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[31303] 【チラ裏から】 IS<安価でIS学園に入学する> (一夏魔改造)
Name: ウィンター小次郎◆81fc9858 ID:581ce14c
Date: 2012/04/16 17:11
この度チラ裏からその他板へ移行することを決意いたしました。
作品開始当初は一話の短い文章を捻り出すのにも、七転八倒四苦八苦したのですが、
なんとか書き続けることができるくらいまでの“慣れ”を得ることが出来ました。
これからも精進したいと思います。
まだまだ拙い部分が多く見受けられると思いますので、ぜひともご指摘、ご忠言お待ちしております。



諸注意

・本作品はIS〈インフィニット・ストラトス>の二次創作です。
・一夏魔改造です。ITIKAになっています。
・基本は原作通りに進めようと思いますが、原作補完という名の妄想のせいでズレルかもしれません。
・その妄想のせいでIS以外の兵器がでてくるかもしれません。
・その妄想のせいでオリキャラがでてきます。
・更新は不定期、作中時系列的に夏休み中に一時完結します。
・ハーレム臭はあんまりしないかも。
・テンポ良くいきたいですね。
・毎話ラストに妄想設定解説という、自己満足の作品の中でさらに自己満足するための謎の文章が入っています。鬱陶しい方は飛ばして頂いても何一つ問題ありません。

以上のことを踏まえた上で
よかろう、読んでやる、続けろ。
という心の広い方は、読んでいただけると幸いです。



[31303] 「安価するか」
Name: ウィンター小次郎◆81fc9858 ID:581ce14c
Date: 2012/03/20 17:41
季節は冬。一月もすでに半ばを過ぎていた。
気温の低さもピークに達し、世間ではいわゆる受験シーズンと言われている頃。
織斑一夏は暇だった。

同輩が受験に四苦八苦するのを尻目に、数少ない藍越学園の推薦枠をゲットした一夏は、しっかりと正月も満喫した。
しかしそれも過ぎると、一気にすることもなくなり、遊ぼうにも友人は皆忙しい。
特に親友の五反田 弾など最後の追い込みに必死になっているはずだ。よって一夏は時間を持て余していた。
現に今も、リビングルームのソファに寝転がりながら、興味もないTVを眺めている。

数十分後。

グラサンの大物司会者が担当する長寿番組が終わったところで、一夏はTVを消し、立ち上る。そして壁の前まで足早に歩いていくと――

その勢いのまま壁に頭突きをぶち込んだ。
重い打突音。
ここ最近の自堕落な生活で緩みきった頭を文字通りたたき起こす。
数回頭を振って、一夏は呟いた。
「安価するか」

一夏はPCの前に行くと、お気に入りのマイナーBBS<NHK>を開き、掲示板にスレを立てた。






【暇すぎて】安価で受験する【やばい】

1:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
推薦入学とか暇すぎて死ぬ
つーことで今からお遊びで受験するわ、もちろん合格ねらうぜ
 条件は
 ・今から願書だせる高校
 ・都内
 ・今あるあぶく銭が5万くらいだから、受験料はそれ以下で。
 受験校決める
>>5

2:ナインティーンボール 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
とりあえず>>1は全国の受験生に土下座な。
藍越学園

3:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
てか>>1男?

4:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ああ、ついてるぜ

5:月兎 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
IS学園

6:安部部の部 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>1おっぱいうp
愛悦学園

7:エクストリーム山田 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>5ちょっwwwwwwwwwww

8:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>5男ゆうとるやないかwwwwwwwwwww

9:ナインティーンボール 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>5鬼畜指令wwwwwwwww
どうするよ>>1

10:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
とりあえず電話してみるわ
IS学園の電話番号誰かおせーて

11:月兎 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
03-xx6x-xx98





携帯をポケットから取りだし、番号をプッシュする。
数コールの後
『はい、もしもし、こちらIS学園事務室です。』
『あのーすいません、IS学園を受験したいんですけど』
『……えーと、男の方ですよね』
『はい』
ガチャリ――ツー―ツー―
……




29:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
駄目だった。

30:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>29だろうな

31:戦艦黒猫大和20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
どうする?再安価?

32:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
しょうがないから当日試験会場に潜入する。

33: 毎日がエブリデイ20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>32ちょっお前wwwwwwwwwwwwwwww

34:縦に三段腹 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
さすが>>32!俺たちにできないことを平然とやってのける、そこに痺れる憧れるぅ!!

