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[28959] 【習作】 つきもの!
Name: あっきー◆073b0725 ID:ad31dc20
Date: 2011/07/22 22:06
初めまして、あっきーと申します。
初投稿の話は不幸少年の話を書きました。(髪の毛ツンツンの人じゃないですよ!)
ええと…つたない筆ですが、とりあえず書きました!
いつ終わるかわからない話ですが、どうか応援とご感想のほうよろしくおねがいします!
それでは、つきもの! はじまりはじまりー!









俺は福峰 良太、どこにでもいる高校2年生の少年である。
ところで、皆さんは不幸とはどう思うだろうか?
俺が思うに、不幸というものの捉え方は人それぞれである。
莫大な借金を抱えたり、家が火事になったり、無実の罪を着せられたり、財布落としたり、トイレに駆け込んだ時にティッシュペーパーが無かったり・・・・・・大抵の人は全て不幸と言うだろう。
だが、世の中には奇特な人がいるもので、全てを前向きに考える人がいる。
借金を抱えたら、遊ぶお金が無くなって仕事に集中できる、とか。
家がキャンプファイヤーになったら、新しい家に住むきっかけができた、とか。
無実の罪を着せられたら、自分が身代わりになったから他の人が助かった、とか。
まあ、そんな猛者が世の中にはいるんだけど・・・・・・
俺もそのポジティブ精神を分けてもらいたいもんだよ、まったく。
ちなみに俺は今、人生のどん底にいる。
いきなりこんなことを言われて凄く困っていると思うけど、とりあえず言っておく。
俺は今、人生の底辺もいいとこ、地獄なんて楽なもんさ、みたいな状態にある。
いや、世界にはもっと苦労してる人がいるぞー! とか言いたいのはわかる。・・・・・・だけど、ほんとにどん底にいるとしか思えないんだよなあ・・・・・・。
さて、俺の人生はどこから狂ったんだろうな・・・・・・?
ああ、そうだった、あいつを拾ってからだったな・・・・・・




[28959] 【習作】 つきもの! 不幸一つめ
Name: あっきー◆073b0725 ID:ad31dc20
Date: 2011/07/22 22:06
「暗くなってきたなー・・・・・・早く帰らないと」
ちょっと寄り道しすぎたなー・・・・・・コンビニで立ち読みしただけで2時間も経つなんてなー。
雑誌読むのにに集中しすぎたな・・・・・・うーん、店の迷惑にもなるし、ゆっくりと読みたいし、今度からちゃんと買おう。
今は・・・・・・七時か。まあ怒られる時間帯じゃないな。
さて、そんじゃさっさと帰ってご飯を食べるとしますかね。
ウゥウーーーーウゥゥゥー
なんだ・・・・・・? 火事のサイレンか?
どうしたんだろう・・・・・・あ、最近は放火魔のニュースで持ちきりだったな。もしかしたらそいつの仕業かも知れない。・・・・・・早く捕まえてもらいたいもんだねー。
・・・・・・なんか俺の家のあたりが赤く見えるけど・・・・・・ご近所で燃えたのかな? ・・・・・・ご近所さん、無事だといいけど。
お、ゴミ捨て場だ。・・・・・・そういえば明日は燃えるゴミの日だっけ・・・・・・? 一応確認しておくか。
・・・・・・ん?
「なんだ・・・・・・これ?」
俺が目を向けたゴミ捨て場に、異様な存在感を放つ白いキツネの人形が置いてあった。
「新品みたいにピッカピカだけど・・・・・・」
なんか・・・・・・この人形かわいいな。木彫りみたいだけど、何とも言えないかわいらしさがある。でも、銀色だったり羽があったりとか巫女服着てるとかなんか変な格好してるな・・・・・・
「持って帰っても・・・・・・いいのかな?」
ゴミ捨て場にあるんだし、別にいいよな。
「・・・・・・さて、じゃあ家に帰るかな?」
・・・・・・あ、明日は何のゴミの日か見るの忘れてた。・・・・・・まあいいか、戻って見てくるのも面倒くさいし。

