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[29142] さよなら絶望先生のSS
Name: 絶望先生◆cd9c25ba ID:e037d2d4
Date: 2011/08/03 10:36
※ 一話一話全く違う話ですのでご注意を^^


さよなら絶望先生

絶望 「死んでもいい人間って、いると思うんですよねぇ」

千里 「先生のことですか?」

絶望 「違・・・・・・」

回想 『犬の耳を噛む』
    『あまりにも固執な人間観察』
    『親の時計の針を一時間戻す』

絶望 「ほじほじ」

マ太郎 「鼻くそ、だよ」

千里 「死んでもいい理由が、見つけられなかったんですか?」

絶望 「私はたいしたことしてませんよ」

可符香 「やだなぁ。先生が死ななくていい訳ないじゃないですか」

絶望 「よりによってなんですか!可符香さん!」

千里 「・・・そうよね。きっと、そうよ! 先生、私、先生が死んでいい理由探してきます」

絶望 「え」

千里 「絶対見つけて帰って来るからー!」

絶望 「やらなくていいですからー!」

可符香 「大変な事になりましたね」

絶望 「貴方の所為ですよ」

マ太郎 「・・・つまらないならウィンドウ閉じなよ」


『交の憂鬱!』

交 「小森の姉ちゃん、これ見なよ! 眞鍋でてるぜ!」

小森 「すごいね」

交 「うわぁ~」

小森 「先生帰って来ないね」

交 「あんな奴どうでもいいよ!」

小森 「・・・・・・」

交 「・・・・・・」

小森 「交君、いつまでいるの?」

交 「え」


『本編』

真ん中 「先生! 見つけてきました!」

ぜっつー 「本当に来るなぁ~!」

真ん中 「見て下さい!」

ぜっつー 「写真?」

『糸色望の靴隠しの目撃写真』
『偽造工作で漫画賞受賞』
『入念なカンニングペーパーの作成、採用試験合格』
『智恵先生に鼻くそをつける』

絶望 「全部やってませんから! ていうか二番目は関係ないし!」

小節 「カンニングとか最低だよね」

可符香 「奈美ちゃんはやったことあるんじゃない?」

普通 「え・・・? ないない! カンニングなんて全然!」

小節 「分かってるから・・・」

メルメル 『お前の心に聞いてみろ』

普通 「本当だから~!」

千里 「そういうのイライラするの! やったのか、やってないのか、はっきりしなさいよ!」

絶望 「逃げましょう日塔さん!」
    「このままでは、濡れ衣を着せられかねません!」

普通 「はい先生!」

がしっ。

千里 「待ちなさい日塔さん」
    「きっちりしてから。ね・・・?」
普通 「いいやぁ~~!!」
    「先生自分だけ逃げるなんてずるいです!」

絶望 「時には犠牲も必要なんです!」

たったったっ。

絶望 「ふぅ。ようやくまけたようですね・・・」

加賀 「先生」

絶望 「はっ。加賀さん!」
    「あなたまで私に濡れ衣を着せるつもりですね!」

加賀 「ち、違います! 私はただ手紙を渡すように言われて・・・」

絶望 「手紙?」

『木津千里からの手紙』

『先生。あなたが今、橋の上にいるのは分かっています。三十分以内に学校に戻らなければ交君の命はありませんよ。嘘なのか本当なのか、きっちりして下さい!』

絶望 「・・・・・・」
    「すまん、交!」

加賀 「行かれないんですか?」

絶望 「行ってもどうせ無駄ですしね」

ストーカーと呼ばないで 「そうとも限りませんよ。先生」

絶望 「いたんですか!?」

常月 「ええ、ずっと」

加賀 「どうかしたんですか・・・?」

まとい 「え?」

加賀 「え? はっ!」
    「すみませんすみません! 私のような下衆が質問するなんて愚かですよね! すみませんすみません!」

たったったっ。

絶望 「加害妄想ですからー!」

まとい 「それで先生。今行かないと先生の家に火をつけるそうです」

絶望 「えぇー!? なんで今日の木津さんはそんなにバイオレンスなんですか!?」

まとい 「分かりません。でも行った方がいいかも・・・」

絶望 「仕方ありません・・・。ちょっくら死にに行ってきます!」

たったったっ。

まとい 「先生ー!!」


『ちょっと前の可符香ちゃんと千里ちゃん』

可符香 「やっと奈美ちゃんが真実を吐いたね」

千里 「当然だわ! カンニングなんて許せないもの!」

可符香 「先生はどうする?」

千里 「別にいいわ。もう拷問で疲れちゃった」

可符香 「駄目だよ千里ちゃん! 先生の浮気を許していいの!?」

千里 「浮気・・・?」

可符香 「そうだよ!」
    「・・・あれがあーでこれがそう・・・」

鬼 「ゆ、る、さん!!!」

可符香 「にやり」


『本編』

絶望 「やっと着きました! 今助けます、交!」

交 「やっと来たぞ!」

交はグラウンドに刺さった木の棒に縄で巻きつけられていた。

鬼 「ようやく来たのね先生・・・」

メルメル 『死ににきたか・・・』

鬼 「先生・・・。浮気ってどういう事・・・?」

絶望 「浮気? なんのことですか?」

千里 「だって可符香さんが浮気したって・・・?」

絶望 「また適当な事を言って!!」

可符香 「てへー」

千里 「良かった先生! 浮気なんてしてなかったんですね!」

交の縄が解かれていく。

絶望 「当たり前ですよ。私は誰とも付き合ってすらいないんですから」

千里 「・・・・・・」

