

「あ、ヴィータ見てみぃ?」

「ん?どしたんだはやて?」

「ほらあれや!」

そういってはやてが指を差す先には小さな青い石が・・・・・この時にきづくべきだった、







「ほら、めっちゃきれいやろ?宝石見たいや!!」

「ほんとだ!スゲェー!!ちょっと待ってな、はやて?」

純粋に関心した俺はそれを取るために車椅子から手を離す、そしてそれを手にはやての所まで戻った。

「見ろよはやて、マジで宝石みたいだぜ!!?」

「ほんまや、なぁこれアクセサリーにしてヴィータ首にかけてみん?」

「えぇ?いいよ、あたしには似合わねえよ!!」

「そんなことあらへんよ!」

むむ、最近俺はやてに弱いな、しかしマジできれいだなこの石まるでジュエルシー・・・・・・・・まさか!!?そう思った瞬間にはすでに遅かった、俺の魔力に当てられたのか定かではないが発動寸前だった!!いそいでそれを海に投げる。

「ちょ、ヴィータどうしたん急に!!?」

はやてが驚いて声を上げる、からかったせいで俺が不機嫌にでもなったのかと誤解したんだろう、だがそれについてフォローしている余裕は無い!!!

「はやて、動くな!!あれは、ロストロギア・・・・ジュエルシードだ!!!!」

「ロストロギア・・・・・って、この前ヴィータが話してくれたあの!?」

おれはジュエルシードを投げた方を睨みながら頷く、手に待機中のアイゼンを握り締めて、とりあえずおれはアースラに感知されないようジャミングを張る。ヴィータは性格上接近戦重視と勘違いされやすいが、結構何でもこなせるオールラウンダー型だ、ちゃんと訓練すればこのくらいはできる、まぁ今の俺じゃもって15分だが。ジュエルシード一個程度なら十分の筈だ!!

「はやて、とりあえずお前を家まで転送する!!」

そういってはやての車椅子の下に魔法陣を出すベルカ式特有の三角の陣を、

「わかったけど、ヴィータは?どないすんねん!!?」

「あたしはあれを封印する、いくらなんでも目の前にある脅威を他人任せにするほどはくじょうじゃねぇ!!」

「・・・・・わかった、しゃぁない!!きぃつけてな、ヴィー・・・・・・」

すべてを言う前にはやては転送されるジャミング中だし家にはシャマル製ほどではないが結界も張ってあるアースラにばれる事は無いだろう。とりあえずまだ発動してないのではやてに念話を・・・・・。

『はやて、ちゃんと転送でき・・・・・』

『アホヴィータ!!!!』

怒鳴られた。

『え?ちょ、どうしたの?転送先に問題あった?』

『それは、ばっちりや、けどなぁ、転送前の台詞は最後まで聞くのがセオリーやろぉ!!』

んなこといったって、

『今晩ヴィータはおにぎりだけな?』

ひど!!抗議しようと思ったがやめたなぜならとうとうジュエルシードが海から浮かんできたからだ、くそ!はやてがいたからって海に投げなきゃ良かった、とにかく・・・・・

「グラーフアイゼン!!!」

『Jawohl!』

おれはアイゼンを起動させジュエルシードにつっこむ!!

「先手必勝!!カートリッジなんざてめぇには不要だ、くらえぇ!」

『Raketenform !!』

俺は変形したアイゼンを振りかざすそして、

「ラケーテン!」

一回息を吸い叫ぶ

「ハンマー!!!」

ジュエルシードに魔力的ダメージを与える、よし、あとは封印だけだ!苦手だがそうもいってはいられねぇ!(なのはたちと違ってシーリングフォームなんて封印に適したものはねぇからな)

「ジュエルシード封印シリアルナンバー・・・・・・・知るか!!!とっとと寝ちまえ!」

『Die Vollendung einer Versiegelung(封印完了)』

・・・・・・・できた正直すこしてんぱってたのに、つかナンバー言わなくてもいいのな(汗)

とりあえずはやてに念話、念話。

『おはやて♪』

ちょっと上機嫌な俺

『なにが、[おはやて]や、そのギャグは朝にすべきや!!』

いいのかそれで我が主よ・・・・・・・

『それよりヴィータのほうは、大丈夫かいな?』

『ん、封印かんりょ・・・・・・』

『アホ、そんなんどうでもええ!!!!!』

『は、はやて?』

さすがにいきなり怒られておれは驚いた・・・

『体や!!ヴィータ怪我とかしてへんやろーな!!?』

・・・・・・そういうことか、ほんとにいい子だなはやてはマジで同い年のころの俺に見習わせたい・・・・・そう思いながらも返事をする。

『ああ、大丈夫ありがと、はやて。これどうにかしたら帰るから』

『ほか、ならええんよ。今日はおかず一品追加な♪もちろんおにぎりに追加って意味やあらへんよ?』

『? いいのかよ、はやて?』

『ええんよ、ヴィータが無事でうれしくてしゃぁないんやから。』

『・・・・・サ、サンキューはやての料理はギガうまだからな!楽しみだぜ!!』

そう言って念話を切った。やば、ちょっと泣きそうヴィータになったせいか?

ゴシゴシと涙目になった目をこすると俺は飛んだ、ジュエルシードを海のど真ん中に捨てるために。もしはやてが気付かなかったらこれは波にのまれて海の中に行ったはずだ、それを考えるとこれはフェイトが強制発動させる6個の内の1個に違いないと思い捨てようとしたが、一瞬考えた、じつはあの後鳥がくわえてどこかに持っていったのかもしれない、はたまた、誰かが見つけて道路に投げられ蹴られたりして別の場所に行ってたかもしれない。・・・・・・・・・一応海にあるジュエルシードの数かぞえてから捨てたほうがいいな?うし探査魔法、探査魔法っと。

・・・・・つ、疲れた・・・・・まさかこれにカートリッジ2発も使うとは思わなかった。さすがにフェイトやなのはがそれなりに時間をかけて見つけた事はあったな・・・・・



結果-5個ありました、ヨッシャァ!!これで海に捨てるのは無問題、んじゃ、さっそく。



「せいのぉ・・・・・。」

腕を振りかざし投げようとする俺、しかしそれは結果的に投げる事ができなかった。なぜなら・・・・・。

「えっとぉ、・・・・・たしかこの辺・・・・・あ、いた!!」

む、どこからか声がする。不審に思い一旦腕を止めた・・・・・・・・無視して投げてれば良かったと後でひどく後悔した。

「って!?ま、待ってください!!」

急に叫ばれ反射的に俺は振り向いた、そして・・・・・固まった・・・・・・。

「あ、あの、それ危ない物なんです、捨てるんだったら私に渡してください!」

そこにいたのはどこぞの小学校の制服に良く似た白いバリアジャケットを着込んだ少女か空に浮いてこちらを見ていた。そう未来の【エース・オブ・エース】【管理局の白い悪魔】【スターズ分隊の隊長】・・・・・・ここまで言えば分かるだろ?そう・・・・・

【高町 なのは】

思考をめぐらせる俺を無視するかのごとく次々と問題はおきる。

突如なのはの横に魔法陣が浮かび上がって、そこに女の人の映像が映る。

『ちょっと待って、なのはさん?ここは管理外世界、にもかかわらず魔法が使えるその子とお話してみたいの。もしよかったらここまで連れて来てもらえるかしら?』

間髪いれずリンディ・ハラオウンがその姿を現す。映像越しだがマジで若いなこの人。

「・・・・・なんで、あたしの存在に気付いた?」

不思議に思い俺は聞いた、ジュエルシードの発動したのは気付かれてない自信があったのに。

「あ、すごくつよい魔力反応で探査魔法使っている人がいるのに気付いて様子を見に行ってほしいと頼まれまして・・・・・。」

orz

いろいろ気をまわしすぎたのが裏目に出やがったか・・・・・・

ですよねー、そりゃぁ気付くよねぇ。カートリッジも使ったし・・・・・つか、仮にも今は民間協力者であるこいつにさ、んなこと頼むんじゃねぇ!!!!!聞いた事のある声に反応したってのもあるんだぞ!!?くそっ!今さらジュエルシードを海に捨てても面倒な事になだけじゃねーか。とりあえずおとなしくこいつにつづいてアースラに行くしかない・・・・・・。こうなったら言ってやるあの台詞を・・・・・・・・



「あ、悪魔め・・・・・・・・・・」



「い、いきなり何なの!!?」

お?素で傷ついてる。















おまけ

「あ、そうだ私(高町 なのは)って言います。」

知ってるよ。む、でも一応ヴィータとなのはの初めての名乗り合いだしな、あれやっとくか?

「高町 なにょ? なにょはぁ?」

「ち、ちがうの!な・の・は!!」

「なにょ??うむ、呼びにくい!」

「ちょっと、勝手に納得しないでよ!!(半泣)」

「どうせなら(菜の花)とかに改名しろよ?」

「いま(の)発音できたよね!!?」











あとがき

ジュエルシ-ドに対する対処が違うかもしれない・・・・・いいよね?なのはだってディバインバスターかましてたし。ちなみにユーノはアースラで休憩中。ちがう場所で起きていたジュエルシード発動時のなのはのサポートでばてていた。とかで?それにしても困ったときはカートリッジシステムに頼りすぎだな・・・・・・大丈夫だよね!?一個だけでも持て余す魔力量らしいし。(汗)







(追記)番外2のためにちょっと文章追加。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第四話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2009/01/06 20:53
今俺の前には二人の人がいる、自己紹介もしてもらった。一人は14歳位の息子を持つとは思えないくらいの若さを保っているリンディ・ハラオウン。そしてもう一人は・・・・・

「14歳位の男とは思えないほどに小さいクロノ・ハラオウンである!!」

「大きなお世話だ!!!!!!」

やっべ声に出してた。









第四話「今日からヴィータちゃんもお友達なの!!・・・・・・・だとさ早すぎだっつーの!」









「と・に・か・く、そのロストロギア・・・・・ジュエルシードを渡すんだ!!」

「は、やだね!!」

先ほどから俺ことヴィータとクロノは言い合いをしている。クロノの言いたいことは分かる、だがもうすぐ起こる海の上での大争奪戦(?)の時クロノの方が5つのジュエルシードのうち2つを回収する保障はどこにもない。もしアルフが2つ回収であれば何とか理由をつけてフェイト達に渡さなくてはならない。
しかし、一番の心配であったヴィータの正体に気付かなかったのはまじでありがたかった。やっぱ、守護騎士=無感情プログラムだという法則でもできてんのか?ま、騎士甲冑だって毎回違うわけだし気付かないのもしゃぁねぇのかもしれねぇ。そういえばアニメでも守護騎士を見たからというよりシャマルの持ってた闇の書に反応してたような・・・・・・・なんかそんな事を考えてるとまたクロノが俺に叫んできた。

「いいかげんにするんだ!それは子供のおもちゃじゃない!!」

「だからって、管理局の物でもねぇだろーが!!」

「だが、危険なロストロギアは管理局で管理するものだ!」

「はん!管理局、管理局やかましいんだよ。第一この管理外世界でてめぇらの理屈が通用するのかよ!?」

「君は魔導師だこちら側の人間である以上こちら側に従うべきだ!」

ちっ!ああいえばこういう思わず「人間じゃねぇからいいんだよ!!」とかいいそうになっちまったじゃねぇか、とりあえず・・・・・

「あたしは魔導師なんかじゃねぇ、騎士・・・・・ベルカの騎士だ!!」

「そう、それよ!!!」

いきなりリンディ・ハラオウンが声を上げる。

「ごめんなさい、急に話は変わっちゃうけどあなた魔法を・・・しかも、ベルカ式をつかってるわね?よかったらそれについて話してくれないかしら?」

とうとうきたよ、これについて・・・・・最初は転移事故でこの世界に流れ着いたとか言おうと思ったけど、んなこといったらますますジュエルシードを渡さなくてはならない。出身世界も教えろとか言ってくるだろうな・・・・・・。

「こいつは、グラーフアイゼンは、転移事故で来た奴からもらったんだよ、そいつといっしょに魔獣もきて倒さなくちゃならなかったけどそいつ怪我でとても戦える状態じゃなくて・・・・・んで、あたしが半やけくそでグラーフアイゼンを借りた魔獣を倒したんだよ。あたしのほうが使いこなせるからって御礼も含めてこいつを貰ったてわけ。」

つーことにしといた。説明が終わるとリンディは若干顔をしかめてこう言う、

「この世界に来る前に調べてもらった時に、そんな報告は無かったと思うけど・・・・・」

んなことしてたのか、長引けばぼろが出ちまうな。

「そいつ、そのかわりこの事は内緒にしてくれとか言ってたぜ?なんでも自分のミスだからとかで。とにかくそいつとはそれっきりあとは自分達で調べるなり、あたしの話を信用するなり好きにしてくれ。」

リンディは少し考えたそぶりを見せると、やさしい笑みを浮かべ

「いいわ、とりあえず信じましょう。最後にもう一つ聞かせて、あなた失礼だけど日本人ではないわよね?よかったらそれについての説明もしてもらえるかしら?」

ほんと失礼だよ!つーかまだ疑ってんじゃねーかこの美人ママ!!

「あたし、・・・・・・家族いないからさ・・・・・今は遠いほんとに親戚かも分からない所にひきとられてて・・・・・・・・そ、それで」

さも、聞かれたくないオーラを出しながら言う。(この嘘にたいしてはやてに心の中で100回は謝ったね。)ちょっとオーバーな表現かもしれんが見た目こんなんだしちょどいいだろ、ちなみに(秋山 隆二)としての家族?一人も欠かさずに元気だよ。この前も姉貴が双子出産してさ・・・そういえばもう何ヶ月もあってないな・・・・・それだけじゃねぇもう会えないんだよな・・・やべぇもう家族を恋しがる年でもないと思ってたのにちょっと涙がでてきやがった、だが不幸中の幸いか何かいいぐあいに勘違いしてくれたリンディさん優しく俺を抱きしめてこう言ってくれた。

「ごめんなさい・・・もういいから泣かないで・・・・・ね?」

む、なんつーお胸だ・・・・・・だがそれ以上にすごく落ち着く、さすがいずれフェイトと親子になれるだけのことがある。ま、とにかくうまくごまかしたとゆーことで。

「じゃあ、そんな訳でジュエルシード渡してくれるかしら?」

「うん・・・・・・・・ってちょっとまてーーー!!」

前・言・撤・回!

この人おれを逃がさないために抱きしめたな?畜生!!
とりあえず名残惜しかったがリンディさんの抱擁から無理やり脱出をして俺は言う。

「もう一度言う、ちょっと待て!・・・・・まず第一渡さねぇとはまだ言ってない、いくつか条件がある!」

俺はその条件を言う。

一つ、俺が信用するまでジュエルシードは預かる

二つ、俺が信用したら渡す(とか言ってるが実際は2個回収の時はさっさと渡す・・・3個の時は難癖つけるなりフェイトの事情を予測したとかなんとかいって向こうに渡す。俺の口からプレシアのフェイト虐待について言うつもりはねぇがいずれアルフから分かる事だ、たとえ護送室にぶち込まれたとしても出してもらえるよね?だ、大丈夫だよね?クロノもリンディさんも根は優しさの塊だよね!?この俺の考えに一瞬スバルの「優しいから許してくれる」発言を思い出しちまった。(汗))

三つ、その代わり渡すまでアースラに滞在する(はやての家を監視させる訳にはいかんからな)

「何様のつもりだ君は!!そんな条件呑めるわけ・・・・」

「いいわ、それでいきましょう。」

「な、か、母さ・・・・・・艦長!!」

おぉ堅物執務官とは対照的に話が分かる艦長ママだ。

「いいじゃない、それにちょうどなのはさんも同じ町に住んでるんだしいいお話相手になってくれうと思うわ?」

う、それは問題がある気がする・・・・・たしかにいずれ【上司部下】の関係になる、だがその前に【敵味方】に分かれるんだぞ?俺は覚悟はあるつもりだ、だけど・・・・・なのはは・・・・・そう考えているとリンディさんまたポンッと手を合わせ、

「じゃ、そっそくなのはさんを呼びましょうか。」

まって!!まだ心の準備がー!!

「まっ・・・・・<プシュー>・・・・・プシュー?」

何だコノ音と思い振り返ったらにっこり笑顔の次期【白い悪魔】さんがいた。

「失礼します、高町なのはただいま参上しました!」

はや!!

「あらあら、早いわねなのはさん♪」

本当にな!!

「にゃはは、実は気になっててずっと扉の前で待ってたんです。」

笑いながらリンディさんに言うなのはちゃん・・・・・こっちはそれどころじゃねぇのにな、畜生かわいい笑顔じゃねぇか!!(オイ!)一通りリンディさんとの会話を終えるとおもむろにこちらを向き、

「あらためてはじめまして!私(高町 なのは)って言います!ってもう一回名乗ってたよね?」

これまたにっこりと笑いながら言った、その笑顔を見てつい言ってしまった・・・・・

「あ、悪魔め・・・・・」

「ま、またぁ!?ね、ねぇ私何かあなたの傷つくようなこといった!?」

やっべこれまたうっかり、フォローしなくては・・・・・

「おい待てよここは『悪魔で、いいよ・・・悪魔らしいやり方で話を、聞いてもらうんだから!』・・・って言うべきじゃないのかお前?」

「わ、私はそんな悪人みたいなダークヒーローみたいな事はいいません!!(涙目)」

いや、言うんだよいずれヴィータである俺に対して・・・・・・つかフォローにならんかったな?

「あ、そうだ、あたしの名前はヴィータって言う・・・・・・」

「まだ話は終わってないのー!!」

なんや、わがままな奴やなぁ・・・・・・(違う違う!)





数十分後とりあえず部屋を一つ借りた俺はおもむろに携帯を出し、はやて名義で契約した。2つ携帯持ってる奴もいるし大丈夫だろ。代金などは例の宝石などを換金して払ってる、(余談だが換金の時は本来の(秋山 隆二)の姿に変身した。はやてに見せたらかっこ悪いわけやないどっちかっていうとかわいい系との事。正直微妙にうれしくなかった。その後、雑誌を持ってきてこういのに変身しぃ、とか言われた時はひそかにマジへこみをした。)はやてに電話する。念話だとクロノらへんに傍受されるおそれがあるからな・・・。

『はい、八神ですけど?』

「あ、はやて?あたし・・・・・」

『ヴィータ!?何で電話?それよりおそいで!!いつになったら帰ってくるん!?』

「ん、実はさ・・・」

俺ははやてにこれまでの経緯を話し、そしてしばらく帰れない事を言った。

『ほか・・・・・ほんまは嫌やけどしゃぁないなぁ、隠し事なんて悪い事せんとあかんのは心苦しぃんやけどヴィータやまだ会ったことの無い守護騎士達のことを考えるとなぁー・・・・』

「・・・・・はやて、ひょっとして晩御飯・・・・・・・」

『ん、ええんよ?ヴィータがそんなこときにせんでも。』

準備してたなこれは・・・・・なんか申し訳ない気持ちでいっぱいだ・・・・・。

「ごめん、・・・・・はやて」

自然と暗い声になってしまう俺・・・それに気付いてはやてはおれに心配そうに言う。

『ヴィータ、ひょっとして泣いてるん?』

「な、泣いてなんか・・・・・・・・・っ!!?」

とっさに叫んでしまったが最後まで言う前に気付いてしまう自分が涙を流している事に・・・あ~も~・・・なんで今日はこんなに涙脆いんだよ!!今まで溜めてたのか?いろいろ・・・そう思っているとふとはやての優しい声が聞こえる。

『あんなヴィータよく聞きぃ?たしかにヴィータといっしょにおれんのは寂しぃんよ、けどなぁ・・・・・ヴィータが無事なら、ヴィータがこの世界におればそれだけでチャンスはいくらでもあるんよ?せやから今ヴィータに約束してほしいことはかならず無事に帰ってくる事や。』

「はやて・・・・・・・。」

『ほな、返事は?』

「ああ、約束する、絶対無事に帰ってくるって!」

『ん、ええ子や、ほなな?まだ早いけどおやすみヴィータ』

まだ、おやすみには早いけどたしかに寝る前にもう一度電話するほどの時間はないな・・・そんな訳で、

「おやすみ、はやて!」

そして俺は電話を切る。しかし本当にはやては大人だな、まさか年下の・・・・・10歳くらいはなれている女の子に慰められるとは思わなかった。あ、ヴィータの活動年齢とか考えるとかぞえきれないくらい年下に・・・・・む、まぁいいや。(それにしても、ええ子って・・・・・)

うっし気合充電完了!いずれA'sで俺の正体はばれる、それを考えると今はとにかくはやての家を知られないようにするしかない、しっかり頑張らねぇと!そう意気込んでたら部屋の外から通信が入る。

『あ、ヴィータちゃん?私なの。』

「ん?なのはか、どうしたんだ?」

さっそく名前で呼び合える仲になってしまっていた。大丈夫かな?

『にゃはは、いっしょにお風呂に入ろうと思って。ヴィータちゃんお風呂場知らないでしょ?』

どうせなら機動六課ができた時に姿でのお誘いが良かったと思ったのは内緒である。

「ん、ちょっと待てな準備するから・・・」

『うん、待ってるね!』

お~、なんかうれしそう。やっぱり同い年の女の子がいないアースラは寂しかったのだろうか?・・・・・あらゆる意味で同い年の女の子じゃ無いんだが俺は。

しかし、いっしょに風呂に入るって言うのにとくになんも感情がわかないのは良い事なのか、悪い事なのか・・・・・・・。







アースラの入浴場に行く途中ふとなのはの肩にある生物がいることに気付いた。

「なあ?なのは、その肩のって・・・・・」

「あ、まだ紹介まだだったねこの子がジュエルシードの発見者の・・・」

「ユーノ・スクライアだよ、よろしく!」

「んー、よろしく・・・・・・・淫獣。」

「ええ!?な、なんで?」

おどろくユーノくんそもそもなんでアースラにいるのにフェレットモードなんだよ?なのはは俺の発言に?マークを浮かべているが・・・・・

「なぁ、なのは今から風呂に行くんだよな?」

「うん、そうだよ?」

「だってさ?」

ユーノを見る俺・・・・・・あ、目を逸らした。そして

「・・・・・・・なのは。」

「え?今度はユーノ君?なに?」

「今日は二人ではいりなよ。」

おもむろになのはの肩から降り駆け出すユーノ、その後ろ姿は、完っ全に負け犬であった。

「ええ!?急にどうしたのユーノ君!!」

まだ理解してないのか、この天然娘は(ため息)三期のなのはならユーノの正体に気付いたとたんS・L・Bかますとおもうのは俺だけか?

次の日からしばらくユーノがフェレットモードにならなくなるのは余談である、余談ったら余談である!!
















おまけ

「それにしてもヴィータちゃん言葉遣いが悪いよ?女の子なのに。」

「いいんだよ、ヴィータは言葉遣いが悪いって決まってるんだよ。」

「だ、誰が決めたの?そんな事!!」

「・・・・・・・テレビ?」

「な、なにそれ意味わかんないの!!!」

まぁ、分かられても困るけどな!













あとがき

キャラが増えてきて大変です各キャラの性格あってるかな?次はフェイト&アルフの登場予定です、例の海の上での大暴走(?)の話を書こうと思います。

うまく表現できるかなぁ・・・・・・・・。






[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第五話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/07/06 22:50
俺は今DVDを見ているタイトルは【魔法少女リリカルなのは】第九話である。

今のシーンはちょうどフェイトが無茶をして海の中のジュエルシードを強制発動させようとする場面だ。俺はこれを見てふと思った・・・・・・無謀すぎる・・・・・。

はっきりいってもはや正気かどうかすら疑う。こんな事カートリッジシステムを搭載してるデバイスを持ってる俺だってやろうとは思わない・・・・・・デバイスを持っている?何言ってるんだ俺?

自分の思考に疑問を持ったとたん俺のアパートの部屋は、否、世界は歪んだそして俺は夢から覚めた。







第五話「決戦は海の上でなの・・・・・・・に巻き込まれた俺なの(泣)」







目が覚めると可笑しなことに巨大スクリーンでまだフェイトが大嵐の中で無茶をするシーンが映っていた、アニメではなく現実という相違点があったが。寝ぼけた俺の頭は唐突に理解をした。あ、俺ヴィータになってたんだっけ・・・・・しかし、なのはの世界にいるからDVD見る夢を見たなんてなぁ、普通逆なんじゃねぇか?

んで、なんでこんなとこで寝てたかというとクロノとアルフのどちらが2つ回収になるか見逃さないためである。もちろんフェイトの姿を確認したかったのもあるが・・・。

クロノがこんな所でねるな!!と叫んでたが仕方なかったんだよ、俺だってこんな硬い床で寝たくなかったけど昨日の晩なのはにこれまでの経緯を聞かされて寝るの遅かったんだから。ただでさえなれないジュエルシードの封印やらなにやらで疲れていたのにさぁ~。うるさいクロノを黙らせるために後であたしのパンツやると言ったら黙ったがな、さすがヴィータのパンツ!!!(注―実際はそれを聞いて不覚にも顔を赤くしたのを母リンディと未来嫁エイミィに見られ、からかわれるのから逃げたためである)

ふと意識をおこすと聞こえてきた、なのは達のあの言い合いが、

「あのっ!私、急いで現場に…!」

なのは転送の準備をするしかしクロノの声に阻まれる。

「その必要はないよ、ほうっておけばあの子は自滅する…」

なのははこの言葉に息をのみ、動きを止める。そしてクロノの言葉は続く、

「仮に自滅しなかったとしても、力を使い果たした所で叩けばいい」

「でも!」

なのはは反論を示す。しかしそれを無視するかのごとく各アースラスタッフに指示は出される。

「今のうちに捕獲の準備を!」

「了解」

そうこうしている内にスクリーンの向こうにいるフェイトもアルフどんどん体力を消耗していく・・・・・確かに自滅は時間の問題だった。

さすがに俺も黙ってなんかいられなかった・・・

「おい、ほんとにそれでいいのかよ!!たしかにあの金髪が自滅した後クロノとなのはでジュエルシードを封印するばいいかもしれねぇ、けど、けどさ!!」

「・・・・・・・・・・」

クロノはおれの言葉を無視してスクリーンを見る、タイミングをみはからってやがるな。くそっ!!もうパンツやらねぇぞ!?

・・・・・・・いや、まあ、本気にして「くれ」って言っても渡す気はなかったが・・・・・・そんな俺にリンディさんは言う、

「落ち着いてヴィータさん、それからなのはさんも、よく聞いて・・・・・私たちは、常に最善の選択をしないといけないの。残酷に見えるかもしれないけど・・・これが現実。」

俺はこの言葉を聞いて黙った、これ以上言っても無駄だなと判断したからだ・・・・・なのははそれでも呟くように「でも、」っといっているが・・・

だが、俺が黙ったのにはもう一つ理由があったからだ、それは・・・・・

『行って!』

そう、唐突に聞こえたのはクロノと違って十年たっても大人になりきれない(声変わりしない)ユーノ・スクライアの声だった、つか普通に紹介しろよ俺!!(一人突っ込み)俺に念話が聞こえた理由?あいつが意外にも男気を見せるのを知ってたから念話傍受の準備してたんだよ。

その後なのはとユーノは少し会話をしていたがなのはは決心したのかゲートポートに入る。そして、

「ごめんなさい、高町なのは、指示を無視して勝手な行動を取ります!」

ユーノは印を結び叫ぶ、

「あの子の結界内へ、転送!」

なのはは転送される、友達になりたいと願うあの少女・・・・・【フェイト・テスタロッサ】の所へと。それに続くようになのはのサポートに向かうためユーノもゲートポートに入ろうとする。よくやったユーノ!!!分かっていたけど本当によくやった、行く前にねぎらいの言葉を一つ言ってやろう、

「よくやったぜ、ユーノ!!クロノの奴じゃなくお前にあたしのパンツをくれてやる!!!」

「ありがとう・・・・・・・っていらないよ!!」

このやり取りがまずかった次の瞬間クロノが叫んだ。

「チェーン・バインド!」

「「な!!!?」」

俺とユーノが驚きの声を上げる、ユーノはとっさに避けようとしたが避けきれず足にチェーン状のバインドが絡みその場から身動きが・・・・・少なくともゲートポートにたどり着くのは不可能になった、その距離わずか数メートルだというのに・・・。つかチェーン・バインドってアルフやユーノの魔法だろ!?クロノ使えたのか!?

「くそ!!おい、クロノ!?そんなにあたしのパンツが欲し・・・・・・。」

「違う!!!」

クロノがまじめな顔をして叫ぶ、そして言葉を続ける・・・

「僕には管理局員として、執務官としての責任がある。気持ちは分かるが・・・それでも、これ以上君達の勝手を・・・許すわけにはいかない!!!!!」

こ、この【か・た・ぶ・つ・い・し・あ・た・ま・や・ろ・う】がぁ!!!だがクロノと言い争ってる暇はねぇ!!なのはをアルフの牙から守るためにも急いでユーノを、そう思い俺はユーノに念話を送る。

『ユーノ待ってろ今からそんなバインドあたしのアイゼンで・・・』

『待って!!君も分かってるはずだ、君の魔力量をもってしてもそれでは時間がかかりすぎる事に!それよりも頼みがある!!』

おいおい、まさか・・・・・・

『なのはを、僕の変わりになのはを守ってくれ!幸いまだ手は塞がれてない印は結べる!!!』

ビンゴォ・・・・・・俺に考える暇も与えずにユーノは言葉を伝えてくる。

『図々しい頼みだと分かっている、昨日であったばかりの子に頼むような事じゃないという事も・・・・・でも、今この場においてなのはを助ける事ができるのは君しかいないんだ。だからもう一度言う、頼む僕の変わりになのはを守ってくれ!』

・・・・・もう考えてる暇は無い、一瞬でそう判断し俺はゲートポートへと駆け出す。

「聞いてなかったのか!!これ以上かってなまねは!!!」

各アースラスタッフが、艦長であるリンディさんでさえただ呆然と俺の行動を見ている中、クロノが俺の前に立ちふさがり叫ぶ、だが、

「じゃますんじゃ・・・・・・ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

俺はクロノに渾身の一撃をかます!!たぶん自分の立場にとらわれすぎのコイツへの怒りも少しあったかも知れねぇな・・・・・。

「がはっ!!」

クロノは近くの壁に叩きつけられ悲鳴を上げる。ま、大丈夫だろいくら渾身の一撃っつても特に魔力行使をしたわけでもないただのパンチだ、それに引き換え殴られた本人はバリアジャケット装備中だ!そして、ゲートポートへとたどり着く、再びなのはの時と同じようにユーノは印を結び叫ぶ、

「あの子の結界内へ・・・・・いや、なのはの所へ、転送!!」

そして、俺は転送される、あいつらの所へと・・・・・・

ちっ、なんだよ結構かっこいいとこあんじゃねぇかよユーノ、もう淫獣なんて呼べねぇな、流石に・・・あ、でもよくよく考えると俺巻き込まれてるだけじゃねぇか?やっぱ言う時には言うってやる。

まあいい、思考を切り替えよう、後の事はあまり考えるな今はとにかく、





なのはを守る事だけを考えろ!!!!!









<なのはside>

私はとにかくフェイトちゃんの所へと、その一心でした。そのせいか周りが見えてませんでした。

「フェイトの邪魔をするなぁぁぁ!!!」

今にも噛み付いてきそうな・・・いえ、きっと噛み付くために牙をむき出しにして私に突撃してこようとするのは、フェイトちゃんの使い魔であるアルフさん。急いで私はシールドを張ろうとしました、しかし私がシールドを張るよりも早くアルフさんは突如現れた魔法陣により動きを阻まれたの。

最初はユーノくんだと思っていた、だって今まで私のサポートをしてくれたのは、ずっとユーノくんだったのだから。だけど私のそんな考えは一瞬で覆されました。なぜならユーノくんの使う魔法陣は丸なのに対し、その魔法陣は三角なのでした。私はその魔法陣をつくった術者を見て驚いた。

「だ、誰だい!?あんた!!!」

アルフさんは驚きと怒りが混じったような声で叫びました。

そこにいたのは、赤い紅い服を着た女の子。そして、昨日私と出会って友達になったばかりの子・・・・・・

「誰かって聞かれてもなぁ・・・・・こう答えるしかねぇぞ?あたしはベルカの騎士・・・・・ヴィータ様だ!!!!!!!」

だったの。

・・・・・・・でもなぜか偉そうなの・・・・・・・。







<ヴィータside>

とうとうやっちまったなぁ・・・・・本・格・参・加―。

あ~、ったく!!これも全部あのムッツリクロノがわりぃんだ!戻ったらアイゼンの頑固な汚れにしてやる!!!それにしてもアルフに名前を聞かれた時つい反射的に「守護騎士が一人、鉄槌の騎士・・・・・ヴィータ!!」って言いそうになっちまったじゃねぇか。(名乗りの練習してたのは内緒だぜ!!)どこからぼろがでちまうかわからねぇからな、気をつけなくては・・・・・・。

「ヴ、ヴィータちゃん!?な、なんで?」

お、やっぱ驚いてる。

「実はさぁ、クロノの奴があたしのパンツ欲しさにユーノを捕まえやがって・・・・・。」

「え?えぇ!!?」

驚き声を上げるなのは、間髪いれずクロノが通信をしてきた。

『パンツからいいかげん離れろぉぉぉぉぉぉ!!!!』

「待てよ、離れろったってよ、あたしまだ履いてるんだぞ?ノーパンになれってか?」

『そ、そういう意味じゃない!!!』

「クロノくん・・・・・・」

あ、ちょっとティアナを撃ち落としたあの時の目に似ているな、今のなのは。

『ち、ちがう、君までそんな目で僕を見るなぁぁぁ!!!』

お?ちょっち泣きそうだなクロノボーイ、ざまぁみろ、俺がこの場にいる原因をつくった罰だ!!

『と、とにかく!なにをやってるんだ君達は!!!』

「ちょっと無理のある切り替えしだな?パンツハンター?」

『う、うるさい!いいから答えろ!!!』

いいのか、パンツハンター説否定しなくて?

「あたしがいる理由なんて見りゃぁ分かるだろ?分からねぇならユーノに教えてもらえ、なのはには自分で聞け!」

そう言い俺はアルフのほうを向く、まだ少しクロノとなのはは会話をしていたがすぐに終わらせなのははフェイトの元へ飛ぶ。俺はなんか呆然とこっちを見ていたアルフに向かって叫ぶ。

「とりあえずよく聞け、金髪女の守護獣(あ、守護獣って言っちまった)!あたし達は別に戦いに来たわけじゃねぇ、今はとにかくあの二人が行なう封印のサポートに徹しろ!!!」

正直なところ俺となのはで封印行為をおこなったほうが早いんだが、それは駄目だ。なぜならこれは初めてのなのはとフェイトの共同作業なのだから・・・・・(俺が封印苦手と言うのもあるが)

そして俺はアイゼンを掲げ叫ぶ、

「ゲフェングニス・デア・マギー!!」

『Gefangnis der Magie』

発生した筒状の細長い結界を造り、各竜巻を包む。そしてジュエルシードの暴走により発生した竜巻の動きは封じられた。

本来これは対象を結界内から逃さないための封鎖領域であり、このようにまるで捕縛するようなものは本来の使い方でないため相当な負担がかかる。後の疲労を考えるとアレだが・・・今回はサポートが目的のため気にする必要はねぇ。

・・・・・・約半年後に起こる事件において俺はなのはにこれを張らないといけないんだよな・・・なのはが俺から逃げれないようにするために・・・・・。

そんな事に一瞬思考を回してしまったせいなのか定かではないが、突如動きを止めていた竜巻のうち2つが結界を破り再び活動を再開してしまった。しまった!!やはり俺ではこの役目は無理があったのか!!?しかし焦るおれの後ろから2色のオレンジと翠のチェーン状の魔力が飛び出し竜巻の動きを封じた!一つはアルフだとわかるがもう一つのはいったい・・・・・・

「ごめん、遅くなった!!」

ユーノ!?こいつクロノのバインドを自力で破ってここに来たのか?オイオイ、今日はどうしたんだコイツ?ここぞとこれから先目立たない鬱憤を晴らすかのごとくかっこいいじゃねぇか?

「よくやった、今日はあたしがお前の背中を流してやろう!!」

「あはは、ありがとう。」

あ、こりゃ冗談だと思ってるなパンツの時は即効拒否したくせに、マジでやってやろうか?

あれ?アルフが心なしかジト目に・・・・・・。



その後何の前触れもなく飛んできた桃色の閃光と金色の雷撃が飛んでき激しい爆音と共に竜巻を吹き飛ばした。前もって何か言えよあの馬鹿共!!ちっ、今の衝撃で飛び上がった海水の水が雨のごとく降り注ぎ、結果俺はびしょ濡れになった。一言文句を言ってやろうと思い、俺はなのはたちの方に行く。そして俺は、――――――――――――――その光景を見た。

ジュエルシードを間に向かい合い見詰め合う二人、嵐がやみ、差し込んできた光はまるで二人のためのスポットライトに思えた。なのはがフェイトに何かを言う、この距離からじゃ聞こえないが俺は何を言ったかを知っている。

「友達になりたいんだ。」

そんなことを頭の片隅で考えながらこの光景に見惚れていた・・・・・・・・・次に起こる出来事も忘れて。

突如紫の雷が俺たちに襲い掛かる、言うまでもなくプレシアの攻撃だ。

「パンツァーシルト!!」

『Panzerschild』

俺はシールドを張り自分の身を守る、視界の片隅にフェイトが雷撃をもろかぶりして墜落していくのが見えた・・・・・・・気がする。とてもじゃないが自分のことでいっぱいいっぱいだった。攻撃が収まり最初に見た光景はフェイトを抱えたアルフがジュエルシード目掛けて突っ込んでいく姿だった、しかしジュエルシードを掴もうとした瞬間クロノが現れそれは防がれた。

「邪魔、するなぁぁぁぁぁぁ!!」

そう叫ぶとアルフはクロノを吹き飛ばす、しかしクロノは吹き飛ばされる直前ジュエルシードを3つ掴んだ・・・・・・・ちっ、よりによってアルフが2つ回収かよ!?俺はどうやってアルフにジュエルシードを渡そうか思索した。それゆえに気がつかなかった、クロノが俺目掛けて飛ばされていた事に。気付いた時にはすでに遅くクロノは俺にぶつかる寸前だった!そして俺はとっさに・・・・・・



クロノをアイゼンで打ち返してしまった。



「ぐふっ!!?」

という悲鳴とともに海に叩き付けられるクロノ・・・・・・・弁解させてくれ、俺昔は、そう小学生のころ野球小僧でさぁ・・・・・・などと言い訳を考えてふと前を見るとそこにはクロノの手から離れてしまったジュエルシードが3つ。

――――――――――――――――――――――――――――――チャンスだ!!

俺はそれ目掛けて飛ぶ、アルフもそれに気付いて飛んでくるが俺の方が早い、そして俺はジュエルシードを、2つ回収した。アルフは1つを掴むとそのまま転移をしてフェイトといっしょに消えた。アースラも攻撃を受けているだろうから追跡は無理だろう。

ん?そういえば、すれ違いざまに見たアルフの表情から察するに俺がわざと1つ残したのに気付いたな?まぁ、いいや。これからの展開を考えるととてもじゃないがアルフの奴はそんな事を気にしている余裕はないだろう。

む、なのはとユーノがこっちに飛んできた、一応謝っておくか。

「わりぃ二人とも、3つ取られちまった・・・・・」

ちょっとションボリ声で言う俺を二人は慰めてくれた。ちょっと罪悪感。そんなさなかリンディさんから通信が入る。

『みんな、戻ってきて。・・・で、なのはさん、ヴィータさん、ユーノくんの三人は私じきじきのお叱りタイムです。・・・・・・そして、ヴィータさん?』

「・・・・・なんすか?」

いきなりの名指しにちょっと元気なさげに言う俺。ったく、巻き込まれただけなのになぁ?

『一端の責任を持っているあなたがちゃんとクロノを回収してくれるかしら?』

あ、素で忘れてた。















おまけ



俺はリンディさんの指示どおり気絶したクロノを回収し抱えていた、体格的にちょっときつかった

「しかし、こいつも悲惨だよな、一日に3回も異性にぶっ飛ばされるなんて・・・・・」

そのうちの2回は俺だけど・・・・・ちょっとかわいそうになってきた。

「・・・・・・・パンツぐらい、くれてやるか?」

と呟いたら、いつの間に目が覚めたのか俺の呟きに答えた。

「もう、そのネタ勘弁してくれ・・・・・・・」

ずぶ濡れだったため分からんが泣いていたかも知れない。・・・・・・・なにがあった?あの後アースラで・・・・・・・・・・。













あとがき

つ、疲れた・・・・・まさかアニメの内容をSSにするとここまで疲れるとは。

それにしても展開都合よすぎたかも・・・ご都合主義ってことで(土下座)

つかクロノ悲惨すぎた。(苦笑い)あとパンツ発言が多すぎた不思議にいろいろ便利だなこの発言・・・・・それでいいのかヴィータ?










[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第六話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/12/02 20:17
俺達は今リンディさんの所へ行く途中であった・・・・・・お叱りを受けるべく。

「ヴィータちゃん、そのバリアジャケットかわいいね!」

「厳密には騎士甲冑なんだが、だろ?とくに帽子はあたしの一番のお気に入りでさ!!」

そうこの帽子はデザインしたはやてが何度も何度も似合うとベタ褒めしたもんでいつの間にやら俺のお気に入りになっていた。なんか染まってきたな俺・・・・・・・いいじゃん、褒められたらうれしいんだもん!!

「?騎士甲冑・・・・・?」

「ベルカ式におけるバリアジャケットに相当する防護服の呼称だよ。普通は鎧のような重装備であることが多いはずだけど、・・・・・・・ヴィータのはそう見えないね?」

「うっせーぞ、ユーノ!!!」

「お、落ち着いてヴィータちゃん!!」

こんな感じに会話する俺達にクロノ(自分に全力全開で治癒魔法をかけて元気になった)がおもむろに声をかけてきた。

「あ~、君達。現実逃避するのはいいが、艦長のところについたぞ?」

いいじゃんか、もうちょっと逃避したってさ!!







第六話「これは愚かな選択かも知れねぇな・・・・・・・ええい、乗りかかった艦だ!!」







アニメじゃそんな長くなかったお叱りタイムは予想以上に長かった。まんまり長かったものでポケットに手を突っ込んでるふりをしてカートリッジに魔力補充をしていた。

「ヴィータさん?」

ふいに俺に声がかけられた。その時の笑みを見て俺はとっさに、

「ごめんなさい、ママ!!!!」

と言っちまった・・・・・・・俺以外みんなが笑った。畜生!!

その後、フェイトの母であるプレシアの経歴説明があったが、あんま聞いても意味ねぇな、と思いカートリッジへの魔力補充に専念した。別に戦うつもりはないが(そう思いたい)手持ちにないと何か不安。いつの間に説明が終わったのかなのはが俺に声をかけてきた。

「あれ?ヴィータちゃん、何してるの?」

「カートリッジへの魔力補充をしてるんだよ。」

「?」

不思議そうな顔をするなのはにユーノが説明をする。

「ベルカ式のデバイス最大の特徴は、デバイスに組み込まれたカートリッジシステムって呼ばれる武装なんだ。」

「カートリッジシステム?」

ユーノは説明を続ける。

「儀式で圧縮した魔力を込めた弾丸をデバイスに組み込んで、瞬間的に爆発的な破壊力を得る、それがカートリッジシステム。」

クロノがそれに付け足すように言う。

「そう、危険で物騒な代物だ。・・・・・・・つまり、そんな物をこの場所でつくるんじゃない!!!」

あ~、万年堅物はこれだから、いいじゃねぇか半年後にはなのはとフェイトが堂々と持ってこのアースラ内を歩くんだから。

「ったく、うっせーな。んな事より、なのは!準備はいいのかよ、一時帰宅が許されたんだろ?」

「あう~、そ、そうだったの!」

なのはは急いで走っていく、それにつづきユーノも走る。クロノは自室で休養を取らされ部屋に戻ろうとするが俺が呼び止めた。聞きたいことがあったからだ。

「おい、クロノ!!」

「何だ、僕は誰かさん達・・・・・とくにある一人のせいで疲れてるんだ。」

根に持ってるなクロノ・・・・・・無視して言いたいこと言おう。

「おまえ言ったよな?執務官として勝手はゆるさねぇって。それ今もかわんねぇのか?」

「ああ、変わらない。」

あたりまえのように返答してきた。

「なら、【クロノ・ハラオウン】としてはどうだったんだ?」

「その考えが許される立場じゃない。」

まだ立場とほざくか、しかしこの口調から察するに自分の考えを殺している自覚はあるのな、最後にプレシアに自分の信念みたいなのをぶちまけるシーンを思い出したゆえにちょっと心配だったが余計な世話だったか。

「それにあれは、・・・・・・」

「ん?」

なんかクロノが俺に背を向け言おうとしてる。

「もしかしたら君達への・・・・・・いや、なんでもない。」

そして自室に戻っていくクロノ、まるで逃げるように。

「少しヴィータちゃん達が羨ましいんだよクロノ君は。」

その場に最後まで残っていたエイミィが俺に言う・・・・・・・あ、初会話だ!

「羨ましい?なんで?」

「クロノ君は頭固いけどそれに負けず劣らず人がいいからね~。今回だって仮にも自分の制止を無視して殴ったヴィータちゃんからジュエルシードを奪わなかったでしょ?」

「あ!」

俺はここではじめてきづいた、確かにおれからジュエルシードを取り上げる大義名分は今回の事で出来ていたのに。

「んじゃぁ、なんでユーノにバインドをかけたんだよ。」

「それは、多分八つ当たりも混じってたんじゃないかな?」

はぁ?なんか意味わかんねえ・・・・・

「クロノ君だって、苦しんでる女の子を黙ってみていられるような子じゃないんだよ?それでも我慢してたのに勝手に飛び出すみんなを見てつい・・・・・ってとこじゃないかな?」

私はクロノ君じゃないから断言できないけど、とエイミィは付け足す。ふとある考えがよぎり俺はエイミィに聞いた。

「まさか、ユーノが加勢にこれたのって・・・・・」

「そ、クロノ君がバインドを解いたから、『いまさら一人抑えたくらいじゃ状況は悪化するばかりだから君も行ってくれ』とか言っちゃってさ~。」

なんだよ、ユーノの奴自力で解いたわけじゃなかったのか・・・・・・褒めて損した。もう背中流してやんねぇ。パンツもやんねぇ。

「とにかくあまりクロノ君を嫌わないでね?それじゃ、私も行くね、頼まれた調べ物があるから。」

そしてエイミィも行った、その場に残ったのは俺だけとなった。とりあえずこれからの事を考えるか。ま、考えるまでもねえよな。もうジュエルシード持つ意味もねえし、とっとと渡して家に帰ろ~っと。はやてのギガうま飯が俺を待ってるぜ~~。

そんな事を考えてた俺はふと、先ほどの光景を思い出した。なのはがフェイトに「友達になりたい」と言ったあの光景を。できれば最後まで見届けたい・・・・・・・何を考えている、それは馬鹿のすることだ。俺の正体がいつばれるとも限らんのだぞ?

・・・いや、待て。このタイミングで帰るのもかえって不審がられるんじゃないか?ただでさえ俺はフェイト達に顔を見られている、家に帰るとか言ったら念のため護衛を付けるとか言ってくるかもしれない。それはなくとも少なくとも何かあったときのためにと所在地は確実に聞いてくるだろう。どうせあと数日でこの事件は終わる、ならいっそのことこの事件がすべて終わりフェイトが本局に移動になるのを見届けてからのほうがいいのではないか?いや、え~~っと・・・・・ええい、ここまで来ていまさら逃げるなんて男がすたる!!(今は万年幼女だが)最後まできっちりと見てやる!!!そのかわり見てるだけだからな?俺?・・・・・そう自分に言い聞かせ借りた部屋に戻る。そして、そっこー眠りについた・・・よく考えたらろくな休息とって無かったな。この疲労じゃどのみち帰れんかったな。(こんな状態で帰ったらはやての尋問怖いもん)

途中でリンディさんに起こされ連れられるまま寝ぼけながら風呂に入った。(せめてお風呂くらい入って寝なさいといわれたのは覚えてる。あんたは俺のおかんか!!)風呂場に黒髪の少年がいたようないなかったような・・・・・・寝ぼけてたからよく覚えとらん。後で聞いた話だとリンディさんが俺の髪やらなんやらを洗ってくれたとか、しっかり目が覚めたのはリンディさんに手を引かれ自分の部屋に戻っている時である。ここまで疲労が溜まっていたのか・・・・・目が覚めたのに気付いたリンディさんが夕食はどうかと尋ねてきた。また寝る前に軽くなんか食うかと思い食堂に行く事にした・・・・・つか何時まで手を握っているリンディさん。

「私娘が欲しかったのよ~♪」

心配しなくとももうすぐフェイトがあんたの娘になるよ。

食堂に着くとクロノが遅めの夕食をとっていた、俺を見た瞬間顔を真っ赤にして食べていたものを吹き出した。きたねえな~前のパンツ騒動(?)でも思い出したか? 

あれ?なにやらリンディさんがにやけ顔・・・・・。

そんなこんなで次の日、俺は暇を持て余していた。

みんなプレシア・テスタロッサについて調べている。フェイトのためにプレシアに殴りかかり返り討ちにあってしまって傷つき、アリサに保護されたアルフがなのはに会うまでまだ時間があった。なんかぼ~っとしてるのも悪いと思い手伝おうとしたら、

「かまわないが、邪魔だけはしないでくれ。」

とクロノに言われた。むかついたので普通の14、15歳位の男子の平均身長を教えて何cm低いか教えてやった、後悔はしていない。

とは言っても一応民間協力者(という事になっている)の俺が調べれるものは少なく(一応は一般局員が知る事が出来る情報を調べれるように許可を得たのだが)今は暇つぶしもかねて管理局で開発されたデバイスを見ていた。当然のごとくミッド式に対応したものがほとんどであったがいくつかベルカ式に対応するためのものもあった・・・・・その数は流石にまだ少なく本当に近代ベルか式なんて広まるのか不安なった。当然といえば当然だが、やはりデュランダルの存在は確認できなかった・・・少なくとも一般局員じゃ知る事の出来ない存在というわけか・・・・・・ま、見つけたからってどうこうなる訳じゃないからいいか。そんな事を考えながらなんとなく目に付いた槍状のアームドデバイスの所有者を見た・・・・・そして驚いた。この頃・・・いや、今現在まだベルカ式を使う者は限られている。予想はできたはずなのにな・・・・・・・。

そこに写っている所有者の顔は俺の印象に強く残っている姿よりも若いが間違いない。

「ゼスト・・・・・・グランガイツ・・・・・」

呟くように俺は言う。当たり前だが地上本部所属という以外のくわしい経歴は一切載ってなかった。

「ありゃ、ヴィータちゃん?何見てるの?」

「わひゃぁぁ!!?」

いきなり声をかけられつい驚いちまった。

「い、いいいいきなりなんだよビックリしたじゃねぇかエイミィ!!」

「え~私のせい?・・・・・・ん?誰かの個人データ?」

「そこまでいえるほど詳しく書いてねぇよ、ただベルカ式を使ってるってだけでちょっと興味持っただけ。」

うん、うそは言ってないよな?

「ふむふむ。えっと、ちょっと待ってねゼスト・・・グランガイツっと・・・・・」

おもむろに調べてくれるエイミィ・・・っておい!

「エイミィ・・・・・情報漏洩ってまじぃんじゃ・・・・・」

「あはは、大丈夫だって私じゃ+α程度しか分からないし・・・・・っと、出た。うひゃ~すごいねぇ!ただでさえ数少ないベルカ式の使い手の上ランクAAA+だってこの人。」

うえ、この時点でそんなにすごいのかよ、さすがに将来リインとユニゾンしたヴィータを一撃でふっ飛ばしただけの事はあるな。・・・・・・・て、人事みたいに言ってる場合じゃねぇな(汗)

「エイミィ!!何時まで休憩してるんだ!!!」

「うあ!!は、はい!!!・・・・・って、そんな怒鳴らなくてもいいでしょクロノ君!!」

クロノに怒鳴られ戻っていくエイミィ。さて、自分で言うのもなんだがもうここにいても役にはたたないってわかったし(笑)部屋に戻って昼寝でもするか?

んで、目が覚めたのはもう夜だった。(ここじゃ、分からんが)

そういやクロノ達どうしてるかな?そう思い俺は艦橋へと向かうと・・・・・・なんかエイミィがすんごい暗い顔してた。

「どうしたんだ?万年能天気お姉さん?」

「あ、ヴィータちゃん・・・ん、ちょっとね・・・・・って誰が万年能天気お姉さんかな~?」

そう言っても強がってはいるがやっぱどっか無理してるように見えた。そんなエイミィから注意を逸らすかのようにクロノが話しかける。

「ちょうどよかった、一応君にもこれからの方針を言っておこう。」

そして俺は聞かされた、傷ついたアルフが発見された事、プレシアによるフェイトへの虐待、任務がプレシア逮捕に変更になった事、そして最後にフェイトのことはなのはに任された事。うむうむ、すべては俺の知る物語どおり、ん?じゃぁ、エイミィのあの態度は・・・・・

「ひょっとして、アレか?フェイトがプレシアに・・・・・・」

「あ、うん。・・・・・・それもあるけど、」

何か歯切れが悪いな・・・。

「ごめんなさい、今はまだ言えないの。できればこれ以上聞かないでくれるかしら?」

そう言いどこか寂しげな表情で俺の肩に手を添えるリンディさん、俺はここにきてはじめて気がついた。知ってしまったんだ・・・・・プロジェクトFを・・・・・・。そしてフェイトがアリシアのクローンであるという事、さらにはフェイト自身もその事を知らないかもしれないという予測がついてしまったのだろう。

「うん、・・・・・・・・・・・」

その事に気が付いてしまった俺はそういって黙る事しか出来なかった。俺もこの事を知っていた、だがそれは物語、アニメの設定という形でしかない・・・もうこの事はこの世界にいる俺にとっても現実の出来事なんだ。本当に見てるだけでいいのか?本当にフェイトのために何かしなくてもいいのか?本当に俺は・・・・・・・





『そか、もうすぐ終わりそうなんやね?』

「うん、なんとかはやての事はうまく誤魔化せれてるよ。」

俺ははやてに電話をしていた。もうすぐ帰れるというのも言いたかったけど、なぜか無性に声が聞きたくなっていた。やれやれ、中身男子大学生の癖にな俺は・・・・・・

『なあ、ヴィータ?なんか悩んどるんちゃうか?』

「あ~、・・・・・ん、まぁね?はやてはよく分かったな?」

『ヴィータのことやからな~。』

どこかうれしそうに言うはやて、そして言葉を続けた

『けど、悩むだけ無駄やと思うよ?ヴィータの場合。』

「?どういう意味だよ、はやて?」

『ほら、なんかこう理性で行動するよりも感情的に行動するのがヴィータらしいやん?』

「・・・・・他に言い方無いのかよ?」

『えぇ!?あるん!!?』

「どういう意味だよ!!!」

そのあとは軽く言い合いをした・・・・・というより俺が一方的に言ってるだけではやては愉快そう笑ってるだけだった。そして、

『あはは、・・・・・・で?なんやいつの間にか元気出てきたやないかヴィータ』

「え・・・・・あ~言われてみれば・・・・・」

『うんうん、作戦成功や!!』

「本当かよ?」

『あ~、2割・・・・・1割くらい・・・・・』

「おい、はや『と、とにかくや!!』・・・ん?」

ちょっと苦しい誤魔化し方をしてはやては話を切り換えした・・・・・反撃の糸口が掴めたかと思ったのに・・・・・・ちっ!!(負けず嫌い)

『私との約束は覚えとるな?』

「分かってるよ、無事に・・・」

『帰ってくる事や!!・・・・・ほなな?そろそろおやすみの時間や、夜更かしはあかんで~。』

「ん、おやすみ。」

そして俺は電話を切る・・・・・はっ、結局終始はやてのターンだった!!・・・・・・ま、いいやなんとなく元気でたし。とりあえずは、

「明日に向けてしっかり寝るか!!」

それにしても今回は寝てばかりだな・・・・・・いいんだよ、寝る子は育つんだよ!!(俺は育たないがな!!)







おまけ

俺は夢を見ていた、その日はクリスマス・イブ・・・そう近い将来訪れる運命のあの日、燃え盛る炎の中なのはは現れた。俺はなのはに言う。

「あ、悪魔め、覇王め、魔王め、砲撃王め、鬼教官め、それから・・・・・」

なのはは言う。

「いいよ、悪魔でも、覇王でも、魔王でも、砲撃・・・・・って、いいすぎだよヴィータちゃん!!こんな状況でも傷つくよ~!!」

ここで俺は目が覚めた、まだ夜中。これその日がきたら本当に言ってやろうかと思った。











あとがき

なんかいろいろぐだぐだになった・・・・・本当はクロノが執務官として、そして自分自身としての考えの間に悩む・・・という展開にするはずが、何かすでに答えだしてた。おのれクロノ!!(おい!)あと、無駄に考えがぐらぐらするのはこの世界を現実として受け入れ始めたゆえの動揺だったり、違ったり。唯単に作者のちからぶそくだったり(土下座)

ではでは。






[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第七話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/07/18 02:24
目が覚めたら朝の六時ちょっと過ぎてた。

ま、結論を言えば、――――――――――――――寝坊した。

誰でもいいから起こしてくれたっていいじゃん!!





第七話「もう、許すもんか・・・てめぇだけはな!!愚か者といわれようがやってやるぜ!!」





俺は急いでなのはとフェイトの対決を見ているであろうクロノ達のもとへと走った。そしてクロノのもとにたどり着き最初に見たのはモニター越しのなのはが

『受けてみて!ディバインバスターのバリエーション!』

そう言いバインドで身動きの取れないフェイトに向かってスターライトブレイカーを打つ準備をしていた瞬間であった・・・・・えげつねぇ。

フェイトは必死に逃れようとする、しかしバインドがそれを許さない。そして、

『これが私の全力全開!スターライト・ブレイカーーーーー!!!』

恐ろしいまでに集束していた魔力は桃色の閃光となりフェイトに向かって解きはなれた。

「なんつー、バカ魔力!」

「うわぁ、フェイトちゃん生きてるかな?」

クロノとエイミィが言う。

そして俺はここである決意をする、『ブレイカー』系の魔法を絶対編み出そうと。できるはずだ、スバルだってちょっと勝手が違うがディバインバスターが使えるんだ。あれをうまく応用すれば不可能じゃない・・・・・・だって、とにかく同じようなのものを使えないと、とてもじゃないが恐怖のあまりなのはと戦う事なんてできない(汗)・・・・・たしかにバインドで動きを封じられたらいっしょかもしれんが同じような力を持っているかいないかでは・・・・・・・心にあるゆとりが違う!!!へたれと呼びたきゃ呼べ!!!!!
そう結論付けてふたたびモニターを見ると、そこには海に落ちたフェイトとバルディッシュを回収したなのはの姿が。

『Put out』

バルディッシュはいままでフェイトが集めたジュエルシードを解放する、その後なのはに言われ自らの力で飛ぶフェイト。

「よし、なのはジュエルシードを確保して、それから彼女を・・・・」

クロノがなのはに指示を出そうとする、しかし

「いや、きた!!」

エイミィが叫ぶ。そして、

『フェイトちゃん!!』

フェイトにプレシアからの無慈悲な雷撃が襲い、バルディッシュが砕け待機モードになり、解放された9個のジュエルシードはプレシアのもとへと転送された。

「ビンゴ!!しっぽ掴んだ!!!」

「よし、不用意な物質転送は命取りだ、座標・・・・・」

「もう割り出して送ってるよ!」

リンディが指示を出す。

「武装局員、転送ポートより出動!任務はプレシア・テスタロッサの身柄確保です!!」

「「「「「はっ!!!!!」」」」」

ポートに待機中だった武装局員達はプレシアのいる時の庭園へと転送された。つかこんなにたくさんの武装局員どこにいたのやら・・・・・

「お前は行かないのかよ、クロノ?」

「あれだけの人数だ、僕が行く必要は無い・・・・・というかいたのか?」

「ああ、誰も起こしてくれなかったのでね・・・・・っとなのは達が来たみてぇだな。」

なのは達が来たのに気付き俺は彼女達の所へと行く。

「お疲れさま。それから、フェイトさん、初めまして」

リンディさんがなのはに労いの声をかけ、フェイトにあいさつをする。俺は少し気になる事がありアイゼンを起動させフェイトに近づく。

「ヴ、ヴィータちゃん!!?」

「あんた、フェイトになにをする気だい!!?」

「黙って見ていろ。」

なのはとアルフの制止を無視してフェイトに近づき、アイゼンを振りかざす、そして

パキィィィン

「え・・・・・?」

フェイトが驚きの声を上げた。なぜなら自分に付けられていた拘束具を破壊したからだ。

「こいつはすでに保護対象も同然のはずだ、これはいらねぇだろ~が。」

俺はリンディさんに言う

「ヴィータちゃん・・・・・」

あ、なんかなのは嬉しそう・・・・・

「か、勘違いすんじゃねぇぞ!なのはのためでもこいつのためでもねぇ・・・・・あたしが気に入らなかっただけだ!!」

そんな俺達を見ながら苦笑いをしつつリンディさんは俺となのはに念話で言う

『母親が逮捕される瞬間を見せるのは忍びないわね、なのはさん、ヴィータさん、彼女をどこか別の部屋に。』

『あ、はい』

なのはが返事をしフェイトを自分の部屋に連れて行こうとする、だが・・・・・

『総員玉座の間に侵入、目標を発見!!』

武装局員がプレシアを囲む、そして別行動をしていた隊もあるものを発見した。それはカプセルの中に浮くフェイトによく似た、否うりふたつの少女。

「え!!?」

なのはが驚きの声を上げる、フェイトが目を見開く。

『私のアリシアに近寄らないで!』

いつの間に転移してきたプレシアが武装局員達を一掃した、離れた場所である玉座の間にいた者たちもまとめて・・・・・

「いけない、局員達の送還を!!」

「了解です!!」

エイミィはリンディさんの指示通りに局員達の送還はじめる。一方でプレシアがカプセルにすがりつき言う。

『もうだめね、時間がないわ。たった九個のロストロギアではアルハザードにたどり着けるかどうかは分からないけど』

じゃあ、やめとけ・・・・・とマジで言ってやろうかと思った。そんな俺の考えなど知るよしもない(あたりまえだ)プレシアはおもむろに睨むようにこちらを向き言葉を続ける。

『でも、もういいわ。終わりにする。この子を亡くしてからの暗鬱な時間を、この子の身代わりの人形を娘扱いするのも。』

フェイトとなのはが息をのむ、

『聞いていて?あなたのことよ、フェイト。折角アリシアの記憶をあげたのに、そっくりなのは見た目だけ。役立たずでちっとも使えない、私のお人形。』

エイミィが知ってしまった真実を語る。

「最初の事故の時にね、プレシアは実の娘、アリシア・テスタロッサをなくしているの。彼女が最後に行っていた実験は使い魔とは異なる、使い魔を超える人造生命の生成。そして、死者蘇生の技術を。フェイトって名前は当時彼女の研究につけられた開発コードなの。」

そして、ふたたびプレシアが発言を始める。

『よく調べたわね。そうよ、その通り。だけどダメね。ちっとも上手くいかなかった。フェイトやっぱりあなたはアリシアの偽者よ。せっかくあげたアリシアの記憶をあなたじゃダメだった。』

「やめて、やめてよ・・・!!」

なのはが悲痛の声を上げる。そして俺はひたすら我慢していた、いますぐ叫びたい。だめだ、何のために俺はここにいる?見届けるためだけだろ?これ以上の介入はするな!!

『アリシアをよみがえらせる間に私が慰みのために使うお人形。でももう、あなたはいらないわ。どこへなりと消えなさい!』

「お願い、もうやめて!!!」

『ふはははははははは!!』

フェイトが涙を溜めるそれに対しプレシアは笑っていた、愉快に。それは周りの人間に不快感しか与えなかった。駄目だ、我慢しろ、我慢、がまん・・・・

『いいことを教えてあげるわ、フェイト。あなたを作り出してから私はあなたが・・・・・・大嫌いだったのよ!!』

フェイトがとうとう耐え切れなくなり手に持っていた待機中のバルディッシュを落とし、そして精神的ショックで倒れてしまった。なのは達がいそいで支える中、俺は・・・・・

「なにが、そんなに可笑しいんだこの厚化粧ババァ!!!」

とうとう感情に任せ叫んでしまった、どうせならもっと早く叫べばよかったと後で後悔した。

「は、黙って聞いてれば結局さっきから話をしているのは自分の失敗談じゃねぇか、な~に愉快そうに笑ってんだか・・・・・ばっかじゃねぇのか!!?そんなてめぇがアルハザードなんてたいそうな場所にたどり着けるはずねーだろーが!!もう一度いうぜ、ば~か!!!」

だがプレシアは俺の発言にひるむことなくこう言う。

『なに?あなた・・・お人形同士みたいなものだし同情でもした?・・・・・ま、興味ないけど。』

「なっ!!?」

おい・・・・・・今なんていった・・・・・俺が人形だと?オレガニンギョウダト・・・・・。

「局員の回収完了しました。」

ようやく回収作業が終わった時エイミィが何かに気付いた。

「大変大変!!ちょっと見てください、屋敷内に魔力反応多数!!!」

「なんだ!?なにが起こっている!!!?」

クロノが驚きの声を上げる、そして現れたのは無数の傀儡兵。

「庭園敷地内に魔力反応多数・・・・・いずれもAクラス!!」

「総数60・・・80!?まだ増えています!!」

「プレシア・テスタロッサ・・・いったい何をするつもり!!?」

その問いに答えるかのようにプレシアはまずアリシアの入ったカプセルを浮かせ歩きながら言う。

『私達の旅を、邪魔されたくないのよ』

そして再び玉座の間へと行く。

『私達は旅立つの。』

そう言い所有していた9個のジュエルシードを宙に出す。

『忘れられた都、アルハザードへ!!・・・・・この力で飛び立って、取り戻すのよ!全てをっ!!』

そう叫ぶとジュエルシードは円を描き強い光とともに膨大な魔力を発生させた。

アースラ内で警報が鳴る。

「次元震です!中規模以上っ!!」

「振動防御!ディストーションシールドを!!」

「ジュエルシード、9個発動。次元震、更に強くなります!」

「転送可能な距離を維持したまま、影響の薄い空域へ移動を!!」

「了解です!」

それを俺はもう見ているだけで頭の中には入っていなかった。・・・・・俺の・・・・・ヴィータの正体が気付かれている事すら考えてなかった。ただ思い出していた、はやてとのなんでもない日々を・・・・・・



『いっつ~~、指切ってもうた~!!』

『たっく、なにしてんだか、いくら料理が得意だからってよそ見すれば当然だろ~が!』

『そんなこといったてな~』

『ほれ見せてみろ、消毒した後にバンソウコはってやるから』

『・・・・・なあ、ヴィータ?』

『?何だよ?』

『ヴィータっていつもは私の妹みたいやけど』

『いつの間にそんな認識に!!?』

『ときおり、私のお兄ちゃんみたいやね?』

『は?なんでだよ?』

『お姉ちゃんみたいと呼んで欲しかったら言葉使いをなおさなあかんよ~♪』

『いいんだよ、あたしはあたしさ。』

という会話をした日の事や



『あははっ!!ヴィータ今のギャグ聞いた!!?』

『聞いた聞いた!!まさかここで新幹線が出てくるなんてさ!!』

『せやせや、ほんで・・・・・・あはは今度は名古屋城やて!!!』

『あはは、腹いてぇ!!!』

お笑い番組を二人で見て笑った事、



『なぁ?ほかの守護騎士ってどんな人達なん?』

『ん~、おっぱいと筋肉。』

『え~・・・・・と、なんや他に言い方ないんかいな?』

『んじゃぁ、おっぱいと犬。』

『ヴィータ・・・・・じつは気にしとる?』

『ん、んなわけなぇだろ!!』





などという日々の数々を・・・・・・・・あの女は否定した!!!少なくとも俺はそう思った。だから、俺は!!!!

「僕が行くゲート開いて!!」

「待てクロノ!!!」

俺は飛び出そうとするクロノを呼び止めた。

「あたしも行く、アイゼン!!!」

そういうと俺はグラーフアイゼンを起動させる。

『Jawohl!!!』

アイゼンは俺の怒りを示すかのごとく力強く答えてくれた。そして画面越しに写る時の庭園に向け掲げて叫ぶ。

「上等だ、待ってろ厚化粧ババァ!今すぐてめぇをアイゼンの頑固な汚れにしてやる・・・・・ベルカの騎士・・・・・なめんじゃねぇぞ!!!!!」

いきなり呼び止められ扉の前で俺の様子を黙ってみていたクロノを追い越した。そしてまだ黙ってそこに固まっているのを見て俺は怒鳴る。

「ぼさっとすんな、とっとと行くぞ!!」

「な、ま、待て!」

そう言うとクロノが俺を追いかけてくる。結局はやての言ったとおりになっちまったな・・・・・かまうかよ!こうなったらどうにでもなれだ!!!







おまけ

「まったく、ほんとうに大丈夫なのか!?」

「へ、伊達に騎士は名乗ってねぇよ!!」

「べルカ式の使い手で優れた術者は『騎士』と呼ばれる・・・・・か、君の場合自意識過剰だと思ってたが・・・・・。」

「な、なんだと!?あたしはこれでもしゅ・・・・・」

「しゅ?」

「しゅ、しゅ、手芸が得意なんだよ!!!」

「い、今は女らしさを聞いてるんじゃない!!」











あとがき

あはは、結局飛び出したヴィータ、さてさてどうなる事やら(おい!)

しかし、新幹線やら名古屋城がでるお笑い番組ってどんなだよ・・・・・。





[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第八話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/07/18 02:32
<はやてside>

突如起こった地震、わたしはひたすら収まるのを待った。ただの地震やない、まるで世界全体が震えてる・・・・・少なくとも私はそう感じた。そしてこれはなんとなしにヴィータが関係してるんやないかという直感めいていたものも感じていた。

ヴィータ・・・・・何しとるか知らんけど、お願いやから無事に帰ってきてぇな?祈ることしか私には出来へんけどそのかわり一生懸命祈るからな?そう心の中で呟き私はヴィータといっしょに家の前で撮った写真を強く抱きしめた。





第八話「思いと信念と結末と・・・・・」





<ヴィータside>

俺はクロノと共に転送ポートへと急いでいた。そうしてる最中前からなのは達が来た、どうなってるんだアースラ内!?クロノとなのはが会話をしてる中俺はアルフに抱えられたフェイトを見た、世界を拒絶したように虚ろな瞳でまるでプレシアが言ったとおりの人形みたいであった。

「おい、フェイト!」

だが、俺の問いにフェイトは答えない。

「あたしはお前じゃない、だからお前の辛さなんて分からねぇ・・・・・けどな、これだけは言える。お前がどうしたいかなんて決めるのは、あたしでも、なのはでも、ましてやあの厚げ・・・母親でもねぇ・・・・・自分自身を決めれるのはいつでも自分だけなんだよ!!」

「あんた・・・・・」

アルフが俺の言葉に目を見開く。

「おい、守護獣・・・・・じゃなくて使い魔、そいつの事頼んだぜ?よし!話しまとまったな3人とも、とっとと行くぞ!!!」

俺は言いたい事を言うだけ言って再び走る。

「ふぇ!?ヴィータちゃん、待って~!!」

リンディさんから通信が入る

『クロノ、なのはさん、ヴィータさん、ユーノくん、私も現地に出ます。あなた達はプレシア・テスタロッサの逮捕を!』

「「「了解!!」」」





門に転送された俺たちを待っていたのは無数の傀儡兵であった、

「一杯居るね。」

「まだ入り口だ。中にはもっと居るよ。」

「クロノ君?この子達って・・・」

「近くの相手を攻撃するだけの、ただの機械だ。」

「・・・そっか。なら、安心だ。」

攻撃態勢をとろうとするなのはをクロノが手で制した。

「この程度の相手に無駄弾は必要ないよ。」

「そう言うこった、ここはあたし等にまかせな!」

俺は一歩前に出た、そしてクロノに並ぶ。

「何で君まででしゃばるんだ!?」

「へ、どうせお前もあたしが突っ込むだけの馬鹿とかおもってるんだろ?」

「違うのか?」

真顔で言い返しやがったよこいつ!

「んだと!?よく見てろ・・・・・シュワルベフリーゲン」

『Schwalbefliegen』

俺は手に乗る程度の銀弾を精製し打ち出す、それは俺の意思によって自由に動く誘導弾となり、次々と傀儡兵を打ち抜く。

「へぇ、やるもんだな。」

クロノが感心する声を上げたあと、俺の攻撃に続くかのごとく攻撃を始める。

『Stinger Snipe』

クロノが放つは蒼い閃光、それは次々と傀儡兵を打ち砕いていく。しかしなぜにリンディボイスなんだ?クロノのデバイス。

「スナイプ・ショット!!」

その掛け声で蒼い閃光はさらに加速し、俺の放った銀弾と共にほとんどの敵を粉砕した、だが、

「ち、一体固い奴がいるな!あたしがやろうか!?」

「いや、ここは僕に任せてもらおう!!」

そういうとクロノは駆け出し、斧を持った大き目の敵の頭に飛び乗りデバイスを突きつける。

『Break Impulse』

そして、最後の敵も粉砕された。

「ま、そこそこだな?」

「やれやれ、素直に褒めれないのか?君は。・・・・・っと、そんなことより先に進むぞ。」

「あいよ、おい!いつまでボーっとしてるんだ二人とも。」

唖然と立ちすくして今の戦闘を見ていたなのはとユーノに叫び俺たちはいよいよ内部へと進行を始めた。俺たちは床のあちこちに発生していた黒い穴・・・・・虚数空間に気を付けながら走っていた。

「その穴・・・黒い空間がある場所は気を付けて。」

「虚数空間、あらゆる魔法が、一切発動しなくなる空間なんだ!」

「飛行魔法もデリートされる。もしも落ちたら、重力の底まで落下する。二度と上がって来れないよ!!」

クロノとユーノが説明をするそれになのはと俺も答える。

「き、気を付ける・・・」

「ちっ、いちいち気にしてるとらちがあかねぇ、ようは落ちなきゃいいんだろ!?」

「君はもう少し危機感を持つべきだ。」

クロノがいちいち俺の言った事に噛み付いてくる。ったく!

「そうですねぇ~、けど最初っから誰かさんが行ってくれてたら、こんなややこしい事にならなかったんじゃないないんですかねぇ~~。」

「くっ、まさかこんな事になるとは・・・・・・」

「あれ~執務官が言い訳~~?」

「こ、こんな時にこの!!」

「ク、クロノ君にヴィータちゃん、喧嘩は駄目だよ!!」

「そうだよ、こんな時に!!」

俺とクロノの言い合いをなのはとユーノが仲裁する。

「む、すまない。つい・・・・・。」

「次からは気を付けろ・・・「君もだろ!!!」か、噛み付いてきたのはお前だろ・・・・・っと、んなことよりでかい扉発見!!!」

目の前にでかい扉が見えた時俺は我先にと飛び出しその扉を蹴り開けた。その部屋には先ほど以上の傀儡兵達が待ち構えていた。奥を見ると上に続く階段と、下へと続く階段が見えた。クロノもそれに気付いて指示を出す。

「ここから先は、二手に分かれる。君達は最上階の駆動炉の封印を。」

なのはがその指示に問う。

「クロノ君は!?」

「プレシアのもとへ行く、それが僕の仕事だからね。」

ここでおれも発言をする。

「心配すんな、あたしもクロノと行動を共にする。」

「ヴィータちゃん!?」

「な、なんで君まで!!」

「おいおい、忘れたのか?あたしはプレシアをアイゼンの頑固な汚れにするために来たんだぜ?・・・・・それに4人いるんだ2対2になるのは定石だろ?」

「・・・・・いいだろう、足は引っ張らないでくれよ?」

「上等!!つーわけだ。なのは、ユーノ。道は・・・・・」

「僕達が開く、そしたら!!」

このやろう!俺の台詞取りやがった!!しかも、言うや否や攻撃態勢にはいっていた。

『Blaze Cannon』

「ちっ、アイゼン!!」

『Schwalbefliegen』

クロノの砲撃魔法が一直線状の敵を粉砕し、取りこぼしは俺のシュワルベフリーゲンが撃破していった。それを合図になのはとユーノが飛ぶ。

「ヴィータちゃん、クロノ君、気を付けてね!!」

そしてなのは達は進む、駆動炉の封印のために・・・・・



「しかし、本当について行かなくて良かったのか?」

「相手はくさってもオーバーSの魔導師だ2人のほうがいい。それに、心配しなくても頼もしい助っ人がもうすぐ来るよ。」

俺とクロノは次々と傀儡兵達を粉砕しながらプレシアのもとへと向かっていた。

「助っ人・・・・・?母さんの事か?いや、母さんは・・・・・」

「ま、それは知ってのお楽しみ・・・・・・と、うお!?こりゃまたゴキ●リのようにうじゃうじゃと!!」

「これは、また・・・・」

そこには道を埋め尽くすかのごとくの無数の敵がいた。ふん、やはりわが身が一番かわいいかプレシアめ!!

「さて、クロノ?ベルカ式とミッド式、この使い手の二人がいた時の戦法はなんだ?」

「・・・・・・・・君が前衛、僕が後衛か?」

「正解♪・・・んで?ど~する?」

「多少不本意だが・・・・・のった!」

「上等・・・・・・行くぜ!!」

俺は突っ込み、クロノは砲撃の準備をする。

「「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」

激しい攻防戦が始まった。



しばらくして、ここの戦闘にひと段落ついた頃エイミィから通信が入る。

『二人とも、朗報だよ!!最初にアルフが、続いてフェイトちゃんがなのはちゃん達と合流。二人とも協力してくれてるよ!!』

「なに!?」

「へ、やっときやがったか!!」

「・・・・・やれやれ、助っ人とは彼女達のことだったのか?」

「ああ、信じてたからな。」

ま、分かっていたけどな・・・・・・けど、それなのに凄く嬉しかったりする。ちょうど前方には再び傀儡兵達が、よ~し!!!

「こっちも飛ばすぜ!アイゼン、カートリッジロード!!」

『Explosion』

俺の掛け声に忠実に答えカートリッジロードをアイゼンはおこなった。そして、変形した。

『Raketenform』

「よぉし、いくぜ。ラケーテン・ハンマーー!!うりゃぁぁぁ!!!!!」

ロケットのごとく噴射するアイゼンの勢いを殺さないように突っ込んで行く俺、

「うりゃうりゃうりゃ~乱れ打ちだーーーー!!!」

テンションを上げまくっていた俺はひたすらアイゼンを振り回した。しかし、いきおいを付けすぎた俺の手からアイゼンは・・・・・・・・

すっぽ抜けてしまった。

「へ?って、ア、アイゼ~~~ンっ!!!(汗)」

しかし、アイゼンのジェット噴射は止まることを知らず、そのまま回転をしながら飛んでいってしまった。そしてそのまま次々と敵を破壊していく、おお、なんか新しいワザができてしまった!?よし、ラケーテン・ブーメランと名付けよう!!・・・・・ってこのままだと俺の操作範囲外になっちまうな!?

「も、戻って来~~いぃ、アイゼン!!!」

そして、アイゼンはまた忠実に反応して向きを変え戻ってきた。

・・・・・・・・・速度をどんどん加速させながらものすごい速さで・・・・・・・・・。って、うぎゃぁぁぁぁぁ!!いそいで肉体強化魔法の出力を上げ俺は構えた。そして

<パシィィィィィ!!>

といういい音がして何とかアイゼンは俺の手に収まってくれた。あっぶねぇ~一歩間違えれば俺まで吹っ飛んでたじゃねぇか!?怒ってたのか?アイゼンよ・・・・・・・。

「ヴィータ、上だ!!!」

「は?・・・な!?し、しまった!!」

上からの伏兵に気が付かなかった俺にクロノが警告の声を上げたが、間に合わない!俺はとっさに目をつぶってしまった、だが!!

『Blaze Cannon』

俺を庇う為にクロノが割って入り砲撃魔法で敵を打ち抜く、が、近すぎる敵への自らの砲撃魔法の反動に耐え切れず強く床に叩きつけられてしまった。

「ぐぁ!?」

「クロノ!!?」

俺は急いで駆け寄る。

「大丈夫だ、戦闘に支障は無い・・・・・。」

だが頭からはとめどめなく血が出ていた。・・・・・俺のミスだ。

「ごめん、あたしのミスだ。お前はアースラに戻って治療をしろ・・・・・・お前の仕事はあたしがきっちりと・・・・・」

「戦闘には支障は無いといったはずだ・・・・・」

そしてクロノは立ち上がり先に進もうとする、が、俺はそれを止めた。

「ばっかやろう!!たしかに戦闘自体に支障は無くてもな、あたしについて来るのには支障があんだろーが!どうせお前のこった、効率性を考えて自分の動きに合わせろなんていわなくて、あたしの動きに無理でも合わせようとするつもりだろーが、それじゃぁ迷惑なんだよ!!」

「分かっている!!それでもやってみせる!!!」

俺はクロノのむなぐらを掴み叫ぶ。

「いい加減にしろ!!!執務官としてみてもあたし一人で行かせた方が効率がいいことくらい分かってるだろーが!!?」

「ちがう!!今回だけは執務官としてだけじゃない、僕個人としてもプレシアにいってやりたいことがあるんだ!!」

―――っつ!?あのクロノが?よほどプレシアの求めてるものに腹を立ててるんだな・・・・・それなら――――――!!

「だったら、あたしがお前の変わりにアイツにお前の信念をぶつけてやる!!」

「・・・・・ヴィー・・・タ?」

「だから、だから・・・・・あたしを信用しろ、【クロノ・ハラオウン】!!!!!」

そして、クロノは――――――――――



頷いてくれた



「わかった、ここから先の敵は僕が食い止める、君はプレシアの所へ。」

「ちっ、大人しくアースラで治療してろ、」

「ふ、あいにくこれが一番効率がいいと思うのでね・・・それからプレシアには――――――――」

俺はクロノからプレシアに言いたいことを聞くと(さすがに、知ってるからいいとはいえんかった。)クロノを背に飛んだ。今はプレシアをアイゼンの頑固な汚れにするためでなくクロノの信念を言うために!!途中エイミィからの通信でフェイト達もなのは達と別れこちらに向かっていることを聞いた。もうすぐ終わりだ、待っていろ、プレシア!!!



プレシアの元へと飛ぶ俺はある異変に気付いた、先ほどまで次元震の影響で揺れていた時の庭園の揺れが収まったのだ。そしてその理由は状況確認のため開きっぱなしであった、通信越しから聞こえてきた。リンディさんの声だ。

『プレシア・テスタロッサ、終わりですよ。次元震は私が抑えています、駆動炉も直、封印。
貴女の元にはカートリッジシステムを使いこなすベルカの騎士が向かっています、ここまでの大規模魔法で魔力を消耗したあなたでは勝ち目はありません。』

うぁ、なんかすっげえ期待されてる?

『忘れられし都、アルハザード。そして、そこに眠る秘術は、存在するかどうかすら曖昧な唯の伝説です!』

それに対しプレシアが反論をした。

『――――っ!違うわ。アルハザードの入り口は次元の狭間にある。時間と空間が砕かれた時、その狭間に滑落していく輝き、道は確かに、そこに在る。』

『随分と分の悪い賭けだわ。・・・・・貴女は其処に行って、一体何をするの?失った時間と、犯した過ちを取り戻す?』

む、いつの間にやら前方に今までで一番でかい扉が・・・

「『そう、私は取り戻す。私とアリシアの過去と、未来を。取り戻すの、こんなはずじゃ無かった、世界の全てを!!』 」

プレシアの声が二重に聞こえた、一つは回線越し、もう一つは・・・・・実声!!そうか奴はこの扉の向こう、よし!!!俺は固いであろう扉を力ずくでぶっ飛ばした、そこは広い空間・・・と言うかどこの魔界だよここ?――っと、プレシア見っけ!!よし、叫ぶかアイツの・・・クロノの信念を、思いを!!!

「ざけんじゃね~ぞ、厚化粧ババァ!!世界はいつだってこんなはずじゃねぇことばっかなんだよ!!!ずっと昔からいつでも、誰でもな!!」

ん、どうやらフェイト達も来たみたいだな?しかしまだ俺の叫びは終わってないぜ!

「こんなはずじゃない現実から、逃げるか、立ち向かうかなんざ、個人の自由だ。だけどな自分の勝手な悲しみに、無関係なやつらまで巻き込んでいい権利なんて、何処の誰にも在りはしねぇ!!・・・・・・言っとくがこれはあたしの台詞なんかじゃねぇぞ?某執務官殿のありがたいお言葉だ!!!」

そう、俺にこれを言う資格は無い、なぜなら数ヵ月後、はやてのために無関係な人たちを傷つけて蒐集行為を行う俺はな・・・・・・。そんな事を考えてる間に、咳き込んで血を吐いたプレシア(そういや病持ちだったな)にフェイトが近づく。お?今度はフェイトの番か。

「何をしに来たの。消えなさい。アナタにもう、用は無い。」

やっぱ殴りに行こうか?あのババァ!!

「貴女に言いたい事があって来ました。私は・・・・・私はアリシア・テスタロッサじゃありません。貴女が造った唯の人形なのかもしれません。だけど、私は、フェイト・テスタロッサは。貴女に生み出して貰った、育ててもらった、貴女の娘です。」

だが、プレシアはフェイトのそんな思いをあざ笑った。

「フフフ、アハハハッ。だから何?今更あなたを娘と思えと!?」

それにフェイトは静かに答える。

「あなたが、それを望むなら。」

「・・・・・それを望むのなら、私は、世界中の誰からも、どんな出来事からも、貴女を守る。私が貴女の娘だからじゃない。貴女が、私の母さんだから!!」

そう言いフェイトは手を伸ばす、プレシアに向けて。だが、

「くだらないわ!。」

やはり、届かなかったか・・・思いは。フェイトの顔には哀しみのみが写る。そしてプレシアはおもむろに床に杖を突き、ジュエルシードの制御を再開した。

「っ!?やべぇ!!」

再び開始される次元震はもはやリンディさんですら抑えきれない!エイミィからそれぞれに通信が入る。

『艦長!ダメです、庭園が崩れます。戻ってください!この規模なら次元断層は起こりませんから!ヴィータちゃん達も脱出して、崩壊までもう時間が無いの!』

「まて、クロノはどうした?」

『今のを聞いてもう脱出してるよ、だから!!』

「わかった、オイ!フェイトにアルフ・・・・・コラ!!無視すんじゃねぇ!!」

俺の声が聞こえないのかフェイトはプレシアを見つめていた。そしてついに、別れの時がきた。

「私は向かう・・・アルハザードへ、そして全てを取り戻す!過去も未来もたった一つの幸福も!」

そう言い終えると、プレシアの足元の床が割れ、アリシアのカプセルと共に穴の向こうへと、虚数空間へと落ちていった。フェイトはとっさに駆け出そうとするがアルフによって止められた。フェイトはただ呆然とプレシアが落ちていくさまを見る事しか出来なかった。

「一緒に行きましょうアリシア・・・今度はもう離れないように・・・・・。」

それが落ちていくプレシアの最後の言葉となった。結局最後まで取り戻せない過去にしがみついていたな・・・・・・・。

『お願い皆、脱出急いで!!』

次々と崩壊を始める時の庭園、ついにはフェイトの床までもが割れはじめ、フェイトとアルフが離れてしまった、そして今にも落ちてしまいそうなのはフェイトであった、まずい早くフェイトを!!そう思い飛び出そうとしたその時、桃色の閃光が天井を貫きそこから飛び出した人影がフェイトに手を伸ばす。



なのはだ!!



「フェイトちゃん!!飛んでこっちに!!」

フェイトはプレシアの落ちていった空間を一瞬見つめ、そして意を決して飛んだ。なのはの元へと。二人の手は結ばれた・・・・・・だが!!

「フェイト、なのは!!」

アルフが叫ぶなぜなら二人は真下に発生した虚数空間の影響を受け徐々に引きづられていってたからである。

「まずい!!アイゼン!!!」

『Pferde』

俺は自身に高速化魔法をかけ二人を無理やり虚数空間の影響範囲外へと運んだ!!

「ヴィータちゃん!?」

「あなた・・・・・」

「話は後だ!!とっとと脱出すんぞ!!」

俺たちは今度こそ脱出を急いだ。













おまけ

俺たちは虚数空間の影響の薄い回収可能地点まで急いで飛んでいた。

「こんな時になんだが、そういえば俺はフェイトとまともに会話してないな?アルフとはちょろっとしたが。」

「え?うん、そうだね。」

「そういえば、アタシともちょっとしか話してないねぇ。」

フェイトとアルフは律儀に答えた。

「好きな食べ物はあるか?」

「え?・・・と、とくには。」

「そうなんだよぉ~フェイトは食が細くてさ~アタシは心配でさぁ。」

「そりゃぁいかんなぁ唯でさえ育ち盛りなんだ、しっかり食わなきゃ。」

「ご、ごめんなさい。」

「だいたい君ぐらいの年の子はな・・・・・」

「ヴィータちゃん、」

「? なんだよなのは?」

「やっぱり、クロノ君の言ったとおり少し危機感を持ったほうが・・・・・」

「そんな発言、とうぜん無視したがな!!!」

「こ、声に出てるの!!」

これまたうっかり!!











あとがき

まずは、ラケーテン・ブーメランはtomoさん提案のラケーテン・スパイラルを参考にさせていただきました。多少変えてしまったのでお気に障ったらすみません。アイゼンには不評だったらしくつぎやったらもう戻ってこないと後で言われたとか、言われなかったとか。

それにしてもクロノとの掛け合いは書いていて熱くなるものがあった。とくに【信用しろ!!】ってとこは。あとは、冒頭のはやてが、天使に思えた。(じぶんで書いておいてなんだが。)・・・・・・あれが将来狸と呼ばれるのか・・・・・・・・。



ではでは。








[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第九話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/22 02:25
目が覚めたら俺の体は動かなかった、見てみると手足にバインドがかけられていた。ってなんじゃこりゃぁ!!

「目が覚めたか」

そこにはクロノがデバイスを構えて立っていた。

「おいクロノ!なんだよこれ!!!」

「残念だが、君に質問の権利は無い。さぁ、闇の書がどこにあるのかはいてもらおうか?守護騎士の一人、【鉄槌の騎士・ヴィータ】!!!」

「なっ!!?」

き、気付かれた!?

「言わないのなら・・・・・・・」

そう言うとクロノはデバイスを俺のほうに向ける・・・・・・っておい、まさか!?

「まてまて、力づくはマズイだろ!!?」

「物が物だけに仕方が無いのさ、・・・・・・・・・・ スティンガーブレイド・エクスキューションシフト!!!!」

そして俺に向かってくる無数の魔力刃、

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



そして・・・・・目が覚めた、よかった夢で!!





第九話「二重の別れ・・・見えた別れは一つだけ」 







「やれやれ、やっと起きたか、しかし叫び声と共に起きるとはどんな夢を見たんだ?」

最初に見たのは呆れ顔のクロノ。そして他には心配そうな表情で俺を見るなのは、ユーノ、エイミィの姿が・・・・・よく見るとクロノは頭に、なのはは足に包帯を巻いていた。あ、そうか俺はアースラになんとかたどり着いたとたんぶっ倒れてたのか。その後みんなで俺を運んでくれたというところか・・・・・・・と現状把握できた時、不意に先ほどの夢を思い出し、クロノに叫んだ。

「や、やいクロノ!!よくも人が動けない事をいいことにあんなことを~!!!」

「な、何の話だ!!」

その瞬間、俺とクロノ以外が凍った・・・・・そして、

「「クロノ君・・・・・。」」

「クロノ・・・・・。」

「ち、違う!僕は本当に身に覚えが無いんだ!!信じてくれ!!」

やっべ、カオスが展開しちまった。このままだと俺まで巻き添えをくっちまう。(元凶の癖に )話題きりかえっと。

「んで、なのは足は大丈夫なのか?」

「え?あ、うん、大丈夫だよ!ユーノ君が治療してくれたし!!」

「ほぉ~・・・・・」

俺はおもむろにユーノに念話をした。

『で?どうだった?』

『え?何で念話・・・・・というか何の話?』

『と・ぼ・け・る・ねぇ~、なのはの生足・・・・・治療と見せかけて触れたんだろ?』

『なっ!?』

なのはが急に黙った俺とユーノを不思議に思いじっと見ていたが、どうやらユーノは別の解釈をした様子で・・・・・

「ち、ちがうんだ。なのは、僕はそんなやましい気持ちでやったんじゃ!!」

「え?え?何の話!?」

若いっていいねぇ~・・・・・待て、俺も若いぞ、まだ大学入って一年しか経ってなかったんだからな?まだ成人式先だったし。クロノと無駄にぶつかるのは他と比べて年が近いせいかな?っと、そうだ。

「クロノ、怪我はどうだ?」

「なんだ、君にもそういうやさしさがあったのか?」

あ、さっきの事根に持ってるな。でもな、夢の中のお前が悪いんだ!!!(当然ながら現実のクロノは悪くない)

「問題ない・・・・すぐに包帯も取れる。」

「ならいいんだ。あと、お前のかわりにちゃんと信念を叫んできたぜ?これで貸し借りは無しな?」

「ま、そういう事にしておこう。」

「む、そういえばフェイトの奴はどうした?」

いや、まぁおおよその見当は付いてるのだが・・・なのはの表情を見れば分かるな・・・

クロノが俺の質問に答えた。

「なのはにも言ったが、彼女達は護送室、フェイトは今回の事件の重要参考人だからね・・・申し訳ないがしばらく隔離になる。」

「ちっ、やっぱそうかよ堅物。」

「なんとでもいえ、それに今回の事件は一歩間違えれば次元断層さえ起こしかねなかった、重大な事件なんだ。時空管理局の者としては関係者の処遇には慎重にならざるをえない、それは君だってわかるだろ?」

やっぱそうか、こればっかりはどうしようもねぇな、とりあえずは・・・・・

「せいぜい丁重に扱えよ、気に入らなかったらどこぞのハンマーを振り回す幼女が扉をぶち壊してるかもな?」

「一人しか思い当たる人物がいないのだが・・・・・」

「ヴィータちゃん・・・・・」

む、これまたなのはが何かうれしそうに・・・・・

「な、なんだよ!あたしが気に入らなかったらの話で別にフェイトのためなんかじゃ・・・!!」

「にゃはは、照れ屋さん、照れ屋さん♪」

「て、照れてねぇぇぇ!!」

俺以外の笑い声がその部屋に充満した。畜生、なのはに負けた!!



んで、俺たちは数日の間次元震の余波が収まるまで過ごした。あ、こんなことがあったな?

「なぁ、エイミィ。」

「ん?なにヴィータちゃん?」

「エイミィはさぁ、【クロノ・ハーヴェイ】って聞いたことがあるか?」

特に意味は無い、俺【とらハ】とかしたこと無かったし。ネットでちょっと知ってただけ。

「お、ヴィータちゃんクロノ君通だねぇ。艦長から聞いたの?」

むむ、なんかある様子。

「いや、単語だけ知っている。」

「そっか、えっとね?昔クロノ君にはこわ~いお師匠様がいたんだよ。」

リーゼ姉妹か・・・・・そんなに厳しかったのか?

「それで、クロノ君は一回だけ逃げてしまった事があったんだよ。」

お、あのクロノが・・・・・・そこまでとは

「でもすぐに捕まっちゃってね、苦し紛れに言ったのが【僕はクロノ・ハラオウンじゃないクロノ・ハーヴェイだ~】ってね。」

その後すぐ問答無用でぶっ飛ばされたらしいよ~と、付けたすエイミィ。いや別に何か期待してたわけじゃないし別にいいんだけどさ?とりあえずは・・・・・・

「よ、クロノ・ハーヴェイ!!」

顔を真っ赤にして走るクロノ

「ばらしたな、エイミィ~~!!!!!」

その後どうなったか?しらねえよ。それ以外は特に面白い事は無かった。

護送室の前で立ち尽くすなのはが、少し気になったが。

あ、それと俺たちは感謝状を貰った。俺はいらねぇって言ったのにさ、なのはが緊張するからいっしょにもらって!!としつこくて・・・・・そんな資格ないと思うんだけどな、いずれ犯罪を犯す俺は。ま、貰った物はしかたねぇ、はやてに自慢しよ~と♪・・・―というかみんな忘れてないか?まだ俺がジュエルシード一つ所有してる事に・・・・・・。

その後廊下にて―――――

「クロノ君・・・フェイトちゃんはこれからどうなるの?」

なのはがクロノに問う。前を歩いていたクロノはなのはの方に振り向き若干険しい顔で言う

「事情があったとは言え、彼女が次元干渉犯罪の一端を担っていたのは紛れも無い事実だ・・・重罪だからね、数百年以上の幽閉が普通なんだが・・・」

なのはが反射的に叫ぶ。

「そんな!?」

「なんだが!!」

クロノがそれを抑えるかのごとく強く言う。そして今度はやさしく言う。

「状況が特殊だし、彼女が自分の意思で次元犯罪に加担していなかったこともはっきりしている。あとは偉い人にその事実をどう理解させるかによるんだけど、その辺にはちょっと自信はある、心配しなくてもいいよ。」

「クロノ君・・・・・」

「何も知らされず、ただ母親の願いを叶えるために一生懸命なだけだった子を罪に問うほど時空管理局は冷徹な集団じゃないから」

・・・・・・それはどうだろう。ふと約10年後に起こるであろうJ・S事件を思った。そもそもあれは・・・いや、いまはあまり関係の無い事か、とりあえず忘れよう。

「クロノ君って、もしかして凄くやさしい?」

なのはがうれしそうに言う。こういうときのコイツは天然で言うからたちが悪いんだよな・・・・・ホラ、クロノ顔真っ赤。ユーノは苦笑い。

「し、執務官として当然の発言だ!私情は別に入ってない!!」

おし、なんかなのはペースなのはしゃくだからちょっとここで介入するか。

「あ~、クロノ?照れるのは構わんが、【もしかして】ってとこをもっと気にしろ。つまり今までは別に優しいとは・・・・・・」

「え!?そ、そんなつもりで言ったんじゃ~!!」

「でも、そうとられても仕方ないんじゃ・・・・・」

「ユ、ユーノ君まで~!」

お、あのユーノが。さてはコイツ嫉妬してるな。少なくとも10年はむくわれない思いというのを知ってる俺は内心笑ったのは内緒だぜ!!(いい笑顔)



それからしばらく経った後、飯を食おうと俺、なのは、ユーノ、そしてこれからの説明のために一緒に席を同席することになったリンディさん、以上4人で食堂にいた。リンディさんが説明を始める。ったく目の前の飯を無視してすんなよ、せめて食い終わってからはじめてほしかった。

「次元震の余波はもうすぐおさまるわ、ここからなのはさん達の世界になら明日には戻れると思う」

「よかったぁ!」

お、うれしそう。うんうん、やっぱまだまだ小学生だな♪

「ただ、ミッドチルダ方面に戻るにはまだ空間が安定しないの、しばらく時間がかかるみたい」

「そうなんですか・・・・・」

ユーノが答える。

「数ヶ月か半年か安全な航行ができるまでそれくらいはかかりそうね・・・。」

「そうですか・・・まぁ、うちの部族は遺跡を探して流浪している人ばっかりですから、急いでかえる必要もないといえば無いのですが・・・・・でもその間、ずっとここにお世話になるわけにも行かないし」

「じゃあ、うちにいればいいよ、今まで通りに!」

なのはが間髪いれずユーノに言う。

「なのは、いいの?」

「うん!ユーノ君さえよければ」

「じゃあ、その・・・えっと、お世話になります」

「うん♪」

『微笑ましいわね♪』

『なんかリンディさんが念話をしてきた。』

『してきました♪』

やっべ、モノローグのつもりが念話内だった。

『あ~、でも残念ながらユーノはなのはにとって半分ペットみたいな感じが・・・・・』

『・・・・・ちょっと否定は出来ないわね・・・・・・』

そんなかんじで俺とリンディさんが会話をしてるとクロノと眠そうなエイミィがやってきた。俺以外気が付かなかったが。そしてリンディさんがアルハザードについてユーノと語った。

「あの人が目指してたアルハザードって場所、ユーノ君は知ってるわよね?」

「はい、聞いたことがあります・・・旧暦以前前世紀に存在していた空間で、今はもう失われた秘術が幾つも眠る土地だって。」

「だけどとっくの昔に次元断層に落ちて滅んだことになってる」

「ど~も♪」

クロノとエイミィも会話に参加した。

「あらゆる魔法がその究極の姿にたどり着き、その力を持ってすれば叶わぬ望みは無いとさえ言われた、アルハザードの秘術・・・時間と空間をさかのぼり過去さえ書き換えることができる魔法、失われた命を蘇らせる魔法、彼女はそれらを求めたのね・・・?」

んなことができればアルハザードはまだ存在できてるっつの。とおもった。

「はい」

「でも、魔法を学ぶ者なら誰もが知っている、過去をさかのぼることも死者を蘇らせることも、けしてできないって・・・」

「だから、その両方を望んだ彼女は御伽話に等しいような物にしか、すがれなかった・・・頼らざるを得なかったんだ」

「でもあれだけの大魔道師が、自分の命さえ賭けて探していたのだから、彼女はもしかして本当に見つけたのかも知れないわ・・・アルハザードへの道を・・・今となってはもうわからないけど」

プロジェクトF・・・・・おそらくは、その基礎理論を作った人物である、ジェイル・スカリエッティの存在といったとこか。本当のところは知らんが。

「ねぇ、ヴィータちゃん。」

「あん、なんだよなのは?」

「結局アルハザードってなんだかわかる?」

「さぁな。あたしはアルハザードって聞くとゾンビしか思いつかんのだが。」

「そ、それはバイオ●ザード!!ザードしかあってないよぉ!!」

「お?知ってるのか?」

この世界にもあったのな・・・・・

「うん、友達とやった事があるよ!結構得意なんだ♪」

「へぇ・・・・・それはまた・・・・・バイオレンスな趣味で・・・・・・」

「な、何その反応!?ヴィータちゃんだってした事があるんでしょ!!?」

「いいんだよ、あたしはガサツだから。」

「じ、自分でいうことじゃないの~!!」

「さて、飯食うか。」

「む、無視しないでー!!」

しらんもんねぇ~・・・・・ハムハムモグモグ。



そして次の日なのは達が帰る朝。

「それじゃあ、今回は本当にありがとう」

「協力に感謝する」

なのはとクロノが握手をする。ん?クロノ顔赤いな、うぶだこと(笑)

「フェイトの処遇は決まり次第連絡する。大丈夫さ、けして悪いようにはしない」

「うん、ありがとう。」

リンディさんとユーノもなんか会話をしている。

ここで俺が発言する

「心配すんな、ちゃんと納得のいく処遇になるまであたしがクロノを見張ってるからさ。」

「な、なんで。というか何時までここに居座る気だ!!」

「あん?帰っていいのかよ?」

まさか・・・・

「あ、あたりまえだ!何時までも・・・・「クロノ君」・・・なんだエイミィ?」

「まだ、ヴィータちゃんからジュエルシードを渡してもらってないよ?」

「「あ・・・・・」」

クロノとリンディさんが間抜けな声をそろえてあげた。うあ、マジで忘れてやがった。

「ま、ちゃんと納得のいったら渡してやるから安心しな?」

そしてそれぞれに別れの挨拶をしてなのはは帰っていった。家族の元へ、友達の元へと・・・・・。

その後廊下を歩いている途中のこと、

『ヴィータさん』

『?なんすかリンディさん?』

なんか聞きづらそう俺に念話をしてきた。

『その・・・・・プレシアが言っていた・・・』

『?』

何の事だろうと思いプレシアが俺に言ったことを思い出してみた。・・・・・ああ、俺も人形発言のことか。

『あ~、あの時の人形~とかいうやつっすかね?』

『え?ええ・・・』

『知らんすよ、案外あたしもプロジェクトなんとかって奴で生まれたのかもしんないっすねぇ』

本当は何なのかという意味は知っているけどな。

『・・・・・ねぇヴィータさん?』

『はい?』

『あとで、お話があるの。良かったら後で部屋に行ってもいいかしら?』

何だろ?闇の書関連じゃないよな?・・・それに、もし気付いてるならこの場で即拘束だよな。わざわざ警戒心を持たせるような事は言わんだろう。とりあえずは

『え~と、なのは的じゃなくて?』

『ち、違うわ!』

お?なんか初めてリンディさんの焦った顔を見た気がする。そこまで不本意であったか。



それから余り時を置かずにリンディさんが俺のいる部屋に来た。一人で。

「それで話なんだけど。」

「はい。」

一時の間、何かリンディさん目を瞑ってる、そして目を開く。

「私、フェイトさんを養子にしたいの。」

「は?いや、いいことだと思いますけど・・・なんであたしに?」

というか、早いなその考え。母性の塊のような人だ・・・・

「ふふ、焦らないで?本題はここからなの・・・・・よかったらあなたもどう?」

「へ?・・・・・・・」

なに言ってるんだ?この人。

「こんな風に言うのもなんだけど、聞いた話だとあなたは家族がいないみたいだし・・・・・幸いクロノとも仲良い事だし、悪い話ではないと思うのだけど・・・・・。」

あ・の・で・ま・か・せかぁあぁぁぁぁぁあぁぁ!!ここにきて裏目に出るとは!それともママ発言がまずかったのか?やっべ、回避回避!!

「あ、きき気持ちはうれしいけど遠慮するっす!!」

一時の間ができ・・・そして

「・・・・・そう、残念だわ・・・。」

あぅ・・・何か本当に残念そう。罪悪感が・・・

「・・・・・あの、たしかに本当の家族はいないんですけど、」

いつの間にやら俺は喋ってた。

「でも、今は大切な人がいるんです。だけど、リンディさんの話を受け入れたらきっと今まで通りではいられないと思うんです。ですから・・・・・」

はやての顔を思い浮かべて俺は言う。

「・・・そっ・・・か、なら仕方ないわね。けど、その気になったらいつでもいいのよ?いつでも準備万全だから!」

そう笑顔で言う。

「はい・・・」

ほんとにいい人だ、きっと俺が泣いた時からずっと考えていてくれたんだろう。リンディさんだけじゃない、クロノだって言い合うことが多いけどいい奴だって知ってる。エイミィも、アースラのスタッフ達も、ユーノだって、アルフだって、そしてフェイトとなのはだって・・・・・みんな良い人ばかりだ。本当に俺は裏切って良いのか?この人達を・・・分かっている。選択肢が無い事ぐらい・・・分かっている。

その夜、俺はベットの中でそんな悩みを抱えながら眠った。目の辺りが濡れていたのはきっと気のせいなんかじゃない。



その数日後、とうとうフェイト達の処遇が決まった。なのはへの連絡に便乗して俺も聞いた。

『え、本当!?』

「あぁ、さっき正式に決まった、フェイトの身柄はこれから本局に移動、それから事情聴取と裁判が行われる、フェイトは多分・・・いや、ほぼ確実に無罪になるよ、大丈夫だ・・・で、聴取と裁判その他もろもろは結構時間がかかるんだ、でその前に・・・・・」

そう、なのはとフェイトが少しだが会えるのだ!!途中参加の俺にとって長いような短いような

無印がいよいよ終わりを迎える・・・・・あ~疲れた~・・・っと、そんな内になのはとの通信を終えたクロノに俺は

「おい、クロノ!」

「?何だ?」

「ホレ。」

俺はクロノにある物を投げる。それは、

「ジ、ジュエルシード!?」

「約束だろ?それにとうとうあたし達も・・・」

「む、そうか・・・」

「お別れだねぇ~、・・・ね、ね?やっぱ寂しい?クロノ君?」

エイミィがクロノをからかうように言う。

「な!?べ、別にもう会えないわけじゃない。・・・まあ、模擬戦の相手という意味では寂しさはあるが・・・」

模擬戦はカートリッジ使用不可でしかしたことないがな。

「あはは、別に照れなくてもいいのに~♪」

「またか!?もう何度目になるか知らんないが言うぞ!照れてない!!」

「あはは~」

「あはは、じゃない!!」

そんな二人を俺はただ苦笑いを浮かべて見ていた。素直に笑えない。それは次に会うときは敵同士だと知っているからだ・・・・・・・。あ、リンディさんにも挨拶しとかねぇとな?



そんなこんなでいよいよなのはとフェイトの友達の儀(笑)が始まろうとしていた。

フェイト、クロノ、アルフ、そして俺の4人はなのはの到着を海の見える公園で待っていた。

「フェイトちゃ~ん、ヴィータちゃ~ん!!」

なのはがユーノ(当然フェレットモード)を肩に乗せ手を振りながらやってきた・・・・・って、なぜ俺の名まで呼ぶ!!それにしても女の子らしい走り方だ。

こっちに付いたとたんユーノが駆け出しアルフの肩に乗った。そう、ここからは二人の時間だ。うむうむコイツも結構分かってるな!

クロノがなのはに言う。

「あんまり時間は無いだが、しばらく話すといい。・・・僕達は向こうにいるから。」

「ありがとう・・・・・って、ヴィータちゃんは?いっしょにお話しようよ!」

俺はそれを聞くと、なのはに近づき・・・デコピンをかました

「てい。」

「うにゃ!?い、痛いよヴィータちゃん!!」

「ったく、何言ってんだお前は?今までがんばってきたのはお前だろ~が。途中参加のあたしにいっしょに話す資格はねぇんだよ!・・・ここから先はお前達のための時間だ。」

「ヴィータちゃん・・・」

「じゃあな、あたしもクロノ達の所に行くぜ?」

「うん!ありがとう!!」

「ありがとう。」

なのはとフェイトが俺に礼を言う。やれやれ、世話が焼ける。

「いいのか?君は?」

クロノが俺に聞いてきた。

「なのはの奴にも言ったが、今までフェイトと友達になりたいって頑張ってきたのはあたしじゃねぇ・・・なのはだ。だからこれでいいんだよ。」

「そうか。」

「そうだ。」

ん、そうだ。これでいい。

「あんたにも迷惑かけたね・・・えっと?ヴィータで合ってたっけ?」

「合ってるぜ、アルフ。」

んで、俺達は俺達で会話をしていたんだが。

「ん?ヴィータ、きみを呼んでるみたいだぞ?」

「は?む、本当だ」

なんか二人してこっちを見て、特になのはの奴は手を振って俺の名(当然ながらヴィータ)を呼んでる。

「なんだよ?もういいのか?」

「ううん、そうじゃなくてね・・・ほら、フェイトちゃん!!」

「え・・・うん。」

なんかフェイトが顔を赤くしてもじもじしてる。なんだよ?

「しっこか?」

「ち、違うよ!!そうじゃなくて・・・えっと・・・名前を呼んでもいいかな?」

「へ?いいけど、なんで?」

「と、友達になりたいんだ。なのはが名前を、ちゃんと相手の目を見て、はっきり名前を呼べばいいって。・・・・・駄目かな?」

なんか知らんうちにお友達フラグがたっていたご様子で。(おそらくは手枷壊しと通路の会話であろうが自覚なし)

・・・・・正直言うと少し悩んだ。いずれ戦う中である俺達が・・・・・いや、今更だな。それなら・・・

「いいぜ、あたしはヴィータだ!フェイト!!」

「うん、よろしくヴィータ!!」

俺達は友達になった。・・・うん、今はきっとこれでいい。ん?なのはの様子が・・・

「うお!なんか凄い泣いてる!!」

「だ、大丈夫!?」

そう、何かいつの間にやらなのはがポロポロと涙を流していた。フェイトが一度なのはの涙をぬぐって言う。

「少し判った事がある。・・・友達が泣いていると、同じように自分も悲しいんだ。」

「フェイトちゃん!!」

なのはがフェイトの胸に飛び込んだ。フェイトはなのはを抱きしめて言う。

「なのは、今は離れてしまうけど、きっと、また会える。そうしたら、また、君の名前を呼んでもいい?」

「うん、・・・うん!」

「会いたくなったらきっと名前を呼ぶ。だからなのはも私を呼んで、なのはに困った事があったら今度はきっと、私がなのはを助けるから。」

そして二人はしばらくの間、抱きしめ合って涙を流し続けた。俺はとりあえず二人の頭を撫でておいた。なんか蚊帳の外は嫌だしさ。つか結局会話参加しちまったな?

「時間だそろそろいいか・・・・・」

「うん。」

クロノが別れの時間だと言う。

「フェイトちゃん!!」

そう言うとなのははおもむろに自分の髪を結んでいたリボンを取りフェイトに渡そうとする。

「思い出に出来るものこんな物しかないんだけど。」

「じゃぁ、わたしも・・・」

そしてフェイトも自分のリボンを渡そうとする。リボンの交換が終わった後、俺もフェイトにある物を渡した。

「これは?」

「ん~他に渡すものがなくてさ、適当に飾っておいてくれ。」

「カ、カートリッジ?他にないのか?」

クロノが呆れ顔で言う。

「うっせぇ!それにあたしのサイン入りだ!!」

「あはは、ありがとう!」

「おう!!」

うむ、満足!!サイン入りって言ったらフェイト以外微妙な顔したが、んな事は知らん!!!

そして今度こそ別れの時が来た。転送用の魔法陣に乗ったフェイト、アルフ、クロノを見送る俺、なのは、ユーノ。白い光に包まれ送られていく三人を俺たちは手を振って見送った。

白い光が消えた後には俺達三人だけが残っていた。

「なのは・・・」

なのはの肩に乗っているユーノが言う

「うん!!」

元気よく笑顔でなのはは返事をする。



そしてエンディングテーマと共に後日談っぽいのが流れる。

完結!!









・・・・・・・・・というのはアニメの話。もはや現実であるここではそういうことは当然ながら無く・・・・・

「あ、そうだ!ねぇヴィータちゃん!!」

「黙ってエンディングに入ってろ馬鹿!!!」

「えぇぇえぇ!?な、何の話!!?」

「あ、そうだフェイトと交換したリボン貸してみな?着けてやるから?」

「あ、ありがとう・・・・・・て、まだ話は終わってないの!!・・・でもリボンはお願い。」

なんのかんのでフェイトと交換したリボンを俺に結んでもらうなのはよ、ちゃっかりしてるな。

「で、でね?よかったら明日から魔法の練習をいっしょに・・・・・」

「だ・が・こ・と・わ・る!!」

「うにゃぁぁぁぁ!!?」

一回言ってみたかったんだ。あ、そうだ。

「ユーノ?」

「え?何?」

「何か幼女っぽい声でさ『なのはママ~(はぁと)』って言ってみてよ。」

中の人ネタ。

「えぇ!?な、なんで!!?」

「ヴ、ヴィータちゃん!!私まだ小学生・・・っていうかまだ駄目な理由聞いてないよ!!」

「あ、それともう会わねぇから。」

「さ、さらに駄目押し!!?」

おおぅ、見事なパニック状態・・・とりあえずは、

「少し・・・頭冷やそっか・・・」

「うにゃ!?な、なんでまたデコピン!?」

10年後のなのはの台詞と共にデコピンをかます俺。なのははティアナの奴と違って頭冷やしてくれた。(笑)

「あ~そのなんだ、会わないって言ったのは・・・・・なんかずるいじゃん。あたしだけ。」

「へ?」

「フェイトは会いたくてもしばらくは会えないんだ・・・それを考えるとさ・・・」

嘘だ・・・本当はこれ以上関わりあいたくないだけだ・・・なぜなら次に会うときは敵なんだから、これ以上親しくなっても辛いだけだ。もっともらしい事を言っているが本音はこれだ。

「そ・・・っか・・・、なら仕方ないね! うん、ちょっと不器用だけど・・・」

「そうだね、ヴィータらしい!」

なのはとユーノが言う、それに対して罪悪感しか感じなかった。

「それじゃぁ、今度会うときはフェイトちゃんといっしょだね!!」

一瞬の間・・・そして

「おう!!」

そう言って俺は精一杯笑った。そして俺たちもまた別れた。





<なのはside>

「おう!!!」

そう言って笑ってヴィータちゃんは去っていった。

「フェイトといっしょでしばらく会えないのは残念だけど理由はなんかヴィータらしかったね?なのは・・・・・・なのは?」

「え!?なに?ユーノ君?」

「どうしたの?考え事?」

「ううん!なんでもないよ、じゃぁ私達も帰ろっか!!」

「うん!」

本当はちょっと気になっていた最後のヴィータちゃんの笑顔は一瞬影があったように見えたから。うん、きっと気のせい!

私はこの考えに後悔をした。なぜあの時無理にでも会いたいといわなかったのか、なぜあの時住んでいる場所・・・せめて連絡先だけでも聞いていなかったのか。

私がそのことに気付くのは数ヵ月後の事だった。









<ヴィータside>

一つの物語が終わった。それもまた新しい物語への序曲にすぎない。

魔法少女リリカルなのは編・・・・・完

魔法少女リリカルなのはA’s編へと続く。

「な~んちゃって。」

それっぽい事考えながら俺ははやてに家に帰った。











おまけ

「ただいま~はやて~!!」

「ヴィータ!?ヴィータなんか!?」

「うん!!」

「ヴィータ!!ヴィーターー!!」

「はやて~!!」

「おそいわー!!電話してきて何日経っとるんやぁ!!!」

「ぐほっ!?」

殴られた、車椅子に乗ってるというのになんという拳!!そのあと泣かれていろいろ苦労するのはまた別のお話・・・・・数日おにぎりだけという恐怖があったという事は言っておこう。













あとがき

疲れた・・・ちょっといろいろ遊びすぎたかも・・・
とりあえず無印編完結・・・やっほ~!!これからもこつこつ頑張ろう。








[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第十話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/07/28 00:54
二人の少女達の友情のための物語は終わった・・・つ・ま・り

「平和だーーーーーーーー!!」

のちにプレシア・テスタロッサ事件、ジュエルシード事件と呼ばれるものが終わりはや数日経っていた。つかもうすぐはやての誕生日だ!!

おぉう、ドキドキだ。大丈夫だよな?いきなり、「ヴィータの体を返してもらおう!!」とかいってシグナムらへんが斬ってこないよな?うぅ、不安だ・・・・・やっぱリンディさんちの子になればよかったかな?

グス、泣いてないもんね!!!





第十話「ヴィータとしての日常・・・・・ま、あれだ?平和っていいねぇ~」





目が覚めた、朝だ。とりあえずは平和な一日な予感。む?またはやての奴俺の布団に潜り込んでやがる・・・・・というのも俺ははやての部屋に布団を敷いて寝ているからである。最初はいっしょのベットで寝ようとしつこかったが、さすがに俺の中は男子大学生だし・・・と思い、こうする事にした。本当は別の部屋がよかったのだがはやての目を見てたら・・・言えなかったんだよ!!これ以上の状態は!!!

まぁ、こうやって時折俺の布団の中に潜り込んでるので意味が無いと言えば無いが・・・蒐集行為の時に困るかとも思ったが、無意識のうちにやってるようなので大丈夫だろう。いざと言う時はシャマルらへんに催眠魔法でも覚えさせよう。(俺じゃ適正なかったので。)

てか、まだ朝っていっても午前5時すぎじゃん!!寝よ寝よ、なのはと違って朝練なんか俺はせん!!あ、なんか再び眠りに付く前になのはの魔力を遠くに感じた気がする・・・・・・・さてはスターライトブレイカーの練習をしたな・・・ユーノ、乙。





「ヴィータ~はよ起きぃ~!」

「ん~~~・・・」

ねむ・・・あ~、二度寝はやっぱ効くな~~。

「今日からおにぎりのみやあらへんよ~♪」

ガバッ!!

「マジで!?」

そう、前回の出来事で俺の飯はおにぎりだけであった。正直落ち込んでた・・・・・いつの間にやらはやての飯にここまではまっていた。

「嘘や~♪」

「マジで!?」

「というのが嘘や~♪」

「どっちだよ!?」

「あはは~♪」

またはやてに負けた。(泣)



その後おれは数日ぶりのおにぎりのみじゃない朝飯を味わってた。

「あ、そうだはやて今日はどうするんだ?」

「あ、せや。今日は午前中は検査で石田先生に呼ばれとるんよ。」

「む、じゃぁ今日は変身していくか?」

そう、俺は石田医師に会うときは何度か(秋山 隆二)の姿にしている。(あと、俺口調に戻れるため外に一人でいる時はたまになっている)一応近所の暇そうな大学生と言う事にしている。さすがにはやてぐらいの年の子が一人暮らしというのは気になっていたらしくよろしくとさえ言われた。ま、シグナム達が出てくるまでの保険だ。

「なんや、またあの微妙な兄ちゃんかいな?」

「微妙言うな!!」

俺の前世?(死んだ記憶無いけど)の姿だぞ畜生!!



んで今は変身して俺は玄関で待っていた。あ~それにしても車欲しいな。金は例の宝石とかで何とかなるけど免許となるといろいろあって今の俺じゃどうにもならん。元の世界じゃ持っていたんだが・・・・・。っと、はやてがきたな。

「ごめん、おまたせなぁ!」

「ん、んじゃ行くか。」

そしてはやての車椅子を押して外に出た。その時ある気配を感じた。視界には一瞬だけ二匹の猫をとらえた・・・確証は無いが恐らくはリーゼ姉妹か・・・ちっ、本当はこの場でとっ捕まえたいが今はその時じゃない。とりあえずはさりげない会話で少し情報をくれてやろう。

「しかし、俺以外の奴らは何時になったら出てくるやら。」

「あ~、せやね・・・でも、もうすぐなんやろ?」

「たぶんな~」

そして、俺たちは家を後にする。最初は野良猫と思い込んでる振りをして追い払っていたせいか今ではばれない様にたまに俺達の様子を見ていた。(多分管理局の仕事の合間に)む、転移したな?まぁ、ジャミング張ってたし気付いていないとでも思ってたようだが、なめて見てるな俺を。ジャミングの張り方が手抜きだ。・・・待っていろギル・グレアム・・・別にほっておいてもクロノが真実にたどり着くが、はっきりいっててめぇのやり方はきにいらねぇ!!はやてに対する考え方もだ!!!お前の計画は途中でへし折って見せる!!!そして一発ぶん殴る!!!!・・・・・具体的にはまだ決めてないが(汗)

「ヴィータ、どないしたん?急に黙って?」

「ん、ああ。なんでもねぇよ・・・・ってこの姿でヴィータ言うな!」

「あ~竜神(りゅうじん)やったっけ?」

「隆二(りゅうじ)だよ!なんだよそれ、どこのダンジョンのボスだよ!!」

「というよりどっかで祭られてそうやなぁ~」

この姿でもはやてに負けます。な、泣かないもんね!!



「ん~、成果は出てないけど、副作用もないし・・・しばらくこの治療でいきましょうか?」

石田医師がはやてに言う。

「あ、じゃぁそんな感じで・・・・・いた!?な、なにするん!?」

おれは軽くはやてにゲンコツをした。

「やかましい、もっとまじめに聞かんか!」

「えぇ~・・・けどようわからんし~」

「まぁ、まぁ。あ、そうだ!隆二君?大学はいいの?」

「ご心配はなく、最低限の出席日数はとってあるので。」

「ならいいけど・・・・・入りたてだからってあんまり大学なめたらいけないわよ?」

もともと大学生なのでわりかし自然に対応できる。

「留年や~♪」

「やかましい!!」



その後はやてを廊下で待たせ、俺は石田医師にはやての症状を聞いていた。

「ごめんなさい、本来なら君のように善意ではやてちゃんに付き添ってくれている子に話すことじゃないんだけど・・・・・」

「かまいませんよ・・・もう俺にとっても妹みたいなもんですし。」

俺が逆に妹呼ばわりされた事もあるがな。

「それで、はやてちゃんの状態なんだけど・・・さっき言ったとおりなの。ただ・・・・・・」

「?」

なんだろ?

「気のせいだと思いたいけど、麻痺が少し広がっているように見えるの・・・・・今の状態じゃまだ断定はできないのだけど・・・・・」

それは、・・・正しい。ちっ、なさけないな・・・・・今はまだ動けない自分が。

「・・・・・あ、ごめんなさい!不安になるような事言っちゃって!!」

「あ、いえ。こちらの方こそ。関係のないはずの俺にまで話してくれてありがとうございます。」

「そんなことないわ。はやてちゃんを支えてくれて感謝したいのはこっちの方・・・・・と、そんなことよりもう行きましょうか?」

「そうですね、変に遅くなってはやてに不審がられたら大変ですし。」



「遅いで~、も~。二人して何しとったん?」

すでに軽く不審がられてた。

「大学の授業の質問だよ。一応医療系なんでね?」

と言っても対象は人じゃなくて獣だが。ふっふっふ~これでも元は獣医を目指していたのだ。まだ入って一年だったため何もできん状態だが・・・・・

「嘘や~ほんとはなんなん~。」

今大学に行っているのは嘘と知っているはやてが絡んできた。

「・・・・・じつは石田先生に結婚していますかと聞いて・・・」

「り、隆二君!?」

「ほほぉ~・・・・・で?」

「・・・・・鬼を見た。」

さも聞いてはいけないことを聞いたように言う俺。

「どういう意味かしら・・・それ?」

そこに美人の仮面をかぶった修羅がいたのに気付かない俺はこんな事を考えてた。

うん、何とかごまかせた。え?ちょっと石田先生?ほら、うまくごまかし・・・・・・・・



ぎゃああぁぁぁああぁぁぁぁぁ!!!??



な、何が起こったか分かんなかったぜ、気が付いた時にははやてといっしょに病院を出るところであった。軽く混乱している俺を無視して話しは進む。

「それじゃぁはやてちゃん。なにか変わったことがあったら絶対言うのよ?」

「あ、はい。わかっとります!」

「それじゃぁ隆二君?はやてちゃんを家までよろしくね?」

「あ、はい・・・と言うか石田先生・・・さっき・・・・・」

「よ・ろ・し・く♪」

いい笑顔だ、先生。とりあえずは

「OK、BOSS!!」

今の一瞬俺の心が凍てついてた・・・・・様な気がした。

「あ、そういえばヴィータちゃんはどうしてるの?」

「い、家におるんやないですかね?」

「あ~なんか俺嫌われてるみたいなんすよ。」

そういうことにしている。いや、まぁ「同一人物です」なんていっても精神科の医師をよばれるだけなんだがな・・・・・。



「あ~それにしてもヴィータはその姿になるの自重したほうがええかもな?」

「なんで?」

え~結構気楽なのに。俺口調に戻れるし。

「ん~さっき廊下で待ってた時な?ナースさん達が言っとんたんよ。『石田先生って、年下好きなのかも』・・・って。」

「あはは、まさか~。」

もし本当なら吠えるぜ俺は、なぜ男のまま会えなかったのか・・・と。あれ?でもどこかであの人30代って書いてたような(到底見えんがな、まったくリンディさんといい桃子さん・・・は会った事ないが)・・・・・・・先生・・・結婚してるよな?。(汗)

「ほら、石田先生がその微妙な兄ちゃんが好きとか思われたらかわいそうやん・・・てか迷惑?」

「どういう意味だよ!?」

その日の夜はやてに内緒で梅酒を飲んで自分を慰めた(ビールはまだ俺の口に合わん)。でもばれて怒られた。



「あ~、やっと家に着いたぜ!」

「おつかれさんなぁ~。」

帰る途中ついでに買い物をしていった。

「あ、せや。もう微妙な兄ちゃんの変身もう解いてもええんとちゃう?」

また微妙いわれた。もう、名前を(秋山 微妙)とかに改名しようかな(泣)

お、そうだ・・・・・・・(ニヤリ)

「なぁ、はやて・・・いまからある女性に変身するから感想を言ってくれ。」

「へ?ええけど・・・」

「では、いくぞ!!!」

そして俺は光に包まれその光が収まった時、そこにいたのは・・・茶色いどこぞの局の制服を着た栗色のショートカットの髪、年は恐らく20前の女性。ククク・・・ここまで言えば分かるであろう。

「ん~なんやどっかで見たことあるけど・・・」

「いいから感想、感想♪」

「えっとなぁ、とりあえずは歳のわりにちょ~っと胸が・・・」

「くくく、ええんやな?それで・・・」

「な、なんで急に関西弁なん!?それにその声・・・は!?まさか!!?」

「そのとおりや!!10年後のはやてなんや~~~!!」

「う、嘘や~~~私はもっとグラマーになっとるんや~!!」

「ははははは~認めなあかんで~現実は~!!!」

「う、嘘や!!嘘言う子はご飯抜きや!!!」

これを聞いて即行土下座をした。

「すいません、それは堪忍や。」

「ちょ、10年後の私の姿で土下座なんてせんといてぇ!?」

「あれ?いま認めたよね?」

「あ!!」



その後昼食を食べた俺達は(なんとか食べさせてもらえた。変身はもう解いた)今日は何をするか話していた。

「んで?今日はどうすんだ?」

「ん~せやなぁ・・・あ、そうや!もうすぐ他の守護騎士達も出てくるんやろ?」

「む、そうだけど?」

「前にどんな人たちかヴィータの変身で外見は見せてもろうたし、そろそろ騎士甲冑考えん?」

む・・・早いが・・・ま、問題はないだろう。

「んじゃぁ、そうするか!!」



その後図書館やらデパートやらいろんなところに行った。

そしてその夜は、各守護騎士に一番似合っているのは何かというのを俺の変身によるもので実際に見てはやてと共に考えた。アニメじゃこういう描写は無かったが、何種類も候補があったようだ。やっぱ俺のときもこんな風に悩んでくれたのかな?まだこの世界に来たばかりでまだ混乱してた頃だったので気が付かなかったけど・・・・・一応あとで「ありがとう」って言っておこう。理解されなくてもいいから。

あ、騎士甲冑はまだ本人達がいないので決定ではないが、やっぱアニメ道理になりそうだ。

あと言う事があるとすれば何故か風呂に入る時10年後のはやての姿(いまだに認めんが)で入らされたぐらいかな?なんか姉ちゃんみたいだとか。

そんな感じで今日も一日終わった。とりあえずはしばらく平和が続きそうだ。







おまけ

それは入浴中のこと

「それにしてもヴィータ?」

「なんや?はやて?」(関西弁強制された。)

「あの茶色い制服みたいなの、なんなん?」

あ、やっべ。つい遊び心で六課の制服にしてたんだった・・・まずいかなぁ?

「はっきりいってダサいで?なんや色的に?」

な!?なんつーこといいやがる、仮にもいずれお前がつくる予定の部隊の制服だぞ!?と、とりあえずは未来のはやての変わりに・・・・・

「あ、あやまるんや!!某部隊のみんなにあやまるんやぁ!!!」

「な、なんの話なん!!?」

ま、10年後だし大丈夫だろ?某バズーカがあるわけじゃないし(笑)











あとがき

正直書いてて楽しかった今回の話。

次はいよいよ他の守護騎士覚醒の予定・・・といってもまだA’s本編にはいかずに、日常的なものの話にするつもりです。

ではでは。








[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第十一話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/22 02:25
「すまない。」

真っ暗な世界。そこで銀色の長髪、真紅の瞳をした女性が俺に謝ってきた。・・・闇の書・・・否、夜天の書の管制人格。いずれ祝福の風の名をはやてから貰う女性が・・・リインフォースがいた。その表情は悲しげなような、申し訳なさそうな・・・・・。

「仮にも融合騎・・・ユニゾンデバイスなのになんであんたはちびっ子じゃないんだ?」

とりあえず質問してみた。自分で言うのもなんだがその質問は場違いすぎだ。

「すまない。」

また謝られた。どうやら禁句だったらしい・・・のか?

「そういえば、守護騎士とは精神的にリンクしてるらしいが俺もそうなってるのか?」

ちょっと気になっていたので聞いてみた。これは質問的に問題ないだろう?

「すまない。」

これまた謝られた。肯定してるのか、否定してるのか分からん。

「え~と、じゃぁ・・・なんでザフィーラだけ男なんだ?」

「すまない。」

ザフィーラに謝ってんのか!?それ!!

「・・・・・失礼ながら大きな胸ですね・・・俺の体(ヴィータ)と違って?触ってみてもいいですか?」

謝ってばっかのコイツにちょっといらつきを覚え、意地の悪い事を言ってみる。

「すまない。」

なんか振られた気分だ・・・。

「あ~もういい加減にしろ!さっきから謝ってばっかで!!なんだよ、何をして欲しいんだ!?マスターのはやてならいろいろ分かるけど、なんで俺に謝るんだよ。お前から見れば俺はヴィータに付いた異物みたいなものじゃねぇのかよ!!?」

そして手を伸ばそうとして気付いた。俺の体が動かない・・・というより見えないことに。おい、俺は今ヴィータの姿か?それとも隆二の姿か?

そしてこの思考と同時にある仮説を思いついた。もしかして俺の声は目の前の女性に届いてはいないのではないかと。

「すまない。」

ん~やっぱ聞こえてないのかも俺の声。ほんじゃ、ま、もう一回。

「好きです、・・・あ~、つか好みです。つきあってください!!」

「すまない。」

今度はマジで振られた。分かっちゃいたけど泣きそうだ。(笑)あれ?なんか視野が霞む・・・まだ涙は出てないぞ?いや、違う。この真っ黒な世界自体が霞んでいく・・・・・

「すまない。私は――――――――――――――――――――。」

最後にリインフォースが「すまない。」以外に何かを言った・・・気がしたが聞こえなかった。



そして俺は目が覚めた。ああ、今のは俺が寝ている間に見た夢か・・・・・・しかしそれは俺が見たただの夢か、それともリインフォースが見せた夢かはいつになっても分かる事は無かった。
(闇の書ぶん投げて吐かせようとしたらはやてに止められた。)



・・・・・あ、はやての全裸シーンは自重してくれって言えばよかった。(笑)





第十一話「出産は難産!?(笑)・・・・・頑張れ闇の書ひっひっふ~(大笑)」





やれやれ、結局なんだったんだあの夢は。いままでのようにどこかアホな夢と言うわけじゃなかったし(笑)やっぱ、リインフォースが見せた夢なんかな?