35:安部部の部 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
GJ
>>1おっぱいうp





~~~~~~~~~~~~~~~~

「IS学園ねぇ」

というわけでIS学園の受験当日。
一夏は受験会場である、市立の多目的ホールに来ていた。
奇しくも藍越学園の一般入試も行われているが、まぁ関係はない。
ホールの地図を見て現在地および目的地を確認する。
道順を確かに記憶し、歩を進めた。
さぁてどうなることやら。

IS
正式名称「インフィニット・ストラトス」。ある一人の科学者により開発された、宇宙空間での活動を想定して作られたマルチフォーム・スーツ。当初の制作者の意図とは別に宇宙進出は一向に進まず、「兵器」へと転用されたが、現在は各国の思惑からアラスカ条約が締結され、スポーツへと落ち着いている飛行パワードスーツ。"
それは十年前、どこからともなく現れた。
世界中の人々に否応なくその存在を知らしめた白騎士事件。
ミサイル2341発、戦闘機207機、巡洋艦7隻、空母5隻、監視衛星8基を、たった一機のISが完全に無力化するという異常事態。
それはISが現行兵器に対し、機動力、攻撃力、防御力、全ての面において上回ることを証明した。
だがこんな完璧ともいえる兵器にもたった一つ重大な欠陥が存在した。


デザイン性と機能性を等価交換した道を進み、一夏は試験会場にたどり着いた。
無駄に重い扉を開き、中に入る。

「あー忙しい忙しい。あっ受験生ね、向こうで着替えて、装着もすませてね。忙しい忙しい。ったくなんでこんなにスケジュールに余裕がないのよ。あー忙しい忙しい」

忙しすぎだろ、せめて顔をこちらに向けろよ。
正直ここら辺でストップがかかると思い、一ネタして帰ろうかと思っていた一夏は戸惑った。

くそっ、三日かけて完成させた、“初めて地球に来て納豆を食べた宇宙人の反応~太陽系編~”が無駄になったぜ。
仕方がないので流されるままに、近くのカーテンを開ける。


“鎧”が鎮座していた。


全体的にゴツゴツとしたデザインであるが、所々丸みを帯びている。
最もわかりやすく喩えるなら西洋の甲冑といえるだろう。
主の前に跪く騎士のような出で立ちで、非日常の空気を身に纏うそれ。
つまりはこれがISである。

「ふーん、案外小さいもんだな」

世界最強の兵器を前に一夏はなんの高ぶりも覚えていなかった。
それも当然である、一夏にはこれに乗る資格がないのだ。
そう、ISの唯一にして最大の欠陥。

ISは女性“のみ”操縦することが出来るのだ。

「しっかし束ちんは何を考えてんだろうな」

そういいながら、なんとはなしに手を伸ばし、ISに“触れた”

「――――ァぐぁ!?」

突如、脳内に莫大な情報が叩き込まれた。
一瞬目の前が真っ赤になり、ガンガンと鐘をならすような頭痛が襲い掛かる。
ISの基本動作、性能、特性、機体状況、残りシールドエネルギー、最大稼働時間、操縦方法、センサー精度、出力限界、現在の装備――etc
情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報情報

「クッソがッ!」

歯を食いしばり耐えていると、頭痛が引いて行く。
それと同時に機械的な音を立てながら、一夏をISの装甲が包んでいった。

体が軽くなり、重力を無視する解放感。
センサーにより世界を360度知覚できる清涼感。
武装を展開し、その重みと、機体がもつパワーを感じることによる全能感。
これが……IS!

「なるほど、IS操縦者が増長するのもわからなくはないな」

血に飢えた野獣のような笑みが思わず浮かぶ。手に入れた力を試したいという衝動が、心臓を握り潰すような勢いで襲ってくる。

――決して褒められた感情じゃぁないが、今だけはそいつに身を任せたい。

周りを見渡すと、試験官と思わしき緑髪の女性が、ISを纏ってこちらを見ている。
驚きに目を見開き、口をぽかんと開けているその様は中々滑稽であった。
獲物に狙いを定め、一夏はスラスターを全開にした。







蛇足の話


IS学園入試試験官、山田真耶は混乱の極致にあった。
“必然的に”女子高である、この学園の入試に紛れ込んできた一人の男子生徒。
迷いってしまったのだろうと思い注意をしようとした次の瞬間、その男子生徒はISを展開してしまった。

そう“男”がである。

(えぇぇぇぇぇぇ!?どうするのこれ、というかどうすればいいの私!?)

世界を揺るがす重大事件とも言えるその状況に立ち竦んでいると、そのISはこちらに猛スピードで近寄ってきた。

(え!?え!?暴走!?確かに当人が一番混乱してるはず、とりあえず落ち着かせて機体を止めなきゃ!)

この時山田真耶は気付けなかった。
その男子生徒の口元に浮かぶ笑みに。
そのISの体に隠れるように、逆手持ちをされていた近接ブレードに。
ハイパーセンサによる知覚機能の拡大があるとはいえ、それを使うのはあくまで人間である。よって“盲点”というものは簡単に生まれ得るのだ。

「落ち着いてくださ――」
「アバンストラッシュ!」

ぐふぁっ
体を張って、迫りくるISの勢いを止めようとした真耶に、体の影から湧き出るようにあらわれた近接ブレードが叩き込まれる。
試験用にシールドエネルギーが落とされていた機体は、一撃で戦闘不能になり、絶対防御を発動させた。
もうなんかいろいろキャパシティーを超えた事態に山田真耶は眠るように気を失った。
薄れゆく意識の中“ひゃっはー試験官倒したしこれは合格だろイエーイ!”という声が聞こえた気がした。







[31303] 「ったく、しょうがねぇな」
Name: ウィンター小次郎◆81fc9858 ID:581ce14c
Date: 2012/04/04 05:23
【入学】織斑一夏を応援するスレpart2【おめでとう!】



18:ナインティーンボール 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
今日は待ちに待った初授業だね!織斑一夏くん!

19:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
イェ~イ、織斑一夏くん見てるー?

20:エクストリーム山田 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
女の子いっぱーい(`ω´)グフフ

21:月兎20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
計画通り……!

22:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>なん……だと……

23: 縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>月兎さんチーっす






こいつら好き勝手言いやがって。

IS学園入学式の本日、俺こと織斑一夏は窮地に立たされていた。
周囲から感じる視線、視線、視線。しかもそれが全部異性のものであるため圧力はまた格別である。
視線に攻撃力がもしあったならすでに死んでいる。

そう、俺は今、IS学園一年一組の教室にいる。もちろん一生徒としてだ。
例の安価の後、見事に世界唯一の男性IS操縦者としてデビューを果たした俺は、見事に大変な目にあった。
家をマスコミに取り囲まれ、謎の訪問者と謎の電話に追い立てられ、IS学園の保護を求め遁走した。
IS学園には特記事項の第21項に“本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする。”という条文が記されているため、少なくともIS学園内部は俺にとって安全地帯なのだ。

現在は始業式の真っ最中、といっても流石は世界最先端の学校だけあって、みんなで仲よく体育館に並んで、先生のお話を聞くなんてことはしない。
目の前の電子黒板に映像が流れ、それを席に座ったまま見ることができるという仕組みだ。
教室自体もまるで近未来SFのような風情で、椅子や机のデザインはもちろんのこと、ノートや筆記具、教科書のたぐいは電子化されている。
教科書に限れば紙のものも配布されているのだが、ビブリオマニアからの要望でもあったのだろうか?

座ったまま入学式を済ませるなんて、楽で良いと思うかもしれないが、そんなことはない。
肉体的疲労を考えなくてよい代わりに話の長さに自重というものがないのだ。
しかも一般的な入学式とは違い、話すのは校長やPTA会長だけではなく、企業の社長や代理人らが、将来有望な学生たちへの宣伝活動、もとい祝辞を読み上げている。
ほかの生徒も暇を持て余しているせいか、クラスのほとんどが俺を観察しているようだ。

確かに、クラス、いや学校唯一の男子生徒が珍しいのはわかる、だから問題は俺をこの席にしたやつだ。
最前列ど真ん中ってどう考えてもおかしい。準備不足で入学した俺が授業をより受けやすいようにした配慮なのかもしれないが、気遣うべきところはもっと他にあるということを考えて欲しかった。

この後のスケジュールは、IS学園の諸説明を同じく映像でながし、そこからは各クラスで自己紹介、授業へと移っていく。
入学式から授業があるとは流石エリート校、本当にやめてほしかった。

後で疲れるだろうから今は休憩ということで、俺は携帯で久しぶりに“NHK”の掲示板を見ている。
そろそろスレに追いつきそうだ。
しかし何やら少し前くらいから空気が変わってきていた。






194: インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
てかここんとこ大分盛り上がってるけど、本人の状況って具体的にどんな感じなの?

195: 戦艦黒猫大和 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
まぁ冷静に考えてマジヤバいよな

196:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
整理してみた。

・文字通り世界で一人だけの特別な存在となったため、行動がひどく制限される。マスコミや企業に追いかけられるだけではなく、場合によっては尊女主義者から命を狙われる可能性もある。

・遺伝子情報を狙われるため、近づいてくる女の子は全員ハニートラップの可能性あり。オナヌーすら気を付けなければいけない。

・IS学園本来超高倍率の学校で、入るためには並々ならぬISの知識と肉体的な強さが必要。後者は男だから良いものの、前者は致命的。小学生がいきなり大学の授業を受けるようなもの。

・将来は絶対に普通の職には就けない。普通の生活をすることすら困難である可能性が高い。

・IS学園は当然のことながら女子高。教員も職員もほとんどが女。そこに放り込まれる男一匹。そして全寮制。

197:ナインティーンボール 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>うわぁ……

198: エクストリーム山田 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>こう考えると月兎の戦犯っぷりはやばいな

199:大海の蛙 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>一番目はIS学園に入れば、まだ大丈夫だろうが、二番目と五番目がやばいな。
けっこーイケメンなのにもったいねぇ。

200: タニポン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>なんか洒落にならんな……

201:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>普通に可哀そうになってきた






おいおい違うだろお前ら。

こんな安い同情されるために、俺は安価を守ったわけでもないし、散々今までふざけておいて今更それは無いだろう。
月兎を責めるのも間違っている。
良識ぶるなら最初からふざけるな、ふざけるのなら真面目にふざけろ。

(ったく、しょうがねぇな)

俺は久しぶりの書き込みをした。





202:ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
新しいクラスに馴染むために大事なのは、やっぱりファーストコンタクト!
というわけで安価で自己紹介するわ。
バッチリキメるぜ、お前ら!
まずは質問>>211

203:インポッシブル佐藤 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>202ちょっ何やってんのwwwwwwwwwwwwwwwwww

204: 毎日がエブリデイ20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>202まるで懲りてねぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

205:月兎 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>202濡れた

206: ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>202そうか、お前が修羅の道を行くというのなら

207:エクストリーム山田 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>202俺らはそれを全力で支えてやる!

208: インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>202いくぞ!

209:超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
好きな体位

210: 安部部の部20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
好きな男性のタイプ

211: 大海の蛙20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
好きなポケモンの技

212: 毎日がエブリデイ20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
お前ら本当に容赦ないな

213:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
次その答え>>216

214: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
かたくなる

215:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
したでなめる

216:縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
すてみタックル

217:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
はかいこうせん

218: 縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
まぁセーフ?

219: タニポン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
お前ら言っとくけど女子高だからな

220:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
俺の自己紹介の番がくるまでな、後は適当に付け足すわ。
次の質問>>222

221: 安部部の部 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
好きな男性のタイプ

222: ハミリン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
特技

223: 戦艦黒猫大和20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
好きなドラクエの技

224:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
今悩んでいること

225: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>222おおおおお普通のキターーー!

226: 超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>222まぁ問題は答えだが

227:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>222の答え>>229

228:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
時計を巻くこと

229:ミスターバレット 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
家事

230: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
セパタクロー

231:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>229これは……普通と言えば普通だが、見方を変えれば本人のハードルをガン上げしたことになるな。

232: ハミリン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>229確かに、ワンサマーは家事得意なの?

233: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
家に一人でいることが多かったし得意だよ。
次質問>>236

234:ナインティーンボール 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
何このイケメン

235:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
もげろ

236:ピュア☆フレグランス 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
好きな女性のタイプ

237: 安部部の部20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
好きな男性のタイプ

238:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
好きなカップ

239:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>236なんか起爆剤を放り込むような気がしなくもないが、普通っちゃ普通、いい調子!

240: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>236おお、なんとかここまではギリギリセーフ

241:インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>236よし答えだ!

242:ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>236の答え>>246

243: 縦に三段腹0xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
石川さとみ

244: ミスターバレット20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx


245:ナインティーンボール 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
二の腕がキレイな人

246:タニポン 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
副担任の先生

247:エクストリーム山田 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>246ちょっwwwwwwwwwwww

248: 超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>246起爆剤どころじゃねぇwwwwwwwwwwww

249:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>246ついにやっちまったな……

250:ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
んじゃ次>>254

251: インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
冷静だなワンサマーwwwwwwwww





「……くん、織斑一夏くんっ」
「っあ、はい!?」

いきなり大声で呼ばれたせいで、思わず声が裏返ってしまった。
周りからはクスクスという笑い声がもれる。羞恥心がリミットブレイクした。

「あっ、あの、お、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる?ゴメンね、ゴメンね!でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって、今『お』の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ゴメンね。自己紹介してくれるかな?だ、ダメかな?」

八つ当たり気味に、キッと視線を上げると、副担任の山田真耶先生がぺこぺこと頭を下げていた。
若干体が震えている。
微妙にサイズの合っていないメガネがずり落ちていた。
年上に見えない童顔も相まって、なんだか自分が幼い子供を苛めているような気分になってきた。

(え?なんでこんなにビビられてんの?俺なにかしたか?それともデフォルトでこんな卑屈な人なの?)

「いや、そんなに謝られなくても……っていうか自己紹介しますから、先生落ち着いてください」

「ほ、本当?本当ですか?本当ですね?や、約束ですよ、絶対ですよ!」

ガバッと顔をあげ、メガネの位置を直しながら、上目遣いでこちらを見る先生。
今のやりとりで物凄い注目を浴びてしまった……
これを狙っていたとしたら、見事としかいいようのない手際だ。
振り返ると、さらに高まる視線圧力。

(ったく、なんか逆に気持ちよくなってきたぞ)

眼だけでこちらを注目するクラスメイトを一通り確認すると、意を決して口を開いた。

「どうも、俺の名前は織斑 一夏です。唯一の男子生徒ということで、これからなにかと迷惑をかけることがあるかもしれませんが、どうか一年間よろしくお願いします――」

さてここからが本番だ。

「――好きなポケモンの技はすてみタックル、特技は家事全般、好きの女性のタイプは――」

圧力が最高潮に達するのを感じる。

「山田真耶先生です!」

一拍おき

「「ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

クラス中が大きくどよめいた。

背後からは先生の「えっ!?えっ!?」という戸惑う声が聞こえる。
戸惑うクラスメイトを見てニヤリとしながら最後に一言付け加えた。

「嘘です。」

がたたたっ。思わずズッコケる女子が結構いた。
なんてノリの良いクラスなんだ……と感動し、これなら一年上手くやっていけると俺は自信を深めた。
IS学園に入るにはリアクション芸も必要なのだろう。流石エリート。

安価?ちゃんと守っただろ、最後にちょっと付け加えたが。
そんなことを思いながら、振り返り席に着こうとすると、何やら前から暗いオーラを感じた。

「うぅ、ひどいです。ほんのちょっとだけですけど、本気にしちゃったじゃないですか。でもそれはそうですよね、この年にもなって男性とお付き合いをしたことがない、こんなメルヘン処女は誰も相手にしないですよね、このまま私は売れ残り死んでいくんですね、そうですね、うううぅ」

涙目になりながらブツブツと小声で呟いている山田真耶先生がそこにいた。

やばい。

「いやいやいやいや!そんなことないですよ先生!先生は十分魅力的ですって、ただ職場の関係で出会いがないだけで、ちょっと外に出たら引く手数多の争奪戦ですよ!だから元気だしてください――」

今日一番で俺は慌てていた。
織斑 一夏は口が悪いことに定評があるが、相手に落ち込まれるのに物凄く弱い人間である。
よって子供やメンタルの弱い人間は苦手なのだ。
なんとか元気づけようと、見て取れる山田先生の魅力を一通り語り、次はメガネを誉めようとしたあたりで

バァン
いきなり頭を叩かれた。

「いてっ」

俺は知っているぞっっ。
この一切容赦のない威力、躱すことなど考えるのもおこがましい速度、芸術的なまでの打撃角度……
おそるおそる後ろを振り向くと、すらりとした長身、鍛え上げられつつもどこか女性的な細さを感じる奇跡のボディライン、それをつつむ黒のスーツにタイトなスカート、思わず跪きたくなる鋭い吊り目。

我が実姉、織斑 千冬がそこにいた。

