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[29124] 【チラ裏より・完結】つんでれダンジョン *番外編はじめました
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2014/03/10 20:04
小説家になろう様に改訂版の投稿を始めました


>>>>>>>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<<<<<<<<<

おれはダンジョンだ、わかったか?


いや、だから、戦士とか魔法使いとかそういうんじゃねえっつってんだろ。


ダンジョンに潜るヤツじゃなくて、ダンジョンそのものなの。解ったか?くそガキ


いや、ちげえよ、なんで名前がダンジョンなんだよ。そんな名前つけられたら親を恨むぞ。


いいか、お前ニンゲン、俺ダンジョン、OK?


あん?じゃあ、オレの名前は何だって?


・・・って、てめえ自分が潜ってるダンジョンの名前もしらねえっつうのか?・・・かーっ、救いようのねえガキだなあ。


ったく、教えてやるよ、いいか、オレの名はな、「終末のダンジョン」だ


あんっ?それは、てめえが今潜ってるダンジョンの名前だって?


・・だからさっきからいってんだろうが!!つーか、てめえ全然わかってねえじゃねえか!


いいか、オレが!このダンジョンで!お前は!今おれの中にいるんだ!・・・わかったか?



ケッ、ビビリやがって・・・、ようやくおれの恐ろしさが理解できたようだな、・・・って、てめっ!変態だと?


おめ、オレの中にいるってそういう意味じゃねえよ。


おれが、てめえみてえな幼女に欲情するとおもってんのか?そもそもオレはダンジョンだっつってんだろ!!


・・なに?幼女じゃねえ、少女だって?あん?そんな言葉は身長140センチを超えてからいいやがれ!


・・・あん?だったらおれの身長はいくつだって?


・・・まあ、多少変動はするが、全長3000キロってとこだ。


・・・おい、きいてんのか?人の話?


勝手にうろちょろすんじゃねえよ、危ねえだろうが、このやろう!


つーか、おい、そろそろ帰りやがれ、いい加減トラップおとすぞ、トラップ!


・・・ああん?この迷宮にトラップなんかありゃしねえって?・・・って、てめええ、人の苦労もしらねえで!!!


おれんとこのトラップはな、最凶レベルのトラップなの!


てめえみてえなへなちょこが俺のトラップにかかっちまったら、一瞬で粉々になっちまうだろうが!だからわざわざ、てめえが通るところはトラップ外してやってんだよ!


わかったか?わかったら、とっとと帰れ。


オレはな、ラストダンジョンなの、この世界には隠しダンジョンはないから、正真正銘、最高難度のダンジョンなの!


一階からドラゴンとかトロルとか出てくんだぞ。てめえみてえなレベル1のひよっこじゃ一撃で死んじまうんだぞ、


ああん?モンスターに遭ったこと無いからレベルが上がんねえ?


・・・て、・・て、めえ、どれだけこっちが苦労してると思ってんだ。


モンスターが近づきそうになるたんびに、壁作ったり、落とし穴で落としたりで、こっちゃあ大忙しだってんだ。


・・ああん!?なんでんなことするかだって?


だからいってんだろーが、お前なんかがおれんとこのモンスターと戦ったら一発で死んじまうつってんだ


わかるか?おれ最強、おまえ最弱。わかったな。よし、とっとと帰れ。


・・・って、なんで帰んねえんだよ?なに?どうしても下におりなきゃいけない?


ばっかおめえ、ウチのダンジョン、地下二階からいきなり難易度が倍になんだぞ、だてにラストダンジョンやってねえっつうの。


ヒドラとか、キマイラとか、でてくんだぞ、だからてめえがうっかり下に降りちまわねえように、いつも階段を隠してやってんじゃねえか


・・・ああん!?なんでそんな意地悪するのかだって?はぁ?てめえは人の話きいてたのか?


ヒドラだぞ、ヒドラ、8つの口から一気に灼熱の炎とか吐いてくんだぞ、レベル40あっても即死だぞ。


・・・なんだと、コラァ!?レベル上げたいから敵を出せ?


だからさっきから何度も言ってんだろうが、おまえが!おれんとこの!敵とたたかったら、100パー死ぬって!


・・・だいたいなんで、そんなにオレんとこに潜りてえんだよ。もっと簡単なダンジョンがあんだろ?


・・あん?エリクサーが欲しい?まあ、たしかにうちの地下8階からは時たま拾えるけどよ・・。


まあ、無理だ、無理だ。てめえが地下8階とか、ぜってえ無理だ。10年早え。


とっとと、旅立ちのダンジョンにでもいってきな。


あいつのとこは、初心者設計で、スライムとかこうもりとかしかでねえからよ。


罠もねえから、ちゃんと武器持ってきゃあ、おめえみてえなガキでもそれなりに戦えんだろうよ。


あん?それじゃあ、間に合わねえ?なんでよ?母親が病気?


・・・ったく、辛気臭え話だぜ、おい、こら!泣くんじゃねえ!泣くんじゃねえって!!

ちっ・・・、これだからガキって奴は・・・、


とにかくだな。オレんとこはおめえにはむりだって、おら、母親の気持ちも考えて見やがれってんだ。いまごろ心配してんぞ。


・・・そうだ、わかったか、わかったなら、とっとと帰れ。今出口まで繋いでやるからよ。


・・・ったく、いつまでもメソメソメソメソ、湿っぽいダンジョンがよけい湿っぽくなっちまわあ。おら、帰りやがれ、つってんだろが!


・・・おう、ちょっと待てよ、ガキ、オレに迷惑かけてる罰だ、そこにあるガラクタ処分しとけ、


ああん?これエリクサーじゃねえかだと?


ちっ!・・・ちょっと余っちまったからよ。腐らしてもしょうがねえだろ。


なにぃ?そのエリクサーが腐ってんのかだと!?馬鹿なこといってんじゃねえよ。エリクサーが腐るわけねえだろ!弁当じゃねえんだからよ。


・・・って、なんだよ、なにくすくす笑ってんだよ。とっととけえれっつってんだ。


・・ば、てめえ、なにがありがとうだ、こっちゃあ、礼を言われる事は一つもやってねえっつってんだ!早く帰りやがれ!


「またね」じゃねえよ!二度と来るなつってんだろうが!このバカやろう!!






************************************


正直、すまんかった。・・・でもタイトル通りだろ?



[29124] つんでれダンジョン 2
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/02 17:36




・・・・って、おい、なんでてめえがまた来てんだよ。こちとらラストダンジョンだっつーの、このクソ幼女


ああん?礼にきた?


礼なんていいから、とっとと帰れってんだ。こっちゃあ、礼言われるようなことなにもしてねえんだからよ。


・・・なんだ、おめえ、カバンからなに出してんだよ?


・・って、てめえ、団子そなえてんじゃねえよ!地蔵じゃねえんだよオレは!


だから、なんで拝んでんだよ!地蔵じゃねえっつってんだろが!わかってんのか、このクソガキが!


あん?母親にちゃんとお礼してきなさいって言われただと?


だから、礼をいわれるようなことは何もしてないっつってんだろうが、このバカやろう


・・・つーかよ、おめえ・・、その・・、なんだ・・・、母親はもう大丈夫なのかよ?


あん?すっかりよくなって、もう働いている?


・・・まあ、治ったっつんなら、いいけどよ。少しは養生してからのほうがいいんじゃねえか?


あぁん?金がねえ?おめえんとこのオヤジはどうしてんだよ?

・・ったく、こういうときに頑張れなくて、なにが大黒柱だよ。おれんとこの大黒柱なんて、すっげえぞ、見たら腰抜かすぞ、クリスタル製の上に直径100メートルあってな・・・


・・・・あん?・・・そうか、オヤジはいねえのか・・・・。・・・・・ったく、景気の悪い話だぜ。


おい、泣くんじゃねえよ。


・・・また、泣きやがったぜ・・、このガキは、




おいこら、泣き止めっつってんだろが!おらぁ、てめえがもってきた団子でも食いやがれ。どーせ、オレは食えねえんだからよ。


いいから食え!団子につられて蟻ども集まってきたら、痒くてしょうがねえんだよ、


・・・ったくロクでもねえもん持ってきやがって。


・・・けっ、ありがとうじゃねえよこのクソガキ。・・・ちゃんと噛めよ、喉につまんぞ。


・・・って、だからいっただろうが、このバカやろう!速攻で詰まらせてんじゃねえか!
ちょっとまて、すぐに泉つなげっからよ・・・・。よっこらせっと・・。おらぁ、飲みやがれ。

ああん?・・って、き・・汚くねえよ!うちの迷宮の一番絞りだぞ、・・・ってめえ、この泉はあれだぞ、体力と精神力まで全快すんだぞ!本当だったら命がけで地下20階までたどり着いた冒険者しか飲めねえんだぞ!おら飲め。


・・・おう、おちついたか・・、ああ?うまかった?あったりめえだろうが。だてに命の泉とか呼ばれてねえんだよ!

この泉にはな、女神の涙っつう、魔法石の結晶が溶け出してててな・・・


・・・って、うまかったって、団子のことかよ!?このくそ幼女!


かーっ、これだからガキってやつは、大人の味って奴がわかんねえんだ、てめえなんぞオーガのションベンでも飲ましときゃあよかったぜ・・、まったく。


・・・ん?団子も食べたし帰る?


つーか、てめえなにしにきやがったんだよ?団子持ってきて、自分で食っただけじゃねえか!?


いや、だから、またねじゃねえよ!!もう来んなっつってんだろうが、このバカやろう!


・・・おう!ちょっとまてよ。


今、ちょっとゴールドゴーレムが壊れちまってよ。金塊に変わっちまったんだよ、


・・・おら、これでももってけよ。


ばかやろう、てめえのためじゃねえよ! 迷宮に金塊落ちてて、誰かがうっかりつまずいたら危ねえだろうが!!

だから、掃除だ掃除、それでおめえは、ゴミ捨て係だ。とっとと捨てて来い。


・・ってばか、ホントに捨てんじゃねえよ。これ売ったら10000ゴールドにはなるんだぞ、捨てんじゃねえぞ!ちゃんと母親に渡すんだぞ!!



だから、なにクスクスわらってんだよ。てめえは


ありがとうじゃねえよ、このクソガキが!



だから、「またね」でもねえっつってんだろうがバカやろう!






[29124] つんでれダンジョン 3
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/05 01:43

・・・ったく、またおめえかよ、このクソ幼女。もう来んなって言ってんだろうが。


・・あぁん?こんどはなんだよ。


はあ?夏休みの自由研究?なんで自由研究にラストダンジョンきてんだよ、ガキは外で蝉のぬけがらでも数えてろってんだ。


ああん?おれについて書きたい?


・・・はあー?おめえ、オレが誰だか知ってんのか?ラストダンジョンだぞバカやろう。


・・・まあ、確かにおれも「終末の迷宮」と呼ばれるだけあって、ダンジョン仲間のなかでは一番の古株だし、世界の七不思議の一つとか呼ばれてるからよ、おめえが知りてえっつう気持ちはわからんでもないがよ、


・・ま、帰れ、帰れ、おめえがオレの研究しようなんざ100年早えよ。


・・・なんだとこのやろう、なんでそんなひどい言い方しかできねえのかだと?


・・・ばっか、おめえ、世界の七不思議の一つを夏休みの自由研究にするってどんな気合はいった自由研究だよ?ガキにゃあ荷が勝ち過ぎるっつうの。


・・ああ?せかいの七不思議をしらねえ?・・・って、おめえ、ホンマモンのばかだな、


光と闇の塔とか、機械島の空中庭園とか、逆さに落ちる滝とか、海底に輝く大聖堂とか・・、


ホントに聞いた事ねえのか?この世界で絶対にとけねえ七つの謎って言われてんだぞ。


知らねえ?少しは勉強しろってんだ、このバカやろう、


・・・あぁん? だから、勉強するから自由研究させろだと?・・・っち、・・・てめえ、ガキの癖に正論吐きやがって。


・・・あぁん?・・ハァ・・ったく、わかったよ。答えてやんよ。


てめえ、ありがたく思えよ。おまえオレの秘密知るなんざ、ホントありえねえんだぞ。学者どもだったら、涙流しながら土下座すんぞ。


・・・けっ、それで、なんについて知りてえんだ?くっだらねえ質問だったらトラップ落とすぞ、トラップ。


ああん?なんでダンジョンは形がかわるのか?だと?


そりゃあ、あれだ、おまえらだって寝てるとき寝返りうつだろ?あれといっしょだ。あれと、

ずっと同じ格好でねてると、床ずれすんだよ、床ずれ。だから寝返りうつんだ。わかったか?


・・・おう、そうだ。おめえ馬鹿な癖して物分りはいいじゃねえか。まあ、頭空っぽな分、入れるのは楽なのかもしれねえけどよ、


ああん?バカバカいうやつがバカだって?


・・って、てめ!こちとら、ラストダンジョンだぞ、攻略するには世界中の叡智を集めても足りねえって言われてんだぞ。だれに向かって口きいてんだコラァ!


・・・ちっ、まあいい。ガキの遠吠えは聞こえねーよ!!このくそジャリが!


・・・おう、おら、ちゃんと書いたか?おう、そうだ、「ねがえり」ってかいとけ。


んで、次の質問はなんだ?


・・なに?なんでモンスターがいるかだと?あいつらが勝手に住み着いてんだよ。こっちゃあ、いい迷惑だってんだ。


・・まあ、他に住むところもねえだろうから、追い出しゃしねえけどよ。・・・って、・・てめえ! 「やっぱりいい人だ」じゃねえよ!!追い出すのが面倒なだけだっつってんだ!そもそもおれは人でもねえよ、壁で挟んでつぶすぞこのやろう!


・・・っち、まあいい、「かってにすんでる」って書いとけ、おう、そうだ。いいじゃねえか。


・・んで、次の質問は?


・・ああん?なんで迷宮にはトラップがあるかだと?


・・まあ、トラップは自分で作ることもあるにはあるが、あれはまあ気づいたら勝手に増えてるもんだからな・・。なんて説明すりゃあいいかなあ・・・。

・・おう、そうだ。おめえ口内炎とか、できものとかできるだろ?あれとまあ、似たようなもんだ。わかったか?

・・・そうだ、そういうことだ。おうよ、「できもの」ってかいとけ、・・やりゃあできんじゃねえか、おめえも。


おら、他に質問はあるか?


・・あぁん? なんで、宝箱が迷宮にあるかって?・・・ああー・・・、ちょっと難しい質問きたなあ・・・。

魔石の魔力が凝縮されて月の光がどうこうとか、説明しはじめるとクソめんどくせえんだよなあ。


・・・おお、そうだ、いいたとえがあった。おめえ、ハナクソできんだろ?


・・・なんだと?レディーにむかって、失礼だと?


てめえがレディーってガラかよ、10年早え!このクソ幼女


・・まあいい。んでな、鼻クソってのはな、自分の体からでた余分な物が乾いて固まるもんだ。


・・まあ、迷宮に宝箱ができるのもだいたいそんなとこだ。


・・・おう、そうだ。「たからばこははなくそ」ってかいとけ。・・よし、なかなかやるじゃねえか、てめえの癖によ。


・・・・ああん?宿題終わったからもうかえる?


ああ、帰れ帰れ、とっとと帰れ。二度と来んな。




だから、またねじゃねえっつってんだろ!バカやろう!




・・・・。



・・・・・。



・・・・・・・っけ、まあ、いい事した後は気持ちがいいぜ。





[29124] つんでれダンジョン 4
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/05 06:02

・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


・・・おい、なんとかいえよ。


・・って、「なんとか」って言えつってんじゃねえんだよ。なめてんのかコラ!


なんだてめえは!?やってくるなり黙り腐りやがって、用がねえんなら、とっとと帰りやがれっつってんだろ!いつもはきゃんきゃんきゃんきゃん犬みてえにうるせえ癖によ!


・・あんだと?もうおれとは口を利かねえ?・・って、てめ・・! 上等じゃねえか・・、誰がいつ、てめえとお喋りしてえっつったよ、このクソジャリが!!!黙ってくれるなら大歓迎だ!!こっちのほうから頼まあな!!


・・・・・


・・・・・


・・・・・・


・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・おい、てめえ、わけぐらい言えよ。


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・ああん?自由研究で馬鹿にされた?


・・・って、てめ、だれが嘘吐きだこのやろう! ・・・・ああん、てめえの先生がそういった?ぶっ殺すぞそのクソ教師!!!


おう、そいつここに連れてきやがれってんだ!ちょいと「お勉強」させてやるからよ!おれがいったことは、全部本当だっちゅうの!!


・・・ああ?おれから直接聞いたって言った?でも、そんなわけが無いって?ダンジョンがしゃべるわけが無いだと?


・・・・・っかあー! これだから人間って奴らは・・、喋れるのが自分だけだとおもってんじゃねえぞゴラア!!


こちとら、おめえらがまだサルにもなれてなかったころからダンジョンやってんだよ!たかだか100年も生きられねえ癖して偉そうにしてんじゃねえよ!わかってんのか?クソ教師!!


おい、そいつ教師の才能ねえよ。やめさせろ、やめさせろ!ったく、そんな教師ばっかだから最近の若者がよ・・・


・・・あん?友達にもいじめられた?嘘吐きなんて友達じゃねえって?


・・けっ!なんだそいつら、そんなやつらこっちから願い下げだっつうんだ!


オラ!ちょうどよかったじゃねえか、そいつらと縁が切れてよ!


・・・・・って、おい、泣くんじゃねえよ。いいじゃねえか、そんなガキども!


・・だから、泣くんじゃねえって!おめえ、ここにくると泣くか騒ぐかしかしてねえじゃねえか!


・・・・ああー、これだからガキって奴はよ!!


・・・・ったく託児所じゃねえんだぞ、ラストダンジョンだぞバカヤロウ!!


・・・だから、泣き止めっつってんだろうが!!泣き止まねえなら無理にでも黙らせんぞ、コラァ!!!


・・・・・


・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・・・っち、あー・・、ったく、しょうがねえな・・。


・・・おい、コレやるから泣き止め。


これはな、「真実を知る水晶」っつってな、うちの25階層にあんだけどよ。まあ、いわゆるイベントアイテムっつうやつよ。これをもって「本当の事」をしゃべれば、全員が信じるっつうシロモンだ。もっとも、本当の事を喋らねえ限り効果はねえけどな・・。


こいつやるからよ。これをもって、てめえのクソ友達に嘘じゃないって言ってこい!ついでにその頭のかたい教師にも本当の事を教えてやれってんだ!


・・・っけ、とたんに泣き止みやがった、現金なガキだぜ。


・・っち、てめえ、イベントアイテムつったらなあ、本当なら中ボス倒さなきゃもらえねえんだぞ、うちの中ボスめっちゃ強えんだぞ、スフィンクスだぞ、スフィンクス!わかってんのかコラァ!!


・・っちょ、おめ、壁にすがりつくんじゃねえよ。鼻水つくだろが、鼻水!


ありがとうじゃねえよ、このクソ幼女!!


いいから離れろっつってんだろ!汚ねえんだよ、このクソガキが!


・・・・・ほれ、とっととかえれ、頼むから二度と来んなよ。





だから、またねじゃねよバカやろう!




*************************

冒頭のくだりで、「ほっぺた膨らまして反対向いて座っている幼女の姿」が頭に浮かんだ人は負け!




[29124] つんでれダンジョン 5
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/07 08:45

・・・またきやがったか・・・・。


おめえ、何度オレにこのセリフ言わせりゃ気が済むんだ、あぁん?


二度と来んなっつってんだろうが、このくそガキが!


・・あぁん!?そんなことはいいから、私の話を聞け?


・・って、てめえ、上等じゃねえか・・、毒沼に頭から沈めんぞコラア!


・・なんだと、毒沼なんてどこにあるかだと?・・っけ、こちとらラストダンジョンだっつうの、うちの28階層にはよお。辺り一面毒の沼っつうフロアがあってよ、てめえなんざ、3歩あるきゃあ、お陀仏よ。


・・ああん? だからそんなことはどうでもいいから私の話を聞いてくれだと?・・・って、てめえから聞いてきたんだろうが!!このクソジャリが!!


・・・あん?なんだと?レベルをあげてえ?なんでまた・・


・・なに?運動会だ?


・・・おめえよお、ずーっと前にも言ったと思うがな、こちとらラストダンジョンなんだよ、てめえが倒せるようなモンスターがここにいるわけねえじゃねえか。そもそも運動会の練習にラストダンジョンこようなんざ、どんな荒行だよ?


・・あんだと? いっつもビリだから、どうにか見返したいだと・・?


だからどうした、なんでこのオレがてめえの頼みなんぞホイホイきいてやらなきゃなんねえんだよ!


・・ったく、若いころから楽ばっかしてっとろくな大人になんねえぞ!少しは自分で努力しやがれってんだ!


・・あん?どうやっていいかわかんねえ?・・って、バカかてめえは、筋トレでもなんでもやりゃあいいじゃねえか!おら、腕立てとか腹筋とかいろいろあんだろ?


・・・おう、そうだ! 急にやる気になったじゃねえか。ま、てめえのそのバカ正直なところだけはちょっとだけ認めてやらあ、天は自らを助くるものを助くってな、レベル上げも結構だが、まずは自分で自分を鍛えなきゃ話になんねえんだよ。わかったか?


・・よし! いい返事じゃねえか。わかったんならそれでいい。


つーことで、とっとと家に帰って筋トレしてろ。じゃあな、二度と来んなよ。


・・・って、なんでここで始めんだよ!?家でやれっつってんだろが!ここはラストダンジョンだ、フィットネスじゃねえんだぞ。わかってんのかこのクソ幼女!


・・だから、聞けよ人の話!!腕まくりしてんじゃねえよ!


・・・・・・


・・・・・・


・・・・・・


・・・・・・んで、おめえは何をしようとしてんだ?


・・ああん?腕立てぇ?てめえ、そりゃ腕伏せっつうんだよ!さっきから地面に蛙みてえにへばりついて、うんうん唸ってるだけじゃねえか!


・・ああん?腕立てはもうやめて腹筋にする?・・ったく、根性のねえやつだなあ、おい。・・・まあ確かに初心者には腹筋の方がなんぼか楽だろ、・・っち、しょうがねえなオイちょっとまちやがれ、今地面を平らにするからよ。


・・ああん?なんで平らにするのかって?ばかやろう、平らなとこでやんねえと背中が射てえだろうが、てめえ、ホンマモンの馬鹿だな、・・・って、ニコニコしてんじゃねえよ。トラップ落とすぞバカやろう!