鬼 「あぁん!?」

絶望 「ひっ!」

鬼 「誰とも付き合ってないじゃあぁ!? どの口がそれを言うんじゃあぁ!!」

マ太郎 「キャラ、崩壊だな!」
      「素人だから許してあげてね・・・」

絶望 「家よりも命の方が大事です! さようならー!」

交 「うわぁー! 見捨てていくなー!」

鬼 「先生。きっちり、して下さい!」
  「おい、ハゲ。その小動物を燃やせ」

臼井 「え、僕ですか?」

鬼 「ハゲっつったらお前以外にどこにいんだ? あぁん!?」

臼井 「ひっ、ひぃい~」

小節 「それはちょっとやりすぎじゃない?」

千里 「あぁん?」

普通 「そうよそうよ! いつも千里ちゃんはやり過ぎよ! 私に拷問までして・・・」

メルメル 『浮いてるぞ、お前』

ガヤ 「そうだそうだ!」
   「調子に乗ってるなー!」

千里 「な、何よ突然」

久藤 「木津さんって、いつもそうだよね」

大草 「オーバーにしか行動出来ないんじゃない?」

カエレ 「さっさと家に帰んな!」

腐女子 「死んでもいい人間って千里のことだったりして」


千里 「晴美まで・・・!」
   「な、なに? どうしたのみんな!」
   「冗談に、決まってるじゃない・・・」

可符香 「そんなの駄目だよ千里ちゃん!」

千里 「可符香さん・・・・・・」

可符香 「千里ちゃんはきっちりしたいんでしょ?」
    「だったら、冗談なんて言わないよね」

ガヤ 「死ーね! 死ーね! 死ーね!」

職員 「死ーね! 死ーね! 死ーね!」

皆 「死ーね! 死ーね! 死ーね!」

千里 「・・・・・・」

たったったっ。

藤吉 「あ、逃げた」
   「どうする? 可符香ちゃん。追いかけた方がいいかも。後で千里の復讐も怖いし・・・」

可符香 「その必要はないよ!」
    「千里ちゃん要らない子だし」

臼井 「そ、それもそうですね。委員長キャラ僕と被ってますし」

可符香 「よーし、皆で片付けようー!」

たったったっ。

臼井 「あれ? 僕また見えてません? あれ?」


『一ヵ月後』

智恵 「糸色先生。引き篭もりの家庭訪問に行って下さい」

糸色 「分かりました」

たったったっ。

   「失礼します」

ばたん。

智恵 「今日は以外と素直・・・」


『木津千里宅』

ピンポーン。

ガラッ。

千里 「・・・はい」

糸色 「こんにちは、木津さん。家庭訪問ですよ」

千里 「・・・・・・」

糸色 「入りますね」

千里 「先生は、私のこと怒ってないんですか?」

糸色 「うわ、髪ぐちゃぐちゃですね」

なでなで。

千里 「先生。皆私の事、なんて言ってましたか?」

糸色 「特に何も。皆寂しいみたいでしたよ」

千里 「そんなの嘘です!」
   「見て下さい」

糸色 「メールですか」

千里 「毎日たくさん、意地汚いメールが、たくさん来るんです!」

糸色 「・・・・・・」

千里 「なんですか。なんとか言って下さい!」

糸色 「木津さん何も変わってないみたいですね」

千里 「え・・・」

糸色 「変わったのは身なりだけで内面はちっとも変わっていない。駄目な生徒ですね」
   「はっきり言って、そういう生徒は2のへ組には要りません」

千里 「・・・」

千里は泣き出した。

糸色 「ですが、もし変わるのならば皆迎え入れてくれると思いますよ」

千里 「そんなの嘘です! 皆私が要らないんです! 先生だってそう言ったじゃないですか!」

千里は階段を駆け上がった。

千里 「わぁあぁあぁあ・・・・!」
   「・・・私、死にます。皆に迷惑かけない様に死にます」

糸色 「・・・」
   「そんなことばかりしていると、私みたいな駄目な大人になりますよ」
   「また来ます」

ばたん。

そうして幾日かの日が過ぎ、糸色先生の説得もあって木津千里は学校に来た。


『職員室』

甚六 「すごいじゃないですか、糸色先生。やっと頑固な引き篭もりが学校に来たようですよ」

糸色 「その様ですね」
   「では、授業があるので」

智恵 「なんだか素っ気ないですね」

甚六 「いつもああじゃなかったですか?」

智恵 「うーん。そうかもしれませんね」


『2のへ組』

糸色 「では、授業を始めまーす」

可符香 「あ、桃色係長!」

糸色 「なんだかその呼び方も久しぶりですね」

可符香 「要らない千里ちゃんが来てるみたいです!」

千里はびくりと体を震わせた。

糸色 「えぇ? どこですか? 要らない千里ちゃん」

可符香 「あそこです。要らない千里ちゃん」

糸色 「いないじゃないですか。あそこにいるのはいつもの木津さんです」
   「はい。授業始めますよー」

可符香 「・・・先生だって千里ちゃんの事馬鹿にしてたのに」

糸色 「可符香さん」
   「ヌルい環境で育つとユルい表現しか出てきませんよ」

可符香 「・・・」

千里 「・・・」

糸色 「聞いてましたか? 木津さん」

千里 「・・・はい。先生・・・。」

糸色 「元気がないようですね。あなたらしくありませんよ」

千里 「・・・」
   「はい! 先生!」

糸色 「よろしい!」





途中途中固有名称変わってすいません。
でもその方が面白いかなって思ったんです^^。どうでした?



[29142] 少数福音
Name: 絶望先生◆cd9c25ba ID:e037d2d4
Date: 2011/08/03 00:17
糸色望は、いつもとは違う着物を着ていた。