・・・っは!?実は俺が闇の書の主だったりして・・・・・・・・・。



ないない(笑)



だいたいそうならはやての足だって・・・・・・やめだ。今は分からない事を考えてる場合じゃない。今日は6月3日そう・・・・・

「いや~、ドキドキやなぁ~。いよいよ明日なんやろ?他の守護騎士達が出てくんの?」

「ん~、たぶん。正確には今日の夜の十二時を回った時と認識しといたほうがいいと思うぜ?」

そう、いよいよ明日ははやての誕生日。そして会話にもあったが守護騎士覚醒の日でもある。ん~一応調べたけど多分予定道理になるだろう。

・・・・・・・とにかく仲良くなれるよう頑張ろう。(汗)一番の問題はシグナムかな?ザフィーラとはなんとなくうまくいく気がするんだよな・・・根拠無いけど。(やっぱ男同士だし)
シャマルは・・・いじれる自信がある(ニヤリ)・・・ククク。

「あ、そうだはやて。」

「ん?なんや、ヴィータ?」

「電話、石田先生に・・・明日検査だったろ?」

「あ、せや!明日はみんなの服買わんといかへんから行けないって連絡せなあかん!」

「うまく誤魔化せよ~。」

そして電話をしに行くはやて。せっかく検査の後に食事に誘ってくれたのを(留守電ではなく、なぜか前に行った時に言われた。隆二の姿だったので口出しできんかった。)断らなければならないからな。

「あ、もしもし?石田先生ですか?はい、はやてです。えっとですね明日お誘いのあったお食事なんですけど・・・・・はい・・・・・はい、検査の方も・・・・・いえいえ・・・・・・ほんとに・・・・・。」

む、長期戦だな。ま、仕方ないな。守護騎士たちの初期装備であるあの格好ははっきり言って頭痛い人(笑)だもんな。すぐに服を買わんとな。いや、まぁ俺も最初はそうだったんだが・・・

「はい、・・・・・では、明後日に・・・<カチャ>・・・・・ふぅ、何とか誤魔化せたわ~。」

「なんて言って誤魔化したんだよ?」

「ん?ちゃんと前に二人で決めていたとおり、遠い親戚が引っ越してくるって・・・ヴィータの存在もあってなんとか誤魔化せたわ~」

うし、前もって、遠い親戚がはやてを心配して一緒に住む準備をしていてヴィータだけ先にやって来た。と石田先生にそれとなく話しといてよかったぜ。つか最初にヴィータとしてあった時に言っただけだが。

「さて、それじゃ今日の夜に備えてお昼寝せんとな?」

なぜ昼寝かその理由は夜更かしするためだが・・・・・それはまたのちほどに。

「ん。あ、そうだ。」

そう言って俺は闇の書の周りに結界を張る。

「?なにしとるん?」

「結界張ってんの。闇の書の覚醒の影響が周りに出ないように抑えるための物。」

「張らんかったら?」

「地震でガクブルもんだね。」

うん、アニメのはやての怯えようを考えたら必要だろ。闇の書がいきなり変な事になってたのも原因の一つだったんだろうけどな。

「て、手ぇ抜いたらあかんで、ヴィータ!主命令や!!」

絶対に主命令の使いどころまちがってるよ、はやて。

「ん、了解・・・・・っと、うし完了。しっかり張ったよ。」

「うむ、ご苦労や・・・・・・本当にもうええん?」

はやてびびりすぎ(笑)

「ん?そういえばあたしの時はどうだったんだ?」

気付いたらベットの上だったもんな、俺。闇の書が浮いていたのは聞いたが・・・

「なんや挟んでいた本のしおりが落ちるかのごとくポトっと・・・」

あ、扱いわりぃ・・・リインフォースめぇ・・・今度夢に出てきたらいろんな意味で揉んでやる!!!(ヤマシイイミジャナイヨ(棒読み))

「さて、寝るか。夜更かしするなら寝溜めしとかんとな、はやてぐらいに年の子は特に。」

「ヴ、ヴィータも同じぐらいやろぉ!」

「見た目だけって、前にも言ったろ。」

「あ~万年ロリっ子っやったっけ?」

「合ってるけど、もうちょい言い方考えような?」

なんかいつの間にかはやてがなにかに染まってきてる気がするぅ・・・・・。





そして

6月4日00:00・・・・の30分前。

もはや深夜であり世界は静まっていた。

「ああ~寝坊した~!!ああ、ヴィータ皿はあっちや!!!」

「たっく、だからもっと早く準備しようって言ったんだよ!!」

「しゃぁないやろ、少しでも作りたてを食べて欲しいやん!!」



6月4日00:00・・・・の20分前。

もはや深夜であり世界は静まっていた・・・のか?

「佐藤・・・違う!!砂糖はどこや!?今日特売品買っといたやろ!?」

「上だ!後でなおすって冷蔵庫の上に置いてただろ!?」

「あ、せやった・・・ってヴィータやろ!?あそこ置いたの!!私じゃ届かへんもん!!微妙兄ちゃんモードで置いたんやろ!!!」

「び、微妙言うな~~~!!!(泣)」



6月4日00:00・・・・の10分前。

もはや~~世界は静まっ・・・・もういいや。

「よっしゃ、タイムアップと同時に終わりがみえてきたでぇ!!」

「ラストスパート!!」

「「全力全開でやるんや(ぜ)!!」」



そしていよいよ。



6月4日00:00・・・・10秒前

「ぎ、ぎりぎりだったな・・・」

「よ~っし準備万端、カウントダウンや~!!」

「おう、5、4」

「3,2」

「「1」」

「「0」」

<カチッ>っと、時計の針が小さくなった。そして、一冊の鎖の付いた本が何処か禍々しい光を放ちながら宙へと浮いた。

「どう見てもブラックアイテムだな?」

「ひ、否定できんなぁ・・・」

なんかガタガタ震えて、ボコボコしてる。アニメと違って現実だとマジでホラーだ(汗)

「うぁぁ、ほんまに大丈夫なん!?」

いつの間にやらはやてが俺にしがみ付いてる。

「お、落ち着けはやて。きっと難産なんだ!!」

「産まれるん!?産まれるん!!?」

「ああ、男の子一人に女の子二人だ!!」

「三つ子なん!?三つ子なんか!!?」

いつしか鎖は吹き飛び、本のページが次々と勝手にめくれていく。

『Ich befreie eine Versiegelung(封印を解除します )』

鎖から解放された本は次々と白紙のページを開いていく。そんな時二人は・・・・・

「が、頑張るんや!闇の書!!」

「あ、ええとこんな時は・・・ひっひっふ~、ひっひっふ~・・・」

「あ、せや。それや!出産といたらそれや・・・ひっひっふ~・・・」

「「ひっひっふ~、ひっひっふ~」」

素敵にてんぱっていた。

そしてこれは本人以外誰も知らない余談ではあるが、二人につられて闇の書の管制人格も同じ呼吸法をしていた(笑)

ついにすべてのページがめくり終わった後、本は自ら閉じた。そしてついに・・・・・・

『Anfang(起動)』

闇の書はまばゆい光を放つ・・・・・・・・・・



その後ちょっとした騒ぎがあるがそれはまた別の機会に・・・・・







一ヵ月半後・・・・・

八神家の居間にあるソファーに一人の女性が新聞を読んでいた。その女性は長いピンク色の髪をポニーテールにして結んでいた。

<ガチャ>

「ただいま~。」

「今戻った。」

そこに二人の男が戻ってきた。一人は一般的な男子大学生といった容姿、そしてもう一人は筋肉のあるガタイのいい男・・・なぜか家に入ったとたん尻尾と犬の耳がはえていた。

「む、帰ったか二人とも・・・しかし珍しいなザフィーラ?人型で外に出るとは、・・・・・それにヴィータにいたっては変身魔法で青年の姿に・・・なぜだ?」

「あ~、ちょっとな?」

「ヴィータには俺が付き合わせてしまったのだ。あまり責めないでくれ。」

「いや・・・別に責めてる訳ではないのだが・・・・・まぁいい、とりあえず変身魔法を解いたらどうだ?ザフィーラも獣の姿に・・・」

「ん、そうするぜ。シグナム。」

「うむ、そうしよう。」

そう言い終えると先ほどまでいた二人の男達は光に包まれ、光が収まった時にはもう男達の姿は無く、いるのは小さい少女と青い大型の狼であった。

「あ、おかえりさんや、二人とも~。」

「あら、お帰り。疲れたでしょ、二人とも?」

次に現れたのは車椅子に乗った少女に金髪の女性の二人であった。

「あ~まぁなシャマル、久しぶりの労働で結構・・・・・ザフィーラと違って筋肉ないし?」

「ふ、強化魔法を使ってたのにか?・・・それと主これを。」

そういうと青い狼は口にいつの間にやらくわえていた封筒を車椅子に乗った少女に渡した。それを貰って困った顔をして少女は言う。

「も~ヴィータといいそんなんきにせんでもええのに・・・って、これもしかして今日貰ったお給料全額とちゃうか!?ちょっとくらい自分のに・・・」

「いえ、どのみち私には使い道の無いものですから・・・それにヴィータの払ってきた額に比べれば小さなものです。」

「ま、食べさせてもらってんだ、食費分ぐらい払わねぇと・・・っと、そうだついでにあたしも今月分。」

そういいヴィータと呼ばれた少女も彼女にお金の入った封筒を渡した。





<ヴィータside>

早いもんでもうみんなが出てきてから一ヶ月半たった。まずみんなが出てきて驚いたのは・・・無感情ということだった。シャマルはある程度表情の変化を見せる事があったがそれでも他のみんな同様意思疎通は一応出来るという感じであった。(服を着るときは何かはしゃいでいたが)感情を見せたと言う例が無いのは本当のようだな・・・と納得したものだ。最初の一週間はみんなに・・・あのシャマルにさえ不審な目で見られ続けた。マジ辛かった。先に覚醒したと言うのも理由だろうが、それよりも自我が強く出ていたと言うのが一番の理由だろう。ん~正直毎晩シグナムに斬られる夢を見たのは内緒(汗)。

でも二週間目にはいると大分皆表情が出てきて俺のよく知る性格になっていった。そしていつしか俺の変わりようも納得したようで、最初のわだかまりも無くなった。・・・・・でもシャマルに関してはうっかりが出てきた事を考えると、前のほうがよかったかも。(この前も皿割ったし)

「このうっかりシャマル!!」

「い、いきなりなに!?ヴィータちゃん!!」

うん、予定道理シャマルはいじれる(笑)なんか泣きながら抗議してくるシャマルを無視してシグナムがザフィーラに話しかけていた。ちょうどいいので俺も無視して話を聞く。(おい!)

「それで?ヴィータと二人で何をしてきた?」

「なに、日雇いの仕事をな。ヴィータが前に一度したことがあると聞いて紹介してもらったのだ。」

そう、あれはまだこの世界に来たばかりの頃。まだドラ●エみたいな世界(懐かしいな)に行くと言う考えがつく前にやったことがあったのだ。長期バイトだと誤魔化しがきついが日給のバイトなら何とかなった。ま、そうめったに近場でいいもんがあるわけでもないし他の方法を考えた末別の世界で傭兵もどきをやろうと思いついたわけだが・・・。

「ほんまに気にせんでもええのに~」

「いえ、私はシャマルと違い家事などで主の手伝いはいたしません・・・それにヴィータにばかり払わせるわけにもいきませぬゆえ。」

「あんま気にすんなよ?あたしはみんなと違って何ヶ月も前に出てきたんだから。」

ま、そんな理由で今日はザフィーラに付き合って日給バイトをした。ちなみに内容は近くで近々行われると言うコンサートの会場造りである。ここのところ病院の検査の付き添いはシャマルやシグナムが行く事が多くなったので少し暇であったためちょうど良かった。

「いや、それでも何かできるのなら・・・ヴィータ私にも何か紹介してくれないか?」

シグナムが俺に聞く。

「別いいけど、ここらへんそういうの少ないからしばらくは無理だな。」

「む、そうか・・・・・・・いや、まて。それなら前に話していた世界を教えてくれ。傭兵など不本意であるが主はやてのためならば・・・。」

おおう、これが噂のはやて教(笑)しかしシグナムよ、苦渋の選択を勝手にしたのは構わんがな、・・・はやてを見てみろ。

「ん?なにやら殺気が・・・って、あ、主はやて!?なぜそのようにお怒りに・・・・・。」

うぉ!?めっさ不機嫌だよ。ま、しかたないな?俺も帰ってきた時は傭兵もどきしてたって言ったらめっちゃ怒られまくったしな。

「も~・・・何度も言うとるやろ!気にせんでええ!!たまにならお仕事してもかまわへんけどな、それ以外は許さへんよ!!!」

「し、しかしやはり・・・」

「しかしもカカシもないんや!!主命令や!!」

「は、はい!!」

即答だ、さすがは烈火の将(関係ない)しかしはやては本当に心配性だな。

「大体ヴィータもや!!」

「ええ!?あ、あたしも!?」

うあ!なんか矛先がこっちにも向いてきたよ。ザ、ザフィーラ助けて・・・あ、犬のふりして尻尾振って寝てやがる!!バイト紹介してやった恩を忘れやがって!!じゃぁ、シャマルは・・・

「うっかりじゃないもん、うっかりじゃないもん・・・・・」

なんか凹んでるぅ!!誰だ!?シャマルを追い詰めたのは!!・・・あ、俺だ!!!(泣)

「聞いとるん!?ヴィータ!!そもそもヴィータがドラ●エみたいな世界でやなぁ~~!!」

く~・・・まさか今更になってまた説教とは(泣)



結局その日はもう仕事がどうとかいう話はうやむやになり一日が終わった。



・・・ま、そんな感じでやっぱしばらくは平和が続きそうだ。

とりあえず今回はここらで一区切り。

「まだ話は終わっとらん!!」

「い、今更勘弁してよはやて~!!」



チャンチャン♪(ベタだな!?)







おまけ

「うっかりじゃないもん、うっかりじゃないもん・・・・・」

「大丈夫やよ、シャマルはうっかりやないよ?」

はやてがシャマルの肩に手を添えて言う。

「はやてちゃん・・・・・」

「シャマルの場合はやっぱりや!」

「ど、どういう意味~~~~~!!(泣)」

うむうむ、すっかり二人も仲良しさんだ!!







あとがき

うむぅ・・・ザフィーラにバイトやらせてよかったものか、というかしゃべり方がいまいちはっきりせん・・・ま、他のキャラにも言える事だけど。

冒頭のリインフォースとの会話(?)はちょっとお気に入り。
あと感想板でちらほら言われているオリジナルヴィータに関しては何らかの形で出す予定です。・・・・・・問題はそこまでたどり着けるかですけど(汗)

ではでは。








[3310] 騎士少女リリカルヴィータ(現実→ヴィータ)第十二話
Name: ロウリャン◆9c63fa87 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/08/16 19:24
「それじゃぁ、今日はご指導よろしくね?ヴィータちゃん!!」

エプロン装備のシャマルが元気よく俺に言う。

「あ~・・・いいけどさ、はやての方が上手だと思うぜ?」

「そ、それじゃぁ意味ないのよ!一番はやてちゃんに驚いてもらいたいから!!」

そんなこんなで俺は無理やりシャマルのクッキー作りに付きあわされていた。事の発端は昨日の事である。





第十二話「ヴィータちゃんとクーキー作りよ!!(byシャマル)・・・・・巻き込むんじゃねぇ!!(byヴィータ)」





それは昨日の事。


「ありゃ?なんだこりゃ?」

俺は台所に置いてある材料を見てはやてに聞いた。

「ん~♪今日はクッキー作るんよヴィータ。」

はやては笑顔で俺に答えた。

「簡単なものを作るつもりやからシャマルの料理練習がてらな?」

そう、味付けが微妙と言われ続けるシャマルは日々料理の特訓をしている・・・作るたびに微妙な味から悪い意味で離れていってるのは気のせいだと思いたい(汗)

「大丈夫よ、クッキーみたいに簡単なものだったら私にだって!」

シャマルも簡単だと聞きやる気満々である。・・・・・そのやる気が悪い方向に行かなきゃいいがな・・・いや、多分行くな(汗)

「そうだ!ヴィータちゃんも一緒に作らない!?」

うげぇ!何か上機嫌のシャマルが俺まで巻き込もうとしているよ!!

「あ、それええな?ヴィータも女の子なんやから!!」

叫びたい、中身男子大学生と!!く、こうなっては回避は不可能・・・かくなる上はシグナムを・・・

「では、ザフィーラと散歩に行ってきます。」

そう言いザフィーラにリードをつけ出ていくシグナム・・・敵前逃亡しやがって(少し違う)おっぱい魔人と呼ぶぞこらぁ!!!

「それじゃ~始めるよぉ~~!!」

「お~~~~!!」

「お~う・・・・」

元気のいいはやてとシャマル、それに対し元気の無い俺ことヴィータの三人でクッキー作りは始まった。




んで、しばらくして・・・・・



「ただいま戻りました・・・む?」

「ふむ、いい香りだ・・・どうやらできたようだな?」

二人が帰ってきた。

「よぅ・・・おかえり~」

俺がシグナムにジト目で言う。

「ああ、今帰ったぞヴィータ。・・・やれやれそんな目をするな。で、どうだ?うまくできたか?」

「あ~・・・いや・・・見れば分かる。」

「「?」」

歯切れの悪い俺の言い方に不思議そうな顔をする二人。そしてその後居間のテーブルに三種類のクッキーが並べられる。試食は作らなかったシグナムとザフィーラにはやてが頼んだ。

「では、いただきます。」

そう言ってシグナムはまずはやて作のものを食べた。

「むぐむぐ(食べてる)・・・さすがは主はやてです。とてもおいしいです。」

本当においしかたのだろう。シグナムは微笑んではやてに言う。

「も~そんな褒めてもなんもでぇへんよ~♪」

照れて答えるはやて。そして次は・・・

「では俺はヴィータの作ったものを食べるとしよう。」

「あんま期待すんなよザフィーラ?」

ザフィーラが犬の姿のまま食べようとする。あのでかい口じゃクッキーは食いにくいだろーが!ったく!

「ほれ、ザフィーラ!あ~ん。」

「む、すまん。」

俺はザフィーラに食べさせてやった。まったくなにが悲しゅうて男に【あ~ん】せにゃならんのだ!!・・・って、シャマル!!にやけんじゃねぇ!!!ああ、はやてまで!?シグナムにいたっては微笑だ!!畜生!!!

そんな状況をしらないザフィーラは俺の作ったものに対し感想を言う。

「ふむ・・・悪くは無い。少々味が雑かもしれんが十分に美味いと言えよう。」

どこの美食家だてめぇ!!でもま、一応は

「あんがとよ!」

「なんだ、意外にうれしそうだなヴィータ?」

シグナムが俺をちゃかす。

「うっせー、褒められてうれしくない奴はいねーだろーが!!」

「まぁ、まぁ、二人とも。」

はやてが俺たちの仲裁をする。そして、いよいよ・・・・・

「次は・・・シャマルのか・・・」

「・・・・・・・・」

「ちょっと二人とも、何その態度!?見た目もいいから大丈夫よ!!」

そう見た目はいいのだ・・・だが・・・作った本人は見えていないようだがなにやらどす黒い紫色のオーラが見える。む?二人とも念話をしてる?傍受してみよう。

『・・・だからザフィーラ!!お前の出番だ!!盾の守護獣として存分に・・・』

『俺が盾となるのは主のためだけだ!!お前も将として・・・』

『な!?仲間も守るのもお前の仕事であろう!!?』

『そういうお前も、先陣をきるのは将の役目ではないのか!!?』

うお!?何か凄い白熱バトル!!(汗)二人とも必死だよ・・・。

「あ、そうだ!はい、ザフィーラ?あ~ん♪」

とうとう業を煮やしたシャマルたん(笑)どうやらザフィーラが【あ~ん】をしてもらいたいと勘違いをした様子で行動を開始した。

「む!?むぐ!!?」

とっさにされたため対処しきれず食べてしまったザフィーラ。しかし!!

「ぐ!!?がぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

そしてザフィーラは崩れ落ちた・・・・・

俺たちは・・・呆然と固まったシャマル以外急いで駆けつける!!

「ザフィーラしっかりしろ!!」

「ザフィーラしっかり!!」

はやてとシグナムが叫ぶ!そして俺は・・・

「おい、おい!バカヤローしっかりしろよっ!・・・っ医療班、なにやってんだよ!!早くしてくれよコイツ死んじまうよぉぉぉ!!!」

とか叫んでた。医療班ってなんだよ。

「な、なんでぇぇ~~~・・・・・」

シャマルは嘆いていた。

そんな事があった昨日。



そして次の日である今日。ザフィーラはいまだに寝込んでいる。夕方ごろには回復するであろうとのこと。はやては病院に検査シグナムはその付き添い。今日は図書館にも寄るそうなので遅くなると言っていた。そして俺は・・・

「リベンジよ!!」

そう言ったシャマルに捕まった。そして冒頭に至る・・・・・・



んで、そんなわけでシャマルのリベンジクッキー製作作戦(なんだそりゃ!?)に巻き込まれたわけで・・・っと思いにふけっていると・・・

「って、シャマル!?それ塩!!!」

「え!?あ、ほんとう!!」

のっけからこれかよ・・・不安だ。



んで、しばらくして一回目のクッキー完成。俺は庭にあるアリの巣付近にクッキーを砕いて置いてみた。シャマルはなんか文句を言っていたが無視だ無視!!味見しろっていったら目逸らしたし!!しばらくしてアリ達が群がってきた・・・が、数秒後には一匹残らずひっくり返って動かなくなった。アリ達・・・スマン・・・



しばらくして二回目のクッキー完成。外にいたカラス達の所へ放り投げる。一旦驚いてその場を離れたカラス達ではあったがすぐに戻ってきてクッキーをついばむ・・・

「グゲェェェェエエェ!!!!」

なかなか壮大な悲鳴を上げて倒れていった。ふむ、カラス駆除にいいかも・・・



しばらくして三回目のクッキー完成。外に二匹の猫確認、前もって予測して探査しないと分からないが魔力を感じた。おそらくはリーゼ姉妹・・・俺は心の中で狂喜した。よもやここで痛い目にあわせられるとはな!!ククククク・・・・・俺は野良猫に餌を与える少女のふりをして近づきクッキーをあげた。どっちかは知らんが俺の手のひらのクッキーを食べた。

「ギニャァァァァアァアァァァァアァアァアァアッァァァ!!!!!」

いい叫び声・・・シャマル、グッジョブ!!!何か警戒されるのは嫌なので知らん振りして心配したように見せかけた。残ったかたっぽが引きずっていった。



しばらくして何回目かのクッキー完成の時。再びアリ達にやった。・・・・・今度はなんと倒れずにせっせと運ぶ。俺はおそるおそる食べてみた。

「ど、どう?ヴィータちゃん?」

「・・・美味いとは言えねぇが、食えねぇこともない・・・もうちょっとだ!!」

「は、はい!!」



そして今度はいよいよ成功しかも3回続けて!!普通レベルではあるがそこそこ美味いのが!!!

「とうとうやったぞ!!シャマル!!!」

「あ、ありがとうヴィータちゃん!!」

お?気が付けばもう二人が帰ってくる時間だ。うむうむ、何とか間に合った・・・・・材料費が食費の半年分ほどになり俺の負担になったのは明日にでも言おう。(何か水差すのもな~)

<ガチャ>

む、玄関の開く音。はやて達帰ってきたな?出迎えに行くか・・・

「あ、はやてにシグナム。おかえ・・・・・」

「無事か二人とも!!!」

「何もあらへんかったやろうな!!?」

「な、なんだよいきなり!?」

何か帰ってきて早々叫んできた。

「なんやウチの周りだけカラスやらなんやらがぎょうさん気絶しっとったんよ!!」

「うむ、何かあったとしか考えられん!!」

あ~そういえばいつの間にかそんな光景になってたような・・・眼を背けてたから分からんかったぜ(汗)理由を話すと二人して苦笑い、クッキー出すとひきつった笑みで固まった。

「ったく、心配すんな。ほら?」

そう言って二人の前で食べて見せた。驚いていたが信用してくれたようで二人も食べた。

「・・・ほんでシャマルは今何しよるん?」

「最後にもう一回作ってるよ、ザフィーラにお詫びのものをさ。」

「ふむ、しかしあのシャマルが普通に食べれるものを作ったとは・・・」

「食費半年分に匹敵の金をあたしが負担したけどな?」

「あはは~・・・ご愁傷様~(汗)」

「・・・・・笑い事じゃないよはやて・・・」

ん?なにやら気配が・・・

「スマン、みんな心配をかけた。」

「お?ザフィーラ目が覚めたか?」

「おお、ザフィーラおはようさん!」

ザフィーラが復活した。ふ~よかったよかった。



しばらくしてシャマルがザフィーラのためにクッキーを持ってきた。一瞬ひきつったが前もって教えておいたのですんなり食べてくれるようだ。

「ザフィーラ、昨日はほんとにごめんね?はい、あ~ん・・・」

シャマルがザフィーラに食べさせた。だが、

「ぐ!!?な、ががぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁ!!!!?」

「な!?」

「ザ、ザフィーラ!?」

「え?ええぇ!?」

困惑する俺たち・・・な、なんで!?

「シャマル・・・なんかしたか?」

俺はシャマルに聞いた。

「え?え~と・・・せっかくうまくいったし、ちょぉぉっとアレンジを・・・・・」

な、なにしてくれとんじゃい!!!そう思った時、俺の中で何かが切れた。

「おかしいな、・・・シャマル・・・どうしちゃったのかな?」

「え?ヴィータちゃん?」

俺の変わった雰囲気に圧倒され若干おびえたように言うシャマル・・・

「練習の時だけちゃんと言う事聞いて、本番でこんな危険な無茶するなら・・・練習の意味ないじゃない?」

俺は唯静かに言う・・・後から聞いた話だとはやても、さらにはあのシグナムでさえ俺に怯えていたとか・・・

「ちゃんとさ、練習通りやろうよ・・・」

「あ、あの・・・ヴィータちゃ・・・」

シャマルが震えた声で言うが、俺はそれ無視して続ける・・・・・

「ねぇ・・・あたしの言ってる事、あたしが今日教えた事、そんなに間違ってる?」

「わ、私はちょっとでもおいしいって思って欲しかったから!!だから・・・!!!」

シャマルが叫ぶ。後から冷静に考えるとシャマル未来の事知ってるんじゃないかと思った(笑)

「少し・・・頭冷やそうか・・・」

俺は片手を前に出す・・・・・

「ま、待て!ヴィータ!!!・・・むぐ!!?」

俺はさっきザフィーラが食べたクッキーを空いていた手で投げシグナムの口に入れた。

「黙って・・・見ていろ・・・」

「もう気絶しとるよ・・・ヴィータ・・・」

はやてが唯一冷静に突っ込んだ。

「・・・・・シュワルベ・・・フリーゲン・・・・・」

俺は精製した銀弾をシャマルに放った・・・・・。シャマルは・・・・・倒れてしまった。

その場に立っていたのはもはや俺とはやて(車椅子に座ってるが)だけであった。

「なんなん?この展開?」

これまたはやてが唯一冷静に突っ込んだ。



最後に思った事、いくらなんでもやりすぎた(汗)







おまけ

「うう・・・ひどいわヴィータちゃん・・・」

俺はシャマルを介抱していた。

「あ~すまんすまん・・・さすがにちょっとやりすぎた。」

いやほんといろんな意味で。フライングもいいところ(笑)

「そりゃぁせっかく教えてくれたのに勝手なことしたけど・・・」

なんかブツブツ言っているシャマル。シグナムとザフィーラはダウンしている。昨日逃げたシグナムはいいとしても・・・ザフィーラは気の毒だったな・・・

まだ痛いというので、シャマルをソファーに運び一息ついた。

「ま、いろいろお疲れさんな?」

「あ、はやて。」

はやてもこっちに来た。

「あ、せや。ケーキ買ってきたんよ?いっしょに食べへん?」

「あ、食う食う!!」

その後俺たち二人は仲良くケーキを食べた。シャマルがずるい~と言っていたが聞こえんな~♪



・・・・・・・次の日俺がシグナムに追いかけられたのはまた別のお話である。









あとがき

た、楽しい・・・・・とにかく書いてて楽しかった。やりすぎだけど(笑)そんなわけでもうちょいA's編は待ってください。・・・・・予定変わるかもしませんが。(汗)

ではでは。








[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第十三話
Name: ロウリャン◆9c63fa87 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/08/26 21:44
この世界に来てから今日まで出気付いた事がある。 それは漫画や小説、アニメ、ゲームなどがある物と無い物があると言う事。【ドラゴン●ール】や【るろう●剣心】の完全版は見つけて即効全巻買ったが、【ゼロ●使い魔】は無かった。他にもいろいろあったりなかったりだったが・・・
あ~当然ながら【魔法少女リリカルなのは】や【とらいあんぐるハート】とかも無かった。しかしあれだな?もしこのままの姿で元の世界に戻ったらヴィータ関連グッズとかの印税もらえるかな?・・・・・・頭痛い子にしか見えんか?(汗)

それにしてもこっちの世界に無い作品は案外リアルに存在してるのかもな。特に【ゼロ●使い魔】とか・・・まさかな・・・・・そう、たとえ今し方、ちょっと遠出した町で平凡な少年がミッド式でもベルカ式でもない変なゲートに吸い込まれたのを見たような気がしてもそれは気のせいだ!!・・・・・・ぱっと見だったから分からんが少なくとも数日の転移で着く世界じゃなかったぞ(汗)・・・・・少年・・・・・スマン。

あと余談ではあるが、【ドラゴン●ール】はザフィーラが、【るろう●剣心】はシグナムがはまってたりする。シャマルは料理漫画を片っ端から読もうとするがみんなでそれこそ全力全開で止めていたりする。(笑)





第十三話「強者との会合・・・・・・いろんな意味でな(汗)」





さて、前回のクッキー騒動の数日が経った。俺は今【秋山 隆二】の姿でシグナムと共に最近できたドーナツ屋に来ていた。ま、あれだ『私を巻き込んだ責任を取れ』らしい。調子に乗ってクッキー投げたのがまずかった。ちなみにはやてとシャマルは図書館に、ザフィーラは二日続けてのクッキーだったためか今もダウンしてたりする。(当然ながら皆にお土産頼まれた)・・・・・しかし、

「むぐむぐ・・・ん?お前は食わんのか?」

「そんだけ食ってるの見ると食う気がうせるんだよ!!」

そう、なんかこの烈火の将さんは馬鹿みたいに食うんだよ!!少なくとも二十個はいっている。どこのハラペコ騎士だてめぇ!!!

「いやなに、今日はいつも以上に朝の鍛錬をしたうえに朝食は食べなかったのでな?」

確信犯だった!!少しでも俺の金を飛ばす気だよこの人!!!

「しかし何故またその姿に変身しているんだ?」

「別にいいぜ?変身解いても・・・妹に金を払わせる嫌な姉と周りに思って欲しいのなら?」

「・・・・・・そのままでいろ・・・」

「お~ぅ・・・」

その後一通り満足したシグナムはお土産としてこれまた大量のドーナツを買っていった。そりゃぁ結構あるけどさ金は一応有限なんだよ!!あ~また換金しにいかねぇと・・・宝石とかの数も半分きってきたのに・・・そんな俺なぞ知るよしもなくシグナムはご機嫌だ。『荷物は私が持ってやろう』と言ってきたしな・・・・・。

ん?あそこで仲良く歩いてる二人の少女・・・・・どっかで見たことあるような?

「ん?どうしたヴィー・・・じゃなく隆二?」

「ん、いやちょっとな・・・・・」

ん~どっかで見たことあるような・・・あ!!そうだ!!なのはの友達のアリサ・バニングスと月村すずかだ!!!

「へぇ・・・うん、やさしそうな子達だ。」

うん、これならフェイトと会っても仲良くしてくれそう。すずかちゃんに関してははやてともいい友達になってくれそうだ・・・まだちょっと先だけど。

「? なんだ?うれしそうだな?」

「いや、ちょっとな?」

そう俺はシグナムに言うと再び歩こうとする。しかし、「キャ!?」という小さな悲鳴が聞こえた後に、

「ちょっと!!あんた達!!!ちゃんと謝りなさいよ!!!!」

んあ?なんだ?アリサの叫び声がする。振り向いてみると尻もちついたすずかとぶつかったと思われし三人組みの不良の男っぽいのがいた。

「・・・大方あの男どもがぶつかっておいて無視して行こうとしたといったところでろう。」

シグナムが冷静に判断する。

「い、いいよアリサちゃん!私平気だから!」

すずかがアリサを立ち上がり止めようとする。

「駄目よすずか!ちゃんと言わなきゃ!!」

おぉう、噂にたがわず気の強い・・・あの不良っぽいの素直に自分の非を認めてくれるといいんだが・・・

「ああん!?なんだガキ!!!」

あかん、めっちゃベタな展開や。

「な、なによ!!すごめばいいってもんじゃないわよ、相手が小学生だからってぶつかっておいてその態度はないんじゃないの!!?」

「ア、アリサちゃん!!!」

「ち、ガキが!!調子にのんな!!!」

おいおい、なに小学生相手に喧嘩腰なんだ!?おまけに連れの二人の男はヘラヘラ笑ってるし。あ~ほっとくわけにゃいかんか・・・・・・今ヴィータの姿じゃないし良いだろう。

「あ~ったく、わりぃ先に帰っててくれ。」

俺はシグナムに言う。

「なんだ?助けるのか、ならば私も・・・」

いや、お前が会うのはフライング行為なんだよシグナム。

「そんだけ大量のお土産もってか?中がグシャグシャになんのはマズイだろーが。それに不良ごときに遅れをとるとでも思うのか?」

「ふ、愚問だな?仮にも守護騎士たるお前があの程度の小物にか?」

・・・・・守護騎士たるお前・・・か、・・・この言葉を聞いたら何か少し胸が痛くなった。

「ま、そんなわけで行って来るぜ。」

「ああ、私は先に帰るとしよう。」

そう言ってシグナムは先に帰った。さて、俺はあのお姫様方を助けに行くとしますか!

「はいはい、ストップ!!」

俺は不良目掛けて言った。





<アリサside>

あ~も~!!なんなのよ!?せっかく今日はなのはからあの子からの新しいビデオメールが届いて、明日は休日だしすずかと二人でなのはの家に泊まろうって電話があったのに、道端で不良がすずかにぶつかるは、その不良は謝らないは、周りの人は見るだけだは、本当に最悪よ!!!こんな事だったら素直に車で送ってもらえばよかったわよ!!そう思いながらあたしは不良たちをもう一度睨みながら言おうとしたが、

「だいだい、その年で「はいはい、ストップ!!」・・・・え?」

あたしの声が誰かの声に阻まれた。





<ヴィータside>

「なんだ!てめぇ!!」

うっわ、さっそく俺に叫んだ不良A、

「なんだもなにもねぇ、小学生相手に何むきになってるんだ?」

「うるせぇ、このガキどもに教育してやってんだよ!!」

いや、逆逆。教育されるほうだからお前ら。

「は、どう見たってお前らのほうが非があんだろうが!素直に謝っとけ!!」

「て、てめぇ!!!」

そう叫び俺に殴りかかる不良A、だが、

「<ドゴ!!>・・・ッがは!!?」

俺はカウンターに蹴ってやった。蹴られた不良Aは痛みのあまりうずくまって動けない。

「な、おい!?」

「て、てめぇ!!」

なんか友達が蹴られて怒った不良B,C・・・結構友達思いなんな?ついでに他人思いになってくれや。

「あ~なんだ?一応警告、とっととそこの少女達に謝ってどっかいけ!」

ちなみにアリサ達は話についていけずポカンとしている。

「ふ、ふざけやがって!!」

そういって不良Bは懐からナイフを出す。どこの魔眼持ちの高校生だ。む、アリサ達が小さく悲鳴を上げた・・・これ以上はそれこそ教育に悪いさっさと終わらすか。

「ったく、こんな物振り回していい気になんじゃねぇ!!」

そう俺は叫び相手の持っているナイフを掴み血が出るのを無視したまま折ってやった。

「ひ!?な、なんだてめぇ!!」

「おい、もう行こうぜ!!」

そういってびびった不良B,Cはいまだ動けない不良Aを担いで逃げた・・・・・って、おい

「ったく、結局謝らずに行きやがって・・・・・」

あ~ちょっと勢いよく掴んじまったせいか血が止まらん、シャマルに念話でどこにいるか聞いてそこに・・・・・

「ちょっと大丈夫なの!!?」

「だ、大丈夫ですか!!?」

なんか半泣きの二人が必死に俺に問いかける。

「ん、問題ないよ・・・・・・・・・ちょぉと血が止まらんだけで・・・・・」

そう言って血の出ている右手をひらひらさせる。すると、二人はこれまたすごい青ざめた顔になった。

「ぜ、全然大丈夫じゃないじゃない!!」

「あ、あああ!そうだ、なのはちゃんの家に行って手当てをしてもらおうよアリサちゃん!!!」

おおおおい!!!それはマズイ!!なのはに会うのはいろいろマズイぞすずかちゃん!!

「いやま・・「そ、そうね!?迷惑かけちゃうけどそんなこと言ってられないわ!!」・・・無視しないで・・・」

そう言ってアリサちゃんはなのはの家に携帯で連絡する。くそ!!とっとと逃げるか・・・と思ったら。

「あの、友達の家すぐ近くなのでそれまで我慢してください!!」

そう言って怪我してない俺の左手をガッチリと掴むすずかちゃん。・・・・・・・もう回避は不可能だった。・・・・・・・・・・・とりあえず変身魔法とばれないように探知阻害魔法でも掛けるか・・・・・・・・。







それから数十分後。

「はい、終わり。しみたでしょ?よく我慢したわね?」

「いや、そんな子供じゃないんですから・・・」

俺は今なのはの母である桃子さんに傷の消毒と包帯をしてもらった。・・・・・本当に30代か?この人?

「いやぁ、それにしてもナイフを素手で掴み折るとは、今時見ない勇敢な子だ!」

そう言って褒めるはなのはの父である士郎さんであった。

「もう、そんなこといってアナタ!?隆二君も!!理由は聞いたけどこんな危ないまねはもうしちゃ駄目よ!!」

「は、はい、スミマセン。」

「む、すまん桃子。」

俺と士郎さんはそろって謝った。

「あ、あの本当に大丈夫なんですか!?」

そう言って心配そうに俺に聞く・・・・・・なのは・・・ちゃん(汗)とりあえず気づかれなくて良かった。ふと見れば後ろでアリサちゃんとすずかちゃんも心配そうにしている。

「ああ、もう大丈夫。心配しなくてもいいよ、な・・・な・・な・・名前、そ、そう名前まだ聞いてなかったね?俺は秋山 隆二・・・えっと・・」

あ、危ねぇ~~(汗)あやうくなのはと呼ぶところだった!!

「あ、はい。私高町 なのはっていいます。」

「あたしはアリサ・バニングスよ。」

「あの、私は月村 すずかです。それから改めて助けていただいてありがとうございます。」

そう言ってペコリと頭を下げるすずかちゃん。やっぱり自分が原因とでも思って責任を感じているのかな?そう考え俺は怪我をしていない左手ですずかちゃんの頭を撫でた。

「いいって、気にしなくて。勝手に俺がやったことなんだからさ。」

「・・・・・はい!」

お、ようやく笑ってくれた。うんうんいい笑顔。でも少しほっぺが赤いな?

「あ、でも助けられてばかりじゃなんだからお礼させてよ!」

アリサちゃんは俺にそう言う・・・・・ん~別にいらんしな~・・・・・ん?そうだ。

「あ、そういえばここ有名な喫茶店でしたよね?」

「あらあら、そう言ってくれると嬉しいわ。」

桃子さんが嬉しそうに言う。そうここはあの翠屋。正直いつかは来たかったのだ・・・こんな早くなるとは思わなかったがな。

「じゃ、ケーキ1個と紅茶一杯で!」

一度食べてみたかったんだよな~

「え?そ、それだけでいいの!?」

アリサちゃんが俺にあわてて聞くが。

「てい。」

「いた!?」

デコピン一発。

「あのな、本当はこれだっていらないの!・・・べつにお礼欲しさに助けたわけじゃないからさ?」

「~~っ、わ、わかったわよ!」

おでこを押さえながらアリサは納得した。つかまだなんか言いそうだからデコピンの構えをしてたからだが。



そしてその後俺のケーキタイム(笑)に便乗してなのはたちも一緒にケーキを食べた。今日は泊まりに来たとか学校の事とか俺のことをいろいろ聞かれたり聞かされたりした。そういや今ユーノがいないことが分かった。例のフェイトの裁判か・・・。

そしていよいよ自然に帰れる絶好のタイミングが来た!!・・・・・・と思ったら意外な人物に阻まれてしまった。

「そういえば隆二君はかなり鍛えているようだが何か武術でもやっているのかい?」

「へ?」

そろそろ帰ると切り出そうとしたとき俺は士郎さんの発言で再びタイミングを失った。

「な、なんでそんなことを?」

内心驚いていた・・・しかしよくよく考えれば当然か・・・なんせこの人は、

「いや、家はちょっとした剣術をやっていてね?といっても弟子は家の子達だけだけどね、だから分かるんだよ。」

隠しても無駄だと言わんばかりに言うなこの人・・・・・

「ええっと、まぁ・・・護身用に・・・」

「へぇ・・・その割にはかなり鍛えてあるみたいだけど?」

「そ、そうですか?でもほらそんな筋肉とか無いし・・・」

自分で言って情けないが本来の姿でもあった【秋山 隆二】の体は一般的な体格のはずだ・・・。

「ん~なんて言うのかな?分かりやすく言うのならオーラといった所かな?とにかく分かるんだよ・・・」

うぁぁ・・・・・内心汗ダラダラだ・・・これ以上は・・・

「ああ、ごめんごめん。別に君を困らせようとしたんじゃなくて・・・実は家には道場があるんだが・・・」

何か嫌な予感、

「良かったら私と一戦交えてみないかい?」

「・・・は?」

うかつにも間抜けな声を出した。俺に戦えと?魔力なしで神速なんて使うお人と?(滝汗)







おまけ

「ん~~~~?」

「?どうしたのなのはちゃん」

「うん。さっきの隆二さんのデコピン・・・どっかで見たことあるような・・・」

「はぁ?デコピンなんてどれもいっしょでしょ?」

「うん、そうだけど・・・ん~~~・・・」

「えっと、隆二さんなんでか分かりま・・・・・って大丈夫ですか!?」

「ゴホッ!だ、大丈夫・・・むせただけだから・・・」

なんて勘の鋭さ、なのは・・・おそろしい子!!







あとがき

さて、なんかよく分からんが士郎さんと対決することになったヴィータ・・・もとい隆二君(笑)アイゼンを使えない中御神流の剣士どう戦うか・・・。一瞬で終わりそう、つか終わるな。そんなわけで次回は高町家で過ごす一日をお送りします(オイ!!)





[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第十四話
Name: ロウリャン◆9c63fa87 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/08/26 21:49
それは一種のギャグシーンであった。そこはどこかの道場であった。怒る妻に謝るその旦那、そして今にも泣きそうな三人娘。その子達が心配するは頭から血を流している青年。壁に寄りかかって座っている状態である。・・・はたから見れば漫画みたいだがな、



頭から血を流してる本人から見れば冗談じゃねぇ!!!!!





第十四話「潜入!高町家!!・・・・・・望んだことじゃねぇけどな!!」





ちょっと前にさかのぼってみよう。『一戦どうだい?』と士郎さんに言われた時最初は怪我を理由に断ろうとしたのだが言おうとするとすずかちゃんが『自分のせいで~』的な表情をするため強がっているうちにうやむやになって、まさになし崩しに勝負となったわけだが、とりあえずその道場に行く途中から話を始めよう。

「え~っと、なのはちゃん達はできれば見ないでくれるかな?」

「え?なんでですか?」

「いいじゃない、ちょっとくらい!」

「それに心配ですから。」

俺の言葉にそういう仲良し三人娘達。

「あはは、多分俺かっこ悪く負けちゃうと思うし、そんなところ見られたくないな~て。」

本当はうっかりアイゼン起動させたり、うっかり魔力漏れしないか心配なだけだが。その後なんとかなのは達を説得して俺は今士郎さんと対峙している。武器はお互い木刀である。

「ん?見たところ君は木刀を使うのは始めてみたいだが?」

「あ、いえ。別に真剣勝負ってわけでもないですから・・・・・てか俺が使ってるのに似たやつがなくて・・・・・」

最初はアイゼンを布にくるんでやろうか考えたけど・・・・・そしたら向こうは真剣使うだろうしな。(汗)

『アイゼン、相手に合わせた肉体強化・・・なのはには気付かれないようにな?』

『Jawohl』

待機中のアイゼンに指示を出す。さて、準備完了・・・現役ではないとはいえ純粋な剣術の技能ではシグナムより上なはず。勝てはしないだろが、ま、いろんな意味でいい経験になるだろう。

そして模擬戦は始まった。つか完全に稽古付けてもらっている感じだ。やっぱ俺の手が怪我してるのも考えてくれているのだろうか?それなら一戦なんて言って欲しくないわけだが・・・そして俺は隙あらばキツイ一撃が容赦なくくる中・・・俺はつい肉体強化の出力を上げてしまった。(ちょっとムキになってしまった)そして、



気付いた時にはぶっ飛ばされ壁に叩きつけられていた。



見えなかった。もう一度言おう、気付いた時にはすでにぶっ飛ばされていた・・・これが噂の神速と言うやつか?そんな事を考えていると。

「ちょっと、今の何の音よ!!」

「ど、道場のほうからだよ!!」

あ、やべ。なのは達がくる。そう思いながらいつの間にか意識を失っていた。





んで、気付いたときにゃ冒頭の状態であった。



そんなこんなで誰もが混乱してる最中、む?新しく誰か来るな?

「あ、やっぱり道場にいた。騒がしいと思ったら・・・ってなにこれーーーーー!!?」

おそらく女子高生と思われるその人は俺に気付いて驚いた。特徴は眼鏡とおさげにリボン・・・たしか、高町美由希だったけ?

「お、いたいた。美由希、道場の前でなにしてるんだ?」

「やっほ~、すずかが泊まるって聞いて私も泊まりに来たよ~。」

そこに高町恭也と月村忍も乱入してくる。

「た、ったたたた大変だよ恭ちゃん、忍さん!!ひ、人が死んでる~~!!!」

「な、なんだと!?」

「はぁ!?」

ああ、さらなるカオスが・・・・・誰か早く手当てして・・・・・シャマルゥ・・・今ならシャマルが天使に見える。ああ、ついにシャマルの幻覚までもが見えてきた・・・・・って、

「シャマル!!それ俺のアイス!!!」

「り、隆二さん!?」

「気を確かに!!」



それから数分後、なんとか混乱から解放され美由紀さんと忍さんに治療してもらっている。

「そっか、すずかを助けてくれたんだ?ありがとね隆二君。」

「あ、いえ。たまたまそこにいただけですから。」

「そう言って今時動ける人は珍しいよ、それからうちのお父さんがほんとにゴメンね?隆二さん・・・怪我をしてまですずかちゃん達を助けてくれたのにさらに怪我をさせるなんて・・・」

ありゃ?美由希さんはさん付け?・・・あ、そうだな俺年上だっけ。

「いえ、合意の上の勝負でしたから。あまり気にしないでいいけど・・・」

すると士郎さんが豪快に笑って言う。

「いやぁ、すまないすまない。まさかあのタイミングでさらに速い攻撃が来るとは思わなくてついちょっと本気を・・・」

「あ・な・た~?」

「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ」

「そもそも怪我をしてる人にあんな事を~~~~~~~~。」

うぁ・・・尻に敷かれてるなあの人。ん?なんか説教していた桃子さんが急に何か思いついたような顔をしてこっちを向いた。

「あ、そうだ!隆二君明日は日曜だけど何か用事あるの?」

「へ?いや、とくには・・・」

「よかったら今日泊まらない?一人暮らしだと食事の準備とか大変でしょう?ご馳走するわ。」

「は?いやそんな初対面な俺に・・・」

「いや、いいんじゃないか?」

「うんそうだね、怪我させておいてはいさよならっていうのもね~。」

み、美由希さんに恭也さんまで!?俺はこの事態を回避するため忍さんに助けを・・・・・

「あ~、一応私も泊まる身なので発言権は無いよ?」

求める前に断られた。いや、まだだ士郎さんはすでに真っ白になってしまっているが、まだなのはのやつが・・・・・何か期待した目でこっち見てる!!見た目十年上なんだぞ!?何の期待だよ!!く、くそ~

「世界はいつだってこんな筈じゃない事ばかりだ~~~!!!」

ちょっとクロノの気持ちが分かった。な、泣いてないもんねぇ~!!



『つーことで、今日は帰れん。』

『どういうわけだ!?』

俺は今シグナムに念話をしている。無論気付かれんように処置はした。

『とにかくうまくはやてに誤魔化してくれ、お礼の挨拶にこられるといろいろまずい。』

『どういうことだ?』

『前に話したこの世界の魔導師がいるんだよ、この家!』

『・・・そうか、念のため主の家は伏せたほうがいいな。』

『ま、そういうことだ。わりぃな?迷惑掛けて・・・』

『気にするな、我らは仲間だ。』

?なんかやけに素直にだな?

『あ、そうだ。あたしの分のドーナツは・・・・・』

『で、ではな!切るぞ!!』

『は?待ておい!!・・・・・くそ、念話拒否してやがる』

さては、俺の分のドーナツ忘れてみんなで食ったな!?それを誤魔化すために・・・・・

「世界はいつだってこんな筈じゃない事ばかりだ~~~!!!」

「隆二さんそれ二回目ですよ?」

「うぁ!?なんだ、すずかちゃんか・・・どうしたの?」

「あ、そうです。テレビお借りしてもいいですか?」

ん?あ、そうか夕飯ができるまでテレビ見て紅茶でも飲んで待ってて言われたんだ。見てる振りして念話してたからな・・・ちなみに美由希さんと恭也さんは今日の分の稽古に忍さんは見学のため道場に行った。士朗さんはいまだに真っ白であった。

「うん、別にいいよ特に見たい番組やっているわけじゃないし。」

「ありがとうございます。なのはちゃん、アリサちゃん。OKだって!」

「あ、ありがとうございます隆二さん!」

「ありがとう!」

お?三人で見るのか?どれ・・・・・

「え~と、チャンネルはどれ?この時間アニメをやってるのは・・・・・」

「あ、ち、違うんです!」

なのはがあわてて言う。しかしコイツの敬語は何か慣れんな・・・・・。そんな事を思っているうちになのはが嬉しそうに手に持っていたDVDをみせてきた。

「えへへ、実はビデオメールを見たくって!遠い友達から届いたんです。」

その瞬間俺は飲んでいた紅茶を噴き出しそうになり我慢してむせた。

「ゴホッ!ゲホッ!?」

「だ、大丈夫ですか!?」

ああ、そうかフェイトからのビデオメールか。となれば・・・

「そっか、じゃぁ俺は席を外そうか?」

「え?い、いいですよ。そのまま座ってゆっくりしていて!」

「そうですよ。頼んだのはこちらですし。」

「ま、見られて困るものでもないからね。」

ふむ、なんか今日あったばかりなのにえらい信用されてるな?それなら見させてもらうか、俺もフェイトの近況知りたいし。

「ん、それじゃぁずうずうしいけどここでみんなのもう一人の友達を見させてもらおうかな?」

「はい!」

あはは、うれしそうだな?なのは。フェイトもクロノ達と仲良くしてるといいけど。そして俺は彼女達と共にビデオメールを見た。

『えっと、なのは久しぶり・・・てちょっと言うのは変かな?』

「あ、フェイトちゃんだ!」

「はいはい、分かってるから落ち着きなさい。」

「ふふふ」

はしゃぐなのはをなだめるアリサちゃん、それをやさしげに見守るすずかちゃん。そして俺は

-元気そうでよかった-

そう思っていた。うっかり声に出しそうにもなった。その後もフェイトの近況報告は続いていた。途中で俺・・・というかヴィータの話題が出たときは少し心苦しかったが・・・・・そして、

『それじゃぁ、なのはまたね?みんなにもよろしくね?』

ビデオメールを俺達は見終わった。それぞれちょっと余韻に浸ってる中俺はトイレに行くふりをしてその場を離れ、ちょっと泣いた。別に悲しいわけじゃなくむしろ逆に嬉しさからくるものだった。あの時絶望しかなかった少女が笑ってたのがどうしようもなく嬉しかったからだ。



その後みんなで楽しく夕食をとった後一息ついたときのこと。

「あ、そうだ!みんなでこれからフェイトへのビデオメール撮らない?」

アリサちゃんが提案をした。みんなこれに賛成をして(夕食前に復活していた)士郎さんがビデオカメラを持ってきたが、

「あれ?おかしいな・・・」

「ええ!?壊れてるの!?」

どうやらビデオカメラが動かんようだ。ふむ・・・・・

「あ、ちょっと貸してください。」

「?いいけど・・・どうするんだい?」

そう言って士郎さんからビデオカメラをかりた・・・ん、ちょっといじればいいなこれ。

「はい、これで動きますよ。」

「お?本当だ、直ってる!」

「ほ、本当?」

「隆二さんすごいです!」

おおう、何か凄いほめられてる。忍さんが私の見せ場が~とか言っているけど・・・あ、あの人機械系得意なんだっけ?

「たいしたこと無いですよ、姉貴のせいと言うかなんというか・・・・・」

そう、こんなことできるのは姉貴のせいでもある。俺は語った、俺の姉はこれまた大変な子煩悩でしょっちゅうビデオやらカメラやらえを撮っていて壊れるたびになぜか俺に持ってくる。直せるはずが無いといえばボコってくるし、その後になら直せるよう鍛えろとか無茶なこと言うからなぁ・・・旦那に頼めよ、まったく!!・・・・・・・あれ?

「なんだろう・・・目から汗が・・・」

「隆二さん!!しっかり!!」

「ま、負けないで!!」

みんなが俺を慰めてくれた。ちょっと心が温かくなったよ・・・・・そして撮影が始まった。

「そしてこの人が私のお姉ちゃんとお兄ちゃん!」

「よろしくね~フェイトちゃん!」

「よろしく。」

「も~恭ちゃん!もっと愛想よくしなよ!!」

「む、そんな事無いぞ!?」

「そしてこの人は私ことすずかのお姉ちゃんにして恭也さんの恋人の・・・・・」

「忍だよ~妹をよろしくね~!」

そんな感じで撮影が続いていく、俺は微笑ましくそれを見ていたわけだが予期せぬ事態が発生した。

「そして最後に特別ゲストの紹介だよ!」

誰だろ?あれ?何でこっちにくるんだ?なのはとその愉快なお友達よ・・・

「今日あたしとすずかを助けてくれた・・・」

「隆二さんです!」

「な、なんだってーーー!!!?」

「おおう、隆二君いい反応♪」

忍さんちゃかさんといでください。

「ちょ、ま、お、おおお落ち着くんだなのはちゃん!!俺初対面、ゆえに紹介おかしい、OK?」

「NO♪」

NO言われた。

「ほらほら、もうカメラまわってるんだから諦めなさい。」

「ですよ?」

すずかちゃんとアリサちゃんにも駄目押しをくらった。

「~~ったく。(ため息)え~っと、はじめましてフェイトちゃん?今紹介してもらった秋山 隆二って言います。正直君のことはよく知らないけどこれだけは言わせて欲しい、あまり焦っちゃ駄目。心配しなくたって君の友達はちゃんと君の事をちゃんと待っててくれるから。とにかく今は自分にできることを一つずつしっかりやっていくといい。・・・・・って、なにえらそうに言ってるんだろう?」

何か自分でも何言いたいかわから無くなってきた。なんかフェイトが少しでも早くなのは達会いたそうにしてたから、あんま慌てるなって言いたかったんだけど・・・・・・

「ごめん!!やっぱ今の無し!!消して!!他に言うから!!!」

「だめ~~♪」

「結構いいこと言うじゃない・・・・・ちょっと説教くさいけど。」

「だから嫌なの!!お願い消して~~!!」

「「だめ~~!!」」

なのはとアリサちゃんがいじめる~!!そう思って凹んでいると、

「隆二さん、元気出してください!」

「・・・・・すずかちゃん・・・」

すずかちゃんが慰めてくれた。

「ありゃ?すずかひょっとして隆二君のこと・・・・・・」

「お、お姉ちゃん!!」

あれ?何か顔を真っ赤にしてる。なんだろ?



そんなこんなでドタバタしているうちにもう寝る時間となり俺は道場に布団を敷いて寝た。客間はなのは達がみんなで寝ると言ったためである。最初はまだスペースがあるのでいっしょに、となのは達に言われたがさすがに遠慮した。
つか士郎さんとか恭也さんとか【信用してるよ、隆二君】的なオーラをだしてたので拒否るしかなかった。OKしてたら信頼が殺気になってただろ。(汗)忍さんは恭也さんの部屋で寝るそうな、『恭也って、二人っきりになってもなかなか手を出さないのよねぇ~』とか言っていた。いくら何でも家族のいる家でんなことはせんだろ、つか俺にぼやくな!!!

次の朝。

俺は何かの音で目が覚めた。

「あ、ごめん隆二さん。起こしちゃった?」

「あれ?美由希さん?」

どうやら美由希さんの素振りの音らしい。あ、メガネはずしてる。

「ごめんね、こんな朝早くに?」

「えっと、六時半か・・・・・いや、かまいませんよその分昨日は早寝でしたし。朝練ですか?」

「うん、まぁね。あと別に敬語じゃなくていいよ。・・・て、あたしが使うべきかな年下なんだし?」

「別にいいよ、かたっくるしくしないで、それじゃあ俺も今から敬語は無しと言う事で。」

「うん、よろしく!」

あれ、そういえば恭也さんと士郎さんはどうしたんだろう?と思い聞いてみたところ二人はちょっと遠くまで走っているとかたまに二人で走るらしい。そういえばアニメにも二人だけで走る描写あったな。

「ん~・・・あ、そうだ!眠気覚ましに軽く組み手をしてみない?」

「へ?」

ふむ、まぁこれと言ってやる事もないし。別にいいか、士郎さんと違ってうっかり神速使うことも無いだろ。つか美由希さんって神速使えたっけ?そんな事を思いながら軽い気持ちで模擬戦を始めた・・・これが(いろんな意味で)あんな事に繋がるとは・・・・・・

<カンッ!!>

「ふ!」

<カンッ!!>

「は!!」

一閃一閃でわかるやっぱこの人も強い。

「っ!?さすがだな、俺じゃどうあがいても勝てんよ美由希さん。」

「あはは、そんなこといって。けど慣れない武器でここまでできる隆二さんって何者?」

「ま、近くにバトルマニアがいてね!!」

無論シグナムである。たまに朝練に付き合わされる。いい迷惑だ。

「へぇ、その人も剣士?妙に刀相手の戦いに慣れてる気がするけど?」

「するどいね!とにかく何もできんで負けたって知られた日にはなにされるか分からん、一矢くらいむくいらせて貰うよ!!」

「あ、言ったね?そう簡単にはさせないよ!?」

俺は勝負に出ようとして力んだ、しかし!!

「――――――――っ!!?」

力んだせいで昨日怪我した頭と右腕が痛くなってしまった。それに気付いて慌てて駆け寄る美由希さん。

「だ、大丈夫!?」

「ああ、心配ない。ちょっと痛んだだけ・・・」

「ごめん、昨日平気そうな顔してたからすっかり忘れてた・・・と、とにかくちょっと見せ・・・きゃっ!!」

「うぁ!!?」

美由希さんつまずいて転んでしまった。・・・・・しかも俺を押し倒す形になって。

「あ・・・///」

「え・・と、・・・・///」

お互い顔を赤くして固まってしまった。いまなら漫画のキャラの気持ちがよくわかる・・・本当に思考が停止してしまうんだ!そうたとえいつもは気配とか気付く人でも声を掛けられない限り・・・

「お?いつのまにそんな関係に?」

「へぇ、美由希にも春が来たのか。」

「き、恭ちゃん!!お父さん!?」

いつのまにか士郎さんと恭也さんがいた。急いで誤解を!!

「ち、違います!!誤解です、偶然の産物なんです!!たしかにメガネはずした美由希さんはかわいいとも思いましたが・・・・・は!?」

て、てんぱって余計な事まで言ってしまった!!

「り、隆二さん・・・////」

ああ、美由希さん顔真っ赤!!

「おお?これは本気で期待してもいいかも・・・」

「だな?」

しーなーいーでーーーーーーー!!

「世界はいつだってこんな筈じゃない事ばかりだ~~~!!!」

ああ、何かこの姿だとよくトラブルに巻き込まれる気がするよぉ・・・・・・・。

その後朝飯をご馳走になって今度こそお別れとした。みんなが見送ってくれた・・・望んでよいのならもう一度ここを訪れたいものである・・・・・【秋山 隆二】として。

あと怪我は家に帰った後はやてに気付かれんうちにシャマルに治してもらおうと思ったら、出迎えがはやてだったためばれてこっぴどく怒られた。







おまけ

それは朝食の時の事、目玉焼きが出たので俺は醤油を取ろうとした。俺は醤油派だからだ、だが・・・

「「え?」」

美由希さんも取ろうとして手が重ってしまった。道場のこともあり二人して顔を赤くして黙ってしまった。

「どうしたの?二人して?」

「はっはっは、これは近いうちの美由希は嫁に行くかもな?」

桃子さんと士郎さんのそんなやり取りの後、忍さんと恭也さんが・・・

「じつはさっき道場でな・・・・・」

「へ~いつの間に二人とも~。」

なんかにやぁ・・・としてるよ忍さん

「「ち、ちがう!!あれは偶然・・・・・え!!?」」

これまた声が重なってしまった。再び顔を赤くしてだまる俺達。

「あらあら、二人とも息ピッタリね♪」

「ほんと、ほんと。」

ううぅ・・・・・穴があったら入りたい・・・いっそ埋まりたいよぉ・・・その後しばらく俺達二人はからかわれてしまった。なんかすずかちゃんが必死に『本当ですか、隆二さん!?』とか聞いてきたけど・・・当然か、すずかちゃんにとって友達のお姉ちゃんにしてお姉ちゃんの恋人の妹なんだもんな、美由希さんは。

・・・・・・・・だれだニブイとか言った奴?









あとがき

一応アリサとすずかはまだ【ちゃん】付け、年上として会ってるから。つか最初は早めにアリサとすずかを出したかっただけなんだけど、何かこんな展開に・・・・・てかいつの間にかフラグが2つぐらい立った!!どうしよう!?

とりあえず隆二の姿はこれからもちょくちょく使おう。










[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第十五話
Name: ロウリャン◆9c63fa87 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/08/31 23:47
これはある夜の事

「う、うそやろ・・・ヴィータ・・・」

「うそじゃねぇ・・・とっととそれよこせ。」

冷たくヴィータは言う。それに対しシグナムは怒りを示す。

「貴様、これ以上主をおとしめてなんになる!!!」

「・・・・・・・・・・関係ないのは黙ってろ。さぁ・・・はやて・・・・・・」

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

はやての断末魔が響いた。





「また借金ふえてもうた~~~~~ヴィータの鬼!!!」

「ふははははは~、人生ゲームってのはきびしぃんだよ!!なにしろ人生をテーマにしてるからな!!」

「うう、いいもん今度もシグナムから奪い取るから!!」

「な!?あ、主はやて!?だ、だからやめろと言ったんだヴィータ!!」

「ふはははははは~、悔しかったらお前もいいマスに行けよ!!」

そして、そのゲームに参加しているもう一人は、

「ねぇ、ザフィーラ・・・このボードゲームにここまで熱中してるみんなが可笑しいのか、それともここまで熱中してない私が可笑しいのか分かる?」

「俺に聞くな・・・・・」

何処か寂しげな二人であった。そんなことがあった一夜、まだまだ平和だ。





第十五話「旅行に行こうぜ八神家!!」





シャマルを除いた守護騎士は今別次元にある砂漠の世界にいた。俺に対峙して離れた場所で武器を構えるのはシグナム、その後方にザフィーラが控えていた。

「いくぞ、ヴィータ?」

俺はその問いに答える。

「ああ、頼む!」

「では、・・・・・レヴァンティン!!」

『Bogenform』

剣は鞘と一つとなり弓へと変化した。それに対し俺は・・・

「さて、やるぜアイゼン!!」

『Jawohl!・・・Gigantform!!』

アイゼンが姿を変えると同時に、俺の前にベルカ式特有の三角の魔方陣が展開し、そこに高密度で圧縮された魔力スフィアが発生する。一時の間、そして・・・・・

「翔けよ、隼!!!」

『Sturmfalken』

シグナムは魔法の矢を放つ!!

「一撃入魂!!」

『―――――Breaker』

魔力スフィアをアイゼンで俺は撃ち出す!それは砲撃となった。実際に見たことは無いが魔力量、密度、飛距離こそ段違いだが、見た目や発生の仕方はスバルのディバインバスターにとても酷似しているであろう。

ぶつかり合う二つの閃光、だが俺の放った閃光がシグナムの閃光に打ち勝った。

「―――っ!?ザフィーラ!!」

「心得た!はあぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

シグナムにせまりくる閃光から守るためザフィーラはシールドを展開する。シールドと閃光がぶつかった時激しい閃光と爆音のあと煙が発生した。

「うぁ、すっげぇ・・・大丈夫か、二人とも!!!」

なかなか煙が晴れなのに少し焦り感じ叫んでみた。しばらくすると煙が晴れちゃんと空中に浮いている二人の姿を確認したので急いで近寄った。

「けほっ、ああ大丈夫だ。」

一回セキをしてシグナムが言う

「ああ、問題ない。」

続けてザフィーラが言う。

「そっか、悪かったな?せっかく訓練に付き合ってもらったのに?」

そう、シグナムとザフィーラは俺の魔法の特訓に付き合ってもらっていた。例の『ブレイカー』系の魔法を編み出そうと思ってな。

「で、どうなんだヴィータ?これは完成と言っていいのではないか?」

「いや、残念だけどまだ実戦でようやく使える程度だな。」

そう、まだなのはのスターライト・ブレイカーのせいぜい75%ぐらいしかない、最低でも90%はいかんと完成とはいえん。

「やれやれ、私のファルケンを打ち破っておいてまだたりんか?」

「もともと我らベルカの騎士にこのての魔法は合わん、もうこれで充分ではないか?」

二人が俺に問いかけるが、これだけは譲れねぇ。俺の心のゆとりのためにも(笑)

「分かってる、けどこれだけはなんとしても完成させたいんだ。」

その俺の言葉にシグナムはため息をついて少し笑いながら言う。

「ふっ、まぁいい。どうせ暇だ。」

そう今日は9月15日、まだしばらく蒐集行為をはじめるまでは日がある。もっともこれは俺だけが知る未来だが・・・・・・・とりあえずは

「サンキュー、二人とも。さて、帰るか?」

「ああ。」

「うむ。」

俺たちはその世界を去った。そういやぁフェイトはもう嘱託魔導師になったのかな?



家に帰った俺は即行シャワーを浴びてさっぱりした。入れ違いにシグナムが入っていった時、俺は見てしまった・・・おっぱい魔人と呼ばれる理由のブツを。それに対し俺は興奮(汗)するわけでもなく、なんとなく自分の胸をペタペタ触って少し寂しいと思った。俺はもう後戻りできんかもしれん。(泣)隆二の姿の時は普通に女性に興味持てるのに、ヴィータのままだとむしろ自分の体に不満を持ってしまうのは認識の問題か、ただ思い込みが激しいのか・・・・・(汗)

「あらあら、ヴィータちゃんもお年頃?」

胸をペタペタしてるのを見たシャマルは俺を茶化す。

「・・・・・うっかり、もといやっぱりよりましだ。」

「ごめんなさい、私が悪かったわ。」

ふん、シャマルが俺に勝とうなんて10年早いわ!!あ、それだけ経ったらStrikerSに入ってるな?訂正、20年早いわ!!

「ん~~・・・・・」

ん?なんかはやてが雑誌を見て悩んでるな?なんだろ?・・・・・旅行雑誌か・・・

「なにしてんだ、はやて?」

「ん~・・・どっかみんなで旅行に行きたい思ってな?近場になんかあるとええんやけど。」

ふむ、旅行か・・・それなら、

「ここなんかいいんじゃねぇか?【旅館山の宿】って所。」

「ん~、温泉か~シグナムお風呂好きやしええかもな?」

さすがに9月になって海ってのもアレだし、温泉が無難だろう。距離的に言ってもおそらくなのはたちの行った所と思うし、一回見てみたい。

「せやね、結構近場やし無難やね、バスも近く通ってるし。うん、早速予約の電話してくるわ。」

「あ~一週間後ぐらいにしておけよ?」

「了解や!」

そう言うとはやては電話をしにいった。

「予約取れるといいわね?」

シャマルが俺に話しかけてきた。

「ま、大丈夫だろ。ちょうど夏休みとか終わってるし、その気になれば多分明日にでも予約は取れる。」

「あら、じゃぁなんで一週間後なの?」

「旅行セットなんてあたしら持ってないだろ?その準備期間もかねてるんだよ。」

「それもそうね・・・・・それにしてもヴィータちゃん?」

「あん?なんだよ?」

「みんなも変わったけどやっぱりヴィータちゃんが一番変わったわね?言葉使いは悪いままだけど考え方が大人になったっていうか・・・・・」

うげぇ、その質問か・・・

「仕方ないだろ、あたしは皆よりも何ヶ月も前に出てたんだ、たしかにはやてはしっかりしてるけどそれでもまだ10歳前後の少女だ。あたしがしっかりしねぇといけなかったんだよ。」

うむ、これは事実。はやてはもうちょい他人に頼ると言う事も覚えてほしかったしな。頼りきり過ぎるのも問題だがはやての場合は頼りなさ過ぎる所がある。

「ぷっ、ふふふ。」

なんか真面目に考え事してるとシャマルが笑い出した。

「何が可笑しいんだよ!!」

「だって、ヴィータちゃんの見た目でそんなこと言われても・・・ふふふ。」

うおおい!人が最近気にしてる事をーーー!!さっきのうっかり発言の仕返しか!?

「上等だ!表出ろ!!アイゼンの頑固な汚れにしてやる!!!」

「いやで~す♪」

「待て、逃げんな!!」

その後しばらく追いかけっこが続きその結果シャワーを浴び終えたシグナムに説教された。ちなみに予約は無事一週間後に取れた。





それから一週間後。ただいま俺たちは旅館に向かうバスの中にいた。はやてはシグナムに運んでもらっている。車椅子は旅館に着いてから家から直接転送する予定、シグナムがどうせなら直接我々が転移すればいいのでは?と言ってきたが。はやてが

「分かっとらんなぁシグナム?移動中も立派な楽しみの一つなんよ!」

とのこと。ちなみに俺も同意見、見渡す限り山と森ばっかだけど結構いいものだ。ちなみにザフィーラは人型である、さすがに獣型は問題があるからな。・・・隆二に変身していっしょに入ってやるか温泉・・・。

「さて、次のバス停で降りるで皆?」

おっと、もう着いたか。



「はぁ~~いい湯やな~♪」

「まったくです~。」

「はい。」

女湯にてはやて、シャマル、シグナムは温泉を堪能していた。そして男湯では、

「あ~いい湯だなザフィーラ?」

「・・・・・ヴィータ・・・・・。」

「なんだよ?」

「何故男湯にいる?」

俺はザフィーラと男湯に入ってた。最初は変身しようと思ってたが子供は別に男湯でも入っていいと言われちょっといじわる心が働きヴィータのまま入ったわけだが。

「それにしても、何故ここにいる?って言う割にはたいして焦らねぇな?」

「・・・・・・なぜ焦る必要がある?」

堅物なのな?ちょっとあわてる姿見てみたかったのに・・・想像できんが。

「ヴィータ~髪洗ってあげるからこっちおいで~」

「・・・主が呼んでいるぞ?」

「へ~い・・・」

これ幸いと追い出された。あ、髪洗ってもらうってのはたまにしてもらってんだ。元男の俺にとってはこの長い髪洗うのめんどくて手抜きしてたらはやてが洗うと言い出した拒否権は無かった。



温泉を堪能した後俺は浴衣に着替え一人でなんとなく散歩をしていた。いや、一人と言うより・・・

「なんでついてくるんだよ闇の書。」

そう、俺の隣には闇の書が浮かんでいるのである。おかげで認識阻害の魔法を俺がかけるはめになった、めんどくさい!!こいつははやての次に俺に付きまとう。

「・・・それとも、二人きり(?)になったら本当の名で呼ばれるのが嬉しいのか?【夜天の書】。」

当然ながら夜天の書は答えない。たしか管制人格の起動は400ページを超えたうえで主の承認がいるんだっけ?

「・・・・・おい、ついでだから言っておくが主を・・・はやてをいずれ喰らって暴走してしまうそんな自分が許せねぇとか思っているんだろうがな、そう思ってんなら足掻いてみろ!!俺はお前が今までどれだけの悲しみがあったかは知らねえ・・・けど、無理とかいって諦めたら何も変わらねぇ事ぐらいは知ってるつもりだ。だからもう一度言う諦めんな、足掻け!!それと自分を道具とか言うなよ、お前と同じ融合騎達にも失礼だからな!!!」

やっぱり何も答えやしないが不思議となんか落ち込んでるように見えた。・・・ち、なんかフォローするか・・・・・

「心配しなくてもはやてなら大丈夫だ、あいつは強い・・・まぁ、弱くもあるが、少なくともこれだけは言える。はやてはお前を絶対に救ってくれる。そしてお前は綺麗な名前もきっと貰える・・・必ず俺がその未来に辿り着かせてみせるからさ?」

言いたいことは言い終えた、でもやっぱり夜天の書は無反応でただ浮いているだけであった。俺はつつきながら言う。

「ったく、ほんとに聞いてんのか?・・・ま、いいや。まだしばらく散歩するつもりだけどお前もついてくるか?」

夜天の書はただついてくるだけであった。それが答えと言わんばかりに・・・・・

しばらく歩いていると少し大きな湖とそれを跨ぐ為の橋を見つけた。おお、ここが、

「なのはとフェイト達が戦った場所か・・・。」

ちょっと感動したり(笑)当然ながら戦闘の後は無い・・・・・・と思ったらジュエルシードの魔力残滓反応が微かにした。もっとも実物を見たことのある俺だからこそ気付く程度だが・・・もう三ヶ月以上前のはずなのにたいしたもんだな?少し関心。

「ん~それにしてもこう自然の中を散歩ってのもいいものだな?」

なんとなく夜天の書に話しかけた。返事が無い、ただの本のようだ(笑)まったくせっかくのデート(?)だってのにつれないなリインフォースよ。

「そうだな、散歩もいいものだ紅の鉄騎よ。」

とりあえずリインフォースの声色に変えて言ってみた、むなしくなった。

「ふふふ、デートとはなかなかいいものだな?隆二。」

またやってみた。こんどはむなしさに自己嫌悪がついてきた。夜天の書が俺の頬に擦り寄って慰めてくれて余計惨めに感じた(泣)



その後、散歩から帰ると食事の時間になっていた。

「いや~旅館の料理もなかなかええもんやな~。」

「はい、そうですね。」

「不意打ちでシャマルの料理が入ってないからな~」

「ど、どういう意味!!ヴィータちゃん!!?」

そんな感じで楽しく料理をいただきました。ザフィーラは黙々と食べてたが。



そんなこんなで旅行一日目は終わり2泊なのでまだあと一日残っているが明日ものんびりしようと思う。・・・・・売店で買ったまんじゅうが美味かった事は言っておこう。









おまけ

それは次の日の朝の事早く起きたヴィータとはやてはちょっとしたいたずらを考えた。

「ほら、朝やよ?シグナム!」

「ん~・・・あ、すみませんおこしてもらって主はや・・・・・」

シグナムは固まった。確かに起こしたのは紛れも無く自らの主であった・・・・・20歳くらいの大きさでなかったら。

「ああああ主はやて!?い、いつの間にそんなに成長を!!?」

「いや~寝る子は育つってほんまなんやね?」

「育ちすぎです!!!」

「んも~なにシグナム?こんな朝早くから・・・・・・ってはやてちゃん!?」

「おお、シャマルもおはようさん?」

「ええ、おはようございます・・・・・じゃなくてなにこれ!?」

「ああ、寝る子は育つらしい・・・」

「育ちすぎよ!!」

無論ヴィータの変身である。ちなみに本物は隠れてビデオカメラにその様子を録画していた、そんな事があった朝。

ちなみにザフィーラは巻き込まれんうちにいつの間にか早々に散歩に行った。















あとがき
ちょっと温泉と言う舞台が生かしきれなかったなぁ・・・。

ん~それにしてもそろそろ日常編のネタがきつくなってきた。(直接なのは達と絡ませないとなると)でももうちょい頑張る予定。

あ、そういえばさりげに漫画版スルーしたな・・・








[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第十六話
Name: ロウリャン◆9c63fa87 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/08/31 23:56
俺は今大変上機嫌だ、なぜなら

「今日の晩御飯のおかずはカニクリームコロッケやよ~♪」

だからである。そう俺はカニクリームコロッケが大好きである。その理由は小さい頃にレストランで初めて食べた時のあの味が・・・・・と、今はそんな事より、

「いったっだっきま~す!!」

しっかり味わってやるぜぇ!!

「ん?ヴィータはどうしたのです、主はやて?」

「あ~、あの子これ好物なんよ。」

「あら、そうなの?じゃぁ私も作ってみようかしら?」

「あはは、やめとけシャマル。もし不味かったらカニクリームコロッケへの冒涜とみなしてアイゼンの頑固すぎて困っちまうぜ!な汚れにしちまうぞ♪」

俺はとってもいい笑顔で言ったであろう。

「ねぇ・・・そろそろ私泣きながら怒ってもいいと思うの。」

「別にいいけど先のクッキーの材料費の借金はまだか?」

「ごめんなさい。もう少し待ってください!!」

まぁ管理局に入るまで期待してはいないけどな。もっともその頃に俺は・・・まぁいいや、

「しっかし、はやての作るこれはもうギガうまを通り越してテラうまだぜ!!」

「あはは、大げさやよ~、ヴィータ。」

「んなことないって!!普通のスーパーで売ってるのとはやてが作ったのではまさに月とスッポン!!」

「なんだそれは?」

「この国の諺やよ。」

「すっかり馴染んだわねヴィータちゃん。」

ちょっとうっかり発言であったがテンションが上がった俺は自分でも止められない。なんかヴィータになって感情が前に出やすくなった気がする。

「もっと分かりやすく言うなら・・・・・そう、あたしの胸と!!」

俺は片手にカニクリームコロッケが乗った皿を持ち、もう片手はビシッとシグナムを指差した。

「シグナムの胸ぐらいの差があるのだ!!!」

「な!?」

そう高らかに宣言した。シグナムは胸のことを言われ顔を真っ赤にして叫ぼうとしたがその前に、

「自分で言っててむなしくなった!!ち、ちくしょう、家出してやる!!!」

そう言って俺はお皿を片手に家の外へと駆け出した。その場に残ったの者達は

「な、なんだったんだ一体?」

「さぁ?お酒でも飲んでいたのかしら。」

「いっしょにいたが俺はそんなところ見てないぞ。」

「好物が出るとテンション高くなるのは知ってたけどここまでなったのは初めてやなぁ。」

と、言っていたとか言わなかったとか。後から考えてみればこれはもうすぐ始まる蒐集行為を少しでも忘れていようと無意識に思っていたゆえの行為だったかもしれん。・・・・・と言う事にしといて。(笑)





第十六話「静かに迫りくる時・・・・・・・・・&プチStrikerS編(?)」





そして、あのカニクリームコロッケ事件(笑)から10年が経った。俺は今はやて、なのは、フェイトといっしょにある大きな建物の前にいる。

「とうとう始まるね、はやてちゃんの夢が・・・・・機動六課が。」

「うん、せやね。」

「そいつは違うんじゃねぇか二人とも。少なくともあたしは皆の夢だと思ってるぜ。」

「うん、ヴィータの言うとおりだよ。なのは、はやて。」

「にゃはは、そうだったね。」

「あはは、そう思うてくれるとうれしいなぁ。」

「でも、たしかにヴィータちゃんとフェイトちゃんの言うとおりだね。これから始まる部隊はあたし達4人が一緒にみた夢がはやてちゃんが叶えてくれたって思えるから。」

この発言に俺は驚いた。4人?3人だろうが!

「おい、なのは!まさかその4人ってあたしも含んでるんじゃないだろうな!!」

「え?当たり前だよ?」

「含むなよ!!あたしははやての守護騎士だぞ、勘定にいれんじゃねぇ!!!」

「え~~、けどヴィータちゃんは事情がちょっと特殊だし。」

「せやねぇ、大切な仲間やけど立場的にはなのはちゃんとフェイトちゃんと同じ感じやよ?私としては。」

「は、はやてまで!?」

そう俺はここ10年で自分の状況を打ち明けていた。(無論アニメうんぬんは語ってないが)意外にも皆受け入れてくれたのであった。ついでに言うとアニメとは違い執務官になっていた。理由はフェイトの勉強を手伝ってる内に自然と知識がついて・・・・・・それはさておき

「まぁまぁ、ヴィータ落ち着いて、悪い意味じゃないんだから。」

「ぅう~・・・ったく、もういい隊舎入るぞ!!」

「あ、まってヴィータちゃん!」

「待たねぇ!!!」

「照れんでもいいのになぁヴィータ。」

「そうだね~」

ったく、こんなんで本当に【J・S事件】解決できんのかよ。・・・・・いや、それに関しては疑問は持たないな。物語を知ってるからじゃない。この10年で知った皆を信じてるからだ!!よし、いっちょ頑張るぜ!!!

そしていよいよ訓練開始の時間がきた。

「よっしゃ、新人ども!!あたしがヴィータ執務官だ、きっちりしごいてやるから覚悟しろ!!!」

「「「「はい!!」」」」

お?こいつ等元気のいい返事すんじゃねぇか!こいつらもまた期待できるな。よっし!!!!!





騎士少女リリカルヴィータ・StrikerS編始めるぜ!!!!





















ごめん嘘。

何かそんな夢をカニクリームコロッケの乗った皿を持って家出した日の夜に見ただけ。あ、ちなみに30分で家出はやめてついでにコンビニよってアイスとかお菓子とか買ってきた。皿を片手に持った俺はさぞ不審であったであろう(笑)

そんな事があった次の日。

「こんな時に言うのもなんだけど、シャマルとシグナムが最初に着てた服って今思うと何かエロかったな?」

「本当に今言うのもなんね?朝ごはんの最中に。」

「・・・まったくだ!」

シャマルは呆れ顔、シグナムは若干顔を赤くしていた。

「・・・・・ふ、その反応はまるでヴィータに惚れたみたいだぞ、シグナム?」

ザフィーラの声色に変えていってみた。

「な!?わ、わけ分からん事をほざくなザフィーラ!!表でろ、レヴァンティンの錆にしてやる!!」

「待て、俺は何も知らん!!」

見に覚えの無い事にザフィーラは必死で弁解をする。

「はいはい、二人とも!朝ご飯中に暴れたらあかん。」

それをはやてが仲裁する。

「う・・・申し訳ありません。」

「・・・申し訳ありません主。」

二人ともはやてに謝った。・・・・・ザフィーラは明らかに無罪だが。元凶の俺が言うのもなんだがな!!!

そして朝食後、今日一日の予定決めとなった。

「ほんでな?今日はお昼に図書館に行こうと思ってるんやけど。」

「あ、じゃあ私が付き添いますね。」

「あたしも暇だしついて行くぜ。」

シャマルと俺ははやてと同行。そしてシグナムは

「私は今日は近所の剣道場で講師をする予定です。」

そういつの間にやらシグナムは近所の剣道場で非常勤の講師を始めた。何か町歩いていて不良に絡まれて撃退したところを見られてその後いろいろあってそうなったとか言ってた。ぶっちゃげよく話し聞いてなかった(汗)あ、それと俺は近所のじーちゃん、ばーちゃんにそれなりに気に入られているがさすがにゲートボールまではしていない。ククク・・・悪いな俺のことをゲボ子とは言わせんぜ!!でも老人会にはたまに行ってる(いろいろあってな)、あそこお菓子くれるんだ♪

「ん?そういえばザフィーラはどうするんだ?」

「家の守りに就こう。」

何から守るんだよ!!

「・・・・・あたしの漫画適当に読んでていいぞ。」

「・・・・・・スマン」

やっぱ暇じゃねぇか!!

「あ、そういえばドラゴン●ールの劇場版DVDボックスもあるぞ?」

「・・・見させてくれ。」

うむうむ、結構はまってるなコイツも。



それで今俺たちは図書館にいる。はやてはいろいろ本を探している、シャマルははやてといっしょにいる。そして俺は気になる本が多くあるの棚があったため別れて一人行動している。

「ん~、【現代における獣医学書】・・・か。」

前にも話したと思うが俺は元は獣医大に通う学生であった。一応子供の頃からの夢であった、目指すきっかけになったのはまたそのうち話すとして・・・・・

「それにしてもこんな本いまさら読んでもきっと意味無いのにな・・・・・」

これは未練なんだろうな・・・・・別に今の生活が嫌いなわけじゃない、むしろ好きである。だか、別に元の大学生が嫌いであったと言うわけでもない。明確な目標があってそれを目指していたんだ、やはりむしろ好きであったのだと思う。正直戻れるとは思っていない、それでも・・・・・考えても仕方の無い事か。ま、暇つぶしに読むとしますか?

「・・・それにしてもここの図書館品揃えいいな、レポートとかこっちでやったほうが絶対楽だったな。」

ちょっとため息を一つ。俺みたいな駆け出しの大学生でもよく理解できるのがたくさんある。なんで元の世界にこの町はないのか!?(笑)

「あ、ここにおったんかヴィータ。」

「あら、ヴィータちゃん何読んでるの?」

「獣医学書。」

俺は本を閉じそれを二人に見せた。

「む、難しいものを読んでるわね?」

「んや、結構分かりやすいぞ?シャマルも読んでみろよ、治療系得意だろ?」

「そぉ?それじゃあ・・・」

そう言って俺から受け取った本を読むシャマル。そして俺たちは

「なんや、微妙兄ちゃんになった時のために読んでるんやったっけ?」

「ん、そんな感じ。」

そう、前に読んでいるときに聞かれた時そう言った。獣医大に通ってる男子大学生のふりをする時のつじつま合わせのためと。あ?はやての俺に対する微妙発言はどうしたって?もう諦めたよ(泣)ん?シャマルの様子が

「あうあうあうあう~~~~~」

なんか頭から湯気出して目を回してた。

「あかん、知恵熱や!!」

「どこの漫画だよ!!」

おかしいな、仮にも医者(?)みたいなもんだよな。シャマル?



「で、落ち着いたか?」

「うん、なんとか・・・」

あれから数分。なんとか落ち着いたシャマルと俺は話をしていた。はやてはあっちで本読んでる。原因は俺・・・なのか?とにかく俺がシャマルの介抱を引き受けたからである。

「しっかし、何でこんな事になったんだ?医療系得意なんだろ。」

「わ、私の対象は人なの!それに治療魔法とこっちの医学はいろいろ違ってくるのよ!!」

「シャマル・・・静かにな?」

「えぅ!?ご、ごめんなさい。」

しかし、そういうもんなのかねぇ・・・俺は治癒魔法できんしよく分からん。

「あ、そうだ今度簡単な治癒魔法教えてくれよ。」

「いいけど・・・ヴィータちゃんには合わないと思うわよ?」

「別にいいよ、あくまで簡単なのだし。」

そう言うと俺は再び本を読み始めた。

「・・・私も人体医学書でも読んでみようかしら?」

そう言ってシャマルも本をとりに行った。対象は人と言っていたんだ、今度こそ大丈夫であろうと思い本を読みのに専念した。それからしばらくしてはやてにそろそろ帰ると言われた。帰りに買い物もする予定だったしちょうどいい時間であろう。ふと隣の席を見るとこれまた頭から湯気出して目を回たシャマルがいたのには驚愕した。

・・・・・大丈夫か?コイツの治癒魔法を頼って・・・・・(汗)



「ん~今日はカレーにしよう思うってるんやけど・・・」

「カレーか~、いいな男の子は皆好きだぞ?」

「いやいや、ヴィータちゃんは女の子よ。」

何も知らないシャマルの言葉が鋭く突き刺さった。シット!仕返しをしてやる!!

「シャマルは気をつけて食べろよ。うっかり服につくと大変だぞ?やっぱり服についたなんてことにはなんなよ?」

「そ、そこまでうっかりじゃないわよ!!」

「・・・・・カレーは考え直さなあかんか・・・」

「は、はやてちゃんまで!?だ、大丈夫よ!!ほら、お買い物の続きを!!」

てんぱってるシャマルをみて俺とはやてはこ顔を見合わせてくすくす笑った。ああ、いいなこういうの。

「ちょっと、二人とも笑わないでよ!!」

「あはは、分かった分かった。ほらシャマルこっちのお肉のほうがええよ。」

「え?そうなのはやてちゃん?」

「あたしはよくわかんねぇや。」

さて、買い物の続きといこうか。



その後買い物が終わり3人で家に帰るとシグナムがすでに帰ってきていた。そしてザフィーラはいまだにDVDを見ていた。

「む、ブ、ブ●リーとはここまで恐ろしい奴とは一度倒したはずなのに数年後にまた復活するとは・・・・・俺では勝てん・・・。」

いかん、なまじ似たような力持ってるため現実的に見てやがる!!・・・・・ちなみに俺もブロ●ーなんて化け物に勝てるとは思えん。つーかスーパーサ●ヤ人に勝てるなんて思わん。・・・正直クリ●ンにも勝てんかもしれんな、あいつ気円斬とか使うし。・・・・・まて、俺も何真面目に考えてる?

「あ~二人ともご飯できたよ~。」

いっしょになって見てたらいつの間にか準備ができていた様子で、

「む、心得ました主。いくぞヴィータ。」

「お~う。」

ん~やっぱ最優先事項ははやてなんな?当たり前だけど。

「なぁザフィーラ界●神じゃどうやってもフ●ーザを一撃でたおせんと思うのは俺だけか?」

「いや、俺もそう思う。」

そんな会話をしながら俺たちはご飯のあるテーブルへと歩いていった。

「今日はカレーだから人型になって食えよ?椅子もってきてやるから」

「む、承知した。」

さて、今日ものんびり過ごせたな、明日もいい日になるといい。八神家はまだまだ平和だ。








そう思っていた。

俺は愚かにも忘れていた。いや、気付いていて無視していたのかもしれない。今日は10月20日であることに。次のはやての検査は1週間後・・・・・そう、



蒐集行為開始まであと――――――――――――――1週間









おまけ

次の日の朝俺はザフィーラが人型でこっそり別次元に転移するのを見て俺も気付かれないようについていった。そして見た・・・・・

「波ぁ!!!」

ザフィーラがか●はめ波の練習をしてるのを、マジで!?

「・・・・駄目だな、これではせいぜいヤ●チャレベルといった所であろう。とても実戦では使えん。」

・・・・・・なんかいろいろ後悔した。闇の書の防御プログラム破壊の時に皆の魔力を一つにした元気玉で倒すとか言い始めないよな?

「か~●~は~め~波ぁ!!!」

何も見てないぞ俺は!!



余談であるがその日の夜ザフィーラに、

「ヴィータ、始めるぞ用意をしろ・・・・・元気玉の用意だ。」

と言われ何故か元気玉で防御プログラムを破壊する夢を見た。ひょっとしたらありかもと寝ぼけた頭で考えて後で自己嫌悪した。

















あとがき

ようやく次回から蒐集行為開始です。うん、好き勝手できて日常編はおもろかった。(苦笑)あと、おまけのザフィーラの行動は一種のギャグと言う事で(汗)

次はありえない出会い(?)がテーマです(笑)




[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第十七話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/22 02:27
とうとう蒐集行為が始まった、まだなのはと戦ってはいない。その理由は家の場所を忘れたと半場強引に言って無理やり納得させたからである。とはいってもいずれ時はくる。覚悟しなくては・・・・・。





第十七話「早すぎた戦い・・・・・・具体的には10年くらい」





蒐集行為が始まってはや半月ちょっと経った。俺は今砂漠の世界に住む魔法生物から蒐集行為を行っている。

「ちっ、質も量もワリィ・・・魔導師相手のほうが楽に稼げるんだがな・・・・・ま、精神的にこっちのほうが気楽だが・・・」

と、軽く愚痴をこぼす。さすがに半月もの間毎日のように魔導師襲撃が起きていたのだ管理局も馬鹿ではない。まだ本腰を入れていないとはいえそろそろ動きにくくなってきた。そのため今日は今は少し離れた次元にいるシグナムと共にリンカーコアを持つ魔法生物から蒐集していたわけだが・・・・・ここで俺は予期せぬ相手と戦う事になった。

「・・・・・・半月もすれば管理局が本格的に動く頃か・・・なのはと戦うまで半月ちょっと・・・」

やれやれ、覚悟はしてるつもりなんだが未だに未練がましく変身魔法を使って誤魔化したいとか考える自分がいる・・・・・俺も守護騎士なんだ少し過去の記録を調べればすぐにばれるというのに、

「・・・・・悩んでも仕方ない転移して次の次元に・・・・・・・っ!?なんだ!!?」

何かが凄いスピードで俺目掛けて突っ込んできた!!人間だ、けど・・・・・

「なんて魔力だ!?ランクAAAは確実にある!!」

「でえりゃぁあああぁあぁぁ!!!!」

雄たけびを上げながら突っ込んでくる影に俺は迎え撃つ事にした。

「アイゼン!!」

『Explosion』

俺はカートリッジをロードし向かってくる影にむかい跳んだ!!

「先手必勝!!テートリヒ・シュラーク!!!!」

こっちはカートリッジを使っているんだ。いくらランクが高くても一発で仕留められるはずだ!!そう思っていた・・・だが!!

『Load Cartridge』

「な!!?」

敵のデバイスとぶつかる瞬間相手のほうからこの音声が聞こえた。そしてお互いのデバイスがぶつかる中俺は見た・・・・・槍を、つまり

「ア、アームドデバイス!?」

そう、相手は俺と同じベルカ式。だがそれ以上に相手の顔を見て驚愕した。知っている顔だからであった。一つはアニメで、もう一つはアースラで見た管理局のデータで、

「てめぇは!ゼスト・グランガイツ!!?」

「ほう、なぜ俺の名を・・・・知っている!!?」

「くっ!?」

俺は強引に吹き飛ばされ一定の距離をとる事になった。

「さて、答えてもらおうか・・・何故俺の名を知っている?」

ちっ、うっかりしちまったな、

「別に、高ランクのベルカの騎士だってことで知っていただけだ!前に管理局のデータを見る機会があったのでね?」

「そうか・・・・・ならばもう一つ答えてもらおうか、ここ最近起きている魔導師襲撃事件、お前も一枚かんでいるのか?」

・・・もう単独犯でなく複数犯と考えられているのか。

「・・・こっちも聞きたいことがある。あたしの質問に答えると言うなら教えてやるぜ!」

「できる限り答えよう。」

「言ったな?約束守れよ・・・さっきの質問だがとりあえずYESだ。さて、次はこっちの番だぜ?アンタはあたしの記憶が確かなら地上部隊所属のはずだ。何だってこんな次元世界にいる!?」

「一年に一度あるかないかの特別任務だ・・・ここにいたのはまったくの偶然だ。だが、犯罪者を目の前にして無視するほど管理局は甘くは無いぞ!!!」

そう言って再び俺に向かって突っ込んでくる。

<ガキィイィン>

「はぁぁぁああぁ!!」

「おらぁぁあぁぁあ!!」

<ギャギィィイィン>

「うらぁああぁぁ!!」

「おおおぉぉおおおぉ!!」

一閃一閃と激しく互いのデバイスをぶつけ合う中突如ゼストが俺に語りかけてきた。

「その小さい体でたいしたものだ、いい騎士だ・・・名はなんと言う?」

「・・・・・ヴィータだ覚えておけ!!」

「ならば問おう!ヴィータ、何を企んでるか目的を言え。納得のいく内容なら管理局とて話を聞く!!」

「んだとぉ!!?」

本来ならばそれは10年後ヴィータがゼストに対し言う台詞である。

「10年後のお前にそっくりそのまま返すぜその台詞ぅ!!!」

「くっ!?」

そして、ぶつかり合う俺達。実力は互角・・・否、若干こちらが不利であった。考えても見れば当然か・・・StrikerSにおいて相性がそれなりにいいリインとヴィータを相手に相性のさほどよくないアギトと共に戦い互角以上の戦いをしたんだ。単純に考えればユニゾンデバイスをお互い使用してない戦闘ではこちらが不利・・・・・加えて俺は知識はあって体が覚えてるとはいえ魔法戦闘を始めて十ヶ月程度しか経っていないのだから。でもなぁ!!

「負けるわけにはいかねぇんだ!!!」

「ならば全力で貴様を止める!!」

「「うおぉぉおぉぉぉおおお!!!!」」



それから数分が経った。そうまるで数時間のようにも感じる数分が・・・

「はぁ・・・はぁ・・・」

別に興奮してるわけじゃねぇぞ?ただ疲労がで始めて肩で息をしているだけだ。幸いにも向こうも同じように肩で息をしていた。そろそろ仕掛けるにはいい頃合だな・・・

「アイゼン!!」

『Schwalbefliegen』

俺は四つの銀弾を精製し放つ。

「誘導弾か!?ベルカ式でありながら使うとは・・・だがこれぐらいで!!」

「別にこれで倒せるなんざ思ってねぇよ・・・・・おらぁああぁ!!」

俺はシュワルベフリーゲンをゼストの足元に勢いよく叩きつける。その結果砂埃が発生し一瞬ではあるが隙ができた。

「っ!?これは!!」

いまだ!!

『Explosion・・・・・Raketenform』

俺はアイゼンを変形させ跳びかかった、これで・・・

「決まりだぁぁぁ!!ラケーテンハンマァァァァァァアァ!!!!」

それに気付いて奴も構えるが遅い・・・はずであった!

「ここだ!!」

『Grenzpunkt freilassen(フルドライブ・スタート)』

「な!?」

じ、冗談じゃねぇ!もうこの時点で使えたのか!?

「ア、アイゼン!防御を・・・」

「遅い!!」

咄嗟に張ったシールドは抜かれ俺はゼストの一撃をもろに受けてしまった。それはまるでヴィータの攻撃を食らったA'sの第一話におけるなのはのように・・・・・

「ぐ!?ああぁあぁあぁぁぁぁ!!!?」

俺は勢いよく吹き飛ばされた。

「まだ未完成であったがお前の意表をつくには充分であったようだな。」

み、未完成でこの威力かよ・・・

「ちっくしょぉぉ・・・」

やばい・・・体中がいてぇ・・・体中が重い・・・・・くそ・・くそぉぉ・・・・・

「・・・その小さき体でよく頑張った、だが終わりだ管理局までご同行願おうか?」

そう言いゼストは一歩一歩と少しづつ近づいてくる。

ふ、ふざけんな・・・まだ諦めるわけには・・・・・だが、

―諦めろ、楽になれ殺されるわけではない―

俺の体が言う

―管理局にはクロノもいる、問答無用で封印は免れるかもしれない―

俺の頭が、理性までもがそれを提案する・・・でも俺は無理やり立ち上がりながら叫ぶ、

「俺の心が言う、まだ諦めんなってなぁぁあああぁぁ!!!」

そうだここで諦めるわけにはいかない。ここで俺が倒れたら誰がはやてを助けるって言うんだよ!!!

「まだだ、まだやれる!!アイゼン!!!」

俺は一か八かの賭けに出ようとしアイゼンに呼びかける。だがアイゼンは何故か反応しない。

「ど、どうした!?まだそこまで破損はしてないはずだぞ!!アイゼン!!!」

それでも何故かアイゼンは反応を示さなかった。

「見たところ人工知能をもつアームドデバイスのようだな・・・主思いのよいデバイスを持ったな?」

「っ!?ど、どういう意味だ!?」

「いくらお前がカートリッジシステムを使いこなしているといっても、本来ならばカートリッジ一発でも並みの術者では持て余す・・・それに加え今のお前の体で無理な使用をしては命にさえ関わってくる。それゆえにお前のデバイスは拒否している、そう、全てはお前のためにな。」

・・・・・そういう事か、それは凄く嬉しい事だ。本来のヴィータでもない俺に対してそこまで思ってくれるなんてな・・・でもな、

「こんなところで諦めるわけにはいかねぇんだ!!」

それでも俺は諦めるわけにはいかない、それはお前だって分かっているだろーが!!

「だから、だから!!吠えろ、グラーフアイゼン!!」

そして、

『・・・・・・・Jawohl!!』

応えてくれた・・・・・

「おっしゃぁ!!最後の賭けだいくぜぇ!!!」

『Gigantform』

カートリッジを二発使い、俺は今できるグラーフアイゼンの最強の形態にした。その後アイゼンはさらに数十倍にまで巨大化した!!

「なに!?ここにきてこれほどの!!?」

驚愕するゼストを無視して俺は最後の攻撃の準備に入る

「くらえぇ!!轟・天・爆・砕!!」

ゼストは避ける準備をするが・・・・・させるかよ!それよりも早く!!

「ギガントォ・シュラークゥゥゥウゥゥ!!!!!」

俺は莫大なでかさとなったアイゼンを力の限り振り落とす。その後のは激しい轟音とそれにともなう砂埃で視界が完全にゼロになった。もう俺も限界でふらふらだ・・・今にも意識が飛びそうな満身創痍であった。

「・・・もうこれで倒れてくれよ・・・」

俺は呟いた。それは願いを通り越して祈りであった・・・・・しかし砂埃の向こうに一人の影が見えたとき俺は絶望さえ感じだ・・・煙が晴れそこにいたのは・・・

「・・・・・この状況の中でよい一撃であった・・・流石に避けきらんかったか・・・」

血が出る片腕を押さえながら歩いてくるゼストの姿であった。自然と俺は涙さえ流していた。

・・・・・畜生・・・もう限界だ・・・意識が遠のく・・・畜生、畜生・・・

「ち・・・く・・・しょぉぉぉ・・・・」

それを最後に俺は意識を失った。

「ヴィータァァァァァァァァアアアァ!!!」

最後にシグナムの叫び声が聞こえた気がした。へっ、シグナムには悪いがどうせ最後の幻聴ならシグナムじゃなくてはやてがよかったな・・・・・













気が付いた時、体中が痛かった。だが自然と温かくて少しずつ痛みがひいていった。頭には何か柔らかいものが・・・不自然に思い俺は目を開いた、そして目にしたのは・・・

「あら、気が付いた?」

心配してるような、安堵したようなシャマルの顔であった。よく見れば俺はシャマルに膝枕をされ治療されている最中であった。おお、役得役得・・・ではなく、これは・・・・・

「ちょっと、動かないの!!まだ治しきってないんだから!!」

「あ?ああ・・・悪い・・・」

何がどうなってる、まさか最後に聞いたのは幻聴ではなかったのであろうか?そう考え込んでいると、

「目が覚めたか、ヴィータ?」

「シグナム!?」

俺はシグナムに事情を聞いた。どうやら俺の放ったギガント・シュラークは他の次元にまで感知されるような魔力であったらしくそれを不審に思い近くにいたシグナムが様子を見に行き倒れた俺と対峙していたゼストを発見したとの事。当初は俺の仇討ち(死んでねぇよ)といきたかったらしいが相手のほうも増援が来たらしく俺を抱えて逃げるので精一杯であったの事。多分増援ってのはゼスト隊のことなんだろうな・・・見てみたかったかも・・・じゃなくて!!

「とりあえず、助かった・・・サンキュ、シグナム。」

「いや、お前が無事ならそれでいい・・・」

「そうね、誰か一人でも欠けるのは嫌だものね・・・って、ヴィータちゃん!動かないでって言っ・・・ヴィータちゃん?」

「あたしは・・・負けた・・・」

気が付くと俺は泣いていた。悔しくて、情けなくて・・・・

「う・・・ぐす・・・うぅう・・・」

「ねぇ、ヴィータちゃん・・・辛い時は泣いていいのよ?」

「へ?」

「だって私達はもう・・・唯の人形じゃ・・・プログラムじゃないから。はやてちゃんがそれを教えてくれたから・・・」

「ああ、そのとおりだ。」

この言葉を聞いた時俺はさらに情けなくなってしまった。本当は違うのに、俺のことを仲間と読んでくれる皆を騙してるのに・・・・・

「う・・・あ・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺は泣いた、今日負けた事への悔しさを、皆を騙している事を、その全てを拭い去るためのように・・・・・









シリアスばっかってのもなんだし最後に台無しな言葉を一つ

泣いた時しがみついたんだが、シャマルの胸・・・・・結構柔らかかったな・・・・

んじゃ、また次回!!(オイ!!)

あ、痛い!殴るなよシャマル!!











おまけ

「しかし見事にやられましたね隊長?」

「ああ、いい騎士であった。もう一度戦いたいものだ。」

「それは、あのポニーテールの人ですか?」

「いや、それが抱えていた小さい騎士だ。お前でも苦戦するであろう・・・」

「あら、聞き捨てならないですね?このクイントさまに向かって?・・・・・でも対決は無理そうですね?」

「だろうな、今回のように別の次元に行く任務は我々地上部隊にはめったに無い・・・それに今回のような事件は完全に海の・・・次元航行部隊の仕事だ・・・残念だがお前の言うとおり無理そうだ。・・・・・せめてもの抵抗に聞いた名前を上に報告せんつもりだ。」

「でも、そんなに強かったんですか?あんまり見れなかったけどまだ小さい子供でしたよ?」

「ああ、いささか疲れた。」

「あ、それなら家に来ませんか?主人も喜びます!!」

「なぜそうなる!?」

「そ・れ・にウチのかわいい娘達を見れば疲れ吹っ飛んで癒しに変わるわ!!」

「断る!前に会ったとき妹を泣かせたと姉のほうに蹴られた!!」

「じゃぁニッコリな笑顔でですね~・・・・・」

「ま、まて!上司を引っ張るな!くっ!?体に力が入らん!!」

「れっつご~♪」

<ズルズル>

「話を聞け!!」









あとがき

うむ、ようやくゼストさんがゲストな話が書けた。

それにしても、おまけのクイントさんとゼストの旦那の会話・・・これで良いのかな?クイントさんは明るく強い姐さんタイプだったらしいし・・・と思いこんな会話にしてみました。

ではでは。



[3310] 今現在の各キャラのヴィータおよび隆二に対しての一言+α
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/22 02:27
今現在の各キャラのヴィータおよび隆二に対しての一言



○ヴィータに対しての一言



【高町なのは】

ちょっと不器用だけど大切なお友達だよ!



【フェイト・テスタロッサ】

私の変わるきっかけの一言をくれた、なのはと同じくらい大切な友達。



【八神はやて】

私の大切な家族や!それ以外の何者でもあらへん!!



【シグナム】

ヴィータ、飛天御●流・・・実際に再現できないものか?



【シャマル】

お願い、借金返済はもう少し待ってください。(泣)



【ザフィーラ】

ヴィータ、かめ●め波は実現可能ではないか?



【クロノ・ハラオウン】

もう少し後先考えて行動してくれ。



【ユーノ・スクライア】

僕の代わりになのはを守ってくれてありがとう。



【アルフ】

そういえば何でわざとジュエルシードを1個残していたんだい?



【エイミィ・リミエッタ】

いや~あの時のパンツネタは未だにクロノ君に通用するよヴィータちゃん。



【リンディ・ハラオウン】

クロノとの言い合いは楽しかったし、うちの子にならない?



【アリサ・バニングス】

なのはから話を聞いてるだけ、一回くらい顔を見せなさい!!



【月村すずか】

なのはちゃんから話し聞いてるよ?一回会ってみたいです。



【高町家の人達】

一回遊びにおいで?



【闇の書の管制人格(リインフォース)】

・・・・・すまない。



【石田幸恵】

何があったかは知らないけど隆二君とは仲良くね?



【ギル・グレアム】

何故彼女だけ早期に覚醒が・・・・・











○秋山隆二に対しての一言



【高町なのは】

あの、友達を助けてくれてありがとうございます!!



【フェイト・テスタロッサ】

あなたの一言のおかげで裁判を一つ一つ確実にすることができました。



【八神はやて】

なんや、ヴィータ。また微妙兄ちゃんかいな?



【シグナム】

ん?なんだまたその格好か、ヴィータ?



【シャマル】

ん~ヴィータちゃんのその姿ちょっと好みじゃないわね?



【ザフィーラ】

む、ヴィータ今日は仕事か?



【クロノ・ハラオウン】

あれ?ビデオメールに出てた人?



【ユーノ・スクライア】

ちょうどいなかったからな~、会ってみたかった。



【アルフ】

おかげでフェイトが落ち着いて裁判を受けてくれたよ。



【エイミィ・リミエッタ】

あ~、ビデオメールに出てたなんか面白い人



【リンディ・ハラオウン】

あ、ビデオメールの・・・



【アリサ・バニングス】

もう、ナイフを素手で折るのはやめてよね!!助かったけど見てていい気分じゃなかったわ!!



【月村すずか】

あ、あの!助けていただいて本当にありがとうございます。か、かっこよかったです!!///



【高町士郎】

また来るといい、今度は恭也の相手はどうだい?それと美由希との仲について・・・



【高町桃子】

もう無茶しちゃ駄目よ?それと美由希との仲なんだけど・・・



【高町恭也】

次は俺と一戦どうだ?それと美由希との仲なんだが・・・



【高町美由希】

ちょっと!!何で皆して私と隆二さんの関係を・・・あ、その・・・別に嫌ってわけじゃ・・・その・・・ちょっといいかも・・・とか・・・な、なぁ~んて。あはは・・・はぁ~・・・・・



【闇の書の管制人格(リインフォース)】

・・・・・すまない。



【石田幸恵】

最近顔を見せないわね?ま、学生の本分は勉強だし頑張りなさい!!でも、はやてちゃんの事は忘れないように。













こんなかんじです。







次回からA'sに入っていきます。

ではでは、これからもよろしくお願いします。















おまけの小話



それは料理中の事、

「~♪・・・・・あ、買い足しの材料テーブルの上に置きっぱなしだったわ。」

はやての料理の手伝いをしていたシャマルは思い出して言う。

「ほか、それなら私が取ってくるからお鍋見といてな?」

「ええ、あ!はやてちゃん?」

「ん?なんや?」

「鍋を見ろと言うが・・・・・別に味付けをしてしまっても構わんのだろ?」

「駄目に決まってんだろーがぁ!!!」

俺はたまたま聞こえていたので買い足しの材料を急いで持ってきて叫んだ、というかシャマルどこでその言葉を覚えた!?

「え?えっと・・・こう言えばはやてちゃんがOKしてくれるような気がして・・・」

「は!?何やよう分からんけどそれを聞いたら『ええ、遠慮はいらへん』って言いそうになったわ!!」

中の人ネタ!?関西弁だけど・・・

そんな事があった日。



おまけの小話その2



これはある日のこと

「なあ、ザフィーラ。お前はいつも犬ではない狼だって言うけどさ・・・」

「・・・なんだ?」

「狼ってイヌ科の動物だって知ってるか?」

その時、世界が凍った。そしてその晩、近所に犬の遠吠えが響いた。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第十八話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2009/05/23 02:59
12月2日 AM2:23 海鳴市 オフィス街

「「うあああ!!」」

その悲鳴と共に武装した二人の男が倒れた。そこに残っていたのは紅い服を着た小さな女の子だけであった。

「・・・なんでこんなところに魔導師がいたのか、あの物語を見て不思議に思っていたんだが・・・なるほど休暇中のアースラスタッフだったか。」

そういうと少女は手に持っていた一冊の本を掲げた。

「さて、蒐集だ・・・・・夜天。」

そう言うと一冊の本が宙に浮き怪しい光を放つ。それと同時に倒れていた男達から小さな光が現れた。

「心配しなくても、後遺症が残らない程度にしてやる・・・それでも、恨むなとは言わねぇ。」

どこか苦しそうに少女は言う。そして

「「うぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

その後そのオフィス街には断末魔が響いた。

「・・・・・そういえば予定通りなら今日の夕方か、はやてとすずかちゃんが会うのは・・・念のためうまく俺の事喋らんようにいい訳考えるか。」

少女は場違いな独り言を言いながらその場を離れた。そこに残っていたのは倒れた男二人だけであった。





第十八話「決別と戦いの始まり」





12月2日 PM7:45 海鳴市 市街地

そこの空に一人の少女と一匹の青い狼がいた。

「どうだ、ヴィータ。見つかるか。」

「・・・いるのは確かだ。でも、場所の特定はまだだな。」

「そうか、捕まればおそらく20ページは稼げるであろう・・・だが・・・。」

「言うなザフィーラ・・・・・多分あいつだ。」

「・・・・・本当にいいのかお前は。・・・友なのであろう?」

その一言にヴィータは苦虫を噛んだような顔をして言う。

「くどいぜザフィーラ・・・もう相手を選んでる余裕はねぇ・・・違うか?」

「・・・・・分かった、別れて探そう。闇の書は預ける・・・それとあまり無理はするな。」

「OKザフィーラ、そういうお前も気をつけろよ。」

「心得た。」

そういうとザフィーラは飛んでいった。獲物を探すために。

「・・・・・ザフィーラ、心遣いは嬉しいけど・・・どうせあいつの相手はあたしだ・・・」

そう言うと彼女は手に持っていたハンマー状の物を下に向ける。そして彼女の足元には三角の魔法陣が展開された。

「封鎖領域・・・展開」

『Gefängnis der Magie』

その声を発っした後町は徐々に結界で覆われていく。

「さて・・・・・始まりだ!!」

どこか無理に彼女はそう叫んだ。



<ヴィータside>

ザフィーラと別れて数分後。俺が張った結界に何かが引っかかった。そう、

「魔力反応・・・なのは・・・か。」

俺はどこからかローブと布を取り出しローブで自分が誰だか分からないようにしアイゼンは布で包み何か分からないようにした。・・・これは俺なりのせめてもの抵抗。何に対してとは言わねぇ・・・。

「ちょっと窮屈かもしれないが我慢しろ・・・いくぞ、グラーフアイゼン。」

『Jawohl』

俺は飛んだ。すべてを始めるために。



しばらく飛んでいるとアイゼンが俺に警告してきた

『Gegenstand kommt an(対象、接近中)』

・・・・・そうか、迎え撃つ覚悟ができたかなのは。

「さて、どれくらい成長したか見させてもらうぜなのは!!」

俺は飛ぶ速度をさらに加速させる。そして・・・

「見つけた。」

俺の攻撃範囲内になのはが入った。まずは小手調べか、

「アイゼン。」

『Schwalbefliegen』

俺は銀弾を精製しなのはが構えるビルの屋上目掛けて放つ。それと同時に気付かれないようになのはの背後に回る。なのはに俺の放った誘導弾がぶつかる、(もっとも間一髪でシールド展開されたが)それを確認すると俺も攻撃に移る。

「テートリヒ・シュラーク!」

俺はアイゼンをなのはに向けて振りかざす。まだ誘導弾を防いでる最中のなのはは結果として両手でシールドを張る事になった。ユーノ仕込みのシールドは結構硬いな、だが!!

「くぅ・・・」

「よく、防いだ・・・・・が、バリアジャケットを張ってすらいないのは命取りだ!!!」

声色を変えてそう叫ぶ俺は力をさらに加えた。その結果激しい爆音と共になのははビルの外へと飛ばされる。なのはは落ちながらバリアジャケットを展開する。残念ながら光に包まれてるため変身シーンは生では見れなかったが(笑)

「そら次だ!!」

俺は再び銀弾を精製しなのはに放つ。だが防がれあたり一面に煙が広がった。

「もう一度だ。テートリヒ・シュラーク!」

俺は煙に向かってアイゼンを振りかざすが間一髪で避けられた。それと同時に一瞬ではあったがピンクの小さい玉が飛び出すのが見えた。多分なのはの誘導弾・・・後のための仕込だ。

「いきなり襲い掛かられる覚えはないんだけど・・・誰なの?いったいなんでこんなことするの!?」

ん?『誰なの』?『どこの子』じゃないんだな。ああ、そうか俺今ローブで顔を隠してるんだったか。俺はそのなのはの問いに答えずに無言で銀弾を再び精製した。それを見てなのはは叫ぶ、

「教えてくれなきゃ・・・わからないってば!」

そう言うとなのはは手を横に振りかざす。それと同時に俺は手に精製した銀弾を後ろに向けて放つ。そして俺の背後に迫っていたなのはの二つの誘導弾は俺の誘導弾とぶつかり相殺された。

「え!?」

「さっきの煙にまぎれて放ったか・・・悪くはないがどうせなら探知阻害も同時に掛けておけば確実であったな。」

そう言いつつ俺はアイゼンを構えなのはに向かって飛ぶ、今度は確実に当たる。そう思ったが、

『Flash Move』

なのははぶつかる寸前で自身に高速化魔法を掛け避ける。そして

『Shooting Mode』

レイジングハートは姿を変える。

「話を・・・」

『Divine』

「聞いてってばー!」

『Buster』

俺に向かってなのはのディバインバスターが来た。

「な!?で、でけぇ!!」

正直生きた心地しねぇ!!『気を付けろ 話し聞かなきゃ バスターだ』あ、何か川柳できた・・・って現実逃避してる場合じゃねぇ!!俺は何とか避けようとしたが避けきれずに俺が身を隠すためにまとっていたローブが吹き飛んだ。その結果、

「え・・・なんで!?」

なのははそれを見て驚愕した。



<なのはside>

何が起きているのか分からなかった。レイジングハートの警告が急になったと思ったら結界に自分は取り込まれた。このままじゃ家に被害が・・・と思い見通しのいいビルの屋上に待ち構えると誘導弾と同時に姿をローブで隠した人物が襲い掛かってきた。吹き飛ばされ、うまく不意をついたと思った誘導弾も防がれたけど、何とか反撃のチャンスを見つけ襲いかかって来た人物にディバインバスターを放った。避けられたけどその人のローブが吹き飛び今まで隠れていた顔が見えたとき私は驚いた。

「え・・・なんで!?」

だってそれは・・・

「どうして・・・」

フェイトちゃんと同じ頃に友達になった子、

「うそ・・・だよね・・・」

そう大切な友達の、

「ヴィータちゃん!?」

だったから・・・・・



<ヴィータside>

「ヴィータちゃん!?」

ちっ、ミスったな。正直油断した、もうばれちまうなんてな・・・

「な、なんだヴィータちゃん・・・ひょっとして抜き打ちの模擬戦?」

なのはは絞り出すような声で俺に問いかけてくる。本気と分かっているけど信じたくないといったところか、

「いや・・・違う・・・」

「それならベルカ式のあいさつとか?」

「それも・・・違う・・・」

「え・・・じゃぁ・・・」

「いい加減認めろ・・・なのは」

なのはがこんな状況下の中でまだ俺を信じてくれるのは嬉しいでも、

「あたしは・・・」

認めさせないといけない、少なくともこの【闇の書事件】が終わるまでは・・・

「敵だ・・・」

「そん・・・な・・・うそ・・・」

俺はそういうとアイゼンを掲げる、そして、

「もういいだろ・・・続きを始めるぞ、グラーフアイゼン!カートリッジロード!!」

『Explosion』

俺の命令に忠実に対応しアイゼンはカートリッジロードを行った。

『Raketenform』

アイゼンはその姿を変えさらに攻撃的なものへと変化した、同時にまとっていた布も吹き飛んだ。

「ま、待って!ヴィータちゃ・・・」

「わるいが・・・待たねぇ!!」

俺は展開した魔法陣の上に乗り技の準備に入る。ロケットのように噴射したアイゼンに身を任せこまのように回りその勢いを殺さないようになのはに向かって飛ぶ。

「ラケーテンハンマー!!」

なのはは咄嗟にシールドを張るがそれは紙のようにあっさり砕け、デバイスで防御する事となった。当然レイジングハートはひびが入り、削られる。

「うぅ・・・っ!!」

「ベルカの騎士相手の攻撃に真正面から受け止めるのは馬鹿のすることだぜ、なのはぁ!!!」

そう叫び俺はさらに力をいれなのはは吹き飛んだ。

「きゃぁぁぁあぁ!!」

なのははビルの窓ガラスを突き破り一室に叩きつけられた。

「・・・っ!!」

ちっ、胸のあたりが痛いな・・・精神的なものであろう、覚悟はしたはずなのに。

「でも・・・ここで止めるわけにはいかねぇんだよぉ!!」

俺は意を決しなのはに向かって飛ぶ、・・・・・止めを・・・・・刺すために、

「おらぁぁぁぁあぁ!!!」

『Protection』

レイジングハートは主を守るための壁を展開する。最後の力ってわけか・・・かてぇ!!

「ぶちぬけぇぇぇぇぇえぇえ!!」

『Jawohl』

俺の声に反応しさらに出力をあげるグラーフアイゼン、そして・・・

<パリィイィン>

「・・・つ!!?」

レイジングハートの出したプロテクションが砕けた音と共になのはのバリアジャケットの一部は消え、なのはは吹き飛ばされ壁に叩きつけられ壁に寄りかかって座る状態へと崩れ落ちた。

「・・・恨んでくれてかまわねぇ・・・」

俺はゆっくりなのはに近づき、アイゼンを上に向け構える

「・・・嫌ってくれてもかまわねぇ・・・」

なのはは最後の力を振り絞るようにレイジングハートを掲げようとする。力が入らないのかカタカタと震えているが・・・

「でも、よく頑張ったな・・・もう寝てろ・・・なのは。」

俺はアイゼンをなのはに向け振り下ろす、だが!!

<ガキィィィン>

それはなのは届く事は無く、黒いデバイスによって受け止められた。・・・・・そうか、うっかり忘れていたな・・・金髪に黒いマントを身にまとった少女、フェイト・テスタロッサ。そして、

「ごめんなのは・・・遅くなった・・・。」

「ユーノ・・・君・・・」

なのはの傍にはユーノ・スクライアが・・・

本来ある物語ではヴィータである俺はフェイトに言うべき言葉は『仲間か?』・・・である。だが俺は知っているこいつらの関係を、だから言うべき言葉はそれじゃない・・・・・

「・・・友達を、助けに来たのか・・・フェイト?」

そう言うと俺はいったん少し距離を置きアイゼンを構える。

「・・・・・そう・・・だけどそれだけじゃない。」

『Scythe Form』

フェイトは自らのデバイス・・・バルディッシュに魔力刃を展開させる。そして鎌状となったバルディッシュを構えて言う。

「友達を・・・止めに来たよ・・・ヴィータ。」

そこにかつてとは違う決意をした瞳をした少女・・・フェイト・テスタロッサが俺の前に構えていた。

「へ、いい目・・・するようになったじゃねぇか・・・フェイト。」

ま、当然俺は悪役だな・・・だが

「止めれるもんなら止めてみせろ。」

「止めるよ・・・だって友達だから。」

外にはアルフの気配を感じた、不意を突くためか、ただの待機か、いずれにしろ・・・

「気合・・・いれねぇとな!!」



今ここに本当の意味での物語が・・・【闇の書事件】が始まった。この結末はどうなるか・・・それぞれが誓った決意を胸に今戦いが始まろうとしていた。



騎士少女リリカルヴィータ――A's編



始めるぜ













おまけ

ヴィータとなのはが戦っている時間別の空では二人の女性が飛んでいた。

「おかしい・・・ヴィータの封鎖領域がいつまで経っても解除されない。」

「どういうこと・・・シグナム?」

「おそらく戦闘中なのだろう。」

「分かったわ、急いで・・・。」

「ああ、私はザフィーラと合流したのちに向かう!」

「じゃあ、わたしは買い物をした後に向かうわ!」

「・・・待てシャマル・・・なぜそうなる?」

「え?だってはやてちゃんにそう言ってきたし。」

「買い物だけではそんなに時間はかからん、もし必要以上に時間がかかったらどうする?」

「え・・・あ・・・その・・・」

「やれやれ、てっきり帰りの遅いヴィータを迎えに行くと言ってきたと思ってのだが・・・」

「え~と、そ、そうだ!普段使っているスーパーが閉まっていたとか・・・」

「あるか?普通・・・・・」

「うぅ~・・・な、何か考えるわよ!」

「・・・・・うっかりシャマル・・・」

「ひど!?シ、シグナムまで!!?」

「とにかく何かうまくいい訳を考えておけ、主に感づかれるわけにはいかんのだからな!」

そう言うとシャマルから離れて飛び始めるシグナム。

「あ!ちょっと、一緒に考えてよ!!」

これから激戦を始めるとは到底思えない二人であった。







あとがき

さて、とうとう始まりましたA's編・・・・・しっかり頑張っていきたいです。

しかし戦闘シーンはむずかしい・・・



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第十九話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/11/23 00:03
<フェイトside>

何が起きてるのか分からなかった。裁判が終わってなのはに連絡を入れようとクロノ達もいるアースラから通信をしようと思ったら繋がらなく、調べてみたら広域結界が町を覆っていた。
最近魔導師を襲う事件が発生していると少し聞いていたため、なのはやヴィータに何かあったんじゃないかと思いあわててユーノ、アルフと共に結界内に侵入をして魔力探知をしてみるとなのはとヴィータの二人だけが確認できた。とりあえず二人の元に向かって行って見えたのは、ボロボロになったなのはと止めを刺そうとするヴィータの姿が見えた。

理解なんてできる訳がないなんでこんな事になっているのかなんて、でもとにかく、

「止めなきゃ!!」

その思いで私はさらに飛行速度を速めた。





第十九話「したつもりだった覚悟・・・・・」





<ヴィータside>

「教えてヴィータ。何でこんな事になってるのかを!」

俺は対峙しているフェイトにそう問われた。

「おいおい、言う台詞が違うんじゃないか。フェイト?」

「・・・どういう意味?」

・・・・・フェイトにも、ついでにユーノにも認めさせないといけないな・・・敵だと、

「言うべき言葉は、『民間人への魔法攻撃は許されない罪だ!』とかじゃねぇのか?」

「っ!?・・・まさか本当に!?」

フェイトが悲痛の言葉を言う。

「そういうこった、フェイト。」

「・・・・・それなら、時空管理局嘱託魔導師フェイト・テスタロッサとしてあなたに言う。抵抗しなければ、弁護の機会がある。だから、同意して、武装を解除して。」

「ふん、そう言ってかつてのお前はしたか?」

俺は言った。フェイトには言ってはならないであろう言葉を。・・・・・心の中で謝りながら。

「っ!?そ、それは!」

動揺した今がチャンス!!そう思い俺はビルの外へと飛ぶ、シグナム達が来るまで時間稼ぎといくか!!

・・・・・飛び出す瞬間一瞬なのはとユーノを見て言おうとした事があった『ユーノなのはの治療を頼む』と、でもすぐに考えを改め言うのを止めた。だって俺にそんなこと言う資格は無いからな・・・。



<なのはside>

「ユーノ、なのはをお願い!」

「うん。」

そうユーノくんとのやりとりをした後フェイトちゃんはヴィータちゃんを追って飛び出した。ヴィータちゃんが飛び出す前に一瞬何か言いたそうにこっちを見たのが少し気になったけれど・・・

「ユーノくん・・・」

「うん。」

そう言うとユーノくんは目を閉じ私に治癒魔法を掛けてくれた。緑色の温かい光が私を少しづつ癒してくれた。

「フェイトの裁判が終わって、ヴィータの連絡先は分からなかったし、とりあえず皆でなのはに連絡しようとしたんだ。そしたら通信は繋がらないし、局の方で調べたら広域結界ができているし。だから、慌てて僕達が来たんだけど・・・・・そのヴィータが・・・・・」

その言葉にヴィータちゃんの名前が出るたびに私は少し胸が痛くなりました。・・・・・ヴィータちゃん・・・・・・。とにかく今はユーノくんにお礼の言葉を、

「そっか・・・・・ごめんね、ありがとう。」

「いったなにがあったの?何でヴィータがなのはを・・・・・」

「わかんない。急に襲ってきたの。・・・・・でも、絶対何かわけがあると思う・・・ううん、絶対ある。だってずっと苦しそうな顔で戦っていたから。」

それだけじゃない。私との会話する時だってまるで私に戦うようにけしかけるような事を言っていたから。だから絶対・・・・・

「とにかくヴィータを捕まえてから話を聞こう。フェイトがいるし、アルフだっているから。ベルカ式を使うヴィータは手強いけどきっと大丈夫。」

「え?アルフさんも?・・・・・でも・・・・・」

私も何かしたい・・・・・だってヴィータちゃんは私にとっても大事な友達なんだから。



<ヴィータside>

さてさて、今俺はフェイトを待っている状態だがどうするかな?アニメの戦いの流れは覚えている。今の俺なら再現可能ではあるが・・・アニメのヴィータは無理にフェイトの魔力を蒐集しようとした結果ああなってる訳であり、この場でフェイトの魔力を蒐集するべきじゃないと知っている俺はそんな無理はするつもりも無い。しかもカートリッジはシャマルが用意したのは2つしか残ってないが、俺個人で用意したのが3つ、つまりアニメのヴィータと違い計5つあるが・・・。

ふむ・・・・・それでもここはやはり、アニメよりの展開で時間稼ぎが無難だな。

「ついでだカートリッジ無しでどこまでやれるか試すか・・・アイゼン!!」

『Schwalbefliegen』

銀弾を4つ精製してフェイトに向け放つ、さてアニメだとフェイトが先制だったがはずだが、どうでる?

「バルディッシュ!」

『Arc Saber』

掛け声とともに俺に向かって魔力刃を放つ、さて先制が俺だったためアニメと違い無理に障壁を出す必要は無いのだが・・・

「アルフをあぶりだす必要があるな・・・・・障壁!!」

『Panzerhindernis』

フェイトの放った魔力刃は俺の作った障壁にぶつかりせめぎ合った結果消えた。一方フェイトは俺の誘導弾に追っかけられてるが、

「バリアァーーブレイクゥゥ!!」

よし、アルフが出てきた!!俺は誘導弾のコントロールを破棄し(その結果誘導弾はフェイトに避けられ爆発したが)自身の障壁の強度を上げたが、

<パリィィィイン>

「やぶれたか・・・ちっ!肉弾戦において力だけならザフィーラにも負けてないな!!」

障壁がやぶれた瞬間アルフの拳が俺に直撃する前にいったん少し離れアルフに向かってアイゼンを振りかざす!!咄嗟にシールドを張るアルフだが、

「真正面から受けるのは命取りだ!!」

いくらカートリッジを使用してないとはいえ近接系に特化したベルカ式の攻撃だ、アルフはシールドをあっさりやぶられ吹き飛ばされる。もっとも大してダメージはないようだが・・・

「はぁ!!」

「っ!?フェイトか!!」

『Pferde』

俺は自身に高速化魔法をかけフェイトの攻撃をかわした。あっぶねぇ!!アルフに気を取られて一瞬忘れてたぜ・・・さて、シグナム達は・・・・・まだか、残りは適当にフェイトとぶつかりながら時間を稼ぐとするか。・・・・・っと、アルフのバインドにも気をつけないとな(汗)(今捕まりそうになった)



しばらくしているとシグナム達の結界内に侵入したのを確認したためわざと隙を作りアルフのリングバインド・・・っだったけ?とにかく捕まった。・・・・・言っとくがわざと捕まったんだぞ!?

「終わりだね・・・さぁ話してヴィータ何でこんな事をしてるのかを・・・」

そう言ってフェイトは構えを解いて言う・・・構えを解いて!!?

「っ!?なんかや・・・」

何かに気付いたアルフが何か言うよりも早く俺はフェイトに向かって叫ぶ。

「馬鹿やろう!!最後まで気を抜くんじゃねぇ構えろフェイト!!!」

「え!?・・・あぁ!!?」

フェイトは突然現れた人物に吹き飛ばされた、幸いデバイスでなんとかガードしてくれたが、

「・・・シグナム」

俺はその人物の正体を確認して呟いた、そして

「うおぉぉおおぉおぉぉ!!!」

「く!?・・・きゃぁ!!?」

続けて現れたザフィーラがアルフを蹴り飛ばした。一方シグナムはフェイトへの追撃の構えをする。

「レヴァンティン・・・カートリッジロード」

『Explosion』

カートリッジをロードするとレヴァンティンは勢い良く炎を吹き出す!!

「紫電一閃・・・・・はぁ!!」

シグナムはフェイトに向かって飛ぶ、フェイトはバルディッシュで防御しようとしたが受けとめた柄はあっさり折れてしまう。そして更なる追撃がフェイトを襲う。

『Defensor』

主を守るため咄嗟にバルディッシュは障壁を張るがその甲斐無く、フェイトはビルに向かって叩きつけられた。

「フェイト!?」

アルフはフェイトの元に行こうとするがザフィーラによって阻まれた。・・・たしかそろそろユーノも出てくるな・・・と思っていたらシグナムが俺に声を掛けてきた。

「どうしたヴィータ、油断でもしたか?」

「うん!!」

強がってもよかったがなんとなく元気よく言ってみた。その後シグナムはバインドを解除しながら言う。何だよその痛い子見る目は!?