・・・・・・


・・オイ、どうした、やれよ?


・・ああん?腹筋するから足押さえてて欲しい?・・おめ、誰に向かってもの言ってんだ?なんでラストダンジョンが筋トレの補助やんなきゃなんねえんだよ?


・・ああん?筋トレしろっていいだしたのはそっちじゃねえかだと?・・って、てめえ、最近マジで調子に乗りすぎだぞ!マジでいっぺんシメんぞコラァ!!「お願いー」じゃねえよこのクソじゃりが!


・・っち、わかったよ、今この岩肌のとこに窪みつくってやっからよ、勝手に腹筋でもなんでもしてろってんだ。


・・・よし、おら、できたぞ、やれるもんならやってみやがれ。


・・・・・・


・・・・・・


・・・・・・


・・・・・・おい、くそ幼女、一応確認しておくがな、てめえなにやってんだ?


・・だから、それは腹筋じゃねえよ。仰向けになって悶えてるだけじゃねえか!せめて一回はやれよ!おれにここまでやらせておいてよ!!


・・・なに?自分に筋トレは無理だ?・・・・あー、まあ、確かにそうかもしれねえなあ。おめえ、破滅的に運動神経ねえわ・・。


まあ、運動会なんて一日で終わらあ、グズはグズらしく、全種目ドンケツ制覇すりゃあいいじゃねえか。


・・ああん?母親も来るからいいとこ見せてえ?てめえが見せられるのは醜態だけだっつーの!まあ、心配すんな。母親ってやつはな、バカでグズでのろまな救いようのねえガキでもよ、自分の子ならかわいくみえるもんなんだからよ。


・・・なんだって?そこまでいうことないじゃないだと?本当のこといって何が悪いよ?オラ、とっとと帰った、帰った。


・・・あぁん?やっぱりレベル上げするから、モンスター出してくれ?てめえ、バカか、頭沸いてんのか?


何度も言ってんだろうが、てめえがうちのモンスターと戦ったら一瞬で死ぬって、デーモンとか、オーガとかでんだぞ?わかってんのか、このやろう!おめえなんぞ見ただけでちびって泣き出しちまうぞ。


・・なに?わたしでも倒せて、見た目も怖くないモンスターはいねえのかだと?


馬鹿言ってんじゃねえ、こちとらラストダンジョンだぞ!一階から最下層まで、スーパーベリーハード仕様だ!そんなモンスターいるわけが・・・・・、



・・・・・・・いや、ちょっとまてよ。あいつなら・・、いや、でもあいつはなあ・・・・


・・・あぁん?いるんならはやく出せだと?こ・・このクソ幼女、最近本当に遠慮がなくなってきやがったな。その緩んだ頭に岩でも落としてネジ締めつけてやんぞ!ああん?。


・・なんだって?ケチケチすんなだと?・・・っこ、このクソガキャあ・・・。あのよお・・、だれがそのモンスターここまで連れてくるとおもってんだ?このクソ幼女!


あのなあ、そのモンスターはマッハスライムっていってな、臆病で滅多に人前に姿をあらわさねえうえに、ほとんど音速に近いスピードで動き回るから、捕まえんのに相当苦労するんだよ!

なんでオレがてめえごときのためにそこまでしてやんなきゃなんねえんだよ!


ああん?お供えするからお願いだと?だからいつもいってんじゃねえか、オレは団子はくえねえって、結局いつもてめえが食ってんじゃねえか。


お願い、お願いうるせえんだよ。駄々こねんじゃねえよ。まったく、これだからガキってやつはよ・・・。


うるせえっつってんだろうが、静かにしやがれっつってんだろ?


・・ああ?静かにするからモンスターつれてきてだと?・・て、てめええ・・、変な知恵ばっかつけやがって!オレはてめえのオヤジじゃねえんだぞ、バカヤロウ!


・・・・・・


・・・・・はあー、わかった、わかったよ!つれてきてやんよ!だからもう騒ぐな!


言っとくけどな、ちょっち時間かかんぞ、おとなしく待ってろよ!ちょろちょろ動き回るんじゃねえぞ!


・・・っけ、あいつめちゃくちゃすばしっこいかんな、罠使って捕まえなきゃなんねえか・・・・


・・ったく、なんでおれがこんなこと・・・、








【・・・2時間後】







・・・、ぜえ、ぜえ、・・おい、つかまえてきてやったぞ、こん畜生・・。どーだ、バカヤロウ、マッハスライム捕まえるなんざ、そんな真似できんのオレぐらい・・・、


・・って、てめえ、昼寝してんじゃねえよ!!、おれがどれだけ苦労したとおもってんだこのやろう!「ごめんね」じゃねえよ、ばかやろう!ラストダンジョンで一人で昼寝なんざ、どんな猛者だてめえは!オラ、とっととよだれ拭きやがれ!


・・・ほれ、これがマッハスライムだ。逃げないように檻に入れてあるからな。檻ごしにこの棍棒でたたけ、こいつすばしっこい癖に防御力は豆腐だかんな。


あと、言っとくがあんま力いれんじゃねえぞ、気絶させるだけだぞ、コイツらレアモンスターで個体数めちゃくちゃ少ねえかんな、殺すんじゃねえぞ!気絶させるだけでもちゃんと経験地は入んかんな。


・・・オイ、どうした?早くやれよ。


・・・ああん?かわいそうで殴れねえ?・・って、てめえ!おれがコイツつかまえんのにどんだけ苦労したとおもってんだ!!いいから、とっとと殴れっつうんだよ!・・でもそろっとだぞ、そろっとだかんな! オラ!とっとと殴りやがれ!


・・・ああん?運動会ビリでいいから、放してあげてだと、馬鹿かてめえは!だったら最初からレベル上げしてえなんて言いだすんじゃねえよ!


・・・ったくよお・・・、こっちゃあ骨折り損のくたびれもうけじゃねえか・・・


・・おい、マッハスライム、無理矢理捕まえちまって悪かったな、今から放してやっからよ、巣にはてめえでかえれるよな?


・・オイ、クソ幼女!とっとと檻を開けやがれ!


・・・・・・。


・・・・ったく、捕まえてごめんねじゃねえよ、クソ幼女。謝るんなら最初から連れてこいなんて言うんじゃねえよ、まったくよ・・。


・・おい、マッハスライムてめえはもう帰っていいぞ、あと侘び代わりだ、このエクスポーションでももってけ!


・・遠慮すんじゃねえよ、もともとてめえが気絶したら使うつもりだったもんなんだからよ、いいからとっとともってけ!


・・・・・おう、あばよ、人間にやられんじゃねえぞ、おめえら数少ねえんだからよ。


・・・・・・・。


・・・ん?なにもってんだ、クソ幼女?


・・・って、おい、コレ覚醒の秘種じゃねえか!!!?? どうしたんだこれ!?


・・あん?マッハスライムにもらっただと?・・・あー、そういえば、マッハスライムの中に稀にこれもってる奴がいるんだっけか・・。


・・てめえ、アイツに感謝しろよ。どんなレアアイテムよりも高額で取引されんだぞ、この種一つで小さな国なら買えちまうような額だぞ。


・・まあ、マッハスライム倒すのがまず不可能な上に、ドロップ率も相当低いかんな、まず市場に出回ることはありえねえが。


・・ああん?覚醒の秘種って何だだと?バッカやろう、これを食べた奴はな、全部の身体能力が、50ずつ底上げされるっつうとんでもねえアイテムよ。

てめえのゴミみてえな運動神経でもこれさえ食べれば、100メートル10秒で走れるようにならあ。


・・全く、てめえなんぞにゃあマジでもったいねえアイテムだぜ。おい、一気に飲んでみな。


・・あん?体が羽みてえに軽いだと、あったりまえじゃねえか、超激レアアイテムだっつってんだろうが。


あぁん?ありがとうだと、・・っけ、礼ならあのマッハスライムにいいやがれってんだ、バカやろう。


・・なんだって?今度団子もってくるから、あのマッハスライムに渡してくれだと?


・・って、ふざけんじゃねえよ!オレはラストダンジョンだバカやろう!なんでオレがんな郵便屋みてえな真似しなきゃなんねえんだよ!?第一なんでまた団子なんだよ。おめえは他に礼の仕方知らねえのかよ!


・・・って、聞けよオイ!だからまたねじゃねえよ、引き受けねえっつってるだろ、バカやろう!


来んなよ!もう二度と来んなよ!!聞こえてんのかコラァ!!



・・・・・・・。


・・・っけ、うれしそうに走っていきやがって・・、ガキ丸だしじゃねえか・・。







それにしても・・・・・、早ええな、オイ。



********************************

ドーピング幼女の回でした。この世界の人間の身体能力のカンストは255です。HPとMPは999





[29124] つんでれダンジョン 6
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/10 18:36


・・・・・・・


・・・・・ハァー


・・・・・てめえよお・・。なんなんだこのヤロウ。来ていきなり寒い寒いってよ。もう2月だ、寒いに決まってんじゃねえかよ。


ああん?家の中よりもさむいだと?


馬鹿かてめえ、こちとら、ラストダンジョンだぞ、なんで暖房つけてなきゃいけねえんだよ。


寒いっつうなら、とっとと帰りやがれ!つーか、もう来んなっていつも言ってんだろが、このクソ幼女!!


・・ああん?もう幼女じゃねえ?身長も130センチになった?


だから言ってんじゃねえか、140センチになるまでてめえは一生幼女だ。


・・なんだと?同い年のアンナはもう145センチだと?知らねえよ!てめえのダチのことなんざ!


つーかてめえ、よそ様の尻馬に乗っかろうなんざあさましいんだよ!てめえで140センチ超えてから言いやがれ!


・・あぁん?そんなことはもういいから、なんか暖かいものはねえかだと?


・・おいコラ、ここは喫茶店じゃねえんだぞ!そんなに、さみいのなら、溶岩頭からぶっかけんぞ、このクソジャリが!!


・・なに?溶岩なんてあんのか?だと。


・・ったりめえだろ!こちとらラストダンジョンだぞ、溶岩フロア程度は標準装備だこのやろう!


うちの溶岩フロアは、めっちゃ熱いぞ、耐熱魔法がなきゃ、あっという間に黒こげだぞ。


まあ、よっぽどの使い手じゃなきゃ、あの冗談みてえな熱気は防げねえがな・・。


おまけによ、その上の階は全部極寒フロアだかんな?いい加減寒いの終わったと思ったら、灼熱の地獄よ。なめんじゃねえぞラストダンジョン!!


・・・ああん?そこって、ここより寒いのかって?


当然だこのやろう!おめ、この世にオレの極寒フロアより寒いとこっつったら、世界の七不思議の一つ、凍れる山の墓標ぐれえだぞ。


・・ああん?知らねえ?・・かーっ、やっぱおめえ救いようのねえバカだな。


砂漠のど真ん中にある山でよ。熱を完全に遮断しているせいで、いつだって絶対零度のトコなんだよ。うっかり入ったら、即凍死っちゅうえげつない場所だ。


・・てめえぼーっとしてんかんな、あそこにゃ絶対近寄るんじゃねえぞ!


・・・・ケッ!・・バカやろう。別にてめえのこと心配して言ってる訳じゃねえんだよ!嬉しそうにしてんじゃねえよ、クソガキが!!


・・・・まあいい、話がそれた。・・ま、そんくらい、おれんとこの溶岩フロアと極寒フロアは厳しいっつーことだ。わかったか?


・・おうよ、・・まあな!・・なんだ、わかんじゃねえかこのやろう!


・・ああん?溶岩あるなら温泉はあるのかだと?


・・っけ、バカにすんなよ!あるに決まってんじゃねえか、こちとらラストダンジョンだぞ。


「あのダンジョンにあるものでこの世界に無いものはたくさんあるが、この世界にあるものであのダンジョンに無いものは一つもない」とか学者共に言われてんだぞ。


・・あんだよ、なに目ぇキラキラさせてんだよ、・・なに?入ってみてえ?温泉にはいったことが一度もねえ?


・・って・・てめえ、銭湯じゃねえんだぞここは!ラストダンジョンだっつってんだろ、このクソ幼女!


てめえみてえなガキにゃあ温泉なんぞ10年はええよ。


・・・なんだとコラ!自分だけ温泉に入ってるなんてずりい?バカやろう、おれが入れるわけねえじゃねえか!どうやって自分のからだの一部に、自分で入れるっつうんだよ。おめえだって、自分の耳の穴に入れるわけねえだろ?あん?


・・・・・・・・なんだとコラ?それはわかったから早く出してだ?


・・・このクソジャリが!てめえコラ、人に物を頼むときゃあ態度ってもんがあんだろがよ、わかるかオラ?誠意っちゅうもんを見せてみやがれ!


・・・・・・・。


・・・・・・・。


・・・・・はぁ??・・なにやってんだおめえ???


・・なんだって、色仕掛けだって?・・ってバカかてめえは、何でガキに欲情しなきゃいけねえんだよ!!!


つーか誰に教えてもらったんだ、誰に!このクソ幼女が!!


・・ああん?アンナちゃん?だから知らねえっつってんだろうがバカやろう!


おめえ、人に物頼む態度っつったら、土下座だろうが、土下座!!わかってんのかこのやろう!!


・・・・・・。


・・・って、てめえ!!なに、「そういう趣味の人だったんだ」って目でこっち見てんだよ!引いてんじゃねえよ。むしろなんか言えよバカやろう!!


・・・・・・っち、あー、もう!・・・わかったよ!出してやるよ温泉。


・・いっとくけどなあ、うちの温泉はそこんじょそこらの温泉じゃねえんだぞ!入ったら肌年齢が20歳は若返るといわれてる、伝説の美人の湯だぞ!


地下31階の極寒フロアの中、ようやく探し出すことができた一流の冒険者しかはいれねえ温泉だ、本当だったら、てめえみてえなクソガキが絶対に入れるようなトコじゃねえんだぞ!


湯の花一瓶で家が建つぐれえ貴重なんだぞ!わかってんのかコラァ!


・・・っけっ!とたんにニコニコしやがって・・、相変わらず現金なガキだぜ。おれはてめえのその笑顔が一番気にくわねえんだよ!・・ったく。


・・・っち、まってろよ。あれはそれなりに深い所にあるからな・・、


おっこらしょっと・・・


・・・・・・


・・・ふうっ・・・、おら、これでどうだ、正真正銘の温泉だぞ。解ったらとっとと入ってとっとと帰れ!


・・・ん?なにモジモジしてんだ?ションベンか?


・・・・あに?「バカッ」だとコラァ!


おめえ、だれに向かって馬鹿っつってんだこのやろう!こちとらラストダンジョンだぞこ!!


・・・つーか、なんで入らねえんだよ?


・・あぁん?なんだって?「覗かないよね?」だと?


・・って、てめ、ぶっ殺すぞこのやろう。ガキの癖に色気づいてんじゃねえよ!!


なんで、ラストダンジョンが幼女の入浴を覗かなきゃなんねえんだよ!!いいから、とっとと入って、とっとと帰りやがれ!


・・・・・・。


・・・・・・。


・・オラ、準備できたならとっとと入れ!


・・・・・・。


・・・・・・。


・・・・・・。


・・・・・・。


・・・・・・バッカてめえ、中途半端にあったまると風邪引くぞ、ちゃんと100まで数えろってんだ。












【その次の日】





・・って、てめ、なにシャンプーと石鹸もってきてんだよ!


ガキのくせして温泉の味しめてんじゃねえよ!銭湯じゃねえっつってんだろが、このクソ幼女!!


しかもなんだそのシャンプー。でけえよ。どんだけ入りに来る気だよ。


「ここおいとくね」じゃねえよ。マイボトルキープしてんじゃねえよ。


「リンス忘れた」じゃねえよ、あるわけねえだろそんなモン!!


「明日は忘れないようにしなきゃ」じゃねえよ!もう来るなっつってんだろうが、バカやろう!!




***************************


ようじょのおはだのつやが70あがった





[29124] つんでれダンジョン 7
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/12 18:39



・・・・・・。


・・・・・また、おめえかよ、


・・・って、おめえ、ずぶ濡れじゃねえか!傘ぐらいさしとけバカヤロウ!


・・・ったく、ラストダンジョンに雨宿りにくるたあ、てめえぐらい・・・


・・んっ?おめえなにもってんだよ。


・・・・・・。


・・・つーかおめえ、泣いてんのか?


・・・・・・・。


ああん?飼っていた犬が死んだ?


・・・けっ、しるかしるか、庭にでも埋めて来いってんだ!こちとらラストダンジョンだっつうの、葬儀屋じゃねえんだよ!


おら、とっとと帰って庭に埋めてやれってんだ、てめえもそんなナリじゃ風邪引いちまうぞ!バカでも風邪は引くんだからよ!


・・・・・・。


・・・・あぁん?今なんつったおめえ?


・・・・・・。


・・って、バカかてめえは!?生き返らせねえかって、無理に決まってんだろが!


オレはラストダンジョンであって、神様じゃねえんだよ!!オレにだってできねえコトはあらあな、オラ、とっとと帰れ!!


・・・・・。


・・・ああん?世界樹がこの中にあるって聞いた?・・・って、てめえ!!!誰に聞きやがったよ、ンナこと!?


・・・・・・。


・・・けっ、誰に聞いたのか知らねえがよ・・・。確かにうちには世界樹はあらあ。


・・世界の七不思議の一つ、この世界の最も深い場所に根付く、最も古い生命っていわれててな。確かにその葉には、死んだものを生き返らせる効果があるけどよ・・。


・・でもな、その犬じゃ無理だ。命数が尽きちまってる。怪我で死んだんなら世界樹の葉で生き返らせることもできるけどよ・・・。


てめえら生き物はな、いつか死ぬんだよ・・・。


命数が尽きるまで生きられたって事は幸せな事なんだよ。納得しやがれこのバカやろう・・・


・・・あんだと!?お願いだから世界樹の葉をくれって?試してみたいって?


・・って、てめえ、化粧品のお試しセットじゃねえんだぞ!


世界樹は20年に一度しか葉を落とさねえんだぞ、超貴重なんだよ!無理とわかってんのに試すような気安いモンじゃねえんだよ!わかってんのかこのやろう!!


おら、わかったらとっとと帰って家で体拭いとけ!風邪引くぞバカヤロウが!


・・・って、だから泣くんじゃねえよてめえは!無理だっつってんだろうが!!


・・・・・・・。


・・・・・・・。


・・・・・・・。


・・・・・・・あー。うるせー・・・、


つーかよー、おめえ、泣いたらいつもおれがなんとかしてくれるとかおもってんじゃねえだろな、あぁん?


・・・・・・・・。


こちとらラストダンジョンだぞ、ガキのお守りじゃねえんだよ!!


・・・・・・・・・。


いい加減なきやめっつってんだろが!!泣き止まねえならモンスターハウスに放り込むぞ!!!


・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・・


あー!!!もう、わかった、わかったから泣き止めって、わんわん反響して五月蝿えったらありゃしねえんだよ!!


・・・ったく、特別大サービスだぞ、いいか、こういうのこれが最後だかんな!ホントのホントに最後だかんな!!


・・って、てめ、壁にすがりつくんじゃね、鼻水つけんじゃねえよ。きたねえだろうが。ありがとうじゃねえよ!!


・・・・・・・。


・・・ったく、このクソジャリが・・、


・・オイ、最初に言っとくけどな、期待はすんなよ!忠告はしたかんな、生き返んなくても泣くんじゃねえぞ。


ちょっとまってな、今繋げるかんな。


・・・ったく、あれをここまで持ってくんのは、大変どころの話じゃねえっての、わかってんのか?わかるわけねえだろうな、このクソ幼女は・・・。


・・っち、気合入れていくか、いっせいのーで・・・、オラアァァァァア!!!!!


・・・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・。


・・・ふう、・・ふう・・。どうよ、コラ?声も出ねえだろ?


これがうちの自慢の世界樹だよ。


ホントなら地下99階だぞ、いままでここに到達した人間なんて片手で数えるほどしかいねえんだからな。


おら、ぼーっとしてんじゃねえよ!世界中の根元まで行って頼んでみろ、葉をくださいってな。


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・。


・・・・おうよ、それが世界樹の葉よ。・・あん?綺麗だって?


ったりまえだ。うちの自慢の世界樹だぞ、バカやろう。それ一枚で城が10個は買えらあ!!


おら!それをな、すりつぶしてその犬の口に放り込んでみろ。ああ、そうだ。


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・。


・・・・けっ、バカやろう・・、だからいっただろうが、寿命だってよ・・・。


・・・・・・・・。


おめえら生き物はよ、産まれて、産んで、死んで、そしてまた産まれての繰り返しなんだよ・・・。


てめえもな・・、いつか誰かを産んで、それで死んでくんだ・・・・・・。 わかったか、ばかやろうが・・・・・・。


・・・・・・・。


・・・ああん?おれか?おれはおめえらより、ずーーーーーーっと、寿命は長いんだよ。


オレの死ぬときはこの星がなくなる時だろうさ。だてに、何億年もダンジョンやってねえんだよ、バカやろう。


・・・ああん?寂しいかだと、・・って、てめえ、だれにむかって口聞いてんだよ!・・・このクソ幼女!


・・・・ッチ・・、ガキの癖して生意気なんだよ、んったく・・、


・・おら、その犬を世界樹のふもとに埋めてやれ。


世界樹はな、この世の生死を司る生き物なんだよ。そのふもとで埋められるなんざ、おめ、そんな贅沢な埋葬ありえねえぞ?


・・いいから、とっととうめやがれ!


・・・・・・


・・・・・・。


・・・よし、そうだ。


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・。


・・・おら、そろそろ帰るぞ、くそガキ。


・・・・・・・。


・・・ああん?犬埋めたとこから芽がでてきただ?


・・・って、てめ、世界樹!おめえなにえこひいきしてんだよ、仮にも世界樹だろうがてめえは!!!


・・ったく、世界の七不思議がガキにホイホイ施しあたえてんじゃねえよ!!


・・・ちっ! おい、くそ幼女!その芽を土ごと掬ってそうっともってかえんな。


それでそれを庭に植えろ。世界樹の眷属の芽だぞ、大事に育てな。一万年はいきるからよ。


その側に住むものをあらゆる病気から守るって言われててな、世界中の葉と同じぐれえ貴重なんだぞ!わかってんのかクソガキが!!


あとはまあ、さすがに死人を生き返らせるような効果はねえが、そいつの葉っぱは強力な薬草にもなるからな。植えといて損はねえさ。


・・・ったく、てめえにはつくづくもったいねえシロモンだよ!物好きな世界樹に感謝しろよバカヤロウ!!