「おはようございます」

「あ、おほようございます。糸色先生」

「あれ?」

智恵先生、やはり分かりますか。

「糸色先生。着物にいっぱいゴミが付いてますよ」

「模様ですから!!」


「・・・と、いうことがありました。そこで! 私はついに気付いてしまったのです!」

糸色望は教壇で独自の持論を掲げていた。
うんざりした顔をしている生徒がいるのは、錯覚だろう。

「また始まった」

「小節さん。何か言いましたか」

「うざいと思いました」

「はっきり言わないで下さい!」

「気を取り直して」

糸色望は咳払いをし、黒板をバンと手の腹で叩いた。

「人生は、椅子取りゲームなのです!」

「椅子取りゲーム? 椅子取りゲームってあの椅子取りゲームですか?」

さすが日塔奈美。普通の質問だ。

「あなたの言っている 「あの」 は分かりませんがだいたいそうです」

「大勢で椅子を取り合い、最後に残っていた人が勝ち・・・・・・、という奴ですね。先生」

声が教卓の中から聞こえた。覗き込むとやはり、超ストーカー体質少女、常月まといが体育座りをしていた。

「いたんですか」

「ええ、ずっと」

常月さん、出席と。一応名簿に書き込んでおいた。

「これから皆さんには、人生がいかに椅子取りゲームに酷似しているかを分かってもらう為に、野外にフィールドワークに行きます」

なかなか立ち上がらない生徒達。

「ほら行きますよ! 絶望少年少女達!」

「自分で言っちゃったよ・・・・・・」

そう言いつつも木津千里は仲間を連れて教室を出て行った。

「委員長がそう言うなら・・・・・・」


ぞろぞろと教室を去って行く。一人、臼井影朗が残された。

「あれ。ていうか僕が委員長ですよね? ちょっと!」

グラウンドには二年へ組生徒が整列していた。

「よーし、皆揃ったみたいですね。それでは行きますよー」

「待って皆!」

白井影朗はベランダから、ル〇ン三世の藤子ちゃんベッドダイビングのごとく飛び降りた。
どうせ皆が僕を見れないなら、その死を持って、僕の存在を受け入れさせてやるー!
衝撃音と砂埃が舞い、白井影朗はグラウンドに転落した。

「あ、妖精さんだ!」

違うんだ可符香ちゃん。僕はあんな破廉恥なコスプレをしている妖怪とは違うんだ・・・・・・。僕は、僕は・・・・・・!
その時、糸色先生が僕の方を向いた。驚愕に目を大きく見開いている。
先生、やっぱり先生は先生だから先生らしく僕の事を知ってますよね! 大丈夫ですよね!