「・・・・・その様子だと我らが来るまでの時間稼ぎの結果か・・・まぁいい、ホラ。」

そう言うとシグナムは俺に帽子を被せてくれた。・・・・・あれ?いつの間に外れていたんだ?フェイトと戦ってた時かな?

「特に破損は無かった安心しろ・・・・・それと、一ついいか?」

「ん?なんだよ?」

「なぜ、敵に警告した?」

「・・・・・まぁ理由があるとすれば二つだな・・・・・一つ目は、あいつ結構強いぜ。いくらなんでもあんな不意打ちで決まったんじゃ勿体無いし、お前の騎士道とかにも反するんじゃなぇか?」

「やれやれ、今はそんな悠長な事言ってる場合では・・・・・まぁいい二つ目は?」

「それは・・・・・・・・だから」

「ん?すまんが聞き取れなかった、もう一度頼む。」

「・・・・・友達だから・・・・つい声が出ちまった・・・・・」

俺は絞り出すような声で言った。

「・・・・・ヴィータ、お前は・・・」

「下がってろなんて野暮なこと言うんじゃねぇぞ、それに・・・」

俺は不意になのはがいるであろうビルを見ていった。

「もう・・・一人傷つけちまった・・・・・今更止まる事なんてできねぇ・・・」

「そうか・・・・・だがあまり無理はするな、お前に怪我でもあれば我らが主は心配する。」

「なんだよ、主だけか心配するのは?」

俺は少し笑いながら言う。

「ふ、・・・もちろん我らもだ。さて、状況は実質3対3か・・・・・1対1なら我らベルカの騎士に・・・」

「負けはねぇ!!!」

その俺の掛け声で俺達二人も戦場へと飛んだ。あん?夜天たん・・・もとい闇の書がねぇ!!?・・・まぁいいやアイツ自分で移動できるしシャマルの所にでもいるだろう。シグナムに遅れて結界内に入ったの確認したし。さて、ザフィーラとシグナムに指示だしとくか。

『ザフィーラ、シグナム。別に無理に返事はしなくてもいい話だけ聞け、相手でこの結界の外へ転移できる可能性のあるのは守護獣とデバイスを持たない結界魔導師の二人だ。念のためザフィーラはそのまま守護獣の相手をして転移の準備の集中をさせるな。結界魔導師はあたしが抑える。シグナムは黒いのを頼む。』

『心得た。』

『やれやれ、どっちが将か分からんな?』

『この中であいつらを知ってるのはあたしだけだから仕方ないだろ?つか二人して返事しやがって・・・余裕かましてまけんじゃねぇぞ!!?』

さて、言うこと言ったしこっちに向かって来るユーノの相手に集中するか。

「吠えろぉ!!グラーフアイゼン!!」

『Jawohl』



<シグナムside>

私は今、敵の黒い魔導師と対峙している。さてヴィータが言うにはそれなりにできるようだがはたして・・・デバイスの形や今までのせめぎ合いからして珍しく接近戦重視の者と見たのだが

『Photon lancer』

・・・ホウ、やはり魔導師らしく遠距離攻撃も可能か、

「レヴァンティン・・・私の甲冑を。」

『Panzergeist』

私は全身を纏う装身型バリアを展開した。これなら今から敵が撃ち出そうとしている小技くらいなら簡単に弾く事が可能だ。前にヴィータにこれを見せたら『今レヴァンティンが【パンツ赤い】って言った!』とか言ってきたが・・・発音は確かに似てるが本当に失礼な奴だ!!

「撃ち抜け・・・ファイヤ!!」

ん?いかんな考え事をしてるうちに攻撃してきたか・・・だが、

<パシィイン!!>

敵の雷弾は次々と私に当たるがすべて私の展開した甲冑に弾かれる。

「っ!!?」

「魔導師にしては悪くない・・・だが、ベルカの騎士に1対1を挑むのはまだ足りん!!」

今度はこちらの番だ!!高速で相手に接近してレヴァンティンを叩き込む。シールドをあっさり叩き斬り次の攻撃へと移った。

「レヴァンティン、叩き斬れぇ!!」

『Jawohl』

私の掛け声に合せてレヴァンティンは再び炎を吹き出し、そのまま私は敵目掛けて叩きつけた、その結果黒い魔導師は再びビルに向かって吹き飛ばされた。・・・・・これで終わりか?念のためカートリッジをレヴァンティンに補充しておくか。

『Nachladen』

さて、補充は完了したどうやら相手はまだ意識があるようだ、一応警告しておくか。

「終わりか?ならばじっとしていろ。抵抗しなければ命までは取らない。」

無論命などどの道取るつもりはない。だが、脅しにはちょうどいい言葉だ。

「だれが!!」

「・・・いい気迫だ。」

なるほど、これだけの実力の差を見せたというのに、ヴィータが言うだけのことはあるな。認識を改めるとしよう。

「私はベルカの騎士、ヴォルケンリッターの将シグナム。そして我が剣、レヴァンティン。お前の名は?」

「ミッドチルダの魔導師、時空管理局嘱託、フェイト・テスタロッサ。この子はバルディッシュ」

ふむ、よし覚えた。こいつらは名を覚えるに値する相手だ。

「・・・テスタロッサ。それに、バルディッシュか。」

私は再びレヴァンティンを構えながら言う。続きといこうか、テスタロッサよ!!



<なのはside>

ぶつかり合う光を皆が戦っている光を私はただ見てるだけでした。何かしたい、止めたい、

「止めなきゃ・・・」

歩こうとした時まだ治ってない体は痛みを感じた。咄嗟に左手を押さえた、それでも・・・

「止めなきゃ・・・私が皆を止めなきゃ・・・」

痛いのを我慢して私は前に歩いていく。だっておかしいよ、なんでフェイトちゃん達やヴィータちゃん達が戦い合わなくちゃいけないの?絶対間違ってるよ!

『Master、 Shooting Mode、 acceleration』

そう言うとレイジングハートは魔力の羽を展開させた・・・これは・・・

「レイジングハート・・・・・」

『Let's shoot it, Starlight Breaker.(撃ってください スターライト・ブレイカーを)』

「む、無理だよそんな状態じゃ!!」

ただでさえボロボロなのにあんな沢山の負担のかかるスターライト・ブレイカーを撃てば壊れちゃうかもしれないのに!!それでもレイジングハートは言う、

『I can be shot. (撃てます。)』

「あんな負担のかかる魔法、レイジングハートが壊れちゃうよぉ!!」

『I believe master.Trust me, my master.(私はあなたを信じています。だから、私を信じてください)』

私はその言葉に涙が出そうになったけど、何とかこらえて決意をする。

「わかった・・・レイジングハートが私を信じてくれるなら・・・私も信じるよ」

私はユーノくんの張ってくれた結界を消して前に魔方陣を展開した。

『フェイトちゃん、ユーノくん、アルフさん。私が結界を壊すから、タイミングを合わせて転送を!』

『なのは!?』

『なのは、大丈夫なのかい!?』

『・・・っ!?』

『大丈夫、スターライト・ブレイカーで撃ち抜くから!』

「レイジングハート、カウントを!」

『All right.(わかりました。)』

私の展開した魔方陣にどんどん魔力が集束していく。

『Count,9,8,7,6,5,4,3・・・』

順調に魔力が集束していく、だけど、

『3・・・3・・・3・・・』

カウントが止まりかける、やっぱり負担に耐え切れない!?

「レイジングハート、大丈夫?」

『No problem. (大丈夫です。)』

『Count,3,2,1・・・』

本当は辛いはずなのに、レイジングハート・・・でも、私を信じてくれたるのだからその思いに応えないと!!そう思いスターライト・ブレイカーを撃ち出すための構えをしたその時胸の辺りに振動がきて、私はよろめいた。見てると手が私の胸に生えていた・・・・・ナニコレ?

「あぅ!?」

その手は一回引っ込んだと思ったらまた生えてきた・・今度は小さな光の珠とともに。すると次の瞬間にその光の珠は徐々に小さくなっていきそれに合わせるかのように私は苦しくなってきた・・・そんな中、

『Count,0.』

スターライト・ブレイカーの準備は完了した。もう立ってる事すらままならない状態、早く打たなきゃ!

「スターライト・ブレイ・・・・・」

だけどスターライト・ブレイカーは放たれる事は無かったなぜなら撃ち出そうとした瞬間レイジングハートが私の手から離れたから。意識が限界で朦朧として倒れる中何故かヴィータちゃんの今にも泣きそうな怒った顔が強く頭に残った。



<ヴィータside>

俺は今ユーノの相手をしていたのだが、あん?なんだ?ユーノの動きが一瞬止まった。誰かと念話をしてるのか?・・・・・ん?ビルの所に大きなピンクの魔方陣が・・・そうかなのはか・・・スターライト・ブレイカーを撃つのか。これで今回の戦いは終わりだな。確か蒐集行為をされてる最中に撃つんだったけ、アニメじゃ何気なく見てたけど今までの蒐集を目の前で見てみた今の俺の意見としては正直無謀な行為だと思える。まぁ、命には別状は無いって展開のはずだ特に心配はしねぇつもりだったが・・・・・けど、本当に大丈夫なのか?・・・本当に・・・・・。

そんなことを考えていたせいか俺は自然と視力強化をしていた。そして、俺の目になのはが映った。



―――――――――――リンカーコアの輝きがどんどん小さくなっていき苦しんでいるなのはが。



気が付いた時には俺はなのはに向かって飛び出していた。あんな状態でスターライト・ブレイカーを撃つ?それで命に別状が無い!?そんな保障どこにある!!物語?アニメ?この世界で必ずしもあてはまるとはかぎらねぇじゃねぇかよぉ!!!

なのはに向かって飛ぶ俺の前にユーノが立ち塞がるが俺はスピードを緩めない。

「・・・・・じゃま、すんなよ・・・」

「悪いけど今の君をなのはの元に行かせるわけには・・・」

「邪魔すんじゃねぇ、あの馬鹿止めねぇといけないんだよぉぉ!!!」

『Explosion・・・Gigantform』

「え!?うわぁぁぁあぁぁぁ!!!」

なりふり構わずにユーノを叩き飛ばし俺は感情のまま行動していたもはや自分でも何がしたいのかなんざわからねぇ。ただなのはを止めないと、その一点だけであった。

「スターライト・ブレイ・・・・・」

「ばかやろぉぉぉぉぉぉぉお!!」

なのはが撃とうとしたその瞬間俺はなのはの手からレイジングハートと弾き飛ばした。結果スターライト・ブレイカーは不発に終わりなのはは満身創痍で倒れた。俺はなのはを座って抱きかかえた。

「馬鹿かテメェ!!何であんな無茶をした!?あんな状態でスターライト・ブレイカーを撃てば下手したら命にさえ関わっちまうかもしれなかったんだぞ!!」

俺は溢れる涙を我慢する事もなく叫ぶ、そんな中なのはは

「あはは・・・やっぱり・・・ヴィータ・・・ちゃん・・・だ、やさ・・・しい・・・・・」

「・・・・・っ!!?」

無理やり笑いながらそういった。俺は何をしている、覚悟はしてたんじゃなかったのか!?なのはをこんな事にする覚悟は!!?

結局俺は覚悟をした【つもり】だったんだ。

『・・・ヴィータ・・・』

『・・・・・シグナムか・・・』

『その・・・』

『・・・あたしの・・・事は気にするな、指示を頼む。』

『ああ・・・時間が大分過ぎてしまったそろそろ撤退しなければ。』

『分かった・・・結界の維持は・・・ん?シャマルが補助してるのか?』

『え?ええ、今は私も結界の維持をしてるわ。』

いつの間にか結界の維持はシャマルもしていた。それなら、

『ただ解除するだけじゃ捕捉されるかもしれん。意表をつくためにあたしが結界を破壊して管理局に対して目くらましをかける。その隙に離れるぞ。』

『ええ!?ま、待って!!』

『馬鹿を言うな!!』

『無駄な魔力を無理に使わなくとも!!』

『・・・ワリィ・・・今回だけでいい、あたしの我侭を聞いてくれ・・・』

『ヴィータちゃん・・・』

『ヴィータ・・・』

『・・・・・分かった、ヴィータが結界を破壊した後一旦散りいつもの場所で合流だ。』

『・・・・・サンキュ、皆・・・』

これは唯の自己満足・・・それでも何かしたかった。こんな事でわびになるとは思わねぇ・・・それでも、最後に何かをしたかった。

「なのは、今日はお前に免じてあたしがお前の変わりに結界を破壊してやる。・・・・・だから、今度こそもう寝てろ。」

俺はなのはを壁により掛けて言う。何を言ってるんだろうな俺は・・・・・

俺は残りのカートリッジと魔力をすべて注ぎ前に魔方陣を展開してスフィアを形成する。そして、

「一撃入魂!!―――――――――ブレイカァァァァァア!!!」

それを撃ちだす!!それは閃光となり結界を吹き飛ばした。

『よし、今だ!!全員撤退!!!』

『『『了解』』』』

俺達はその場を離れた。一体俺は今どんな顔をしてるんだろう?



<エイミィside>

解析が全然終わらない結界に焦っていた私達。でも、一つだけ該当するものがあった。それはかつてヴィータちゃんが使っていた結界と一致していた。ますますわけが分からない中突如結界が破られ映像が送られてきた。その中に、

「ヴィータ・・・ちゃん・・・?」

なのはちゃんを助けに来た?ううん、それにしては様子がおかしい!!とにかく転送しようとしている人達のロックを急がないと逃げられちゃう。私は急いで指示を出し自分も転送の足跡を追った。結界破壊の時の魔力残滓の影響かジャミングが酷いけど何とかしないと!・・・けど、

『駄目です・・・ロック外れました・・・』

「あぁ!!もう!!!」

<バンッ!!>

失敗した。私は悔しさのあまりキーボードを手で叩きつけた。

「ごめん、クロノ君。しくじった・・・・・クロノ君?」

私の言葉に何も言わないクロノ君を不審に思い見てみるとモニターをじっと見詰めていた。その表情は険しいものだった。

「第一級捜索指定遺失物、ロストロギア・闇の書」

「クロノ君、知ってるの?」

そう言いながら私も再びモニターを見る。あの緑の服の人が買い物袋と一緒に持っている古そうな本の事なのかな?

「・・・・あぁ。知っているよ。少しばかり、嫌な因縁がある・・・」

そう言ったクロノ君の声もまた険しいものだった。











おまけ

「ヴィータちゃん・・・本当に大丈夫?」

一度散った守護騎士たちは指定していた場所で合流を果たしていた。

「ああ、もう泣いてない・・・だ・か・ら!!ハンカチだすなぁ!!」

「え?じゃぁ・・・はい、チ~ン。」

「ティッシュも出すな~~!!」

「落ち着けヴィータ。あまり興奮するな。」

「しかし、まぁそれだけの元気があればとりあえずは主はやての前では大丈夫だな。」

「ああ・・・・・そう言えばはやてには何て言って誤魔化してるんだ?」

「え?『いつものオリーブオイル無いから遠くのスーパーに探しに行く』と『ついでに皆の迎え』の二つかしら?」

「・・・・・なぁ、遠くのスーパーって言うがそんな離れてない場所にいくつスーパーあると思うんだ?」

「・・・・・」

「・・・・・」

「え?ちょっと!シグナムまでそんな反応しないでよ!!一緒に考えてくれなかったくせに!!!」

涙目になりながらシャマルは叫んだ。

「はぁ・・・しかたねぇ・・・もし、不審に思われたりしたらあたしが電車の中でうたた寝して訳分からん場所にいて遅くなったってことにしとけ。」

「うぅ・・・ありがとう・・・ヴィータちゃん・・・」

「どっちが将かわからんな、シグナム?」

「やかましいぞザフィーラ。」

他人に言われるのは駄目らしいシグナムであった。













あとがき

ん~~~ちょっと最後無茶があったかな~~なのはのS・L・Bは止める気満々だったので、なんか結界破壊をヴィータにやらせちゃいました。自分で張ったのを破壊ってのも変なのでいつの間にかシャマルが維持していたという事で。(汗)ヴィータの新技見ついてはまだ名前は伏せます。特に意味なんて無いけどやっぱこんな状況で名前明かすのもなんかな~と思って(笑)

ではでは。

あ、それと前回の『感づかれる~』の誤字は訂正しますた。ご指摘ありがとうございます・・・なかなか誤字がなくなる日は来ないなぁ・・・(汗)



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十話
Name: ロウリャン◆f1c5a480 ID:a8bf7b0b
Date: 2008/10/05 13:42
<なのはside>

私は夢を見ていた。

―いい加減認めろ・・・なのは―

認めたくないよ・・・

―あたしは・・・敵だ―

嘘だよそんなの・・・

―もう寝てろ・・・なのは―

待って!!待ってよぉ!!

「ヴィータちゃん!!!」

そこで私は目を覚ました。ここは?・・・病院みたいだけど?





第二十話「話とは関係ないけど、この世界がアニメになったらOPってどんなだろ?Byヴィータ」





ここは管理局の医療施設らしいです。私は前の戦いで気絶してここに運ばれたようです。幸い怪我はたいした事無いらしいのですが、私の魔導師の魔力の源、リンカーコアが異様なほどに小さくなっているそうです。といってももう回復が始まっているらしいのですがしばらくは魔法が使えないらしいです。
しばらくするとクロノ君とフェイトちゃんが来てくれたのですが、クロノ君はお医者さんとお話があるそうなので出て行き私はフェイトと二人っきりになりました。ふと見るとフェイトちゃんは左手に包帯が・・・

「フェイトちゃん・・・」

「なのは・・・」

少しの沈黙、でもこのまま黙ってるわけにはいかない、せっかくの再開なのに。そう思い私は暗い気持ちを振り払うように少し笑って見せた。そしたらフェイトちゃんも少し笑ってくれた。

「あの、・・・ごめんねせっかくの再会がこんなで、怪我大丈夫?」

「あ、ううん。こんなの全然・・・それよりなのはは?」

そう言って手を背中に隠した。・・・気を使わせちゃったなぁ・・・

「私も平気、フェイトちゃんたちのおかげだよ。元気元気!!」

そう言って私は無理に笑って見せた。

「フェイトちゃん?」

だけどフェイトちゃんは何も言わない・・・なんて言うか見ていられない?そんな思いで私を見ているかのような・・・・・やっぱり無理してるって顔に出ているのかな。そう思い私は立とうとする。だけど、

「フェイトちゃ・・・あぅ!?」

「なのは!?」

ふらついて転びそうになった私をフェイトちゃんが支えてくれた。駄目だなぁ私、また迷惑掛けちゃった。

「ごめんね、まだちょっとふらふら・・・」

「うん・・・」

「助けてくれてありがとうフェイトちゃん・・・それから、またあえて凄く嬉しいよ。」

「うん・・・私もなのはに会えて嬉しい。だから・・・」

「?フェイトちゃん?」

「あまり無理しないで?」

「あ・・・・・」

フェイトちゃんのその言葉を聞いた時、私は今まで我慢していたものが、我慢できなくなって、気が付いた時には涙が出ていた。

「あ・・・うぅ・・・うぁぁぁぁ・・・。」

私はフェイトちゃんにしがみつきながら泣いていた。

「大丈夫、私も頑張るから。いっしょにヴィータを止めよう?」

「うん・・・・・うん・・・・・」

ありがとう・・・フェイトちゃん・・・



しばらくして私とフェイトちゃん、そしてクロノ君は傷ついた私達二人のデバイスを点検しているユーノ君とアルフさんの元へと行きました。ヴィータちゃんに吹き飛ばされたせいで、ユーノ君が頭に包帯を巻いていたのが気になったけど大丈夫って言ったので安心しました。

「なのは、フェイト!!」

部屋に入った私達に気が付いてアルフさんが呼んでくれました。私達が再会の挨拶をした後フェイトちゃんはバルディッシュのそばに行きました。

「バルディッシュ。ごめんね、私の力不足で」

「破損状況は?」

クロノ君の問いにユーノ君が答えます。

「正直あまりよくない、今は自動修復をかけてるけど、基礎構造の修復が済んだら一度再起動して部品交換とかしないと。」

「そうか・・・」

それを聞いてわたしもレイジングハートのそばに行きます。そんな時アルフさんが、

「ねぇ、そういえばヴィータが・・・あの連中も使っていたけど、ベルカ式って結局何なんだい?あたしとフェイトは詳しく聞いたこと無いけど?」

「前に、なのはにも少し話したけど・・・ベルカ式って言うのはその昔ミッド式と魔法勢力を二分した魔法体系なんだよ」

「遠距離や、広範囲攻撃をある程度度外視して対人戦闘に特化した魔法で、優れた術者は騎士と呼ばれる。」

ユーノ君とクロノ君がそれに答える。そして、フェイトちゃんがそれになにか思い出して答える。

「確かに、あの人ベルカの騎士って言ってた・・・ヴィータと同じように・・・」

「ベルカ式のデバイス最大の特徴は、デバイスに組み込まれたカートリッジシステムって呼ばれる武装。」

「儀式で圧縮した魔力を込めた弾丸・・・そういえばフェイト?」

「うん、クロノ。これだね?」

そう言ってフェイトちゃんはどこからか数ヶ月前にヴィータちゃんから貰ったカートリッジを出して見せた。よくみると【ヴィータ】とサインしてある・・・・・ヴィータちゃん(汗)

「そう、その弾丸をデバイスに組み込んで瞬間的に爆発的な破壊力を得る。危険で物騒な代物だが・・・これを見てくれ。」

そう言ってクロノ君はある映像を出す。それは・・・

「これは・・・」

「時の庭園でのヴィータの戦いの様子だ。」

そう、その映像の中には私達の良く知るヴィータちゃんの姿が・・・私と戦っている時とは違いいきいきしている。

「これを見てくれ。」

そうクロノ君が言うと映像の中のヴィータちゃんはカートリッジをロードしていた。

『こっちも飛ばすぜ!アイゼン、カートリッジロード!!』

『Explosion・・・Raketenform』

『よぉし、いくぜ。ラケーテン・ハンマーー!!うりゃぁぁぁ!!!!!』

そう叫びながら次々と敵を倒していくヴィータちゃん。

「なるほどねぇ・・・たしかにうまく使いこなせればすさまじいものがあるねぇ。」

「うん・・・」

「その通りだ。」

みんな映像の中のヴィータちゃんを見てあらためて相手の強さを実感していた。

・・・・・ヴィータちゃん・・・・・今何してるの?





<ヴィータside>

俺達はあの戦いの後、すぐに家に帰った。現在俺ははやてといっしょにテレビを見ている。何とか元気を取り戻せてはやてに気付かれていないが、正直またなのはの前に立ったとき戦えるか?と問われればすぐにYESとは言えない。なんとか次の戦いまでに心の整理をしなくちゃいけないとな・・・・・そんな事を考えているとシャマルが、

「はやてちゃん、お風呂の支度できましたよ。」

「うん、ありがとう。」

「ヴィータちゃんも、一緒に入っちゃいなさいね。」

「うぃ~っす。」

もうすっかりお風呂に一緒に入るのに違和感を感じない俺、そうシャマル達とさえ平然と入れるしまつ。もう俺は(元)男として駄目かもしれない・・・いや、まて変身魔法で隆二の姿の時ならちゃんと男としての思考があるんだ!!ほら、美由希さんのあの事件(?)の時はちゃんと・・・ちょっとドキドキしてたし・・・と思う・・・ただ、ヴィータのままだと肉体・・・いや、見た目に精神が引っ張られるというか、なんというか・・・・・って、誰に言い訳してるんだよ俺?

「明日は朝から病院です。あまり夜更かしされませんよう。」

「は~い」

シグナムがはやてに言う。そしてはやては答える。

「では、よいしょっと」

そう言ってはやてを抱きかかえるシャマル。そうシャマルは隠れマッチョだったのだ!!!」

「ヴィータ・・・途中から声出とるよ。」

「あ、これまたうっかり!!」

「まったく、一応言っておくけど軽い強化魔法かけているわよ?・・・あ、シグナムはお風呂どうします?」

「私は、今夜はいい。明日の朝にするよ。」

「そう。」

「お風呂好きが珍しいじゃねぇか、一日のしめは風呂だとか言ってたじゃんか?」

歩きながらシャマルの後に俺は言う。

「たまには、そういう日もあるさ。」

「ほんなら、お先に。」

「はい。」

そして風呂に向かって歩こうとするが。俺は不意に止まる。

「?ヴィータちゃん、どうしたの?」

止まった俺を不思議に思いシャマルが言う。

「なんかシグナムが大人ぶってるのが癪だからあたしも明日の朝入る。」

「なぜいちいち張り合う?」

「うるせぇ!!明日の朝入るったら入る!!」

「あはは、ほんならヴィータにも・・・お先に~」

「おう!!」

そしてシャマルとはやてはお風呂場へと行った。さてと・・・

「ん?どうした、ヴィータ?」

「どうしたじゃねぇよ、見せてみろ。簡単な治療ならシャマルに習った。」

「・・・・・気付いていたか。」

そう言ってシグナムは少し服をめくった。ちょっと黒いブラが見え・・・ゴホン、それはさておき俺はシャマルに習った治癒魔法をかける。といっても誰にも気付かれないでいられるくらいの軽い痣程度なので俺でも治せるわけだが(ぶっちゃけ俺も本当に怪我してるのか?と思ったくらいだし)、

「お前の鎧を撃ち抜いたか。」

ザフィーラが感心したように言う。

「澄んだ太刀筋だった。よい師に学んだのだろうな。・・・・・ヴィータ、その辺のところ何か知らないか?」

む、まさかそんな事を聞いてくるとは・・・

「あ~、悪いな。あいつのそういうところは複雑な事情があるんだ。あたしからは何も言えないなぁ~。」

ま、無事に管理局に入った時本人に聞いてくれや。StrikerSじゃシグナムもプレシア・テスタロッサ事件知ってたしその辺聞かせてもらえるだろうぜ。ん?まてよ、たしかフェイトの師匠ってプレシアの使い魔リニスだよな。つーことは、リニスって接近戦もできたってことか?とてもそうは見えなかったが・・・・・

「それにしてもお前が名乗りをするほどの相手か・・・」

「あぁ、武器の差がなければ少々苦戦したかもしれん・・・ヴィータが言うだけのことはあった。」

「だが、それでもお前は負けないだろう。」

「そうだな。」

その武器の差が次からなくなるんだよなぁ・・・一応油断せんように言っておくか。

「けれど、慢心や油断は敗北を呼ぶぜ。二人共。」

「「・・・ふ。」」

二人そろって鼻で笑いやがった!!

「な、何がおかしいんだよ!!」

「いや、お前が言うのは何故か似合わんと思っただけだ。」

「んだと、ザフィーラ!!表出ろぉ!!」

「ふふ、落ち着けヴィータ。確かにお前の言う通りだ。我々には敗北は許されないのだからな。」

そう少し笑いながら言った後シグナムは闇の書を片手に持ち窓のほうに行き夜空を見て言う。

「我らヴォルケンリッター、騎士の誇りにかけて。」





次の日の朝、誰かに起こされ目が覚めるとそこにははやて・・・・・ではなく遠●凛(Fate/●tay night)がいた。・・・・・M・A・Z・I・K・A!?慌てるあまり急いで皆のところに行った、すると。

「起きたかヴィータ?」

シグナムと思ったら高●晶(スクー●ランブル)がいた。

「どうした、ヴィータ?」

ザフィーラと思ったら高町士郎・・・おい、何故士郎さんなんだ!!?

皆中の人ネタになってた。ひょっとしたら俺はで●こ(デ・●・キャラット)にでもなってんじゃないのか!?と思っていると。

「どうしたの?ヴィータちゃん?」

シャマルと思ったらエ●ルゥ(うたわ●るもの)がいて俺は・・・・・・ちょっといいかな?と思ってしまった。

そこで目が覚めた。シャマルに対してちょっと罪悪感を持ってしまった。



その日俺は夜の行動まで休めと皆に言われた。昨日のあれを見られたので気を使わされても仕方ないか・・・とりあえずちょっとぶらぶら町を歩いていた。念のため隆二の姿で。

それにしてもどうする?いっそなのはに話すか?・・・論外だ。確かに話せばあいつは協力するだろうが、そもそもアイツは管理局に居場所を知られているし、何よりアイツまで巻き込んで犯罪者にしたくない・・・あ~俺も犯罪者なんだよなぁ・・・・・。

「って、あれ?ここは・・・翠屋!?」

特に考えずに歩いていたらここに来てしまった。見てみると外の席でなのは達が・・・まずい!!たしかリンディさんが今いるはずだ。魔力漏れ抑えてるといっても一応変身魔法は使ってるんだ、いくらなんでもあの人を目の前にして誤魔化せる自信は少し無い・・・それに、今アイツの顔を見たくない。そう思いクルリとUターン、途中メガネをかけた男が包装した箱を持って翠屋に行ってたが・・・たしかアースラの、となるとあの箱の中身はフェイトの学校の制服か・・・・・よかったな、フェイト。

その後ゲーセンで暇つぶしをしていたがどうにも気が晴れず、近くの公園のベンチに座ってこれからのことを考えていた。この公園にいるタイヤキ屋でタイヤキを買って食べながら。車を改造した屋台みたいな所で売っていて結構評判がよく人気のある、当然ながら美味い。

「さて、これからどうするか・・・」

次からなのは達はカートリッジを使ってくる。あいつらの成長速度は異常だからな、こんな状態じゃ・・・そんな事を考えてると、

「ほ、本当にいいの?」

「いいの、いいのフェイトの転入祝いとでも思ってなさい。」

「ここのタイヤキ凄く美味しいんだよ。」

「ですよ♪」

ん?どっかの子供がタイヤキを買いに来たのか?微笑ましい光景だ・・・待て、今聞きずてなら無い名前があったぞ。フェイトだと?

「あれ?隆二さん?」

「え?あ、本当だ!」

「ふえ?り、隆二さん!!?」

「え?あ、前にビデオメールで・・・」

気付かれた、なんでいるんだよ、なのはとその友よ。うわぁ・・・よりによって悩みの種に・・・てかなんですずかちゃんそんなに驚いてんだ?

「あ、すずかちゃん?ほっぺにあんこ付いてるよ?」

「え?あぅ・・・す、すみません。」

そう言ってハンカチで拭いた。何でそんなに慌ててるんだろう?

「あ、あの!」

「?君は・・・前にビデオメールの・・・やっぱり俺は見たらまずかったかな?」

フェイトが話しかけてきたのでとぼけて見せた。

「いえ、そうじゃなくて・・・ありがとうございました!!」

「へ?」

なんでさ?

「えっと、あの頃私は裁ば・・・じゃなく、ええっと・・・なのは達と会うための手続きとか急いでしようとして焦っていたんです。でもあなたのアドバイスを聞いて一つ一つ落ち着いてできたので・・・」

あ、そういうことね。別に俺のおかげってわけじゃないと思うが・・・

「あはは、別にお礼を言われるほどじゃないよ。」

本当にそうだ、俺はフェイトも裏切ったんだからな・・・。

「あの・・・隆二さん?」

「ん?なんだい、なのはちゃん?」

「何か元気ないみたいですけどどうしたんですか?」

わ~い、まさにその原因に聞かれるとは思わなかった。まさかお前と敵対してるからなんて言えんわな。

「あ~実は少し友達と喧嘩してな。向こうも正しいんだけど俺も悪くないって状況でどうしたらいいもんかとね?」

こう言う事にしておいた。あ、何か皆して考え込ませてしまった!しまったな、せっかくのフェイトの祝いの席(?)だったのに・・・と思ったらなのはが、

「あの・・・実は私も友達とちょっとぶつかっているんです。」

「・・・・・それで、君はどうするつもり?」

俺は気になった。こいつはどんな答えを出したか。この言葉を言った時は自分でも驚くくらい緊張していたのか、のどがカラカラに感じた。いろいろ考えては不安になる。裏切られたとか思ってるんじゃないかとか、そんな事を考える様な子ではないと分かっていても不安になる。でもコイツは・・・・・

「ぶつかり合います!分かり合えるまで!!」

「は?」

なのははあっさりとそう言った。・・・・・なんかコイツに対しての感じていたうしろめたさが馬鹿らしく感じるほどに。少なくともこの一言は俺にとってそう感じてしまうほど大きかった。そうか、こいつはもう決めたんだ、

「ぷっ。」

「あの・・・隆二さん?」

ち、なんだよ。あんなに考え込んでいた自分が馬鹿みたいに思えるじゃねぇかよ。

「あはは、そうだよな、ぶつかり合うのが嫌だからってそこでやめたらそこで終わりだもんな?」

「はい!!」

さて、と。そうと決まったらいつまでもこんな所にはいられんな。

「じゃぁ俺はもう行くよ、答えは得たよ。大丈夫だよなのはちゃん。俺は、これからも頑張っていくから。」

「はい!!私も頑張ります!!!」

そんなどこぞの弓兵の台詞を言って俺は行く。よし、頑張るか。あ、でも今のなのはの話をアリサちゃん達に聞かれたらまずいんじゃ・・・と思ったらまだ考え込んでいた。・・・まぁいいや。



「お、なんやヴィータ吹っ切れた顔になったなぁ。」

家に帰ってきて早々にはやてからそう言われた。はぁ、隠しきれてたと思ってたのは俺だけだったのか。

「ああ、答えは得たよ。大丈夫だよ遠坂。俺は、これからも頑張っていくから。」

朝の夢の事もあってなんとなくそう言ってみた。

「だれやねん、遠坂って・・・」

案の定つっこまれた。



そして、深夜。皆が寝静まった後、俺ははやてがぐっすり寝たのを確認して、寝た。・・・・・じゃなくて起きて家を出た。そして皆が集まっているビルの屋上へと行った。

「来たか。」

「おう。」

「管理局の動きも本格化してくるだろうから、今までのようには行かないわね。」

「少し遠出をすることになるな。なるべく離れた世界での蒐集を。」

「シャマル。今何ページうまってる?」

「343ページ。この間の・・・白い服の子で大分稼げたわ。」

あん?アニメと3ページ違うなような・・・まぁ、稼いでいる俺が違う人なんだ、むしろこの程度の誤差で済んでよかったか。それにしてもシャマル俺に気を使ってるな。ちょっと歯切れが悪かったし。

「あんまあたしに気を使うなシャマル。あたしの問題だ。」

「・・・・・うん、ごめんね。」

「だから謝まんなっつーの・・・とにかく半分過ぎたんだ。登山は半分からが勝負だ!!」

昔小学校の頃あった登山の時に先生が言った言葉だ。

「意味が良く分からんが・・・行くか、もうあまり時間は無い。」

あっさり意味分からんってザッフィー言ってくれました、山見川先生。・・・・・あ、さっき言って小学校の先生の名前な?

「あぁ。」

そう言ってシグナムは懐から剣の形をしたペンダント、そう、待機中のレヴァンティンを出し掲げて叫ぶ。

「行くぞ!レヴァンティン!」

『Sieg. (勝利) 』

続けてシャマルが、

「導いてね、クラールヴィント。」

『Anfang. (起動)』

そして俺が、

「暴れ狂うぜ、グラーフアイゼン!!」

『Bewegung. (作動)』

アニメと違ってちょっとかっこつけてみました。それはさておき、俺達はそれぞれデバイスを起動させ騎士甲冑を展開させた。

「それじゃあ、夜明け時までにまたここで。」

「ヴィータ、あまり熱くなるなよ。」

「ああ、ほどほどに熱くなっておくぜ。」

俺達はそれぞれ魔方陣を展開して転移の準備をする。そして四方に飛び散った。・・・・・四方?シャマル単独行動?マジか!!?・・・・・・・と思ったら念のための管理局に対しての目くらましらしく後でザフィーラと合流したそうな。



一方その頃

エイミィ・リミエッタは時空管理局本局メンテナンススタッフであるマリエル・アテンザからの報告に困惑していた。それは二機のデバイスからの要求、

「(レイジングハート、バルディッシュ。・・・本気なの?)」

そのモニターに映し出されていたのは、部品を要求する文字。

「(CVK-792・・・・・ベルカ式カートリッジシステム・・・。)」

そして、モニターには『お 願 い し ま す』という二機のデバイスからのメッセージが送られてきた。









おまけ

あれはあの中の人ネタな夢を見た時の事

「そういえば俺って今、で●こと同じ声なんだよな・・・」

ふむやってみるか・・・・・俺は猫みたいなポーズをして、

「皆、で●こだ・・・「ヴィータちゃん?」・・・にょ・・・!?」

シ、シャマルゥ!!?

「にょ、にょにょ・・・」

てんぱってる俺は自分でも何を言ってるのか分からない。

「ご、ごめんね?遅いから起こしに来たんだけど・・・ぷっぷぷ・・・・・・あははははは!」

「わ、笑うんじゃにゃいにょ~~~~~!!!」











あとがき

あっさり立ち直ったなのは・・・それについてはフェイトとの事件で成長した証とでも思ってください。ヴィータは・・・基本的にポジティブな性格という事で。(汗)あと、3ページの誤差については特に意味はありません。一人違えば多少のズレが生じると言う意味ですので。むしろうまく調整できたでしょうヴィータは。

後、誤字の探し方とか教えていただいてありがとうございます。・・・それでもまだでそうで怖いですが・・・(汗)

ではでは



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十一話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/03/12 01:30
<はやてside>

AM6:30 八神家 はやての部屋

私は目覚ましの音で目が覚めた。ふと自分が寝ていたベットの隣を見ると布団の中でヴィータが今の音にも気付かずにすやすやと寝ていた。ちょっと前まで無意識のうちにヴィータの布団の中に潜り込んでいたんやけど最近はそういうことがおきへん、何でやろ?なんや眠りがふかいんやろうか?その割にはちゃんとこの時間に目覚ましで起きれるんやけど・・・・・まぁええや。とりあえず私はヴィータを起こさんように車椅子に乗ってそっと部屋を出る。皆の朝ごはんを作らなあかんからなぁ、今日も気合入れんとな!





第二十一話「次への準備となすべき事」





<シグナムside>

「ン・・・・・?」

ふと目が覚めた。どうやら昨日はソファーに座ったまま眠ってしまったようだ。ん?何故毛布が私にかけてある?見てみると前にザフィーラにも同じように毛布が掛けてあった。

「ごめんな。起した?」

この声は・・・主はやて?・・・・・・そうかこの毛布は・・・・・・

「あ・・・いえ。」

「ちゃんとベットで眠らなあかんよ、風邪ひいてまう。」

・・・・・そういえばヴィータにも同じ事を言われたな、主はやてに余計な心配をかける事になるとも言っていた・・・これからは気をつけねば。いつの間にかザフィーラも目を覚まし毛布を畳んでいた、獣型のままで器用なものだ・・・そう思いながら私も毛布と畳みながら言う。

「す、すみません。」

「ふふ、シグナム昨夜もまた夜更かしさんか?」

「あぁ・・・その・・・少しばかり・・・」

そう言うと主はやてはちょっと笑ってまた朝食作りを始めた。私はとりあえず部屋の電気をつけた、その時。

「あ、シグナム。はい。」

そういって主はやてはお盆に載せたコップを私に持ってきた。

「ホットミルク。暖まるよ。」

私はそれを受け取って言う。

「ありがとう・・・・・ございます。」

その心遣いに私の心にしみた。ザフィーラもホットミルクを貰った時、

「すみません、寝坊しました!!」

慌てた様子でドアを開けたシャマル。見てみると少し寝癖がある。

「おはよう、シャマル。」

いつもご飯の支度を手伝っているシャマル。当然いつもは朝食の支度も手伝っているのだがたまに今日みたいに寝坊をしているらしい。慌てながらエプロンを着て主はやてに謝罪の言葉を言う。

「おはよう。あ~もう、ごめんなさい、はやてちゃん!」

「ええよ。」

そんな事がおきてるうちに疲れが溜まってるのか、ヴィータが眠そうな顔をしながら来た。

「ふ~ふふふ♪ふっふっふふん~♪」

何故かノリノリで鼻歌を歌いながら。たまにアイツは理解不能な行動をする。前に聞いてみたらエースのオープニングだと言っていた。

「めっちゃ眠そうやな、でもなんで歌を歌ってるん?」

「眠いから・・・歌でも歌ったら目が覚めるかと思って・・・」

理屈が良く分からん、多分まだ寝ぼけているな・・・・・と言うかそう思いたい。

「もう、顔洗ってらっしゃい」

シャマルがそう言うと。

「うぅ・・・飲むヨーグルト飲んでから・・・。」

「・・・ないわよ。」

「ある・・・昨日こっそり・・・買ってきてる。」

「ほんまにあるよ、シャマル?」

「いつの間に!?」

抜け目無いなヴィータ。(汗)

「・・・つめてぇ・・・」

それは仕方が無い事だヴィータ。





<ヴィータside>

朝食を食べた後俺はザフィーラと共に蒐集行為をするため別次元へと行った。シャマルはカートリッジのストックを作るため家に、シグナムははやての検査の付き添いで病院に行っている。

「・・・・・そういえば、フェイトは今日から学校かな?」

「気になるか、ヴィータ。」

やっべ、声出てた。最近こういうの多いな。

「まぁな~、ちょっとだけ・・・・・っと、獲物見っけ!!」

「かなりの大きさだ、心してかかれ!!」

そこに現れたのはトゲトゲの甲羅をしたでかい亀みたいな生物であった。リンカーコアを持つ魔法生物。

「命名、ガ●ラもどきだ!!ザフィーラ、援護頼むぜ。」

「どうする?」

「ザフィーラの【鋼の軛】で身動き取れなくしてあたしのギガントを確実に当てる。・・・ていうのはどうだ?」

「悪くは無いが今日はまだ始まったばかりだ、消費が少し大きいのではないか?」

む、そう言われれば・・・でかい魔力使うと管理局も感づくしな、なのはは動けんがフェイトやクロノがいるか・・・これからのことを考えると、今日らへんあいつらの特徴を皆に教えとくかな・・・

「ヴィータ?」

あ、いつの間にか別の事考えてたな・・・

「分かった、それなら今回はラケーテン連打でいくか・・・どのみち援護しっかり頼むぞ。」

「ああ・・・」

さて、気合入れるか!

「「うおぉぉぉぉぉおぉぉぉ!!!!」」



そして数十分後、

<ドシィィィン!!>

その激しい音と共にガ●ラもどきは倒れた。俺は甲羅の上で肩で息をしてアイゼンを杖代わりとして立っていた。

「闇の書、蒐集。」

『Sammlung(蒐集)』

ザフィーラが闇の書に命じガ●ラもどきのリンカーコアは蒐集される。その後俺はアイゼンにカートリッジを補充して次の戦いの準備をした。

「今ので、三ページか?」

「ま、でかい図体の割にリンカーコアの質は悪いし三ページが妥当だろうな。」

割に合わんが魔導師・・・人を相手にするよりは気楽だ・・・元一般人の俺にとってはな。

「ところでヴィータ、あの戦闘中に使った魔法は何だ?」

「ん、ちょっと試しにな?」

実は俺は次のあいつ等との接触でクロノが使うであろうスティンガーブレイド・エクスキューションシフト対策の魔法をこの戦闘で使っていた・・・・・といっても実際はクロノのそれの三分の一くらい落とせれば御の字程度だがな。ほとんど気まぐれのようなものだ、ザフィーラに数本刺さるのを防ぐ事になれればと思って考えていた。

「そうか。」

「ま、単なる向上心ってやつさ、んな事より次行くぜザフィーラ。」

「・・・ヴィータ・・・休まなくて大丈夫か?」

「平気だ、たかが戦闘一回でへたれるほどあたしはやわじゃねぇ・・・・・」

そうだ、これぐらいで疲れていたんじゃ・・・本来いるはずだったあの子にあわせる顔が無い。

「ヴィータ?」

「何でもない、行くか。」

そうだろ・・・ヴィータ?





PM5:05

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!?」

「ヴィータ!?」

や、やばい。まさか炎を吐く生物がいるだなんて、油断した。障壁を貫通して右腕が少し火傷した。

「だ、大丈夫だ。こんなの・・・」

『Explosion・・・Raketenform』

「シグナムの炎に比べたら熱くもなんともねぇぇぇぇぇぇ!!」

「鋼の軛!!」

ザフィーラが敵を動けなくする。そして俺はそれに続き攻撃を仕掛ける。

「ラケーテン・ハンマァァァァァァァァァアア!!!」

<グオオォォォォォォォォォオオ!!!>

俺の攻撃をもろに受け敵は完全に沈黙した。

「ザフィーラ・・・収集頼む。」

「ああ。」

『Sammlung(蒐集)』

蒐集を終えザフィーラは俺の元へ来る。

「大丈夫か?」

「ああ、見た目ほど酷くは無い。シャマルならすぐに直せる筈だ。」

「すまん、防御が間に合わなかった。」

「気にすんなあたしの落ち度だ、・・・・・で、今日はもう時間か?」

「ああ、シャマルからも連絡があった。そろそろ帰ってこいとの事だ。」

「OK、で?今日は計何ページだ?」

「8ページだ、我々だけで動いたのだ充分であろう。」

「だな、シグナムは今日はやての付き添いで動けなかったし。」

「む?どうやら来たようだな?」

「あん?」

見てみると転移魔法で誰か来る事が確認できた、これは・・・

「シャマル?」

「俺が呼んだ、その腕のまま家に帰るのは辛かろう。」

そうこうしてる内にシャマルがその姿を、

「ヴィ、ヴィータちゃん!!?」

現した瞬間叫んだ。うっせなー火傷に響くだろ!?

「見た目ほどたいした事じゃないから心配するな、治療頼む。」

「え?ええ。」

そう言って急いで俺の治療を始めた。別に慌てんでも・・・俺も大分痛いの我慢できるようになったし。大学生の頃なら未だに叫びまくってただろうな。(汗)



その後治療を終えた俺は二人と一緒に家に帰った。家に帰るとはやてが夕食の準備をしていた。そして、

「いったっだきま~す♪」

うん、今日もよく動いたのでおなかがすいた。飯が美味い!

「でな~今日すずかちゃんと図書館でな~」

はやては今日あった事を話している、友達と交友を深めるのはいいことだな。あ、はやてには俺の・・・【ヴィータ】の名を伏せてもらっている。理由は隆二の姿で助けた事があってボロ出してややこしい話にしたくないとか適当なこと言って誤魔化しているが、実際はお察しのとおりなのは関係である。あいつがすずかちゃんやアリサちゃんに俺の事を話してる可能性があるしな。
ちなみにすずかちゃんがはやての家に来る時は隆二の姿で適当に誤魔化すつもりだったけど何か適当に名前をつけて誤魔化すとか何とか・・・。近所の大学生で偏食ばっかで見ていられんかったとかはやてに言ってもらう予定だったがまぁいいか。でも、それはそれでなんかややこしい事になりそうな気もするが・・・

「も~、ヴィータ?ちゃんと聞いとるん?」

「あはは、ごめんごめんはやての料理が美味しくてつい夢中になって。」

「あはは、嫌やなぁ。そのいい訳これで六回目やで?」

うん、負けたって泣かないもんね!!

「あ、せや。石田先生が微妙兄ちゃん最近見ないって心配しとったよ?」

「あ~出席日数稼ぎとか言っといてくれ。」

その後ひと時の平穏が続いた。





その日の深夜とあるビルの屋上にて、

「さて、今日も行くか。」

「待てシグナム。その前に管理局の主戦力についてを教えておきたいんだけど?」

「む、それは・・・」

「シグナム、この世界には『敵を知り、己を知れば百戦危うからず。』と言う言葉がある。」

「そうね、前もって特徴を理解してちゃんと心構えをしておくのも悪くないと思うわ。」

いや、その前にザフィーラどこでんな言葉覚えた?

「んじゃまず、フェイト・・・フェイト・テスタロッサ、前にシグナムが戦った奴な?アイツは射撃と近接攻撃を得意としている、特にことスピードに関しては目を見張るものがある。」

「テスタロッサはなるべく私が相手をしたいのだが・・・」

ほう・・・やっぱフェイトはお気に入りかシグナム。

「心配しなくたって多分そうなるぜ、アイツも結構負けず嫌いなとこあるし。」

三期じゃ結構言われてたしな。

「次に前に蒐集した白いあく・・・もとい、服の奴は基本固定砲台ってとこだな。ま、馬鹿みたいに突っ込んでくる時もあるが・・・ありえん距離でも砲撃とばすから気をつけろ、つっても多分基本あたしの相手になるだろうが・・・・・」

「ヴィータちゃん・・・本当に大丈夫?」

「ああ、覚悟は決めた。今度こそもうあんな顔で戦ったりはしない。」

「・・・・・それで、俺の相手はあの守護獣か・・・」

「ああ、多分そうなるだろうな。あいつは力押しばかりで体術はお前に劣るが力はいい勝負だ油断すると命取りになる。」

「心得た。」

「シャマルは・・・・・いいや。」

「な、なんで!!?」

「戦うか?」

「バックアップは任せて!!」

変わり身早いな。

「よし、では今度こそ行くか。」

「あぁ、そうだな。」

「えぇ。」

「うむ。」

そして俺達は散った。・・・・・あ、クロノとユーノのこと忘れてた。次の事考えるとクロノのこと後でシャマルに一応言っておくか。ユーノは・・・いいや♪(おい!)





そしてそれから数日の日々が経った。その日々の中でそれぞれがそれぞれの思いで行動をしていた。なのははユーノと共に魔法の訓練及び治療を、フェイト、クロノ達は闇の書データ収集を、蒐集行為をしていない時の守護騎士達は、シャマルはカートリッジの補充を、シグナムはレヴァンティンを振り鍛錬を、ヴィータは今開発中の魔法の調整と共になるべくはやてと話をするよう心がけ、ザフィーラはそんな彼女達を見守っていた。

そして、





「ちっ!」

「囲まれたか!」

俺とザフィーラは今管理局の連中に囲まれている。となると、クロノのアレが来るな?今のうちに準備をするか。

「管理局か・・・。」

「・・・・・・・。」

「ヴィータ?」

「どうだ執務官?魔力刃の形成は・・・充分か?」

そして俺は上を見上げる。いつの間にか俺たちを囲っていた連中は離れていた。そして俺の言葉に気付いてザフィーラも上を見上げる。そこにはクロノが無数の魔力刃を展開していた・・・100はあるな(汗)

「気付いたか、だがもう遅い。スティンガーブレイド・エクスキューションシフト!!」

無数の魔力刃が俺たちを襲うザフィーラは咄嗟に俺を庇って障壁を張る。そして俺は、

「こっちもいくぜ!シュワルベフリーゲン・ガトリングシフト!!」

俺のザフィーラの張った障壁の上に展開した魔方陣から無数の銀弾が向かってくる魔力刃目掛けて連続で出る形で飛ぶ。もっともガトリングなんて言ってるがこの調子じゃ三分の一どころか四分の一落とせればいいほうか、囲まれてすぐ準備してたのになぁ・・・これがベルカとミッドの差か?だが、アニメでは三本しかザフィーラの腕に刺さってなかった。つまり四分の一も落とせれば、

「障壁が抜かれる事は無い!!」

ぶつかり合う銀弾と魔力刃、そして障壁。その結果激しい爆音と煙が辺りを覆った。そして煙が晴れたその時、クロノが悔しそうに呟く。

「まさか・・・一本も通らないとは・・・・・」

ザフィーラの障壁は今だ健在だった。

「礼を言うヴィータ。」

「気にすんな。どうせあたしが何もしなくても数本程度しか通らなかったろうぜ?」

実際そうなんだがな・・・ん?そんなこといってる間になんかクロノの奴俺たちから目を逸らして・・・・・・・・・あ、あれは!!?

「なのは、フェイト!!?」

二人がビルの上に立っていた。その人には強い意志の光が宿っていた。

「レイジングハート!」

「バルディッシュ!」

「「セーット・アップ!!」」

二人は待機中のデバイスを掲げて叫ぶ。だが二人は光の柱に包まれ宙へと浮かんだ、いつもと違う雰囲気に驚く二人。だが、その二人を置いていくかのように二機のデバイスは何かを始める。一応聴力強化と通信傍受しておこう、詳しく知りたいし。

『Order of the setup was accepted.』

『Operating check of the new system has started.』

『Exchange parts are in good condition, completely cleared from the NEURO-DYNA-IDENT alpha zero one to beta eight six five.』

『The deformation mechanism confirmation is in good condition.』

もはや俺にはなに言ってるか分からん。

「え?こ、これって!?」

「今までと・・・違う?」

そんな二人にエイミィからの通信が入った。

『二人とも、落ち着いて聴いてね?レイジングハートもバルディッシュも、新しいシステムを積んでるの。』

「新しい・・・システム?」

『その子達が望んだの。自分の意思で、自分の想いで!』

その言葉に二人が息を呑む。

『呼んであげて。その子達の新しい名前を!』

『Condition, all green. Get set.』

『Standby, ready.』

「レイジングハート・エクセリオン!!」

「バルディッシュ・アサルト!!」

『『Drive ignition.』』

そして二人はさらに強い光に包まれ新たな力を手にする。ちなみにまた生で変身シーンを見ることはできんかったがな。(笑)その光が収まった時二人のバリアジャケットは展開を完了していた。

「ヴィータ・・・あれは・・・」

「ああ、多分お前の想像通りだろうぜ。」

二人は新たな力が・・・カートリッジシステムが搭載されたデバイスを構える。

『Assault form, cartridge set.』

『Accel mode, standby, ready.』

さてさて、気合を入れないとなぁ!!









魔法解説

シュワルベフリーゲン・ガトリングシフト―――――ヴィータの新しく編み出した魔法。魔方陣からガトリング砲のように次々と飛び出すことからガトリングシフトとつけたらしい。本来のシュワルベフリーゲンと違ってヴィータが直接打ち出さないせいかスピードが若干遅く本来の誘導弾としての機能は失われ完全な直射型となってる。その上クロノよりも早く準備をしていたにもかかわらずクロノのスティンガーブレイド・エクスキューションシフトの四分の一しか準備ができていなかったことを見るとあまり使い勝手のよい技ではない。完全に気まぐれで作った魔法である。







おまけ・・・・・・本日はNGシーン(ボツシーン)



「レイジングハート!」

「バルディッシュ!」

「「セーット・アップ!!」」

二人は待機中のデバイスを掲げて叫ぶ。だが二人は光の柱に包まれ宙へと浮かんだ、いつもと違う雰囲気に驚く二人。だが、その二人を置いていくかのように二機のデバイスは何かを始める。・・・・・なんか長くなりそうだな。そう思い俺はどこからか缶ジュースを出す。

「ほれ、ザフィーラ。」

「ム、・・・すまん。」

うむうむ、コイツもなんか付き合いよくなったな。

「今日の晩飯なんだろうな?」

「ふむ、たしか主のご友人が来ると聞いているが・・・。」

「あ~そうだったな・・・名前違う振りしないとな・・・。」

「そうか・・・俺としては肉が食べたいな・・・・・」

「あはは~狼だもんな~・・・あ、もう一本飲む?」

「うむ、いただこう。」

「でもさ~「ヴィ、ヴィータちゃん!!」・・・ん?」

ふと見るとなのは達が構えていた。

「あ、終わった?」

「ちょ、そんな軽そうに言わないでよ~~~!!」

そんな少女の声が夜の空に響いた。









あとがき

最近シャマルの扱いが書いてて酷くなっていく感じがする。まぁそれも彼女の個性(?)と言う事でw

あと今更ですがこれよりトリップを統一します。つか遅すぎた。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十二話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/01/06 20:54
<はやてside>

私は今シャマルといっしょにスーパーで買い物をしている。今日はすずかちゃんが家に来てくれていっしょに夕食を食べてくれるから気合入れんといかんなぁ。

「そやけど、最近皆あんまりお家におらんようになってしもたね?」

「っあ・・・え、えぇ、まぁ、その・・・なんでしょうね?」

何気なく言ったら案の定シャマルは困ってもうた。あかん、フォローしなくては・・・

「あぁ、別に私は全然ええよ。皆が外でやりたいこととかあるんやったら・・・それは別に・・・」

「はやてちゃん・・・」

「それに、私は元々一人やったしな。」

せや、皆せっかくやりたい事見つけたんや、私の我侭で縛ってしまうわけにはいかへんから・・・でもヴィータに関しては心配やなぁ~前にも何か危ない事してたみたいやし・・・そう思っていると、

「はやてちゃん、大丈夫です!今は皆忙しいですけど。その、すぐに・・・きっと。」

シャマルが必死にそう伝えてきてくれた。・・・うん、

「そっか、シャマルがそう言うならそうなんやね。今日はすずかちゃんも来てくれるし、お肉はこんなもんかな?」

「はい。」

そういいながら私はシャマルにお肉を渡して買い物かごに入れてもらった。

「外は寒いし、今夜はやっぱあったかお鍋やな?」

「はい。」

その後私達は買い物を済ませて外に出た。今はシャマルが買った食材を持ってきたかごに入れてくれている。外は寒く私の息も白くなっている、私は手に息を吹きかけふと夜空を見上げた。

「皆も、外でさむないかな?」

その言葉と同時に思ったこともある。ヴィータは大丈夫やろう、子供は風の子やしなぁ・・・。なんてな、あはは♪





第二十二話「動き出した介入者・・・いや、俺も介入者といえばそうなんだけどな?」





<シグナムside>

「強装型の捕獲結界。ヴィータ達は閉じ込められたか。」

私は今結界の上空に浮かびながら考えている。捕縛を目的に特化した結界だ、入る事はそれほど苦ではないが出ることを考えるとなると・・・

『Wählen Sie Aktion.(行動の選択を)』

「レヴァンティン、お前の主はここで引くような騎士だったか?」

『Nein.(否)』

「そうだレヴァンティン、私達は今までずっとそうしてきた!」

そうだ、今更何を迷う必要がある。ヴィータは主のためにと友とさえ戦う道を選んだのだ、ならば私も自分のなすべき事に全力を尽くすのみ!!私はカートリッジをロードさせレヴァンティンに炎をまとわせて構える。待っていろ、ヴィータ、ザフィーラ!!





<ヴィータside>

「私たちは、あなた達と戦いに来た訳じゃない。まずは話しを聞かせて。」

「闇の書の完成を目指している理由を教えてヴィータちゃん!」

おいおい、ぶつかり合うって言ってたじゃねえかよこの前。子供だから仕方ないけど考えが甘いんだよ!前に俺も大人しく蒐集される振りして不意打ちくらいそうになった事もあるからな、心配だな・・・一応あれ言っとくか。

「あのなぁ二人とも・・・ベルカの小話のオチにこんなのがあるんだが、『和平の使者なら武器を持たない』ってな!!」

「それを言うなら『槍を持たない』だ。」

「いいんだよ、分かりやすく言ってるんだからよ・・・・・で、この意味分かるか?」

なのはとフェイトはお互いの顔を見合って首を傾げた・・・もうちょっと考えようなぁ・・・

「だから今のお前達のように話し合いとか言いながら武器持つなんて矛盾してるだろうがって意味だよ、文系駄目コンビめ!!」

「な、何で知ってるの・・・ていうか、有無も言わさずに襲っておいてそれは無いんじゃないのヴィータちゃん!?」

おし、敵味方に分かれたがこんな言い合いもしていられる。もう迷わない、なのはとだって戦えそうだ。

「聞~い~て~る~の~~!!」

むしろいつも通りすぎな気がする、なのはよ・・・

<ドゴォォォオォオォォォ!!!>

いきなり激しい轟音とともに紫の閃光がなのは達の向かいのビルに落ちてきた。あれは・・・

「シグナム・・・」

フェイトはそう呟いた。ふむ、やはりフェイトのほうもシグナムが気になる様子だ。

「ユーノ君、クロノ君、手出さないでね!私、ヴィータちゃんと一対一だから!!ぶつかってくるならぶつかり合うって決めたから!!!」

わ~い、余計な決心つけちゃったかもあの子・・・まさに話し聞かなきゃぶん殴るってやつか・・・いや、なのはの場合『砲撃』と書いて『説得』と読むってか?

「マジだね・・・クロノ?」

「・・・・・・。」

ユーノの問いかけに何故か反応しないクロノ。あん?何かクロノの様子が可笑しいな?

『アルフ・・・私も・・・彼女と・・・』

そうアルフに念話しながらフェイトはシグナムと睨みあっている。シグナムに煽り過ぎたかも、シグナムの奴目がマジだ・・・

「ああ、私も野郎にちょいと話がある。」

そう言いながらアルフもザフィーラを睨みつける。そしてザフィーラも少しそれに反応を示した。

『なのは、別に一対一は構わないが僕に少し時間をくれ。』

『ク、クロノ君!?』

は?何このなのはとクロノの念話のやり取りは?そう思っていると・・・

「ヴィータァ!!」

クロノが俺に向かって叫んできた。なんでさ?

「何だ?その位置からだとあたしのパンツが見えるとか・・・」

「違う!!」

真面目な顔をしてクロノが叫ぶ。あ、何か懐かしいなこういうシーン・・・

「君は前に僕に言った『執務官としてではなく【クロノ・ハラオウン】としてはどうなんだ』と、今度は僕が君に聞こう。今までの行為は君の・・・【ヴィータ】としての意思なのか!!?」

ま、まさかクロノにそんなこといわれるとはな・・・いかん結構頭にきてるぞあれ・・・

「あ、当たり前だろーが、あたしが誰かの命令でんなことするはずねぇだろが、堅物執務官!!」

あ、やっべ張り合ってつい叫んでしまった。まずい・・・一対二とかにならないよな?

「・・・そうか、ならもういい・・・なのは、後は任せる。」

「え?あ・・・うん!」

何かあっさり引く下がった。な、なんだったんだ!?その後クロノはユーノと念話をしているが傍受疎外をかけ始めたらしく何を話しているか分からなかった。まぁ、予想はつくが・・・

『Master, please call me “Cartridge Load.”(マスター、『カートリッジロード』を命じてください)』

痺れを切らしたのかレイジングハートがなのはに催促をする。

「うん・・・レイジングハート、カトリッジロード!!」

『Load Cartridge. 』

レイジングハートにカートリッジをロードさせて魔力を補充してなのはは構えなおす。

『Sir?』

「うん、私もだね・・・バルディッシュ、カートリッジロード!」

『Load Cartridge』

続けてフェイトもカートリッジをロードさせる。

「デバイスを強化したか・・・気をつけろヴィータ。」

「あぁ・・・心得た。」

思わず硬い言葉で返した。いやまじで気をつけないとな、フルドライブについてはまだエイミィに聞いてないはずだがアイツは感覚で魔法を組むやつだからあんまり追い詰めすぎると勘でやりかねん・・・

そしてシグナムが無言で構えるのを合図に・・・全員それぞれの目的の相手と戦うのために空へと飛ぶ閃光となった。俺の後にはやはりなのはが追ってきた。とりあえずあの台詞を・・・

「ふん。結局やんじゃねふぇか!」

あ、風圧に負けて舌噛んじまった!

「私が勝ったら、話を聞かせてもらうよ。良いねヴィータちゃん!!!」

「やだ!!」

「わ、我侭言わないの!!」

さてどうする?この前は最後以外アニメ通りに動いたつもりだが・・・今回はアニメのヴィータのように舐めてかかってシールドにひびが入っていく恐怖を受けるつもりはないし(想像しただけでも怖い)・・・それなら・・・

「舐めてかかったりはしねぇ・・・最初っから全力でいくぜなのはぁ!!」

「負けないよ、ヴィータちゃん!!」

「上等、アイゼン!!」

『Schwalbefliegen』

「はぁっ!!」

俺は銀弾を四つ精製して打ち出す。

『Axelfin.』

当たる瞬間に高速移動魔法をかけて上へとかわすなのは。そして俺はシュワルベフリーゲンに指示を出しなのはに向けて再び四つの銀弾は飛ぶ。だが、

『Protection Powered』

すぐにプロテクションを発動させたレイジングハート。結果銀弾は四つともぶつかっては粉砕してしまった。

「もういっちょ!!」

『Schwalbefliegen』

もう一度銀弾を四発放つだがまたも粉砕してしまう。

「・・・思った以上に硬いな。」

「本当だ・・・」

自分のプロテクションの硬さに驚いているなのは、だがなぁ!!

「アイゼン!!」

『Explosion Raketenform!!』

「ラケーテン・ハンマァァァァア!!」

カートリッジをロードさせて俺はなのはに向かって飛びアイゼンを振りかざしプロテクションとぶつかり合う、そして・・・

<ピキィィ・・・>

「うそ!?こんなに硬くなったのに!?」

「馬鹿が、あたしがただ適当にシュワルベをぶつけたと思っていたのか!?」

「ど、どういう・・・」

「前の二発とさっきの四発は全部一点だけを狙ってたんだよ、ついでに言うと今の一撃もなぁ!!」

さらに力を入れる俺それに比例するかのようにひびは大きくなっていき割れる寸前になったが、

『Barrier Burst』

咄嗟にレイジングハートはバリアを爆発させ、俺にダメージを与えると同時に爆風と共になのはは距離をとる。ちっ、忘れてたぜこれの事ちょっと痛かったな。

『Let's shoot it, Accel Shooter. (アクセルシューターを撃ってください)』

「うん。アクセルシューター!」

『Accel Shooter. 』

まず、体制が崩された内に攻撃のチャンスを与えてしま・・・って、

「何じゃこりゃぁ!!」

なんかありえんぐらいの数の桃色の光が飛び出してきた。あれ全部本当に誘導弾か!?俺なんて4つ同時が今やっとなのに3倍はあるぞあれ!?

『Control, please. (コントロールをお願いします)』

レイジングハートはなのはにそう伝える。

「おいおい、マジで全部制御できんのか!?」

俺はとりあえずその場を離れなのはの周りを飛びながら問いかける。なのはは目を瞑って集中している。

『It can be done, as for my master.(出来ます。私のマスターなら)』

「ほぅ・・・言うじゃねぇかレイハさん?」

ちょっと悪戯を思いついた。

「どうせならあと4つ増やせよ、できるだろ?」

『・・・・・・』

「ヴ、ヴィータちゃん!?レ、レイジングハートもなんで黙ってるの?こ、これ以上は無理だよ~!!」

なのはは慌てて目を開いて言う。あ、誘導弾が変な方向に・・・

『・・・Yes, sir.』

「な、なんでバルディッシュ風!?」

一瞬やる気だったなアイツ・・・

「も、も~許さないんだからヴィータちゃん!!」

そう言って再びコントロールを始めるなのは12個の光が俺目掛けて飛んできた。

「や、八つ当たりじゃねぇか!!」

『Pferde』

俺は高速移動魔法をかけて不規則な動きを始める。なのはがこの全てをコントロールできないと最初っから決め付けるつもりは無いが、全部完全にできるとも思ってない。こうする事で必ず動きに追いつかないものが出てくる、それを見逃さずに一つ一つアイゼンでぶっ叩いていく。数が少なくなるにつれて本来ならばより不規則な動きが可能になるはずだが、減っていくアクセルシューターに焦りを感じたのか早さを追求するあまり動きが単調になってしまっている。

「(6・・・5・・・4、よし。あとは4つ)」

それなら、

『Explosion Schwalbefliegen』

おれはカートリッジで強化したシュワルベフリーゲンを使い残り4つのアクセルシューターを相殺させる。

「・・・っ!!?」

「焦りすぎだば~か!!・・・で、もう降参するか?」

「ま、まだまだ。誓ったの、分かり合えるまでぶつかり合うって!!」

「へ、上等だぁ!!」

そうだなまだ始まったばっかだ、

「いくぜなのは・・・」

そう叫ぼうとした時誰かの声が聞こえた、ふと見ると。

「・・・・・・殺さずに済ます自信はない。この身の未熟を、許してくれるか?」

「構いません。勝つのは、私ですから」

なんかフェイトとシグナムが肉眼で確認できた、でもこっちには気付いていない様子で楽しそうにぶつかり合っている。いかん!いつの間にかこんなところまで来てた、そういえばなのはも離れて行く俺に焦って一旦制御やめて追って止まって制御再開を繰り返していたからなぁ・・・・・。

「あ~戦い再開する前に一旦離れるぜ・・・巻き込まれたらひとたまりもねぇ・・・」

「え?う、うん・・・そ、そうだね?」

あ~、ったく~・・・せっかく盛り上がってきたのになんか萎えたじゃねぇか!!

「ね、ねぇ。今なら話し合いで・・・。」

「気持ちは分かるが駄目だ!」

「えぅ・・・・・。」

な、なんだよ!この冷めた空気?俺は悪くないぞ!!?





<ザフィーラside>

「うぉぉぉぉ!!」

「ぐおぉぉぉぉお!!」

俺は今敵の守護獣の拳をクロスした腕でガードしていた。なんという力だ!ヴィータが言っていただけのことはある!!

「デカブツゥ!あんたも誰かの使い魔か!?」

「ベルカでは、騎士に仕える獣を使い魔とは呼ばぬ!!主の牙、そして盾。守護獣だぁぁあ!!」

「同じような、もんじゃんかよぉぉぉぉぉぉぉお!!」

行き場の無い溜まった魔力が爆発を起こし俺はやつと一旦距離をとる。まずいな・・・誰一人欠けることの許されないこの状況下でこれ以上の戦いは・・・

『状況はあまり良くないな。シグナムやヴィータが負けるとは思わんが、ここはひくべきだ。

シャマル、何とかできるか?』

俺はシャマルに念話をする。

『何とかしたいけど、局員が外から結界維持してるの。私の魔力じゃ破れない、シグナムのファルケンか、ヴィータのギガント級か例の新技の魔力を出せなきゃ・・・』

だが、二人は動けん状況だ・・・仕方が無い、苦渋の選択をしなくてはならないな・・・

『二人とも手が放せん。やむをえん、あれを使うしか・・・』

『分かってるけど、でも!っあ!?』

!?な、なんだ!?

『シャマル?どうした、シャマル!?』

だがシャマルからは何の返事も無い。

「くっ!?何が起こって・・・っ!!?」

「よぉ・・・余所見とはいい度胸だね?デカブツゥ!!!」

拙い、シャマルの状況が分からん・・・とにかく少しでも早くこいつを倒さねば・・・

「うぉぉぉお!!!」

「うらぁぁあ!!!」



<シャマルside>

『シャマル?どうした、シャマル!?』

私は焦っていた。結界が破れないことに・・・私はバックアップが本職。とてもではないけど結界破壊なんて荒業はむいていない。でも私が何とかしないと・・・その思い故に私は周囲への警戒を忘れてしまっていた。もはやザフィーラの念話にさえ答えれる余裕は無かった。なぜなら・・・

「捜索指定ロストロギアの所持、使用の疑いであなたを逮捕します。」

たぶん頭にデバイスを突きつけられている・・・ヴィータちゃん達にも絶対一人の時は周りに見つからないようにしろって言われてたのに・・・しかもこの声は確か前にヴィータちゃんの変身魔法と声帯模写魔法を使って教えてもらった時にあった人・・・

「クロノ・・・ハラオウン・・・執務官?」

「ほぅ・・・ヴィータに聞いていたか?だが残念ながらアナタとは世間話をしに来たわけではない。」

だめ、名前を当てても動揺一つしない。隙が無い・・・攻撃力のあまりない私じゃ勝てない!!

「ヴィータの仲間に僕も手荒な真似はしたくは無い。抵抗しなければ弁護の機会があなたにはある。同意するなら武装の解除を。」

そんな!ここで終わりなの!?いや・・・いやぁ・・・シグナム、ザフィーラ、ヴィータちゃん、・・・はやてちゃん!!!皆の顔が思い浮かぶ。そんな時、

<ザッ!!>

「え!?」

「な!?」

「ふっ!!」

何かの音が鳴ったと思ったら執務官の子が誰かに蹴り飛ばされていた。

「がぁ!!?」

執務官の子はビルに叩きつけられ、そしてさっきまで執務官がいた場所には白い服を着た仮面をつけた男性がいた。だ、誰なの・・・この人!?

「あ、あなたは?」

「使え。」

「え?」

「闇の書の力を使って結界を破壊しろ。」

な、何言ってるのこの人!?

「使用して減ったページはまた増やせばいい。仲間がやられてからじゃ・・・遅かろう?」

「っ!?」

私は手に持つ闇の書を見ながら思う。何で知っているの、何で協力してくれるの?疑問しか浮かんでこない。・・・でも今は・・・

「なにをしている・・・さぁ!」

そう・・・誰かが欠けることは嫌だから、皆ではやてちゃんと一緒にいたいから!!私は決心して言う。

『皆、今から結界破壊の砲撃を撃つわ!上手くかわして、撤退を!!』

『『応!!』』

?ヴィータちゃんの返事が無い!?

『ヴィータちゃん!?なにかあったの!?』

『・・・なんでもねぇ了解した!!』

も~!!ひやひやしたじゃない!!・・・・・気を取り直して、私は魔方陣を展開させて集中する。

「闇の書よ・・・守護者シャマルが命じます!眼下の敵を撃ち砕く力を・・・今ここに!!」

結界の上空に徐々に大きな雷雲その中心に黒い魔力の塊が発生していく。そして、

「撃って!破壊の雷!!」

『Beschriebene.』

黒い莫大な雷撃は放たれた!!





<ヴィータside>

『・・・なんでもねぇ了解した!!』

ちっ、今頃リーゼの片割れがいると考えてたら返事が遅くなっちまったな・・・

「ヴィータちゃん!!まだ終わってないの!!!」

なのはがデバイスを構えて叫ぶ。もうすっかりカートリッジを使いこなし始めている。本当に信じられん成長スピードだ・・・

「いや、今日は終わりだ。」

でも俺はあっさり言う。だって本当にもう終わりだもん!!

「え?えぇ!!?」

「あ~、うっせ~な~。もうすぐでかいのが来て結界が破壊されるって言ってんの!!これ以上やってあれに巻き込まれて直撃すると拙いんだよ!!」

「え?じゃぁ・・・」

「あ、そうだ。暇つぶしに聞いておきたいんだけど、何でクロノの奴あんなこと言ってたか分かるか?」

ど~にも気になっていた。何であんな事いてきたのか・・・

「ん~よく分からないけど『僕にあんなにえらそうな事言っておいて自分は立場から逆らえないとか言ったら許さない』とか言ってたけど・・・どういう意味か分かる?」

あ~なるほどね・・・俺がもう守護騎士プログラムって知っていると。で、それを言い訳にするようならムカつくって言うところか?結構分かりやすいこといってるな?

<ドガァァァァァァァアァァァア!!!!!>

「ちっ、今度こそ時間切れだな・・・おい!あたしはヴォルケンリッター鉄槌の騎士、ヴィータ。あんたの名は?」

「へ?知ってるし、教えたでしょヴィータちゃん?」

素で返すなぁぁぁぁあ!!!

「バカヤロォ!!こういうのは一応やっとくもんなんだよ!!アホ!!!」

セオリーだろーが!!

「え?えっと・・・じゃぁ・・・なのは、高町なのは!!」

「そうか・・・次も負けねぇぞ?」

「こっちだって、次こそ話し聞かせてもらうからねヴィータちゃん!!」

「やってみろ、・・・だが今は皆と合流して固まっとけ、じゃぁな!!」

そう言って俺もシグナムとザフィーラの元へ行く。

「二人とも3人囲むでかいバリアを張るからその内側に障壁かシールド頼む!!」

「分かった。」

「心得た。」

「よし、アイゼン!!」

『Panzerhindernis』

俺達はそれぞれ防御魔法を使い余波に巻き込まれないようにして収まると同時にその場を離れた。



家に着いた俺たちだがそこにはやての姿は確認する事ができなかった。まぁすずかちゃんの家にいるんだろうけど・・・

「主はやて!!?い、いったいどこに!!!」

「ま、まさか管理局に!!?」

「ば、馬鹿な!?いつの間にこの場所が!!」

シャマルとシグナム現在混乱中。

「ヴィータ?」

「あん?どうしたザフィーラ?」

「これがテーブルの上に置いてあった。」

そう言ってザフィーラはメモ用紙を俺に渡した。はやての字で内容はもちろんすずかちゃんの家に呼ばれたので行きますと鍋の材料は冷蔵庫にあると言う事であった。

「おい、二人とも落ち着いて・・・・・・」

「お、おおお落ち着けるわけ無いでしょ!!」

「みんなすぐに管理局に殴りこみに・・・」

「落ち着けーーーー!!!」

そう叫んで二人の胸を揉んでやった。な、なんというボリュームだ!!はやての気持ちがちょっと分かって・・・ゴホン!!それは置いておいて・・・・・俺も大きい胸が欲しい・・・・・でもなくて!!

「ヴ、ヴィータちゃん!!?」

「な、なにをするヴィータ!!」

二人は胸を押さえ顔を赤くして言う。んで俺は、

「ええからこれ見んかい!!」

そう言ってメモ用紙を見せた。

「よ、よかった~~~!!」

「あ、ああ!!」

「でも、寂しい思いをさせたにはかわりないんだ・・・シャマル、電話してやれ。」

「え?そ、そうね・・・・・」

そう言ってシャマルは電話をする。しばらくして、

「はい・・・それじゃぁリィータに。」

なんだよリィータって!!おい、何故俺のところに来る!?

『なんだよリィータって!!』

念話で聞いてみた。

『ヴィータちゃんの偽名よ、前にすずかちゃんに名前を出すなって言ってたからこういう名前になったの!いいから早く電話に出て!!』

あ~なんかややこしい事に・・・ま、いいか・・・

『あ、もしもしヴ、・・・リィータ?』

「あ、はやて・・・そのごめんな?」

『ええよ、それより外は寒かったけど風邪とか・・・・・』

その後しばらくはやてと会話した後にシグナムと変わった。そういえば今頃なのは達は守護騎士について聞かされてるんだろうな・・・・・





<クロノside>

「問題は、彼らの目的よね?」

「えぇ、どうも腑に落ちません。彼らはまるで、自分の意思で闇の書の完成を目指しているようにも感じますし・・・」

なのはとフェイトがそれぞれのデバイスの説明をエイミィにうけたあと、僕とかあ・・・リンディ艦長は意見を出し合っていた。そう、何故彼らは自分達の意思で完成を目指しているのか、たしかにヴィータ個人で考えると誰かの命令で強制されることなんて考えられないが、それ以前にそもそもヴィータを含めた彼らは・・・・・

「え、それって何かおかしいの?闇の書ってのもようはジュエルシードみたいにすっごい力が欲しい人が集めるもんなんでしょ?だったら、その力が欲しい人の為にあの子達が頑張るってのもおかしくないと思うんだけど・・・。」

アルフがこの会話に疑問を持って僕達に言う。その疑問に僕と艦長が答える。

「第一に、闇の書の力はジュエルシードみたいに自由な制御の利くものじゃないんだ。」

「完成前も完成後も、純粋な破壊にしか使えない。少なくとも、それ以外に使われたという記録は一度もないわ。」

「そっか・・・・・でも、それならなんだってヴィータは・・・・・」

ヴィータか・・・やはり話しておくべきだろうな・・・

「それからもう一つ。あの騎士たち、闇の書の守護者の性質だ・・・」

「クロノ・・・それは・・・」

艦長がためらうのも分かる、ヴィータに関しても重要な事だ。だからこそ・・・

「いえ、話しておきましょう。知っていたほうがいい・・・」

「・・・・・そうね・・・・・」

「ちょっと、結局なんなんだい?」

「ああ、彼らは人間でも使い魔でもない」

「え!?」

「ど、どういう意味・・・?」

なのはとフェイトが驚愕の声を上げる。この中でもヴィータと一番仲のよかったなのはには少し重い事実かもしれないが・・・

「闇の書に合わせて、魔法技術で造られた擬似人格。主の命令を受けて行動する、

ただそれだけのためのプログラムに過ぎないはずなんだ・・・」

僕は言うヴィータを含めた彼らの真実を・・・・・









おまけ

「・・・あ、これもういいんじゃねぇか?」

「待てヴィータ。それはまだ煮えていない。」

「い、いいじゃねぇか。ちょっとくらい!」

「・・・・・・。」

だがシグナムは無言で睨む。今俺達は鍋を食べてるんだがはやてがいないせいもあってシグナムがしきっていた。こいつははやてに『食通』と言われたこともある・・・そして今シグナムは鍋奉行となっていた。

「わ、わかったよ・・・」

シグナムの気迫に負けて引く俺。そして、

「シャマル、何をしている?」

「え?味が薄いからちょっと・・・」

「余計なことをするな。せっかくの食材が無駄になる。」

「そ、そんな言い方!!」

「・・・・・・・・。」

「・・・・・ごめんなさい。」

あっさりシャマルも負けた。その後美味しくはあるがどこか気まずい食事が続いた。はやて・・・カ~ムバ~ク!!!!!







あとがき

ヴィータが何か吹っ切れすぎな気もするけど、まぁ基本的に楽天的な子ということで。(汗)あとクロノがなんかヴィータに対して突っかかり過ぎなきもしましたが溜まっていた不満が爆発した程度に考えてください。




[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十三話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/05/23 03:00
<なのはside>

突然言われた事に私は理解できなかった。ヴィータちゃん達が人じゃない?それって・・・

「あの、 使い魔でも人間でもない擬似生命っていうと、私みたいな・・・」

「違うわ!!」

フェイトちゃんのその言葉にリンディさんが咄嗟に言った。うん、私もそう思う。

「フェイトさんは産まれ方が少し違っていただけで、ちゃんと命を受けて産み出された人間でしょ?」

「検査の結果でも、ちゃんとそう出てただろ?変なことを言うものじゃない。」

「はい、ごめんなさい・・・。」

リンディさんとクロノ君がそう言った後、フェイトちゃんは謝った。

「そうだよ、フェイトちゃん。そんな事言ってるとヴィータちゃんにデコピンされちゃうよ?」

「あ、うん。そうだね、なのは・・・。」

私がそう言ってフェイトちゃんが答えた後今度はエイミィさんが話を切り出してくれた。

「それじゃぁ、モニターで説明しよっか!」

モニターに映し出されたのはロストロギア・闇の書と四人の守護騎士の映像でした。・・・でもなぜかヴィータちゃんのだけ口いっぱいにご飯をほおばってる映像・・・ちょっとかわいいかも・・・

「・・・・・ヴィータの映像は無視するとして・・・」

「え~せっかくかわいい映像記録が残ってたからこれ使ったのに~」

「あら、お風呂に入ってた時の映像とかはないの?」

「いや~さすがにそれは~・・・・・でも、実は~それに負けず劣らずの・・・」

ああ!?リンディさんとエイミィさんが変な方向に話を・・・と思っているとクロノ君が無理やり話を戻した。

「ゴホン、話を戻そう。守護者達は、闇の書に内蔵されたプログラムが人の形をとったもの。闇の書は転生と再生を繰り返すけど、この四人はずっと闇の書と共に様々な主の下を渡り歩いている。」

「意思疎通のための対話能力は、過去の事件でも確認されてるんだけどね~。感情を見せたって例は、今までにないの。」

「ああ、僕がヴィータのことに気が付かなかったのもこれが原因の一つだ。」

「闇の書の蒐集と主の護衛。彼らの役目は、それだけですものね。・・・気付かないのも無理なかったわ。」

ヴィータちゃんが・・・擬似生命?信じられなくて私は声を上げた。

「で、でも!ヴィータちゃんは泣いたり・・・怒ったり、笑ったり、人をからかってデコピンしたり・・・」

「落ち着くんだなのは。ちゃんと、皆分かってるから。」

「あ、うん・・・」

・・・・・そうだよね。みんなだってヴィータちゃんといっしょにいたんだもん。そう思っているのは私だけじゃないよね。

「それに、シグナムからもはっきり人格を感じました。・・・・なすべきことがあるって。仲間と、主の為だって・・・」

「主のため、か・・・だがヴィータのあの言葉からすると自分の意思でおこなっているようだし。いったい・・・・・」

分からない事だらけで皆が考え込み始めかけた中リンディさんがソファーから立ち上がって言う。

「まぁ、それについては捜査に当たっている局員からの情報を待ちましょっか?」

「転移頻度から見ても、アースラにいた頃のヴィータの言葉を考えてみても、主はこの付近にいるのは確実ですし。案外、主が先に捕まるかもしれません。」

「あぁ!そりゃ、判りやすくて良いねぇ!」

「だね?闇の書の完成前なら持ち主も普通の魔導師だろうし。」

クロノ君の言葉にアルフさんとエイミィさんが答える。そして、

「それにしても、闇の書についてもう少し詳しいデータが欲しいな。」

そう言ってクロノ君は私の肩に乗っていたユーノ君に近づいて言う。

「ユーノ、明日から少し頼みたい事がある」

「ん?良いけど・・・・」

そして私達は解散した。あとあった事といえば帰る途中すずかちゃんから新しい友達のはやてちゃんと一緒にとった写真がメールで送られてきたぐらいです。・・・ヴィータちゃんの写真を少し貰ったのは内緒なの!





第二十三話「ちょっくら昔を振り返って今を再認識しようの巻」





<シグナムside>

ヴィータを除いた我々は主はやての帰りを待ち、今私はソファーに座ったまま目を瞑り少しでも体力を回復させようとしていた。そしてシャマルが主はやてからの連絡を受けリビングに来た。

「シグナム。はやてちゃん、もうじき帰ってくるそうよ」

「そうか。」

そう報告した後シャマルはエプロンをしながら冷蔵庫へと行く。わたしも飲みの物を取りに冷蔵庫へ向かう。

「ヴィータちゃんは・・・まだ?」

「かなり遠出らしい。夕方には戻るそうだ・・・それと『心配しなくてもコンビニで適当に食うもん買ってから行く』とも言っていた。」

「そう・・・ あなたは、シグナム?」

「何か?」

「大丈夫?って。だいぶ、魔力が消費してるみたいだから。」

「お前達の将は、そう軟弱にはできてはいない。大丈夫だ。」

やれやれ、シャマルは少し心配性なところがあるな。

「あなたも、随分変わったわよね?」

「ん?」

いきなり何を言っている?私が変わった・・・?

「昔は、そんなふうには笑わなかったわ。」

「・・・・そうだったか?」

自分では分からんがシャマルが言うならそうなのであろう・・・

「それに、あなただけじゃないわ。私たち全員、随分変わったわ。皆、はやてちゃんが私たちのマスターになった日からよね?」

「・・・・・」

「シグナム?」

「いや、なんでもない。」

そう言って私は数ヶ月前のことを思い出していた。そうあれは・・・





数ヶ月前

『Anfang.(起動)』

その言葉とともに闇の書は光を放った後少女の・・・八神はやての胸から小さな光の珠が浮かびそれを中心に三角が二つ重なっている魔法陣が展開された。まばゆい光が再び現れそれが収まった頃そこには跪いた黒い服を着た二人の女性と一人の獣耳の男性がいた。

「闇の書の起動を確認しました。」

「我ら、闇の書の蒐集を行い、主を守る守護騎士にございます。」

「夜天の主の下に集いし雲。」

だが、その後に続くはずの『ヴォルケンリッター。何なりと命令を』という言葉が出てこない。それに少し困惑する騎士達。彼らは知らなかった次の台詞を言うはずのもう一人の騎士がすでに覚醒しているのを、たが気配は感じていたため彼女が言うのを待つことにした。

「(おかしい、ヴィータ?続きをなぜ言わん?)」

「(ヴィータちゃんの気配は感じるのに・・・)」

「(まだ意識がはっきりと覚醒してないのか?)」

ちなみにその頃、そのヴィータは・・・

「(・・・パンツ見えそうって突っ込みたい・・・)」

とか思っていたがそれはどうでもいいことである。そして・・・

「「せ~の!」」

<パン!パン!>

と言う音と共に色のついた紙が騎士達の頭に飛んできた。それに流石に驚いて彼らは顔を上げる。

「「ようこそ、八神家へ。守護騎士達!!」」

それを言ったのはもう一人の騎士であるはずのヴィータ(明らかに自分達とは違う服装をしている)と主である八神はやてであった。突然のことに流石に当時はまだ感情の薄かったはずの騎士達も戸惑いとりあえずはヴィータを問い詰める事にした。

「ヴ、ヴィータ!?これはいったい?」

「ていうか何その服!?」

「あ~、それについてはあとでだ!」

「せや!とりあえずは・・・【ようこそ守護騎士達歓迎パーティー】や!!!」

「ちゃんと防音結界張ったから騒いでも近所迷惑にはならないぜ?」

「お~さっすがヴィータや!!」

二人は呆然とする騎士達を置いてはしゃいでいた。





私とシャマルは昔のことを思い出して語り合っていた。

「いきなりクラッカーと思ったらパーティーだったものねぇ~・・・その次の日はお洋服を買ってきてくれたし・・・」

「ああ、結局パーティーに関しては我々は戸惑いが大きくてあまり楽しめなかったがな。」

「今思うと勿体無かったわね?」

「ああ、せっかく準備をしてくれた二人にも悪い事をした。」

「そうそう、それからヴィータちゃんの変わりようにも驚いたし。」

「そうだな、まさか一人先に覚醒していたなんてな。」

そして私は再び昔を思い出す。本当に戸惑いの連続であった。主はやては今までの主たちのように高圧的にも道具のように扱うのではなくまるで家族のように我々と接してくれた。そのことを不思議に思い先に覚醒していたというヴィータに聞いてみると『まるでじゃなくて家族と思ってるんだよ!』と言われてそれを当たり前のように言うあいつにはさらに戸惑いを感じたものだ。

「皆してヴィータちゃんに不審の目を向けたのは今となっては悪い事をしたなぁ・・・って思うわ。」

「そう言えばそうだな・・・」

そう、あまりの変わりように我々はヴィータに不審の目を向けたものだ。もっとも数週間もすればそれは無くなり自然と接し始める事ができたが・・・それについてはまた考えるとしよう。

そうして我々は新たな主の下で静かで穏やかな生活を始める事ができた。



本当にいろいろな事があった。





「よ~し、今日は皆に騎士甲冑を送るで~!!」

「はやてちゃん?そんな事教えてたっけ?」

「ヴィータから聞いたんよ~♪」

「感謝しろよ。あたしの変身魔法も併用して何種類も考えてたんだぜはやては!」

「そんな事をしていたのかお前。主はやても感謝いたします。」

「ありがとうございます。主。」

「ええよ~照れるやんか!」

「あたしには何か言わないのかよ!!」





「あはは、皆良く食べるなぁ~。私は嬉しいよ~!」

「はい、はやてちゃんの料理は美味しいですから!」

「その通りです。」

「でもさ~あたしやシグナムはそれなりの動くからいいけど、シャマルはちょっと太ったりしないか?」

「す、するわけないでしょ!?私達がどういう存在か忘れたのヴィータちゃん!!?」

「シャマル・・・【質量保存の法則】って知ってるか?」

「え?なにそれ?」

「【化学変化の前後で全体の質量が変化はしない】と言う意味だ。この場で使うのは少し違うな?」

「何で知ってるんだよザフィーラ!!」

「いや、お前が知ってるのにも十分驚きだ。」

「え?え?結局何なの?」

「ようするに、食べたからには消費させん事にはお腹の中にあるままちゅうことやよ。」

「え?えぇ!?まさか本当に太ってたりするのぉ!!?」





「皆~ババ抜きでもせぇへん~?」

「お~いいなぁ~。」

「いいですね。」

「ええ、いいですねぇ。そしてヴィータちゃん。なんで私を見るのかしら?」

「うむむ・・・ヴィータめ~わざと一枚だけ上に上げてからに~」

「ふっふっふ、こういうのは心理戦なんだよ。」

「あらあら。結構深いわねぇ。それからヴィータちゃん。何でさっきからちらちら私を見るのかしら?」

「ザフィーラは黙々としてるから分かりにくいな。」

「・・・・・そうか?」

「と言うより獣型のままでトランプって器用すぎよ・・・だからヴィータちゃん?何で私を・・・もう!はっきり言いなさいよ!!私が一番年上に見えるって言ってよ!!!どうせおばさんよぉぉぉぉお!!」

「餅つけシャマル。すまん今日あたしのお母さんに間違われたなぁって思っただけなんだから?」

「何で疑問系!?うぅ・・・は、はやてちゃ~~ん!!」

「お~よしよし・・・・・・ふむふむ。シャマルの手札にババは無いか・・・」

「えぇ!!?」





そう我々はいつの間にか当たり前のように何事も無い平穏な暮らしを受け入れ始めていた。そしてあの日主はやてに闇の書について改めて話した時・・・・・



私は主はやてを抱えて共に庭に出て夜空を見上げていた。この街は良く星が見えるそうだ。

「わぁ~、きれ~!」

「主はやて。」

「ん?」

「本当に良いのですか?」

「何が?」

「闇の書のことです。あなたの命あらば我々はすぐにでも闇の書のペ-シを蒐集しあなたは大いなる力を得る事ができます。この足も、治るはずですよ。」

そう私が言うと主はやては少し困った顔をして私に言う。

「あかんて。闇の書のページを集めるには、色んな人にご迷惑をおかけせなあかんのやろ?ヴィータから聞いとるよ。」

「え?」

「そんなんはあかん。自分の身勝手で人に迷惑かけるんは良くない。私は、今のままでも十分幸せや。父さん母さんはもうお星様やけど・・・・・遺産の管理とかは、オジさんがちゃんとしてくれてる。」

話は聞いていた。何故かヴィータは渋い顔をしていたが、たしか、

「お父上のご友人・・・でしたか?」

「うん。おかげで生活に困る事ないし、それになにより今は皆がおるからな。」

そう言って私の首に手を回して抱きしめてくれた。少し照れくさかった・・・

そして私も主はやてのぬくもりを感じていた。

「はやて~。」

ヴィータの声が聞こえて私達は振り返った。

「ん?おぉ、どないしたんヴィータ?」

「はやて、冷凍庫のアイス食べていい?」

「お前、夕食をあれだけ食べてまだ食うのか?」

そう私が言うと何故かヴィータはひざを突いて泣きまねをした。

「じ、実はシャマルの奴が何を考えていたかデザートを作って強引に食べさせられたその口直しがしたくって・・・・・・」

「そ、そらあかん!!OKや!!しっかり口直ししてきぃ!!」

そうヴィータの冗談に付き合って主はやても言う。視界の片隅にザフィーラが気絶してるのを見るとまんざら嘘じゃないかもしれんが、何故こうまで元気か?おおかたザフィーラを身代わりにでもしたのだろう。

「よっしゃぁ!!」

そう言って勢い良く走っていくヴィータ。まったく、最近シャマルをからかいすぎだアイツは。やれやれ少しシャマルの奴を慰めてやるか、そう思い私は主はやてを抱えたまま部屋に戻ろうとした時主はやてが少し真剣な眼差しで私に言った。

「シグナム。」

「はい?」

「シグナムは、皆のリーダーやから・・・約束してな?」

「はい?」

「現マスター八神はやては、闇の書にはなんも望みない。私がマスターでいる間は、闇の書のことは忘れてて。皆のお仕事は、うちで一緒に仲良く暮らすこと。ただそれだけや・・・約束できる?」

私はその言葉に頷き言う。

「誓います。騎士の剣に懸けて。」

だがその誓いは破られる事になる。否、我々が破った。



10月27日

その日は主はやての検査の日であった。朝から何故かヴィータの顔が暗かったが、それ以外はいつも通りであった。だが、その日の検査の結果の後に石田医師から信じたくない言葉を聞くことになった。

「命の・・・・危険?」

「はやてちゃんが!?」

「・・・・えぇ。はやてちゃんの足は、原因不明の神経性麻痺だとお伝えしましたが、この半年で麻痺が少しずつ上に進んでいるんです。この二ヶ月は、特に顕著で。このままでは、内蔵機能の麻痺に発展する危険性があるんです。」

そして調べて分かった。それは闇の書の呪いとも言えるもののせいだと。

<ドガッ!!>

私は壁を殴り悔しさを叩きつけた・・・だがその悔しさは決して消えることは無かった。

「何故!何故気付かなかった!?」

「ごめん!ごめんなさい!!私・・・」

シャマルは泣いて言う。

「お前にじゃない!自分に言っているんだ!!」

主はやての病は病気によるものではない。主はやてが生まれた時から共にあった闇の書は、主の体と密接に繋がっていた。抑圧された強大な魔力は、リンカーコアが未成熟な主の体を蝕み健全な肉体機能どころか生命活動でさえ阻害していた。それは主が第一の覚醒を迎えた事によってそれは加速する事になった。ヴィータ一人ならまだしも、四人がそろった今、活動を維持する為極わずかとはいえ主の魔力を使用し始めたということにも無関係とはいえないはずだった。

そのことを夜の海が見える場所で全員を集めて話した。その場に沈黙がそう重い何かか我々の心にのしかかっていた。

「やるぞ・・・・・。」

「え?」

ヴィータが呟くように言って言葉にシャマルが反応する。

「決まってんだろう。この状況を何とかするすべは一つしかないだろうが!!」

「まさか!!」

その言葉に我々はある考えが思いついた。だがそれは主はやてとの誓いを破る事になる。

「それ以外に何がある!!あたし達は何だ!!はやての何だ!!!唯言う事をきく道具みたいな守護騎士か!!?」

「そ、それは!」

「もう違うだろーが!!あたし達ははやての守護騎士であり家族だ!!その家族を救うすべが目の前にあるのに誓い一つのせいでそれを踏みにじるのか!!!」

・・・・・ああ、分かっている。我々のするべきことは!!

そしてとあるビルの屋上で我々はその行為を、闇の書の完成を目指すための準備を始めた。

それぞれがそれぞれのデバイスを起動しながら新たな誓いを立てる。

「主の体を蝕んでいるのは、闇の書の呪い。」

私が言う。

「はやてちゃんが、闇の書の主として真の覚醒を得れば!」

シャマルが言う。

「我らが主の病は消える。少なくとも、進みは止まる!」

ザフィーラが言う。

「自己満足だろうが人殺しはしない・・・けど、それ以外なら何だってしてやる!!あたし達ははやてを助けたいから!!一緒にいたいから!!!」

ヴィータが言う。

「申し訳ありません、我らが主。ただ一度だけ、あなたとの誓いを破ります!」

そして我々は足元に魔方陣を展開しそれぞれが騎士甲冑を展開させる。

「我らの不義理を、お許しください!」

そして我々は四方に飛び散り行動を開始した。





「あれが始まりだったわねぇ・・・」

シャマルは過去を思い出しながら言っていた。

「シャマル。ヴィータをどう思う?」

「え?」

私は今まで誰にも明かしていなかった疑問を言った。

「あの日ヴィータは朝から暗い顔をしていた。まるで・・・。」

「ええ、私も思っていたんだけど、もしかしたら知っていたのかもしれないわね。いつかこんな日が来るのを・・・。」

「ああ、今考えればあの新しい技の訓練はあの日のために行っていたのかもしれん。・・・だがそれ以上に気になる事がある。」

「え?それって・・・。」

「今のヴィータの性格をどう思う?」

「え?そ、そうねぇ・・・昔はちょっと刺々しい所があったけれど、今ではよく私をからかったりしてるけど・・・でも変わったのは私達も一緒で・・・・・」

「・・・・・前にちょっとした興味本位で主はやてに聞いてみたことがある。ヴィータはどれぐらい経って変わったかを。」

「あら、それで?」

シャマルも興味を持ったのであろう。その問いは少し楽しそうであった。

「・・・主はやてが言うには現れた時から感情を持っていたそうだ。」

「え!?・・・そんな、ありえないわ!!だって!!!」

「ああ、我々は主はやてと出会って変わった。だから現れた時からなんてことは・・・それにあいつは他にも何か隠しているようにも感じる。」

「・・・ねぇ、もうこんな話止めましょう。まるでヴィータちゃんを・・・・・」

「・・・・・そうだな、今の話は忘れてくれ。あいつは仲間だ。」

そうだな、何を疑う必要がある。あいつは今も命がけで戦っているのだから・・・・・





同時刻・某次元世界

<ヴィータside>

「・・・っと、手が痛くてうまく動かな・・・あっ!?」

ち、コンビニで買ってきたおにぎり落としちまったな・・・

「あ~ったく、・・・もう行くか・・・」

俺は傷だらけになりながらグラーフアイゼンを引きずりながらふらふらで歩いていた。それの後ろには蛇の化け物、しくったなぁ・・・あのシグナムでさえいずれ苦戦する相手だったのに焦ってミスを犯してしまった。ちっ、アニメのヴィータみたいに痛い思いはごめんだって思ってたのによぉ・・・・・いや、ある意味当然の事か、他者を傷付けている俺が痛みを知りたくないなんて我侭は許されるもんじゃねぇからな・・・・。

「でも・・・止まる訳にはいかねぇ・・・今俺にできる唯一のことなんだからよぉ・・・。」

次だ。次のなのは達との接触の時がチャンスなんだ。だからこんなところで倒れるわけにはいかねぇんだよ!!

そう思っている俺の前にさっき倒したのと同じ週類の魔法生物が現れる。

<グォォォォォォォォォオオ!!!!!>

ちっ、こんなにアニメと同じ状況なんだ。やっぱ出てきやがった。けど、

「―――――っく、はは、あっははははは!!こんな事で諦めるとでも思ったか!!?あたしは・・・」

俺は敵目掛けて飛び叫ぶ!

「ヴォルケンリッター・鉄槌の騎士・・・・・・ヴィータなんだからよぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!!」





一方その頃ユーノとクロノ、エイミィはユーノに無限書庫での闇の書のデータ捜索をさせる為ギル・グレアムの使い魔であるリーゼアリアとリーゼロッテに会っていた。まだ彼らは知らないこの二人が事件の裏で暗躍している事に。少しずつ終わりへと向かっていく闇の書事件。彼らはそれぞれの思いの下に行動を続けていた。









おまけ

それは闇の書について話し合った後の事。

「ねぇ思ったんだけどさぁ・・・」

「なんだエイミィ?」

「ヴィータちゃんのあんな写真やこんな写真をばら撒けば大人しく捕まったり・・・」

「あら、そんなにあるの?」

「いや~実はですね艦長、かわいいもんでついたくさん撮っちゃって、何か記念になるかと・・・・・あ、勿論なのはちゃん達のもありますよ?」

「とりあえずさっきの提案は・・・怒り狂うのがオチだやめとけ。」

「そういうクロノも見てみたいんじゃないの?」

「か、母さん!!」

「実は・・・ここにとびっきりの写真があったりするけど・・・見たい?」

そういってエイミィは紙をヒラヒラさせる。

「だ、だれが・・・・・・」

「ほんとうに~~~~?」

「あのな~~~・・・・・」

「残念でした~唯の紙でした~!!」

「エイミィ!!」

「わ~怒った~~!!」

二人のおいかけっこが始まった。一方、

「いや~でも結構いろいろの場面の写真があるねぇ・・・」

「そうだね・・・あ、アルフ。これなのはと一緒に食事してる!」

「あらあら、たくさん食べてるわねぇヴィータさん。」

なんのかんのでフェイトとアルフ、リンディは楽しそうに写真を見ていた。これを見つけたヴィータがアースラ内で暴れるのはこの事件が終わってからの事である。







あとがき

なにかとシリアスになりがちなのをどうやって削っていこうか日々模索しています。・・・なんちゃってw



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十四話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2008/11/02 15:34
「何故だ、何故お前はそこまでできる?おまえは・・・。」

暗い空間で夜天の書の管制人格が俺に語りかけてきた。今度は俺の体ははっきりとあり、ちょうどはやてが闇の書にとりこまれて管制人格と会話したような感じだ。もっとも俺の体はヴィータだが・・・・・

「何の話だよ?」

でもあいかわらずわけ分からん事言うコイツに俺は聞く。

「お前は違う・・・なのに何故・・・・・。」

「だから主語を言えっての!!」

それにしても面倒な奴だぜコイツは。何とかならんのか?

「お前は・・・そうか・・・私のせいだったな。主どころか無関係な者の人生まで・・・・・すまない・・・。」

「おい!だから勝手に自己完結して話を進めるんじゃねぇよ!!」

「すまない。」

ああ、ったく!!また謝りだしたよコイツ。どんだけネガティブやねん!?

「ええから黙らんかい!!」

そう言って俺は前にシャマルやシグナムを落ち着かせた時と同じように・・・・・



胸を掴んで揉んでやった!!(もみもみ)



「な!?ななな・・・!!!?」

ふむ・・・シャマル以上シグナムよりはやや小さい。・・・しかし最近俺もこんなことするの多くなったが、はやては純粋に好きだが俺の場合はだんだん・・・

「大体なんであたしはこんなちっこい体なんだよ!!」

大きい胸に対して嫉妬してむかむかしたりする。

「ちょ・・・ま!!」(もみもみ)

「お前にこの気持ちが分かるかぁ!!風呂に入るたびにシグナムやシャマルに見せつけられて、かといってはやてのように将来性に期待できるわけでもない!!育たない体なんだからよぉ!!」

「ちょっと・・・まて!」(もみもみ)

「もっと言うならなぁ、なんで俺がこんな思いせにゃぁならんのだよ!!俺はもともと男なんだぞ!!こんな思いして情けねぇったらねぇ!!いっそシグナムにでもなってたほうがよかったつーの!!」

「ま・・・やめ・・・ぁん!?///」(もみもみ)

「わかるか!!?そもそもなんでこんな体にしたんだよ!!守護騎士だろーが!!何で子供の体やねん!!!!!!」

そこで俺は目が覚めた。本当にアホな夢だった・・・いや、まぁおれのせいなんだけどな?と言うか俺が勝手に見た夢だと思いたな・・・管制人格とせっかく会えたのにこんな事しかできなかったんだからさ・・・笑いたきゃ笑えよ。泣いてないもんね!!



あれ?なんか重要な単語アイツ言ってなかった?・・・・・気のせいか。





第二十四話「予告通り揉んでやったぜ!!・・・タイトル?知るか!!!byヴィータ」





「何で子供の体やねん!!!!!!」

「きゃ!!?」

その叫び声で目が覚めた俺に驚いてシャマルが驚いた。

「あん?どうしたんだよシャマル?」

「昼ご飯ができたから呼びに来たのよ・・・まったく驚いたじゃない!!」

あ~、もう昼か・・・仕方ないか。昨日はあんなにズタボロになって帰ってきて疲れてたんだから。シャマルなんてもうカンカンでさ~。

「はやては?」

「もう昼ごはんを食べてザフィーラといっしょに図書館に行ったわよ。私は一応ヴィータちゃんの様子を見るために残ってたの。シグナムは蒐集に出てるけど一度昼ごはんを食べるために戻ってくるそうよ?」

ザフィーラといっしょって・・・アイツ犬じゃん?

「ふ~ん・・・あれ?じゃあ昼飯作ったのって・・・。」

「・・・心配しなくてもはやてちゃんよ。私は温めなおしただけよ。」

そう不機嫌そうにシャマルは言った。



それからしばらくしてシグナムが戻ってきてお昼ご飯となった。

「んで、今日の収穫は?」

「まだ3ページだ。あまり素早い蒐集とは言い難いな・・・。」

「まだ午前中が終わったばっかりよ・・・あまり焦って無理しないでよ?かえって効率が悪くなるわ。」

はやてもいないのでこんな会話を中心にしていたのだが、

「そういえばヴィータちゃん?あんな事いって起きたけど、どんな夢を見たの?」

む、別に話してもいいか?俺もちょっと疑問に思うことがあるし。

「なぁ、みんなはさぁ・・・夢の中で管制人格に会った事あるか?」

「闇の書の?・・・私は無いけど・・・。」

「私も無いな、加えて言うならおそらくはザフィーラも・・・だが何故そんな事を聞く?」

「まさか!?」

「あ~多分そのまさかでさ・・・夢の中であった。」

「なに!!?」

「うそ!!?」

え?そんなに驚く事なの!?

「そんなに驚く事か?あたし達はアイツと精神的な繋がりがあるって知識にあるけど?」

「確かにそう考えるとありえん話ではないが・・・。」

「少なくとも主以外でそういったことがあったことは無いわね・・・。」

そうなのか・・・やっぱ俺が本来のヴィータじゃないからか?

「それでアイツはなんと言っていた?」

「え~と、ひたすら謝ってきてうざかった。」

「うざかったって・・・。」

「しかしアイツが自分に非があると感じているのも仕方が無いが・・・。」

何かその謝る理由に対して俺とこいつらでは解釈の違いがある気がするがな・・・。

「あとは・・・その・・・。」

「?どうした?」

「怒らない?」

「言わんと分からんぞ?」

む、絶対怒るだろうけど言うか。

「うざかったからつい・・・胸を揉んで黙らせた。」

「「はぁ!!?」」

「んでその後なんであたしの体はちっこいかと文句を・・・。」

「それであんな台詞で目が覚めたと・・・はぁ~・・・。」

「アイツも不運であったな・・・。」

な、なんだよこの空気?と、とりあえず・・・・・

「テヘッ☆」

「「テヘッ☆っじゃない!!!」」

やっぱ怒られた。



その後シグナムの蒐集行為の手伝いをしようとしたが昨日のこともあって今日は絶対一日安静といわれて俺は今ふてくしていた。そんな時、

「ねぇヴィータちゃん?」

「なんだよシャマル?」

なんかシャマルが申し訳なさそうな顔をして俺に話しかけてきた。

「数日前に、ヴィータちゃんの携帯借りてたけど・・・。」

ああ、そう言えば買い物行くのに借してたっけコイツに。

「あ、そういえばまだ返してもらって・・・。」

「ポケットに入れたまま洗濯しちゃったり♪」

「・・・・・・マジ?」

「テヘッ☆」

「て、てんめぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!」

「ご、ごめんなさ~~~い!!!」

な事があって俺は新しい携帯をデパートに買いに行く事にした。例によって俺は変身魔法を使ってるが、今回は大人ヴィータ(予想)的な姿をしている。胸はシグナム並みのでかさだ(ちょっとむなしくなったが)・・・・・べ、別に今日見た夢が原因とか言うわけじゃないんだからね!!ちなみに髪は下ろしている。



「それにしてもまったく、新機種だったのにあんにゃろぉ~!!」

面倒な上に余計な出費が出ちまったじゃねぇかよ。帰ったらまた説教してやる!!

「それでは、ありがとうございました~♪」

そう言って女性店員は俺に携帯の入った袋を渡した。別にこの人が悪いわけじゃないけど何かこんな明るい声で言われると何か腹立つな・・・まぁいいや、さて帰るか。

「ありがとうございました~!」

「はい、どうも~。」

他の客だろうか?でもどっかで聞いたことのある声だが・・・そう思い振り返ったその時ちょうどその人も向きを変え歩こうとして俺と目があった。俺は固まった、完全に忘れてた。そろそろフェイトの奴が携帯を買うことにつまり・・・・・。

「あら、アナタは?・・・この感じ・・・まさか!!?」

リンディさんがいた。一応魔力漏れは抑えてたがやはりこの人の目は欺けんかったか、近くにはなのは達もいる・・・どうする?どうする!?どうする!!!?この人を相手に逃げきれるか!?仮にも一時的とはいえかつて次元震を抑えたことのある人だ。戦うしかないのか!?

「く!封鎖りょ・・・」

「まって!!」

「!?」

いきなり待ったをかけられて俺は固まった。つうか動揺しすぎた、もう目的は果たしていたんだ。人ごみにまぎれて逃げればよかった・・・。

「もしよかったら少し待ってくれる?一緒にお茶とかどうかしら?」

「くっ・・!」

選択肢は無いか・・・

その後、

「フェイトさん、はい。」

「ありがとうございます。リンディ提督。」

フェイトはリンディさんから携帯を貰うと皆のところへと向かった。それと同時に俺はリンディさんのそばへと行った。それにしてもフェイトもすっかりすずかちゃんやアリサちゃんとも仲良しだ。心配はしてなかったが・・・・・。

「安心した?」

「は?」

「そんな顔をしてたわよ?」

「む、そうっすか・・・。」

「ええ。」

そういう会話をした後リンディさんはフェイトのもとに行き、

「フェイトさん私はちょっと用事が会ってもう行くけどアナタはお友達とゆっくりしていってね?」

「はい、分かりました。」

そう言って俺のもとに戻って来て言う。

「あまり時間が無いけどちょっとお茶をしましょうか?そういえばまだお互いに自己紹介がまだだったわね。私はリンディ・ハラオウンと言います、アナタは?」

「・・・・・・は?」

「だってまだ知らないでしょ?」

そう言って彼女は笑った。まったく本当にこの人は・・・底が知れないと言うか、くえないと言うか・・・。

「はじめまして、あたしはリィータ・秋山って言います。」

と言う事にしといた。その後デパート内にある喫茶店へと俺達は向かった。

「翠屋とは違った雰囲気の場所ね?」

「デパートの休憩場所もかねてるんだこういうもんっすよ。」

その後俺はコーヒーをリンディさんは紅茶を頼んだが・・・

「リィータさん、砂糖がいらないならくれる?」

とか言ってきたりもした。そして一口飲んでから俺に会話をしてきた。

「そういえばフェイトさんへのビデオメールの中に一度だけ秋山隆二さんって面白い人が出ていたんだけど、同じ苗字ね?」

俺はコーヒーを吹き出しそうになってむせた。いきなりそこかよ!?短絡過ぎた!!?

「ふふ、なんのかんのでこっそり見守っていたという事かしら?」

「あの、あたし達初対面のはずじゃ・・・。」

「それはそれ、これはこれ♪」

さいですか。

「あ~実はこっそりって言うより巻き込まれてというかなんというか・・・」

俺はそのときのことを話した。案の定リンディさんは苦笑いをして言う。

「お人よしが招いた結果ね?まぁ貴方らしいわ。」

「そうですか?」

「ええ、何のかんので最後はいつも誰かを助けようとするし・・・。」

む、言われてみれば・・・プレシア・テスタロッサ事件の時も、なのはを初めて襲った時も最後の俺の行動は・・・・・。

「・・・・・ノーコメントで・・・。」

「そういう事にしておくわ。話は変わるけど今日フェイトさんが携帯電話が欲しいって言ってくれてよかったわ、明日はちょっと出なくてはいけなかったから。」

あん?そうか・・・

「アルカンシェルか・・・。」

「え!?」

あれ?声出てたりした?

「どうしてそれを・・・。」

「べ、別に知っててもおかしくないだろ?今までだって何度か使用しているはず、そう知識にある・・・あります。」

あ、動揺して言葉が乱暴に・・・でも、知識ってのは嘘だが、実際にアニメのヴィータだって防御プログラム破壊の時にアルカンシェルの使用を反対していたんだ。俺が知っていてもおかしくは無いはずだ。

「ええ、別におかしくは無いけど・・・。」

「あ~とにかく、これからはアースラが使えるんですよね?」

「あら?何で知ってるのかしら?今はアースラを指令部にしていないのかを?」

「・・・ノーコメントで・・・。」

「・・・まぁ、いいでしょう。」

「ありがとうございます。」

「どういたしまして♪」

やっぱりこの人には勝てんな・・・自滅ばっかな気もするが。それにしても・・・話すか?ギル・グレアムの事・・・駄目だな。あの爺さんのしてる事は完全に違法だ、しばらく泳がせてから・・・と言うわけにはいかんだろ。クロノが調べて見つけれたんだこの人ならさらに早く証拠をつかめるはずだし、そうなってしまうとアイツからはやての存在がばれる事にもなる。黙っておくのが無難か、せめて・・・

「ストラグルバインド・・・アイツに、クロノに言っておいてください。鍵はその魔法だと・・・。」

「え?それって・・・・・。」

「残念ですが今日はここまでとしましょう。・・・あ、もしよかったらもうしばらく付き合ってくれませんか?」

「構わないけど・・・。」

「それはよかった。ついでにフェイトに転入祝いを贈りたいので・・・ついでに渡してくれるとありがたいのですが・・・。」

「そう、できるなら直接渡してあげて欲しいけど・・・。」

「無理・・・ですね。お願いします・・・・・。」

「はぁ・・・分かりました。では行きましょうか。」

そう言ったリンディさんの顔は少し残念そうな悲しそうな顔だった。

余談ではあるが、この時に買ってあげたものを、リンディさんはフェイトには渡しておらず、もしも事件が無事に終わった時に後に本人に渡させようと思っていたことを俺はまだ知らなかった。









おまけ

「それにしてもいいんですか?あなた方は常に最善の選択を~・・・じゃあ・・・。」

「今日はそういう立場で来たつもりは無いわ・・・それに、ひょっとしたらなのはさんやあなたの影響を受けたのかもしれないわね。」

「は?あたしもっすか!!?」

「ええ♪クロノだってあなた達に出会ってから大分柔らかくなったし・・・。」

「え~~そうっすか~?」

「そうなのよ~。」

「その割にはなのは的な『お話したいの』にはなってないですけど・・・。」

「ええっと・・・まぁいいことじゃない?」

「まぁ、なってもらっても困るしいいか・・」

「あ、ありがとう?」

何か釈然としないリンディであった。



「・・・ところでその胸・・・結構な大きさだけど・・・変身魔法なのに・・・。」

「ノーコメントで。」

でも仕返しされたヴィータであった。









あとがき

おかしいなぁ・・・携帯関係でリンディさんとの接触って、さらっと流すつもりだったのに一本分に・・・まぁいいか!
なんか書いていてこんな展開になったな・・・無理あったかも・・・。



あと前回の『餅つけ』はネタです。でもネタにならなかったかも・・・・・。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十五話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2008/12/02 20:16
<シグナムside>

今我々はシャマルを主はやてのそばに残してある広い世界にいた。そこは砂漠、海などと言った環境があり多くの魔法生物が生息している。

「では、私は砂漠地帯のほうへと行く。」

「・・・そこは・・・」

「ああ、ヴィータが数日前に行った場所だ。」

「おい、あそこの砂蛇は手強いぞ?」

「分かっている、私とてお前を見くびっているわけではない。だからそのお前が手強いと言ったのも理解しているが、ページが稼げるのも事実だ。それにお前はあの怪我をしてからたったの一日しか休んでいない、シャマルも本当は今日も休んで欲しかったとぼやいていた我慢しろ。」

その言葉に諦めたのかヴィータが言う。

「分かったけど・・・無理するなよ。」

「ふ、心配しなくても私はお前達の将だぞ?」

「念のため俺がいつでも加勢にいけるように付近で蒐集行為を行う、心配するな。」

「わーたよ、ったく。」

「闇の書はお前が持っていろ。」

「そうだな。」

「おう、じゃぁな。あたしはもう行くぜ!!」

そう言ってヴィータは別次元へと転移していく。さて、私も行くとしよう。

「では、私も行くぞザフィーラ。」

「ああ、ヴィータが苦戦した生物・・・一筋縄ではいかんだろう。危険なようならすぐに呼べ。」

「分かっている。その時は意地を張らずに呼ぼう。」

そして私も目的地へと向かって飛んだ。





第二十五話「始める計画」





<ヴィータside>

昨日リンディさんは本局に今日行くと言っていた。おそらく今日だな、なのはとの再接触は。今日のために調整していたあれもギリギリ使えるし、後はおれ次第か・・・。

しかし大丈夫か、シグナムは?油断しなくても気絶に追い込ませるのは苦難だぞあの砂蛇は・・・・・。まぁ、それはシグナムを信じるとして、・・・・・さて、

「おい、聞け闇の・・・いや、夜天の書。あたしが合図したらいつでもシグナムのいる場所に転移できるようにしておけ。単独移動できるだろ?」

何故こんな事をいうか、それは・・・・・今日が勝負だからだ。



<シグナムside>

<ガキィィン!!>

<グォォォォォォォオオ!!!>

私の攻撃を食らってもこの巨大な蛇上の生物は少し皮膚が凹んだだけで終わった。

「ちぃ!!」

この頑丈な鱗・・・いや、もはや装甲といってもよいな。おまけに危険を察知するとすぐに砂の中に隠れては不意をつき反撃をしてくる。さらに触手まで持っている。

「なるほどな・・・ヴィータが手こずる訳だな。どうやら少々厄介な相手みたいだ。」

やはり一人ではいささか危険かザフィーラに動きを封じらせてから確実に・・・が、無難か。私はカートリッジを片手に補充の準備をしながら考えていた。そのために、

<グオォォォォォォオオ!!>

もう一体が新たに背後まで迫っていたのに気付くのが遅れてしまった。

「な!?」

すぐさま離れようとしたが間に合わずに触手に捕まってしまう。締め上げられていく体に痛みが走る。

「く・・・っあぁ!!?」

まずい・・・さっきまで相手をしていたのが近づいてくる。早くザフィーラを・・・だが!!

『Thunder blade』

<グォォォォォッォォッォオオ!!?>

そのデバイス音と共に無数の雷撃を纏った金の刃が魔法生物に刺さり、続けて私を締め上げていた硬い触手を斬っていく。こんな事できるのは・・・

「・・・・・テスタロッサ・・・・・」

上を見上げると魔法陣の上に立っているアイツがいた。

「ブレイク。」

その一言で刺さっていた金の刃は再稼動を始めその生物を一体倒した。それに危険を察知したのかもう一体は砂に潜りその場から逃げ始める。

「礼は言わんぞ、テスタロッサ。」

「お邪魔でしたか?」

「蒐集対象を潰されてしまった。」

倒すだけなら簡単だ。気絶程度で済まそうとしているからてこずっていたのだ。非殺傷設定とはいえ生命力の強いこいつらではなかなか気絶してくれないからな・・・。そう思いながら私は改めてカートリッジを補充した。

「まぁ、悪い人の邪魔が私の仕事ですし。」

「そうだな、悪人だったな私は。」

「あ・・・ス、スミマセン。」

「謝るな、事実だ。」

テスタロッサがいるならおそらくはあの守護獣もいるのであろう。ここにいないということはザフィーラの所か。

「あの、やっぱり話を少しでも聞くわけにはいかないのでしょうか?」

「ここまできてまだ言うか?」

「やっぱり戦わずにすむならそれに越した事は・・・。」

「くどいぞ、それにそれは建前なんじゃないか?」

「え?」

構えながら私は言う。

「ヴィータから聞いている、お前も結構な負けず嫌いだとな。私としては預けた勝負はできれば今しばらく先にしたかったのだが、速度はお前の方が上だ。逃げられないのなら、戦うしかあるまい。」

「・・・そうですね。本音を言わせてもらうと・・・私も、そのつもりで来ました・・・ちょっとだけですが。」

そう言ってテスタロッサは構えた。まったく、ちょっとだけと言う割には目にずいぶんと気合が入っているな。

「最初から全力で来るがいい。」

「はい、そのつもりです。」

一時の間、そして、

<<ザッ!!>>

私達はお互いに向かって飛び出した。互いの信念を比べるために。



<ザフィーラside>

この感じ、シグナムが管理局の魔導師と交戦を始めたか。ならばそろそろ近くにいる俺の所にも・・・。

「ご主人様が気になるのかい?」

「・・・お前か。」

テスタロッサの守護獣か、確か名前はアルフとか言っていたが・・・

「ご主人様は一対一こっちも同じだ。」

構えながら俺は答える。

「シグナムは我らが将だが、主ではない。」

奴も構えながら言う。

「あんたの主は、闇の書の主と言うわけね。」

「無論だ、俺もまた守護獣であると同時にヴォルケンリッターの一人だから・・・っな!!」

「そうか・・・っい!!!」

<ゴォッ!!!>

俺と奴の拳がぶつかり合い激しい振動が発生した。





<リンディside>

「久しぶりだね、リンディ提督。」

「えぇ」

「闇の書の事件、進展はどうだい?」

「なかなか難しいですが、うまくやります。」

私は今アースラの試験航行のために本局に来ていた。少し時間が空いたのでグレアム提督と話をすることになった。

「君は優秀だ。私の時のような失態はしないと信じているよ。」

かつて私の夫クライド・ハラオウンは封印したはずの闇の書の護送中に闇の書が突然の暴走をはじめ護送艦と一緒に沈んだ。・・・もう、十一年前の事、長いようで短いものね・・・。

「夫の葬儀の時申し上げましたが、アレは提督の失態ではありません。」

そう言ってわたしは飲んでいた紅茶を一度置き、グレアム提督に向かってありのままの思いを伝える。

「あんな事態を予測できる指揮官なんて、いませんから・・・それに・・・。」

「それに?」

私は少し笑いながら言う。昨日の彼女との会話を思い出しながら。

「なんとなくですけど、今回の事件はきっと今までとは違う終わり方をすると思ってるんです。」

「それは一体・・・?」

「特に根拠の無い戯言とでも思ってください。でも、あえて理由を言うのなら・・・数ヶ月前のロストロギア関連事件で実は守護騎士の一人が私たちに協力してくれていたんです。」

「ああ・・・話は聞いてるよ。にわかには信じられなかったが。」

「私は過去の彼女達について詳しくは知りません・・・でも、あの子はなのはさんやフェイトさんのように大切な何かを持っている・・・少なくとも実際に会った私には、そんな気がするんです。」

「そうか・・・だとよいのだが・・・。」

その時私はそう言った提督の顔に一瞬ではあったがどこか違和感を感じた、そんな気がした。



<フェイトside>

『Schlangeform』

シグナムのデバイスは鞭状になりまるで生きているかのごとく私に襲い掛かってくる。普通の鞭とは違い刃がついているからその威力は計り知れない!!何とかなりふり構わずに避け反撃の準備に入る。

『Load cartridge, Haken form』

「ハーケン・セイバー!!」

魔力刃を展開して私は構える。それに対しシグナムはデバイスをまるで私の周りに包むかのように動かした。まだだ、まだだ・・・もう少し・・・いま!!

「はぁ!!」

私は牽制に魔力刃を飛ばす。それに反応してシグナムも私の周りに展開していた鞭状の刃を私の頭上から降り注ぐように攻撃してきた。

『Blitz rush』

それと同時に私は再びバルディッシュに魔力刃を展開させてから高速移動をはじめ間一髪で避ける。その衝撃で発生した砂埃にまぎれて魔力刃を再び打ち出す。不意をついた攻撃にシグナムは上空に逃げるけど、これが狙い!!!

「はぁぁあ!!!」

『Haken slash』

シグナムの背後に回りこみ私はありったけの力でさらに強力に展開した魔力刃のバルディッシュを振り下ろす。これで!!

<ガキィィィイン!!>

「っ!?鞘!!」

私の攻撃は鞘で防がれた良く見ると鞘には魔力が帯びていた。動揺した私の隙をついてシグナムは私を蹴り飛ばした!!何とかバリアを発生させ防いだけどその衝撃は消す事ができずに私は吹き飛んでしまう。でも、

『Plasma lancer』

バルディッシュがプラズマランサーを自動発射。完全に不意をついた攻撃にシグナムは避け切れなかった。転んだって唯で起きたりはしない!!何とかうまく着地すると私はバルディッシュの形態を変える。

『Assault form』

一方シグナムは落ちたけどたいしてダメージは無かったみたいですぐに立ち上がり、またデバイスを普通の剣状に戻した。

『Schwertform』

そして私がカートリッジをロードすると同時にシグナムもロードする。私は足元に魔方陣を展開させ空いている片手に雷を発生させ、攻撃加速・増幅用の二つのリングを前に展開させた。

「プラズマ・・・。」

一方シグナムも足元に魔法陣を展開させ大きく構え大技の体制をとった。

「飛竜・・・。」

吹き上がる紫の魔力・・・並みの攻撃じゃ勝てないけど・・・私のだって!!

「スマッシャァァァアア!!!」

「一閃ーーーー!!!」

<ドガァァァッァァァアアア!!>

ぶつかり合う私とシグナムの技は互角でお互いの技が相殺された。これで駄目ならすぐに次の攻撃に、そう思い私は跳んだ。やはりシグナムもすぐに切り替えて私に攻撃を仕掛けてくる!!

「「はぁぁぁぁぁぁあ!!!」」

お互い再びカートリッジをロードさせ渾身の思いでお互いのデバイスをぶつけ合った。



<アルフside>

「ハァァァ!!」

「オォオォ!!」

<ドガァァァア!!>

激しくぶつかり合うあたしと野郎の拳、やっぱり強いねぇ・・・けど、何か納得いかない。ヴィータはなのはといっしょだ。フェイトのために頑張ってくれた、フェイトのために怒ってもくれた。あいつはあたし達の恩人の一人でもあるんだ。そのヴィータの仲間のコイツが悪いやつだなんて思えない、というより、もし悪い奴だとしたらヴィータが仲間のままでいるはずが無い。なのになんでコイツは・・・

「あんたも使い魔、守護獣ならさぁ!ご主人様の間違いを正そうとしなくて良いのかよ!?」

「・・・闇の書の蒐集は我らが意思。我らが主は、我らの蒐集については何もご存知ない。」

「なんだって!?・・・そりゃいったい・・・!?」

「主の為であれば血に染まる事も厭わず。我と同じ守護の獣よ、お前もまたそうではないのか?」

「そうだよ・・・でも、だけどさぁ!」

あたしだってかつてフェイトのためにと罪を犯した。それに・・・もしあたしがもっと早くフェイトの間違いに気付いて間違いを正そうしたらフェイトはあんな悲しみを乗り越えなくてもよかったんじゃないのか?もしフェイトにヴィータがあの言葉を言ってなかったら、なのはが友達になろうとしてくれなかったら自分を始めようなんて思わなかったかもしれない、そうフェイトはいつか言っていた。
結局あたしはあの事件でフェイトの助けになんてなってなかった・・・そんな事はないといつもフェイトは言うけど・・・。そして今あたしの目の前にはかつてのあたしとどこか同じ臭いのする奴がいる。・・・・・なんだ、悩む必要なんか無いじゃないかい・・・

「・・・やっぱり、止めてみせるよ。アンタの事!!」

「くどい!止まらんと言っている!!」

あたしと奴は再び構えて飛ぶ。

「だから・・・あたしが止めるんだぁぁぁぁああ!!」

「俺は止まるわけにはいかんのだぁぁぁぁぁああ!!」

<ゴォッッッ!!!>

そして再び戦いは再開された。



<ヴィータside>

俺は飛びながらシャマルから念話を聞いていた。

『おいシャマル、今週のジャ●プちゃんと買ってきたのか!!?』

『話し聞いてたの!?シグナム達が砂漠で交戦してるの。テスタロッサちゃんと、その守護獣の子と!分かってるの!!?』

『分かってるって、こんな時だからこそ冗談言って落ち着かせてるんだよ。・・・・・とにかく長引くと厄介だな。』

『うん、だからどっちかの援護に・・・』

『分かってる・・・あ、一つ確認するけど。』

『なに?』

『援護に行けと言うのは構わんが・・・別に持ってきたおにぎりを食べてからでも・・・『駄目に決まってるでしょぉ!!!』・・・冗談だよシャマルママ。』

『誰がママよ!!本気で怒るわよ!!!』

まったく冗談の分からん奴だな・・・こっちはいつも通りの平常心でいようと必死なのにな・・・。

『とにかく早く・・・』

『あ、ワリィ。無理っぽい。』

俺は少し真面目に言う。

『え!?』

少し離れた空中に俺に対峙してなのはがいた。

『なのはが来た。こっち何とかしてから援護に回る。』

「高町・・・悪魔!!」

「なのはだよ!!」

「え!?」

「ちょっと、何で今知ったみたいな顔するの!?今まで名前で呼んでたよねヴィータちゃん!!」

「あ、菜の花だっけ?」

「なのはだよ!!それ初対面でやったから!!!」

そう言ってなのははなんとか自分を落ち着かせて言う。

「コホン、えっと・・・・ヴィータちゃん。やっぱり、お話聞かせてもらう訳にはいかない?もしかしたらだけど、手伝える事とかあるかも知れないよ。」

そういいながらなのはは俺を安心させるためか笑って見せた。そりゃぁ言えば手伝うだろうよ、お前優しいから。だから言えないんだよ・・・。

「まぁ、話の変え方は何かクロノに似てるのはムカつくが、そこは置いておいて・・・」

「にゃ!?」

あ、なんかショック受けてる?

「とにかく悪いが管理局は信用できない・・・前にリンディさんも言ってただろ?常に最善の策を・・・って。」

昨日普通に会話しちまったが・・・。

「私、管理局の人じゃないもの。民間協力者、知ってるでしょ?」

そう言って手を広げるなのは。何で手を広げるんだ?

「胸の中に飛び込んで欲しいならもう少し特定の部分を大きくしてからな?今度アイス奢るから我慢してくれ。」

「何の話!!?お願いだから真面目に聞いてよ!!!ていうかアイス奢ってまで嫌なの!?」

「とにかく、民間協力者でもだ。お前は立場的には管理局側だ。手伝うって事はイコールあたし達側・・・早い話悪人になるってこと。悪いが話はできないな。」

「・・・それって私のために話さないってこと?」

「まぁ・・・そうなるかな?」

「にゃはは、やっぱり優しいねヴィータちゃん!」

あ~ったく、ちょっとこんな事言うたびにコイツは~・・・っと、隠れているがこの気配は!!

「つー事でまた今度な!!」

そう叫び俺は衝撃弾を作る。それをアイゼンで叩く。

「唸れ閃光!爆音となれ!!」

『Eisengeheul』

それは激しい閃光と爆音を発しなのはの視覚と聴覚を一時的に奪う。(この掛け声は何かって?かっこつけただけだよ!!)・・・その隙に俺は普通の砲撃魔法では当たらないであろう位置まで行き転移の準備をする・・・・・・・フリをした。

「・・・まずいな、少し離れすぎたか?」

・・・・・いや、どうやら問題なかったようだ・・・・・。

「いくよ、久しぶりの長距離砲撃!」

そういってなのははレイジングハートを構える。

『Load cartridge』

カートリッジを二発ロードさせる。おい、まだ体出来上がってないのに二発連続をためらいなくかよ・・・そのうち忠告しておかないとな・・・っと、そんな事を考えてるうちになのはは魔法陣と砲撃増幅・加速用のリングを展開させる。おっと、演技演技っと、

「嘘だろ!!?届くはずねぇ!!」

いや、届くだろ?この感じは・・・っと自分の発言に突っ込みを入れる。そして、

『Divine buster. Extension』

「ディバイーーーン、バスタァァァァア!!!」

桃色の太い閃光が俺目掛けて飛んでくる。こえぇぇぇぇぇええ!!でも駄目だ!!!障壁間に合わないフリをしろ俺!!怖いけど!!!無防備でいろ!!!泣きそうだけど!!!!あ、でも目を瞑ってもいいよね!!!?あれ!!?俺ヴィータだよね!!!?実は数の子の某腹黒メガネとかじゃないよね!!!?ああ、もう恐怖で頭がぁぁぁぁぁぁああ!!!!

