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[28505] 【習作】ISのキャラの性格と属性を変えてみた。
Name: ゴロウ◆380796d9 ID:78c3f614
Date: 2011/06/23 01:11
皆様はじめましてゴロウと申します。

このSSは小説を書く練習してISのキャラ達を好き勝手に弄ってみた?作品です。
属性変更。原作準拠ですがストーリー改変。世界観にそぐわない程度の好き勝手設定などなど。

駄文。遅筆。ホントにクソみたいな文章ですが読んでいただいて、ここはよかった。この書き方はダメ。など罵っていただければ幸いです。





[28505] プロローグ
Name: ゴロウ◆380796d9 ID:78c3f614
Date: 2011/06/23 01:12
力が欲しかった。
情けないままじゃ弱いままじゃ耐えられなかった。それがどんな力か、その力でなにがしたいか。俺はその頃そんな事理解せずに、本当にただがむしゃらに単純に力を求めてた。

勉学には人一倍励んだ。トレーニングも欠かさなかった。空手柔道テコンドー合気道etc.武術も何個も習った。その中の一つとして剣道も続けてた。
周りの大人からは神童と持て囃されていたが、姉さんが俺を見る目はいつも苦々しいなにか悔しそうな目をしていた。姉さんにそんな目をさせてる事が悔しくて俺は一層勉学に励み、武術の腕も磨いた。

中学卒業後の進路選択のさい、俺はいつまでも姉さんの世話になってるのも嫌だったので、なんのためらいもなく就職と書いて提出した。学校側からは成績優秀だった俺は当然難関校を受験するだろうと思ってたらしく、提出して1時間後には担任に呼び出され、長い面談を終えクタクタになって帰宅した俺を待っていたのは、玄関でいつものスーツ姿で仁王立ちした姉さんだった。

無言の姉さんの後をついて行きリビングに着くと、姉さんはビール片手に俺に話し始めた。聞けば担任から電話を受けて仕事をほっぽり出してきただの、お前の事は大学院まで入れるつもりだっただの、あの事件以来お前は変わっただの、いつから姉の言う事を聞けなくなっただの。
酒が入った事で、進路に関係ないことまで言い始めた姉さんに適当に相槌を打ちながら俺は、半ベソで俺に喋りかけてる姉さんに無条件降伏しすぐに高校進学に進路を変えることにした。クソが泣くなんてなんて卑怯じゃないか……

憂さ晴らしとまではいかないが中学最後の年はこれまで以上に武術に力を入れていた。
今まで二の次にしていた剣道にも熱心に取り組み一応在籍していただけの剣道部にも顔を出す頻度を増やした。その結果学校の代表になり大会にまで出場することになった。
初めての大舞台で俺はいつも以上の力を出せ、めでたく男子個人の部優勝。
女子のほうはうちの中学はダメだったんだが、昔馴染みが優勝したらしく挨拶に行きたかったんだが、撤収やら祝勝会やらで挨拶には行けなかった。

中学最後の年は武術一辺倒で終わり、気がつけば高校入試の季節になっていた。
実は姉さんにはウソをついていたが、この高校は入学すればエスカレーター式に関連企業への就職にこぎ着ける。高校卒業後の進路を決める時は絶対に泣き落としなんかには屈しないと誓い、俺は試験会場に向かった。

その人生における通過点に過ぎないと思っていたその場所は、俺にとって重要なターニングポイントであって、俺の平凡な日常をブチ壊し、俺が憧れた。手に入れたかった。そして心のなかでは諦めていた、力を手にした場所だった。





あとがき

初投稿。今回は高校入学までの話。設定がアレですが最低系やメアリー・スーにはさせないつもりです。



[28505] 第1話
Name: ゴロウ◆380796d9 ID:78c3f614
Date: 2011/06/23 01:15
はぁ…どうしてこうなったんだ。なんで俺はこんなとこにいてパンダみたいな扱いを……

「お……ら…ん…自……介…てく……」

だいたい姉さんも姉さんだよ。自分の職業の今まで隠してるなんて。たまにしか帰ってこないからてっきりISからは手を引いてるんだと思っていたぞ。確かに月に数回しか帰ってこないから、おかしいと思っていたけど。

「……ンね?おり……くんじ……う…いし………な…かな?」

なに??自分の姉の仕事を知らないなんてオカシイって?しょうが無いだろ姉さんはたまにしか帰ってこないし、いつも疲れてそうだったから、ゆっくりしてもらおうと思ってたからそんな事聞くことできなかったんだよ!!だいたい俺は誰にこんなムキになってるんだ……論点がズレてるな。
今の問題はなんで俺がこんなトコにいるかだ。

「グ…ッ…りむら…~んじ…しょ…かいして…れない…な~」

なんだよさっきから人が考え事してるっていうのにうるさ「パァン!!」

「痛っって~~!!」
「山田先生。クラスの挨拶を任せてすまなかったな。」
「無視か!?人のこと出席簿で叩いといて無視なのか千冬姉ぇ!!」
「いえ副担任ですから……織斑くんの事はその」
「では織斑自己紹介を始めろ。あと千冬姉じゃなくて織斑先生と呼べ。わかったな」
「それだけ!?人の事叩いてそれだけ千冬…織斑先生すいません自己紹介始めます。」

千冬姉って言おうとした瞬間出席簿構えやがった。俺への対応も仕事モードなわけか姉さん、まあ逆に身内贔屓しないのが姉さ…怒られないうちに自己紹介始めよう。

「初めまして織斑一夏といいます。趣味は……(趣味?今まで勉強か武術の鍛錬しかしてないから趣味なんて自分で言っといて浮かばないぞ)」
「自己紹介もロクに出来ないのか馬鹿者」
「(これで着席でもしようなら殺されるぞ俺)……趣味はトレーニング。特技は料理…一般的な家庭料理なら何でも出来ます。あと武術いやいろんな格闘技を使えます。ほかには……そうだ剣道が得意で中学の時の大会では優勝しました。」
「……な!?…」
「よし!生徒の自己紹介は終わったな。私が君たちの担任をする織斑千冬だ。私の仕事は弱冠15歳の君たちを鍛えISの乗り方を熟知させることだ。私のいう事をよく理解しろ、わからないならわかるまで指導してやる。もう一度だけ言おう、私のいう事を、私のいう意味をよく理解しろ。」
「キャー千冬様ぁ~~~!!!」
「優しく時に厳しく指導してくださいぃぃぃ~~」
「叩いてぇ~イケナイことした私を鞭で叩いてぇ~~!!」
「なんで毎年私のクラスには馬鹿者ばかり揃うんだ。山田先生?」
「さあぁそれはちょっとぉ…」