「おぉ、一騎当千、勇往邁進、その猛々しさはもしかして、三国に名高き関羽雲長殿であらせられるか!」

ドフッ

「うぐっ……さ、さすがに喉は……まずいって……」

「誰が関羽だ」

トーン低目のクールボイス。相も変わらず、実の弟には容赦がなかった。

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」

その鋭い目つきには似合わないくらいの優しい声で千冬姉は話かけた。

「い、いえ。副担任ですからこれくらいのことはしないと……」

さっきの涙声はどこへやら、副担任の山田先生は若干熱っぽいくらいの声と視線で
担任の先生へと応えている。
なにやら怪しい雰囲気を感じた。

「諸君、私が織斑 千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。出来ないものは出来るまで指導してやる。私の仕事は若干15歳を16歳までに鍛えぬくことだ。逆らっても良いが、私の言うことは聞け。いいな。」

おうおう、最初から飛ばしてきますね千冬姉さん。
だがしかし、教室には困惑のざわめきではなく、黄色い声援が響いた。

「キャー――――千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私、お姉さまに憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」
「キマシタワー」
「あの千冬様にご指導頂けるなんて嬉しいです!」
「私お姉さまのためなら死ねます!」

ほのかな百合の香りを漂わす女子たちの熱狂を、千冬姉はかなりうっとうしそうな顔でみる。

「……毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」

これがポーズでなく、本当にうっとうしがっているのが千冬姉だ。
まぁ確かに同性から、妙な熱気を伴った目を向けられるのは勘弁してほしいかもしれないが。
それでも先生が生徒から人気なのは悪いことではないだろう、だからそういう厳しいことばっかり言ってないで……

「きゃあああああああっ!お姉様!もっと叱って!罵って!」
「でも時には優しくして!」
「そしてつけあがらないように躾をして~!」

……歪みねぇな。

しかし俺もなんだかんだで自分のクラスの担任が千冬姉だったことに驚愕していた。
IS学園に勤めているのは、前に出勤する千冬姉をストーキングしたときに知ったが、まさか自分の担任になるとは思わなかった。
俺がいるからだろうか?もしそうなら学園側にナイス配慮だと言っておこう。

「で?入学早々何をやっているんだお前は。山田先生をあまり困らせるんじゃない」

真にその通りでございます。

「ごめん、千冬ね――」

パァンッ!本日三度目。まぁまだ頭だからダメージは少ない。

「織斑先生と呼べ」
「はい、マイラブリーシスターちふゆん」

ドムッ!

喉はまずい、だから喉はまずいって千冬姉……

「あの息の合った遣り取り、やっぱり織斑くんって、千冬様の弟なのね……」
「世界でただ一人、男で『IS』を使えるっていうのも、それが関係して……」
「ああっ、いいなぁ。代わってほしいなぁ」

代わらん。

千冬姉と俺が姉弟だというのは、ニュースやなにやらで既に有名な話だ。
元日本代表でISの世界大会、第一回モンドグロッソ総合優勝&格闘部門優勝者の姉と、世界唯一ISを起動させることに成功した弟、このことに何か関連を感じずにいられるものは少ない。
とにかくこれで、俺が千冬姉と姉弟であるということは、十分にアピールできた。
ニュースで千の言葉を聞くより、こういう遣り取りを一度見せた方が効果的なのだ。
ただ会話の種になるだけではなく、このIS学園においてその事実は大きなアドバンテージを持つ。
千冬姉は姉弟だからといって贔屓をするような人ではないが、そうであるということ自体が重要なのである。
姑息といえば姑息かもしれないが、使えるものはなんでも使うというもったいない精神の現れだということにしておこう。

喉を押さえて蹲りながら、そんなことを考えているとチャイムが鳴った。

「さぁSHRは終わりだ。諸君にはこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。そのあと実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。いいか、いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ。私の言葉には返事をしろ。」

「「Yes, Ma'am!!」」

このクラスのノリの良さは異常だ。

こうして俺のIS学園での生活が始まったのだ。











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今回のオリ設定という名の作者の妄想

・電子黒板、電子机、電子筆記用具。

原作ではシャーペンとか使っているのですが、アニメだとどう考えてもそれどころじゃない設備なんですよねー。
まぁ技術の粋を集めたIS学園ということで、アニメ遵守にしてみました。かっけーしな!
原作遵守しろやファックという要望が多ければ変えます、ぶっちゃけ重要度は低いんで。

・一夏のやばい状況

実際こんなんじゃね、みたいな。




[31303] 「よう、モッピー」
Name: ウィンター小次郎◆81fc9858 ID:581ce14c
Date: 2012/03/20 17:43
IS学園の記念すべき初授業が終わった。
とにかく今は疲れたということだけ言っておこう。
そんなことよりも、この状況が問題だ。

今は授業間の15分休み。まぁ普通なら近くの席の人と交流したり次の授業の準備をしたりするのだろうが

(めっちゃ見られとる)

一言でいえば、動物園のパンダ状態である。クラスメイトだけではなく、世界唯一の珍種、男性IS操縦者を見ようと2年3年の先輩方も廊下の外からこちらを覗っている。
しかし誰も話しかけてはこない、全員が全員を牽制しあっている感じだ。
IS学園に入学するものは、有名な女子進学校から来るのがほとんどで、極端に男性慣れをしていないというのも一因にあるのかもしれない。

(モテる男はつらいぜ)

内心そんなことを嘯くが、それでは事態はなんの解決もみせないのだ。
再びスレに潜るかと、携帯を開きかけたところで、こちらに向かってくる人影の存在に気が付いた。

「……ちょっといいか」

「お、おう」

この奇妙に張りつめた空気をぶった斬り、話しかけてきたのは、篠ノ之 箒という女生徒だった。

いやそのような余所余所しい物言いは不適当だろう、篠ノ之 箒は俺の幼馴染みである。
教室に入ってこいつが居るのを最初に見たときは本当に驚いた。

俺が昔剣道道場に通っていたころの知り合いで、実に6年振りの再会なのだが、身長と胸囲以外あまり変わりはない。
髪型は今も昔もポニーテールで、神主の娘らしく白いリボンで結い上げている。
どこか不機嫌なようにみえる目つきの悪さは健在。
元々抜き身の刀のようなやつだとは思っていたが、成長してそれがより強く感じられるようになった気がする。

「屋上でいいか?」

「この15分でか!?」

俺の至極常識的な突っ込みを余所に、スタスタと廊下へと歩を進める箒。
どれだけ他の人に聞かれたくないのだろう。

まぁなにはさておき、好都合。
俺はこの針のむしろから抜け出すべく、屋上へ向かった。





到着。しかし箒は話を切り出そうとはしなかった。
幼馴染みとはいえ6年振りだしな、何を話せばいいのかわからないのかもしれない。
あの空間から助けられた恩もあるし、ここは俺から話しかけるのが男の甲斐性というものだろう。
よし。一発キメテやるぜ。

「よう、モッピー。久しぶりだな!」
ドグォ

閑散とした屋上に鈍い音が響いた。

「ち、ちょ……六年振りの幼馴染みの……鳩尾にグーパンって……」

「誰がモッピーだ、私の名前はモッピーでも、モップでもない、箒だ」

口をへの字にして顔を赤らめている。
どうした?俺に惚れたか?

腹を押さえて蹲りながら、俺は昔を思い出していた。
まだ俺らが小学生のころは、こうしてよく箒をからかっては殴られていた。
ある種様式美のように完成された芸風だったのだが、箒の腕力はこの6年で大分強化されていた。
そのことを身に染みて実感する、この芸風でやっていくには俺にもさらなるレベルアップが必要なようだ。

「お前は変わらないな」

「お前も相変わらず、容赦のない突っ込みだ」

まぁこれで緊張は解れたであろう。計画通りということにしておいた。

「元気にしてたか?」

「まぁそれなりにな」

腹の痛みが治まりはじめ、ようやく普通に言葉を交わせるようになる。

「そういえば去年、剣道の全国大会で優勝したそうだな、おめでとう。恰好良かったぜ」

「な、何故知っている?というか見たのか!?」

「あぁ新聞で優勝を知って、『ようつーべ』で見させてもらった、素晴らしい相面だったな」

「……」

再び箒の顔が赤くなる。そうそうこいつは昔から褒められることに慣れてないのだ。
なので、もっと褒めることにした。

「いやはやそれにしても綺麗になったなー箒。昔男女とよばれていたのが、嘘のようだ」

さらに赤くなる。

「それにIS学園にいるなんて頭のほうも優秀らしいな。幼馴染みとして鼻が高いぜ」

「う、うあぁぁぁぁ!」

キーンコーンカーンコーン

箒がちょうど限界に達し、俺がこぶしを受け止めようと腹に力を入れた瞬間、鐘が鳴った。

微妙な沈黙が二人の間を漂う。

「戻るぞ」

そう言って箒は俺を置いて走っていってしまった。
俺も急ごう。






二時間目が終わった。残りHPは1/10くらいだ。ようするに疲労困憊ということである。
HPを回復させるために携帯を開こうとしたところで急に声をかけられた。

「ちょっとよろしくて?」

「なっ!?」

思わず素っ頓狂な声が出た。
別に声をかけられたこと自体に驚いたわけではない。ならば何にかというと、

(金髪縦ロールキタ――――――――――――――――――!!)

しかもお嬢様口調である!こんなものが現実にいるとは今まで思っていなかった!
本日最高値の興奮度を更新する。

「訊いてます?お返事は?」

「あ、ああ聞いてるけど?何の用だ?」

俺がそう答えると金色コロネは、かなりわざとらしく声を上げた。

「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに声をかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」

(うわはははははははははははははは!!)

内心大爆笑。

確かにISの普及とともに、この手の男を見下した女子が増えたと言われているが、さすがに仕上がりすぎである。俺はあまりの完成度の高さに戦慄していた。
笑いを悟られないように返事をする。

「悪いな。俺、君が誰か知らないし」

自己紹介中は別のことに集中していたのだ。
しかしその答えは、目の前の金色ドリルにとってはかなり気に入らないものだったらしい。
吊り目を細めてこちらを睥睨する。

「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして、入試主席のこのわたくしを!?」

名前もそれっぽい。感動してきた。

(しかし代表候補生か……)
代表候補生とは一言でいえば超絶エリートである。全人類の中でも限られたごく少数のIS操縦者の中で、さらにその上澄に浮かぶ、文字通りエリートの中のエリート。
男を見下しすぎてブリッジしてしまうようなこの姿勢には、キャラづけというだけではなく確かな実力が伴っているらしい。

「本来ならわたくしのような選ばれた人間とはクラスを同じくすることだけでも奇跡……幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?まったく唯一男でISを操縦できると聞いていましたから、少しくらい知的さを感じると思っていましたけど期待外れでしたね」

どれだけ自分の名前が知られていなかったことが悔しかったのだろうか。

「勝手に期待されてもなぁ」

俺がそういうとセシリアは鼻で笑った。

「ふん。まぁでも?わたくしは優秀ですから、あなたのような人間にも優しくしてあげますわ。ISのことでわからないことがあれば、まぁ……泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ。何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」

唯一を物凄く強調された。――って、ん?

「入試って、あれか?ISを動かして戦うやつ?」

「それ以外に入試などありませんわ」

いやあるだろう筆記試験とか。だがそれは今関係ない。

「俺も倒したぞ、教官」

「は……?」

セシリアの目がその驚きに見開かれた。
俺のアバン流刀殺法でな。まぁ正義の心に自信はないから空の技ができないかもしれない。

「わ、わたくしだけと聞きましたが?」

「女子ではっていうオチじゃないのか?」

実際は単にあの勝ち方が認められなかっただけであろうが。

「つ、つまりわたくしだけではないと……?」

(おうおうショックを受けてやがるな、それだけ教官を倒したことを自慢に思っていたんだろうな)

ここで少し悪戯心が芽生えた。散々罵倒されたので、軽く逆襲をしてやろうと思う。

まずはジャブ。
「はっはっは、どうしたどうした急に黙っちまって、そんなに俺が教官を倒したのがショックだったのか?あんなもの近づいて一撃だったぜ」

セシリアの顔が赤くなった。

お次はストレートだ。
「素人の俺がそのくらいということは、イギリスの代表候補生様は開始3秒くらいで片づけたのでございましょうけど、それにしたってその程度のことで浮かれるとは。お国の気候とは違い、頭の中身はなかなか暖かいようで、春真っ盛りご機嫌麗しゅうといったところでございましょうか?」

よほど屈辱なのか、セシリアはこぶしを握り締め、体を震わせる。

俺はあまりにも楽しいものだから調子に乗ってしまった。
「そもそもその頭の横から垂らしていらっしゃる金色の巻き糞からして、もしかしてその首に乗――」

バキッ。
アッパーカット、何故IS学園の女子は握りこぶしが主体なのだろうか。
崩れ落ちる俺を尻目にセシリアはドスドスと自分の席へと戻っていった。

キーンコーンカーンコーン
試合終了の鐘がなる。

周りからは、“今のは織斑くんが悪い”という感じの視線が突き刺さってきた。
俺もそう思った。要反省である。

なにはともあれ、HPは回復した、気合を入れて3時間目を受けるとしよう。






三時間目もそろそろ終わる。

IS学園の授業は、国語や算数などの通常教科もあるが、やはりISそのものについて学ぶ教科も多い。
初日の今日は、1、3限がISの専門知識が必要な授業になっている。つまり俺の鬼門だ。

あの受験から約三か月、一応必死になってISのことについて学んだものの、さすがにわからないことの方が多い。
そもそもISは新技術が使われすぎているのだ、そして他分野への普及が進んでいないため、専門性が高すぎる。IS自体が日本製だけあり専門用語は大抵日本語で表記されているが(英名もある)馴染みのない理論ばかりで理解をすることが困難である。

だからといって授業中集中を切らせばさらに周りに置いて行かれることになるので気は抜けない。よって精神的疲労が半端ではないのである。

「織斑くん、何かわからないことありますか?」

大体この時間にやるべきことが終わり、切りがよくなった所で山田先生が話しかけてきた。

生徒を気遣える良い先生である。なので正直に答えることにした。

「基本的にわかりません」

「そ、そうですか」

微妙に山田先生は顔を引きつらせた。

「まぁ反則的な方法で入学したわけですから、最初からほかの人と同じ水準でできるとは思っていません。寮に帰った後に復習をして、なんとかそのうち追いつこうと思いますよ。ですので大丈夫です」

「お、織斑くん」

なんだか感じ入ったような目で見られる。
すごいやめて欲しかった。

「え、えっと。わからない所があったら授業が終わってから放課後教えてあげます!ですので、がんばってくださいね、ね?」

山田先生が俺の両手をグッと握り詰め寄ってくる。

(放課後山田先生と二人きりはやめてほしいなぁ)

SHRの件で山田先生に苦手意識が生まれてしまったようだ。

「あ、ありがとうございます」

当たりさわりのない答えを返していると、教室の扉が開き千冬姉が入ってきた。

「いい心がけだな」

聞いていたらしい。千冬姉はそのまま教壇に立つと、いつもの鋭い目で教室を見回した。

「まだ席に座っていろ、連絡がある。今から再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める。クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まぁ、クラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点でたいした差はないが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更はないからそのつもりで」

ざわざわと教室が色めき立つ。
委員長、つまりは雑用係なのだろう。選ばれるやつはご苦労様である。

「はいっ、織斑くんを推薦します」

ん!?

「私もそれがいいと思います!」

私も、私も、と言いながら次々と手をあげるクラスメイト。
まて、お前らは今、クラス一の劣等生に委員長を任せるようなまねをしているんだぞ!?

「では候補者は織斑 一夏……他にはいないか?自薦他薦は問わないぞ」

「待って下さい、納得がいきませんわ!」

セシリアがバンッと机を叩き立ち上がり異議を唱えた。
それはそうだろう常識的に。

「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

……仕上がってんな。
あまり俺を喜ばせないほうが良い。暴走してしまいそうである。

「実力からいえばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の糞猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の鍛錬に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

仮にも婦女子が糞とかいうのは、品格というものに反しないのだろうか。

「いいですか!?クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」

だが気づいてるか、クラスメイトがどことなく冷たい視線でお前を見つめているのを。

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなければいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で――」
「おいおい、ロートルごときが何を言っているんだ。過去の栄光に縋り付くのもいいかげんにしな、帝国主義時代はもうとっくに終わっているんだぜ。それとも糞みたいな飯を食ってるとそんなことも忘れちまうのか?」

「なっ……」

――っあ。
ついに我慢が出来なくなってしまった、こうなった俺は俺にも止められない。

「あっ、あっ、あなたねぇ!わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

席を立ち、振り向くと、怒髪天を衝くとばかりに、セシリアが顔を真っ赤にし、こちらを睨んでいる。そして指をこちらに突き付け言った。

「決闘ですわ!」
「いいだろう、乗ってやる」

まさか即答してくるとは思わなかったらしい、セシリアは瞠目し、たじろいた。
斯く言う俺も驚いている。決闘というステキワードについ反応してしまった形だ。

「ま、まぁ、このわたくしの実力を衆目に見せつけるのに良い機会ですわ。それでハンデはいかがします?」

「そうだな、どんくらいつけて欲しい?言ってみな」

俺がそう言うとクラスからドッと爆笑が巻き起こった。

「お、織斑くん、それ本気で言ってるの?」
「男が女より強かったのって大昔の話だよ?」
「織斑くんは、それは確かにISを使えるかもしれないけど、それは言い過ぎよ」

みんな本気で笑っている。それはそうだろう。

今の時代、ISという女性専用の兵器が幅を利かせている以上、軍事的バランスは女の側に大きく傾いている。もし男女差別で戦争が起きようものなら、男陣営は三日どころか三時間で制圧されてしまう、と言われるほどだ。


(まぁそんな戯言、俺は欠片も信じていないけどな)
「くっはははっはははっはっは!!」

俺は大声で爆笑しながら、椅子の上に立ちその背もたれに片足を乗っけた。顔を少し伏せ、制服のポケットに手を突っ込む。突然の奇行にクラスが一瞬で静まり返った。

「そうだな、そうだよ。お前は代表候補生、俺は素人。候補生たちは少なくとも300時間以上ISの起動経験があり、対して俺は30分に満たない。それも検査の時に装着しただけで動かしたのは試験の時ぐらいだ。」

そこで顔を上げ、セシリアを睥睨する。今度は何を言い出すのだろうか。

「普通に考えりゃあ勝てるはずはない。それどころか瞬殺されてもおかしくはないだろう。
だがな、セシリア・オリゴ糖!俺は今まで勝てない勝負に負けたことはない・・・・・・・・・・・・・・・!」

「――っっ!?私の名前はセシリア・オルコットですわ!」

意味が分からない!俺は今、最高に適当なことを言っている!

だがそんな理解不能な大言壮語も威圧感だけはあったようで、セシリアは少しばかりの動揺をこちらに隠すように、腕を組んで胸を反らした。女王のポーズ。

「い、いいでしょう。完膚なきまでに叩きのめして、そのデカイ口を閉じさせてあげますわ。では勝負は一週間――」

「まて、セシリア・ロボコップ、お前はこの勝負に何を賭ける?」

「セシリア・オルコットですわ!って……え?」

「おいおいまさか何も賭けないつもりか?本来ならお前が立候補したとしても多数決で俺が代表になっていたはずだ。それをわざわざ、勝負してやるんだから、お前もそれ相応のものを賭けるのが筋ってもんじゃないか?それとも負けたときが怖くて、嫌なのか?えぇ?」

「いいでしょう!あなたが勝ったら私はあなたの言うことをなんでも聞いてあげますわ!これでどうかしら!?」

言質は取った。これで俺のモチベーションがさらに上がる。

「いいだろう、これで勝負の体裁は整った。せいぜい地面に這いつくばらせてやるから、覚悟していな、セシリア・オラゴクウ!」

「セシリア・オルコットですわ!」



こうして俺はまた、ノリと勢いで自分を追いつめてしまった。





――――――――――――――――――――――――

一夏くん謎ポーズ!



今回のオリ設定という名の作者の妄想
・屋上
アニメで屋上に行っているのをみて、15分休みだろオイと思いましたが、
一夏を殴りやすいので、これ幸いと屋上を使いました。
・箒の性格
原作より少し落ち着かせます。まぁ今回はそうでもないですが。何故って?通常会話でいちいちどもるのはどう考えてもやりすぎだろ、と思ったので、べ、別に性格が不安定だと、ぎゃ、逆に書きにくいなんてことは、な、ないんだからね!




[31303] 「ISの男性操縦者やってるけど何か質問ある?」
Name: ウィンター小次郎◆81fc9858 ID:581ce14c
Date: 2012/03/20 17:42
ISの男性操縦者やってるけど何か質問ある?


1:ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
何か質問ある?

2:超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>1特定しました。

3: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>1特定しました。

4: 大海の蛙20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>1特定しました。

5: 毎日がエブリデイ20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>1特定しますた。

6:: タニポン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>1特定。

7: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
てか俺IS学園が何で日本にあるのかもわかんないんだけど。

8:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ggrks

9:縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ISの操縦者育成を目的とした教育機関であり、その運営及び資金調達には原則として日本国が行う義務を負う。ただし、当機関で得られた技術などは協定参加国の共有財産として公開する義務があり、また黙秘、隠匿を行う権利は日本国にはない。また当機関内におけるいかなる問題にも日本国は公正に介入し、協定参加国全体が理解できる解決をすることを義務付ける。また入学に際しては協定参加国の国籍を持つ者には無条件に門戸を開き、また日本国での生活を保障すること。

10:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>9三行

11: 縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
・IS作って世界混乱させやがって、日本てめぇふざけんなやゴルァ
・人材管理と育成のための学園つくれやゴルァ
・運営資金はてめぇで出せよ、あとそこの技術はくれよなゴルァ

12: 2ハミリン0xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>11日本ェ……

13:エクストリーム山田 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>11把握

14: ワンダフル田中 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>11よくよく考えるとひでぇ話だ

15: ピュア☆フレグランス20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
実際ISスーツどうよ?超エロくね?

16: 戦艦黒猫大和20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ボディーラインとか丸見えだぜ
そしてそれをワンサマー見られて恥じらう女の子
もげろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

17: インポッシブル佐藤 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
実習とか目の保養だろうな

18: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
正直言って女の子より俺がやばい。
ISスーツは肌表面の電位差を伝えるため、かなり薄いわけなんだが、それは男も同じなわけだ。
そして何がやばいって下半身の装甲が薄いのがやばい。さすがに輪郭がでないよう微妙な配慮はされてるが、勃ったりしたら一発でバレる。
その上女の子たちは目も当てられないほどエロい恰好をしているわけだ、それも目の前で。
おかげで実習は常に賢者モードでいなきゃいけないんだよ、体なんざジロジロ見てしまったら余裕で死ぬ、社会的に。

19: 超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>18それは……つらいな……

20:ナインティーンボール 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>18ワンサマーが不憫すぎて泣いた

21:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>18現実ってことごとくクソゲーだな


           ……………………………………………


56:ミスターバレット 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
部屋とかどうなってんの?一人部屋?

57: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
何か準備まで時間かかってるらしくて、今は二人部屋。

58エクストリーム山田:20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>57!?

59: ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>57!?

60: インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>57!?

61:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
いや幼馴染みだし、気心の知れたやつだから、結構大丈夫だぞ

62: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>61もげろ

63: ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>61もげろ

64: インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>61もげろ

65: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>61幼馴染みってなんだぁぁぁぁぁぁぁぁあああ

66:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>61何かエロいことあったー?

67: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
……まぁ最初の顔見せの時にちょっとな

68: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>67今死ね!

69: ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>67すぐ死ね!

70: インポッシブル佐藤0xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>67骨まで砕けろぉ!

71: 超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ジェノサイドブルァァァァァァァァァアアアアア

72:月兎 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>67何しやがったコラ


          …………………………………            


101: 縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ISバトルとかまだしないの?

102:超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
いやさすがにまだだろ、授業でもたいしたことはやらないはずだ

103: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
なんかクラス代表の座を賭けてイギリス代表候補生と戦うことになった

104:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>103ちょっwwwwwwwwwwwww

105:大海の蛙20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>103どういうことなの……

106: インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>103それ何て無理ゲー?

107:超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>103もしかしてセシリア・オルコットちゃん?

108: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>107そうそうその金髪ドリル、で、どうしようかと思ってるんだけど、誰かなんか知ってない?

109: 大海の蛙20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
なんでお前が質問してるんだよwwwwww

110: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
イギリスってことは、ブルー・ティアーズだな。
第三世代の中距離射撃型でBT兵器の実働データを取るために作られた機体だ。
BT兵器ってのは分かりやすく言えば、ガンダムローズのローゼスビット。
ビットにも、レーザーやらミサイルやら種類があるけど、基本レーザーが多いと思うよ。

111:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>110さんくす

112: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>110ってかお前詳しいな

113: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
そりゃあN(日本)H(変態ロボ)K(研究会)の一員だからな

114:縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>113え?ここってN(日本)H(変態ロリコン)K(協会)じゃないの?

115:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>114え?

116: ハミリン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>114え?

117: 安部部の部20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
N(日本)H(ホモ)K(競技会)じゃなくて?

118:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>117え?

119: 大海の蛙 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>117え?

120: ハミリン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>117え?

121: 戦艦黒猫大和20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>117え?

122:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>117え?



        ……………………………………………



225: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
そろそろ、恒例の安価行きますか。

226: 超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
お!来たな

227: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
OKまかせろ何にする?

228:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
戦術安価、俺がどう戦うか誰か決めてくれ

229:ミスターバレット 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>228お前はほんと、無茶をするな、ワンサマー

230: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
この程度の苦境、乗り越えられずしてなにが日本男児か
安価>>237

231:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>230台詞はかっこいいけどもwwwwww

232: 戦艦黒猫大和20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
まぁ相手は中距離型射撃型だしな、射撃戦はきつい

233: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
反動制御、弾道予測から距離の取り方、一零停止、特殊無反動旋回、それ以外にも弾丸の特性、大気の状況、相手武装による相互影響を含めた思考戦闘、ざっと挙げただけでもこんだけのことをしないといけない、素人には荷が重いだろう。

234: ピュア☆フレグランス20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ブレオンの方が却ってやりやすいかもな
そろそろ

235:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
そうだな、射撃戦

236:ハミリン 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
中距離射撃戦

237: タニポン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
射撃戦

238:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
射撃戦

239:月兎 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ブレオン

240:超力若本 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ワロタ

241: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
このど鬼畜どもめwwwwwwwww

242:インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
お前らってやつは……

243: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
これでワンサマーが勝ったら、全裸で町内一周してやるよ!

244: 超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
んじゃ俺は孤児院にマグロ一匹送る

245:タニポン 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ワンサマーが勝ったら、ワンサマーに告白

246:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ワンサマーが勝ったら、>>244の孤児院に調理しにいく

247:ミスターバレット 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ワンサマーが勝ったら、友達の姉さんが作った肉体改造プログラム、難易度“ルナティック”をやる。

248: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ワンサマーが勝ったら、スキンヘッドにする

249:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ワンサマーが勝ったら、就職する

250: 月兎20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ワンサマーが勝ったら、IS学園に殴り込み








夜の帳に包まれたIS学園。

市街地からは完全に離れた場所に位置しているため、外に耳を澄ませても物音ひとつ聞こえない。
生徒たちも明日の授業にむけて寝静まり、時計の秒針が奏でる音がなければ、世界が止まっているかのような錯覚をうけたかもしれなかった。

そんな午前零時過ぎの真夜中、俺は布団の中で物思いに耽っていた。

(ブルー・ティアーズに射撃戦、期限は来週の月曜日か)

山田先生に頼み込んで見たブルー・ティアーズの試験映像を思い出す。

正直に言えば、圧巻だった。

蝶のように舞い、蜂のように刺す。ビット兵器を働き蜂だとすれば、本体はさしずめ女王蜂か。

試験官のISは打鉄で、なんとか近づいてブレードで倒そうとしても、それを迎え撃つ弾幕と適格な離脱行動により、一定の間合いに固定される。
さすがにIS学園の教師ということで、何発かブレードを当てたものの、最終的には弾道ミサイルが試験官機を直撃し、勝負が決してしまった。

まぁ試験用にデチューンされた機体だったというのも、勝敗の一因であろうが。

(BT兵器は六機、レーザーが四つに弾道ミサイルが二つ……
それと六七口径特殊レーザーライフルが一本。近接装備も一応あるらしい。)

あれを見るかぎり、生半可な機体制御では近づくことも叶わないだろう。

そう考えると果たしてブレードを使えたとしても勝率に変わりがあるかどうか。
よほど機動力に特化した機体でもないかぎり難しい。

唯一見つけられた弱点は、BT兵器を動かすには集中が必要で、その時はセシリア本体の動作が鈍ること。

しかしそれを衝くにはまず、そのBT兵器の猛攻を掻い潜らなければならない。

(……打鉄……リヴァイブ……BT兵器……ISバトル……シールドエネルギー……射撃武器……)

今回の勝負に必要な条件を全て頭に思い浮かべ、それらを組み立てていく。

一分か一時間か、濃密な時間がたった後、唐突に口から呟きがもれた。

「なるほど、勝てなくもない」







「で、それがどうして、夕食を先輩の女生徒とご一緒することに繋がるんだ?」

あの決闘宣言の次の日、俺は箒と朝飯を食べていた。

周囲は当然、女子、女子、女子。食堂の従業員ももちろん女性だ。
IS学園は食堂もまた前衛的で、丸いソファに丸テーブル、柱には湾曲ディスプレイで魚の遊泳が映し出されている。

対面で、和食セットを食べている箒は、昨日の部屋で起こったToLoveるのせいか、不機嫌そうな目でこちらを睨んでいた。

「別に軟派な目的のためじゃないさ、練習のため、アリーナと訓練機の都合をつけてもらったんだ。そのお礼に夕食を奢っているだけ、そう勘繰るなよ」

「……お前は年上好みだろう、勘繰りたくもなる」

「確かに俺の好みは、年上のかっこよくてクールなお姉さんだけど、さすがに入学式早々手を出したりしないさ」

「……」

この時期のアリーナと訓練機の貸し出しは、二年と三年で占められる。さすがに入学早々、自主練に励むような一年はいないからだ。
そもそも予約の仕方をまだ教えてもらっていない。

よって俺がISの訓練をするためには、先輩方と交渉し、その練習に交じる以外の方法はないのだ。

「それに、場所を借りられるだけじゃなくて、あわよくば手ほどきを受けられるかもしれないからな、一石二鳥だ」

「あ、ISの訓練なら私がつけてやったものの」

「え?お前、IS操縦そんなに上手いの?」

「くっ、ならば!剣道の手合せとかはどうだ、ISで剣を振るにしても、まず基本が出来てなければいけないだろう」

「いやマジそれは勘弁してください……」

正直に言おう。俺はこいつに剣で勝てない。
全国大会優勝者とはいえ女だろう?と思う人もいるかもしれないが、あまり箒を舐めない方がよい。

“ようつーべ”でこいつの試合を見たのは先述したとは思うが、それはまさに異次元であった。
剣道は確かに力やスピード、肉体的要素も必要だが、読みや攻め、効率的な肉体制御などの技術的要素が勝敗に大きく関わってくる。

女子の試合を男子が観るときはそこらへんが見所となるわけだが……箒は違うのだ。
まず力やスピードが男子並み、それに技術も一級のものを持っているのだから、チートも良いところである。なんとか制限時間まで二本は取られなかった、決勝の相手選手に、俺は思わず拍手を送ってしまったものだ。

中一で剣道部を退部になってから、暇を見て素振りをしている俺ではあるが、流石に箒には勝てる気がしなかった。

絶対にこいつは念やなにかを使っている、きっと強化系だ。そう思ってしまうほどの、強さなのである。


そんな体力お化けの箒は、ほかに何かを言えないか歯を食いしばるようにして考えていた。
そんなにこいつは俺が先輩と飯を食べるのが嫌なのだろうか……いや、なるほど。

「ごめんな箒」

「ん?」

箒は一転こちらを不思議そうな目でみた。

「あれだろ、俺と夕食が食えないのが、寂しいんだろ」

「べ、べつにそういうわけではっ!」

顔を真っ赤にして否定する。

「いやぁ、お前無愛想だし、人見知りだもんな。俺以外で飯を食べる相手がいないいんだろ?勝負が終わったらまた一緒に食べるから、それで勘弁――」

バン!

箒は残りのごはんを一瞬で片づけると、机に手を叩きつけるようにして立ち上がり、トレイをもっていってしまった。
物凄い怒気を感じた。去りゆく背中から阿修羅のようなオーラが立ち上っていた気がする。

また後で謝ろう。コンプレックスを刺激してしまったかもしれない。

(真実は人を傷つける、いつだって)

などと考えていたときだった。

「“あわよくば”ねぇ。世界で唯一の男性操縦者が隣で練習しているのに、それを無視して自分のことに集中できる人はいないと思うけどね、むしろ積極的に関わって交友関係を作ろうとするはずだ」

箒が行った直後、その空いたスペースへ人影が滑り込んだ。

「もちろんそれは君の方にも言える。一年だけでなく、どの学年も忙しいこの時期、自主練をするのは、よほど志が高いものに限られる。特に君は予約を取っているものの中でも、成績優秀な人を中心に声をかけているね。入学式は昨日だってのにどうやって情報を仕入れたのか」

薄いブルーのつなぎから胸元を覗かせ、首からは銀の十字架のアクセサリーを下げている。
長めではあるが、爽やかさを感じさせる金髪を後ろで一括りにし、その小奇麗に整った顔でこちらに微笑んでいた。

手には紙パックの飲み物が、外装には『どろり濃厚ライチジュース』と書かれている。

そして何より特徴的なのは、背が高く、引き締まった体の“男”であるということだ。

「なんにせよ、IS学園で成績優秀ということは、行く行く国や企業の重鎮となる可能性が非常に高いわけだ。そんな人と伝手を作ることは少なくとも損にはならない。ハハッ、そう考えると夕食を奢るってのも良い手だね。相手が許可を出しやすくなるだけではなく、親交を深めるのにも役立つ。なんというか細部まで気が行き届いていて抜け目がないね」

「……長台詞ご苦労。だがやめてくれ、そんなに俺は計算高くはない。たまたま練習をしようと思った結果、予約がいっぱいでそうするしかなかっただけだ」

「ふぅん、本人がそういうならいいんだけどね」

「で、誰だお前」

俺が警戒心も露わにそう言った。

「おっと、失礼。自己紹介がまだだったね、僕の名前はマウロ・アヴェスティーニ、ここの整備課の2年生さ。気軽にマロって呼んでくれ」

そう言いつつマロはこちらにウィンクをした。その見た目の優男ぶりに妙にはまっている。

「お前男だろ」

「僕は超絶優秀だからね、具体的には一人でIS組めるくらい。だから特例として“整備課のみ”立ち入りが許されているのさ。だから授業は受けてないよ。」

「つまり、IS学園にただ“超絶優秀なだけ”の男を入れることができるほどの、力を持っている国、または企業の人間ということだな」

「疑り深いな~、この学園に数人しかいない男同士、仲よくしようじゃないか」

(胡散臭ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ)

あまりの怪しさに逆に怪しく思えなくなってきた。たぶんそれが相手の狙い目である。

「まぁ確かに、君の言うことは的を射ているけどね」

「……ふぅ」

俺は残りの白米と卵焼きを咀嚼し飲み込むと、トレイを持ち、腰を浮かした。

「そうか、じゃぁなマロ、縁が合ったら――」

「待ちなよ、ちょっと話をするだけでいいから。整備課エースの力、来週までに欲しくない?」

「……」

ドスン、という音を立てて俺は再び腰を下ろした。

確かに整備課への伝手がない。アリーナで訓練することがただでさえ少ないほうである整備課のものが、この時期に自主練に励むわけはないのだ。

そしてセシリアに勝つには整備課の力が必要不可欠。
こいつ中々良いところを突いてきやがる。

「ありがとう。ということで僕がその勝負、全面協力してあげるよ」

「ったく、こういうのは代理人を通してくれなきゃホントは駄目なんだぜ?代わりにプライベートの質問は勘弁な」

今度は俺がウィンクを仕返す。正直無理をした、似合っている自信はまったく無い。

「で、話ってなんだ」

ごまかすようにマロを促す。

「君に興味があってね」

なにやら熱い視線を送ってきた。

ま、まぁそりゃあ世界唯一の男性操縦者だしな。そうだな、うん。

「この学園に俺に興味のない人間は多分いないぜ」

「ふふっ、まぁそうなんだけど、そんな君をウチとしては面接したくてね」

「スカウト、の間違いじゃないのか」

「あまり調子には乗らないほうがいいよ。ウチとしてもただ“ISが動かせる”だけの男を仲間に入れる気はないんだから」

ドヤ顔がうぜぇ。

「……ははっ」

だがしかし、つくづくツボを心得てやがる。まるで俺のことを以前から知っていたみたいだぜ。
セシリアに集中しないといけないのに、あまり余計なことに興奮させないでほしいものだ。
あと面接なら向こうからくんな。

「で、その“ウチ”とやらは俺に何を聞きたいんだ?」

「そういうだね……それじゃあ、君は今この世界に対してどう考えてる?」

面接にしても質問が大雑把すぎないだろうか?

「なんだそれ、俺に哲学でもしろってのか、それとも社会論か?」

「正確に言えば、この女尊男卑な世間の風潮に関してかな」

「なるほどねぇ……」