「・・・・・・」

先生! 僕信じてます! だから、どうか!
僕を見てーーー。

「誰?」

「ぐ、ぐああああ! 無念なりぃ!」

「妖精さんが暴れている! 止めなくちゃ! あびるちゃん、包帯借して!」

「どうぞ」

風浦可符香は包帯をたなびかせながら、重症の臼井影朗の元に遣って来た。

「妖精さん! 大丈夫?」

妖精さんは君だよ、可符香ちゃん。最期に君が見れて良かっーーー。

「ぐ、ぐあああ! 首、首ぃ!」

可符香は包帯をきつく影朗の首に巻きつけ、効き足で踏みつけながら思い切り引っ張っていた。

「何してるんですか、可符香さん!」

「いや、先生。妖精さんを楽にしてあげようと思って」

そっちの助けるかぃぃ! あぁ、でも、なんか気持ち良くなってきたかも、あぁ~・・・・・・。
白井影朗はこの後、病院に運ばれ、九死に一生を得ました。


「さて、ここで椅子取りゲームが行われます」

「ここって・・・・・・」

七畳半の部屋に畳。テレビは一個、トイレが一つの普通の部屋だ。

「そうです。普通の部屋です」

「いや、普通じゃねーよ?」

木村カエレの言う通り、ソファーで眼鏡をかちゃかちゃさせながら顔を擦り合わせているバカップルがいた。またの名をデブップルがいた。

「あの、先生。すごい見苦しいんですけど」

「もうすぐです。日塔さん。あ、皆さん来ましたよ!」

扉を開け、一人のレジ袋を持った (太った) 女性が入ってきた。
ソファーの二人を見て、思わずレジ袋を畳に落とす。

「タカシ。なんでユミコといるのよ・・・・・・」

「こ、これは・・・・・・」

「もう別れたっていったじゃない! 馬鹿ッ!」

部屋を飛び出そうとする彼女をユミコの一声が止めた。

「またそうやって逃げるんだ。このチキン女」

ぴたっと止まり、恐ろしい形相でユミコを見た。

「なんですって?」

「チキン女にチキン女って言って何が悪いのよ。フン」

女はユミコに飛び掛り、それに応酬するように二人の取っ組み合いが始まった。

「タカシと私はずっと愛し合って来たの! それなのにこの泥棒猫!」

「あたしの方が愛してるわよね、タカシぃ!」

音無芽留は望の着物の裾をくいくいと引っ張った。

「なんですか? 音無さん」

望の顔にぐいと携帯電話の画面を近づけた。

『なんなのこれ!!!』

「これですか? これは 「タカシの嫁」 という名の椅子の奪い合いです」

どよんど。

「こんな事の為に呼び出したんですかー!?」

音無は日塔に携帯画面を見せた。

『ちょっと黙ってろ、普通女!』

「あー・・・・・・、芽留ちゃん昼ドラ好きだもんね・・・・・・」

「やめるんだ二人共! 俺の為に喧嘩なんてっ、喧嘩なんてっ!」

タカシの声で二人の女は硬直した。
良かれと思ったタカシは二人を抱きしめた。

「俺は二人のモ・ノさ・・・・・・ウグッ」

二つの包丁に刺されたタカシは床に崩れ落ちた。

「これが、 「タカシの嫁」 という名の椅子の消滅です」

望は両手で頭を抱え込んだ。

「絶望した。椅子取り社会に絶望したーっ!!」

「やだなぁ、今時椅子取り社会なんて馬鹿な話、ある訳ないじゃないですか」

「と、いうと?」

「これは、きっと」

可符香は胸の前で×を作るように、左手の甲の上に右手の腹を乗せた。