・・・ああん?


・・・おうよ、あの犬の生まれ変わりだよ、バカやろう。


・・・・・・


・・・・・・


・・・・・・。




だから泣くなつっただろうが、バカやろう・・・。





*********************************


このダンジョンは100階が最下層、100階は宝箱部屋なので、実質99階が最下層です。


次回からそれなりに新展開です。




[29124] つんでれダンジョン 8
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/21 09:10



・・・・・・・。


・・・・・・・。


・・・・・・またかよ・・・。


・・ったく、毎日毎日、涼みに来てんじゃねえぞ、コラ。


・・岩肌にくっつくなっつってんだろが、てめえは涼しくてもこっちはぬるくなっちまうんだよ、クソガキが!


・・・・ハァ・・・


・・ったくよぉ、毎日毎日、なにが楽しくてここ来てんだよ?


冷たくて気持ちいいからじゃねえよ、・・ったく、


・・なんなんだてめえは最近、意味わかんねーよ!昔みてえに、あーだこーだとわがままいってた頃のほうがよっぽど楽だったぜ・・


・・・あん?わたしももう子供じゃないだと?


・・ばっかやろう、だからそれは身長140センチを超えてからいいやがれってんだ


140センチを超えるまでは一生幼女だ、てめえは。


・・あんだと、もう135センチになった?


ああ、そうかよ、そいつはよかったな。んじゃ、あと5センチ、せいぜい頑張れや、クソ幼女。


・・ああん?来月でもう12歳だと?・・だからどうしたよ?


・・つーか、その歳でそのナリたあ、おめえも救いようのねえやつだなあ、おめえちゃんと牛乳飲んでんのか?


・・ああん?毎日1リットル飲んでる?飲み過ぎだっつーの。腹壊しちまえバカやろう。


・・・・・・・


・・・・・・・。


・・・つーかよー。おめえ、マジで何しにここに来てんのよ。ここんとこ毎日じゃねえかよ。おめえそんなに暇なのか?


・・ああん?別に暇なわけじゃねえ?だったら来るんじゃねえよ。なんで忙しいのにわざわざ来てんだよ?別に用があるわけでもねえのによ!


・・・・・・アンだとコラァ?オレにはぜってえ解らないだと?上等じゃねえか、トラップ落とすぞ、トラップ!!


・・・なんだよ、笑ってんじゃねえよ!!その台詞久々に言われたーじゃねえよ、嬉しそうにしてんじゃねえよ、・・・ったく!


・・・なんなんだよ、てめえは。


・・・・・・。


・・・つーかよー、てめえ、久々にちゃんと笑ったよな・・。


・・・・・・。


・・おめえよぉ、最近なんかあったのか?


・・・・・・。


・・っけ、黙り込みやがって、んなもん「そうだ」っつってのと同じじゃねえか!


またいじめられたんじゃねえだろうな?


オイオイオイ、・・ったく、しょうがねえガキだぜ、久しぶりにオレ様のスーパーなレアアイテムをだな・・。


・・ああん?それはもういい?別に苛められてるわけじゃねえ?


・・だったら、なんでよ。


・・・・・・・。


・・・言えよ。


・・・・・・・。


・・・言えっつってんだろうが!このクソガキが!!


・・・あぁん?


・・聞こえねえよ!!


・・あんだって!!!?


・・・・・・・!!?


・・・・・・・・


・・、お、おう!そうか。なんだ、そういうことかよ!そういうことなら早く言えよ!


・・・母親といっしょに行くのか?・・あぁん?違う?母親はここに残るだ?


・・ったくよお、引っ越す前からホームシックなんざあ、ガキの証拠だってんだよ!!オイ!


母親のオッパイが恋しいうちはまだまだガキっつうことだ!!


・・ああん?違うって、母親と離れるのは寂しいけど、それで落ち込んでるわけじゃねえ?


・・・だとしたら、あれか?アンナってガキと離れるのが寂しいのか?


・・ああん?アンナとは学校は別だけど、同じ学園都市に行くから平気だと?しかも一緒に住むって?結構なことじゃねえか。


・・だったら、なにがそんなに不満なんだよ。


・・ああん?だからオレにはわかるわけねえだと!?・・って、てめえ、一度ならず二度までも・・・、ふざけんじゃねえぞコラ!!こちとら、ラストダンジョンだぞ!バカやろう!!



・・・・・ったくよお!だから笑ってんじゃねえよ!バカヤロウ!


・・つーかよ、おめえ、いつから学園都市に行くんだよ。


・・アンだとこら!?9月からだと?今もう8月じゃねえか!!


バカかてめえは!!なんで、もっと早くいわねえんだよ!んな大事な事をよ!!


・・って、わたしが引っ越すのがそんなに大事なことかだと?


・・・・って、てめ!図に乗ってんじゃねえぞコラ!!。


大事っつうのはよ、おめ!コラ、そのなんつーかよ!入学祝とか、そういうモンがあるだろうが!!大人には大人の事情がってもんがあんだよ!!


勘違いしてんじゃねえよ!このクソ幼女!!・・だから嬉しそうにしてんじゃねえ!クソガキが!!!


・・っち、まあいい。んで、てめえ、なんの学校に行く気だよ?


裁縫学校とかか?だったら、アリアドネの糸っつう、いくら使っても尽きねえうえに、異常に軽くて、その癖丈夫な便利なモンがウチにはあるしよ。


美術学校なら、ピュグマリオンのノミっつってよ、彫った彫刻がもれなくゴーレムになるっつういわくつきのモンもあるしな、


料理学校へ行きてえんなら、ヘスティアの釜っつう、何作っても旨くできちまう神器もあるしよ、・・・おっと、なにつくっても旨くなっちまったら、勉強にならねえな・・、まあいいか。


おら、なんの学校いくんだよ?てめえが、どうしてもっつうなら、まあ、くれてやらんこともねえよ。ラストダンジョンの餞別なめんじゃねえぞコラ?


・・・・おい、どうした?言ってみろ!


・・・・・・・。


・・・・・・・・・。


・・あぁん?すまんがよく聞き取れなかったみてえでよ。ありえねえ単語が聞こえたようなきがしたんだが・・・、


・・おい、コラ、もう一辺いってみやがれ?なんの学校に行く気なんだ?


・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・。


・・・・おーし、ちょっと耳塞いどけ、鼓膜破れるかもしんねえかんな。


・・おう、そうだ。よし、言うぞ。








「バカかぁああ!!!てめえはぁあああ!!!!!!!なんでよりによって冒険者学校なんだよぉおお!!!!!!!!!!!」
















【数日後】





・・・おう、行くのか、クソ幼女


・・・母親とはちゃんとお別れは済ませたのか?


・・・そうかよ、だったらまあいい。


・・ったくよお、出発の直前までここに来るたあ、ホント頭沸いてんじゃねえか?コラ?


・・・あぁん?そろそろ行かなきゃだと?


・・おう、コラ、ちょっと待てよ。


そこに宝箱が二つあるだろ開けてみな、


・・・・おうよ、てめえへの餞別だ。まずはそっちのから開けてみな。


・・・・・・。


・・けっ、凄えだろが。


そいつはよ、「始まりを終えし聖骸布」っつってな、神が世界を作って、その命を終えた時に自身の亡骸をつつんだといわれる、伝説の防具よ。


まあ・・、オリジナルは創造神と一緒にこの世から遺失しちまってるから、レプリカではあるけどもよ・・・、レプリカっつってもナメんじゃねえぞ!世界にこれ一個しかねえ上に、ほぼオリジナルに等しい能力を再現してんだからな!

つーか、核には本物の聖骸布のかけらをつかってんだから、殆んどホンモンだぞ!!唯一世界に残されてた聖骸布のかけらだぞ!紛れもねえ最高位の神器だぞ!!


布装備では、最高の防御力に、オマケにとんでもねえ対呪文効果を備えててよ、


ぶっちゃけ、総合力では世界で最強の防具だこのヤロウ!!


・・・・まあ、こいつさえ着てれば、あそこの学園ダンジョンのモンスター程度なら、てめえに、傷一つつけらんねえだろうよ!


・・・あぁん?


・・おうよ、どういたしましてだバカやろう!


・・・・・・。


・・・つーかおめえよ、あんま嬉しそうじゃねえな・・・、おめ、こいつの価値わかってんのか?こら?


この宝はよ、うちの97階層の隠し部屋のボス倒さねえと手に入んねえ、超激レア防具なんだぞ!


始まりの巨人っつう、人類が攻略不可能なボスをうっかり配置しちまったせいでよ、いままで誰も手に入れたことのねえとんでもねえ防具なんだぞ!


わかってんのか、コラァ!!


・・・・・・・。


・・おうよ、わかったかクソガキが!


・・っけ、つーかイマイチ理解できてねえみてえだな、このヤロウ・・。


・・・・・っち、てめえ如きじゃ、この宝の凄さは解んねえか。


・・っけ、まあいい。もう一つの宝は、さらにすっげえかんな、間違いなく目ん玉飛び出んぞコラァ!!


・・おうよ、そっちの宝箱に入ってんだよ。


・・・おら、空けてみろ?


・・・どうよ?すっげえだろうが?


・・あぁん?これは何かだと?まぁ聞いて驚け、クソ幼女!!


その杖はよ、「終わりを始めし天獄杖」っつってな、いつかこの世界が滅ぶときに、創造神が復活して、この杖を使って全てを破壊するっていい伝えのある、神器って呼ぶことすら生易しい、最強最後のスーパー神器なんだよ!!


・・まあ、もちろん、レプリカだけどな・・。


レプリカっつってもバカにすんじゃねえぞ、もちろん世界に一個きりしかねえし、創造神自身が作った模造品なんだからよ!!レプリカっつーよりもめっちゃ気合の入った試作品なんだぞ、これ!!


そもそも、ホンモノはまだ出現すらしてねえんだからよ!!つーか、こいつのモノホン拝むときは、この世の終わりだっつーの!!!


・・・・まあ能書きはこれくれえにしとくか。いいか、こいつはよ、杖の中じゃ最強の攻撃力をもってる上に、魔力もありえねえくれえブーストされんだけどな、


なんといってもこいつのすげえとこは、念じて杖を振るうだけで、7つの黒い雷の塊が全てを破壊し尽くすっつう、とんでもねえ特殊能力が付いてんだよ。


MPいらずだから、ウチのダンジョン意外なら、どんなダンジョンでもコレ一本で攻略可能っつう、正真正銘最強の武器だ!!どうだ!すげえだろ?このヤロウ!!


・・・・・・・。


・・おうよ、まあな。どういたしましてだバカやろう!!


・・・・・・。


・・つーかおめえ、やっぱあんま嬉しそうじゃねえよな。


・・わかってんのか、コラ?最強武器だぞ、最強武器!!冒険者共が憧れることすら許されねえ究極の一品なんだぞ!!!


わかってんのか?・・って、その顔はぜってえわかってねえな!!


この杖はよ、98階の隠し部屋で、「煉獄に封じられし暴君」っちゅう、最強モンスターに守らせてんだけどよ。


・・まあ、ぶっちゃけ、興が乗りすぎて史上最強の魔王って言われたモンスターをさらに魔改造しちまった奴なんだけどよ。


そのせいで、いままで誰も拝むどころか、近づくことすら不可能だったちゅう、超激凄レア装備なんだよ!!わかるか、コラァ!?あぁん?


・・わかったんならもっと喜べっつってんだろうが!!


・・・・・・。


・・つーかよ、てめえみてえな、ウスノロが、冒険者になろうなんて言い出さなきゃあ、こんなスーパー超絶レアアイテム二つも用意する必要はなかったんだよ!!


てめえが冒険者なんざ、危なっかしすぎんだろうが、コラァ!!わかってんのか、クソガキが!!


・・・・・・


・・ああん?わたしを心配してくれてるのかだと?


・・だ、・・だから、勘違いするんじゃねえよ。てめえが死んだら母親がかわいそうじゃねえか!バカヤロウ!!


・・・・あぁん?大丈夫、死なないだと?寿命一杯までちゃんと生きるだと?


・・・あったりめえだこのヤロウ!!生意気ぬかしてんじゃねえぞ!そいつさえ装備してりゃあ、モンスターハウスで居眠りかませるっつーの!!


・・・・・ったく、てめえなんざに、こんなスーパー最強アイテム渡すんじゃなかったぜ!


・・・・・・


・・・・・・。


・・・あぁん?もう時間だと?


・・おう、とっとと行っちまえってんだ。うちのレアアイテムの価値もわかんねえクソガキなんてよ。


二度と来るんじゃねえぞ、バカヤロウ!!


・・・・・・。


・・って、んな泣きそうな目でこっち見んじゃねえよ!まるでオレが悪いみてえじゃねえか!!


・・・・・・・


・・・・・・・。


・・・ったくよ。その、なんだ・・、2度と来て欲しくはねえけどよ・・、てめえがどうしてもきてえっつうならよ、・・・勝手に来やがれってんだ・・・・


・・いっとくけど、歓迎はしねえかんな!つーか来るんじゃねえぞ、バカやろう!!


・・あぁん、結局どっちなのかって?だから来んなっつってんだろがバカやろう!


・・・・・・・


・・・・・・・。


・・・・・・おら、そろそろ行け、


・・・・・・・。


・・ったく、湿っぽい別れは苦手だっつーに。


・・・・


・・・・おっと危ねえ、忘れるとこだった。


おらよ、これも持ってきな。


・・・そいつはよ、貧者の指輪っつってよ。まあ、能力値はたいしたことねえ、おまけに、見た目はなんの変哲もねえ、どこからどうみてもただのブロンズ製の指輪なんだけどよ。


これをつけてりゃあ、周りからは自分の装備がなんの変哲もない、つまんねえもんにみえちまうっつう変わった特殊能力の備わった指輪だ。・・まあ、それ自体はあんまたいしたアイテムじゃねえんだけどな。


その聖骸布にしても、魔杖にしても、そんなもん他の人間に見られたら右や左の大騒ぎになっちまうからな。いいな、コイツら装備してるときは、必ずこの指輪もつけとくんだぞ!


・・・・・・


・・・・・・・お・・・おう・・。ど・・どういたしましてだ・・・このやろう・・。


・・なんなんだ・・・オイ・・、・・えらい喜びようじゃねえか・・。


・・・・・なに?いつもつけとく?ばかやろう、聖骸布と杖つけてるときだけでいいんだよ!


・・つーか、おめえいままで、あんま喜んでなかったとおもったら、人の目え気にしてたのかよ?


・・ったく、なんだよ・・、それならそうと早く言いやがれ、バカやろう!!!


・・・・まあ、コイツラうちの最強装備だかんな、滲み出るありえねえくれえの神聖なオーラにしり込みしてたっつうわけか。


・・ったくよお、こちとらラストダンジョンだぞ、アイテム奪われてはいさよなら、みてえな、そこんじょそこらのダンジョンとは格が違うっつーの。


アフターケアまでバッチリだぜバカやろう!!


・・・まあ、その辺まで気が回るようになったんだったら、おめえもそれなりに成長したっつうことかよ。


・・・・・。


・・・・・あぁん?じゃあ、とりあえずそういうことにしておくね、だとこら?


・・ちがうっつうなら、なんだってんだよ、ばかやろう!!


・・あぁん、もう時間がねえから行ってくるだと?


・・けっ、行ってこい、行ってこい!ニコニコ笑ってんじゃねえよ、クソガキが!!


・・ハンッ、てめえみてえな、クソガキは一度都会の荒波に呑まれて沈んでこいってんだ!


こちとら、うるせえのがいなくなって、ホントせいせいするぜ!!


わかったら、とっとといきやがれ!!


・・・・・って、「休みになったら帰って来るね」じゃねえよ!


二度と来んなつってんだろうがバカやろう!!


・・聞いてんのかこのヤロウ!だから笑ってんじゃねえよクソ幼女!!




またねじゃねえよバカヤロウ!!!




**********************************

前回の世界樹から1年半の時間が経過しています。

幼女は、少女になって、旅立ちました。



少女の装備品について、

【始まりを終えし聖骸布】

アイテムランク EX+

防御力+180 精神力+180

特殊効果
・全ての呪文、ブレスの攻撃を10分の1にする。
・あらゆる状態異常を防ぐ

【終わりを始めし天獄杖】

アイテムランク 測定不能

攻撃力+160 魔力+280

特殊効果
・敵全体に対し260から350ポイントの無属性ダメージ。無属性なのでほとんど全ての敵に対し有効。


【貧者の指輪】

アイテムランク A+

素早さ+10 

特殊効果 
・この指輪をつけている間は、所有者がどんな豪華な装備を身につけていても、周りからは何の変哲もない装備に見えてしまう。




以上が少女がダンジョンからもらった餞別です。この世界の武器や生物のパラメーターの数値は、大体ドラクエ程度だと思ってください。ちなみに、この世界の市販で買える最強の剣は、

【クレイモア】 32000ゴールド 

アイテムランクB+

攻撃力+95 

ただし重い。

杖にいたっては、


【業火の杖】 65000ゴールド 

アイテムランクA

攻撃力+40 魔力+70 

振れば敵一グループに50から80ポイントの火属性ダメージ。



また市販の最強の鎧は


【グレートアーマー】 38000ゴールド、

アイテムランクB+

防御力+95 

ただしめちゃ重い。

服については、

【聖なる法衣】 58000ゴールド

アイテムランクA

防御力+50 精神力+60 アンデット系の攻撃のダメージを半減する。です。



1ゴールド300円ぐらいだと思っておいてください。





[29124] つんでれダンジョン 9
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/16 19:46




・・・・・・・・


・・おい、てめえ、なに来るなり岩肌にひっついてんだよ。


・・・ああん?ひんやりして気持ちいい?


バカやろう!てめえがよくても、こっちゃあ生暖かくなっちまうんだよ、このクソガキが!


・・・・・・・


・・・・・・・。


・・・ああん?、おう・・・、久しぶりだな。・・ちょうど一年ぶりかコラ?


・・・あぁん、正確には11ヶ月と1週間ぶりだと?知らねえよ、んなことは!!


つーかおめえ、・・学校はどうしたよ?


・・あぁん?夏休みで帰ってきた?


・・ったく、ガキは気楽でいいぜ、ダンジョンにゃあ休みなんてねえんだからよ!


365日24時間営業だナメんなコラ!!


・・あぁん?大変かだと?・・・っけ、別に屁でもねえよ、いつからダンジョンやってると思ってんだ。ガキがへんな気ぃ使ってんじゃねえよ!


・・・・・・・


・・あぁん?長い間連絡できなくてごめんねだと?


知らねえよんなことは!別にこっちは連絡しろなんて一言も言ってねえだろうがよ!


・・・あんだと?手紙出したけど戻ってきた?・・・ちゃんと終末のダンジョン宛って書いたのにだと・・?


バカかてめえは!!!いったいどこの郵便屋がラストダンジョンに手紙届けられるっつーんだよ!いたずらだと思われるに決まってんじゃねえか!!


・・・・ったく、てめえは・・・、一年たっても頭のネジは緩みっぱなしかよ。


ホント、いつまでたっても成長しねえな、このクソ幼女は。


・・・あぁん?もう幼女じゃねえ?もうすぐ13になるだと?


だから、何度このセリフを言わせる気だよ?140センチになるまで、てめえは一生幼女だ。


幼女じゃねえっつうなら、今の身長いくつだよ?オラ、大きなこえで言ってみな!!


・・・・・


・・・・・・。


・・・あぁんきこえねーよ!いくつだって?


・・・・・


・・138センチって、おめえ、もうすぐ13だろうが・・、なんというか、可哀想で涙出てくんぜ。


・・あぁん?アンナちゃんは168センチあるから、わたしもまだまだ伸びるはずだと?おめえ、きっちり30センチ差つけられてんじゃねえか。


つーかおめえら、今一緒に暮らしてんだろ?一緒のモン食っててなんでそこまで差がついちまうんだよ?


・・おめえ、朝礼で前習えしてるとき、一人だけ腰に両手あててるクチじゃねえか?・・・・・・なんだ図星か。なんつーか・・、哀れで物も言えねえぜ。


・・おう、そういえばよ。おめえ、学園生活はどうよ?


・・・いろいろと新鮮で楽しいだと?いいことじゃねえか、ちゃんと学校の授業には付いていけてんのか?


・・・・おう、そうか。やるじゃねえか。・・・あぁん、ダンジョン実習も一番にクリアしちまったって?


・・あったりめえだバカヤロウ!うちの最強装備渡してんだぞ!!学園ダンジョン程度が太刀打ちできるかっつーの。


・・・・・・ああ?学園ダンジョンからよろしくだと?・・・って、あいつ、てめえの前でしゃべっちまったのか!?


・・・アホかあいつは!!ダンジョンが人間に話しかけちゃだめだろうが!!なめられちまうぞ!!!!


・・あんだと?オレはいいのかって?バカやろう!!おれだっていつもは無口なクールガイよ!


つーか、てめえがどうしようもねえぐらい、グズで、のろまで、身の程知らずだったからわざわざ話かけてやったんだろが!!おれが話しかけた人間はてめえぐれえだっつうの!!!


・・ぁあ!?わたしだけ特別なのかだと!?・・って、てめえ!図に乗ってんじゃねえよ!!


てめえが人間のなかで特別にバカで、無能で、救いようがねえから話しかけてやってんだろうが!!喜んでんじゃねえよバカやろう!!!


・・つーかてめえ、とっとと離れろつってんだろうが!!うっとうしいんだよコラァ!!!


・・あぁん?冷たくてきもちいいから離れたくないだと!?


・・てめえ・・。こっちゃあエアコンじゃねえんだよ、バカやろう!


てめえの都合なんざ知るかよ!離れろっつってんだろうが、クソガキが!!


・・・・・・・・


・・・・・・・・。


・・・だから、樹液すすってるカブトムシみてえにいつまでもしがみついてんじゃねえよ!聞いてんのか?ばかやろう!!


・・・・・・あんだとコラァ?今日は絶対に離れねえだと?


・・てめえ、上等じゃねえか!おーし、今から10数えるうちに離れなきゃ、ここの壁、溶岩フロアの壁ととっかえてやんかんな!おら、いくぞ!


十、九、八、七、六、五・、四・・、三・・・、二・・・・一・・・・・ゼロ


だから離れろっつってんだろうが、てめえは!


・・あぁん?溶岩フロアの壁はどうしたかだと?アホかてめえは?んなもん持ってきたらやけどじゃすまねえんだぞ!バカヤロウ!!