少しばかり目を瞑り黙考する。

女尊男卑、ISが現れてから急に語られるようになった言葉だ。

現在の軍事バランスというのは一重にISによって決定される。
であるため、各国はより優秀なIS操縦者を求めるため、女性優遇措置をいたる分野で施した。

TVでは優生学的見地から女性を持ち上げるコメンテーターも見受けられたりするようになり、国際IS委員会の最も過激な女尊主義者、メリル・T・ローズの著書『女の世界』はベストセラーを記録した。
簡単に言えば、流行りなのだ、女尊男卑とは。

「そうだな……まず言えるのが、嘘くさい」

「何がだい?」

「マスコミ連中の言うことが大げさなのは、当然のことだが、それにしたって限度がある。街中で急に男をパシリにする女が紹介されていたりするが、俺にはそれが当たり前になるほど世の中が傾いているとは到底思えないな。仮にあったとしても、ああいうのは流行りに乗って図にも乗った、自分の性別以外誇るところのないアホウの仕業だろうよ」

「ほほう、で?」

小気味の良い相槌だ。

「俺の中学は共学だったが、別に男が殊更見下されているような感じはなかったぞ。確かに見下す女と、見下される男は増えたと思う、でもそんなもの全体数からみれば誤差の範囲だ。それに対して今語られている風潮って、まるで男が完全に腑抜け切って、女に使役されているような言いぐさだろ?」

「まぁそうかもね」

「そもそもおかしくないか?いくらISが凄くても、コアは500もないわけで、いくら潜在的に扱える資格があろうともIS乗り以外が増長する理由には弱い。IS学園に入ってわかったが、IS乗りだってそこまであからさまに男を見下しているわけじゃない。確かに潜在的に見下しているような雰囲気を感じることはあるけど、それはどちらかというとIS乗り自体がエリートだからだろ」

そこで俺は一度言葉を切り、備え付けのポットからお茶をくみ、それを飲んだ。

「まだ違和感はある。白騎士事件から、女尊男卑という言葉が流行るまでが早すぎる。事件の後、世界が混乱してる中、すぐに出てきただろ?せめて世界の軍隊が一時解体されるまでのタイムラグはあってもよかったんじゃないか?男尊女卑の歴史が長く続いて、男女同権が叫ばれるという、ある種の下地としての反発力があったにしても、早い、早すぎる」

「ふんふん、他には?」

「あとその風潮に抗う論調が目立たなすぎる。」

「結構そういうのはTVでみたことあるけど?」

「あんなもんで済むわけないだろう。世界の半分を排斥するような話だ、もっと激しい抵抗があってもおかしくはない。それなのに実際は、単発的にそういうコメンテーターが散見されるだけだ」

「つまり結論は?」

「陰謀論なんてものは、痛々しくて嫌いなんだが、こうでも考えねぇと他にしっくりくるものが無いんでね。女尊男卑なんざ、誰かがそうしたいからできている風潮だと、俺は思っているよ」

キーンコーンカーンコーン
鐘が鳴った、時間切れだ。

「ありがとう。んじゃ対価の話だけど、整備課に僕は大抵いるからね。用があったらそこに来てくれ」

「あんがとさん。ところで、俺の面接はどうだったんだ?採用か?」

「ハハハッ、一つ質問に答えたぐらいで、その人のいったい何が分かると言うんだい?」

「おい」

軽く睨むが、マロは首を竦めただけで席を立った。
手を振りながら、食堂を出ていく。
食えないやつだ。

遅刻をすれば、確実に洒落にならない罰を受けるので、俺は急いでトレイを片づけ、教室へと急いだ。








一時間目が終わった。

山田先生はあのようななりだが、授業は丁寧で上手い。
ISの保護機能をブラジャーに喩えたりすることはあるが、俺はブラジャーには詳しいので問題はなかった。

「あっ。えっと、次の時間では空中におけるIS基本制動をやりますからね」

ここIS学園では実技と特別科目以外は基本全て担任が行うらしい。
まるで小学校に戻ったような気分である。

「ねぇねぇ、織斑くんさぁ!」
「はいはーい、質問しつもーん!」
「今日のお昼ヒマ?放課後ヒマ?夜ヒマ?」

昨日の様子見は終わりを告げたのか、山田先生と千冬姉が教室を出るなり、女子の半数がスタートダッシュ、俺の席に詰めかける。
出遅れるわけにはいかないと言わんばかりの勢いだ。

整理券を配っている女子もいる、しかも有料でだ。
あとで売り上げの半分を請求しようと思いつつ、俺は右へ左へ質問に答えていく。

「朝も一緒に食べてたけど、篠ノ之さんと仲いいの?」
「幼馴染だからな」
「千冬お姉さまって自宅ではどんな感じなの!?」
「それはまた今度、三授業分くらい使って語りつくしてやる」
「安価は絶対だよ織斑くん」
「おいまて何を知っている――」

パァンッ!

「休み時間は終わりだ。散れ」

くそ、聞きそびれた。あいつの名前は谷本だな、よし覚えたぞ。

「ところで織斑、お前のISだが準備まで時間がかかる」

「へ?」

「今自由に使える予備機がない。だから、少し待て。学園で専用機を用意するそうだ」

「マジか……」

俺が驚いていると、教室中がざわめいた。

「せ、専用機!?一年の、しかもこの時期に!?」
「つまりそれって政府からの支援が出てるってことで……」
「ああ~いいなぁ……。私も早く専用機欲しいなぁ」

専用機。それは全IS乗りの夢である。

篠ノ之束博士の作ったISコアは全部で467個。

それは博士以外に作れず、また博士自身はコアをこれ以上作ることを拒絶している。よって各国家、企業、組織、機関では、それぞれ割り振られたコアを使用して研究開発訓練を行っているのが現状だ。

ISコアには学習機能があるため、一人の操縦者が長く使えば使うほど、IS自身が形を変化させ、操縦者に合わせていく。
よって専用機を作るメリットはあるのだが、それでもよほど優秀な技能をもつものや、将来を期待されたもの以外、普通は与えられないものなのだ。

「本来なら、IS専用機は国家あるいは企業に所属する人間しか与えられない。が、お前の場合は状況が状況なので、データ収集を目的として専用機が用意されるようになった、理解できたか?」

なるほど。当然といえば、当然……なのか?

「さて、授業をはじめるぞ。山田先生、号令」

「は、はいっ!」

千冬姉に対して緊張しすぎである。






「安心しましたわ。まさか訓練機で対戦しようとは思っていなかったでしょうけど」

いや、実は超思ってました。

休み時間、早速俺の席にやってきたセシリアは、腰に手を当ててそう言った。

「まぁ?一応勝負は見えていますけど?さすがにフェアではありませんものね」

いやまず、どこら辺がフェアなのか教えてほしいがな。

俺がそう思いながら黙っていると、よく理解していないと思われたのか、セシリアは体を反らすようにして続ける。

「あら、ご存じないのね。いいですわ、庶民のあなたに教えて差し上げましょう。このわたくしセシリア・オルコットはイギリスの代表候補生……つまり、現時点で専用機を持っていますの」

「へー」

「……馬鹿にしてますの?」

「いや、すげーなと思っただけだけど。どうすげーのかは分からないが」

「それを一般的に馬鹿にしていると言うでしょう!?」

ババン!両手で机を叩かれた。あまりこちらに身を乗り出さないでほしい、縦ロールが顔に当たりそうでこそばゆい。

「……こほん。世界でISは467機。つまり、その中でも専用機をもつものは全人類六十億超の中でもエリート中のエリートなのですわ」

「世界人口は七十億超えたぞ」

「そこは重要ではないでしょう!?」

ババン!
楽しいなぁ、こいつ。などと俺が思っているとセシリアはさらにヒートアップしていく。

「あなた!本当に馬鹿にしていますの!?」

「イヤソンナコトハナイアルヨ」

「だったらなぜ片言なのかしら……?」

まぁ馬鹿にしているからなんだが。

「なんでだろうな、箒」

俺がそう振ると、切り裂くような視線がこちらへ飛んできた。まだ怒っているらしい。

「……そういえばあなた、篠ノ之博士の妹なんですってね」

セシリアが箒の方へと振り向きながら、そういうと

えええええええぇぇぇぇぇぇぇ!?
クラス中がどよめいた。また聞き耳を立てていたらしい。

「す、すごい!このクラスに有名人の身内が二人もいる!」
「ねぇねぇ、篠ノ之博士ってどんな人!?やっぱりマッドなの!?曹長なの!?」
「篠ノ之さんも天才だったりする!?今度ISの操縦教えてよっ」

箒の元にわらわらと人が集まる。

セシリアは自分の言葉がここまで大騒ぎを巻き起こすとは思わなかったらしく、その場で目をパチクリとしながら佇んでいる。
人見知りの箒にはつらい状況だろう、少し苦しむ様子を見てから助けてやろうと思った。

(あれ?そういえば、箒と束さんって仲よかっ――)
「あの人は関係ない!」

突然の大声。

俺も、セシリアも、教室中が一瞬固まった。
誰もが、何が起こったのか分からないという顔をしている。

「……大声を出してすまない。だが、私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もない」

そう言って箒は窓の外に顔を向けてしまう。
女子たちは盛り上がったところに冷や水を浴びせられた気分のようで、それぞれ困惑や不快を顔にして元の場所へ戻っていった。

(箒って束さんのこと嫌いなのか)

記憶を探るが、いまいち二人の関係を示すような手掛かりが出てこない。

「はい、皆さん次の授業を始めますよ~」

そう言いながら山田先生が教室に入ってきた。

「あ、あれ?皆さん何かあったんですか?」

その場に漂う妙な雰囲気を感じ取ったのか、山田先生は気まずげに教室を見渡す。
しかし誰も答えないので、山田先生は戸惑いながらも、そのまま授業を始めた。

まず空気を明るくするためか、おもしろげな雑談から入る。
生徒と言葉を交わすように語り、クラスに活気を取り戻した。
いい先生である。

(あとで箒をフォローしなきゃな)

高校生活開幕逆噴射を決めた感のある友人を思いながら、教科書を開いた。







朝昼を箒やクラスメイトと、放課後はアリーナで特訓の後、夕食は先輩方ととる、その後はまた時間いっぱいまで特訓をして帰り、授業の予習復習をして就寝。
そんな受験期にすらしなかったハードスケジュールをこなし、時は早くも決戦前夜。

今は箒と、部屋のベッドに座りながら、お茶を飲んでいた。

IS学園の寮の部屋は、高級ホテルの一室のような趣で、シャワーや簡単なキッチンはあれど、その部屋だけで生活するようには作られていない。
当然といえば当然な話だが、そのため机が欲しくなると、折り畳み式のものをベッドとベッドの間のスペースに備え付けなければならない。

和室に、夏は布団を外せる掘り炬燵、あとは敷布団、というのが俺の希望ではあるが、海外出身が多いこのIS学園では叶えられない望みなのだろう、世知辛い。

「で、勝てるのか?」

唐突に、対面の箒が尋ねてきた。

「ん?なにがだ?」

ベッドの背もたれとは逆の壁に備え付けられた薄型TVを見ながら、俺は答えた。

『――回モンドクロッソの開催地について――』
『――選出した後、全加盟国による投票を――』
今はニュース番組の時間で、IS国際委員へのインタビューが流されている。

「惚けるな、明日のセシリアとの戦いだ」

「勝てるよ」

「……妙に自信ありげだな」

「ここまで来たらそういうしかないだろ、できることは精一杯やった、それなら後は勝の目を信じるだけだ。それに見ただろう?俺の特訓の成果を」

今日の特訓の終わりごろに箒も見に来てくれたのだ。

「あれのなにが成果だ!お前が私にやって見せたのは、西部のガンマンごっこや、衝撃のふぁーすとぶりっと、とやらのふざけたものばかりではないか!」

「そういえばそうだっけか」

西部のガンマンごっことは、素の状態からアサルトライフルを瞬時展開し、的を撃ちぬくというもの。
両手を腰だめにするのがポイントだ。

衝撃のファーストブリットは、右ブースターと右腕だけを部分展開し、的を殴りぬけるというもの。
的に到達する前に一回転するのがポイントだ。

……そうか、確かにそんなものばかりやっていた気がする。人に見られているとふざけたくなるのは俺の悪い癖である、自省しなければ。

「まぁ大丈夫だ」

「……言っておくがセシリアは強いぞ」

「ああ、だがあいつは俺を舐めてるからな」

「それだけで勝てる理由にはならんだろう」

「なるさ」

俺は茶碗の中身を一気に飲み干し、その茶碗を右人差し指の上に乗っけた。

「勝負事ってのは、支点を見極めるのが重要なんだよ」

左手で茶碗を支えながら、指を底に這わせていく。

「支点に近いところで力を加えてやれば、簡単に流れはこちらに傾く」

みつけた重心を支え、左手を離した。

「セシリアは何も見ていない、見る気がない。力任せでなんとかなると思っている。
だから俺に勝の目があるんだ」

そういいながら箒を見ると、指の上でバランスを保つ茶碗を、ジトリとした目で睨んでいた。

「それ私が持ってきた茶碗なんだが」

……
そっと左手で茶碗を持ち上げ、机に置いた。

寝るか。







蛇足っぽい話

マロは食堂を出ると人気のないところに移動し、携帯を取り出した。
電話帳から、目的の人物を探し出し、通話ボタンをプッシュする。

――Prrrrrrrr――Prrrrrrrrr――
ブッ

『なんの用だ?』

「いえ、一夏くんと接触したんで、報告しとこうかなと」

『どうだった?世界初の男性操縦者は』

「悪くなかったですね。あんなことをしているものだから、周囲に流されるままの人間かなと思っていましたが、あれでどうして色々考えている様子。スカウトして問題ないと思いますよ」

『そうか、質問の方はどうだった?』

「いい感じでした。言っている内容自体は、三流アナクロ雑誌を読めば出てくるようなものでしたが、この本人にとってはどうでもいい“面接”で、ああいう説を自分が納得できるからという理由で提示できるのは、ボスの好みだと思います」

『そうか、お前自身の感想はどうだ』

「いい男ですね。魅力的だ」

『そうか、ではあっちの方も期待が出来るな。どこまで入れ込むかはこれから次第だが、友好関係は作っておくに損はないだろう』

「せいぜい仲よくさせてもらいますよ、もちろんプライベートでね」

そういうとマロは電話を切り、もう一度グルリと周囲を見渡した後、再び歩き出した。







------------------------
今回のオリ設定という名の妄想、というコーナーもとい質問の先周り


・ワンサマーの授業風景
あれすごいモッコリすると思うんですよねISスーツ。でもアニメ見るとそこまでではないので、作者の中で原作一夏は短小説が浮上中。

・谷本さん
原作にいますよ、よく探せば。

・マウロ・“アヴェ”スティーニ
ヒロイン達による一夏争奪戦に新たなる敵が……!?アーッ
これからも男のオリキャラが増えます、たまに。

・セシリアなんで箒のこと知ってんの?
代表候補生なら知っててもおかしくないな、ということで

・メリル・T・ローズ『女の世界』
メリルさん「こともあろうに……男が……我が女の世界に……入門してくるとは……WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!」

・ローゼスビット
BT兵器ってガンダムで言うビット兵器ですよね?
作者はGガンしか見ていないんでよく分からないんですが、ガンダムはあのイメージでおk?

・女尊男卑の世界
奴隷とか言ってるわりにIS学園での一夏へのあたりは良いですよね。IS467機程度でそこまで行くか?という作者の疑問を強引に辻褄あわせ(妄想)するとこうなりました。

「女尊男卑は全部誰かが仕組んだことだったんだよ!」
「な、なんだってーー!!」




[31303] 「ハンデをやると言っただろう」
Name: ウィンター小次郎◆81fc9858 ID:581ce14c
Date: 2012/04/04 05:21
「……それは何の真似ですの」

「ハンデをやると言っただろう」

IS学園第三アリーナ。

直径200メートルのグラウンドを、ぐるりと楕円に囲むような形状で観客席やISの出撃ピットが取り囲んでいた。
開け放たれた天井からは春先特有の柔らかい陽射しが降り注いでいる。
風はない、事故防止のためのシールドバリアーに囲まれているためだ。
観客席には、1-1の生徒はもちろんのこと、他クラスの生徒や、二三年の先輩も多く存在していた。
世界唯一の男性操縦者VSイギリス代表候補生というIS学園屈指の好カードに興味をそそられたのであろう。

そんなアリーナの中心、二機のISが対峙していた。

宙を浮かぶ、青と白。

青い方のISには、いつものように金髪の縦ロールを靡かせたセシリアがおさまっていた。
だがよく見てみると、その様子はおかしい。
常日頃は余裕のある微笑が浮かぶ、その端整な顔立ちは、今は怒りに歪んでいた。

「もう一度確認しておきましょう。
あなたの相手はイギリス代表候補生、このわたくしセシリア・オルコットですのよ。
ただでさえあなたに勝ち目などない戦いに――」

セシリアは、目の前で人を小馬鹿にするような笑みを浮かべている一夏を睨みつける。

「――よりにもよって訓練機で挑もうとするなんて!」

そう、イギリス第三世代型ISブルーティアーズ“蒼い雫”に対するは、フランス第二世代型ISラファール・リヴァイヴ“疾風の再誕”、まぎれもない訓練機であった。

セシリアの激昂に対し、一夏はさらに笑みを大きくする。

「俺の専用機デビュー戦には、お前じゃ役者不足なんでな」

クククッ、と声を上げ哂いさらに挑発する。
セシリアの、これまでとは比べ物にならないほどの怒気を感じながら、一夏はつい先ほどのことを脳裏に思い浮かべていた。








「なぁ一夏」

「なんだ」

「気のせいでなければ、お前の専用機の姿がどこにも見えないのだが」

「俺もだ」

「“俺もだ”じゃないだろ!もう試合は始まるんだぞ!」

「来なかったら来なかったでいいさ、ちゃんと訓練機借りてあるし、調整も済ませてるし」

決闘直前、俺と箒はアリーナとAピットに居た。

学園が用意すると言った俺の専用機だが、先の発言の通り今なお届いていなかった。
問題はないのだが直前まで粘ろうと、武装のみ入れ替えられるよう、所有者権限によるアンロックの手順を学んできただけに、肩透かし感が否めない。
まぁそもそも専用機が来たとしても、使うかどうかは分からない。
ぶっつけ本番になるわけだから、よほどスペックが良くない限り、使わないつもりだ。
特に機動力がなかったりした場合は致命的、即却下である。
どちらにせよ来なければ、何の意味もない話なのだが。
アリーナを映すモニターにセシリアの姿が現れ、諦めて訓練機を展開しようとした時

「お、織斑君、織斑君、織斑君!」

山田先生が駆け足でピットに入ってきた。
本気で転びそうで見ているこちらがハラハラする。
何故だろうか、やはりその胸部の重りのせいで、身体バランスが崩れているのだろうか。
俺の元まで辿り着いた山田先生は、息も絶え絶えに何かを言おうとしていた。

「山田先生落ち着いてください、はい深呼吸。ひっひふー、ひっひっふー」

「ひっひっふー、ひっひふー、ってこれはラマーズ呼吸法じゃないですか!」

ノリツッコミ、さすがはIS学園の教師ということか。
以上ここまでテンプレ。

「で、どうしたんですか、妊娠でもしましたか?」

「それはもういいです!そんなことより来ましたよ、織斑君の専用機が!」
ギリギリにもほどがあるのではないだろうか?

「織斑、すぐに準備をしろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番でものにしろ」

そう言いながら、千冬姉がピットに入ってきた。
使うとしても、ファーストシフトぐらいは待ってほしいのだが、叶わぬ願いなのだろう。

「この程度の障害、男子たるもの軽く乗り越えてみせろ。一夏」

そう千冬姉に言われてしまうと、もはや乗り越えるしかない。

ごごんっ、と鈍い音がして、ピット搬入口が開く。斜めに噛み合うタイプの防壁扉は、重い駆動音を響かせながらゆっくりとその向こう側を晒していく。


――そこに、『白』が、いた。


飾り気もなく、また同時に曇りもない、眩しいほどの輝きを感じる純白。
天衣もかくやというほどの神々しさを持つそのISは、装甲を解放してその繰り手を求めていた。

「これが……」

「はい!織斑くんの専用IS『白式』です!」

金属的で、無機質な煌めきを放つそれは、けれども俺を待っているように見えた。
そう、こうなることをずっと前から待っていたように。この時を、ただこの時を。

直感的に理解する。

これは……俺の、俺だけのIS。

「体を動かせ。すぐに装着をしろ。時間がないからフォーマットとフィッティングは実戦でやれ。できなければ負けるだけだ。わかったな」

促されるまでもなく、俺は吸い込まれるように、その純白のISに触れた。
IS初体験の時に感じた、小さい穴に無理やり捻じ込むような感覚はない。
ただただ、馴染んだ。これが何なのか、何のためにあるのか、どれほどの名機なのか。
それが分かる。

基本動作――非常に簡易。

機体状況――当然オールグリーン

センサー精度――訓練機などとは比べ物にならないほど良好。

出力限界――おそらくは現行機の頂。

現在の装備――近接ブレード一本。

ん? あれ?
途端に興奮が冷めた。
静かに事実を確認する。

現在の装備――近接ブレード一本
機体特性――近接戦闘超特化型
拡張領域――なし

「……………………………………………………」

俺はそっと白式から手を離した。
天女は身持ちが固かったようだ。

そのまま俺は身を翻し、ピット・ゲートへ進み、ラファール・リヴァイヴを展開。
豊富な拡張領域、多様性役割切り替えが可能な汎用性、なにより、操作が現行機の中で最も簡易である、第二世代の傑作機。
白のカラーリングを施し、様々なカスタムを終えた、この勝負専用の特注品だ。
ISのハイパーセンサーと自身の知覚がリンクし、視界が一気に広がる。
世界が一新されるこの感覚は何度経験しても、気持ちの良いものであった。

「え、え?」

山田先生が当惑したような声を出す。

「いいのか、それで」

千冬姉いつもと同じような調子で確認をする。

「戦場には一番手に馴染んだものを持ってきたいんでね」

背を向けたまま答えた。
(安価のせいで使えないなんて絶対に言えねぇ……)
もしバレれば頭蓋骨が陥没するまで殴られること必須だった。

「そうか、お前がそう言うのならいいのだろう、行ってこい」

意識を千冬姉に集中すると、微妙な声の震えを知覚した。弟の初陣ということで、なんだかんだで心配してくれているらしい。弟冥利につきる。
今度は箒のほうを意識する。
何か言いたそうな、けれど言葉を迷っているような、そういう表情をしていた。

(まったく、口下手さんめ)

「箒」

「な、なんだ」

「行ってくる」

「あ……ああ。勝ってこい」

「もちろんだ!」

そういって俺はアリーナへと飛び出していった。





鮮やかな青色の機体『ブルー・ティアーズ』。
その外見は、特徴的なフィン・アーマーを四枚背に備え付け、従者を伴った王国騎士のような気高さを感じさせる。
それを駆るセシリアの手には二メートルを超す長大な銃器、六七口径特殊レーザーライフルが握られていた。
ISは宇宙空間での活動を前提条件としているだけあり、原則空中に浮いている上、その強大な膂力により身の丈を超える武器を扱うことは珍しくない。このレーザーライフルもまたその一例であった。
その銃口はまだこちらに向けられてはいないが、既に試合開始の鐘は鳴っているため、いつ引き金が引かれてもおかしくはなかった。
対する一夏は一見手ぶらなようで、両手を腰に当てたまま対峙している。

「もう謝っても許しませんわ」

セシリアは怒りを無理やり飲み込み、一夏に語りかけた。

「はぁ?」

「いい加減、常識を知らない猿の相手は疲れたと言いましたの」

「ふーん、で?」

「お別れですわ!」

セシリアが銃口を敵に向け、撃とうとした。
しかし

「きゃあっ」

爆発音
ブルー・ティアーズにグレネードが直撃した。
直撃をくらったセシリアの右大腿部の装甲が中破する。
もちろんそんなことが出来るのは、この場に一夏を置いて他にはいない。
右手に持つ単発式のグレネードランチャーから煙をくゆらせながら、一夏は笑みを深める。
その後すぐさま、ランチャーを捨て、両手に六二口径連装ショットガンを呼び出し、弾丸をばら撒く。
しかしそれはすぐさま動揺から回復したセシリアに避けられてしまった。

(ちっ、だが最低限の目標は達した)

この勝負に一夏が用意した作戦の一つ“開幕グレネード”。
隙を見せたまま、セシリアを挑発すれば、高い確率で最も攻撃力の高い武器、つまりはレーザーライフルを撃ってくる。そして撃つ瞬間セシリアの動きは止まり、一夏でも楽にグレネードを当てられるという寸法だ。
もちろんそのためにはセシリアよりも早く撃つ必要がある。
では武器すら構えていなかった一夏がどうやってそれを成し遂げたのか。
それは腰裏に取り付けたホルスターに、グレネードランチャーを初めから挿しておいたのだ。
一回限り、一発限りの裏技である。
ここに一夏がこの一週間で手に入れたドローテクニックと、セシリアの一見無手の相手に対する無警戒が加われば、代表候補生に早撃ちで勝つという無茶が成立するのだ。

(なんにせよ、これで先行した。あとは上手く逃げ切るだけだ)

「っ!調子に乗って!」

ショットガンの連射を躱しながら、ついにセシリアがそのピット兵器を繰り出してきた。
一夏は身を捻り、躱そうとするが

「ぐっ」

四機のうち一機の攻撃をくらい、体勢を崩す。
幸いバリアーは突破されてはいないため、絶対防御が発動し、大きくシールドエネルギーを削られることにはならなかった。