「二人共引き分けにする優しさ! この順位社会、こんな素晴らしい優しさが必要になってくるのです!」

「ぐっ」

望は一、二歩後退りした。

「今日という今日はあなたに分かってもらいます! この世には絶望しかないということを!」

「着いて来なさい皆! カム、オン!」

「うえー、もう授業終わってるよー」


「ここです」

「相撲場?」

「そう! ここにはフェアなんて無い! 椅子を取るか取られるか、そんな厳しい世界が広がっているのです!」

「いつだってそう! 有名映画監督にヒロインに抜擢されるには一発枕営業すればOKだし! 安く良い服が欲しい時には取り合いになり、結局破れ、 「良い服」 という椅子は消滅してしまうのです!」

「どうでもいいけど、試合始まるよ」

あびるの声に応答する様に、相撲をする両者が両手を土俵につけた。

「あれ? 右の人ってあの有名な珀王だよね」

「その通りです。日塔さん。そして左は絶望的に知名度の低い新人です」

「さぁ、のこったのこった!」

すると、珀王がすぐに土俵から落ちてしまった。

「ほら! あれ見たでしょう! 全然フェアじゃない! 金にまみれた仕組まれた試合だったんです!」

「違いますよ先生」

可符香が言うと望は嫌な顔をした。

「じゃあなんだっていうんですか?」

「あれは、知名度の低い新人も一度は大舞台に立たせてやりたいという先輩達の深い愛情! まさに兄弟愛!」

「ただの八百長だから!」

「絶望した・・・・・・」

望が会場を出ると生徒達もぞろぞろと出てきた。そしてなぜか木の枝に括り付いていて、先が丸い輪になっている縄を手に取った。

「この世の全てに絶望した・・・・・・。どうせテストの点数で人生が決まるんです。人をどれだけ蹴落とせるかで勝ち組負け組が決まるんです・・・・・・」

「絶望した・・・・・・」

望が縄の輪に首をかけると常月まといが飛びついてきた。

「駄目です、先生! 死ぬなら私も!」

「最期ぐらい一人にさせて下さい。常月さん」

望が足を地面から離すと、生徒達が先生に飛びついた。

「駄目です先生! 死んじゃ駄目ー!」

「し、死ぬー!?」


「はぁ、はぁ。殺す気ですか! あなた達は!」

「私、先生に死んで欲しくなくて・・・・・・」

「それは知ってます。もうくっつかないで下さいよ!」

「先生良かったじゃないですか」

「は? 何が」

「死のうとしたら止めてくれて良かったじゃないですか。普通の生徒ならまず止めてくれませんよ」

「・・・・・・」

「それもそうですね。ここで良い話で終わらせてしまいましょう!」

「それでこそ先生!!」

「よぉーし! 皆! 先生明日も仕事頑張っちゃいますよー!」


「え? リストラ?」

糸色望は校長室に呼び出されていた。

「うん。そうなんだよね。勝手に野外にでてっちゃうから、親御さん達から苦情来ちゃって」

「うわあああ、結局人生椅子取りゲームじゃないですか!?」

「うちも蛇の頭についている宝石は取るけど、蛇は取らないからねぇ」


可符香さんから一言。

「終わりです」



[29142] 滲み出た模様
Name: 絶望先生◆cd9c25ba ID:e037d2d4
Date: 2011/08/03 08:05
糸色望は頬杖をついて教室を見回していた。
暇ですね・・・・・・。
小節あびるの元に日塔奈美がやって来た。