・・・・ったく、てめえは・・・、ちょっと待ってろよ、このやろう。


・・・・・・。


おらよ、これでも着ろ!


あん?これはなんだって?


こいつはな、「ウィンデーネの衣」っつってな、水の大精霊がその涙を集めて作った服でよ。ホントならうちの60階の古(いにしえ)の水竜たおさねえと手に入れらんねえ結構なレア防具なんだぞ!ドラゴンの炎でも防いじまうんだぜ、こいつは!


・・まあ、てめえにゃあ聖骸布あるから必要ねえかもしんねえけどよ。水でできてる分涼しくて気持ちいいぜ、コイツは。



おら、コイツを着てとっとと離れやがれ!!


・・・・・・。


・・・ああん?スケベだと?。・・って、ってめえコラァ!!!なにがスケベだ!意味わかんねえよ!!!!!


・・ああ?この服スケスケじゃねえかって?


・・って!ってめえ!!こいつは服の上から着るもんなんだよ!なんでおれが幼女のストリップなんぞで喜ばなきゃなんねえんだよ!!


・・なに?もう幼女じゃねえだと?だからそんなことは、身長140センチになって言えっつってんだろうが!あと2センチ身長伸ばしてきてからいいやがれ!!


・・・おらよ、とっととこれでも着やがれってんだ。んで、いい加減。岩肌から離れろや、ぬるいんだよ!こっちは、


・・・ああん?こっちの方がいい?


人の話聞いてんのかてめえ!!てめえがよくてもこっちは嫌だつってんだろうが、ばかやろう!


あのよお、レアアイテムだぞ!レアアイテム!!シルクよりも滑らかな肌触りの上に、コイツさえきてれば、溶岩フロアのなかで汗一つかかずにラーメン食えちまうような優れモンだぞ!!


・・おら、聞いてんのか?このやろう!!


・・・・・あんだとコラァ!!きもちよくて眠くなってきたーじゃねえよ!


・・・・・ああん?学園都市から移動に3日かかったせいで疲れてる?


バカかてめえは!長旅で疲れてんなら家で休んでろってんだ!!


・・・・・・。


おい!寝るんじゃねえよ!くそ幼女!!


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・。


・・・けっ、まったく・・・、日が暮れて涼しくなったらとっとと帰れよ、バカやろう。




*************************************


少女の旅立ちから1年経過。


幼女の学園生活を期待していた方がいた場合はごめんなさい。

この話は全てラストダンジョンの1人称で進むので、幼女(少女)の学園生活は描写されません。


要望が多ければ、本編完結後に番外編とか書きますが、みなさん見たいものなのでしょうか?


本編完結まで、あと4話です。最後までお付き合いただければ嬉しいです。


【ウィンディーネの衣】  

アイテムランク SS

防御力+75 精神力+120

火属性・水属性の魔法とブレスを無効化。


主に、幼女の夏場の寝巻きとして使われることとなる。







[29124] つんでれダンジョン 10
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/16 21:20



・・・・・・・


・・・おう、てめえかよ。


・・ただいまじゃねえよ!!いつからここはてめえのうちになったんだよ!!


・・ここ座るねじゃねえよ!聞けよ人の話。


・・・・って、だから岩肌にくっつくなって言ってんだろうが!ぬるくなんだよバカヤロウ!


・・・・あんだと?「やっぱり気持ちいいー」じゃねえよ!!なんでてめえはラストダンジョンで和めるんだよ!!なんで、いつもこのでっぱりに抱きつくんだよ!!!


・・あぁん?ここは私のお気に入りだと?


・・って、おめえ、人の体の中で断りもなくベストプレイス作ってんじゃねえよ!!


座布団出してんじゃねえよ!長期戦前提じゃねえか!!聞けよ人の話!!




・・ったく、てめえは相変わらず・・


・・・あんだと?土産を買ってきただと?


バカかてめえは!!ガキがよけいな気使ってんじゃねえよ!!長旅なんだからわざわざ荷物ふやすなってんだ!


・・あぁん?軽かったから大丈夫だと?別にいらねえよ、土産なんざ。かさばるだけなんだからよ!


・・ったく、何買ってきたんだてめえはよ、オラ、見せてみろ!


・・・って、てめえ、ペナントなんて買ってんじゃねえよ。今時そんなモンどこで売ってんだよ!?土産にもらって困るものナンバー1じゃねえか!!


・・ここ貼っとくねじゃねえよ!!・・って、待てやコラ!!両面テープで貼るんじゃねえよ!跡残んだろうがバカヤロウ!!


・・そもそもこれ学園ダンジョンのペナントじゃねえか!!!!なんでダンジョンのペナントなんてモンがあんだよ。どこで見つけて来たんだそんなモン!


・・あぁん?学校の購買で売ってた?しょうもねえもん売ってんじゃねえよ!!購買ならパンと文房具売ってりゃ十分じゃねえか!!


だから貼るなつってんだろうが!なんでラストダンジョンに学園ダンジョンのペナント貼ってんだよ!?


・・つーかおめえ、そんなもん二股の通路に貼ってんじゃねえよ!!これ、三角形してっから、まるで右に曲がったら学園ダンジョンですって案内してるみてえじゃねえか!


なんでラストダンジョンの中に学園ダンジョンがあるんだよ!!冒険者共になめられんだろがコラァ!!!




・・・・ハァ、ハァ、・・・久しぶりに帰ってきたと思ったらこれかよ・・。


・・・・・・・。


・・・あんだと?


・・・・・・っち、おうよ、久しぶりじゃねえか、一年ぶりか?学校はまた夏休みか?


・・おう、そうか。・・11ヶ月と一週間ぶり?だから数えてねえっつってんだろ!!そんなもン!!


・・だから寂しくなんざねえっつってんだろうが!


・・ったく、てめえももう中2だろうが、中2の夏っつったら、普通は友達といろんな事に挑戦してな、大人の世界ってやつを勉強し始める年齢だろうが!


なんでてめえの行動はガキのころから変わんねえんだよ!?いい加減成長しろよ、このクソ幼女!!


・・・・・あぁん??・・って、おめえなんでそんなに自信満々なんだよ???


・・あん?なんだって、もう幼女じゃねえ?身長140センチを超えた?


おう、そうか、そうか、ようやくかよ?・・んで、今身長いくつになったんだよ、てめえは?


・・・・・・。


・・140、3センチって、ギリギリじゃねえか!おめえ去年から2センチちょっとしか伸びてねえぞ!!ホント、残念な奴だな、この幼女は。


・・・・・・・・・・・・・。


・・あんだとこら、0,3センチでも140センチよりも大きいことにはかわりねえ?幼女の呼称を断固拒否するだと?


・・・ったく、てめえは、生意気な言葉ばっか覚えてきやがって・・・・。



はい、はい、はい・・、わかったよ!今からてめえの事はロリ少女と呼んでやるよ!


・・・・あんだこら?なに怒ってンだ?ロリにロリつってなにが悪いよ?


てめえもうすぐ14だろうが、そんなナリの14歳がいてたまるかってんだ。


てめえに、少女なんざもったいねえっつーの!!


・・あぁん?なんだと?・・幼女から少女になった私に対してドキドキしたりしないかだと?


・・ばかかてめえは、なんでダンジョンがロリっ子に欲情できんだよ?


色気なんてナッシング!オレがてめえを女と認める日なんざ、この星が滅んでも来るわけねえだろうが!


・・・おら、どうした?なんかいってみろや、ぐうの音もでねえか、コラ!


・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・・。


・・って、てめえ、なに泣いてんだよ!


なんでこのくれえで泣くんだよ?意味わかんねえよ。


・・おめえ、ロリっていわれたのが、そんなショックだったのか?


・・・・・・・。


・・あぁん?やっと140センチ超えたのにって。


・・おめえ、幼女っていわれるのがそんな嫌だったのか?


・・・・・・・。


・・あぁん?そういうわけじゃない?


・・・・・・・。


・・あんだって?いつまでたっても子ども扱いなのが悲しいって?


・・・・・・・


・・おめぇ・・、魅力がねえことそんな気にしてたのかよ。


・・・つーか、泣くんならせめて昔みてえにわんわんなけよ、マジ泣きじゃねえか!・・・どうすりゃいいんだよ・・ったく。


・・・・・・・


・・・・・・・。


・・・と、そうだ!あれがあったか、よし、ちょっとまってろ!


・・・・・・・。


・・おうコラてめえ、これでも使えよ。


これはな、ヴェヌスのルージュっつってな、まあ、ネタアイテムではあるんだが、これをつければたちどころに異性の視線が釘付けになるっつー、アイテムだ。


まあ、これをつけたところで美人になるわけじゃねけどよ、周りの見る目がガラリと変わるぞ!要するに問答無用のほれ薬よ!


てめえみてえな、発育の悪いガキでもよ、これをつけりゃあ、いくらでもモテモテだぞ、このヤロウ!


・・・・・・。


・・あぁん、なんだって?


・・・って、そんなもんいらねえ!?


て、てめえ!!そんなモンってなんだ!確かにコイツはネタアイテムには違いねえがよ!


ネタアイテムの癖して愛の女神の奴がシャレじゃすまねえぐれえの効果ふきこんじまったせいで、下手に人間の手に渡っちまわねえように、本来なら70階層の隠し部屋に厳重に封印してんだぞ!


しかもその部屋開ける為の条件がめちゃくちゃ面倒でよ。純潔を守り続けた乙女が、その血を扉の前の女神像に捧げた時に、ようやく開くっつー馬鹿げた仕様なんだよ!一体どこの乙女が70階層までたどり着けるってんだ!!


・・っと、一応言っとくがな、そんな条件つけたのはおれじゃねえぞ、あの基地外淫乱女神だかんな!!勘違いすんなよ!!


・・まあ、そういうわけでそんくれえ強力なアイテムっつーわけよ。・・おら、どうだ?すげえだろ?


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・。


・・あぁん?たくさんの人に好かれるよりも、誰か一人に好かれたいだと・・・?


・・・・・まあ・・、そりゃ正論だな・・。


・・・・・・


・・・・・・。


・・つーか、てめえ好きな奴でもいんのか?


・・・・・・


・・・・・・。


・・・・・・・おう。そうか・・・、


・・・ったく、いつまでもガキだと思っていたら、てめえも成長してるっつーことかよ・・・・。


・・・・・っち、悪かったよ!てめえのことはちゃんと少女って呼んでやんよ。・・・だからもう泣き止め・・・。


・・・・・・


・・・・・・。


・・・おう、わかったらハンカチで顔拭きやがれ、少女ならいつまでもグズグズ泣いてんじゃねえぞ!


・・・・・・


・・・・・・。


・・おう、そうだ!・・ったく、いい女になりてえなら、涙なんか流すんじゃねえよ!女の涙っつーのはここぞというときに取っておくもんなんだからよ。


・・・・・・。


・・つーかこれ、ホントにいらねえのか?・・・その、好きな奴がいるんだったらよ・・・、そいつの前だけでつけりゃいいだけの話なんだぞ・・。


・・・・・・・・。


・・あぁん?試しにつけてみる?おう、持ってけこのやろう!


・・・・・・・・。


・・って、おめえ人の話きいてんのか?ここでつけても意味ねえだろうが。


・・って、おい! 聞けよ、こら!


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・。


・・・・「どう?」だと?


・・・・・・。


・・・・てめえ・・、口紅ホント似合わねえな・・。


・・・あぁん!?「効果ないじゃない!」だと?なにキレてんだよ、意味わかんねえよ!


だからいってんだろうが!これは別につけたからって本人の何かが変わる訳じゃないってよ!周りの見る目が変わるだけなんだよ!


・・・なに?俺には効果ねえのかだと?・・って、俺を相手に効果試してやがったのか、このやろう!!


つーか、バカかてめえは!なんで無機物にまで効果があるんだよ。これは同種族か類似種族にしか効かねえんだよ!


犬猫にまでよってこられたら大変だろうが!おまけに虫まで寄ってこられたら超悲惨だぞ、呪い以外のなにモンでもねえぞ!!


・・あぁん?・・使えねえだと?・・て、てめえ!!コラァ!!!


確かにネタアイテムであることは否定できねえけどよ!!!その気になりゃあ、一国の王子のハートだって簡単に射止められんだぞ!!めっちゃ使えるっつーの、バカやろう!!


・・・・・。


・・あぁん?「もうオレのことは知らない!また来る!」だと?



怒ってんなら来るんじゃねえよ!つーか、そういう時は、「また来る」じゃなくて、「二度と来ねえ!」つーもんなんだよ。おかしな文法編み出してんじゃねえよ!




・・だから、またねじゃねえよ!バカヤロウ!!




二度と来んなっつってんだろうが!この、アホ少女!!!!





***************************************

今回はダンジョンが悪い。


【ヴェヌスのルージュ】

アイテムランク SSS

魅力 +100~+600

これをつけた者は異性から劇的にもてる。また、効果には個人差があり、使用者が美しければ美しい程その効果は高くなる。





[29124] つんでれダンジョン 11
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/17 20:53



・・・・・おい・・


・・・・・おい・・・


・・・・おい!てめえ、何ボーっとしてんだよ!!


・・ああ?考え事してた?・・てめえ、ラストダンジョンで上の空なんざ、どんな度胸してんだよ!バカかてめえは!!



・・・・おうよ・・、久しぶりだな。


・・あぁん?11ヶ月と1週間ぶりだって?・・知ってるよ、んなことは!


・・・・・・。


・・・つーかおめえ、どうしたんだ?いつもみてえに岩肌に抱きつかねえのか?


・・「じゃあそうするね」じゃねえよ!じゃあってなんだ!じゃあって!!まるでオレが頼んだ見てえじゃねえか、生温くなんだよバカやろう!!


離れろっつってんだろうが、調子乗ってんじゃねえぞコラァ!!


・・・・どうした?


・・・あぁん?土産もってきた?


だから土産なんていらねえっつってんだろうが!!


・・ったく、どうせまたしょうもねえモンもってきたんだろうが!!おら!見せてみやがれ!!


・・・・・・・なんだ、こりゃ??


・・あぁん?防虫剤だと?


・・・・いや、気にいらねえ訳じゃねえよ。確かに今シロアリが増えててよ、ありがてえっちゃあ、ありがてえんだが・・・。なんで土産にこんなモン持って来ようと思ったんだ?


・・・・なんだと?学園ダンジョンに教えてもらった?・・ったく、あいつはダンジョンの癖にべらべらべらべらしゃべりやがって。


・・・確かにうちらダンジョンにとっては、あって困るもんじゃねえんだけどよ・・・。


・・まあ、別に虫に這い回られたところで痛い訳じゃねえんだが、うぜえんだよなー、あいつら。


・・・あぁん?気に入ったかだと?


・・・・・おう、ありがとうだ、バカやろう・・・。


・・つーか、おめえも、ようやく他人のことまで考えられるようになってきたんだな。


・・あんだと?もうすぐ15だと?


・・・もうそんな歳なのかよ!・・ったく、人間ってー奴は、あっという間に成長しちまうぜ!!


・・・そういやおめえ、前あったときより随分でかくなってねえか?


・・・「わかるー」じゃねえよ、なんでそんな偉そうなんだよ!!つーかてめえ、元が小さすぎだから、でかくなってもまだまだなんだよ!!



・・・おう、おめえ、今身長いくつよ?


・・ああ?147?お前、あれから7センチも伸びたのか?なんだコラ、ついに成長期の到来か?このヤロウ!!


・・・っけ!・・まあ、神様もあんまりてめえが憐れだから、サービスしてくれたんじゃねえか?


ん?おお?・・じゃあ、神様に感謝しなきゃねだと?・・・おお、いい心がけじゃねえか・・・・。


・・・・・・・


・・・・・・・・。


・・ったく、なんなんだおめえはよ、調子狂うな。




・・・・・・・・。


・・そういやおめえ、学校の方はどうなのよ?


・・あぁ?何ごとも問題なく順調だ?


なんだその月並みな答えは、つまんねえやつだな。




・・・・・・・・。


・・おう、そうだ、その・・、母親は元気かよ?


・・あぁん?とっても元気だと?そうか、なによりだこのヤロウ。




・・・・・・・・・。


・・そういやあよ、アンナちゃんとは仲良くやってんのか?


・・・おう、そうか、いいじゃねえか。・・ったくてめえにゃもったいねえくれえいい友達だぜ。


・・・あぁん?私もそうおもうだと?バカかてめえは!なに卑屈になってんだよ!!





・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・・。


・・ああー!!!もう、イライラする!!!


・・・ってめえ!!一体どうしたんだよ!?悩み事があるならハッキリいやあいいじゃねえか!!!


・・・・・・・・


・・・・・・・・。


・・・・・・あぁん?あるにはあるが、それを俺にいったところで何にもならないだと?


・・って!てめえ!!ふざけたこといってんじゃねえよ!!!こちとらラストダンジョンだぞ!!てめえ如きのなやみ、解決できねえ訳がねえっつうの!!おらぁ!!何でも言ってみやがれ!!!


・・・・・・・・


・・・・・・・・。


・・・あぁん?女の子の悩みだから言ってもしょうがねえ?



・・・・・おぉう・・、そうかよ。女の子の悩みか・・・・・。


・・・・・・・。


・・まあ・・・、そりゃあ・・・・、しょうがねえな。




・・・・・・


・・・・・・


・・・・・・。


・・いや、ちょっと待て、あれがあんじゃねえか!!オイオイオイ、そんな悩みまで解決たあ、俺ってつくづく万能だよな。


おら!悩み多きクソ少女、てめえ如きの悩みなんぞ、今からスパンッと解決してやっからよ!覚悟しとけコラァ!ちょっと待ってろよ、このやろう!!・・・あれは確か、あそこだったよな・・・・




・・・・・・。


・・・おら、持ってきてやったぞ、その宝箱を空けてみろ!


・・・あぁん?この瓶の中身はなんだって?


聞いて驚け!!こいつはよ、デメテルの抱擁っつってな、その昔、豊穣の女神が枯れ果てた大地を前に涙を流したとき、その涙が大地に広がり一瞬で実り豊かな麦畑へと変わった、っつう伝説があってよ・・


・・あぁん?なんで私の悩みと畑が関係あるのかだと?


・・だから話は最後まで聞けや、ボケ少女!!豊穣の女神って奴は確かに作物を実らせる事が仕事だとか思われてんけどよ、それだけじゃねえんだよ!!


じつはこれ隠語でよ。枯れ果てた大地ってのは、子供を産めない人間、それが実り豊かな麦畑に変わるっつーのはよ。まあ、平たく言やあ子供をたくさん産めるようになるっつうことなんだよ。


・・で、要するにだ・・。


まだ、初潮の来てねえおめえでも、これを飲めば明日にもちゃんと大人の仲間い・・・・


・・って、てめえコラ!!!何てことしやがる!!!レアアイテム割ってんじゃねえよ!いくらするとおもってんだ!!つーか、値がつけられねえんだぞ、80階層のイベントアイテムだぞ、そいつは!!


・・って、マテヤコラ・・・。おめえ、何する気だよ!!・・って、オイ!!天獄杖出してんじゃねえよ!!!いくらおれでもそんなもん使われたら痛えっつーの!!!・・・・って、痛ぇえ!!!!!マジで痛え!!!!!!!


・・やめろッつってんだろが!!・・って痛えよ!!!!おめ、それ最強武器なんだからな、めっちゃ痛えんだからよ!!


・・つーかてめえ、なにが不満なんだよ!思春期の女の子の悩みっつったら、普通コレしかねえじゃねえかよ!!・・・・だから、痛えつってんだろ!!!!


人には個人差っつうもんがあるんだからよ、別に初潮来てなくてもなんも恥ずかしいことじゃねえんだよ!!わかったら、その杖しまいやがれ!!!!


・・あぁん?初潮はついこないだきた?・・って、恥ずかしいこと言わすなって、なに逆ギレしてんだよ!!!


・・だから痛えよ!!!!力一杯ふるうんじゃえよ!!シャレになんねえぐれえ痛えよ!!!てめえ!!加減ってもンしらねえのか!?


・・やっぱり俺なんかに私の悩みがわかるわけなかっただと?・・って、オレなんかってどういうことだよ!!!


・・だからやめろって、超痛えんだよ!!やめてくれっつってんだろうが!!岩肌えぐれてんだよばかやろう!


・・あぁん?そもそもオレが悩みの原因だと?・・・って、おれが一体何したっつーんだよ!意味わかんねえよ!!!


つーか、死ぬほど痛え!!死にはしねえが死ぬほど痛ぇえ!!!!!!




お願いだからやめてくださいつってんだろうが!このクソ少女!!!!!!!










************************************


娘の性の悩みをフランクに聞きだそうとする父親ほど、うざいものはないと思う。


毎日投稿継続中、ラストまでほぼ書きあがりました。明日、明後日の投稿で最後になります。



【デメテルの抱擁】

アイテムランクSSS

どんな不毛な土地でも実り豊かな大地に変えることができる。また、人間ならば、一滴飲むだけで男女関わらず不妊の問題を解決する。80階層のボス、「冥王の影」が守護している。




[29124] つんでれダンジョン 12
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/18 22:22



・・・ああ?


・・・おめえ、なにしてんだ、こんなトコで?


・・・会いに来たじゃねえよ!オレが聞いてんのは、なんでてめえが今ここにいるかっつう話だよ!!


まだ夏休みじゃねえだろうが、5月だぞ!5月!!


おめえ、学校はどうしたんだ?


・・・・っけ、なにが、今日はいい天気ねだ、あからさまに話題そらすんじゃねえよ!!てめえ!さぼりやがったな!!!


バカかてめえは!せっかく行ってる学校じゃねえか!!


つーか、もうすぐ卒業だろ?なにやってんだよてめえは!!今頃こんなとこに何しにきたんだ!!


・・・・・・・。


・・・っけ!まただんまりかよ!おめえ最近ホントおかしいぞ!!


・・おめえ、悩み事とかあんじゃねえのか?



・・あぁん?あるにはある?・・なんだそりゃ、悩んでるなら悩んでるとハッキリいやあいいじゃねえか!


オウコラ!何に悩んでるか言って見ろ!!つまんねえ悩みだったらぶっ飛ばすぞ、このヤロウ!!



・・あぁん?進路になやんでる?もうすぐ卒業なのにだと?


つーか、進路に悩むってどういうことよ?おめえ、冒険者になるんじゃねえのか?


・・・そのつもりだったんだけど、じゃねえよ!今更なにいってんだよ!!


・・・おめえ、あれか?成績わるいのか?


・・・あぁん?成績は一番?・・って、すげえじゃねえか!てめえの癖に!!