なんだこのクラスは姉さんのファンクラブかなんなのか?こんなミーハーなクラスで1年も、しかも男はオレひとりだけなんて考えただけで鳥肌たってきたぞ!?
このクラスでのただ一人の知り合いの篠ノ之箒は、俺のことなんか路傍の石程度にしかみていないし、いや俺が自己紹介してるときだけ、射殺すような勢いで見てきてたな。たくっあの剣道少女はいい年した女性が人に殺気をぶつけるんじゃありません。
あとで幼なじみとして注意せねばなるまい。別に一人で机に突っ伏してるのがつらいわけじゃないからな。女性らしい態度をとらない幼なじみに厳重注意するだけだからな。

「けどさっきのやりとりだと、織斑くんって千冬様の弟さん…」
マズイなさっきのアホなやりとりで姉弟だってバレたか?
「確かにコイツは私の弟だが、ここにいる以上コイツも一生徒に過ぎない」
「だそうですので、竹を割ったような性格な千…織斑先生がそんな身内贔屓なんかすると思う?」
「それもそうか。じゃあ織斑くんがISを使えるのって千冬様の弟ってのが関係してるの??」

そうここ『IS学園』は女子高。IS<インフィニット・ストラトス>は女性しか運用できない。
そう男に生まれた俺、織斑一夏には一生縁のないはずの場所だった。
それが俺にとっては通過点の一つのはずだった高校入試の会場で俺の人生はすっかりおかしくなってしまった。


「なんだよこのだだっ広い会場は、オカシイな?あの道をああ行けば戻れると思ったんだけどな……」
昔から若干方向オンチぎみだと思っていたが、さすがにこれは建物が悪いぞ。

「なんだよもう…階段はどこにあるんだ。俺は今どの棟にいるんだ?会場はどの棟の何階なんだ?」

かれこれ30分以上迷ってる気がするぞ……マズい非常にマズい。判定もAだったし姉さんに大見得切ってスベリ止めなんか受けてないぞ!これで遅刻、試験失格、中学浪人なんかになったら姉さんに殺される。いや申し訳なさすぎて腹を切るしかなくなる。よしそうなったら姉さんに介錯してもらおう、よしこれで俺が腹を掻っ捌いても問題は……問題大有りだろ。

「よし次のドアだ!次のドアを開ける。そうすれば俺は試験会場に着く。よし!完璧だ。」

と視界にドアが見えてきた。よし入ろう。少しのアクシデントには見舞われたが入学後のネタの一つを手に入れられたとしたら十分だ。今行くぞ高校入試。

「遅れてすいませんでした。おりむ…あれっ!?」

入った部屋には誰もいなかった。あるのは中央に置かれた鎧だけ??なんだ外れかと内心焦っていた俺だが、気がつけば俺は吸い寄せられるようにその鎧の近くに歩を進めていた。

「郷土資料みたいなもんなのか……いや違うこれは」
「コーラッ!なにやってんの?」
「あっっ、いやすいません入るとこ間違えちゃったみたいで」
「たく一応関係者以外立ち位置禁止なんだからね」
「まあまあわざとじゃないみたいですから、そこまで怒らないで」
「ほらっISって盗難される可能性もあるらしいじゃん。まあ男の子だから関係ないだろうけど。」

Isか…男の俺がこんな間近でみれるチャンスなんて最初で最後なんだろうし、別に男の俺がISに触ろうが何も起きないだから少しくらい触ってもバチは当たらないよな。

「それにしても何でこんなところにISがあるんですか?」

何気なく疑問を口にし、そう本当になにげなく俺はISに手を触れた。

「キィィン!」
その頭に響いた金属音とと共に流れこんでくる膨大な情報の奔流。その頭にムリヤリぶち込まれた情報によって今まで知らなかったISの事が理解できる。目の前にあるソイツの使いかたが何故か理解できる。
これなら俺でもISを纏えるんじゃないか?ここで俺はそんなバカな事をしなければよかった、けどあの日誘拐された俺を姉さんが助けに来てくれたあの日姉さんが纏っていた、俺が憧れた力であるISを纏えるかもしれない。その誘惑に俺が勝てるわけなかった。

まあその結果。俺は一躍時の人となり、進路の自由はなくなり、気がつけばトントン拍子でこの学園に入学することが確定していた。その時に久々に帰ってきた姉さんから入学に必要な書類と共に姉さんがIS学園の教員だと言う事を告白された。
そのショックでしどろもどろしてる時に、タ○ンページほどの厚さのISの教科書?と言われる本で気絶させられ、起きてみると、「入学までに全部暗記しておけ」と書かれたメモ書きと大量のタウン○ージのみで姉さんの姿は消え、詰問することも叶わずに暗記に時間を費やしていいたら、もうIS学園入学当日になってしまった。

「パァァァァン!」
「痛ぅぅぅぅ」
「思考に没頭しすぎだ馬鹿者。質問についての解答は私がIS開発に関わっていた事と織斑がISを使えることは無関係だ。それを解明するためも含め織斑はこの学園に通っている。」
「質問は以上か?…ではSHRはこれで終了だ。4月中君たちには半月でISの基礎知識を覚えてもらい、もう半月で基本動作を覚えてもらう。しっかりついてこい!返事はどうした?安心しろついてこれなくても無理やりついてこさせてやる。」

どこの軍隊だよここは!!あの鬼教官めが……いや俺はなんにも思ってないですよ姉さんだから実の弟を殺気のこもった視線で見ないでください……

「……………ハァ」

SHRが終わり、休み時間になったわけだがヒジョーにイヅライ。廊下からは見物に来た上級生の視線が注がれ、クラス内からは『あなたが行きなさいよ』やら『あんたが最初行きなよ』やらヒソヒソ話が聞こえる。これが俺がIS学園に入学したくなかった最大の理由だ。
俺は『世界で初めてISを使える男』であり『世界で唯一ISを使える男』だ。この学園の試験はISの適正判定と実技試験の結果だ。入学資格のあるのは女性のみ。つまりこの学園にはおそらく男は『世界で唯一ISを使える男』である男しかいない。