ついに俺は恐怖に負け目を瞑った。俺の耳には近くで激しい轟音が鳴り響くが衝撃はいつまで経ってもこない。

「・・・いつまで目を瞑っている?」

不意に声が聞こえたそこにいたのは・・・

「勇者王!!?」

「なんだそれは?」

仮面の男がいた。っと吃驚したあまり声優ネタしちまったぜ、ガオ●イガー!!

「とにかく早く行け、闇の書を完成させるのであろう?」

「ん~でもなのはが怖いし・・・」

「俺が動きを捕らえる。怖いのならそれを確認してから行け。」

ラッキ~♪・・・・・やっべ、笑いそう・・・・・駄目だこらえろ・・・・・ク、クク・・・・

「ディバイーーーン・・・・・」

なのはが再び砲撃の準備に入るが、仮面の男はカードを取り出しその効果を発現させる。なのははバインドに捕らわれる。今頃『バインド?そんな・・・あんな距離から、一瞬で!?』とか言てるんだろうが、それを言ったらお前の砲撃もだろ~が。しかし、魔法技能はやはり高いな・・・でも、真正面からのぶつかり合いならカートリッジを使うベルカの騎士・・・俺達守護騎士全員を相手にすれば二人がかりでは勝てん。だからこそアニメでもこいつらは不意をつく形でいつも現れたんだろうな。

「さぁ・・・今だ。」

おっと、アブネェ・・・せっかくのチャンスを見逃す所だったな。

「いや~マジで助かったあんがとよ仮面の旦那。」

そう言って俺はコイツの背中をバンバン叩く。

「な、何をしている早く!!?」

コイツはさっさと俺が転移すると思っていたらしく戸惑っている。

「まぁまぁ、そう言うなって。んでさぁついでで悪いんだけど・・・」

そう言って俺は懐にある、ある物を取り出しながら・・・



――ちょっと一緒にデートと行こうぜ?猫耳お姉さん?――



その呟きに一瞬の動揺をした。そして急いで離れようとしたが・・・

「おせぇ!!吠えろ、一般デバイス!!!」

『Struggle Bind』

この数ヶ月で俺が倒した魔導師のデバイスの登録魔法をコツコツ何回も確認して30回あたりで見つけ、ずっと持っていた簡易デバイス(勿論ストレージ)を使った。
ストラグルバインド・・・クロノいわく使い道があまりない魔法らしく実際これ見つけるのには苦労した。効果は対象の動きを拘束し、なおかつ対象が自己にかけている強化魔法、変身魔法等を強制解除する捕獲魔法だがミッドの適正が薄い・・・つーか限りなく0に近い俺ではぶっちゃけそこらのランクの低い魔導師でも簡単に解除できるし、強制解除もせいぜい不安定にする程度だが(デバイスにも無理やり俺でもつかえるようアイゼンを介して調整を加えているマジで効率も悪い、気分的にはギガントシュラークの魔力分でやっとシュワルベが使えたような気分だ)・・・これはこれで役に立ったようだな・・・変身魔法を解かないように必死になって逃げれないみたいだ。

「きさまぁ!!!」

「く、くく・・・あーはははははは!!!まぁ楽しいデートと行こうぜ!!!」

俺は夜天の書に転移の指示を出す。

「夜天の書よ!守護騎士ヴィータが命ずる、跳べ!同志・剣の騎士の下へ!!!」

夜天の書は転移する。さぁて・・・

「こっちもこっちで楽しいデートと行こうぜぇ!!!」

「うぁぁぁああ!!」

俺達はランダム転移をした。・・・もう一人がシグナムとフェイトのもとに行くかが心配だったが、どうやら転移を目視でなく感覚で感知したらしく勝手に勘違いしてシグナムの下に向かったようだ。・・・本当に嬉しい誤算だな。



転移が完了したそこは草原が無限に広がる世界であった。

「ん~風が気持ちいい~♪」

うまくいったのでちょっと上機嫌です。

「きさまぁ!!なんのつもりだぁ!!!」

「さぁ?」

悪いがまともに話すつもりは無い・・・俺はできた人間じゃないからな、こいつら相手なら冷たくなれる。だから一方的に俺は言う。

「で?お前、リーゼのロがつく方?アがつく方?」

「な!?」

「あ、氷結の杖デュランダルどっちが持ってる?やっぱ今は親玉が持ってるのか?しっかしデュランダルなんてたいそうな名前付けやがって、前にやってたゲームの中でのお気に入りの武器の名前だったのになぁ~~」

「な、何を言って!!」

「あ~やっぱ親玉の名前言わなきゃだめかぁ~お前らの親玉は・・・ギル・グレ「だまれぇぇぇぇぇえ!!」・・・お?」

なりふり構わない魔力放出でバインドを強制的に解除した、ついでに変身魔法も解けて猫耳の女になったが。でも、

「残念、封鎖領域。」

『Gefängnis der Magie』

小型の封鎖領域が彼女を覆い逃げれなくする。相変わらずこういう使い方は負担がかかるな。キツイ・・・さっさと終わらせて家帰ろう。

「加えて、一般デバイス?」

『Record was completed.(記録が完了した)』

俺は簡易デバイスをひらひらさせながら言う。

「はい、この一般デバイスには今の出来事を映像として残した。ついでに言うなら魔力波長もな?これで逃げたら・・・分かるだろぉ?」

「・・・何が言いたい!?」

「わからんかなぁ・・・お前ら豚箱行きだよなぁ~。反逆罪もいいところだよなぁ~♪」

冷静に考えるといきなりそこまではならないと分かるだろうが、そんな考えさせる暇も無く俺は言う。言ったろ?すべて一方的にだ!

「きさまぁぁ・・・。」

「残念だがあたしはお前と会話をしたいわけじゃない、三日後に次元座標673B9865748、Z253535G358R341423・・・えっと、33259D32・・・その世界には白き古城がある。そこでお茶会を開こうではないか!!」

「な、何でそんな・・・」

「そうだ!!演出といこうではないか!!君達使い魔はぜひメイド服を着てきてくれたまえ!!萌えと言うものだよ!!」

俺はとにかくコイツに話をさせないようにする。あ~テンション高い、何か自分でも止まらんな、スカリエッティにでもなった気分だな。言ってる事は無茶苦茶だが。さて、そろそろもう一人が来る頃だな、そろそろ退散とするか、

「ああ、それからもう一匹のほうは大人しくするように言っておいてくれたまえ、なかなか感情豊かな方らしいのでな・・・では、三日後に古城で会おう。ミス・リーゼアリア・・・」

「ま、待て!!」

そう言って俺はお辞儀をしながらみんなのもとへと転移した。



「お~い、シグナム、ザフィーラ!!」

俺は二人のいる次元世界へと転移を完了していた。

「ヴィータか、遅かったな。」

「ん~ちょっと手こずった。」

「そうか、テスタロッサの魔力は蒐集できた。スマンなお前の友を・・・。」

「・・・それだけじゃねぇんじゃねかシグナム。何か顔暗いぜ?」

「・・・例の仮面の男の横槍が入った。仕方が無いとはいえあんな形で終わらせる事になるとは・・・。」

そう苦しそうにシグナムは言う。それに俺は、

「・・・おい、何を勘違いしている?」

「ヴィータ?」

「闇の書はまだ完成していない、完成前にフェイトも回復するはずだ。まだ終わってなんかいない、始まってなんかもいない。」

「ヴィータの言うとおりだ、我らは止まるわけにはいかん。」

「・・・そうだったな。では、帰るとしよう。シャマルも心配している。」

そう言って俺達は転移する。余談だけど家帰ったろそっこーソファーの上で寝た。やっぱなれない魔法使うもんじゃねぇな?









おまけ

ギル・グレアムは悟っていた。リーゼアリアからの報告にリーゼロッテはまだ修正がきく、守護騎士一人くらい消したって・・・と語っているが、長年の感か彼には分かってしまった。自分の計画は崩れたのだと。そのゆえかコーヒーすら飲んで落ち着いている。

「わかった、では三日後彼女にその次元世界に会いに行こう。」

「父様!!まだ修正はきく!!あたし達が不意打ちを!!!」

「むだだ、考えられてもせいぜい彼女達には我々は闇の書を完成させて利用しようとする者だと思っている・・・そう思っていた。だが彼女ははっきりと・・・」

「ええ、【夜天の書】と言っていました。少なくとも彼女はすべてを知っていると思われます。最悪の場合、守護騎士の全員が・・・」

「ああ、交渉の場所に仮に彼女一人でいたとしても隠れて他の者たちもいるかもしれない、つまり彼女相手に不意打ちは無理であろう。さらに言うならば我々の計画を知っているのであれば常に警戒をしているであろうからな・・・最後に不意を突いて彼女達を最後のページへの糧にするのも・・・もはや無理であろう・・・。」

「ああもう!!・・・私達の事はクロノから聞いたとして、なんでデュランダルの事が洩れたの!!?」

「落ち着きなさいロッテ、とにかくその日は私一人で行こう。」

「と、父様!!?」

「あ、待ってください。彼女は使い魔にはメイド服を着てもらおうと言ってました。」

その言葉に彼はコーヒーを吹き出した。壁には茶色いしみができていた。自分の所為なので清掃の人を呼ぶわけにはいかない。

「何それ?」

「えっと、調べてみたけど家事使用人が着るものみたいだけど・・・。」

「はぁ?いや、父様のお世話をしてるし別に着てもおかしくないけど・・・。」

「ま、待てロッテ!!」

「しかし、そういう指示が出てる以上着ていくのが無難でしょう。」

「ほ~どれどれ~~・・・へ~結構かわいいじゃん。クロスケからかうのに使ってみるのもいいかも。」

「何かモエとかいってたよ?」

「燃え?なにそれ?燃えるの?」

「さぁ?」

彼女達の会話を聞いてギル・グレアムは少し頭が痛くなった。

「(・・・本当にいろんな意味で彼女は何者だ?)」

とりあえず清掃道具を探しに行く提督であった。









デバイス紹介

名称・一般デバイス―――見た目は武装隊が持っているものを少し鋭くした感じで正式名称はR5Vであり一般デバイスとかヴィータは言ってるが実際は武装隊隊長に支給されるそれなりに高性能なデバイスである。カラーはブラックであるがこれは元の持ち主の要望で実際はゴールドである。さらに追記するならヴィータの強引な調整の影響でストラグルバインド以外の登録魔法は全て駄目になっている。









あとがき

ギル・グレアムさんがなんかあっさり諦めましたがこれについては、実は止めて欲しかったって思っていたかもって言うか、今までとは明らかに違う展開ゆえの賭けと言うか、ご都合主義というか、これから更なる抵抗をする展開が思いつかなかったって言うか・・・・・ぶつぶつ(延々と続く言い訳)



それにしてもテンション高かったなヴィータ。


(ちょっと修正しました)



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十六話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2008/12/02 20:18
情けない話、はやてが闇の書に取り込まれないようにする方法を見つけることができなかった。守護騎士である俺はある一定の情報が確認できるがはっきり言って上辺だけである・・・ついでに言うと使える力もごく一部である。アニメ・・・いや、この長い年月の中俺以外のみんなが闇の書の真実に気付けないのもこれが原因であろう。
闇の書・・・正式名称【夜天の書】、本来の目的は各地の偉大な魔導師の技術を蒐集し研究する為に作られ主と共に旅する魔導書。今のようになったのは歴代の主の誰かが・・・いや、勘違い野郎のアホ(俺には分かるね!!)が勝手にプログラムをいじったせいで破壊にしか使えないようになった。そして長い年月の中に本来の姿が薄れ戻るのは不可能になってしまった。転生と無限再生の原因は旅をする機能と破損したデータを自動修復する機能が暴走しているため、これが後に破壊すべき防御プログラム。外部からの接触は不可、無理にすれば主とり込んで転生、完成しないと主だっていじれない。でも完成したら完成したで主取り込むし、ほ・ん・と、どないせいちゅうねん!!!取り込まれても自分を強く持てる人しかいじれない仕組み。俺じゃ無理だね、きっと欲望に捕らわれちまう。そんな強くないし・・・うっわ、自分で言ってなさけねぇ!!
でも、正直な話、はやてについては心配はない。あいつの心の強さ・・・少なくとも夢に逃避するような子じゃないことは俺もよく知っている。少し背負い込みすぎな所があるが、まぁ家族も友達もいる、これから出会う人たちもいるし少しづつ成長してくれたらいい。だから俺があいつにできることは少しでも現実に未練を残させてさっさと起きれるようにするぐらいであった。

そして、もう一つ俺はやらなくてはいけない。ここでの暮らしが楽しかったから、皆の事が好きだから、でも・・・だから俺は・・・・・・。





第二十六話「見つめ始めた違和感」





<なのはside>

今私は本局にあるアースラで前の戦いについての会議をしています。・・・フェイトちゃんはここにはいません、前の戦いで魔力が蒐集されて今は医療施設で休んでいます。心配だけど私のときと同じでリンカーコアに酷いダメージを受たけれど命に別状はないそうなので安心しました。

会議は進んでいきます、こちらのシステムがクラッキングされたこと、でもエイミィさんが頑張ったおかげで仮面の男の人の映像が取れたのですが、もう一つ重要なものが・・・

「さて、問題はこれだな。」

そう言ってクロノ君はある映像を出しました、そこに映し出されたのはバインドで仮面の男を捕らえるヴィータちゃんの姿が・・・

「そしてこの後、ヴィータがこの仮面の男を連れて転移をした直後フェイトの下にまた現れフェイトのリンカーコアを取り出した・・・これについて考えれる事は今のところ・・・。」

「二人一組だったってことだね・・・いくらなんでも捕まってすぐに逃げれたって様子じゃないし。」

クロノ君の後にロッテさんが言います。

「えぇ、それと仲間でもない・・・と言った所かしら。仲間なら捕まえる必要は無いもの。」

「ん~そもそもシステムをクラッキングできたことも考えると組織だっておこなっているのかもね、それなら複数いてもおかしくないし。」

「とはいえ、まだ不明な点は多いか・・・ヴィータがこの後この男をどうしたかも分からないしな・・・。」

「・・・今分かるのはこんなものかしらね、アレックス。アースラの航行に問題はないわね?」

リンディさんが立ち上がって言います。

「ありません。」

「ん。では、予定より少し早いですがこれより司令部をアースラに戻します。各員は速やかに所定の位置に。」

「「「はい!」」」

「っと、なのはさんはお家に戻らないとね?」

「あ、はい。でも・・・」

私はフェイトちゃんが心配で少し歯切れが悪く返事をしました。

「フェイトさんのことなら大丈夫。私たちでちゃんと見ておくから。」

「・・・・・はい。」

リンディさんとフェイトちゃんは養子の話もあったので私はリンディさんに任せる事にしました。



<ヴィータside>

俺達は例の仮面の男について話していた。もっとも俺は誤魔化しているだけだが・・・。

「助けてもらったって事で、良いのよね?」

「少なくとも、奴が闇の書の完成を望んでいるのは確かだ。」

だろうな完成した後が目的なんだから。いや、目的だったか・・・もう不可能な事だ。俺がさせん。

「完成した闇の書を利用しようとしているのかもしれんが。」

そのザフィーラの言葉に俺が言う。

「いや、それはないだろう。闇の書はマスター以外は使えない。ちょっと調べれば分かる事だ、・・・あたし達ですらその一部しか使用許可を得れないんだからさ。」

一応それっぽい事言って会話に参加しなくてはな。

「ああ、それに完成した時点で主は絶対的な力を得る。脅迫や洗脳に効果があるはずもないしな。」

「まぁ、家の周りには厳重なセキュリティーも張ってるし、万が一にもはやてちゃんに危害が及ぶことはないと思うけど・・・。」

「念のためだ。シャマルはなるべく主の傍を離れん方が良いな。」

「うん。」

そういえばここでヴィータが闇の書に対して違和感を感じたことを言うんだっけ?そろそろ記憶が曖昧になってきたな・・・いや、今まで結構おぼえていたほうだと思うが。一応何か言っておくか。

「なぁ、闇の書は完成すればどうなる?」

「?何を言っている?」

「完成すれば闇の書の主は大いなる力を得る。守護者である私たちは、それを誰より知ってるはずでしょ?」

「・・・皆は何か忘れてる事とかないか?」

「忘れた事?」

「ヴィータちゃん、何か思い当たる事があるの?」

・・・やはり誰も違和感すら持っていないか。これも改編の影響ってやつか?

「あ~・・・ごめん忘れて。多分あたしの勘違いだ。」

「いや、これだけいろいろな事があったんだ。何かに不安に思うのも仕方ない。」

「そうね、シグナムの言う通りよヴィータちゃん。不安なら隠さないで相談していきましょう?」

何かその言い方だと俺がまるで情緒不安定な人見たいじゃん。しかしなんだ?俺自身何か忘れている気がするな・・・なんだ?

「ん~何か魚の骨が引っかかってる気分・・・。」

「どうしたヴィータ?」

「なぁザフィーラは・・・<ガシャン!どさ!!>・・・え?」

この音で俺は思い出した、はやてが・・・・・

「何この音!!?」

「上からだ!!」

「主はやて!!」

この音に気付いて急いで上に上がり俺達ははやての部屋に行った。そしてそこには倒れた車椅子と胸を押さえて苦しそうに倒れているはやてがいた。

「はやてちゃん!!!」

「あ、主はやて!!?」

くそ!!肝心な事を忘れてた!!!急いで俺はやての所に行く、意識はあるけど・・・返事はできないくらい苦しいみたいだ。

「はやて!!くそ、シャマル!!治癒魔法!!!」

「え!!?でも!!!」

「うるせぇ!!何もしないよりましだ!!シグナムは救急車を呼んでくれ!!!」

そう言って俺は携帯電話を投げる。

「わ、わかった!!」

俺達はとにかく慌てた、そんな中はやてが無理やりしゃべろうとする。

「そ、・・・そんな・・・おおげさ・・・やよ・・・」

それでもこの状況でも心配させないようにしようとするはやてに俺は怒りを感じた。

「うるせぇ!!何でこんなになるまで我慢していた、そのせいで!!!」

「落ち着けヴィータ!当り散らした所でどうにもならん!!」

「分かってる!分かってるけど!!」

ちくしょうが!!!こんなに悔しい事は生まれて初めてだ!!!



その後はやては救急車で運ばれ俺達は病院に来ていた。シャマルは付き添いで救急車に乗って俺とシグナムはタクシー使ったけど、ま、それは置いておいて。

病院に着いたはやてはすぐに石田医師の検査を受けたそして今はやては病院の個室のベットの中にいた。ちなみにザフィーラは留守番、犬だもん。

「大丈夫みたいね、良かったわ。」

「はい。ありがとうございます。」

「はぁ、ほっとしました。」

「せやから、ちょぅ眩暈がして胸と手が攣ったやてゆ~たやん。もう、皆して大事にするんやから。」

ち、嘘つきやがって。俺は知ってるんだぞ、俺達が帰った後苦しそうにする事も、今我慢している事も。

「でも、頭を打っていましたし。」

「何かあっては大変ですから。」

「むぅ・・・なんやヴィータ怖い顔をして。」

「・・・なんでもないけど、本当に平気なのかよ。」

「大丈夫やて、心配性やなぁ~~。」

楽しそうに言うはやてそれが俺にとっては結構キツイ。もうちょっと頼ってくれたって・・・。

「まぁ、来てもらったついでにちょっと検査とかしたいから、もう少しゆっくりしてってね?」

「は~い。」

「さて、シグナムさん、シャマルさん、ちょっと。」

「はい?」

「ん?」

そうして二人は石田医師に連れられ部屋の外に出た。

「ん~どうしたんやろ二人とも?」

「はやてがちゃんと規則正しい生活してるか聞いてるんじゃないか?」

「いやいや、子供やあるまいし。」

「いやいや、はやて実際子供。」

「は、謀ったなぁ!!」

「おいおい。」

本当にいつも通りだ。でも、それが無理してるように見えるのは気のせいじゃないだろうな。

「あ、そうだあたし何か飲み物買ってくるよ。なにがいい?」

「あ、じゃぁ・・・沖縄限定のゴーヤジュースを・・・。」

「それが本気なら飛んでいくけど?」

「冗談や、りんごジュースお願い。」

「うい~す。」

そう言って俺は病室を出た、そこには石田医師とシグナム、シャマルが話をしている最中であった。

「発作がまた起きないとも限りません。用心の為にも、少し入院してもらった方が良いですね。大丈夫でしょうか?」

「はい。」

「そうですね、分かりまし・・・ヴィータちゃん?どうしたの?」

「飲み物買いに行こうと思ってな、二人は適当に選んでいいよな?」

「え?ええ・・・。」

「ああ・・・。ヴィータ今の話・・・。」

「あたしに気を使うぐらいならはやてに気を使え。二人だって心配なんだろ?」

そう言って俺は行く。

「はやてちゃんといい、ヴィータちゃんといい、大人顔負けですね・・・私たちが情けないくらいに・・・。」

「そう・・・ですね・・・。」

そんな会話が少し聞こえたような気がした。



「入院?」

「えぇ、そうなんです。」

あれからしばらく検査をしてからシャマルはその話をした。検査の結果と見せかけてはいるがその前から決まっていた事ではあるが・・・。

「あ、でも検査とか念のためとかですから、心配ないですよ、ねぇ?」

「はい。」

それについてフォローする二人。でもはやては、

「うん、それはええねんけど。私が入院しとったら、皆のご飯は誰が作るんや?」

「そ、それは・・・何とかしますから。」

「そうですよ!大丈夫です・・・多分。」

ち、仕方ないか。めんどいが・・・

「あたしがやっとくよ。」

「えぇ!!?」

「なに!!?」

「そっか~ヴィータの料理は少し味が濃いけど・・・まぁ大丈夫やろ?」

だってカロリー気にしないもん。男の料理なんざ、早くて安く作れるのが主流だし。俺ももともと一人暮らし、某正義の味方ほどじゃないが最低限はできる。

「ヴィ、ヴィータちゃん!!作れたの!!?」

「おう、あくまで最低限だがな?」

いざという時は冷凍食品とか弁当とかも買うか。あそこのスーパーって何時から割引だっけ?あれ?なんかシャマル落ち込んでる?なんでさ?

「シャマル。例のクッキー事件ですでに予測が付いていた事だ。」

「分かってるけど、でも~~~・・・・・。」

「あ、はは・・・ほんなら私は、三食昼寝つきの休暇をのんびり過ごすわ。・・・っあ!あかん!すずかちゃんがメールくれたりするかも!」

「あぁ、私が連絡しておきますよ。」

「うん、お願いや。」

「では、戻って着替えと本を持ってきます。ご希望がありましたら・・・。」

「う~ん、なんにしようかな?」

そして俺達は病院にはやてを残して出た・・・けど、

「あ、やっべ忘れもんがあった。ワリィ取りに行ってくる!!」

「え?ヴィータちゃん!?」

俺は返事も聞かずに病院へと戻った。そして病室で・・・

「っ・・・うぅ・・・。」

案の定はやては苦しそうに胸を掴んでいた。

「・・・ばかが・・・。」

「あ・・・ヴィータ・・・あんなこれは・・・っ!?」

俺はとく喋らずにはやてを抱きしめた。身長足りんから変身魔法使ったが。

「あのな・・・確かにあたしらは辛いのを聞くことしかできねぇ・・・けど逆に言うなら辛いこと聞く位はできるんだよ。」

「あぅ・・・うぅ・・・ごめんなぁ・・・もうちょっとこのままで・・・。」

「・・・・・あぁ・・・・・。」

その苦しみから解放してやる。もうちょっと我慢してくれはやて・・・。



一方その頃二人は



<シャマルside>

私たちは今はやてちゃんの入院セットを取りに家に向かっていた。ヴィータちゃんが病院に戻ったけど・・・ちょうどいいので私はシグナムとある事を話そうと思います。前には忘れようといっていたけど・・・。

「ねぇ・・・やっぱり最近のヴィータちゃんおかしくない?」

「ああ、なにか追い込みでもかけているかのようだ。闇の書の事ではなく・・・もっと何か別の・・・。」

「・・・やっぱり・・・ヴィータちゃんは・・・。」

「だがシャマル。お前も見たであろう主はやてが倒れた時のアイツの必死な顔を。」

「ええ・・・。」

「ならば信じよう。我らの仲間を・・・。」

そうだけど、何かが違う。ヴィータちゃんが裏切るとかじゃない。もっと別の何かに気をつけないといけない・・・何故か私は漠然とそう思った。



次の日

私はこれほど運命が残酷に感じたことはなかった。すずかちゃんからのメール、それに添付されていた写真にすずかちゃんの友達が写っていた。けどその友達は・・・

「う・・・そ・・・。」

そこに写っていた子達の内二人は・・・・・私は急いでシグナムに念話を送った。



『何?テスタロッサ達がどうしたって?』

「だから!テスタロッサちゃんとなのはちゃんの管理局魔導師二人が今日はやてちゃんに会いに来ちゃうの!すずかちゃんの友達だから!どうしよう!どうしよう!!」

『落ち着けシャマル。すでに手は打ってある。ついでに言うと結構前から知っていた。むしろ今までこんな事にならなかったのが不思議なくらいに。』

「えぇ!!!?」

な、なんで!!?

『ヴィータから聞いていた。とにかく私たちと鉢合わせる事がなければ良いだけだ。すでに昨日のうちに主はやて、それから石田先生に我らの名を出さぬようにお願いをしている。ご友人のお見舞いの時は私たちが外そう。変に思われたかもしれんが仕方あるまい。』

「だ、大丈夫かしら・・・。」

『それに忘れたか?主はやての魔法資質は殆ど闇の書の中だ、詳しく検査されない限りバレはしない。』

「そうだけど・・・顔を見られちゃったのは失敗だったわ。出撃したとき変身魔法でも使ってれば良かったかしら?」

『さらに言うとすでにそのことを初めにヴィータに提案したが闇の書を使ってる以上我々の事もいずればれると言う結論に至っている。』

あぁ、もう!シリアスな空気が一気に無くなったわ!!

「ねぇ・・・何で私には教えてくれなかったの?」

『あぁ、シャマルは何かてんぱってわけ分からん事をしでかすかもしれんという結論に出てな?』

「・・・そろそろ泣きそうよ私。」

『仕方ない。』

「仕方なくない!!!」

でもこんな会話をしたけどやっぱり心配なので私はサングラスをして変装してはやてちゃんのいる病院に行く事にしました。何か刑事さんにでもなった気分です♪後でシグナム達に話したら『それがわけ分からん事だ!』と怒鳴られちゃったけど・・・何でかしら?



今はやてちゃんの病室の前にいるんだけど、二人ははやてちゃんのことに気付いてないみたいで楽しそうに話している。よかった・・・。

「シャマルさん?何やってんですか?」

「はぁ!?その、えっと・・・ちょっと、気になりまして。」

私に声をかけてきたのは石田先生でした。何か生暖かい目が気になります。

「えっと・・・その・・・。」

「中に入れば良いじゃないですか。というのは禁句なんですかね?」

「あの・・・えっと・・・。」

その後私は石田先生に誘われてロビーのほうで話をすることになりました。コートとサングラスは外してくださいと言われたけど・・・なぜかしら?

「変な言い方かもしれませんが、はやてちゃんの主治医としてシャマルさんたちには感謝しているんです。皆さんと暮らすようになってから、はやてちゃん、ホントに嬉しそうですから。」

ううん、むしろ私たちのほうが救われた、そう思っている。石田先生の言う事が本当ならそれはきっとヴィータちゃんのおかげ。

「はやてちゃんの病気は正直難しい病気ですが、私たちも全力で戦ってます。」

「はい。」

「一番辛いのははやてちゃんです。でも、皆さんやお友達が支えてあげる事で勇気や元気が出てくると思うんです。だから支えてあげてください。はやてちゃんが病気と戦えるように。」

そう言って石田先生は私の手に手を添えた。私はいつの間にか涙が溢れてきて止まらなくなった。

「はい。」

全部私たちのせいなのに・・・私は泣いた。今まで我慢してきたものすべてを吐き出すかのように・・・・・。



<ヴィータside>

もう無理なんだな。アイツとあの家で会うことはできないのか・・・ちょっと寂しいけど仕方ない、分かっていた事なんだから。・・・本当に楽しかった、別にもとの世界に不満があるわけじゃないけどその世界よりも選んでしまいたくなるぐらいここでの生活は楽しいものだった。

でも、それは本来俺のではないと思うから・・・だからこそ俺は・・・・・・・返さないといけない。









おまけ

「いよいよ明日か。彼女に会いに行くのは。」

「本当によろしいのですか?デュランダルまで持っていくなんて。」

「ああ、知られた以上はすべてをこちらから話すべきだ。思えば送られてくる写真の中のあの子はいつも不機嫌そうであった。そもそも何故彼女だけ早期に覚醒をしたのか、それにもっと早く注目すべきだったか。」

「まさか今まで私たちが監視していたのにも気付いていたと?」

「さりげない会話で、ある程度私たちに情報を渡していたのかもしれん。見張ってるつもりが見張られていたと言う事か・・・。」

「そんな・・・。」

「だが、仕方の無い事だ。こちらはしてもいいがされるのは嫌だという訳にはいかないものだからな。こちらよりも彼女のほうが一枚上手だったと言う事だ。」

「そう・・・ですね・・・。でもそれでは闇の書は・・・。」

「そうだな、リンディの言葉を信じるしかないかな・・・そういえばロッテはどうしている?」

「さぁ?何か準備を・・・・・「ごめんにゃ~おまたせ~~♪」・・・ロッテ!!おそ・・・何その格好?」

「メイド服だよ~~似合う~~~?」

それを見てギル・グレアムは飲んでいた紅茶を吹き出した。どうやら本当に準備していたらしい。そしてまた壁を汚してしまった、今回は紅茶なので掃除は多少楽だ。

「何で今着るのよ!!」

「いや~なんかこれ見たらつい・・・猫耳と相性いいんだよ~。」

「意味分からないわよ!!!」

「ねぇ~今からクロスケからかいに行ったら駄目~?」

「駄目に決まってるでしょ!!!」

「え~じゃぁアリアも試着試着~♪」

「ちょっと、どういう状況か考え・・・って、やめ・・・!!」

そして再びギル・グレアムはヴィータについて考える。

「(彼女の騎士甲冑といいこの発言といい、ひょっとしてはやてがそういう趣味でそれに感化されたのでは?)」

とか思っていたそうな、いなかったそうな。その眼はまるで夕日でも見ているかのようであったとか・・・。



本局にて遠い目をして清掃道具を持って廊下を歩く某提督を局員が見たのは余談である。









あとがき

正直シャマルとシグナムのやり取りは書いてて楽しかった。




[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十七話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/05/23 03:01
とある次元世界そこは放置世界と呼ばれていた。かつて存在した都市はもはや廃墟と化し古代都市跡といわれていた。その後は発掘世界もしくは観光世界として、そこそこの人間が訪れていたがほとんどの発掘が終了したと同時に観光客もどんどん減っていき数十年前にその世界は放置世界の一つとなっていた。そこに残っているのは古い都市跡とぼろぼろになっている古城のみであった。

だがその古城の庭の一角には今、真新しい椅子とテーブルがあり、そこに一人の仮面をつけた長髪の男性が座っていた。テーブルには二つのコップとお茶菓子、紅茶が入ったポットが用意されていた。

そしてそこにメイド服を着た二人の女性と年配の男性が訪れた。

「やれやれ。その格好は皮肉かね?【鉄槌の騎士】」

「ああ、その通りだよ、【提督殿】。 もっとも長髪なのは私の好みだがな・・・まぁ、座りたまえ、まずは紅茶を一つどうかな?」

「その仮面でどう飲むのかな?」

「ふっ、下は取り外し可能だ。問題ない・・・」

そう言って冗談を言い合う二人。だがその空気はとても重いものであった。





第二十七話「真なる決別の時」





<ヴィータside>

はやての入院から俺達は家にもろくに帰らずに蒐集行為を行っていた。そのせいもあり管理局もこちらを追いきれないものとなっていた。時折会いに行くとはやては寂しそうだったので心苦しかったのだがそうもいっていられない状況でもあった。そして月日は流れ・・・



12月23日 PM10:55 八神家宅



「シグナム、あと何ページだ?」

「あと56ページ。悲願まであと少しだ」

その言葉に俺は言う。

「【悲願】か・・・ある意味読んで字のごとく【悲しい願い】なのかもしれないな・・・」

「ヴィータちゃん・・・」

「そうかもしれんな。もとより原因は我らにあるのだ」

俺の言葉にシャマル、ザフィーラが言う。そしてシグナムが発言をする。

「だがもうすぐだ、もうすぐで終わる。完成されるのだ、大いなる力が・・・それをもって主はやての病を消す。そして大いなる力を使わずにただ平穏に暮らす」

「そうね、もうすぐね。もうすぐ皆でまたのんびり平穏でいられるのよね!」

「ああ」

「そのためにも残りをしくじらない様にしなくてはならない」

「ん~でもさとりあえず明日ははやてに会いに行こうぜ、皆で」

俺は言う。これだけは譲れない。なぜなら明日は・・・・・。

「だが、あと少しで・・・」

「シグナム、明日はクリスマス・イブよ。せっかくなんだし皆で会いに行きましょう?」

「それがいい。特別な日に皆で集まらないのはな・・・」

「そうだな・・・幸いにもあとわずかだが猶予はある・・・その代わり明日だけだぞ?」

「ああ、了解!!」

「えぇ!!」

「家の守りは俺がする。三人で行って来るといい」

ん~とりあえずザフィーラは素直に犬だから病院は入れないので留守番するって言えよ!!



そして、

12月24日 PM4:20

海鳴大学病院



「はやて!!シャマル料理から生還したぜ!!」

「って!いきなりやなぁヴィータ!!」

入ってきて早々に俺が言った言葉にはやてが突っ込みを入れる。

「いや~数日前に【シャマルのフルコースディナーショー】でみんなそろって数日間指一本動かない状況で・・・「嘘言わないでヴィータちゃぁぁぁん!!!!!」・・・病院では静かにしろよシャマルゥ?」

「なにゆえ小さい【ゥ】を入れる?・・・とりあえず私も同意見だシャマル」

シグナムとシャマルも病室に入ってきた。

「ディナーショーの事!!?」

シャマルがシグナムに凄い勢いで掴みかかる。今のアイツなら防御プログラムだろーが倒せるって思えるぐらいにな!!

「お、落ち着け!!病院では静かにしろと言う事についてだ。!!ヴィータもあまり・・・」

「でさ~はやては・・・」

「あはは、ほんでなぁ・・・」

「すでに話しを切り替えてる!!?」

「どうなの、シグナム!!」

「お、おいぃぃぃいい!!?」

あはは、ほんま仲ええな二人は・・・なんちて♪

「あはは、落ち着きシャマル。ヴィータも冗談のつもりだったんやから」

「ほ、ほんとうにぃ~~~・・・」

あ~あ~シャマル半泣きだよ。まったく、・・・そんな中。

<コンコン>

ノックが聞こえた後に声がする。そう、運命ともいえる時が・・・

「こんにちは~」

「あ、すずかちゃんや!はい、どうぞ~!!」

そのはやての一言に・・・シャマルとシグナムが目で分かるぐらい過剰反応をした。仕方が無い・・・なぜなら、

「「「「こんにちは~!」」」」

四人の女の子が、そうアリサ・バニングス、月村すずか、そして・・・高町なのは、フェイト・テスタロッサ。敵対しているはずの二人が来たからである。

「あは、今日は皆さんおそろいですか?」

「こんにちは、始めまして!」

すずかちゃんとアリサちゃんが挨拶をする。一方なのは、フェイトは・・・

「・・・っ!?」

「・・・っあ!?」

ただ思いがけない再会に戸惑い、シグナムは場所も考えずに睨みつけ、シャマルはおどおどしていた。もっとも俺は知っていたので普通に平然としていたがな・・・。

場に変な空気が漂い何も知らない子達は戸惑い、アリサが言う。

「あ、すみません。お邪魔でした?」

「あ、いえ」

「いらっしゃい、皆さん」

「なんだ、よかった~」

急いで冷静を取り戻して二人は言う、それに安堵するすずかちゃん。ったく、こういう状況ができる可能性ぐらい考慮しろよ!!はやてが不安がってただろーが!!!・・・って、無理な話か・・・。

「ところで今日はみんなどないしたん?」

「「えへへ・・・せーの!サプライズプレゼント!!」」

そういってすずかちゃんとアリサちゃんははやてへの贈り物を出した。

「今日はイブだからはやてちゃんにプレゼント!」

「えぇ!?ほんまか!!?」

「皆で選んだんだよ!」

「後で開けて見てね?」

「あ、ありがとぉ~!!」

・・・っと、そうだ!!

「あ、そうだはやてあたし達もあるんだ!!」

「えぇ!?ほんまかヴィータ!?」

「ん、あんまり高くないけど・・・ほら!!」

そう言って俺は包装した箱を渡した。中にはブローチが入っている。これは俺だけでなく皆で数時間かけて選んだものだ。金出したのは俺だが・・・、選び終わった時には時間を見てみんな焦って蒐集しに出たが・・・。

「うわ~うわ~なんや私だけ悪いな~・・・あれ?なのはちゃん、フェイトちゃんどないしたん?」

ふとはやてがまだ衝撃から回復していない二人に声をかけた。

「あ、う、ううん。何でも・・・」

「ちょっと、ご挨拶を・・・ですよね?」

「あはは・・・」

それにシャマルとシグナムも相槌をする。

「はい」

「あ・・・皆、コート預かるわ」

「「は~い」」

そう言ってシャマルとシグナムは皆からコートを預かりフェイトも手伝うふりをして会話をする。

「念話が使えない。通信妨害を?」

「シャマルはバックアップのエキスパートだ。この距離ならば、造作もない」

その割には食事関連は駄目だけどな~・・・まぁそれは置いといて、・・・どうしよう例の『睨んでねぇです』やっとくか?一応・・・と、いつの間にかコートを掛け終わってこっちに戻ってきた三人だがまだ空気が悪い。・・・やっぱやるか・・・

「あの・・・そんなに睨まないで・・・」

なのはが俺に言う。もっともまだ続きがあったが。

「シグナムさん達を・・・(汗)」

そう、俺は今なのはではなくシグナム達を睨んでいた!!何故か睨まれ戸惑うシグナムとシャマル。

「睨んでねーです。こういう目つきなんで・・・す!!」

「ぐっ!!?」

俺はシグナムの足を思いっきり踏んだ!!

「な、なにを!!」

「やかましい!!わざわざ来てくれたのにいつまでそんな態度をとりつもりだアホンダラ!!!」

俺はため息をしてフェイトとなのはに言う。

「あ~も~・・・ワリィな二人とも。特にシグナムは空気読めなくてさ~~」

「な、なんだとヴィータ!!」

咄嗟に俺の名前を呼ぶシグナム・・・っておい!!一応ここではリィータだぞ!!!

「え!?リィータちゃんって・・・!!」

「は?ヴィータって前になのはが言っていた・・・」

ほらぁ!!アリサちゃんとすずかちゃんが気付いた!!!

「やっぱり!本当はもしかしたらって思っていたんだよ!?」

「なのは、本当?」

「え・・・うん。そうだよ前に話していたヴィータちゃん」

「あんたねぇ~何で顔出さないのよ!!」

「ア、アリサちゃん!!」

あ~ほら!!カオスになったじゃねぇか!!主に俺が!!!

「あ~その・・・いろいろ忙しくてさ~連絡取れなくて・・・・・」

「まったく、アタシはアリサよ。よろしくね?」

「おう、あたしはヴィータ!よろしくな!!」

「私はすずか!改めてよろしくねヴィータちゃん!!」

「あ~うん。よろしく!!」

な、何とか誤魔化せたか・・・いっつもこういう状況を見てるだけだったから結構きついな。

「あ、そうだ。何か飲み物買ってきてやるよ。適当で良いか?」

特に要望は無かったので適当に買いに行くとするか。

「あ、一人お汁粉な?」

「なんでよ!!?」

アリサが(ちゃん付けしなくていいって言った、すずかも)即行突込みを入れた。

「おお、さすが金髪ンデレ!!ナイス突っ込み!!」

「だれが金髪ンデレよ!!」

「落ち着け後でメロンパンやるから」

中の人的に、

「何でメロンパン!!?」

「こら!ヴィータ!!ゴメンなぁ~アリサちゃん」

「ヴィータちゃん初対面でも全開でいくからねぇ~気にしたら負けだよアリサちゃん」

はやてとなのはがそう言ってアリサを落ち着かせた。失礼な奴等だぜ!!・・・しかし、ようやくいつも通りな雰囲気になったか。

「うっせ~な。あたしはこういう奴なんだよ!んじゃぁ行って来るぜ!!」

「あ、わ、私も手伝うよヴィータちゃん!!」

なのはまで着いて来た。まぁいいや、一人じゃ重いし。



<なのはside>

ヴィータちゃんが飲み物買いに出て行くのに私はついてきた。本当に信じられない再会であった。・・・まさか、闇の書の主がはやてちゃんだったなんて・・・でもそれ以上に・・・

「金はあたしが出してやるからお前が選べよ。あたしアリサ達の好み知らないし」

ヴィータちゃんがいつも通りだったことに驚いた。ううん、いつも通り過ぎた。私だけでなくフェイトちゃんも・・・きっとシグナムさん達だってその違和感に気付いているはず。

「おい、無視しないで選べよ!」

「え?あ、ごめんねヴィータちゃん!!」

あ、いつの間にか考え込んでみたい。とりあえずジュースを選んで・・・。

「おし、これで全員分だな。帰るぞなのは」

「あ、うん・・・」

帰る途中何度か説得しようとしてみたけど。

「プライベートと仕事は分けろよバ~カ」

と言われました。いつも通りのノリだったのに何故か私は・・・・・・言いようのない不安を感じてしまった。



<ヴィータside>

今シグナムとシャマルは皆の見送りに行っている。・・・実際はなのはとフェイトの監視なんだろうが。だから今俺は病室ではやてと二人っきりである。俺は何となく・・・はやてにしがみついてた。何故か情けなさは感じず、寂しさだけが俺の心を満たしていた。

「どないしたんヴィータ?なんや年相応な甘えん坊に見えるで?」

「うん・・・ちょっと・・・」

「・・・ほんまにどうしたん?元気ないよ?」

・・・仕方ないだろ、だってもうすぐ俺は・・・

「・・・なぁはやて。この服覚えているか?」

はやては少し考えて俺に言う。

「え・・・ん~何やったけ?」

「ほら、あたしが始めて現れた次の日。あたしの服買いに行くのについて行きたくってはやてのお下がり貰っただろ?それだよ」

「ああ、せやったね?ど~りでどっかで見たことあると思っとったよ」

「ほんとさ、いろんな事があたよな」

「せやねぇ~」

ほんとにいろんな事があった。突然この世界に来て戸惑いと共に始まったはやてとの生活、そしてプレシア・テスタロッサ事件に巻き込まれてた、次に夜天の書の覚醒と騎士達との暮らし。今は闇の書事件の真っ最中・・・いや、大詰めか・・・。

「いろいろあったけど本当に楽しかった。今までありがとうはやて」

「・・・ヴィータ?」

はやてが俺の何かに気付いたのか少し不安そうな顔をする。だから俺は笑ってみせる。

「心配しなくても【鉄槌の騎士・ヴィータ】はこれからもはやてのそばにずっといる。だから、とっとと退院してしっかりしろよ。皆が支えてくれるんだからさ?」

「そこに・・・ヴィータもちゃんとおるんやろ?」

「あったりまえだろ!?今言ったろーが」

「あ・・・うん・・・せやけど・・・ちがうんよ・・・」

はやては今にも泣きそうな顔をして言う。

「なにがだよ?」

「わからへん・・・なんやろ・・・ごめんなぁ・・・何言ってるんやろあたし・・・」

アニメではリインフォースが消える時もはやては気付いていたしひょっとしたらはやては誰かがいなくなるのに敏感なのかもしれないな・・・。

「心配しなくても【ヴィータ】は明日も会えるさ」

「あ、うん。せやね」

「ああ、そうだよ・・・じゃ、あたしも行くぜ。もう時間だし」

「うん、また明日な?」

「ああ、またな」

そう言って俺はなのはたちのいる屋上に向かう。

「もっとも次会うときはあたしは・・・いや、”俺”は”あたし”になってるだろうけどな・・・」

そんな事を呟きながら。



屋上の上空で待機していると屋上にシグナム、シャマル、なのは、フェイトの四人が来て対峙を始めた。シグナムとシャマルの顔は暗く重いものであった。しかしなのは達も律儀だよな?二手に分かれて逃げるとかすればいいのに。管理局に気付かれないよう結界は張っていない、シャマルの通信妨害のみなのだから。もっとも電話はできるんだけど・・・ちょっと頭使えよ・・・ん?俺の携帯電話が・・・

「もしもし?」

『様子はどうだ?』

「てめぇか・・・予定通りだ。合図はあたしがする、最後の時だ、少しくらい好きにさせてくれ」

『・・・お前は本当にそれで・・・』

「はっ!罪悪感すら感じずにあたし達を消そうとした奴の言う台詞じゃねぇなぁ!!」

『・・・今更お前達をそういう風に見ることはできない・・・』

「ふん・・・何のかんのでアイツの師匠だってことか・・・だが、すべてはあたしの話し通りにしてもらうぞ。ギリギリまでお前達の計画は始めるな」

『分かった・・・それと・・・スマナイ』

「ちっ!本当に今更だなその言葉は!!じゃぁなタイミング見計らうのに忙しいんだ切るぞ!!」

そう言って俺は電話を切る。余計なことを言いやがって、俺が迷ったりしたらどうする気だっつーの!!!

「でもま・・・その心遣いだけは貰っておくぜ・・・」

・・・っと、いつの間にか始まってしまったな。

「悲願は、あと少しで叶う・・・」

「邪魔をするなら、はやてちゃんの・・・ヴィータちゃんのお友達でも・・・!」

二人の言葉になのはは叫ぶ。

「待って!ちょっと待ってください!駄目なんです!闇の書が完成したら、はやてちゃんは!!」

おっと!!そっから先はまだ禁則事項だぜなのはぁ!!!

「吠えろ!一般デバイス!!」

『Struggle Bind』

俺は管理局からちょっと拝借したデバイスを使いなのはにバインドをかける。適正が薄い俺では強度は訓練生並なんだが咄嗟な事なのでなのはは反応に遅れた。今回は能力付加をしていない名ばかりのストラグルバインドなので使うのは少し楽である。

「バ、バインド!?」

そして俺は、

「フィッッシュ!!!」

なのはを釣り上げた。

「にゃぁぁぁぁぁあ!!?」

「なのは!?」

なのはの事に気をとられたフェイトにシグナムが襲い掛かる。

「うおぉぉぉおお!!」

<ドガッ!!>

咄嗟にフェイトは避け屋上の床にレヴァンティンは振り下ろされた。フェイトもデバイスを起動させる。

「管理局に、我等が主のことを伝えられては困るんだ・・・」

「私の通信妨害範囲から・・・出す訳にはいかない」

一方なのはと俺は、

「ヴィータちゃん・・・なんか私達だけ雰囲気違わない?」

「うん、シリアス嫌いだし」

すでにシグナムはフェイトの事だけを見て、シャマルは通信妨害に集中して俺のずれた行動には見向きもしていなかった。当然だろう、こんな状況だ皆一杯一杯なんだろう、きっとアニメでもこんな感じだったからあいつ等に不意を突かれたんだろうな。

「とりあえず、あのみんなから見えない死角に行くか」

「ちょっと待って!!話を!!!」

「いや、だから聞くって言ってるじゃんか?それとも何か?どうしても『悪魔らしいやり方で話を聞かせる!!』とか言いたいのか?」

「へ!?あ・・その・・・ごめん・・・って何か違う気が・・・」

何か納得いかない様子のなのは。俺は勝手に納得した。

「うむうむ」

「え?なんで!?」

そして俺達は屋上の見えない死角に行き座り込んだ。

「あ、バインドを・・・」

「あん?簡単に解けるはずだぞ?別にバインドブレイクとかしなくても」

「え?あ、本当だ」

そう言ってなのはバインドをあっさり解いた。

「冷静に見ればすぐに分かったはずだぞ?まったく、もうちょっと感覚だけじゃなくてな~・・・」

「い、今はそういうことを話してる場合じゃ!!」

その言葉に俺はなのはの顔に迫って言う。

「い~や、今のうちに言っておく!!」

もう、言えなくなるのだから。

「お前の砲撃魔法はただでさえ負担がかかる。だからこれからは体が出来上がるまでカートリッジの乱用は控えろよ」

まぁ、コイツに言っても無駄かもしれないがな。いっつも無茶するし・・・ま、俺もだけど。あ、そうだ。

「なのは、ホレ」

そう言って俺はある物を投げる。

「ふえ?ア、アイス!?」

「おう、この前奢ってやるって言ったろ?」

保温結界内ので溶けてない。結界のムダ活用!!ちっこいので管理局にも気付かれん。

「冬に食べるのもオツだぜ~♪」

何か言いたそうだったけど観念したらしくなのはは食べ始めた。それを確認して俺も食べる。

「はぁ・・・もう、ヴィータちゃん。話をしながら食べるよ?」

「ああ、真面目に戦ってるシグナム達には悪いがな」

「本当だよ!」

「あはは、まぁアレだな。お前が言いたいのは闇の書を完成してもはやての病気は治らないって言いたいんだろ?」

その言葉になのはは声を上げる。

「し、知っているのなら!!」

「だ・け・ど、闇の書・・・いや、今の夜天の書をどうにかしない事にははやては死んじまう。それもまた事実だ!!」

「ヴィータちゃん!!?本当の名前を・・・!?」

「知っているのはあたしだけだ。守護騎士は皆、改編の影響なのかそのことには気付いていない。そもそも改編されてから信じられないくらいの月日が経っているからな」

俺は今伝えたい事を言う。

「いいか、あまり時間が無いから要点だけを言う。夜天の書にはやてが取り込まれたら、とにかくはやての意識をたたき起こせ!!後は・・・それでどうにでもなる!」

そっから先はお前達の仕事だ。

「・・・ヴィータ・・・ちゃん・・・?」

「お、もう食べ終わったか?じゃぁ・・・」



―始めるか―



「え!?」

俺はそこから飛び出しシグナム達が対峙している屋上へと来た。慌てて俺を追いかけてくるなのは。

「もう止まれん!!判り合うことなぞできん!!!」

泣きながらシグナムは剣を振るう。

「それが私達の願いだから!!」

泣きながらシャマルが叫ぶ。

「止めてみせます、絶対に!!」

速さを上げるために装甲を薄くしたフェイトが決意の眼差しをして言う。だが、

「悪いが、止めるのは俺だ」

俺の小さな呟き、だがそれは確実にその場に響いた。俺は衝撃弾を生成し、アイゼンで叩く。

「唸れ閃光、爆音となれ」

『Eisengeheul』

かつてなのはにしたように激しい閃光と爆音を発し皆の視覚と聴覚を一時的に奪う。そして、

「え・・・きゃぁ!!?」

「バ、バインド!!?」

シャマルとなのはが突然現れたバインドに捕まり身動きが取れなくなる。一方でシグナムとフェイトは直感でか知らんが寸でのところでかわした。俺は仮面を取り出し被る、そう、リーゼ達がしていた仮面を。

「戯けが、言ったであろう。あの二人は避けると」

俺は少し口調を変える。

「そうだったな」

俺の隣に仮面の男が現れる。

「ヴィータ!?」

「な、なにを!?」

「ヴィータちゃん!?」

「ど、どうして!?」

俺の被った仮面に反応したのか、それとも仮面の男に反応したのか皆が俺に悲痛の声を上げる。俺はそれを無視して仮面の男に指示を出す。

「【剣の騎士】は俺が動きを止めよう。フェイトはお前らでどうにかしろ」

「承知した」

俺はシグナムに向かって飛ぶ。

「ま、待て!!」

シグナムが俺に制止をかける。

「そうしてくれるとありがたい、お前が簡単に捕まるからな」

「っく!?」

俺の攻撃を受け障壁を張り耐えるシグナム。それに隙ができ後ろからバインドが飛んできてそれに捕まる。

「しまっ・・!?」

一方フェイトは、突然現れた二人目の攻撃に対応しきれず隙ができて捕まる。

「っくぅ!?」

俺はそれを確認すると空へと上がり他の二人と並ぶ。

「始めるか?」

「つくづく、愚かだな・・・良く思い出せ」

「おぉぉぉぉぉおおおお!!!」

雄たけびと共にザフィーラが俺たち目掛けて飛び込んでくる。

「もう一人いる」

「そうだったな・・・俺が防ごう」

そう言って一人が障壁を張りザフィーラの拳を防いだ。それでもザフィーラは無理をしてそれを貫こうとする。そして俺が、

「無理をするなザフィーラ、拳から血が出るぞ?」

「ヴィ、ヴィータ!?なぜ・・・ッぐぁ!!?」

俺はザフィーラを叩き落した。地面にぶつかる前にザフィーラもバインドに捕まる。皆が捕まった事を確認して俺は言う。

「さて、今度こそ始めるぞ」

「・・・あぁ」

「・・・分かった」

この物語の・・・別世界でA'sと呼ばれた物語の終焉を。











事件説明

【シャマルのフルコースディナーショー】――実は近い事件が起こっていた。それはヴィータのそれなりの料理に危機感を覚えたシャマルが張り切って起こした事件である。言うまでもなく被害者はザフィーラであった。他の二人は蒐集と言って逃げたのはもはやデフォルトである。ついでに言うとザフィーラが被害者なのもデフォルトである。
ヴィータは事件後『冷凍食品とか使ってるんだからそんな張り合わなくたって・・・。』と語った。







おまけ



それは交渉の時の事。



「さて、私の話の前に・・・後ろのメイドの睨みをやめて欲しいな、いささか居心地が悪い」

言わずもがなロッテであった。

「ロ、ロッテ!!」

「だってアリア!!」

その様子にヴィータが扮する仮面の男がため息をつく。

「やれやれ、往生際が悪い」

「な、なんだと!!」

「ロッテ!!」

「やめなさい二人とも!!」

リーゼロッテを落ち着かせようとリーゼアリアとギル・グレアムが言う。

「そんな顔ではせっかくの美人が台無しだ。これでも食べて落ち着かせるといい」

そういってヴィータは袋を投げる。

「これは?」

「菓子だ。結構有名な場所の物だぞ?」

「ふん、こんなもので・・・」

そういいながら彼女は渋々袋を開ける。だが・・・、

「へ・・・?い、いやぁぁぁぁああああ!!!!」

中身を見た瞬間悲鳴を上げて倒れた。

「ロ、ロッテ!?」

「いったい?」

リーゼアリアとギル・グレアムは中身を確認した。そこには・・・

「クッキー?」

ギル・グレアムは不思議そうに見た。一方リーゼアリアはなんかこう・・・あっちゃ~って顔をしている。

「アリア?」

「じ、じつはロッテは今クッキー恐怖症で・・・」

「は?」

それを見てヴィータは・・・、

「(げに恐ろしきは【シャマルクッキー】か・・・)」

とか思っていた。





一方

「へっきゅしょん!!・・・ん~風邪引いたかしら?守護騎士なのに・・・」

シャマルはくしゃみをしていた。



さらに一方

「む・・・?」

「どうしたザフィーラ?」

「・・・分からんが・・・新たな同志を得たように感じた・・・」

「は?」

ザフィーラは無意識に新たな被害者を感じ取ってた。





あとがき

あっはっは、なんかもうわけわかめな展開に!!なんとか目を瞑って生暖かい目で見てあげてください(土下座)




[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十八話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2008/12/09 23:57
「き、君は本気か!!?」

ギル・グレアムは古城の庭で長髪の仮面の男に叫んだ。

「ふん、本気だし正気で言っている。もっとも、はやての強さをその目で見ようとしなかったお前では納得のいくものでは・・・・・」

「違う!そうではない!!私が言いたいのは・・・」

「まさか、俺のことか?だとしたら気にするほうがおかしい。本来いない筈の存在がいるべき存在へと変わるだけなのだからな」

「君は・・・怖くないのか?」

「怖いさ、だが・・・」

仮面の男は何かを思い出しながら言う。

「守護騎士達は皆はやてと出会い変われた・・・そう皆言う。俺から見れば救われたようにも思える。それならもう一人も救ってやるべきだ・・・俺は十分に楽しんだ」

「君という存在が消えてしまってもなのか?」

「第一、誰が消えると決めた。もしかしたら本来の世界へと還れるかも知れんぞ?」

「そんな保障は!!」

「いや、少し言い方を変えよう。そう思わせてくれ、俺は自分で言うほど強くはないのだ」

「・・・君は本来何をしていたのだ?」

「あえて言うなら・・・普通の大学生か・・・」

その言葉にギル・グレアムはやるせない顔をする。

「情けないものだな私は・・・君みたいな若い者を・・・いや、そんな事をいう資格は私には無いな、彼女を犠牲にしてまで事を進めようとしていたのだから」

「資格はあるさ、まだ犠牲にしたわけではあるまい」

ギル・グレアムは少しの間目を瞑り、そしてゆっくり開き言う。

「いいだろう、こちらの計画はギリギリまで行わない事を誓う。ただし一つ頼みがある」

「頼み?」

「もし、もしも君の思惑が外れ、君が君のままで戻ってこれたのなら・・・私を思いっきりぶん殴ってくれ」

その言葉に仮面の男は一瞬呆け、そして少し笑いを噛みしめながら言う。

「くっ、いいだろう。その時は遠慮せず殴ろう」

―だが、そうならないことを俺は願おう―

―それでも、私はそうなる事を願おう―





第二十八話「暴露の時」





<ヴィータ(?)side>

とあるビルの屋上。そこには何かで縛られた少女二人に女性二人そして男性が一人いた。その上空には同じ姿をした仮面の男が二人、その仮面の男達が被っている者と同じ仮面をつけた少女が・・・そう、俺がいた。

「何のつもりだヴィータ!?」

シグナムが言う。

「ヴィータちゃん、どうして!?」

シャマルが言う。

「ヴィータ!!」

「ヴィータちゃん!!」

「ヴィータ!!」

ザフィーラが、なのはが、フェイトが言う。だが俺は、

「ヴィータ、ヴィータうるせぇよ。その名前で呼ぶんじゃねぇ!」

冷たく俺は言った。

「な、なに?」

誰が言ったのか、その言葉は。だが俺はそれを無視して言う。

「あたしは・・・いや、”俺”はヴィータ・・・【鉄槌の騎士】にとりついた異物だ・・・分かりやすく言うなら別の世界から来た人格・・・信じられないだろうが事実だ」

その言葉に皆が言葉を失った。

「本当に驚いたぜ、気付いたらこんな体に入っていたしよ」

俺は暴露していく。どうせもうお別れなんだし、後腐れのこらないように・・・。

「まぁ嘆いても仕方なかったし・・・お前達との暮らしも、出来事もどれも悪くなかったが・・・」

「な、なら!!」

「だが!!やはり元の場所に戻れるのならそれに越した事はない。それをこいつらは約束してくれた!!」

それにうまく合わせる仮面の男たち。

「ああ、その通りだ」

「私達しか使えない特別な術式だ」

笑える。少し考えればすぐにばれる嘘であろう。まぁ俺が簡単に騙されたとでも思ってくれれば幸いだが・・・一応後からそう言ってくれるよう頼んでいる。

「だから俺はお前達を裏切った。クク・・・悪いな、でも俺もやっぱり元いた場所に帰りたいのでな」

「ヴィータ・・・」

「だからその名で呼ぶなって言ってんだろシグナム!!」

俺は拒絶をする。だが、

「馬鹿が・・・私達が本当に気付いていないとでも思ってか・・・?」

シグナムがそう言った。それに対して少し焦りながら何かの拒絶の意思を見せようとする前にシャマルがその言葉を続ける。

「でも・・・そんなの関係ないでしょ?一緒に暮らしてきて、私達は家族でしょ?」

シャマルが優しく言う。・・・なんで?

「お前が何を企んでいるかは知らんが、それについては俺も同意見だ」

ザフィーラが言った。・・・何で?

「良く分からないけど・・・そうやって無理に嫌われようとしてもすぐにばれるよヴィータちゃん?」

なのはが言う。・・・ナンデ?

「それに良く分からないけど・・・私は今のヴィータしか知らないし・・・」

フェイトまでもが俺に言う。・・・なんで?何で!?ナンデ!!?

「・・・んでだよ・・・」

「ヴィータちゃん?」

俺はとうとう堪らずに、本音を叫びはじめる。

「なんでだよ!!どうしてこんな状況で言えるんだよ!!恨めよ!!憎めよ!!そうすれば・・・そうすれば俺は・・・俺は何の未練もなくやれるのに、いなくなれるのに!!!!」

いつの間にか仮面は取れて俺は涙を流していた。

「だけど、もう止めない!止まれない!!そう決めたから!!」

「何を始める気なのヴィータちゃん!!」

・・・ちょうどいい説明しておこう。

「闇の書は・・・いや、夜天の書はすでに壊れている」

「な、なんだと!?」

「そんな!!?」

「で、では我々がしてきた事は!!」

「時間がねぇんだ!!最後までちゃんと聞け!!」

その言葉でとりあえず皆が黙る。

「完成すれば主を取り込んじまうが・・・まぁそこははやてをたたき起こせば問題はない」

まぁ・・・ちょっと簡単に言いすぎな気もするが。時間ないし・・・。

「そして、もう一つ俺はやる事がある」

「もう一つ・・・?」

「ああ、それは・・・この体をヴィータに返す事だ」

そう、俺が少し前から考えていた事。

「ど、どういう意味?」

「何、簡単さ、一度【鉄槌の騎士】を書の中に回帰する。んで修復させたらどうなる」

答えは簡単、正常な状態で回復されるであろう・・・つまり俺という異物は消える。俺の知識には書の中にはバックアップが存在するとあった・・・こうなると言う保障が無いのも事実ではあるが・・・可能性は高いはずだ。俺の目的、ヴィータにヴィータを返す。さてと・・・・・。

「そろそろ・・・始めるか・・・」

「待て!!まだ、残り56ページ埋めなくてはならない!!お前一人では!!」

「ああ、それは問題ない・・・アイゼン、魔力補完システム・・・開放・・・」

『Es öffnet sich.(開放します)』

そこにかつて俺が保存していた魔力が開放される。まさかこんな使い方をする羽目になるなんてな・・・。

『Sammlung(蒐集)』

そしてそれを夜天の書が蒐集していく。これで・・・。

「残り・・・14ページ・・・む、まぁ予想より少ない魔力だったけどちょうどいい数字か・・・。それにしてもお前にも迷惑かけたなアイゼン」

『Es versteht nicht gut.Ich bin Ihre Arme.(よくわかりません。私はあなたの武器です。)』

はは・・・まだそう言ってくれるのか。うれしいな・・・。

「ヴィータ!止めろぉぉ!!」

「ヴィータちゃん!!」

「他に、他に方法があるはずだ!!」

皆が俺を必死になって止めようとする・・・そうだな・・・最後に皆に一言残していくか・・・・・。俺は涙を止めずに、だけど精一杯笑いながら言う。



「シグナム・・・そうだな・・・たまにはオシャレしたらどうだ?せっかく長い綺麗な髪持ってるんだし」

「ヴィータ!!」



「シャマルはもっと料理頑張れよ。見た目はいいんだから、後は味付けちゃんとな?」

「ヴィータちゃん!!」



「ザフィーラは、ちょくちょく人型になっとけよ。あとしゃべろ、ただの犬と思われるぞ?」

「ヴィータ!!」



「なのは、さっきも言ったけどあまり無理はするなよ。ちゃんと休んできっちり体作っていけ」

「ヴィータちゃん!!」



「フェイトはそうだなぁ・・・ちょっと天然っぽいのがあるからそこを直していけ。まぁそこがかわいいって言われる事もあるけど」

「ヴィータ!!」



「あとはやてには・・・そうだな・・・あんま背負い込みすぎんなって言っといてくれ。みんなで支えてやってくれ」

俺は夜天の書を掲げる。

「夜天の書よ、蒐集せよ!!対象・・・・・【鉄槌の騎士・ヴィータ】!!!」

『Sammlung(蒐集)』

そして俺の胸からリンカーコアが出てきて収集を開始する。

「ぐっ・・!!?うっああああぁっぁぁぁぁぁァぁぁぁあああぁぁっぁ!!!!」

まるで心臓がねじ切れるような痛みが俺を襲った!!

「やめてぇぇぇぇええ!!」

「ヴィータァァッァア!!」

みんなの叫び声がどんどん小さく感じ・・・聞こえなくなっていく。

「あぁっぁああああっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・っっっっっ■□■◆◇■!!!?」

しまいには俺は叫び声すらあげれない叫び声を出し始める。そして―――

「ァ・・・・・ァ・・・・っ・・・・・・・・」

俺の意識はブラックアウトした・・・・・・・・。



<はやてside>

「ヴィータ!?」

唐突に私はその名前を口にした。理由は分からへん。まるで急に心にあったつながりが絶たれてしまったそんな気がした。そんな時、

「え!?な、何やこれ!!?」

私は光に包まれた。その光が収まった時私の頬に冷たい風が感じられた。なんで?窓は閉ま・・・。

「え・・・?」

そこはどこかの屋上であった。さっきまで確かに病室にいたはずやのに・・・まさか転移魔法?けど一体誰が・・・。

「はやてちゃん!?」

「主はやて!!?」

急に聞き覚えのある声がした。

「なのはちゃん!?フェイトちゃん!!?それにシグナム達も!!?」

でも様子がおかしかった、だって皆何かに縛られている・・・魔法・・・?だけど他にも私には何か違和感を感じた・・・なんやろう・・・?

「・・・ヴィータは?おらへんの!!?」

せや!!ヴィータがおらへん!!あかん、嫌な予感が止まらへん!!!

「探し物はこれか?」

不意に上から声がした、そこには・・・仮面の男が二人その間に・・・

「ヴィー・・・タ・・・?」

宙に浮いたまま貼り付けにされたヴィータがいた。

「だ、誰やあんた等!!ヴィータになにしたん!!?」

「我らのことを気にしていていいのか?」

「消えてしまうぞ?お前の家族が?」

「え・・・っあ!!?ヴィータ!!?」

信じられなかった、ヴィータの体が手から、足からと光になって消えて言っていく・・・嫌やぁ!!

「あかん!!あかんよ!!消えたらあかん!ヴィータァ!!!」

だけど私の声をあざ笑うかのように消滅は止まらなかった。そして数秒後に私の手元に服が・・・そう、ヴィータが着ていた服が落ちてきた。

ヴィータは完全に消えてしもうた・・・・・・・。

「あ・・・・・あ・・・・・」

頭の中が真っ白や、きっと他の皆も・・・。

「何でや・・・何でこんな・・・この子が・・・ヴィータが・・・なにしたっていうとぉ・・・」

呟くように私は言った。分からない・・・つい数十分前まで私にしがみついてたのに・・・昨日までお見舞いにも来てくれたのに・・・入院前は一緒に暮らしていたのに・・・私の家族やったのに・・・何もかも分からへん・・・・・何でなん?ナンデ・・・?



―ほ、ほんとお人よしだなお前、し、しかたねぇからめんどう見られてやるよ!!―



―あ、醤油これか、はやて?―



―ええ!?あ、あたしも!?―



―勘弁してよはやて~!!―



―笑い事じゃないよはやて~―



―はやて~ケーキ買ってきたぜ~♪―



―か、髪の毛ぐらい一人で洗えるよ~!ざ、雑って!!?―



―普通のスーパーで売ってるのとはやてが作ったのではまさに月とスッポン!!―



―ああ、あたしもはやてや皆が大好きだ!!―



私の頭の中でヴィータとの思い出が次々と浮かんできた。けど・・・・・もう・・・・・おらへん・・・・・嫌や、認めたくない!!

「何で?・・・何で・・・?」

まるで壊れたレコーダーのように同じ事を呟き続けた。そんな時、

「それはお前のせいだ」

「・・・え?」

不意に男の声が聞こえた。・・・私のせい?その言葉に私は目を見開く。

「お前の病は闇の書の呪、そしてその呪を消すために守護騎士達はお前の意思に反し蒐集行為を行ってきた」

「そう・・・やったんか・・・?」

「ごめんなさい・・・はやてちゃん・・・」

「申し訳ありません・・・主」

「ですが・・・私達はあなたを失いたくなかったのです!」

シグナム達が俯きながら懺悔するかのように言う。でも仮面の男達はそんな皆を無視して言う。

「だが安心しろ、今日までは死者は出ていなかった」

「そう、今日まではな」

私はその言葉に視線をおろして手元にある服を見て呟く。

「・・・・・ヴィータ・・・・・」

さっきまでこの服を着ていた子の名前を言う。

「そうだ」

「先ほど消えた少女だ」

「もうやめて!やめてよぉ!!」

「これ以上はやてを苦しめないで!!」

なのはちゃんがフェイトちゃんが叫ぶ。だけどその声は届かなかった、私の耳にさえも。

「その少女はお前のために戦った、時には血を流し―――」

「聞きとぉない・・・」

これ以上聞けば私は壊れるそう思った・・・でも・・・その言葉は止まらなかった。止まってくれなかった。

「時には涙を流し友と戦い―――」

「聞きとぉない!!聞きとぉない!!!」

私は耳をふさぎ首を振りながらその声を拒絶する。・・・だけどその声は頭に直接響いてくるかのごとく聞こえた。

「いや、聞かなければならない。」

「そう、すべてはお前のせい・・・」

「「そうお前のせいで」」

「いやや!!いやや!!!いややぁぁぁ!!!」

「「消えてしまったのだ!!」」

「いややぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」

私は闇に包まれ壊れた。



<???(管制人格)side>

『Guten Morgen, Meister. (お早うございます、ご主人様) 』

アイツは大馬鹿者だ・・・私に散々えらそうな事を言っておいて簡単に自分を犠牲にした。

「封印開放」

もはや主の体はわが制御下に陥った。私の意思とは関係なく。

『Freilassung. (解放)』

我が分身ともいえる書は私の言葉に従いその力を発現させる。主の体はその姿さえ私のものとなっていく。

あいつの考えは理解している、一種の賭けだ。だが・・・やはり私の意思ではどうにもならん。主の心の強さを願うばかり・・・・・。

「だが何故・・・お前が消えた・・・」

お前は巻き込まれただけだ・・・なのに何故・・・もう良い。いくら考えた所で私にできるのは破壊のみ。

「我は闇の書・・・我が力の全ては・・・主のため・・・」

いや、違うな・・・主はこんな事は望んではいない。そう思って自分を楽にしたいだけだ。

「我は呪われた書、主の意思すら無視した愚かな事しかできない壊れた魔導書・・・」

私にはもはやアイツが呼んでくれた名は相応しくはない。だが・・・願ってもよいのであればもう一度この姿で呼ばれたかったものだった・・・アイツに・・・。

「それも愚かな話か・・・。もういい・・・我が存在は・・・破壊のために」

せめて・・・アイツを消し主に絶望を与えた者に攻撃といきたいが・・・すでに消えたか、奴らの魔力は不明。

「ならば探す・・・できないのであれば手当たり次第だ。スレイプニール、羽ばたいて」

『Sleipnir.』

私は翼を展開させ飛ぼうとする。

「待て!!管制人格!!」

「待つんだ!!」

「お願い待って!!!」

私を止めようとする我が騎士達・・・そうか、犠牲になったのはアイツだけであったか。

「お前達とは戦いたくはない、そこでじっとしていろ」

『Halt.(停止せよ)』

私は管制人格としての権限を発動させる。

「な!?」

「か、体が動かない!!?」

「くっ!?身動きが・・・!?」

「ではな・・・お前たちにも迷惑をかけた。それと小さき魔導師達、お前達の動きを封じる事は私にはできない・・・追って来るというのなら覚悟しろ、障害と見なしてしまうであろう」

私は今度こそ飛んだ。私ができる唯一の行動のために。

「愚かな・・・破壊を・・・」

















おまけ(今回はNGというかネタというか・・・嘘本編?)



それは彼女の一言で崩れた。なんていうか雰囲気が・・・

「あ、やっべ封鎖領域の展開忘れてた」

「や、闇の書さん!!?」

「なんかすっごいコミカル!?」

驚くなのは、フェイト。

「おっと私の事は夜天の書・・・いや、夜天たんとでも呼んでくれ悪魔っ子達♪」

「ま、また悪魔扱い!?」

「いや、この場合少し違うような・・・」

「ふむ、どうやらアイツを蒐集した影響でシリアス展開嫌いみたいな事が起きたらしい」

「蒐集って凄い!!」

「フェイトちゃん!絶対違うから!!」

「あぁ、もう破壊とかいいや。どうせなら財布の中の破壊といこう。そんな訳で美味しい店紹介してくれ」

「あ、だったらなのはの家の喫茶店・・・」

「お願いだからその天然なおしてフェイトちゃん!!」

「ちなみにヴィータの財布だ」

「行きましょう夜天たんさん」

「さんはいらないぞ、高町なのは」



そして始まる夜天な日々(笑)



「あ、シグナム達は?」

「いいんじゃないのか?」

「何が?」



忘れられた、ていうかほったらかしにされた守護騎士達!!



「むむ、うまいな・・・すみませんおかわりお願いします!」

「お金大丈夫なの?」

「問題ない、すべてはヴィータのだ」

『大有りだぁぁぁぁぁあ!!』



自らの財布の危機に覚醒したヴィータ!!でも出れない!!!



『マスターは私や私のいうことは聞かんといかん!!』

「え?あ、すみません今から皆(なのは達)で焼肉を食べに行くのでもう少し待ってください」

『私焼肉以下!!?』



覚醒したけど焼肉以下な夜天の王・八神はやて!!



「すまないな、水を差してしまうんだが。時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ」

「本当に水を差したな、こっちは今ラスボス戦(テレビゲーム)で忙しいんだが?」

「あ、次右!!」

「今度は火炎放射来るよ!!」

「了解だ、月村すずか、アリサ・バニング!!」

「うぅ・・・私なんかステージ5までしか行けないのに~」

「ファイトだよ、フェイトちゃん!!」

「世界はいつだってこんな筈じゃない事ばかりだ~~~!!!」



すっかり友達のできた夜天たんと、とりあえず名言を叫ぶちびっ子執務官



「それで・・・うぅ胃が痛い・・・あ、防御プログラムは?」

「あ、そろそろ出すか」

「軽!!?」



なんかいい加減話し進まないので出てきた防御プログラム!!



「アレが巷で噂のボエ子だ」

「ボエ子って言うなぁ!!」

「「「「「しゃべった!!?」」」」」



なんか意思を持っていた防御プログラム!!というかもはや性格が完全に違う管制人格!!!



「あかん!止めて!リインフォース止めて!破壊なんかせんでええ!!」

「主はやて、良いのですよ・・・私は消えたと見せかけて紅の鉄騎が元いた世界で主はやてや皆のフィギュアや同人誌やその他もろもろを購入して一通り満足したらちゃんと戻って・・・」

「二度と戻ってくんなやい!!!」



なんかもう見捨てられた管制人格!!



「店員!!リインフォースⅡのフィギュアが無いとはどういうことだ!!私の妹だぞ!!?」

「こ、困りますぅ~お客様~!!」

「すっげ~初代リインにそっくりだ~」

「本人だぁ!!!」



ちゃっかり異界に行っていた管制人格!!



「ミッドチルダよ!!私は帰ってきた~!!!」

「リ、リインフォース!!?」

「おお、紅の鉄騎か?しかし様子が少しおかしいな・・・?」

「お、お前本当にリインフォースか?なんか性格が・・・」

「そうか、ここは平行世界か!!」

「絶対性格違う!!」



本来の歴史を辿った平行世界に来た管制人格!!



「はぁ~リインはほんまかわええなぁ~さっすが私の妹や~♪(はやてまね)」

「お姉ちゃん~♪」

「なんやろう・・・思い出が崩れていくわ・・・」

「別世界のリインフォースらしいからいいんじゃない、はやて?」

「いいわけあらへんわ!!!」



その世界のはやてたちの思い出を汚していく管制人格!!



「いくぞスカリエッティ!!ガジェットの貯蔵は充分か!!?」

「それはお前の台詞じゃねぇ!!!作品が違う!!」



機動六課と共に立ち向かえ管制人格!!



「主はやて・・・ゆりかごに向かう前にあなたに行っておきたい事がある」

「どうしたん?リインフォースⅠ?」

「私の世界の主はやては・・・焼肉以下でした」

「いや、どないせえっちゅうねん」



頑張れ夜天たん!!頑張れ管制人格!!頑張れリインフォースⅠ!!!未来はこれからだ!!!









某夢空間内

「・・・・・という夢を見たんだが」

「喧嘩売ってるのか貴様?」

「おこるなよ夜天たん!!」

「やかましい紅の鉄騎(仮)!!!」















あとがき

もうあらいる意味で取り返しの付かない展開に・・・おかしいと思ったらパラレルで!!パラレルっていいよね!!?パラレル万歳!!!(土下座)

ぶっちゃけヴィータ空回り全開の暴走中!!

あとおまけについてはさらっと流してください・・・電波じゃ・・・電波がきたんじゃ・・・(汗)



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第二十九話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2008/12/09 23:51
展開されていく封鎖領域から逃れるため、闇の書が覚醒したビルから十分に離れた場所に仮面の男達は自らの居場所がばれないよう強力な魔力探知阻害の結界を張り続けていた。

「しかし本当に可能なのか、一度取り込まれた主の意識が覚醒する事なぞ?」

「どうだろうな、こればかりは信じるしかないとしか言えん」

「ふん、まぁ暴走の瞬間がきたら我々の計画を始めれば・・・」

「いや、それは無理だ、デュランダルは置いてきた」

その言葉にもう一人が驚く。

「な、なんだと!!?どう言う事だ!!」

「落ち着け、あの方の意思だ」

「な・・・なに!?」

「たとえどんなに可能性が低くても他の方法が見つかった以上できない・・・そうおっしゃっていた」

「ば、ばかな・・・」

「それに元々我等の計画も穴だらけであった。それを見て見ぬふりをしていた、違うか?」

「そ、それは・・・」

「結局は自己満足だったのかもしれん・・・もっともそれを言ったらアイツもそうなのかも知らんがな・・・」

「だ、だが!!」

「納得いかないか・・・だが世界はいつだってそんなもんだ」



―それについては僕も同意見だよ―



突然声が響き渡り仮面の男達はバインドによって捕らえられる。

「な!!?」

「くっ!!?」

「ストラグルバインド。相手を拘束しつつ強化魔法を無効化する。あまり使いどころのない魔法だけど、こういう時には役に立つ。アイツが意味深に伝えてきたから深く考えすぎたけど答えは・・・」

「「ぐ・・・あぁ!!」」

「変身魔法の強制解除。」

仮面の男達はその変身を解かれギル・グレアムの使い魔リーゼロッテ、リーゼアリアとなった。

「クロノ~この~~!!」

リーゼロッテは恨めしそうに睨む、一方リーゼアリアは、

「やれやれ、アイツの言った通りやっぱり気付いたか・・・あんたも成長したね?」

少し嬉しそうに寂しそうに言った。その言葉にクロノは驚き、再び顔を厳しくして言う。

「そのアイツって言うのも誰か話してもらうぞ!」





第二十九話「少女との会合」





<なのはside>

「闇の書さんは一体何を・・・」

ヴィータちゃんははやてちゃんの意識を起こせって言ったけど・・・どうすれば・・・。

「おそらくはさっきの男達を捜しているのだ」

「シグナム?」

シグナムさんの予測にフェイトちゃんが答えた。

「しかし奴らは魔力探知阻害をかけていた、おそらくは見つからん。だからこそ奴は我等を含む魔力を持つ者達全てを封鎖領域内に閉じ込めた。最悪しらみつぶしに見つけるために」

「そうなるとあの子は無差別攻撃を始めるかも・・・」

続けてザフィーラさん、シャマルさんが言った。

「そんな!!」

と、止めないと!!そんな事絶対に!!!

「フェイトちゃん!!」

「うん、なのは!!」

私とフェイトちゃんは闇の書さんを止めに行こうとする。

「すまない、テスタロッサ。私達も行きたいのだが・・・」

「体が動かん・・・」

「ごめん・・・なさい・・・・・」

あ、そうか。守護騎士のみんなはさっき動きを封じられてたんだっけ。

「こんな事を言える立場ではないが・・・主はやて、管制人格そして・・・」

「ヴィータを頼む・・・」

「それからあの子の事は闇の書と呼んであげないで。まだ私達も良く分からないけど、ヴィータちゃんが言っていた【夜天の書】が本来の名前なんでしょ?」

みなさん・・・本当は自分達も行きたいはずなのに・・・。

「分かりました!任せてください!!」

「はやてもヴィータも・・・」

「「私達の大切な友達だから!!」」

そう言って私とフェイトちゃんは飛んだ。止めるために・・・。



<???(管制人格)side>

見つからんか・・・予想はしていたがやはりか・・・どうする、私自身押さえきれない衝動が私の中でうごめいている。主はアイツが消えた時この世界が悪い夢であって欲しいと願った、私に今できることは安らかな夢を見せてあげる事のみ。

「やはり私だけでは・・・お前の考え通りに動いてやる事はできないようだ・・・」

そういう風にしか存在できない、主が新たな望みを願わない限り。・・・崩壊まで時間は限られているが・・・。

「夜天の書さん!!」

・・・やはり来てしまったか。

「来たか・・・お前達は・・・」

「お願い!!はやてちゃんを解放して!!」

「武装の解除を!!」

「無理だ、我が存在は破壊しか行えない。そういったこともできるはずが無い」

私一人の意思ではどうにもならない・・・情けが無い。

「そんな事無い!!」

「だって、話せるし、心だってある!!」

心・・・か、かつてならば自分はただの道具といい自分自身を誤魔化してきたが・・・、アイツにあんな事を言われたのだ、道具などと言って逃げる事はしない・・・どれだけ現存しているかは知らないが私と同一の存在たちに失礼だ・・・だが、

「それでも我が意思のみではどうにもならない・・・私は呪われた存在・・・そういう風にできてしまった」

そういい私は片手を挙げ攻撃態勢をとる。

「そして言ったはずだ、来るのなら・・・障害とみなすと」



<フェイトside>

「そして言ったはずだ、来るのなら・・・障害とみなすと」

駄目だった私達の思いは届かなかった。

「夜天の書さん!!」

「その名で呼ばれる資格はもはや私には無い」

そういうと彼女の掲げた手から球型の黒い魔力の塊が現れる。これは空間攻撃!?

「デアボリック・エミッション。闇に染まれ」

せまりくる魔力の塊、避けきれない!!

「なのは!フェイト!!」

「僕達の後ろに!!」

「ユーノ君!アルフさん!!」

ユーノ!アルフ!!来てくれた!!

「きっちり守るよユーノ!!」

「分かってる!!」

そう言って二人は私達を守るためにシールドは張る。

「~~っ!!きっついね~!!!」

「でもこれで向こう視界が防がれている!!一旦距離をとろう!!」

ユーノの指示に従い私達は一旦距離をとるために飛んだ。

「今のうちの状況の説明をするよ、今クロノが解決法を探している、援護も向かってるけど時間がかかる」

「それまで私達で何とかしないと・・・」

そう言って私は不意になのはの顔を見る。その表情は暗かった。

「なのは・・・」

「・・・大丈夫フェイトちゃん。私達で何とかしないと!」

そう言って無理やり落ち着かせた。無理も無いよね・・・こんなの誰も望んでない・・・ヴィータもきっと別の展開を望んでいたはずなのに・・・。

「刃以て、血に染めよ。穿て、ブラッディダガー」

しまった!もう攻撃準備が!?

「誘導型!?」

それになのはが応戦する。

「レイジングハート!!」

『Accel Shooter.』

なのはが撃った12つの誘導弾とぶつかる、けど・・・!!

「だめ!!半分しか落とせない!!」

咄嗟に私とアルフ、ユーノはシールドを張る。夜天の書が放った攻撃がぶつかり激しいせめぎ合いと共に煙が発生した。

「何の冗談だいこれ!!?」

「っ!力の差が大きい!!」

「でも!これならまだ耐えられる!!」

何とか耐えた、けど煙が晴れた時夜天の書は再び攻撃の態勢をとっていた。見えたのは掲げた手に展開されたピンク色の魔方陣・・・ミッド式?・・・まさか!!?

「咎人達に、滅びの光を・・・星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」

「スターライト・・・ブレイカー・・・?」

なのはの言葉に私ははっとして急いで皆に指示を出す。

「みんな!!急いで離れるよ!!」

そういうと私はまだ呆然としていたなのはを抱えて急いで飛んだ!ユーノもまたアルフに抱えられている。私達のほうが飛行スピードは高いからこうするのが最善と判断したから。

「なんでなのはの魔法を!!」

「なのはは一度蒐集されている、その時にきっとコピーされてるんだ。元々夜天の書はそういったものだから」

アルフの疑問にユーノが自分の考えを言う。

「フェイトちゃん・・・そんなに離れなくても・・・」

なのはは戸惑っているけど・・・前にユーノから聞いた、なのはのスターライト・ブレイカーは特訓の成果で『結界機能を完全破壊』が付加されたことを・・・だから!!

「至近で食らったら、防御の上からでも落とされる!とにかく回避距離をとらないといけない!!」

なのはは感覚で組むからこういったことが少し疎い・・・凄い事だけど・・・。

「二手に分かれよう!少しでも回避率を上げないと!!」

「分かった!!」

そう言って私達は一度二手に分かれた。魔力の集束に時間がかかっているのを見ると多分魔力集束技術を持っていない・・・まだ時間はある少しでも遠くに・・・。

『Sir, there are noncombatants on the left at three hundred yards.( 左方向300ヤード、一般市民がいます)』

「え?」

突然バルディッシュが私に警告をした。嘘!封鎖領域内なのに!!?

私達は急いでそこに向かう、そこにいたのは・・・。

「なのはちゃん!?」

「それにフェイト!!?」

友達の・・・。

「アリサ・・・?」

「すずかちゃん・・・?」

だった。



<ヴィータ(?)side>

目が覚めた、意識はまだはっきりしていない・・・俺昨日何していたっけ?・・・まさかシャマルの料理を食べて気絶したとか!!?・・・・・なんてな。

「え~っと・・・あん?」

何だこの声は?男っぽい・・・ていうか完全に男の声・・・いや、視界も高い!!?周りを見渡すとそこは明らかにはやての部屋じゃなかった。でも・・・知っている、もう10ヵ月近く前になるけど毎日見ていた部屋・・・。

「俺の住んでた・・・アパート?」

そこは俺がかつて元いた世界で住んでいた大学の近くにあるアパートの一室だった。・・・もう絶対に訪れる事ができないはずの場所・・・現に俺の通っていた大学は存在していたが周りの地形が少し違っていてこのアパートは存在していなかったから。

「とりあえず今の姿を!!」

俺は急いで洗面所に行って今の自分の姿を確認した。そこにはまぎれも無くかつての俺が・・・【秋山 隆二】が存在した・・・俺がこの姿に変身した時よりの少し背が低く感じたのは気のせいと思いたい・・・うん、気のせい!!決して自分の身長を少し高く思っていたなんて事は・・・少なくとも一般的な高さだしクロノに比べれば・・・。

「じゃなくて!なんだよこれ!!・・・まさか今までのは・・・」

夢だったのか・・・そりゃそっか!ありえんわな!!目が覚めたら突然ヴィータになってるなんてさ!!あっはっは!そりゃぁそうか!!!

「・・・・・って、んなわけねぇだろーが!!」

だったら何だ俺のこの記憶は!皆との思い出は!!こんなはっきりと痛みも喜びも悲しみも嬉しさも全部覚えているんだぞ!!こんな夢があるはずがねぇだろーが!!!

けどだったら何だ?

「まさか本当に戻ってきたのか?」

混乱しながら俺はテレビをつける・・・何をしていいのかわからん・・・。だけどその考えもテレビをつけることで覆された。

『では今日は12月23日!!待ちに待ったクリスマス・・・』

これが答えであった。俺があの世界に行く前は確かに夏休みであった。俺の体ごと向こうに飛ばされたのならまだ話は分かるが・・・俺は意識だけだった・・・。俺の体がどうしているが知らんがずっと放置されていたのならこんなあっさり何事も無かったようにはできない。ともなれば考えられる最後の考えは・・・。

「夢・・・だな・・・」

おそらくは夜天の書が、管制人格が俺に見せている夢・・・アニメにおけるフェイトと同じように。

「ったく、・・・サービス良すぎだあいつめ・・・」

と言っても何をすればいいのやらこの世界で・・・とりあえず俺が今までしてきた事でも振り返るか・・・。

「まぁ・・・自分で言うのもなんだが、うまくやったほうだよな?」

ヴィータなんて立場にいたけど何とかアニメ通りに事を進める事ができたんだ、それに最後のほうも変えることができた、本来の歴史ならばなのは達に変身したリーゼ達がヴィータ達を消した事によって管制人格はなのは達を狙っていた。だがああいう展開ならうまくいけば戦闘回避できるだろう。それが無理でも・・・。

「シグナム達もいるしな!きっと・・・」

本当ならはやてに前もって教えておいたほうが確実と言えば確実だったけど、そんな事をいってもOKくれるとは思えないし、これでよかったと俺は思う。

「ま、自己満足といわれても否定はしねぇ・・・<ピンポーン>・・・なに?」

は?なぜにチャイムが・・・?

<ピンポーン、ピンポーン>

と、とにかく困惑してないで出ないと・・・。

<ピンポーン、ピンポーン、ピン、ピ、ピ、ピンポーーン!!!>

どんどんヒートアップしている。何だ姉貴でも出てくるのか?

「はいはい、いま・・・「おせぇーーーーーー!!!」・・・へ、ってうわぁ!!!?」

突然ドアが俺目掛けてぶっ飛んできた!!

「ア、アイゼン!!」

とっさにアイゼンを起動させようとするが・・・。

「って持って無い~~~~!!っどわぁぁぁあああ!!!?」

無常にもドアにぶつかり俺は吹き飛ばされる。

「いって~だ、だれ・・・っ!!?」

そこにいたのは・・・姉貴とかじゃなくて・・・ましてや元の世界での知り合いとかでもなくて。

「うるせぇ!!いつまでも出ないから悪いんだよ!!」

ある意味俺とずっとひとつだった存在・・・。

「ヴィー・・・タ・・・?」

「あん?何言ってやがるてめぇまだ寝ぼけてんのか?」

当たり前のように俺に向かって話しかける少女。

「な、なんで・・・?」

俺は正直怖かった、何を言われるのか・・・今まで勝手に体を使っていたと・・・もし言われたら・・・。

「ほら、いつまでしてボーとしてんだ!!行くぞ!!」

「は?」

だが俺の考えなんか無視してヴィータは俺に言う。

「今日はあたしを遊園地に連れてく約束したろ~が!!」

「え?え?」

状況が理解できなかった。いや、ほんっと!なんでさ!!

「おら!とっとと行くぞ!!お前が車の運転をするんだぞ!!」

「ちょっと待て!!」

「まずはレンタカーを・・・」

「聞けよ!!」

とりあえず言う通りにすることにした。でも、どうしても一つ気になることがある。

「早くしろ!■■■!!!」

明らかにヴィータが俺の名前を口にする箇所が聞き取れなかったことが・・・。





<ギル・グレアムside>

やれやれ、やはりクロノは我々の行いに気付いたか。あの子の言う通りであった。思った以上に彼も成長していたか・・・あの頃から時が止まっていたのは私だけだったのかもしれない。

「思えば彼女も不思議な子であった」

そう、あの時私は交渉の最中にデュランダルを彼女に渡そうとした。あの話を・・・何より彼女の決意を目にした以上私は自分の計画を行う決意など折れてしまったから。だが彼女は・・・。



<数日前>

「へぇ、これがデュランダルか・・・」

「そうだ、それを渡しておこう。私が自分の計画を行わないという誓い・・・」

「あほか、万が一の時のためにギリギリまで待てとあたしは言ったんだぞ?渡してどうする?」

「何、君やリンディ提督の言葉を信じたくなったのさ」

「一体何を聞いたのやらリンディさんに・・・ま、いいや。せっかくだし・・・」

そう言って彼女はデュランダルを起動させた。

「試し撃ち・・・かまわねぇかデュランダル?」

『no problem Girl(問題無い少女よ)』

「お?本当にAIが付いてるんだな?ストレージなのに?」

「ああ、と言っても術式サポート用、機能最適化のための最低限の自己判断機能でしかないがね。」

「ま、いいか・・・では!えっと・・・悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ・・・」

彼女は近くにある大岩に向けて放つ。

「凍てつけ!!」

『Eternal Coffin』

そして人一人分の大きさはある大岩は氷によって凍てついた。

「はぁ・・・はぁ・・・お、驚いたな・・・」

彼女はかなり疲れた様子で、だがその効力に感心していた。

「まさか、この魔法を使う上であらゆる意味で適性の無いあたしでさえこれだけの効力が得られたか・・・」

そう言うと彼女はデュランダルを待機モードに戻して私に渡す。

「いいのか?」

「いや、さっきも言ったけど考えたくは無いけど最悪の場合の時に備えてだよ・・・あ、そうだな・・・一つだけ」

「なんだね?」

「もしもクロノの奴が・・・」



私は数日前の彼女との交渉の事を思い出していると・・・。

「失礼します、グレアム提督」

「来たか・・・クロノ。」

ちょうどクロノがやってきた。さて、話すとしよう。彼女との会話の全てを・・・。







おまけ

<ヴィータ(?)side>

「え~とまずあそこ行ってこれ乗って♪」

車を運転する俺の隣の座席にはヴィータが楽しそうに遊園地のパンフを見ていた。マジでなんだよこの展開?

「あのさ、ヴィータ?」

仮にもさっきまで名乗っていたのでなんとなくちゃん付けはできない。

「なんだよ!ちゃんと前見ろよ!!事故ったらどーするんだ■■■!!」

どうにもこの姿見戻ってから俺は弱い気がする・・・ヴィータだった頃は強気でいられたのに・・・じゃなくて、

「はやて達はどうしてるんだ?」

「はぁ?何言ってんだよ。はやて達もなのは達も機動六課で仕事だよ、休みはあたしだけだ!昨日言ったろーが!!」

なるほどね・・・そういう設定か・・・。となると俺の夢とはやての夢は繋がってるなんて展開は無いな・・・ここにヴィータがいるって事は守護騎士システムの修復はまだって事だし・・・まぁ、このヴィータが本来のヴィータって保障は無いが何となくそう感じる。ひょっとしたら俺の意識と繋がっていて心が成長したのかも・・・表情豊かだし。

「なんだよ、あたしじゃ不満なのかよ?」

あ、なんか不機嫌になった。

「あっはっは、んなわけないじゃんヴィータはかわええからなぁ~♪」

「はやてのまねして誤魔化すな~!!」

「あっはっは、でもかわいいのは本当だぞ~!」

自分の時はあんまそうは思わなかったがこういう視点で見るとやっぱヴィータはかわいい。けっして自画自賛ではないぞ?

「なっ!?///っ~~う、うっせぇ!!!」

「って、馬鹿!!暴れんなぁ!!事故る事故るぅ~~!!!」

なんかすっかり仲良くなった。









【夢世界内における秋山隆二】(気にしちゃ駄目、ネタだよ)



闇の書事件終了後に引っ越してきた。はやての家の近所の高校生の頃にあったとあるロストロギア事件に巻き込まれあるロストロギア級のデバイスの主となる。見事その事件を解決に貢献後、管理局入りをし、その後機動六課ではやてたちと共に戦うがJ・S事件の際ゆりかごからのアルカンシェル級の砲撃からアースラを見事守ってみせる。
しかし、その反動でリンカーコアが酷く破損、魔導師生命がたたれる一歩手前まで来ていた。現在は故郷である第97管理外世界にて数年に渡るであろう長期休業を行っている。功績が認められ、もし引退せずに管理局復帰する際には一等空尉に出世の予定。元々近所だったため八神家とは仲が良く、特にヴィータとは兄妹のような関係である。そのため今回の事をヴィータは悔やんでおり休日のたびに世話に行っている。



ちなみのこのことを運転中に聞いたときの彼女・・・もとい(あくまで現在は)彼の言い分は、

「あほかぁぁぁぁああ~!!!ア、アルカンシェル級ってどんなだよ!!つーか無茶苦茶しすぎだこの設定!!!夢だからって限度があんだろーが!!!」

「馬鹿やろ~!!前見て運転しろぉぉぉぉぉぉおお!!」

な感じであった。









あとがき

なんかもうはちゃめちゃな展開だ、ヴィータはなんか甘い勘違いをしてるし・・・。矛盾だらけになるだろうなぁ・・・・・。それにしても皆が頑張ってる中主人公はオリジナルヴィータとデートか・・・。あ~それにしてもようやく出せたな【真ヴィータ】・・・今まで憑依ヴィータを使ってきたから難しい・・・。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/22 02:28
<クロノside>

グレアム提督の最初に考えていた計画は僕の予想通りの物であった。闇の書を主ごと強力な凍結魔法で封印して、次元の狭間か氷結世界に閉じ込めること。そのために闇の書の転生先を探し現在の主『八神はやて』を見つけ完成まで監視する予定であったと。だがこのことを提督から聞いたとき提督は『だが、そんな事は違法であり、凍結解除はそう難しくもなくむしろ忘れた頃に災害となってしまう事もある、確実ではあるが先の事を考えると穴だらけな方法であった、彼女にそう指摘されたよ。』と自ら語っていたが。

その話を聞いた後僕は一枚の写真を出す。グレアム提督に『八神はやて』から届いた写真を。そこに写っていたのは幸せそうに笑ってる彼女たちの写真・・・一人を除いて。

「それからこの写真ですが、ずいぶんヴィータが不機嫌そうにしていますが・・・」

「当然だな、自分の家族を利用した上に永遠の眠りにつかせようとする私への写真なのだ、むしろ機嫌よくしろというのが無理な話だ」

「では、やはり計画の変更はヴィータが別の案を?」

「ああ、いささか非現実的な理想論ともいえる話ではあったが、彼女の思いを目の当たりにした時に信じてみたくなったのだよ」

聞いた内容は確かに計画とも言えない計画であった。一度主を闇の書に取り込ませて内部から暴走部分である防御プログラムの分離させ、それを皆で破壊させる。主が取り込まれると管制人格は夢を見せて眠りに付かせようとするが夢よりも現実を選ばせるために騎士達を外に残しておく事によって意識の覚醒を少しでも高めると言う事。

これを聞いたとき僕は勝手な行動をしたことよりも自分だけを犠牲にしたことへの怒りのほうが強く出ていた。

「その方法ならば別に自分だけが蒐集されてしまう事は!!」

「それについては他に理由があった」

「理由?」

「ああ、まず彼女は本来の【鉄槌の騎士】では無い」

「なっ!?ど、どういう意味ですか!?」

「言葉通りの意味だ、私自身彼女から聞いただけで半信半疑なのだが・・・」

ヴィータの話はさらに信じられない内容であった。あいつは自分は別の世界から来た人格であると言ったらしい、そして一度闇の書に回帰する事によって【鉄槌の騎士】の修復を行い本来の人格へと戻すと言う事。空回りもいい所だ!

「何度も自分の存在を犠牲にすることをやめるようには言ったが彼女は首を縦には振らなかった『自分の持っている幸せは自分のものでは無い』と言ってな・・・」

「・・・分かりました・・・もう聞きたい事は聞く事ができました、現場が心配ですので一旦失礼させていただきます」

僕はそう言って退室しようとする。

「クロノ」

「はい?」

提督は僕を呼び止めた。

「アリア」

「はい、分かっています」

そう言ってアリアは僕に待機中のデバイスを渡した。これは・・・?

「と、父様!?それは!!」

「ああ、氷結の杖『デュランダル』・・・君にこれを渡す」

「なぜ・・・ですか?」

「何、おそらくは君の予想通りだよ」

提督とアリアは苦笑いをしながら言う。

「アイツとの約束でね、もしもアンタが真実にたどり着いたのならこれを渡せってね」

「この力はクロノには必要な物だとな・・・」

そう提督とアリアが言った。もっともロッテは納得のいかない顔であったが・・・知らなかったのか?

「私が頼むと言う資格が無いのは分かっているが・・・せめて彼女の思いだけでも受け取って欲しい」

それに僕は怒りを抑えながら言う。

「お断りですね、そんな思い・・・本人に突っ返してやりますよ!!闇の書の内部にいるのならたとえ僕が内部にもぐりこんででも引きづり出してやります!!」

そう言って僕は現場に向かう、待っていろヴィータ!!!





第三十話「本当の望みそして願い」





<なのはside>

「フェ、フェイトちゃーん!!?」

アリサちゃんとすずかちゃんを避難させた後私達は夜天の書さんとの戦いを続けていた。だけど今隙を突かれてフェイトちゃんが夜天の書さんに吸収された!そんな!!

「エ、エイミィさん!!」

『落ち着いてなのはちゃん!!フェイトちゃんのバイタル、まだ健在!!闇の書の内部空間に閉じ込められただけ!助ける方法、現在検討中!!』

よかった、まだ無事だ!だけどこれからどうすれば・・・。

「我が主もあの子も選んでいる」

「え?」

夜天の書さんが何かを語ってきた。

「自らが望んだ幸せな夢を見るか、それとも現実を生きるかを」

「それって・・・」

「話はここまでだ、私の今の存在意義は破壊のみだ・・・」

「まって、どういう意味!?」

私は構えながら言う。

「何、あいつのせいで少し考え方が変わっただけだ・・・もっとも今できることは破壊のみだが・・・」

そう言って夜天の書さんは片手を前に出す。

『Divine Buster』

っ!?ディバインバスター!!?

「こっちも!!レイジングハート!!」

『Divine Buster』

そして二つのバスターがぶつかった。それにしてもさっきの夜天の書さんの言葉に私はなにかの希望が見えた気がした。





<隆二(ヴィータ?)side>

「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!!?」

「いやっほぉぉぉぉぉお!!!」

俺とヴィータは今絶叫マシーンに乗ってた、こいつの体力は底なしだ!こっちはもうフラフラなのに!!

「ぎゃぁぁぁぁああ!!?」

「あははははははは♪」

ちなみにさっきから悲鳴上げてんの俺な?



「ぜぇ、ぜぇ・・・・・」

「何だよだらしねぇなぁ!!」

「お前が元気ありすぎなんだよ!!」

「なんだと!アイゼンの頑固な汚れにするぞ■■■!!」

でもあいかわらずこいつが俺の名を呼んでいるときになんて言ってるか分からない。

「あ~ったく、止めだ。そろそろ飯にでもするか?」

「ん~そうだな。もう昼だし」

そう言って俺達は近くのベンチに座った。他を見るとカップルが一緒に弁当食べたりしている。現実だとこんな堂々といちゃついている奴らは見たこと無いのでここら辺は夢だなぁとか思ったりする。

「んじゃぁ適当に弁当でも買ってくる・・・」

「あ~その必要はねぇよ、はやてが弁当作ってくれたから」

「・・・そうか・・・」

はやての料理か・・・もう食べる事なんてできないと思っていたのにな・・・ここはリアルな夢世界だからきっと本物とまったくいっしょな味なんだろう・・・。

「どうしたんだよ?」

「なんでもねぇ・・・俺の分もあるのか?」

「あったりまえだろ!はやてに感謝しろよ!!」

ああ、十分に感謝しているさ。今までいっしょにいてくれた事を・・・。

「しっかり味わって食えよ■■■!!」

そう言ってヴィータは俺に弁当を渡した。俺はその弁当のおかずを口にした時、

ポロ

自然と涙が出た。だってそれは紛れもなくはやての作ってくれた料理の味だったから・・・俺は・・・俺は未練がありまくりだった。
もっと皆といっしょにいたかった!!もっと皆と笑い合いたかった!!もっと皆と!!!もっと!!!もっと――!!!!!

だけどそれは許されていいことではない、だってその幸せは本当ならこの子が掴むものだったのだから、この子が目の前にいると知った以上俺はそれを望んではいけない。理屈とかじゃなく心で感じることができる、この子は紛れもなく本来の【鉄槌の騎士・ヴィータ】なのだから。だから俺は・・・望んではいけないんだ。





<はやてside>

あ~何や眠いわ~よう分からんけどこのまま寝ると幸せやけど幸せじゃなくなってしまう。そんな気がする、矛盾した思考がぼ~っとする私の頭の中を駆け巡る。車椅子に座ったままじゃ寝難いわ~・・・あかん完全に思考がおかしくなってる・・・。

「あなたはどちらを選びますか?」

どこからか声がした、聞いた事がある声やった。いつか夢の中で・・・。

「健康な身体。愛する者たちとのずっと続いてゆく暮らし。あなたが望むのであれば夢の中で、そんな世界にいられるように私がしてあげられます」

その声はとても優しげに私に問いかけた。

「ですが現実を選べばあなたは苦しい思いをしなくてはならないかも知れません、思い通りにならないことも沢山でてきます。・・・・・ですからお選びください。夢の中で望む世界を生きるか。現実で望む世界を作っていくのかを・・・」

少し意識がはっきりしてきた・・・前には私に声をかけてきたと思われる人がいた・・・長い銀髪に真紅の目・・・それに昔皆が着ていた服を思い出させる黒い服。そしてシャマル以上でシグナムにはやや劣るけどなかなかな胸「それは余計な思考です」・・・突っ込まれた、結構できるわこの子。

「え~と、なんやったけ?今日のおかずを選ぶんやったけ?」

「違います、夢か現実をお選びくださいと申し上げました」

ほんまになかなかできるわこの子。夢の中でヴィータのあほな事見てきただけのことはあるわ・・・って、

「何で私こういうこと知ってるんや?」

「覚醒の時にいくつかの情報をあなたに渡しました、その時に余計な物まで紛れ込んでいたのでしょう」

そう聞いて私は少し考える。そこにはいろいろな情報があった。目の前にいるのが闇の書の・・・ううん、夜天の書の管制人格ということも分かった・・・それからヴィータの事も・・・。

「さぁ・・・お選びください・・・どちらを望むのかを」

「そんなん決まっとる・・・」

夢の中で皆と過ごしてもそれは結局現実から逃げてるだけで一人ぼっちやんか!私はずっと一人で嫌やった、でも皆といっしょに暮らせるようになって嬉しかった楽しかった、せやからここで夢を選んでしまったら今までの事を私自身が否定してしまう事になる。そんなん嫌や・・・それに知った!まだ間に合う!まだ諦めるには早すぎる!!

「せやから私は選ぶ!現実を!!夢はただの夢やから!!!」

「・・・本当によいのですか?」

「当たり前や!!」

そう私が言うと彼女は目を瞑り黙り込んだ。





<隆二(ヴィータ?)side>

「?」

俺はヴィータと次の乗り物に行く最中に何かを感じた。

「あん?どうしたんだよ?」

「なんでもねぇよ・・・ただ・・・」

「なんだよ?」

「風が・・・」

「風?」

「ああ、なんか暖かい風が吹いた気がした」

「は?今こっちは冬だぞ?」

「ああ、そうだな・・・きっと気のせいだ」

「ったく!わけ分からん事言ってねぇで行くぞ!!もう帰る時間近いんだから!!」

「あ、待て、引っ張るなよ!!」

俺はヴィータに引っ張られながら最後の乗りの物へと行く。なんだったんだろう、今の風は・・・。





<はやてside>

「分かりました。あなたがそれを望むのであれば私は全力を持ってそれに従いましょう。」

「へ?」

えらくあっさり私の意見に賛成してくれた。おかしい、もっといろいろごちゃごちゃする様な気がしたんやけど・・・。

「私は・・・騎士達の感情と深くリンクしています。だから騎士たちと同じように、私もあなたを愛おしく思います。だからこそ、あなたを殺してしまう自分自身が許せなかった。自分ではどうにもならない力の暴走。あなたを侵食する事も、暴走してあなたを喰らい尽くしてしまうことも・・・・・止められない。そう言って自分はあがきもせずに誤魔化し逃げてきました」

「・・・それで、今の答えは?」

私は聞いた。きっとこの子は何か違う答えを得る事ができたんやと思ったから。きっと今までとは違う。

「ですが忘れていました、私は主の心からの望みをかなえると願っている事を・・・ですので、あなたが望む事をかなえたいと願っています」

「それなら!!」

「はい、あなたが本当にそれを望むのであれば私は運命にすら抗います。たとえどんなに絶望的でもギリギリまで、最後の一時まで」

「うん!せやったら!!」

「望んでください、あなたの願いを。今の主はあなたです」

そう彼女が言うと私の足元に白い魔法陣が展開された。それにしてもいつまでも闇の書とか、呪われた~とか、えっと・・・管制人格とか言うのもなんやなぁ、名前を考えてあげなあかんな私は管理者やから・・・けど、とりあえず今はこの子の中で暴れまわってる自動防御プログラムを・・・止める!!せやから・・・。

「止まって」

私は小さく、だけど強く言った。





<なのはside>

おかしい、夜天の書さんの動きが急に鈍く・・・まるで電池の切れかけたおもちゃのように動きが悪くなった。いったい・・・。

『外の方!えっと、魔導師の方!!こちら、えっと・・・そこにいる子の保護者、八神はやてです!!!』

「は、はやてちゃん!?」

『なのはちゃん!?ええ!!?小さき魔導師ってなのはちゃんの事やったの!?』

『言ってませんでしたか?』

『聞いとらへんよ!』

こ、今度は夜天の書さんの声!?一体なんで!!?でも、今は・・・!!

「はやてちゃん!意識が戻ったんだね!?」

『うん、けど・・・そこにおるって事はなのはちゃんが戦ってくれてるってことやの?』

「うん、いろいろあってね」

『主はやて、今はご説明を』

『あ、せやね・・・ごめんなのはちゃん。何とかその子止めたげてくれる?魔導書本体からはコントロールを切り離したんやけど、その子が発動してると管理者権限が使えへんのや』

『そこにいるのは私ではなく、自動行動の防御プログラムだけだ。遠慮はいらん!』

はやてちゃんの意識が戻ったとたん、何かの変化の兆しが見えている。ヴィータちゃんの言っていたことってこういう事だったんだ!!けど結局・・・ど、どうすればいいの!?

『なのは・・・わか『分かりやすく説明するなら、どんな方法でもいいから、目の前の者に魔力ダメージをぶつけろ。アイツふうに言うなら一撃入魂で手加減無しの一撃を、そうすれば先ほど取り込んだ魔導師の子も主も外に出ることが可能になる。・・・すでにあの魔導師も答えを見つけている』・・・うぅ・・・』

「ありがとうございます、夜天の書さん!とても分かりやすいです!!」

『It's so. I appreciate.(まったくです 感謝します)』

あれ?

「ユーノ君・・・さっき何か言わなかった?」

『なんでもないよ・・・僕とアルフはサポートに専念するからなのはは周りを気にせずに集中して!!』

「うん!!」

ちょっと元気が無いように聞こえたけど、気のせいだよね。よ~し!!

「いくよ、レイジングハート!!エクセリオンバスター中距離モード!!バレル・・・て・ん・か・い!!!!!」

『All right. Barrel shot.』



<フェイトside>

夢を見ていた、とても心地のいい夢だった。アリシアがいて、リニスがいて、母さんがいた。母さんも優しかった、ずっと望んでいた、ずっと願っていた世界。けど・・・私は選んだこの世界よりも・・・この夢よりも現実を、だって現実の世界だって大切な場所が、大切な人たちがいっぱいいるから。そのことを伝えるとアリシアは私にバルディッシュを渡して消えた。ありがとう・・・アリシア・・・。

「バルディッシュ、ここからでるよ、ザンバーフォームいけるよね?」

『Yes, sir』

「いい子だ」

私はバリアジャケットを展開させバルディッシュを構える。

『Zamber form』

バルディッシュはザンバーフォームに移行する。

「疾風、迅雷・・・スプライトザンバー!!!」

私はバルディッシュを振るった!!この空間を切り裂いて脱出するために!!





<リインフォース(管制人格)side>

「あ、せや。ここ出る前に・・・夜天の主の名において、汝に新たな名を送る」

「名・・・ですか・・・?」

私の名・・・?かつての名さえ忘れられて、【闇の書】【呪われた魔導書】と言われ続けたこの私に・・・?

「せやよ、いつまでも今まで言われてきた名前やと悲しいやんか。私はそんなふうに貴方を呼ばせたくない・・・せやから貴方に送る新たな名は・・・強く支える者、幸運の追い風、祝福のエール・・・リインフォース。どや?」

そう主はやては優しげに言ってくれた。私は自然と涙が出る・・・そしてかつてあいつが言った言葉を思い出した。



―はやてはお前を絶対に救ってくれる。そしてお前は綺麗な名前もきっと貰える・・・必ず俺がその未来に辿り着かせてみせるからさ?―



ああ、お前の言ったとおりだ。この方は私を救ってくれた。こんな私に・・・私は今なら言える、世界で一番幸せな魔導書であると・・・そしてそうしてくれたのはお前だ、だからお前も救ってみせよう、主と共に。だから今は・・・。

「ありが・・・とうございます。では・・・新名称・リインフォースを認識。管理者権限の使用が可能になります」

「うん」

「ですがここからが大変です。防御プログラムの暴走は止まりません。管理から切り離された膨大な力が、じき暴れだします・・・そしてその前に・・・」

「うん、分かっとるよ。空回り全開の駄々っ子を、いっしょに説得せなあかんね?」

「クス・・・そうですね。私の説得が楽だった分ここで苦労してしまうかもしれません」

「あはは、せやね?」

そう主は私と笑いあった後、主はやては一度深呼吸をして言う。

「リンカーコア送還。守護騎士システム、破損修復・・・ていってもあの子だけやけど。帰っておいで・・・ヴィータ」

さて、私に散々偉そうな事を言っておいて自分は引き篭るなんて許さんぞ、新たな【紅の鉄騎】よ。











おまけ(何も思いつかねぇや。つーことで、間違った夢世界編)



目が覚めた、意識はまだはっきりしていない・・・俺昨日何していたっけ?・・・まさかシャマルの料理を食べて気絶したとか!!?・・・・・なんてな。

「え~っと・・・あん?」

ふと周りを見渡すとそこは明らかにはやての部屋じゃなかった。でも・・・知っている、もう10ヵ月近く前になるけど毎日見ていた部屋・・・。

「俺の住んでた・・・アパート?」

そこは俺がかつて元いた世界で住んでいた大学の近くにあるアパートの一室だった。・・・もう絶対に訪れる事ができないはずの場所・・・現に俺の通っていた大学は存在していたが周りの地形が少し違っていてこのアパートは存在していなかったから。

「とりあえず今の姿を!!」

俺は急いで洗面所に行って今の自分の姿を確認した。そこにはまぎれも無くかつての俺が・・・と言う事は無くヴィータのままだ。

「うん、夢だなこれ!」

結論、夢である。

「やる事無い外出るか」

あ、そうだこっち来る前はサウンドステージXの発売前だったけ。夢の中だけど買えるかな?



んで今俺はゲーマー●に来ているわけだが。

「あった・・・」

ゲットだぜ!!

「スミマセンこれお願いします」

「あ、は・・・・・い?」

あん?何だよ急に黙って?

「あの・・・」

「あ、いえ・・・では――円になります」

「ど~も」

それにしても視線を感じる・・・ほんとに感じる。嫌、妄想とかじゃなくてマジで!!あ、なんかひそひそ話が聞こえる。

―ヴィータだ―

―ヴィータがいる―

―すげ~まんま本物じゃねぇか?―

OK把握した。ダッシュせよ!!

「あ、逃げた!!」

「せ、せめて写メだけでもー!!」

「却下じゃ~!!!」

こうして俺は半泣きしながらこの世界から逃げた。別に悪くないと思う。

あ、結局サウンドステージX聞けなかった。ちくせう。





あとがき

なんかヴィータの説得とか考えるとリインの説得とか書いたら何かこう、ぐだぐだになりそうなんであっさりとしました。ぶっちゃけ途中から演技とか入ってたのかもしれません。最初のほうはマジだったと思うけど・・・。



あと感想にあったリアルクリスマス発言は本当に意味がありません。だって関係ないっていったもん!!それにしても感想がもうすぐと言うかついに300超えるな・・・感謝感激です!!



[3310] やらかしたっぽい外伝1
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2008/12/25 23:44
今回の話は本編には微塵も関係ねぇーです。もしも夢が違ったら的な感じです。良く分からねぇです。まぁ、なんか本編がシリアス(?)になってきたので完全ギャグが書きたくなったというか、フェイトの夢の話し書かなかった反動というか、登場人物は完全におかしいというか、フィクショというか、なんかこう電波が来たと言うかそんな感じの話です。頭おかしくなったわけじゃねぇーです、こういう思考なんですぅ・・・べ、別にクリスマスだからとかそんなの関係ないんだからな!!(ヴィータ風)   ※更新時クリスマス



<ヴィータ・・・じゃないかも完全に今回はside>

目が覚めた、意識はまだはっきりしていない・・・俺昨日何していたっけ?・・・まさかシャマルの料理を食べて気絶したとか!!?・・・・・なんてな。

「え~っと・・・あん?」

何だこの声は?男っぽい・・・ていうか完全に男の声・・・いや、視界も高い!!?回りを見渡すとそこは明らかにはやての部屋じゃなかった。でも・・・知っている・・・・・・・・・・事は無かった。やっぱ知らねぇなんか無駄にでけぇ部屋だ。どこだここ?んで、なんか無駄にデカイベットで隣には・・・・・。



少しロリった(十分あいつもロリだが)フェイトがいた。(あと子犬アルフ)



俺やっちゃった?・・・いやいや待て待て!!!俺はヴィータなんだぞ!?何をすると!?あれでもさっき・・・『何だこの声は?男っぽい・・・ていうか完全に男の声・・・いや、視界も高い!!?』とか考えていたような・・・ひょっとして今の俺隆二!!?まさかまさか~~~~あーーーー!!は、犯罪者に!!?いやいや待て待て落ち着いてよく見ろこいつはちゃんとパジャマ着て寝てるし俺もなんかパジャマ着てるし、うん、無問題。無問題ったら無問題ぃぃ!!!あれ?なんかフェイトにしては少し違和感を感じる・・・?

<コンコン>

ノックが鳴った。そして女性の声が聞こえる。

「隆二、アリシア、アルフ。朝ですよ」

まさか・・・もとい、



「待てや」



「あ、お兄ちゃん。おはよう」

あ、妹キャラなのね?





外伝1「なんか番外編というかもしも編というかなんと言うか、ああ、もうIFでいいや。間違った夢世界編2」





「皆ちゃんと起きてますか?」

呆然としていると一人の女性が部屋に入ってきた。リニスである。獣耳やしっぽが見たいです。恥ずかしく思ってるんだっけ?

「は~い」

「眠い~」

「どうせ三人とも夜更かししてたんでしょ?」

フェイトの場合と違ってどうやら俺も勘定に入ってるらしいです。フェイトが真面目なだけです。俺は普通です。

「ちょっとだけだよ~」

「ねぇ~」

アルフとアリシアが仲良く誤魔化している。

「遅寝遅起きの隆二を見習っては駄目ですよ、隆二は駄目なお兄さんですから」

リニスさん、俺泣きそうです。

「あの・・・リニス・・・さん?」

「なんですか?あなたが私をさん付けする時は何かを誤魔化している時ですが・・・また何か悪い事でも?」

マジで?俺そんなキャラ?

「また隠れてえっちぃ本買ったんでしょ~?」

「まてや、アリシア!!?」

「そ、そうなのですか、隆二~!!!」

ちょ、何で怒るんだよ!!?健全な男子ってのは・・・じゃなくて、やっぱこいつアリシアだ。声少し違うしフェイトはこんな冗談言える奴じゃないし・・・。

「ほら、お兄ちゃんの机の引き出しの奥に」

そう言ってアリシアは不自然にあった机の中をあさってた。んで本出してた。

ヲイ!!!(汗)あったよ!!

「あ、あ、あなたという人は~~~~~~~!!!」

リニスさんが顔を真っ赤にして怒っています。まじでこえぇ!!

「反省しなさぁぁぁぁいい!!プラズマ・クローーーーーー!!」

おお、初めて見る魔法。雷の爪が俺を襲う・・・って、

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!?」

俺は黒こげで倒れた。

「お約束だね☆」

さいですかアリシア嬢。

「実はあたし・・・ザフィーラなんだ」

マジかアルフ!!!?最後声野太くなったぞ!!!?てかなんでこのタイミングで言う!?

「まったく、とにかく皆着替えてくださいね?朝ごはんです。プレシアは食堂ですよ」

「「は~い」」

アリシアとアルフ(また声戻ってた。本当はどっちかすげぇ気になるザッフィーだったらとりあえずボコる。不運にあうのはあいつのデフォルトだ。奴が傍観者なんざみとめん)は元気良く挨拶した。それにしてもあの厚化粧ババァ・・・もとい、プレシアか・・・一体どんな事俺に言うやら。





「あら、おはよう隆二。そろそろあたしと結婚する?」

すげぇや夢世界!とてもあの厚化粧ババァと同一体とは思えねぇや、リンディさん級の若作りってわけじゃないけど、適度に年上感が出てていい味だよ!!俺別に結婚してもいいや!!

「あ~ずるい~あたしも~~!!」

「あらあら、それじゃぁアリシア二人で隆二と結婚しましょうか?」

「まったく、二人揃って朝から冗談ばかり言わないでください」

「そうね、冗談よ」

「だってリニスも入れて三人だもんねぇ~♪」

「な、な、なんでそうなるんですか~!!///」

「あらあら、リニス顔真っ赤よ?」

「プ、プレシア~!!」

本当にすげぇよ夢世界。

「うらやましいものだな?」

!!?ザ、ザフィーラ!!?その声が聞こえて急いで振り向くと。

「どした、隆二?」

子犬アルフがすでにご飯食ってた。ドックフード、同じ使い魔のリニスはきっと普通に・・・じゃなくて、

「おい、お前。本当はどっち「ほらほら、皆そろそろいただきましょう?」・・・あ~また聞けなかった」

んで、朝飯食ってたんだが・・・。ちらっとプレシア見たら・・・。

<ちゅっ>

ウインクして投げキッスしてきた。もはやあいつは別人でできている。

もう俺大混乱だ。

「体はプレシアでできている、血潮は何かで、心は別人・・・・・(ぶつぶつ)」

「こんな所で固有結界なんてやめなさい、ていうか少し呪文違いませんか?」

この世界の俺使えるの!!?

「俺って何者!!?」

「何を言ってるのですか、あなたは十年前くらいに小規模次元震の影響で記憶喪失で飛ばされここで一緒に暮らしている【秋山 隆二】ではありませんか。本来なら管理局に頼む所でしたが固有結界なんていまだ誰も見たこともない法外魔法を私達が見たため、これでは軟禁にでもされないと判断しプレシアがあなたを引き取ったんじゃありませんか。ちなみに養子にしない理由は・・・」

「どこかの元駄目亭主のようにぐうたらな奴じゃなくて素敵な旦那様に育てるためよ♪」

「と、プレシアは言ってますよ」

まじですげぇな夢世界。てかプレシアさんそれって・・・。

「逆光源氏計画よ♪」

何で知ってんだよ。今のアンタをフェイトが見たらあらゆる意味で泣くよ。



その後庭園みたいな所を皆で散歩する事になった。何でも朝食後は必ずするらしい。

「ねぇ、今日は皆で町に出ましょうか」

「うん!」

「いいですねぇ」

ふとプレシアは俺を見て言う。

「そろそろ婚姻届出さないと」

「いつまで言ってるつもりですかプレシア」

ため息をつきながらリニスは言う。

「あら、あなたが逐一反応するからつい言ってしまうのよリニス?」

「ぅう・・・・・///」

リニスをからかうプレシア。現実でもこんなだったらよかったのに・・・って、俺が思うことじゃねぇ!!

「お兄ちゃんには接近戦用の頑丈なデバイスをそろそろ買ってあげなくちゃ」

「そうねぇ、隆二は馬鹿みたいに突っ込むことしかできないから」

泣きそうだよ、俺。

「ご心配なく、その内市販なんて目じゃないものを私が作りますよ」

そうエッヘンと胸をはるリニス。

「さすがリニスね、さりげなく胸を強調して・・・」

「えぇ!!?」

でもやっぱりプレシアに弄られた。

「ふ、女性ばかりで嬉しいか?」

またザフィーラの声がした!!振り返ると、

「何?隆二?」

子犬アルフがいた。くそったれ!!正体現せぇぇぇええ!!!





その後訓練用のデバイスをリニスに貰い近くの原っぱで練習をしてこいと言われ今俺は素振りをしている。せっかくなんで固有結界使おうかと思ってたら封印処理されているとの事、残念!!近くではアリシアが本を読んでいる。

「いや、駄目!!私には主人がいるの~♪」

何の本を読んでいるぅ!!!?楽しそうに朗読するなぁ~!!!!!

「あれ?」

急に暗くなったと思ったら雨雲が出てきた。ちょっと雷鳴ってる。

「雨になりそうだね、でもお兄ちゃんは風邪引かないからこのままがんばってね?」

馬鹿はなんとかって言いたいのか!?

「冗談だよ、もう家に帰るまでに間に合いそうにないから、あの木で雨宿りしよ?」

そう言って大きな木を指した。

次第に雨が降り始めた。俺達は木に寄りかかって座り込んだ。

「なぁ・・・アリシア、これって夢だよな?」

俺は今まで感じていた疑問を言う。

「お前がいようがいまいが別に俺にはあんまり関係ない・・・っていうかあらゆる意味で根本的に違うくない?何で俺がこんな夢見てるん?」

「・・・間違っちゃった♪」

そう言ってアリシアはテヘッっとした。

「なんでだーーー!!!!つーかフェイトはどうした!!?仮に夜天の書に取り込まれたとしても俺の後だろーがいろんな意味で合わないだろーが!!!」

「ふっしぎ~☆」

「不思議過ぎだよ!!大体プレシアおかしいだろーが!!なんかいろいろ!!!」

「ちょっとリンディさんを混ぜてみました♪」

「混ぜるなよ、危険だよ!!」

新しい世界を垣間見た気分だよ!!

「ねぇ・・・お兄ちゃん。夢でもいいじゃない、ここにずっといよう一緒に?」

「唐突だな、おい!!」

「だってこの台詞言わないと話進まないじゃん」

そうだけどよ~・・・

「とにかく、ここでなら私は生きていられる、お兄ちゃんの妹でいられる。母さんとザフィーラとリニスと・・・皆と一緒にいられる。ぶっちゃけ別に望んじゃいなかったかも知れないけどそれなりに楽しい生活を提供できるよ?」

あ~・・・うん、もう何も言わねぇ・・・。

「ま、別にいいけど。元々もう外に戻るつもりも無かったし」

そう、忘れかけてたけど俺はヴィータにヴィータを返すためにこうしたんだ。むしろここにいるのは願ったりかなったりだ・・・・・いや、ちょっと待て。

「さっきなんて言った?」

「え?ぶっちゃけ別に・・・」

「その前。」

「お兄ちゃんの妹で・・・」

「その後。」

「えっと~・・・母さんとザフィーラとリニスと?」

・・・うん、まてや!

「今ザフィーラって言ったよね!!?あきらかに言ったよね!!?やっぱあいつザッフィーだったのか~~~!!!」

「え・・・ああ!!?」

アリシアはしまったって顔をしてそしてすぐにさわやかな顔をして言う。

「母さんとアルフとリニスと・・・皆と一緒にいられる(以下略)」

誤魔化すんじゃねぇ!!!

「もういい!!やめだ帰る!!お家帰る!!!おい、とっととアイゼン寄こせ、どうせ話の流れ的に持ってるんだろ!?」

「ええ~~!!そ、そこまで認められないの!!?」

「ああ、認めねぇ!!あいつが傍観できる立場なんて認めねぇ!!何が何でも認めねぇぇぇええ!!」

「な、仲間との友情は~~!!?」

「あいつはオチって決まってるんだ!あんな立場じゃ無理じゃねぇか!!!」

「そんな理由!!?」

「帰る~!!帰る~!!」

「お、落ち着いて~!!それにもし外に出たら・・・・・」



―幼女逆戻りだよ?―



「は!?」

にま~としながらアリシアは言う。

「そ・れ・に~リニスって、実はお兄ちゃんに惚れている設定だよ~?」

な、なんですと~~!!!

「て言うか結構分かりやすかったと思うけど・・・あの反応を見れば・・・」

「そうなの!!?」

「うん、もっと言うと今まで結構お母さんが煽ってきたって設定だからから今日の夜らへんに~・・・ふっふっふ~~♪」

そういわれた瞬間俺の頭の中にあるビジョンが駆け抜ける。



夜俺はベットで寝ようとしていた。するとノックがして・・・

「あ、あの・・・隆二////」

顔を真っ赤にしてもじもじとしながら妙に色っぽいリニスが入ってきて――――――



「く!?な、何だ今のビジョンは!!?」

「ふっふっふ~夢だからね~何でもありだよ~♪」

すげぇな夢世界。

「いい、もし戻ったら幼女逆戻りだけど・・・ここなら男のままでしかも!!」

アリシアは天を指しながら言う。

「年上キャラはお母さんから、お姉さんキャラはリニス、そして幼女キャラは私と選り取りみどり!!夜もばっちりだ~~~!!!」

いつの間にか雨は収まり、雲は散り光がアリシアに差し込んでいた。それはとても神々しかった。一瞬拝みそうになったが何とか堪えてこれからの事を真剣・・・そう、ほんっと真剣になって考えた。

「お、おれは、おれは~~~!!!」

どうする?どうする!?どうする!!?

「欲望に任せちゃえ☆」

「・・・・・・・そうする!!!」

その一言を言った瞬間俺にも光が差し込んできた。まるで世界が俺を祝福しているかのように・・・。

「あ、風が出てきたね?」

「お、本当だ」

「きっとお兄ちゃんを祝福してるんだよ。そう・・・祝福の風だよ!」

「あはは、そうか~よし、帰るかアリシア!!」

「うん!!」

そう言って俺達は手をつないで帰・・・





「「あほかーーー!!」」

「ぐふ!!!?」

ろうとしたら二人の女の子に殴られた。誰だ!!?

「だ、誰だ!!・・・・・って、あ!!!?」

そこにはすっげ~怒って仁王立ちしたはやてと管制人か「もうリインフォースだ!!」・・・リインフォースがいた。

「え~と・・・」

「あほな夢見てから・・・とっとと起きんかい!!」

「え・・でも俺は・・・」

「いいから早く来い、私がせっかく貰った祝福の風をこんなくだらん例えに使いおって・・・」

「いや、言ったのはアリ・・・。」

「「いいからさっさと来る(んや)!!!」」

「ラ、ラジャー!!」

「うわ~あっさり負けたね~!」

そんな言うならアリシア助けてよ。

「それ無理☆」

あっさり~~!!!!

「そら、さっさと!」

「行くで!!」

<ずるずる~>

「あ~れ~~!」

そうして俺は二人に引きづられながら夢世界とさよならした。ちなみにひきづられている内にヴィータの姿に戻ってた。ちくせう。









おまけ



<フェイトside>

私は取り込まれたはず、なのに目が覚めたら知らないアパートの一室で寝ていた。

「こ、ここはいったい・・・」

悩んでいると、

<ピンポーン、ピンポーン>

チャイムが鳴った。どうするか悩んでいると、

<ピンポーン、ピンポーン、ピン、ピ、ピ、ピンポーーン!!!>

どんどん白熱してる。結構怖い・・・。

「おせーーーーーーー!!!」

「ひ!!?」

ドアが突然吹き飛びそこには、

「ヴィータ!!?」

がいた。でも様子が少し違う気が・・・。

「あん?何言ってやがるてめぇ。まだ寝ぼけてんのか?」

「え~と・・・ヴィータだよね?」

「何言ってやがる!ほら、いつまでしてボーとしてんだ!!行くぞ!!」

「え?どこに?」

「今日はあたしを遊園地に連れてく約束したろ~が!!」

したっけ?

「おら!とっとと行くぞ!!お前が車の運転をするんだぞ!!」

ええ!!!?