だがセシリアはその様を見て、ようやくその表情に笑みが戻った。

「さぁ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲で!」

「足踏まれねぇよう気をつけな!」

セシリアのレーザー、一夏の実弾。苛烈な射撃戦がここに始まった。





十五分ほどたった後。
アリーナでは今だ試合は続いていた。

「はぁぁ……凄いですね、織斑くん」

山田先生が、感嘆の溜息とともにそう漏らした。
現在、1-A組担当コンビはピットでリアルタイムモニターを見ていた。
これは二人のISとも接続されていて、各機体の残りシールドエネルギー残量も表示されるものだ。

織斑一夏は善戦していた。
セシリアとの距離をできるだけ狭めるように動き、両手に持ったショットガンで弾幕を張ることで、命中率の無さを数でカバーする。
セシリアのBT兵器使用による本体動作の鈍りを狙い撃ち、またそのBT兵器の攻撃自体は“特殊”な機動を持って対処していた。
特に注目すべきは、致命的なダメージに繋がる本体のレーザーライフルによる攻撃を、全て躱していることだ。
一夏の戦いには拙いながらも、ぬかりない研究と訓練による確かな実力が感じられた。
少なくとも、一週間前までずぶの素人だとはとても思えないような戦い振りだった。

「だが、このまま行けばオルコットが勝つ」
「っく、一夏……!」

千冬のあくまで現実に沿った言に、箒は拳を握りしめた。

千冬の言うとおり、試合自体はセシリアが優勢であった。
開幕グレネードにより絶対防御を発動させ、シールドエネルギー残量において大きく突き放した一夏であったが、その差も既に消えようとしている。
何より致命的なのが、距離の問題で、当初大分近かった二機の間合いはジリジリと広がり、あと少しでセシリアの得意な中距離戦闘領域に入ってしまうところだ。
そうなればもう距離を詰めることは滅多なことがないかぎり難しくなり、さらにショットガンの有効範囲から外れ、射撃の実力の劣る一夏の攻撃がさらに命中し辛くなってしまう。
そう、試合の流れは明らかに一方に傾いていた。

しかし
(それでもまだ、あいつの目は“勝利”を見据えている……)
なら私はそれを信じ応援するだけだ、そう心の中で呟きながら箒はモニターを強く見つめていた。







“蒼い雫”まさにその名を表す通り、青く輝く閃光が一夏目がけて降り注いでいた。
それを右へ左へ、時折フェイントを交えながら避け、またセシリア目がけ先程持ち替えた両手のへヴィマシンガンで弾をばら撒く。
そしてまた迫りくる閃光を躱す。
段々体の近くを掠めるようになり、次の一撃は避けられないと思われたそのとき。

ズガガガガガガガッ。
マシンガン特有の激しい発砲音を響かせながら、リヴァイヴがセシリアの予想を上回る機動を見せた。
先程まで一夏が居た空間をレーザービームが切り裂く。

「っく、またそれですの。無駄な足掻きはやめておとなしくしなさい!」

「はーはっは!当ててみろや!」

対ブルー・ティアーズの作戦その二“反動回避”
セシリアの射撃技術は一流である。こちらの動きの先を読み、適格な偏差射撃で敵を打ち抜く。
未だISに慣れ切っていない一夏には、それを完璧に躱し続けることができる複雑な回避軌道は出来ない。
いずれは逃げられない状況まで追い詰められ、キツイ一撃を食らうこと必須である。
そこで考え出したのが、この反動回避。
射撃を行う時、ISはその反動を抑えるために、空中で踏ん張る必要がある。
これは本来ISのほうが自動でやってくれることなのだが、そこであえてその機能を切った場合はどうなるか?
当然その反動のおもむくままにISは吹き飛ばされる。
これにより、セシリアの予想外の軌道をなすことができ、BT兵器による五月雨のような射撃を躱すことができるのだ。

だがしかし、この案には同時に大きな問題もあった。
(ち、また弾を無駄にした)
そう、射撃というのは銃の反動を抑えてこそ狙い撃つことができるものなのだ。
反動抑止機能を切っている間は、絶対にこちらの射撃が当たらない。
ポイントを絞って躱そうにも、銃弾だって有限である。
いくら基本装備を全て取り除き、必要な数種の装備以外のスペースに、大量の弾をぶち込んでいようとも、もとの戦法からして数撃ちゃ当たるというものなので、回避ばかりに使ってはいられないのだ。

ズガンッ

リヴァイヴに衝撃が走る、背後からの一撃を避け損ね、またシールドエネルギー残量を示す数値が減っていく。
そしてまた回避も完璧にできるというわけではない。

「痛いだろボケェ!」

「知ったこっちゃありませんわ!」

ひたすら避け、たまに当たる弾幕射撃を繰り出しながら、一夏はその時を待つ。
そして

(今だ!)

セシリアがビットのうち一機を、エネルギー補給のために戻し、青光の密度が薄くなった瞬間を狙い、一夏は銃撃を集中させた。ブルー・ティアーズのシールドエネルギーに実弾が食らいつく。

「っくぅ」

それと同時に他のビット兵器からの一撃が一夏を襲う。
他のピットへの注意が疎かになったところをセシリアも見逃さなかった。

「いたっ!ああもう、ちまちま戻してないで、全機一緒にやれよ!」

もちろんその願いをセシリアが受け入れることはない。
絶え間ないセシリアの攻撃に回避行動をとりながら、先程より幾分か遠くなった敵機をみて、一夏は内心舌打ちをした。

距離はそのまま勝算にあたる。
遠くなれば遠くなるほど一夏の射撃は当たらなくなる、対してBT兵器はその性質上、セシリア本体の距離は命中率に影響をほぼ与えないので問題はない。
セシリアもそれを当然理解しているため、一夏を突き放すように戦闘を組み立てていた。

(当初のシールドエネルギー差はもうない、あとは俺がどれほど我慢し、相手を削りきれるかだ)

一夏は一瞬たりとも気の抜けない戦場を飛び回る。
まだ隠し手を残し、余裕の表情で敵を追いつめるセシリア。
ルーキーの予想外の奮闘に、応援の声を張り上げる観客。
煌めく閃光、唸る銃弾。
アリーナは季節外れの熱気に包まれていた。





「――二十七分。持った方ですわね。褒めて差し上げますわ」

「それは私のセリフですわ!それとその中途半端に似ている物まねはやめてくださる!」

シールドエネルギーの残量102。
ほぼ地上に接するように浮かぶ一夏と、天高く屹立するセシリア。
限界まで間合いを広げられた形だ。
ヘビィマシンガンの残弾もほぼ無い、絶対絶命と言ったところか。

「まぁ、確かにあなたはよく頑張りましたくわ、私のシールドエネルギーをここまで削るものはそうそういませんことよ」

セシリアのシールドエネルギー残量は198。
もはや自らの勝利を確信したのだろう。
だからこそ、このようなお喋りに興じている。
対する一夏も、一端両腕を下ろしていた。

「ふぅん、IS乗りって案外大したことないんだな」

「最後まで口が減らない男ですわね」

一夏の軽口にも余裕を持った反応を返した。

(さて、そろそろ決めなきゃならないな、勝つか、負けるか)

当初のプランではグレネードで作った差を活かし、どうにかここまでで削りきる予定であったが、やはり相手は代表候補生。
突拍子のない動きで動揺を誘おうとしても、上手く対応されここまで追い詰められた。
問題は、ここからだ。

「まぁそのくらいの実力があれば、全ての男の代表を名乗ってもかまわなくてよ。このセシリア・オルコットが認めてあげましょう」

その好意的な台詞とは裏腹に、その視線には男への蔑みの意が感じられる。
一夏の遥か頭上に位置するセシリアは、その高度差、実力差、性差、それらを所以にまさしく“見下していた”。

(なるほど、見た目との合致ぶりに気にしていなかったが、まさにこいつは“今風”の人間なんだな)

しかしここまで強く表に出たのは、散々一夏が煽ったことせいでもあるだろう。

(というか、それが大きいだろ。すまんな全世界の男性諸君。俺のせいで一人の美少女の男嫌いを加速させてしまったようだ)

と責任を感じつつも、一夏の目は爛々と輝きを増していた。
見下されれば見下されるほど興奮する男、織斑一夏。
最後の一押しがいまなされ、腹が決まったということだろう。

「せっかくのところ悪いが、男の代表なんてものは辞退させてもらうぜ」

「どうしてですの?」

「それこそ役者不足だ。ISのせいで今はちょっと凹んでるかもしれないが、男ってのは暴れたくて暴れたくて仕方がない馬鹿ばっかりだからな、そのうち世の野郎共のバイタリティは爆発するぜ。そんなもんの代表なんざごめんこうむる」

「ふん、そうですの、ではそろそろお喋りもお終いにしましょう、長くなりすぎましたわ」

セシリアはそう言うと、一夏を斜め上から取り囲むようにビットを動かし、自身のレーザーライフルを構えた。
そしてすぐさま、射撃を命令する。
再び、戦場は閃光に切り裂かれた。
一夏は地を滑るようにして躱す。

一発。

二発。

三発。

四発。

追いすがるセシリアのレーザービームをも躱し、回避成功と思われたその時

「これでフィナーレですわ!」

今まで一度も使用しなかった二機のビットが動き、ミサイルを発射した。
一夏を追尾し、迫るミサイル。
次の瞬間、ラファール・リヴァイヴが爆炎に包まれた。





(やりましたわ!)

だがそこでセシリアは気付いた。

(これは、どういうことですの?煙の量が……?)

一夏を包んだ爆炎は、いつまでたっても晴れることはなく、それどころかアリーナを包むシールドエネルギーの天井まで立ち上っていた。

(くっ、またくだらない小細工を)

普段は使用しない、非光学的ISセンサーを起動しようとした。
しかしその起動を待つまでもなく、煙から影が飛び出した。

その数は――六つ。

煙を纏いセシリアへ弧を描くように飛ぶ、それら全てからIS反応がでる。

「いいでしょう、全て叩き落として差し上げますわ!」

BT兵器六機全てを動かし、その影達に向かってレーザーを叩き込んだ。
爆炎の数がさらに六つ増えたその瞬間だった。
セシリアのハイパーセンサーが、地表を見下ろす自身の背後に人影を捉える。
狙いは読めたとばかりに振り返り、レーザーライフルを向けようとし――

「いいのかセシリア?」

――それに気づく。

なぜ?

なぜ?こいつは?


ISを纏っていないのだ!?


俺が死ぬぜ・・・・・っ!」

セシリアがしたミスは三つ
BT兵器六機の同時制御には集中が必要で、ISを静止させてしまったこと。
さらにこの事態に驚くあまり、動き自体を完全に止めてしまったこと。
そして最後に……この状況に至って、いまだ一夏の狙いが読めなかったこと。

自由落下を続ける一夏はセシリアのすぐ近くまで迫っていた。
そこで一夏は、後部スラスター翼や右腕部装甲、残弾が数発のみのマシンガンを部分展開。
もちろんその程度では、残りのセシリアのシールドエネルギーを削りきることはできない。
だが一夏の表情には勝利を確信した笑みが浮かんでいる。
スラスターを軽く動かし、位置を調整する。

――ISバトルの勝利条件とは何であろうか

ブルー・ティアーズの装甲を掠めるような落下軌道。

――シールドエネルギーを零にすることだろうか、いや厳密には違う

二機がすれ違うその瞬間。

――それは相手を戦闘継続が不可能な状態にすることである

銃口がセシリアの顎先に押し当てられ

「弾けろ、ブリタニアッ!!」

引き金を引かれた。
ズガンッという発砲音、それとほぼ同時にISのシールドエネルギーと衝突し、それをぶち破る音がする。
絶対防御が発動し、弾丸は受け止められたものの、その推進力全てを殺すことは出来ず、セシリアの顎先に殴るような衝撃が走りぬける。
その衝撃はそのまま頭部を駆け巡り、脳を揺らし、セシリアの意識を刈り取った。

――操縦者の状態が危険領域に突入。救命領域対応を発動します。

ブルー・ティアーズは地面に向かって下降し、着陸、絶対防御を発動した。
一方の一夏は、射撃後すぐにISを完全に展開し、空に浮かび上がっていた。
勝敗は決した。





『し、試合終了。勝者、織斑一夏?』

ナレーションがどこか戸惑ったようにそう宣言した。
一夏は腕を組み、仁王立ちをする。

「作戦その三“お前に、俺は、殺せない by伝説の傭兵”。
ふぅ、勝利とは存外むなしいものだな」

溜息をつきながらそうオープンチャンネルで呟く。
一瞬間をおいて

『『ひ、卑怯だーーーーーーー!!』』

アリーナに喚声が響き渡った。
それに対し一夏はガイナ立ちのまま高笑いをする。

「ふーはっはっはっは、我ながら見事なまでの大逆転勝利といったところか。セシリアには気の毒だが――」

『織斑一夏、ISを収納後、すぐに私のところに来い』

その千冬の声に一夏はビシリッと固まった。
隠しきれないほど顔が引きつり、テンションが急降下していく。

(あ、死んだ)

当事者のみならず、それを聞いたもの全員がそう思ったそうだ。








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初めての戦闘描写なので、何かアレなところがあるかもしれません。
何かあれば、アドバイスお願いします。


今回のオリ設定という名の妄想、というコーナーもとい質問の先周り。

・反動回避
反動抑止機能を切ったりやったりして、変な機動をする技術。
原作では白式の異常な機動力で躱していたようなので、リヴァイヴならこんくらいやんなきゃだめだろうということで。でも初期設定であれだけ躱せたんだから、一週間使いまくった機体なら結構一夏くんは躱せそうだと思ったり。

・お前に、俺は、殺せない
スネェェェェェェェェェェク!
アニメ版のラウラ戦では、ワイヤーブレードで首を絞めてたらなんか酢豚とちょろリズムさんが苦しそうだったので、そのまま絞め落とせば楽なんじゃね?と思いから出たアイデア。まぁ一夏殺したら、ちょろいさんは色々やばいですからね、精神的にも社会的にも。
リヴァイヴで勝つにはこんくらいやんなきゃだめだろうということで。
リヴァイヴ舐めすぎ?

・勝利条件
ISはスポーツらしいですけど、本音はみんな兵器だと思っているので、ルールはこんくらい荒々しいと思うんですよね。操縦者が気を失って止まった機体に、マシンガン掃射して、シールドエネルギー0、勝った、第三部完!みたいな感じにしてもよかったのですが、あまりにも絵面が悪いのでこうなりました。

・試合中にISしまうなボケェ
次回

誰か空戦に詳しい人に教えてもらいたいのですが、一零停止とか特殊無反動旋回とか三次元躍動旋回とかISオリ用語ですか?一応漢字から内容を妄想していたりするんですが、どうなんでしょう?

皆様感想ありがとうございまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああす!!!



[31303] 「ごめんなさい」
Name: ウィンター小次郎◆81fc9858 ID:581ce14c
Date: 2012/04/16 16:32
ピットに戻ると、千冬姉が一人黙して佇んでいた。
空間の四方を覆う金属的な壁面も相まって、ピット内の気温は異様に低く感じた。
千冬姉は腕を組み、目を瞑っている。
これが嵐の前の静けさというやつだろうか……

ISを解除し、恐る恐る千冬姉のもとへ行った。
一歩分くらいの間を開けて向かい合う。
千冬姉は沈黙を保ったままである。そのため余計なことばかりに想像がいってしまい、非常に心臓に悪い状況だった。

「あの、ちふ――!?」

気まずい静寂を打ち破ろうと口を開いた時、唐突に千冬姉の右腕が動き、俺の頭を掴み押し下げた。
俺の体は今直角に曲がり、地面と上半身が平行になっている。
命名、マジでごめんなさいのポーズ。

「どうしてあんなことをした」

千冬姉が落ち着いた口調で問いかけてくる。

「は、反則ではないし……」

そう試合中の“搭乗者本人による”IS解除は反則ではない。
シールドエネルギーを0にした後、なおも攻撃を加えた場合、ISが強制解除されることはあるが、それはしっかり規定違反となる。
しかし実際は、そうなる前に審判による警告がなされるので、それさえも形骸化している条文だ。

確かに俺がした戦法も、審判からの警告がなされ、それに従わなかった場合は失格になるだろうが、そのようなことをする時間を与えなかったため問題はない。
まぁ一言でいえば、そんな馬鹿に対応したルールを一々作っていないというわけであろう。
これが公式試合だったならば、再審議という形で違反を取られるかもしれないが、これはあくまで野試合だ、それが功を奏したということだろう。

「そうじゃないだろう、私の言いたいことがわからないか?」
「うっ……」

分かる。千冬姉は命を失う危険を冒したことを怒っている。
予想はしていた、だからこそ敗北直前まで躊躇った。
心配をかけさせるだろうことは分かっていた。

「私を一人にするつもりか」
「そんなんじゃない!あれは俺なりに――」
「すまない、これは卑怯な言い方だったな。
お前なりに精一杯努力し、それでもなお届かず、仕方がなく最後の手段に出たというのは理解している。
だが一夏、お前があそこまでする理由がこの勝負にあったのか?」
「り、理由は、その」
「確かにクラス代表になれば、実戦経験は増える。
だがそれは一般性と比べ年に数回多いだけだ。代表にならなくとも、十分に強くなることはできる。
その上まだお前はずぶの素人もいいところだ、そう焦る必要もない」
「……」
「男子たるもの命を懸けてなさねばならないことはあるだろう。
私もその時は止めるつもりはない。だが、今回は違うだろう?」

俺の頭を掴む千冬姉の手から微かな震えが感じられたような気がした。
(思った以上に……これは……)
賭けには十中八九勝てると思っていたし、危険も実質的にはそれほどないと考えていた。
だが見ている人の気持ちに関しては最終的に目を反らした。
これはもう何が悪いとかそういう問題ではなく謝るべきことなのだろう。

「ごめんなさい」

というわけで元々低かった頭をさらに下げた。
千冬姉はふぅと溜息を一つ吐くと、手を離す。
頭は……上げなかった。

「もしこれからそういう危険を冒すのなら、
少しぐらいは私の存在を意識してほしい。まぁこれは私のわがままだがな」
「そんなことはない。当然の義務だよ。約束する」

それからしばらくの間ピットは静寂に包まれていた。





(さてと、ある意味本番なのは次だ。上手くやらねばなるまい)

ピットを出て、ISスーツから制服に着替えた俺は、そのまま保健室へと向かった。

「失礼しまーす」

扉を開け中に入る。
するとそこには保険医はおらず、あの戦闘の後念のため搬送されたセシリアが、ベッドの上にいた。恰好はISスーツのままだ。
俺が入ってきたのを見てセシリアは少し顔を顰めると、寝ていた体を起こす。
敗北した手前、いつもの調子で話すことができないのだろう、複雑そうな顔で、数瞬戸惑った様子を見せた後、口を開いた。

「な、なんですの。敗者を嘲りにでもきたのかしら?」
「いやちょっと見舞いにな」

ベッド脇の小さな丸椅子に腰かける。

「覚えてるかセシリア、賭けのこと」

俺がそういうと、ビクリと身を震わせた。
どんな極悪な命令がくると思っているのだろうか、ひどい焦り様が見て取れた。

「約束通りなんでもきいてもらおう、まずは――」

そこで言葉を止めると、セシリアはごくりと喉を鳴らす。

「――俺と友達になってくれ」

それは予想外の命令だったのだろう、呆気にとられた顔で俺の言葉をもう一度噛み砕き、その意味を理解すると、セシリアは目尻を吊り上げ、語気を荒げた。

「勝負に勝ったから、格付けが済んだから、格下のものに情けをかける、そういうことですの?」

昨日の敵は今日の友達という法則をどうやら知らないらしい。

「邪推にもほどがあるな。
お前がどんな命令を下されると思っていたのかは知らないが、これから一年間クラスを共にするんだぜ俺たち。
そんなやつ相手に無茶なお願いをできるわけないだろう、せいぜい仲よくしようぜ」

完璧な正論を述べるものも、なにを白々しい、とでもいうような顔をされた。
どうやらあまり信用されていないらしい。
「だからといってあれほどのことを言われて、何もなかったかのように仲よくしろというんですの?」
「お前が謝れというなら謝ろう、反省はしないがな」
「反省はしないのですね」
「謝罪することと、反省することはまったく別のことだぜ。それにお前だってさんざん毒吐いてきたじゃないか?俺は非礼には非礼で、暴言には暴言で返したまでだ」
「……」

俯いて黙ってしまった、落ち着けばちゃんと自分を顧みることのできるタイプのようだ。
逆に感情が高ぶった時は何をするかわからないタイプとも言えるが。
長い沈黙が訪れる、居心地が悪くて仕方がなかったが、ここは堪える所だろう。
椅子の上で足を組み、俺は待った。

「ひとつだけ聞いてもよろしいですか?」
「ん?何だ?」

不意にセシリアは俯いた顔を上げ、こちらに向けてきた。

「どうしてあのようなことをしたのですか?あなたは十分に善戦をしましたわ。
代表候補生相手にあそこまでの戦いが出来れば面目は十分に保たれたはず。
あそこまでする価値がクラス代表という地位にあって?」

なんだろう、先程似たようなことを話たばかりな気がするな。
そこまでおかしな行動だったのだろうかあれは?……そうなのだろう。
まぁなんにせよ答えなければならない。

「別にそこまでクラス代表になりたいわけじゃない。半ば押し付けられた節もあることだしな」
「ならなおさら何故?」

んー。ここから先はなんていうかあまり喧伝したいことではないのだが、仕方がないか。
腹の内を明かすのは友情イベントの一つだろう。

「この織斑一夏には夢がある」

制服の襟を引っ張りながらそういうが、いまいちネタが通じなかったらしい。
首を傾げられた。仲よくなったら一部から貸してやることにしよう。
歪んだ襟を元に戻しながら話を続けた。

「そのためには成長をしなくてはならないんだ
そこで高いハードルを越えるために邁進し、無茶と無謀で道理を切り裂く。
それが一番成長できる近道だろう」
「だからといって命を賭けるなんて……」
「別に賭けたつもりはないさ。
お前殺せないだろ?あくまでお前はIS競技者なんだから」

その言い方になにか引っかかったものがあるのか、セシリアは少し不満げな顔をするが何も言わなかった。事実そうであるということを内心認めたのだろう。
ISバトルってのはいわば武道の一つである。生身同士の殺し合いをスポーツという形に昇華させたのが武道なら、銃器同士の近代戦をスポーツにしたのがISバトルなのだ。
少なくとも建前上はそうなっており、その建前は今、現実を侵食していた。

「しかしそれでも、なんらかの偶発的な要因で命が失われる可能性はありましたわ。あなたの言う安全性は100%のものではないでしょう」
「ハッハッハ、万が一の危険性?そんなものは横断歩道を渡るたびに発生してるぜ」
「……」

どうにも会話の滑りが悪い。
質問の意図もいまいち不明瞭だった。
とにもかくにも俺がしゃべり続けるしかないようだ。

「といっても同じことはもうしないさ。千冬姉にも心配かけちまったしな。
それにハードルうんぬんのカッコいいことをいったが、正直あれは動機の半分だ」
「では残りの半分はなんですの」
「気分だ」

俺がそういうとセシリアは眉をひそめた。

「気分……ですの?」
「そうだ。考えてもみろ。俺は確かに応援はされていた、だが、敵も味方も観客も、誰一人として俺の勝利を予測していないんだぜ?それはある意味完全なアウェーだ」

ここぞとばかりに立ち上がり浪々と語りだした。

「そんな中、予想外の奮闘と奇跡の勝利で前評判をぶち破る。最高に気持ちいいだろう?」

親指を立て、笑いかける。
正直ここで無反応を貫かれると、半端ではない勢いで滑り死ぬ。
食いついてほしい、切実に。

「……フフッ」

セシリアが笑った。
これまで見せてきた高笑いとは違い気品が感じられる笑みである。
俺は胸を撫で下ろした、あくまで心の中でだ。

「あなたという人が少し分かった気がしますわ」
「そうか、そりゃよかった」

んじゃ、と言いながら俺は手を差し出した。

「殴り合いで友情を確かめるのが日本流だ。それを先に済ませちまった俺たちはきっとうまくやれると思うぜ」
「そのような野蛮な風習は聞いたことがありませんが、今となっては理解出来なくはないですわね」

そう言ってセシリアは手を握り返した。
数秒間互いの体温を交換し合ってから手を離す。
なんだかんだで上手くいったようだ。
あぁそうだ、委員長としてクラスの円満な関係を築くために一つ言っておかなければならないことがあるのだった。

「それじゃあここで友人としてのアドバイス、というかお小言を一つ」
「なんですの?」
「留学生なわけだし慣れない異国の地に不満があっても仕方がないが、それは心の内に留めていた方がいいぞ。
日本人が多数派を占めている環境で、この前みたいなのは悪戯に反感を買うだけだからな。
いくらIS学園が超国家的存在だとしても、人の心に柵は作れん」

実際問題大丈夫だろう、セシリアもそこまで馬鹿ではないはずだが、一応念のためということだ。人種的隔壁なんて面倒くさいものの可能性の芽は、早々に摘み取るにかぎる。

「わかりましたわ、では私からも一つ」

そう言うとセシリアは悪戯っぽい笑みを浮かべた。

「役者不足は誤用でしてよ。役不足に対応する形で作られた造語ですわ」
「なん……だと……」

役者不足が誤用であるという事実以前に、それをイギリス人に指摘されたということが最大の衝撃であった。
急にオープンチャンネルを切っていたかどうか不安になる。

「下手なアメリカ人よりも、教育を受けた日本人の方が文法事項はしっかりしているとも聞きますし、そこまで気にする必要はありませんわ」
「べ、別に気にしてねぇし」

まぁこれに関しては一本取られたということだろう。
