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[27145] もしも来世があるのなら
Name: 暁◆47512d25 ID:8a388b8d
Date: 2011/04/13 22:05
さて、貴方は輪廻転生(りんねてんせい)という言葉をご存知でしょうか?
転生輪廻(てんしょうりんね)とも言い、一般的には死んであの世に還った魂が、この世に何度も生まれ変わってくることを指しています。

まずはここで一つの告白を…実は私転生者なのです。
いきなりでしたね、ずばり輪廻転生は存在するという事です、死後の世界はあります。
いきなり転生だなんて言われても信じられないでしょうがどうか最後まで話を聞いてはくれませんか、皆さんは納得できないでしょうが…

まずは死後の世界を有るものだと仮定して私の話を聞いてください。
死後の世界は物質的な存在なのか、それとも精神的な存在なのか。
普通ならば精神や心の領域で考えるのが自然です。
もし物質的な死後の世界を想定するならば、私たちはその存在を捉えることができ証明することも可能だからです。
しかしそれは全くの間違いです、実際はすぐ隣、私たちが住むこの世界に平行に重なり繋がっています。

人間は死後、魂は肉体を離れ世界と世界を結ぶゲートポイントの様な所に飛ばされます、そこで記憶等全て初期化され真っ白な状態になり、そして私たちが言う死後の世界に飛ばされるのです。
記憶を全て消されているので別人みたいになってしまってますが、魂の基盤となるものは変わらずに継承されているのでまったくの別人という訳ではないようです。

そして飛ばされた死後の世界。
そこには全寮制の学校があったと思います、何せ生まれ変わる前の人生なので正確には覚えていませんが、周りにいた人も教師NPCを除いて全員学生だったと思います。
そこの学校では転生ポイントという物を稼ぐための学校です。
より良い来世を楽しむためにはより良い行いを、ポイントの数に比例して元の世界に戻った時の人生は素晴らしい物になります。
皆さんも思った事はありませんか?自分は不幸だ、なんで私だけ。
それは全て貴方の前世での行いの結果です、前世のつけを来世になって払わされるわけです。
その説明は全ての生徒に行きわたっておりポイントを稼ぐ稼がないは自由、模範的に生活していればポイントが貰え、しかし悪い事をしてしまえば逆にポイントは没収されます。
しかし四年たてば強制的に転生されるので大抵の人はポイントを稼ぐ事でしょう。

そして私は無事にポイントを集めこの世界に戻ってこれました、
記憶を保てる確率は宝くじに当たるよりもないと思います、それでも記憶に齟齬はあるのですがね…。
一体なぜあのような世界があるのかはわかりません、もし死んでまたあの世界に飛ばされると思うとぞっとしますよ、何故だか分からないのですが嫌な感じがするんですよね。
ああ、どうやら目の前で交通事故があったようだ。
血がでている、あれではもう助からないだろう、あの世界に彼女らも飛ばされるのだと思うと少し胸やけがしてきた。
このまま立っているのも後味が悪いので私は様子を見に行く事にするよ。
こんなおじさんの話を最後まで聞いてくれてありがとう、これで会うのは最後だと思うけど星のめぐりが良ければまた会えるさ。

それでは、運があればまた来世で…





第一話 目が覚めると






絶え間なく蝉が鳴いている。
八月の暑い盛り、太陽は容赦なく疲労した体を蝕み、身につけている服は既に汗でびしょびしょになり、体は大量の水分を欲している。
だるい、体が重い、もう何時間ここに立っていたのだろうか、携帯を取り出し時間を確認する。


時刻は丁度一時を過ぎた頃。


ふと横を見ると麦わら帽子を被っている少女がいた、首には保護者にでも下げてもらったのか、水筒がぶら下がっている。
彼女は俺が見ているのに気がついたのか、その場で一回り回転し目線をこちらに向け笑顔で笑いかける。



「―――っ―――――。」


何かを言ったと思えば少女は俺に走り寄り、細いながらも強かな力で俺の体をいきなり抱き締めた。

「なっ――――」

少女は母親の温もりを求めるかのように俺の胸の中で目を閉じて、汗まみれの俺の背中に小さな手のひらでしがみつく。
更に求めるように身を寄せた、その瞬間、彼女は俺の耳に唇を寄せ静かに、囁くように呟いた。