国家としても有事にISを使える女性の数はそのまま戦力に繋がるので、政策として女性上位の政策が増え、一般的な女性にも圧倒的な力であるISを使える女の方が偉いとの思考な方が増え世論はすっかり女尊男卑となり、男には肩身の狭い世界になった。
そんな背景があったからてっきり俺は『卑しい男ごときが!!』とか『汚らわしい息を吐かないでくださる』とかいじめられて孤立すると思っていたんだが、いじめられて孤立することはなくなりそうなんだが、どっちにしてもこの女子たちの水面下の攻防が終わらない限り誰も声をかけてこないだろう。
俺から声をかける?ムリムリこのパンダ状態で初対面の人と話したら緊張噛みに噛みまくるじゃん。やだよ1年過ごすクラスメイトから冷ややかな目で見られるのは……けど俺からこの状況を打開しない限りいつまでも俺はひとりだろう。クッソ弾の奴なにが羨ましいだよコンチクショー!『ついに一夏もハーレムの王になる決心がついたか…』じゃねーよ!!なら変われよ俺にはハーレムなんて無理だよ。もう心折れそうだよ知り合いも一人もい……いるじゃん箒だよ箒!さすが幼なじみアイツなら俺も自然に話しかけられる気がするぞ。さあ善は急げ。

「ちょっといいか?」
「ムッ?」

ヤバいハードル高かった!?声かけた瞬間睨まれたぞ。

「その箒さん?その少々よろしいでしょうか」
「敬語はやめろ。気持ち悪い」
「あ……ああわかった。久しぶりに会ったしちょっと話いいか?」
「別に構わんがどこで話す?教室内も廊下もあれだぞ」
「屋上にしようぜ。さすがに人も少ないだろ」
「わかったでは行くぞ」
「ああ…」
「早くしろ」

こいつが俺の幼なじみ、名前は篠ノ之箒。通ってた剣術道場の子供でその縁で仲良くなった。髪型はポニーテール俺としてはストレートも似合うと思うんだがポニーテール以外見たことない。昔から武士道一直線の男勝りな女の子で俺との関係はライバルで親友って所かな。まあ自己紹介の時といい、さっきの反応といい、俺の事を嫌いになってるかもしれな…おっと考え事してたらホント置いてかれそうだ。
箒と一緒に廊下に出ると、廊下にいた野次馬集団はまるでモーゼの十戒のように左右に割れていった。
(何人きてるんだよこれ…本当に憂鬱だ。もう帰りたい)
その人の波を通り終え階段まで来たところで、箒は振り向き殺気のこもった目でこっちを見てきた。まだ何人か野次馬がついてきてたみたいだが、後ろをチラっと見たらブルブル震えていた。
お前のその目で見られるとトラウマになるぞ。これについても注意しなきゃな。屋上に着きようやく俺はひと休み出来る空間を手に入れた。

「で…用とはなんなんだ一夏?」
「なんだよ箒少しくらいゆっくりさせてくれ」
「休み時間も長いわけではない。まさか外に出る口実に私を使ったのか?」

実は久々の再会で箒から積もる話もあるだろうと踏んでいたなんて言えない……

「違う違う、剣道の全国大会優勝おめでとう」
「……………ハッ!?」
「いやだから剣道の全国大会優勝したんだろ?おめでとう」
「………いやなぜお前がそのことを知ってる。」
「あの会場にいたから」
「……いたどういう事だ?何でお前が会場にいたんだ?」

どういう事だ?やけにつっかかってくるな箒の奴、俺の説明も悪かったし分かりやすく説明するか

「いや俺も選手といて出場してて学校の女子から『女子の優勝は篠ノ之箒って人ですよすっごい美人な人でしたよ』って言われて剣道やってる同学年の美人な篠ノ之箒なんて一人しかいないだろ?そうだあと俺もあの大会で優勝したんだぞ優勝」
「…美人…私が美人……そうか一夏も優勝したのかさすがだな。ありがとうそしておめでとう」
「ありがとう。そういや6年ぶりだけど、昔と変わってないからすぐ箒だってわかったぞ」
「そ…そうか?そんなに変わらないか?私としては成長したと思うんだが…」
「全然かわってないって髪型はポニーテールだし、雰囲気も昔と変わってないし」
「そうかお前がそういうならそうかもな。けどお前は少し変わったな」

なんだ箒の奴なぜかイライラしてるぞ。俺なにか地雷踏んだか?声かけたときも若干イライラしてたみたいだしもしかして俺の事嫌いなのか?少し慎重に探らないとな。

「変わった?箒から見てどこらへんが昔と変わってるんだ?」

おしっ!これぐらい当たり障りない質問なら大丈夫だろ。

「うむ……何というか昔に比べて凛々しくなった、正直にいえばかなりかっこいい。もう惚れ直してしまいそうだ。というか惚れ直した。一夏好きだ付き合ってくれ。本当はこの気持ちをまだ伝える気はなかったんだが、なんかもう吹っ切れた。今すぐ好きだと伝えたくなった。好きだ一夏結婚してくれ。別に今すぐ答えがほしいわけではないから安心してくれ」

キーンコーンカーンコーン。

「一夏?チャイムが鳴ったから戻るぞ?」

その予想外の質問の答えと、再会したばかりの幼なじみの愛の告白に、フリーズしてしまった俺が、授業に遅刻し姉さんからの一撃をくらったのは言うまでもない。





あとがき

箒は武士っ娘より素直クールだと思うんだ。原作より一夏は若干抜けているイメージで書いてます



[28505] 第2話
Name: ゴロウ◆380796d9 ID:d643a885
Date: 2011/06/25 11:50
「―――であるからして、ISの基本的な運用は………」

山田先生がスラスラと教科書を読んでいる。だが俺としてはどっかの鬼教官にそのタ○ンページの内容は暗記させられていた為内容をなんとか理解できていた。席は教卓の前なんだが、たまに視線を感じ振り返ると必ず誰かが目を逸らす。非常にこの席は授業を受けづらい。この教卓前の席ってのもあの鬼教官の仕業に違いない。人を見世物扱いしているのか姉さん。
振り返る時にふと周りを見るとみんな熱心に山田先生が話す内容をノートに取っていた。
あの箒でさえ黙々とノートを取っていた。
あの野郎。人が遅刻して姉さんに叩かれてんのに、自分はちゃっかり着席してやがって。大体なんだよさっきのあれは………考えないようにしよう。けどみんな入るまえに事前学習してるんだな。こんな内容普通の高校生じゃさっぱりだろ。

国家の国防力であり、エリート集団を養成するこのIS学園。入試を突破しこの場にいるって事は、やっぱり普通の女子校生に見えても中身はエリートなのだろう。
しかしこのキョロキョロしてるんのは授業態度に響くな。少しでもノートに取っておくか。
思いついたら即実行。ノートと筆記用具を机から取り出しノートを取り始めたところで、挙動不審だったのがバレたのだろう。山田先生が声をかけてきた。