最後はあまり締まらなかったが、こんな感じで俺とセシリアは和解したのだった。






部屋に帰ると箒はいなかった。どこにいっているのだろうか。
箒のご機嫌取りもしなくてはならない可能性が頭を掠めたが、案外簡単そうな気がするので、その問題は先送りにした。
それよりも、だ。
俺はベッドの淵に腰かけるとポケットから携帯電話を取り出し、NHKに繋いだ。
そう、show timeだ。
命令が一つなどと誰が言った?友好関係を築くという第一目標が達成された以上、ここからは自由にやるとしよう。
本来ならば、自分に対するものならばともかく、他人への無茶振りはそれほど嗜まない俺ではあるが
(安価をしろと囁くのさ、俺のゴーストが)
それに戦果報告もしないといけないとしな、などと内心呟きながら俺は文字を打ち込んでいった。





【男女比】織斑一夏を応援するスレpart4【359:1】


101: 縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
たけのこ厨()

102:超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
きのことかポッキーとか所詮ただのマイナー厨だろ?


103: 村長レベル100 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>102屋上
きのことポッキーを同列に語るな

104:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
たけのことか何なの?あんな口当たりの重いものを好んでいる時点で、お前の味覚はアメリカの植民地なの、分かる?
きのこの素朴な味わいが理解できないやつは、日本から出てけよまじで

105:大海の蛙20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>104あの程度で満足できるとは安っぽい舌だなお前は、育ちが知れるぜ。

106: インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
まぁまぁ皆アルフォートでFAでいいじゃないか

107:超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>106しね

108:大海の蛙20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>106しね、氏ねじゃなくて死ね

109: ハミリン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>106全身の関節を全て逆側に折り曲げられて死ね

110: 月兎20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>106Fuck you!ぶち殺すぞ

111:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
お前ら何の話をしているんだ……
そんなことより勝ったぞ!
安価も守ったしな!

112: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ワンサマーキタ――――――!!




って嘘……だろ……?

113: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
来て早々嘘つくなよ



……嘘……だよな?

114:ミスターバレット20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
嘘だっ!!

115:ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
いや本当だって。
まぁ信じられないのも無理はないし、ちょっと証人を呼ぶとするか
というわけで
出でよ!IS学園一年一組出席番号七番谷本癒子ことタニポン!

116: タニポン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
こらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!なに実名晒してくれとんじゃーー!

117: 戦艦黒猫大和 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>116クラスメイト居たのかよwwwwww

118:ピュア☆フレグランス 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>116谷本さんチーッス

119: 大海の蛙 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>116実名バレwww

120: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
俺勝ったよな、タニポン?

121: タニポン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
……うんまぁ勝ったといえば勝ったけど

122:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
マジかよ、やるなぁワンサマー

123: ミスターバレット20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
嘘だっ!!嘘だっ!!嘘だっ!!

124: ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
嘘だと言ってくれよ……なぁ!

125: 超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
嘘だと言ってよ、バーニィ!

126:月兎20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
それは大変なことになるね

127:ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
いや、そのクラスメイトと結託している可能性も否定できないぞ!

128: ミスターバレット20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
そうだ!そうだ!

129:ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
強情だなぁ
んじゃ来月のクラス代表戦見てみ俺出るから、ISチャンネルで見れるだろ。
IS学園の公式HPから飛べるぜ。
往生際が悪い野郎、そこまでは執行猶予だ。

130: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ぬぐぐ

131: ミスターバレット20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
嘘だっ!嘘だっ!嘘だっ!嘘だっ!嘘だっ!嘘だっ!嘘だっ!嘘だっ!嘘だっ!

132: 村長レベル100 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
あっはは、ドンマイお前ら

133:タニポン 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
賭けてすらいないチキンが笑ってんじゃねぇ

134: 毎日がエブリデイ20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
いや元々成立すら危ぶまれた賭けだったろ
ワンサマーもよくやるもんだ

135: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
まだ……まだだ……俺は最後まで諦めない

136:ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
で、まぁそれは今いいとして、安価するわ

137:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx


138: 大海の蛙20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx


139: 戦艦黒猫大和20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
キターーーーーーー

140:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
とある金髪美少女になんでも命令できることになったんだが、何命令する?
あくまで常識の範囲内ギリギリで頼むぜ
安価>>149

141: 大海の蛙 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
振りですねわかります

142: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
振りじゃねぇから!

143: 戦艦黒猫大和20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
おいまて金髪美少女だと?それってもしかしてセシリア・オ(ry

144:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
なん……だと……

145:超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
なんじゃそりゃああああああああああああああああああああああ!!



おっぱい見せてくださいお願いします

146:縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
それなんてエロゲ?


おっぱい

147:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>146というかワンサマーがそもそもエロ(ry


おっぱいうp

148: タニポン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
裸エプロンで傅かせる

149: 完璧で瀟洒なメイド20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
 ('A`)
  (<  ≡≡≡ スイー

150:ピュア☆フレグランス 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
パフパフしてもらう

151: 大海の蛙 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
くんかくんか

152: ハミリン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>149 ておい

153: 戦艦黒猫大和20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>149 おい

154:ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>149 !?
なんか変なのが入った
安価>>159

155: 縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
お前ら、相手代表候補生だから何かやると国際問題になるかもしれんぞ

156:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
いやそもそもセシリア確定ではないだろ

歯を磨いてもらう

157: エクストリーム山田 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
つってもこのタイミングで金髪女子だぜ?
これはもうワンサマーが攻略完了したとしか言えないだろ

食堂でみかんのうたを髪を振り回しながら熱唱。

158:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
さすがワンサマー手が早いな

やらないか

159:完璧で瀟洒なメイド20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
 ('A`)
  (<  ≡≡≡ スイー

160: インポッシブル佐藤20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
ワンサマーさんマジぱねぇっす
下着をもらう

161:超力若本20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>159!?


162: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>159!?

163: 大海の蛙20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>159!?

164: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>159!?


165:ワンサマー 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
……もう一度だ
安価>>170

あと
>>157
>>158
>>160
ネーヨwww

166: エクストリーム山田20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
なんだか雲行きが怪しくなってきたぞ

167: ナインティーンボール20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
これはある意味期待

168:縦に三段腹20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
二の腕うp

169:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
副担任の先生に告白させる

170: 完璧で瀟洒なメイド20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
 ('A`)
  (<  ≡≡≡ スイー

171: 村長レベル100 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
まぁ普通に考えて、俺たちと同じように勝負で賭けをしたくさいな

172:毎日がエブリデイ 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>170
スナイパーsugeeeeeeeeeeeeeeee!

173: 大海の蛙 20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>170
メイドを味方につけるとは卑怯だぞ

174: ハミリン20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
>>170
これが英国貴族の力ということか……

175: ワンサマー20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
うぉぉぉぉぁぁぁあああああ!!
安価>>190

176:ワンダフル田中20xx/xx/xx(木) xx:xx:xx.xx
これは敗戦が濃厚wwwwwww


………………………



その後10度程繰り返したが全てあのメイドに打ち抜かれた。
どういうことなのだろう、やはり英国貴族には専属のネットスナイパーでもいるのだろうか。名家ともなると、こういうアングラな所まで手を伸ばしているのだろう。
社会の闇の深さを感じる。
なんにせよ俺は大きな敗北感を植え付けられた。
借りは返さねばなるまい。
(この雪辱……いつか晴らして見せる!)
心の中で再戦を誓い、俺は拳を握りしめた。







「織斑……一夏……」

ノズルからは放たれた水流は、白磁の肌に当たり、そのボディラインをなぞるように滑り落ちる。
鍛えられてなお女性的な魅力を失わない、すらりと伸びた足に引き締まった腕。
また慎ましやかながらもはっきりとその存在を主張する胸は、白人女性のイメージからははずれるものの、見事な身体の均整を保つことに貢献していた。
自慢の金髪は水に濡れ、今は身体に張り付いている。
その頭に熱いシャワーを浴びながら、セシリアは物思いに耽っていた。

『いいのかセシリア?俺が死ぬぜ』
『この織斑一夏には夢がある』
『最高に気持ちがいいだろう』

脳裏にあの男子生徒の言葉が浮かび上がる。
それとともに思い出すのは、強く意志のこもったあの瞳。
退かず、媚びず、顧みないあの眼差し。
敵には苛烈、口先八丁で泥沼に引きずり込み、勝ちに執着する。
しかし勝負の後には、それまでのことを水に流し、相手を受け入れる器量も持っていた。
正直何を命令されるかと案じていたが、それは杞憂だったようだ。
保健室で話し合ってからは、相手を偏見で誤解していた自分を恥じたものだ。

そしてそんな織斑一夏のあり方は不意にセシリアの父のことを逆連想させた。
セシリアの父は、一般的に言われるところの“情けない男”であった。
名家に婿入りし、肩身が狭かったこともあるのだろうが、常に妻の顔色を覗い、そしてそれを疎ましがられていた。
ISが発表されてからはさらに父の立場は弱くなり、その態度にも拍車がかかった。
夫婦関係はお世辞にも良いとは言えなかった。
その責任を父の方に見出したセシリアは将来情けない男とは結婚をしないと心に誓ったものだ。

対する母は強い人であった。
昔からいくつもの会社を経営し、成功をおさめ、ISが発表された以後も、その暴れた世潮を巧みに泳ぎ切り、名家の地位をさらに盤石なものに仕立て上げた。
自分にも他人にも厳しい人であったが、憧れの人であった。

だが、その母はもういない、父とともに他界した。
鉄道の横転事故、普段は別々に暮らしていた二人が何故か一緒に居る時に起こったその大事故は、百余名の命とともに、あっさりとセシリアの両親を奪い去った。
オルコット家当主の突然の事故死ということで一時は陰謀説も囁かれたが、今現在は否定され、純然たる事故として処理されている。

セシリアは悲しんだ、だが周囲は悲しみから立ち直るのを待ってはくれなかった。
残った莫大な遺産を喰らおうと群がるハイエナの手、それらから両親の残したものを守るためセシリアは努力した。
あらゆる勉学に励み、IS適正がA+だと判定されてからは、国の力を借りるため、その道へと進んだ。
数居るIS操縦者の中から頭一つ抜け出すために努力した。
そして類まれなBT適正が決め手となり、代表候補生として専用機を与えられた。稼働データと戦闘経験値を得るためにIS学園へと入学した。
――そして出会った。理想の、強く、熱い、意志の感じられる瞳を持った男と。

「織斑、一夏……」

もう一度その名を呟く。
同時に胸が高鳴った。体が火照っているのは、熱いシャワーを浴びているからというだけでは決してないだろう。
姿を思い浮かべるだけで得られる幸福感、溢れ出る感情の奔流。
これが恋というものなのだろうか。

(まだ知り合って一週間ほどしか経っていないというのに……)

それも第一印象は最悪だったはずだ。
試合の時など不倶戴天の敵といってもよいほどの関係であったのに、それが今は……
否定しようとも、その心の熱に裏切られる。
織斑一夏のことを知りたいという欲求が止められない。

「天国のお母様には笑われてしまうかもしれませんね」

誰に語るともなく呟くセシリア。
台詞とは裏腹にセシリアの表情は非常に晴れやかなものであった。





蛇足の話


ざぁ……。ざぁぁぁん……。

(ここは……?)

目を開けると目の前には白い砂浜が広がっていた。
真っ白い砂を波が撫で、海岸線は無限に続いているように見える。
視界に人影はいない、右には海原、左には……何故だろうか認識ができない。
とにかく“白い海岸線”その一言で表されるような場所だった。
そんな中、俺は波打ち際に海岸線に沿うような形で立っている。

(だが問題は……ここがどこで、今はいつかということだ)

俺はIS学園の制服を着て、ズボンの裾を三つ折りにし、素足で立っている。
ご丁寧にも右手には靴がぶら下がっていた。

(夢か?誘拐か?はたまた異世界転生か?チーレムわっしょい勇者一夏の冒険が始まるのか?)

ただただ混乱し、その場に立ち尽くしていると

「――っ!?」

突然後ろから羽交い絞めにされた。

「ちょっ、おい離せ!」

もがくものの信じられない力強さで体をロックされている。
背中にはなにやらゴツゴツしたものが当たっており、唯一見える両手の白い篭手からして、それが甲冑なのだということが分かった。

「ラ、ラ~♪ラララ♪」

そしていつの間にか、目の前に少女が居た。
10m程先の波打ち際で爪先立ち、両手を大きく広げながら踊り、歌を歌っている。
綺麗な、少女だった。白く長い髪をたなびかせ、その体には同色のワンピースを纏っていた。
その少女が、歌はそのままにこちらを向く。
真正面から見える彼女の顔は、どこか不機嫌な感じがした。

「ラ、ラ、ラ、ラララララ♪」

細かく切るように、徐々にリズムを速めながらながら、少女がこちらに駆けてきた。
広げた両手を少し後ろに下げ、順調に加速する。
そして俺の目前まで迫った時――跳んだ。
少女はそのまま両足を空中で揃え、こちらに突き出す。
後ろのやつにきつくホールドされている俺に逃げる術はない。
陸路で積み重ねた速度はそのままに、両足は俺の鳩尾に突き刺さった。

「っぅぐほぁ!」

見事なまでのドロップキックだ。
意識が落ちる。
薄れゆく視界の中で、最後に見えたのは少女がこちらに舌を出している姿だった。



……………………


ドサッ
重量があり、比較的柔らかいものの落下音。
というか俺だった。
右上にベッドの淵が見える。

(……なにか夢を見た気がする)

しばらくそのままぼーっとしていた

「何をしているんだお前は」

数分後、朝練から帰ってきたのであろう箒から声がかかった。

「俺もよくわからん」
「……昨日の戦いの疲れがまだ抜け切っていないのだろう、まだ時間はある、寝ておけ」
「いや、いい。目は覚めてる。ちょっと早いが朝食に行こうぜ」

結局夢の内容は思い出せなかった。
まぁ思い出せないということは重要なことではないのだろう。
何故か痛む気がする鳩尾をさすりながら立ち上がった。






------------------------------ー


今回のオリ設定という名の妄想、というコーナーもとい質問の先周り、および作者の質問


・ISチャンネル

TV放送はわからんが、専用チャンネルで生中継やっている設定にしてみました。
スポーツだし、こんくらいの露出がないと、IS乗りのアイドル化がおきない気がするという理由です。

・セシリアフラグは砕けない

ちょろくないちょろいさんなんてちょろいさんじゃない!
セシリアはこうした方が面白いことができそうなのでこんな感じで。

・描写やテンポのバランス
テンポは別に良かったりは全然しないことは自覚しているのですが、たぶん直らない気がします。
描写についてなんですが、こここうした方がいい、ここの状況描写もっとした方が……などのアドバイスを頂けると、大変嬉しかったりします。
読んでいて気になったことがあればぜひ!



[31303] 「嘘をつけ」
Name: ウィンター小次郎◆81fc9858 ID:581ce14c
Date: 2012/04/16 16:45
IS学園第五整備室。

アリーナに併設されたそれは、第二学年から設置される整備課の居城の一つである。
ISを展開できるようにするためだろう、天井は高く、スペースは広い。
実用性が徹底的に突き詰められた空間は無骨で、IS学園の設備の中では一線を画していた。
この第四整備室は学園寮、校舎から最も遠い所にあるため普段から人は少ないのだが、夕食時である現在はそれが際立っていた。
室内は最低限の明かりのみが灯され、広々とした空間の所々に影が落とされている。
何かを作っている最中なのだろうか、雑多に置かれているパーツの数々を避けながら歩く。
そして部屋の隅に置かれた長椅子の前に立ち、そこに仰向けになって寝転がっている人物を見定めた。

「おい、マロ。人を呼んでおいて寝てるなんざ、どういう了見だ」

長椅子の足を蹴飛ばしながら、声をかける。
すると眠りから覚めたようで、薄らと目を開けた。
その体勢のまま横の地面に置いてあるスポーツバッグに手を突っ込み、何やらゴソゴソとやり始める。

「なんでそんなグロッキーなんだよお前」
「……君……マジ……ありえない……」
「ん?」
「確かに……協力するとは……言ったけど……」

ぶっちゃけありえない
そう言いつつ鞄をまさぐり続けていた。
普段の余裕のある面持ちは見られない、顔は少々青ざめていて、その金髪も輝きを失いどこかくすんでいるように見えた。
そしてどうやらマロのこの惨状は俺のせいらしい。
