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――幸せと言う物について――とある世界に伝わる神話。
魔法は夢。
「なんかさ――」
魔法は世界。
「ん? 何?」
魔法は人。
「何かやっぱり違うと思うんだよな――」
かつて、人々には幾多の不可能が存在した。
「だから何が?」
獣を恐れ、病に倒れ、怪我に泣く。
「これってハッピ-エンドなのかなって」
明らかなまでに彼らには足りない物が多すぎた。
「いや、どう考えても毎回毎回ハッピーエンドでしょ」
足りない物を求める人々の為、神は魔法という力を与えた。
「でもさ――」
それは夢を叶える力。
「でも、何か違うと思うんだよ。確かに綺麗に終わってるし何だかんだでハッピーエンド。それは間違いないよ」
人の真摯な願いを叶えるもの。
「じゃあ何が問題なのよ」
力を受けとった人々は本来、神に感謝する筈だった。
「分かんないけどさ……これはハッピーエンドだけどハッピーエンドじゃない、そんな気がするんだ」
しかし、魔法は人そのものさえ変えてしまう。
「――あんた、馬鹿?」
力を得た人々は上下の関係を作り出した。
「言うな、傷つくから」
上に立つ人々は上を見ることを止め、下だけを見始める。
「怪我したときににつける薬が無いなんて、あんたも大変よね」
力を持たぬ人々は、力を持つ人々を崇め、神と呼びだした。
「暗に馬鹿だって言うのも止めてくれないかな」
名は力を縛り、関連づける。
「でも良かったじゃない。風邪はひかないんだから」
夢追い人達は、神と同じになった。
「ここ数年ひいてないのは事実だから否定できない……」
それに怒ったのは本物の神々。
「じゃあさ――」
名を失った彼らは、ひっそりと姿を消し、同時に人々から夢を叶える力を奪った。
「じゃあ、いつかうちに聞かせてよ」
魔法をを失った私達は、今日も暢気に電車に揺られ叶わぬ夢の世界に逃げ込んでいた。
「あんたの言う、本当のハッピーエンドってやつを」
「お願いします。
誰でも構いません、何でも構いません。
私なら、どうなっても構いません。
だからどうか――。
どうか彼を助けてください」
――雨に濡れる少女より。
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*作者挨拶
どうも、蛍です。
似たような名前の人が居るかもしれませんが、おそらく、その人とは違う人なので注意してください。
――ってわけでゼロ魔の二次創作を書かせていただく事にしました。
自信?
全くりませんとも!
それでも、物は挑戦。
やるだけやって見たいと思います。
どうぞ、生温かい目で見守って下さい。
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*使用上の注意
・本作品はゼロの使い魔の二次創作です。
訴えられた際に、敗北するのは間違いなくこちらなので、脈絡無く消える可能性があります。
・本作品は、用法用量を守り、正しくお使いください。
・暗いところで長時間使用されますと、目が悪くなる恐れがあります。
・本作品をご使用中に、気分が悪くなったり、重くなったりした場合は、すぐに使用を中止し、何か楽しいことを思い出してください。
・多数、独自解釈が入っています。
嫌悪感を抱く方はご注意ください。
・ところどころ、ゼロの使い魔の世界観との違いに違和感を抱く間も知れませんが、変な事が伏線になっていることが多いので、多少の違和感ならば、ひっそりと胸の中に抱き、影で「おっしゃあ! これ伏線なんじゃね!」等と叫んでください。
・人によって、まれに涙腺が刺激され、涙や鼻水が出ることがあります。
・本作品は食事中の使用を想定されていません。
噴出した飲み物のせいで、パソコンや携帯電話が壊れたとしても、保障には応じかねます。
・万が一授業中に使用される場合、先生に見つからないよう、充分注意してください。
・本作品は、原作にて七巻相当での完結を予定しております。
・この作品に対して『何故ゼロ魔でやった?!』と突っ込みたくなる方がそのうちに出てくるかもしれませんが、その質問には、『ゼロの使い魔が好きだから』以外の返答をしかねます。
・展開予想をしていただくことは、作者的には等しく嬉しい事ですが、ネタバレの可能性となるそれを感想版に書くのはご遠慮ください。
・この注意は、作者の気分次第で更新することがありますので、定期的にご覧ください。
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2010/12/3 執筆開始
2011/04/12 投稿開始
2011/04/20 二章開始
2011/04/20 感想版リセット
ちょいと、感想版の方に、ネタバレすれすれの意見が出始めたので、一回リセットを。
内容に関しては、まったく変わっていないので、ご安心ください。