「―――大丈夫だよ―――――――――」

不意に胸の中が空っぽになるのを感じた。
途端世界は消失し、何もない空間の中に、俺はたった一人で立っている、少女はいつの間にか消えていた。

声が出ない。


「―――っ―――――。」
救いを求めるかの様に上へ上へと腕を伸ばす、しかし腕は虚しく中を切り、手首は掴むものを求め開閉する。

体が徐々に沈んでいく、最初に触覚、次に嗅覚、聴覚、と順に感覚が失われていく。
最後に残ったのは視覚だった、既に意識があるのかも疑わしい、徐々に視覚も失われていっている、最後の最後で自分は死に向かってるのだと気が付き、俺は静かに目を閉じた。



8月15日 東條 拓真 魂の初期化を確認









急速に意識が浮上するのを感じた。
ドサッと地面に投げ出されたのか、背中に強い衝撃が走る。
うっすらと目を開けると、白い天井とちかちかと光っている蛍光灯の白い明かりが見えた。
体全身に感じるのは、柔らかいベットの感触、体の上に掛けられた布団の感触。
どうやら、ここは布団の中らしい。

起き上がろうと身体に力を入れたが、体に力が入らない、体の動かし方を忘れてしまったかのように固まったままだ。

「うっ…あ」
助けを呼ぼうにもまともに声が出せない、何度か起き上がろうと挑戦してみたが体が言う事を聞かないので一旦中止する。

ここは何処なのだろうか、目線だけ横を向くと俺の名前が書かれた白いプレートがある、反対側を見て見ると窓がある、カーテンが閉まっているため外の景色は見えないが入ってくる日差しからまだ太陽は上っていると推測する。


ピー ガッ――――ピ――ブゥン――――

いつまでも手をこまねいていると頭上から古くさいスピーカー音が聞こえてきた、
何事かと目を向けるが音の発信源が見つからない、軽く周囲を見渡していると話す準備ができたのか、音の主は話をし始めた。

「あー、マイクテス、マイクテス、聞こえてますかー?
おーいおーい、聞こえてる?、うん聞こえているよね、うん大丈夫。」

耳に入ってきたのは女性の声、声だけで具体的な年齢は分からないが幼さの残る高い声だ。

「皆おはよー、大丈夫?体動かないよね、今動かせるようにするから少しまっててね。」

宣言通り、体は動くようになった、一体どの様な方法で体を固定していたのだろうか、いくつかの疑問が残るがそれはまず置いておく、考えた所で解決できるとは思えないからだ、それに他にもっと重要な事がある、声の主は皆と言った、つまり俺と同じ境遇の人間がまだ他にいると言う事だ、上手く合流できれば逃げ出すために協力しあえるかもしれない。

「はいはーい、それじゃあ話を続けるよ、といっても今ここでするのはちょっとした連絡だけなんだけどねー、とりあえず詳しい話をしたいから三十分後にホールに集まってくれるかな、場所は部屋を出て歩きまわってたらつくと思うよっ、じゃあバイミー。」

ブツンと言う音と共に音が途切れる。

「一体なんだって言うんだ…。」

拓真は起き上がることなくベッドに横たわったまま天井を見つめた。
質素な天井、何故だかここは自分の部屋だと錯覚してしまうくらい自分に馴染んでいる。

舌打ちをして立ち上がり、カーテンを開け、窓の外の景色を眺めながら思考する。

「なんで俺をさらったんだ?俺を誘拐する意味はなんだ?」

声が指定した時間の五分前まで悩んでいたが結局答えは出なかった。











後書き

次の話では声の主から主人公達に今の状況を説明されます。
上の転生おじさんはもうでません。
世界では相手のポイントも奪う事が可能です。
なにか疑問が有れば感想でお願いします。


感想での指摘を見たので〇話と一話を合体させました。







[27145] ルール(随時更新)
Name: 暁◆47512d25 ID:8a388b8d
Date: 2011/04/12 19:21

・自分より下の学年のポイントを奪ってはいけない。


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