「できないよ!私まだ子供だよ!!?」

「まずはレンタカーを・・・」

「聞いてよ!!」

その後車を目の前にして困った。本当に、けど・・・

「なんか子供だけなのに借りれたし、多分これ夢だし大丈夫かな?」

そう半信半疑で運転してみた結果・・・。

やっぱり事故を起こしてしまった。

泣きながらその世界から逃げた私にきっと罪はないと思います。









あとがき



・・・・・もはや何も言うまい。あえて言うならこの世界の未来におけるフェイトは車の運転ができないぐらいか・・・。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十一話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/01/06 20:51
<隆二(ヴィータ?)side>

―帰っておいで・・・ヴィータ―

静かに、だけど確かに声が聞こえた・・・はやての声だった。

「どうしたんだよ■■■?」

俺の様子がおかしかったのかヴィータが聞いてきた。

「ああ、どうやら時間みたいだな?」

「・・・そうか」

・・・この様子・・分かってたみたいだなコイツも。

「最後だから言うぞ?」

「・・・ああ」

分かっているのならいつまでも逃げているわけにはいかないか・・・言わなくちゃな、今までの礼を。

「いきなりだったけど、今まで俺ヴィータでいてよかったよ。お前にとっては迷惑な話だっただろうけどさ」

「・・・・」

「はやてや、シグナム、シャマル、ザフィーラ・・・皆と家族になれてよかった」

「・・・そっか」

「ああ、それからなのはやフェイト、クロノ、リンディさん、エイミィ・・・他にも多くの人に出会えて楽しかった」

この言葉に嘘は無い、けど・・・。

「でも、やっぱりそれはヴィータが手に入れるべき出会いなんだと思う」

「・・・まぁ、それについてはあたしも賛成だよ」

そっか、やっぱりこの子も外に出たいんだな。うん、ならもう大丈夫だ。はやても皆もきっとこの子を受け入れてくれる。もう、俺が心配する事は無い。

「だから・・・行ってこい。ヴィータ」

「あぁ・・・・・・







行くのは確かにヴィータだよ!!!」

「へ?・・・って!!?」

いきなりヴィータに何かを投げられ咄嗟に受け取った。な!?こ、これは!!?

「ア、アイゼン!!?」

それは待機中のグラーフアイゼンであった。なんでさ!?これではまるで!!

「い、一体なんの!?っ!!?つ、次は何だ!!?」

いきなり周りの風景がひび割れ崩れていく、それと同時に俺の体にまで亀裂ができていった。まるで俺の体がメッキであったように崩れていき、その崩壊が収まった後に俺の体は・・・。

「な、何でまたこの姿に・・・?」

俺の体は紛れも無く目の前にいる少女の姿に、そう・・・・・・・ヴィータになっていた。

「な、なんで!?なんでだよ!!?」

意味わかんねぇ!!なんでだ!!だってこの子がヴィータなんだ!!もう俺は!!!!!

「たく、ホラ行けよ【あたし】!!はやてや皆が待ってるんだろ?」

今まで聞き取れなかった部分が分かった。コイツ俺のこと【あたし】・・・つまり自分と呼んでいたんだ・・・待てよ!!

「っ!!?ふ、ふざけんな!!何のために俺が一度書の中に回帰したと思っていやがる!!俺はヴィータにヴィータを返すために・・・!!」

「だから問題ねぇじゃん。ようはヴィータが外に出ればそれで・・・」

「違う!!!俺は・・・俺は!!!」

「ちっ!いい加減にしろ!!!」

「っ!!?」

ヴィータはいきなり俺の胸倉を掴んで叫ぶ。

「まだわかんねぇのか!!もうお前はあたしなんだよ!!皆お前の事を【ヴィータ】って呼んでる!それが答えだよ!!違うか!!いつまでもあほな勘違いしてんじゃねぇ!!!」

「な・・・なに言って・・・。」

「ああ、もう!!ぐだぐだいってねぇで・・・・とっとと行けぇぇぇええ!!!!!」

そう彼女が叫ぶと俺は光に包まれ始める。

「な、何だよこれ!!」

浮かび始める俺の体・・・いつの間にか俺は紅い珠となっていた。

「ま、待てよ!!俺は―――!!!!!」

そして俺はその空間から消えた。



―ワリィな。面倒な事に巻き込んじまって・・・でも、後は頼んだぜあたし!―



最後にそんな声がした。そんな声が聞こえた。





第三十一話「名前をあげる」





<はやてside>

私のもとにやってきた一つの小さい紅い珠・・・私の管理者権限で修復をしたヴィータ。せやけど・・・うんともすんとも言わへん。

「え~と、どういうことや、リインフォース?」

「予想通り引き篭っているようです」

むむ、何となく予想はしていたんやけど、まさか本当にしているとはなぁ・・・。

「完全に子供やなぁ・・・」

「いえ、ある意味大人とも取れます」

「・・・まぁ、どちらにしても説得せなあかんな・・・」

「ですね」

ふむ、しかしどないすれば・・・。

「とりあえず呼んでみましょう。聞こえているのであろう【紅の鉄騎】?」

『違う』

お、反応してきた。

「え~と、ヴィータいつまで引き篭ってるん?」

『違う!俺はヴィータじゃない!!』

自分を否定している。その理由は知っている。自分の心と体が一致していないゆえの不安やと私は思った。その言葉を聞いてリインフォースが悲しそうな顔をして言う。

「ではお前は誰なのだ?巻き込んでしまった私が言うべきことではないがお前はもはやかつての自分には・・・」

『ああ、そうだよ!!あたしは【秋山 隆二】にも【ヴィータ】にもなりきれない中途半端な存在だよ!!!』

それに、自分が自分では無いという葛藤に不安、きっとこの子が今感じているのはそういうことやと私は考えた。せやから・・・

「それならあなたにも名前をあげる」

「『へ?』」

私の発言に二人が驚く、けど私の考えは変わらん。自分が分からないのなら、たとえ無理やりな考え方でもこの子にこの子をあげる。

「せや・・・万物を打砕く者、紅の鉄騎、鉄槌の騎士・・・ヴィータ。それが今のあなたに贈る名や」

『な、なにいってんだよ俺は!!』

私は静かに首をふり言う。

「違うんよ、今まではその姿ゆえに名乗っていた名かも知れへんけど、これからは私があなたに贈ったから名乗る名前やよ」

『え・・・?』

「(少し強引過ぎるような・・・)」

心の声が聞こえたでリインフォース。けど今は無視しておいてあげるわ。

「もし、あなたがこの名を呼ばれることで罪なるなら私が背負ってみせる、他の誰かがそれを拒否するんなら私が説得するから、してみせるから!」

『・・・はやて』

「だって、私はヴィータといっしょにおりたいから。ヴィータは?私とはいっしょにいたくない?」

『いて・・・いいのか?』

「ん?」

『はやてと、なのはと、フェイト、シグナム、それからシャマル、ザフィーラ、他の皆ともいていいのか!!?』

「もちろんやんか!私が許す、例え他の誰かが否定したって!!」

そう私が言うと小さな光の珠はしだいに大きくなっていき割れて、その中からもとのヴィータが出てきた。その顔は涙でいっぱいやった。

「~~~~っ、はやて・・・」

「おかえり、ヴィータ」

「はやて~~~!!!」

「おっと!」

私に泣きつくヴィータ。とりあえず頭を撫でておこう。よかった・・・無事戻ってきてくれて。さて!!

「ほんなら今度こそ行こうかリインフォース、それに・・・新しい【ヴィータ】!!」

「はい!!」

「・・・・・ああ!!」





同時刻 とあるビルの屋上

「これは!?」

シグナムは自らの体の異変に気付いた。

「体の自由が!?」

「ううん、それだけじゃない!私達に力が湧き上がってくる!!」

続いてザフィーラとシャマルが気付く。ぞしてそれに続けて各騎士達の足元に魔方陣が展開していく。

「これは・・・?」

「呼んでいる・・・はやてちゃんが・・・」

「そうか・・・うまくいったようだな」

自分達は何もできなかった、今までは。だがまだ全てが終わったわけではない、ここから先は自分達も動ける!その思いで騎士達は決意をする!!

「行くぞ皆!!主はやてと・・・我等の仲間のもとへと!!」

「「応!!」」

騎士達は転移した、主のもとへと。







<ヴィータside>

本日付でヴィータになりました。
情け無いです、自分より年下の子に思いっきり泣きついちゃった・・・今更か。今までも結構泣いたような・・・今考えると心と体がまだきっちりと安してないんだと思う。
結局俺がやった事って空回りだったらしい。暴走だな・・・うん。正直まだ自分の中で一区切りつけたけどまだ完全な決着はついていない。これからも悩んでいく事になるんだろうけど、でも・・・今は!!

いつの間にか俺は風を感じていた。数時間前まで感じていたのにもう長い間感じてい無かったように思える・・・。そして、分かる。俺の近くにはやてを囲む形で皆が・・・シグナム達がいることが!

「我ら、夜天の主の下に集いし騎士」

シグナムの声だ!相変わらず凛々しいな。

「主ある限り、我らの魂尽きる事なし」

シャマル!珍しいなシリアスモードなんて!!

「この身に命ある限り、我らは御身の下にあり」

ザフィーラ!今ならあえて狼って呼んでやるよ!!(意味不明)

さて、後は俺が言う番だな。この台詞はただの言葉じゃない、これから俺がヴィータとして生きる・・・誓いの言葉!!

「我らが主、夜天の王、八神はやての名の下に!」

俺は閉じていた目を開き、言った。そして・・・

「リインフォース・・・私の杖と、甲冑を」

『はい』

はやては杖と甲冑を展開させその姿を現した。

「はやてちゃん!!ヴィータちゃん!!!」

なのはの声が聞こえた。なんか嬉しそうな声だった。あいつらにも謝んなくちゃいけないな・・・そういえばフェイトもなのはの隣にいるけど書の中には取り込まれなかったのか?後で聞くか・・・。

「夜天の光よ我が手に集え。祝福の風、リインフォース、セェーットアップ!」

はやては、杖を天に掲げて夜天の書の力を解放する。闇の書の頃の名残であった黒い魔力光は、白へと変わっていく。はやてはその姿を・・・騎士甲冑を完全なものにしていく。髪も融合時の証拠である・・・何色って言うんだ?白にちょっと茶色が混ざったっていうか・・・クリーム色っていうか・・・えと、とにかく色が変わったんだよ!!!

「はやてちゃん!」

「あの・・・主はやて・・・」

シャマルとシグナムがはやてに声をかける。俺以外は皆はやてと向き合っている。俺は・・・何となく顔が合わせずらくてまだ後ろを向いていた。

「ええよ、まだよく分からんかった所はリインフォースが教えてくれたから・・・あ、管制人格な?名前贈ったからそう呼んであげてな?」

「あ、はい・・・」

「あの・・・それから・・・」

二人はまだ何かを気にしているようではやてに聞く。

「あ、うん。それについては本人からちゃんと聞いたほうがええよね?・・・ほら、ヴィータ!」

ああ、やっぱり俺のことか・・・背中に視線を感じるよ・・・。

「ヴィータ・・・」

「ヴィータちゃん・・・」

「ヴィータ・・・」

俺は振り向いて頬をかきながら・・・たぶん困った顔をしながら言う。

「あ~その・・・なんだ・・・。えっと・・・ごめん。なんかあたしのまま戻ってきたみたいだわ」

その言葉に皆が反応した。嬉しそうな怒ったような気まずい雰囲気・・・怖いです。シグナムなんて怒り出す数秒前です。どうしよう・・・よし!!アニメのヴィータ見習ってはやてに泣きついて誤魔化そう!!そうと決まったら3,2,1で・・・3・・・2・・・1!!!

「はや「ヴィータちゃぁあん!!!!」・・・うをぁあ!!?」

なのはが泣きついてきた!!おい!!抱きつくなよ!?ここははやてに俺が泣きつく場面で・・・・・。

「おい!なのは!!?」

「うわぁぁぁあぁああん!!ばかぁ!!心配したんだよぉ!!」

あ~もう、泣きやめよなぁ!!

「あ~悪かったって、とにかく落ち着けって・・・」

「うわぁぁぁああん!!!」

だめだこりゃ。

「あ~ずるいで~なのはちゃん!!ヴィータはうちの子なんよぉ!!」

そう言ってはやてまで抱きついてくる。なんでさ!!

む、近づいてくるこの気配!?空気読めない執務官!!クロノ・ハラオウン!!よっしゃぁ!!!あいつなら空気読まずにこの状況を崩してくれるはずだぜ!!!

「なのはの言うとおりだ!!君はどれだけ周りの人たちを心配させたか分かっているのか!!?」

ホワッツ!!?クロノさーん!!!?何空気読んで説教してるんですかー!!!?ほら、俺達のすぐそばの海には黒い魔力の塊があるよー!!防御プログラムがありますよーー!!?

「その執務官の言うとおりだヴィータ!!」

「そうよヴィータちゃん!!どれだけ私達が!!!」

「私だって心配したんだよヴィータ!!」

「俺もだ」

続けざまに残りの皆が俺に説教をする。む、ユーノとアルフはしていないな・・・。

『ヘルプー!!』

念話を送ってみたところ。

『無理。』

『僕たちまで説教するつもりは無いけど変わりに助けないよ?』

ちきしょう・・・・・。

「「「「「「聞いているの(か)ヴィータ(ちゃん)!!!!」」」」」

「いい加減にしてくれーーーー!!!!!」





『お~い、暴走臨界点まで後30分だから、なるべく早く説教終わらせて作戦考えてねぇ~』

エイミィが通信してきた、あれ?なんか地味に長くないか?制限時間・・・・・。

『頑張ったからな。偉いぞ私!!』

リイーーーンフォーーーースさーーーーん!!!!何愉快な性格してんだよぉ!!

「ならあと5分くらい説教するか」

「うん」

「せやね?」

「ええ」

マジで許してーーーーーーー!!!!









おまけ



<とある空間・・・精神世界>

そこには一人の少女がいた。赤い髪におさげの少女。彼女は先ほどまでいた自分と同じ姿の少女の様子をこの暗い・・・けれども不思議と寂しくは無い世界から見守っていた。

「ったく、ようやくひと段落ついたか・・・世話掛けやがって」

そういった顔はまるで、できの悪い妹を見ているかのようであった。

「それにしてもはやてか・・・もしあたしにトラブルなんて起きなければあたしはこういう風になれたのかも知れねぇなぁ・・・いや、なれたんだよな?・・・けど・・・」

ため息を一つ吐き言う。

「やめだ、仮定の話なんかしても意味は無いし・・・っと、もう限界か」

見てみるとその少女の手から少しづつ消えかけていた。

「もう寝ないと崩壊が止まらねぇな・・・別にもう消えてもいいと思うけど一応寝ておくか」

そう言って少女は目を瞑る。

「じゃぁな、後は頼んだぜ新しいあたし」

先ほど言った言葉をもう一度言い彼女は眠りと共にその空間から消えていった。









【本編中におけるリインフォースの心境の変化の補足】

覚醒 → どうせ私は自分でも止めれないのさぁ~ → ん?何だこれ?アイツの記憶が流れ込んで・・・ → ちょ、マジで?この世界がアニメになってるところから来たの? → 何だよやればできるじゃん私、いっちょもう一度やる気になるか? → それに比べてあいつはどうだ、引き篭りやがって! → ちょっと主といっしょにやきいれたる!! → ヴィータを説得



こんな具合。 愉快です。







あとがき

真ヴィータは一旦退場です。ちょっと形を変えてまた出します。あと、うちのリインフォースはなんか愉快な性格になりそうです。



・・・・・・それにしても三十話は誤字が多すぎたorz



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十二話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/03/12 01:31
<ピンポンパンポン♪>

『お知らせです。今回のフルボッコ時には【BRAVE PHOENIX】を聴いてくださいますとなんかこう雰囲気が出るような出ない様な・・・』

<ピンポンパンポン>





は!?説教から現実逃避したら変な電波が!!?

「「「「「まだ話は終わってない(の)!!ヴィータ(ちゃん)!!!」」」」」

「まだ続いてたーーーーー!!!?」

『たった5分しか経ってないのに凄い高密度な説教だね・・・あれ?暴走開始まであと35分?』

エイミィ!!?制限時間増えてない!!?

『頑張ったら延びた』

リイーーーンフォーーーース!?切り離したよな!!?コントロール受け付けない筈だよな!!?





第三十二話「フルボッコって簡単に言うけどこっちは攻撃させないように結構必死だったりしますByヴィータ」





<ヴィータside>

「さて、まだまだ説教したいのは山々だが、あまり時間も無い」

クロノがやっと話を切り出した。その貴重な時間を説教に使うことになった発端は誰だよ?まったく、お前は空気読めないの典型じゃなかったのか?

「「何か言ったかヴィータ?」」

「いえ!!なにも!!!」

心読まれた!!?・・・まて、なぜシグナムまで反応した?自分がいつも空気読めないキャラって自覚・・・<チャキ!>・・・シグナムさんは今日も美人さんだぜ!!

「では、説明に入る。あそこの黒い淀み、闇の書の防衛プログラムがあと数十分で暴走を開始する。僕らはそれを、何らかの方法で止めないといけない。停止のプランは現在二つある」

そう言ってクロノは待機中のデュランダルを出す。・・・ふん、あいつ等はどうやらちゃんと渡したようだな。

「一つは、極めて強力な氷結魔法で停止させる。二つ目は軌道上で待機している艦船アースラの魔導砲・アルカンシェルで消滅させる。これ以外に、他にいい手はないか?闇の・・・失礼、夜天の書の主と、その守護騎士の皆に聞きたい」

うん、皆に意見を聞いてるなら俺を睨むなよクロノボーイ。

「えっと・・・多分、最初のは難しいと思います。主のない防衛プログラムは魔力の塊みたいなものですから」

「あぁ、凍結させても、コアがある限り再生機能は止まらん」

それにシャマルとシグナムが答える。え~と、ここで俺がアルカンシェルを反対すること言えばいいのか?ぜってー棒読みになるな・・・。

「かと言って、アルカンシェルを容認するわけにはいかん。ここで撃てば主の家・・・いや、この付近一帯に甚大な被害が出る」

ナイス!ザッフィー!!

「え~と・・・そ、そこまで凄いの?」

なのはが疑問の声を上げた。それにユーノが答える。

「発動地点を中心に、百数十キロ範囲の空間を歪曲させながら、反応消滅を起させる魔導砲って言うと大体分かる?」

あ、もっと分かりやすく補足してやるか。

「早い話『この星もろとも貴様らをゴミにしてやる!!(フ●ーザ声)』に近いな」

あ、ザフィーラだけちょっと反応した。終わったらクロノに貸してやるかな完全版を。今のアイツならきっとはまる。

「あ、あの!私もそれ反対!!」

「同じく、絶対反対!本当に!!」

「僕も艦長も使いたくないよ。でも、あれの暴走が本格的に始まったら、被害はそれより遥かに大きくなる」

「暴走が始まると、触れたものを侵食して無限に広がっていくから」

さて、ここで言うのは簡単だが・・・ま、皆で考えてくれや。ギリギリまで言わんぞ?決して説教の仕返しではない!!

『は~い、皆!暴走臨界点まで、あと25分切ったよ!!会議の結論はお早めに!』

だからアニメより地味に長いよ!!

「何か無いか?」

クロノが再びシグナム達に言う。・・・だから何故一瞬俺を睨む!?

「すまない。あまり役にたてそうにない」

「暴走に立ち会った経験は我らにも殆どないのだ・・・それに数少ない経験と言ってもすでに何代も前の話であり、もはや磨耗してしまっている・・・0といっても良い」

あ、あと補足するならどうにも転生のたびに記憶の消去がされるらしい。全部ってわけじゃないがな。

「でも、何とか止めないと・・・はやてちゃんのお家がなくなっちゃうの嫌ですし。まだ冷蔵庫にプリンあるんですよ!!?」

なんかシャマルが、ギャグ発言してる。

「いや、そういうレベルの話じゃないんだがな。・・・と言うかプリンって・・・」

「戦闘地点をもっと沖合いにできれば」

「海でも空間歪曲の被害は出る」

あれ?・・・プリン?あ!?

「ワリィ。シャマル・・・あたしが間違って食べた」

「えぇ!!!?」

「いや~うっかり、うっかり☆」

「ちょっと!!あれ期間限定物の上に高かったのよ!!?」

うん、うっかり!!・・・あ、皆が白い目で俺を見る。

「な、なんだよ!ちょっと間違ってプリンを・・・!!」

「そうじゃない!そろそろ話したらどうだヴィータ!!どうせ何か考えがあるんだろう!!」

クロノが俺にそう言った。まぁ、あの爺さんから聞いていたんだろうし何か考えがあるって思ってておかしくないか。

「あ~実はあたしってこの場にいない予定だったし・・・「は・な・せ!!」・・・OKヒントといこう」

まだ時間あるし。・・・それとクロノ、ネタ的には『HA☆NA☆SE☆』のほうがおいしいぞ?あ・・・でも状況違うか?

「さて、ある日のこと、庭でザフィーラがしっこをしようとしました」

「な!!!?」

これを聴いた瞬間皆ザフィーラから距離をとりましたw・・・なまじ今人型だからな・・・。自分で言っておいてなんだがみんな犬モードで考えろ、子犬モードだとなお良い!!ほら電柱でさ!!し~って!!

「ザフィーラ!!貴様!!?」

シグナムがレヴァンティンを構えながら叫ぶ。

「ま、まて!!知らんぞ!!?そんな事はしとらんぞ、ヴィータ!!」

「落ち着け、例え話だ。んで、はやて!!」

「へ?なんや?」

「お前ならなんて言う?」

そう俺が言うとはやては少し考えてから、

「え~と・・・そやな・・・『こら!ザフィーラ!!こんな所でしたらいかん!!』とかかいな?」

完全にペット扱いだな。

「ならどこでやるんだ?」

「え?そりゃぁ・・・トイレやろう?ペット用の」

家にあるんだよなぁ・・・。

「そうだ!!それだ!!何でトイレでする!!?」

「・・・そこがそういう事する場所やから?」

「はい!ヒント終わり!!後はお前達で考えてみろ!!」

そういうと皆律儀に考え始めた。もっともクロノは怒りを通り越して呆れで、ザフィーラは落ち込んでいるけど。シグナムとシャマルは・・・ザッフィーを睨んでた。

「えっと・・・ここでしちゃ駄目」

「だからちゃんとした場所でする・・・?」

「そして今は・・・ここで撃っちゃ駄目・・・被害が大きいから」

「それなら・・・ちゃんとした場所で・・・撃・・・つ?」

「「「あ!!!?」」」

お、気付いたな?さっすが♪

「クロノ君!!アルカンシェルって撃つ場所の制限ってあるの!!?」

まずなのはが声を上げた。

「制限・・・いや、特には無いが一体・・・?」

「例えば今アースラがいる・・・」

「軌道上の・・・宇宙空間とか!!」

続けてフェイトとはやてが意見を出す。

「結果はどうなんだエイミィ?」

俺はきっとニヤニヤしながら言ったであろう。

『ふっふっふ~管理局のテクノロジー舐めたらあかんですよ大将!!撃てますよ~宇宙だろうがクロノ君の部屋のベットの下だろうが!!』

それはエロ本見つけたときにやってくれエイミィ。

「何でそこで僕の部屋のベット・・・じゃなくて!!ヴィータ!!!まさか!!!」

「おいおい。答えを出したのはなのは達だぜ?人の所為にするなよ」

「どう見ても君が誘導しただろうが!!」

酷い言われようじゃね?

『う~ん・・・まったく、相変わらずというか、今までに増してと言うか・・・まさかこういう展開になっちゃうなんて』

『計算上では、実現可能ってのがまた怖いですね。クロノ君、こっちのスタンバイはオッケー。暴走臨界点まで、あと15分!!』

む、だから地味にアニメより延びてるんだよ残り時間!!

「実に個人の能力頼りでギャンブル性の高いプランだが、まぁ・・・やってみる価値はある」

「納得すんならいちいち噛み付くなよ」

「ギャンブル性の高いって言ってるだろ!!」

「こら、ヴィータ!!・・・話戻すよ?防衛プログラムのバリアは、魔力と物理の複合四層式。まずはそれを破る」

「バリアを抜いたら本体に向けて、私たちの一斉砲撃でコアを露出」

一斉砲撃か・・・俺はこの場にはいない予定だったけどせっかくだし・・・ニヤリ

「そしたらユーノ君たちの強制転移魔法で、アースラの前に・・・転送!!そうだねヴィータちゃん!?」

「いちいちあたしに聞くなよ!!」

「仕方なかろう、どう見てもお前が立案者だヴィータ」

「そうね」

シグナムもシャマルもひでーや!

『あとはアルカンシェルで蒸発・・・と?』

『うまくいけばこれがベストですね・・・みんな!気張っていこうね!!』

「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」



<クロノside>

僕は皆が準備に入る間にある人に通信を送った。

「提督、見えますか?」

そう、ギル・グレアム提督に。

『あぁ、よく見えるよ・・・まったく、信じていると言ったがまさか本当に実現するとは内心思わなかったよ』

「いえ、あいつの目論見は一つ外れました」

『そうだったな』

当然、かつてのヴィータの再生である。

「”闇の書”は呪われた魔導書でした。その呪いは幾つもの人生を喰らい、それに関わった多くの人の人生を狂わせてきました。アレのおかげで、僕も母さんも・・・他の多くの被害者遺族も、こんなはずじゃない人生を進まなきゃならなくなった。それはきっと、あなたも、リーゼ達も・・・いえ、”闇の書”にされてしまった”夜天の書”自身もです。・・・でも、どんなにあがいてもどんなに願ってもなくしてしまった過去は、変えることができない」

『Start up』

そして僕はデュランダルを起動させる。

『Good morning,Boss』

僕はデュランダルを掴みながら今の思いを言う。誓いともいえる言葉を、

「だから、今を戦って未来を変えます!そして明日を!!」

そう、過去は変えることはできない。けれども未来は変えることができる。なぜなら未来は決まってないのだから!

『クロノ・・・彼女と通信を入れてくれないか?』

提督はそういった。彼女か・・・やはり・・・

「ヴィータ!ちょっといいか!?」





<ヴィータside>

「ヴィータ!ちょっといいか!?」

なんか急に呼ばれた。なんだよ?

「なんだよクロノ?」

「君と話がしたいそうだ」

誰だよ?リンディさんか?

「はい?」

そう言ってモニターを見ると。

『お帰り・・・と言うべきかな』

「どうせなら美人と話がしたいチェンジ!」

即答した俺は悪くねぇ!!

『なら私とする?』

アリアが言ってくる。

「猫耳なのに萌えない人とは話したくない」

『だったら我慢しな』

ロッテが不機嫌そうに言う。

「ちっ!んで、何のようだ!?」

『なに、礼をな・・・君が行動を起こさなかったら私はとんでもない過ちを犯す所だった』

「クク、残念だが別にあたしが何もしなくてもこの結果になってたろうぜ?」

シグナム達を蒐集しなかったのは、ただシグナム達に苦しい思いをさせたくなかったことも含まれてるし。

『そうか・・・それと、約束を覚えているかね?』

「あん?」

なんだっけ?どうせ戻ってこないつもりだったからなぁ・・・あ!?



―もし、もしも君の思惑が外れ、君が君のままで戻ってこれたのなら・・・私を思いっきりぶん殴ってくれ―



「あ~あれか?マジでするのか?ひょっとしてMなのか爺さん?」

『なに、私なりのけじめだよ・・・償いは別にする安心して殴ってくれ』

「ふん、言ったな!きっちり思いっきり殴ってやる!後悔すんなよ!!」

『と、父様!!?』

『まさか本当に!!?』

『ああ、楽しみ・・・と言うわけではないが待っている』

「んで思いっきり殴ったら・・・・・」

俺は後ろを向きながら言う。

「茶ぐらい付き合ってやる。もう一回いっしょに紅茶でも飲んでやるよ。適当に茶菓子も用意して・・・な?」

『っ!?・・・・・あ、ありがとう・・・すまない』

そう言って俺はまたみんなの所へと戻る。

「やれやれ、君も結構不器用な所があるな?」

「うっせーぞクロノ!!」



戻ってみるとちょうどなのはとフェイトがシャマルに治癒魔法をかけてもらう所であった。

「ん?シグナム達は大丈夫なのか?」

俺と違って一度書に回帰したわけじゃないのに・・・。

「あぁ、私達は主はやてが覚醒したと同時に力が流れ込んできてな」

「ふ~ん」

お、始めるな。

「クラールヴィント、本領発揮よ」

『Ja』

そう言って指輪状のクラールヴィントにそっと口付けをして治癒魔法の準備に入る。

「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで!」

始まる治癒魔法。緑色の魔力光が二人を包み傷を癒していく。

「湖の騎士シャマルと、風のリング・クラールヴィント。癒しと補助が本領です」

優しい笑顔で言うシャマル。

「凄いです!」

「ありがとうございます、シャマルさん!」

それにしても・・・

「なぁ、シグナム。指輪に口付けってさ第三者から見ると絵になるけど身内として見るとさ・・・」

「あぁ、少し痛いな?」

「ぐふっ!!?」

あ、聞こえてたっぽい。

「だ、大丈夫やよシャマル!ちょっと痛くても大事な家族やから!!」

「へぶっ!!?」

お?追い討ちだ。



『みんな!暴走臨界点まであと・・・30秒!!』

っ!?とうとう来たか!!どんどんあの黒いドーム状の物体から魔力が溢れてきてる・・・どす黒い嫌な感じだ。

「始まる」

クロノが呟く。

「夜天の魔導書を呪われた闇の書と呼ばせたプログラム・・・闇の書の、闇」

はやてがそれを口にしたと同時に黒いドーム状の魔力ははじけ中から防御プログラムが・・・否、覚悟はしていたがあれは、んな生易しいもんじゃない。正真正銘化け物としか言いようが無い!あ~なんかリアルに.ha●k//G.U.の某ラスボス思い出した。

「ちょっと・・・いや、とんでもなく気合入れるか・・・アイゼン!これが本当のあたし達の始まりだ!!」

『Jawohl』

アイゼンの起動完了!!こっちも準備万端だ!!

「チェーンバインド!」

「ストラグルバインド!」

アルフとユーノが繰り出すバインドが周りにあった触手を縛り上げ引き千切っていく。

「縛れ!鋼の軛!!でぇりゃぁぁぁぁあああ!!!」

そしてザフィーラが鋼の軛を鞭状にして残りを一掃していく。

<あアアaAaaAAAアアアああああ!!!!>

雄たけびを上げる防御プログラム、なんかこう心に直接響いてくる感じがする。けど、今の俺は怖気ついたりしねぇ!!なぜなら俺は!!!

「ちゃんと合わせるんだぜ!!高町なのは!!」

「もっちろん!!まっかせてヴィータちゃん!!!」

「ば~か!!ここは言い返す場面なんだよ!!!」

俺はアイゼンを掲げながら叫ぶ!!

「我は新たなる鉄槌の騎士・ヴィータ!!そして相棒、鉄の伯爵・グラーフアイゼン!!!」

いままではヴィータの代わりのつもりだったのかもしれない、なりきっていただけだったのかもしれない。けどここからは!!!

『Gigantform』

アイゼンはカートリッジをロードして変形する。そして!

「はぁぁぁぁ・・・轟・天・爆・砕!!」

その掛け声と共にアイゼンは数十倍まで巨大化をする!

「ギガントォ・シュラークゥゥゥゥウ!!!!!」

俺は勢い良くバリアに叩きつける・・・思った以上に硬い・・・けど!!

「鉄槌の名はだてじゃねぇぇぇぇぇぇえ!!!」

<パキィィィン!!!>

一層砕けた。続いて!!

「高町なのはとレイジングハート・エクセリオン。行きます!」

『Load Cartridge』

レイジングハートは連続4発カートリッジをロードさせる。そしてなのはは構える。

「エクセリオン・バスタァァァア!!!」

『Barrel shot』

なのはに迫る触手はバレルショットによって押さえつけられる・・・なるほど目標の固定のためのバインド効果か・・・

「ブレイク・シューーート!!」

四つの砲撃が飛び、それは道となりその中心に大きな魔力の塊がバリア目掛けて飛ぶ、そして全ての砲撃は一つとなりバリアは・・・

<パギィイイン!!!>

<アああAaaAAaあAaアアアAAaああ!!!!>

また一層砕けた。

「次!シグナムとテスタロッサちゃん!」

シャマルが次の連中への指示を出す。俺は・・・例のあれ使うためにカートリッジの補充をしておくか。

「剣の騎士・シグナムが魂、炎の魔剣・レヴァンティン!」

シグナムはレヴァンティンを鞘から抜き掲げる。

「刃、連結刃に続く、もう一つの姿を」

そう言って鞘と刃を一つに繋ぎ弓とする。

『Bogenform』

弓を形成して構え、そしてカートリッジを上下2発ロードを2回行う・・・まて、2回だと?それにこの魔力の量は・・・どういう事だ?ファルケンじゃない?

「荒れ狂え!!王者の鷹!!」

『KönigFalke』

弓は放たれそしてバリアに着弾する前に炎を放ち次第に火の鳥となり、バリアにぶつかり!

<バキィィィ!!!>

一層破壊する・・・が!!

「一層では物足りん!!!」

『Zunahmelamme(増炎)』

シグナムはそう叫ぶと火鳥はさらに炎を増し追撃をする。そして!!

<ボカァァァァァァァアア!!!>

どでかい爆発と共にさらにもう一層・・・最後のバリアをも破壊した!!!俺はもはや目を丸くしてただそれを見ていることしかできなかった・・・なんだこれ?知らんぞ!?

すると不意にシグナムから念話が入ってくる。

『ふ、新しき技を模索していたのがお前だけだと思ったか?』

マジかよ・・・・・。

「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュ・ザンバー、行きます!」

バルディッシュは連続3発カートリッジをロードさせる。

「はぁ!!」

まず衝撃波を放ち邪魔な触手砲台を吹き飛ばす。そしてフェイトはバルディッシュを天に掲げ、雷撃を魔力刃に宿らせる。

「撃ち抜け、雷神!!」

『Jet Zamber』

フェイトはバルディッシュを振り下ろす。魔力刃は伸びながら防御プログラムへと向かう。すでにバリアが無いためもろにその攻撃をくらい、結果アニメよりも大きなダメージを与えた。

<あああアアアaaAAAaaaAAAaaアアああaaAA!!!!???>

フェイトの攻撃で三分の一の体は持っていかれた防御プログラムが再生までの時間稼ぎのためか触手を発生させ砲撃の準備に入る・・・が!!

「盾の守護獣・ザフィーラ!砲撃なんぞ撃たせん!!」

海面から鋼の軛を発生させ無数の触手は魔力刃で串刺しとなり活動を停止させる。

「はやてちゃん!!」

シャマルがはやてに合図を送る。

「夜天の王・八神はやてと!!」

『祝福の風・リインフォース!!』

お?なんか自己主張が強いな?

「彼方より来たれ、やどり木の枝!!」

『銀月の槍となりて、撃ち貫かん!!』

詠唱を終えるとはやての後ろに黒い空間が現れ7つの白い魔力スフィア現れる。

『石化せよ!!』

「石化の槍、ミストルティン!!」

石化の効果を付加した7つの槍は防御プログラムに突き刺さる!!即座に石化していく!!!

『その形は不愉快だ!砕け散れ!!』

リインフォースがそう叫ぶと防御プログラムの頭にあったどこかリインフォースに似た女性の上半身を模したそれは砕ける。気にしてたのな?つーか自己主張激しすぎだよお前!!

だが、防御プログラムは欠けた部分を強引に再生させる、その結果かろうじて整った生物の形をしていたそれはもはやメチャクチャで、キメラとも言えない存在となる。

「うわ・・・うっわぁ~!?」

「なんだか・・・凄い事に・・・今日ご飯食べれないかも」

シャマル、だからなんで無駄にギャグ発言するんだよ!?

『もう無茶苦茶だよこれ!!並みの攻撃じゃ通じないし、ダメージを入れたそばから再生されちゃう!』

「でも、攻撃は通ってる。それに今までの攻撃は全部並じゃない!プラン変更はねぇ!!違うかクロノ!!?」

俺の叫びにクロノが答える。

「当たり前だ!いくぞデュランダル!!」

『OK, Boss』

あ、なんかクロノちょっと熱血・・・・・。

「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ」

対象である防御プログラムを中心に海面が・・・そして防御プログラム本体が凍結していく。俺が使ったときは大岩一つが限界だったのになぁ・・・べルカとミッドの差だとか適性とか分かっているがちょっと悔しい。

「凍てつ・・・けぇぇえ!!」

『Eternal Coffin』

防御プログラムは完全に凍結した。さすがだな・・・一時的だろうが確実に防御プログラムの再生が完全に止まってアレはもがき苦しんでやがる・・・つーかなんか皆さ、無駄に熱血はいってないか?特にクロノとかリインフォースとかさ誰の影響だよ、なのはか?・・・まぁいいけど。(自覚無し)

「いくよ、フェイトちゃん!はやてちゃん!」

そう言ってなのはは一斉砲撃の合図を出す。んで俺は、

「やーわーら~~~~~っか!!アターック!!!」

そういいながら俺はなのはにシュワルベフリーゲンやわらかシフト(柔らかく精製した銀弾)を投げた。

<ぽよん♪>

「にゃ!!?」

柔らかすぎたか。

「な、なに?ヴィータちゃん!!?ふざけてる場合じゃ!!!」

「うっせー!!1人カウントし忘れたお前が悪い!!!」

「へ?」

「あ・た・しだぁー!!!」

「えぇぇええ!!?だってヴィータちゃんは!!!」

何でだよ!!お前の目の前で使ったじゃん!!!

「ヴィータ。ひょっとしてなのはが蒐集された時に使ったあれの事?」

お、フェイトは気付いたか!

「おうよ!!」

「あ、あの時なのはは蒐集されて気絶してたけど・・・。」

あ?・・・・・あ!

「・・・いくぜ、なのは!はやて!フェイト!」

「うん!」

「うん!」

「え?なんか凄い誤魔化されたような・・・」

なのはの発言は当然無視したがな!!時間無いからいいんだよ!!

「えっと・・・」

『Starlight Breaker』

「あ、ぜ、全力全開!!スター・ライトォー!!」

気を取り直して、なのはは魔力を集束させ準備に入る。

「雷光一閃!プラズマ・ザンバァー!!」

フェイトも自らの刃に雷撃をまとわせ準備に入る。そして次は・・・はやては最後の役目だし・・・俺が・・・!!

『ヴィータ、守護騎士代表みたいなものだ。』

『落ち着いてね?』

『武運を祈る。』

『応!!!』

なんか皆がエールを送ってくる。よぉし!!

「大地を穿て!紅き閃光!!」

俺は目の前に魔方陣、及び魔力スフィアを展開して構える!

「一撃入魂!!メテオ・ストライクゥー!!」

そして、

「ごめんな・・・お休みな・・・」

はやてが小さく、だけど確かに呟いた。その呟きは一体どんな思いだったんだろうか・・・・・。だけどはやてはそう呟いた後しっかりとした眼差しで詠唱を始める。

「響け終焉の笛、ラグナロク!!」

はやてはベルカ特有の三角の魔法陣を展開させ各頂点に魔力をチャージし、それを確認すると同時に皆が砲撃を開始する。

「「「「ブレイカーーーー!!!!」」」」

凄まじい四つの砲撃が!閃光が!防御プログラムを襲った!!四つの閃光が一つの魔力の塊となり、行き場の無くなったエネルギーは、ものすごい衝撃波と轟音を鳴らし火柱となる!!・・・余談ではあるが本来の歴史で「トリプルブレイカー」とアースラ内で言われたこれは俺が加わった事により「クローバーブレイカー」と呼ばれることを俺が知ったのは事件の後である(まさかリアルに言われていたとはな・・・二重の意味でびっくりだ。)。

「本体コア、露出確認・・・座標固定、確認・・・捕まえ・・・った!!!」

シャマルがコアの座標を固定する。続けてユーノとアルフが強制転移の準備に入る。

「長距離転送!!」

「目標、軌道上!!」

「「「転・送っ!!!」」」

三人の合図でコアは宇宙へと転送されていく。ここからじゃ状況が分からんか・・・なら!!

「クロノ!!」

「分かってる」

そう言ってクロノは空間に巨大モニターを展開する、そこにはアースラ内の映像が写っている。

『コアの転送、きます!転送されながら生態の部分を修復中、凄い早さです!!』

『ですが、四名の砲撃でコアの一部が破損した模様、若干ではありますが再生スピードが落ちています!!』

マジで?俺もでしゃばったかいがあったな!?

『これなら・・・いける!!アルカンシェル、バレル展開!』

エイミィの指示に従って、アルカンシェルのバレルが展開されて魔力が集束し始める。

『ファイアリングロックシステム、オープン!』

リンディさんがそういうと四角の透明なボックス型に収まってるトリガーが現れる。

『命中確認後、反応前に安全距離まで退避します!準備を!!』

『『『了解!!』』』

リンディさんがトリガーに鍵を差し込む。するとトリガーは赤く染まり準備が完了する、それと同時に防御プログラムはアースラの前に転送完了した。

『アルカンシェル・・・発射!!』

リンディさんが鍵を捻るとそれを合図にアルカンシェルが発射された。魔力弾が防御プログラムに着弾する、そして・・・空間が歪み始める。

「空間歪曲が始まる」

クロノがそう呟くと同時に防御プログラムの周りの空間が歪曲していき発生した空間の歪ともいえる穴に飲み込まれていく、そして・・・激しい閃光と共に防御プログラムは消え去った。映像越しとはいえリアルでこんなの見れるなんてな・・・。

「すげぇ・・・」

「うん」

「せやね」

「ああ」

「本当に・・・」

俺の呟きに皆が反応した、ただ呆然と・・・。

『効果空間内の物体、完全消滅。再生反応・・・ありません!』

エイミィが報告する。

『では、準警戒態勢を維持。もうしばらく、念のため反応空域を観測します』

『了解!はぁ・・・心臓に悪かったなぁ~』

そう言ってエイミィは、緊張の糸が切れたように椅子にもたれかかる。

『っとと、そうだ!・・・と言う訳で現場の皆、お疲れ様でした!状況、無事に終了しました!!』

その一言にみんなが安堵して喜びを分かち合い、そして、笑い合った。

『この後まだ残骸の回収とか、市街地の修復とか色々あるんだけど。皆はアースラに戻って、一休みしてってね』

アースラか、もう訪れる事はないかとも思っていたが久しぶりに行けるんだな。あ~蒐集対象にしちまったスタッフには謝んないとな・・・仕方がないか、こうしてここにいる以上ちゃんと罪は償っていくさ。

「あ、あの、アリサちゃんとすずかちゃんは?」

『あぁ。被害の酷い場所以外の結界は解除してるから、元いた場所に戻ってもらったよ、大丈夫』

なのはが質問した。しっかしやっぱり二人は巻き込まれたか。今頃『何なの~』ってアリサが騒いでいるか・・・。あ、そうだ。

「シグナム、いろいろ言いたい事はあるだろうが・・・」

「あぁ、いっぱいある」

睨むなよ、流せよ。

「はやてを抱えとけ」

「ふぇ?」

急に抱えろと言われてはやてが反応する。

「なぜだ?」

「アホ、いくらリインフォースのサポートあったつっても、はやては初心者だぞ?あんだけの魔法行使だ、もうすぐぶっ倒れる」

『その通りだ、烈火の将』

リインフォースが俺の意見に肯定を示す。

「なに!?わ、分かった!主はやて、こちらに」

「あはは~お願いするわ~シグナムゥ~」

そう言ってはやてはシグナムに身を任せる。

「さ・て・と、んじゃぁなつかしのアースラに・・・」

<ガクン>

あれ?なんだ、急に視界が揺れ・・・この浮遊感・・・落ちてるのか俺?やっぱギガントに続けてメテオ・ストライクなんて無理があったか・・・あはは。はやてにあんなこと言っておいてかっこ悪いな~俺・・・・・。

「ヴィータ!!?」

「ヴィータちゃん!!?」

皆が慌てて俺の名前を呼んでいる中、俺は意識を失った。

けど・・・・・なんか、不思議とすっきりした気分だ・・・な・・・。









魔法解説(なんか書いてて長くなった、読まない人はスバルのディバインバスター凄い版とか思っててください)

【メテオ・ストライク・ブレイカー】―――名前の由来は初めて成功した時に地面が隕石が落ちた時みたいになったからとのこと、ちょっと違う気がするけど突っ込んじゃ駄目。
ヴィータがかつて元いた世界でアニメと言う形ではあるが見た、スバルのディバインバスターをヒントに考えた魔法。最も中身の術式はまったく違うものである。
実はヴィータはこの魔法を考案するために、アイゼンの中に入れておいた魔力を数ページほど闇の書に、蒐集させて術式を編み出しており、そのためクリスマス・イブの時に、最後のページは14ページ残る結果となっている。
ヴィータ唯一の砲撃魔法であり、ギリギリではあるが、長距離魔法となっている。しかしまだ完全に安定はしてなくちょっと気を抜くと暴発を起こすし(本編中でシグナム達がエールを送っていたのはこれも理由だったりする)、今のアイゼンの機関では一度ギガントフォームに変えて、再度カートリッジを補充しなくてはならなくて二度手間がかかる。
また同じ威力のミッド式の砲撃があったと仮定すると1.4倍の魔力消費があり少し燃費が悪い。ヴィータ曰く『なのはのディバインバスター以上スター・ライト・ブレイカー以下』とのこと。将来的には状況によっては、ディバインバスターにも負けるかも、とも言っている。それでも並の魔導師に比べれば高い威力を持っている。グラーフアイゼンには『MeteoritStreik』と登録されている。











おまけ

それはヴィータのブレイカー系の魔法がある程度完成した時の事・・・蒐集行為開始数日前、ヴィータはシャマルと共に岩だらけの世界に来ていた。

<ドガァァァァァア!!!!>

「ぐっ!あああぁぁあ!!?」

「ヴィータちゃん!?」

今彼女は最大出力で撃つ際の魔力スフィアの暴発の影響で、ボロボロになっていた。
毎日のようにボロボロになって帰ってくるヴィータを心配してシャマルは今回付き添っていた。それゆえに急いで彼女の元へと駆けつける。

「酷い、体中ボロボロじゃない・・・もう今日は休みましょう!!」

「まだやれる!!」

「いい加減に・・・っ!!?」

そんな中前方から何か黒い影が見えた、それは・・・。

<ギャァァァァァァ!!!>

「え!!?よ、翼竜!!?まさか今までの魔力反応に気付いて!!?」

「っ!!今度こそ!!」

「ヴィータちゃん!!!」

「一撃入魂!!おりゃぁぁぁぁぁああ!!!」

<ドゴォォォォォオオオ!!!>

<ギャァァァァア!!!!?>

それは火事場の馬鹿力だったのか偶然にも成功しヴィータは何かの感覚を手に入れることができた。

「・・・うそ?成功・・・やった、やったわねヴィータちゃん!!・・・ヴィータちゃん?」

なんか様子がおかしかったのに気付いてシャマルが心配そうに声を掛けた。すると、

「ふっふっふ・・・ホーホッホッホ!!」

「ヴィータちゃん!!?」

「見て御覧なさいシャマルさん!綺麗な花火ですよ!!ホーホッホッホ!!!」

「ヴィ、ヴィータちゃーーーん!!!??」

無駄にテンションが高くなったヴィータ。とりあえずシャマルは、このときの映像をクラールヴィントに保存しておいた。
後日アースラ内で公開されてヴィータが赤っ恥をかくのはもう少し先の話である。











あとがき

今までの中で一番疲れた。でも、よっしゃぁ!!!ようやくここまで来れた~!!!でも実はおまけが一番気に入ってたりする(笑)。
そして今回も誤字の報告ありがとうございます!!修正していきます。
読点【、】の意見についてもありがとうございます!これから、気をつけていきます。基本的に文章力無いんでご迷惑をおかけします。







感想にせっかく出てた意見なので、最初のザッフィーの『鋼の軛』は【かめはめ波】のポーズです。さて、もう一回想像して読んでみよう!!











数年後

俺達は今、過去の記録を整理してたんだが・・・

「・・・・・ザフィーラ、この時は気付かなかったけど・・・お前・・・・・」

「・・・・・言うな、少し魔がさしたんだ」

おいおい、この記録はいずれできるであろう六課の新人達に見せるんだぞ?気付かれない事を祈って・・・あ、エリオがドラゴ●ボールにはまってたっけ?



そんな事があったとか




[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十三話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/01 23:41
<ヴィータside>

早速だけど、どうにもこうにもさ・・・。

「ここ、どこだ?」

そこは真っ暗闇の世界。でも、不思議と寂しくは無かった。

「さてはアイツか!?またリインフォースの奴か!!?」

俺はこれは夢だと思い、きょろきょろしながら言う。すると、

「残念、あたしでした!」

その声がして、俺は後ろを振り返った。そこには、

「鏡がある。あたしが映ってるな・・・さて、お~い!リインフォース!!」

「ス、スルーしてんじゃねぇ!!」

うっせーな!

「へ、人の胸倉掴む奴の事なんざ知らねぇなぁ!!」

「てめぇ・・・地味に根に持ってんな・・・」

「ふん、どっちかって言うとあたしも駄々こねて悪かったし・・・まぁ、水に流してやるぜ。」

「け、そうかよ!!」

そう言って、目の前にいる俺にそっくりな子はニヤッとした。

「んで、どうなんだよ。気分は?」

「別に、なんとも言えねぇ・・・」

「あはは!何ぶーすくれてんだ!?」

「う、うっせー!!」

何だよさっきから!からかうなんてヴィータのキャラじゃないぞ!?ヴィータはからかわれるもんだぞ!!

「んじゃぁ、問題ねぇじゃん。お前はあたし・・・つまり、ヴィータだし」

「あ、あのなぁ!・・・・・なぁ?」

「あん?なんだよ?言いたい事あるなら言えよ。あんま時間もねぇんだぞ?」

時間がない・・・か。

「何で・・・その、お前はあたしにあたしを譲ったんだ?」

「・・・・・あ~。まず勘違いあるな?」

勘違い?

「まず、正確には、あたしはかつてのヴィータじゃない」

「は?」

「あったりまえだろ!?あたしは『八神 はやて』と出会って変わることができた。それがお前の知っている本来の歴史だ」

「・・・で?」

「分かるだろ~が!出会ってすらいないのに、こんな性格になってるはずねぇだろうが!!」

「じゃぁ・・・お前は・・・」

「あたしは・・・そうだな【欠片】・・・だな」

「欠片?」

「おう!英語で言うとピースだな?」

いや、それはどうでもいいから。

「んで、かつてのヴィータの欠片であるあたしが、何故こんな風にお前と喋れるかっていうと・・・あたしは、お前の中にあるイメージのヴィータを媒介にして存在してるからだ」

「媒介?」

「そ、だからあたしがこういう風にいられるのは、お前の夢の中だけなんだよ」

「そっか・・・」

「つまりあたしは、どんなにあがいても表には二度と出れないんだよ。あくまでお前の頭の中だけにあるイメージを媒介にしてるんだから」

「ま、待てよ!その前に、何でかつてのヴィータは欠片しか残ってないんだ!!?」

「あ~、それについては管制・・・っと、リインフォースの奴に聞け。さっきも言ったけどあんまり長くいられないんだよ、こんな形でも表に出てると崩壊が止まらねぇから」

崩壊・・・?

「で?お前は、これからどうするんだ?」

「どうって?」

「言葉通りだよ。自分で考えて答えろ」

・・・いや、その・・・いろいろやるべき事はあるけどさ・・・。

「とりあえず・・・ここにいるさ。もちろん、ヴィータとしてな?」

「・・・そっか・・・」

「あぁ。」

「そっか!・・・なら、安心だな」

そう彼女が言うと世界が薄れていく。

「もう、お別れか?」

「あ~、少なくともこういった形であうのは、もう無理だな。【欠片】がもうちっこいし」

「そうか・・・でも・・・またな?」

「・・・あぁ!またな!」



「「またな!あたし!!」」





第三十三話「さよなら」





「お前たちは残る。行くのは・・・私だけだ」

目が覚めて最初に聞こえたのはそれだった。

「詳細が聞いたい」

「ヴィータちゃん!?」

「ヴィータ!」

「目が覚めたか!?」

周りを見てみると二つのベットに俺とはやてが寝ていた。んでその周りにシグナム達な?

「起きるのが遅かったな、新たな【紅の鉄騎】」

「名前で呼べ、リインフォース。」

「了解した、ではヴィータ・・・あぁ、この響きは「それ以上言うな。」・・・ちょっとしたお茶目だぞ?」

コイツ昨日から思ってたけど性格違いすぎだ。夢の中じゃ割かしイメージ通りの暗い奴だったのに・・・。

「失礼だな、お前。今暗い奴とか思っていたであろう?」

「気のせいだ」

「本当か?」

「あぁ」

「本当だな!?」

「しつけぇ!」

「本当に思ってなかったな!!?」

「うるせぇ!!アイゼンの頑固な汚れにすんぞ!?」

「お、落ち着いて二人とも!!」

「落ち着けヴィータ!リインフォース!!」

「今はそんな事を言い合ってる場合ではない!!」

その後俺達は皆に仲裁され、落ち着き俺は、リインフォースについて聞くことになった。・・・いや、聞くまでも無かったわけなんだがな・・・でも、言葉に出して聞くべきだった。なぜなら俺の罪の一つなんだから。





<なのはside>

私達は今食堂に集まって、クロノ君からある報告を聞いた。それは・・・

「夜天の書の破壊?」

それに対して私は声を上げた。

「どうして!?防御プログラムは破壊したはずじゃ!?」

その私の問いにクロノ君が答える。

「ちゃんと訳がある。夜天の書の管制プログラム・・・リインフォースからの進言だ」

「管制プログラムって、なのは達が戦ってた?」

「あぁ」

ユーノ君が説明を始めた。

「防御プログラムは無事破壊できたけど、夜天の書本体がすぐにプログラムを再生しちゃうんだって。今度ははやてちゃんも侵食される可能性が高い。夜天の書が存在する限り、どうしても危険は消えないんだ」

「詳しくはいえないが、ヴィータはとある人物に夜天の書の原型の設計図捜索、もしくは代用できる防御プログラムの製作を依頼していたのだが・・・」

「・・・結果は?」

「できてるのならこんな事は言わない。時間が足りなさ過ぎるんだ・・・いや、例え時間があっても解決するような問題でもない。・・・だから彼女は防御プログラムが消えている今のうちに自らを破壊するよう申し出た」

その言葉に私は・・・多分フェイトちゃんも愕然とした。け、けど!!

「それなら、シグナム達は!!」

「ヴィ、ヴィータちゃんは!!」

嫌だ!!やっとまたいっしょにいられるようになったのに!!そんなの!!!

そう思っていると、

「いや、私たちは残る」

不意にシグナムさんの声が聞こえてきた。振り向くと他にもシャマルさん、ザフィーラさんの姿が・・・あれ?ヴィータちゃんは?

「防御プログラムと共に、我々守護騎士プログラムも本体から解放したそうだ」

ザフィーラさんがそう教えてくれた。その後にシャマルさんが話を続けた。

「それでね・・・リインフォースからなのはちゃん達にお願いがあるって・・・」

「お願い・・・?」

私はそう呟く事しかできなかった。





<ヴィータside>

外は暗い・・・そして、俺は今お店でコートを買ってきている(24時間営業の店にあった、数種類程度ではあるが季節的にそのての店にも置いてあった)。
姿は隆二に変身している。この姿で聞いて欲しいとリインフォースに言われたからだ。きっとこれが最後になると思う、この姿になるのは・・・・・。
しょっちゅうこの姿になってたのは・・・今まではきっと未練だったんだと思う・・・だから今日でもう終わりの予定だ。
あ、でもせめて来年の成人式とかは・・・
と、とにかくもうしょっちゅうなったりはしない!!だって俺はヴィータなんだから。んで、何でコートを買ったかって言うと・・・。

「ほれ、着ろ」

「む、す、すまんな」

「気にすんな、んな格好じゃいっしょにいるあた・・・俺のほうが迷惑だ」

「くく、すっかりあたし口調が板についたな?」

「う、うっせーぞ!リインフォース!!」

俺はリインフォースの儀式を1時間ほど遅らせて、今コイツと二人で町を歩いている。はやてはシャマルがそばにいる限り催眠魔法をかけて続けているのでたぶん時間がずれても、歴史は変わらないと思う。

「ほら、待ってる間にコンビニで買って来た。肉まんとあんまんどっちがいい?」

そう言ってリインフォースはコンビニの袋を出した。

「あのなぁ、別に俺の分はいいって・・・」

「お前の金だ。で?どっちにする?」

「・・・あんまん」

「了解だ」

そう言って俺達は近くの公園のベンチに座って食べた。空からは雪が降っていて、それがどこか寂しく・・・って!?

「おい、これは肉まんなんだが?」

「すまん、こっちがあんまんだった」

まったく、コイツはなんていうか・・・

「・・・変えるか?」

「別にいい・・・」

「あんまんを食べたら、肉まんが食べたくなった」

なんか切なそうに言った。

「・・・OK。交換だ」

素直にいえっつの!

「ふふ、間接キスだな?」

「ぶぼっ!!?」

それが言いたかったのか!!?



「んで、俺についての説明と行こうか?」

「その前に今度はカレーまんが食べたく・・・」

「あとで買って、行く最中にでも食えばいい。」

「む、承知した。ならばお前はピザまんを買え、半分こにしよう」

「分かったから!せ・つ・め・い!!」

「ふふ、お前とこうしているのは簡単だ。前に温泉宿でお前は私に『デートとはなかなかいいものだな』と私の声で・・・「頼むから、忘れてくれると俺的には嬉しい」・・・冗談だ」

きりがねぇ・・・俺から切り出すか。

「単刀直入に言うが、俺をここによんだのは・・・」

「私だ、言い訳はしない・・・すまない。転生時のトラブルでな?【鉄槌の騎士】の人格構成データの一部にバグが生じ、修復及び改善は不可能、崩壊が止まらずそのままでは【鉄槌の騎士】そのものが消滅する危険性があった。そのためにも別の人格を入れる必要があった」

「俺であった理由は」

そう俺が聞くと本当に申し訳なさそうに、苦しそうに言う。

「巻き込んだとしか言いようがない。私は本来ならば、別存在の【紅の鉄騎】の人格を呼び出すつもりであった・・・が、元々確立された術式ではなかった・・・その結果だ。許せとは言わんさ・・・すまない」

そう聞いて俺は少し笑いながら言う。

「・・・いや、案外俺で正解だったかもな?」

「・・・何?」

「考えてもみろよ、もしStrikerS時のヴィータの人格が来ちまったら?」

「・・・想像できないな・・・少なくとも流れに沿った動きは決してしないだろう・・・ふふ、そう考えると一理あるが・・・」

「なんだよ?」

「お前は・・・う、恨んでないのか?わたしを・・・?」

そう不安そうに言った。でも俺は・・・。

「ば~か、恨んでるならこうやって話したりしねぇ・・・っよ!」

「てっ!?」

そう言いながらデコピンをした。痛そうにデコを押さえてるのをちょっとかわいく思ったのは内緒だ。

「第一、恨むにはもうこの世界に長くいちまった。大切なもんもできたしな」

「・・・そうか・・・」

「あぁ・・・だから、別にお前が気にする事はねぇ」

「すまない・・・いや、この場合はありがとうか?」

「ん、それでいい」

あ、そうだ。

「まて、あと二ついいか?」

「なんだ?」

「一つめは、何で最初から俺に魔法の知識があった?」

「それは・・・当時私は、せめて残った人格と混ぜ合わせるだけでもする予定であった。だが、なぜか一度融合した後に再び分かれてしまった、その時に残っていったのだろう。
原因は分からんがおそらくは、かつての存在の意思が少なからず反映したんだと思うが・・・」

「そうか・・・あと、二つ目なんだが・・・その・・・」

「本来の次元の自分についてか?」

「・・・あぁ」

「それなら心配はいらない・・・と言うのは少しおかしいが・・・こちらに呼び出す際に人格の複製は完了していた。元々は別存在の【紅の鉄騎】の人格を呼び出すつもりだったのだ、その世界の私達にまで迷惑かけるわけにはいかないからな」

「そっか・・・」

正直、意識不明にでもなってたらどうしようかって思ってたけど・・・なら安心だな。ひとまず唯一の心残りは無くなった。

「あれ?じゃぁ俺って、コピーの方だったりするのか?」

「どうだろうな、そうかもしれないし違うかもしれない。全ては認識の問題だ・・・それに・・・」

「ん?」

「お前は、ヴィータなのであろう?」

「ぷっ、そうだな・・・そうだった」

「なら、それでいいではないか」

「あぁ。じゃ、そういう事にしておく」

「あぁ」

そう言って軽く俺達は笑いあった。



「なぁ、一つ聞くけど、お前の人格を別の媒体に移しておくことは可能じゃないのか?」

「無理だな、データ量が半端ではない。伊達に第一級指定ロストロギアはしてないさ。媒介製作そのものが不可能だ・・・時間が足りなさ過ぎる」

「絶対か?」

「あぁ、仮にリインフォースⅡの器があったとしても無理だな、成長前の器では容量が足りない。もっとも、かわいい妹の居場所をとる気は無いがな・・・」

「っ!?お前・・・まさか!?」

「そのまさかだ、・・・と言うより、私の考えが変わった決定的な原因は、お前が取り込まれたことによって、お前の記憶の一部が流れ込んだ事にある。心配しなくとも主には流れていない、安心しろ・・・たとえば本棚の後ろにえちぃ本が・・・「まだ時間があるな!!ピザまんとカレーまん買ってきてやるよ!!」・・・行く前でいいであろう」

そう言って、ククと笑う。ちくしょう・・・。

「とにかく、お前が私の事で負い目を感じる必要はない、お前のおかげで未来を知ることができた。まだいくらか不安があるが・・・少なくともお前が存在しなかった世界の私よりも、もっと安心していける」

「っ!!何でんな簡単にっ!!!」

「それと、お前は忘れているが、私は自分でも製作者が分からなくなってしまうくらいに長く存在し続けていた。他の騎士達よりも少し早く眠るだけだ」

「そっか・・・じゃぁ、ババァ<ゲシッ!!>・・・グォ!!?」

すね蹴りやがった!!

「さて・・・大変なのはむしろお前のほうだ。高町なのは負傷、ガジェット、レリック、機動六課、ヴィヴィオには幼女なのにパパと呼ばれる、聖王のゆりかご・・・マリアージュ、イクスについては干渉はしないだろうが・・・と言うかお前サウンドステージXを聞く前にこっちに来ていたな?」

なんか不安になる言葉があったが無視してやる。

「映画も見てないけどな~」

「主はやてはきっと、モブキャラとして出ると信じている」

知らねぇよ!もう見れねぇよ!!

「ま、なんとかするさ」

「・・・いや、心配だな。お前は必ず無理をする、今回みたいな無茶をな・・・だから・・・」

『ユニゾン・イン!!』

急にユニゾンをして俺は騎士甲冑こそは展開してないが髪の色と目の色がリインとユニゾンした時のようになった。

「な!?おい!!」

『案ずるな、ちゃんと結界は張った』

「何する気だ?」

『なに、いくつかお前に私の力を与えているだけだ。といっても無駄死にしそうな時のみ使え、禁術と言ってもいいものだからな、負担か大きすぎる。『そう思うなら与えるな』とか言うかもしれんが・・・だからといって、何もしなければもっと危険な無茶な行為をしそうだからな、お前は?』

「恐い事言うなよ・・・わーた、使わないように頑張る」

『あぁ、それと・・・外見年齢変換システムを組み込んでおく。もうその姿にならないといっても普段のままでは車の運転はできんであろう?』

「・・・あ、そうか。あんがと」

『もっとも。後付された機能だからとてもではないが戦闘はできんがな。運転や子供の姿だと困る時だけ使え、ヴィータのテーマは【永遠の幼女】だ』

「一言多いんだよ!しばくぞ!!」

今では結構地味に気にしてんだよ!!

『さて・・・そろそろ時間か・・・ユニゾン・アウト!!』

そして、融合を解き再び俺の前に現れた。

「もう行くか・・・」

「あ、ちょっと待て!」

俺はポケットに入れておいたデジカメを出した。

「写真・・・一枚くらい残しておいても、バチあたらないんじゃねぇか?」

「・・・ふぅ・・・一枚だけだからな?」

「あぁ・・・サンキュ」

こんなことしても・・・俺の罪は消えない。俺はコイツを最初っから見捨ててしまっているんだから。・・・でも・・・それでも心にだけではなく、形あるものにも残したい。こいつがここにいたと・・・長い年月の中でこの姿が薄れてしまわないように・・・。

「さて・・・並べ。お前もいっしょだ。変身を解いてな?」

「いや、俺だけってわけには・・・」

「そんな事で皆は責めやしない。それに、来なければ撮らないぞ?」

「わーた。まってろ、準備するから」

俺はオートにしてからリインフォースの隣に行く。

「三回ランプついたら合図だからな?」

「了解だ」

<チカッ チカッ チカッ>

そして俺はまさかの出来事に遭遇した!!シャッターが降りる瞬間リインフォースは俺の顔を両手で掴み向きを無理やり変え。

「むぐっ!!!!?///」

「ん・・・」

<カシャッ!!>

・・・・・キ、キス・・・しやがった・・・・・。

「うがぁぁぁっぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!?な、な・・・・なぁ~~~~~~~!!!?」

俺半狂乱だよ。いくらなんでも・・・うがぁぁぁぁぁああ!!!?

「ふふ、私からお前への礼だ、取っておけ。あと、しいて言うなら夢の中で人の胸を揉んだ仕返しだ♪」

うぼぼぉぉおぉおおお!!!?

「さて、もう行くぞ。時間だからな」

「はっ!!?ま、待て!!!やり直しを!!」

「一枚だけの約束だ・・・それに・・・」

なんか周りがヒソヒソとしてジロジロ見ているような・・・・

―まだ暗いけど、朝っぱらから・・・―

―こんな早朝に、まぁ・・・―

―あれは・・・隆二君か?―

―不意打ちみたいだし、美由希のためにも内緒にしておこう―

日の出前なのに・・・多分ごみだしのおばちゃんとか。少ないけど確実に見てるよ・・・ランニング中の黒い青年と、その父もいたような気もするけど忘れよう。って!!?今、隆二とか言ってなかったか!!?変身は解いてあるのに・・・・・。

「案ずるな、結界はちゃんと解いてあった・・・加えて言うなら幻術で周りのものには隆二にしか見えていない。安心しろ!」

Nooooo!!?

「ほら・・・さっさと行くぞ!」

「くっ!ま、待てよ!!」

うぅ・・・それにしても、柔らか・・・忘れろ!!俺!!体は幼女でできている!!!

「百合というのもあるがな?」

「だまれぇぇぇぇぇえ!!!」

「む、行く前にコンビニ寄るぞ?」

「うがぁぁぁぁぁああ!!!」



そして今俺達は街全体が見渡せる丘で、なのはたちが来るのを待っていた。

「とうとう、か・・・」

「あぁ・・・短い間ではあったが、お前といっしょにデートできてよかったぞ?」

「意識させんなや!」

「ふふ、案外私は消えずにどこかに行くのかもな。ほら、SSでよくあったであろう?」

「そういうお前もいるかもしれないけど・・・確率は・・・」

「まぁ・・・低いだろうな。だが、もし叶うのならもう一人のお前の元に行きたいな?」

「そうかよ」

「あぁ、それもまた面白いかもしれん。家事は最低限しかできてなかったみたいだしな?」

「面白くなんか・・・ねぇよ・・・」

「私は面白いが・・・しかし困ったな。多分主はやては、途中から来てしまうだろうな・・・」

「言っとくけど・・・あたしは助けねぇぞ!!」

「ふふ、分かっている」

なんだよ・・・これ。これが今から消えようって奴の言葉か?

「・・・・・」

「やれやれ、何度も言わすな。お前が負い目を感じる必要はない。お前は時間も、立場も悪かった、これが一番よい選択肢だった。気にするな」

「・・・無理だな」

「・・・なら、忘れないでくれ。私の事を・・・まぁ、別にそのうち負い目なんて・・・っと来たか」

ん?何を言いかけてたんだ?っと、んなことよりもなのは達が来たか。

「リインフォース・・・さん」

なのはが言う。

「あぁ、その名で呼んでくれて感謝する」

『どうだ?少し展開を変えたぞ?』

『いちいち念話すんじゃねぇー』

「あなたを空へ帰すの、私たちで良いの?」

フェイトがリインフォースに聞く。

「正確にはお前達と騎士達に頼みたいのだ。それに、お前達のおかげで防御プログラムの切り離しが叶った。それに、主はやてを食い殺さずに済み、そこの馬鹿も助ける事ができた。感謝している、だから最後はお前達に私を閉じてほしい」

不思議と怒る気にはなれない・・・。

「はやてちゃんとお別れしなくていいんですか?」

なのはが言う。

「・・・え・・・あ、主はやてを悲しませたくはない」

今、どもった。

『危ないな、途中で来るといいそうになった』

『・・・もう突っ込まん』

俺達の念話なんか、知ったこっちゃねぇ二人は話を続ける。

「リインフォース・・・」

「でもそんなの・・・なんだか悲しいよ!」

「お前たちにもいずれ分かる。海より深く愛し、その幸福を守りたいと思える者と出会えればな」

『不思議だな、さっきまでくさいぞ?アニメの私・・・と思っていたのに今なら何の恥ずかしげもなく言える・・・』

『・・・リイン・・・フォース・・・』

『ふふ、アインと呼んでもいぞ?』

『まだ・・・ツヴァイはいねぇ』

誰かの歩く音が聞こえてきた。見ればそこにはシグナム達がいた。

「そろそろ始めようか。夜天の魔導書の・・・終焉だ」



『あ、でも主はやてが新しくストレージデバイスとして作るか?』

『もー・・・黙れ・・・。』

『・・・ふぅ、突っ込みにキレが無いぞ?』

無理言うなよ・・・・・。



そして始まる消滅の儀式。大型のベルカ式の魔法陣に中心にリインフォースが立ち夜天の書を目の前に浮かせ、その後ろに俺達守護騎士が立ち、そして右左に立ったなのはとフェイトがそれぞれが展開させた魔法陣を繋ぎ、デバイスを構えている。

『Ready to set』

『Standby』

「お前達にも世話になったな。感謝を・・・」

レイジングハートとバルディッシュに言う。

『Don't worry. (気にせずに)』

『Take a good journey. (良い旅を)』

「あぁ・・・む、しまった!ヴィータ!!コートを・・・」

そう言ってコートを脱ごうとしたけど・・・。

「いや、いいよ」

「・・・いいのか?私と共に消えてしまうぞ?」

「かまわねぇよ。持ってけ、どこに行っても・・・寒くないように・・・さ・・・」

「・・・そうか・・・ならばありがたく貰っていこう。お前の思いとこのぬくもりと共に・・・」

「・・・あぁ・・・も、持ってけ!」

「やれやれ・・・泣くな、もういい歳であろう?」

「うっせー!!泣いてなんかねぇ!!」

「ヴィータ・・・」

隣にいたシグナムがそっと俺の肩を抱いた。くそ・・・。

「さて・・・ではな・・・皆・・・」

そして儀式が始まっていく・・・けど。

「リインフォース!みんなぁ!!」

はやての声だ・・・。

「はやてちゃん!」

なのはが反応した。けど、動くわけにはいかない。

「待て。誰も動かないでくれ、儀式が止まってしまう。」

俺は動いてないぞ?

『やれやれ、分かっていた事なのに、いざ来られると困ってしまうな。覚悟はしていたつもりだったんだが・・・』

『こっから先はお前とはやての時間だ』

『あぁ、うまくやるさ』

「あかん、止めて!リインフォース止めて!破壊なんかせんでええ!!私が、ちゃんと抑える!!大丈夫や、こんなん・・・せんでええ!!」

そのはやての悲痛な叫びにリインフォースは一瞬俺が買ったコートをぎゅっと掴み、そして言う。

「主はやて、良いのですよ」

「良いことない!良いことなんか、なんもあらへん!」

「随分と長い時を生きてきましたが、最後の最後で、私はあなたに、綺麗な名前と心を頂きました。騎士達もあなたの傍にいます。何も心配はありません」

『それにお前に未来を見せてもらったしな』

『・・・・・』

俺はもう何もいえなかった。

「っ!心配とかそんな・・・!!」

「ですから、私は笑っていけます」

「あほぉ!話聞かん子は嫌いや!マスターは私や話聞いて!!私がきっと何とかする。暴走なんかさせへんて約束したやんか!!」

『アホって言われた・・・やはりギャグ発言を書の中でしたのが原因か?』

そう俺に念話をしてくる。けど・・・どうにも、強がりとかにしか見えないんだよ。

「その約束は確かに果たされました。だから私はここにいるのです」

「ッ!!リインフォース!!」

「主の危険を祓い、主を護るのが、魔導の器・・・そして、融合騎でもある私の勤め。あなたを護る為の、最も優れたやり方を、私に選ばせて下さい。それが、今の私の望みなのです」

「・・・そやけど、ずっと悲しい想いしてきて・・・やっと、やっと!救われたんやないか!!また、ふざけよう!!・・・ずっと、ずっといっしょに!!」

「・・・私の意志は、あなたの魔導と騎士たちの魂に残ります。私はいつも、あなたの傍にいます」

『ヴィータ?』

『・・・何だよ』

『覚えておいてくれ、今の言葉』

『・・・あぁ、【鉄槌の騎士】の名にかけて』

『礼を言う』

「そんなんちゃう!そんなんちゃうやろ、リインフォース!!」

念話と同時進行ではやても言う。

「駄々っ子でいると皆に笑われてしまいますよ?聞き訳を、我が主」

「リ、リインフォース!!・・・あっ!!?」

はやては車椅子を前に出そうとして出っ張りにつまずき車椅子から転んでしまった。

『・・・面目ない、少しなぞり過ぎた・・・うまく変えるつもりだったのだが』

『とにかくありのままの思いをぶつけろ。さっきも言ったがお前とはやての時間だ』

『すまない・・・』

「何で?・・・これから、やっと始まるのに・・・これから、うんと幸せにしてあげなあかんのに!」

はやては車椅子に戻ろうともせずに泣きながら言う。それに対しリインフォースははやてのもとに歩き出し屈み、はやてのほほを撫でながら言う。

「大丈夫です。私はもう、世界で一番、幸福な魔導書ですから」

「リイン・・・フォース・・・」

「では・・・最後に一つお願いしてもいいでしょうか?」

「お願・・・い?」

「はい、私は消えて小さく無力な欠片へと変わります。もしよろしければ、私の名はその欠片ではなく、あなたがいずれ手にするであろう新たな魔導の器に、送ってあげていただけますか?祝福の風、リインフォース・・・私の魂は、きっとその子に宿ります」

「リ・・イン・・・フォー・・・ス」

「そうですね・・・私と同じ融合騎がよいでしょう。見た目はヴィータよりも少し年下で、末っ子なのですから。きっと元気でかわいい私の妹となるでしょう」

「・・・する・・・約束する!!絶対、絶対に!!」

「ありがとうございます。我が主・・・」

そう言うと、リインフォースは再び陣の中心へと歩き出す。

『不思議だな・・・これから消えてしまうというのに・・・心が満ちている。このコートのおかげか?』

『そんな・・・安物でいいならいくらでもくれてやる・・・今からでも買いに!!』

『いや、これ一着だけで充分さ。だから・・・』

「主はやて、守護騎士達、それから小さな勇者達・・・。」

『それと、異界より招かれし青年だった者・・・。』

っ!!

「―――――ッリイーーーーンフォーーーーース!!!」

俺はただ涙を流しながら叫ぶ事しかできなかった。もしかしたら俺はあの時ヴィータにヴィータを返すとか言っておいて、本当はこの瞬間を見たくなかっただけなのかもしれない。俺は・・・俺は・・・!!!何様なんだ!!グレアムの爺さんに、『気に入らない』とか言っておいて・・・同じじゃねぇかよぉ!!!

「ありがとう・・・そして、さようなら・・・」

そして・・・リインフォースは光となって天へと上った。空から十字のペンダントが落ちてきてそれをはやては受け止め、抱きしめ涙を再び流した。

「はやてちゃん!」

「はやて!」

「主はやて!!」

皆が急いではやてのもとに駆け寄る中、俺はただあいつが消えていった空を見続けていた。



―何度も言わせるな、お前が負い目を感じる必要なぞ無い―



そんな声が空から聞こえたような気がした。




























・・・・・・・もっとも、この日泣いたのを激しく後悔する羽目になるとは、この時は思ってなかったけどな!!







おまけ

<ジャーゴポゴポ~>

「う~冷えるな~。トイレもしたし、また寝よ」

<ガラガラ~>

「あれ?恭ちゃんにお父さん。まだ暗いのにランニング?」

「美由希!相手は強敵だ!!覚悟しろ!!」

「は!?何の話、恭ちゃん!?」

「美由希!戦えば勝つのが我らの流派だが、それは通用せんかもしれん!!心してかかれ!!」

「お、お父さんまで!?な、なに!!?何の話~~!!!」

なんかそんな会話が、とある家であったとか無かったとか。







あとがき

<ピコーン!>

復活フラグが立ちました。

あはは、何か今リインフォース復活シナリオが頭の中にあります。中二病上等!!みたいな話が頭の中を駆け巡ってます。ご都合主義万歳な話です。妄想止まんないので、仕方ないです。

あ、オリジナルなヴィータもこのままほったらかしってわけじゃないです。



それにしても、相変わらず誤字の報告ありがとうございます。いや~、冬場は手がかじかんで・・・えへへ・・・。

すみません、言い訳です。

それにしても、『魔方陣』・・・本当は『魔法陣』であったとは・・・今頃になって理解できたかも。なんか『?』だった。ほんっとうにすみません!



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十四話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/22 02:19
<ヴィータside>

リインフォースが消えてから、俺達はクロノに今後のことを話されてた。はやてを含む俺達は、保護観察を受けて、管理局任務への従事という形での罪の償いを行っていく事になる。
・・・はやてに関しては、被害者と言ってもいいと思うが、ロストロギア不法所持とか何やらあるらしい。ほとんど、普通にしていれば形だけって事になってはいるが・・・まぁ考えた所でどうにもならないからもうやめだ。はやて自身皆といっしょにいたいからって選んだことだし・・・だったら俺達は今までどおり全力ではやてを守っていくしかないわけで・・・。

ただ、俺に関してはリインフォースが残したデータによって別の次元から呼び出された人格であるという証明もあり・・・なんか、よく分からんけど良く作用して、加えて前回のプレシア・テスタロッサ事件の功績でいくらか罪が軽くなる・・・と言うのは表向き(これだけでも結構ムカついてるんだけど)。実はとんでもなくふざけた事をして、下手をしたらはやてよりも罪が軽くなるらしい。・・・・・・原因はギル・グレアムである。それを知るのははやてが病院に戻りシグナム達もそれに同行。で、俺だけはまだ話があると一人呼び出しをくらった時であった。





第三十四話「一段落だな・・・あ~、でもな!あたしに関しては納得いかん!!Byヴィータ」





―海鳴大学病院―

リインフォースが消えて数時間後、はやては戻った病院でちょっとの仮眠をとり、なのはとフェイトと共にすずかの家で行われるクリスマス会に行く準備をしていた。俺の・・・【ヴィータ】についての説明はすでにリインフォースから最低限聞いているそうなので、とりあえずアリサやすずかへの魔法の説明が終わった後に話す事になった。たぶん明日かな?

普段通り接してくれるのは、皆今の俺しか知らないからっていってるけど・・・シグナム達に関しては正直不安だ。だって俺は、ずっといっしょだった【ヴィータ】ではないんだから。

けれど、しっかり言ってけじめはつける。

「「おはよ~ございます」」

「あ、おはよ~。なのはちゃん、フェイトちゃん!」

あ、二人が来た。

「あれ?」

「ひょっとして、もう退院?」

「あはは、残念!もうしばらくは、入院患者さんなんよ?」

まぁ、仕方ないか。『魔法が原因でした~』なんて言ったら今度から精神科の医者が来るし。

「そうなんだ」

「まぁ、もうすっかり元気やし、すずかちゃんたちのお見舞いはお断りしたよ。クリスマス会直行や!」

「そう」

そしてはやてはシグナムに車椅子に乗せてもらい、なのは達に近づき言う。

「昨日は色々あったけど、最初から最後まで、ほんまありがとう。」

「ううん」

「気にしないで」

そこでなのはがはやての首にかかっているペンダントを見て言う。

「あ。それ、リインフォース?」

はやては、ペンダントに手を当てながら言う。

「うん。あの子は眠ってもうたけど、これからはずっと一緒やから。新しいデバイスも、この子の中に入れるようにしようと思って」

「はやて、魔導師続けるの?」

フェイトが聞く。

「あの子がくれた力やし、約束も守らんとあかんからな?」

リインフォースⅡの製作か・・・俺も俺でちょっと考えてる事があるから、はやてのちびっ子製作開始したら手伝うか・・・。それにしても、アイツと撮った写真どうしよう。確認したけど見事にキスシーンだった。家のパソコン(前に買った。)でプリントアウトできるけど・・・渡すべきか否か・・・は、恥かしい・・・・///。
・・・・・あの野郎・・・・・。

「それに、今回の件で私とシグナムたちは管理局から保護観察受ける事になったし」

「え、そうなの?」

なのはが、俺に聞くけど。

「知らんな、あたしは」

「えぇ!!?」

「こら、ヴィータちゃん!えっとね、管理局任務への従事という形での、罪の償いも含んでの事なの」

「クロノ執務官が、そう取り計らってくれた」

「任期は結構長いんですけど、はやてちゃんと離れずにいられる、多分唯一の方法だって」

シャマルとシグナムが説明をした後付け足す。

「もっとも、ヴィータに関しては、いくらか罪が軽くなるそうだ」

「え?そうなのヴィータちゃん?」

「・・・不本意ながらな」

表向きは、前に言ったとおりだが、実際は・・・俺は良く知らんが【特殊事例次元漂流者】というものになって、今回の事件で俺はグレアムに元の次元世界に帰りたければ協力しろと脅され今回の事件に関与したと言う事になった・・・いつの間にかなっていた(あの日の『元の世界~』発言がアリアによっていつの間にか録音されてた)。

こっちに戻ってきた時に、うまく俺が黒幕という事にして、みんなの罪を何とか軽くしようとか思っていたのに逆に俺が軽くなっちまった。
俺を脅したとしてグレアムの爺さんは辞職後、数年は使い魔の維持以外の魔力を制限される上、俺にいくらかの賠償金を支払うそうな。(受け取りたくなかったがアリア達が必死になって受け取れと言ってきたし、後から聞いた話だと受け取らなかったら数年の懲役だったそうな。グレアムの爺さんはそれでもいいとか言ってたけど・・・さすがに・・・と思い受け取ることを選んだ。ま、懐もまた膨らんだしよしとするか)

おまけに、これを言い出したのがグレアムの爺さんだから余計腹立つ!!問いただせば『最後の嫌がらせだよ。』とか嬉しそうに言うしさ・・・俺だって皆といっしょに罪を背負う気だったのに、俺だって!!

「あたしだって守護騎士だぁ!!!」

「お、落ち着いて!ヴィータちゃん!!」

「離せシャマル!!今から殴りこみに行く~~!!」

「だめぇぇぇぇえ!!!」

「あはは、とにかく私は嘱託扱いやからなのはちゃん達の後輩やね?」

あ、それとなのははどうやら今回の事件解決への貢献で無条件で特別に嘱託魔導師になったそうだけど、実際の所は闇の書なんて代物の破壊に貢献したのが民間人なんて管理局のメンツが~とかいうことなんだろう。本人が納得してるし俺が言うことでもないか・・・。

「でもあたしは納得してねぇ~!!」

「落ち着いて~~!!」





「はやてちゃん、今日はちゃんと帰ってきてね?約束よ」

「はい!約束です!」

今はやては廊下で石田先生と約束をしている。

「そういえば今朝、やっぱり大変だった?」

「あぁ。無断外泊だったから、あたしが戻ってきた時はシグナムとシャマルが目茶苦茶怒られてた」

あれは凄かったな、シャマルなんて隆二の名を出して逃げようとしてたし、『全然最近姿見せないくせに~、ふふふ・・・・・』とか言ってたよ石田先生。いろんな意味で、もうなれんなあの姿。別に良いけど。

「怖い先生なんだ」

「ああ、怖いな・・・具体的には何かされた時に記憶がいつの間にかなくなってるくらいに」

ふと隆二の姿で経験した事を思い出した。

「えっと・・・ヴィータちゃん?」

「あ、でもいい先生である事には違いないさ。テレビのドラマに出てくるような、最低な医者とは格が違うな」

「え~っと・・・とにかく、良い先生みたいだね」

「気をつけてね」

「は~い!」

いつしか、はやてと石田先生の話も終わり、はやてはシャマルに車椅子を押され俺達の所へと来る。そして、すずかの家に行こうとするけど、フェイトとシグナムは立ち止まり互いを見詰め合ってる。

「テスタロッサ」

「はい、シグナム」

「預けた勝負、いずれ決着をつけるとしよう」

「はい。正々堂々、これから何度でも」

そんな会話をしている。見てみるとシグナムがフェイトの頭を撫でていた。

『とりあえずお前ら空気読め。置いてくぞ?』

「「え!?」」

とりあえず念話送った。俺のほうこそ、空気読めてない?知らねぇな!!



<数十分後>

「なぁ~んで、あたしまでここにいるんでしょう?」

「にゃはは♪」

「なのは、表出ろ。その笑みがムカツク」

なんか知らんが、俺まですずかの家に連行されてしまった。シグナム達はアルフといっしょにはやての家にいるのに・・・。

「まあまあ、なのはが前から話してたこともあるんだし」

フェイトが俺を慰めた。

「諦めが肝心やよ?それに今回の事件って、私じゃ説明できない事もあるし・・・」

そうはやてが言うので、渋々いく事になったけど。

「あんたが、顔見せないのが悪いんでしょぉ!!」

「んだとぉ!!金髪ンデレ!!」

「だ・れ・が、金髪ンデレよ!!それならあんたは、赤髪ツンデレじゃない!!!」

「語呂悪いんだよ、バ~カ!!」

「あんたねぇ!!!」

「ア、アリサちゃん!!ヴィータちゃん!!喧嘩は駄目ぇ!!」

「ふ、2人とも~!!」

「こら、ヴィータ!!」

「アリサちゃんも、落ち着いて!!」

ど~にも、アリサと言い合いになってしまう(背丈が近いからか?)。隆二の時にとった態度なんて、もうできん。

その後。なのは達が魔法について語り、その目で見た二人でも信じられないものだった。小規模の魔法許可なら俺が前もってリンディさんに貰ってたので実際に見せて納得してもらた。

「こんぐらい、考えとけよな」

「にゃはは、ありがとうねヴィータちゃん。許可貰っておいてくれて」

「おうよ!」

「ええ子やなぁ~、ヴィータは?(なでなで)」

はやてに頭撫でられる。これ結構、心地よいんだよな。元大学生としてはなさけないが・・・良いんだよ、俺ヴィータだから!!

「ふ~ん♪(ニヤニヤ)」

「な!?なんだよその顔はアリサ!!」

「べっつに~」

「くぬ~!!」

前に助けた恩を忘れやがって!!あ、俺って知らないのか・・・でもなんかややこしくなりそうだしもう少し落ち着いてから話すかな?



んで、その後軽くパーティーをして(うまかったよ!!ファリンさんやノエルさんの料理!!)はやてを再び病院に送る前にシグナム達と合流するためはやての家へと一旦戻った。そこには、

「わぁ~、ザフィーラちっこい~!!」

はやてはザフィーラの今の姿を見て言う。子犬フォームだ。

「アルフ、子犬フォーム教えたの?」

「うん、そうだよフェイト!!」

フェイトはアルフを抱きながら会話をしている。

「お~、ちっこくなったなザフィーラ」

「うむ。だが今までの体では、何故か大人がおびえる事もあったからな。こちらの姿の方がいろいろ都合がよいであろう」

何故か、子供ではなく大人がおびえる。子供には好かれるんだよな、コイツ。けど・・・

「・・・・・ザフィーラ、お前声色変えろ。その格好で、その声だときもいぞ?」

「なぁ!!?」

あ、そうだ!

「守護騎士会議~♪ザフィーラの声を変えるのに賛成な人~!!」

すると俺、シグナム、シャマルが手を上げる。はやて達は苦笑いであった。

「ぬぬ~・・・」

「ひょっとして、今ならお前ショタッ子フォームとかなれるんじゃね?」

「何の話だ!!」



まぁあれだ(なんだ?)。その後、はやてを病院に届けて、俺は夜なのはの家へと向かった。なのはが、フェイトとリンディさんと共に魔法の説明をするのに同席するためであった。フェイトの事件には俺だって関与したし、なによりなのはを傷つけた事を謝らないといけないと思うから。強引だったけど、隆二の姿で一泊させてもらった恩を仇で返したもんだし・・・あ、でも俺、模擬戦で士郎さんに思いっきり吹き飛ばされたっけ?

「本当に、申し訳ございません!」

リンディさんとフェイト、なのはの説明が終わり俺は唐突になのはを襲撃した事を話し、なのはが止めるのを無視して頭を下げた。俺は中身大学生なんだ、ヴィータとして生きると決めたが、ちゃんとこういうのはしっかりけじめをつけておきたい。

「ヴィ、ヴィータちゃん!」

「謝ったって許されない事は分かってます。それでもスミマセン!」

「あ、ま、待ってください。!私も!!」

「フェイトは黙ってろ。お前の事はすんだことだ。」

「わ、私だって自分勝手な理由でなのはを!!」

「だ、だから待ってって二人とも!!」

「落ち着きなさいフェイトさん、ヴィータさん。ここはなのはさんの家なのよ?それに今回の事は事件を早期に解決できなかった私に・・・。」

なのはとリンディさんが俺達を止めようとしたけど・・・。

「えっと、ちょっと落ち着いてくれるかしら、二人とも?」

桃子さんが俺達に言い、とりあえず黙った。

「まず・・・なのはは、ヴィータちゃんとどうしたいの?」

「え?」

「友達でいたいの?いたくないの?」

「も、もちろん友達でいたいよ!!」

「だったらそれで終わりだよ。なのはの友達を怒るわけにはいかない。友達同士の喧嘩みたいなもんだろ?」

次は士郎さんが言ってきた。

「え・・・けど・・・。」

「それなら、これからもなのはの友達でいてくれって言うのはどうだい?」

「あ、それいいね恭ちゃん。」

続けて、恭也、美由希が言った。

「あ、それいい!!それじゃ、それに決定だよヴィータちゃん!!」

なのははそう言って俺に笑いかけた。

「あり・・・がとう・・ございます・・・」

俺はただそう言う事しかできなかった。



そうして、【闇の書事件】・・・別世界においてA'sと呼ばれた物語は終わりを迎えた。











おまけ(アニメエピローグ)

<6年後>

玄関で靴紐を結びはやては家族であるシャマルに声をかける。

「ほんならシャマル、グレアムおじさんに小包送っといてな?」

「はい、お任せです。」

「シグナムは、後で合流やね。で、ヴィータは後で学校の屋上に来たってな?」

「はい、後ほど。」

「お~う、授業中はちゃんとノート取れよ~!」

「あはは、わかっとるよ。ほんならいってきます~!!」

そう言うと、はやてはしっかり自分の足で立ち歩いていく。



八神はやて

私立聖祥大付属中学校三年生兼時空管理局特別捜査官。

守護騎士ヴォルケンリッターを率いる優秀な魔導騎士として、ロストロギア関連事件の捜査に才覚を発揮する。



「いや~、学生は大変だねぇ~!」

「何を言っている。お前も去年まで、主はやて以上に大変そうであったではないか。」

「そうよ、短大なのに三年通ったくせに」

「う、うっせー!!ザフィーラ!散歩行くぞ!!」

「落ち着けヴィータ。」

「子犬フォームで、その声すんじゃねぇ~!!」



シグナム

八神はやて特別捜査官補佐

航空隊所属。



シャマル

八神はやて特別捜査官補佐

時空管理局本局医療局所属。



ザフィーラ

特定の役職を持たず、主並び各守護騎士のサポートを行っている。



とあるマンションにて

「よし・・・っと、フェイトー。はい、お弁当。」

そう言ってリンディはフェイトに弁当を手渡す。



リンディ・ハラオウン

時空管理局提督。艦長職を退き、現在は平穏な本局勤務。



「ありがとうございます。母さん。」

そして、フェイトも学校へと向かう。



フェイト・T・ハラオウン

私立聖祥大付属中学校三年生兼時空管理局執務官

使い魔アルフを伴って、執務官として第一線で活躍中。



別世界宇宙軌道上アースラにて

「今日は久しぶりに、全員集合だな。」

クロノは艦長席にて一言。

「そうだね、クロノ君の艦長就任以来、初めてかもね?」

それにエイミィが答える。



クロノ・ハラオウン

時空管理局提督・艦船アースラ艦長



エイミィ・リミエッタ

時空管理局管制司令



各々昇進後も、コンビは健在で、近く結婚予定



「まぁ平和な任務だ。ちょっとした同窓会だな?」

「ふふ、そのようで。」

「ユーノもいいか?」



場所は変わって本局無限書庫近くの廊下。ユーノは携帯でクロノ達と通信を行っていた。

「ああ、時間通りに。」

『そういえばユーノ君、なのはちゃんと何か進展とかあった?』

「え!?いや・・・あの、ちょくちょく会ってはいますが、別に進展とかそういうのは・・・。」

『ありゃ、早くしないとヴィータちゃんが取っちゃうよ?』

「なんで、そこでヴィータが?」

『いや~怪しくない?元男性だったんでしょう?』

「お、怒りますよ?ヴィータが聞くと・・・もう完全に肉体と精神が合致してるって、この前お酒飲みながら愚痴ってましたし・・・。」

『エイミィ、仕事中だぞ、一応。』

『へいへ~い、ふふ。』



ユーノ・スクライア

時空管理局データベース『無限書庫』司書長

司書の傍ら古代史の論文を発表、学者としての実績を重ねる。



再び場所は戻り地球のとある歩道にて、

「あ、なのは!」

「なのはちゃん!」

「あ、アリサちゃん!すずかちゃん!」

なのはは、手を振りそれに答える。



高町なのは

私立聖祥大付属中学校三年生兼時空管理局武装隊 戦技教導官

新任局員への戦技指導の傍ら、捜査官としても活動。優秀な成績を残している。



「おっはよ!」

「おはよ、今日もお仕事?」

「うん、今日は久しぶりにみんな集まるんだ。お昼過ぎに早退しちゃうから午後のノート、お願い!!」

「はいはい!がんばって、コピーしやすいノートとるわよ!」

「にゃはは、ありがとう・・・あ!」

ふと、なのはが前を見る。そこには、フェイトとはやてがいた。

「おはよう」

「おはよう」

「おはよう、今日集まるんだって?」

「うん!」

「ほんまに楽しみやわぁ」



そして、英国。そこに一人の老人が、ある家族が映っている一枚の写真を眺めていた。



ギル・グレアム

元時空管理局提督

辞職後、使い魔とともに故郷英国にて隠棲中。時折訪れる、赤色の髪の二つのおさげの女の子とともに紅茶を飲みながら、チェスをするのがひそかな楽しみである。



再び場所は日本へと移り、とある学校の屋上に。

「あ、ヴィータちゃん!来てたんだ!!」

「おせーぞ、三人とも!!」

「あはは、ごめんなぁヴィータ。」



ヴィータ

時空管理局武装隊 戦技教導官

二年前に高町なのはに誘われ、一年半前に航空戦技教導隊に入る。新任局員への戦技指導及び聖王教会騎士団に、派遣での戦技指導も行いつつ、それらの傍ら他の守護騎士と同様、八神はやての特別捜査官補佐も行っている。



―あの日出会った絆は、今もちゃんと結ばれて―

「レイジングハート」

『Yes, my master.』

「バルディッシュ」

『Yes sir.』

「リインフォース」

『はい、マイスターはやて!』

「グラーフアイゼン、ビタ」

『Jawohl』

『おう!行こうぜ、ヴィータ!!』



リインフォースⅡ

はやての新しき、魔導の器。八神はやてが技術部と協力して作った融合型デバイスである。六年前に消えたリインフォースの名と思いを受け継ぐ者である。



ビタ

リインフォースⅡと同時期に、ヴィータが先行試作機と言う名目上で作った融合型デバイスである。その人格構成プログラムの一部には、ヴィータの中にあった使われていない人格構成プログラムの欠片を使用している。

そう、彼女はかつてのヴィータの生まれ変わり。もちろんそんな事を証明する物はどこにも無いがそれでも騎士達は信じている、彼女がかつてのヴィータの生まれ変わりである事を。



『Stand by Ready』

「「「「セーット・アップ!!」」」」





騎士少女リリカルヴィータ・A's編・・・・・完











真・おまけ

「つーことでA's編完結だ!!次回からStrikerS編が・・・」

「ふっふっふ~、甘い!甘いでヴィータ!!」

「は、はやて!!?」

「次回からは時間が戻って、次の日からや!!」

「ええ!!?だってエピローグ・・・」

「そ・れ・は!おまけと言う形でしか出てないんよ!?おまけは、ただのおまけや!!」

「じゃぁ・・・次って・・・。」

「とりあえず、本格的にヴィータに皆でフル説教やなぁ~。ほら!いくで~!!」

「えぇ~!!?う、うあ~引きずらないでくれはやて~~!!」

ちゃんちゃん♪









あとがき

サボってたわけやないんや!ちょっと息抜きに、チラシ裏に『マッド夫婦+α』を書いたんよ!よかったら覗いてやってなぁ~。

それから、毎回の事ながら感想ご意見ありがとうございます!特に誤字の指摘!!(本当に感謝です)

つーことで、A's編、何とか終わりました。当分好き勝手書きます。ビタの外見に関しては概ねヴィータと同じですが相違点は勿論幾つかあります。それは正式に本編に出てからと言う事で・・・つーかそこまでいけるかなぁ・・・StrikerSの前に・・・まぁのんびりやっていきます。

ではでは




[3310] 騎士少女リリカルヴィータ番外1
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/22 02:20
これは、はやてが自分の足で歩けるようになり、リインフォースⅡとビタが生まれる少し前におこった、ちょっと未来のお話。



<ヴィータside>

特に事件も無く平穏に過ごしていたのだが、そんなある日の事。

「ん?」

散歩がてら、本屋で漫画を買ってきて家に帰ってみると、テーブルの上に沢山のチョコやら何やらの材料が錯乱していた。

「なんだこりゃ?」

「あ、ヴィータ。おかえり~!」

「おかえりなさい、ヴィータちゃん!」

そこには、エプロンを着たシャマルとはやてがいた。

「なんだよ、これ?」

「なにって、ほら!もうすぐバレンタインやんか!!」

あぁ、もうそんな時期か・・・。バレンタインって言ったら、姉貴に5円チョコ貰って、ホワイトデーにブランド返しって言う、鬼かと思う思い出しかないなぁ・・・。

「つーか、はやて。あげる男でもいるのか?」

これは、初耳だな。オリキャラでも出てくるのか?原作のヴィータだったら怒るだろうけど、良い奴なら認めるぞ、俺は?

・・・戦力アップにもなるし。あん?魔導師とは決まってない?ば~か、オリキャラ=魔導師だろ?

「あはは、残念。バレンタインの日に翠屋に集まって、なのはちゃん達とチョコの交換・・・って言うか食べ比べをしあうだけなんやよ?」

ありゃ、やっぱそういうオチか。人生そんなに甘くないか?う~む、良いオリキャラが来ないかなぁ?もう、A's終わったから期待できないか?そもそも、俺がいるのはあいつが俺の精神を別世界から持ってきてる訳で・・・。

『お前なぁ、捕らぬ狸の皮なんとやらと言う諺を知ってるか?』

うわ!?

『馬鹿、いきなり会話してくんなよ!?』

『くだらん事を考えているからだ!』

しかし、狸ねぇ・・・

『言っておくが、主はやてのことは言ってないからな?』

『まだ何も言ってねぇよ。墓穴掘ったな?・・・つーか、一年のうち数回しか会話する余裕がないくせに、何で今出てくんだ?』

『今だからだ。ほら!主はやてが流石に不審に思っているぞ?何が原因で私のことがばれるか分からないのだ、いい加減返事をしろ』

おっと、いけねぇ。

「ま、そっか。じゃぁ頑張ってな。はやて?」

そう言って、俺は部屋に戻って買ってきた漫画でも読もうと思ったが、

<がしっ!>

と、腕をつかまれた。

「いっしょに作るで?」

「は?」

何か凄いデジャブなんだけど。前にもなかった?こんな事。

『お、呆然としてる場合じゃないぞ?』

『へ?』

アイツから声を掛けられ、俺ははやてが電話をしているのに気付いた。

「あ、もしもし。なのはちゃん?バレンタインの日なぁ、ヴィータも来るからよろしくなぁ?」

「はやてぇ!!?」

逃げ場がなくなってる!?

「ほら、なのはちゃんからの伝言やよヴィータ」

『ヴィータちゃん!楽しみにしてるね!!』

「・・・なのは、今度頭冷やしてやる」

『えぇ!?な、何で!!?』

・・・とりあえず、

『クロス・ファイア。あたしにも使える様に、調整しておけ!』

『落ち着け』





番外1「それはあるバレンタインの事」





「お~し、ほんならチョコ作り始めるで~!」

『さすがは主はやて。とてもさまになっておられる』

体内のコイツが、ちとうざい。それはさておき、皆俺のことは知っているので今回は抗議しよう。

「はい、はやて!!」

「はい!なんや、ヴィータ!!」

「自分は何で、ここでチョコを作らにゃあかんのでしょう?」

「愚問や、ヴィータも女の子なんや!問題あらへん!!」

・・・似たような事、前にも言われた。

「でも、もう知ってるだろ!?あたしは元・・・」

「今はヴィータやん、問題あらへん!!」

『というか、それが認識されたらお前ユーノ以上の変態ではないのか?』

そう、内と外から言われ続け、俺は折れるしかなかった。

「つか、何でシャマルまでいんだよ?お前も、なのは達と食べ比べでもすんのか?」

「違うわよ?日ごろ、お世話になってる人に配ろうと思ってね?」

『シャマルの場合、ありがた迷惑という奴か?』

『お前も容赦ないよな?』

いや、正直たとえ食べても気絶すると分かっていても、男というのは女性のチョコにあこがれるもんだから、問題ないのか?

「ねぇ?絶対、失礼な事考えてるわよね?」

「被害妄想だって!シャマル!!」

「絶対考えてたわね!?言っておきますけど、私だってチョコぐらいなら何とかなるんだから!!」

まぁ、基本は溶かして固めるだけだからなぁ・・・。でも、シャマルの場合・・・。

「心配しなくても、火で直接あぶったりしないわよ!お湯で溶かすんでしょ?」

『おぉ、あのシャマルが・・・。まともな事を・・・』

『いや。多分、失敗フラグだ』

結論から言えば。やっぱり失敗した。

「シャマル・・・直接お湯の中に入れて、どないすんねん」

「うぅ・・・」

ほら、やっぱり。

「あ、シグナムは?」

「シグナムは貰う方やん」

納得する自分がいた。

その後俺は、ちょっと苦労はしたがレシピ通り、さくっとシンプルに作った。はやてはいろいろしていたがな・・・。



そんなこんなで、当日。

「お~す、ユーノ!」

「あれ?ヴィータ?」

俺はせっかくなので、あの二人にも渡そうと思い、最初にユーノのいる本局の無限書庫に来た。

「どうしたの、今日は?」

「ん、ほれ」

そう言って俺は、ユーノにチョコを渡した。

「あ、今日はバレンタインていうのだっけ?態々ありがとう」

「あん?知ってんのかよ?」

「うん、フェイトとなのはからも貰ってね?」

は?でも今は二人とも学校だろ?なんで・・・?

「クロノづてで貰ったんだ」

なん・・・だと・・・?

「あ~、お前それでいいのか?」

「え?何が?」

・・・まぁ、本人がなんとも思ってないならいいか。



さて、次は・・・お、いたいた。

「クロノ~!」

「ん?君か。どうしたんだ?今日は休みじゃなかったのか?」

「ほら、コレ」

そう言って、クロノにチョコを渡す。

「あぁ、君もか?」

「その口ぶりだと、フェイト達からも貰ったな?」

「あぁ、なのはと二人で家で作っていた。そのとき渡された。ついでにエイミィからもな」

「ふぅん、よかったじゃねぇか?本命貰えて」

「?本命?」

あぁ、こりゃぁ詳しく知らないんだなぁ・・・。ミッドにも日にちは違うけど、似たような事はあるってリンディさん言ってたのにな。

「そういえば、ユーノに渡したのって、お前なんだよな?」

「あぁ、二人は学校だったし・・・まずかったのか?」

・・・ま、クロノに渡す二人も二人って事でいいか。



さて、まだ放課後まで時間があるな・・・。

「ふむ、まだ余りあるし・・・」

恭也さんぐらいか?もう、渡すのって・・・いや、別に接点無いし、いいか。

「あ、一人いたな!」

俺はある人物を思い出し、本局の転送ポートへと行った。

そこは、地球の英国。

「お~い、グレアムの爺さん」

「おや、どうしたんだい?今日は?」

「ん~、これやろうと思って」

そう言って渡した。

「これは・・・まさか、バレンタインの?」

「ん、日本じゃ・・・」

「知っているよ、前に行った事があったからね?」

そう言えば、んな発言がアニメでもあったような、なかったような・・・?

「しかし、本当にいいのかね?」

「ん、別に余っただけだけど・・・」

「そうか・・・あり・・・がとう・・・」

(ポロ)

何か泣き出した。何故に!!!?

「ありがとう・・・こんな物を貰う資格がない私に・・・ありがとう!」

「ちょ!?え!!?何で泣くん!!?」

おい!こんな事になってたら!!

「お前ぇ!!父様を泣かせたなぁ!!!」

「ほらぁ!!!」

切れやすい方のぬこが来たぁ!!

「シャマルクッキー・ボンバー!!」

「ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

ふ、今日も勝ったぜ。

「て言うか、なんでいつもクッキー持ってきてんのさ?」

護身用にきまっとる。あいつ、いっつも絡んでくるもん。クロノ弄る時は、仲良い様な気もしないでもないけど。



「あ~、疲れた」

気付けばもう時間だったので、俺は翠屋へと向かった。

「こんちわ~!」

「いらっしゃい、ヴィータちゃん!」

「お疲れ、ヴィータ」

「いらっしゃい」

「遅いわよ、まったく!」

「もう、皆集まっとるよヴィータ!」

む、ちと遅れちまったか。

「わりぃ!遅くなった!!」

さて、そんじゃぁ胸焼け覚悟の食べ比べと行きますか!



「最初は!」

「私となのはで作ったチョコレートケーキ!!」

そう言って、なのはとフェイトは二人で作ったチョコレートケーキを出した。二人で作ったからでかいな。

「おぉ!コレはまたおいしそうやなぁ!!」

「なのは、お得意のケーキね?」

「ですね?」

「うん、今回はフェイトちゃんといっしょに作ったから、去年より気合入ってるよ!!」



「次は!私!!」

次は、すずかの番であった。

「私のはチョコレートクッキー!!」

「わぁ!かわいい!!」

「猫の形だ~」

「すずかちゃんらしいいなぁ」

「むぅ・・・ちょっとかぶったわね・・・」



「今度は私の番よ・・・まぁ、ちょっとネタがすずかとかぶったけど・・・」

そう言って、アリサはガトーショコラを出した。

「これって・・・犬の形?」

「ちょっと苦しいな・・・」

「な、なんですって!ヴィータ!!」

「何だよ、ほんとのことじゃん!!ま、美味そうではあるけどな?」

「うぅ!な、なによ・・・褒めたりして。裏があるんじゃないの?」

「どういう意味だよ!!」

失礼な奴だな。



「次は私や!!」

そう言ってはやては、昨日作ってたチョコレートマフィンを出した。

「うわ~、模様が綺麗~~!」

「ほんとだねぇ~」」

「ちょっと苦戦したんやけど、自信作や!!」

うん、マジで模様が綺麗だ。



「次はヴィータやな!」

「え~、帰っちゃ駄目?」

皆、手の込んでるのばかり出してくるしさ。

「いいから出しなさいよ!!」

「うっせーな。ほら、トリュフだよ」

一回失敗したけど、二回目は割かしうまく出来たのだ。

「あはは、ヴィータちゃん!まんまるで、かわいいよ!!」

「一口サイズで食べやすそう!」

「へ~、ま、食べれそうではあるわね?」

「ちゃんと味見はしてるっつの!!」



そして、みんなのお披露目が終わったあと食べ比べが始まった。





「うぅ~。胸焼けする~」

「えぇ~、あんくらい余裕やろ~!」

皆で食べ比べも終わり、俺とはやては家に帰る途中であった。

「絶対、おかしいって!はやて!!」

「ヴィータも聞いたことあるやろ?『甘い物は別腹』や!ヴィータはまだ乙女精進が足りんなぁ!!」

なんだよ、乙女精進って。

「まったく、はやて。家に胃薬あったけ?」

「あるで~、シャマル用に」

そう言えばそうだったな。

そうして、対して色気のない、けどのんびり平穏なバレンタインは終わりを告げた。



・・・と、思ったら。

『ヴィータ。聞こえるか?』

夜の11時。やっと眠りに付いた俺に突然念話が送られてきた。

『なんだよ、眠いんだけど・・・』

誰だよ・・・。

『すまん。だが、あまり時間もない。悪いがキッチンまで来てくれ、残り数分しか維持できない』

まったく、何なんだよ。そう思い、俺は寝ぼけた頭を何とか叩き起こして、はやてを起こさないように部屋を出てキッチンへと向かった。そこには・・・

「な!?何でお前!!!?」

「馬鹿、静かにしろ!!皆が起きる」

おっと、いけね!じゃなくて!!

「何で実体化してんだよ!?」

「落ち着け、データ取りも兼ねた実験だ。もって、あと数分だ」

だからって、何で今なんだよ?

「せっかくだからな、私も作った。食べてくれ」

そう言って、手作りチョコを出してきた。

「・・・今日じゃないと駄目?」

「はぁ、今日じゃないと意味無いであろう。せっかく、無理して作ったんだぞ?口移しさせてでも食べてもらうぞ?」

・・・ったく、しかたないなぁ・・・。

「では、あ~ん」

は?

「あ~ん」

なんでさ?

「・・・・・あ~ん!」

<ぐりぐり>

ちっ、分かったから。ほっぺにグリグリするな。

「あ~ん」

<パクッ>

「どうだ?美味いか?」

「ん、美味いな。何か入れたか?」

「あぁ、混ぜるぐらいしか出来そうになかったからな・・・そうか、美味いか。よかった」

そう言っていると、いつの間にかこいつの体が薄れてきていた。

「む、もう限界か。何とか間に合ったな・・・」

「また、あたしの中に戻るんだな」

「あぁ、今度実体化するときは完璧な状態だ。・・・意識はこれからもちょくちょく出していくがな?」

「さいですか、この引き篭り」

「だ、誰が!引き篭りだ!!」

「じゃぁ、寄生虫」

「いい加減にしろ!!まったく!!」

おぉ、なんかプリプリ怒ってる。こいつのこんな表情がまさか見れるなんてなぁ・・・。

「ま、とりあえず。しばらくはお休みだな」

「・・・あぁ、おやすみ」

そう言って、アイツは俺の体へと戻って行った。

「・・・あぁ、おやすみ・・・」



―リインフォース―







これは、少し未来のお話。









おまけ

これは、家に帰ってすぐの事。

「ザフィーラ?」

「・・・どうした、ヴィータ?」

「ほれ、遅くなっちまったけど。バレンタインのチョコ」

そう言って、最後のやつをザフィーラにあげた。すると・・・

「ん?何で、下向いて震えてるんだ?」

「・・・とう・・・」

「は?」

「ありがとう!!」

「うわ!?どうしたんだよ?」

「お前だけだ、お前だけ!俺にチョコを・・・!!」

嘘?はやて、ひょっとして忘れてたのか?それに、アルフから貰うんじゃねぁかなとも思ってたのに・・・ゼロか・・・。ふ、分かるぜ、ザフィーラ。世知辛いよな、世の中。

「・・・ん?シャマルから貰っただろう?」

渡してたような・・・。

「あれは、・・・カウントに入らん!」

心底、苦々しくザフィーラは言った。。納得する自分がいた。



もっと余談だが、その日仕事から帰ってきたシグナムは紙袋5つ持って帰ってきた。

中身は言わずもがな・・・。







あとがき

書きかけの放り出して、これ書いた。

未来の話なんで、訳分かんなくても突っ込んじゃ駄目だよ!!ふ~ん、程度でよろしく!!!



やった!今回まだ、三十四話の誤字報告がない!!・・・変わりに九話のがきたけどw



(追加事項)

誤字を修正しました。突貫工事すぎたなぁ・・・。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十五話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/02/25 03:48
<ヴィータside>

なのはの家に行った次の日の、俺ははやての病室で今の【ヴィータ】の事について俺の口から説明・・・・・するはずだったのだけど・・・・・。

「はやて・・・足痺れた」

「がまんしぃ」

「・・・Jawohl」

「デバイスのフリをしても、駄目だぞヴィータ」

「シグナムの言う通りよ、ヴィータちゃん」

俺今正座しています。再び説教タイムに入ってます。今度は長時間です。





第三十五話「守護騎士として」





―ガミガミ!!ガミガミガミ!!!―

なんかそんな感じで、俺は今3人に防御プログラムも真っ青になってしまうのではないか?と思うフルボッコ的な説教を受けています。俺の事について語るはずなのにな・・・あるぇ~?

「大体何の相談もなくに!!」

「もっと私達を信用したって!!」

「ヴィータのあほぉ!!」

あ~スバル、まだ会ったことのない我が部下よ。マッハキャリバーを貸しておくれ、走ってどっか行きたい気分だ・・・。

「罰として、ヴィータちゃんにはこれからも、私の料理の練習を手伝ってもらいます」

「あ?あんま調子のんなよ、シャマル。借金返せよ」

「ぅ・・・ごめんなさい!!」

ふん、シャマルは少し調子になるところがあるな・・・だけどそうはいくか!!シャマル撃破!!!残りは2人このままいっきに・・・・・無理だね。諦めて大人しく説教聞くわ。



数時間後



「ま、本人も反省しとるようやしここらでええやろう?」

「はい、ひとまず今回はここまでと言う事で」

よ、ようやく終わった。長かった~~。ほんっとうに長かったよ~!!

「こんにちわ~」

「あ、リンディさん」

へ?何でリンディさん?

「私が呼んだ」

「なんでだよシグナム?」

「説教が終わったら、呼んでくれと言われたのでな」

なんか嫌な予感が・・・。

「それじゃぁしばらく、ヴィータさんをアースラでお借りするわね?」

は?

「あ、はい。それじゃぁ、よろしくお願いします」

「ええ。それでは行きましょう、ヴィータさん?みんなが、アースラで待ってるわ・・・説教のために」

ビンゴォ!!

「い、嫌だ~~~~~!!」

「「「いってらっしゃ~い」」」

三人が手を振って俺を見送った。

「お、鬼~~~!!!」

そして俺はリンディさんに抱えられながらアースラに向かう。じたばたしても、なんか慣れた感じて鼻歌歌いながら運んでいかれる・・・さては、クロノ赤ん坊の時に暴れまくったんだな?おのれクロノ~~!!(とか、とりあえずクロノの所為に無理やりしました。)





「つー事で、お前の所為だクロノ!!」

「断じて違う!!」

駄目だった。失敗☆

ん~、そんなこんなでお次はアースラにてなのは、フェイト、クロノ、リンディさん等のお説教タイムがこれから始まろうとしています。なんて言うか・・・。

「もう勘弁してくれ!あたしのライフはもうゼロだ!!」

「「「ヴィータ(ちゃん)が悪い(の)!!!」」」

うぼぉぉぉぉぉおお!!!



数時間後



「駄目だ・・・守れなかった・・・はやて、みんな・・・ごめん・・・」

そう言いながら俺は倒れた。

「わけのわからない台詞言って倒れるな」

クロノ、てめぇ!!

「ふふ、あれ?はやて?『謝る事なんて何もあらへん。』って言ってあたしを助けてくれる展開じゃないの?」

はやて、いないけど。

「ヴィ、ヴィータちゃんが壊れたの!?」

「いつもの誤魔化しだろう?気にする事はない」

クロノォォォォォォ!!何でそんなに棘があるんだよぉ!!

「んだよ!何でそんなに怒ってるんだよクロノ!!」

「当たり前だ!!何で君は僕達に何も相談をしなかった!!」

「管理局相手に、できるはずねぇじゃん!!」

なに言ってんのコイツ!?

「違う!僕が言ってるのは管理局にじゃなくてどうして僕達に相談しなかったかって言ってるんだ!方法はいくらでもあっただろう!!?」

クロノ・・・まさか・・・。

「僕達は仲間じゃないのか!!」

「ツンデレ発言!?」

「ふ、ふざけるなぁ!!」

なんかいろいろ台無しになった。



そして帰り道、フェイトが見送りでついてきてなのはと三人で歩いていると、

「でも、クロノ君の言う通りだよヴィータちゃん」

「うっせーな、なのは。第一に言ったってあたしのやろうとしていた事を肯定しないだろうが」

「あ、当たり前なの!!」

それに、アニメで知ってましたーwなんて言えねぇだろうが!

つーか、

「お前はあたしに対して思うところ無いのかよ?」

「へ?」

なのはは首を傾げた。

「ひょっとして、屋上で言ってた事?」

フェイトが気付いて言う。

「あぁ、あたしはさ・・・。」

「あの時、フェイトちゃんも言ったけど私達は今のヴィータちゃんしか知らないから、別にそう言われてもピンとはこないけど・・・」

「うん、私も」

そう言ってくれた。

「そっか、サンキュー」

あとは・・・

「私達より、シグナム達はどうなの?」

「あ~、まだなんだよぁ・・・家に帰ってから、ちゃんと言うつもり」

あ~不安だ。マジでさ・・・。

「ヴィータちゃん。やっぱり不安?」

「当たり前だろ、お前だってある日突然アリサとかすずかが『中身が別人だ。』なんて言われたら嫌だろ?」

「あ、でもちゃんと事情があるわけだし・・・」

「そんな簡単に、踏ん切りがつくような話でもないだろ」

む、なんか言ってると本当に不安になってきた。

「大丈夫だよ」

「ん?」

「だって、あの時シャマルさんが言ってたでしょ?『私達は家族』だって」

「うん、だからきっと大丈夫」

そう2人は俺に言ってくれた。ったく、年下のこいつ等に慰められてたんじゃ駄目だな、うし!!

「いっちょ、気合を入れるか!!」

とりあえず気合を入れました。



「ただいま~」

すると玄関にシャマルが来る。

「あら、おかえりヴィータちゃん。もう晩御飯ができてるわよ?」

シャマルがそう言った。・・・って、はやては今病院なんだが・・・。

「あ~・・・」

ちらりとシャマルの後方にいたシグナム達を見る、シグナム達は頷いた。思わず俺は、

「いってきま~す」

と言って外に出ようとしたが、

「鋼の軛!!」

「レヴァンティン!」

ザフィーラの鋼の軛が俺を拘束し、シグナムが俺に剣を突きつける。

「ヴィータ」

「我等は仲間だ」

「こんな風に言われても嬉しくねぇ~~~!!!」

ちくせう。

「皆、どういう意味かしら?」

シャマル、お前は普段の自分の料理を思い出せ、いっつも変なアレンジをして失敗するお約束ちゃんじゃねぇか!!

その後、【ヴィータ】についての説明は晩飯後にしようとしたが・・・・・

―ぐふっ!!?―

―がふっ!!?―

―シグナム、ザフィーラ!!くそぉ!!なんなんだ!なんなんだよこの料理!!―

―な、何でこんな事に・・・がく!!―

―お前は味見と言う動作を覚えろ!!・・・・・うぅ・・・あたしも・・・がくっ!!―

みたいな事があって気付いたら朝でした。シャマル・・・もはや微妙とはいえんぞこの味は・・・。



「あ~もう朝か・・・」

見ればみんな片手に箸を持ち座ったまま気絶していた。う~ん、今回ははやてが近くにいなかったのが原因と思いたい。いつもはここまで酷くは・・・。

「とりあえず、この残飯片付けて適当にトースト焼いて朝食にするか・・・」

「酷いわ、ヴィータちゃん!!」

シャマルががばっと起きる。

「あ?全部食ってみろよ」

「え~っと私、燃えないごみ出してくるわね~?」

シャマルの意見を、一刀両断して俺はテーブルの上の生ごみを片付ける。

「ほれ、ザフィーラ、シグナム。起きろよ!」

二人を起こして片づけを手伝わせてトースト焼いて軽い朝食にした。そして、

「はやてちゃんは明日には退院らしいわ、今日は午後に皆でお見舞いに行きましょう?」

「もう蒐集も行わなくてもよいしな」

「あぁ、ならば午前中は・・・」

「【鉄槌の騎士・ヴィータ】についての報告だな」

俺がそういうと皆真剣な顔をしてこちらを見た。



「・・・と言うわけであたしは皆が今までいっしょに戦ってきたヴィータじゃない。黙ってて・・・いや、騙しててすまなかった」

俺は頭を下げた。

「そうか・・・」

皆が黙った。一時の間をおきシグナムが最初に口を開いた。

「すまないな、無関係なお前を私達は巻き込んでしまった」

「は?」

名に言ってんのコイツ?

「待て!蒐集行為とかあたしが言い出したことだ・・・って言うか他に言う事があんだろ!?」

「お前が狙ってやった事でもあるまい」

ザフィーラがそう言う。

「い、いいのかよ、それで」

「それに、前にも言ったけど私達はもう家族で仲間でしょう?」

シャマルが言う。あ、自分の顔が熱く感じる・・・多分赤くなってるな。わ、笑うなシャマル!!

「たしかに、かつての【ヴィータ】については残念だが・・・」

「あの子もきっと、分かってくれるわ」

「むしろ、気になるのはこれからの事だ。お前はこれからどう生きるつもりだ?」

「どうって・・・」

ふとシグナムの言葉について考えた。そして思い出す、夢の中で出会ったかつてのヴィータの欠片、そしてはやてが改めてくれたこの名のことを・・・。

「別に代わりってわけじゃない・・・けど、ヴィータとして生きたい。ヴォルケンリッターの一人としてみんなといっしょに守護騎士でいたい!・・・・・その・・・もちろん皆が認めてくれるならだけど・・・」

その言葉に三人は顔を見合わせて笑って言う。

「良いも何も」

「言ったであろう」

「我等は仲間だ」

「あ・・・」

その言葉は一言だけど俺にはどこか重くて涙を流してしまった。あ~もう、これで何回目だよ!

「あらあら、新しい【鉄槌の騎士】は泣き虫さんね♪」

「ふふ、ほら顔洗って来い」

「それが良い」

「う、うっせーな!そ、それと・・・・・・・あんがと」

俺が今言えるのは、これがいっぱいいっぱいであった。

「それじゃぁ、もうお昼だし。皆でお昼ご飯を食べてからはやてちゃんの所へお見舞いに行きましょう?」

シャマルがポンッと手を合わせて言う。

「そうだな」

「それで昼はどうする?」

「あ、私が軽く作・・・「あ、出前とろうぜ~。あたし海老天定食な~!」・・・あの私が・・・「なら私は適当にうどんで良い」・・・あの・・・「俺はカツ丼だな」・・・私は天丼~~・・・」

シャマルの発言を皆でふさいだ。このときほど息の合った事は無かったであろう。

そんなこんなでこっちのほうも一段落つく事ができた。





・・・・・見てるか?もう一人の【あたし】?それから、リインフォース。俺はここにいる。守護騎士として皆と共に・・・・・・・。











おまけ

「見てたぜ?」

「見てたぞ?」

「何で見てるんじゃ~~!!」

俺の目の前に、ヴィータとリインフォースがいた。

「つーかここどこだ!?」

「おまけ世界だ」

「すげーなおまけって」

「凄すぎだー!!」

俺の叫びはむなしくこのわけ分からん空間に響いていく。

「まぁ、それは置いておいてだな・・・」

ヴィータが俺の肩に手を置き言う。

「これからは改めて、あたしの分まで頼んだぜ・・・・・・・シャマルの料理を」

「なんでだー!!?普通そこははやてや皆の事とか言わねぇか!!?」

「いやいや、あたし会った事ないし?」

「シャマルの料理だって食べた事ないだろうが!!」

「そんな事もあろうかと私が持ってきたぞ?」

は!!?

「「何で持ってる、リインフォース!!?」」

「おまけだからな?」

意味分からん!!

「でも、ちょうど良いや、お前食えよ」

俺はかつてのヴィータに言う。

「何でだよ!」

「だって食った事ねぇじゃん」

「お前だっていっつも、ザフィーラを生贄にしてるじゃねぇか!!」

「あれはデフォルトだー!!」

「意味わかんねぇ!!」

くそったれ!!こうなったら!!

「「アイゼンの頑固な汚れにしてやる!!・・・・・っ!!?」」

コ、コイツ・・・

「「まねすんじゃねぇ!!!」」

そして新旧(?)のヴィータがぶつかろうとした・・・が、

「鋼の軛!!」

「「な!?」」

リインフォースが地面から発生させた魔力刃が俺達の動きを封じる。

「やれやれ、そんな事で喧嘩するぐらいなら・・・・・2人で食べればよかろう?」

「「へ?」」

「それ・・・仲良く・・・」

ジリジリと寄ってくるリインフォース。

「ま、待て待て!!」

「お前そんな性格じゃないだろう!?」

「おまけだからな?」

「「答えになってねぇ!!」」

「ほら、あ~~~ん」



「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!?」」













<ガバッ!!>

「は!?ゆ、夢か・・・・・?」

そんな事があった夜。







あとがき

つーことで、後処理が全て終わりましたとさ。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十六話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/03/08 02:22
<ヴィータside>

1月4日(水)

あれから数日経った。今は正月なのだ・・・だが・・・。

「い、忙しい・・・」

「そうやなぁ・・・」

「えぇ・・・」

忙しいんだ、本局で面接、検査、事件に対する説明、その他もろもろと!!

「納得いかねぇ!!正月だぞ!!?いっつも実家でゴロゴロしてたのに~~~!!!」

「せやねぇ~、私も皆と過ごす正月をひそかに楽しみにしてたのにな~」

はやての言葉に皆が気まずく黙る・・・が、俺は止まらん。

「正月しか食えない物とか、特番とか色々あるのに~~!!おせちは!?雑煮はどうなった!!?」

「ああ!もう!!ええから黙らんかい!!」

「ぐは!!?」

殴られました。





第三十六話「休みが欲しいぜ Byヴィータ」





んで、話し変わるけどさ、

「本局広ぇ!きっとガン●ムのコロニーよりでけーよ!アクシ●よりでけぇって!!・・・多分」

でかすぎだここ。人工的に作られた次元世界の一つとか思ってもいいと思うね。アースラが米粒に感じるんだぜ?

「ヴィータちゃん、その台詞何回目?」

「いいだろーが!!実際にそう思うんだからよ!!」

「だがもう少し慎め、さっきから周りの局員に笑われている」

シャマルとシグナムにそういわれるのは何回目か・・・。つーかこれ見てスカリエッチィ・・・じゃなくて、スカリエッティに一言。馬鹿じゃね?こんなでかいものにゆりかご一機なんてさ?対抗できるなんてマジで考えたの?・・・いや、きっと俺の知らない対処方法があるんだ・・・多分。(とかこのとき思っていたけど、実際にはマジで渡り合える可能性もあったとか・・・想像できねぇ・・・)

「ま、いいや。今日は何だっけ?」

「面接と試験よ」

「だりぃ」

「ヴィータ!」

あ~めんどくせぇ。別に、んなことしたって俺達がやる事変わらないのにさ!規則ってやだなぁ・・・。罪は償うって決めたけど、別にこんなことしなくたってよぉ・・・人手不足なんだから高ランク魔導師ってことで『即採用~♪』とかなんないかなぁ?

「あ~なんか歩くのだるい、ザフィーラ乗っけろ」

「断る」

「けち!」

ちっ!!

「も~ヴィータ。退屈なのは分かるんやけど、がまんしぃ?元大学生なんやろ?」

「もう、肉体に精神が引っ張られまくったんですぅ。今のあたしは唯の幼女なんですぅ」

「あかん、開き直っとる」

「と言うより、守護騎士なんだから唯の幼女じゃないでしょ・・・」

「突っ込む所はそこじゃない、シャマル」

そんな会話をしていると、

「はやてちゃ~ん、ヴィータちゃん~!!」

「あ、マリーさん!」

前から、本局メンテナンススタッフのマリエル・アテンザ、愛称『マリー』が来た。

「はい、2人の携帯電話。ここからでも地球と通話できるようにしておいたから」

「あ、ありがとうございます!」

「どうもっす!」

ここからでもOKって事は地球のどこにいてももう圏外なんてならないのか・・・すっげ~高性能・・・

「いいよ、別に。それからこれからの事なんだけど、守護騎士の皆はこれから正午まで二次試験と面接なんだけど、その時に近くにマスターがいたらいけないらしいからはやてちゃんは先に帰っていいって」

「そうですか、ありがとうございます!」

「うん、それじゃぁ私はこれで」

そう言ってマリーはその場を離れた。

「う~ん、そんなら私は先に帰るけど・・・心配やな~」

「私たちの事は気にせずに」

「そうよ、はやてちゃん」

「うん・・・あ、せや!」

そう言ってはやては早速どこかに電話をかける・・・なんか見た事あるなこんな場面。アニメじゃなくて・・・・・なんだ?

『はい、もしもし?』

相手はなのはか・・・。

「もしもし?はやてです~」

『はやてちゃん?あれ?どこから?』

「今本局!携帯通じるようにしてもらったんよ。ほんでな~、うちの子たちはも~少しかかるんやけど私は今日はそっちに帰れるから、なのはちゃんたちよかったらお昼とか一緒にどうかな~と思って」

『あ、ほんと?』

「フェイトちゃんも一緒?」

『うん、一緒』

「ほんなら1時間後くらいに私ん家でど~やろ?」

思い出した。漫画版の・・・はやての涙を、なのはとフェイトが受け止めてあげる話だ!たしかなのはが、フェイトといっしょにこたつに入ってて、みかんを食べさせてもらってる・・・やっべ、超見て~。この世界にいるともう客観的にこれを見れないからなぁ~~・・・。そういえばなのは達は今夜から旅行だっけ?俺達は、当分そういうのを控えないといけないから断ったけど。

「おし、今日はなのはちゃん、フェイトちゃんもいっしょやで~!」

「はい」

いつの間にか話は終わり、はやては電話を切った。

「みんなは、これから個人面接と二次試験やね」

「ですね」

「ついててあげられたら、え~ねんけど、マスターは近くにいたらあかんそーやから。けどなぁ・・・やっぱりちょう心配や。皆一人で大丈夫かいな?」

それに俺が返事をする。

「平気だよ、バイトの面接とでも思ってやるから」

「あぁ、そんな感じで良いであろう」

ザフィーラが俺の言葉に相槌をする。シャマルとシグナムは、した事ないって顔してるけど・・・知らんな~。

「改めてゆーとくけどな、みんながしたことは罪は罪や。私も含めてみんなで背負って時間かけて償ってかなあかんことや・・・そやけど自分を責めすぎてもあかん。迷惑かけた皆さんには背筋伸ばしてまっすぐ謝ろ?」

「はい」

ここで俺ははやての『私も含めて』って所で反応した。こいつは巻き込んでしまっただけなんだ。とりあえずデコピンでもしようと思ったが、その前にはやては、俺に抱きつきながら言う。

「そんであとはお仕事一生懸命や。みんなで一緒にいられるようにがんばろ」

「それでは、また後ほど」

「お昼には帰りますから~」

そう言って俺達ははやてと別れた。

「がんばってな~」

はやては手を振りながら見送ってくれた。でも・・・たしか、この後俺達が見えなくなった後どこか寂しそうな顔をするんだっけ・・・。さてと・・・。

「あら、ヴィータちゃん。どこかに電話?」

「あぁ、ちょっとな?先に行っといて」

俺は携帯を出しある人物に電話をかける。

『はい、もしもし?』

「お前のパンツは預かった」

『にゃ!!?』

「クロノに渡されたくなければ、200円寄こせ、ふっはっはっは~~!!」

『そ、その声ヴィータちゃんだね!!?いきなり変な事言わないでよ~!!』

「お~気付いたか。高町なんとか」

『も~、言えるくせにわざと名前を間違わないで~!!』

ヴィータだからしかたないんや~。

『それで、何か御用?』

あ、そうだった。

「ん~、ちょっと頼みがあるんだ」

『へ?なに?私にできる事なら何でも言ってよ!』

お~お~、相変わらず良い子だな~。

「それじゃぁ悪いんだけどさぁ・・・・・はやての涙を受け止めてやってほしんだ」

『え?』

「はやてはまだリインフォースの事引きずってる。けど、あたし達じゃ駄目なんだ」

そう、はやてはシグナム達を守りたいから今頑張っている。俺なら・・・と思うが、俺自身今回はやてに救ってもらったことだし・・・なにより俺にはその涙を受け止めてあげる資格がない。アイツを、最初っから切り捨てた俺には・・・・・。



―だから、お前が負い目を感じる必要はないと言っているであろう―



そんな空耳が一瞬聞こえた気がした。

『ヴィータちゃん?』

「あ!?いや、なんでもねぇ・・・で、駄目かな?」

『えっと・・・私に何ができるか分からないけど・・・うん!任せて!!』

「あぁ、頼んだぜ!」

そう言って俺は電話を切った。

「・・・・・情けないな・・・あたしは・・・」

結局なのは達に頼ってる・・・だけど・・・だから!!これからは守っていく!!はやてもなのはもフェイトも!皆も!!

「うし!!気合入れて面接と行くか!!」



そんなこんなで個人面接。一番手はこの俺!!さて、一体誰が出てくるやら・・・。

「それでは、面接を始めます。私は、時空管理局提督レティ・ロウランです」

「同じく、時空管理局提督及びアースラ艦長リンディ・ハラオウンです」

思わず吹き出しそうになった。何でいるのリンディさん!!ていうかレティ提督って!!