「織斑くん、なにかわからない事がありますか?」

心配してくれたのは非常にありがたいんですけど、山田先生大丈夫です。頭の中に入ってるんで座学は大丈夫です。授業態度なら改めるんでみんなの注目を集めないでください。
ほら!俺に質問したってだけでみんな一気に顔上げてこっち見てるよ!!。

「わからない事があるならドンドン聞いてください。私は先生ですから」

えっへんと言いそうなくらい胸を張る山田先生。やめて下さいそのカッコは、ただでさえ薄い服着てるんですからそんなカッコされちゃ一般的な男子高校生には目に毒です。目をそらしながら
俺は山田先生の質問に答えた。

「わからないところは特にないですね。先生の教え方も分かりやすいですし、教科書は全部暗記させられたんで」
「え……全部ですか?この教科書全部ですか?」

戸惑い顔になる。山田先生。そんなたいしたことしたつもりじゃないんだけどな。半月くらい死ぬ気でやればどうにかなるんだけどなそれ。

「織斑。瞬時加速のメリットとデメリットは何だ?答えろ」
「瞬時加速?……メリットは一瞬で最高速乗れるわけだから奇襲及び撹乱じゃないですか、デメリットはエネルギー消費量と動きが直線になるから的になりやすいかとかか?」
「60点だな。教科書を暗記したからって、真面目に授業を受けなくていいわけではない。先ほどから挙動不審だぞ。織斑」
「ISはその機動力、攻撃力、制圧力から従来の兵器と一線を画す。なんとなくで扱えばそれは必ず事故につながる。今から教えるのはそういった兵器を扱う為の基礎知識と訓練だ。先達から教えられる事を吸収し自分の糧にしろ。そしてそれらは必ず守れ。規則を守ることは諸君らの安全を守ることにつながる。」

言いたい事自体はわかる。だから教科書も暗記した、けどそれは俺の個人の意思を無視し、この学園に来ることが決定していたからだ。いまでも俺は普通の高校に入学して、普通の暮らしをすることを望んでいる。もうどうしようもないことだと頭ではわかってるんだが、やはり不快感は拭えない。

「貴様、今「俺は望んでこの場所にいるんじゃない」と思っているな」

なぜバレた……ビックリして立ってしまった俺に向かって姉さんは呟いてきた。

「でもお前は本心ではこの学園にこれてよかったと思っている。そうだろう一夏?」

なにを的はずれな事をこの人は、俺は本心からこの学園にくるのが嫌だったんだ。この学園に来たかったなんて気持ち、これっぽちもない。
わかってるさ姉さん。言われなくとも、現実から目を背けて悪態をつく事は、ガキのやることだと。真面目に授業くらい受けるさ。自分の思い通りにならないからってダダをこねるなんて、それは”織斑千冬の弟”としては情けなすぎる。


「ちょっと、よろしくて?」
「…はいっ!?」

二時限目の休み時間、俺が先程の件について箒のもとに聞きに行く前にソイツは現れた。
どうせ誰も声をかけてこないとタカをくくっていたから、ビックリしてしまったじゃないか。
白人特有の透き通るような白い肌。金髪のロールがかかった髪型。貴族テンプレみたいな見た目だな。態度も高圧的だし、『下賎な庶民が』」とか言いそうだなコイツ。あんまり関わりたくないタイプだな。よし断ろう。

「ゴメン。用事あるからまた今度。」
「なんですの!あなた。せっかく私が声をかけてさし上げたのにその態度は。これだから男性の方って……」

一言でスイッチ入りやがった。沸点低いなコイツ。どうせ粗暴な男性ですよ……だから絡んでこないでくれ。この同性がいない環境になれるにも一苦労なんだ。その上幼なじみにあんなこと………とにかく容量オーバーなんだよ。

「訊いています?お返事がないようですけど?この私が!代表候補生であり、入試主席のこの私が話しかけてさしあげているのに失礼ではないのですか?」

若干イライラした感じで話しかけてきたな。今の世の中ISを使える女性が偉いって構図が一般的だ。だから男は非常に冷遇されている。きっとこの貴族さまは、まさに一般的な思考の持ち主なんだろう。貴族さまの中では男は女に媚びへつらうってのが、当たり前なんだろう。
さらに貴族さまは、ISの代表候補生だと言っている。『代表候補生』国家の代表としてモンド・グロッソに出場する国家代表の候補生。だから無駄にプライドが高いのか?

「へーすごいんだな。代表候補生さん」
「なんですの!そのバカにした態度は!!せめて名前で呼びなさい名前で」
「そんなに怒るなよ。代表候補生さん……ゴメン名前なんだっけ?」
「なっ……なんなんですのあなた!世界で唯一ISを使える男性との事でしたからもう少し知性の感じる方かと思っていましたわ」
「結局名前はなんなんだ?代表候補生さん?」
「セシリア!セシリア・オルコットですわ。本当に失礼な方ですわ」
「一夏。お前の態度もよくないが、この手の輩とは関わらないほうかいいぞ。何より夫婦漫才をするなら私としろ」
「お前がここで絡んでくるな!話がさらにややこしくなるっ」
「乙女の一大決心で告白したのに生殺しだぞ。そのうえ他の女とイチャイチャしおってイチャイチャするなら私とすればいいだろう。」
「なんなんですの?あなたいきなり」

なんだこれ?めんどくさい奴らが、俺の近くに集まってきてる気がするぞ。セシリアは沸騰してるし箒は冷静にとんでもないこと口走ってるし……頼むから告白したって大声で言わないでくれ。人の噂も七十五日って言うんだぞ箒さん。

「私か?私は篠ノ之箒。将来そこの織斑一夏に嫁になる可能性のある者だ。一夏、返事はまだ先でいいぞ。私たちは再会したばかりだからな。さすがにすぐ返事が貰えるとは思っていない」

おいもうダマレ。喋らないでくれ箒さん~~~。
キーンコーンカーンコーン。

「っっんもうっ!またあとで来ますわ。逃げないことね。よくって織斑一夏。」

三限目のチャイムがようやく鳴った。確実にみんな好奇の視線で見てきやがる。ニヤニヤしながら「さっきのあれ本当?」とか聞いてこないでくれ……。


「三限目はISの各種兵装について説明する」

教壇にはさっきまでと違い姉さんが立っていた。よほど重要な内容なのか山田先生もノートを取っている。教師がそれでいいのか?……顔つきを見るに山田先生もウチのクラスの大半と一緒で姉さんのファンのようだ。さすがだな姉さんも……同情しよう弟として。

「と、その前にクラス代表を決めないとな。クラス代表とは生徒会の会議や委員会の出席、まあ平たくいえば学級委員だな」

クラス代表か、面倒なことはパスだな。さすがに予習復習の時間は多めに取らないとツライ。所詮暗記してるだけだ。

「なおクラス代表には再来週行われる。クラス対抗戦に出場してもらう。自薦他薦は問わん。だれか、クラス代表に立候補する者はいないか?」

クラス対抗戦。確実にISの実技に関することだな。そんなのやってられるか。日々の鍛錬もあるんだぞこっちには、どうせ貴族……セシリアさんだっけか?がやりたがるだろ。俺は絶対にやらないぞ。

「私は織斑くんがいいと思いまーす!!」

よし誰かの推薦が……ハッ!?