・・なんだって?おれが渡したアイテムのおかげだと?おうよ、よくわかってんじゃねえか、このヤロウ!


・・・・っと、なんかやっぱ調子狂うな、なんでおめえ最近そんな殊勝なんだよ・・・。



・・おめえホントどうしたんだ、一体何に悩んでんだよ?




・・・なんだと?自分が本当にやりたいことがわからなくなった?


かーっ!これだよ、これ!人間って奴はいつだってそれだ、やれこれは本当の自分じゃねえとか、やれ新しい自分を探したいとかいってよ、ぐずぐずぐずぐずしやがるんだ!


まあ、てめえぐれえの年齢は悩んでナンボなのかもしれねえがよ。


・・・・あぁん?おれにも悩んでいた時期があったのか、だと?


・・どうだったかなー、つーか何億年も前の話しだかんなー。正直よく覚えてねえんだよな・・。


・・あぁん?じゃあ、なんでダンジョンやろうと思ったかだと?


・・・って、バカかてめえは!おれは生まれたときからダンジョンなんだよ!なんでそこに疑問もたなきゃなんねえんだよ!おめえだって、自分が人間であることに疑問持ったことはあんのか?ねえだろ?


・・あぁん?じゃあ人間になりたいと思った事はねえかだと?


・・・・・・・・まあ、今までに一度もねえかと言われりゃあ、嘘になるがよ・・。んな悩みはとっくに卒業したんだよ!何年生きてっと思ってんだコラ?


・・あぁん?てめえもオレみてえにダンジョンとして生まれたかっただと?


・・って、バカかてめえは!ダンジョンライフナメんじゃねえぞこのヤロウ!!ダンジョンとして生きるって、めっちゃ大変なんだぞ!!


モンスターは勝手に巣を作るし、人間は荒らすだけ荒らして後片付けもなんにもしねえし、ボスモンスターにはわがままな奴が多いし、油断してたら虫はわくしで、んな楽なモンじゃねえってんだ!!


・・ったく、人間は人間。ダンジョンはダンジョンだ。そこに疑問もってもしょうがねえだろうが!




・・・・あんだと?それでもニンゲンなんかに生まれてこなきゃよかっただと?


・・って、バカかてめえは!!!おい、コラァ!!ふざけたこといってんじゃねえぞ!!てめえ、マジで見損なったぞ!!!!




・・いいか、てめえは人間なんだよ!


みじけえ寿命で、小さい体で、数だけは多い、汚らしい生きモんなんだよ!




みじけえ寿命の癖に、ほかのどんな生き物よりも濃い人生を送りやがってよ!


小せえからだの癖に、自分の何倍もあるとんでもねえもん作り出してよ!


数が多いくせに、お互いのことを理解しあおうとバカみてえに必死になってよ!


汚らしいくせに、魂だけはいつもきれえでありてえと歯軋りしながら努力する、そんな生きモンなんだよ!!


わかったか、このやろう!!ニンゲンに生まれなきゃよかったなんざ、二度と言うんじゃねえよ!!てめえを望んでこの世に産んだ母親と父親に申し訳ねえだろうが!!





・・・・いつか世界樹の前でいったと思うけどよ、てめえら人間は、生まれて、産んで、そして死んでいくんだよ。



・・だがな、それで終わるわけじゃねえ。



その小さな手に未来を握りしめて生まれてきて、大きくなればその手で未来を切り開いて、生んだ子供に未来を託して、その手を握りながら死んでいくんだよ。


死んだ後は魂が世界樹の所に還って来るんだ。そして、いつかの未来にかまた、誰かの子供で生まれ変わって行くもんなんだよ。


それが、ニンゲンなんだよ。




俺らダンジョンがいくら望んでもそうなれねえ、手を伸ばしても届きようのねえ、うらやんだところで仕方のねえ、


全く、たいした生きモンなんだよ。


わかったか、このニンゲンが!!!!












・・・・・・。


・・・おう、わかったならいいんだよ、ばか少女。


・・けっ、ようやくなんか吹っ切ったみてえだな!少しは見れるツラになったじゃねえか!


・・ったく、てめえ去年あたりから、なんかおかしかったかんな。


・・ハンッ、ありがとうじゃねえよ。こっちは礼言われることなんざ、なんにもしてねえんだからよ!!


てめえが勝手に愚痴って、おれが勝手に喋った。それだけの話だろうが!!





・・・・・。


・・・あぁん?もう帰んなきゃだと?


おう、帰れ帰れ、もう学校サボんじゃねえぞコラ。


次サボったら、今度こそぶっ飛ばすかんな。



・・・っけ、だからありがとうじゃねえよ、クソ少女!なんでぶっ飛ばすって言って礼言われなきゃなんねえんだよ!




・・またねじゃねえよ。ばかやろう!!










*******************************



明日で最終投稿です。明日は最終話とエピローグの2話を一度に投稿します。






[29124] つんでれダンジョン 最終話
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/19 19:04




・・・おう、ひさしぶりじゃねえか、あれから一年ぐれえか、元気だったか?クソ少女?



ああん?もう身長150センチになった?今度17になるから、少女でもねえ?


ばかやろう、おれからみたらおめえら人間はぜんぶガキなんだよ、こちとら手前らの何百万倍も生きてるってんだ!


・・んで、てめえは今何してんだよ?学校はもう卒業したんだろ?


・・・あぁん?卒業した後小学校の先生の研修を始めた?なんだよそりゃ、悩んだ末に何になるのかと思いきや、・・・たくっ、てめえが教師ってガラかよ。


・・あんだと?未熟かもしれないけどいい先生になれるようにがんばってる?・・っけ!そうかいそうかい、そいつはよかったな。


・・あんだよ?なんであやまんだよ?


・・・あぁん?せっかく杖と服くれたのに冒険者にならなくてごめんなさいだと?バカかてめえは!!てめえの人生だろうが、誰かに遠慮して道踏み外すなんざ笑い話にもなりゃしねえよ!!


・・あんだよ?てめえ杖と服外してどうする気よ?・・って、バカヤロウ!!杖も聖骸布も返さなくていいにきまってんだろうが!!それはもうてめえのもんなんだよ。


・・そいつらもおめえと一緒にありてえって言ってやがるぜ。・・まあ、てめえには聞こえねえだろうがよ。


・・・おう、そいつらに感謝しろよ、てめえを主として認めてるってことなんだからよ。てめえがどんだけ大切にあつかってきたかっつー証拠だよ。


・・・・・・。


・・っけ、こいつらにそこまで懐かれるなんざ、てえしたもんだぜ、アホ少女のくせによ。





・・んで、今日の用事はそれだけかよ?用がすんだならとっとと帰れ。


・・あぁん?それだけじゃねえ?とても大事な用事がある?


・・な・・なんだよ、急に改まって。・・何する気だよ?


あんだと?今から卒業式を始めますだ?


・・てめえ、なにいってんだ??さっき学校卒業したっつったじゃねえか。


・・あぁん?学校の卒業式じゃなくて、ダンジョンの卒業式だと?


・・ってなんだそりゃ、ダンジョンの卒業式ってなんだよ!意味わかんねえよ!!おれはてめえの先生でもなんでもねえんだよ、バカやろう!!


・・って、おめえなに出してんだよ。なんだその筒と帽子は!芸が細かいんだよバカヤロウ!!


紙広げてんじゃねえよ!てめ、それ卒業生答辞って書いてあんじゃねえか!!なんでいきなり答辞からはじまるんだよ!開会の挨拶すらしてねえじゃねえか!!


・・・・なんだと、こら、私が喋った事を復唱しろだ?


ばかかてめえは!!!んな恥ずかしいことができるか!!!!


なんでおれが、てめえの言葉をいちいち繰り返してやんなきゃなんねえんだよ!意味わかんねえよ!!


・・あぁん?卒業式の定番だからだと?


・・・だからなんでラストダンジョンで卒業式するんだよ!んな茶番につき合ってられっかよ!!こちとら、終末のダンジョンだぞ!ナメんじゃねえぞ、このやろう!!


・・あんだと?・・これが最後のお願いだからだと?


バカいうんじゃねえよ!!なんでおれがおめえの頼みなんぞ聞いてやんなきゃなんね・・・・・。


・・・・・・・。


・・・って、睨むなよ、そんな顔で・・・。そんな辛そうなツラみせんじゃねえよ!


・・・・・・・。


・・・・・・・。


・・・ったくわかったよ!これがホントのホントに最後だかんな!!おめえの頼み聞いてやらあ!!


・・っけ、ありがとうじゃねえよ!・・・おら、やるならとっとと始めやがれってんだ!!!


一語一句、きっかりと復唱してやるからな!オレが女言葉使っても笑うんじゃねえぞ!!笑ったらトラップ落とすぞトラップ!!!


・・って、始める前から笑ってんじゃねえよ。・・あぁん?別におかしくて笑ったわけじゃねえ?てめえの気持ちなんぞ知るかコラ!!


・・ったく、準備はできてんだろうが!オラ、とっとと始めやがれ!・・笑うんじゃねえぞ、このヤロウ!!












・・・・・・・・・・・・・・。


わたしがあなたに出会ったのは今から8年前のことでした。


・・・・・・・・・・・・・・。


今でもはっきりと覚えています。


・・・・・・・・・・・・・・。


心細くて泣きそうだった私に、あなたは声をかけてくれました。


・・・・・・・・・・・・・・。


最初は、まさかダンジョンが話しかけてるだなんて、思ってもみなかったんですよ。


・・・・・・・・・・・・・・。


あのとき、あなたからもらったエリクサーのおかげで、私と母がどれだけ助かったか、あなたには想像できますか?


・・・・・・・・・・・・・・。


あなたが居なければ私も母も、今頃この世界にいなかっただろうと思います。


・・・・・・・・・・・・・・。


ぶっきらぼうだけど、本当はとても優しいあなたに対して、小さい頃のわたしは本当にわがままばかりでした。


・・・・・・・・・・・・・・。


今思えば、私、あなたに死んだ父を重ねていたんだと思います。


・・・・・・・・・・・・・・。


あなたも私の事を、まるで娘のように思ってくれていたのではないでしょうか、・・というのは私の勝手な想像です。


・・・・・・・・・・・・・・。


自由研究を手伝ってくれたあの時、苛められたわたしをぶっきらぼうに慰めてくれたあの時、飼っていた犬を失くした私を世界樹さんの所へつれていってくれたあの時


・・・・・・・・・・・・・・。


あなたは、確かに私の父親でした。








・・・・・・・・・・・・・・。


でもね、本当は。


・・・・・・・・・・・・・・。


父親なんて望んでいなかった・・。




・・・・・・・・・・・・・・。


なんで私はニンゲンで、なんであなたはダンジョンなんだろう。


・・・・・・・・・・・・・・。


そうおもったことが、なんどもありました。


・・・・・・・・・・・・・・。


そして、そんな時私の背中を前に押してくれたのも、


・・・・・・・・・・・・・・。


やっぱり、あなたでした。


・・・・・・・・・・・・・・。


私は、ニンゲンとして、これから精一杯生きて、立派な赤ちゃんを産んで、そして笑って死んで生きたいと思います。


・・・・・・・・・・・・・・。


今まで、側で見守っていてくれて嬉しかった。離れている時も、いつも心配してくれて幸せだった。


・・・・・・・・・・・・・・。


そんなあなたに、ありがとうなんて言葉じゃ、なにも返すことはできないのだろうけど・・、


・・・・・・・・・・・・・・。


それでもやっぱり、・・ありがとう・・・。









・・・・・・・・・・・・・・・。


そんな私ですが、


・・・・・・・・・・・・・・・。


わたしは、今日を以ってあなたの所を、世界で一番優しいラストダンジョンさんの所を、












・・・・・・・・・・・・・・・・。


卒業します。











・・・・・・・・・・・・・・・・。


・・・いつか私が世界樹さんの所に還って来た時は、ちゃんと私を見つけてくださいね。


・・・・・・・・・・・・・・・・。


しわくちゃのおばあさんになってても、ちゃんと私を見つけてくださいね。


・・・・・・・・・・・・・・・・。


その時はまた、あなたに甘えてもいいですか?


・・・・・・・・・・・・・・・・。


わたしのお気に入りのこのでっぱりに抱きついてもいいですか?


・・・・・・・・・・・・・・・・。


次にまた生まれ変わるその日まで・・、ずっと抱きついててもいいですか?


・・・・・・・・・・・・・・・・。


ぬるくなるって言われても、絶対にやめないんだから。


・・・・・・・・・・・・・・・・。


帰れっていわれても、絶対に離してあげないんだから・・・














・・・・・・・・・・・・・・・・。


・・・最後になりましたが、あなたをびっくりさせたいことがあります。


・・・・・・・・・・・・・・・・・。


あなたはまったく気づいてくれませんでしたが、


・・・・・・・・・・・・・・・・・。


私は、いつの頃からか、


・・・・・・・・・・・・・・・・・。


あなたのことを









・・・・・・・・・・・・・・・・。


・・していました。




























・・・ばかやろうが・・・・。














・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・・。





・・・・・・・・・・・。







・・・・・・・・・・・・・・。

















・・・・おう、コラてめえ、そこにある宝箱もってけ


卒業祝いだ。これが最後だかんな、とっておきの奴をくれてやらあ。


そいつはよ、うちの100階にあるんだがよ、持っているものを必ず幸せにしてくれるっつう髪飾りだよ。


虹色に光ってきれえだろうが、幸運の女神が死ぬ前にその力の全てを注ぎこんだアイテムだかんな。


・・てめえみてえなちんちくりんでも、こいつさえつけてりゃいつもきれえな笑顔で笑えるようにならあ。






















だからよ。





























泣くんじゃねえよ、ばかやろう































・・・・・・・。




・・そうか、そろそろ行くんか。



・・・・・・・・・・。



・・・・・・・・・・。



・・ああ、それじゃあ元気でな。





・・・・・・・・・・。





・・・・・・・・・・・。






・・・・・・・・・・・・。








・・・・・・・・・・・・・。









・・・・・・・・・・・・・・。






















・・・・・・・・・・・さよならじゃねえよ・・・・、ばかやろう・・・















*************************************

【幸運の髪飾り】

アイテムランク 測定不能

幸運+999

幸運と運命の女神ティケが、その身が滅ぶときに、自身の力と魂の全てをこの髪飾りに封印した。
所持者が望むだけの幸運を与え、その力は運命さえも変えてしまうといわれている。
虹色に輝きとても美しい。




[29124] つんでれダンジョン 20年目のエピローグ
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/21 11:09



【20年目のエピローグ】




・・・おい、てめえ、其処のガキ!何してやがんだコラ?ここはおめえ、ラストダンジョンだぞ!ガキがうろつく場所じゃねえんだよ!


あん?しってる?んじゃ、なんでこんなとこにいるんだよ、このクソ幼女!頭悪いのか、コラ?


・・・あぁん、幼女じゃねえ?少女だ?・・・けっ、んなセリフは身長140センチを超えてから言いやがれ!いいからとっとと帰れっつってんだ、このクソガキが!!


・・・なんだと、母親にここで遊んでいきなさいっていわれた?・・って、頭沸いてんのか、その母親!!


ここは終末のダンジョンだっつーの、近所の公園じゃねえんだぞバカヤロウ!!・・ったく親の顔が見てみてえとはこのことだぜ。


ああん?リリーシャ?しらねえよ、おめえの母親の名前なんざ!おれは、親の顔がみてみたいっていったんだ。名前を教えろっつったわけじゃねえんだよ!!


・・おい、てめえ、なに出してんだよ。


・・あぁん?だんごお供えしたら遊んでくれるって母親が言ってた?


おめ、バカかコラ!!オレはラストダンジョンだっつってんだろが、地蔵じゃねえんだよ!なんで団子そなえてんだよ!!・・・・だから拝むなっつってんだろうが!!




・・・ったく、てめえはいつもいつも・・・・








・・・・・・・・・・・・んっ?






・・・おい、てめえの母親どんな顔よ?


なんつーか・・、その、こまっしゃくれた顔してねえか?


・・なんだと?そんなことねえ?私にそっくり?


だからそれがこまっしゃくれた顔だっつってんだろうが!!




・・・って、おめえ、・・・・その・・、なんだ・・・、おめえの母親よ。その・・・七色に光る髪飾りとか、もってなかったか?


・・あぁん?いつも身につけてる?幸せそうに笑ってやがる?あったり前だろが、このクソ幼女!!






・・・・ったく、・・・あのばかやろうめ。






・・・あんだと?大きくなったらその髪飾りをもらう約束してるだと?



バカやろう、ガキにゃあ10年早えよ!!せめて身長150センチになってからいいやがれってんだ!







・・・・おい、くそ幼女!遊んでいくんだろ?





日が暮れるまでだぞ、わかったらとっとと遊んでいきやがれ、バカやろう!













終わり















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つんでれダンジョン。これにて完結です。


番外編を始める時は、ここの板に追加していきます。





[29124] 人物紹介と設定集
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/21 10:02
 


人物紹介や、設定集です。


ネタばれを含むというか、ネタばれしかないので、本編をまだ読んでいない方は、ご注意ください。


<登場人物紹介>


【終末のダンジョン】

この話の主役、ロリコンでツンデレでバカ。しかし、本人はその事実に全く気づいていない。
この星が生まれたころからあるとか、ないとか。

幼女には親切設計という、ラストダンジョンとしては致命的な欠陥をもっている。しかし、あまりの悪名の高さに、カタギの人間は絶対に近寄ろうとしないので、この仕様は今まで誰にも知られていない。

ダンジョンの難易度は超クソゲークラス。階層は地下100階まで。全長は本人曰く3000キロ。攻略にかかる日数は10年単位。

本人も言っているが、地下2階から、急に難易度が跳ね上がる。これは、初めてラストダンジョンを探索する冒険者達を、「たしかに、きついダンジョンだが・・、まあうわさほどでもないな」と、油断させ、地下二階でオーバーキルする為です。

2階以降の難易度は順調にあがっていくが、50階から51階の難易度の跳ね上がりかたもハンパない。

「これで残りは半分だ!みんな、やれる!やれるぞ!!」

と希望を持ち始めたときに、本当の絶望という物を教えてくれます。

あとは、90から98階もラストスパートとばかりに、難易度花丸急上昇。ダンジョンのセオリーとか、暗黙の了解とかそういったものを完全に無視しています。ゲームバランス?なにそれ始めて聞いた。

また、ここ最近は、冒険者達が命がけでボスを撃破しても、宝箱が何者かに奪われてしまっていることがあるそうです。



【幼女→少女】

多くはかたるまい、彼女がどんな姿で、どんな性格なのか、それは読者の想像の数だけ答えがある。

一つだけいえば、この話は、この幼女の成長物語り。育ってしまう幼女という新ジャンルに挑戦してみた。

批判は甘んじて受けよう。しかし、永遠の幼女なんて本当はいないんだ。


少女になってからはデレ期の彼女、幼女時代はただ懐いていただけ。

少女になった彼女の変貌は、ナツデレ(懐きデレ)、あるいは夏デレとでも呼ぶべきか。

しかし、発育が悪いせいでダンジョンには140センチを超えるまで幼女と呼ばれつづけた。



【マッハスライム】

4話で登場。
最高速度は秒速300メートル、コーナリング、急制動も難なくこなす、スピードのスペシャリスト。臆病で人間がちかづくと、即、音速で逃げ出すために、冒険者にやられることはまずありえない。
しかし、繁殖力が低く、個体数は全世界で30匹程度、3パーセントぐらいの確立でレアアイテム「覚醒の秘種」を落とすことがある。。



【世界樹】

7話で登場。
世界の7不思議の一つ、ダンジョンの99階に住んでいるが、ダンジョンの一部というわけではなく、むしろ共生関係。ダンジョンと違ってしゃべれません。

生と死を司り、その葉には死人をもよみがえらせる効果があります。
全ての死んだ魂が帰る場所であり、再び旅立つ場所と言われている。

また、ロリコン疑惑がかけられていますが、まあ、あたらずとも遠からず。ただ、ダンジョンが言いうように、幼女をえこひいきしているわけではありません。



【犬】

7話で死骸で登場、
幼女が生まれる前から幼女の母親が飼っていた犬です。大きさは小さめの中型犬ぐらい。幼女のことを犬なりに大切にしてきました。
犬が世界樹の眷属になったのは、世界樹が幼女の愛らしさにほだされたわけではなく、実は、この犬が死んだ後も幼女を見守りたいと望んだから。生と死を司る生き物が、犬とはいえ自我のある生き物の次の生を一方的に歪めたりはしません。
まあ、本編ではそんな裏設定どうでもいいので、「世界樹、おまえもか・・」みたいな扱いになってしまっている、つーか別にそれでもいい。


<名前は出てくるが登場しない人物たち>



【旅立ちのダンジョン】

一話で話に上る。
超初心者向けダンジョンなのに、なぜか終末のダンジョンからそれほど離れていないところにある。幼女の町をはさんで、終末のダンジョンからちょうど反対方向に位置している。
子供でも装備さえ整えればどうにかなるレベル、最深階は10階。出てくる敵はスライムから、ゴブリン程度。実は人格もあるが、ラストダンジョンと違って誰かに話しかけたりする事はない。


【いじめっ子達】

4話で話に上る
デブとヤセとメガネの3人組、は幼女のことが好きだったというよくあるパターン。

真実を知る水晶で、幼女に素直に謝った彼らではあったが、下がった高感度は元に戻らなかった。


【教師】

4話で話しに上る
幼女の小学校3年生のときの教師、幼女が使った水晶のせいで、「ダンジョンに宝箱ができるのはハナクソと同じ原理です!」と、授業で子供達に教えるようになってしまった。

ほどなく、校長に正気を疑われてクビにされる。



【学園ダンジョン】

8話で名前だけ出てくる。
その名の通り、冒険者学校が管理している学生用のダンジョン、学生用とあなどるなかれ、ダンジョンのレベル的には中の中あたり。下層では、オークとかドラゴンモドキとか、結構強い敵もでる。最深層は30階

学生用のダンジョンなので、宝物は質より量。いいとこで鋼の剣(市価2000ゴールド、攻撃力+25)ぐらい。それでも、最深階ではそこそこの宝物も用意されているらしい。

実は女性人格。誰かに話しかける事は今まで一度もなかったが・・・・

番外編が書かれるとすればたぶんここが舞台。



【幼女の母親】

1話からちょくちょく話には上る。
ほのぼの系お母さん。夫を幼女が5歳のときになくし、その後女手一つで幼女を育ててきた。その無理がたたって、病気になってしまったが、エリクサーのおかげで今は元気一杯。