「あびるちゃん。この前貸してあげたDVDもう見た?」

「あ、えー・・・・・・、うん、見た。面白かった」

「絶対見てないでしょ!」

「これだ!!」

糸色望は突然立ち上がり、教壇に立つと机を両手でバンと叩いた。

「人間、どうしても己の醜さが滲み出てしまうのです」


『CM』

H.H (藤吉晴美) の同人誌 「愛とお前は一期一会」 (980円)(BL本)(モノクロ本)(はっきり言って面白くない) が好評発売中!
在庫がないのでH.Hに直接注文してね♪

「千里のせいであの本全然売れないんだけど! ていうか()多いし!」

「きっちりしとかないと、買った後で苦情が来てもこまるでしょ?」


『本編』

「いきなり何ですか、人を醜いなんて」

「日塔さん。あなたの先程の言動には己の醜さが滲み出ていました」

「ここです!」

望はボイスレコーダーのスイッチを押した。

『あびるちゃん。この前貸してあげたDVDもう見た?』

「なんで生徒の会話録音してるんですか! 犯罪ですよ!」

「常月さんにお借りしました」

『あびるちゃん。この前貸してあげたDVDもう見た?』

「この台詞。自分が勝手に貸しただけなのに、 貸して 「あげた」 と言っています! これこそが、無意識の内に滲み出てしまう醜さなのです!」

どよんど。

「ただのいちゃもんじゃないですかー!」

「ああ、ありますよね。そういうことって」

がたん、と髪を真ん中に分けた木津千里が立ち上がった。

「木津さん。あなたはこういうの許さないタイプだと思ってましたが」

「いえ、先生。感銘を受けました。やっぱり全てきっちりしないと」

見て下さい、と望はテレビのリモコンので電源を付けた。
チャンネルでは、先日負けた元ボクシング王者にインタビューをしていた。

『昨日の試合、どう思われますか』

『うーんそうですね、なかなか強かったと思います』

「ほら! 自分を棚に上げて 「なかなか」 強かったなんて言っています!」

はっと望は顔を上げた。

「絶望した。人間の醜さに絶望したーっ!」

しーん。
クラスの生徒全員が席に座ったまま返事をしなかった。

「ん? 皆さんなんですか。言葉のキャッチボールは?」

しーん。

「あぁそうですか。もういいです。もう何も話しませんから」

ぼすんと椅子に座ると足を組んだ。

「さすがです! 先生! 自分の叫びに反応しないたかが生徒相手に怒るだなんて、ナイス幼稚! ナイス醜さ!」

「って木津さん! 幼稚ってなんですかー!」

「さぁ皆! 先生を見習って自分の醜さを暴露するのよ!」

「分かりました。木津さん」

「白井君」

「実は僕、自分の姿が見えないことを良いことに、女風呂を覗いていましたーっ!」

・・・・・・。

「あれ? 何? 何ですか?」

「逮捕ね」

急にガラッと教室の扉が開いた。
二人のスーツを着た中年男が白井に警察手帳を見せた。

「白井影朗。軽犯罪の容疑で逮捕する」

「うわぁ~! 離せ離せー!」

ずるずるとどこかに連れ去られて行った。この後、彼の姿を見た者はいない・・・・・・。

「・・・・・・えー、白井君はもう当分学校には来れないと思うので・・・・・・」

「さぁ皆! 気にしないで、自分の醜さを暴露するのよ!」

「「はい!」」

「なんで皆さんそんなに乗り気なんですか!?」

「一番すごい暴露をした人には、音無さんのヌード写真を贈呈する事にしたんです」

「!」

ピロリパロピリロラ。

『警察呼びましたー!!』

ガラッ。

「木津千里。家宅不法侵入と隠し撮りの罪で逮捕する!」

「いつもすみません。迷惑かけて」

抵抗せずに手錠をかけられ彼女は教室を去った。この後、彼女の姿を見た者はいない・・・・・・。

「えー、自分の醜さを露出するのは良いですが、見つからないようにやって下さい」

「それでこそ先生!! ナイス醜さ!」



[29142] 越えなければいけないハードル
Name: 絶望先生◆cd9c25ba ID:e037d2d4
Date: 2011/08/05 19:35
女子はハードル走のタイムを測っていた。