「私も織斑くんが適任だと思います!」
「ちょっと待て。俺がクラス代表?」
「誰かほかにやりたい奴はいないのか。他薦でも構わないぞ。」

ちょっと待て。右も左もわからない状態でクラス代表?無理だ。絶対に無理だ。俺にはできない。そうだ辞退しよう。それが一番いいに決まってる。よし思い立ったら即実「なお推薦されたものに拒否権はない。他人から期待されているんだ。責任をもってやり遂げろ。」逃げ道塞ぎやがった。さすが姉さん、やってくれるぜ。

「ちょっと待ってください。納得がいきませんわ!」

机を思い切り叩いて、怒鳴り上げたのはセシリアさんだった。よしナイスセシリアさん!これで上手くみんなの意見を誘導すれば、何の角も立たず俺は一般生徒、セシリアさんは念願のクラス代表。よし完璧だ。

「そんな選出方法は認められません。男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ。実力からいけば代表候補生である私がクラス代表になるのは必然、それを物珍しいからってこんなお猿さんにされては困りますわ。私はこんな極東にまできて、遊びにきているんではなくて、ISの技術を修練しにきているんですわ。クラス代表は実力トップの私がなるべきですわ。……こんな後進国にまできて私はそんな恥辱を受けにきたわけではないのですわ。」

なんだコイツ。好き勝手言いやがってさすがにイライラしてきたぞ。だめだ落ち着け、クールになれ。クールになれ織斑一夏。

「その後進国の技術者がISを作ったんだが?」
「それとこれとは話が違いますわ。少し黙ってくださらない。野蛮なお猿さん。」

カチン。

「散々好き勝手言いやがって。クラス代表になりたいんだか知らないけど、郷に入れば郷に従えって言葉しらないのか。」
「何ですのあなた。人が下手にでて話してさしあげたらこれですの。」

これで下手にでてたのかコイツは。

「そんな口ゲンカするくらいなら決闘でもなんでもすればいいだろう。」

箒さん?アナタハナニヲオッシャテイルンデスカ??

「そうですわね。織斑一夏、決闘ですわ。」

どうしてこうなった?セシリアは今にも手袋を投げつけてきそうだ。箒の奴なんで余計なこと言ってんだよ。

「いやそれはちょっと……」
「なんですの。臆したんですか?本当に男性の方って…」

臆した?誰が?この俺が?

「ふざけるなよ。誰が臆したって?決闘?いいこんなとこでウダウダしてるより分かりやすい」
「分かりましたわ。ハンデはどれくらいほしいのですか?」

ハンデ?ふざけるなよコイツ。どうみてもハンデをつけるのは俺だろう。

「ハンデなんかいらないぞ」
「織斑くんマズイよ。セシリアは代表候補生だよ。ハンデくらいもらったほうがいいよ」

後ろの女子が心配したような感じで声をかけてきて少し冷静になったんだが、決闘はISなんだよな。少しマズったかな。けど俺にも男の意地ってやつがある。ここで引くなんて男らしくないし、そんなんじゃ強い男にはなれない。

「本当にいらないんですの?寛大な私がハンデくらいあげますわよ」

セシリアの奴はもう勝った気でいるのか、アホみたいに浮かれてやがる。

「いらないっていってんだろ。しつこいぞ。」
「話はまとまったか?勝負は…そうだな一週間後の放課後に第三アリーナで行う。織斑とオルコットは用意をして集合だ。それでは授業を始める。」

一週間か…短いな。しょうがない一週間もあればどうにかなるだろう。けどどうにかなったらクラス代表なんだよな。まあムカツク奴の鼻をへし折れるだけ十分か
とりあえず真面目に授業を受けよう。

「やっと終わった~~」

ようやく今日の授業が終わった。結局あの珍事件以外休み時間は毎回クラスの女子はヒソヒソ話をし続け、廊下には他クラスと上級生の方々が見物に来ていたおかげでまともに休めなかった。さすがに今このタイミングで箒を同じ手で誘うのは告白の返事をするみたいで無理だった。

「箒の事は気になるけど、今日は帰るか。教室にあまり長居したくないし」

放課後になった今でも女子はヒソヒソ話を続け、教室の外には人垣が出来ていた。箒の姿はもうないし、今日やった分の復習をしとかないとさすがにキツイ。
にしてもこのタウ○ページはどうやってもって帰れと、こんなに太いとカバンの中に1冊いれたら他の物入れられないぞ?女子達はどうしてるんだこれは…どうするかなPDAでも買ってその中に全部入れるか、けど教科書にチェック入れたりしたいしなぁ…買うにしても先立つものが。

「織斑くん。まだ教室にいたんですね。はぁよかった」
「はい?」

声の方向に向いてみると、走ってきたのか息を切らせた山田先生が立っていた。少し汗ばんだ姿が少しセクシー……用件を聞いてみよう。

「俺になんかようですか?山田先生」
「そのですね。寮の部屋が決まりました」

そう言って山田先生は、俺に寮の部屋番号が書かれた紙と鍵を渡してきた。
Is学園は全寮制でもちろん俺も入寮予定だが、やっぱり男の俺がすぐに入る事はできないって事で一週間は自宅から通うってことになっていたんだが?

「今日からですか?荷物もなんにもまとめてないですよ俺?」
「私が手配しておいた。ありがたく思え。」

でたな。鬼教官!それはありがたくじゃなくて

「ありがた迷惑だったか一夏?」

心を読むな姉さん。俺には心の中で思うことも許されないのか?