経済状況は金塊のおかげで、借金を完済できたが、そこまで、裕福になったというわけではない。少し余裕がある程度。ただ、別に金持ちになりたいわけではないので、本人は十分に幸せ。


美人でいい母親なのだが、少しオツムがゆるい為にいろいろと勘違いしていることが多い。

例えば、幼女がエリクサーや、金塊をダンジョンからもらったときに、「ダンジョンにもらった」と母親に報告しましたが、母親は「ダンジョンでもらった」と娘がいい間違えたのだと、理解しました。

その為母親は、「娘はダンジョン探索をしていた、優しい冒険者にエリクサーをもらったのだろう」と推測し、毎日のようにダンジョンへ出かけていく娘をみても、娘がその冒険者に会いに行っているものだと勝手に解釈していました。


「あらあら、うふふ・・、初恋なのかしらねえ」


と、暖かい目で幼女を見守っています。ちなみに、娘がでかけているのは、旅立ちのダンジョンだとおもっている。まさかラストダンジョンに手ぶらで出かけているなどとは夢にも思っていない。



【アンナちゃん】

6話以降、ちょくちょく名前だけ登場、このSSに登場する人間で、唯一固有名詞でよばれていた。
幼女の親友にして宿屋の一人娘、宿屋は酒場も兼ねている為、少々耳年増なおませさん。発育も幼女とは比べるまでも無く良い。

小学生時代、日々ダンジョンへと通う幼女を見て、


「ははーん・・、これは恋ね!!!」


と、母親と同じ勘違いをしています。

まさか、人間どころか無機物で、歳の差にいったっては、うん億歳差の相手と会っているなどとは夢にも思っていません。


「いいこと?歳の差なんて気にしちゃだめよ!いいえ、むしろあなたのそれは武器なのよ!!男なんてみんなロリコンなんだから、わかった?」


と、ダンジョンのいないところで、ダンジョンの悩みの種をふやしている、迷惑な少女です。


家では看板娘として、宿屋と酒場を手伝っている彼女ですが、お目当ては客が渡してくれるチップ、少女としてはありえない金額を稼いでいるあたり、幼女とは別の意味で末恐ろしい。

幼女の事を本当に大切に思っている。幼女への愛情は肉親並。

幼女の母親が病気でねたきりのときは、彼女が母親と幼女と犬に色々と差し入れしていました。その間、夜ご飯はいつもアンナちゃんの手作り。

「うちの宿屋のあまりもんで作ったんだから気にしないでよ、料理の練習にもなるしさ!」

といいながら、その実自分で稼いだチップで食材を買っていたという男前っぷり。

一流の料理人になるのが彼女の夢、中学生になったアンナちゃんが通った学校は料理学校でした。アンナちゃんの両親は反対しましたが、稼いでいたチップで自分の授業料を出すというまたもや小学生らしからぬ荒業で、無理を押し通します。

中学時代は、少しだけ大きめな一人暮らし用の部屋を幼女とシェアリング。ベッドは一つですが、別にやましいことをしているわけではない。
ウィンディーネの衣を幼女が寝巻きにし始めてから、そのエロリ姿のせいで何度も新しい扉を開きかけたのは内緒だ。

本編で描写されることはありませんが、学園都市生活中、幼女プライベート面(主に食生活)を支え続けたのは彼女。


大きくなれば相当な美女になる。実は、このSSの最優良物件。


【幼女その2】

エピローグで登場。ネジの緩みっぷりは母親譲り、彼女によってようやく母親の名前が明かされるという、まあ、ベタな最終回でした。

この子父親は誰だ?という話がありますが、一つだけ言わせてもらえば、幸せの髪飾りをつけた幼女がつまらない男と結婚するわけはありません。とても素敵な旦那だったということだけ、ここでは明かしておきましょう。


寝取られだ!許せん!!という方は、「本当にひどい裏話集をよんでみてください。」きっと、怒りが何処かへ消えていくと思います。しかし本当に酷いエピソードなので、読後感もどこかへ消えていってしまうと思います。もし、読むならばご注意ください。




<本編に名前が登場するアイテムや設定>



【世界の7不思議】

光と闇の塔、機械島の空中庭園、逆さに落ちる滝、海底に輝く大聖堂、凍れる山の墓標、終末のダンジョン、世界樹の全部で7つ。だれが言い出したかは知らない。



【覚醒の秘種】

超激レアアイテム、アイテムレベルは EX
消耗品の癖に、その強力な効果と不可能といってもよいくらいの入手難度のせいでアイテムレベルは上級の神器クラス。
全身体能力、HP、MP、魔力、力、素早さ、精神力、防御力が50ずつ上昇というチートアイテム。ただし、かしこさと、うんのよさは、身体能力には含まれないので、上昇しない。また、パラメーターがカンストしている場合は上昇しない。(カンストは255)



【始まりを終えし聖骸布】

この世界の最強防具。
本物の聖骸布のかけらから、ダンジョンが長い年月をかけて再生した。
オリジナルの能力の90パーセントを再現している。



【終わりを始めし天獄杖】

この世界最強の武器、創造神が自ら作った試作品であるが、試作品とあなどるなかれ、創造神が作ったアイテムの中では、唯一完全な形で現世に残っているものである(ダンジョンや、神々は除く)。

オリジナルは「天獄錠」と書き、全てを破壊し、天国と地獄の扉を開くと予言されている。
要するにアポカリプス。


【始まりの巨人】

人間に知恵と火を与えた為、創造神に知性と皮膚を全て奪われ、ラストダンジョンの内部に封印される。知性があったころは、そこらへんの神族よりも遥かに強かった。ラストダンジョンが97層で宝箱の守りにつかせることにしたが、知性を奪われているとはいえ、この巨人が人間に倒されるようなシロモノではないということはうっかり忘れていたそうだ。



【煉獄に封じられし暴君】

元魔王にして、いくつもの神々を食らった為、煉獄に封印されていた。その後ラストダンジョンが貰い受けて天獄杖の守りにつかせることにしたのだが・・・、

「つーか、天獄杖守らせんだから、巨人よりは強くねえとカッコがつかねえよな。」

と、余計な気配りをまわし、もともと激強かった魔王をさらに強化。巨人と違って知能もあるので完全に無理ゲーです。ドラクエ5のエスタークを5匹同時に相手にするぐらいの強さ。


【真実を知る水晶】

細長く、ずっしりとした透明の水晶。

友達と仲直りをしたあとは、主に幼女の文鎮としてつかわれていた。


【ウィンディーネの衣】

幼女の夏場の寝巻き

どうでもいいが、ドラクエでは危ない水着よりも、水の羽衣のほうがずっとエッチだと作者は思う。


【ヴェヌスのルージュ】

神々きっての基地外淫乱女神がシャレでつくったネタアイテム。ただし、その効果はシャレじゃ済まない。また、美人であるほどその効果は高い。

うっかり、アンナちゃんが使ってしまった時は、本当にシャレじゃすまない事態になってしまった。


【デミテルの抱擁】

キレた幼女に瓶ごと割られた。


【学園ダンジョンのペナント】

幼女の通ったいた冒険者学校の購買部で埃を被っていたものを幼女が見つけて購入。値段は5ゴールドだった。

白地に紫と緑の文字で、「おいでませ!学園ダンジョン」とかかれている。

幼女から土産としてもらったため、捨てるに捨てられなかった、ダンジョンが、ヴェヌスのルージュが入っていた宝箱にそっとしまっておいたのだが・・・・。


【幸運の髪飾り】

ラストダンジョンのラストアイテム。シンプルな形だがとても美しい。






[29124] これはひどい裏話集
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/21 07:51


ダンジョンと幼女が平和にもにょもにょやっている間に、裏ではいろんな出来事(たまに事件)が起きています。


感想版に連載していたものをまとめたものです。

読まなくても、本編を読むのには全く支障はありません、むしろ本編の印象が変わるおそれがあります。その事を踏まえたうえで読んでください。



【8話の裏話・幼女が冒険者になった理由】


幼女が冒険者学校にいくことになったのは、母親と、幼女が通っていた小学校の校長の勝手なバックアップのせい。

幼女がマッハスライムと出会う少し前くらいに、作文で

「私は大きくなったらダンジョンと結婚します」

と書いたことがありました。まあ、「大きくなったらお父さんと結婚する」と同レベルです。

それを読んだ、校長は、


「おお・・・、なんと、あの歳で一生冒険者として生きる覚悟をもっているとは・・・」


と盛大に勘違いしました。さらにその後の運動会で幼女のありえない身体能力を見たときに。


「なんと!冒険者として一生を終えるという気概は、まことであったか!!あの、運動が全くできなかったはずの少女があんなにも・・・・、一体どれだけの苦行をその小さな体に課したというのか・・・」


と涙を流しながら感動し、それからあらゆるコネをつかって、幼女を王都の冒険者学校にねじ込む努力をしました。


この校長、幼女の人生を変えてしまった男ランキング№2。ロリコンランキングでも堂々の№2.



また、母親は校長から直にその話を聞いたときに、


「・・そう、そこまでして初恋の人を追いかける気なのね・・・。全く、あの子ったら。私には何もいってくれないんだから・・・。うん、だったら、私が寂しがってちゃだめよね。」


と、やはり盛大に勘違いして、幼女の冒険者学校入学を応援することにしました。


幼女が気づいたときにはなぜか冒険者学校の入学願書が判を押された状態で、机の上にあったそうな。校長のあまり公にできない尽力の結果、特待生で授業料も免除。


まあ、それもこれも、全部ダンジョンが撒いてしまった種なので、「なんで、よりによって冒険者学校なんだよ?」というダンジョンの疑問については実は本人の責任以外のなにものでもありません。



【10話での余談・ルージュの伝言ゲーム】


夏休み明けのアンナちゃん。最近、どんどん大人っぽさが増している幼女もとい少女の同居人である。

幼女がそのへんに置いていた口紅を

「へー、あの子もこんなの付けるようになったのねー。」

と、感心しながら試しに自分もつけてみることにした。


その日、そのまま町に出かけたときに、老若男男、道行く男性から求婚され続けるという不思議な現象がおきる。そのあまりの数と本気の目に怖くなって、逃げるように学園都市中を走り回り、万に上る男達を魅了(チャーム)してしまった。

彼女を目にした男達は、


「女神がいたんだ!!あれは、愛と美の女神ヴェヌスが人間に姿を変えていたに違いない!!」


と、触れ回り、また、お忍びで町に来ていた王子も偶然その姿を見かけており、「あれは確かに女神だった・・。」と証言した為、その日は「ヴェヌス降臨祭」として、来年以降国の祝日となる。


しかし、その日デートをしていたカップルの殆んどが、見知らぬ少女を女神だとさけぶ相方に幻滅し、喧嘩、あるいは破局を迎えることになってしまい、ヴェヌス降臨祭でデートをするカップルは、必ず破局を迎えるという嫌なジンクスができたという。

また、アンナちゃんは、ヴェヌス降臨祭の日だけは、一日中家に閉じこもるようになってしまったという。




【勇者パーティーの裏話】

感想版連載の勇者パーティーの裏話集です
本編には名前すら登場しませんが、ガチでダンジョンに挑み、攻略を続けた人類最強の冒険者達、通称「勇者パーティー」。

幼女がダンジョンからいろいろ恩恵を受けてる影で、その暗部をすべて引き受けてしまっている。むっさ強いが、感想板でしか語られることが無かった悲運の集団。


【人物紹介】

<メンバーその1 重戦士>

赤髪の男。その巨大な体躯でハンマーを手足のように操る歴戦の傭兵。格闘戦だけなら、人類最強。ダンジョンに潜る理由は最強の武器を探すためらしい。が、本編には関係ない


<メンバーその2 魔法剣士>

相当な魔法と最強に近い剣の腕前を持つ。戦闘指揮にも優れ、精霊にも愛されている。天空人の血を引いているとかいないとか・・・、ぶっちゃけ勇者。
ただ、幸運値が絶望的なまでに低い。亡き祖国を再興するために、ダンジョンの最深部にある、とある宝を探している。が、本編には全く関係ない


<メンバーその3 僧侶>

若くして、その癒しの力だけで、12人の大神官の一人に選ばれる、女性。癒しの腕だけなら、世界一。勇者と旅をしているのは、それなりのエピソードがあって、勇者にぞっこんだから。勇者はその想いに気付いていない。が、本編にはこれっぽちも関係ない


<メンバーその4 魔法使い>

帝国の魔道兵器ともよばれた人物、絶世の美女。ぶっちゃけこいつが人類最強。軍隊をも殲滅する兵器レベルの魔法を操り、格闘戦もそれなりにいける。
勇者とともに旅をしているのは、このダンジョンにあるとあるものを探している為。勇者の目的とは違うので、お互い協力ができている。が、本編にはやっぱり関係ない。



【一話の裏・彼らの不幸はここから始まった。】

地下12階を探索中、目の前の宝箱が突然消え去るという不思議な体験をする。中にエリクサーが入っていたなどとは知る由も無い



【二話の裏・命がけで地下20階までたどり着いた冒険者達について】

HP、MPがほとんど尽きかけた状態で、なんとか命の泉にたどり着くも、泉が突然枯れ果てる、という不可思議な現象に出会う。

泉はどこにいったとうろたえているところに、後ろからゴールドゴーレムが急襲。辛くもをそれを破壊する。

しかし、ドロップ率100パーセントの筈の金塊がドロップされず、くたびれもうけ。これ以上の探索は不可能と魔方陣で帰還した。



【三話の裏・勇者っぽいイベント進行中】

三話では、幼女がいい目をみてないのでいたって平和。久しぶりに王都でゆっくりと休養していたところに、城から使者がやってくる。

王が偽者ではないかと疑う大臣の頼みで、王の正体をうんたらかんたら。



【四話の裏・めっちゃ強い中ボスのスフィンクス倒した勇者達のその後】
25階のボススフィンクスをなんとか撃破するも、なぜか「真実を知る水晶」がそこにはなく、水晶を使って、王様に化けた魔物の正体を暴く計画が失敗する。

結果、王派と大臣派にわかれた内戦が勃発し、内戦に巻き込まれた勇者パーティーは一ヶ月ほど迷宮探索はおあずけ。

内戦での国内の被害総額は一億ゴールドに上ったとか・・・。



【五話の裏・改造マリオブラザーズ】

27階層で床一面のトラップに超苦戦していた。

ちなみにこのトラップのほとんど全部は、ダンジョンがマッハスライムを捕まえるために仕掛けたもの。本来は比較的楽なフロアの筈だった。

パチンコの大フィーバーのごとく、とめどなく発動し続ける罠にギリギリで対処しながら、勇者はこう言ったという。

「・・クッ・・、上下左右、一歩ごとに罠がしかけてあるとは・・・、なんて恐ろしいダンジョンなんだ・・!!」


ちなみに、トラップのほとんど全部を勇者一行が解除した(引っかかった)為、モンスター達の被害は微々たるものだった。



【六話の裏・地下31階の極寒フロアの中、ようやく温泉を探し出した一流の冒険者について】

「ふ・・、ふふ・・・、ふ・・・。このクサレダンジョン・・、攻略したら埋める・・、絶対に埋めてやる、・・・禁呪(メテオ)つかっても埋めてやるから・・・・くちゅんっ」

地味にこの温泉の効果を期待していた魔法使い女(2○歳)
地下31階の極寒フロアの中、ようやく見つけ出した、温泉に入ったとたん・・(以下ry)



【七話の裏・勇者覚醒】

34階探索中、ダンジョン内で、突然起こった原因不明の大地殻変動(世界樹のご登場の影響)のせいで、パーティーが分断、というか勇者だけが孤立。

さらにこの時起こった地震のせいで、眠っていたモンスター達が残らず目を覚ます。勇者一人でモンスターハウス状態。

なんとか、勇者を見つけた仲間の3人であったが、再び原因不明の地殻変動(世界中のご退場)が発生し、またもや勇者だけが孤立。

「・・ック・・、オレは・・、まだ・・・こんなところ・・で、死ぬ・・わけには・・いかないんだ!!」

それでもギリギリで生き残ったあたりは、流石の勇者補正。なんか、眠っていた勇者の本当の力が解放されたとかされないとか・・・。



【八話の裏・王都でガールズトーク】

50階到達記念に、王都で2週間の休養。平和な日常

女性陣ふたりは、カフェで久しぶりの甘いものを楽しみながら、他愛もないおしゃべり。


「そういえば僧侶、あんたさ、勇者の後を追っかけてるのもいいけど、あんた自身は迷宮で欲しいものってないの?」


「そ・・、そんな、別に、追っかけているわけでは、・・えっと、そうですね・・、教皇には、『始まりを終えし聖骸布』を探すという建前の元に、勇者様との同行を許可して頂いているわけですから、できれば手に入れたいんですけどね・・・、」


「あー、あの原始の巨人が守護してるとかいわれてるアレね。・・まあ、あんたら教会が欲しいって言うのはよく解るわ。あんなモノ手に入れてきた日には、信者達が全財産教会に寄付してでもこぞって拝みに来るでしょうからね。
・・・まあ、あんた自身は勇者と一緒にいられりゃそれで満足みたいだから、無理して化け物とやりある必要なんて無いとおもうけどねえ・・」


「だ・・、だから、別に勇者様と一緒にいるだけが目的では・・・、そ、そんなことよりも、魔法使いさんの目的も教えてください、私のことだけ一方的に知られているのはなんだか悔しいです。」


「はーい、ストップ。わたしが仲間になるときの条件、『わたしの目的を詮索しない』覚えてるわよね?・・・まあ、第二の目的なら教えてあげてもいいけど。」


「第二の目的ですか?」


「そ・・、このダンジョンの最深部にあるといわれている「終わりを始めし天獄杖」って聞いたことはある?・・・・」


このおしゃべりをしているまさにその瞬間、未だ冒険者にもなっていない少女がその宝の所有者になっていたなどとは、二人には知る由もなかった。


また、今より何年も後の話だが、成長し、冒険者史上でも最強となった勇者パーティーが、人類では打倒不可能といわれていた、2体のモンスターを討伐する。

しかし、なぜか彼らが守っている筈の宝はどこにもなく、やはり、伝説は伝説に過ぎないという結論に落ち着いたそうだ。



【9話の裏・もうオチがバレバレの勇者パーティー】

水竜を倒したのに、レアアイテムが(以下ry)

ちなみに、もともと水竜は激強かった上に、60階は広大な海原フロア、地の利をなかなか覆すことができず、勇者達と水竜の死闘はまる一日もかかったそうだ。


【10話の裏・純潔を守り続け、その血を扉の前の女神像に捧げた乙女について】


先日、四捨五入すれば30になってしまう年齢に到達してしまった僧侶さん。まったく進展しない勇者との関係に流石にあせりを感じ始めていた。

そこに耳寄りな話を持ってきたのが、魔法使い。


「終末のダンジョンの70階層に、愛の女神が作ったほれ薬の効果をもつアイテムが隠されているそうよ。・・まあ、手に入れるための条件がナメくさってんだけどさ。・・・一応聞いておくけど、あなた処女よね?」


顔を真っ赤にしながらも、頷く僧侶。


良心と焦りの板ばさみで、数日悩むも、結局そのアイテムを取りに行くことを決める。女性陣ふたりで、70階層へワープ。隠し部屋への扉を開いたのだが・・・。



「・・・なに、これ?ペナント???」



その次の日、「学生ダンジョン」とかかれたペナントを胸に貼り付けて、勇者と夕日の見える丘で待ち合わせをした僧侶。遅れてやってきた勇者は、


「・・・すまなかった、どうやら最近ダンジョンにこもりすぎていたようだ・・。明日から1ヶ月ほど休養を取ろう。」

と、いったそうだ。

ちなみに、ペナントは捨てることも飾ることもできなかったダンジョンが、ここなら誰にも見られないだろうと、隠しておいたもの。まさか、隠したその次の日に盗られてしまうなどとは思ってもみなかった。


偽者をつかまされた僧侶だったが、その日から勇者が急に優しくなったので偽者であることは全く気づかなかったそうだ。



【11話の裏・戦乱、再び・・】

数年前の王権争いの余波で、王都は後継者問題に直面していた。

内戦に辛くも勝利した大臣派ではあったが、国を治める為にはやはり、王という看板は必要であった。現在。王都の平穏は老齢の前王を担ぎ出すことにより、なんとか保たれていた。

王の血筋を途絶えさせることはできない。そう考えた大臣は、終末のダンジョンの80階層で冥王プルートの分身が守護していると言われている、豊穣の女神の秘薬を取ってくることを勇者に依頼した。

しかし、勇者達が、冥王の影を倒したにも関わらず、宝箱は空っぽ。


数年後、国王が崩御したときに、再び王都で内戦の火蓋が切って落とされることになるのだが・・・、


学園都市とも幼女の故郷とも違う、別の国の話なので、まあ、本編にはやっぱり関係ない。



【12話の裏・格差】

90階層を探索中、戦士の装備品が大フィーバー。


「おお!これぞ私が探し求めていたトールハンマー!なんという輝き!まさに雷神の槌よ!!」


「おおお!これは、魔人王の鎧!!なんという重厚さ!!これならば鉄巨人の一撃だろうと、簡単に防ぐだろう!!」


「おおおお!これはまさか、暗黒竜の盾か!!!世界で最も固いドラゴンの鱗から作った珠玉の一品!!ここにはこんなものまであったのか!!」


「おおおおお!な、なんと・・これは・・軍神の戦兜か!!!!軍神マルスが巨人族との戦いで身に着けていたという伝説の兜!!!!なんという僥倖!!!ありえないまでの天恵!!!