何がいけなかったのだろう?

ここ一週間、毎日毎日深夜にマロを訪ねては、訓練機の調整を頼んだことだろうか。
それとも思いついたアイデアを相談するために、暇があれば電話をしたことだろうか。
または、試合前日に例の反動回避のための設定を、思考操作で可能なように注文したことだろうか。

(うーん、いまいち思いつかないな)

なんにせよ、若さに任せた体の酷使はやめ、健康的な生活をするべきだろう。
健全な精神は健全な肉体に宿る、まさに至言である。

「僕は……ちゃんとやることがあって……IS学園にいるんだけど……」

マロは何やらブツブツ呟きながら、こちらにPADのようなものを差し出してきた。
もう話すことすら面倒なのか、ジェスチャーで操作を指定すると、すぐに眠りに落ちる。
お疲れ様です。

「さて」

流石に罪悪感が湧かなくもないので、お願いされた通りにしてやることにした。
PADを操作し、テレビ電話で一つしか登録されていない番号にかける。
数秒のコール音の後、画面が切り替わった。

『―――どうもこんにちは、いやそちらの時間帯だとこんばんは、かな?よろしく織斑 一夏くん。私はとある企業のCEOだ、気軽にBOSSと呼んでくれたまえ』
「…………………」

俺が思わず絶句したのは、初対面の人間に物凄くフランクに話しかけられたからではない。
更に言えば、いきなりCEOというラスボス級の人間が出てきたことに驚いたわけでもない。
更に更に言えば、BOSSってなんだ、普通に名乗れよ社長なんだから、などと思ったからでもないのだ。
ならば何故かというと
(なんでこいつは、バスローブなんだ……!?)

そう、画面に映っているのは、バスローブに身を包んだ、黒髪オールバックで肥満気味のおっさんだった。
ゴシック調の部屋に置かれたソファーに座っており、ご丁寧にも右手にはワイングラスを持っている。

「どうした?何か言いたいことでもあるのかね?」

逆に何も言われないと思っているのだろうか?

「あのさぁ……仮にも初対面の人間と会うのにその恰好はどうかと思うぞ?」

敬語なんぞ使わない。別に尊敬できる相手以外に敬語は使わないなどと、バトル漫画の主人公みたいなことは言わないが、それにしても限度があるだろう。

「俺は目をかけた人間に対しては、いつもこうして顔を見せている。喜ぶといい」
「社会舐めんな!」

俺は吠えた。

「仮にも一端の大人がそんなんでやっていけると思うのか!」
「やっていけてるから、社長なんだがな」
「ぐぬぬ……」

潰れろ、そんな会社。

「もういい。で、何のようだ?」
「お前の試合を観させてもらった」

試合は数時間前にやったばかりである。
どうやって観たのかはわからないがずいぶん早い。

「で?」
「いやいや、素晴らしく楽しませてもらったよ。
直接的に俺が話すのはもう少し様子を見てからの予定だったんだが、思った以上にウチ向きの人間のようだったからな。
こうして予定を前倒しにしたわけだ」
「中年太りしたおっさんに好かれてもなぁ……」
「はっはっは、そういうな。お前はもうその齢にして内定を貰ったようなものなんだぞ。
それも飛びっきりの勝ち馬だ」
「勝ち馬だ?てかそもそもお前らはなんだよ。ブラック企業の内定なんざ貰ったて嬉しくねぇぞ」
「んー。それには色々説明が必要になるな」
「いや、しろよ。企業説明会は就職活動には付き物だろうよ」
「よかろう。少し長くなるぞ」

BOSSはワイングラスを置き、組んでいた足を解いた。
それじゃあな、と前置きし

「少しばかり昔話をしてやろう」

そう言って、どこかで見たようなふてぶてしい笑みを浮かべた。
主従そろって胡散臭いやつらである。



………………



十年前、世界はISという名の流星が放つ光に包まれた。
軍事関係者だけでない、子供でも理解することが出来るISの異常性は、全人類の眼を射ぬいた。
各国政府はISを求め狂奔し、国際委員会の設置、アラスカ条約、軍の解体及び再編成など、ISを中心とした軍事パワーバランスが構築されるのにそう時間はかからなかった。
そしてそれに伴い女権運動は加熱し、行き過ぎたそれは、女尊男卑の波として世界を襲う。
女性の意識改革による、優秀な女性の社会進出は人類の可能性を広げたが、一方で政策としての過剰な女性優遇措置は、新たな社会的不和を呼んだ。
それは今なお続く問題であり、解決しなければならない課題でもある。
これが白騎士事件からの歴史の流れであり、誰の眼から見ても、世界は篠ノ之束という一人の人物により書き換えられたように思えた。

だが実の所そうではない。
とある賢者の言葉に“どんな天才でも一人では 世界を変えられない”というものがある。
世界は常に幾多の人間によって、その行く先を捻じ曲げられているということだろう。
これからの人類の歴史はISにより作られると信じ、ただただISを求めるものばかりではなかったのだ。
目を焼かれ、三寸先が見えない暗闇のなか、成り上がるためにあえてその暗闇に身を委ねた者がいた。
その者らは、ISが起こす激流を操り、自らの願う方向へと世界を導こうと鎬を削った。
このバスローブ姿の男、自称BOSSもその一人である。
そして同時に、この世紀の大ギャンブルの勝利者でもあった。



………………



「というわけでこの俺が、女尊ブームの仕掛け人だ」
「嘘をつけ」

一刀両断。
三十分ほど話し込んでいたが、やたら大仰なくせに冗長で内容が薄い話であった。
というか何一つ自分達については語っていない。

「おいおい、君だって似たようなことを言っていたじゃないか。その証人となる人物が目の前にいるんだぜ?もっと喜んでもいいだろう」
「OK。万が一あの荒唐無稽な話が、ある程度真実であったとしよう。いったいどんな手段を持ってそれを成すことができるかなんて問題にも目を瞑ろう。
だがな、もしそのブームが作られたものだったとして、その仕掛け人がこんな中年のおっさんだってことだけは信じらんねぇ!」
「……ひどい言いぐさだな。まぁ現実とは得てしてそういうものだ。
空想のような出来事が起こるかと思えば、奇跡なんてものはその実大したことでもなかったりする。俺はその一例にすぎないのさ」
「……」

確かにそうなのだろう。
思い当たる節がないわけではない。
虚構と現実、よくもわるくもその差は確かに存在するのだ。
だが、心情的に素直に納得できるかどうかは別である。

「質問をしてもいいか?」

というわけで、とりあえずしゃべらせて粗を探してみることにした。

「いいだろう、ある程度のことまでは話してやる」
「あんたの狙いはなんだ?なんで女尊男卑の世界を望んだ?別に度を越えたフェミニストってわけでもあるまい」

BOSSがニヤリと笑った。
たぶんこれはして欲しかった質問であろう。先程の話では意図的にここら辺の話が伏せられていた節がある。

「女性優遇の社会になって一番その煽りを受けた職種はなんだか分かるか?」
「……軍人」
「んー、惜しいな。それはISが出てきた時点で決まっていたことだ。それに扱いやすい、歩兵用の部隊は今だ残っている。正解は、軍事関係技術者だ」

ワインを一口飲み、BOSSは続けた。

「確かにISは新技術の宝庫で、既存の理論が通用しない代物だが、かといってそれまでの学問的積み重ねが丸っきり無に帰すわけではない。第一線で活躍する優秀な技術者が不要になるわけがないんだ。だが、多くの国々はそれをないがしろにした」

IS技術者のトップ層が女性で占められている。
その理由として挙げられるのが、ISの同調機能であり、女性はこれによってISの状態が確認できるだけでなく、IS技術の学び易さにおいても男性を大きくリードしているのである。
分かりやすくスポーツに喩えてみよう。野球のバッティングを研究する上で、実際に自分でバットを振る人間と、振らない人間、どちらがより研究を進めやすいかというと、前者であろうと思われる。ISの同調機能というのはIS側から働きかけでもあるため、さらにこの差を広げているのである。

「今だに下働きとして残っている男もいるが、優秀な人間ほどプライドは高いからな。おかげでここ十年間は、軍事技術者のバーゲンセールさ。そして現在までに、我が社が獲得したそいつらの数は、全体の二割だ」

二割……。口にすれば、小さく聞こえるが、実際の数は相当なものだろう。
しかもそれを一企業だけで持っているという。その上、流入したのは人だけではないはずだ。

「だがそいつらに価値を見出したのがお前だけってわけでもないだろ。そんな大人数の囲い込みなんざ、ただの一企業ができることか?」
「まぁ出来ないな。だからウチは半国営なんだよ」
「国営?どこの?」
「考えてみれば分かることだ。他国に働きかけることができる政治力を持ち、当初誰よりも強くISの価値を認めながらも、現在は国力に対し不自然なほど開発が遅れている国。そう、その国の名は――」

――アメリカ合衆国。

(……辻褄は合う)
確かにアメリカは白騎士事件当時、最も日本へ圧力をかけた国の一つだ。
アラスカ条約とはその名の通り、アメリカが呼びかけた第一回IS国際会議をアラスカで行った時に調印されたものである。
そしてその後のアメリカと言えば、大した女性優遇制度も作らず、肝心のIS開発も色々問題がおきているようである。
有名なのはイスラエルと共同開発をしているシルバリオ・ゴスペルだ。
第二世代開発の時、コアが盗難されたという噂が実しやかに話されたのは記憶に新しい。
世界最大の軍事大国の名が廃る有様である。
今思えばそのアメリカの凋落が、世界の女性優遇制度推進を後押ししたという見方もできるかもしれない。

「元々ISはウチの国向きじゃない。既存の技術の積み重ねが無に帰すのもそうだが、物量が売りの軍事大国に、少数精鋭の代名詞のようなISは合わないんだよ」

一時的な軍事的弱体を受け入れ、未来へ賭けたということか。
確かにISコアの総数という重い枷がかけられている以上、ISにおけるアメリカの大きな軍事的優位は二度と訪れないかもしれない。
それにしても割ととんでもない話である。
問題ない所まで話してやるとは言っていたが、本当に問題がないのだろうか?
もう大分お腹がいっぱいだ。
最後にもう一つだけ質問して終わりにさせてもらおう。

「で、結局お前らは何を作ってるんだ?」
「フフッ、知りたければ教えてやろう」

むしろもの凄く言いたそうだ。
BOSSはソファーから立ち上がり、拳を体の前で握った。
バスローブがはためき、需要のないチラリズムに俺は目を反らす。

「我々が目指すのは
ISによらないISの打倒
人呼んで“IS殺し”」

デブはドヤ顔でそう言った。






ナナ・デルモットは正面ゲート近くの道を歩いていた。
日は疾うに沈んだが、春特有の生温かい風が吹き、後ろで一纏めにした茶色の長い髪を揺らしている。
そのためISスーツの上にジャージを着こんだだけの服装でも、十分に暖かかった。

(遅くなっちゃったな……)

現在は第二アリーナからの訓練帰りである。
入学直後の自己紹介で目立ってしまったために、二組のクラス代表に選出され、それからこうして暇を見つけて自主練に励んでいるのだ。
といってもつい先日まではそこまで熱心にやっていたわけではなかった。
クラス代表といってもまだ入学したばかりの素人である。
入学前にシュミレーターの体験を何度かしたことがあるといっても、IS操縦に関してはまだまだ未熟だ。
本来ならば何も問題はない。
五月のクラス対抗戦も、毎年学年に一人か二人存在する代表候補生が優勝するのが定石である。
今年は1組のセシリア・オルコットが本命であると予想され、ナナ自身も“戦うことになったら瞬殺されないようにしよう”ぐらいの心持ちであったのだが……

(あんなものを見せられちゃね)

先日行われた1年1組クラス代表決定戦、セシリア・オルコットVS織斑 一夏。
話題を集め多くの観客が集まった試合であるが、前評判は当然セシリア勝利との予想一色であった。
だがしかし、結果として勝利したのは織斑 一夏だった。
試合内容を見れば分かる、セシリアは代表候補生として相応しい力を持っていた。
だが織斑 一夏は拙いながらもしっかりとそれに対抗してみせ、最後には誰もが驚く奇策で勝利をもぎ取った。
その事実は多くの人々に衝撃を与えた、代表候補生にISを動かしてまだ一週間の人間が、どんな形であれ勝利する。
ISに少しでも関わったことがある人間ならば、これに驚かないものはいない。
そしてそれを見たナナを襲ったのは焦り。
クラス対抗戦で自分だけが醜態を見せてしまうのではないか、という恐れであった。
もちろん全員が織斑 一夏レベルになるとは思えない。
四組は代表候補生がいるらしいが、少なくとも三組は同レベルのはずである。
だがそれでも心の底にこびりつく不安を拭い去ることはできなかった。

(はぁ……クラス代表、今からでも辞退したいなぁ……)

溜息をつきながら、肩を落とす。
その時、ふと視界の隅に人影が入り込んだ。
思わず立ち止まって注視する。
大きなボストンバッグを背負った少女が、正面ゲート前で立ち尽くしていた。
体格は小柄で、顔立ちは整っている。艶やかな黒髪を高い位置で左右に留めている、いわゆるサイドアップテールというやつだろう。
少女は綺麗に整えられた眉を寄せて、手元の紙を睨んでいた。

(誰?というか何者?)

見かけない顔である。睨みつけている紙は地図のようであるから、この学園の人間ではないようだ。だからといって企業や政府の人間にも見えない。
人一倍好奇心が強いナナは、思わずその少女に近寄り話しかけていた。

「えーもしもしこんばんわ、私はここの生徒なんですけど、良かったら案内しましょうか?」

すると少女はバッと顔を上げ、こちらを見た。

「あ、丁度困ってたとこだったのよ、ありがとう。総合受付までお願いできる?」

そう少女は快活に答える。
第一印象は大変サッパリとした性格、というところだろう。
ナナはその少女を連れ、指定された場所まで歩き出した。
簡単に自己紹介を済ませたところ、この少女の名前は凰 鈴音というらしい。
なんと中国の代表候補生で、この度IS学園に転入することになったそうだ。
それも自分と同じ一年二組である。もう少し早くこいよ、とナナは思った。

「凰さんはなんでまたこんな時期に?」
「鈴でいいわ。んー私もよくわからないんだけどさ、とりあえず第三世代機のトライアルをしてこいって上の奴がね」
「へー、でもやっぱり織斑くんの影響もあるのかな?」
「一夏……ね」

あれ?
急に鈴の様子がおかしくなった。

「もしかして知り合い?」
「ま、まぁね」
「織斑くん凄いよー、この前なんてイギリスの代表候補生を倒してクラス代表になっちゃったんだから!」
「……その代表候補生がよほど弱いのか、一夏がアレなのか。でも相変わらず無茶苦茶やってるみたいね」

何となく嬉しそうな雰囲気である。

「なんだか詳しいみたいだね。仲良いの?」
「そりゃあ幼馴染だしね。一夏とは小学生からの付き合いだし」
「へーもしかして彼女?」

ブッ、と鈴が噴出した。

「ち、違うわよ!いや、でも、うん、昔仲よく遊んだ間柄というかなんというか……」

顔を赤らめながら、慌ただしく弁解する鈴を見て、ナナは心の中でニヤリとほくそ笑んだ。
この年頃の女子特有の嗅覚で、甘酸っぱいものの匂いを嗅ぎ取ったのである。
三度の飯より恋話、それがナナ・デルモットの信条だった。
ちなみに当の本人の男っ気はまったくない。
なんにせよ、良い餌が入ってきたものである。

「すっごい仲良いんだね。織斑くんて昔はどんな感じだったの?」
「一夏はそうね、計算された暴走特急というかなんというか。無茶なことやって場をグチャグチャにするけど、最後にはなんとか纏めるタイプ、って感じかな。クラスメイトの隔壁や溝なんかもぶち壊すのが得意で、色々大変だけど悪いようにはしてなかった気がするわね。まぁそのせいで色んな所に衝突したりして――」

隣を歩きながらどことなく熱が籠ったような調子で饒舌に語る鈴を、ナナは微笑ましい気分で眺める。
これはぜひとも応援しなければ、と内心呟いた。

――その時、ナナの脳内にキュピーンという音が響き渡った。
名案の閃きである。
(これは……誰もが幸せになれる神の一手……!!)
私、天才!などと思わず自画自賛。
善は急げということで、早速その案を鈴に打ち明けることした。
鈴の話が途切れるのを待ち、ナナは意気揚々と口を開いた。

「ねぇねぇ鈴さん、私実は二組のクラス代表なんだけど――」









「織斑くんクラス代表決定おめでとー!」

寮の食堂にクラッカーの破裂音が響き渡る。
紙吹雪が舞い、饗宴の始まりが告げられた。
織斑一夏クラス代表就任パーティー。
それがこの宴の名前である。
俺が主役のように題されてはいるが、有体に言えばただのクラス親睦会だ。
お祭り好きの気風が感じられる一組らしいイベントといえるだろう。

広い空間に設置された複数のテーブルの上には、お菓子やジュースのたぐいが幾つも乗っけられている。既に女子たちはそれらを囲みながらの歓談へと移っていた。
ちらほらとこのクラスのものではない顔を見かけるが、まぁスルーしておくべきことだ。
幹事も俺ではないので、進行を気にする必要もない、好きに楽しませてもらうことにした。

「人気ものだな、一夏」

箒がどことなく不機嫌な顔つきで、こちらに話しかけてきた。
こういう賑やかな場所は性に合わないのだろう。
右手に持った紙コップのお茶を、先程から頻りに飲んでいる。

(……逆に箒に合った場所って何処だろう)

テーブルのお菓子に手を付けながら箒を眺め、考える。
ジッと見られてこそばゆいのか、更に居心地が悪そうになったが気にしないでおこう。
鍛え上げたられた日本刀のような美しさを持ち、性格は正に質実剛健。
外見的には清楚といえるかもしれないが、大和撫子というには目つきが鋭すぎる気がする。
家庭の台所が主戦場とも言えないだろう。
これらのことをひっくるめて考えてみると……
「関ヶ原かな……」
「何がだ」
「いや、なんでもない気にしないでくれ」

何かを感じたのだろうか、箒が睨んでくる。
俺はテーブルのお菓子に手を伸ばすことで誤魔化した。

「はいは~い、新聞部でーす。話題の新入生、織斑 一夏くんに突撃インタビュー!」

突然、箒と俺の間に割り込むように人影が飛び込んできた。
オー、と拍手交じりに周りが盛り上がる。
続けてされた自己紹介によると、この方は新聞部副部長の黛 薫子さんというらしい。
面倒な名前である。

「では、まずクラス代表になった感想をどうぞ!」

何か期待の籠った目を向けてきた。
とりあえず何か答えなければ。

「俺に触ると爆発するぜ!」
「キラークイーン!」

即座に返してきた黛さんとハイタッチ、この人とは凄い仲よくやれそうな気がした。

「それは良いとして、次の質問行くよー!」

いいのだろうか今ので?
それからは

「なんで届いていた専用機を使わなかったの?」
「IS学園での生活はどう?」
「千冬さんについて何か一言?」

等々、文字通りの質問責めにあう。
だがこれは貴重な機会なので、無駄にはしない。
織斑 一夏の宣伝はもちろんのこと、情報を吐き出し俺がどういう人物かということが知れ渡れば、よりIS学園に馴染みやすくなるだろう。
ある意味完全アウェイのIS学園においてそれは重要である。

「好きな女性のタイプは?やっぱり山田先生?」

お、この質問は。
待ってましたとばかりに俺は答えた。

「そうですね……やはり、こう、性格は穏和で控えめな、守ってあげたくなるタイプが好きですね。外見的なツボを言えば、ブロンド美人とか好きですよ。え?体つきですか?まぁ曲がりなりにも健全な男子ですから、それなりにふくよかな方が嬉しいですかね。でも大事なのは相性だと思っています」

この前と言っていることが違うじゃないかというものもいるだろう。
もちろん俺の好みが変わったということではない。
性格は気が強いクール系が好きだし、黒髪万歳だ。体つきはハニートラップのイメージ的に指定してみた。
というえわけでほぼ正反対と言ってもいいわけだが、これで問題はないのである。
あえて本命とは違う好みを主張する、それによりハニートラップの狙い目をズラすことができるのだ。

(ククク、これで年上のかっこよくてクールなお姉さんと、ある程度安心して仲よくできるぜ)

まぁ、ぶっちゃけその場で思いついた浅知恵にすぎないのだが。
それからも幾つか質問が続き
「んーこんな所かな。ご協力ありがとね、次の機会もまたよろしく!」
最後に写真をパチリと一枚撮り、黛さんは去って行った。
突然現れ、唐突に去る、嵐のようなお人である。



「い、一夏さん」
少しばかり口を休め、菓子を貪ろうとしたが、その前に背後から話しかけられた。
人気ものは辛い。
振り返ると、そこには一度見たなら忘れないであろう、金髪縦ロールの姿が。

(と、いうか一夏さん?)

友達は下の名前で呼ばなければならないという例のアレだろうか。

「ようセシリア、今更だが身体の方は大丈夫か?」

今日の授業には普通に出ていたが念のため。

「ええ、大丈夫ですわ、ありがとうございます。それよりも一夏さんは専用機には慣れましたか?」
「ちょっと動かしただけだしな、まだまだだ。ファーストシフトを済ませたぐらいだよ」

セシリアとの試合では出番のなかった白式は、今は俺の右腕にガントレットとして収まっている。
発言の通り、一度アリーナで試してみたのだが、中々ぶっ飛んだ機体であった。
機動力は非常に高い、動かしやすさもまるで体の一部のようで訓練機とは比べ物にならない、ただ問題は武装である。
試合前にも確認した事であるが、剣一本しかない。
そして拡張領域もない。
どう考えても誰かの趣味で作った狂気の沙汰にも程がある機体である。
剣撃で絶大な威力を発するために、リソースが全てその制御に充てられているのでは?という話であるが、そんなはずはないだろう。
どうにかして追加武装を入れてやろうと現在検討中である。

「で、でしたら、わたくしがISの操縦を教えて差し上げてもよろしくってよ」

チラリと、顔を背けつつも横目でこちらを覗ってくるセシリア。
正直教官役は先輩方で既に足りている。だがこれはセシリアなりの友好を示す行為なのだろう。こんなキャラ作りを優先した性格で、友達が多いとも思えない。友人関係を保つにあたって、どうすれば良いのか必死に考えた末この提案に至ったと考えると、中々心を動かすものがある。よって俺はこの提案をありがたく受けることにした。

「おお、マジか。それはありがた――」
「待て、一夏の教官役は足りている。私だけで十分だ」

箒が俺とセシリアの間に割り込むように押し入ってきた。
だがお前こそ待て箒。お前にISの操縦を教えてもらったことは一度もないはずだが。

「あら、あなたはISランクCの篠ノ之さんじゃありませんか。ISランクAのわたくしに何かご用かしら?」
「くっ……ランクなど所詮は目安だ。それよりも一夏のISは近接特化型らしいじゃないか。中距離射撃型のお前に用はない」
「ふん、浅い考えですわ――」
「世迷いごとを。所詮――」

何やらバトルが始まってしまった。
ぼっちVSぼっち。箒も一緒にセシリアに教わるのが良いのではと思ったが、聞きそうにもないので放置することにした。ぶっちゃけ面倒である。
(さて、今度こそブラックサンダーでも食うか)

「お、織斑くんがやっとフリーになった」
「織斑くん!何か一発芸やってよ!」
「私も見たーい」

(……)
隣のテーブルの女子から声がかかった。
(ふぅ、どうやら今日は休めない日のようだな)
ならばいいだろう、せいぜい騒ぐとするか。

「よっしゃー!第一回一年一組一発芸大会だ!一番!織斑一夏物まねします!
題して、初めて日本に来て納豆を食べた英国人の反応!」

――臭いですわ!粘つきますわ!縦ロールに絡まりますわ!
――ちょっと一夏さん!やめてください!
――おい、まだ話は終わっていないぞ

そんなこんなで祝賀会は大賑わいであった。
そのせいで就寝時間を過ぎてしまい、千冬姉が怒鳴り込んで来たのはまぁお約束というところだろう。







…………………………



ギャグ成分薄め。
てーんしょんがーあっがらないー
BOSSとの会話シーンは改訂や加筆がされる模様。
マロに関する話とか入れます。



どう考えても作品には不必要だけども作者がやめられないいつものアレ

・BOSS
オリキャラは数名出す予定ですが、レギュラー化はしません。
オリ展開に関しては基本的に変更のつもりはありません。
あとついでにこの物語はフィクションです。実在の人物、団体、国家、とは如何なる関係もございませんので悪しからず。

・アメリカ
作者の思考ルート
“アメリカの第三世代ISが共同開発ってらしくなくね”→“あまり力を入れていない理由があったりしたら面白いな”→“よしならアメリカを別兵器開発に使わしてもらおう”→一通り書き終わる→ISwikiを見る→“ファング・クエイク……だと……”→“このイケメン機体を忘れてたアル”→“さらなる理由付けが必要だな”→“イスラエル関連でもう一つ入れとくか”←今ここ
マジでこの物語はフィクションです。実在の人物、団体、国家、とは如何なる関係もございません。
あまり政治関係の話は書きたくなかったんですが、避けきれず。
大人しくラブコメだけしてろっつー話ですね。

・ナナ
二組のキャラ視点で二組の登場シーンを書きたかったのですが、ティナ・ハミルトンしかいなかった……。クラス代表にするにはティナは無気力そうだったので、オリキャラを投入することに。鈴陣営の軍師役として活躍してくれるかもしれません。

まさか鈴とコンタクトとれないとは思いませんでした。
地獄(悪くはない意味で)の鈴編をこのペースで進んでいくのかと思うと……。
目指せ一日千文字、二週間一本ペース!
それと感想には本当にモチベを保ってもらっています。大感謝。


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