「あ、始めまして!私はヴォルケンリッター・鉄槌の騎士ヴィータです」

「では早速ですがヴィータさん」

「はい!」

「あなたは管理局に入って何がしたいですか」

「はい、私は管理局に入ったら、武装隊に入隊し多くの人を守りたいと思います!」

どうだ!かんっぺきな回答だ!!・・・と思ったらなんか二人して微妙な顔をした。なんだよ!?

「あ、あのねヴィータさん。別に無理に自分を作らなくてもいいのよ?」

「こっちとしては、素のあなたを見ておきたいのだけど・・・」

む・・・なんだよ人がせっかく・・・。

「それと私が面接に同席したのには、あなたに聞きたい事があるからなの」

リンディさんが言ってきた。

「はい?なんでしょうか?」

「えっと・・・いつもどおり喋ってくれると嬉しいかなぁ~?」

「あ・・・じゃぁ、なんすか?」

「それじゃぁ言うけど・・・別に無理して管理局に入らなくてもいいのよ?」

「は?」

なに言ってんの?リンディさんといえば勧誘じゃね?人手不足人手不足~とか言ってて、実際なのはを民間協力者にしたのだってそういうのも視野に入れての事だったりのはずだし」

「否定はしないわ、けど無理やりなんてしないわよ?」

「ぷ、さっきから途中で声に出てるわよ」

やっべ~。は!?リンディさんがこえぇぇぇぇぇえ!!?

「コホン、話を戻すわね?あなたは【特殊事例次元漂流者】という事にもなっているわ。それに今回の事件に関してもグレアム提督に騙されたという事にもなっています。だから・・・・・」

「あ~ストップっす。一応言っておく事ですけど、そういうことも含めてちゃんと考えた結果なんです」

「でもいいの?あなただって、元の世界でやりたかった事とか・・・」

ふと昔を思い出す。そして言う。

「たしかに、ありましたし。そのための大学にも通ってました。まだ一年目でしたけど自分で言うのもなんですか結構順調だったと思います」

「それなら・・・」

「でも、いいんです。それよりもはやて達といっしょに歩いていく、今まで持っていた夢よりも選んだ。唯それだけです・・・それに」

「それに?」

「心配しなくても元の世界にいるもう一人の自分がちゃんと”俺”の夢をかなえるって自信があるので、いいんです」

それについては本当に自信がある。すでに、もうその世界にいる【秋山隆二】がどう過ごしているのか確認できなくなってしまっているけど、姉貴とか他の連中もいる。今の俺に、はやてやシグナム達がいるように、あっちはあっちで頑張ってるだろう。だから、俺は今の俺が・・・【ヴィータ】がやりたいことをやっていけばいい。

「・・・そう、ならもう止めないわ。あなたが決めた事なんでしょ?」

「はい」

そう俺は言った。はっきりと力強く。





「う~し。個人面接と二次試験終了~♪」

「時間通りだな、これなら主はやてに言った通り昼には戻れる」

「えぇ」



その後、俺達は無事に予定を終えて家に帰宅した。

「「ただいま~」」

「ただいま戻りました」

そう言った俺達を迎えてくれたのは、

「「「おかえり~」」」

なのは、フェイト、はやての三人であった。

「今日はなのはちゃんたちがお昼ご飯作るのお手伝いしてくれたんよ~」

「あら、そうなの?」

「すまんな、テスタロッサ」

「あ、いえ」

そんな会話を皆がしている中俺はふとはやてを見た。目が少し赤く泣いたあとのようだ。ちらりとなのはを見る。

ニコリ

少し笑って頷いてくれた。

「ふん!」

俺は、何となく顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。

「にゃはは、ヴィータちゃんお疲れ~♪」

「て、てめ!やめろ!!頭撫でんな!!」

何でここら辺は原作どおりなんだよ。

「え~、いいじゃない」

「駄目だ!!つーか話しただろうが!あたしは元は・・・」

「元でしょ?今は~、ヴィータちゃんはヴィータちゃん♪」

「この~!!」

「あはは~♪」

次第に俺となのはの追いかけっこが始まった。畜生!!なんかもう今更ながら精神が肉体に引っ張られてるのが実感できるな・・・ちょっと複雑だが・・・。

「案外、悪くないかもな・・・」

「?どうしたのヴィータちゃん?」

俺の呟きに反応してなのはの足が止まり、

「隙あり!!」

「うにゃ!?不意打ちのデコピンなんて卑怯だよ~!!」

「あっはっは~あたしに勝とうなんて生意気なんだよ!」

「う~!」

「あはは~ほらほら2人とも~!」

「仲良いのは結構だがそろそろお昼ごはんやよ~♪」

「お~う」

「は~い」

さて、これからも元気にやっていこう!!













おまけ

それはなのはとフェイトの帰り道の事、

「ねぇなのは・・・いいのかなぁ?」

「にゃ?何が?」

「ヴィータからお年玉を貰ったけど・・・」

「にゃはは、大丈夫だよ。どうせヴィータちゃんの事だから『ご縁が良いように五円玉入れたぜ!』とか言うオチだから!」

「だ、だといいけど・・・」

あきらかに感触が札なんだけどな~多分数枚入っている・・・とか思いながらフェイトは笑った。その後、家に帰って五は五でも五万入っているのに驚く子供が二人いたそうな。



<八神家>

「ヴィータ、お年玉くれるんはありがたいんやけど・・・ここに来る前でも未成年やったんやろ?なんかえらく自然に・・・」

「あぁ・・・姉貴が子持ちだったんだ」

「ほんで・・・?」

「・・・・・・・聞かないで」

「ヴィータ・・・ヴィータはもうヴィータなんやからあんまり自分を追い詰めたらあかんで?」

「ごめんはやて・・・でももう習慣で・・・うぅ・・・姉貴め、世界が変わってもなお俺の中で・・・」

「お~よしよし。私の胸で泣きな~」

そんな会話があったとか。





「そういえば、私達はもらえないのかしら?」

「シャマル、お年玉とは子供が貰う物だ」

「え!?そうなの、ザフィーラ?」

「というより相変わらずそういうのに詳しいなザフィーラ」

「ふっ」

なんかザフィーラは無駄にそういうことを知っていた。後日出番を増やしたいというわけではないと語った。







あとがき

それにしても・・・調子に乗るとコレだよ(誤字とか、脱字とか)!!(土下座)

修正頑張ります!報告ありがとうございます!!短い夢であった・・・。アパートとかさ、ゴメンね?ハラオウン家の皆さん。

「許しません」

「ひぃ!?リ、リンディさん!?」

みたいな気分ですぜ。



うむぅ。結局、ファルコンなのか、ホークなのか・・・。皆どうやって調べるんだろう。感心致しました。多分、ホークなのかな?やっぱり鷹だし。もっとこういうのも考えていかないと、と実感いたしました。感謝です。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十七話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/03/08 02:22
いろんな出会いと別れがあった闇の書事件が終わって年が明けて、冬が終わって、そして春が来ました。

・・・・・とかドラマCD風に言ってみたけど・・・正月から数ヵ月後。なのは達も四年生となり、はやても始業式には間に合わなかったが、その次の日から学校に通う事になった。この数ヶ月間で俺はただでさえ局のほうでも忙しかった中、そのうちできる時はなるべくはやての学校への送り迎えをしようと思って車の免許を習得していた。

これは、管理局に属した今だからできた事であった。(俺が、一年近く前に溜めておいた金の残り最後を使って車を買おうと思う、いい加減底ついた。もっとも爺さんからの賠償金がえんらい額入ってたが・・・さっすが元提督。それでもほんの少しとか言うし、まったく・・・)時間がなかったので、最短習得コースで取った。元々持ってたのでストレートに取れたが・・・無免許で今まで運転してたんじゃとか言われたけど。
あ、それと運転する時はリインフォースが残してくれた例の外見年齢変換システムを使って10代後半程度になったけど、その姿になるのはキツイ・・・と言うかだるい!魔力制御の効率は悪いし、何か窮屈だし、ぜってー普段はならねぇ!!訓練すればある程度はなれると思うけど積極的になろうとは思わねぇな。あ~それにしてもそろそろお花見話が出てくるかなぁ?





第三十七話「贈り物とか転生機能停止とか言われてもぶっちゃけアタシにはついていけん Byヴィータ」





「では、私とシャマルは局に行って来る」

「今日中に帰れるか分からないから、もし帰ってこなかったら明日のはやてちゃんの病院付き添いよろしくねヴィータちゃん、ザフィーラ」

「心得た」

「ん~」

俺は何となく不機嫌そうに言う。

「やれやれ、何でそう不機嫌そうに言う」

「だってさ、三人とも忙しいのにあたしだけ・・・」

「ヴィータちゃんだって、充分忙しいでしょ?はやてちゃんやなのはちゃん達みたいに」

「でも三人に比べるとさ・・・基本ははやてと同じ待遇だから、だからやっぱ納得・・・」

そう言いかけると、シグナムが俺の頭を撫でながら言う。

「だが、そんなお前だから主はやてのそばに我々よりも多くいられる」

「だから、私達も安心してお仕事できるのよ?」

「その通りだ」

・・・あ~まったく、

「んなこと言われたら納得するしかねぇじゃんか」

「ふふ、それが目的だもの」

「ではな、今度こそ行ってくるぞ」

「お~う、気をつけてな~」

そして二人は出かけた。

「さてと、そんじゃ俺達もはやてを向かえに行くか?」

「あぁ、もう学校の手続きも完了しているであろう」

その後俺達も学校の最後の手続きと制服の受け取りのためリンディさんといっしょになのは達の通う聖祥に行っていた。手続きとか俺は流石に慣れてないのでリンディさんに頼んでいたのだ。



そして次の日結局シグナム達は夜通し勤務となったので俺とザフィーラがはやての病院での検査に付き添うことになった。

「いや~ザフィーラの子犬フォームは膝に乗せれてええなぁ?手触りもええし」

『恐縮です』

今俺が車椅子を押しているのだがザフィーラはのんきにはやての膝の上だ。

「なぁザフィーラ。狩られたウサギは毛がむしられるって知ってるか?」

『何故今言う!!』

「ヴィータ、想像してしまうから止めぃ」

む、滑ったか?

「とかそうこう言ってる内に病院に着いたわけだが、待ち時間が暇だなぁ」

「まぁ、こればっかりはしゃぁないからなぁ・・・あ、ヴィータは外のザフィーラの所に」

「はやてが呼ばれてから行く」

「でも、ヴィータがおらんと一応誤魔化しにリードを柱にくくりつけんとあかんのやよ?」

「ニヤリ・・・」

「・・・・・まったく、突っ込まんで?」

ふん!はやての膝の上で楽した罰だぜ!!

『八神さん、八神はやてさん。どうぞ』

「あ、は~い。ほんならヴィータ、行ってくるね?」

「お~う」

そして俺は外のザフィーラのもとに行ったのだが、何か二人の女子高生がキラキラとした眼差しでザッフィーを見ていた。

「あの・・・うちの犬が何か?」

「あ、この犬。君の家の子?」

「はい」

「さ、触っても良いですか?」

うっわ~、かわいい物好きな人たちだなぁ。ザフィーラの声を聞いたらきっと引くだろうな・・・

『ヴィータ、分かってるな?』

『あぁ、分かってるさ』

そう、こういう時は、

「ご自由に♪」

「「ありがと~う!!」」

「わ、わん!!?」

そして始まる、ザフィーラ撫で撫での会。

「きゃは!かわいい~かわいい!!」

「ほんとフカフカ~♪」

うんうん、人気者だ。

「ちっちゃくって柔らか~い!!」

「ねぇねぇ、この子なんて種類の犬?」

「あ、そうですねぇ~雑種ですね。けど体も丈夫で健康そのもので、自慢のうちのわんこですよザフィーラ君は」

何となく、わざとらしく君付けにした。

「だよね~雑種は丈夫だから良いよねぇ~」

「ザフィーラ・・・君ってことはオスなの?」

「そうです」

「え~それにしてはかわいすぎ~!!」

「でも良く見るとかっこいいかも~♪」

ザフィーラ、よかったな。青少年の憧れの犬になって女の子にべたべた!が体験できて?

『ヴィータ、なんとかこの場から離れる事は・・・』

『諦めろ、これがペットの宿命だ』

『お、俺は・・・!!』

『あ、カモフラージュもかねて今度予防接種の注射でもしに行くか?』

『な!!?』

『元獣医を目指してたあたしの意見としてはな・・・』

『ま、待て・・・!!』

お、焦ってる焦ってる。

『ま、それは冗談だけど今のうちに慣れとけ、子犬って結構な需要があるからな』

『グ、グゥ・・・』

ま、アルフも最初はこういうことがおきてたとかフェイトも言ってたし、頑張れや。



「ま、そんなこんなでザッフィーは子犬なのをいいことに女子高生といちゃいちゃしましたとさ!」

「ほぉ~、そらまた・・・」

「わ、わん!!(ご、誤解です主!!)」

ザッフィーの『わんわん』ははやて案だぞ?

病院の検査も終わり俺達は家に帰る途中であった、検査結果はやはり順調に回復してるとの事なんで、今後はリハビリの事も考えないといけない。数年間車椅子生活だったのでやっぱり一、二年はかかかるそうだ。

「はいはい、分かっとるよ。ザフィーラはそういうことせぇへもんねぇ~。わんわん♪」

はやてはザフィーラの前足を軽く引きながら言う。

「わ、わん(理解してくれて助かるが、この姿になって犬扱いがさらに増したような・・・)」

「お前がわんわん言ってる時点でアウトだ」

「わわ・・・わん?(なん・・・だと?)」

ごめん、おもろい・・・笑いこらえるのもそろそろ限界だな。でもこうしないとな将来エリオやキャロに『喋れたの!?』とか言われる羽目になるんだぞ?

え?関係ない?・・・やっぱり?



「ただいま~」

「って、誰もいないけどな~」

「シグナムとシャマルはまだのようだな」

まだ帰ってないか、もうそろそろだと思うんだけど。

<チャラチャラ~♪>

「あれ?はやて携帯が鳴ってるぜ?」

「あ、ほんまや・・・えっと、もしもし?」

ん、やっぱりアレかな?

「ただいま~」

「今帰った」

お、二人とも帰ってきた。

「お~う、おかえり~。はやて今電話中だから静かにな~」

「あら、誰から?」

「聞いてれば分かるさ」

「あ、すずかちゃん!どないしたん?・・・お花見?それはええね!すばらしいなぁ!!うんうん分かった、お誘いありがとうなぁ!!」

はやては詳しい話を聞いている。そんな時、

<チャラチャララ~♪>

「ん?ヴィータ。お前のも鳴ってるぞ?」

「あん?む、誰か・・・なのは?」

まさか・・・。

『もしもし、ヴィータちゃん!?あ、あのね!今度お花m<Pi!>・・・・・』

全部言い終わる前に切ってやった。

<チャラチャララ~♪>

「また鳴ってるわよ?」

「ちっ!・・・はい?」

『いきなり切るなんて酷いの!!』

「うっせー、お前今すずか達といっしょにいるだろ!はやてにすずかが電話してるの知ってるのに何でするんだよ!!」

『えっと・・・それは・・・ほら、ヴィータちゃんがいっしょにいるとは限らないからで・・・』

「じゃぁ、今はやてといっしょだから心配するな」

『あ、そっか。なら安心だね・・・あ、でもせっかくだしもう少し・・・』

「じゃあな、次の連絡頑張れよ」

『えぅ・・・は~い』

そう言って俺は電話を切った。

「ちょっと冷たくないかしら・・・」

「甘やかすと癖になる」

「いや、それは使いどころが違う」

いいんだよ。こんぐらいでさ、それに・・・

「映画に出るからっていい気になりやがって!!」

「な、何の話!!?」

「あ~たまにヴィータは変な発言するからな~。あ、せや今度お花見の誘い受けたんやけど皆もいくやろ?」

「え?えっと、一応予定は入ってないようですけど・・・一応・・・」

「あぁ、レティ提督に聞くべきであろう」

<PiーPiー>

ん?何の音だ?

「む、通信か・・・」

そう言うとシグナムは通信用の魔法陣を展開させる。

『こんにちはシグナム。あぁ、他の子達もいっしょね?ちょうどよかったわ』

「どうされました?」

『ちょっとね、リンディにお花見に誘われたんだけどあなた達はどうするのかなぁって』

「えぇ、元は主はやてのご友人からの提案で、テスタロッサを経由して巡り巡って提督のところにお話がいったようです」

「ちょうど予定も入ってないですし、はやてちゃんのお供ですから私達も行っちゃったりしていいでしょうか?」

『予定が入ってない人を、引き止めたりしないわよ。問題は無いわ』

「ありがとうございます。レティ提督」

守護騎士の一員として、一応俺もお礼を言っておく。

「人数は多くても構わないってお話でしたから、私達もちょっと日頃お世話になってる方をお誘いしようかなって・・・」

『了解、それじゃぁ今度の土曜日にね?ちょうどヴィータともお話してみたかったし。他のヴォルケンリッターに比べて話す機会が、今はまだ少ないしね?』

「あ~まぁあたしはちょっと特殊なもんで・・・あはは」

『それじゃぁ楽しみにしてるわ・・・あ、それとついでだけどシグナムは明日の・・・』

「はい、武装隊への出向ですね?」

『わかってるならいいわ、じゃあね』

そう言って通信が切れた。でも、シグナムはまた明日も仕事か・・・。

「・・・・・・」

「一度納得したことをまた言ったりはしないものだぞヴィータ」

「うっせーな、ザフィーラ」

「あはは、でもよかったなぁ~皆・・・あ、せや。石田先生にもお誘いの電話を・・・」

「あ、私がやっておきますねぇ~」

そう言ってシャマルは電話をかける。





「ただいま~」

「シャマル、おかえり~」

「おかえり~」

あれからしばらくしてシャマルは買出しに出かけた。そしてその間にはやてと残っていた俺達はと言うと・・・。

「ただいま皆、駅前のパン屋さん焼き立てタイムだったからちょっと買ってきた・・・」

話の途中でシャマルは部屋の現状を見て驚嘆した。

「あら!?どうしたの制服なんて広げて・・・もしかしてはやてちゃんの着せ替え!?」

「試着と言え!失礼な!!」

ナイス、シグナム。

「あはは、まぁまぁ」

「あ~もぅ!私のいない間に楽しそうな事を!」

「しっかし、制服なんて・・・さっすが私立だよな~」

ちょっと遠いし、小学生なのに通学でバスなんてな・・・。

「あら?公立は無いの?」

「は?何当たり前のこと言ってんだよシャマル」

「一般的には中学かららしいからな」

相変わらずそういうことを知ってるザッフィー。

「まぁ、とにかくちょうど着替える所やから・・・よしっと」

そういいながら着替えるはやて。あ、ザフィーラ?

「どこ行くんだよ」

「俺は席をはずす。終わったら呼んでくれ」

まだはやては子供なのにな、律儀な奴。

「あたしも出るかな?」

「お前は元だ、問題ない」

さいですか。

「それにしても少々心配ですね、学校にいかれている間はお手伝いは何もできませんから」

「ん~まぁ心配はいらへんよ、元々たいていの事は一人できるんやし・・・よいしょっと」

はやては着替えながらそれに答える。

「なのはちゃん、フェイトちゃん、ありさちゃん、すずかちゃんも一緒やし、義務教育は受けとかなあかんってレティ提督のお言葉やし、頑張って小学生やってみるよ!」

「お勉強のほうは大丈夫なの?」

「ん、そこら辺はなのはちゃんにヴィータが教科書を貸してもらって教えてくれたから」

「そんな事もしてたのかお前?」

「まぁな、さすがに私立だから勉強が進んでたけど仮にも元大学生なもんでな」

ゆとり教育じゃないんだよ。

「えっと・・・これで完成かなぁ?」

「はぁ・・・やっぱりかわいい!」

「はい、良くお似合いです」

「お~いザフィーラ。着替え終わったぞ~!!」

その後はやての制服批評会が始まったが、次第に話が今回の事件の話へと移っていった。はやての皆への感謝、そして他のみんなのはやてへの改めた謝罪。そんな中俺は唐突に膝をつき、改まった口調で言う。

「夜天の王、そして守護騎士達・・・烈火の将、風の癒し手、蒼き狼の三名よ、我新たに任命されし紅の鉄騎としてこの場で改めて謝罪を申し上げる。申し訳なかった」

「似合ってないわよヴィータちゃ・・・<スコーン!>いたっ!!?」

俺はそのままの姿勢で銀弾をぶつけた。空気読め、シャマル。

「此度の一件で、私は夜天の書が完成すればどうなるかを知っていて今回の行動を起こしてしまった、その結果主であるはやてを危険にさらし、最終的には管制人格である・・・祝福の風を・・・」

あれから数ヶ月経ってるけどやっぱり完全は吹っ切れてない・・・俺は・・・

<ゴチン!!>

「~~~~っ!!!な、なにすんだシグナム!!」

いきなりシグナムが拳骨をしてきた。

「くく、どうしたヴィータ。言葉が乱暴になってるぞ?」

「こ、こんにゃろ~人が下手に出れば~~!!表出ろ!!アイゼンの頑固な汚れにしてやる!!!」

「ふん、いいだろう!いつまでも、うじうじしている奴など私のレヴァンティンの錆にしてやろう」

「んだとぉ!!」

「あ~もう、止めや二人とも!!」

今にも喧嘩をしそうな俺達をはやてが止めた。

「だってよ~、はやて」

「ヴィータ、これはシグナムなりにヴィータを元気付けとるんやよ?」

「はぁ~?拳骨で元気付けるって、どんだけ肉体言語なんだよ?」

「やかましい、うじうじしているような奴にはこれぐらいがちょうど良い」

「ちっ、わーったよ。今日はここまでにしておく」

「何で偉そうなんだ!?」

「も~二人とも!・・・・・それに謝るんやったらむしろ私や」

「主?」

「私は皆から永遠を奪ってしもうた」

それにシグナムが答える。

「あぁ、転生機能の停止のことですか?」

「うん、前に少し言うたな。リインフォースと防御プログラムの分離と消滅とで転生機能がもう働かへん。今の守護騎士プログラムは私の命に依存してる・・・せやから私が死んでしまったら皆は再生でけへんようになって・・・」

「愛のデコピンアタック!」

俺ははやてが全部言い切る前にデコピンをかました。

「ちょ・・・いた!?何すんねん!!」

「ガキがなに暗いこと言ってんだよバ~カ!能天気に笑ってみろ」

「あ、あんなぁ結構真面目な・・・」

「はやてちゃん?」

「シャマル?」

ふいにシャマルがはやてに話しかけてきた。続けてシグナム、ザフィーラが言う

「私達は、そんな事気にしてません」

「はい、我々は今まで流浪を続ける無限の旅を続けていました。ですが、我々はようやく得る事ができました旅の終えを」

「主と生き、そして主を見送った後に私達も消える・・・それはまるで人の身のように」

「だからこれはきっとリインフォースからの贈り物だと思うんです・・・私達は永遠と言う牢獄から解き放たれました・・・これははやてちゃんとリインフォースのおかげです」

「ご理解いただけましたか?」

「・・・・・そっか、そんならこれから皆で生きような!ずっといっしょに・・・ずっとな!!」

「はい、もちろんです」

「この身に命がある限り」

「あの子の・・・リインフォースの分まで」

うん、まぁ何とかうまくおさまったようだな。あ~でもこいつ等なんかこう・・・もっとシンプルにいかないのかな?今いっしょにいる、それでOKみたいな?

「・・・あ、でも」

?なんだろう?何でこっち向くんだ、はやて?

「ヴィータはどないやの?その事については・・・?」

「はぁ?あたしに聞くのは間違いだぞ?こちとら元々ただの一般人なんだよ。急にその体は永遠でしたが、もう違いますとか言われてもなぁ・・・」

ふむ・・・

「ま、皆と面白おかしくいっしょにいれればそれでいいさ!なんたってあたしはヴィータなんだからよ!!」

そう言って俺はニカッと笑って見せた。

「そっか、ならヴィータも!これからずっといっしょな!?」

「おう!!」

そんな感じ、さてそれはさておき今度の土曜はお花見か~!!うん、結構楽しみ!!













おまけ

それは免許を取ったときのこと。

「ヴィータちゃん!」

「あん?どうしたんだよなのはにフェイト?」

急になのはとフェイトが家に来た。

「えっとね、車の免許とったって本当?」

「あぁ、ちゃんと大人の姿でな?ホレ」

そう言って俺は免許を渡した。

「うわ~すっご~い!」

「本当~!」

こいつらあいかわらず俺のこと外見で判断してやがる。完全に変えるのも嫌だが少しくらい見方変えたって・・・

「へ?」

「あれ?」

ん?どうしたんだ?

「ねぇヴィータちゃん・・・」

「いつから【ヴィータ・ハラオウン】になったの?」

なん・・・だと・・・?



「ちょっと!!どういうことっすかリンディさん!!」

『あらあら、今頃気付いたの?』

だって教習上では最初のほうで呼ばれてたんだもん。

『ふふ、ちょっと前に言った事を叶えてみました♪』

「あの、俺を引取る発言ですか!?」

『そう、まるであなたがお家の人とうまくいってないような事を言ってたから言ってみた事なんだけど・・・・・』

「いや、気付いてるでしょ?あれは【夜天の書】の事を・・・「ヴィータ?」・・・は、はやて!!?」

いつのまに帰って・・・。

「ふ~ん・・・私とヴィータってうまくいってなかったんや~」

「ち、ちが!!?」

「ふ~ん」

「は、はやて~~~~!!!」

『あらあら♪』

その後一週間はやてが機嫌を直してくれなかったのはまた別のお話。









あとがき

姉は最強にして畏怖の存在なのです。ちょっと、なのはに憑依してしまった姉の話とかも考えた時期があります。こんな感じ、

「話を聞かせて!!」

「誰が話すかバ~カ!!」

「・・・本当に?」

「な、なんだよ・・・?」

「・・・・・偉くなったわね、隆二?」

「ひぃ!?ま、まさか・・・」

「そうよぉ~、麗しのお姉さまよ~・・・ちょっとのってあげたらいい気になっちゃって~」

「ま、待って!?姉貴!!!?」

「問答無用!!お姉さまバスター!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

ボツにして正解でした。大魔王すら生ぬるい。超魔王!!ちなみにお年玉の金銭感覚も姉貴によって植えつけられたため高かったのです。



それと、美由希さんとすずかちゃんの話・・・やばい。考えていたのに書くの忘れてた。うん、そろそろ教えてあげないと・・・。考えをまとめなおすか~・・・。

それにしても、お花見か・・・そういえば、桜咲くのあと少しかな?

あと、誤字・・・おしい!おしいよ!!いや、探せばまだ出てきちゃうかもしれないけど・・・。毎度、報告ありがとうございます!!



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十八話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/03/12 01:39
俺は目を瞑り、膝をついていた。

「闇の書の起動を確認しました」

「我ら、闇の書の蒐集を行い、主を守る守護騎士にございます」

「夜天の主の下に集いし雲」

それらの言葉を聞いた後、俺は最後の台詞を言う。

「ヴォルケンリッター。何なりと命令を」

だが、そこで俺はある違和感に気付いた。俺以外の台詞は何故かシャマルだった。ふと目を明け隣を見るとそこには・・・。

三人のシャマルがいた。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!?」

そこで目が覚めた、マジで夢でよかった!!!!!

そんなお花見当日の朝のこと。平和です・・・・・夢は最悪だったけどな!!





第三十八話「花見だぜ!!食べ物いっぱいだぜ!!」





「という夢を見た。とても怖かったぜ」

「それは怖いな」

「まったくだな」

「どういう意味よ三人ともー!!!」

俺達は今日のお花見の準備をしながら話をしていた。

「いや、普通に考えてみろよ。自分以外の守護騎士がシャマルだけとか」

「しかも三人か・・・」

「恐怖としか言いようが無い」

「同じ人間が三人なんて、怖いのは当たり前でしょぉ!!!」

そこに、シグナムが更に変な仮説を立ててきた。

「いや、ヴィータのような特殊な事例があるんだ。守護騎士システムの誤作動で、重複された存在になってしまっても・・・」

それに俺が反応して言う。

「うっわ!リアルでこえぇ!!少なくとも、あたしの時より現実に起きそうでこえぇぇ!!!」

「いい加減にしてよぉぉ!!」

俺のわざとらしい叫びの次にシャマルの涙目のマジの叫びが響いた。

「こらこら、朝からシャマルからかうのはあかんよ?」

「あ、はやてちゃ~ん!!」

ここぞとばかりにシャマルははやてに泣きついた。

「ほらほら、皆。シャマルいじっとらんで準備や!今日は・・・」

「お花見・・・ですもんね!!」

シャマル復活早いなぁ・・・・・。



つー事でやってきましたお花見会場!!

「おお!!これはまた人の多い事、多い事!!!」

「本当やなぁ」

「何十人いるのかしら・・・」

「アースラスタッフだけでなくレティ提督の掛け声もあって武装隊や他の者達も大分来ているようだからな」

しかしこれはまた、大宴会というか、なんと言うか・・・・・。

「それにしても、関係者以外の人はいないなんて凄い穴場ね?」

シャマルの疑問にザフィーラが言う。

「いや、どうやらどこかの家の私有地らしい」

「多分、すずかかアリサの家だろうな」

本当に凄いな。

「まぁ、ええやんか。おかげでこんな綺麗な桜見ながらお花見できるんやから!!」

「そうですね?」

「はやてちゃ~ん!!」

ん?あれは・・・。

「すずかちゃん!今日はお誘いありがとうなぁ!!」

「ううん、こっちこそ!来てくれてありがとう!!」

「なぁ、すずか一人か?なのは達は?」

俺は気になって聞いてみた。

「あ、今なのはちゃん達は準備のお手伝いをしてるの。だから私もすぐに戻らないと・・・」

「そっか、なら私達も手伝わなあかんな・・・おし!皆行くで!!」

「はい」

「承知しました」

「ええ」

「おう!」

「そういう訳やから、すずかちゃん。また後でな?」

「うん、それじゃぁまた後でね?」

そう言ってすずかも戻っていく。

「さて、そんじゃあたし達も行くか!」

そして俺達も準備の手伝いに行った。



「それではお集まりの皆さん!お待たせしました~!!」

いつしか準備も終わりいよいよ花見が始まった。最初にエイミィと美由希さんが挨拶をおこない、そして責任者のリンディさんの挨拶と乾杯の音頭をした。そして・・・

「それでは、今日のよき日にかんぱ~い!!」

「「「「「かんぱ~い!!!」」」」」

五十人近い人たちが同時に乾杯した。

「あん?はやては?」

「なのはちゃん達の所へ行ったわよ?」

「ちゃんと言って行ったぞ?」

ありゃま、気付かんかった。

「それじゃぁ、私達も行きましょうか?」

「そうだな・・・とりあえずは二人一組で別れるか?」

「おし、じゃぁ、シグナム、シャマルは右から。そしてあたしとザフィーラは左から行くぞ。・・・皆、なにが起こるかわからん(酒の席だし)気を抜くなよ!!酔っ払いは怖いぞ!!!」

「なにを言ってるんだ、お前?」

滑ったらしい。

「行くぜ、ザフィーラ」

「はぁ・・・分かった」

何でため息つくんだよ!!

「は!?ここは『戦いにでも行く気なの!!?』って突っ込む所だった!!?」

おせぇよシャマル。

「それで、まずはどこに行く?」

「う~ん、まずはレティ提督に挨拶に行くか・・・」

「ふむ、レティ提督は・・・む、あそこか。リンディ提督といっしょにいるな」

お、いたいた。

「こんにちわっす、レティ提督、リンディさん」

「あら、ヴィータさん」

「ザフィーラもいっしょね?」

「昨日ぶりです」

あ、そっか。ザフィーラ昨日も仕事でレティ提督に会ってたっけ?

「どう?元気にしてる?」

「あ、はい。そこそこに」

その後適当に世間話をして、今度は別の所に行くように進められ俺は別の所に行く事にした。途中でザフィーラとも別れ一人でうろうろしていると。

「~~~~~~♪~~~~~~~♪」

これは・・・フェイトの声?

「あ、ヴィータちゃん?」

「シャマル、これは?」

「見ての通り、フェイトちゃんが歌ってるのよ」

おお、キャラソン!?生で聞けるとは・・・。ふと隣を見た、シグナムが軽く聞き惚れてた。俺の存在に気付かないほどに。

そんな事を考えながら聞いていると、いつしかフェイトは歌を歌い終え周りの者達はフェイトに歓声を上げていた。シグナムとシャマルも褒めている。

「あれ!?ヴィータも聴いてたの?」

「何だよ、今頃気付いたのか?」

結構な集中力なこって。

「あ・・・えっと、ど、どうだった?」

フェイトが、何かもじもじしながら聞いてきた。そのしぐさに、ちょっと萌えたのは内緒。

「ま、いいんじゃねぇか?」

「ヴィータちゃんはこういうの素直に褒めないから、直訳するととてもうまかったって・・・」

「シャマル!!」

「あはは~♪あ、そこのお肉美味しそう!ほら、ヴィータちゃんも!!」

「誤魔化すな~!!」

そんな俺達に、アースラスタッフである・・・アレックスとランディだっけ?が話しかけてきた。

「あはは、まぁまぁ。これでも食べて落ち着きなよ」

「もっとも、そこの狼に噛みつかれないように注意が必要だけど」

そういわれるとアルフもガルゥゥゥと唸った。

「き、気をつけま~す」

シャマルは苦笑いで答えた。一方、フェイトとシグナムは何か話し込んでる。あれだ、敬語はどうとか、追い抜くとかこれからも頑張るとかそんな感じなことをご機嫌で話してる。

「さて、あたしは次行くか」

「あら、もう行くの?」

「ん~。じゃ、またな~」

さて、次は誰と出会うやら。



ん、何か香ばしいにおいが・・・あれは。

「おう、クロノとエイミィじゃねぇか?焼きそば作ってんのか?」

「ん?今度は君か?」

「あん?」

「さっきまで、なのはちゃんとユーノ君が来てたんだよ」

ふ~ん。

「しっかし、焼きそばか~懐かしいな~」

「ん?何か思い入れでもあるのか?」

「ん~、ちょっとな~。大学の学祭の時にさ、サークルをやってる奴に手伝い頼まれたっけな~っと思いだしただけ」

「ヴィータちゃん、あの話本当だったんだ~」

なんか、エイミィが感心したように言う。

「にわかには、信じられないがな・・・」

「ふふん、どうだクロノ!?年上だぞ!敬え!!」

「却下だ、君は自分は今ヴィータだと、そう結論づけたんだろ?今までどおりで問題ないはずだ」

相変わらず、ああ言えばこう言う奴だ。

「へ、口の減らない子供だな」

「僕はもう今年で15だ!!」

「その割にはちいさ!!」

「何だと!!」

「はいはい、そこまで!ていうかクロノ君。焼きそば焼きながら口喧嘩なんて器用すぎ」

「マルチタスクを使えば、なんて事は無い」

さすがミッド式。いや、一応俺もできるんだけどベルカ式の魔導師と比べるとやっぱりレベル高いんだよな。

「それにヴィータちゃん、クロノ君は今遅めの成長期に入ったんだよ?声変わりも始まったし」

「本当に一、二年遅くないか?」

「大きなお世話だ!!」

「んで、エイミィ?大きくなったら美味しく頂くとか?」

「あはは~、検討中♪」

「だから、そんな事を身内で決めるなって言ってるだろ!?ちゃんと探せ!!」

「そして、『やっぱり色々な男を見たけどクロノ君が一番!!』とか言わせる気なんだろ?さすが執務官殿!!」

それに対してエイミィはわざとらしく驚いて言う。

「そ、そうだったのクロノ君!?」

「ち、違う!!大体、執務官は関係なんだろ!?」

「大丈夫だって!!将来は双子のお子さんを持つから!!」

「君ももう黙れ~~!!」



そんなこんなでクロノの奴が本格的にきれはじめたのでとっとと退散して、いい加減腹も減ってきたので適当に座って食べる事に専念していた。

「あ、ヴィータちゃん!」

ん?なのはか?

「お~う、なのはか。あと・・・いんzy「ユーノだよ!!」・・・ユーノ・スクリューパンチか?」

「誰それ!!?」

ん、ナイス突っ込み。

「良くやったユーノ。これで影が薄いキャラから、突っ込みキャラへのクラスチェンジの可能性が・・・」

「意味分からないよ!!」

これで三期も戦えるぜ!!

「にゃはは、相変わらずで安心したよ、ヴィータちゃん」

「ん、そう言うお前も元気そうだな。ちゃんとカートリッジの使用は控えてるか?」

「えっと・・・ど、努力してます」

うっわ!!めっちゃ負傷事件のフラグが立ってるよ!!!

「まったく、お前はまだ体が出来上がってないんだから気をつけろよ?砲撃系は、ただでさえ反動が強いんだから」

「は~い。あ!所でヴィータちゃん?最近お仕事のほうはどう?」

「あ~、ボチボチだな。忙しいっちゃ忙しいけど、シグナム達に比べるとまだ楽さ」

「そっか」

「ん。ま、しばらくは、はやてやシグナム達と同じ配属になるだろうから当分は気が楽だな」

つっても、数年もすれば、ばらけた配属になるだろうがな。どうすっかな・・・確かアニメだと、航空教官だっけ?別になぞるつもりは無いが・・・とりあえずゆっくり考えていくか。

「ねぇ、ヴィータちゃん?」

「あん?」

「これからいっしょのお仕事をする機会とかあると思うけど、その時はよろしくね?」

そう微笑みながら言った。

「へ~へ~。無茶するお子様は大人のあたしが守ってやるよ」

「ヴィータちゃんも子供でしょ?」

「だから、中身大学生だっての。それ以前に【鉄槌の騎士】の活動時間はそれはそれは気の遠くなるくらいにな~」

「にゃはは、そういう子はこうしちゃおう!」

そう言いながら、俺の頭を撫でてくるなのは。プライドが傷つく!!

「止めろっての!気安く撫でんな!!許可してねぇぞ!!」

「え~じゃぁ許可して~」

「するかぁ!!これでもくらえ!!」

俺のデコピンが炸裂した!!

「にゃ!?」

「へ、これで少し頭冷やせ!!」

「む~、まだまだ~!!」

だけど、負けずにトライしてきた。しつけぇなコイツ!?

「こんにゃろ~!あ、てめ!!避けんな!!そして撫でんなぁ!!!」

「にゃはは、負けないも~ん☆」

そんなやり取りがしばらく続いた。



「まったく、あんにゃろぉ!!」

結局なのはの奴に逃げられた俺はまた適当に歩いていた。

「あ、ヴィータ!!」

「ん?あ、はやて!!」

呼ばれて俺ははやての所に行くそこには、

「あ、石田先生!こんにちは!!」

「あら、ヴィータちゃん。こんにちは」

お、石田先生も来てくれたか。

「なぁヴィータ。石田先生すぐ帰るとか言うてるけど、どないや?」

「あ~・・・無理に引き止めるべきじゃないけど、気を使っての事ならゆっくりしていってくださいよ」

「え~っと・・・まぁ、そこまで言われたら・・・ちょっとゆっくりしていこうかしら?」

それを聞くとはやては他の連中に念話で石田先生が来たのを知らせ、俺に食べ物を持ってくるように頼んだ。

「んじゃ、ちょっと行って来る!!」

「いってらっしゃ~い」

ん~俺も何のかんので、まだまだ食いたりないし、多めにもって・・・

「そう言えば、隆二君は?いないの?」

「あ~実は実家の都合で、田舎に帰ったとか・・・」

「はぁ!!?何それ!!!!?」

・・・・・なんか不吉な会話をしているような気がするが、早足で離脱せよ!!!



んで、食料集めを一通り終え戻った。俺は今両手いっぱいに持ってきた・・・いいだろ!こっちだって腹減ってるんだよ!!

「おまちど~」

「お~、お疲れ~・・・って、わ!!?多すぎやでそれ!!?」

案の定言われた。

「あらあら、沢山持ってきたわねぇ」

「あはは、自分の分も含んでいるんで」

「それでも多すぎやろ?」

「ん、なんか歩いていると次々に渡してくれてさ、あ、エイミィとクロノから焼きそば貰ったぜ!何か特製だってよ」

ふん、お手並み拝見してやるぜクロノ。

「すみません、お待たせしました」

「石田先生、いらっしゃい」

「シグナムさん、シャマルさん。こんにちは、お邪魔してます。ザフィーラ君もこんにちは?」

「わん!!」

名犬ザッフィーw

「あらあら、食べ物がいっぱいねぇ~」

「幾らなんでも、持ってきすぎだろう」

「いいんだよ!いろいろあってあんま食えなかったから、余ったらあたしが食べるし!!」

食べようとしたら、なのはに構ってたりとかであんま食えなかったんだよ!!

「つーか、今食う!!」

もう限界!!腹減った!!まずはクロノの特製焼きそばとやらからだ!!

「む、意外にいけるな。伊達に特製と言ってないな?」

「ふむ、確かに良い香りだな?」

「私もいただいちゃおっかな~?」

「おう、食え食え!流石に持ってきすぎたからな!!」

そう言って、俺はシャマルに焼きそばを渡した。一方はやては・・・

「あ、あの!多分私、石田先生と良く似た仕事をすると思います!!悪い所を押さえて、ええ所は、ええ所のままでおられるようなお仕事をすると思います・・・」

そして、自分の思いを語った後、最後に自分みたいな患者に辛抱強く接してくれた石田先生の事を思い出す、そうはやては語った。もっとも、石田先生にはまだリハビリは一、二年残ってるって怒られてたがな。

「あ~いたいた~♪ヴォルケン~リッタ~♪ちょっと、ちょぉっといらっしゃ~い♪」

うっわ!!?レティ提督!!?すっげ~酔っ払いっぷり!!

「レティ提督・・・」

「提督?」

わ!?い、石田先生がいるのに!!?そして、こっちに来させようとするレティ提督は、石田先生にも気付いて、石田先生すら引っ張っていこうとする。

「はぁ~まったく。一番酔ったら拙い人が、何で酔うのかなぁ~。ほら、お水ですよ!!」

「あ~ら、ありがとう。ヴォータ♪でもね?な~んで私が酔ったらいけないのかしら~?て言うか、酔ってないからねぇ~♪」

いや、酔ってるから。て言うか、誰だよヴォータって!?わざとだよな!?B太とかC太とかの方が、まだマシだ!!

「あ~らら、ほほほ~。ごめんなさいねぇ~!ちょっとご迷惑を~!!」

「スミマセンでした!」

あ、リンディさんにフェイト?その後二人は、何とかレティ提督を引きずって行こうとしたが・・・・・。

「あ~もう!分かったわよ!けどねぇ~ヴォータ~♪あなただけでも、いらっしゃ~い♪」

What!!?

「ちょ・・・はっ!?」

周りを見ると、何かこう・・・スマン、生贄になってくれ。見たいな視線が俺の心に酷く突き刺さった・・・。

「え!?ちょ・・・みんな!!?」

「ほ~ら!ヴォルケンリッター、一名ごあんな~い♪」

<ずるずる~>

「ちょ~~~~!!?」

お願い!見逃してぇ!!

「ご、ごめんね?ヴィータ・・・」

「被害を、最小限に食い止めるためだと思って・・・」

「リンディさん!?フェイトまで!!!?」

ちょ、なんではやて達は手を振ってる!?

「ち、ちくしょぉ~~~!!!」

せ、世界は~~~!!

「いつだって!何とやら~~!!」

もう全部を言いきる気もでない!!



その後の事はよく覚えてない。どこで聞いたのか、俺が大人モードになれるのを知ってレティ提督が俺を大人にさせた後、お酒を飲ませた事までは覚えている。

次に目が覚めたのは、シグナムにおんぶされながら帰っている最中であった。なぜかシャマルの上着を着せられて、下は半裸状態であった・・・・・・・・・・家に着いた途端皆に、めちゃくちゃ怒られたが、結局俺の身になにが起こったのか聞かなかった。つーか聞くのが怖かった。ちなみにレティ提督も、その日の半分の事は記憶が飛んでいたとか。



そして、その夜

俺ははやてと共に、なのはとフェイトとの魔法訓練のために家を出ていた。他の皆は、明日も仕事があるので早めに休めるように家に残してきた。

「なのはちゃん、フェイトちゃん!お待たせ!!」

「お~う、来たぞ~!」

「はやてちゃん!ヴィータちゃん!!」

「二人とも、お疲れ!」

挨拶を軽くした後なのはは、はやてにデバイスの調子を聞いてきた。はやての中にはリインフォースが残した力がある。そのためかなりの魔力があり、そこらのデバイスでは耐え切れないのだ。実際今日も2個のうち1個壊れたし、もう1個もギリギリ使えるだけだしな。たしか【歩くロストロギア】とか言われるんだっけ?

「ねぇ。飛行制御やってる間、昼間の特等席の桜を見に行こう!」

「うん!」

「ええね!夜桜も綺麗やろうねぇ!!」

ふ~ん、そんなのがあったのか?知らんかった。そして俺達は騎士甲冑、バリアジャケットを展開させて訓練に入る。

「では、デバイス起動無しでの飛行制御、レベル7での空中軌道の後、、各自のトレーニングメニューに入りま~す!!」

「はい!」

「了解です!」

「おう!」

デバイスの補助なしって、結構だるいんだがな・・・。今まで全力で戦ってきたから、こういう細かい動作苦手なんだよなぁ・・・。新しく魔法考える時も、大型のばっかだったし。

「あ、あれだよ!お花見の時に見た桜!!」

「本当だ、夜見ても綺麗~」

「ほんまやねぇ~」

「って!はやてちゃん!!コースがずれてるよ!合わせて!!」

「すんません!教官!!」

「あはは、何やってんだよはやて♪」

「ヴィータちゃんはもっとずれてる~!!」

「んだと!お前等が外してんだよ」

「あはは、何やっとるんやヴィータ♪」

そういえば、この世界に来てもう一年を越すのか・・・。いろんな出会いがあったけど、きっとこれからも様々な出会いがあるんだよな。俺の知っている未来はわずかだ。だから、俺が知っている事以外の出会いも・・・そして事件だってあるかもしれない。けど・・・大丈夫だ!

はやて、なのは、フェイト、シグナム、シャマル、ザフィーラ、クロノ、ユーノ、アルフ、そして、他の多くの人たちがいるから!未来を知っているからじゃない!!皆がいるから大丈夫なんだ!!

「よ~し!みんなもっと加速していくよ~!!」

「「「了解」」」

その思いを胸に、俺はこの世界にいる。

それはこれから先、ずっと変わらない!!

だから・・・

「皆!これからもずっとよろしくな!!」

「きゅ、急にどうしたの?・・・けど」

「うん!」

「当たり前やよ!!」

よーし!!

「もっと加速だーーーーー!!!」

俺は、まっすぐ進んでいこう。信じるもののために!

















おまけ

<フェイトside>

私は酔ってしまったレティ提督の相手をしていた。けど、どうしてもリンディ提督、クロノ、エイミィに伝えたかった。私はこの家の子供になりたいって、養子の話の返事がしたかった。だからレティ提督の相手をヴィータに頼んだ。その事を伝えたらヴィータは笑ってOKしてくれた。そのかわりちゃんと思いを伝えろって言って。

・・・・・・けど、その思いを伝えて数分後、後悔した。なぜなら戻ってきた時ヴィータは・・・・・。

「は~い☆ヴィータちゃん、一枚脱ぎま~す♪」

大人の姿になったヴィータが、合わない服を脱ごうとしてた。

「いよ!待ってました!!」

酔っ払ってたレティ提督が煽ってた。

「ちょっと!!待ってください!!」

「本当に色々やばいって!ヴィータちゃぁん!!正気にぃ!!」

アレックスとランディが必死に止めようとしてた。



えっと・・・『これ、なんてかおす?』って言えばいいのかな?



「フェイトォ!!しっかりしてぇぇぇ!!!」

「あはは、あるふ~これなんてかおす~?」

「フェイトォォォォォォォォ!!!?」







一方

「シャマル、上着を貸せ・・・」

シグナムがこめかみを押さえながら言う。

「え?良いけど何で?」

「ヴィータちゃんがストリップショーを始めたんです」

「何があったん、ヴィータ!!?」











あとがき

今回も、誤字の報告ありがとうございます。もはや、恒例です・・・ふふ・・・はぁ。また、『魔方陣』やっちまったし・・・。

あ、それと、感想にあった質問についてお答えします。

StrikerS時のヴィータの人格については・・・思いついたら何とか・・・。けど、逆行ネタは自分に出来ないような気も・・・。スミマセン。

短大については、その内ヴィータが受験すると言い出して、なのはが聖祥にくるんだ!と勘違いするお話を書きたくて書いたんですが・・・今のところ書くか分かんないので、理由をここに書きます。本当は聖祥に通わせるのもありかと思ったんですが、収拾つきそうに無いので止めておきました。

外見年齢変換システムについては、あれです。管理局の法にむやみな変身魔法は禁止との事です。それが理由だったりします。・・・いや、別に別に変身魔法でもいいよね?何考えてたのか・・・。いや、変身魔法ではきっと検査に引っかかったり・・・。(ゴニョゴニョ)元々は、聖祥に通うために、擬似的に成長しているように見せかけると言うネタの名残なんです。せっかくなんで、書いたんですけどまずかったかな?

ヴィータ・ハラオウンにつきましては・・・本当に知りませんでした。もしも、不快に感じられた方がおられたのであれば、深く謝罪申し上げます。申し訳ありませんでした。

それから、お姉さまバスターは・・・その手があったか。きっとそうに違いない!!

そんな感じですね?

ではでは。これからも、ゆるりとしたお付き合いを・・・。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第三十九話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/03/18 00:31
今日は皆、管理局の仕事は休みだった。なのに・・・なんでこんなことに・・・。

「いやぁぁぁぁぁあ!!?」

「は、はやて!!」

最初にザフィーラがやられた。

そして今、はやてがやられた・・・俺達の目の前で。

俺は・・・助けられなかった!!

「よ、よくも主はやてを!!」

「ま、待てシグナム!!一人じゃ!!」

「待てん!!紫電―――」

シグナムが紫電一閃の構えに入った!しかし、それが放たれる事は無かった。

「う、うわぁぁぁぁぁ!!?」

「シ、シグナム!!」

シグナムまでもが・・・そんな・・・残りはもう俺一人・・・。

「あ・・・ぁ・・・」

俺はただ、尻もちついて怯える事しかできなかった。どんどんあいつが近づいていると言うのに・・・・・。

あと、もう数歩で俺のところまで・・・・・・。

「鋼の軛!!」

突然地面から魔力刃が発生して、奴の動きを封じた。

「ザ、ザフィーラ!?」

「な・・・長くは持たん。に、逃げろ・・・ヴィータ。お前・・・だけでも!!」

「だ、だけど!!」

「早く・・・いけぇぇ!!ヴィータァ!!!」

「う・・・ぁ・・・ち、ちくしょぉ!!」

俺はただザフィーラに言われたとおりに、逃げる事しかできなかった。なんで・・・何でこんな事に・・・!!





第三十九話「シャマネーター(シャマル+ターミネーター)編」





それはわずか数十分前のことであった。シャマルが、自分の料理を味見した。



あ、今なんてベタな・・・とか思ったろ?



コホン、話を戻そう。いつもなら気絶とかで済むんだが、何か今回は違った。正常に異常になった。ん~、もっと分かりやすく言うなら、話す事はまともなんだけど、やる事がおかしい。例えば・・・

『ねぇ、ザフィーラ?クッキー作ったんだけど食べる?』

『ぐわぁぁぁぁぁ!!?』

みたいな具合に、聞いてから返事も聞かないで食わせる。しかも・・・

『はい、はやてちゃんも!』

『ちょっ!ザフィーラ倒れたやんか!!』

『えい♪』

『いやぁぁぁぁぁあ!!?』

なんて感じに、『倒れようが知ったこっちゃねぇ!!食え!!!』的なことになってるんだ。んで、今俺は外へと逃げていたんだけど・・・。

チラリと後ろを見た。

「はい、ヴィータちゃんも!あ~ん♪」

そう。言ってる雰囲気は、いつもどおりなんだけど・・・外でクッキー片手に歩いたりはしないだろ!?そもそも明らかに歩いているのに、なんで全力で走ってる俺についてこれるんだよ!!こえぇよ!!!

「ん?ヴィータちゃん?」

「え?あ、本当!!」

急に名前を呼ばれ、前を見た。そこには腕を組んで、仲良く歩いていた男女がいた。それは、

「きょ、恭也さんに忍さん!!?」

ちょ、やば!!

「に、逃げてください!!」

「は?」

「え?」

ですよねー!そんな急に言われてもね?けどこっちだって必死なんだよ!!

「と、とにかく「あら~お二人とも。こんにちわ」・・・ヒィ!!?」

も、もう追いついてきてた!!

「あ、シャマルさん」

「こんにちわ」

そこのカップル!なごやかに話してないで逃げてーー!!

「あ、よかったらクッキー食べます?」

ヤ バ イ !!

「あ、それじゃぁお一つ」

「貰います」

「はい♪」

・・・・・・・・二人の犠牲者確定。まぁ断っても、無理やりだったろうけど。って!冷静に考えてる場合じゃない!!こうなったら始末書覚悟で、転移魔法使うなり何なり!!

「「むぐ」」

遅かった。次の瞬間!!

「お空に向かって神速ぅ!!」

そう言って恭也さんが消えたと思ったら、上からまっさかさまに落ちてきて、頭から地面に突き刺さった。一方忍さんは、

「う~ん、ちょっと砂糖が多いかな?」

すみません。材料が置いてるテーブルを見たけど、塩しか置いて無かったです。でもなんか味覚がおかしくなった程度みたいなので、ある意味よかったかな?

「てっ!!恭也!?いったい・・・とにかく今引っ張り出してあげるから」

そう言って忍さんは恭也さんに近づき。

<カプッ>

何故か、恭也さんのお尻に噛み付いた。前言撤回、忍さんも壊れた。耳を澄ますとなんかチューチューいってる気がする。どうにも、この世界でも夜の一族は存在してるらしい。

「なんて、嫌な分かり方だ・・・」

この分だとそのうち、すずか引き篭り編とか始まるのかな?まぁ、俺には関係ないだろうけど。友達度明らかに、なのは達より低いだろうし。

「さ~て、次はぁ~・・・ヴィ~タ~ちゃ~ん♪」

それどころじゃなかった。

「い・・・・・いやだぁ~!!」

そして俺は再び走った。





<すずかside>

今日は日曜日だった。けど、アリサちゃんはお稽古、なのはちゃんとフェイトちゃんは局のお仕事、はやてちゃんはシャマルさんの料理の練習をいっしょにするとかで皆で遊ぶ事は無かった。でも明日の宿題があったから、ちょうどよかったと言えるけど・・・。

あれ?

「電話?」

そんな事を考えてると、私の携帯電話が鳴った。えっと・・・ヴィータちゃん?珍しいなぁ。

「もしもし?ヴィータちゃん?」

『あ~・・・はぁはぁ・・・す、すずかか?』

何か凄い息切れしてた。当然のごとく私は心配になった。

「ど、どうしたの!?凄い息切れしてるよ!!?」

『はぁはぁ・・・いや、それは気にしないでくれ。走りながら電話してるだけだから』

止まってしようよ!!

『とにかくあんま余裕が無いから、要点だけ言うぞ?』

「え?・・・う、うん」

なんだろう?

『恭也さんと忍さんが、道端でとんでもないことになってる』

「は?」

それを聞いて私の思考が停止した。ヴィータちゃんはその場所を言って電話を切った。

『じゃ、回収よろしく!』

「・・・・・・・・・・・・・・何してるのお姉ちゃーん!!」

べ、別に変な事考えてないよ?





<ヴィータside>

うし、電話完了。これであの二人は回収されるだろう。

「うふふ~♪ヴィータちゃ~ん!!」

こえぇ!!今はまるで恋人同士が追いかけっこしてるかのようにゆっくり走ってるのに、俺に追いついてるよ!!

「い、いつまで続くんだ~!!」

だ、誰でも良いから助けてぇ!!今なら一日メイドしてやるから!いっしょにお風呂まで許すからぁ!あ、お触り無しでな!!

「にゃ?ヴィータちゃん!!どうしたの、そんなに慌てて!?」

俺は、声がした前の方を見た。そこにはのんきに、手を振ってるなのはがいた。

「お前!!今日は局じゃ!!」

「うん、何か思ったより早く終わって。今帰るとこなの!」

そうか、だが・・・そんなのんきに話してる場合じゃないんだよ!!

「にゃ!!?」

俺はなのはをお姫様抱っこして走り出す。

「え?ええ~~!!?」

「黙ってろ!舌噛むぞ!!」

混乱するなのはを無視して、俺はそのまま走っていく。

『Gegenstand kommt an(対象、接近中)』

アイゼンが俺に警告をする。くっ!!もう来たか!!

「うふふふふふふふふふふふふふふふふふ!!!ヴィーーーータちゃ~~~~~~~ん!!!」

やべぇ!!何か壊れ具合が加速してやがる!!もはや喋ってる事すらおかしくなってる!!?けど、まだ顔がいつもの笑顔なぶんマシ・・・いや、さらに怖いなやっぱ・・・・・。

「え?え?シャマルさん!?え!?何が起こってるの!!?」

「だ~!!とにかくお前は黙ってろ!!」

「な、なんで~~!!?」

こっちは、いっぱいいっぱいなんだよ!!

「と、とにかく!訳が分からないから止まってぇ!!」

「無理だ!!」

「止まってよ!今抱えられてるのは、私なの!!抱えられてる人の言う事は聞くものなの!!」

意味わかんねぇよ!はやての台詞ぱくるなよ!!

「良いから止まるの!!」

そういうとなのはは、俺の脚にバインドをかけ、当然のごとく俺はすっ転んだ。何とかなのはに痛い思いをさせないようにしたけど、俺はめいいっぱい顔を打った。

「いっつ~~!!この馬鹿!!いてぇじゃねぇか!!」

「ヴィ、ヴィータちゃんが・・・むぐ!!?」

・・・・・・・・・・・は?いきなりなのはの口の中にクッキーが・・・・・?

「にゃぁぁっぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

そして、なのはは倒れた・・・。

「な、なんで・・・は!!?」

俺はなのはの口の近くに、空間に穴みたいなものを見つけた。小さいけどこれは間違いなく・・・。

「あ、失敗しちゃった。相変わらず微妙な座標固定は難しいわね♪」

シャマルの・・・旅の鏡!?しかも失敗とか言ってたって事は、真の狙いは俺だった?

「さ~て、動かないでねぇ~。ヴィータちゃぁ~ん♪」

「ひ・・・う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

俺は、気絶したなのはを抱え再び走った。



そして今俺は、なのはの家にいた(なのはを送るのも兼ねて)。だが、いつまでも隠れている事はできないだろう・・・しかし、どういう偶然かちょうど美由希さんもクッキーを作っていて、どうか?っと言ってきたのだが。

そこで俺は、決めた。自決してやろうと!!

あ?何でそんな事になるかって?

うろ覚えだが、たしか『とらハ』における美由希さんの料理は即倒級の代物だった筈。どうせあのシャマルから逃げれんのならいっそ・・・。つーことで・・・!!

「はやて・・・シグナム・・・ザフィーラ・・・忍さん・・・恭也さん・・・なのは。今皆の所に行くぜ・・・」

「えっと・・・ヴィータちゃん?」

美由希さんがなにか言ってるけど無視だ!!

「いざ!!」

<ぱくっ!!>

あ・・・・・。

「あ、うまいっス」

「ほんと~!よかった~♪あ、今お茶入れるね?」

「あ、すみません。ありがとうございます!」

美由希さんがお茶を持ってきて、俺達は一息ついた。

「でも、味見してくれてありがとうね?昔の私の料理が酷かった所為か、恭ちゃん達は味見してくれなくってね~」

「そうなんですか~。普通に美味いと思いますけど・・・」

「他の人の意見が聞きたかったから、今日は助かったよ~」

「あはは、あたしは食べただけですよ~」

ん?何か忘れてるような・・・・・?

<ぴんぽ~ん♪>

「あ、は~い」

チャイムが鳴り、美由希さんは玄関に行く。そして、そこから聞こえた声で俺は思い出した。

「あ、シャマルさん!あ、はい。ヴィータちゃんなら今家にいますよ?」

・・・・・しまった。

忘れてた・・・いや、無意識に忘れようとしてたのかもしれん。つーか!なんで美由希さんの料理がまともなんだ・・・あ、そういえばアニメは『とらハ』とは環境が違うんだから、料理がうまくなってるとかネットで見たような・・・。

「あらあら、ヴィータちゃんったら!クッキーなんて食べさせてもらっちゃって・・・。ごめんなさいね、美由希さん」

「あ、いえいえ。こっちも味見してもらってよかったですから・・・」

・・・・・どうしよう・・・・・。

「あ、実は私も作ったのを持ってきましたから、よかったら交換して食べませんか?」

「あ、いいですね~」

美由希さーーーん!!逃げてーーー!!!

「それじゃぁ、お一つ・・・」

そして食べた瞬間、美由希さんのメガネが

<パリーン!!>

勢いよく割れて、美由希さんは倒れた。因みに数日後に聞いた話ではあるが、コレが原因で美由希さんの料理の腕が退化して、再び劇物製造機になってしまうのは、まったくの余談である。

「み、美由希さーん!!そのリアクションは駄目~~~!!」

な、なんと言う事だ!犠牲者が次々と!!

「さ~て・・・次は、いよいよ・・・」

そう言ってシャマルは、ゆっくりとこちらを向いた・・・。

「ヴ・ィ・ー・タ・ちゃ・ん(ハート)」

あ。終わった・・・・・・・・・・。





うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!?





<シャマルside>

「うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!?」

「えぇ!!?」

急に叫び声が聞こえて私は目が覚めた・・・目が覚めた?

あら・・・ここは?

「な、なのはちゃんのお家!?」

前に、はやてちゃんといっしょに来た事があったからすぐに分かった。でもなんでここに・・・?そう思っていると、私の視界に紅い髪の毛が見えた・・・って!!

「ヴィータちゃん!!?」

な、なんで倒れてるの!?おまけに近くには美由希さんまで!!

「で、でも。とりあえず家につれて帰らなくちゃ!!」

そう言って私は、美由希さんを近くのソファーに寝かせてから、ヴィータちゃんを背負って帰った。

「お姉ちゃん!早くやめてぇ~!!何してるのぉ~~!!」

なんか帰る途中で、すずかちゃんの声が聞こえたような気がしたけど・・・。



「・・・・・・何なのこれ?」

家に帰るとそこには、皆が倒れていた。私は急いで看病をした!それにしても・・・・・。

「一体、何があったって言うの~~~~~!!」

私の疑問に答える者は誰もいなかった。















おまけ

<次の日>

「い、いや~~!!」

「紫電一閃!!」

<ドガァァァァァァ!!>

シグナムの攻撃を受け、シャマルは吹き飛んだ!

「気●斬!!」

「きゃぁ~~~!!」

今度はザフィーラの、某漫画の技でシャマルの髪が少し切れた!

「ちょっと!髪の毛が!!」

「ええやんか~・・・数本ぐらい・・・」

「は、はやてちゃん!!」

はやては、杖を掲げながら叫ぶ!

「だって・・・もうすぐアフロになってまうんやからなぁ!!」

「ま、待って!そんな魔力溜めたら私・・・」

「私もいるの!」

「な、なのはちゃんまで!?」

なのははレイジングハートを構えて叫ぶ!

「咎人達に、滅びの光を・・・星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」

「全☆力☆撃☆滅☆全☆壊!!」

「ま、待って~~~!!!」

「「ダブル・スター・ライトォ!!!」」

もう撃たれる直前。そんな時!

「待て!二人とも!!」

「ヴィータちゃ~ん!!」

救いの手が・・・

「あたしの分も残しておいてくれよ!」

「「わかったで(の)!!」」

「た、助けてよ~~!!」

無かった。

「「ブレイカァーーー!!!」」

「一体なんでこんな事に~~~!!!」

シャマルの声は町に響いた。









あとがき

日頃シャマルの扱いが悪かったからなのか、とうとう反乱がおきたようです(オイ)

そして今回も、誤字の報告感謝でございます。毎回毎回・・・今回はどれぐらいあるのだろう(泣)

それにしても・・・たしかに、アリサが出てない。そして今回も出てない・・・そのうち何とかメインで・・・。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/04/02 00:42
ある、昼下がりの事。シグナムは、局の仕事とは別の用事で家にいなかった。そんな時・・・。

ふと、思った事があったんだ。

「なぁなぁ、シャマル」

「なに?ヴィータちゃん?」

シャマルはテレビを見るのを止め、こちらを見た。

「あのさ、ずっと頼みたい事があったんだけどさ?」

「あら?何かしら?」

そう、俺はシャマルにある事を頼みたかったんだ。それは・・・

「シャマルの耳のわっか、引っ張っても良い?」

ザフィーラによると、この発言をした時の俺はたいそう目が、キラキラ・・・つーか、ギラギラしていたそうな・・・。

「は?」

そう、俺はずっとシャマルのイヤリングだかピアスだか知らんが引っ張ってみたかったのだ!!

「だ、だだ駄目に決まってるでしょ!!?」

「いいじゃねぇ~かよ、ちょっとだけ・・・」

「ヴィ、ヴィータちゃんが引っ張ちゃったりしたら・・・耳が千切れちゃうじゃない!!」

「だいじょ~ぶだって!!ちゃんと、おたふく耳にする程度だからさ・・・」

「なおさら嫌ぁ~!!!」

そして、俺とシャマルの追いかけっこが始まった。

「いいじゃねぇか~!!ちょっとだけ、ちょっとだけだから!!」

「嫌!嫌!!嫌ぁ~~~~!!!」

だけど、しばらくすると・・・

「ヴィータ」

「あん?なんだよ、ザフィーラ」

「そろそろ、時間ではないのか?」

そう言われ、俺は時計を見た。あ・・・もう、そんな時間か。

「そうだな・・・んじゃ、行って来る!!」

「うむ、行って来い」

「ザフィーラ!今の内に、私旅に出るわ!!」

「落ち着け、シャマル」

さてと・・・え~と、鍵は・・・っと。





第四十話「今度は皆で温泉に行こうぜ!!あと、その他色々な!!」





<なのはside>

今日も、学校が終わりました。本日は誰も管理局のお仕事も無かったので、ただいま皆といっしょに学校の校門を歩いています!!

「いや~ごめんな~、すずかちゃん。車椅子押してもらって・・・」

「ううん、気にしなくて良いよ?」

順調に足が良くなっている、はやてちゃん。けど、まだまだリハビリ中。もうしばらくは、車椅子での登校なのです。

「それで、今日はどうするの?私の家の車で送っていく?」

「ありがとうなぁ~、アリサちゃん。けど、心配無用や!今日からお迎えが来るからなぁ・・・あ、ホラあそこ!!」

そう言って、はやてちゃんが見た先には一台の車とお姉ちゃんみたいなおさげで、赤い髪の女性がサングラスをつけて立っていました。歳は、お兄ちゃんくらいかな?

「ごめんなぁ~、待った?」

「んにゃ、今来たとこだ」

「あはは、なんやデートの待ち合わせみたいやなぁ?」

「ふふ、そうだな?」

誰だろう?どっかで見た事あるような・・・聞いたことあるような声なんだけど・・・。

「さて、それじゃぁ車に乗せるぞ?他のはどうするんだ?」

「あ、アリサちゃんのお迎えとかに便乗するらしいんやけど・・・」

「けど、なのはやフェイトはこっち方面だし。こっちで送ってこうか?確か今日は、翠屋に皆で行くんだろ?」

「あ、せやね?なのはちゃん、フェイトちゃん?どない・・・・・どうしたん?そんな固まってから?」

はっ!?何か知ってるような、知らないような人の事考えてたら思考が止まってた!?えっと・・・結局誰なんだろう?

「あの、どちら様でしょうか?」

堪りかねたのか、すずかちゃんが聞きました。

「は?あぁ!悪い、悪い。この格好は初めてだっけ?あたしだよ、あたし・・・」

「ヴィータやよ?この人」

あ、そういえば前のお花見の時に見たっけ・・・って!!

「な、何でそんな格好してるのヴィータちゃん!!」

「何でって、そりゃぁ・・・はやての迎えに決まってるだろ?」

あ、そうか・・・。いつもの姿じゃ車の運転できないからか・・・そういえば免許取ったってこの前言ってたもんね。

「んで、どうするんだ?乗る奴は?」

その後、私とフェイトちゃんはこっちの車の方が方角が良いので、ヴィータちゃん・・・えっと、ヴィータさんの車に乗せてもらう事にしました。うぅ・・・なんだか、ヴィータちゃんがヴィータちゃんじゃないよぅ・・・早くいつも通りにならないかなぁ。

「あ、せや、ヴィータ!シグナムはどないしとる?」

「どうもこうも、ありゃ・・・また落ちるな」

「あ~・・・今朝もガチガチに固まっとったからなぁ~」

「シグナムがどうかしたの?」

二人の会話に疑問を持ち、フェイトちゃんが聞きました。

「あ、実はシグナムが今な~・・・・・・」



<シグナムside>

私は、主はやての守護騎士・ヴォルケンリッター【剣の騎士・烈火の将】シグナムである。それゆえに、私には絶対に同じ過ちをしてはいけない。

・・・だと言うのに・・・。

また私は・・・同じ過ちを・・・繰り返そうとしている。

申し訳ありません・・・主はやて。

そして、こんな私を将としてくれる仲間達よ・・・。

・・・・・・私の不甲斐無さを・・・・・許してくれ。

「八神さん、八神シグナムさん。申し訳ありませんが、今ので点数の残りがなくなりました。残念ですが、今回の仮免試験は不合格と・・・」

あぁ・・・仮免・・・欲しかったなぁ・・・。

む、この言葉を思い浮かべると何故かテスタロッサに吹き飛ばされるビジョンが・・・。何故だ?

「ありがとう・・・ございました・・・」

しかし、これで三度目か・・・どうやら『三度目の正直』ではなく『二度あることは三度ある』だったらしい。



<はやてside>

「って事で、シグナムは今日仮免の試験なんよ」

「三度目のなぁ」

そう面白そうに、ヴィータが付け加えた。う~ん、やっぱり朝の調子じゃ、あかんやろうなぁ・・・。

「知らなかったなぁ・・・。シグナム、模擬戦の時もそんな事は話さなかったのに・・・」

それにしても、相変わらずシグナムとフェイトちゃんは模擬戦ばっかなんやなぁ?まだまだ、シグナムの方が勝率は高い言うてたけど。

「っと、ここら辺で降ろすか?二人とも?」

「あ、うん!」

「ここで」

そうこうと、話してるうちに二人の家の近くに着き、二人は車を降りた。

「それじゃぁ、はやて。また後で!」

「また後でね!はやてちゃん!!」

「うん、30分後に翠屋やね!!」

そう言って、二人は家に帰った。実は明日からゴールデンウィークやから、それに便乗して家族合同の旅行の準備があるんや!!お正月は私達は参加できへんかったから、楽しみや~!!

「お~し、ヴィータ!全速力で家に帰るんや!!」

「はいはい。交通法を守れる範囲でな~」

そこは、元気良く『おう!!』って言う所やよ!

「前の世界で、一度罰金払ったんだよ・・・・・」

前科持ちやったんか・・・ヴィータ。



家に帰ると、シャマルがもう荷物をバックに入れてた。なのはちゃんの家で、打ち合わせをしてからしようと思っていたのに、シャマルも楽しみなんやなぁ~・・・。

「ひぃ!?もう、帰ってきたのヴィータちゃん!!?まだ夜逃げしてないのに~!!おたふく耳は!!おたふく耳だけは~~~!!!!」

「落ち着け、シャマル」

・・・・・・・・シャマルも楽しみなんやなぁ~・・・。(聞こえないフリ)



<ヴィータside>

はやての着替えが終わり、俺達はなのはの家に来た。はやては、なのは達と明日の事について話をしている。もっとも俺は、明日の車のルートのドライバー会議に参加しているけどな。

「えっと、じゃぁ今回はここをこう行って、こう行く手順で?」

「じゃ、それで決まりだね」

「はい!」

今回は、前回なのは達が行った旅館とはまた違う場所である。

もちろん温泉もある!!きっと、はやてのあれが炸裂するであろう。

「それじゃ、また明日」

「はい、それじゃぁ」

ん~、話し合い終了。出発は明日の昼からか。

「あ、ヴィータちゃん!お話終わったの!?」

「おう。決まった、決まった!」

なのはが、俺に気付き話しかけてきた。

「さて、そんなら家に帰って明日の準備だな。はやて!」

「うん!せやね!?ほんなら、なのはちゃん、フェイトちゃん、すずかちゃん、アリサちゃん!また明日な!!」

「うん!」

「楽しみだね!」

そして、俺ははやてといっしょに家に帰った。

その帰り道。

「あはは、明日は楽しみやなぁ~♪」

「ご機嫌だな、はやて?」

「うん!ほんまに楽しみや!!」

はやては、楽しそうに話していた。ここの所、学校と局の仕事で忙しかったから、本当に楽しみなんだなぁ。特に局のほうは、もうすぐ仮配属期間が終わって、もっと本格的になるし。

「それにしても、クロノ君やリンディさんは来れなくて残念やなぁ~」

ついでに言うと、ユーノもな。あいつ、今無限書庫のまとめ役だからな。体制見直しとかで、忙しいんだとよ。司書長になるのは、そう時間かからんだろう。

「しかたないさ、クロノはたまたまだけど、リンディさんはもうすぐ艦長職を辞めるから、その準備に忙しそうだしな?」

「せやねぇ。レティ提督が言うにはフェイトちゃんのためとか言うとったね?」

「ああ、ちゃんと親子やっててよかったよ」

ま、俺もP・T事件の関係者だからな。よかったと思ってる。

「ふふ、ヴィータも嬉しそうやな?」

「まあな!」

さて、それじゃぁ!家に帰って明日の準備と行きますか!!



「私は、なんと情けない騎士だ・・・・・」

家に帰ると、シグナムが落ち込んでいた。案の定、試験に落ちたらしい。

「騎士関係ねぇよ!」

「私は何度、同じ過ちを繰り返せば・・・・・」

駄目だこりゃ。ま、寝て明日になれば直るだろ。さて、準備準備。



<次の日>

「ザフィーラ、お前は人型になれよ。毛が車内に飛び散る」

「む・・・しかし・・・」

「助手席に乗れば良いだろうが。アホ!つーか、仲間相手に遠慮すんな」

「む、分かった」

俺達は、まず翠屋で皆と合流して、目的の旅館に行く事になっていた。

はやては、なのは達といっしょに士郎さんの運転する車に乗った。

「う~し、ザフィーラ。ナビ頼むぜ!」

「うむ」

「も~、シグナム!いつまで落ち込んでるの!?」

「私は、駄目な騎士だ・・・・・これからは、駄目の騎士と改名を・・・」

シグナムは、まだ落ち込んでた。ま、温泉ではやてにでも、胸揉まれたら無理にでも正気に戻るだろ。

「ヴィータ。次の交差点は右だ」

「おう」

とりあえず、ザフィーラをナビにして正解だったな。

「次は?」

「三つ目の交差点から右、そして高速に入る」

的確だ。シャマルがやりたいって言ったけど、ザフィーラで正解であった。



「う~し、着いた!!」

「ヴィータ、後ろを開けてくれ。車椅子を下ろす」

「シグナム!ほら、着いたわよ!!」

「ふふ、ああ。空が蒼い」

いい加減、シグナムを何とかしなくては。

「はやて~!車椅子乗せるぞ?」

「あ、うん。お願いや、ヴィータ」

「あ、私が押すね?」

「ありがとう、すずかちゃん!」

む、ならば俺はザフィーラと荷物運ぶか。シャマルは今だに、シグナムの相手をしてるし・・・と思ったら。

「シグナム」

「ふ、テスタロッサか?どうした・・・私を笑いに来たか?」

流石に見るに見かねたのか、フェイトがシグナムのところに来た。

「あの、どんなに過去を悔いても、過去は過去です。どうやっても変わりません」

「テスタ・・・ロッサ?」

「でも、未来はいくらでも変える事ができます!ですから、今はとりあえず、今を楽しみましょう!!」

そう、フェイトが言う。するとシグナムは・・・

「そうだな。すまなかった、テスタロッサ。今は今を楽しもう」

「はい!!」

なんとか、シグナムは立ち直ってくれた。

「良い台詞だけどさ、今の場面で言うのおかしくない?」

「にゃはは・・・」

そこはあえて、ほっておいてやれアリサ。

「あ、シャマル。手が空いたな?荷物運び手伝えよ」

「はいはい」

「それから、アルフとザフィーラは耳隠せ」

「おっと。そうだね」

「承知した」

当然ながら、二人とも人型だからな。それにしても、ザフィーラの耳無しって何か新鮮だなぁ。

「ヴィータ。俺の持つ量、多くはないか?」

「男は頑張れや」

「ぐ、お、お前は・・・」

「今は、かよわい女の子なんですぅ~」

「ヴィータちゃん・・・それ、自分で言っちゃいけない台詞の一つよ?」



「きたで、きたで!!私の時代がきたでぇ!!」

「あ、主はやて!暴れないでくださ・・・ひゃん!!?」

「ああ、ごめんなぁシグナム。我慢できんで揉んでもうた・・・」

「我慢してください!!貴方の悪い癖です!!」

「失礼な!バストアップに貢献してるだけや!!」

今、俺達は荷物を部屋に置き早速温泉に入ろうとしていた。シグナムがはやてを抱えていたが、どうにも我慢できんで揉んでしまったようだ。因みにメンツは、なのは達小学生組とザフィーラを除く守護騎士である。

あ、それから俺はもう、いつも通りのサイズに戻ってる。あ~、肩こった・・・気がする。こう、精神的に。

「はやて、おっぱい星人だったのね・・・」

アリサが、若干驚いて言う。

「気を付けろよ、お前等」

とりあえず、警告しておいた。

「にゃはは、気を付ける・・・」

では!いざ行かん!!温泉へ!!

「ま、その前に体流してからだな・・・。はやて、洗いっこに見せかけて他人の胸揉むなよ」

「主の楽しみ奪う気かい、ヴィータ!!」

やっぱりやる気だったか。さて、

「シグナム、背中流してやるぜ」

「む、スマンな。ヴィータ」

「フェイトちゃん!背中流しっこしよ!」

「うん、なのは」

「それじゃぁ、アリサちゃんは私とだね?」

「痛くしないでよ、すずか」

「はやてちゃん、いきますよ?」

「お願いや、シャマル」

んで、シグナムの背中流しててちょっと思った。

「どうした、ヴィータ?」

「んや、ただ・・・親の背中を洗う子供ってこんな感じかと・・・<ゴチン!!>・・・いって!!なにすんだよ、シグナム!!」

いきなり、人の頭をグーで殴りやがって!!

「せめて、姉と言え!」

「・・・イエス・ママ」

「マムだ!!」

いってー!!たんこぶが出来てんじゃねぇだろうな!?

「では、お湯に皆で浸かりますか」

「はやてちゃん、持ち上げますよ?」

「あ、待って!私を運ぶのヴィータがやって!!」

は?

「いや、あたしじゃ無理だろ?」

「大人モードになればええやん!ほら!!」

そう言って、はやては手を広げる。たしかに、俺達以外いないから別に問題ないけどさ・・・なんかこう・・・はやての目が無駄にキラキラしてる。

「はやく、はやく~。体が冷えてまう~」

「はいはい」

言いようの無い不安を無視して、俺は身体年齢を変えはやてを抱え、湯へと向かう途中。

「えい♪」

<むにゅ♪>

「ひゃぅ!!?」

<むにゅむにゅ♪>

「ひぅっ・・・!やめ・・・んぁ・・・!!!?」

案の定、揉まれた。



「いや~。ずっと好機を窺ってたんよ~♪」

はやてが嬉しそうに言う。なんてこった!まさか、はやてが我が乳を狙っていたとは・・・。俺のはシグナムやシャマルよりも小さいのに・・・たぶん、将来のはやてよりやや大きいぐらいだと思う。

「なんで、あたしの乳を狙ってたんだよ!!あたしのは、シグナムやシャマルより小さいじゃん!!」

ぐ、自分で言っててダメージ受けた。

「分かっとらん!分かっとらんでヴィータ!!」

「何がだよ!!」

「たしかに、大人ヴィータのは二人に比べると小振りや・・・けど、艶!弾力性!!そして形!!!全てを総合した乳力においては、シグナムと互角に渡り合える!!そう、まるでAランクの魔導師が、足りない魔力を技量で補いSランクの魔導師を倒せるかのように!!!」

「「「「「「おお!!!」」」」」

そう、はやては高らかに宣言して、思わず俺以外の皆が拍手をする。しかし、その例え今使うのはちとおかしい。

「せやけど、だからと言って、ここにいる皆の乳力が低いわけやない!私にはそれを確かめる義務があるんや!!」

無いから!!自重してくれはやて!!

「せやから、いくで~!!!」

そして、獣は放たれた。

「まずは、お決まりシグナム!!」

「ンァ!?あ、あるじ・・・ふぁ!!?」

「オ・ノ・レ!相変わらず、けしからんおっぱいや!!」

「まっ!!・・・ぁん!!?」

シグナム、敗北。

「シャマルもこれまた、けしからん!!」

「ちょ・・・はやてちゃ・・・あん!!?」

「ええい、守護騎士の乳力は化け物かい!!!」

「やめ・・・ひゃん!!!?」

シャマル、敗北。

「にゃ!?わ、わたしもなの!!?」

「ちょ、やめなさ・・・ぁふ!!?」

「ぅあ!?・・・は、はやてちゃん!!?」

「あぅ!?は、はやて・・・ちょっと!!?」

「くりくり~~、うりうりぃ~~!!皆なかなかの乳力や~♪」

そして、小学生組も敗北した。その場で元気ハツラツなのは、はやてのみであった。

「いや~、ここは楽園や~~♪」

艶々してる頬を触り、ホクホクさせてはやては言う。

「あ、せや。標準ヴィータの乳力まだ測ってへんかった」

はぁ!?俺だけ二度揉み!!?

「く、来るなぁ!!」

「ふふ、あかんでヴィータ。主である前に、家族である私に対してそんな言葉使いは・・・」

「時と場合によるから!!」

「まぁ、それは置いておいてや・・・いっただきま~す!!」

アッーー!!!?



さて、何から話そうか。どうにも、二度目の行為に俺は耐え切れなかったらしい。気付いたらシャマルにおんぶされ、俺は外が見える通路にいた。

「あ、気が付いた?」

「うん・・・」

「ヴィータちゃんったら、のぼせちゃったのよ?」

なん・・・だと・・・?そう言う事にして、誤魔化したのかはやて?

『いや、実際のぼせたんよ?ヴィータ?』

『こんな事で念話は使わない!』

『まぁ、実際は半々やろうけど』

『やっぱ原因は、はやてじゃん!!』

『ごめんなぁ、次はうまくするで!!』

『せんでいい!!』

「えっと、ヴィータちゃん。歩ける?」

おっと、いけね。

「あ~、すまん。助かったシャマル」

「まったく、アレぐらいでのぼせるなんて情けないわね!」

「ア、アリサちゃん!!」

「にゃはは・・・」

「ヴィータ。大丈夫?」

そんな会話をしてると。

「あれ?フェイト!」

「あ、アルフ!」

前方からアルフが歩いてきた。そんな時、

「ん~?」

「どうしたんだ、アリサ?」

何かアリサが唸ってて、聞いてみた。

「なんか・・・前にもこんな事が・・・?」

「あ、それ私も思った」

すずかが、それに反応して、一方なのはは苦笑いをしていた。そこで、俺はピンときた。旅館こそ違うけど、これってなんか無印の中盤でアルフがなのは達に絡むシーンに似てないか?

そこで俺は、なのはに小さいタオル丸くして肩に乗せた。そして言う、

「んじゃ、アルフはそのまま対峙する形で立って、なのは、すずか、アリサもそのままで、他は離れてくれ」

「えっと、ヴィータちゃん・・・この肩のタオルは?」

「ユーノの変わり・・・さて、アクション!!」

「「「は?」」」

「ヴィ、ヴィータちゃん!?」

三人は理解できず、なのはは俺の意図に気付いたのか声を上げた。

「ほら、アルフは前になのはたちに絡んだ時のように『はぁ~い♪』って!!」

「「「あ!!?」」」

「あ~、もう!ヴィータちゃん!!」

その言葉に、他の三人も気付いた。なのはは怒った。ま、なのはから聞かされてたし問題ないだろう。

「そうだ!あの時の酔っ払い!!」

「アルフだったの!?」

「ヴィータァ!!何で知ってんのさ!!?ていうか、人の過去をえぐる行為は、止めておくれよぉ!!!」

「そっか、アルフってあの時偵察とか言って、なのは達に絡んでいたんだ。遠くから様子見る程度にしてって言ってたのに・・・」

悲しそうにフェイトが言う。

「フェ、フェイト!?ごめんよぉ!!出来心だったんだよぉ~!!」

「ちょっととか言ってたのに・・・」

「フェイトォ~!!」

ありゃま、フェイトの予想以上に絡んでたのね。遠くから念話一回したぐらいとか思ってたのかな?とりあえずは・・・。

「ほら、アルフは念話で『あまりおいたが過ぎると、ガブリ』って!!」

「お前も煽るな!!」

<ゴチン!!>

いって!!またシグナムが頭殴った!!

「いってー!何すんだシグナム!!」

「良く分からんが、お前が悪い!!」

ひでぇ!!



そうこうしてる内に、もう夜となり寝る時間になった。もっとも、シグナムやシャマル、ザフィーラを含めた大人組みはこれから飲むので、寝るのは子供組みだけである。

「つーか、あたしも飲みたい」

まだビールは口に合わんけど、チュウハイとかは結構好きなのになぁ・・・。

「何言ってんのよ、あんたまだ子供でしょ?」

アリサに言われて俺は、

「体がおっきくなりました~♪」

そう言って、俺は大人モードになる。む、浴衣のサイズがきつい。

「ちょ、急に大きくならないでよ!」

「そうする。戻る」

そして、再び標準モードに戻った。

「まぁ、ええやんか。せっかくの旅行なんやし、いっしょに寝よヴィータ!」

そう、はやてに言われたので仕方ない。

「ほら、ほら!こっちこっち!」

はやてがポンポン、自分の隣の布団を叩く。

「はいはい。分かった、分かった」

「お隣だね、ヴィータちゃん!」

隣は、なのはか。そして、皆布団に潜り込み。

「皆。おやすみ~」

「「「「「おやすみ~」」」」」

電気を切って。皆寝た。

・・・っと、思ったら。

『なあ、ヴィータ。寝た?』

はやてから念話が届いた。

『んや、まだ』

『そっか、なんや興奮してんのか寝れへんわ』

『ん~、そっか』

友達と旅行なんて初めてだもんな、はやては。

『なぁ、そういえばこの旅行が終わったら、私達本格的に管理局に入ってしまうなぁ?』

『ん?そうだなぁ・・・』

?どうしたんだろう?

『なぁ、ヴィータはほんまにええん?』

『え?何が?』

『前に、微妙兄ちゃんの姿で言った獣医になりたいって、あれ前の世界でしたかったことやないん?』

む、またその話か・・・?

『リンディさんにも言ったけど、あたしは、はやて達といっしょにいる方がいいから選んだんだ。はやてが心配する事はないよ』

『ほんまに?いやいやとかやったら私・・・』

『はやて?』

そう言って、俺は布団から片手を伸ばした。

『ヴィータ?』

『ほら、はやても!』

『え?うん・・・』

はやても、俺に言われるままに手を出してきて、俺ははやてと手を繋いだ。

『あたしはちゃんと、自分の意思でここにいる。だから、はやてももうそんなこと言わないでくれ』

『ヴィータ・・・』

『それに言ったじゃん、はやては?ずっといっしょだって』

『・・・うん!せやったね!!ずっといっしょや!!!』

『うし、そんじゃ今度こそ、おやすみ』

『うん、おやすみ』

そして、俺達は今度こそ寝た。



それから数日後、仮配属期間も終わり、正式に俺達は管理局に入った。

「皆、着替え終わったわね?」

「あぁ、主はやての元へ行こう」

「お~う」

今俺はシグナム、シャマル、ザフィーラといっしょに管理局本局を歩いていた。とりあえず、配属とか目指すものは、今のところ皆アニメと同じ進路だ。

ちなみに、今俺とシャマルは制服を着ているが(シャマルは白衣つき)、シグナムは武装隊甲冑のアンダースーツを着ている。制服は窮屈らしい。ザッフィーは犬。

「お前は、良く平気だな?」

「あん?こんなの学校の制服みたいなもんだろ?」

「そんなもんか?」

「あぁ」

俺の通ってた高校、ネクタイだったからな。もはや、スカートは慣れた。

っと、そんな話をしてると制服に着替えたはやて、なのは、フェイト発見。エイミィとマリエルさんもいっしょか。お、フェイト髪をおろしたのか。

「主はやて、こちらでしたか」

「お~す、そろってんな?」

「あ、みんな!」

向こうもこちらに気付き、挨拶をしてくる。

「あれ?シグナム、その制服って・・・」

「武装隊甲冑のアンダースーツだ。局の女子制服は、窮屈でいかん」

「こっちの方が馴染むんだとさ」

「でも、シャマルさんとヴィータちゃんは制服なんだね?」

そう言われると、シャマルはくるんと回り言う。

「医療班白衣も、セットなんですよ♪」

「こんなの、学校の制服みたいなもんだって」



そして、それからしばらくして。

「レヴァンティンも中身はだいぶ新式だ。怪我をさせないよう気をつけるからな?テスタロッサ」

『ja』

「お構いなく。バルディッシュ・ザンバーも元気いっぱいですから」

『Yes sir』

最初は、デバイスの調整後慣らしのはずだったんだが、いつの間にかまた模擬戦って形になっちまってた。まぁ、俺のアイゼンも中身が新式なったからなぁ・・・今はメテオストライクをカートリッジ再挿入しなくても一気に発動まで持ってこれるよう、装弾数増やしてもらった。カートリッジシステムも安定性が高くなったし。それにしても、あぁ早くドリル欲しいw

「なのはちゃんもエクセリオン戻ってきてんねんやろ?参加するか~?」

「えぇ!?」

「そうだね。なのはとヴィータもどう?」

いつの間にか俺まで巻き込まれそうな気配が。あ、思い出してきた。これってたしかドラマCD?いや、漫画版か?まぁいいや。とりあえず今は・・・。

「わ、私は今日は遠慮を・・・」

「あたしはどうでもいい。なのはがやるなら、人数合わせで付き合ってやるけど」

面倒なんで、なのはに丸投げした。

「なんだ、つまらん。このレベルの団体戦ができる機会は貴重なんだがな・・・高町、考え直さんか?お前がするならヴィータも付き合うといっているが?」

「あぅ・・・そ、それは勤務訓練の時にでも・・・あはは・・・」

なんか、歯切れ悪いな?

「どうしたんだよ、なのは?」

「なのはって、シグナムさんとやるの苦手なんだよね?」

ユーノがそう言ってきた。

「ふ~ん、そうなのかなのは?」

「にゃはは、やりずらいタイプってのもあるけど、シグナムさんのは訓練じゃなくてほとんど真剣勝負だし・・・」

あ~、良く分かる。あいつ容赦ないからな。

「ヴィータも混ざらない?」

あ、なんかフェイトがおいで、おいでってしてる。

「あほ、あたしだけ入っても数合わねぇだろ?大人しくバトルマニア同士、仲良くバトってろ」

「あ~、ひど~い」

事実じゃねぇか。

「と言って、主の前で敗北するのが、嫌なだけだったりはしないのか?」

「はっ!残念だったなシグナム。あたしは最終的に大切なものを守れるのなら、いざという時は負けを喜んで受け入れるぜ?」

俺にとって、誇りよりも大事な事だ。

「む、その理屈は分かるが・・・とにかく、お前もやるぞ!」

うっわ、とうとう命令が来たよ。

「しつけぇ、大体・・・ん?」

そこで、ふと思い出した。そういえばリインフォースの奴から貰った魔法に幾つか対してリスクがなく試したい魔法があったっけ・・・。

「ヴィータちゃん?」

「予定変更だ」

「にゃ!?」

そう言うと、俺はなのはの襟を掴み引くづる。

「試したいもんがあったんだ、お前も付き合え」

「えぇぇ~~~~!!!?」

ところが、そこにはやて達も加わる事になった。



んで、そんな訳で。

「え~っと、ほんなわけで~。ベルカ式騎士対ミッド式魔導師の5対5のチームバトル~、開催や~!!」

ミッドチーム

なのは、クロノ、フェイト、ユーノ、アルフ

ベルカチーム

はやて、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ

である。

ルールは、局の戦闘訓練準拠で、攻撃すべて非殺傷設定で行うこと。武器を持っているのは相手のバリアジャケットを抜かないようにちゃんと威力設定行う。リーダーはクロノとはやてである。

「高度な連携戦を、教えに行くぞ!!」

「「おー!!」」

「騎士の戦い、見せたるで!!」

「「はっ!!」」

そして、始まった!!

「先制攻撃!!シュワルベフリーゲン・ガトリングシフト!!」

俺の攻撃に咄嗟に避けたため、ミッドチームは二分した!!

「こっちだって、レイジングハート!!」

『Divine Buster』

そして、戦いは激しさを増していった。



『Stand by ready. Charge set』

「フィールド形成完了、発動準備完了ッ!お待たせしました、おっきいのいきます!!」

「「N&F、中距離殲滅コンビネーション!空間攻撃、ブラストカラミティ!」」

いつしか模擬戦も終盤となり、なのはとフェイトがコンビを組み、でかいのをぶちかまそうとしていた。一方はやても、

「どっこい、こっちも詠唱完了や!広域攻撃Sランクの意地があるで!!」

そして俺は・・・

「バラギス・ロラギス・アイギス!其は万物の撃を受け止めしもの、汝の力持ちすべてを防がん!!守護の盾!!!イージス・シールド!!!」

シールド・イージス。リインフォースが残してくれたSランクの防御魔法である。詠唱しなくちゃならないので、向こうが溜めに時間のかかるのにしか使えないが、受け止めた攻撃の一部を反射する事も出来る!!

「守りはあたしに任せて、ぶちかませ、はやてぇ!!」

「お~し、いっくで~~~!!!」

「こっちだって!!全力全開!」

「疾風迅雷!」

「「ブラストシューート!!」」

ぶつかり合う魔法と魔法、そして盾!!ま、尋常じゃない魔力値だったからな、盾なんて無意味に等しかったか、盾はいまだ健在なんだが、何せ部屋全体そのものが吹き飛んじまったからな。

「「「「きゃぁぁぁ!!!?」」」」

「「「「うわぁぁぁぁ!!?」」」」

当然、皆して吹き飛んでボロボロになってしまうわけで・・・。

だけど、

「「「「「あはははは!!!」」」」」

皆して笑った。そして、思う。この笑顔がある限り、俺達は頑張れると。

そう思った。









おまけ

とある次元世界にて

「はぁ、はぁ!くっそぉ!!管理局め!!」

そこで、一人の男が息を切らせながら、怯えるように唸った。

「ちくしょう!!何でこんな事になるんだよ、ちょっと金が欲しかっただけなのに!!ちくしょぉ!!ちくしょぉぉ!!!」

最初は、窃盗の軽犯罪であった。だが、簡単に金が入ったのに男は味を占めてしまった。どんどんやる事はエスカレートしていき、挙句今までうまく捕まらなかった。被害総額はどんどん増していき、気付けば指名手配の悪人であった。だが、男は反省の色がまったくなかった。所謂、管理局に対して逆恨みをしていた。

「へへ、だけどよぉ。これさえ・・・これさえ発動しちまえば、こっちのもんだ!!」

そう言って、男は布に包んでいる何かを撫でた。

「これさえ、これさえあれば・・・」

男は息を深く吸い込み叫ぶ。

「こんな生活とは、おさばらだぁ!!!あーっははははは!!!!!!」



ロストロギア・【旅の賢石】

詳しい用途は不明。ただ、『発動すれば決して交わらない世界へといざなわれる』、と言われている。



追い詰められた男は、ただただそれを妄信的に信じていた。













あとがき

感想数がとうとう400超えたよ!!皆様、ありがとうございます!!!

前回の誤字の意見でいくつかあった『全力全開』は、パワーアップに致しました。

「皆、まだまだ甘いの!!私の受けた苦しみはもっと凄まじい物だったの!!まだまだ、生温いの!!!」

との事です。流石なのは様。

ようやく、はやての乳揉みシーンが書けたw

あと、なんか今回、区切りそびれた。

そして、次回。始動(何が?)やらかします(何を?)



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十一話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/06/07 02:59
もう二度と会うことはないはずだった。

もう二度と聞くはずのない声だった。

だけど、また会えた。

俺が見捨てたはずのあいつは、俺の中に生きていた。

・・・・まぁ、ちょっと性格が変わっちまってるけどな!





第四十一話「復活せしは、再誕の風――Ⅰ――」





話は、数日さかのぼる。

<ヴィータside>

管理局に正式配属されて、二ヶ月経った。俺はシグナムといっしょで武装隊であっちにいったりこっちいったり、はたまたはやての補佐をしたりして、今後の進路を検討中であった。やっぱり、いつまでも高ランク魔導師が固まってるわけにはいかないからな・・・。

んで、今日は・・・。

「シグナム、免許獲得おめでと~!!」

「おめでとう~!!」

「あ、ありがとうございます!!」

ようやく、免許の取れたシグナムのために、八神家はパーティーをしていた。別に時期的に込んでなかったのに・・・ぶっちゃけ、遅すぎだ。言わないけど。

「ま、美味いもん食えるからいいけどな・・・」

カニクリームコロッケもあるし。ヒャッホー♪

<pi-pi->

「む、緊急通信か?」

「あん?あ、本当だ」

どうしたんだろう?

『休暇中にすまない、誰か一人こちらに来てくれないか?』

クロノか。

「どうしたん、クロノ君?」

『指名手配中の次元犯罪者を見つけたんだ。すまないが、誰か僕の補佐代わりに来てほしいんだ』

「補佐って、フェイトは?」

『フェイトは今、なのはといっしょに陸士学校で短期プログラムの真っ最中だ』

あ、そうだった。

そういえば、俺とはやても二週間後に似たような事をするらしい。シグナム達はしなくてもよいと判断されたっけ。ずりぃよなぁ。

『とにかく、余り時間がない。座標位置を送るから誰か急いできてくれ』

そう言って、クロノは通信をきった。ったく、一方的だなぁ・・・。

「仕方ない、あたしが行くか」

「ヴィータ、ええん?」

「ん、クロノは遠距離、中距離が得意なんだし前衛のあたしが行った方がいいだろ?」

「それなら、私が」

「主役がこの場からいなくなってどうするんだよ、心配しなくてもさっさと終わらせてくるから、あたしのカニクリームコロッケ残しておけよ!」

「心配せんでも、新しく作っておくから!いってらっしゃい、ヴィータ!!」

「おう、んじゃぁ行ってきま~す!」

さて、んじゃ転移するか。

「行ってきます、それがヴィータちゃんの最後の言葉でした・・・」

「シャマル、今言うと洒落にならん」

「えぇ!?外しちゃった!?」

「ザフィーラの言う通りだ、シャマル」

「外したで、シャマル?」

「うぅ~・・・」

・・・無視して行くか。



「来たぜ、クロノ!」

「君が来たのか。さて、早速だが状況を説明するぞ」

現在、この無人世界に潜伏中の容疑者は強盗、窃盗を多く犯してきて指名手配された、ジーロ・バーグルと言う男である。何かいかにも、悪人ですという顔だ。現在は他の局員が大型の結界内に閉じ込めているとのこと。

「けど、魔導師ランクC+なんだろ?別に、あたしを待たなくてもよかったんじゃ・・・」

「念のためだ、そいつはロストロギアを所持している疑いがあるんだ」

まじ?あ~、やだなぁ・・・ロストロギアって本当にピンからキリまであるからなぁ。前に、一週間お腹壊しっぱなしとか言う、アホとしか言いようがない物もあったしな・・・俺じゃないぞ?クロノがくらったんだ。

「んで、所持してるのは危険度が高いのか?アホ度が高いのか?」

「とりあえず、次元震を起こすような代物ではない。名前は【旅の賢石】、それ以外は不明だ」

「は?なんでだよ?あたしを待ってる間に、無限書庫に捜索要請出せば・・・」

今や、放置され続けていた無限書庫もユーノが司書になったのをきっかけに、多くの司書を雇い一つの部署として出来上がっていた。

「ユーノなら、短時間で必要最低限の情報を・・・」

『それがねぇ・・・ヴィータちゃん・・・』

なんか、エイミィが言い辛そうに通信してきた。ちなみに、近くに作られた簡易基地からである。地球に近いから、俺が呼ばれたんだけど。

「エ、エイミィ!!」

「どうしたんだよ?」

何慌ててんだ?

『ユーノ君、今倒れちゃって養生中なんだよねぇ~。誰かさんが資料請求押し付けまくったせいで~』

なん・・・だと・・・?って最近こればっかだな。じゃなく!!

「ク、クロノ~~~!!!」

「し、資料が必要だったんだ!」

「今までなかっただろうが!出来た途端、それに頼りすぎんじゃねぇ!!ちゃんと絞込みはしたのかよ!!?」

『はいはい、それについては私とリンディ提督とで叱っておくから、今は任務に集中して!』

ったく、その内ユーノには頼みたい事があったのにな。こりゃぁ、もう少し時期を考えるか?

「ったく、それにしても何でこの世界に潜伏してるって分かったんだ?」

「分からないが、ジーロ・バーグルは何故か、何ヶ月もこの世界に留まっているみたいなんだ。今まで、いろんな世界を点々としていたと言うのに」

「ふ~ん」

しかしこんな、岩と森しかない世界に何でまた?

「しいていうなら、この世界は普通の世界よりも魔素が少し高いみたいだな?」

「高いっていっても、人体に影響がないくらいだろ?修行とかに最適な環境だな?」

修行してんのか!?

「まぁ、とにかく。捕らえて事情を聞く事にしよう」

「おっし、んじゃぁ!いよいよ!!」

「あぁ、任務開始だ!危険性は低いと言っても、ロストロギアを所持している。気を抜くなよ!!」

「へっ!言われなくても!!」

「では、クロノ・ハラオウン執務官!!」

「ヴィータ二等空士!!」

「「これより、任務を開始する!!」」

そして俺達は、局員の張っている結界内へと侵入した。



<outside>

「くっそぉ!結界が張られちまった!!」

男は空を見て、悔しげに言った。

「ちくしょぉ!ここなら、魔素も高いからコレのチャージが速いと思って、この世界に隠れていたのに!!」

管理局に感づかれたと同時に、男は別の世界へと逃げる事を考えていた。しかし、度重なる逃亡生活に正直疲れていたのだ。なにより、エネルギーが満タンになるまであと僅かということもあったのである。

「まだか、まだかよぉ!!?」

さっき、探知したのは高ランク魔導師二人。他に捕まえるべき犯罪者がいるだろうに、何で二人も来るのか、男には理解できなかった。間違ってもC+の自分が勝てる相手ではない。

「なんでだよぉ!なんでだよぉ!!?」

男はただ愚痴る事しか出来なかった。長い逃亡生活は伊達じゃない、高ランク魔導師と言えど一人なら、逃げ切る事は無理でもコレのチャージが終わるまでの時間稼ぎが出来るつもりではあった。しかし、二人となると話は別だった。一人に集中するのが手一杯だと思ったからである。

・・・実際は、本当に時間稼ぎが可能かどうかは怪しいものだが・・・。

「早くしろ!こんな生活からは、もうおさらば・・・」

「見つけた!!」

そこに、少女の叫び声が聞こえた。見てみるとそこには、まだ幼女と言ってもいいような女の子がいた。だが、男は見た目に決して惑わされたりはしなかった。何故なら、管理局はある意味、実力主義だからである。能力さえ認められれば上へといける、何より少女から感じる魔力は自分では勝てないと言うのが、いやと言うほど魔法の知識で分かるからであった。

「くそ!!もう見つかったのか!!?」

「さぁて、お縄頂戴といこうか?」

少女はハンマー型のデバイスを肩に乗せ言った。



<ヴィータside>

「さぁて、お縄頂戴といこうか?」

うっし、容疑者発見。こいつは気付いていないが、背後にはクロノが自身にジャミングをかけて待機している。王手だな、実質挟み撃ちだからな。

「あたしは、時空管理局魔導師ヴィータ二等空士だ!!別に抵抗しても、弁護の機会があるが、自分から投降したほうが、罪は軽くなる。幸い怪我人を出してもそれ以上の事はしてないし、同意して投降しな!!」

「だ、だったらなんで!!高ランクの魔導師が二人も俺を狙うんだよぉ!!」

「そりゃぁ、ロストロギア所持の疑いがあるからだよ。あ、罪が増えたな?」

「ち、ちくしょぉ!!」

おーおー、悔しがってるなぁ。さて、コイツには悪いがそろそろ仕掛けるか。

『クロノ、あたしが仕掛けるから。コイツがあたしの攻撃を避けた瞬間・・・』

『不意をついて、バインドだな?了解だ!』

おし・・・1・2・3!!

「アイゼン!!」

『Explosion・・・Raketenform』

当てる気はねぇが、これなら派手に避けざるをえまい!!

「ラケーテンッ!!」

「ひ、ひぃ!!?」

「ハンマッ・・・」

俺が技を仕掛けようとした、その時!

「ぐっ!!?」

急に、ジーロ・バーグルの懐から眩い光が放たれた!

『な、何だコレ!?』

『分からない、でも!!』

『あぁ、凄い魔力だ!!』

そして、本人は・・・

「ひゃは・・・ひゃはははははははははは!!!!」

そう高笑いをして、懐から光り輝く大きな銀の宝石を出して、高らかに掲げた。

「これさえあれば、管理局の知らない世界へと逃げれるぅ!!」

何の事だ!?

『虚数空間、管理局の認知していない世界、はたまた現技術では転移不可能な遠い世界か・・・どちらにしろ!!』

「油断しすぎだ!!」

そう叫んで、クロノはジーロ・バーグルにバインドをかける。手を掲げたままの格好で拘束され、その手に持っていた宝石は地面に落ちて、それと同時に輝きを失った。

「な!!?くっそぉ!!!離せぇ!!!!」

「残念だが、君は逮捕だ」

地面に落ちた宝石は、もう魔力を発生してなかった。

「な、何で発動しないんだよ!!?」

「発動者の手元を離れたせいか、もしくは最初から期待していた事なんてなかったかだな?」

「どちらにしろ、君にはもはや関係のない話だ。窃盗、強盗、低級レベルロストロギアの不法所持、その他諸々で貴方を逮捕する」

「は、離せぇぇぇぇぇ!!!!」

往生際が悪く暴れるが、男の拘束は解けなかった。

「エイミィ。このロストロギアの簡易検査を」

『はいはい!スキャン開始。ヴィータちゃん、通信機を向けて?』

俺は通信用の機材を向ける、すると魔法陣が現れた。

「へ~。こんな使い方も出来るんだな?」

「あくまで、簡易的だが・・・ま、このぐらいのロストロギアなら問題ないだろう?」

『え~と、完全に魔力反応ゼロ。機能停止してると見て、多分間違いないと思うよ?』

ふ~ん、よかった。ん?あれ、クロノがなんか・・・?

「しかし、あれほど魔力を感じていたのに・・・こんなあっさり、停止するものなのか?」

そう言われてみれば・・・あれは、闇の書の暴走時ほどではなくてもジュエルシード二、三個分の魔力はあったんだけどな・・・。

「まぁ、考えても仕方ないか。エイミィ、すぐ発動してしまう訳じゃないだろ?」

『詳しい資料がないから断言できないけど、簡易検査の結果を診ると、それはないと思うよ?』

いつまで考えても仕方ないし、拾うか。

「気をつけろよ?」

「分かってる」

と言っても、魔力一つ感じないけどな。そう思いながら俺は銀の宝石を拾った。

「ほうら、なんもない・・・」

だが、次の瞬間!!

『えっ!!?ヴィータちゃん!!それを離して!!!』

「へ?・・・なぁ!!!?」

気づけば、俺の手にある宝石は再び光り始めていた。

「ヴィータ!離せ!!」

「それが・・・くっついてやがる!!」

くっそ!取れない・・・こうなったら!!

「アイゼン!!」

『Jawohl』

クロノの足元に魔法陣が展開された。

「な!?なにを!!?」

『強制転移魔法!?ヴィータちゃん!!?』

「ば~か、その容疑者を訳分からん場所に飛ばすわけには、いかないだろ?ついでにクロノも・・・」

「き、君は!?」

「だから、取れないんだって。仕方ないだろ?」

さて、とっとと転移させるか。容疑者にバインドかけてるからレジストは出来まい。

「ま、待て!!」

「ワリィ、はやて達にはさ、ごめんって・・・いや・・・」



―カニクリームコロッケ新しいの作って待っててって伝えてくれ―



その言葉を、何とか言い切った後、俺は目を開けていられないほどの眩い光の渦に包まれた。まるで、自分がこの世界から消えてしまうような感覚に包まれて。

・・・はぁ、こんな事になっちまうなんてな・・・。機動六課、俺の変わりは・・・そうだなぁ、シャッハあたりが入ってくれるといいなぁ・・・まだ会ったことないけど。

そんな場違いな事を、俺は最後に考えていた。



<クロノside>

「クロノ執務官!ご無事で!?」

気が付けば、僕は結界の外にいた。

「くっ!!容疑者の護送を!!」

「「はっ!!」」

僕は容疑者を渡すと急いで、エイミィに連絡を入れる。

「エイミィ!?」

『分かってる・・・術式が不明だけど、多分強力な転送魔法だと思うけど・・・』

そして、エイミィが泣きながら言った。

『見つからないの!!この世界にも!!近接した周辺世界のどこにも!!!痕跡一つ・・・見つからないの!!!』

「落ち着くんだ!おい!すぐに本局へ連絡!!局員一名に、次元転移事故発生と伝えろ!!」

「「はっ!!」」

くそ!!僕の責任だ!!!僕が、仕掛ける役になっていればこんな事には!!いや、もしユーノに倒れるまで仕事を押し付けさえしなければ・・・!!後悔の念でいっぱいだ!!!

「へへ、あひゃひゃひゃ!!!」

地面に座り込んでた、容疑者が急に笑い出した。

「この生活から逃げるのは失敗したけどよぉ・・・やった!一泡吹かせてやったぜ!!ひゃははははは!!!」

「貴様っ!!」

その言葉に、思わず怒りを示してしまった。

「おいおい、いくら俺が犯罪者だからって手を上げるのかよ?」

「・・・たしかに・・・だが!!」

そう言って、僕は思いっきり肘撃ちをかました。

「がぁ!!?」

モロに当たり、鼻血を出した。

「失礼、振り向こうとしたら偶然当たってしまった。ちょうど、いい位置に顔が合ったのでな?」

「てめぇ・・・」

そこで、容疑者は気絶した。精神もピークだったのだろう。それにしても僕がこんな事をしてしまうとは・・・誰の影響か・・・。

「クロノ執務官!?」

「偶然だ!始末書が必要なら後で書く!!それよりも、ヴィータ二等空士の捜索を優先させろ!!」

「「「はっ!!」」」

『クロノ君・・・はやてちゃん達への連絡は・・・?』

「・・・僕の責任だ・・・僕がする」

『違うよ、私があんな無責任に・・・』

「落ち着くんだ。少なくとも死んだわけじゃない!まだ、いくらでも方法はあるはずだ!!」

とにかく・・・絶対に助けるからな!ヴィータ!!





おまけ

「さて、ほんならお祝いもお仕舞いやね?」

「あれ?でも、はやてちゃん。何でキッチンに?」

「うん、ほら。ヴィータ途中で抜けたやんか?きっと、お腹空かせて帰ってくるやろうと思ってな?カニクリームコロッケとか作っておこうと思ってな?」

そう言うはやての言葉に、シグナムは送られてきた資料を見て言う。

「たしかに、この程度の相手なら、クロノ執務官といっしょならばすぐに終わるでしょう」

その資料を見て、ザフィーラにはある疑問が浮かんできた。

「しかし、これならクロノ執務官一人でも充分だったのでは?」

「それが、用途不明のロストロギアを所持しているそうなの」

それにシャマルが答えた。

「そうなんかぁ・・・大丈夫やろうか?」

「大丈夫です。少なくとも危険性は、そんなに無いみたいです」

「そうですよ!私達も長い事、色々なロストロギアを見てきましたけど、ぶっちゃけ、五割はアホな物ですから!!」

シャマルのその言葉に、シグナムとザフィーラが言う。

「いくらなんでも、そこまでは無かった」

「無いな」

その言葉に、シャマルは凹んだ。

「ちょ、ちょっと場を和ませようと~・・・」

「あはは、シャマルはまだまだギャグ精進が足りんなぁ~」

そんな彼女達の元に、通信が入ってきた。大方、もう自分達の家族が任務を終わらせ、帰ってくるという報告であろう。そう皆が思っていた。

だが、通信の内容は信じられないものであったことは、この時は誰も予測する事が出来なかった。









あとがき

色々ご意見、ありがとうございます。日々、精進していきます。ニコポか・・・・・何時したっけ、本当にノリでやったからな・・・・・反省いたします。

三期まで間があるので、好き放題やっちゃいます。特に今回のは、オイオイの連続になっちゃうかもしれませんが、よろしくお願いします。あと、前回の盾の魔法、意見があったので変えました。やっぱり、響きで選んだら拙かったかな?





そして、本編。やっちまったぜ!


(追記)思う所あって、最初の方変えました。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十二話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/04/14 23:07
「これで、短期プログラムも終わりだね?フェイトちゃん」

「そうだね?なのは」

なのはとフェイトは今、陸士学校での短期プログラムを終了させて、家に帰るために本局にいた。

「それにしても、『自分より強い相手に勝つためには、自分の方が相手より強くないといけない』か・・・」

「うん、色々考えさせられる言葉だったね?」

もっと、精進しなくてはいけないと、二人は気合を入れる事になった出来事があった。だが、そんな事を忘れてしまうような事を、彼女達は知る事になる。

「なのはさん、フェイト!!」

「あれ?リンディさん?」

「どうしたの、母さん?」

リンディ・ハラオウンのあまりに慌てた様子を見て、二人は驚きを感じた。だが、次の瞬間彼女から聞かされたことに、

「落ち着いてよく聞いてね?ヴィータさんが・・・行方不明になったの・・・」

二人は頭の中が真っ白になった。





第四十二話「復活せしは、再誕の風――Ⅱ――」





<なのはside>

何の冗談かと思った。嘘だと思った。だけど、今私とフェイトちゃんは急いではやてちゃん達のいる本局の待合室へと向かっていた。

「はやてちゃん!!」

「あ、なのはちゃん・・・」

「テスタロッサもいっしょか」

「ごめんなさいね?せっかく、ようやく短期プログラムが終わったのに?」

そう言う、八神家の皆は顔色が全員蒼白であった。

「いいんです、そんなことは!」

「それよりも、あの!本当なの、ヴィータが・・・」

私の言葉に、フェイトちゃんが続いた。そうだ、私たちの事よりも!!

「あ・・・うん、ほんまなんよ。どうにもヴィータ、ちょっと失敗したみたいやなぁ・・・」

はやてちゃんは、力のない笑顔で言った。

「嘘・・・」

「そんな・・・」

私達はただ、そう呟く事しか出来なかった。

「あはは、そんな心配せんでも大丈夫やよ。ヴィータのことやから、きっとその内『ただいま~』って言った後に、くだらない事言いながら帰って・・・く・・・」

無理に笑って喋っていた、はやてちゃんが急に黙った。そして、

「・・・・・でや・・・」

「はやてちゃん?」

「なんでヴィータばっかり、こんな目に遭うんや!!自分の生まれた場所も、夢も、家族も、友達も、何もかんも失って!!今度はこの世界で得たもんを、また全部失って!!何でなんや!!!」

その悲痛の叫びに、その場にいる皆は答えられなかったのでした。





<ヴィータside>

『クロノ、エイミィ!!』

ちっ、通信機も念話も駄目。どこだここ?さっきまでいた森とは、また違う森だ。とりあえず、えっと・・・【旅の賢石】だっけ?は懐に入れておこう。機能完全に停止している・・・と思う。さっきも急になったから断言できんけど・・・。

「とりあえずは、虚数空間じゃないみたいだが・・・」

あの男の発言から、クロノが推測したのは管理局の認知していない世界とか、現技術では転移不可能な遠い世界とか言ってたけど・・・。

「一応、次元転移は出来るみたいだな・・・?」

もし仮に、認知されていない遠い世界とかだったら、転移を何年も繰り返せば帰れると思うけど・・・。

「転移する方向が違ったら、どんどん遠ざかるんだよな・・・」

あぁ、どうしよう。

「とりあえず、歩くか・・・」

この世界について、何か分かればいいんだけど・・・。

「こ、来ないで!!」

「へへ、こんな森の中に誰もいるはずねぇじゃん」

「そうそう、大人しく俺達ときなよ」

「かわいがるからさ~」

なんか、ファンタジー物のベタな事が起きてる。格好を見れば、中世ヨーロッパ?とか、前に行ったドラ●エみたいな世界にいた人達のような格好をした、男三人、女一人がいた。男達はきっと山賊(?)だな。こんな時は、そう決まってる。

「いやぁ・・・お願い・・・誰かぁ・・・」

「っと、そんな事考えてる場合じゃねぇか・・・おい、てめぇら!!」

「だ、誰だ!!?」

俺は、叫ぶと同時に女性の前に立った。ちなみに、黒髪のショートロングの美人さんである。

「あたし、参上!!」

たまにはこんなのもいいかと思って、言ってみた。

「あはは!!誰かと思えばガキかよ!!」

「残念だなぁ、お嬢ちゃん。俺たちは、ガキには興味ないんだよ!!十年経ったらきな、かわいがってやるから!!」

「幼女・・・はぁ、はぁ・・・」

「(・3・)?」

いや、待て!!最後の!!!おもわず、変な顔したじゃねぇか!!!

「おい!最後の奴、あたし見て明らかに欲情してたぞ!!?」

「おい、お前幼女趣味だったのか!!?」

「止めとけって、乳も無い小娘を!!」

ちょ、ちょっとぐらいあらぁ!!!

「で、でもさ・・・汚れを知らない子をさ、汚すのっていいと思わねぇか?大きくなれば、どんなにうぶでも、多少は知ってるんだぜ?」

ごめん、元大学生なんで多少とは言わず、それなりに汚れ知ってます。

「そ、それは・・・」

「ちょっと、魅力的かも・・・」

真・性・だ!!!誰か助けて!!

「あ、貴方!早く逃げて!!私は大丈夫だから!!」

そう、俺の後ろにいた女性が叫ぶ。若干震えた声で・・・。

「し、心配すんなって。発言に少しびびったけど、こんな奴らちょろいって!!」

むしろ、この視線の主を叩き潰したい。

「し、仕方ねぇな・・・」

「そうだな、俺達は仲間だ。苦労を共にするなら、勿論喜びも・・・」

「サ、サンキュー、二人とも!!」

・・・ぶっとばす。こんな場面じゃなけりゃ、それなりにいいシーンだったんだろうが、ムカつくだけだ。

「つー訳だ、お嬢ちゃん?」

「俺達の友情のために」

「いっしょに・・・はぁ、はぁ・・・楽しもうぜ・・・」

やばいって、最後の奴。我慢できてねぇ。はやてやなのは、フェイトとかいなくて本当によかった!!

「ア、アイゼン!!」

『Jawohl!』

心なしか、いつもより力強く答えてくれた。俺は構える、すると・・・。

「ま、魔導機!?」

「魔導師なのか!!?」

「ひぃ!!?」

あん?魔導機?でも、なんかびびってるな・・・なら!!

「さぁ・・・どうする!?」

<ドゴーッン!!!>

俺は近くの地面に、アイゼンをぶつけその威力を見せ付けた。

「ひぃぃぃぃぃ!!!!?」

「に、逃げろぉぉぉぉぉ!!!」

「せっかくの、幼女がぁぁぁぁ!!!」

最後の奴、最後まで未練たらたらであったな。ある意味、漢だ・・・最低だけど。



「ほんっとに、ありがとう!助かったわ!!」

「いや、偶然近くにいただけですから」

俺は今、助けたお姉さん・・・クロナさんの家でくつろいでいた。お茶を貰ってね?お礼とか、いらんし。

「でも、あんなのしょっちゅう出てるんですか?」

危ないよなぁ~。

「あぁ、そんなことないわよ。げんに、ここに暮らして数年経つけど今回が初めてだったもの」

ふ~ん。たしかに、町はのどかだったもんなぁ。ちなみに、町もいかにもファンタジーって感じであった。このままここで、勇者でも目指そうか・・・魔王はいなさそうだけど。ふむ、鉄槌の勇者の復活か・・・・・・。

「いつもは、護身用にデバ・・・魔導機を持ってるんだけど、今日は偶然忘れててね?」

ん?

「ちょっと待ってください。今ひょっとしてデバイスって言おうとしてました?」

「あら?その名称を知ってるってことは・・・貴方別次元から来たの?」

「えっと・・・」

まぁ、言っても問題ないか。

「実は、転移事故で・・・」

「そっか、ならこの世界のことは知らないわね?ここは、まだ魔法文明が普及したばかりなの。だから、デバイスの事を魔導機なんて古い呼び方をしてるのよ」

普及・・・?けど、俺も結構色々な世界見てきたけど、魔導機なんて呼び方はじめて・・・

「そこの家に隠れている者、出て来い!!!!!」

「っ!?な、何だ!!?」

「この家に言ってるの!?」

突然、叫び声が聞こえ俺とクロナさんは急いで外に出た。そこには、デバイスを構え武装した男が数人並んでいた。

「貴方達は・・・次元魔導連盟の人たちが何のようなの!!?」

次元魔導連合?何だそれ?

「見つけたぞ!忌まわしき闇の守護騎士!!!」

「我等、次元魔導連盟が引導を渡してやろう!!」

「構えぇ!!!」

っ!?撃つ気かよ!!?

「ば、馬鹿かテメェら!?こんな所で撃ったら、クロナさんの家が!!」

「撃てぇぇぇぇぇぇ!!!」

「っ!!馬鹿やろう!!!」

こうなったら、シールド張って防いで・・・だが、それが放たれようとしたその時、ある声が町に響いた。

「静まれぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!!!!」

ある男の声で、魔導師達の動きは止まった。そして、魔導師達の背後からおっさんが現れた。結構、厳格があるな・・・多分、それなりに場数を踏んでる。

「た、隊長!?」

「な、何故ですか!?」

「戯け!!良く見んか!!!」

そう言って、何かこっちを指差した。

「確かに、似てはいるが我等が追っている騎士は傀儡も同然な者たちだ。だが、そこの少女はどうだ!?ちゃんと自分の意思をしっかり持っているではないか!!」

「し、しかし!!」

「余りにも特徴が一致・・・」

「奴等は長い時を存在している、この時代にたまたま似た者が居たとしても不思議ではない!!」

・・・さっきから、なんか引っかかるな・・・。闇の守護騎士だと?

「分かったら、とっとと探索を続けろ!!」

「「「は、はっ!!!」」」

そう言って、さっきまで構えていた魔導師達はいなくなりおっさんだけが残った。

「悪かったな、嬢ちゃん達」

「えっと、あたしは別に・・・それよりもクロナさんは?」

「私も別に?家も無事だったし」

しっかし・・・なんか嫌な予感がする。

「それじゃぁな、俺も忙しいのでな」

「あ、待って!!」

転移しようとした所、クロナさんが止めた。

「この子、転移事故でこの世界に来たみたいなのよ」

「何だ、ちっこい方の嬢ちゃんは次元遭難者か?」

「えっと、まぁ・・・」

「だったら、いっしょに来るか?一応そう言うのも俺らの仕事だから、本部まで連れて行くが?」

・・・いや、ここは断ろう。気になる事もある、それに・・・さっきから管理局の”か”の文字も出てこないのはおかしい。

「あ~、いいっす。自分、転移魔法使えるし・・・それに・・・」

「それに、どうした?」

「また、何かに間違われるのも嫌っすから。本部に行ったら、それこそリンチされるかも・・・」

そう言うと、おっさんは少し考える。

「たしかにそうかもなぁ・・・俺は捜索で忙しいから、そばにいてやる事は出来ないからな。けど、ほんとに大丈夫なのか?」

「ま、なるようになるさ」

「そうか・・・まぁ、駄目そうなら、そこの姉ちゃん伝で俺に連絡を入れてくれればいい。俺はゼイル・スカッシャーだ。ちったぁ名が売れてるつもりだ、本部に連絡すればすぐに分かるぐらいにはな?」

・・・なんか、某広域次元犯罪者の名前に似てない?

「んじゃぁな!!また会おうぜ!!!」

そう言って、おっちゃんは転移した。

「本当に、大丈夫なの?」

「ん~。ま、適当にやるさ・・・って事で?」

「て、適当って・・・」

実際、そうして行くしかない。それに、本部なんて場所に行ったら唯一の鍵かもしれない【旅の賢石】が捕られる可能性がある・・・。それは防がないといけない。

「それよりも、次元魔導連盟って何?」

「そっか、ヴィータちゃんぐらい小さい子は、余り聞いたことないかもね?」

何でも、基本それぞれの世界は、その世界によって統治されているのだが、別次元に転移してしまう犯罪者もいる事から出来たのが、次元魔導連盟らしい。

基本は次元移動するような次元犯罪者を取り締まるのが仕事だが、中には転移事故によって飛ばされた人たちを元の世界へと送る仕事もあるらしい。
簡易版管理局なのかな?なんとなく、こっちの方が健全な気がする。権力が集中してないから、最高評議会みたいなアホな事はできんだろうし。・・・まぁ、【逃げる=別次元】なんて考えが犯罪者に広まって仕方なく、組織の肥大化したっていう話もあるんだけどな。

「それじゃぁ、今日はもう遅いし泊まっていったら?」

「いいんすか?」

「えぇ、なんならいっしょに暮らす?」

「いや、そこまでは・・・」

とりあえず、今日の宿はゲットできた。それにしても・・・



闇の守護騎士



・・・か、引っかかるどころじゃないな。嫌な予感がする・・・。









おまけ

「おい、1番!魔力の蒐集はまだ終わらないのか!!?」

男は偉そうに、そう叫んだ。

「はっ!残りは僅か数十ページです。もう少しの辛抱を・・・」

一人の女性がそう言った

「人手を増やしたいのであれば、あの子の起動許可を・・・」

「だ、黙れ4番!!指示は俺がする!!!」

「・・・失礼いたしました」

その男が、人手を増やさなかった理由は安っぽいプライドであった。自分が一番偉い、だから他人の意見を受け入れるのはプライドが許さないという、くだらない理由であった。

「くそ!!2番はまだ帰ってこないのか!?」

「彼女は、少し遠出しております。おそらくは明日、帰還になるかと・・・」

「それよりも、次元魔導連盟の者達の動きが活発になっております。次元世界移動を、なされたほうが・・・」

「そんな奴等!お前達が、倒せば良いだけの事であろう!!それに、倒せば魔力も手に入る、むしろ好都合ではないか!!!」

「しかし、万が一にも貴方様の身に何かあれば・・・」

「黙れ!俺を守るのは、お前達の役目だろうが!!」

男はただ、喚き散らかすだけであった。彼に進言している者達は、唯彼に身を案じていたからこそ言っていたのに。

しかし、だれもその男には文句どころか、怒りすら示してはいなかった。ただ、言われた通りにするのみであった。

何の感情も持たずに・・・。









あとがき

ちょっと遅れて、やっと更新です。え?昨日?あはは、何の話ですかなぁ~♪



真面目に言うなら、エイプリールフールネタはその内、おまけで再掲載します。感想が、結構きたので少しビビりました。

そして、ちゃんと誤字報告もして頂いて、ありがとうございます。いつもお世話になってます。

しかし、調子に乗った結果、新しいのを更新する羽目に・・・うぅ、ストックが一つ減った。でも、後悔はしない!



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十三話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/04/27 03:41
<ヴィータside>

俺は今、クロナさんの家で夕食をご馳走になっている。

「本当にいいの?よかったら、元の世界に戻れるまで、いっしょに・・・」

「いいっすよ。のんびりと、やっていきますから」

この人、良い人。

「あ、そう言えば気になっていた事があったんですけど」

「あら?何かしら?」

「さっき、この世界の人達はデバイスの事を魔導機って呼んでるって言いましたよね?」

「えぇ、そうね?なのに、何で私はデバイスって呼んでいたかって事?」

「まぁ、気になって。何か理由があるなら・・・」

そう言うと、クロナさんは手をヒラヒラさせて言う。

「大した理由じゃないわよ~。私がこの町に住んで、数年って言ったわよね?」

「はい」

「私は、この世界の人じゃないのよ。別の次元世界から来たの」

へ~、やっぱり。

「親が次元魔導連盟に入れって、うるさくてね?ここは自然の多い世界だし、のんびり暮らしたいなぁ~ってね?」

そして、クロナさんはお茶を飲んで、一息ついて言った。

「けど、今日のヴィータちゃんを見て思ったんだ。自分の力で誰かを助けるってさ、結構かっこよくない?あたしは、ヴィータちゃんがかっこよく思えたわよ?」

なんか、そう言われると照れる。

「だからさ、私一度故郷に帰ってみようと思うんだよね?」

「それって、次元魔導連盟に入るって事ですか?」

そう言ってみると、クロナさんはちょっと苦笑いして言う。

「あ~、それもありかな~って思ってたけど、さっきのを見ちゃうとね~」

「あ~、そうですねぇ~」

俺は、事情が何となく予想できるのだが(認めたくはないが)・・・傍から見ればただの人違いだし。

「別に次元魔導連盟だけが、魔導師の仕事じゃないのよ?しばらくは、フリーでやっていくつもり。まずは、元の世界に戻る事からね?」

「そうですか・・・頑張ってくださいね?」

「ありがとう。さて、もう遅いし寝ましょっか?」

「はい!」





第四十三話「復活せしは、再誕の風――Ⅲ――」





次の日の朝。

「それじゃぁ、お世話になりました」

「こっちこそ、色々助かったわ」

「またいつか、会えるときを楽しみにしています」

「えぇ♪」

そう言って、俺達は握手をして別れた。

「さて、それじゃぁ私も早速荷造りしますか!!」

そんな掛け声が、後ろから聞こえた。



<クロナside>

「よいしょっと・・・」

私は今、荷造りをしていた。それにしても・・・

「ヴィータちゃん、大丈夫かなぁ?」

やっぱり、元の次元世界に帰れるまで、いっしょについていった方がよかったんじゃないかぁ?

「けど、なんとなく一人でも大丈夫なようにも思えたのは事実だし・・・」

そう、あの子は見た目と違って大人びてた。それこそ、転移事故だなんてオロオロしていても、おかしくないのに。

「・・・っと、考え事してる内に荷造り終わり!!」

ま、今更考えても仕方ない。連絡先は教えたし、いざと言う時はきっと頼ってくれるであろう。

「あとは・・・私の事ね?」

う~ん、ヴィータちゃんには内緒だったけど、実は半家出状態でこの世界に来ていたのだ。親に叱られるのは覚悟しなくてはなぁ~。

「ま、何とかしますか!」

よし、次元転移準備完了!!

「では・・・・・!!」



―クロナ・ハラオウン!頑張ります!!―



<ヴィータside>

はっ!?

「なんか、とてつもなく重要な事を見逃した気がするぜ!!?」

電波が来たよ!

「・・・アホな事、言うのはやめよ」

しかし、どうしよう。この俺の事件は完全なイレギュラーだよな?原作知識なんてまったく役に立たねぇ。

「まさか、あたしがこの世界に来た後にOVA化とか!?」

ねーよw。映画の方が先だっつの、一年以上経ったけど、もう公開されてたのかな?だいたい、ヴィータオンリーって、スピンオフじゃん。

「しかし、これからどうするかな・・・」

元の世界に帰るのは・・・現状不可能だな。少なくとも、正攻法じゃ無理だな。それに元の世界に帰る前に、調べないといけない事がある・・・正直考えたくない・・・認めたくないけど。

「おそらくいる、そして・・・この世界は多分・・・」

今まで、考えないようにしていた事を考えて、ふとため息を吐く。

「はぁ、何でこんな事になるのかなぁ?」

何で俺一人なんだか・・・ま、元の世界に返れる保障もないから一人でよかったけどさ。

「とにかく、唯一の手がかりがこの宝石って事だけは確かだな・・・」

【旅の賢石】・・・この銀の宝石。ずっと身に着けていて分かったが、これ今現在も周囲の魔素を吸収してる。闇の書の蒐集を見てきたから分かる。また、チャージが完了して発動したら、元の世界に戻れるなら楽なんだが・・・。

「ご都合展開を信じるしかないなぁ~」

頼むぜ、超展開。



<はやてside>

私達は今、無限書庫に来ていた。ヴィータが消えた原因のロストロギアの情報を、少しでも多く探す為に。

「ユーノ君、そっちはどないや?」

「全然だね。全力でやってるけど、思ったより資料が無い。かなり古い物で、尚且つ資料が少ない物みたいだ」

「こっちもや、全然見つからへん・・・」

焦っても何にもならん事は分かっとる。けど、どうしても焦ってまう。

「それにしても、はやてが検索魔法や即読書魔法が使えるなんて思わなかったよ」

「あ、うん。あの子が残してくれた魔法にあったんよ」

そう、リインフォースが残してくれた魔法。それが、こうして役に立ってる。

「はやて、ユーノ!」

「主はやて、調子はどうですか?」

「あ、シグナム、フェイトちゃん!」

シグナムは、任務があったはずやのに・・・。と言うのも、私とクロノ君、フェイトちゃん以外の皆は予定通り任務を行っていた。皆、休暇申請を取ると言っていたけど、転移捜索の方はクロノ君やフェイトちゃん、リンディさんが頑張ってくれてる。資料捜索は私とユーノ君ですればええからと思って、何とか通常通り任務を行うように説得した。きっと、ヴィータも同じこと言うと思ったから・・・。
まぁ、皆最小限の仕事しかしないで、それ以外は手伝ってくれとるけど・・・。

「あかん、なかなか見つからへん・・・」

「フェイト、クロノ達はなんて?」

「こっちも、まだ駄目・・・。何かしらの転移の痕跡は見つかってるんだけど、転移先が分かる痕跡はまだ・・・」

「そっか・・・」

ヴィータ・・・ちゃんと無事やよね?元気でおるよね?