・・・・・・で、なぜ私を殴る???勇者と魔法使いよ。」


「「なんとなくむかついたから。」」


重戦士なため、幼女による宝物強奪の被害を免れている彼、実は勇者パーティーのなかで唯一の勝ち組。その後探索を続けるも、パーティー間でなんとも言えない空気が流れつづけていたとか。



【最終話の裏・勇者達のエピローグ】


<重戦士>

今回の不幸組みの中では一番幸せだった男。つーか、唯一の勝ち組。彼の装備が重戦士であったため、幼女の宝物強奪の被害にあっていない。ただ、90階層で一人だけ最強装備を手に入れた後は、なんとなくパーティー内の雰囲気が悪くなり、ダンジョン攻略後は勇者と旅をすることはなかったという。その後、最強の戦士と呼ばれた彼のもとへ集まった傭兵達と共に、魔の砂漠に傭兵の国を建国、そこの初代の王となったそうだ。


<勇者>

今回の不幸組みの中の負け組みその1。幼女のとばっちりで何度も死にかけたり、イベントアイテムを幼女に奪われたりと不幸属性マックスの彼、しかし彼がもっとも不幸だったのは、10年かけてダンジョンを攻略したにもかかわらず、目的のものを見つけることができなかったことにある。

かれが探していた、「幸運の髪飾り」は、名前こそしょぼいが、その効果は神級、平たく言えばラッキーマンレベル。持つものの望みを必ずかなえるというドラえもんも真っ青なアイテム。まあドラえもんはもともと青いが。

実は彼の不幸属性は先祖が魔王を倒したときに、子々孫々にまでわたり幸運値マイナス300の呪いをかけられてしまっていたから。
もしもかれが、幸運の髪飾りを手に入れていたら、幸運値+999。呪いの効果を差し引いても+699。祖国の復興も簡単だった。

余談だが、幼女は月並みな幸せしか望んでいないので、幸運の髪飾りの真の効果が発揮される事はなかったとか。


<僧侶>

今回の不幸組みの中では負け組みとは言えない。幸せは人の数だけ形がある。
聖骸布を幼女に奪われたり、ほれ薬の偽者(ペナント)をつかまされた彼女ではあったが、彼女には勇者さえ側にいてくれればいいので、実は割と幸せだった。ダンジョンを制覇したあとも、勇者にぴっとりと付き従い、苦難の多い勇者のその後の人生を支え続ける。三十路を超える一日前にようやく勇者と結ばれたそうだ。


<魔法使い>

今回の不幸組みの中の負け組みその2。氷雪フロアの中で素っ裸をさらしたり、ウィンディーネの衣を手に入れ損ねたり、最強モンスターを倒したのに、天獄杖は何処にもなかったり、と割と散々な彼女ではあったが、それはまあどうでもいいだろう。

実は彼女の真の目的は死んだ恋人を蘇らせることであった。

しかし、ダンジョンの99階にたどり着いたとき、世界中の葉は幼女が8年前に犬コロに使っていた為、あと10年以上は手に入れられないことを知る。そして12年後単身で再びダンジョンを攻略した。そのときには、人類最強から生物最強(ダンジョンなどの無機物を除く)にジョブチェンジを果たしていた。

世界樹の葉を手に入れた後、すぐに世界の七不思議の一つである凍れる山の墓標へと向かった彼女。そこには死んだあの時、そのままの姿の恋人が氷りついていた。

ついに、世界中の葉で恋人を蘇らせた魔法使い。魔導兵器と呼ばれた彼女が20年ぶりに涙をながした瞬間だった。

そして、目を覚ました恋人は魔法使いを見てこういったという。





「・・・え、・・・誰?」


念願の恋人との再開を果たした彼女ではあったが、既に四十路を大きくターンオーバー。
この世界では老いは等しくやってくる、若返りの薬とか、美人は老いないとか、そんなファンタジーなことはない。

それでも、20年間自分を生き返らせようと頑張ってくれた彼女のことを思って、恋人はちゃんと結婚してくれたそうだから、まあ・・、最後はそれなりに幸せだったのではなかろうか。


                                    fin





[29124] 本当にひどい裏話集
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/21 08:37


【警告】

この裏話は本当にひどいので、こちらに隔離しました。最終話以降の裏エピソードの詰め合わせです。

最終話と、「これはひどい裏話集」を読むまでは、絶対に読まないようにしてください。


また、最終話の余韻とか、そういったものを全て台無しにする恐れがあります。

そのことを踏まえたうえで、どうぞ。




【本当にひどい裏話その1・拝啓、魔法使い様】


お元気ですか、魔法使いさん。私は今、悲しみの沼と呼ばれる秘境の地を、勇者様と共にあるいています。
勇者様の呪いを解く方法がないか、この世で最も長生きしているといわれている、生き物に尋ねに行くためです。

ダンジョンを攻略して、はや3年、国を追われたり、大神官の地位を剥奪されたり、船が嵐で沈んだり、馬車が盗まれたり、年金詐欺にあったり、本当に色々なことがありましたが、私は幸せです。

だって、あれから3年間、私はずっと勇者様と二人きりで居ることができているのですから。


・・・ただ、私も明日で30歳。神ではなく勇者様にその身を捧げたいと、あまり大きな声では言えない願望を持ち続けて、早15年。


私と勇者様の関係は、出会ったときから、ほぼそのまま変わっておりません。


私に魅力がないからだと思い、昔一度、魔法使いさんに相談したこと、覚えていますか?

女性の私からみても、魔法使いさんは本当に魅力的な方ですから。その時、魔法使いさんは、


「足りないのはアンタの魅力じゃなくて、アイツの頭の中身だよ。」


と、おっしゃってくれました。その時には、「勇者様はバカじゃありません!」・・と反論しましたが、二人きりで旅をして、もう3年になるというのに、一向に私の気持ちに気づいてくれない勇者様をみて、魔法使いさんがあの時言った言葉の意味を、ようやく理解してきました。

もはや、あの人のソレは鈍いとか、察しが悪いとか、そういうレベルの話ではありません。

最近ではそういう類の呪いでもかけられているのではないかと、疑ったことがあります。

もっとも、徹底的に調べてはみたものの、勇者様のかけられている呪いは運のよさが悪くなる呪いのみ。頭が悪くなる呪いはかけられてはいませんでした。


明日は私の誕生日、いくら勇者様でもきっと覚えていただけていると思っていたのですが・・


「・・勇者様、その、・・明日が何の日かご存知ですか?」


「ああ、もちろんだ。10月4日で、イワシの日だな。」


・・・本当に何とかしなければいけない、私はこう心に誓いました。


私は、晩ご飯用のイワシを三枚におろしたあと、道具袋の一番底に入れておいた小箱をとりだしました。そう、魔法使いさん、あなたとお別れするときに頂いたものです。

あの時魔法使いさんが私におっしゃった言葉はいまでもはっきりと覚えています。


「僧侶・・、あんたがこういうの使うのはいやだって言うのはよく分かってるけど、もう本当に後がなくなったと思ったら、これを使うんだよ。」


私は、魔法使いさんからいただいた媚薬を、勇者様のイワシにこっそり振りかけました。そして僧衣を脱ぎ、恋の魔法がかかったペナントを・・・、裸の胸に貼り付けました。
三角形だから、ちょうど隠すべきところは全部かくれるようになっているので何も問題はありません。


今日は、私の20代最後の日、決戦の日です。もうすぐ勇者様が薪集めから帰ってくる頃です。魔法使いさん、どうか私の恋が実るように祈っておいてください。





【本当にひどい裏話その2・とある男の目覚め】


・・・体が思い。息が苦しい。まるで海の底にしずんでしまったかのようだ。

私の意識はゆっくりと浮上していく。懐かしい血と肉の感触。なぜだろう・・。私は確かにあの時○んだ筈なのに。

脳細胞に、酸素と血液がゆっくりと循環していく、少しずつハッキリとしていく意識。

そう、あの時、軍事大国ガルディアとの戦いの最中、私と、彼女は敗走する自軍の殿を勤めるべく、ただ二人で10万のガルディア軍と対峙した。そして・・・、魔法力の尽きた最愛の彼女を救うべく・・・、私は・・・・


「・・・・リュート・・・・」


私を呼ぶ声がする、その声に動かなかったはずの体が震える。そう、その声は、紛れもなく私の最愛の・・


私は、ゆっくりと目を開く。網膜が徐々に光を認識していく、そして、目の前の誰かが像として形を結ぶ。





「・・・・・え、・・・・・誰?」





目の前に居たのは、私の最愛の恋人ではなく、熟女といって差し支えのない妙齢の女性であった。もっとも、とうがたってはいるものの、とても美しい女性ではあったが。


私の疑問に、その女性は魔法で答えてくれた。光る手。はじける光、そして、少しだけ遅れて爆音。


・・そう、これはまさしく、彼女のフレアボムズ。この至近距離で、術者本人は全く被害を受けず、しかも殺さない程度の適度な痛みを与える。ここまで呪文制御に長けた人間を、私は一人しか知らない。


なぜ歳をとっているとか。なぜ私は生き返ったのかとか、疑問は山ほどあったが、とりあえず、今私が何をなすべきかは判っていた。



・・私は、ゆっくりと立ち上がり、彼女のほうを向き直り、両手を広げた。


彼女も私のほうへ一歩踏み出す。


・・・そして、私は、そのまま地べたに跪き、



「ごめんなさい!!!!!!」



一瞬の静寂の後、恋人の懐かしい声が響く。


「・・・あんたという奴は・・・、他に言う事はないのかい!!!!!」


どうやら選択肢を間違えていたようだ。恋人の不興を買い、再び宙をまう私。


その後、一通り暴れて落ち着いた彼女から、ようやく私は経緯を聞きだすことができた。

私を生き返らせる為に、20年以上の歳月を費やした恋人に、思わず目が熱くなる。
帝国一の美女で、皇帝からの求婚すら跳ね除けた彼女、そのもっとも美しき花の時代を、私の為に暗いダンジョンの中で棒に振ってしまったというのだ。


・・一体、私にどうやって償えることができるのだろうか。そう彼女に言ったら、彼女は笑って、こう答えた。


「償いだなんて、何馬鹿なこと言ってんの、これは私が勝手にしたこと、あなたの死に納得できなかった私が、あなたとまだ共に生きたいと勝手に望んだ私が、あなたの意見も聞かずにやったことなのよ、あなたが気に病むことなんて何にもないわ。それどころか、勝手なことするなって怒ってもいいくらいなのよ・・」


そういって彼女は、本当に綺麗な笑顔で私に微笑みかけた。

・・・間違いない。彼女の笑顔だ。意地っ張りな彼女が、年に一度か二度ぐらいしか見せてくれない、とびきりの笑顔。
20年の時が経とうと関係ない。彼女の笑顔は私が恋したあの時、あのままだった。


「それでね・・・、リュート、これ・・・。」


彼女がそっと差し出したのは、婚姻届、すでに私の住所も名前も埋まっており、あとはサインするだけになっていた。というか、住居の欄は既に彼女の家となっていた。


ニッコリと笑う彼女。

・・・そう、あの笑顔だ、獲物を前にして、ニッコリと微笑むあの笑顔、年に100回か200回は見せていたあの笑顔。
20年経とうと関係ない。・・いや、20年の時を経て、彼女のソレは一層の凄みを増したように思える。


私は、目を閉じ、その紙にゆっくりとサインをする。


・・ああ、そういえばお腹すいたなあ・・。

私は、サインをしながら、20年間何も食べていないことを思い出した。






【本当にひどい裏話その3・幼女の結婚相手について】



「ひどい寝汗だ・・・」

朝、まだ日も昇っていない頃、私はあまりの不快感に目をさました。昨日がヴェヌス降臨祭だったせいで、嫌な夢でも見たのだろう。内容は全く覚えていないが。

ヴェヌス降臨祭は私が一年で一番嫌いな日だ。わたしはこの日だけは絶対に外を出歩かないことにしている。

私は隣で眠っている彼女を起こさないようにそっとベッドを抜け出す。相変わらず可愛い寝顔だ。彼女眠っているのをいいことに、その頬にそっと口付けをする。まあ、おきたところで別に怒られるわけではないけれど・・。


私達が一緒に暮らしてもう5年。ご飯も一緒、お風呂も一緒、眠るときも一緒。もちろん、この生活に不満など全くない。最近急に色気を増してきた彼女にドキドキしてしまうのが密かな悩みではあるが。


私は、一先ずシャワーを浴びに浴室へ向かうことにする。
汗でTシャツがべっとりと張り付いている。私は眠る時はTシャツと短パンのみだ。パジャマは子供の頃からなぜか寝付けない。

それにしても、パンツまで汗でべっとりだ。股間に少し違和感を感じながら、私はシャワーを浴びに風呂場へと向かう。



そして・・・・、




「・・・・・・・・・・・・・・。」




すーっと、大きく息を吸う私。これは夢だ、夢なのだから叫んでもいい。よし、準備はオーケー!私は今から叫ぶよ、叫ぶんだから!!




「なんでちんち○が生えてんのー!!!!!???????」




私の股間には、父親のソレと同じグロテスクな物体が生えていた。そう、本来女の子にはない筈のアレである。


「ど、どうしたの?アンナちゃん!!」


私の可愛い同居人が何事かと目を覚まし、浴室の扉を開けようとする。


「だ、大丈夫!!なんでも・・、なんでもないから、おねがいだから、眠ってて!!!」


私はドアを必死に押さえながら、リリーシャを説得する。まだ、納得していないようだったが、彼女はようやくベッドへと戻ってくれた。


「これから・・・・どうしよう・・・・。」


扉越しに見えたリリーシャのネグリジェ姿、ウィンディーネの衣というそうだが、そのせいか私の、こ、・・股間のコレは・・き・・きつ・・りつ・・していた。


私は、リリーシャのことはもちろん大好きだ。しかしそれは女同士だからこそ。そういう意味で好きなわけじゃない。ない筈なんだ。


・・・でも、だからといってリリーシャを何処の馬の骨とも分からない男にわたすのも絶対に嫌だ!

鈍いあの子のことだから、気づいていなかったようだけど、実はあの子、かなり人気がある。ぽわぽわっとしたところが守ってあげたいと、男の庇護欲を搔き立てるらしい。

そんなクサレ男どもを路地裏に連れて行っては、「あの子はお前の玩具じゃない!」と、何度学習させてあげたことか。


・・というか、こっちはあの子が小学生に上がる前からずっと守ってきたんだから、ポッとでの男どもに渡すなんてありえない!!

あの子にエリクサーや、金塊を惜しげもなく渡した冒険者なら、あの子を安心してお嫁にあげることができると思っていたんだけど・・、どうやらリリーシャはその冒険者の事は諦めたみたいだし・・・。


リリーシャの将来が心配になる。

あの子のことが誰よりも大事で、ちゃんと手に職もってて、料理が全くできないあの子の為に毎日料理を作ってあげて、金銭感覚の乏しいあの子に変わってお金の管理もしっかりとできて、ぽーっとしてるあの子をぐいぐい引っ張ってあげられて、まるで長年連れ添った幼馴染のようにあの子を誰よりも理解しているような恋人を見つけてくれれば私も安心なのだけど・・・・・、全く、どこかにそんな男はいないのかしら!!


混乱する頭の中、私の思考はどんどんとどうでもいい方向へと流れていった。自分が男になったという現実を理解するのには、もう暫くの時が必要だった。



                              


アンナちゃん、現在17歳、今では道を歩けば誰もが振り返る絶世の美少女になっています。
アンナちゃんがTSしてしまったのは、美の女神ヴェヌスの嫉妬を買ってしまったため。

昨日、自分を称えるお祭りをやっていると聞いて下界に降りたった基地外女神、しかし自分ではなく、アンナちゃんの姿をした大理石の彫刻が神輿になって練り歩くのをみて、嫉妬に狂った女神は、アンナちゃんをTSさせてしまいました。

その後、幼女に「もう一緒に住めない」と告げ、理由も言わずに家を出て行こうとするアンナちゃん。幼女に泣きつかれ、ついに自分が男になってしまった事を告白。

驚く幼女ではあったが、上目遣いで懇願するようにこういった。


「男でも女でも、アンナちゃんはアンナちゃん、私にとって、この世界で一番大事な人間なんだよぉ・・。お願いだから・・・出て行くなんて言わないで・・」


その時、なんかもういろいろと吹っ切れてしまったアンナちゃん。「一番大事な人間」という言葉が効いたようだ。

一つ屋根の下に住み続けることを約束する二人、さすがにベッドはもう一つ買ったが。


その後、バタバタとコメディーしたり、数年前にその姿を見初められた王子から、アンナちゃんが求婚されたりと、色々とあったが、徐々にアンナちゃんを異性と認識しはじめる幼女。


数年後、二人は晴れて結婚することとなった。

ちなみに幼女MKⅡは、顔は母親そっくり、髪の色は美形の父親ゆずりであったという。




[29124] 番外編  学園ようじょん
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/08/25 17:23


番外編です。予告どおり、「あの人」の娘が登場します。


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いらっしゃい、おねえちゃん。


今日は何して遊ぶの?


・・ふえっ?オセロ?やったことないけど・・、ルール教えてくれる?・・うん、ありがとうおねえちゃん。


ほえー、白の丸を黒の丸で挟み込めばいいんだね。うん、やってみる!



・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・



・・・・・そ、その、おねえちゃん、別におねえちゃんが下手なわけじゃないと思うの。私の運がよかっただけなの、だから落ち込まないでほしいのー。


・・・・へ?次はチェスを持ってくる?凄いの!おねえちゃんチェスなんてできるの!


・・はぇ?やったことない?でも次までに覚えてくるから大丈夫?


・・あのお、おねえちゃん・・。わたしもっと簡単なゲームやってみたいな。・・その、あんまり頭使わなくていいやつ。ほら!あの黒髭危機一髪って面白かったよ!!


・・っへ?あれは必ずおねえちゃんが勝っちゃうから面白くない?・・・あはは・・、おねえちゃん幸運値高いもんね。・・でも、私もう一回あれやってみたいな。


・・うん、ありがとうおねえちゃん。


・・ほぇ?もう行くの?そうだよね、そっか、授業中だったもんね。


それじゃあまたね!おねえちゃん。




・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・



ふふっ、わたしが人間と遊べる日が来るなんて、思ってもみなかったなあ・・。








【数週間前】







・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・


(さっきからなにやってるのかな?あのお姉ちゃん)


・・・・・・・・・・・・・・・


(道に迷ってるのかなあ?・・・そうは見えないんだけどなあ・・)


・・・・・・・・・・・・・・・


(誰かを探してるみたいだけど・・・・。)


・・・・・・・・・・・・・・・


(ダンジョンさーんって、よんでるけど、・・・私のことじゃないよね?)


(だって、私が喋れる事ニンゲンのお姉ちゃんが知ってるはずないし・・・)


・・・・・・・・・・・・・・・


(うーん、やっぱり私のこと探してるのかなあ・・・)


・・・・・・・・・・・・・・・・


(・・でも、お父さんにダンジョンは人間と喋っちゃだめだって言われてるし・・。)


(間違ってたら恥ずかしいし・・、「ダンジョン」って名前の人探してるのかもしれないし)


・・・・・・・・・・・・・・・・


(・・ああ、なんだかとっても悲しそう・・、ごめんね)


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


(・・!!し、しまったの!ぼーっとしてたらゴブリンの集団が近づいてきたの!!)


(おねえちゃん、逃げてー!!おねえちゃんの装備じゃやられちゃうよおー!)


(わたしがトラップでゴブリンたち捕まえておくから、その間に逃げて欲しいのー!)


(って、だめなのー、戦っちゃだめなのー、一人でいっぱいの相手と戦うのは、とって危険なのー!)


(そんな杖じゃ絶対に無理なのー!!言うこときいてほしいのー!喋ってないけど言うこときいてなのー!!)




(・・・・・・っへ???、杖にものすっごい魔力が集まって・・・?、ほへ??七つの黒い雷が?・・はれっ?・・その杖ってまさかー!!!!)













ぎゃひん!!!!!!












・・・・・・・・・・・・・・・・


ひどいのー!!天獄杖ふるっちゃめーなの!!痛いのー、シャレにならないぐらいに痛いのー!振るうなら振るうっていって欲しいのー!!貧者の指輪のせいで気づかなかったのー!!というか、なんでお姉ちゃん天獄杖もってるのー!!


・・・あー、やっぱりいたんだーって・・、しまったー!!ニンゲンの前で喋っちゃったのー!お父さんに怒られちゃうのー!!!!







          【つんでれダンジョン番外編 学園ようじょん】







・・・・・・・。


・・へ?だれにも言わないから大丈夫?ホントなの?他の人間には言わないでくれるの?


・・ありがとうなのー!!おねえちゃんやっぱりいい人なのー!!・・あ、あとねお父さんにもいっちゃ駄目なの。お願いなの。


・・っへ?お父さんって、誰かって?えーとね・・、「終末のダンジョン」って知ってる?


・・って、どうしたの!?おねえちゃん?なんで突然怒りだすの?


・・・・・っへ?今からラストダンジョンのところいってくる?・・子持ちの既婚者なんて初耳?


・・って、だめだよおねえちゃん!ここからお父さんのところまで何日もかかるんだからー、今おねえちゃん授業中でしょ、それにお父さんは別に結婚してるわけじゃないよー!


・・・・・っへ?子供を作っておいて結婚もしないなんて、そんなだらしない人だとは思わなかった?やっぱり学校サボってでも一言言ってくる?


・・って、違うよー、・・お願いだから話をきいてよー。お父さんはお父さんだけど、お母さんでもあるのー!


・・ふぇっ?どういうことって?・・あのね、私達ダンジョンはみんなお父さんから生まれてきたの、だから、別にお父さんが結婚したわけでも、・・・そのぉ・・、誰かと・・・ごにょごにょ・・したわけでもないの。


・・意味がわからない?・・うーんと、なんて言ったらいいかなあ・・、そうだ!株分けって知ってる?アロエとかサボテンとか、増えてきたら誰かに分けてあげたりするでしょ?


そうなの、あれと一緒の原理なの。お父さん放って置くとどんどん大きくなっちゃうから、たまに株分けしないと駄目なの。


・・へ?じゃあ、なんでお父さんって呼んでお母さんって呼ばないのかって?


・・・一度そう呼んだら凄い怒られちゃったの・・、「だれが母親だコラ。ぶっ殺すぞこのクソようじょん」って。


・・はへっ?似てた?うふふふー、そうなのー。私おとうさんのものまね得意なのー!でもだれも解ってくれないから今まで残念だったんだー。


・・・って、あれ?あれあれ?なんでおねえちゃんがお父さんの口癖知ってるの?


・・というかおねえちゃんの装備、貧者の指輪のせいで最初はわからなかったけど、それ、天獄杖と聖骸布だよね?・・まさかおねえちゃんお父さんとこ攻略しちゃったの?


・・・はぇっ?違う?入学祝いにもらっただけ?


・・・・お・・お父さん・・・・、入学祝いになんてものあげてるの・・・・。これがあれば町ぐらい簡単に滅ぼせちゃうの・・・。


・・まあ、お姉ちゃんは変なことには使わないだろうけど・・・って、待って!そもそも口癖知ってるってことは、お父さんおねえちゃんと喋ったってことだよね?


・・はへっ?ここ数年間、ほとんど毎日喋ってた?たまにしりとりとかもしてた?