・・・・・・そろそろ家だな。・・・・・・今日の晩ご飯何だろうな、カレーかな? ハンバーグかな? それとも・・・・・・あれ?
「俺の家・・・・・・なんか燃えて・・・・・・る?」
ははは、いや、そんな馬鹿な。見間違いだよ、きっと。
ゴシゴシ
目をこすってみる。すると、あーら不思議。目の前には辛い現実がはっきりと。
「・・・・・・コンチクショー! やっぱり俺の家キャンプファイヤー状態じゃねえか!」
ごうごう燃え盛ってるよ! むしろ清々しいくらいだよチクショー!
と、とりあえず近付いてみよう。消防団の人もいるし、話を聞いてみたらどんな状況かわかるかも知れない。・・・・・・いや、俺の家が燃えてることには変わりないんだけど。
「あの、すいません!」
「あ、すいませんが一般市民の方は危険ですので近寄らないで下さい!」
「いや、この家は俺の自宅なんですけど、ど、どうにかならないんですか!?」
「ただいま消火中ですので、しばらく動向を見守っていて下さい!」
いや、見守ってろって・・・・・・。
消防車のホースから大量の水が放出されている。
水の勢いはすごいんだけど・・・・・・一向に火が消える様子がございませんが!?
「なんでだ! もう一時間は放出してるのに、なぜ鎮火しないんだ!」
え! 一時間もやってるのか!?
それなのに消えないって・・・・・・おかしいだろ!
「ああ・・・・・・俺の、マイ、ホームが・・・・・・」
あ、親父!
「親父! 俺たちの家が! 住まいが! 安息の地が!」
めっちゃ燃えてるよ! もう、すごいよ! 炎が爆炎にレベルアップしてるよ!
「ああ、わかってる・・・・・・」
なんか、親父の背中からとんでもなく大きな哀愁を感じるんだが・・・・・・。
「とりあえず、鎮火するまで待とう・・・・・・私たちにできるのはそれだけだよ・・・・・・」
「ああ、わかったよ・・・・・・」
くそう、俺たちの家なのに、手伝うことが出来ないなんて悔しいなあ。

俺が家に戻ってきて、2時間か・・・・・・。
やっと、消えたんだな・・・・・・。
「おそらく、放火魔が起こしたものと思われます」
「はあ、そうですか・・・・・・」
後からやってきた警察官の人と親父が話している。
「こ、これから私たちはどうすれば・・・・・・?」
「そうですね・・・・・・新しく住居を確保するのが先決だと思います」
目の前には完全に焼け落ちた廃墟。横を向くと、肩を落としてしょぼくれてる親父。・・・・・・どっちも見たくないもんだな。
「失礼ですが、今ご職業はなにをされていますか? それで色々と変わるのですが・・・・・・」
「え、えっと・・・・・・」
確か親父は栄養ドリンクを主に開発している会社で働いてたと思うんだけど・・・・・・親父はなにを口ごもってるんだ?
「あ、あの・・・・・・今は、その・・・・・・む、無職でして・・・・・・」
・・・・・・は?
「お、親父! そんなの聞いてないぞ!」
「あ、ああ・・・・・・今日クビを切られたからな、お前には家に帰ってから言うつもりだったんだ」
俺には家に帰って言うつもりだったって・・・・・・
「じゃ、じゃあ母さんは? 母さんは知ってるのか?」
「言ったよ・・・・・・そしたらな、職を見つけて、生活が安定するまで実家に帰ります、だってさ・・・・・・はは」
はは・・・・・・じゃねえ!
「職が無いのですか・・・・・・でしたら、新しい住まいを見つけるのは難しいですね」
警察官さん、今は辛い現実を突きつけないでくれ! もうどん底なんだから!