「主はやて、少し休まれたほうが・・・」

「ユーノも、まだ病みあがりだし・・・二人とも根を詰めすぎると、かえって効率が悪くなるよ?」

・・・そうかもしれん、正直さっきよりも検索効率が若干悪くなってる。けど・・・

「うん、分かっとる。私は、もう少ししたら休むから」

「僕も、あと少し・・・」

少しでも早く、あの子を助けたいから・・・。



<ヴィータside>

「へっくしょん!!」

む、誰か噂でもしてんのかなぁ?しかし、暇だ。調べなくちゃならん事ができたと言っても・・・まだ、情報はゼロ。適当にブラブラしてるしかないからな・・・。

「とりあえずは・・・アイゼン」

『Anfrage wird begonnen.(探査を開始します)』

俺の足元に、魔法陣が展開される。そして、俺は意識を集中させる。

「別次元にも魔力探査、微弱な物でも見逃すな」

『Jawohl.』

さっきの連中、次元魔導連盟はすぐに俺のもとに来た。と言う事は、付近の次元世界にいるはずだ。少なくとも一人は・・・。

それに、次元魔導連盟・・・詳しくは知らないが、たしか数代前の治安組織の名前もそうだったような気もしなくも無い。よく憶えてないけど。

・・・やっぱり、無視して逃げようかな?少なくとも、俺が元の世界に戻るのとは関係の無い事だし。

『Ein Gegenstand wird entdeckt.(対象を発見しました)』

あ~、見つけちまった。まだ、直接見たわけじゃないけど確定したよ。

『Wählen Sie Aktion.(行動の選択を)』

レヴァンティンみたいな発言すんな!

「知っちまったら、行くしかないだろ?」

『Jawohl.』

さてと、

「うし、次元転移・・・座標、反応位置!!」

『Übergang wird begonnen.(転移を開始)』

行きますか。アイツの元へと!!



<ゼイルside>

「グ・・・」

「おのれぇ・・・」

聞こえてきたのは部下達のうめき声であった。部下達は、纏っていた魔導甲冑すら展開出来ない程のダメージを負っていた。

まずいな、もはや立っているのは俺だけか。これでも、腕には多少自信があったんだがここまでとはな・・・。

最初、発見した時は驚いた。なんせ、さっきまで話していた小さい方の嬢ちゃんと瓜二つだったからな。特徴が似ていると言ったが、ここまでそっくりとは思わなかった。それこそ、部下達は喚き散らかしたもんだが・・・。だが、そっくりではあったが明らかに別人だというのも分かった。さっきの小さい方の嬢ちゃんとは明らかに雰囲気が違った、生気の無い目をしていて、自分の意思を持たない。

「まさしく、傀儡と言う所だな・・・」

だが、その力は本物だ。四人いるはずなのに、一人で行動していたからか油断していた。いや、油断とかそんなもんは関係ねぇ、強い!

「もう終わりか?」

「待ちな、まだ俺が残ってるぜ?」

俺は再びデバイスを構える。

「・・・そうか、まだ立つか」

「あぁ、生憎男ってのは諦めが悪くってな?」

さて、どうする。無様だが、正直勝てない・・・。せめて、部下達でだけでも・・・。

「強制転移!!」

俺は、部下達を転移させようとした、だが!

「な!?」

部下達の下に展開した魔法陣は砕けてしまう。そこで、気が付いた!

「くそ!いつの間に、封鎖領域まで張ってやがったんだ!?」

気が付けば、空には結界が張ってあった。硬いな・・・目の前の闇の守護騎士をどうにかしなくては・・・。

「言ったはずだ、お前等の魔力全部貰う」

「くっ、何とか部下達の命だけは助けてはくれないか?俺はどうなっても・・・」

「全部頂く」

満足に会話もさせてはくれないのか?どうする!!

「カートリッジ・ロード」

『Explosion. 』

「はぁ!!」

「ぐぁぁぁ!!!?」

対抗策を考え出す前に、俺は吹き飛ばされる。くそぉ!ここまでか!?

「・・・蒐集開始」

『Jawohl.』

「ぐうぉぉ!!?」

「あがぁあぁ!!?」

「ま、待て!!!」

気付けば部下達の胸から出て来たリンカーコアが、どんどん小さくなっていった。このままでは命さえ危険だと言うのに!!

「ま、待て!頼む、命だけは・・・俺はどうなっても構わん!!だから、部下の命だけは!!!」

こんな仕事をしているからには、命を失う事だってある。だが、少なくとも死ぬなら若い奴よりも、歳をくった俺みたいなのからだ!!

「くそぉ!!」

だが、情けない事に体が動かない!!そんな時!!!

「おりゃぁぁぁぁぁぁあぁあ!!!」

一人の少女の叫び声が、その場に響いた。

「ぐぅっ!!!?」

魔力蒐集をしていたため、避けきれずに突然現れた人物の攻撃を受けてしまい、敵は吹き飛んだ。そして、そこには・・・

「お、お前さんは!!」

「よぉ、おっさん!さっき振りだな?」

先ほど考えていた、小さい嬢ちゃんが立っていた。しかし、まさかデバイスまでいっしょなんてな・・・どう言う事だ?とりあえず、

「誰がおっさんだ!」

おっさんはおっさんって言われると傷つくもんなんだよ!!



<ヴィータside>

「よぉ、おっさん!さっき振りだな?」

「おっさん言うな!」

「え~、じゃぁおっちゃん?」

あ~、まったく。実物見た以上信じるしかないなぁ~、ギリギリまで否定してたんだけど。見慣れた、封鎖領域結界も展開してあるし。

「ま、ある意味あたしが張ったのと同じだし、アイゼン?」

『Es sagt ab.(解除します)』

ふむ、やっぱり解除できたか。当然か、いろんな意味で俺が張ったようなもんだし。

「嬢ちゃん・・・」

「おっちゃんは見たところ、まだ蒐集されていないようだな?」

そう言いながら、俺はかつてシャマルに習った治癒魔法をかける。

「悪いな、あたしはこういうの苦手なんで、ちゃんと全快には出来ない」

「いや、動けるようになっただけマシだ・・・そ、それよりも部下達は!?」

「問題無い、幸いリンカーコアから魔力を根こそぎ奪われたわけじゃない。しばらくは安静が必要だけど、全員生きてるよ。とは言え、すぐにちゃんとした治療が必要だけど・・・」

<ガラガラ>

ちっ、さすがにカートリッジを使用していないテートリヒ一発じゃぁやれないか・・・フランメを使うべきだったか?もう立ってきやがった。

「おっちゃん、部下達を連れて本部とやらに戻ってな」

「ば、馬鹿言うな!?いくらなんでも、嬢ちゃん一人をおいて・・・」

「悪い、今のおっちゃん達じゃ、邪魔なだけなんだよ。あんたの部下達は治療だって必要だし、何よりおっちゃんはまだ蒐集されてない。狙われると厄介だ」

「・・・悔しいが、そうみたいだな・・・」

そう言うと、おっちゃんは部下達を連れて転移する準備に入った。

「あ、援軍はいらないから。間違って攻撃されたら敵わんから」

「了解だ・・・だけど、嬢ちゃん。何者かは、あえて聞かねぇが・・・気をつけろよ」

「うい~す」

そして、おっちゃん達は転移していった。さてと、

「よぉ、態々待っていてくれるなんて、結構気が利いてるじゃねぇか?」

「・・・・・」

だが、目の前のコイツは無言でデバイスを構えるだけであった。

「ちっ、だんまりかよ」

「テメェ・・・」

「あん?」

「テメェ、何者だ?」

そう、アイツは感情の無い声で無表情に聞いた。

「はっ!他人の名前が気になる時は、まず自分から名乗るもんだってアイツに言われなかったか?」

少なくとも、俺はそう聞いた。

「・・・まぁ、今回は特別だ。あたしから教えてやるぜ。ヴォルケンリッター・鉄槌の騎士ヴィータだ!」

「テメェ、ふざけてんのか?」

「ふざけてねぇよ。そら、今度はテメェの番じゃねぇのか?」

「ちっ、あたしは・・・」



―ヴォルケンリッター・鉄槌の騎士ヴィータだ―



そう、やはり感情の無い声で答えた。見覚えのある顔、聞き覚えのある声で。







おまけ(ifルート)

「はやて、皆・・・ごめん・・・」

一人の少女が、血だらけになりながら落下していた。しかし、その少女の足をがしっと掴んだ少女がいた。その少女は血だらけの少女とよく似た顔をしていた。

「いや、あたしに謝られてもなぁ・・・」

あ、ありのままにあった事を話すぜ!ロストロギアが発動したと思ったら、そこはゆりかご最終決戦で血だらけの自分が落ちてきたんだ!!何を言っているかわからないと思うが、俺にも何が起こったのか分からなかった!!幻術とか変身魔法とかそんなチャチなものじゃねぇ!!もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ!!!

「・・・アホな事言ってないで、コイツの治療でもするか・・・」

そう思っていると、

「ヴィータが二人おる!?」

『ふぇ!?な、何でですか!?』

お、こっちの世界のはやてとリインが来た。んじゃ、いいや。

「はやて、コレ頼まぁ」

そう言って、掴んでいたこっちの世界のヴィータをポーンと投げた。

「はわわ!ヴィータ!?」

『えっと、えっと!と、とりあえず治療を!!』

後ろは無視してっと。

「今回だけ、特別だ!」

どうにも、俺が現れた事で一瞬気が逸れてしまって、ゆりかごの駆動炉破壊に失敗したみたいだし。

「どうせ、ここのあたしは出来ないだろうから、よぉく見とけよ!!」

「な、何する気だ・・・?」

黙って見てろよ、怪我人。

「一撃入魂!メテオ・ストライク・ブレイカー!!!」



加速する激戦・・・深く介入はせんけど。



「邪魔すんな!あたしは、なのはやはやての所に!!」

「うっせーな、あたしに守られるだけで精一杯のクセに偉そうな事言ってんじゃねぇ!しかし、まだガジェットが動いてるって事は、クアットロはまだぶっ飛ばされてないのか・・・。や~い、腹黒メガネ!どうせ見てるんだろ、どうした!!あたし達はまだ生きてるぜ~!!」

「何がしてぇんだ!!テメェ!!?」



とりあえず、悪口を言う。どーせ、もう展開変えようが無いだろうし。



「おいおい、無茶すんなよ。休んどけって」

「うるせぇ!なのはとはやてが、閉じ込められてんだぞ!?」

「それに、聞こえるだろ?お前の教え子達が来てるぜ?」

「はぁ!?」

「ヴィータ副隊長ご無事で!!」

「なのはさんと八神部隊長の救出・・・行って来ます!!」

「ほらな?」



「ねぇ、ティア?」

「なによ!!」

「ヴィータ副隊長・・・二人いなかった?」

「・・・・・気のせいよ」

「絶対いたよね!?」

「気のせいって言ってるでしょ!!!」

「ティアァァァァァァァ!!!?」



「あはははははは、混乱してやんの!!」

「お前何がしたいんだよ!」



ちょっと自棄になる!!何かもう、自分でも訳分からん状況に。



「ヴィータちゃんが二人!?」

「何故だ!?」

「おう、シャマルにザフィーラ。いや~、真っ二つに千切れたと思ったらそのまま分裂して再生してさぁ~!」

「グロ!!?」

「嘘言うんじゃねぇ!!」



そして、始まるヴィータVSヴィータ



「大地を穿て、紅き閃光!!一撃入魂・・・メテオ・ストライクゥ!!」

「ま、待て待て!!あたしの方は遠距離魔法なんて無いぞ!?」

「ちょっと、お話しよっか?」

「なのはか、テメェ!!?」

「ブレイカー!!」

「ぎゃぁぁぁぁ!!!」



新章「二人のヴィータ編」・・・没になりました。



「この世界に来た原因の一つに、クロノがユーノを使い潰したことも理由の一つなんだよな。とりあえず一発殴らせろ」

「な!?それは別世界の俺だ!!」

「落ち着けって、パンツやるから」

「別世界の俺はどういう人間なんだ!!?」





あとがき

誤字報告ありがとうございます。特に俊様、ほんと毎回感謝しています。

そして、皆深読みしすぎだよ!!(汗)

うちのSSは、PT事件にあった台詞の『過去をさかのぼることも死者を蘇らせることも、けしてできない』と言う発言を尊重しているつもりです。ですので、今回のはあくまで時間軸のずれた平行世界なのです。うん、なんていうか感想にあった発想なんて微塵も無かった。皆良く思いつくなぁ・・・。

あと、ここは古代ベルカが滅んで大体約百年後の時代です。ミッド式が主流です。古代ベルカ時代なんて、無理無理。本当はチャレンジしたかったけど、スケールでかすぎ。書いてる人とかマジ尊敬ものだねあれは。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十四話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/05/23 03:02
「さて。それじゃぁ、今現在、分かった情報を整理しよう」

とある一室で、ヴィータを除く皆が集まっていた。

「まずは、私達からの報告をするね?」

そう、フェイト・テスタロッサは言う。彼女は、リンディ、クロノ、エイミィと共に現場の転移の痕跡からヴィータの行方を追っていた。だが、成果は・・・

「残念だけど、成果はゼロ。何かしらの転移の痕跡は、分かってるんだけど・・・その先がまったく分からない・・・」

そう、暗い表情で言った。

「そっか・・・」

なのはは、呟いた。

「次は、僕達からの報告」

今度は、ユーノが発言を開始した。ユーノは、はやてや他の司書と共にヴィータの消失の原因となっていると思われるロストロギア【旅の賢石】について調べていた。

「正直、順調とは言えない。術式も不明、古代ミッドまたは古代ベルカなのか、それとも別の土地からの流失物かも分からない。ただ、どうにも何かの研究のために作られたみたいだ」

その言葉に、クロノが意見を言う。

「その研究目的は、分かっているのか?」

それに、はやてが答える。

「詳しくは分からへん。曖昧なんや・・・」

「うん、世界の研究らしい」

「世界の研究?」

「それ以外はまだ・・・ただ、一つ気になる文が見つかった」

「それは?」

「それは・・・」



―発動すれば決して交わらない世界へといざなわれる―





第四十四話「復活せしは、再誕の風――Ⅳ――」





<ヴィータside>

「最初に言っておく!あたしは、かなぁり強い!!」

「・・・・・」

無視された。

「なんだよ、ノリ悪いなぁ?」

「馬鹿かお前」

「馬鹿言うな!」

それにしても、なんとまぁ。はっきり言うが・・・気に入らない。生気が感じられない目といい、自分の感情も持っていないように見える。なにより、騎士甲冑・・・最初の黒い服に適当に装甲を付けた感じの物が酷くイラつくんだが。多分、いや、絶対ろくな主じゃない。それにしても、まさか過去・・・は、ありえないと思うんだが、時間軸のずれた平行世界か?とにかく、こんな世界に来ちまうなんてな!

「ちっ、おい!今お前の主はどこにいる!?」

「それを聞いてどうする」

・・・ぶっ倒した所で、闇の書は次の主の下へと転移するのみ。けど、完成すれば多くの被害が出る。自己満足だろうが、心の贅肉ってやつだろうが・・・助けれるもんは助けるに越した事はない。闇の書本体を、跡形も無く吹き飛ばせば、主を取り込まずに転生する可能性もある。うまくいったのなら、今の主には生きて罪を償ってもらう・・・あのおっちゃん達の様子を見ると、悪い事してるみたいだし。

「ま、自己満足ってやつだよ」

それに、守護騎士達も次の主の元、闇の書の第一覚醒までという短い期間ではあるが休息が得られる。今の主をぶっ潰すって選択は別段間違ってないはず・・・いや、本当は俺が見たくないだけかもしれないかもな・・・こんな姿を。

複雑だな、こんな形で本来のヴィータに会うなんて。

「とにかく、さっさと今の主の場所を教えな!」

そう言って、俺はアイゼンを目の前のヴィータの方へと突きつける。

「断る。お前を倒して、お前の魔力を貰う」

そう言って、向こうも構えてきた。

「なんのために?」

「それが、主の命だから」

「一々、言う事を聞いてやるだけの奴なのかよ!!」

「それが、あたし等の使命」

「ッ!!馬鹿やろう!!!」

「アイゼン!!カートリッジ・ロード!!」

「アイゼン。カートリッジ・ロード」

『『Explosion・・・Raketenform』』

「「ラケーテン!ハンマー!!」」

<ドガッ!!!>

互いにぶつけ合ったグラーフアイゼンは、すさまじい衝撃を放つ。ぶつけ合う中、俺はさらに問いかける。

「そこにお前の意思はあるのか!!その行為に、何の意味がある!!」

「それが、あたし達の存在する理由。それ以外何がある?」

「違う!そんな事のために、あたし達は存在してるわけじゃない!!」

「違わない」

「ふざけんなぁぁぁぁ!!!」

分かってる!分かってるさ!!心の無い主の下では、感情を見せて生きられないことぐらい!それでも!!見たくないんだよ!!間違ってるのか俺は!!?

「だったら、お前をぶっ飛ばして主の居場所を吐かせてやる!!!」

「ッ!やってみろ!」

そう、向こうが叫んだ。少し嬉しかった、感情を少し見せてくれて。そして、激しい衝撃に耐え切れず、俺達は一度距離をとった。

「大体、お前は何者なんだ?あたしと同じ姿をして!」

そう言ってくる。けど、俺の答えは変わらない。

「さっきも言ったはずだぜ?あたしは、ヴォルケンリッター・鉄槌の騎士ヴィータだってよ!!アイゼン!!!」

『Schwalbefliegen』

俺は四つの銀弾を放つ。

「それは、アタシの名だ!アイゼン」

『Schwalbefliegen』

対して、向こうも同じく銀弾を放つ。ぶつかり合い、爆発して煙を発生させる。相殺したように見えたが!

「な!?ッ!!?」

こっちの放った銀弾が一つ残っており、それが向こうのヴィータに向かって飛ぶ。

「けど、避けるまでも無い。障壁」

『Panzerhindernis』

だが、一発では障壁がやぶあれるわけも無く、あっさりと防がれた。けど、足は止めれた。

「一斉砲火!シュワルベフリーゲン・ガトリングシフト!!」

「な!?」

次々と打ち出されていく銀弾は、止まっている相手に向かって飛んだ!!今まで、同じ技しか使わなかったから、コレには一瞬の戸惑いが出来るはずだ。

<ガガガガガガガ!!!!>

次々と障壁や付近の地面に当たり、爆発音と共に煙が発生する!!だが、

「馬鹿か、確かに相当な数だけど、その分一発の威力がよえぇ!」

そりゃ、そうだ。元々使い所があまり無かった技だもん。けど、これで・・・

「お前の視界はゼロだ」

そう、奴の回りは煙のせいで視界がゼロ!

「アイゼン!」

『Explosion』

「ラケーテン!ハンマァァ!!」

コレで決める!!

<ガキィ!!>

障壁に当たるが、そんなの!!

「ぶち抜けぇぇぇぇぇ!!!」

『Jawohl.』

<パリィイン!!>

障壁は割れ、俺の攻撃がヴィータに当たる!

「おりゃぁぁぁ!!」

「なめるなぁぁぁ!!」

咄嗟に、シールドを張るが・・・

「そのままぶっ飛べぇぇぇぇ!!」

「う・・ぁ・・・ぁぁあぁああ!!!?」

激しい砂埃を発して、そのまま向こうまで吹き飛んだ!

「おし、これで・・・」

正直、勝ちはしなくても大分有利になったと思った。けど!

「なぁ!?」

突如、大きな影ができたと思ったら、そこには!

「轟天爆砕!」

「ギガント・シュラークだぁ!?」

まさか、吹き飛ばされながら準備を!?まずい、今からこっちも同じ技を出そうとしても間に合わない!!

『Pferde』

俺は咄嗟に、高速移動魔法をかけ避けようとする!

「ギガント・シュラーク!!」

振り下ろされる、巨大な槌!マズイ、避けきれな・・・

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

直撃は免れたものの、俺は吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。

「くっ!ってぇ~~~!!!」

きいたぜぇ!!

「ちっ!仕留めきれなかったか」

気付けば、向こうはボロボロになりながら立っていた。

「へん!まだまだ!!」

そして、俺も痛みに耐え立ち上がる。それにしても、結局また五分五分の振り出しだな。

「さて、まだ主の居場所を言う気は無いのかよ?」

「言う気は無いな、けど・・・一ついいことを教えておいてやる」

「あん?」

なんだ、急に?感情の無い顔は変わらんけど・・・ちょっとは闘いの中で自分を出し始めたのか?

「闇の書の完成は・・・もう少しだ」

「な!?」

よりにもよって!なんつータイミングの悪さだ!!

「そうだ、リイン・・・じゃなくて、管制人格は!?起動させてるのか!!?」

「いや、何でかは知らないけど主が許可を出してない」

・・・なんでだ?けど、助かった。コレで向こうの戦力はシグナム、シャマル、ザフィーラそして、闇の書の主・・・計四人か。キツイが、みんなの手の内は知ってる。逆に向こうは、俺が新たに編み出した魔法は知らない。何とか隙を突いて、闇の書を・・・。

「けど、どちらにしろあたしを倒さない事には、主の下にはいけないぜ」

「へ、言われなくても!」

<ザッ!!>

再び、俺達はぶつかり合った!

<ガッ!ガッ!!ガッ!!!ガキィイイン!!!>

「どうした、お前はそんなもんか!?」

「それは、こっちの台詞だっつーの!!」

とは言え、俺は内心舌打ちをしていた。総合的に見れば、おそらく俺のほうが強い。けど、接近のみに関しては若干あるが向こうの方が分がある。元来、ヴィータは割りと何でも出来るオールラウンダーだ。そりゃぁ、ベルカ式だし接近の方が得意と言えば得意だが、俺は取り入れれるものは何でも取り入れたし・・・性格の差が出てきたか。

「けど、接近戦だけの話だ!」

魔法技能に関しては、こっちの方が僅かに分があるはずだ!!

「アイゼン!」

『Explosion』

「こっちも、アイゼン」

『Explosion』

「「ラケェーテン!!ハンマァァァ!!!」」

<ガギィィィィン!!!>

「「うりゃぁぁぁぁ!!!」」

火花が散る、それでも両者一歩もひかなかった。

「へ、やるじゃねぇかぁぁぁぁぁぁあ!!」

「そう言う、お前もなぁぁぁぁあ!!」

いつの間にか、純粋にどっちが強いかの勝負になっているような気がした。



「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

「はぁ・・・はぁ・・・」

あれから、何度もぶつかり合い、俺達はお互い息絶え絶えであった。

「よぉ・・・そろそろ決着つけねぇか?」

俺は進言する。

「へ、上等!」

そして、アイツは応えてくれた。

「「アイゼン!!」」

『『Explosion・・・Gigantform!!』』

「「轟・天・爆・砕!!ギガント・シュラークゥゥゥ!!!!」」

そして、最大の一撃がぶつかり合った!!

「「でりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」」

<ゴッォォォ!!!!>

余りの衝撃に爆風さえ発生する!これは・・・互角か!?

「「まだまだぁぁぁぁ!!」」



<outside>

激しい一撃のぶつけ合いは続いていた。

お互い、さらに力を入れる!それでも、やはり互角であった。やがて、その衝撃に耐えきれず、遂には両者吹き飛んだ。そして、また、視界が悪くなる。

「ぐ、くそぉ!!」

「ちぃ!!」

だが、コレはお互いにとってチャンスであった。どちらが先にこの視界の悪さから、相手を見つけ攻撃を仕掛けるか、両者体力も魔力も限界であったゆえに、これが今度こそ最後の勝負となった。どちらが先に仕掛けるか!そして、

「アイゼン!!」

『Explosion』

この叫び声で、相手の位置が分かった!そう考えたのは、この世界のヴィータであった。

「(馬鹿が、うかつに声に出したのが命取りだ!!)」

そう思いながら、飛び出した!声のする方へと!!そこには影が見えた!!

「(貰った!)」

そう思った。だが、そこにあったのは・・・

「ッ!?デ、デバイスだけ!!?」

グラーフアイゼンが地面に突き刺さってるだけであった。一瞬思考が止まって、次の行動に遅れが生じてしまう!!

「でりゃぁぁぁぁ!!!」

「しまった!後ろ!!?」

そして、振り返った時自分と同じ姿をした者の手から、魔力刃が発生しているのを見てこの世界のヴィータは倒れた。

「名付けて、鋼の牙・・・なんてな?」

薄れいく意識の中、最後に自分と同じ声でそんな言葉を聞いていた。



<ヴィータside>

「名付けて、鋼の牙・・・なんてな?」

ふぅ・・・なんと勝てた。正直、ちょっぴり納得のいかない勝ち方である。

「悪いな、アイゼン?こんな囮にして?」

『Von jetzt auf, halten Sie bitte.(今後、しないでください)』

分かってるって、サンキューな。それにしても、ザフィーラに鋼の軛を習っててよかったぜ(たいして多く出せないけど)。ま、自分でもこんな使い方するなんて思わなかったが・・・即興で考えたからな・・・。しっかし、何となく張り合って同じ技をぶつけ合ってたなぁ・・・。

「いつの間にか、コイツも感情を見せながら戦ってくれたっけ?」

それが、やっぱりちょっと嬉しい。

「って、気絶してたら主の居場所聞けないなぁ・・・」

『Die Reaktion kam heraus.(反応あり)』

む、例の次元魔導連盟か?さすがに、ギガント同士のぶつけ合いは誤魔化せなかったかな?

「はぁ・・・しょうがないか」

俺は、この世界のヴィータを抱え、いつの間にか待機状態になっていたこの世界のアイゼンをポケットに入れ、その世界から去った。

「さて、大人しく主の居場所を教えてくれると良いがなぁ・・・」

そんな事を呟きながら。





おまけ(ifルート)

最初に聞いたのは、多くの人間の声であった。

「ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!!」

「さすが、ゼロだ!!」

「う、うるさい!何かの間違いよ!!」

「ありえねぇ~!!」

・・・マジで?よりによってゼロの使い魔なんて・・・。ルーンが刻まれる前にさっさと逃げるか。そう思い、顔を上げるとそこには・・・。



ルイズの格好をしたアリサがいた。



「・・・なにやってんだ、アリサ?」

「だ、だっだだっだ誰がアリサよ!!」

「落ち着け。いや、どう見てもさ・・・」

「う、うううううううるさい!!うるさい!!!私はアリサなんかじゃないわよ!!朝起きたら変な世界で、皆アタシの事を『ルイズ』って呼んで・・・なのは達が助けに来てくれるって思っても早数ヶ月、いつまで経っても来なくて諦めかけて・・・うぅぅ・・・」

「あ~、スマン、スマン。いっしょに帰ろう・・・な?」

「うぅぅ・・・ありがとうヴィータァ・・・」



ところが、事態は思わぬ方向に!!



「スマン、アリサ」

「へ?」

「こっちに飛ばされた影響か、次元転移魔法の術式が壊れてる・・・」

「・・・・・・他の魔法は?」

「使える・・・」

「何でピンポイントに、それだけ壊れてるのよーーー!!!?」

「あ~でもさ、なのは達と連絡ついたから、救助に来れるって」

「本当!?どれぐらい!!?」

「・・・一年」

「一年!?長いようで、短いようで、やっぱり長いわよ~!!!!!」

「それから、『アリサちゃん?やだな~、ちゃんといるよ?最近髪の色変えたみたいだけど~♪』との事だ」

「声なの!?アタシの基準、声なの!!?ねぇ!!!?」

「・・・・・・頑張れ」

「・・・友達って、何なのかしら?」



そして、物語は何となく始まる



「ヴィータ、あんたギーシュと決闘するんですって?」

「まずいか?」

「BO☆KO☆RE☆」

「・・・お前も溜まってるなぁ・・・」



「ギガントシュラーク!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「あ~はっはっは~!!ざまぁ見なさい!!普段からアタシを馬鹿にした罰よ!!!」



さらに、物語は進む



「やぁ、ルイズ」

「げ、出たわね?何が悲しくて、こんなおっさんと結婚しなくちゃいけないのよ?ちょっとヴィータ、コイツぶっ飛ばして!!」

「なんでだよ、めんどい」

「いいじゃない、今はあたしの使い魔でしょ?元の世界に戻ったら、翠屋のケーキいくらでも奢るから~」

「ケーキのために、滅びろワルド!!」

「面白い!君ではルイズを守れないという事を・・・」

「ラケーテン!!ハンマァァァーー!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

「お~、見事に飛んだわね?」

「(物語、完全に変わるなぁ~・・・別にいいけど)」



ゼロのアリサ編・・・やりません!!











あとがき

期待が痛いよぉ!!でも感謝です!!日々精進しております!!!

誤字が報告、ありがとうございます!!恒例の御礼となっています!!(汗)

それにしても、今回のどっちがどっちやら。

それにしても、おかしい。元々三話ぐらいで終わらせる予定だったのに・・・まだここなんて。まだこの、中二病話続きます。

関係ないけど、クロノがTSしたらユーノとくっつきそうに思えるのは、俺だけだろうか?



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十五話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/05/23 03:03
「ああ~、もう!!本当に世話が焼ける!!」

「ほらほら、手を動かす」

無限書庫、ユーノとはやてが調べている場所から少し離れて、変身魔法で姿を誤魔化して資料捜索をしている使い魔が二人いた。

名は、リーゼロッテ、リーゼアリア。

「それにしても、なんのかんので熱心よね?」

「あ、あんな奴どうでもいいのよ!!でも、父様がいっつも心配そうな顔をしてるから・・・!!!」

「はいはい」

「大体、あいつのせいで、父様の変な噂がたってるんだから!!」

「は?」

正直、アリアにとってそれは初耳であった。

「なにそれ?私は知らないわよ?」

「今、本局で流れてる噂!!父様の退職の原因について!!!」

「まぁ、基本詳しくは不明だもんね・・・」

それにつけこんで、彼女が変な噂を流したのだろうか?いや、そんな回りくどい事をする性格ではないと思うのだが・・・そう、アリアは考えていた。

「今、こんな噂が流れてるんだよ!父様は特殊な趣味に目覚めたって!!使い魔に変な服着させてるって!!絶対アイツの仕業だよ!!!」

「・・・・・はぁ」

そりゃ、あんたのせいだ。そう、アリアは思った。メイド服のみならよかったが、最近どこから持ってきたのか様々な種類の服を、よく着るようになっていたからである。退職の日もメイド服着てたし。

しかし、それを口には出さなかった。何故なら、自分も結局着ていたりするからである。





第四十五話「復活せしは、再誕の風――Ⅴ――」





<ヴィータside>

「お~し、アイゼン。今から騎士甲冑の変更を進言するぜ」

『Es lehnt ab.(拒否します)』

拒否られた。ちなみに、俺の騎士甲冑ではない。こちらの世界のヴィータのである。正直、あの騎士甲冑は見るに耐えん。

「やっぱり、闇の書の主じゃないと無理なのか?」

『Das ist richtig.(その通りです)』

「ケチ」

『Verständnis(ご理解を)』

「お前の方はどう思う、アイゼン?」

『Es ist unvermeidlich(仕方ないかと)』

ちなみに今は、こちらの世界のヴィータは拘束させてもらってる。管理局で犯罪者に使うやつな?アイゼンは離れた場所に置いてるし、早々簡単には抜け出せまい。

場所は、かつてグレアムの爺さんと交渉をした世界の廃屋。もっとも、人がそれなりにいるけどな・・・まだ、繁栄をしていた時期って訳じゃなく、今は住民が別の世界に移住してる最中と言った所だ。理由は、世界の文明の遅れ。魔法のみに頼った世界なので、科学技術が欲しくなり、次元魔導連盟に連なう世界への移住をしているらしい。

「魔法のみに特化していた世界だったのか・・・」

どちらにしろ、隠れるにはもってこいの場所かもな。人の次元移動が現在盛んな世界だ、それにうまく紛れ込んで転移したから、補足される心配は無いだろう。ジャミングも張ったし。

「まだ起きないなぁ・・・」

それにしても、まだ起きる気配は無い。もう、丸一日経ったというのに。

「ま、いいや」

『Ruhe wird geraten.(休息を進言します)』

「む、そうだな・・・」

俺も眠いし、寝るか。そう思い、寝る事にした。暖かい世界であったので、毛布は不要だ。持ってきた上着で事足りた。



「おい・・・」

「むにゅ~・・・」

「お・い!」

「しぐなみゅ~、それあたしのプリン~むにゃむにゃ~・・・」

「・・・・・すぅ~」



―起きろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!―



「うわぁぁ!!?」

な、なんだ!!?敵襲か!?シャマルが料理を失敗したのか!!!?

「ったく、やっと起きたか。人を縛っておいて、自分はのんきに寝やがって・・・」

「・・・は?」

俺がいる。なんだ?まさか、かつてのヴィータが分離して・・・いや、待て。思い出した。そうか、時間軸がずれた世界に来ていたんだな?

「・・・うし、体力も回復してるな?」

俺は、手をニギニギさせながら言う。完全というわけじゃないけど、流石に治りが早い。あとで、町の治癒魔導師にでも会って、完全回復させてもらえばいい。幸い、前の世界で探査中に絡まれた野党みたいなのから金を貰ったし。・・・と言うか、勝手に金を置いて逃げたって言う方が正しい。別に俺は脅してはいなかった。

「で?」

「あん?」

「結局お前は何者なんだ?あたしと同じ魔力、同じデバイス・・・あたしのコピーとかなのか?」

だったら、どれだけ楽だったか。本人だから、色々苦労したんだよ。まぁ、はやてや皆に会えて後悔はしてないけど。

「残念。あたしは間違いなく、夜天・・・っと、闇の書の守護騎士だ。ロストロギアの影響で、おそらく平行世界から来たんだと思う」

「・・・それを信じろと?」

む、すっかりまた感情を見せなくなってきた。

「信じる、信じないはお前の自由だな?」

「・・・・・・ちっ、ここまでいっしょなんだ。暫定的に信じてやる」

さいですか。

「さて、それじゃぁ、そろそろ主の居場所を教えてもらおうか?」

「断る、それに教えたからってなんになる?」

「なんだと?」

「教えて、仮にお前が主を倒したとしても、あたし達はまた次の主の元へと行くだけだ。何も変わらない」

たしかにそうだ・・・けど。

「闇の書が完成まじかっていうなら話は別だ。取り返しのつかなくなる前に、次の転生をさせる必要がある」

「・・・たしかに、正直・・・今の主は・・・」

「生憎、主の性格は関係ない」

そう、完成すれば、主の意思などお構い無しだ。暴走が開始し、侵食が広がり自らの力に器が耐え切れず自滅するまで被害が広がる。

「ど、どういう意味・・・」

「悪いが、多分今のお前には理解できないと思う・・・しかし、その口振りだとやっぱり碌な主じゃないみたいだな?」

コイツの騎士甲冑を見ても予測はついていたけど。

「・・・・・」

「主には言わないから、お姉さんに教えてごらん?」

「なんだよ、お姉さんって?」

む、大人フォームになってやろうか?いや、止めとこう。何となく。

「・・・2番」

「は?」

まさか・・・

「あたしは、そう呼ばれている」

な!!!?

「ッ!ふざけんな!!」

<ドガッ!!>

俺は思わず壁に、拳を叩きつけた。よりにもよって番号だと!?人形や道具扱いどころか、名前すら呼ばないのかよ!!?

「教えろ!」

「断る」

「庇う義理はあるのかよ!?」

「どんな奴でも、あたしは主を守る責任がある」

「ふざけんな!!!」

あ~、ったく腹立つなぁ!

「・・・・・だけど」

『Daten werden geschickt.(データを送ります)』

ん?なんだ?アイゼンからアイゼンへと何かのデータが・・・?

「・・・なにかの座標データ?」

「そこに、現在の闇の書の主がいる・・・まだ移動してなかったらな」

「・・・お前・・・」

「勘違いすんな、あたしは何もしてねぇ・・・アイゼンが勝手にした事だ」

『Mir tut es leid(すみません)』

「かまわねぇ。あたしもどうせ話そうと思っていた」

「・・・サンキュー」

「礼はいらねぇよ。どうせ敗者は勝者の言う事をきかないといけないもんだから・・・」

「でも、サンキュー」

「ちっ、早く行け・・・けど」

「あん?」

「向こうにはシグナム達がいる。やっぱり・・・」

「無謀だって言うんだろ?」

けどなぁ・・・!!

「自分の意思の篭もった目をしてない連中に負ける気はしねぇ!!」

「・・・そうかよ」

「おう、つー事でじゃぁな!!」

「な、おい!?これ解いて・・・」

「そうしたら、色々マズイだろーが!!」

「ま、まてぇぇ!?」

聞こえない~♪

そして、俺は飛んでいった。とりあえず、町に出て治療して全快してから行くか!!



「はい、これでよし」

「どうもっす」

町に出て、俺はすぐに治癒魔法の専門家の所へ行った。美人さんである。

「御代を・・・」

「あぁ、いいのよ別に?私も、もう今日で店じまいの予定だし・・・」

「いえ、でも・・・」

「はいはい、いいから子供は遠慮しない!」

「はぁ、では、ありがとうございました」

「いいえ~」

そして、俺は今度こそ現在の書の主の元へと転移した。

「あれ~?ロウラン先生。まだ、いたんですか~?」

「ええ。明日移住の予定なの~!」

・・・また何か見過ごした気分。



よし、計画を言うぞ・・・。

この世界のヴィータのフリをする。→集めた魔力を蒐集させる振りして、闇の書借りる→ぶっ飛ばす→闇の書転生、ヒャホウ!!→ついでに、主をぶっ飛ばす→完

・・・完璧だ!!

「なわきゃねぇ」

シグナム達はすぐに気付く筈だ。夜天の書を介して、俺とのつながりが無い事に。それに気付く前にケリをつけないとヤバイ。

「ヴィータこそいないが、守護騎士三人同時・・・いや、主を入れて四人か」

管制人格が起動してないのは、不幸中の幸いだな。何でだ?

やっぱり、逃げてぇぇ!!!・・・けど、さっきのヴィータの目・・・あの目と同じ目をしているはずなんだよな、他の連中も。

「・・・やっぱ、ほっとけねぇよな」

きっと、アタシ以外の奴でも同じ行動に出るはずだ。それを差し引いても・・・。

「なにより、闇の書が完成まじかだしな」

完成すれば、多くの命が犠牲になる。助けれるもんは、助けるに越した事無いだろう。

「うっし、行くか!」

『Ja. 』

「転移開始」

さて、何とか頑張るか・・・。



「おい!1番!!まだ2番は戻ってこないのか!!?」

「はっ!今だ連絡はついておりません・・・捜索許可を・・・」

「もういい!!そんな事より、蒐集が先だ!!」

・・・ぶっ潰す。本当に碌な奴じゃない。おまけに悪人な顔だこと、なんでこんな奴が主なんだよ。

「うし、作戦開始」

俺は、そう呟くと動き始めた。

「む、主。どうやら戻ってきたようです」

「遅いぞ!!2番!!!」

「はっ!申し訳ございません」

あ~、何でこんな奴に謝らないといけないんだよ。

「まぁいい!!それよりも、魔力は蒐集できたのだな!!?」

「はっ!途中、次元魔導連盟の者達と出くわしまして、時間が掛かりましたが大量の魔力が手に入りました。40ページ分はあるかと・・・」

「なんだと!?」

そう言って、目の前の男はパラパラと夜天の書を捲っていく。心なしか、紙がヨレヨレのように見える。

「ふ・・・ふふ・・・あっはははははははは!!!」

お、狂った?

「なんだ!コレで完成じゃないか!!あはははははは!!!これで、俺は王になれる!!!全ての次元世界の王に!!!!!」

・・・典型的な、イカレ野郎だ。自分が特別だとか思っている。

「闇の書を・・・デバイスに保管している魔力を蒐集させます」

「ふん、早くしろ!!」

そう言って、受け取る。そして、俺はアイゼンを起動させる。

「闇の書よ」

夜天の書は、俺の声に反応して浮かび上がる。

「アイゼン!!カートリッジ・ロード!!!」

「なぁ!!?」

決める!!

「ラケーテン!!ハンマー!!!」

アイゼンを振り下ろす。だが!!

<ガギィィィィン!!>

「ッ!!?ザフィーラか!!?」

「はぁぁぁぁぁ!!!」

失敗か・・・だが!!

「ぶち抜け!!グラーフアイゼン!!!」

『Jawohl!!』

「ぐ・・・ぐぉぉぉぉぉぉおぉ!!!?」

ザフィーラの障壁は割れ、何とか一撃加える事が出来た。

「はぁぁぁあ!!!」

シグナムが、咄嗟に斬りかかって来た!!

「唸れ閃光!爆音となれ!!」

『Eisengeheul』

俺は、目くらましをかけ一度その場を離れる。

「さて・・・ここからか・・・」

ザフィーラは、ダメージはおったが、あれぐらいでくたばるほどやわじゃない。

「な、なんのつもりだ!!2番!!!?」

もう、演技の必要もない。

「アイゼン!」

『Schwalbefliegen』

「はぁ!!」

俺は銀弾を男に向かって、放つ。

「ひぃ!?」

「はぁ!!」

そばにいた、シャマルが障壁を張り防いだ。しかし、自分で自分の身を守ろうとしないどころか、悲鳴を上げるだけなんて・・・。臆病者か、強い奴じゃなくて、俺にとっては好都合だが・・・あんな奴にシグナム達が従ってるのが気に障る。

「あたしの名前は、ヴィータだ!間違えるな!!」

「な、貴様!!主に逆らう気か!!?」

「はん!生憎、あたしの主はあんたじゃないんでな!!」

「なぁ・・・!!?」

「主」

「何だ、1番!!?」

シグナムの事を1番と言うのか。まぁ、あいつ将だし、あながち間違いでもないかな?

「たしかに、彼女は魔力、姿、声・・・いずれもヴィータで間違いありません・・・ただ・・・」

「何だ!?」

「我々との繋がりがまったく感じられません」

そう、シャマルが言う。それにしても・・・皆、あのヴィータを同じ目をしている。予想していたとは言え、それが酷く悲しい。

「な、じゃぁ!誰だ貴様!!」

まったく、この台詞ばかりだな。

「何度も言わせるな、あたしはヴォルケンリッター・鉄槌の騎士・ヴィータ様だ!!」

ちっ!しかし、これで4対1か・・・何とか踏ん張らないといけねぇな!!







おまけ

「・・・暇だ」

『(Es ist unvermeidlich.(仕方ないです)』

「黙ってろ、グラーフアイゼン」

『Ja. 』

それにしても、何故自分はあんな事をしたのであろう?自分は主を守る義務があると言うのに。

「わかんねぇ・・・」

思い出すのは、彼女・・・自分と同じ姿をした・・・いや、もはやそれはどうでもよかった。引っかかっているのは彼女の言葉。



―一々、言う事を聞いてやるだけの奴なのかよ!!―



―そこにお前の意思はあるのか!!その行為に、何の意味がある!!―



馬鹿なことを言われた。自分の存在に・・・それは、意味の無い言葉。

なのに、この胸のモヤモヤはなんだと言うのだろうか?

「わからねぇ・・・」



―違う!そんな事のために、あたし達は存在してるわけじゃない!!―



何度も考える。けど、やはり・・・

「わからねぇ・・・」

いつまで経っても、気がはれる事は無かった。

けど、一つだけ思うところがあった。

「見逃してもらった借りは、返さねぇとな・・・・・」







あとがき

(^q^)/





『今回誤字報告が、まだ無い』

『おまけの反響が凄い』

「なん・・・だと・・・?」

本編と絡みの無いおまけは、基本的に思いつきとノリだけです。長いはっちゃけ話はマッド夫婦に書いてますべ。(黒リインの反響がすげぇんだ。よかったら見てください)

あと、本編中に出てたサイトっぽいのはちゃんと、ゼロ魔の世界に行ってるんじゃないかなぁ?遠い世界なんで絡まないです。でも、ここリリなの世界なんでレアスキル持ちだったりして。そう思うと愉快ですねw

それにしても、ゲロロ軍曹さんめ!チクショウ!!なんていい事言いやがる!!!妄想が広がり始めたじゃねぇか!!

くそったれ、頭にくるぜ!!!(アイディア的に)



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十六話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/06/07 02:38
「シグナムって、胸でけえよな!」

拳骨を貰った。

「シャマルって、騎士甲冑も翠だけどさ。やっぱ下着も翠なんだな、薄い翠で・・・」

一時間、説教をくらった。

「ザフィーラ。狼だってイヌ科の動物なんだぜ?これからは、毎回言われると思うぞ?」

何も言わず、噛み付いてきた。

それが、俺の仲間達だ。それが俺と同じ、守護騎士だ。くだらない事を言い合える仲間。けど、大切な仲間。



―だから―



―認めたくなかった―



―いや、見たくなかった―



―あいつ等の、生気の無い目も―



―何もかも―



だから、俺は。

「ぶっつぶす・・・!」

俺はそう思いながら、アイゼンを握り締めた。





第四十六話「復活せしは、再誕の風――Ⅵ――」





<ヴィータside>

「シグナムって、胸でけえよな!」

「・・・・・」

無視された。

「シャマルって、騎士甲冑も翠だけどさ。やっぱ下着も翠なんだな、薄い翠で・・・」

「騎士甲冑は黒よ」

冷静に返された。

「ザフィーラ。狼だってイヌ科の動物なんだぜ?これからは、毎回言われると思うぞ?」

「くだらん」

くだらん言われた。

「なんだ、つれないなぁ皆?」

さて、ザフィーラには、一撃当ててるけど。コレは辛い戦いに・・・。

「お、おい!貴様!!何なんだ!!!さっきから!!!」

「黙ってろ」

『Schwalbefliegen』

「はぁ!!」

さっきから、耳障りな叫び声を出す人物に再び俺は銀弾を放つ。

「よ、4番!!」

「は!!」

そう、男が叫ぶと、ザフィーラが障壁を張り男を守る。

「ひゃはは、どうした!そんな物か!!?」

さっきはびびってたくせに、強気だな。しかも、自分一人じゃ何も出来ないタイプときたか・・・。ますます、気に入らないが、コレで実質3対1だな。ありがたい。

「おい、1番と4番!!とっとと、そいつを片付けろ!!3番は俺を守れ!!!」

「「「はっ!!」」」

そして、シグナムとザフィーラが俺に向かって飛んでくる。シャマルは、男を守る体制をとる。

おし、これで2対1。見たところ、あの男は臆病者だ。今まで戦ったことすらないんじゃねぇか?まぁ、いい!

「アイゼン!!」

『Schwalbefliegen』

俺は、銀弾を一つ精製する。一つだけだけど、こいつは・・・!!

「特大だ!!!」

『Es wird besonders gemacht.(特製です)』

巨大な銀弾は、二人目掛けて飛ぶ。

「確かに大きいが・・・」

「その分、鈍い」

そう言って、余裕で避けようとする二人だが・・・。

「もっと距離とったほうがいいぜ!?」

『Explodieren Sie.(爆発せよ)』

アイゼンの合図で、巨大に作った銀弾は爆発する。

「ぐぅ!!?」

「ぐっ!!?」

まずは一人!

「もらったぁ!!」

『Explosion・・・Raketenform!!』

俺は、ザフィーラ目掛けて飛ぶ!

「なめるなぁぁ!!」

<ガキィィィン!!!>

「ちぃ!やっぱり、かてぇな!ザフィーラ!!」

「盾の守護獣の名は伊達ではない!!」

「紫電一閃!!」

「っ!?アイゼン!!」

『Pferde.』

せまりくるシグナムの攻撃をかわす為、咄嗟に高速移動魔法をかける。

「っ!?」

だが、避けきれず、俺の頬には傷が出来る。

「ちっ!避け切れなかったか・・・」

「かすり傷一つで済んで、幸運だったな」

そう言いながら、シグナムは俺に目掛けて構えてくる。

「俺を忘れるなぁ!!」

「っ!?今度はザフィーラ・・・ぐぅ!?」

ザフィーラの攻撃を受け、俺は飛ばされた。そして、何とか体制を変えて、再び対峙する形になった。

しかし、まずいな。ザフィーラの障壁を砕こうとすれば、シグナムの攻撃が来る。かと言って、先にシグナムを落とすのは、ちと骨だ。先に手負いになっているザフィーラを何とかしたいのだが・・・。

「貴様は何者だ?」

「あん?」

そんな中、シグナムが俺に問いかける。

「さっきも言っただろうが、あたしはヴィータだ!」

何度言わせればいいんだよ!?

「そんなはずは無い、我々との繋がりが感じられない」

今度はザフィーラが続ける。

「そりゃ、そうだ!あたしは、この世界のヴィータじゃねぇからよ!」

そう言いながら、俺はシグナムに攻撃を加える。

「ぐっ!?どういう意味だ!」

「言葉通りだよ!」

シグナムは、レヴァンティンで俺の攻撃を受け止める。

「おぉぉぉぉ!!」

ザフィーラが俺目掛けて、拳を繰り出してくる。

「ちっ!そのまま、ぶっとべ!!」

「ぐぅ!?」

「むぅ!?」

俺は、さらに力を入れて、シグナムをザフィーラに向かって飛ばした!!それにより、二人は体制を崩した。

「それにしても、流石に2人相手はきついな」

先にこの世界のヴィータを倒せておいて、正解であったな。それにしても・・・。

「やり難い・・・」

さっきから、頭の中で響いていやがる。シグナムに攻撃しようとすれば、



―ヴィータ、少し訓練に付き合え。最近、お前はだらけているからな―



シグナムの声が。

ザフィーラに仕掛けようとすれば、



―気にする事でもない。俺は仲間を守るのが仕事だ、ヴィータ―



ザフィーラの声が。

頭の中で響いてくる。

「接近戦は、下手すればこっちが隙を作っちまうな」

けど、向こうはそんな素振りを見せない。

「薄情者どもめ」

関係ないけど、帰ったら飯を奢らせてやる。そんな事を思いながら俺は、次の攻撃の準備に入る。

「アイゼン!」

『Pferde』

俺は高速魔法で、一気に距離を詰める。そして!

「吠えろ!一般デバイス!!」

『Struggle Bind』

「「くっ!?」」

おし、俺がバインドを使うなんて思ってなかったのか、動揺してくれてる!

俺は、そのまま少しでも長く効果が継続できるようにその場に一般デバイスを置いていく。今まであんがとな、一般デバイス・・・。

そして、距離をとりカートリッジをロードさせる。同時に、魔法陣を展開させ、巨大な魔力スフィアを形成する。

『Gigantform』

「大地を穿て・・・赤き閃光!!」

『MeteoritStreik』

気付けば向こうはバインドを解き、間に合わないと悟ったのかファルケンを繰り出そうとしている。ザフィーラが動かないのは、これに警戒をしているからか?もし、そうなら正解だぜ?

「気をつけろよ、これは・・・守護騎士全員の・・・」



―まさか、ファルケンをいとも簡単に打ち砕くとは―

―まだ不安定だが、ここまでやれれば大したものだ―

―すごいわね、ヴィータちゃん!―



「お墨付きだぜぇぇ!!」

『Die Vollendung der Vorbereitung(準備完了)』

「一撃入魂・・・メテオ・ストライクゥー―――」

一方、シグナムも攻撃の態勢に入っていた。

「翔けよ―――」

一時の間。そして!

「ブレイカァー!!!」

「隼ぁ!!!」

っ”!?しまった!魔力スフィアの密度を間違えた、失敗と言うわけじゃないけど反動がキツイ!!おまけに、さっき喰らったザフィーラのパンチでどうやら左腕にヒビが入ってたみたいだが・・・今ので折れた。

「ぐっ!!でも・・・だから!!」

コレで、決めなくちゃならねぇ!!

「なっ!!?」

「下がれ、シグナム!!」

気が付けば、シグナムのファルケンを打ち抜き、赤い閃光は二人目掛けて飛んでいた。当たり前だ、俺は近代ベルカ式やミッド式を参考にして、ずっと改良を重ねてきたんだ。俺の仲間のシグナムの【キング・ホーク】ならいざ知らず、この世界のシグナムのファルケンじゃ破る事なんてできねぇ!!

「でりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

ザフィーラが障壁を張り、防ぐ!!まずいな、やっぱファルケンにぶつかったせいで威力が落ちてやがる。

「届け・・・!」

いつしか、体中が反動により痛みを生じていた。特に左腕の痛みは尋常ではない・・・けど!

―あまり無理はするな、お前に怪我でもあれば我らが主は心配する・・・もちろん我らもだ―

「届けぇ・・・!!」

―我等は仲間だ・・・ヴィータ―

「届けよぉ・・・!!!」

―あらあら、新しい【鉄槌の騎士】は泣き虫さんね♪―

「あたしが届けって言ってんだよ!!だから・・・



と・ど・け・ぇぇぇぇぇぇぇえぇええええ!!!!」

「ぐぅぅぅ!?」

<ピキィィ>

「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」

そして、

「なっ!?ぐぁぁぁあああ!!?」

「ぐぉぉぉおおお!!?」

届いた。



<outside>

落ちていた。二人の騎士と守護獣は・・・。周りから見れば気絶しているように見えたであろう。実際に、盾の守護獣・ザフィーラは気を失っていた。しかし、盾の守護獣の使命は仲間と主を守りし盾となる事。その使命は、果たされていた。

剣の騎士・シグナムは気を失っていなかった。ただ、好機を窺っていた。

自分達の仲間に似た、彼女は明らかに主を狙っていた。それ故に、自分達を倒した後は主を狙うであろうと、そこに隙が生まれるであろうと。

騎士にあるまじき行為であったかもしれない。しかし、そもそもあの主の下で、そんな誇りを持つことは出来なかった。それ故に、そういう不意打ちが出来ると。

「アイゼン!!カートリッジ・ロード!!!」

そして、ヴィータは飛んだ。

だが、その行為はシグナムの予想を大きく外す事になった。

ヴィータが向かっていたのは・・・シグナムであった。

「なぁ!?」

思わず、声を上げてしまうシグナム。

「フランメ・シュラーク!!」

ヴィータの攻撃が決まり、烈火の将・シグナムは炎の打撃により沈んだ。



<ヴィータside>

体中が痛い。特に、左腕がヤバイ。マジで痛い・・・いや、痛みを感じれるだけ、まだマシか?

「何故・・・?」

「あん?」

シグナムの奴、まだ意識があったのか!?

「何故・・・気付いた?」

「主語を言え」

何言ってるか分からん。俺の知ってるシグナムはズバッと言うぞ?

「私がまだ・・・戦えると」

ああ。その事ね?

「はっ!んな事は簡単だ。・・・信じていたからな」

「・・・なに?」

「ザフィーラは、例え自分が倒れる事があっても仲間を守りきる。そう、いつも言っている」

「・・・・・」

「だから、信じてた。お前が気を失ってない事を。まだ戦える事を」

そう、何となく笑いながら言った。

「・・・そうか・・・お前は、ヴィータではないがヴィータなんだな・・・」

「いや、意味分かんねぇよ・・・っ!?」

何かを感じ、咄嗟にその場から軽く飛んだ。

「旅の鏡・・・シャマルか」

気が付けば、さっきまで俺がいた場所には空間から手が生えていた。

「無駄だ、シャマル。旅の鏡は自分が見えない位置からの不意打ちか、もしくは初見の相手にしか通用せん。お前だって知っているはずだ」

実際、こちらの闇の書事件の際、シャマルは、なのはに使用して以降ああいう使い方はしなかった。無駄だったからである。

「主、ここは私が時間を稼ぎます。その間に、お逃げください」

・・・まだ、そいつを守ろうとするのか。



―私達は家族でしょ?―



やっぱり、やり難い。

「主・・・お早く!!」

そう言って、シャマルは自身に強化魔法をかけて突っ込んでくる。

「正気かシャマル!?」

「はぁ!」

「っ!馬鹿!!」

咄嗟に障壁を張る。当然、攻撃力の無いシャマルの拳は届くはずが無い。

「主!」

「ちっ!いい加減にしろぉ!!」

「きゃぁ!!?」

俺はシャマルを吹き飛ばした。あっけなく吹き飛んでしまうシャマル。当然だ、だってバックアップのエキスパートであるシャマルに直接的な戦闘能力は無い。

「さて、残るはてめぇだけだな・・・」

そう言って、俺はアイゼンを男に向ける。

「とっとと、闇の書を渡せばよし・・・渡さねぇのなら・・・ちょいとばかし痛い目にあってもらうぜ?」

馬鹿な男だな、せっかくシャマルが時間を稼いでくれていたと言うのに・・・一歩も動かないなんて。

「く・・・くく・・・あっははははは!!!まったく、どいつもこいつも使えん奴等だぁ!!!!」

あ゛!?ふざけた事を言ってんじゃねぇぞ!!シグナム達はマジで強い!!今回だって、俺の姿に自分達の知っているヴィータに重ねた油断があったから勝てたんだぞ!?もし、こいつが援護に回るなんて事があったら負けていたと言うのに・・・。

「てめぇ・・・自分のことを棚に上げて言うじゃねぇかよ!」

「ふん、黙れ!!俺は選ばれた人間なんだ!!この数多の次元世界をすべるにふさわしい王だぞ!!」

「・・・・・」

あ~、うざい。本気で、夜天の書を吹っ飛ばすんじゃなくて、弄ってコイツを取り込ませてから転生させようかな?

「・・・で?それで言いたい事は終わりか?」

「く・・・くく・・・コレを見ても、まだ言えるのか?」

そう言って男は、夜天の書を広げる。

「へぇ・・・完成してもない闇の書を使う気か?」

「く・・・くくく・・・あーはははは!!完成してない?安心しろ!!」

そう言って、夜天の書をこちらへと向けて言う。

「これから完成するのだ!!」

『Sammlung.(蒐集)』

っ!?まさか!!?

「ぐぅぅ!?」

「うぐぁ!?」

「シグナム!ザフィーラ!!?」

コイツ、守護騎士のリンカーコアを蒐集し始めやがった!?

―最後のページは、不要となった守護者自らが差し出す―

不意に、アニメでの仮面の男の言葉が頭をよぎった。ふざけんなよ!!不要だって言うのか!!?テメェみたいな最低な奴に忠誠を誓っていた皆が!?

「っ!?何だ!?」

気が付けば、俺にも何か繋がりが感じ始めてきた。まさか、夜天の書が強引に俺と繋がろうとしているのか?

「急いで、一旦離れ・・・」

「あぁあ!?」

シャマルも蒐集され始めたか・・・。

「ちっ!」

俺は一旦アイゼンを待機モードに戻して、シャマルを右手で抱えて、急いでその場から離れる。シグナムとザフィーラは・・・間に合わねぇな・・・。

「スマン!」

「貴方・・・なんで?」

「お前は黙ってろ!舌噛むぞ!!」

そして、影響を受けない上空まで来て様子を窺っていた。

「あひゃひゃひゃぁ~~!!!これで俺は王だ!!王になれる!!!あひゃひゃ!!!!」

シグナムとザフィーラは消えたか。

「闇の書が完成する・・・」

「・・・・・」

シャマルがそう呟く。俺は黙ってその光景を見る。そう言えば、夜天の書が起動する場面に俺は立ち会っていなかったけ?

それにしても、馬鹿な男だ。自身の破滅を自分で呼びやがった。

「さぁ!闇の書よ!!この俺に、偉大なる力を!!!」

そう叫ぶと同時に、男の足元には黒ずんだベルカ式の魔法陣が展開される。

『Ja. Guten Morgen, Meister. (はい。お早うございます、ご主人様) 』

「あひゃひゃひゃ!!!力だ!!力がみなぎってくる!!!力がぁ!!!」

次第に、黒い魔力の渦が男を包み込む。

「あひゃひゃひゃ・・・あ?」

いつしか男は、異変に気付き始めた。

「ひっ!?な、何だコレは!!?」

「な、何なのコレ!?一体何なの!!?」

「落ち着け、シャマル。闇の書が完成すれば主を取り込み、今まで蒐集してきた魔力を使い多くの破壊をもたらす・・・ただ、それだけの事だ」

「そ・・・そんなはずは!知らない!!そんな事、私は知らない!!!」

「知らなくて当然だ。お前、知識には完成すればどうなるか分かっているはずなのに、記憶には完成した時の事なんて無い・・・違うか?」

「そ・・・それは・・・」

「守護騎士も改編の影響を受けている。第一、闇の書の本来の名である【夜天の書】の名を忘れているのも・・・止めだ」

「え?」

「言ったところで、どうせこの事は忘れるだろうからな・・・」

「貴方・・・本当に何者なの?」

「何度目だよ、それ?ヴィータだ、ロストロギアの所為で平行世界からやってきたんだよ」

っと、そんなこと言ってる場合じゃないか。

「ああぁぁぁぁぁあああ!!!!?消えるぅぅぅぅぅうう!!!!俺が消え・・・・・ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!」

大きな悲鳴を上げて、男の意識は・・・消滅した。そして、その姿は次第に男の姿とは似ても似つかない女性の者へとなっていく・・・。うん、エロい・・・って、現実逃避してる場合じゃないな。

「うっわ!!来たよコレ!!」

あ~・・・最悪の展開じゃねぇか。いや、災厄だなこりゃ。こっちは満身創痍で、左腕が折れてるのに・・・。

「う・・・あぁぁ!!?」

「ッ!?シャマル!?」

おいおい、結構離れて・・・そうか、守護騎士システムのリンクを利用して・・・。

「ぅうぐぅ・・・っ!!」

「っ!?お、おい!!」

突如、消えかけているシャマルが俺に向けて手を出す。まさか・・・まだ、俺に対して攻撃を!?そう思うが、突然の事なので咄嗟に目を瞑ってしまった。だが・・・

「え?」

感じたのは温かい何かであった。不審に思い目を開けた・・・

「これ・・・回復魔法・・・シャマル?」

「何をする気かは知らないけれど・・・まだ、貴方が何者かはっきりとは分からないけど・・・」

「シャ・・・マル・・・?」



「頑張ってね?ヴィータちゃん・・・」



そう言って、シャマルは俺の知っているシャマルと同じ笑顔を見せてくれた。

「シャマル!!?」

咄嗟に手を伸ばす、だけど!!

「シャマル・・・」

シャマルは消えた。

割り切れ!!あのシャマルも、シグナムも、ザフィーラも俺の仲間の皆じゃない!!けど・・・それでも・・・。

「ごめん・・・皆!!」

一方、夜天の書は・・・。

『Freilassung. (解放)』

「多くの命を散らせて・・・そして、全てが終わってしまった。これで何度目なのであろう、この虚しくも愚かな悲しみは・・・」

そう、涙を流しながら言った。管制人格・・・後のリインフォースが・・・。

「全ては、我が呪われた存在が故に・・・全ては我が存在が故に・・・この世界に悲しみを振り撒いてしまう」

・・・・・さて、どうするか。シャマルにあんな事を言われたんだ。逃げる訳にはいかないよなぁ・・・。

そう思い、俺はアイツの側へと寄る。

「よぉ、あえて・・・久しぶりと言わせて貰うぜ?夜天の書の管制人格?」

「・・・・・何者だ、お前は?紅の鉄騎ではないな。我が騎士であるのなら、その失われた名を知っているはずは無い」

「これで何度目だ・・・と言うのも何度目か・・・」

「・・・・・・」

「無視かよ。とにかく、あたしはヴィータだ、ロストロギアの所為で平行世界からやってきた。紛れも無くヴィータだ」

「・・・そうか。にわかには信じがたいが・・・その姿、その魔力・・・信じるほか無い様だな」

ん、思いのほかあっさり信じてくれた。

「んで、どうだ?本格的な暴走が始まる前に、あたしとしては転生して欲しい所なんだが?」

「それは出来ない・・・。我が主の願いに反する」

「何?」

「主は恨んだ・・・この世界を・・・その全てを。故に、私はこの世界に終焉をもたらす」

あ゛?唯の逆恨みじゃねぇかよ!?

「ふざけんな!あんな最低な奴の望みなんざ、叶える必要はねぇ!!」

「・・・・・」

「・・・・・どうしてもか?」

「・・・・・ああ」

「どうしても、やるのか?」

「それが・・・・・我が使命」

・・・・・くそ!

「だったら・・・」

『Bewegung. (作動) 』

俺は、再びアイゼンを起動させ両手でしっかりと構える。そして、言う。

「あたしが止めてやる!」

「・・・出来るのか?」

「出来るさ、なんたってあたしは・・・ヴォルケンリッターが一人、鉄槌の騎士・ヴィータだからな!!」









・・・その頃、この世界のヴィータは・・・

「くぅ・・・もうちょい・・・」

拘束されたまま、なんとかアイゼンを取ろうと頑張っていた。

「口で取らねぇと・・・あむ・・・失敗だ・・・」

『・・・・・・・』

そのまま飲み込まれないかと、心配するアイゼンであった。









おまけ(ifルート)

「・・・ったく、どこだここ?」

どこかの森か?とりあえず歩いてみるか・・・。

「ん?」

何か、魔力反応がこっちに近づいてくるな?

「おい、貴様。何の目的で侵入した?」

あ、侵入者扱いね?

「あ~、信じてくれるか分からないけどさ・・・あたしは・・・」

そう言いながら、声のした方へと視線をやるとそこには・・・・・。

「金髪幼女が空を飛んでる!?」

「誰がだ!?そう言う貴様は紅髪幼女ではないか!!!」

不老不死の吸血鬼エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルと夜天の書が守護騎士ヴィータ。

永遠の幼女コンビがここに結成された。

「戯け!私は幻術を使えば・・・」

「あたしだって、変身魔法や外見変更システムを使えば・・・」

「「はぁ~」」

「ああ、マスターが同類を見つけてとても楽しそうに・・・」

「誰がだ、茶々丸!?」

「あぁ!そんなにネジを巻いては・・・」

「あたしも加勢してやる!!」



二人の万年幼女IN麻帆良編・・・やっぱり始めねぇ。







あとがき

えっと、ゲロロ軍曹さん・・・すみません。別に怒ってないです。アイディアがひらめいてむしろ感謝ですよ、ちょっと滑りました。こちらこそ謝罪致します。

それから、誤字報告してくださった方々、ありがとうございます。夢は一時しか見れないとはよく言ったものです。前もこんなだったなぁ・・・。ともあれ、自分の未熟が原因なのでしかたないですね?いままで以上気を付けていきます。この言葉何回目だw

やっぱり、VSヴィータのときより戸惑いが大きいようです。
え?簡単に勝ってるって?コレでいっぱいいっぱいなんだ・・・。難しいね、戦闘描写って。
そして、シャマルがかっこよかった件について。別世界のシャマルだからさ。
次回、ヴィータフルボッコの巻。(?)



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十七話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/06/20 02:17
とあるミッドチルダの管理局の隊舎。そこは一度、襲撃により大破したが今ではすっかり元通り修繕され、比較的平穏な日々を送っていた。

「お~し、飯だ飯!!」

「ん?ヴィータか?」

「おう、シグナムも飯か?」

「私もいるわよ?」

「俺もだ」

「リインもです~」

シグナムに続いて、シャマル、ザフィーラ、リインフォースⅡが言った。

「はやては?」

「はやてちゃんも、もうすぐ来るですよ~♪」

そんな会話をしていた。そんな時、ヴィータと呼ばれた少女が、ふとあることに気が付いた。

「ん?何あたしの顔を見てるんだよ、シグナム?」

「あぁ、スマン。実は今日、懐かしい夢を見てな?」

「なんだよ?」

「皆は覚えているか?”もう一人のヴィータ”を?」

「・・・あぁ、憶えてるぜ。特に、はやての騎士になってからはな」

「私もよ・・・もう、二百年以上前かしら?」

「不思議と、深く記憶に残っている」

皆が懐かしそうに、思い出に耽っている中リインフォースⅡは不思議そうにした。

「あの~・・・「あ、皆もご飯なんやね~?」・・・タイミングが悪いですよ、はやてちゃ~ん」

「あ、はやて~!」

「お疲れ様です、はやてちゃん」

「主はやて、席はこちらです」

「ありがとうなぁ、ところでリイン?タイミングが悪いってなんやの?」

「えっとですねぇ~。”もう一人のヴィータちゃん”についてなんです~」

「は?」

「ふふ、えっとですね?」

「我々も、途中までしか知りませんが・・・」

「昔あった」

「不思議な出会いです・・・」

騎士達は語る。古にあった出会いを。





第四十七話「復活せしは、再誕の風――Ⅶ――」





<ヴィータside>

「もう一度言うけどさ、黙って転生してくれねぇか?」

「くどい。それは、主の願いに反する」

・・・暗い奴だ。愉快なアイツが懐かしい。

「あ、そうだ。名前何にするか?仮名だけど、管制人格って言うのもあれだしさ!」

「好きに呼べ」

・・・・・シグナム達もだけどさ、皆冷め過ぎ。

「ん、じゃぁ夜天たんでどうだ?」

「・・・・・・・・」

ガン無視。乳揉むぞ、こらぁ!!

「揉んでやるぅ!!」

そう叫びながら、俺は奴の胸へと手を伸ばす・・・が!!

<ガシッ>

「へ?って、いてぇぇぇ!!!?」

腕をつかまれ、強く握られた。何と言う握力だよ!?

「何しやがる!!」

そう叫びながら、管制人格の手を蹴り飛ばし、

「アイゼン!」

『Pferde』

高速移動魔法を使い、一旦その場から離れる。チラリと、腕を見る。

「痕が出来ちまったじゃねぇか!!アイゼン!!!」

『Schwalbefliegen』

銀弾を四つ精製し、飛ばす。さて、どう出る?

「刃以て、血に染めよ。穿て、ブラッディダガー」

『Blutiger Dolch』

管制人格から放たれる、ブラッディダガーにより銀弾はあっさりと砕ける。そして、残り10に及ぶ刃が俺に迫り来る!!

「ッ!アイゼン!!」

『Panzerhindernis』

咄嗟に、全方位防御魔法も張る。

<ガガガガガガガ!!!>

次々とぶつかり来る刃!そして、

「っ!?」

最後の刃がバリアを突き抜け、俺の頬に傷が出来た。せっかくシャマルに治してもらったのに、また出来ちまった。

「ちっ、様子見すらできねぇ・・・」

迂闊な攻撃は・・・こっちが逆に逆手に取られる。咄嗟な防御では限界がある。

「闇より来て、獲物を喰らえ。噛砕け、スネーク」

『VerfolgungSnake』

そうこうとしてる内に、次の攻撃が来る。砲撃魔法か?

「けど、こんな直線なら簡単に・・・」

そう思いながら、上空へと逃げる。しかし、

「つ、追尾型!?」

冗談じゃねぇ!?砲撃魔法で、追尾型なんて見たこと無いぞ!?闇の書って、どんだけチートなんだよ!!?

「アイゼン!!」

『Pferde』

俺は、とにかく不規則に高速で動き何とか、撹乱しようとするがその動き全てに完璧に対応してくる。クネクネと・・・だから蛇なのか・・・納得・・・

「してる場合じゃねぇ!!」

『Panzerschild』

俺は腹を括り、シールドで防ごうとする!!

「カートリッジ・ロード!!」

『Explosion』

『Verstärkung(強化します)』

当然、唯のシールドでは無駄であると思い強化を図る。

「ぐぉりゃぁぁぁ!!!」

何とか耐えようとする・・・が!

<パリィィン!!!>

「うわぁぁぁああ!!?」

シールドは耐え切れず、破壊してしまい俺は吹き飛ぶ!!

「いってぇなぁ!!」

やっぱり遠距離だと分が悪いな、なら!

「騎士らしく、接近戦だ!!」

『Explosion・・・Raketenform』

「ラケーテン!ハンマァー!!」

俺は一気に距離を詰め、アイゼンを振り下ろす。

<ガキィィン!!>

シールドにより防がれるも、

<ピキィィ・・・!!>

いける!だが!!

『Schwarze Wirkung』

「ぐぁ!?」

気付いた時には、すでに俺は吹き飛んでいた。見てみれば、管制人格は拳を前に出していた。

「・・・なるほどね」

はやてやなのはに、どこか似た戦い方だったから失念していたけど、アイツもベルカ式。向こうも接近戦もできない訳じゃないか。加えて、遠中距離魔法も充実してる。これが、本当の魔導騎士の戦い方か?

「ようは、一撃当てたら即行退避・・・ヒット&ウェイか」

なんて分かりやすくて、なんて難しい事だろう。不意をつかない限り、メテオ・ストライクやギガント・シュラークはこっちが危険だ。

だけど・・・不意をつけば!!

「試すか・・・アイゼン!!」

『fliegengeheul』

「フリーゲンゲホイル!!」

俺は一つの銀弾を精製して飛ばす!

「無駄だ」

管制人格はその場を離れず、シールドを張る。確かにコレには攻撃力は無い・・・そもそも・・・。

「それが目的じゃない!!」

『Explodieren Sie.(爆発せよ)』

アイゼンの合図で、その銀弾は弾け、眩い閃光は放つ。

「っ!?目くらましか!?」

これは、ある二つの魔法を混ぜ合わせた物である。即行で考えたがいけた!!

「おし、こいつをくらえ!!」

『Gigantform』

「轟・天・爆・砕!!ギガント・シュラーク!!!」

流石にコレで決まるとは思っていない、それでも戦いの流れをこっちに持ってくるのは可能なはずだ!!!だが、

「っ!?手ごたえが無い?」

んなはずは、確かに捕らえた筈・・・

「幻影だ・・・茨の鎖よ、縛れ」

「な!?ぐぅ!!」

俺は、魔力の鎖により縛り付けられる。振りほどこうとした瞬間、痛みがはしる。

「無理に振りほどこうとはしないことだ、バインドについた棘が食い込むぞ」

く!まずい・・・。どうにか解除を・・・!!そんな事を考えてる内に、管制人格はゆっくりとこちらに近づいてくる。

そして、そっと頭に手を当てた。

「・・・頭を撫でるって訳じゃないようだな?」

「あぁ、少しお前の記憶を読み取らせてもらう・・・」

気持ちは分かるが、プライバシーの侵害だ!

「やめろ!!」

またエロ本の場所とか言われたら、堪ったもんじゃねぇ!!アイツだって、俺を書に回帰させるまで俺の記憶については、知らなかったのによ!!

「じっとしていろ・・・」

だーかーらー!止めろって!!

「・・・・・そうか・・・・・そうだったのか・・・・・」

こーらー!!

「お前もまた、我が存在ゆえにその生涯を狂わされてしまったか・・・すまない・・・」

あ~、昔見たひたすら謝る夢を思い出したよ!!

「・・・さて、では・・・始めるか・・・」

「あん?」

気が付けば、なんか意味不明なことを言っていた。

「お前を、元の世界に戻そう」

「はぁ!?」

ラッキー♪

・・・・・じゃなくて、このまま帰ったって後味悪いじゃねぇかよ!!何とか抜け出して・・・。

しかし、そうしている内に俺の足元には、見たことも無い複雑な魔法陣が展開される。そして、俺は・・・



―奇妙な気持ちの悪い感覚にとらわれた―



瞬間的に、無理やり拘束を引き千切り、俺は急いでその場を離れた。

「っつぅ・・・!!」

体のあちこちから血が出てくる。軽い治癒魔法で止血をしておいた。

「なんと言う無茶を・・・無用な傷を負ってしまっているではないか・・・」

なんだよ、今のは。まるで・・・肉体から魂が抜け落ちるような感覚はよ!!

「何しようとしやがった・・・」

「元の世界への帰還の手助けを・・・」

「もう一度言う・・・」

「・・・帰還を・・・」

「何しようとしやがったんだ!!リインフォース!!!」

本来は、まだ呼ばれるべきではない名。だが、俺はそんな余裕は無く叫んだ。

「・・・元の世界・・・文字通り、お前が言う所の・・・」



―”現実世界”への帰還だ―



ふざけんな。

「ふざけた事を言ってるんじゃねぇ!!今のあたしにとっては、ここが現実だ!!」

「落ち着け。あくまで、例えだ」

「大体、そんなことできるはずは無い!!」

それは、本人が否定していた事だから!

「・・・そうだな、たしかに”あの私”ならば不可能だった。それは、お前の精神から元の世界を割り出すだけの魔力が、あの時点ではすでに失われていたからだ。だが、今の”闇の書”である私の魔力量ならば・・・可能だ」

・・・けど!

「元の世界には、もう一人の俺がいるんだぞ!?そんなの!!」

「元々は、同一の人格ならば、統合はそう難しい話ではない。詳しい説明は省くが、可能だ」

・・・・・・元の世界に帰る?

俺は・・・別に、二次創作でよくあったように、死んでこの世界に来たわけじゃない。そりゃ、たしかに最初の内は考えなかった事はない。はやての事が心配だったから、なるべく考えないようにしていたけど・・・まったく考えなかった訳じゃない。隆二の姿に変身していたのも、未練だった。けど・・・。

やっぱり、ふざけんな!!

俺は誓った!この世界で生きると!!ヴォルケンリッターの一人として!!はやての騎士として!!みんなの仲間として!!!あの世界で!!!

だから!!

「絶対に断る!!」

「・・・・・そうか・・・ならば・・・」

『Teufliche Ausstrahlung』

「デアボリック・エミッション。闇に、染まれ・・・そして、しばし眠れ」

「ちっ!!強制かよ!!?」

「目が覚めたころには、元のあるべき場所へと帰そう」

は!やだね!!

『Pferde』

こういう空間攻撃は、避けるのは難しいが、離れれば離れるほど威力が弱まると相場が決まってる!!

「アイゼン!!」

『Panzerschild』

俺はある程度、距離をとりシールドを張りやり過ごす。

「うし・・・っ!!」

「はぁ!!」

な!?いつの間に、接近し・・・。

「がぁ!!?」

シールドを突き破った拳で、俺は殴られ、吹き飛ばされた。そして、

「其は終わりの音、響け終焉の笛・・・」

な、まさか!?

「ラグナロク!!」

「アイゼン!!?」

『Panzerschild』

だが、カートリッジで強化する時間は無い。当然あっさり破られ、俺は・・・その魔法をもろにくらってしまった!

「ガ・・・あぁぁぁぁっぁアアああああああ!!!!!!??」

くそ、意識・・・が・・・遠のく・・・。



・・・あれ?あたし、何してたんだっけ?

―ヴィータ?どうしたん、ぼ~っとして?―

・・・はやて?

―あはは、何分かりきった事言っとるんや?―

ごめん。なんか眠くてさ?

―にゃはは、どうせヴィータちゃん。夜遅くまでゲームしてたんでしょ?―

な、悪いかよ!!なのは!!!

―ちゃんと早めに寝ないと駄目だよ?―

うっせーな、次からは気を付けるよフェイト!

―その言葉、何回目かしら。ね?ザフィーラ?―

―まったくだな―

シャマルもザフィーラも、うっせー!!

―ほら、ヴィータ。怒鳴るのもいいが、そろそろ自分のやる事を思い出せ―

あん?何言ってんだよ、シグナム・・・やる事だ?

なんだっけ?えっと・・・



『Bekommen Sie bitte einen Halt!!(しっかりして下さい!!)』

「・・・ぐ!!?」

ちっ!今、意識が飛んでたな・・・。

「サンキュー。アイゼン」

『Es ist noch nicht vorbei(まだ終わっていません)』

だよなぁ・・・。

「しぶといな。まだ粘るか・・・」

「はっ、お生憎様!・・・あたしは、あの世界にいたいのでね!!」

「何故だ?あそこは、お前の世界ではないではないか・・・」

ムカつく。アイツと同じ存在が・・・否定すんじゃねぇ!ここに、俺がいる事を・・・!!

「お前が、否定すんじゃねぇぇぇえええ!!!」

『MeteoritStreik』

「一撃入魂!!メテオ・ストライクゥ!!!」

俺は、最後の賭けに出る。そして、向こうは・・・

「其は、魔を貫きし、銀の弾丸・・・シルバー・ブレッド」

・・・っ!?銀の魔力スフィア?関係ない!!全力でぶつけるのみだ!!

「「ブレイカァーーー!!!!」」

<ゴオォッ!!!!>

お互いの、すさまじい閃光がぶつかり合った。だが・・・。

「無駄だ・・・そもそも、守護騎士は接近戦に特化している。砲撃魔法ならば・・・」

「なぁ!!!?」

俺の放った紅い閃光は、銀の閃光に負けた・・・。

「こちらが上だ・・・」

せまりくる銀の閃光。俺は逃げる事も出来ず、呆然と見るしか出来なかった。それはまるで、スローモーションのように感じた。

「あ・・・」

コレで終わりなのか・・・?自然と涙が溢れてくる。

「・・・嫌だ・・・」

嫌だ!!

「・・・助けて・・・」

誰でもいいから!!!

「・・・やだよぉ・・・」

はやて!!なのは!!フェイト!!シグナム!!シャマル!!ザフィーラ!!リインフォース!!すずか!!アリサ!!クロノ!!リンディさん!!ユーノ!!アルフ!!

「い・・・いやだぁぁぁぁぁぁァアあっぁぁああアアアアアアああ嗚呼!!!!!!」

だけど、その叫びは届く事も無く、俺はその光に包まれ・・・。

『やれやれ、目覚めてみれば随分と可笑しな事になっているな?』

・・・・・・・え?

『パンツァーヒンダネス及び、パンツァーシルト同時展開。威力が弱まっている・・・コレで耐え切れるはずだ』

同時に発生する、シールドとバリアにより俺は守られた。

この・・・声・・・?

『とりあえずは、久しぶりだなヴィータ』

まさか・・・?

『一通りの事は把握している。さて、私もいる・・・ここから・・・』



―反撃と行こう!!!―

―リインフォース・・・?―







おまけ

――……………欠落データノ補強ニ適シタ魔力発見――

――蒐集行使………不可………収集………可………コレヨリ開始――

――……………完了、現時点デノ可能レベルマデ修復ハ完了イタシマシタ――

――実体化………不可………人格ノ起動………可――

――コレヨリ、起動ヲ開始イタシマス。オハヨウゴザイマス――



『・・・ふむ、思ったよりも早い目覚めだ・・・ん?私のデータを見つけて修復したわけではないのか?いったい、何故・・・?』



――鉄槌ノ騎士ノ記憶データ発見………閲覧………可――



『おまけに、まだヴィータの中にいるとは・・・一体?この際仕方ない。後で謝るとして、記憶を見させてもらおう』



――了解……………再生開始イタシマス――



『ほう・・・ぷ、あいつめ。私が消えて泣いてくれたのか・・・・・』



――……………再生終了イタシマシタ――



『しかし、やれやれ・・・。随分と面倒な事をしているな・・・』



――確認…………危険…………危険…………膨大ナ魔力反応アリ――



『ちっ!まぁいい!!待っていろ!!』



ヴィータ!!!



そして、二人は再会を果たす。







あとがき

予定通り、ヴィータ(が)フルボッコでしたw

ようやくだ!長かった!!シルバーブレット出せた!!(そっち!?)

最初はヴィータ用に考えてたんですけど、魔力光的にシルバーは無理じゃね?と思い出すのを断念してたんですけど、こういう形で出せたぜ!!・・・うん、どうでもいい事だよね?もう二度と出ないし。



あと、流石にやりすぎた感覚があります。オリジナルが妙に長くなってすみません。その他にも色々ご意見感謝しています。

やっぱり、もっと早く切り上げるべきだったなぁ・・・。書き溜めが、五話ぐらいあったんですけど、何とか短縮してさっさと切り上げるようにします。スミマセン、もうちょっとお付き合いください。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ番外2
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/07/16 01:17
<はやてside>

今日は、特に管理局の仕事も無く、私達はすずかちゃんの家でお茶会をしながら宿題をしていた。

「それにしても、魔法ねぇ~」

急に、アリサちゃんが言ってきた。

「どうしたの、アリサちゃん?」

「ん~、なんて言うかさ~。実際に見せられても、なんて言うかまだ実感無くてね?本当にあるなんてねぇ~・・・すずかはどう?」

「ん~、実を言うと私も、まだ少し・・・」

あ~、せやね?正直、私もヴィータに聞いたからってすぐに実感わいたりせぇへんかったもん。

「あんた達は、どうだったの?」

その言葉に、まずフェイトちゃんが答えた。

「えっと、私は元々ミッド出身だし、魔法は当たり前だったから・・・そんなに実感とかは感じなかったかな?」

「そっか、じゃぁなのはは?やっぱり、ユーノを助けた時?」

その質問になのはちゃんが答える。

「ん~とね、ユーノ君を助けた時は必死だったから・・・」

そう言って、なのはちゃんは考え込んだ後、

「やっぱり、空を飛んだ時とかかな?あの時は、魔法ってこういうのなんだ~って思ったと思うけど?」

ちょっと、眼を輝かせながらそう言ったんや。なのはちゃんって、ほんまに空飛ぶの好きなんやなぁ~。ヴィータも言うとったような気もする『なのはには、空が似合うって言うユーノの言葉がある』とか・・・あれ?ユーノ君の台詞やの?

「それなら、はやてちゃんはどうなのかな?」

今度はすずかちゃんが聞いてきた。そうやなぁ・・・私の場合はなぁ・・・。

「やっぱり、初めて守ってもらった時やないかなぁ~」

せや、あれは確か・・・。





番外2「初めて守ってもらった、あの日」





「初めて守ってもらった・・・って?」

「うん、皆は覚えとる?街中が、樹でいっぱいになった事件。私、あれにまき込まれてたんよ」

「あ、覚えてる・・・あれ?なのはちゃん、どうしたの?」

見てみると、なんやなのはちゃんは気まずそうにしていた。

「うぅ・・・ごめん。あれ、私がジュエルシードを見逃したのが原因なの・・・」

あ~、そういえばあの日家に帰ってから、ヴィータにロストロギアの話聞いたんやったなぁ・・・。やばくなるまでは、静観とか言っとったけど結局本格的に関わりもってしまったし・・・。感謝状を貰ったことシグナム達に知られた時、えらい怒られとったなぁ・・・闇の書の事が知られてたらどうする気だったのだとか・・・。まぁ、今はええや。

「ごめんね、はやてちゃん・・・怪我とかしなかった?」

「あ、ううん。平気やよ。言ったやん、守ってもらったって」

「それってやっぱり、ヴィータ?」

フェイトちゃんが聞いてきた。

「せや、あの日はなぁ・・・」





あの日、私はヴィータの服や日用品を買いに二人で街に出ていた。

「う~ん、ちょっと買いすぎやったかもな~。ヴィータ、重くない?」

「こんぐらい、平気だって。はやて、サンキューな」

「結局、半分以上ヴィータ支払いやったなぁ~」

「大丈夫だって、まだ貯金はあるからさ!」

そんな帰り道やった。

「あ、そうだ!はやて、家に帰る前にアイス買おうぜ!美味い店があるんだ!!」

「え~、そうやなぁ・・・けど、まだ少し寒いで?」

「だからいいんだよ!」

う~ん、今思い出しても、ほんまに元大学生なんかって思うような会話やったなぁ・・・。かわええから、ええけど。

「しゃぁないな~。ほんなら、つきおうたるよ!」

「よっしゃぁ!!」

私の返事を聞くと、ヴィータは勢いよく車椅子を押した。

「ちょ、ヴィータ!スピード出しすぎや!!」

「あはは、大丈夫だ!へまはしないから!!」

「も~、ほんまに気ぃつけてなぁ!」

この頃私は、ただ楽しかった。闇の書とかヴィータの事、皆の事を詳しく知らへんかったから。魔法とかも、漠然とやったし。

「ん?」

「どうしたん、ヴィータ?」

急にヴィータが止まり、周りを見渡した。

「いや、何か魔力反応が・・・」

「へ?」

神妙な顔をしながら、キョロキョロするヴィータ。ちょっとかわええ。

「ん?まてよ・・・なんか・・・忘れてる・・・ジュエルシードがもう散らばってるし・・・」

何か、ブツブツと言い始めた。そして、

「まさか!?はやて!!急いで家に!!!」

急に焦ったかのように、いや、実際に焦って私の車椅子を押した。

「ちょ、どうしたん!?」

「いいから、説明は後で・・・っ!始まった!!」

「へ?へぇ!?」

急に地震がおき、近くに巨大な樹木が生えてきた。

「な、なんやのコレ!?」

「くそ!コレを忘れてた!!」

どんどん、大きくなっていく樹。そして、道路にはその根と思われるものが次々と生えてきた。

「ヴィ、ヴィータ!?」

「大丈夫!あたしがはやてを守る!!アイゼン!!!」

ヴィータはデバイスを起動させる。その後、いつの間にか迫ってきた樹の鞭を叩き落した。

「アイゼン、障壁!」

『Panzerhindernis』

すると、私の周りにバリアができる。ヴィータは、私を庇うように前に出た。

「はやてはそこから・・・」

私のほうを見ながら喋るヴィータに、樹の鞭が再び襲い掛かってきていた。

「ヴィータ!前!!」

「っ!らぁ!!」

再び、樹の鞭をヴィータは叩き落した。

「サンキュー!はやて!!」

「まだ来る!気ぃつけて!!」

次々と襲い掛かってくる、樹の鞭。

「っ!まさか、あたしの魔力に反応してんのか!?」

「ヴィータ!後ろ!!」

だけど、その言葉は間に合わず・・・。

「がぁ!?」

ヴィータは地面に叩きつけられてもうた。

「ヴィータ!!」

咄嗟に車椅子を動かし、ヴィータの下に駆け寄ろうとするけど。

「来るな!」

「せ、せやけど!!」

ヴィータはすぐに、立ち上がる。見てみると、口から血が出ていた。口の中が切れとるんやないか!?

「ヴィータ!逃げてぇ!!」

「大丈夫だ!あたしは・・・」

ヴィータはデバイスを構えながら言う。

「はやての・・・騎士だから!!」

その時のヴィータは、不謹慎にもかっこええと私は思った。

「こうなったら、仕方ねぇな・・・・・カートリッジは残り二発・・・封印できるか、アイゼン?」

『Ich und Sie(私と、貴方なら)』

「上等!アイゼン・・・カートリッジ!!」

だけど、次の瞬間桃色の光が私達の頭上を進んでいった。

「ったく!今更かよ!!遅すぎだ!!!」

「えっと・・・ヴィータ?」

「あぁ、もう終わりだよ、はやて」

すると、ひときわ大きな光が辺りを包み、気が付いた時には樹木が無くなっていた。

「な?」

「・・・ヴィータ?」

「な、何?」

私の様子に、ちょっと驚いていた。当たり前や、怒っとるもん!!自分ばっかり分かっとるって顔をして!!

「帰ったら、説明やよ?」

「・・・Ja」

けど、

「その前に、石田先生のところやね。怪我見てもらおう?」

「え?こ、こんぐらい・・・」

「返事は?」

「・・・・・イエス・サー」

「マムや!」





とまぁ、こんな感じでな?そん時は、そらもうハラハラドキドキやったけど、ヴィータがめっちゃかっこよくてなぁ・・・あれ?

「どうしたん?なのはちゃん?」

「うぅ・・・まさかあの時、ヴィータちゃんが怪我してたなんて・・・」

「そんなに気にせぇへんでええよ?幸い3日もあれば、すっきり元通りやったから」

まぁ、私が大げさに包帯巻きまくったりしたんやけど。

「それにしても、あの桃色の光ってなのはちゃんの砲撃やったんやね?」

「うん、多分・・・」

正直、何の天変地異の前触れかと思ったで。

「それにしても、なのはちゃんはその時ヴィータちゃんの事に気が付かなかったの?」

すずかちゃんが、疑問に思いそう聞いてきた。そういえば、そうやなぁ・・・。ジャミング張ってたのかもな~、ヴィータ。

「うん、私はジュエルシードを探すのに必死だったし、ユーノ君も焦ってたみたいだったから、気付かなかったのかも?」

「そっか~」

<ピロピロピン♪>

「あ、メールや」

なんやろ?えっと、あ!噂をすれば、ヴィータや。何々?『はやて、もう夕方だけど?』・・・へ?

「あ、あかん!全然宿題すんでへん!?」

「え?あ!!」

「にゃ!?」

ど、どうしよう・・・あ、まだ続きがある。

『明日は休みだし、何なら泊まって来てもいいよ?夕飯は何とかするし』

・・・う~ん。皆に聞かんとなぁ・・・。

「うちは泊まっても大丈夫だよ?」

すずかちゃん、即答や。

「私もいいわよ?と言うか、国語の宿題だし、ほっとくとなのはとフェイトは壊滅的でしょ?」

「にゃ!?」

「はぅ!?」

せやね、私もちょっと分からん所あるしなぁ・・・。

「そんなら、今日はお泊りやね!?」

「うん!」

「はい!」

「ちゃっちゃか宿題を終わらせて、皆で遊びましょ?」

さてと、そんなら・・・メールやね。『そんなら、今日はお泊りするから、ご飯は~~』・・・・・おし、終わりやさっそく返信・・・あ、せや!それから・・・えっと、『いつも~~~~』



(八神家)

「つー事で、今日は外食にしようぜ!」

「そんな、外食なんてしなくても私が・・・」

「ザフィーラ?チラシはどこだったか?」

「向こうに置いてある」

「・・・・・・ナチュラルに無視なのね、皆」

「あ、そうだ・・・最後に、まだはやてから伝言」

「ん?なんだ?」

「えっと、『皆、いつも助けてくれてありがとう!これからもよろしくや!!』だとさ?」

「はやてちゃん、急にどうしたのかしら?」

「ふ、だが」

「『こちらこそ』と返信しておけ、ヴィータ」

「おう!」



私は、いつも守られてきた。ヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラ、なのはちゃん、フェイトちゃん・・・・・それから、リインフォース。

これからも、きっと助けてもらう事があるやろうけど、助けてもらうだけやない!これからは私も!!

「よ~し!やるで~!!」

「はやてちゃん!?」

「やる気ね~、はやて。文型駄目コンビも少しは見習いなさい」

「「うぅ・・・・・」」

まずは、宿題からや!!







(とある騎士の体内)

「へっくしょん!むぅ・・・誰か私の噂をしているのか・・・主はやてか?・・・あ、ヴィータ、外食か?私は中華がいいぞ!?」







おまけ(記念版や!!)

「どもども、はやてです。毎度感想ありがとうございます!!」

腕を回して気合を入れてから、元気におまけをお送りするで~!!

「さてさて、記念版や!と言っとるけど、どこらへんが記念版かと言うとな!?」

なんと感想数500やで、500!!越してもうたよ!!

「それを記念してな!?なんと出血大サービスで!私のお胸にタッチ!!!・・・・・・・と言うのはちょっと無理やからなぁ・・・・・変わりに私がヴィータの胸を極限まで揉んでみます!!」

よう考えたら、ヴィータが主人公やもんな!!

「と言うわけで、ヴィータ、カモ~ン!!」

「ん~!!ん~~~!!?(何で、そうなるんだよ!!?)」

あっはっは!なに言っとるか、分からへん!!

「ん~~!!んん~~!!?(はやてが、口にガムテープしたんだろ!!?)」

「ええか、ヴィータ?よう考えたらヴィータってTSやん!!」

私や皆は忘れがちやけどな。

「TSした人間はやな、絶対に通らなあかん道があるんや!!それはな、胸を揉まれて快ら「ん~~~んんん~~~~!!!(それ以上、言っちゃ駄目だ~~~!!!)」なんやの、根性無し」

まぁ、ええや・・・さてと、お洋服を脱ぎ脱ぎしような~。

「ん~~~ん~~~~!!?」

ぐふふふ、無駄やでヴィータ・・・このおまけ空間には誰も・・・「ディバイン・バスター・マキシマム!!!」・・・し、新技~~!!!?

「だ、大丈夫!?ヴィータちゃん!!?」

「ん~~~!!」

「あ、すぐにガムテープ取るね!?」

「ぷは~!!な、なのはぁ~~!!」

ニヤリ、ふふ甘いでヴィータ。私が、あんな一撃で気絶すると思ったんか?あぁ、それにしても涙目のヴィータも・・・。

「ゴク・・・ヴィ、ヴィータちゃん・・・ちょっと、暗いお部屋で二人っきりでお話しよっか?」

・・・・・なのはちゃんが(理性的に)堕ちた・・・・・。

「さ、させんで~!!」

ヴィータはうちの子・・・否!私の嫁や!!

「っ!?はやてちゃん・・・やっぱり、最大の難関ははやてちゃんなの・・・」

「当たり前や!」

「でもね?はやてちゃん、ヴィータちゃんの、この世界での初めての家族ははやてちゃんかもしれないけどね?はじめての魔法関係の友達は私なんだよ。そして、それは私もいっしょ。ヴィータちゃんは、私が魔法がきっかけで知り合った初めてのお友達」

「・・・・・・・ユーノ君はどないやの?」

「・・・・・?・・・・・?・・・・・!・・・・・ユーノ君は・・・お師匠様?」

間が長い上に、疑問系や。しかし、どうしよう・・・仮に勝ったとしても、体力が・・・あ、なのはちゃんも気付いたようやな?

「なぁ、なのはちゃん・・・」

「うん、はやてちゃん・・・」

「「二人で、分け分けしよっか(はぁと)」」

「・・・・・なんか、嫌な予感」

「さぁ・・・ヴィータ!」

「いくよ♪」

「どこへ!!?」

「「いいとこ~♪」」

「うわぁぁぁぁぁああ!!?」





えっと、よいしょっと。

「皆さん、これまで応援ありがとうございました。これからもお願いします!」

「テスタロッサ、最後はおいしい所を持っていったな?」

「シ、シグナム!」



「フェイト~!シグナム~~!!助けてぇ~~!!!」



「あれはいいのか?」

「シグナムは?」

「・・・・・どうだ?今晩、いっしょに晩御飯でも?」

「お供します」







※この二人はおまけなのでテンションが高かったのです。決して、本編もこんな風になるとは限りません!!





おまけ2(逆if。もし別の世界で旅の賢石が使われたら)

とある写真館にて。

「うおお!?なんだぁ!!?」

「地震だ!!」

「いつもと何か様子がおかしいです!!」

そこでは2人の男性、そして、女性と老人が地震に驚いていた。

「たく、一体何なんだ?次の世界に着いたのかよ?」

「なんか、この石が光って・・・」

「ユウスケ、それは?」

「さっき拾った」

そして、1人の少女が訪れる。

「あん?こんな所に写真館なんてあったけ・・・あーーーーー!!!!」

「うるさいぞ、赤チビ」

「士君、相手は子供ですよ!」

「ディケイドじゃねぇか!!!」

「「「何で知ってる(んですか)!!?」」」

「あ、そだ!あたしはヴィータだ!えっと・・・ようこそ、リリカルなのはの世界に!!」



決して交わらない世界が、交わってしまった。それは何を意味するのか・・・・・。



「どうやら、今回のはイレギュラーな移動のようですね」

「お前は!?」

「渡!渡じゃねぇか!!キバットはいるのか!!?」

「何言ってるんだ?ワタルは子供で・・・」

「それとは別の渡なんだよ、ユウスケ!!」

「とにかく、ディケイド。貴方はこの世界でやるべき事を終え、一刻も早く元の旅へと戻ってください。世界の崩壊を止めるために」

「ンなこと言ったってなぁ・・・」

「心配すんなって!事情を知ってるあたしも、協力すっから!!」

「あらあら、元気がいいわねぇ~ヴィータ」

「キバーラ!すっげぇ~!!おもちゃじゃねぇ!!」

「どういう意味ですか?」



そして、現れる『預言者』



「世界の破壊者・・・ディケイド。この世界でお前を消す・・・そのために、用意した!!ライダーではないが・・・必ずお前を倒すであろう、この二人を!!」

「やれやれ、あいつなの?世界を破壊する悪魔ってのは?」

「ティア!?ヴィータ副隊長もいるよ!!?」

「な!?スバルにティアナ!!?何でだよ、機動六課設立は後8年後だぞ!!?」

現れるは、未来の執務官と特別救助隊員。



そして、現れる収集者。



「デバイス・・・ロストロギア・・・すごい、この世界は宝の山だ!!」



そして、立ちふさがる倒すべきもの



「お前にとってここは夢の世界だろ、この偽者野郎!!」

「ち、ちがう・・・あたしは・・・あたしは・・・!!」



ヴィータの前に現れる『ロストロギア・ナイトメア』その力によって、ヴィータは悪夢を見る。自分と同じ姿をしたナイトメアに、この世界にいることを否定されてしまう。そんな時、ディケイドである士が彼女の隣に現れる。



「コイツはなぁ!ただ、この世界が、仲間が好きなだけなんだ!!夢としてじゃない、現実としてだ!!」

「士・・・お前・・・」

「何者なんだよ、お前」

「通りすがりの仮面ライダーだ、てめぇは忘れとけ!!変身!!!」

『KAMEN RIDE・・・DECADE!!』

「・・・は!こっちも、アイゼン!!」

『Explosion・・・Raketenform!!』



そして、浮かび上がるイレギュラーカード。



「おい、赤チビ・・・」

「なんだよ、赤チビ言うな!!」

「ちょっと・・・」

『FINAL FORM RIDE・・・』

「くすぐったいぞ?」

「はぁ!?ちょ、あたしは!!?」

『VI!!VI!!VI!!VI-TA!!!』

「う、うわぁぁああ!!?」



ヴィータは小さな紅い珠になり、グラーフアイゼンのなかに入っていく。そして、ドリルの付いた大きな鉄槌へと姿を変えていく。



そして・・・・・そして―――!!



「いくぜ、ヴィータ!」

『・・・・・おう!!!』

『FINAL ATTACK RIDE・・・VI!! VI!! VI!! VI-TA!!!』

「『うりゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!』」



ヴィータ&ディケイド・悪夢のナイトメア編!!!



コレをやってはいけない!!!!



※(ゲロロ軍曹さんの発想を借りましたw。やりすぎなんかじゃなかったですよ?ご心配なくです♪うん、本編じゃ無理だけどおまけはフリーダムなのですw。)





あとがき

どもども、あとがきにも参上はやてちゃんです!!私の誕生日に合わせての、私がメインの話の筈が、気付けば10日以上過ぎてるとはこれいかにw

それから・・・なんと言うか、応援のメッセージや誤字報告、その他ご意見ありがとうな?今回、本編の進行はお休みなんや。もし、待ってくれてる人がいたんのならごめんなぁ。

作者の方も、色々悩んでるみたいなんや。ちょっと我慢してなぁ?

と言うか、なんやの!?何でリインフォースおるん!!?ちょ、私が再会すんのは十年は先!?どう言う事やの!!?

ごめん、ちょぉ作者を闇に沈めてくるわ。ほなな!!



あ、あと関係ないんやけど、”初めて守ってもらった”の”守って”を抜かすと・・・あ、こら!誰や、口塞ぐのは!!?



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ番外3
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/08/09 01:55
<リインフォースside>

異世界で言うStrikerSと呼ばれる物語が終わり、数ヶ月が経っていた。私も、もう皆の前に姿を現した。それはもう、かっこよく登場したぞ!?しかし・・・ふふ、主はやての、きれのある突っ込みパンチはきいたな。さすがは、魔導に目覚める前は、肉体的突っ込みをヴィータにしていただけのことはあった。

そして、もうすぐ解散となる機動六課は、もっぱら新人教育に精を出していた。因みに、わたしはリインの教育に精を出している。何故なら、主はやてとの融合率は、長年ヴィータの体内にいた私よりも、主はやて用に調整されたリインの方が高いからである。初めの頃は、どこかぎこちなかったリインであったが、最近では私に素直に甘えてきてくれる。

もっとも、ビタはなにやら私に敵対心を持っているのだが・・・当然か、なにせ最終決戦では私がヴィータとユニゾンをしたのだからな。しかし、アイスですぐに釣られるのは可愛いものである。

「歩きながら、肉まん食うなよ・・・お前」

「美味いぞ?」

「そう言う事言ってねー」

今日は、リインとビタは精密検査の日なので、お休みである。

「あんまんを食べるか、ヴィータ?」

「・・・・・貰う」

ふふ、コレで共犯だ。まぁ、別に通路で食べるなと言う規則は無いから、そう目くじらをたてることはないのだが。

「しかし、今日は新人の訓練は良いのか?」

「ん~、なんかはやてが、たまにはしたい~って言うから代わった」

そう言えば、主はやてにもいくつか新しい術式を教えていたか。その影響であろう。

む?これは・・・?

「シャリオ!」

『は、はい!?どうしたんですか?』

「すまないが、今から言う座標を調べてくれ」

『はい』

「お、おい?」

ヴィータが、私の行動に疑問の声を上げた。

「微かだが・・・何か・・・」

『これは・・・小規模ですが、僅かに次元震の反応あり!何かが転送された気配も・・・』

やはりか・・・。

「生体反応は?」

『影響のせいか、サーチャーがききません』

ならば、

「ヴィータ」

「おう、シャーリーは八神部隊長に・・・『大丈夫や、聞いとる』・・・そっか。あたしとリインフォースはこれより現場に向かう」

「出動の許可を」

『了解や、ただし何か異変が起きたんならすぐに救援要請してや』

「「了解」」

やれやれ、面倒な事にならねば良いが・・・。





番外3「今更、新シリーズ祝いのSSだそうだ byリインフォース」





「特に、なにかあった気配はないけどな・・・」

「あぁ、だが仮にも隊舎近くでおきている。無視しておくのは拙かろう」

「だな・・・」

さて、もうすぐ着くが、何かが転送されているのは事実だ。一体何が・・・。

「トリッパーだったりして」

「もしそうなら、何か事件がおきる前兆だな」

「うえー、それやだなぁ」

確かに、現実に起きたら洒落にならんが・・・昔あった【旅の賢石】の事もある。何かが起きてもおかしくは無い。

「っと、見えてきた」

「ふむ、どうやら、生体反応はないようだ」

「そっか・・・けどなぁ、リインフォース?」

「どうした?」

「気のせいかな?」

ふ、わたしもそう思いたいさ。

「ダンボールが二つ見えるわけなんだが・・・」

「なんか、罠っぽいな」

どうする、開けてボカン!は御免だ。

「よし、開けてみない事には始まらない!ヴィータ、頼む!!」

「なんでだ!?ここはお前に任せた!!」

「何故そうなる!?ここは、元男であるお前がやるべきだ!!か弱い女性を守るのが、筋というものであろう!!」

「か弱い?ぷ、思わず"か弱い(笑)"にしちまいそうだ!!」

「なんだと!!?」

「なんだよ!!?」

しかし、何時まで経ってもこの争いは終わらなかった・・・そこで、私達は結局。

「「ユニゾン・イン!!!」」

ユニゾンした・・・今思えば馬鹿馬鹿しいことだな・・・。

「よし、開けるぞ?」

『あぁ、爆弾だったら即転送できるようにしている・・・頼むぞ』

「うし、せーの!!」

ビリッ!と勢いよく、ガムテープをはがした。そこには・・・。

「な、なんだと・・・?」

『こ、これは・・・?』

ば、馬鹿な!?何故コレが!!?

『ユニゾン・アウト!!』

私はすぐさま、ユニゾンを解除して、もう一つの箱を開ける。

「っ!?ヴィータ!!こっちもだ!!!」

「まじかよ!?」

く!一体何が起きている!?何故こんな物がここにある!?



「「リリなのグッズだと!!?」」



DVD全巻から、ドラマCD、果ては漫画版・・・ついでに同人誌、フィギュアまである・・・。

「いや、なんでかサウンドステージXがねぇ・・・」

「都合が良いな」

「あぁ、聞きたかったな・・・」

まだ未練があったか、ヴィータ。

「とらハまであるな・・・」

「それは後ほど、高町家に郵送しておこう」

主人公は高町恭也だしな。修羅場の予感だ。

「お、リリなの(原作)まで・・・」

「後で、ハラオウン家まで送るか」

クロノ・ハラオウン・・・恨むのなら、別世界の自分を恨むがいい。

「それで、どうする?」

「どうするって・・・別に持って行ってもいいんじゃねぇの?」

そう、すでにヴィータはこの世界がアニメとして観測できる世界から来ていると皆に語っている。と言うか、皆も微妙にヴィータが未来を知っているようにうすうす感じていた。

「けど・・・問題は・・・」

「あ、ヴィータオンリーのエロ同人・・・「ふん!!」・・・もったいない・・・」

一瞬にして、跡形も無く吹き飛んだ。

「別に否定をするつもりはねぇ・・・けど・・・本人達の前に持っていくのはアレだろ?」

「と言うか、お前前世では持って「とにかく!そういうの早く集めるぞ!!」・・・逃げたな」

しかし・・・何故か私のが無い!!何故、ヴィータのがあって私のが無い!!そんなに合法ロリが・・・!!

「何考えてんだ、お前・・・」

「スマン、少し思考がずれた」

別に欲求不満ではない。断じてだ、ほんとだぞ?

「それにしても、何故にリリなのグッズだけが・・・?」

リリカルなのはの関連商品の大量入荷でもしたのか?それが、偶然次元震で?どれだけ天文学的確率やら。

あ、シャマルオンリー本。コレはとっておこう。ほら、何か記念に・・・。

ただし、リインオンリー・・・てめぇは駄目だ!!

「お~、アニメ雑誌、それからコンプまであるな~」

そう言って、ヴィータはパラパラとめくっていき・・・。

「な、なんだとぉ!!!?」

ひときわ大きな声を出した。

「どうした?」

「こ、これ!!」

そこに書いてあったのは・・・・・。



<なのはside>

ヴィータちゃんが持って来た、異世界からの漂流物。まさか、私が主役のアニメのグッズだなんて・・・。

にゃはは、聞いてはいたけど、実物を見るのは何か気恥ずかしいものがあります。

そして、今私達機動六課の面々はアニメ鑑賞をしているのです。プライバシー?なにそれ、美味しいの?とヴィータちゃんに言われました。う~ん、一通り聞いた話では、見られて困る事は無いかなぁ?前に昔の話をした事あるし。

まぁ、そんな訳で皆でアニメを見ているのです・・・・・私以外は。

私は、何故か尋問室にいるのです。ヴィータちゃんと二人で・・・・・。

「えっと、ヴィータちゃん?」

「さて、今日は何故呼ばれたか・・・分かるな?」

「分からないよ!!」

「惚けるな!!」

「無茶苦茶だよ!?」

なんなの!?一体どうしたの!!?

「そうか・・・あくまでシラを切るか・・・」

「だから!主語を言ってよ!!」

訳が分からないよ!!

「そうか、なら・・・コレを見ろ!!」

そう言って、一冊の雑誌を机に投げられた。えっと・・・『魔法少女リリカルなのは・・・映画化』?うわ、何このバリアジャケット、凄い重装備だ。私の時は、突発的に思いついた、小学校の制服の改良版みたいな物だったのに、すごいなぁ別世界の私・・・。

「そこじゃねぇ・・・ここだ」

そう言って、ヴィータちゃんはページをめくった。

「何々?主役はヴィヴィオ?魔法少女リリカルなのはViVid・・・高町なのは23歳?」

へ?へ?こっちは・・・?

「魔法戦記リリカルなのはForce・・・高町なのは25歳?」

あ、流石に少女抜けてるみたい。私だって、25にもなって少女は無いと思うし。いや、まぁ・・・19でも大概だと思うけど。

「さて、どういう事だ23歳?」

ちょ!?

「止めてよ!!今は、私19だよ!!?」

「あぁ、分かってる・・・25歳」

「増えてるよ!?」

「誤魔化すな!!」

「何を!?」

酷いよ!ヴィータちゃん!!

「まったくお前は・・・」

な、何かな?

「・・・まったく・・・お前は・・・」

「・・・・・・・ヴィータちゃん?」

「・・・・・・・・・・まぁ、カツ丼でも食え」

「思いつかないのに、無理して発言は止めておこうね!?あと、本当にカツ丼出さないで!!」

「心配すんな、普通に昼飯」

そう言って、ヴィータちゃんも天丼出して食べ始めた。

「・・・で?結局なんでこんな事したの?」

「ノリ」

ノリって・・・。

「あと、説教もちょっと・・・」

「へ?」

「まぁ、あれだ。漫画になるって事はだな、何かしらの事件が起きるって事だ。地味じゃない事件とか」

うん、地味な事件だと、漫画とかにしてもつまらないもんね。

「つーことはだ・・・お前、また変な事件に首突っ込む気だろ!!?」

怒鳴られた。私に言われても・・・。

「って!待ってよ!片一方は絶対ヴィヴィオが主人公だし、もう片一方も主人公別にいそうなこと描いてあったよね!!?」

「んな事言って、色々あってどっぷり首を突っ込むだろお前?いっつもそうだ」

「むしろ、巻き込まれてるほうだと私は思うけどなぁ!?」

「はっ!」

「鼻で笑われた!?」

いくら何でも、酷いよ!!

「むぅ・・・ヴィータちゃん・・・。結局何が言いたいの?」

「あ~、そのだな・・・」

ひょっとして・・・。

「何か事件が起きても、首を突っ込むなとか?」

「無理だろ?」

「うん」

少なくとも一つは確実に。だって、ヴィヴィオが巻き込まれるなら無視なんて無理だよ。それ以外のも、具体的な内容が分からないし、回避方法すら分からない。その時がきたら、絶対私は事件に介入する。私がしなくたって、誰かがしないといけないはずだから。

「ま、それは期待してねぇ・・・けど・・・」

「ん?」

「何かあったら、絶対言えよ」

「へ?」

どう言う事?

「だから、何かあったら絶対に言えって言ってんだ」

「・・・ど、どうして?」

「正直言うと、結構悩んでんだぞあたしは・・・だって、ここから先の未来は分からないんだから・・・」

う~ん・・・なんだか、心なしか不安そうな顔をしている。

「ねぇ、ヴィータちゃん。考えたって仕方ないと思うよ?」

「あん?」

「だって今までだって、全部が全部ヴィータちゃんの知る歴史通りに進んだわけではないじゃない?」

「そ、それは・・・」

「だったらさ・・・やっぱり、ヴィータちゃんはヴィータちゃんらしく、突っ走ればいいと思うよ?」

「なんか、すっげー失礼な事を言われてる気がする」

事実だよ?

「けど・・・たしかにそうだよな・・・ワリィ!どうにも、弱音吐いちまて!!」

「そんなことないよ」

なんだか、珍しいものが見れた気もするしな~。

「とりあえず、これからもよろしくね。ヴィータちゃん!」

「おう、よろしくされてやんよ」

「にゃはは、うん!」

そう言って、私はヴィータちゃんの頭を撫でようとする。

<サッ>

避けられたの。もう一回。

<サッサッ>

二回も避けられたの・・・・・。

「お返しだ!!」

「にゃ!?」

デコピンされちゃった。身長差なんてなんのその。

「む~!」

「はは、成長しねぇな」

そ、そんなことないよ!!

「さて、ほんじゃ戻るか?」

「うん・・・結構時間経っちゃったよね?」

アニメ、今どれぐらい進んだかな?

「あ、今度ヴィヴィオを動物園にさ~」

「そうだね、私もいいよ~」

ヴィータちゃんも結構親馬鹿してるよね。



ちょうど私達が戻ると、PT事件の最後の方だったらしく、何か皆涙を流していた。

フェイトちゃんまでね・・・凄く他人事みたいに・・・。

「なのは~~!!わ、私感動したぁ~~!!」

「うんうん、でもフェイトちゃん。自分自身の事って理解してる?」

「フェイトさ~ん!!」

「あぁ!!キャロも感動したんだね!?」

「はい!!」

にゃはは、なんだか収拾つかなくなってきたなぁ。

その後、続編となる作品を見て、リインフォースがはやてちゃんにリアル土下座をしたり、色々あったけど・・・それはまたの機会に。

でも、とりあえず今は・・・。

「ヴィヴィオはもう寝ようね?」

「え~、見る~」

「はいはい、寝ぼけながら言わない」

「う~」







おまけ(また、調子に乗りましたw)



始まりは、休暇のはずであった。



「は?休暇?」

「せや、一ヶ月や・・・何したん?ヴィータ?」

「ええっと、ロストロギアの暴走止めた?」

「何でそないな危険な事ばっかりするんや~!!!」

「あ、あたしだけじゃないぞ!?リインフォースもだよ!!」

「ま、巻き込むな!?」



そして、休暇を利用してやってきた世界。そこは、



「つー事でやってきたぞ、地球!!」

「何故、地球に?」

「いや、ちょっと・・・産まれ故郷に行ってみようと思うんだ・・・いい加減、踏ん切りついたし、相違点とか知りたいじゃん?」

「・・・そうか」

「ん、悪い・・・付き合わせて、リインフォース」

「気にするな」



しかし、そこで思っても見なかった存在と会合する。



『おい、貴様の願いを言え・・・貴様が払う代償は唯一つ・・・』

「イ、イマジンだと!?」

「ヴィータ!何か他にも来るぞ!?」



そして、参上する戦士



「おいおい!そこのイマジン!!女子供を利用しようだなんていい度胸じゃねぇか!!」

「う、嘘だろ!?」

「だ、だが間違いないぞ!!」

「「電王!!?」」

「へぇ、知ってるなんてな・・・俺も人気者になったもんだ」

『モ、モモタロス。それより、早くイマジンを・・・』

「わかってるって、とりあえずは・・・俺!参上!!」

「・・・ヴィータ、こっちも」

「おう、ユニゾンだ!!」

「な!?お前もイマジンだったのか?」

『い、いっしょにするな!!?』



そして、彼等は共同戦線を張る。



「は!なんだよ、やるじゃねぇかちびっ子!!」

「サンキュー!けど、このままじゃ・・・」

『あぁ、数が多すぎる・・・』

『ATTACK RIDE BLAST』

「「「がぁぁぁぁあ!!?」」」

「い、今のは!?」

「よぉ、久しぶりだな赤チビ」

「士!?」

「お、お前は通りすがりの奴!?」

「俺もいるぞ!変身!!」

「ユウスケが変身した!?」

『珍しい展開だな』



再び現れるディケイド!!そして、クウガ!!!



「おいおい、ありゃでかすぎだろ」

『ゆりかごよりもなお・・・巨大だ』

『あ、あれがオーナーが言ってた・・・』

「あぁ、禁じられた・・・時を作り変える艦・・・」

「おいおい、冗談だろ」

「けど、ほっておいたら、全ての時間が!!」



現れる艦、それはイマジン達の目的・・・・・圧倒的な力の前になす術も無く・・・・・



「ぐ・・・チクショウ・・・」

「いくらなんでも、コレはきついぞ・・・」

「こ、ここまでなのか?」



倒れていく戦士達、だが彼等は立ち上がる。少女の言葉を胸に・・・。



「あきらめんなよ・・・!!」

「ヴィータちゃん?」

「最後まで、自分の信念を貫く・・・それが仮面ライダーだろ!!」

「赤チビ・・・」

「・・・へへ、言うじゃねぇかよちびっ子!!」



そして、戦士達は最後の攻撃へと出る!!



「いくぜ必殺・・・俺の必殺技!!」

『Full Charge』

「いくぞ、ユウスケ」

「おう!」

『FINAL ATTACK RIDE KU! KU! KU! KUUGA!!』

「リインフォース!アイゼン!!」

『あぁ!ブースト・オン!!』

『Explosion・・・Gigantform!!』

「「「「おぉぉぉぉぉおおお!!!」」」」



騎士少女リリカルヴィータ&スリーライダーズ!!



なんかグダグダになった。





あとがき

皆さんこんにちは。

毎回ご意見や、ご感想ならびに誤字報告をありがとうございます。

感想にあったご意見についてなんですが、主人公の、本来のヴィータに対する考え方は一応自分ではA's編でやっていたつもりなんです。もし、私の作品で不快に感じてしまったのであればこの場で謝罪をと思いました。申し訳ありません。



それから、ネタのアイディア発言に関しては、ご意見のお一つとしてとらせてもらうつもりですので、自分が活かせるか否かは分かりませんが、待っていますよ!

『気付いたら、ヴィータになる前の自分の部屋』と言う意見もありましたが、それに関してはちょっと考えていたのですが、本編には隆二の登場は自重するつもりなので(ヴィータとして生きていく事を決めているので)、外伝という形でやるかもしれません。(まだ決まってませんけど・・・)

まだまだ未熟なので、全てのご意見を生かしきれないと思いますが、これからもよろしくお願い致します。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十八話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/08/09 01:58
<リインフォースside>

―お前の人格を別の媒体に移しておくことは可能じゃないのか?―

きっかけは、この言葉であった。その時、私は『無理』だと答えた。実際、私のデータを保管するだけの容量のある媒介など、そうある訳無いからだ。

だが、そこでふと思った。ならば余計な物を削ればよいのではないか?そんな事をすれば、私は大幅な弱体化をしてしまうであろう。だが、この世界にいられる、皆と共にいられる。

そして、その媒介は・・・目の前にあった。



・・・・・・・・ヴィータだ。



他の守護騎士では駄目であった。【鉄槌の騎士】はかつて、別の人格を入れた時のデータが残っていた。何より、僅かではあるが空きのスペースが存在していた。それは、”かつてのヴィータ”の人格構成データが残っていたスペースである。勿論、私にはそれを消去して、そこに入るなどという考えは無かった。だが、”かつてのヴィータ”は”現在のヴィータ”との接触の際、自らのデータを欠落させていた。そのため、最初の使用スペースが20ならば、現在は10までに減少していた。そこのスペースに、私のデータを可能な限り、圧縮させて入れればよい。もっとも、うまくいくとは限らなかったので、そのための術式を入れる際はからかってキスしたように見せかけ、内緒に行った。

しかし、結論から言えば失敗であった。私は、【八神はやて】の下へと転生する以前の記憶の6割以上を失い、多くの魔導をも失った。せいぜい、あの【高町なのは】【フェイト・テスタロッサ】との戦いに使用した時の魔導、【八神はやて】と共に使用した魔導、他数点程度しか残っていない。そして、実体化するために必要なデータを5割は失っていた。さらに、人格起動に必要な自分の魔力の欠落・・・よって、本来ならば私は誰かに私の圧縮データを見つけてもらい、長い時を経て修復してもらうほか無かった。それは、どれだけ待たなければならないのか・・・通常のユニゾンデバイスとも多少なりとも勝手が違ってくる。何年・・・何十年・・・はたまた、修復中に不慮の出来事で消滅してしまうかもしれなかった。私は、それを待つはずであった。

・・・そう、本来ならば。

ここで、うれしい誤算が起きた。私とまったく同じ魔力を垂れ流しにする存在がいたのである。さらに、都合良く直接触れても来た。私には、魔力蒐集スキルはもはやない。主はやてへとその力は流れている。だが、その劣化スキルともいえる魔力収集が存在していた。周囲の魔素をリンカーコアとは別の方法で自らの魔力に出来るスキルが、今の私には存在していた。もっともこのスキルは、【高町なのは】の保有する魔力集束の一つ上と言った所であり、センスのあるものは、長い年月が必要ではあるが、訓練の仕方では誰もが習得可能なスキルである・・・いや、コレについての説明は今はいいであろう。

そして、今実体化こそ無理ではあるが、私は人格を起動させ、リンカーコアを起動、及びユニゾンモードに移行。そうすることで、解凍した私のデータをヴィータの中に留めさせる事に成功した。

・・・こうして、私は復活を果たした。



ま、読むの面倒なら『ご都合主義で復活したよ!』で、いいぞ?ふふ♪





第四十八話「復活せしは、再誕の風――Ⅷ――」





<ヴィータside>

突然、頭に響いた声に、俺は唯驚愕していた。

嘘だろ?なんで・・・お前が・・・。

『一通りの事は把握している。さて、私もいる・・・ここから、反撃と行こう!!!』

お前の声がするんだ!?

「リインフォース!?」

『やれやれ、このアレ●と同じボイス・・・私以外に誰がいる!?』

・・・・・おい。

「余計な知識を、手に入れてるんじゃねぇ!!」

『む、ちょっとしたお茶目ではないか・・・』

・・・・・チラリと、上空にいる管制人格を見る。

「・・・まさか、今のを防ぐとはな。なるほど、もう少し認識を変えて戦うべきか」

うん、あっちが本物だ。

『ど、どういう意味だ!?』

そういう意味だよ。

『あ、あんな暗い奴といっしょにするな!!』

「て言うか!何でいるんだよ、お前!!」

『ふふ、なんだ?『あんなに泣いていたのに~』とかか?』

うぁ!?コ、コイツ・・・!!

「絶賛、後悔中だよ!チクショウ!!!」

「・・・先ほどから何をしている?」

あ、やっべ。ちょっと忘れていた・・・。

『ふん、傍受をしていなかったのか?私の存在に気付かないとは、貴様の程度も底が知れているな』

なんか、すっげー刺々しい。

「・・・っ!?ば、馬鹿な!?貴様は、すでに消滅しているはず・・・」

『はっ!であるのなら、何故こうして会話が出来る?過去の私よ!!』

「・・・し、しかし!!」

『ヴィータの記憶から読み取った情報など、所詮一部の情報にしか過ぎない。現実を見てみてはどうだ?』

「・・・・・何故だ?」

『・・・まったく、先ほどから会話と会話のつながりが変ではないか?もう少し語学力を身に付けるべきだな、貴様は』

「・・・・・何故、今ここにいるのだ」

『決まっているであろう、貴様のような自分勝手な押し付けからヴィータを守るためだ!!』

「・・・元をただせば、貴様の所業であろう」

『・・・それは、否定しない。だが・・・ヴィータはヴィータとしてここに居たいと言っている』

「だが、元あるべき世界へと戻れるのならば、あるべき世界へと戻すべきだ」

『なにより・・・私自身!ヴィータと共にいたい!!』

・・・・・リインフォース・・・・・。

「へ、そう言うこった!こっちの管制人格も、そう言っているんだ・・・答えは決まったんじゃねぇか?」

「・・・理解できん。貴様は、本当に私か?」

だってよ、リインフォース?

『ふん、この世界とあちらの世界は200年以上の差異がある。違っていて当然であろう・・・当然、良い意味でな』

「・・・・・そうか・・・。ならば、もう良い」

そう言いながら、管制人格は手を前に出す。

「私は、私が正しいと思う事をなすだけだ」

『ほう、先ほどまで主の願いなどと言っていたのに・・・』

その言葉に、管制人格は魔法陣を展開させて言う。

「当然、貴様達を倒し、その者を送った後に・・・この世界に終焉をもたらす」

・・・ち、やっぱりまだ戦いは続くか・・・。

「それが、今私がなすべき事・・・」

『来るぞ、ヴィータ!!』

「おう!!」

「闇より来たれ、黒き槍。ダークランス!!」

管制人格の手に、黒い魔力で出来た槍が現れる。

「貫け!」

それを、かなりの速さで投げつけてきた!槍の周囲には、竜巻みたいなものが発生していた。

『かわせ!!』

「あぁ!!」

『Pferde』

俺は、その攻撃をかわして上空へと再び上った。先ほどまで俺のいた地面には、槍が刺さり周囲が深く抉れていた。

『さて・・・では行くぞ・・・』

「・・・おう」



「『ユニゾン・イン!!』」



そして、俺の姿が変わっていった。

騎士甲冑は黒く染まり、漆黒の翼が背に生え、髪は白味を帯びたオレンジへと、頬には紅いラインが、瞳はリインフォースと同じ赤へと変貌していく。

ちなみに、何で目の色とか分かるかというと・・・通信機が鏡代わりにも使えるからである

『調整しだいでは、オッドアイも出来るが?』

「せんでいい。ンな事よりなんだよ、この頬のやつ」

暴走してるのか?目の前の管制人格と同じじゃねぇか!

『よくお似合いですよ、お客様』

「誰がお客様だ。ぶっ飛ばすぞ!」

おまけに・・・。

「帽子の呪いウサギに、羽が生えてる件について」

『ワンポイントでございます』

「引っ掻くぞ!」

『ふふ、実体化が出来ないから無理だな』

ちっ!

『む?私との融合影響で、胸が少しばかし大きくなっている・・・?』

「なにぃ!?」

その言葉に俺は、急いで胸を見て・・・。

『障壁展開!!』

『Ja.』

<パシィィン!!>

・・・へ?

『ふん、どうやら相手は満足に会話もさせてはくれないらしいな』

「・・・け!ケチな奴」

『同意だな』

む、次が来るな!

「刃以て、血に染めよ。穿て、ブラッディダガー」

『Blutiger Dolch』

!?何だ、あの数は!!

『百以上あるな・・・追尾性を無くして質よりも量に出たか!』

「散れ・・・」

一斉に向かってくる、百の刃!!

『羽ばたけ、スレイプニール!!』

!コレはいい!!飛行スピードが段違いだ!!

『残りはコレで防ぐ、其は無限の守り手!!シールド・イージス!!』

展開する、特殊な盾はかわしきれない攻撃の全てを防いだ。

「・・・詠唱が、あたしのと違うな?」

『短縮したものだ、お前と違って詠唱魔法は私の本分の一つだからな』

ずりー!

『さて・・・ソニックムーブ、発動!!』

「な!?」

これは!?

『これはお前の使う高速魔法よりも、小回りがきく。調整は私がする、思う存分動け!!』

「・・・了解!!」

<ギュン!!>

そんな音を感じながら、俺は高速戦へと入る。フェイトよりも、遅いが・・・充分なスピードだ!!

「はぁ!!」

<ガキィン!!>

俺の攻撃に、障壁が展開される。防がれた・・・が!!

<ガキィィン!!>

俺は、すぐに間合いを取り、再び攻撃をする。

『ふん、一応接近戦は出来るようだ・・・が、技量としてはこちらが上だな!』

そう、向こうも接近戦は得意だが、こっちには目がもう一つあるような物・・・やばくなればリインフォースが合図を出してくれる。

「おりゃぁぁ!!!」

「ぐぅ!!?」

<パキィィィン!!>

そして、連続する攻撃に耐えきれず障壁は砕けた。

「うし、アイゼン!!」

『Explosion・・・Raketenform』

『私の魔力分のブーストも入っているぞ!威力はいつもより高い、気をつけろ!!』

「上等、ラケーテン・ハンマァーーー!!!」

「ぐぁぁぁぁぁぁああ!!!?」

うし、もろに当たった!!

「・・・どうだ?」

『確かに、並みの・・・いや、上級魔導師でも今の一撃でダウンだ・・・だが・・・』

管制人格が落ちた地上を見る。そこには、ボロボロになった管制人格が居た・・・が!

「な!?」

見てみれば、管制人格は黒い魔力の渦に包まれ、そして晴れたときには・・・。

「無傷かよ・・・」

『ふん、過去の私も同一であったとは言え、まさにチートという言葉が良く似合うな』

・・・マジでどうするんだよ。

『まずいな、いつまでもちんたらしていたら、本格的な暴走が始まってしまう・・・』

「解決策は!?」

『難しいな、一撃で機能停止出来るような魔法をぶつける・・・ぐらいしか思いつかん』

一撃必殺・・・って訳か。

「向こうは出来るけど、こっちは・・・」

『手数が少ないか・・・いや、それ以前の問題か』

持久戦になればなるほど、魔力が減っていく。キツイな・・・。それは同時に、大型魔法を放つ回数も減ると言う事であるから・・・くそ!

『・・・やはり、私の強化を加えたギガントかメテオ・ストライクしかないな・・・』

・・・・・まてよ?

「なぁ、さっきフェイトの魔法使ったよな?」

『ん?あぁ、グラーフアイゼンの中に近代ベルカのデータがあった・・・それを参考に、ミッド式のをベルカ式に私を介して擬似的にエミュレートして・・・』

「ごめん、もういいや。んな事じゃなくてだ・・・あたしがスターライト・ブレイカーやラグラロクを使ったりは?」

『無理だ。お前はさっき、奴とのぶつかり合いの時に言われたであろう?『守護騎士は接近戦に特化している』っと。お前も相当無茶をして、メテオ・ストライクを習得したであろう?資質が無い、即興では不可能だ』

ち、やっぱりそうか・・・手数を増やしたかったんだけどな・・・。

『蒐集能力が残っていれば、簡単だったんだがな・・・直接リンカーコアに介入をして・・・』

「無いものねだりをしても、仕方ねぇだろ?」

「刃以て、血に染めよ。穿て、ブラッディダガー」

ち、またか。今度は追尾型だな。

『ふん、他にいくらでも魔法はあるであろうに・・・まさに馬鹿の一つ覚えだな』

『Schwalbefliegen』

こちらも、銀弾を向こうの魔力刃を同じ数だけ発現させる。俺が飛ばさなくてもいいように、一つ一つ加速用のリングがついていた。

『演算能力は、貴様に負けてはいないと自負している・・・なめるなぁ!!』

ぶつかり合う、刃と弾!そして、

「うおぉぉぉぉおお!!!」

「おぉぉぉぉぉおお!!!」

俺のアイゼンと、相手の拳もぶつかり合った!



「ちぃ!全然隙を見せねぇ!!」

『・・・まずいな』

時間だけが無情にもどんどん過ぎていった。

『ヴィータ・・・よく聞け。一つ、現状で可能な策を思いついた』

「それで行く」

『即答か・・・良いのか?』

「どの道、あたしじゃ思いつかない・・・」

・・・悔しいな、なのはの奴は一人でもぶつかっていたのによ・・・。

『ヴィータ?』

「いや。で?どうすればいい?」

『ストラグルバインドだ』

何でそれが?