なんなのさそれはー!!お父さん、私には人間とは喋るなって言っておいて!!ひとりだけ喋ってずるいー!断固抗議するー!!


・・ほぇっ?今日からお姉ちゃんが私と毎日喋るから大丈夫?・・へっ?友達になってください?・・って、・・・私と、・・お姉ちゃんが?


・・って、おねえちゃん、私ダンジョンだよ!?そりゃ、自我もあるし、ニンゲンのことは好きだけど、でもダンジョンと友達なんて聞いたことないよ!?


・・はぇっ?私のことなんて呼べばいいかって?・・えっと、それはおねえちゃんの好きな風に呼んでくれれば・・・って、おねえちゃん私の話聞いてほしいの!


あ、でもね、「ようじょん」だけは嫌なの!お父さんいつまでたっても直してくれないんだから!!ひどいんだよ!私だってもう300万年は生きてるのに!!


・・うん、「ダンジョンちゃん」でいいよ。ふふふっ、変な感じ、そんな風に呼ばれたの初めて。


・・・へ?おねえちゃんのことはお母さんって呼んでもいいって?それは変だよー。おねえちゃんはおねえちゃんだよー。


・・ほへっ?お父さんの事を色々聞かせて欲しい?いいよー。その代わりおねえちゃんもお父さんの事いろいろ聞かせてね。





・・・うん、私がまだ小さい頃ね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




・・・・・それなのにお父さんたらね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・ほえー、そんなことがあったんだ・・・・・・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・・・・・ふふふっひどいなあ、お父さんも・・・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、優しいんだよね、お父さん。・・・・・。






・・・あれ?もう授業の終了の鐘がなっちゃったね。・・・うん、おねえちゃんもう帰っちゃうんだよね、気をつけて帰ってね・・・。


・・それじゃあね、ばいばい・・・。



・・・・・!!



うん!!またね!おねえちゃん!!




***************************************


本編の8話と9話の間のエピソードでした。蛇足でなかったことを祈る。


次回は、もう一度この幼女一号の番外編を続けるか、あるいは、幼女の娘世代の話に突入するか・・・。



[29124] 番外編  学園ようじょん2
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/09/12 20:38



本編9話のその後の話です


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おかえりなさいなのー!!!おねえちゃん!!


・・・うふふー、ただいまっていわれるのって不思議な気分なのー。


ううん大丈夫!さみしくなかったよ。ありがとうおねえちゃん。


ほえ?おみやげ?・・って私に?あ、ありがとうなのー!おねえちゃんはやっぱりやさしいの、おみやげなんて全く想像してなかったの!!


・・ほえっ?終末のダンジョン饅頭?おねえちゃんのふるさとの名物?


・・・あ、あはは・・、なんというか・・、人間ってなんでも名物にしちゃうの・・、ほえっ?中が空洞になっているからダンジョン饅頭?


・・あ・・、あのう・・、それはあんこの入ってない饅頭ということでしょうか?・・それはすでに饅頭ではないとおもうの・・。


あ、ちがうの!べつにおねえちゃんのお土産が不満なわけじゃないのー。ありがとうなの!うれしいの!


あ、・・・でもね、わたしダンジョンだからおねえちゃんに食べてほしいの。


・・ほえっ?おねえちゃんなにしてるの?ふえっ?食べる前に私にお供え?・・・あはは・・、ありがとうなのおねえちゃん。


あ、そうだ、お水のむ?お父さん所の命の泉ほどはおいしくないけど・・・、・・うん!はいどうぞ。


・・おいしい?おねえちゃん?・・ほえっ?水はおいしいけどまんじゅうがなんか物足りない味?・・あはは・・・そりゃそうかも・・。


そういえば、お父さんにもお土産でおまんじゅう買っていってたよね、おねえちゃん。


・・ふえ?クリームが入ってておいしかった?都会の洗練された味だった?・・あはは、よかったね、おねえちゃん。


・・あ、あのね、まんじゅうもいいとおもうんだけど・・、お父さんダンジョンだから食べられないから、次はなにか形に残るものをあげるといいとおもうの。


・・ど、どうしたの?そんな驚いた顔して?・・ふえ?その発想は新しすぎる?次からは何か形に残るものにする?・・よかったー、お父さんもきっとよろこぶとおもうの。


・・ほえっ?お父さんからよろしく?・・正確には「元気にやってやがんのか?このクソへたれようじょん」?


うふふー、なにそれー。おねえちゃんもお父さんのものまね上手なのー。ふふふー、でもうれしいなー。おとうさーん、わたしはとっても元気なのー。


それでそれで、おねえちゃんの里帰りはどうだったのー?


ふえっ?毎日お父さんところにいってたの?涼しいから?


・・・さすがなの・・、おねえちゃん・・。ラストダンジョンに涼みにいく人間はおねえちゃんがたぶん初めてだと思うの・・


・・ほえっ?暑いならこれでも着てろって水でできた服をもらった?でもスケスケで恥ずかしいから着る事ができない?


・・・・あのう・・・、おねえちゃん、その服ってひょっとしなくても・・、「ウィンディーネの衣」って名前じゃないのかな?


・・って、やっぱり!?おとうさん!夏だからって気安く水の大精霊の至宝あげちゃだめだよ!!団扇じゃないんだからー!!


・・あ、違うの・・・、べつにおねえちゃんがおみやげもらったのが嫌なわけじゃないの!その・・、簡単にそれをあげるお父さんに驚いちゃっただけなの。


あのねあのね、そのウィンディーネの衣って水の大精霊のウィンディーネさんが一生懸命作った作品なの。ウィンディーネさんが毎朝一滴づつ涙を集めて何百年もかけて作った最強装備の一つなの、もちろん聖骸布ほど凄くはないんだけど・・・。でもでも、ちゃんと使ってあげて欲しいの・・。


・・・ふえ?じゃあパジャマにする?・・あは・・、あはは・・・、確かにおねえちゃんには聖骸布があるもんね・・・、ウィンディーネの衣をパジャマにするのって、たぶん人類ではおねえちゃんが初めてなの・・・。


・・ふえ?私のところにはウィンディーネの衣はないのかって?・・ってむりむりむり、むりなのー!わたしの所じゃがんばってもBランクアイテムがせきの山なの!Sランク装備なんて夢のまた夢なのー!


・・ふえ?うちにはどんな装備があるのかって?


うーんとね、おねえちゃんが装備できるものだったら、一番いいので魔性蜘蛛の羽織とかかなあ・・・、ダンジョンにすむ斑蜘蛛の糸で織った服なんだけど・・・、


ほえ?見てみたい?・・でもでも、うちのアイテムなんてお父さんのところと比べたら見劣りしちゃうよお・・・、・・・馬鹿にしない?・・ホントに?・・ホントのホントに?・・・・


・・うん・・じゃあ、ちょっとまっててね、おねえちゃん。


えっとー、たしかあそこに・・。あ、28階層を探索しているグループさんごめんなさいなの、今からアイテムへっちゃうの。でもすぐにもとの場所に戻すから待ってて欲しいのー


うんしょっと、


はい、これが「魔性蜘蛛の羽織」なの、・・その・・、見た目も普通っぽいし、防御力もあんまりないし・・・、特殊効果も麻痺防ぐだけだし・・、こんなでも実はうちのレアアイテムなんだけど・・・・。


・・ほえ?かわいい?ホント?ホントにホント?・・・かわいいの?ありがとうなの!すっごく嬉しいの!!


あのねあのね、わたしね、あんまり凄いアイテム作ることはできないから、せめて見た目だけでもいいもの作れるようにがんばってるの!・・そう!そうなの!デパートの宝石売り場よりも、近所のちょっとおしゃれな小物屋さんみたいな。


うふふー、うれしいー。おねえちゃんにかわいいって言われちゃった。わたしダンジョンだからお買い物いけなくて、最近の流行とかわからなくって不安だったんだー。


・・ほえ?いまのままでも十分かわいいけど、襟のところ丸くするともっとかわいくなる?


・・うーん、たしかにそのほうがかわいいかも、ちょっとまってね、変えてみるね。あ、おねえちゃん今魔方陣呼び出すからそのなかに羽織おいてみて、そう、それでいいよ。じゃあ、ちょっとアレンジしてみるね。



るーるーるーるーるー



・・・どう?おねえちゃん?・・ほんと?もっとかわいくなった?わたしもそう思うのー!ありがとうなの、おねえちゃんのおかげなの!


・・ほえ?ほかにはなにがあるのかって?あるよー、ちょっとまっててね・・、うんしょっと。


・・はいこれ、風切りの杖。・・ほえ?色は水色と黄緑にしたらどうか?うーん、たしかにそのほうがかわいいよね。ちょっとまってね、



るーるーるーるーるー



はいできあがり!うん、パステルカラーでとってもかわいいの!すごいのおねえちゃん、センスあるの!


・・ほえ?羽織もおそろいで水色と黄緑のストライプにしたらどうか?さすがなの!こーでぃねーとまで気をくばれるなんて完璧なの、おねえちゃん!


・・ほえ?さらにフリルを一杯つけてみたらどうか?


・・そ・・、それは流石にちょっとやりすぎじゃ・・・。ふえ?そんなことない?今はそのくらいが流行?


ほやー、しらなかったよー。人間の流行ってすぐ変わるもんね。ありがとうおねえちゃん。ふふふっ、冒険者のみんなよろこんでくれるかなー。


・・ふえっ?杖にもお星様つけてみたらどうか?すごいのおねえちゃん!わたし一人じゃそんなあいでぃあ絶対出てこないの!とっても感謝なの!後でやってみるの!!




・・あ、あとね、これもみてほしいの!ちょっとまってね。・・よいしょっと・・。


はい、これ、私のところの最強装備のミスリル装備なの、30階層まで到達できた人のためのお祝い装備なの、これも一年に一度しか作らないうちのレアアイテムなの。


ほえ?背中に小さな羽をつけたらどうか?さすがおねえちゃんなの!その発想はなかったの!!天使みたいでかっこいいのー。


・・ほえ?剣の鍔も羽の形に?なるほどなのー、天使の剣なの。・・なんと!靴にも羽?すごいのすごいのもうこれミスリル装備じゃなくて、エンジェルちゃん装備なの!・・うん、じゃあ、兜に天使のわっかもつけてみるの!


・・ふえ?色は淡いピンクがいい?・・あ、あのう・・男物なのでピンクの色はさすがにどうかと・・・


・・ほえ?そんなことはない?おねえちゃん一度ピンクの鎧に髭を蓄えた筋骨隆々なおじさんをみたことがある?


なるほどなのー、時代は日々進歩しているのー。なんだかピンクの鎧もとってもカッコいい気がしてきたの!・・うん、やってみるね!




あとはねあとはね、この黒装束っていう服なんだけどね・・・






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その後も幼女は学園ダンジョンのレアアイテムを一通りコーディネート、及び改名します。

姿かたちは変わっても、性能だけはほぼもとのままなのでそれなりにいい装備。
使いたいけど使いたくない、捨てたいけどもったいないと、タチが悪い。


幼女もようじょんもでてこないオチは感想版で、レスの【148】です。



【魔性蜘蛛の羽織→魔女っ子はおりん(改名)】

アイテムランクB

防御力+35 精神力+40

蜘蛛の糸で織られているので、軽くて丈夫な上にそこそこの魔法耐性もあり。麻痺を防ぐ。
フリフリでかわいい。


【ミスリルアーマー→エンジェルアーマー(改名)】

アイテムランクB+

防御力+65 精神力+30

フルプレートアーマーなのに、鉄の半分ぐらいの重量。でも丈夫。
淡い透き通ったピンク色で、いたるところに天使の羽がついている。


【黒装束→黒にゃんこ(改名)】

アイテムランクB+

防御力+40 精神力+15 素早さ+30

レンジャー専用、見た目は黒猫の着ぐるみ、着ぐるみの癖になぜか素早さが大きく上がる。
スキル猫パンチを放てるようになる。






[29124] 番外編  学園ようじょん3
Name: あぶさん◆5d9fd2e7 ID:9f632b24
Date: 2011/09/22 18:41




うわー。すっごいきれいなお弁当。すごいのすごいのー、それお姉ちゃんがつくったの?


・・ほぇ?アンナちゃん?アンナさんって確かお姉ちゃんと同居しているひとだよね。ほえー。すっごいなあ。


うふふ、おねえちゃん。まるで自分がほめられてるみたいに嬉しそう。いいなー。幼馴染って。


・・ほぇ?私?わたしには幼馴染はいないけど・・、でもモンスターさんたちとずーっといっしょだから。・・うん!お姉ちゃんともね!!


でもいいなー、二人暮らしって。わたしもお父さんと二人で過ごしてた頃がなつかしーなー。おねえちゃん達はご飯はやっぱり交代でつくるの?


・・ほえ?アンナさんが毎日ご飯作ってるの?・・おねえちゃんは手伝ってるだけ?そうなんだー。すごいなーアンナさん。そういえばお料理学校行ってるんだったよね。いいなー、お料理おいしいんだろうなー。


・・うふふー、よかったねおねえちゃん。それでそれで、どんなお手伝いしてるの?


・・ふぇ?もっぱら味見?・・・・ほえ?・・それ、お手伝いなのかなあ?・・一度お姉ちゃんが料理つくったら二度と食材にさわらせてくれなくなった?・・あははは、・・そうなんだ・・。


・・ほぇ?味見も結構むずかしい?・・適格で忌憚のない意見を述べるのがお姉ちゃんの仕事?


はえー、そうなんだー。確かにどの世界にも批評家さんとかいるもんね。じゃあ、おねえちゃんはアンナさん専属の批評家なのー。いいなー、そういうの。


ねえねえお姉ちゃん、お料理以外の家事はどうやってるの?洗濯とか、掃除とか・・。


・・洗濯とお掃除は一緒にやってる?偉いのーおねえちゃん。・・ふえ?一緒にやるけどほとんどアンナさんが終わらせちゃうからすることがない?・・あはは・・、アンナさんさすがは宿屋の娘さんなのー。


・・ほぇ?聖骸布だけはおねえちゃんが手洗いしてる?・・そうなんだ。・・うん、大事にしてるんだね。・・あっ、聖骸布も天獄杖もお姉ちゃんのことが大好きだって言ってるの。・・うん、おねえちゃんは聞こえないだろうけど。


・・あっ、ご飯食べ終わった?うん、じゃあそろそろいこうか、おねえちゃん。あともう少しだから頑張ってなのー。


・・ふぇ?わたし?わたしはダンジョンだからご飯も洗濯も必要ないのー。


ほえ?でもダンジョンはいつもきれい?あっ、それはねそれはね、モンスターさんたちがいつもお掃除してくれてるのー。


・・うふふ、驚いた?モンスターさんたちにとってはここが家だから、家が汚れてると嫌でしょ?みんな実はきれい好きなんだよ。


うん、そうなのー。冒険者のみんなが捨てていったゴミは全部モンスターさんが片付けてくれてるの。・・ほぇ?どうやってって?


使えそうなものはモンスターさん達がそのまま使って、つかえないものは金属とか皮製品に分別しておいてくれるの。あとは私がそれをあたらしいアイテムに作り直すの。


そうなの、時代はえころじーなの!あとはね、リサイクルできない燃えるゴミは溶岩部屋に捨てて燃やしちゃうの。・・うん!うちにもあるんだよ、溶岩部屋。お父さんとこよりもずーっとちいさいんだけど・・。あ、ここは右なの、おねえちゃん。


・・ほぇ?なんで冒険者のみんなが分別しないのか?・・あはは・・、確かにそうしてくれれば嬉しいんだけど・・。ほえ?分別ゴミの入れ物を迷宮におくべき?・・ふえ?お姉ちゃんが用意してくれる?・・そ、そんなのわるいよ、おねえちゃん!


・・うん・・、たしかにモンスターのみんなは喜ぶとおもうけど・・。・・うん、じゃあお願いしてもいい?・・ありがとうなの、おねえちゃん。


あ、そうだ!この先にゴールドの入った宝箱あるから、ゴミ箱買うならそれ使って欲しいの。・・うん、そう、これのこと。あ、その隣の宝箱はトラップだからあけちゃだめなのー。


・・ふぇ?他にこまったことはないか?お姉ちゃんにできることなら手伝う?・・ありがとうなの!おねえちゃん。


・・うーんとね、困ったこととは少し違うかも知れないんだけど。冒険者学校のみんなはここにレベルあげに来るでしょ?その時ね、まだ子供のモンスターとかは見逃してあげてほしいかな・・。


・・うん、そうだよ。モンスターも大人や子供がいるんだよ。人間より早く大人になっちゃうから見る機会は少ないけど・・。


そりゃ、わたしだってダンジョンの端くれだし、経験値がほしい冒険者のみんなの気持ちはわかるの、だからモンスターさんたちがやられちゃうのも仕方がないとは思うの。


でもねでもね、やっぱり小さい子はかわいそうなの。だってまだ楽しいこともうれしいこともなにも知らないんだよ。せめて戦うなら大きくなってからにしてほしいの。それに大きくなったほうが経験値も多いし、冒険者のみんなにもその方がいいと思うの。・・そうなの!きゃっちあんどりりーすの精神なの。あ、ここも右なの。



・・ふぇ?わたし偉い?そ、そんなことないの!!だってわたしお父さんみたいに大きくないし、学園都市にあること以外はなんのとりえもないダンジョンだし・・・。


・・ほぇ?ほかの人のことまで考えてるから偉い?・・・ありがとうなの、おねえちゃん。おねえちゃんにほめられるととってもうれしいの。


・・ふぇ?他に冒険者のみんなのせいで困る事はないか?大丈夫だよー、ほかには特には・・


・・あえて言えば?・・・ふえ?どうしても言わなきゃだめ?・・・うーん、だったら、やっぱりアレかなあ・・。ごめんねおねえちゃん、少し汚い話になっちゃうんだけどいい?


・・うーんとね、冒険者のみんなってね、ご飯食べるでしょ。でね、ご飯食べるとやっぱり出るものが出ちゃうの。・・うん、ソレのことなの。・・もちろんしょうがないことなんだけど、ダンジョンにおトイレなんてないしね。でもね、ちゃんと穴を掘って、終わったらちゃんとうめておいてほしいの。あ、ここは左なの。


・・ふぇ?いままでみたことない?あ、それもモンスターのみんながお片づけしてくれてるからなの。だって、おねえちゃんだって自分の家の前に犬がうんうんしてたらいやでしょ?


・・ほぇ?モンスターさんたち?オークさんも、トカゲさんも、モンスターのみんなはちゃんとお穴掘っておトイレしてるよ。ゴブリンさんたちは肥溜めもつくって肥料に使ってるくらいだし・・。


ふぇ?こんど学校の掲示板に張っておいてくれる?ありがとうなのおねえちゃん!・・あ、あのね、だったらね、「使用済みのトイレットペーパーは燃やすか、ちゃんと袋に入れて持ち帰りましょう」って書いておいて欲しいの!アウトドアの常識なの!あ、ここはまっすぐでいいの。


・・ほぇ?ほかに人間のみんなのせいで困っちゃう事?・・だ、大丈夫なの・・。ゴミとおトイレさえどうにかしてくれれば他には別に・・。・・ほぇ?本当にもうないか?嘘じゃないか?


・・うぅ、ひどいの、おねえちゃん。わたしおねえちゃんに嘘はつきたくないの・・・。でもねでもね、あんまりこういうこというのは・・。その、憚りが・・。


・・・ううう・・、わかったの。言うの・・。その・・、こんな事いって変な子だっておもわないでね・・。あのね・・、ダンジョンって暗いでしょ・・。それで人目につかない場所もおおいでしょ・・。隠し部屋とか、袋小路とか。


それでねそれでね、冒険者のパーティーって、男の人と女の人がいるでしょ?そしたら・・、やっぱりその・・、愛が育まれるというか。・・いや、まれに男と男だったり、女と女だったりすることもあるんだけど。・・って、ごめんなさいなの!おねえちゃん!!そこトラップだったの!!話に集中しすぎて忘れちゃってたの!!


ほえ?全然大丈夫?・・はー、よかったー。そういえばおねえちゃん聖骸布きてたもんね。・・でもごめんなさいなの、おねえちゃん。・・うん、ありがとうなの。


・・ほえ?話の続き?・・やっぱり言わなきゃだめ?・・そのう・・、とにかくね、その・・、みんな若いし。その、ほとばしる情熱というか・・。暗い部屋で隠れてやることといえば・・・。


・・そうなの、そういうことなの。・・・・・ごにょごにょしてるの。


もちろん冒険者のみんなは誰にも見られていないと思っているんだろうけど・・。正直目のやり場にこまっちゃうの。卒業式前とかもう大変なの、みんなが鉢合わせしないように通路塞いだりいろいろ頑張るんだけど、数が多いからまるでパズルゲームなの。そりゃ、5000人もいる学校だからしょうがないのかもしれないけど・・・。


ほぇ?それもお姉ちゃんが掲示板に貼っておいてくれる?ありがとうなの!おねえちゃん。・・あ、でも私に見えちゃってるって書かないでほしいの。ダンジョンが生きてる事は内緒だから。・・うん!お姉ちゃんに任せるね!頼もしいなー。


おねえちゃんもパーティー組む時は男の人と組んだらだめだよ!この年齢の男の子ってケダモノばっかりなんだから!!


・・ほぇ?お姉ちゃんには好きな人がいるから大丈夫?この学校以外で?そうだったんだー、ほかの学校の人?・・ふえ?違う?お姉ちゃんの故郷の人?すごいのおねえちゃん、遠距離恋愛なの、大人の女なのー。


・・ふえ?それにパーティーを組む気はない?私とお喋りできなくなるから?


・・ありがとうなの、本当に、本当に嬉しいの!わたしもね、おねえちゃんとおしゃべりするの大好きなの。なんだか一緒に冒険してる気分になるんだー。・・うふふっ、お姉ちゃんもそうなんだー。うれしいなー。ふつつかものですが、これからもよろしくお願いしますなのー。


・・あっ、ここが5階層のゴールなの。そう、そこのスタンプを押して、転移装置から出口に戻るんだよ。お疲れ様なのー。お姉ちゃんが一等賞なの。


・・楽しかった?うふふー、よかったー。・・ほえ?明日も来てくれるの?ダンジョン実習で授業は一週間お休みだから?


すごいのー、じゃあ一週間毎日遊べるの!


・・うん!それじゃあ、また明日ね。お姉ちゃん!!



******************************************


番外編2話から2,3ヶ月ぐらいたった頃のエピソード、この学校は9月入学という設定です。

ダンジョン実習は2年生から始まります、幼女は単独で最速制覇。




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