「貯金は? 貯金があるからしばらくは暮らしていけるだろ? その間に親父が職を見つければいいじゃないか」
「・・・・・・もう、ないんだ」
・・・・・・え?
「スッカラカンなんだよ・・・・・・貯金は全部持ってかれてる」
「なんで! なんでなんだよ!?」
「・・・・・・借金の連帯保証人になった奴が逃げ出してな・・・・・・それで」
貯金も全部持ってかれたわけか・・・・・・
「こんの・・・・・・バカ親父!」
母さんにも、じいちゃんにも、連帯保証人には絶対になるなって言われてたのに! なんで引き受けちゃうんだよ!
「・・・・・・それで、借金はいくら残ってるんだよ?」
「およそ一千万円だ・・・・・・」
い、一千万円・・・・・・利子とか考えるとどんどん膨らんでくぞ・・・・・・。
「これからお父さんは職を探すよ・・・・・・」
そうしないとダメだろ・・・・・・。
「それで、良太にはこのお金を渡しておくよ・・・・・・」
「・・・・・・え?」
2万円? なんで? こんな状況でお小遣いとかふざけてるのか?
「このお金でお母さんの実家に行くのもよし、ここに残るもよし。自由にしなさい」
・・・・・・は?
「お父さんは職を探して旅にでるよ・・・・・・また職が見つかったら迎えに来るからさ・・・・・・」
「いやいや! 俺は母さんの実家に行ったことないからどこにあるのかわかんねえよ、どこに行けっていうんだ!」
「父さんも・・・・・・よく覚えてないんだ」
「えええ! 完全に詰んでるじゃん! ってか覚えてないっておかしいだろ!」
「だってしょうがないじゃないか! 色々ショックで忘れちゃったんだよ!」
しょうがないって・・・・・・はあ。
「じゃあ、お父さんはもう行くから! じゃあな、良太。元気でやれよ!」
「あ、待てクソ親父!」
くそ! 逃げ足だけは速い・・・・・・。
・・・・・・はあ、これからどうすればいいんだ。
・・・・・・もう、死のうかな?
行く場所がねえし、生きてたって苦しいだけだし。
・・・・・・ん? ポケットが、光って・・・・・・いや、さっき拾ったキツネ人形が光ってる!?
うわ、まぶしい! 目が、開けられねえ!
「ご契約していただき、誠にありがとうございます」
な、なんだこの女の人・・・・・・? いったいどこから出てきたんだ?
「ああ・・・・・・驚くのも無理はないですね・・・・・・なんていったって私はあなたに拾われたあのキツネ人形なのですからね」
・・・・・・えーと、携帯携帯・・・・・・あった。
「確かここらへんの精神病院の番号はっと・・・・・・」
ってあれ? 使えない? ・・・・・・親父め、解約しやがったな。まあ金が無いのはわかるけど。
「待って下さい、信じて下さい!」
いや、信じろって言われても・・・・・・。
「ほら、あのキツネ人形と特徴が似てませんか?」
・・・・・・言われてみれば銀色の髪だし、羽もあるし、巫女服も着てる。・・・・・・確かに特徴はぴったり合ってる。
「ふむ、信用したいただけたようですね。それでは話を進めますよ・・・・・・」
「ちょっと待ってくれ、いきなりそんなこと言われて俺はどういう反応をすればいいんだ? へえ、すごーい。とか言えばいいのか?」
いきなり人形が人になりましたー、なんて馬鹿馬鹿しすぎる。
「まあまあ、そこらへんはツッコまない約束として・・・・・・」
お約束ですませちゃうのか・・・・・・。まあ、いいか。状況から考えて今はこいつの言うことを信用するしかないな。
「それでは話を進めましょう・・・・・・。契約をして下さったあなたに、とんでもない不幸をプレゼントさせていただきました」
・・・・・・は?
「手始めに、あなたの自宅がキャンプファイヤーに、あなたのお父様がリストラに会うように、そして連帯保証人が逃げ出すように、そしてあなたのお父様がお母様の家、その他諸々を忘れるように仕組ませていただきました」
・・・・・・いやいや、え? ってことは・・・・・・
「全部お前の仕業か! この野郎、人の人生めちゃくちゃにしやがって!」
ぎゅううっ
「あ、あう・・・・・・首、首を締めないで・・・・・・」
「あ、ああ、悪い」
少し熱くなりすぎたな、うん。
「けほっ、けほっ・・・・・・ふう、苦しかった」
「悪かった、今お前に当たってもしょうがないよな」
別に現実が変わる訳じゃないしな。
「いえ・・・・・・あながちはずれでもないですが・・・・・・少し違いますね」
はずれじゃない? ・・・・・・ということは
「お前をフルボッコにすれば幸せになるのか?」
「バイオレンスな方に走らないで」
・・・・・・? でもさっきははずれじゃないって言ってたような。
「ええと、つまりはですね、わたしさえ追い出せば万事解決なわけです。バットを持たないで。そうすればお母さまは戻ってくる、お父さまも職を見つける。バットを持たないで。新しいマイホームに住める。借金も支払える。どうです、完璧なプランでしょう! バットを持たないで」
え・・・・・・追い出せばいいんじゃないのか? ちょうど手に馴染みそうなバットを見つけたから即実行出来そうだったし。
「物理的に追い出そうとしないでください」
だったら・・・・・・ああ、そうか。
「この豚野郎」
「ふふ、残念ですね。私は物理的以外はMですのでむしろ気持ちいいです」
「なにい!」
くそ! 悪口を言い続ければ耐えかねて逃げてくと思ったのに!
「そうですね・・・・・・私を出ていく気にさせれば出ていきますよ」
「・・・・・・お前は出ていく気があるのか?」
「全然ありませんよ」
だと思ったよ・・・・・・
「ふふふ・・・・・・あなたをもっと不幸にして恨み辛みを聞くために来たんですからね。なにもせずにノコノコと帰るような私ではありません」
「・・・・・・いや、もう不幸のどん底にいるからさ・・・・・・もう落ちることはないんじゃないか?」
とことん落ちるとこまで落ちた気がする。
「まだまだ落ちることはできますよ・・・・・・そりゃあもう・・・・・・ねえ」
こいつが何か恐ろしいことを考えている気がする。
「そういうわけなのでしばらくのあいだお世話になります・・・・・・言っておきますが、私を追い出すことは到底無理なので諦めて共存の道を選んで下さい」
「・・・・・・いやだなあ」
「ふふふ・・・・・・そんなことを言おうが、私たちは一蓮托生ですよ。・・・・・・共に頑張りましょうね」
いや、どっかに行ってくれたら全て解決するんだがなあ。


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