『いいか?奴は主を取り込んではいるが、あの体は守護騎士や使い魔と同様に魔力で構成されている。ストラグルバインドは魔法生物相手には武器にもなる。現にユータ・スクライアは防御プログラム相手に使用していたであろう?』

ユーノな。あえて、突っ込まないけどさ。

「けど、あたし達みたいに、特別製の奴にはそういう効果はゼロのはずじゃ・・・」

『本来ならばな。忘れるな、あいつの体のことを誰よりも知っているのは、この私だ。一度きりになるかもしれんが、完全にあいつを無防備にしてみせる!!』

「あとは、メテオ・ストライクをぶつけて転生・・・と?」

『うまくいけば、コレがベストだな』

はは、こんな時に余裕だな俺達。

「うし、メテオ・ストライク・・・チャージ開始」

『早すぎるぞ』

む、ノリ悪いな。

『一瞬でいい、奴に最接近してくれ!それで、私が仕掛ける!!』

「おう!」

『ソニックムーブ、発動』

「おりゃぁぁぁあ!!!」

<ガキィン!!>

俺の攻撃は障壁によって防がれる、けど・・。

『今だ!手をかざせ!!』

「おう!!」

『ストラグルバインド!!』

「む?」

俺の手から発生した、バインドが管制人格に絡みつく!

「これは!?」

『今だ!!』

おし!!苦し紛れに管制人格は、黒い魔力スフィアを撃ち出して来るが、それをかわし、俺は、急いで距離をとり攻撃の準備へと入る。

『Gigantform』

「大地を穿て、紅き閃光!!」

これで!!

「最後だ!!一撃入魂!!!メテオ・ストライク・・・・・・ブレイカァァァァァァ!!!」

「ぐ!!?」

管制人格は急いで抜け出そうとするが、力が入らない。

「『いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!!!!!』」

「う・・・ァァァ嗚呼ああぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!?」

そして、管制人格は、激しい閃光とともに地面へと叩きつけられた。しばらくして、煙がはれ、地面には・・・。

倒れた管制人格がいた。

「・・・やったのか・・・?」

『あぁ・・・・・私達の勝ちだ』

む、ほっとしたらなんか体が・・・?

「あ、あれ?」

『む。連戦であったからな・・・無理もない』

気が付けば俺は落下した後、地面に倒れていた。あ~、何か眠くなってきた。

だけど、ふと視界に影ができ、不審に思い顔を上げた、そこには・・・・・。

「まじ・・・かよ・・・」

ボロボロになった管制人格が、俺を見下ろしていた。

酷く、俺達を睨みながら。





<はやてside>

ヴィータが行方不明になって、数日が経ってもうた。未だに、手がかり一つ見つからない。今はもう夜遅く、私はベットの中にいた。本音を言うと、眠りとうない。今すぐ、無限書庫に戻って資料捜索の続きがしたかった。けど、ちゃんと休息も取らんと逆効果になるのも理解していた。せやから、皆に言われて渋々寝る事にしたんやけど・・・体って正直やわ、ものの5分で眠ってもうた。

そして、今私は夢を見ていた。暗い闇の中で、一人の女性が私に向けて微笑んでいた。何を言うわけでもなく、あの子が・・・・・そう、祝福の風・リインフォースがいた。

私が喋ろうとしても、声が出ず、リインフォースはただ私に微笑んでいた。次第に世界が薄れいく中・・・・・・。

―大丈夫です―

え?

―アイツは、私に任せてください―

ま、待って!

「待ってぇな!リインフォース!!」

そこで私は、眠りから覚めてしもうた。

ふと近くにあった、写真立てを見る。そこには昨日偶然見付けて、現像した写真があった。そう、あの子とヴィータの写真が・・・。えっと、二人がキスしてるから、笑うべきなんやろうけど、本人が居ないため、その写真を見るとつい抱きしめてしまう。

ただの夢かもしれへん・・・・・。せやけど、お願いやリインフォース・・・あの子を、ヴィータを守って・・・・・・・。



私はこの時知らなかった、あの子がヴィータを本当に守ってくれていた事を。

それを知るのは、まだずっと先の事であった。







おまけ(エイプリールフールネタの再録、第四十一話からの続きです)



「ヴィータ!ヴィータ!!」

俺ははやての声で目が覚めた。あれ、俺・・・そうだ・・・光に包まれて・・・。

・・・って、なんだ。はやての声がするって事は、すぐに見つかったんだな、俺。そう思い俺は目を開いた、そこには心配そうに見つめるはやての顔が見れた。



・・・・・・・明らかに大人だけど。



マジで?





最終話「俺たちの戦いは、これからだ」





「・・・・・・・は?」

呆然とする俺を、はやてが抱きしめた。

「もぉ!心配したんよ!!二十年もどこに行ってたんよ!!!」

what!!!?

「え?て事ははやて、今三十路「あ゛ぁ゛!!!?」・・・はやては永遠の10代だよ♪」

実際、そうとしか見えないけどな。

「・・・・・って!?二十年!!?J・S事件は!!!?」

「へ?何で知ってるん?」

「いいから!!!」

「そんなの、十年近く前終わっとるわ!!」

・・・・・・・・え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。いや、無事終わってるみたいだしいいけどさ。

「けどな・・・・・ヴィータ。帰ってきて早々悪いんやけどね・・・・・」

「え?」

どうしたんだよ?

「なのはちゃんがロストロギアに寄生されてしまったんよ・・・・・」

・・・・・・・・・は?

「それでなのはちゃんは、今悪事の限りを尽くしとるんよ」

・・・・・・・うそだろ。あのなのはが・・・・・・・・。



―はじめまして!私、高町なのはって言います!―



嘘だ・・・・・



―お、落ち着いてヴィータちゃん!!―



嘘だ!!嘘だ!!!



―これからいっしょのお仕事をする機会とかあると思うけど、その時はよろしくね?―



嘘だ!嘘だ!!嘘だよ!!!



「なぁ、嘘だろ!!なぁ!はやて!!!!」

「ごめん、ごめんなぁ・・・・・ヴィータ・・・・・私達が不甲斐無いばっかりに・・・・・ほんま、ごめんなぁ・・・・・・・・・」

嘘だ・・・だって、あのなのはだぞ!?アイツは・・・そんな・・・絶対・・・。

「今も、皆が必死になって止めようとしてるんやけど・・・わたしは、ヴィータが見つかったから一人何とか抜けたんやけど・・・けど・・・ごめんなぁ・・・こんな事なら教えんほうがよかったよね・・・」

なんでだよ、なのは!なんで・・・!!くそぉ・・・・・・くそぉ・・・・・!!

「なのはちゃんは、本当に色々な事をしでかしてしまった。数え切れないくらい・・・・・」

もう・・・・・聞きたくないよ・・・・・。

「そう、例えば・・・・・





10円チョコ万引きしたり、バスに乗るときわざと優先席に座ってお年寄りに席を譲らなかったり、車乗るとき制限速度をオーバーさせたり、夜中に『私は魔王ナーノハなりなり~~~♪』って叫んだり、他には~~~~」

「しょうもねぇ~~~~~~~!!!!!!!!」

ばぁかじゃねぇのか!!!?ばっかじゃねぇのか!!!!!?遅れた反抗期とかじゃねぇのかよ!!!

「さぁ、こんな事止めなあかん!急に悪いんやけど、また、力貸して!!!!」

「やだ!!!」

「いくで!!ヴィータ!!!!!」

「聞けぇぇぇぇぇ!!!」



―私達の戦いは、これからや!!!!―



・・・・・・・・お・か・わ・り。





あとがき

気が付けば・・・凄い間が空いてしまっている。2話掲載なのでプラスマイナス0で!!

・・・駄目かな?けど、これからも遅れそう・・・(汗)

それにしても、結構悩んでやっと道が出来そうです。とりあえず後2回ほどで、この時代ともおさらばの予定です。当初だと、五話位でも終わってなかったのでコレでよかったと思います。



あと、本当にどうでもいい話だけど、何故かアリサとデートする夢を見た。幼馴染と言う設定で、二人で買い物をして、何時の間にか腕を組んで、その後どこか気恥ずかしくて、お互い黙ってて、それでも組んだ腕を離さなくて、最後に肩を抱いて『好きだ』とか言う夢。んで、何でか家に泊まるんだ。無駄にリアルで長すぎた。起きて自己嫌悪、と言うか・・・何故にアリサ!?このSSでは影結構薄いのでは!!?

・・・・・・このSSが終わったら、アリサをメインヒロインにしたSSを書けと言うことなのか?

本当にどうでもいい話だったな・・・。



あと、リインフォースについてですが、リインフォースは自身のリンカーコアの再起動に足りない魔力をこの世界のリインフォースから採集して再稼動と言う事になっています。

ですので、同じ方法でオリジナルヴィータが復活と言う訳にはいかないと言う設定です。穴だらけかもしれませんが、そこら辺は目を瞑っていただけると幸いです(汗)



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第四十九話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/09/14 01:35
<リインフォースside>

私達を見下ろしていたのは、今にも泣きそうな顔をしながら、攻撃の意思を見せている私と同じ顔をした女性でだった。

すでに限界が来ているはずだ。

すでに転生も間近な筈だ。

だが、それでも私達に勝とうとしている。

執念と言う言葉が相応しいであろう。

何が彼女をそこまで、追い詰めているのか。

記憶の半分以上を失ってしまっている私には、分からなかった。

あるいは・・・・・。





第四十九話「復活せしは、再誕の風――Ⅸ――」





<ヴィータside>

「私は・・・・・負ける訳にはいかない・・・・・」

そう何度も呟きながら、管制人格は歩いてくる。俺たちを睨みながら。

『立て!立つんだヴィータ!!』

「分かってる・・・分かってるけど!!」

何とか力を振り絞り立とうとする、しかし・・・。

「うぐ!?」

もう俺は、自分の体重を支えきれなかった。

『ヴィータ!!』

あはは、やべぇなコレ。もう・・・。

「どうやら、この勝負・・・私の勝ちのようだな・・・」

『ま、待て!!お前の目的は、ヴィータを元の世界に戻す事であったはずだ!!今のお前に、その力は残っていない。ならば、止めを刺すのは、私だけにしろ!!私だけを!!!』

「お前達に・・・勝たねば・・・私は・・・私はぁ!!!」

あ、これマジで終わったわ・・・。ごめん、はやて、皆・・・もう、会えそうにねぇ・・・。

そして、管制人格の拳から魔力刃が現れる。

「これで・・・私の勝ちだぁぁぁあ!!」

『止めろぉぉぉお!!』

<ずぶ>

そう、嫌に生々しい音が聞こえた。だけど、痛みも何も感じなかった。不審に思い、俺は顔を上げた。そこには・・・

「なんで・・・?」

「お、お前は・・・」

「ぐ・・・」

俺と同じ姿をしている少女が、俺の代わりに串刺しにされ、背中から魔力刃が出ていた。

「ヴィータ・・・?」

「よぉ、別の"あたし"・・・これで、借りは返したぜ・・・?」

そう得意げに、そして、誇らしげに言った。

「何をしている・・・紅の鉄騎」

「借りを・・・返しただけだよ」

「何故だ・・・何故お前まで邪魔をする!?そいつ等は主の敵だ!!」

理解できないと言わんばかりに、管制人格は叫ぶ。けど、何で俺を・・・俺達を・・・。

「なぁ・・・お前さ・・・コイツがうらやましいんだろ?」

「何を言って・・・」

守護騎士だって、痛みは感じる。なのに、コイツは体が串刺しにされているのを、気にしないかのように話を続けた。

「あたしは・・・何となく、コイツが気に入らなかった。けど、そのくせなんでかほっとけなかった」

「・・・・・」

「お前だってそうだろ?何でか分からなかった、今だってな・・・けど、ちょっとだけ何となく分かった。羨ましかったんだ・・・」

次第に、この世界のヴィータの体が薄れていっていく。

「だって、コイツはあたし達に無い・・・何かを・・・」

だけど、全てを言い切る前に、この世界のヴィータは消えていった。

『貴様!?』

俺の中にいるリインフォースが、声を上げた。何故なら、再び管制人格は攻撃の意思を見せてきたからだ。

『何故だ!何故お前は!!?』

「それは・・・こちらの台詞だ、別世界の【紅の鉄騎】にされた者よ!!」

・・・あん?

「お前は、自分の本来の姿とは別の生き方を強制されてしまっている。なのに何故、そうやって今を受け入れる?」

んなの・・・。

「今が・・・気に入ってるから・・・気に入っちまったからに、決まってるからだろうが!!」

「っ!ならば、別世界の私よ!何故そこまで、生きる意志がある?200年の差異があると言った。それは、私よりも多くの絶望を生きてきたという事だ!!」

『・・・・・否定はせん』

「どれほど、自らの主に救われたからと言って、その全てが消えたわけではない。安らかな、眠り。それはずっと望んできた事。なぜそれを、拒んだ。なぜ、最後まで足掻いた!!」

『別に拒んだわけではない・・・ただ、もう少し皆と共にいたかった、それだけだ。いずれ眠る』

「理解・・・できない・・・私は・・・私・・・」

次第に、彼女は涙を流していた。

「あ・・・ぅ・・・ぁ・・・」

とうとう膝を地面に着き、泣き崩れてしまった。俺は何とか手を伸ばし、彼女の頬に手を当てる。

「今はさ、分かんねぇかもしんない・・・けど・・・」

『いずれ、きっと分かる・・・だから・・・』

「『今は、もう休んでいいんだ・・・』」

いつの間にか、薄れていく体。そして、一冊の魔導書が浮かび上がってきた。

『・・・・・転生が始まったか』

そして、数分後。そこには、俺達しかいなかった。



【翌日】

「ふぅ・・・」

『何をため息をついている。そんな事では元の世界に戻れんぞ?』

「うっせーな」

あの後は、色々と大変だった。ゼイルのおっちゃんとクロナさんが、助けてくれて簡単に治療してくれたはいいけど・・・こっぴどく叱られた。その後、俺は事情を話した。ゼイルのおっちゃんは、立場上問題があったにもかかわらず、俺が【旅の賢石】を持つのを許可してくれた。そして、今度こそ俺は二人に最後の別れを告げ、ある場所まで飛んでいた。

『ヴィータ。今日からお前の二つ名は『夜天の騎士』だ!!』

「夜天の騎士w」

俺達は、せーのと言った後、

「『中二病、乙』」

そう息を合わせると、俺達は黙る。そして・・・

「何やってんだろ、あたし等?」

『ふ、何でもいいから会話してないと暇であろう』

「まぁな」

しかし、俺は今向かっている場所に何があるかは知らない。リインフォースに残されている知識に頼っている。コイツは、なんかもったいぶって教えてくんない。

「まぁ、なんだろうな。何であたし等、元の世界に帰れないんだろ?」

『当然だ、この世界の"闇の書"の所為でこの世界に来たわけではないからな?倒したからって帰れる訳がない』

「うん、まぁ・・・分かってんだけどさ」

それでも、愚痴りたい年頃なんだよ。

『何を言っている、もう二十歳であろう?』

「精神年齢はな」

あはは、成人式にこっそり行こうとしたけど、途中ではやてに見つかって無理やり振袖着せられたっけ。管理局の制服をスーツ代わりにしようとしてたのに。

「あん時のなのはは、少しうざかったな」

帰り道にばったり(とか言ってたが、ぜってー待ち伏せしてた)会った時、わーわー言ってきてさ・・・。

「さてと、とにかく目的地まであと少しか・・・」

『あぁ。もっとも、私の中に残っていた位置データが、この世界で適応したらだがな』

「恐い事言うなっつーの。結構賭けてんだぞ?」

『こればかりは、私でもどうしようもないさ』

いや、まぁそうなんだけどな・・・。

『まぁ、目的地まではもうすぐだ。とりあえず、着く前に飯にでもしたらどうだ?』

「ん、そうだな。クロナさんたちから貰った弁当あるし」

リインフォースの提案を受け、俺は地上に降りる。

「お、美味そうだ」

『ほぉ、100年以上前の料理とは思えないな』

ま、はやてには負けるがな!!

『ところで、ヴィータ。『夜天の騎士』の称号はどうする?』

「転生オリキャラにでもくれてやれ」

『ヒロインは私だな?』

「ヒロインw」

しかし、何となく・・・箸が進まない。腹は減ってるはずなのにな・・・。ま、守護騎士なので、別に食わんでも良いが。

『ヴィータ?』

「なんだよ?」

『気にしてるのか?昨日の事を・・・この世界の書の事を』

・・・当たり前だ。

「なんにも、してやれなかったな・・・」

『お人好しだな、お前も』

アイツは消える間際に・・・何か言っていた。一体何を・・・。

『"ありがとう"だと思うぞ?』

「っ!何でだよ!?ありえねぇ!!」

何にも出来なかったのに!

『ヴィータ、ちょっとOSEKKYOUしてやろう・・・実体化できるなら、OHANASHIしてるところだが・・・』

何言って・・・。

『自惚れるな、"闇の書"の運命を・・・呪いから解き放つ事など、お前一人に出来るはずが無い!』

そんぐらい、分かってる!!お前がこうして何故か存在するのだって、結局は俺が何かしたわけじゃない・・・それでも!!

「何でもいいから・・・何かしたかったんだよ・・・」

『勘違いしているな、お前は・・・何も出来なかった訳ではない』

え・・・?

『感情を見せたではないか・・・アイツは』

「た、たったそんだけ・・・!」

『大きい事だ、私には分かる。私も一度通った道だからな』

・・・そうか、もはやクールお姉さまの欠片も無いけど、昔は・・・。

『相変わらず、喧嘩を売るなお前?』

あーあー聞こえないー。

『とにかく、お前は何も出来なかったわけではない。きっと、この世界の私も、私と同様に何かの希望が持てたかもしれん・・・いや、持ったはずだ』

だと良いけどなぁ・・・。

『大丈夫だ、正史の私のようには悲観しないだろう。必ず、何かしら違う未来が生まれる筈だ』

・・・・・そうか、よし!お前がそういうなら俺は信じる!!さて、飯を食うぞ!!

「しっかり食って、体力付けねぇとな!!」

『ま、この世界の未来なんざ、我等の知ったことではないがな!!』

<ブボッ!!>

思わず、噴き出したじゃねぇかよ!?

『この世界の事は、この世界の住人の仕事だ。私達が心配するだけ、無駄と言う事だ。今回は、例外だ』

正論、だけどな?いきなり言うなっつーの!!



「ふ~、食った食った!」

『お粗末さまでした』

「作った本人でもないのに言うなよ」

『いや、何となくな?』

うし、そろそろ出発するか。

「んで、そろそろ目的地を言ってもいいんじゃねぇか?」

『ふむ、そうだな。目的地は・・・現在で言う"無限書庫"だ』

「・・・・・さて、もう遅いし寝るか」

『いや、確かにもう暗くなり始めたが、着いてから寝た方がいいぞ?あそこは屋根があるし』

素で答えんな、皮肉だっつーの。

「いやいや・・・も一回聞くけど、目的地は?」

『無限書庫』

とうとうボケたか。いや、多分人格構成データにバグが生じたな。

『実体化できたらぶっ飛ばしてる所だな』

「だって、無限書庫だぞ!?ユーノの職場だぞ?管理局本局にあるもんだぞ?何でこの時代にあるんだよ!!?」

『よく考えてみろ。前に無限書庫で”夜天の書”についての資料を探すなんてことがあったであろう?』

A's時のユーノだな?俺はヴォルケンリッターだから、実際には見てないけど。

『”闇の書”ならまだ分かる。何故、”夜天の書”についての資料まであった?』

は?そりゃぁ・・・

「無限書庫だから?」

『答えになってないぞ。"夜天の書"は管理局が発足されるよりもずっと前に"闇の書"になってしまっているのだ。たかが、出来て数十年の組織にある一施設に資料があるはずがなかろう』

「つまり、無限書庫は・・・」

『そう、別の場所から移築してきたのだ。あそこは、自動的に全次元世界の資料が自然と集まってくる、一種の図書館型のロストロギアだからな』

ロストロギア!?んなもんだったのか、あそこ。

『もっとも、適当に移築した所為でせっかくの瞬間検索機能が、おじゃんになってしまっているようだがな。おかげで今まで放置気味、ざまぁw』

台無しだ。いいからクールなお姉さまな、リインフォース返せよ。

「ったく、んじゃあたし達は無限書庫に向かってるって訳かよ?」

『あぁ、今なら無駄な時間を費やさずに資料が読めるまずだ』

ま、あてもないしな・・・行ってみるか。

けど、瞬間検索機能ねぇ~。ユーノの奴が聞いたら、発狂して管理局辞めるんじゃね?





おまけ



これは・・・俺が気絶していた時に見た夢である。



ん~・・・眠い・・・。

トントン

む、何だこの音?

トントン グツグツ

あ、そうだ。包丁を叩く音に、何か炊いてる音だ。はやてかな?あれ?俺ってソファーで寝てたっけ?

「あぁ、起きたか?寝ぼすけめ」

そこには、エプロンをして長い銀の髪をリボンで纏めている女性がいた。

「まったく、新婚早々手を焼かせるな、お前は?」

そう言って、クスリと笑った。それにより、俺は寝ぼけた頭を起こす事が出来た。あぁ、そっか・・・

「わりぃ、リインフォース。それと、おはよう」

「あぁ、おはよう隆二」

こいつが来たのは突然だった、俺がヴィータになった夢を見た日に『それは現実に起きている事だ』と言って俺の前に現れた。なんでも、コイツが現れた所為で、異世界にいるヴィータになった俺と擬似的にシンクロしたらしい。

「しかし、まさか本当に現れるなんてな・・・」

「あぁ、まさか本当にお前の所に最後の転生を果たすとは思わなかった」

もう、出会ってから数年。俺は無事獣医になり、そして、生活が安定してきたので結婚に踏み込んだ。

「・・・そのなんだ・・・」

「ん?」

急に顔を赤くして、モジモジしながらチラチラこちらを向いている。

「朝の挨拶が・・・まだだぞ・・・?」

ん?さっき・・・あぁ、なるほど。

「分かってるって」

「あ・・・」

そう言って俺はそって、彼女に近づき・・・

「リン・・・」

「りゅう・・・」

俺達は、恋人になってからお互いにつけた愛称で呼び合い、そっと口と口を近づけ・・・・・・



「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!?」

気が付けばそこはいつかの精神世界。

「やかましいぃぃ!!!」

「とりあえず、ぶん殴ってやるリインフォース!!あんな夢を見せるお前が悪いんだ!!!」

「何故そうなる!?と言うか、この精神世界で夢を見るなんて器用だな!!?というかどんな・・・」

「うるせぇ!!!」



何度でも言ってやる、夢だからな!!夢!!!









あとがき

じかんが・・・時間が欲しい!!気付いたらこんなに間が出てきたよ!!本当にごめんなさい!!とにかく更新完全停止だけはしないように頑張ります!!

リインの喋り方に違和感と言う意見がありましたが、これについては・・・えっと愉快になったと言う事で(汗)
彼女は、アニメ本編でも数話しか出ていないのでいまいち自分でも性格把握できてないのです。ですので、ここのリインについては記憶が半数とんで、ヴィータの色々なアニメ知識その他の所為で愉快な奴になったとか思ってもらえると幸いです(若干演じている所はありますが)。何とか完全別キャラにはならないように頑張ります。リインファンには、深く謝罪を。

設定については・・・えっと、とりあえず番外編についてはそんな深く考えてないです。新シリーズお祝いSS程度に。

本来のヴィータの人格データの欠落については、10年前の闇の書事件(クライドさんのやつ)の際に使用した封印が原因でおきた、エスティア乗っ取りの暴走の際に起きてしまったと言う設定です。封印を強引に破った時に無理が生じたと言う事です。書く予定でしたが忘れてました、すみません。あの時すでに、守護騎士達は闇の書の中にいたと思うんですよ。

また、情けなくも、恒例となってる誤字報告もありがとうございます。

あと、前回のライダーネタですが、たしかに劇場版ライダーマンの台詞っぽいの言わせたかっただけですw。

そして、今回の無限書庫の設定は・・・自分の勝手な妄想です、申し訳ないです。間違いがあった場合、修正するかもです。でも、次回も調子に乗ってしまいます。


おまけは・・・全力で見逃すんだ!!
もしかしたら、この世界のリインフォースにあった道の一つだったかも。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第五十話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/09/14 01:47
<ヴィータside>

俺達は、元の世界に戻るべくこの世界の無限書庫を目指している。もうちょいで着くそうだ

「それにしても、お前。本当に実体化は無理なのかよ?」

『あぁ、無理だな。だが・・・』

何だよ?

『融合事故なら可能だ、それを利用すればいい』

「あたしが、取り込まれるじゃねぇかよ」

『そうでもないさ』

どういうこった?

『私のかつての防御プログラムの、劣化品というべき物を利用しすればいい。幸い、コレは残っているからな。あれを利用すれば、お前に人格をうまく内包して私が前に出られる』

「それ、さっきの戦いで使えなかったのか?」

お前が表出れれば、まだ手数が増えていたのに。

『それは無理だな。大量に魔力を使えば、その状態が維持できなくなって本当に融合事故が起きる。それが無くとも、ダメージを受けて強制的に私が外に出されれば、私は実態を保てず消滅する』

ちぇ、そう都合が良くは無いか。

『因みに名前は、”反転融合”!!どうだ?かっこよくは無いか?』

厨ニ病、乙。





第五十話「ツンデレ娘な、図書委員!!・・・それはさておき、ようやく帰れるぜ!!!」





「・・・おい、何の冗談だよコレ・・・」

俺はただ、驚愕していた。何故なら、目的地には・・・。

「聖王のゆりかご・・・・・?」

『正確にはゆりかごを模して作られた、移動型データベースだ。ゆりかごよりもいくらか小さいはずだ』

ねーよ、これはねーよ。

『考えても見ろ、何故古代の遺物であるゆりかごがあそこまで綺麗な形で残っていたと思う?』

「修繕したから?」

『確かにそれもあるが、それでは限度もある。答えは単純明快、丈夫だったから』

本当に単純だな。

『情報は時として、最大の武器だ。特に古代ベルカ戦争時には、ロストロギアを使用する国も少なくはなかった』

物騒なこったな。

『そこで、あらゆる資料を自動的に集めるデータベースをより安全に自分達の手元に置いておく方法をベルカ王朝は考えた』

「んで、丈夫で、いざと言う時は移動可能に船に搭載したのか?」

『そうだ』

それほどまでに重要だったってことか。

『おそらく、最高評議会のボケどもはゆりかご発見のついでに無限書庫を見つけ、何かに使えると思い手元においておいたと言った所か・・・真偽は定かではないがな・・・あいつ等カプセル割れればいいのに。ゼーレもどきめ』

それ言っちゃいかん。皆思っていることだからな!

「んで、入り口は?」

『向こうだ』

言われたとおり俺は、道を進む。そこには、一つの小さな扉があった。

「開かねぇ・・・」

『ヴィータ。私を表に出せ』

あん?

「さっき言ってた、反転融合か?大丈夫なのかよ?」

『理論的には、大丈夫だ。少なくとも、お前を取り込んでしまうのはありえん。安心しろ』

けどなぁ、必要あるのか?

『それに、さっき言ってた瞬間検索機能というのは、管制人格の事でな?私は同期に作られた物なのだ。交渉はしやすいであろう』

む、そういう事なのか・・・。

「んじゃぁ、頼む」

『うむ、ユニゾン率、上昇開始・・・ユニゾンスペースに鉄槌の騎士の人格データを移動、及び保管・・・・・』

む、何か変な気分だな・・・。どんどん俺が海にでも沈んでいくような感じに・・・・・。それと同時に、俺の中にいる何かが浮かんでいく・・・・・。

「完了、反転融合」

気が付けば、なにやら変なところに。外の景色が見えるのに・・・まるで、体があるのに体が言う事をきかないような・・・。

「すぐ慣れる、案ずるな」

『お~う』

けど、なるべく早くしてくれよ?



<リインフォースside>

「ふむ・・・」

よし、成功したか。私は、右手を握り締めながら考えた。いや、実は5%の確率でマジの融合事故起きそうだったから、心配だったのだ。・・・し、仕方ないであろう!私とて外の空気が吸いたかったのだ!!

『う~ん・・・?』

む、ヴィータめ。まだ唸ってるな?

「どうした?」

『あぁ~、やっぱ変な気分・・・なんつーか・・・』

「周りの感じは、アニメにおけるアギトやリインのユニゾン描写であろう?」

『そうなんだけどさ、リアルに見ると変な気分だ』

「そんなもんさ」

『そんなもんか?』

うむ、そんなものだ。そして、そんな会話をした後、私はくるりと回り自分の姿を再確認した。

ふむ、悪くない・・・と言っても、今までとの違いは、手や足にベルトが巻かれていないと言う事と、頭に羽が出来ていない事、そして、騎士甲冑が白い事。そう!まるで、まだ見ぬ我が妹、リインフォースⅡもように・・・!!本当は翼も白くしたかったが、主はやてとお揃いがよいのでこのままにしておいた。しかし、ヴィータとの融合時の服はあえて黒である!下着は純白だ!!・・・すまん、今の話は忘れてくれ。

しかし、楽しみだ。何年先になるかは判らんが我が妹と出会う日が。きっと『わ~い!お姉ちゃんとおそろいの色です~♪』っと言ってくれるの違いない!!

「ふふ~」

思わず笑みが出てしまう。

『お~い?』

む、いかん。そろそろ進むか。さて、入室コードは・・・あるがあれで大丈夫であろう。

「とっとと開けろ、根暗女」

そう言って私は、扉を蹴った。

『ヲイ!?』

ヴィータは当然のごとく、驚きの声を上げる。

「まぁ見てろ」

『やれやれ、久々の対面だと言うのに、ずいぶん乱暴だな古本女』

「誰が古本女だ、引き篭り」

『ほぅ、やけに元気がいいな?聞いた話では、根暗な性格になっているはずだが?』

「いろいろあったのさ、いいから開けてもらおう。説明してやる」

『ふん、まぁ良いか』

やれやれ、ようやく開けたか。しかし、また会えるとはな・・・厳密には別人だがな。

「ほぅ・・・・・」

『うわぁ・・・本だらけ』

見れば無限に続く本棚。上も下も、先が見えないくらい深く、軽く頭が痛くなってくる。

『エロ本あるかな?』

「この思春期め」

そんなくだらない会話をしていると・・・。

『クク、なかなか面白い冗談を言うようになったな?』

我々の目の前に、一人の女性が現れる。蒼く長い髪に、眼鏡をかけてつり眼の、神官のような白い服を着た女性が。

『ようこそ、古代ベルカの古きデータベース”深き知識の間”へ。夜天の子等よ』

「久しいな、”深き知識の間”の管制人格・・・通称・・・」

ん?

『どうしたのよ?』

「スマン、名前を忘れた」

すると、先ほどまでの口調とはうって変わり叫ぶ。

『は!?け、喧嘩売ってるの!!?私も、もう憶えてないけど同期にお互い作られたはずよ!!?』

「む、色々事情があってな」

『言いなさよ、返答しだいでは許さないわ!!』

『なんかアリサやティアナに似てるな?』

ティアナには、まだ会ったことないであろう?まぁ、めったに人が来ないからな、捻くれてるのさ。私も、もうほとんど憶えてないが。



『ふ~ん、じゃぁ、貴方は私の知ってるアイツじゃないのね?』

「そうなるな、私達の世界では、お前はすでに消えている」

結局、会うことなくな。そこまで親しかったわけではないが・・・。

『え~と、管理局に移築された時にだっけ?』

「おそらくな」

私はソニア(さっき聞いた名)に事情を話した。

『あ~多分、それ間違い』

「何?」

そう言うと、ソニアは腕を出した。するとノイズが起きたかのように腕がかすんだ。

「お前・・・」

『そ、もうシステムが限界なのよ、後数年で寿命ね?』

『な!?何とかなんないのかよ!?』

それを見て、ヴィータが叫ぶ。しかし、ヴィータ・・・。

『えっと、鉄槌の騎士・・・ヴィータって呼ばせてもらうけどね?いいのよ、コレは私の天命。もう長く生きてきた証』

『け、けど!!』

『永遠なんてないのよ、けど・・・全て消えるわけじゃない』

ソニアは、数冊の本を手元に呼び寄せる。

『資料は残っていく、人々が情報を得ようとする限り・・・ここは利用されるはず。全てが消えるわけじゃない。仮にこの施設が何時の日か消えても、人々に残った知識は受け継がれていく。形を変え、何かは必ずこの世界に残ってくいのだから』

『・・・・・』

「お前にはまだ早いさ、ヴィータ」

『分かんねぇよ・・・』

無理もない、確かに元大学生かも知れんが、やはり二十年程度しか生きてない若者だからな。

『別に分かる必要はないのよ。今を精一杯生きて、私はそうとしか言えないわ』

『・・・・・うん』

これ以上、この話題は禁物だな。

『さて、資料を調べるわね?』

「あぁ、頼む」

そう言うと、いくつかの魔法陣を展開して、高速で次々と右から本が来たと思えばページが捲れていき、あっという間に左の方へと行く。

『壮観だな・・・』

「あぁ・・・」

おそらく、ユータ・・・ユーア?・・・まぁいいか、なんとか・スクライアが百人いても、ソニアには追いつかないであろう。瞬間検索機能と呼ぶにふさわしい力が彼女にはある。

『ほら、資料よ』

私は、資料を読む。ふむ・・・どうやら帰れそうだ。もっとも、最後にはヴィータの思いが試されそうだが・・・。

さて、今日は休んで明日にするか。反転融合も、もう解除してもいいであろう。

『ねぇ・・・えっと、リンフォースでいいのよね?』

「あぁ、どうした?」

『アンタはどうする?ここには、夜天の書の設計図も探せばあるはずよ?』

・・・ふ、いや。

「いらんさ、自分の事は自分で何とかしたい。それに今は、夜天の書の管制人格ではなく、孤立した融合騎としていたいからな」

『・・・・・本当に、変わったわね?けど、今の方がずっといいわ』

「そうか?」

『えぇ、よかったわ・・・最後に貴方に会えて』

そう言って、彼女は消えた。

「主はやても、私が消えたときはこんな気分であったのか・・・」

私の知っている彼女ではないと思っていても、やはり・・・寂しさがある。

『別にまだ、消滅したわけじゃねぇだろ?』

野暮だな、ヴィータ。



そして、翌日。私達は、無限書庫を出てとある遺跡へと来ていた。

「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!?」

『はっはっは、頑張って走れ』

「岩がゴロゴロって!どんだけ、ベタな罠だよ!!?」

『AMFコーティング仕様なので、魔法は効かんから頑張って走れ』

「うわぁぁぁ!ユーノの奴、どうやって切り抜けたんだよ!?」

『単純に、スイッチ押してないだけだと思うが?』

この、うっかりお約束さんめ。



<ヴィータside>

『ジュエルシードを使う必要がある』

「何言ってんだ、お前」

無限書庫を出た後、俺はリインフォースにそう言われた。

「歴史変わっちゃうじゃん」

『遺跡に安置されているままを使用すればよい。必要なのは、エネルギーのみだ』

なんでも、旅の賢石は異次元への研究用であった物らしく、行き帰り出来るようにアンカーが設置されるらしい。けど、それだけだとエネルギーが不十分らしくコレ単体ではどうしてもズレが生じるらしい。

んで、何でも良いからエネルギーが必要だからジュエルシードを利用する事にしたらしい。かつて、闇の書の管制人格であったリインフォースなら制御に失敗する事も無いとの事だ。

「じゃぁ、レリックでもいいんじゃね?」

『あれは、意外に制御が難しい。直接人体に埋め込むか、ゆりかごの様な特殊な環境が必要なのだ。もし、簡単であったならいくつかのレリックはガジェットに埋め込められているはずであろう?』

「ふ~ん」

ンなもんなのか。

『それに、レリックは失敗すればドカンだ』

あ、そういえばそっか。

『それに、ジュエルシードにはある特性があるしな』

あぁ、願いを叶えるの?

『そうだ。一種の空想具現だな・・・人の思いを具象化、具現化する力。不完全だが、今回の事には充分に使える。座標の固定を完璧にする事が出来るはずだ』

良く分かんねぇけど、信じてみますか。

「んじゃ、行くか」

『あぁ』

んで・・・。



「現在に至るぅぅぅぅう!!!」

『ヴィータ、錯乱してるな』

じゃぁ変われよ!!

『そら、そこに横穴がある。そこに入ってやり過ごせ』

見てみると、そこには子供が入れる小さな穴が。

・・・・・幼女でよかったな。

『こんな的確な判断。お前に出来るか』

へーへー、無理ですよ。

「ありがとーです」

『”睨んでねーです”みたいな事を言うな』

言い方が何かムカつくんです。

「うっせーな、まだ先なのか?」

『いや、もうすぐだ』

お、何か広そうな場所が見えてきた。

「おっしゃ!ラストスパート!!」

そう言って俺は走った。

『ば、馬鹿!待て!!』

何か聞こえたけど、無視をして・・・。

<ヒュヒュ!!>

頭の上を、矢が素通りしていった。

『セーフだったな。まったく!』

本当に、幼女でよかった。幼女万歳だ。

どこぞの、No7のごとく、万歳!してしまいそうだぜ。

『ま、胸はちっぱいだがな』

「デカけりゃいいってもんじゃねぇぞ!!」

『ちっちゃいからと言って、必ずしも美乳とは限らんと思うが?』

ぐ!なかなか的確な事を!!

『ま、それより前を見てみたらどうだ?』

「へ?うわ!?」

そこは、神秘的な場所であった。ゲームに出てくる遺跡と言ってもいいぐらいに。けど、本物は幻想的で、神々しささえ感じた。そして、中央には壁画があり、21個のジュエルシード全てが埋め込められていた。ジュエルシードを取るなんてもったいねぇ・・・このままであることに価値があると思うぞ。

「帰ったら、文句言おう」

『あぁ、ユー・・・なんとか・スクライアにか?』

ユーノな?いちいち言わねぇけどさ。

『しかし、確かに綺麗だ。写真でも撮るか?』

「持ってきてねぇよ」

『デバイスに記録として撮らせておけば良い』

「お!」

その手があった。



んで、写真を撮ったわけだが。

「お~、見える見える」

『実体化しているわけではない、幻術の一種だ』

見えるけど、触れないリインフォースがいる。コレなら別にはやて達にも・・・。

『すまん、もう少し待って欲しい。色々あるのだ』

「・・・なんでだよ、はやてや皆だって!」

やっぱりどこか納得できない。なんで、皆に会わねぇんだよ!

『考えてもみろ、私の事件が終わってまださほど月日が経っていない。私が存在しているとなると、主はやてに迷惑が掛かる可能性がある』

・・・そうか。たしかに、”夜天の書”は真実はどうあれ”闇の書”として災厄を振る巻いてきたんだ。その時の、主の行いが悪いと言っても、納得できない者は納得しないだろう。一応何も知らなかった一般人のはやては、管理局に言われて”闇の書”の破壊を承諾したと言う事になっている。グレアムの爺さんから聞いた話では、無罪には出来たらしい。はやては管理局法の適応しない世界のなんだから、けど無罪にすると危険だと言う考えもあった。はやての今の現状は、体裁を立てるためでもあった。俺のも本当に秘密裏だ。

『とにかく、私が表に出れるのは主はやてが、皆に認められた時か・・・』

J・S事件解決後・・・か。

「・・・けどさ・・・」

『あぁ、分かってる。その時はめいいっぱい謝るつもりだ』

「あ~、ったくめんどいなぁ!必然的に、あたしも謝んなきゃいけねぇじゃんか!」

共犯みたいなもんだからよ!こいつの存在隠さなきゃいけないんだから!!

『ふふ、すまんな?』

まったく・・・。

「その代わり、いざという時は力貸せよ」

『あぁ、ばれない程度にな』

ん、よし。

「じゃ、帰るか!!」

その前に。

「壁に落書きしておこう」

ヴィータ参上っと、どうせ見つかるの200年後だし。

『リインフォース参上ともな!』

付き合い良いな。

『ふ、シグナムといっしょにするな』

そう言えば、結構キャラかぶってたもんな、昔は。今?・・・見れば分かるだろ?

『さて、では準備に入る』

俺の足元に、ベルカ式の魔法陣が二つ重なって出来た、六角形の陣が現れる。同時に、旅の賢石が俺の前へと浮かび、ジュエルシードが発光する。

「本当に大丈夫なのかよ?」

仮にも、ロストロギア。プレシアさえ、9個でやっとだったのに・・・。

『だてに、闇の書だった訳ではないさ』

心なしか、きつそうだ。やっぱり早めに発動させるべきだ。

「おし、なるべく早く済ませるか。リインフォース、説明頼む」

『あぁ、と言ってもそれほど難しくは無い。イメージしろ、強くあの世界を。あそこで出会った人々、起きた出来事、その全てを。そうすれば、道は開かれる』

おう、思ったよりも簡単だな。

『しかしだ・・・』

ん?

『もしも、お前があの世界ではなく、かつていた世界への思いが強いのであれば、その世界へと行くかもしれない。アンカーが設置されているわけではないから、完全同一の世界とは限らないが・・・』

は?

『逆に言えば、コレが最後のチャンスとも言える。本人がすぐ近くにいれば、今の私でも人格統合は可能だ』

・・・・・。

『ヴィータ?』

「始めろ」

多分、今口に出しても意味は無いと思うから・・・。

「答えは、移動した場所が答えになるさ」

『・・・そうか、では・・・始める』

目の前にある、銀の宝石は輝き始め、壁画にあるジュエルシードも全て先ほどよりも強く発光する。眩い光の中、俺は思い浮かべる。

俺がいたいと願う世界を

俺がいっしょにいたい人達を

俺が存在すべき世界を

俺が・・・・・・・。

そして、俺の視界の全てが白い光に包まれた。







【この世界の数百年後】

「ふぇぇ・・・知らんかった。ヴィータって双子やったん?」

「違うから!」

「じゃぁ、分身できたです?」

「それも違うぞ、リイン」

はやてとリインフォースⅡは、ヴォルケンリッター達から聞いた古の出会いに興味をいだいていた。

「けど、肝心な所が抜けとるなぁ・・・やっぱり、あの子から聞いてないん?」

「ん~、あたし等も気になって、大分経ってから聞いてみたんだけどさ・・・」

「本人曰く、黒歴史だそうよ」

「黒歴史って・・・」

とてもではないが、はやてにはその言葉を言う”彼女”の姿が想像できなかった。

「あの子って、あの時の事を聞くと、性格がちょっと変わっちゃうのよ」

「えっと・・・なにがあったんやろ?」

「はやてが聞いてみたら?主なんだし」

「う~ん・・・」

けど、聞かれたくない事は誰にでもあると思うが、聞きたい自分もいたのが事実でもあった。

「よっしゃ、無理ならええけど一回くらい聞いてみようか!」

「その意気だぜ、はやて!!」

「あ、噂をすればやね・・・お~い!」

「はい、なんでしょう」

「ちょぉ聞きたい事があるんよ・・・」



―リインフォース・Ⅰ!!―



「・・・何故フルネームで?」

「なんとなくや」







おまけ(ifルートと言うか、この後うっかり別の次元に行ってしまったら)



とあるクリスマス・イブの日。一つの悲しみが生まれようとしていた。

「はやてちゃん!」

「はやて!」

二人の白い服と、黒い服を着た少女は叫ぶ。しかし、その先には涙を流しながら立っている一人の女性がいた。

「また、全てが終わってしまった。いったい幾度、こんな悲しみを・・・ぶぼべぇ!!!?」

だが、その女性は急に倒れこんでしまった。その後ろには・・・

「あぁ、スマンスマン。邪魔臭かったんで、つい蹴っ飛ばしてしまった。(もぐもぐ)」

『食いながら喋るなよ』

肉まん片手に、食べながら喋る先ほど倒れた女性にそっくりな人物がいた。名は、リインフォース。

「肉まん美味いな、ヴィータ」

『いや、その・・・もう少しシリアスになるべきじゃねぇのか?』

「次あんまん食おう」

『あんま食うなよ、あたしの体だって事忘れんな!』

「美味す」

『聞け!!』



そして、悲劇は加速していく



「闇の書さん!」

「お前も・・・その名で私を呼ぶのだな」

「馬鹿がいると思う。さっき自分で『我は闇の書。』って言ってたのにな?悲劇のヒロインぶって、マジムカつく」

『自分って言っても、別世界のお前なんだから自重しろよ!!』

「だが断る!!」

「(無視するんだ、あれは私ではない!)」



進みゆく物語



「ほんとに心が無いのなら、泣いたりなんかしないよ!!」

「この涙は、主の涙。私は道具だ、悲しみなどない」

「いや、どちらも違うな。その涙は・・・私が隣でたまねぎを切っているからだ!」

トントントントン

『どっから持ってきたんだよ、そのたまねぎ』

「違うもん、違うもん!!こんな奴、私じゃないもん!!!」

『あぁ、とうとうこの世界のコイツもキャラ崩壊が・・・』



そして、物語は終点を迎える



「お前たちは残る。行くのは・・・私だけだ」

「相変わらず美味いな、カレーまん(もぐもぐ)」

『あのさ、お前・・・』

「・・・・・と言うつもりだったが、予定は変更だ。こいつを解剖してでもこの世界に残ってやる!」

「ほう、面白い。やってみるが良い!!」

『・・・・・あたしの事。絶対忘れてるだろ?』



二人のリインフォース編。gdgdなんで止めるよ!



「なぁ、さっきからあたしと同じ声が聞こえるんだけどさ?」

『よく気付いた、この世界のあたし!あたしのパンツやるよ!』

「いらねぇよ!!」

















あとがき

同時の更新したのに一気に書いておきますでござる。でも一言つわせて貰うと・・・反転融合(笑)・・OK言いたい事は分かる。しかし・・・その・・・やりたいネタ(上のおまけもその一つ)がいくつかあるので・・・スミマセン・・・そんなにありえない設定ではないと思うんですけど・・・無理かな?

まぁ、それはさておき・・・話の路線変更の際に余ったおまけをもう1個。ちょっと今逃すとお蔵入りになりそうなので↓















おまけ2(ifルート)

平行世界、パラレルワールド。それらは、決して交わらない世界。しかし、まったく無関係の世界ではない。もしかしたらの可能性だ。もしかしたら魔法がある世界と言った大きな違いから、もしかしたらチャンポンではなくラーメンを食べた世界と言った小さな違いもありえる。

だが、いい世界もあれば、悪い世界もある。そう・・・。



そこには、絶望しかない世界もある。



「なんだよ、これ?」

そこは、死屍累々と言う言葉があっていた。多くの人が倒れている。そして・・・

俺ではないヴィータが倒れていた、はやてが倒れていた。なのはが、フェイトが、ザフィーラが、シグナムが・・・皆が倒れていた!!

「・・・ぅう」

「・・・ッ!おい、シグナム!?」

かすかに、うめき声を上げたシグナムを抱かかえて俺は問いかけた。

「・・・・・よかった。お前だけでも無事であったか、ヴィータ・・・・・」

ッ!?ち、ちがう!俺は、この世界のヴィータじゃ・・・・・。

「逃げろ・・・ヴィータ・・・奴だけには・・・勝てない・・・・・」

「お、おい!シグナム!!?」

「主はやてと共に・・・逃げ・・・」

ッ!シグナム!!この世界のはやてはもう・・・!!

「・・・・・おい・・・・・シグナム・・・・・?」

「・・・・・・・・・・」

シグナムは、もう返事をしてくれなかった。

「くそぉ!!一体誰がぁ!!!」

この世界に何があったんだよ!!?

「あら?なんでヴィータちゃんの声がするのかしら?」

シャマルの声が聞こえて、俺は顔を上げる。そこには、漆黒の服を身に纏ったシャマルが冷笑を浮かべていた。・・・・・・まさか!!?

「これは、・・・・・お前がやったのか?」

「あなた誰?ヴィータちゃんはそこに倒れているわよ?」

「平行世界から来た。いいから、答えろ」

「短い説明・・・けど、いいわ。教えてあげる」

そう言うと、シャマルはニヤァとした顔で言う。

「そうよ、私がやったの!!」

「何のために!?」

「貴方の世界の私はどうかは、知らないけど・・・この世界の皆は私を認めなかった!!だから、だから私は!!!」

一体何を・・・!!



「皆に無理やり、私の作った料理を食べさせた!!」

・・・・・・あ?

「そうよ!皆が認めてくれないなら、認めてもらえる料理を作るのではなくて、認めてくれる人を探せばいいと・・・・・・って!!」

はいはい、撤収撤収。

「ど、どこ行くのよ!?」

帰る方法を探しに行くんですが何か?

「え?ちょ、何か言う事はないの!?」

「ばっかじゃねぇの?」

「直球!?」

「じゃ」

「ま、待ちなさい!貴方にも私の料理を・・・!!」

「自分で食えよ、他人に認めてもらう前に、自分に認めてもらったら?」

「・・・・・あ、何か私改心したくなって・・・・・」

「あ、せっかくだし耳のアクセサリ引っ張っていい?」

「止めてぇぇぇ、おたふく耳になる~~!!」









価値観は人それぞれである。たとえ、その世界は悲劇でも場合によっては喜劇にもな(以下略)。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ第五十一話
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/09/14 01:40
<ヴィータside>

病院のベットからコンニチワ。ヴィータだ。

「超退屈~」

『やはり、闇の書を一人で相手をすると言うのは無理があったな。2週間は入院らしいな?』

「守護騎士なんだから、治りとか早くないのかよ?」

『うむ、少しずつ治癒力は落ちてるからな・・・それでも、普通の人間なら半年入院でもおかしくない状態だったんだぞ?』

「うえ~、ま~たはやてたちの説教聞く羽目になるな・・・3日連続だぞ?」

『心配かけたのだから、仕方なかろう』

「お前の事をチクッてやろうか?」

『やってみろ、私は自己消滅をしてやる。むろん、痕跡は残さんからな』

そう来たか。

「入院が終われば、いよいよはやての融合騎の製作開始かな?」

『もう一年は先じゃないか?』

「製作日数ってどれくらいになるんだ?」

『む、私が直接出れれば7ヶ月程度だと思うが・・・私は協力できんからな・・・』

む~、やっぱり一年以上かかるのか~。

「えっと・・・はやて達は、今がまだ4年生だから・・・」

『完成は確か6年生・・・やはり、本格的な製作開始は5年生の初めあたりからであろう。まだ主はやてはリハビリの途中だしな・・・もっとも、魔法の勉強やら何やらで、完治までは一体何時になるやら・・・・・』

ん~・・・なんと言うかまどろっこしいな。先は長いのやら、短いのやら。

『コレは現実なんだ、次の日には5年後なんてありえない。焦らず、だが決してなすべき事を見失わずに一日一日を過ごしていけば良い』

うん、分かってる。

しかし・・・なんか会話のネタがなくなってきたな。

「やっぱり暇だ、アイリーン。芸をしろよ」

アイリーン・・・つーのは、リインフォース・アインのアナグラムで作ったコイツの偽名だ。うっかり口に出した時用にだとさ。アインはベタなので駄目らしい。下手に原作知識・・・というか二次創作知識を持ってるとこれだ。

『もはやヴィータは選択した。永遠の夢の中で生きることを・・・主はやて達と離れる事を・・・』

「あたし限定でバットエンドかよ」

『そして、私と共に同人誌世界にデビュー・・・』

「お前、もう黙れ」

つーか、そういうのに興味あんのか?





第五十一話「私の名前はアイン?馬鹿言え!そんなベタな事を許すと思うな!! byリインフォース」





3日前の昼、俺は無事この世界に戻ってこれた。アイリーンの証言から誤差も無く、間違いなく元の世界との事だ。むろん、はやてや皆がいる世界だ。どこかちょっと違う世界でもない。

俺がこの世界に戻ってきた場所は、無限書庫であった。ふと、向こうでであった女性を思い出した。あと、何でか知らんけど皆資料と睨めっこしていた。誰一人欠けることなく、皆いた。あのアリサやすずかさえも・・・俺のほうを、何か凄い間抜けな顔をしてみていた。

『よぉ、何してんだよ?』と言ったら、ボコボコにされるは、泣きつかれるは、叫ばれるは、散々だった。

体内の寄生虫もどきが、大笑いだったけどな。チクショウ!!

んで、そのまま気絶。気付いたら、病院だった訳だ。この体の怪我、本当は全員にぼこられたからじゃねぇのかよ?

『す、す・・・すみれ!』

「レモン・・・ほれ、終わり」

『しりとりが、五回しか続かん。真面目にやれ』

「やだ」

『退屈だと言ったのはお前だろう?』

だからって、これはねぇだろーが。

「ゲームがしたい」

『シグナムにでも、持って来てもらえるように頼めばよかろう?』

またボコられるのがオチだよ。あ、そうだ。

「そう言えば、旅の賢石・・・こっちの世界に来た時壊れたけどさあれって」

『ん?察しがいいな。私のした事だ』

「ま、正解だな。あんなのあったら、やばい奴とかが平行世界に高飛びする可能性もあるしな」

『そうだ』

でもちょっと残念かも、平行世界って事はその気になれば仮面ライダーの世界とか、ネギまの世界とか行けたかもしれねぇのにな。

『モンハンの世界で、モンスターを守護獣にするとかはどうだ?』

「どんだけ、魔力食う守護獣が出来るんだよw」

『ティガとかどうだw』

<コンコン>

あ、誰か来た。

「どうぞ~」

『む、では私は眠る』

あ、あいつの意識が切れた。

「や、ヴィータ」

「お、ユーノじゃねぇか」

来たのはユーノであった。割と暇なのか?

「あはは、一応病み上がりでの資料捜索だったからって、しばらく休暇を貰ったんだ」

「ふ~ん、じゃぁ大人しく寝てろよ」

「けど、それじゃ勿体無いし今日からスクライア一族のほうに戻る予定なんだ。で、その前に見舞いをと思ってね?」

「あん?じゃぁ無限書庫は?」

「うん、大分司書の数も増えて安定したし、しばらくは大丈夫って言われたから」

「しばらくか・・・で、戻っていたら資料の捜索依頼が溜まってて重労働だったりしてw」

そう言うと、ユーノはかなり渋い顔をした。

「う・・・こ、恐い事を言わないでよ・・・発掘に集中できなくなるよ?」

お、本業にしばらく戻るのか?

「あぁ、そういえば僕ってこっちの方が本業だったよね・・・」

あ、なんか遠い目になった。戻って来い、ユーノ。アイリーンに名前を覚えてもらえないユーノよ。

「何か凄く、失礼な事を言ってない?」

「気のせいだ。あ、ベルカ関連の遺跡とかあったら教えてくれよ」

「うん、いいよ。じゃ、もうそろそろ行くから。ヴィータ、お大事にね?」

「お~い、なのはには、言って行くかないのか?」

「もうメールで伝えたよ~」

メールって・・・どんだけ友達感覚なんだよ。あれだな、高校の時のダチとはメールの回数や、合う回数がどんどん減っていく感じで・・・。

「駄目かも知んないな、アイツ」

ま、いいや。興味ねぇし。

<コンコン>

「ん、どうぞ」

今度は誰だ?皆、資料捜索で仕事削ってきたらしいから昼間っから来れない筈・・・なのはやはやてとかは学校だし・・・。

「ヴィータ、入るぞ」

犬!犬じゃないか!!

「帰るぞ、せっかく退屈しのぎのゲームを持ってきたのだが・・・」

冗談だってザフィーラ!!相棒だろ!?蒐集の時はよくいっしょに行動したじゃんか!!

て言うかなんで来れたんだ・・・って、そうかザフィーラは守護獣だから正式に管理局に入ってる訳じゃないだっけ・・・一応登録してあるけど。

「どれ、りんごでも剥いてやろう」

「あ、サンキュー」

介護犬、ザッフィー。

<グシャッ>

「む、スマン力を入れすぎた」

わざとだよな!?心を読んだ!?無駄に存在感あるよな、ウチのザフィーラってさ。

「・・・で、何の用だよ?」

「・・・何の事だ?」

「惚けんな、何か聞き出したい事があるんじゃねぇか?」

「ふ、3日前にあんな事を言いながら泣きつかれたのであればな」

「う・・・」

そう、俺は気絶した後に目を覚ました時、真っ先にシグナム、シャマル、ザフィーラに泣き付いていた。『皆、あたしの仲間の皆だよな!』と叫びながら。迂闊だった、寝起きだったのもあるけど・・・。

仕方ないだろ、何せ向こうの皆とは命懸けでバトってたんだから。つーか、もし負けて蒐集されてたら、俺・・・消えてたんだよな。多分修復は不可、もしかしたら向こうのヴィータに吸収されて・・・。あ、想像したら、今更身震いが・・・。

「どうした?」

「いや、あたしは相変わらず後先考えない時があると・・・」

「今更だな」

「さいですか」

<コンコン>

あ、また誰か・・・。

「ヴィータ、具合はどうだ?」

「シャマル先生の登場ですよ~」

「あたしの担当はシャマル先生ではないので、お帰りくださ~い」

「あらあら、それじゃぁグラーフアイゼンはいらないのね?」

な、何だと!?シャマルの手に、待機中のアイゼンが!!シグナムに修理頼んでいたのに!!?

「嘘嘘!いて良いから!!」

「ふふふ~」

シャ、シャマルに負けた・・・だと・・・?

「ふっ」

あ、シグナムがにやけた。さてはシグナムの策か!!

「おっぱい魔人・・・退院したら模擬戦だ」

「ほう、おもしろい・・・今宵のレヴァンティンは血に飢えているぞ?」

どこの時代劇の影響を受けたんだよ。

「上等だ、『ドキッ!女同士の真剣勝負!!ポロリもあるよ!!』の開始だな!!シグナムの恥ずかしい姿を、写真に収めてやるぜ!!」

「面白い・・・やってみろ!!」

「「クククククク」」

お互いの闘気がぶつかり合い・・・。

「はいはい、そこまで。ヴィータちゃんも入院中で退屈なのは分かるけど、挑発しないの」

シャマルに止められた。

「んだよ、暇でつまんねぇんだからいいだろ!」

「だ~め!」

ちぇ!

「はい、グラーフアイゼンよ」

「お、あんがと。お~い、調子はどうだアイゼン?」

俺は、手渡されたアイゼンに呼びかける。

『Ich bin gut(良好です)』

うむうむ、いい事である。

『Kämpfen wir jetzt zusammen von darauf.(これからも、共に戦いましょう)』

「おう!」

そうして、俺はアイゼンをしまった。

「う~し、早く退院してどっか遊び行きたいぜ!」

はやてが学校行ってる間って、結構自由だったりするんだよな。管理局の仕事もあるけど、立場が固まってる訳でもないし、まだまだ自由な事が多い。つーか今のうちに自由を満喫しとかないとな~。特に地球のあっちこっちに行っておかないと・・・数年後にはミッドに移住のはずだし。あ、そうだバイクの免許取ろうかな?大人モードで、ライダースーツ着て・・・絵になると思わねぇ!?

『ヴィータのテーマは、エタールロリータだ!!・・・では、おやすみ』

アイリーン・・・一瞬起きてまた寝やがった。

「どうした?」

「なんでもねぇ、馬鹿が馬鹿な事言っただけだ」

「自分の事か?」

なんだと、シグナムてめぇー。

「ったく、んで何しにぞろぞろ来たんだよ?仕事は?」

「もう夕方よ?終わったわ」

あ、本当だ。いつの間に・・・。

「んじゃ、はやては?今日も説教じゃねぇのか?」

「主はやてには、席を外してもらった」

何でだよ?

「そのためには・・・ちょっと見てもらいたい物があるのよ」

そう言うと、シャマルは映像媒体を取り出し・・・おいおい・・・まさか・・・。



―あたしは、ヴォルケンリッター・鉄槌の騎士ヴィータだ―

―盾の守護獣の名は伊達ではない!!―

―そうか、お前はヴィータではないがヴィータなんだな―

―頑張ってね?ヴィータちゃん―

―目が覚めたころには、元のあるべき場所へと帰そう―



流れる映像は、アイゼンに残っていたデータであった。おいおい、アイリーン・・・記録は消したって言ってなかったけ?っと思ったら、俺の砲撃が打ち消された辺りで、映像が途切れていた。自分が被害を受けないようにちゃっかりと・・・あの野郎・・・。(一緒に撮った写真は、厳重に隠されてるみたいだが)

・・・あ~、背中から冷や汗が・・・。皆の眼が怖いと言うか・・・悲しそうと言うか・・・。とりあえずはっと・・・。

「こっちのシャマルの方が、かっこいいよな?」

「それは同感だ」

「俺もだ」

「皆酷い!!?」

おし、何とか誤魔化した。

「じゃ、シャマルはかっこ良くなれと言う事で・・・解散な」

「そう言う訳にはいかんな?」

シグナム、空気嫁。

「さて、どう言う事か説明してもらおうか」

「別に、どうのこうのって訳じゃ・・・ったく、聞いても文句言うなよ!」

めんどくさいな・・・。



<シグナムside>

最初は何の冗談かと思っていた。ヴィータのグラーフアイゼンからの取り出した記録、それはヴィータともう一組の私達が戦っている記録であった。ヴィータは『気が付いたら、ここに居たと』戻ってきた時言っていた。
明らかに嘘をついているが、原因となったロストロギアは壊れたいたので深く追求はされなかったが、やはり気になりグラーフアイゼンを解析したらコレであった。

そして、聞かされた。時間軸のずれた平行世界に飛ばされた事、そこで・・・"闇の書"との戦闘。平行世界と分かった理由は、過去の資料を調べてもらった時、ヴィータが戦った世界は・・・今現在存在していなかったらしい。おそらくこの世界においては、闇の書の暴走で消滅しているのだろう。

しかし、何を考えている!?一歩間違えば・・・いや、仮にもヴォリケンリッターの騎士四名に加え、管制人格との戦闘・・・一歩間違わなくても命の危険がある!!

「何故、首を突っ込んだ!!」

「いや、ほっとけないじゃん?」

簡単に言うな!簡単に!!

「じゃ、逆に聞くけどさ、もし同じ状況になったら皆も同じ行動したんじゃねぇのか?」

「ぐ・・・」

それは・・・確かにそうかもしれないが・・・。

「けどね、ヴィータちゃん。分かってるわよね?私達はリンカーコアを核にして生きているの・・・もし、リンカーコアに異常が起きれば私達は消滅するのよ?」

そうだ!万が一にも蒐集されていたら!!

「あ、それはさっきよく考えて焦った」

「その時考えろ!馬鹿者!!」

「ん~、たしかになぁ・・・けど・・・」

苦笑いをしていたヴィータの表情がどこか悲しく真剣な表情になる。

「あんな皆見たくなかったんだ・・・だから・・・あ~・・・その・・・しょうがねぇだろうが!!」

そう言って、ヴィータはそっぽを向いた。その言葉に、私達は何も言えなかった。

・・・・・・・・まったく!

「うわぁ!?何しやがる、シグナム!!」

私は、ヴィータの頭を乱暴に撫でた。

「私も!」

「俺もだ」

「み、皆して撫でんな!!」

ヴィータの叫びが、辺りに響いた。



<ヴィータside>

チクショウ、皆して人の頭を・・・跳ねた髪が直らねぇ!

「随分と酷い頭だな?」

「それは聞き様によっては、馬鹿って言ってるように聞こえるぜクロノ?」

今度はクロノか?

「あながち間違いでもない」

「おい!」

喧嘩売りに来たのかよ!?

「んで、何だよ?もう用は済んでるだろ?」

「・・・気付いていたのか?」

「ったりめーだ。シグナム達だってお前が盗み聞きしてるのには気付いてた」

ま、俺がどうなっていたか知りたかったって所か。

「んで、どうすんだ?」

「何がだ?」

何がってな・・・。

「上に報告するのか?」

無論、旅の賢石の本当の能力を。む~、コイツ頭固いからな・・・っと思ったら、クロノは首を横に振った。

「ま、賢い選択だな」

「あぁ、今回の件は原因不明で終わりだ」

平行世界・・・今の確認できてる次元世界でさえてを持て余してるのに、そこまで手を伸ばすなんてたまったものではないからな。

「んで、それだけか?」

「いや、もう一つあるんだ。例のロストロギアを所持していた男なんだが・・・」

元々、あのロストロギアは護送中のものを強奪したらしい。大した能力も分からずに、B級と判断されたのでそれほど厳重な護衛はいなかった。
だから、あの男程度の実力でも強奪、逃走できたらしい。だが、問題はあの男はどうやってロストロギアの効力を知ったかと言う事。無限書庫にさえ俺が消えていた数日の範囲で集めれた資料の中にも、明確な能力を書いてある資料は見つけれなかった。それなのに、何故男は転移系のロストロギアと分かったのか。(流石に平行世界にいけるとは知らなかったらしいが)

そいつ曰く、変な女から襲撃しやすい日にちと、警備配置を教えてもらったらしい。半信半疑でやったが、うまくいったのでアレを使えば、逃げれると信じ込んでしまったとの事だ。そこまで精神的にも、追い詰められていたつーことだろ・・・自業自得だけどな?

んで、その変な女の正体は不明。どうやって、あのロストロギアの効力が分かったか・・・何故、警備配置などが分かったのか・・・。

なんか・・・きな臭いな~。

あ、そうだ・・・んな事よりも・・・せっかく並行世界に行ったことを知られたし、今度ユーノにソニアのこと話そ!どんな反応するかな~・・・ぷぷ・・・。

【某所】

とある研究室のような場所、そこには二人の男性と女性がいた。

「ドクター」

「やぁ、どうしたんだい?」

「例のジーロ・バーグルに持たせたロストロギアですが」

「?」

男は、何か考え込むようなそぶりを見せる。それを見て、話していた女性はため息をしながら言う。

「例の転移系ロストロギアの事です」

「あぁ!そういえばそんな物もあったね!すっかり忘れていたよ!!」

「それで結果なのですが、ジーロ・バーグルではなく逮捕した局員が使用したようですが、数日前に無事帰還した模様です」

「ほぉ・・・あれはなかなか不安定な物だったのだが・・・で、アレの転移先は結局どうだったのかい?」

「それが、報告書によりますと、気付いたら戻ってきていたので一種の擬似的な時間跳躍のロストロギアではないかとの事です」

それを聞き、男は少し考え結論を出す。

「嘘だね、それぐらいの物ならば私だって分かってたはずだ。おそらくは、誤魔化しをしなければいけない理由の場所への転移をしたか・・・」

そう言うと、男は心底可笑しそうに笑いながら言う。

「あるいは、アルハザードだったりして」

「ま、まさか!!?」

「あはは!!冗談に決まっているじゃないか!!!君も案外騙されやすい所があるね?」

「・・・ドクター・・・」

「まぁまぁ。で?その後ロストロギアは?」

「帰還時に、壊れたとの事です」

「ふむ、それもまたおかしな話だ。アレは、使用不能になっても壊れるなんて事は・・・おおかた修復不可能にしたかったと言う事か・・・ますます興味深いね」

「どうされますか?」

女性は、局員とロストロギアの残骸の確保を命じられると思ったが・・・。

「ほうっておこう」

「よろしいのですか?」

「あぁ、構わない。所詮アレは息抜き程度の物であったし・・・興味はあるが、今は今していることでいっぱいだしね」

「わかりました、ではそのように」

そう言って、女性はその部屋を出た。

「ククク・・・祭りの準備は進んでいる・・・フフフ・・・あっはっはっは!!!」

周囲には、男の笑い声が響いた。





おまけ(前回のif)

「ジュエルシード・・・願いをかなえる宝石か・・・」

俺は、遺跡に安置されていたジュエルシードを見ながら呟いた。

『ヴィータ・・・あれか?』

俺の中のリインフォースが問いかけてくる。

「あぁ」

俺は頷く・・・そして・・・

「『せーの!!』」



―ギャルのパンティおくれ!!!!―



そして、ジュエルシードが光った。

「うおぉぉぉおおお!!!?」

パ、パンツの雪崩がぁぁああ!!!?

あれ?何か股間がスースーするような・・・。

「っ!?~~~~~~っ!!!?」

パ、パンツが無い!?

『~~~っ!!!』

あん?

『わ、私のパンツだけ実体化してしまった!!』

ジュエルシードすげー!!

しかし、このパンツの山にはもっと大きな秘密が隠されていた。

各平行世界では。



【某ゆりかご】

「なのはちゃん・・・はよ脱出せなあかんよね?」

「うん・・・けど、その前に気のせいかな?」

「せや・・・何でか知らんけど下がスースーと・・・」

「なのはママ~・・・パンツが無いよぉ~」

「大丈夫だよヴィヴィオ。私達もだから」



【某市街地】

「アイゼン!!」

「いきなり襲ってきて一体なんなの!?」

「うるせー!!」

「あと・・・なんでパンツ穿いてないの!!?」

「う、うるせぇぇぇぇぇええ!!お前も穿いてねぇだろぉがぁぁぁぁああ!!!」

「え?えぇぇぇぇぇええええ!!!?」



【某時の庭園】

「私は取り戻すのよ!!アリシアを!!!」

「プレシア・テスタロッサ・・・言いたいことは沢山ありますが・・・何故下着を穿いていないのですか?いくら歳とは言え・・・」

「う、うるさい!!何でかなんて知らないわよ!!!あ、貴方だって穿いてないじゃない!!!」

「な、なんでそれを・・・わ、私はまだまだいけます!!」

「わ、私だって!!」

「か、母さんが穿いてないなら・・・私も・・・」

「待ってフェイトちゃん!!もう私達も、何故かノーパンだよ!!?」

「ぜ、全裸にぃぃぃいい!!」

「フェイトちゃ~~~ん!!」



【某丘の上】

「主はやて・・・守護騎士達・・・そして、小さな勇者達。ありがとう、そしてさようなら・・・」

「リインフォース・・・なんでノーパンなん?」

「にゃぁぁああ!?」

「パ、パンツが!!?」

「リインフォースと一緒にパンツまで消えちまったのか!!?」

「ザフィーラ!!見るなぁぁ!!!」

「がはぁぁあ!!?」



【某研究室】

「ダ、ダーリン!!私のパンツがなくなったわ!?」

「ふむ・・・平行世界から何かのエネルギーを感知・・・それが原因か。それはともかく・・・」

「あ・・・ダー・・・リン・・・?」

「ふふ、私も男なんだよ・・・ハニー」

「うん・・・責任とってあげるね・・・ダーリン」

「えへへ~、私のパンツもなくなったけど・・・結果オーライ!!私の弟!もしくは妹が!!」

「何故そうなる」

「トーレ、タンスのパンツも全て無くなっています」

「何!!?」



と言う感じであった。明らかにギャルじゃないパンツもあったのだ。

まぁ、それはさて置き。

「何時まで、パンツの雪崩がぁぁぁぁああ!!!」









あとがき

・・・・・無限書庫の設定・・・完全に中二臭い・・・でも!ソニアを書きたかったんだもん!!・・・・・不快に思ったらスミマセン・・・臆病な作者です。

この前メガミの付録のドラマCD聞いて、新事実発覚。なのはとはやては一緒にリハビリした事がある。へー、へー・・・じゃねぇ!!いや、そらもう設定矛盾しまくりのSSだとは思うけど、なるべく公式設定使っていきたいとか思ってたらこの新事実だよ!!

まぁ、更新遅れたのってコレじゃ理由にならないですけどね・・・・・スミマセン。

さて、このリインフォース復活編(?)・・・何か予想以上に長くなってしましたが・・・お付き合いありがとうございました。今回の件で自分にも、得る物が沢山ありました。賛否はそれぞれ色々なご意見をもらいましたが・・・勉強になりました。オリジナル要素を多く加えるのってなかなか難しいですね・・・。とりあえず、もうこんな感じの完全オリの長編事件は無い予定です。また少しずつ、Sts編に向けて前進して行こうと思います。



誤字報告も毎回の事ですが感謝です!!

それから、感想のご意見にあった、誤字報告ですが・・・かなり多いはずとのことなので、分割で教えていただけると助かります。スミマセン。
『某画像掲示板で49話オマケの夢と似たようなスレが立ってたらしいです』と言う声については・・・知りませんでした・・・そんなスレが・・・まずいようならおまけを削除しておきます。
読点の打ち方についても、自分なりにもう一回勉強してみます。どれだけ反映できるか分かりませんが・・・頑張ります。
愛称については、アイリーンにしましたw
もしかしたら、どっかで先に使われてたりするかもしれませんが、このSS始めた時からコレにすると決めておったのです。拙かったら代えますがゆえに・・・。



・・・しかし、スカさんが・・・何か自分で書いてて違和感が・・・マッド夫婦を書いていた所為か・・・。ここでは少し、いい人っぽくなるかも(笑)



[3310] やらかしたっぽい外伝2(前編)  ※クロスオーバー注意
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2009/09/14 01:41
今回は、映画を見に行ってしまった作者が調子に乗って書いてしまった作品です。(なおかつ、前編は最終回前に書ききってます。見てたら書くの断念してたかも・・・)
本編には関係ありません。クロスオーバーが嫌いな人は見ない方が良いです。









<ヴィータside>

「自然学習?」

「せや!」

俺は、はやてから学校の行事を聞いていた。そう言えば、小学校って修学旅行以外にも一つンなものがあったっけ?皆で自然の中、キャンプするそうな。足は、なのは達がお任せとの事だ。

「ん~、まぁそれで仕事の連休を、3日ほど貰ったのは分かったけど・・・それで?」

「あ~っとなぁ・・・実はヴィータも3日休みになってると伝えようとな?」

何故に?

「まさかとは思うけどさ、あたしも小学校に通ってると誤解されているとか?」

「・・・ドンマイや」

何故に!!?

「シグナムは?」

「私は泊まりの研修だ」

「シャマルは?」

「最初の二日が仕事ね」

「ザフィーラは?」

「シャマルに付くつもりだ」

んだよ、俺一人じゃねぇか。リインフォースの奴は、作業に没頭中で会話不可だしさ。

「あ、せやヴィータ。せっかくこの前バイク買ったんやし、どっか遠くにツーリングにでも行ったらどうや?」

ん~そうするか。丁度雑誌で、ちょっと遠い場所だけどアイスの名店が紹介されてたし。

「んじゃぁ、そうすっか!」

しかし、このとき俺は気付かなかった。ありえない者達との会合がこのときから始まっている事を。





―世界の異端者、ヴィータ。別の世界の住人を目撃し、その瞳は何を見る―





やらかしたっぽい外伝2「超クロスオーバー!仮面ライダーディケイド&ヴィータ 鉄槌の証!!」





「~~♪~~~♪」

俺は鼻歌交じりで、バイクを運転していた。大人モードでな、キツイから降りたら子供に戻るけど。

「・・・っと」

結構知らないところまで来た。道に迷わないうちに、もう一度地図を見るかな?

「え~っと・・・」

お、近いな。近くにバイク置いて食いに行くか!無論、人目につかないように結界張って。ばればきゃいいんだよ。



「はい、お嬢ちゃん!!」

「あんがと!!」

小さい事は良い事である。おまけしてもらった!!

「んめぇ~~!!」

ま、カニクリームコロッケには負けるけどな!!

「いや~、一人で休日だけどどうしようとか思ってたけど、結構エンジョイしてるよなぁ~」

さ~て、次は・・・。

「鉄槌の騎士・ヴィータ」

あん?見てみると、俺の前に帽子を被ったコートのおっさんがいた。ぶっちゃけ、変質者にしか見えない。

「もうすぐこの世界に、破壊者が現れる」

何言ってんだ?

「本来ならば、繋がっていない世界。だが、それもこの世界からの漂流物の所為で繋がってしまった!!」

頭大丈夫かな、このおっさん。

「奴を倒すんだ、鉄槌の騎士!!今のこの世界において、君だけが!!」

「ふん!!」

「ごふ!!」

とりあえず、殴っておいた。

「ったく、訳の分からない事ばかり言いやがって!」

「ま、待て・・・」

<ふぁんふぁん!!>

あれ?何かサイレンが?警察が来た・・・。

「この男よ!小さい女の子に、変な事を言って捕まえようとしてたわ!!」

あ、見られてたのな?

「来い!」

「は、離せぇ!!」

あ、何かオーロラが出てきた。

「な、消えただと!!?」

なんだあれ!?どっかで見た事あるような・・・?けどあれだ、魔力とか感じなかったし、俺の管轄外でいいよな?

しかし、あの格好・・・なんだっけ・・・?

「あ!」

そうだ、ディケイドに出てた鳴滝!?コスプレか?いや、んな訳ねぇよな・・・こっちじゃまだ響が放送されてるし。

「ま、いいや」

そう言えば、続きが気になるな~ディケイド。俺って、ネガの世界の終わりしか見てなかったし。

因みに、一番すきなのはクウガである。次にアギトな。こっちの世界では、クウガとアギトだけDVD全巻買ったし。他のも好きっちゃ好きだけど。見る時間無いので、ここ最近買ってないな。

「さ~て、次の場所は」

それはさておき、アイスめぐり再開と行きますか。そして、密かにカニクリームコロッケめぐりもである!!





一方その頃、とある場所では・・・。

「うおお!?なんだぁ!!?」

「地震だ!!」

「いつもと何か様子がおかしいです!!」

「わわ!!た、大変だぁ~~!!」

そこでは2人の男性、そして、女性と老人が地震に驚いていた。

「たく、一体何なんだ?次の世界に着いたのかよ?」

「なんか、この石が光って・・・」

「ユウスケ、それは?」

「さっき拾った」

「それが原因なのか?」

「ま、まさかぁ~~!!」





「あれ?」

おかしい、地元の地図にはここは隠れた名店であると書いてあるのに・・・。

「写真館?」

何故に?不思議に思い、ぐるりと周りを一周。地図を片手に、周りの景色と当てていく。そして、

「やっぱここだ」

でもやっぱり、写真館。俺のアイスはどこに行った。

「ちっ、らちあかねぇ!」

仕方ない、写真館に入って聞いてみるか。案外、場所移動したのかもしんないし。隠れすぎて、潰れたという考え方もあるけどさ。

「よし」

行くか!

「すみませ~ん!」

「は~い!」

一人の女性が俺の所に来た。どっかで見たような・・・?

「あの、ここにアイス屋がありませんでした?」

「いえ、ここは写真館ですよ?」

あれ~?

「けど、地図にはちゃんと・・・」

二年前の情報だけどさ。

「あ、丁度良かった!今私の新作アイスが出来たから、良かったらどうだい?」

これまた、見たことがあるような爺さんが顔を出してきた。

「え、いやそこまでは・・・」

「おじいちゃんも言ってますし、良かったらどうです?」

ん~、せっかくだしなぁ・・・。

「あ、じゃぁ・・・」

案内されるままに進む。しかし・・・

「あれ?夏海ちゃん、その子は?」

あれ?

「なんだ、間抜けな顔して?赤チビ?」

「士君!!」

「士、お前子供相手でも容赦ないよな」

あれ?あれ?いや、でも・・・まさか!!?

「あぁ~~~~!!!!!!」

「ったく、なんだ?うっせーぞ赤チビ!」

「士、だから相手は子供なんだしさ・・・」

「ディ、ディケイドじゃねぇのかよ!!?」

「「「なぁ!!!?」」」

あ、あ~!!な、何から言えば!!!

「あ、あたしはヴィータだ!ようこそ"魔法少女リリカルなのは"の世界に!!」

「魔法・・・」

「少女・・・?」

「・・・なるほど、大体分かった」

本当に分かってんのかよ、士。あと、さり気に写真撮んな。



「つまり、ここはライダーの世界じゃないんだね?」

「おう、ユウスケさえてんじゃん?」

「いや~!」

「コレぐらいで、照れるな」

士、結構ドライだよな。

「けど、どうしてライダーの世界じゃない場所に来てしまったんでしょう?」

ん~と?あ~・・・思い出すのはさっきの変なおっさんの事。つーか、あれは鳴滝だな・・・。って事はだ。

「なぁ、なんかさ変な物を拾ったりしなかった?」

俺は、鳴滝の事を話して原因を探る事にした。殴ったといった時は、士が爆笑していたけど、逸れは置いておいて。

「原因ユウスケかよ、この駄目クウガ!」

「駄目クウガ」

「つ、士まで!!?」

なんて奴だ、五代さんを見習え!!ライジングにもなれない、駄目クウガ!!

「五代さんを見習えよ!クウガの名が泣くぞ!!?」

「誰の事!!?」

俺は、ユウスケにせっせと五代さんのことを話した。

「なるほど、つまりユウスケはパチモンクウガか?」

「誰がパチモンだ!!」

む、まだ五代さんの偉大さが分かってないな?

「ちょっと待ってろ!」

俺は転移魔法で、一旦家に戻った。んで、クウガのDVD全巻を持ってきた。

「き、消えたと思ったらまた戻ってきました!」

「なるほど、コレが魔法か?」

「す、すごいな・・・」

「んな事はいいから、ユウスケはコレを見ろ!!」

そう言って俺は、DVDを渡した。

「俺じゃない、クウガか・・・。よし、分かった!そこまで言うなら見てみるよ!!」

何か大張り切りで、歩いていくユウスケ。そして、入れ替わりに爺さんが来た。

「あ、皆。アイスの用意できたよ・・・あれ?ユウスケは?」

「部屋に閉じこもっちゃいました」

お、美味そうなアイスだ!!

「それなら、私が持っていこうかね」

そう言って、爺さんも出て行った。さて、それじゃお言葉に甘えて食うかな。

「うめー!!」

うめーぞ!このアイス。盛り付けはカンペキながら、この量!!文句なしの百点だぜ!!!ギガうめぇ!!!

「それで、この世界で士君がやるべき事は何なんでしょう?」

「どうだろうな、今回のはイレギュラーな事なんだろ?」

ん?そう言えば・・・。

「なぁ、この前の世界はどこだったんだ?」

「たしか・・・カブトの世界です」

ありゃ、んじゃまだケータッチ持ってねぇじゃんかよ。

「とりあえず、コレ食い終わったら街を歩いてみたらどうだよ?暇だし、あたしも手伝うから」

「・・・そうするか」



「今度はこっちのアイスはどうですか?」

「グットだぜ!夏海さん!!」

三段アイスにこの組み合わせは最高だぜ!!

「美味しいですね!」

「あぁ!」

「オイこら、お前等」

「「へ?」」

何だよ、人がアイスを楽しんでる時に!

「何暢気にアイスなんか食ってんだよ」

「だって、どうせアテも無いならさ、せっかくだし近場のアイス巡りでも?」

「あのなぁ~」

んな事を話しながら、再び歩き出す俺達。だけど・・・

「は!?」

「え!?」

「こ、これは!?」

俺達はオーロラに包まれた。気が付けば・・・広野であった。

「んだよ、これ?」

「さぁな、けど・・・大体予想がつく」

「ディケイドォ!!」

見てみれば、そこにはさっき警察に捕まりそうになっていたおっさんがいた。

「鳴滝!」

「世界の破壊者・・・ディケイドよ。この世界でお前を消す・・・そのために、用意した!!ライダーではないが・・・必ずお前を倒すであろう、彼等が!!」

そして、再び現れたオーロラから出てきた人物達は・・・。

「やれやれ、あいつなの?世界を破壊する悪魔ってのは?」

「ティア!?ヴィータ副隊長もいるよ!!?」

オレンジ色の長髪の女性と、蒼色の短髪の女性。そう、

「な!?スバルにティアナ!!?何でだよ、機動六課設立はまだ8年後だぞ!!?」

しかも、ティアナ・・・ツインテールじゃないって事は、解散後。最悪、執務官かよ・・・じゃぁ、スバルもそれ相応の実力か・・・。

「なんだ、あいつ等?」

「ライダーじゃないですけど・・・」

「気を付けろよ、あいつ等もアタシと同じようなもんだ」

俺は騎士で、向こうは魔導師だけどな。

「て事は、真面目に戦うしかねぇってことか」

そう言って、士はベルトとカードを取り出す。

「変身!!」

『KAMEN RIDE DECADE!!』

士は、ディケイドへと姿を変える。

「夏みかん、さがってろ」

「はい」

「で、赤チビ。お前はどうすんだ?」

「戦うに決まってんだろうが、あたしは青髪をやる」

たしか、俺が・・・ヴィータがスバルを重点的に鍛えたような気がするし。

「って、事は俺はオレンジか?」

「あぁ、あいつは見ての通り銃型の攻撃だ」

「なるほど」

すると、士はカードを取り出す。

「銃には、銃ってな」

『KAMEN RIDE DEN-O!!』

お!!で、電王!!?生で見れるとは!!そして、もう一枚カードを取り出す。

『ATTACK RIDE KOTAEWA KIITENAI!!』

あれ?これって・・・。電王のガンフォームになり、何か踊りだした。これって、役に立たなかったカードじゃ・・・と思ったら。

「答えは、聞いてない・・・ってな!!」

そのまま、銃を構えティアナ目掛けて撃ち放った!!

「っ!いきなりね!!」

案の定、避けられたけど・・・なんか士嬉しそう。

「ふん、使えないカードなんて無い・・・なんてな」

前に使ったとき悔しかったんだろうな・・・そのリベンジか?

さて、それはともかく本格的に戦いが始まるな。

「いくぜ!!」

「おう!!」

「スバル、あんたはヴィータ副隊長の相手!!」

「うん!!」

それぞれが、それぞれの相手に向かって飛ぶ!

「アイゼン!!」

『Bewegung. (作動)』

「マッハキャリバー!!」

『All right buddy.(はい、相棒)』

俺の鉄槌と、スバルの拳がぶつかり合う!!

「でりゃぁぁぁあ!!」

「おぉぉぉぉおお!!」

へぇ、なかなかだ・・・だけどな!!

「押しはまだ、あたしのほうが強い!!」

「ぐぅ!!」

俺は思いっきり、スバルと吹き飛ばした。けど、あっさり体勢を立て直した。

「ふ~ん、案外撃たれ強いな?」

「はい!ヴィータ副隊長には嫌と言うほどボコられましたから!!」

「嬉しそうに言うなよ。つっても、あたしには身に覚えの無い話だけどな」

「へ?そう言えば、さっき機動六課設立は8年後とか・・・」

「そう言うこった」

ようやく気付いたか。

「へ?へ?」

でも、混乱してるな。

「つまり、あたしはお前の恩師じゃねぇって事だよ」

「は、はぁ・・・」

分かってないな。何か将来が不安になってきた。

「で、どうすんだ?まだ戦うのか?」

「はい、勿論!!」

「なんでだ?鳴滝に何吹き込まれたか知らないけどな・・・」

「いえ、正直世界の破壊者とか、何だとか言うのは私もティアナも興味ないです。と言うか、信用できないと言うか・・・」

「なら!」

「だけど!私達も、何時までもなのはさんやフェイトさん、そして副隊長や部隊長達に何時までも敵わない存在なんて嫌なんです!!」

・・・なるほど。

「つまり・・・今回の事は腕試しってか?」

「はい!!」

はは、負けん気が強いな・・・流石は未来の俺の弟子か・・・!!

「でも、まだまだあたしと一対一で戦り合うのは・・・ちと早いな」

「う・・・」

さっきのぶつかり合いで分かったけど・・・まだまだだ。

「で、でも!やれるだけやってみます!!」

「は!何なら、ティアナと二人がかりでも良いんだぜ?」

「え?け、けど・・・」

チラリと、ティアナ達を見る。

「この!!あ、当たりなさい!!」

「ふ、まだまだ甘いな!!」

何か忙しそうである。

「見ての通り、忙しそうですから・・・私一人で!!」

「無茶と無謀は・・・別もんだぜ!!」

俺は再び飛んだ!

「ラケーテン!ハンマー!!」

「ナックルダスター!!」

再び、ぶつかり合う俺達!!

「どうした!どうしたぁ!!」

「うおぉぉぉお!!」

<ガッ! ガガッ!! ガギャァアア!!!>

何度も何度も打ち合っていくうちに、段々スバルに疲労が見えてきた。

「おいおい、もうばててんのか?」

「む、無茶言わないでください・・・」

まぁ、そこそこ俺も疲れてはきたけど・・・まだまだいける。

「さて、もう降参するか?」

「ま、まだまだいけます!!」

「勢いだけは買ってやるっけどな・・・」

「だったら、僕も参戦させてもらいます!!」

次の瞬間、稲妻を纏った槍が俺目掛けて飛んできた。

「紫電一閃!!」

ッ!?なんだと!!?

「アイゼン!!」

『Panzerschild』

咄嗟に腸壁を張るが、それは破られ俺は飛ばされた。

「つっ!って~~~!!!」

それにしても、紫電一閃だぁ~?っと思い、相手を見た。そこには、赤髪の少年が槍を構えながら立っていた。スバルが、その人物を見て叫んだ。

「エリオ!?」

今度は、エリオか・・・。

「まだ、一対一が無理なら・・・一対ニです!!」

「だ、駄目だよエリオ!!これは私の戦いだもん!!」

ふん、おもしれぇ!!

「ごちゃごちゃ言ってないで、かかって来い二人とも。それともアレか?二人がかりでも勝てなかったら、情けないとかで一人でやるとか言ってんのかスバル?」

「・・・む!」

「あそこまで言われたら、やらないと言う選択肢は無いでしょう!やりましょう、スバルさん!!」

「うん!ヴィータ副隊長!!お覚悟を!!!」

おう!やる気じゃねぇかよ!!

「上等だぁ!!!」



<side out>

「・・・何をしている」

コートを着た男、鳴滝は焦っていた。鉄槌の騎士を相手に一人足止めをさせ、残り二人でディケイドを倒させるはずが、気付けば足止め二人に、倒す役が一人と言う現状。

「ディケイドを倒さねば、世界が・・・・・」

この世界では、何故か他のライダーが呼び出せない。本来繋がっていないはずの世界だからである。だが、ライダーではないがそれ以外の存在を呼ぶ事はできたのである。

そして鳴滝は、現状で呼び出せる最後の切り札を出す事を決意した。



<ヴィータside>

「は!おりゃぁ!!」

<ガギィィ!!!>

「でりゃぁぁ!!」

<ギャリィィ!!!>

「はぁ!!」

<ガッ!!ガガッ!!!>

へ、何だよ・・・押され気味だな、連携がうまい!!こりゃぁ気を抜かなくたって負けそうだぜ!

「いけるよ、エリオ!!」

「はい!!」

ハッ、だけどな!!

「こっちにも、一応プライドがあんだよ!!」

何かあれば、捨てれる物だが、何も無く捨てるほど安くは無いつもりだ!!

「アイゼン!!」

『Gigantform』

「受け止めてみろ、コイツを!!!轟・天・爆・砕!!!!」

「ッ!!エリオ!!」

「はい!!攻撃が出る前に止めます!!!」

俺の膨大な魔力に反応して、急ぐ二人。だが・・・

「こっちの方がはえぇ!!ギガントォ!!!」

その時だ!俺以上の魔力を感知した。

「ッ!?何だ!!?」

「え!?これって!!」

「まさか!!」

二人は何か心当たりがあるようだ。

「スバル!エリオ!!」

「ティア!!」

ティアナがこっちに来る。って、士は!?

「呼んだか?」

お、無事だった。

「ディケイド!!こうなれば、最後の手段を使わせてもらうぞ!!」

「鳴滝」

鳴滝が叫ぶと、オーロラが現れそこには一人の小さな少女がいた。

「キャロ!!?」

エリオが叫んだ・・・けど、おかしい。すぐ側にいるエリオに比べて、年齢が合わない・・・。6歳そこらか?

「ぅう・・・あ・・・ぁ・・・あ・・・」

んでもって、何か様子がおかしい。

「まさか・・・暴走・・・?」

エリオが呟いた。

「っ!全員!!防御に専念して!!」

ティアナが叫ぶ。

「何か、やばそうだな・・・夏みかん!!こっちに来い!!急げ!!!」

士が叫んだ。

「は、はい!!」

そして・・・・・・・。

「あぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁああああーーーーーーーー!!!」

「ゴォォォォォオオォオオォォオォオオオオオ■■■■■■■■ーーーーーーーー!!!!!」

真竜がその姿を現した。









○今回鳴滝が呼んだ皆について

ヴィータは勘違いしていたようだが、皆ちょっとバラバラの時代から来ている。無論、それぞれ平行異世界である。

ティアナは機動六課解散から4年目。

スバルは機動六課解散から2年目。

エリオは機動六課解散から3年目。

キャロに関しては、機動六課設立から4年前。管理局に保護されたばかりで、フェイトとはまだ出会っておらず、厄介に思われていた頃。感情の暴走の瞬間を見計らって呼び出された。鳴滝さん、マジ鬼畜!龍騎の世界では、結構なりふり構ってなかったし、そう矛盾でもないと思う。

皆、鳴滝の言う事なんてとくに信用してない。ヴィータもいたので、腕試し気分で来ている。あと、最近一緒に戦えなかった皆と、また一緒に戦える機会が出来たって所にも誘われている・・・微妙に別人だけど。

一番自力が強いのはティアナなんで、ディケイドと一人で戦ったのはそんなに間違いではないはず。あんま戦闘シーン書けなかったけど。

何で、大人なのは達が出なかったか?作者が、練習がてら新人達を出したかったためさ(キラ☆)





おまけ(何となく、アギトでクロスを考えた。挿入歌でも聴きながら読むと雰囲気出るかも)

「高魔力所持者襲撃事件?」

「せや、魔力値の高い人から次々と襲われてるんや」

「ランクじゃなくて?」

「そうみたいやね・・・まるで、将来性を見た犯行や・・・」

「証言の一つに怪物を見たって言う話もあるよ?」

「怪物ねぇ・・・」



始まりは、謎に包まれて始まっていた。



「頭の上に光・・・嘘だろ!!何でテメェらがいるんだ!!?」

「ヴィータちゃん!知ってるの!?」

「アンノウンだ!!力がある人間が気に入らねぇって奴等だ!!けど・・・何で!!」

「人間よ・・・力を求めるな・・・愚かしい貴様等は、いずれ自ら破滅する!!」

「んだとぉ!!」



現れる、アンノウン。



「コレはどう言う事だ!!オザワ技術長!!」

「G3-Xプランとは!!?」

「見ての通り、アンノウン対策プランです」

「だ、だが!!」

「こんな質量兵器が許される訳が無い!!」

「ですが、アンノウンにはAAランク以上の魔法しか効果が無いことは皆さんもお分かりのはずですが?」

「し、しかし・・・」

「あくまで、対アンノウン戦用と言う名目ならば可能なはずです」

「だ、だが!!」

<バン!!>

「文句があるならば、全局員の魔導師ランクをAA以上にしてから言ってください!!」



動き出す、プロジェクト。



「おう、ギンガじゃねぇかよ?どうしたんだ?」

「あ、ヴィータさん!今日から、アンノウン対策のため、機動六課所属になります!!」

「あん?隣の奴は?」

「あ、はい。私の幼馴染で、同じ部隊の事務官をしてる・・・」

「ショウヤ・アシガミです!よろしく、ヴィータちゃん!!」

「ちゃん付けすんな!」

「ショウヤ!!」



正史には存在しないはずの人物、それが物語は歯車を回す。



「・・・だれなの・・・あれ?」

「・・・・・」

「ヴィータさん?」

「アギトだ・・・」

「・・・・・アギト?」



現れる、仮面ライダーアギト。その出現で、物語は最大の戦いを幕を開ける!!



「G3-X!!ギンガ・ナカジマ、出ます!!」



更なるライダーの出現で、物語はさらに加速する!!



「そんな、ショウヤが・・・アギト・・・」

「ごめん、ギンガ・・・今まで黙ってて」



暴かれた、正体。だが、青年はそれでも戦う。信念のために!!



「俺は戦う・・・皆の笑顔を守るため・・・皆の居場所を守るため・・・だから!!」

―変身!!!―







・・・・・ヴィータ、いらない子だ・・・・・。









あとがき

ディケドの最終回が、納得いかなかったです・・・。どうせ映画に続くなら、オールライダーみたく、俺達の旅はこれからも続くエンドでいいのに・・・。

一応書ききってから見たので何とかなったけど、後半が書く気力が何か・・・。まぁ、構想はできてんので何とか頑張ります。

それにしても・・・Wのクロスかぁ~・・・まだ始まったばかりだし見極めと言うことで(笑)



[3310] やらかしたっぽい外伝2(後編)  ※クロスオーバー注意
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2010/02/05 02:17
コレまでの、騎士少女リリカルヴィータは!!

「奴を倒すんだ、鉄槌の騎士!!今のこの世界において、君だけが!!」

「ディ、ディケイドじゃねぇかよ!!?」

「つまり、ここはライダーの世界じゃないんだね?」

「な!?スバルにティアナ!!?何でだよ、機動六課設立はまだ8年後だぞ!!?」

「っ!全員!!防御に専念して!!」

「あぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁああああーーーーーーーー!!!」

「ゴォォォォォオオォオオォォオォオオオオオ■■■■■■■■ーーーーーーーー!!!!!」





とある写真館にて・・・。

そこでは、白い蝙蝠みたいなものが美味しそうにおやつを食べていた。

「ん~、今日も栄次郎ちゃんのお菓子は美味しいわ~」

「はは、ありがとう。夏海達も早く帰ってくるといいんだけど・・・」

そんな時、ドアが開く音がした。

「おじいちゃん!!」

女性の焦った声が響いた。

「あ、夏海。丁度良かった、今ケーキができ・・・」

「そ、それよりも大変なんです!!士君が!!」

続けて入ってきたのは、一人の小さな女の子。そして、その少女は一人の青年を背負うという、その小さな見た目からは考えられない状態で入ってきた。

そして、その背負われている青年はボロボロであった。

「つ、士君!!?」

「早く・・・早く手当てを!!」

「(くそ!くそ!!あたしの所為だ!!あたしを庇って士は・・・!!)」

そう思いながら、少女は先ほどの出来事を思い出していた。





やらかしたっぽい外伝2(後編)「超クロスオーバー!仮面ライダーディケイド&ヴィータ 鉄槌の証!!」





<ヴィータside>

「あぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁああああーーーーーーーー!!!」

「ゴォォォォォオオォオオォォオォオオオオオ■■■■■■■■ーーーーーーーー!!!!!」

現れた、巨大な存在を見て俺は冷や汗を出していた。闇の書の防御プログラム以下の存在ではあるだろうけど、あの時は少し遠くからだった。けど、今回は違う。まじかにその存在を感知した。なにより、疲労も溜まっていた。

「士達は、あたし達の後ろに!全員、一時休戦!!協力して防御だ!!」

「「「了解!!!」」」

よかった、異世界組みは協力してくれる!!いっせいにシールドを張ってくれた。

「来る!!」

激しい閃光と爆音、衝撃が俺たちを襲う!!

「ぐっ!全員、後先考えるんじゃねぇ!!必要ならカートリッジも使え!!」

「「「はい!!」」」

・・・おし!少し威力が弱まってきてる・・・このまま・・・<パキーン!!>っ!?

「しまっ!?」

一部のシールド割れ、俺目掛けて光が迫って・・・!!

「どけぇ!!」

「士!?」

だけど、俺は士に押されてかわす事が出来た・・・けど・・・。

「がぁぁああああ!!!!」

「士君!!?」

士は吹き飛ばされ、変身も解除された。その姿はもうボロボロであった。

いつの間にか、キャロとヴォルテールは消えその場所には鳴滝がいた。

「今だ!!奴を、ディケイドにとどめを!!」

っ!!

「させるか!!」

俺は、士と夏海さんを庇うように構えた。けど・・・。

「断るわ!!ヴィータ副隊長を守ってくれた人を私は信じる!!」

「僕達は、もう貴方の指示では戦わない!!」

「ヴィータ副隊長達は、私達が守る!!」

そう言って、皆俺たちを守る体制をとった。

「な!?おのれ、ディケイド!!」

次の瞬間、エリオ、スバル、ティアナはオーロラに包まれ消えた。そして、同時に鳴滝も消えていった。

後に残ったのは、俺と夏海さん。そして、ボロボロの士だけであった。



そして、俺達は傷だらけの士を抱え写真館に戻り現在に至る。

「わりぃ・・・あたし治癒魔法とか苦手でさ・・・この程度しか・・・」

「そんな!ヴィータちゃんの所為ではありません」

けど、士は俺を庇って・・・。

「やぁ、随分と面白い格好をしてるね?士」

「海東さん!?」

出た、士以上の無神経発言男。今俺は、気が立ってるんだけどな?

「いやぁ!この世界は凄いよ!!ロストロギアにデバイス!!まさに、お宝だらけだよ!!」

そう、嬉しそうに言う海東に苛立ちを感じる。

「で?だから?あたしのアイゼンでも狙ってきたのか?」

「勘違いしないでくれるかな?僕が求めているのは、常に最高のお宝さ。君のデバイスよりも・・・」

何だよ?

「僕はむしろ、君自身に興味があるな?夜天の書のプログラムちゃん?」

「っ!!」

俺はそっこーでアイゼンを起動させ、海東の首に突きつける。

「ヴィータちゃん!!」

「夏海さんは黙っててくれ!!」

「やれやれ?本当の事だろ?」

コイツ・・・。

「確かに、あたしの体はプログラムかもしんねぇ・・・けどな!!」

そういえばコイツ、テレビでこんな事言ってたな。

「お前も言った事あるだろ?"自分の道は自分で決める"とかさ。あたしも同じだ、あたしがどういう存在かは、あたしが決める!!」

俺はそう叫び、睨みつける。

「ふぅん。ま、僕には関係ないけど」

そう言って、海東は俺から離れる。

「さっきも言った通り、僕が求めているのは最高のお宝さ!」

「あん?」

「君以上に、価値があるお宝が近くにあるんだ。君に構っていられないよ」

そう言って、指鉄砲を構える。

「僕はそれを、手に入れてみせる」

そう言って出て行った。ったく、結局何なんだよ!!

「どう言う事でしょう?」

「さぁ?」

んな事より、士だな。通信機で本局にいるシャマルに連絡して、何とか来てもらうか。

「シャマル?今大丈夫か!?」

『あら?ヴィータちゃ・・・どう・・・ガガ・・・』

?なんだ?

『・・・・・ザァァァア・・・・・』

切れた?故障か?

仕方ない、いっしょにいるはずのザフィーラにでも・・・アイツは通信機を持ってなかったか?

「な、なんですか?あれ!?」

「どうしたんだ?夏海さん?」

「そ、空が!!」

見てみると、空は何か異様な雰囲気で包まれていた。

「まさか、結界か!?」

この街全部を覆っていやがる!!俺どころかシャマルでさえ不可能な大きさだ。何人がかりの結界だ!?

「どうした?アイゼン?」

アイゼンが何かに反応したようだ。

『Es gibt eine unbestätigte Reaktion.(未確認の反応があります)』

なんだと?

「ロストロギアか?」

『Die Möglichkeit ist hoch.(可能性は高いです)』

おいおい、タイミング良すぎだろうが。

「なるほど。つまりコレが、この世界で俺がするべき事か?」

「士君!?」

見てみると、無理やり士は立っていた。

「怪我人は黙って寝ていろ!!」

「断る、海東の邪魔もしてやりてぇしな」

ちっ、しかたねぇ。

「当身!!」

「ぐふ!?」

「ヴィータちゃん!?」

俺は、軽く当身をかまして無理やり士を寝かした。

「夏海さんは、士を頼む」

「ヴィータちゃんはどうするんですか?」

決まってる。

「あの、変なのを止める。元々こういうのは、あたしの仕事だしな」

反応があったんだ、場所はおおよそ分かる。最悪、破壊してしまうべきだな。

「そんな!一人で!?」

「一人だからさ、なんせベルカの騎士に・・・」



一対一で、負けはねぇ!!



<outside>

とある海が見える広場。そこに青い戦士がいた。名はディエンド。

「ようやく見つけた、ロストロギア・ナイトメア。かつて伝説の都、アルハザードの技術によって編み出されたと言うお宝を」

その近くには、黒い巨大な宝石が、禍々しいオーラを纏いながら宙に浮いていた。

「?なんだ?」

ディエンドが、その黒い宝石に触れようとした瞬間辺りは黒い霧に包まれた。

「何だ!?これは!」

しばらく経つと黒い霧は晴れ、黒い宝石も消えていた。

「な!?ぼ、僕のお宝は!?」

辺りを見回す、ディエンド。そして、とある人影に気付いた。

「誰だ!?」

ディエンドは、ディエンドライバーを人影に向けて構える。そして、驚愕した。

「そんな・・・まさか!?」

「久しぶりだな、大樹」

「に、兄さん・・・・・?」

その後、その場では大きな爆発が起きる事になる。



<ヴィータside>

ちっ、不味いな。どうにも念話も出来ないみたいだし、なのは達に応援要請は不可か。街の外にも出れないときた。

「いよいよ、腹をくくらねぇとな・・・」

いざと言う時は、とか思っていたけど・・・しかたねぇ!

「何が出るかは知らないけど・・・やってやる!!」

<ドガァァアァァァアアアア!!!>

!?なんだ!!あの爆発は!!

俺は急いで飛び、爆発のあった場所に来た。

「ぐ・・・まさか・・・あれがこんな効果を持っているなんて・・・!!」

あれは・・・ディエンド!?

「おい!何があった!?」

「き、君には関係ない!!」

『ATTACK RIDE INVISIBLE』

消えた・・・逃げやがったのか?

「けど、まだ反応はあるぞ?」

ディエンドが逃げないといけないような相手って事か。いや、それ以前に。

「戦う必要がある、ロストロギアって事かよ」

む、あの黒い霧か・・・?

「あん?」

その黒い霧は一箇所に集まり、その場所には黒い大きな宝石が宙に浮かんでいた。

「・・・ジュエルシードみたいなものか?」

考えても埒が明かなねぇか。よし、とにかく近づいて封印処理をするか。

「慎重にな・・・っく!」

そして、近づいた瞬間。その宝石から黒い霧が噴き出し、俺の辺りを包んだ。視界はゼロだ!

「くそ、アイゼン!!」

『Jawohl』

俺はアイゼンを起動させ、構えを取る。

「さぁ、鬼が出るか、蛇が出るか・・・」

そして、そのまま霧が晴れていく。さっきまであった黒い宝石は消えていたが、油断はしない。まだ何かを感じ・・・。

「は・・・?」

嘘だろ?

「よぉ」

そこには・・・俺が、ヴィータがいた。

「は!なるほどね?」

つまり、敵の姿、能力をコピーする物だってか?

「上等、ようは今の自分を超えちまえばいいんだろ?覚悟するんだな、コピー野郎!!」

俺はそう言い、構える。だが・・・。

「は!コピーなぁ・・・あはははは!!」

「何だよ、何がおかしい」

急に、相手は笑い始め。唐突に笑うのを止めたかと思えば、憎悪の瞳で俺を睨みつける。

「笑わせんなよ・・・お前にとってここは夢の世界だろう?なぁ・・・」



―この、偽者野郎―



それは、怨念の篭もった一言であった。その一言から、俺がかつて振り切ったはずの出来事が、再び俺の心を抉る事になる。



<士side>

「ここはどこだ・・・?」

気が付けば、どこかの暗い空間。いつかの、俺に旅をしろと言ったあの男と会話した場所とも、また違う空間。

「ったく、一体何なんだよ・・・」

その時だ。どこぞの鳥イマジンの奴と同じ音楽が流れてきた。違うのは、黒い羽が振ってきていることか・・・。まさか黒いあいつが出てくるとかじゃねぇよな・・・?

「降臨、満を持して」

そこには、黒い羽を生やした女がいた。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

しばらくの沈黙。そして・・・。

「世界の破壊者・ディケイドよ。汝に頼みがあるのだ」

何事も無かったかのように始めやがった。

「ゴホン、ちょっとしたお茶目ではないか!それとも何か?お前は私の心を破壊すると言うのか、主に羞恥心で!!」

「・・・で?頼みってのは何だよ?」

「スルーしたな!!?」

「いいから答えろ」

こっちも暇じゃねぇんだよ。

「む、確かに時間が無い。たのむ・・・私の家族を救ってくれ」



<ヴィータside>

「がはぁ!!!」

「おらぁ!!」

「ぐぁ!?」

「はぁ!!」

それは一方的な暴力であった。俺は、サンドバックにでもなったかのように、敵の攻撃を喰らい続けていた。

「くそ・・・お前なんかが・・・」

「あたしがなんだよ!!」

「うぐっ!?」

くそ・・・くそ・・・。

「どうしたよ、この偽者野郎!!」

「うるせぇ・・・てめぇが本物って証拠はあるのかよ!!」

俺は、出会ったんだ!闇の書の中で、かつてのヴィータの欠片に・・・。

「なのに、なんでテメェが本物を名乗りやがる!!」

「は、どうせ闇の書の中での事を言ってるんだろうが・・・あんなのテメェの妄想だ!!」

「がぁ!!」

くそ・・・心で否定しても、聞こうとしなくても、こいつの言葉が耳に刻まれていく。そのたびに俺の心が抉られる。そして、攻撃も防御も何も出来なくなる。アイゼンも起動できねぇ・・・なんなんだよ・・・。

「さぁ!返してもらうぜ、あたしの体!!あたしの人生を!!」

そして、敵の大きな一撃が俺に向かって・・・。

<ブオォン!!!>

その時、俺と相手の間に一台のバイクが走った。

「っ!なんだ!?」

それに驚いたのか、俺と同じ姿をした敵は動きを止めた。

「よぉ、赤チビ。随分やられてるじゃねぇかよ」

「つ、士!?」

なんでここに!?

「何で来たんだよ・・・」

「あぁ、お前の家族に頼まれてな」

家族・・・いったい・・・。

「そいつに、お前の事も聞いたぜ?ロストロギア・ナイトメア。対象者の心を読み取り、その者が最も恐怖する形に具現化するんだってな。ご丁寧に暗示もおまけ付きで」

そう言うと、士は俺の隣に立つ。

「は、だからどうした!そいつにとって、この世界は・・・」

「それも、こいつの家族に聞いた」

もしかして、アイツが・・・。

「確かに、ここはコイツの生まれた場所じゃないかもしれない。だが、コイツがこの世界であったことは楽な事ばかりじゃない。苦しい事、辛い事、いろんな事を乗り越えて、こいつはこの世界で居場所を手に入れた。それは、お前なんかが否定できるもんなんかじゃない!!」

・・・俺は・・・。

「で、何時までそうしてるつもりなんだ。さっきまでの威勢はどうした?」

「うるせぇ・・・」

でも・・・そうだ!!

「テメェに言われなくたって、ここは・・・あたしの世界だ!!!」

そう叫び、俺は再び立ち上がる。

もう・・・迷わねぇ!!!

「・・・暗示を解いただと!?何者なんだ、貴様等!!」

「通りすがりの仮面ライダーだ、てめぇは忘れとけ!!変身!!!」

『KAMEN RIDE DECADE!!』

「んでもってあたしは、ヴォルケンリッターが一人!鉄槌の騎士・ヴィータだ!!アイゼン!!!」

『Bewegung!! (作動)』

俺はアイゼンを構えながら言う。

「よぉ、今まで散々よくもやってくれたな。覚悟しやがれ!!こっからは、クライマックスに行くぜ!!」

「どこの馬鹿だ、お前?」

「うっせー!!」

そんなやり取りをしていると。



―もういい―



怨念混じったような声があたりに響いた。



<outside>

「もういい!!!!もういい!!!!止めだ!!!!やめだぁぁあああああ!!!!!」

そう、その場にいた、もう一人の赤い少女は叫ぶと黒い霧に包まれた。

「っ!気を付けろ、士!!魔力が異常に上がってやがる」

「あぁ」

そして、その黒い霧はどんどんと大きくなり、晴れた時そこには・・・。

「闇の書の・・・闇!!?」

かつて、ヴィータとその仲間達が葬ったはずの存在がいた。

『我自ラノ手デ、貴様等ヲ消シ去ッテクレル!!!』

その存在を見上げながら、ヴィータは呟く。

「多少小さいけど・・・間違いねぇ・・・」

「どうした、逃げるか?」

「は、誰が!ここで逃げたら、鉄槌の騎士の名が泣くぜ!!」

その時、ディケイドの前にカードが浮かぶ上がる。ディケイドは、その一枚をディケイドドライバーにセットする。

「よし、いくぜ!!」

だが、それに気付かないヴィータは飛び立とうとして・・・。

「まて」

「ぐへ!?」

足を掴まれ、地面に叩きつけられた。

「って~!!・・・何しやがる!?」

「いいから前向け!」

そう言って、ヴィータはディケイドによって背中を向けさせられた。

「おい、赤チビ・・・」

「なんだよ、赤チビ言うな!!つーか、何なんだよ!?」

「ちょっと・・・」

『FINAL FORM RIDE・・・』

「くすぐったいぞ?」

「はぁ!?ちょ、あたしは!!?」

『VI!!VI!!VI!!VITA!!!』

「う、うわぁぁああ!!?」

ヴィータは小さな紅い珠になり、グラーフアイゼンの中に入っていく。そして、ドリルとブーストの付いた大きな鉄槌・ヴィータアイゼンへと姿を変えていく。

それは、細部こそ違えど、間違いなく未来世界におけるグラーフアイゼンのフルドライブモード・ツェアシュテールングスフォルムである。

『うわ・・・、なっちゃったよ・・・』

「ぼさっとするな、いくぞ!」

『お、おう!!』

ヴィータアイゼンはブーストを点火し、ディケイドはその勢いに身を任せ空を飛ぶ!

『がぁぁぁああaaAAAaaaaああぁあああ!!!』

闇の書を模している、ナイトメアは二人に向かって触手を伸ばしていく。

「はぁ!おら!!」

ディケイドは、それを全て吹き飛ばしていく!そして!!

『懐に入った!!今だ、士!!』

「おう、いくぜヴィータ!!」

『あぁ!!』

的の懐にもぐりこんだ、士はカードをディケイドドライバーにセットする。

『FINAL ATTACK RIDE VI!! VI!! VI!! VITA!!!』

ヴィータアイゼンはその姿を、ナイトメアよりも巨大にしていく!!

『ナンダトォ!!!???』

「これが!!」

『あたし達の力だぁ!!』

「『うりゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!』」

その叫びと共に、ヴィータアイゼンは振り下ろされる!!

『フザケルナ、コンナ!!コンナ!!!ギャァァァッァァァァァアアアアaaAAAaaaaAAAA!!???』

すさまじい衝撃と爆音、そしてナイトメアは跡形もなく吹き飛んだ。

それを見届け、ディケイドはヴィータアイゼンを放り投げ着地をする。ヴィータもまた、元の姿に戻り着地をした。

「へ!」

にや、っと笑いながらヴィータは親指を立てる。

「ふ」

対するディケイドも親指を立てる。



こうして、後に【ナイトメア事件】と記録される出来事は終幕を迎えた。



<ヴィータside>

「ったく、すぐぶっ倒れるくらいなら無理に来るなよ」

「うるせ・・・」

結局あの後、士は倒れ俺は写真館まで運ぶ事になった。

「じゃ、夏海さん士を頼みました」

「はい」

そして、俺は出口に向かって歩き出す。

「きっと、もう士達は次の世界にいける」

「何で分かるんだよ?」

「なんとなくな」

「なんだそれ?」

俺は少し笑いながら、言う。

「サンキューな士。お前はあたしの居場所を改めて教えてくれた。もう、あたしは迷わねぇ」

「・・・・・そうか」

「お前に会えてよかったよ、じゃぁな」

そう言って、俺は外に出た。

・・・あ、クウガのDVD・・・!?

「ちょ!?」

急いで振り返り戻ろうとしたが、そこには・・・。

「いらっしゃいませー」

最初の目的地のアイス屋があった。

「・・・・・ま、いいか」

きっと、いつかまた・・・。

俺はそんな事を思いながら言う。

「すみません!特盛3段スペシャルアイスください!!」

また会えるさ。なにせ、俺と士は・・・。

仲間だから・・・・・・・。







超クロスオーバー!仮面ライダーディケイド&ヴィータ 鉄槌の証!!   完





おまけ

(そのころユウスケ)

「えぐ、ひっく・・・」

ユウスケは自室から泣きながら出てきた。

「五代さん・・・すごいよ・・・」

ユウスケは自分と違うクウガの生き様に、酷く感動していた。

「ヴィータちゃん、ありがとう!俺、俺も!いつか、五代さんのようなクウガに・・・」

だが、そこにいたのは傷だらけの士と、それを手当てする夏海、キバーラしかいなかった。

「って!士!?お前、どうしたんだよその怪我!?」

「やっと来たか、おまえやっぱりダメクウガだな」

「ダメクウガです」

「ダメクウガね~」

「そ、そんな~!!なんで!?」

結局、大した活躍をしなかったユウスケであった。



(そのころ鳴滝)

「鉄槌の騎士は、ディケイドの仲間になってしまったか・・・」

鳴滝は、とあるビルの上から先ほどの戦闘を見ていた。

「この世界は、本来繋がっていない世界だ・・・故にこの世界は破壊されないが・・・」

そして、ヴィータを見つめながら言う。

「鉄槌の騎士、貴様はディケイドと繋がりを持ってしまった。貴様は後悔するだろう、ディケドと仲間になった事を!!」

そうして、彼もまた次元を飛んだ。









あとがき

途中で、挿入歌を聴きながら読むと、雰囲気出るかも。

それよりも、後編遅くなってすみません。映画の完結編を見て何とかやる気を出そうと思ったんですけど・・・。

帰る途中。

「あ~、面白かった!何とか続きを・・・あれ?もう一人の士とやらは?」

一度考え始めると、どんどん疑問が出てきて。終わり方もなんか投げやりだったし、やる気霧散。

特に、鳴滝!お前は一体何なんだ!!?

という感じですた。待たせてスミマセン。



[3310] 騎士少女リリカルヴィータ番外4
Name: ロウリャン◆ac1f4d4b ID:a8bf7b0b
Date: 2010/02/05 02:20
<ヴィータside>

これは機動六課で解決したあの大型テロ事件から、しばらく経った頃の話だ。

復活・・・って言って良いのか、分からねぇけどリインフォース・・・未だに、アイリーンとか名乗ってるけど・・・とにかくアイツがはやてと再会して、一緒に土下座して、引っ叩かれたりしたあの日から大分過ぎ、六課の隊舎も元通りに修繕された。

俺は、なのはやフェイト、シグナム達と共に新人どもの相手をしていた。

アイリーンの奴はどうにも客扱いで、ここにいても特に問題ない。と言うか、今管理局は上層部がスカリエッティのアジトから発覚した、裏で行われてきた事の事実発覚の所為で大忙しのてんてこ舞いなので、逐一こっちに構ってられないというのがある訳だが・・・。

「あの~、ヴィータ副隊長?」

「ん?あ、わるいなスバル、ティアナ」

「いえ、あの・・・ひょっとして、まだ戦闘の後遺症とか・・・?」

「あはは、んなんじゃねぇって」

っと、思いに耽ってしまったな・・・。

「おーし、今日はなのはの奴がちょっと教導隊のほうに用があっていないけど、その分あたしがきっちり見るからな?しっかりやれよ!」

「「はい!!」」

さてと、ほんじゃぁ・・・まずは・・・あん?

「いくぞー、ヴィヴィオ!!」

「うん!!」

視界の片隅に、アイリーンの奴とザフィーラに跨ったヴィヴィオが・・・。

なんと言うか、理由は分からんが、妙に仲がいいんだよなあの二人。しかも、今日はリインの奴はビタといっしょにマリーがいる本局の方にフルメンテに言ってる所為か、お姉さんぶってないし・・・なんか嫌な予感だ。

「ま、無視だ」

それが一番。

「んじゃ、今は訓練所はライトニング二人がシグナム相手に、実戦紛いのアホ模擬戦を行ってるからあたし等は・・・」

「「鬼は~、外~!!」」

<ぱらぱら>

なんか、俺の顔に当たった。

「あ、あの・・・」

「ヴィータ副隊長・・・?」

無視だ。なんかもう向こうで『副は~、内~!』とかやってるし。

「え~、まず、軽く柔軟運動の後、あたしの銀弾避けの回避訓練で「「鬼は~、外~!!」」・・・」

<ばらばら!>

さっきよりも、強い・・・いや、挫けるな俺。

「・・・え、え~っと」

「その~・・・」

「ゴホン、あたしの銀弾「「鬼は~、外~!!」」・・・っ!!」

<びしびしっ!!>

慌てるな、まだ怒るような時間じゃない。

俺は手のひらを、ヒラヒラさせながらそう思い、落ち着かせる。

「「・・・・・・」」

もはや、部下二人は何も語らない。余計な事を言えば、自分の身が危ないというのが分かるのかもしれない・・・。

「ゲフン、ゲフン。とにか「「鬼は~、外~!!」」・・・っ!!!!」

<バチバチバチバチ!!!!!>

「・・・・・!!!!!!!」

「ヴィ、ヴィータ副隊長!!」

「お、落ち着いて・・・!!」

「「鬼は~、外~!!」」

<ビシ!!バチ!!ビシ!!バチ!!ビシ!!バチ!!ビシ!!バチ!!>

・・・・・・・・・・・・・・ドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!

「もう・・・ゴールしてもいいよな?」

「ちょ、ちょっと待ってください~!!」

「だ、駄目です!!ゴールしちゃ駄目です~~!!」

「「鬼は~、外~!!」」

<ビシ!!バチ!!ビシ!!バチ!!ビシ!!バチ!!ビシ!!バチ!!>

・・・・・ブチィィイッ!!!

「そ、そそそそそそそ・・・・・そこになおれテメェらぁぁぁああああああ!!!!!」

「よし、逃げるぞ!ヴィヴィオ!!」

「ザフィーラ!GO!!」

「わん!!(スマン、ヴィータ・・・)」

「に、に、逃がすか~~~~~~~!!!!!!!!」

「ヴィータ副隊長~~~!!」

「く、訓練は~~!?」

んなもん、後だ!今は!!

「待ちやがれ、テメェ等~~~!!!」

「はっはっは!ここまで来るが良い!!」

「きゃはは~♪」

「わんわん!(いかん、本格的に切れたぞ!?)」

くそ、はえぇ!けど!!

「すぐに追いついてやる~~!!」





番外4「鬼は~外!! byアイリーン&ヴィヴィオ」





<ザフィーラside>

どうしてこうなった!?ヴィータは怒り狂って我等を追いかけてきている!!

『ザフィーラ、もう少しペースをあげろ』

『無理を言うな!これ以上速度を上げれば、ヴィヴィオが耐えられん!!』

『む、たしかに・・・ふふ、相変わらずお前は優しいな?』

今言われても、嬉しくもなんとも無いわ!!

『と言うより、お前は性格が変わりすぎだ!!』

『そういうお前とて、影が濃いではないか?』

何の話だ!?いや、前に聞いたヴィータ達から聞いたアレでは?

いや、今はそんな事よりも・・・

「待ちやがれ!!おらぁぁあああ!!」

!もう、視覚に確認できるとは!!

『どうする?このままでは!!』

『ふ、私にまかせろ!!』

そう言うと、リインフォース・・・本人は頑なにアイリーンと名乗ってはいるが・・・奴はヴィータの方を向き・・・。

「ヴィヴィオ、ザフィーラ!!目を瞑れ!!太陽拳!!!」

俺は咄嗟に、ヴィヴィオを背中に押し当て、目隠しをさせて、目を瞑った。

「ぅあ!?眼が・・・ふぎゃ!!!」

目を開くとそこには、壁に激突して、下着を丸出しで目を回しているヴィータがいた。

「わ、わん・・・(ヴィータ・・・憐れな・・・)」

「さぁ、次に行くぞ、ザフィーラ」

「ゴ~♪」

まったく、何故こんな事に・・・話は少し前まで遡る・・・。

しかし、太陽拳か・・・見たところ、複雑な術式ではなさそうだ。後で教えてもらうのも・・・いや、俺の場合だと頭を剃らされてしまうかもしれん・・・。



【数十分前】

「ほぅ、今日は地球は節分の日か・・・」

「アイお姉ちゃん?」

「どうした、ヴィヴィオ?」

「んとね?せっぷんってなぁに?」

「ふむ、接吻と言うのはキスの事だな?二人の人の口と口をだ・・・」

『リインフォース。そうではなく、節分のつもりで聞いたのであろう』

「だから、私の今の名はアイリーンだと・・・」

「ふみゅ?」

「む、まぁ良い。ではヴィヴィオ・・・キスと言うのは別に男女の間だけではなくてだな・・・」

「リインフォース!!」

「わ!!?」

「冗談だ・・・ん?どうした、ヴィヴィオ?」

「ザ、ザフィーラって喋れたの!?」

「結構、今までも喋ってなかったか?」

「ずっと、腹話術だと聞いてたの・・・」

「・・・・・腹話術なんて言葉を良く知ってたな?さて、それはともかく、そもそもキスとは・・・」

「ヴィ、ヴィヴィオよ。俺が説明しよう」

「む、ザフィーラ!」

「キスの事?」

「違う!・・・ゴホン、節分についてだ」



その後、俺は節分について説明をした訳だが・・・。



「私もやりた~い!!」

「いや、豆がない事には・・・」

「おや、こんな所にお豆が・・・」

「何故持ってる!?」

「さて、ではやるかヴィヴィオ!」

「うん!」

「聞け!」



そして、現在に至る訳だが・・・。



「さぁ!次の鬼を探すぞ!!」

「うん!!」

『まだする気か!!?』

今日は、後で胃薬を飲むべきかもしれん・・・。

そして、いつの間にやら市街地での戦闘を想定とした訓練場にきていた。

「どうした、二人とも。もうお仕舞いなのか?」

「「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」」

そこにいたのは、シグナム、エリオ、キャロの三名であった。相当厳しい訓練であったらしく、エリオとキャロは満足に会話をすることも・・・「「鬼は~、外~!!」」<ぱらぱら!!>・・・・・。

「・・・・・なんのつもりだ・・・・・リインフォース」

「だから、私の名はアイリーンだと・・・・・」

「答えろ」

いかん、ヴィータ以上に沸点が高い!

「なに、今日は節分でな?」

「・・・・・それで?」

「あぁ、せっかくヴィヴィオに節分のことを教えたので、豆まきをしようと思ったのだ。しかし、鬼の覆面はなかった・・・・・」

「・・・・・で?」

「だから、鬼のような教官達に豆をまこうと・・・」

「レヴァンティン」

『Explosion』

シグナムは、カートリッジをロードさせ、極限まで魔力と炎を高めた。

・・・・・走る準備をしよう。

「紫電・・・いっせ!!!」

シグナムが、我等に飛びかかろうとしたその瞬間!!

「ふっふっふ、再び太陽拳!!」

「な、目くらましか!?ぐぁ!!?」

シグナムは、勢いを止めきれず木に頭から、ぶつかって気絶をしてしまった。

「今だ、逃げるぞ!!」

「ザフィーラ!ご~~♪」

「わん!(もはや、どうにでもなれだな・・・)」

「「シ、シグナム副隊長~~!!」」

状況についていけないエリオとキャロを残して、我等は再び走った。



「豆まき楽しかった!!」

「ふふ、そうか」

その後は、大した騒ぎも起こさず、豆まきは終了となった。

「だが、ヴィヴィオ。まだ節分は終わってないぞ?」

「ふぇ?」

そんな会話をしている時。

「ヴィヴィオ~、ただいま~」

「ママ!!」

ヴィヴィオは俺の背中から降り、高町の下へと行く。

「あのね、今日はアイおねえちゃんと節分をしたの!」

「そっか、じゃぁそんなヴィヴィオにお土産だよ」

「お土産?」

「そう」

そう言うと、高町は手持っていた袋から恵方巻を取り出した。

「なぁに、それ?」

「これはね、恵方巻って言って、節分の日に食べるお寿司なんだよ?本当は、丸かじりしなくちゃいけないんだけど、ヴィヴィオには食べやすいように切ってあげるね?」

「うん!」

そうして、二人の親子は歩いていった。

「お前が高町に頼んだのか?」

「あぁ、まぁな。もっとも、その分帰りが遅くなってしまうみたいであったから、私がヴィヴィオの相手をしていたと言う訳だ」

そういえば、昼には帰るといっていたはずが、もう夕方か。

「まぁ、ミッドに住むあの子にはなじみが薄い事かもしれんが、せっかくならば教えておこうと思ってな・・・高町に頼んでおいたのだ」

「そうか・・・」

「所で、ザフィーラ。ふと思ったのだが、年齢的にも我等はいくつ豆を食べればいいのだ?」

ふむ、難しい問題だな・・・しかし。

「それよりも、後ろをどうにかするべきなのではないか?」

「なに?・・・・・は!?」

そこにいたのは・・・・・。

「「覚悟はいいな?アイリーン・・・」」

ヴィータとシグナムであった。

「た、太陽・・・!!」

再び、リインフォースは太陽拳の体勢をとるが・・・。

「先に、眼くらまし!!」

『Eisengeheul』

「ぐぁ!?しまっ!!」

先に、ヴィータに目くらましを掛けられ、リインフォースは、そのままシグナムに捕らえられる。

「よぉ~し、シグナム。チーム戦の練習しねぇか?」

「良いな、たまには」

「ま、まっ!!」

「「さぁ、行くか!!」」

「だ、誰か~~!!」

「お前が!」

「泣くまで!!」

「「止めないからな!!」」

そのまま、リインフォースは連れて行かれた。もはや、俺のことなど二人は眼中に無かったようだ。

・・・・・ありがたい事だが。

「さて、シャマルのところにでも行って、胃薬を貰うか」

たまには、こういう日も良かろう。

そんな事を思った、平和なとある一日の出来事であった。





「シャマル、少し良いか?」

「あら、ザフィーラ!丁度良かった、恵方巻を作ったのよ?よかったらどう?」

「・・・・・なん・・・・・だと?」









おまけ(PSPゲームの妄想シナリオ)

「ち、今度はシャマルの偽者かよ」

闇の欠片だか、なんだか知らねぇが、何で身内ばかり真似すんだよ。

「そうよ、ヴィータちゃん。私達が増えると、闇の書の闇が復活してしまうわ」

「何だよ、自覚あんのか?」

「うん、けど・・・このままだと完全に記憶が塗りかえられちゃう」

そっか・・・。

「私はね、偽者だけど・・・皆に迷惑掛けたくないの・・・だから!」

「その前にいいか?」

「へ?」

「実はさ、さっきシグナムの偽者と戦ったんだけどさ・・・あたし、DVDを買った帰りだったんだ」

「そ、そうなの?けど、今そんな事を言ってる場合じゃ・・・」

俺は懐から、割れたDVDを出す。

「んで、戦闘で割れた。何が言いたいか分かるか?」

「さ、さぁ・・・」

決まってんだろ!!

「同類だろ!!責任をとれぇ!!」

「えぇ!!?なんで!!!」

「くっ付けて、見れるようにしろ!!」

「む、無理よ!!」

なんだと!!?

「あ~~あ!コレはもう、シャマル脱ぐしかねぇな!!」

「どうして、そうなるの!!?」

そう言って、偽シャマルは逃げようするが・・・。

「あぁ!!私から自動発生した、結界の所為で逃げれないぃ!!」

「さぁ!!脱げ!!」

「ま、待って!!どうして、そういう発想が出るの!?」

「ノリだ!!」

「ノリで!?」

こっちは、休日に働かされイラついてんだ!!こういう嫌がらせぐらいするぜ!!!

「もぉ!そんな場合じゃないでしょ!?ヴィータちゃん、こんなのやめましょう!!」

「うるせぇ!!じゃぁ、これくっつけて見れるようにしろよ!!」

そう言って、俺は割れたDVDを投げつける。

「D・V・D!!D・V・D!!」

そして、いつしかシャマルは震えながら、服に手をかけ・・・・・。

「何をしてるのかしら、ヴィータちゃん?」

「げぇ!?本物のシャマルゥ!!?あ!いてててて!!!!!」

シャマルのアイアンクローが俺に炸裂した。そのまま、

「あなたも!!何してるの~~~~!!!」

「ふえ!?ちょ、ま!!」

偽シャマルに投げつけられた。

「こ、こんな消え方いやぁぁぁ!!」

偽シャマルは、こうして消えた。

「・・・・・ふぅ、とりあえず一つ消えたな」

俺は誤魔化して、先を進もうとしたが・・・。

「待ちなさい?」

「うす、さーせん」

捕まった。その後についてはまた次の機会にでも・・・・・。



「何を勝手に纏めようとしてるのかしら?」

「あだだだだだだだ!!!!?」

シャマル、つえぇ!!









あとがき

久しぶりに書いたせいか、キャラがはじけすぎてる。まぁ、番外編という事で・・・。

前に続けて謝罪。遅くなってすみません。

何か周りの古い作品が、色々復活してる中、自分もなんとか書いてみました。

休んでる間、パソコン壊れたり、卒研だったり、色々忙しかったです。次の更新はいつかは分からないですけど、何とか頑張りますので、もし待ってくれてる人がいるのであればちょっと待ってください。

誤字訂正報告、についてですが多すぎて、ちょっと時間が足りないので次回にまわそうと思います。ご報告ありがとうございます。あと、どうにもビタの名前は不評そうなので、ご意見にあったについでに変えようと思います。まだ本編登場はしてないので、間に合うと思います。ただ、自分としては、コルサよりも、調べてみて、響きのいいフロンテラの方がいいと思うんですが、どうですかね?あだ名は、フローとかフロン出来ますし。

あと、それからゲロロ軍曹さん。自分は銀魂をしっかりと読んだりしてないので、ちょっと難しいです。せっかくのご意見ですけど、いかせそうにないかもです。すみません。

他に、ライダーを見てるキャラとかは・・・その内分かると思います。何とか更新させてみます。

それから、自分は別にユーノのことは嫌いじゃないのですが・・・あれ?そんな風に見えるのかな?気を付けなくては・・・・・。


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.26291608810425