「生活必需品さえあれば十分だろう?着替えと携帯の充電器は入れておいた」

他にも入れるべきものはないのか姉さん……休息が人間には必要なんだぞ。

「詳しい話は山田先生から聞いておけ。寮で問題を起こすなよ」
「入寮が急に決まった件なんですが、事情が事情なので部屋割りを無理矢理変更したらしいです。なので織斑くんには申し訳ないんですけど、今日から入ってもらっていいですか?」

世界で唯一ISを使える男をプラプラさせてるわけにはいかないってことなのか?決定したならしょうがない。荷物は……しょうがない。

「わかりました。じゃあ今日から入ればいいんですね。」
「お願いします。夕食は6時から7時。寮の食堂でとってください。各部屋にはシャワーがあります。それとは別に大浴場があります。時間は学年別に……織斑くんは覗いちゃダメですよ」

そうかさすがに大浴場には入れないか…少し残念だな。それと山田先生注意されなくても覗きませんよ。

「そんな注意されても覗きませんよ」
「えっ!?織斑くん女性の裸に興味ないんですか?」

どんな話の飛躍だ。覗きは男のロマンだが、倫理的にも法的にもマズいだろう。

「いやその織斑くんにそんな趣味があったなんて……」

すっかり自分の世界に飛び立ってやがる山田先生。ああっこんなところでそんな話してるから廊下にもう伝わっている!もういやこんな学校!!
俺は全力で走って教室を出て行った。後ろの方で正気に戻ったのか山田先生が走っちゃだの寄り道だの言っているが全部聞こえないふりして昇降口まで走り抜けた。


周りの目を気にせず、全力疾走で寮についた俺は、急いで部屋を探した。

「1025室!よしここだな」

とにかく女子の目から逃げたかった。もう衆人環視の中は嫌だった。俺は急いで鍵を差し込んだ。

「あれ!?空いてる」

そういえば相部屋なのか…まあ衆人環視と一人相手なら一人の方がマシだな。ドアノブをひねり中に入っていった。

中に入ると入ってすぐ横に閉まっているドアがあった。なんだクローゼットか何かか?少し進むと広い部屋と大きなベットが二つある。サイズはセミダブル!?シングルで十分だろ。すごく上質そうなベットだな。こんなのが全室あるなんてさすが国立。金がかかってるな。

「誰かいるのか?」

ドア側の方から声が聞こえた。そういえば全室シャワー完備だって言ってたな。ここにベッドがあるならシャワー室は閉まってたドアの奥か…………えっシャワー浴びてたの??いやちょっと待てそれはマズい。今出てもらったら困る。

「ちょっと待っ」
「同室になった者か?これからよろし!?」

後ろを向くと今日再会した、今日俺に告白してきた、幼なじみの篠ノ之箒がバスタオルで裸体を隠しながら突進してきていた。
当然女子が相部屋だろうとそのままの格好で出てきたようだ。ゴメン箒俺だったみたい。やっぱりストレートの箒もカワイイな。普段のツンケンした態度が和らいでる気がする。まあすぐに鬼の形相になって、突っ込んできてるんだけどね。
気がつけばその腕には竹刀が握られており、バスタオルは片手で抑えられている。この数年間で成長した箒の肢体はその程度で隠せるはずもなく。その、あの、メロンの上のさくらんぼが見えそで見えない。制服のときは気がつかなかったけどかなり女性的なラインになってるのな箒の奴。
思考する時間約2秒。その間に箒は俺の前に迫り、驚く事にバスタオルを抑えてた手を外し、両手を竹刀に添え俺への一撃を繰り出していた。構え方も身体の流れ方も綺麗だしカッコイイんだが……箒さん丸見えで。

「メッェェェェン!」

その一撃は綺麗に俺の頭に直撃し、俺の視界は霞んでいった。

「ってすまない一夏大丈夫か?」
「箒、俺もう満足だよ」
「一夏!死ぬな!私を残して死ぬな!」

霞みゆく視界のなか、俺はさすがに恥ずかしくなって箒の身体から目を逸らすのだった。




あとがき

セシリアさん初登場。セシリアさんは大幅にいじる必要がないと感じたので、さらに貴族っぽくなってもらいます。
彼女にはノブリスオブリージュを学んで貰いたい。
最低でも銀の福音戦までは書きたいけど、このペースだといつになるやら……



[28505] 第3話
Name: ゴロウ◆380796d9 ID:d643a885
Date: 2011/07/02 14:05
「本当にすまなかった。大丈夫か一夏?」

目を覚ますと、心配そうに俺の顔を覗き込む箒が、一番に目に入った。どこからか氷嚢を持ってきてくれたようで、俺の頭にくっつけてくれている。結構気持ちいい。

「気が動転していて、一夏だと気がつかなかった。本当にすまない」
「いいよ。何も考えすに部屋に入った俺も悪かったんだし」

俺が気絶してる間に急いで着替えたようで、その服装はバスタオル一枚から着物変わっていた。急いで着替えたってのは帯が緩そうだったり、箒にしては肌の露出が多いから思った推測だ。

ああ頭が冷やされて気持ちいい。その絶妙な当て方が非常に気持ちいい。なんか枕も気持ちいいし……箒が覗きこむ??オカシイな。どういう体勢だと、箒が俺の顔を覗きこむ事になるんだ。冷静に考えよう。
俺の視界には箒、正確にはその手前になんかすごい出っ張りがある。枕もなんか肉感的?触ってみるか。

「ひゃん。一夏いきなりビックリするではないか」

うん多分箒のフトモモです。俺はひざまくらされてるのか?すっごい恥ずかしいぞ。って事は俺と箒の間に存在する出っ張りは箒のおっぱ…

「うわぁぁ~~」
「な!どうした一夏」

おもわず飛び退けてしまった。そんな心配そうな顔で見てくるな箒。悪いのはお前じゃない。俺が悪いんだ。正確には俺の一部分が悪い。

「なんでもない。大丈夫だ。ところでこの部屋が箒の部屋なのか?」
「そうだが知らなかったのか?てっきり告白の返事をしに来てくれたかと思ったんだが?」

話逸らしたつもりが、地雷踏んだ。うん俺も男だ素直に言おう。

「ゴメン告白の返事はしない。まだできない。まだ俺たちは再会したばっかだし、その俺みたいな未熟者が恋愛なんてできない。最低だよな…こんなカッコ悪い逃げ方でホントゴメンな箒」
「いや私も性急だった。真面目な返事をありがとう。それに一応私の事は女として見てくれているようだしな」