「藤吉さん、65秒」

「やっと終わった! 同人の締め切り明日!」

「消えた・・・・・・」

「そのスピードをハードルに使えばいいのに」

「あ、先生!」

可符香が糸色望を見つけ、声をかけた。

「こんにちは皆さん」

「先生、今日お休みしたじゃないですか!」

「・・・・・・」

望は気まずそうに眼鏡の縁をくいと上げた。

「えー、そんな事よりも」

「先生教師の自覚あるんですか・・・・・・」

「いたんですか! 常月さん」

「ええ、ずっと」

「あのハードル、高すぎやしませんか?」

日塔奈美は不思議そうな顔をした。

「高いですか? 普通だと思いますけど」

「私が言っているのは、あのハードルです!」

「え、私ですか」

「加賀ちゃんがどうかしたんですか?」

「いきなりブルマなんて男子生徒にハードル高すぎです!」

どよんど。

「最初は長ズボン。次は半ズボン。最後にブルマにするべきなんです!」

「いや意味分かんないし」

「小節さん」

望は小節あびるの体を舐めるように凝視した。

「なんですか。訴えますよ」

「小節さん結構胸大きいじゃないですか。ハードル高すぎです! だから男子教師の痴漢が増加するんです! まずは、音無さん。次に木津さん。そして常月さん。高校生はこのぐらいでいいんです!」

「先生、ひどい!」

「さりげなく女子生徒にセクハラしてるよね」

「絶望した! 無駄に高いハードルに絶望した!」

「そこはむしろ喜ぶべきなんじゃないですか?」

果たしてそうでしょうか、と望は言った。

「見に行きましょう。ハードルを越えられなかった者達の末路を!」


「これです!」

別の制服を着た生徒達が壁の紙を凝視していた。

「大学受験の結果発表?」

「そうです。大学受験という名のハードルを越えられなかった者は、一年浪人するか、グレて部屋でパソコンばかりするようになってしまうのです」

「日本って結構ハードル多いからね」


「次は電車ですか」

「見ていて下さい」

頭がハゲかかった中年サラリーマンが女性の尻を手馴れた手つきで撫で回した。

「キャーッ! 痴漢よー!」

「おい、お前何してるんだ」

「いや、俺は何も・・・・・・」

ピーポーパーポー。

「痴漢という名のハードルを越えられなかった者は社会からの抹殺が待っているのです!」

「やらなければいいじゃないですか・・・・・・」

「やだなぁ。痴漢なんてそうそうある訳ないじゃないですか」

出たな、ポジティブ少女!

「あれは欲求不満の婦人の性欲を満たすための、ブラインドタッチです。顔をそらしながら確実に女性の尻を撫で回す正確さ! 技術! そしていつ社会から抹殺されるかというスリル! これらを完全にこなそうとする者こそまさに勇者! 尊敬に値します!」

「え」

「そうです・・・・・・。そうなんです・・・・・・。俺は勇者なんです」

「あ、さっきの痴漢!」

「ちゃんといつ死んでもいい様に退職願書も懐に忍ばせてるんです」

「捕まったら終わりでしょ!!」

「そうとも限りませんよ。人生の最後に自分の欲求を満たせたんですから! きっと彼らは乾いていたんです。性欲という名のオアシスが!」

「それ女子高生の言う台詞じゃないですよ!!」

「皆さんも人生にのハードルに挑むときは後悔しないようにね! 特に受験生諸君!」



[29142] メトロレジェンド
Name: 絶望先生◆cd9c25ba ID:e037d2d4
Date: 2011/08/12 14:40
小森 「先生これ全然おいしくないよ・・・」

常月 「あ、ホント・・・」

小森霧が持っているパックを常月まといが覗いた。

常月 「紀元前梅干」

絶望 「そんな事ありません。古いんですから!」

小森が梅干の種を窓から吐き出した。

小森 「先生古いからっておいしい訳じゃないよ」

絶望 「本当に? ならあれはなんなんですか!?」

糸色望の指の先にはTVがあった。番組名は 「生きている化石シーラカンス!」

絶望 「何千年もしぶとく生きていれば評価される時代なのです! だったら、家でパソコンばかりやってて親の脛噛んで生きている様な人間も、しぶとく生きていれば化石になって美術館に展示されるのです! ナイト・ミュージアム3の出演だって夢じゃありませんよー!」

どよんど。

途中です。


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