ホウキサンナニヲオッシャッテルンデスカ。

「その…下腹部が膨ら」
「わ~~!!!!女性がそんな事言っちゃダメだ箒」
「安心しろ。こんな事一夏にしか言わないぞ」

会わない間にすっかり変わっちゃったな箒の奴。このままじゃこのコント終わらなそうだから、話を進めるか。さすがに休みたい。

「わかったからわかったから。箒がこの部屋なのか。その言いにくいんだが、実はお前のルームメイトは俺なんだが」
「わかった。シャワーの順番は私が先でいいか?人の多い場所で肌を晒すのは落ち着かないんだが」
「反応薄っ!!気にならないのか?同年代の男が同室って事は気にならないのか?なんかされちゃうかもしれないんだぞ」
「なにかするのか?私は嬉しいが、さすがに順序があると思うんだ。一夏」
「もういや。シャワーは箒が先でいいよっ!もう寝る。」

制服のままだったがいい、主に精神的に疲れたから寝る。復習やトレーニングなどやることはあったが今日はどうでもいい知らない。休ませてくれ。

「一夏。おやすみ」

箒に返事を返す気力もなく。俺は眠りに落ちていくのだった。

「それと襲うっても構わないからな。一夏」

箒にツッコミをする気力もなく。俺は眠りに落ちていくのだった。


「箒はなににする。」
「そうだな。私は和食セットにするか」
「おっ同じだな。おばちゃ~ん和食セット二つね」
「ありがとう。一夏」

俺が目を覚ますと、箒はすでに制服に着替えていた。制服のまま寝てたから、急いでインナーだけ着替えて、食堂に向かった箒を追いかけた。
寝てる間に制服に着替えてたし、俺が着替えるときも出てくれたようだし、少し気を使えわせちゃったかな。しばらくの間同居するわけだし気の使わせっぱなしじゃいけないな。昨日はあんな感じだったが、箒も繊細な女性の一人だ。うん。

「「いただきます。」」
うまく食堂の前で合流でき、今は箒と一緒に朝食を食べている。しっかり挨拶をすませ二人で朝飯を食べ始めた。
うまいなこれ。ご飯はふんわりしてるし、味噌汁はダシの香りが堪らない。焼き鮭は絶妙な塩加減で素材の味を生かしている。浅漬もかなりうまい。思わず俺は食堂のおばちゃんにサムズアップしてしまった。おお、おばちゃんも返してくれた。あとで作り方教えてもらいに行こう。

「何をやっているんだ?一夏は」
「あまりにうまい朝食だったから、おばちゃんに賞賛を送っていたところだ。」
「まあ賞賛はともかく、この朝食はうまいな。さすがにこの味を出す自信は今の私にはないな」
「へえその口ぶりだと、箒も料理つくるんだ。今度食べさせてくれよ」
「ああ構わんぞ」

日常会話なら問題なく箒と話せそうだな。これなら少しは気分も楽になりそうだ。今も食堂中の女子から視線が注がれている。正直居心地は良くない。

「それはそうと決闘はどうするんだ。一夏はISに関しては素人だろう?」
「そうなんだよな。実際に動かした事が試験の一回だけだからな。箒はISに関してはどうなんだ」
「私か?非常に非常に不本意だっだが、姉さんに連絡して少しは学んできたぐらいだ」

ああ、束さんとの仲は相変わらずなのか箒の奴。まああの人も変わってるからな。
箒の姉『篠ノ之束』はおそらく世界中に名前を知らない人はいないってほどの有名人だ。
一人でISを制作、完成させた超天才。俺もあの人は、姉さんの親友だから少しは面識があるんだが、奇人変人。マッドサイエンティストって言葉が本当に似合う人だった。箒には人一倍愛情を注いでたみたいだけど、いっつも箒は嫌そうな顔してたな。
けどIS製作者から、直接聞いたなら俺よりも知識はあるよな。ちょっと頼んでみるかな。

「なら箒が、俺にISについて教えてくれないか?さすがにあんだけ大見得切っといて負けるのは男としてカッコ悪い」
「私がか!?別に構わんが、一夏とたいして変わらないと思うぞ」
「それでもいいよ。人に言われて気がつく事も多いし」
「うーん。なら一夏特訓をするぞ」
「特訓?わかった箒がそういうならやろう」
「では、放課後になったら私に着いて来てくれ」
「織斑くん隣いい?」
「ん?」

話がまとまったところで同じクラス?の女子から、声をかけられた。どうやら相席したいらしい。
俺と箒が座っていたのは6人掛けのテーブル。そりゃ声もかけられるか。

「俺は別に構わないけど、箒はどうだ?」

俺だけで座ってたわけじゃないから箒にも声をかけた。なんなんだ?声をかけた女子と箒はなぜか意味深に視線を交わしている。1秒にも満たない間に箒は口を開いた。

「私も構わないぞ」

なんなんだ今の間は?やはり箒も女子って事か?さっぱりわからん。

「ありがとね。篠ノ之さん」
「いずれ私の物になる。いや私が物にされるか。それゆえの大人の対応という奴だ」
「わ~~篠ノ之さん自信満々」

何の会話だ。さっぱりわからん。3人は席に座ると朝食を取り始めたが量が以上に少ない。こんなんで持つのか?少し心配だな。

「朝食それだけで平気なのか?」
「あの~私たちは、ねぇ?」
「うんうん平気平気」
「それより織斑くんって朝からすっごく食べるね~」
「そうかな。それを言うなら箒だっ」
「一夏…それ以上いうとさすがに怒るぞ」

今まで会話に参加せずに、お茶を啜っていた箒だがいきなり会話に入ってきたぞ。

「織斑くん今のはちょっと」
「今のは織斑くんが悪い!」
「おりむ~酷い~~」
「俺が悪いのか?つーかおりむ~ってなに?」
「そうだぞ。一夏が悪い。今なら謝るなら大好きなままでいてやろう」

どうやら俺が悪い事は確定らしい。箒がとんでもないこと口走る前に謝ろう。

「箒さん。すいませんでした。」
「うむ。許そう」
「けど篠ノ之さんと織斑くんって仲いいよね?どうしてなの?」
「ああ、私と一夏は幼なじみなんだ。この学園で会ったのは偶然だが、運命の再会というやつだ」
「じゃあ?こくは」

えーと隣のこの子は…谷本さん?がやばそうな質問をするところで奴はやってきた。

「いつまで食べているんだ!食事は迅速に取れ!!遅刻した者は罰としてグラウンド5周だ!!」

はい鬼教官の登場です。それまでガヤガヤしていた食堂だったが、一変してみんな黙々と朝食を取り始めた。たしかグラウンドって1周5キロだったよな……どこの軍隊の行軍だよ。
食後にゆっくりお茶が飲めないのは残念だが、背に腹は代えられない。早く教室に行こう。
それにしても姉さん1年の寮長までやるとは、本当に休んでるのか?今度問いただそう。

「一夏。私は先に行くぞ」
「ああわかった。俺もすぐ行く。」

箒はもう食器の返却を済ませていた。まあ女子だ、授業前にも色々あるんだろう。一緒の席に座った子たちもほぼ食べ終わっていた。俺も早く行こう。

「じゃあ俺も先に行くぞ」
「は~い。わかったよ~」

真面目に授業を受けて少しでもISについて物にしないとな。


タウンペ○ジ暗記の成果もあったのか、ある程度は授業についていけてた。けど根本的に俺はISに大してはド素人だ。こんなんでセシリアに勝てるとは思えない。やっぱり箒との特訓に、期待するしかないな。
キーンコーンカーンコーン。
おっ、授業が終わったのか。はぁ休み時間か憂鬱だ。

「次の時間はISの空中における基本制動の実習ですよ」

そう山田先生が言い終わった瞬間。俺の席には女子が殺到していた。あれどゆこと?

「織斑くん昼空いてる?放課後空いてる?夜空いてる?」
「織斑くんって好きなタイプだれなの?やっぱり篠ノ之さん?」
「織斑くんっていつも千冬様に叩かれてるの?羨ましい代わって!」

みんなで質問するな。最後のなんか質問じゃないし、自己紹介の時も聞いてきたなソイツ。

「わかったから、質問に答えるから、いっぺんに言わないでくれ」

それでようやく周りの女子は落ち着いたようだ。

「じゃあ私からするね。千冬お姉様って、おうちではどんな感じなの?」
「ああ。かなりだらし」
「パァァァァン!!」

はいこの衝撃と音は姉さんですね。はい。

「個人情報を洩らすな、馬鹿者。それと織斑。お前のISだが準備に時間がかかる。」

はい?たしか1週間後にはセシリアと対決なんだよな。大丈夫なのかそれで。

「安心しろ。決闘には間に合うぞ。ただ、今学園には予備機がなくてな。お前の専用機を用意している所だ」

専用機?なんだったかな。

「えっ、織斑くんすごーい。この時期に専用機だなんて」
「うらやましいなー織斑くーん」

えっと確かISのコアは束さんしか作れなくて、現在467機のみで貴重だったんだよな。
だからISは各国家、研究機関、そしてこのIS学園に割り振られて、それぞれ活用されてるんだったな。
そのうちのコアの一つが俺専用になる。あれすごくない?

「本当なのか。ちふ、織斑先生?」
「ああ本当だ。データ収集を目的として、貴様に実験機を預けるらしい。」

けど本番まで一回も使えないなんてかなり怖いな。まあなるようにしかならないか。

「ほら、席につけ。授業を始めるぞ」

少し不安を感じつつも、俺の意識は授業の方に向いていった。


「安心しましたわ。さすがにこの私と訓練機で戦うのは目に見えてますもの」

この喋り方といい、この上から目線といい、間違いなくセシリアさんだな。

「まあ最初から勝負は決まっているも同然ですが、あとからとやかく言われるのはたまりませんから」

「はいそうですね。セシリアさん」

あのタガが外れてしまった箒に比べれば、なんて御しやすいんだセシリア。テキトーに返事しとこ。

「なんかムカつきますわね、その態度。まあ代表候補生であり、当然のごとく専用機持ちのこの私と対決すること自体間違いですけれど」

「そうですね。セシリアさん」

「バカにしていますの?まあこのエリート中のエリートであるこの私がこのクラスの代表にふさわしいに決まっていますわ」

「そうですね。セシリアさん」

「あなたこの私を、このエリート中のエリートであるこの私を庶民であるあなたがバカにしていますのね!!」

「そうですね。セシリアさん」

「覚えてらっしゃい。目に物をみせてやりますわ」

「そうですね。セシリアさん」

その一言を言った瞬間、すごくイライラした様子で去っていったセシリア。同じ目線で話せばまともな会話くらいしてするのに。まあいいか昼飯にでも行くか。

「なあ一夏。あれでいいのか?」
「大丈夫だろ。箒、飯食いに行こうぜ」
「わかった。では行こう」
「まってー織斑くん一緒に行こうよ」
「そうだぞ~おりむ~」
「あっ私も行くーー」

えっとたしか朝一緒に食べた子達だな。別にいいか。
こうして周りの目は気になったものの、楽しく昼食は食べれたのだった。


そして時は放課後。俺は箒の後をついて行ってるところだ。

「なあ箒。どこ行くんだ?アリーナは逆方向だぞ」

アリーナとは模擬戦などで使う、競技場みたいなところだ。放課後は申請を出せば自由にアリーナを使用して、ISの訓練を行えるらしい。だが俺たちが歩いているのはあきらかに逆方向だ。

「着いたぞ。ここだ」

そこは予想外の場所だった。
剣道場。何故ここなんだ。こんな場所でなにをするつもりなんだ箒の奴。

「すみません部長。昼に話した通りなんですが」

「ああ別に構わないわよ。男と女とはいえ大会優勝者同士の戦いなんて滅多に見れないからね」
「どういう事だ箒?」
「簡単だ。ここで私と試合をしてもらう」
「試合?ホントにどういう意味だ箒?」

何言ってるんだコイツは?俺はISの特訓をしに来たんだぞ。それなのになんで箒と戦うことに?

「お前は射撃訓練なぞしていないだろう?だから一夏に残された選択は近距離戦しかない。ISも所詮身体の延長だ。そのために私と戦い、相手の懐への入り方。近距離戦のいろはを学ぶ必要がある。理解してくれたか?」

箒の言う事には一理ある。だが本当にこれは役にたつのか?

「そうか。女の私に負けるのが怖いのか?」

今なんて言った?俺が負ける?俺が箒に負ける。ふざけるなよ。

「やるぞ。箒」
「なんだ。ようやくやる気になったのか?女を待たせるとは情けない男め」
「御託はいい。すぐに始めるぞ」
「ルールは…そうだな先にまいったと言ったほうが負け。それでいいだろう。」
「わかった」

俺は手にした竹刀を握りしめた。絶対倒す。俺にあれだけ言ったことを後悔させてやる。

「…すまないな一夏」

箒が何か呟いたようだが聞こえない。今は目の前の敵に集中しなきゃならないから聞き返さない。
箒が口上を言い始めた。昔戦ったときはいつも言ってたな、それ。

「いざ」

「尋常に」

「「勝負!!」」





あとがき
相変わらずの遅筆でスミマセン。
セシリアの口調が安定してない気がする。
これで次話はようやくセシリア戦。最強物にならないよう注意しつつ、作者に好き勝手に展開していきます。


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