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[26161] 【ネタ】魔装少女かゆうまアユム【リリカルなのは×これゾン】
Name: ムトナ◆ef51f0bf ID:3d06dbd3
Date: 2011/02/22 15:46
「魔法少女リリカルなのは」と「これはゾンビですか?」の夢のコラボ!!
……アホか俺は!!?

続くかわから無い。一応A`s編から



プロローグ
 
 魔法少女――この言葉を聞いて皆はどんなものを想像するだろうか?あ、ちなみに断じて魔『装』少女ではない。魔『法』少女だ。
 そう例えば、魔法を使ってちょっとした騒動を起こしたり、自分が望んだ姿に変身できたり、それこそ大人の姿に変身したり、最近のトレンドでは魔法を使って戦ったり……まあ、基本的には全てアニメや漫画の中の創作のもの、というのが前提だろう。もちろん、俺にとってだってそういうものだった。
 お前の境遇でよくもまぁそんな台詞が吐けるな、という意見はもちろんあると思う。俺もそう思うし、その辺りの言葉は甘んじて受けよう。
 だがな、特にこれといってイベントも無く、ゾンビ特有の眠れない夜になんとなく居間で深夜番組を垂れ流しにしていたところに、同居人のネクロマンサーが合流して一緒にボーっとしてたところに深夜アニメが始まり、タイトルが「魔法少女リリカルなのはA`s」なんてついてれば、そりゃ魔法少女の在り方について考えるだろ。え、ならない?
 とりあえず一つ聞いてくれや。ジョブに『少女』が付いてる時点で男がなるべきものじゃないと思うんだ。すっごい今更だけど。

 そんな心の叫び兼益体の無いことを考えていると、こんこんと、テーブルを叩く音が聞こえる。これは今一緒にこのアニメを見ているユー……冥界のネクロマンサー、ユークリウッド・ヘルサイズが言葉を発せられない代わりに書いたメモ帳の字を見ろということ。なので俺は視線をユーへ、そして彼女の手元にあるメモ帳に向ける。そこに書いてあった文字は

 『ごめんなさい』

 何故か謝罪の言葉。
 いくらなんでも唐突過ぎて、脳内変換すら出来ない。一体どういうことなのかユーに聞こうとする前に、ユーはメモ帳をめくる。

 『つい 彼女を助けたいと思ってしまった』

 思ってしまった――感情を動かしてしまった――それは、世界の中心とまで揶揄される彼女にはあまりにも重大すぎる事柄。というのはわかるが、一体なぜぼんやりとテレビを見ている状況でそんな感情が動く事になったのか……いまいち理解できていない俺に、ユーはペン先をテレビに向ける。
 そこには、赤いハンマーを持ったロリっ子に叩きのめされているツーテールの白い服を着た少女。
 あー、そっか。主人公の彼女がピンチだからつい……って、ついじゃねぇええ!なんで、何でそんな感情の枷緩くなってるんだ!!?

 「あー、だがまあ動いちまったもんはしゃーなしだ」

 ユーの感情はユーのもので、感情を抑えているのはユーの意志だ。たとえそれに失敗したとしても、ユーを攻めるのは筋違いだろうし、ユーに近い俺にある程度影響があるだろうがそれこそ天災みたいなものだ。それに尻拭いは俺がすると決めたんだ。
 そう考えていると、ユーはおもむろに立ち上がり居間を出て行く。
 話を切るには唐突過ぎるタイミングに、ユーを視線で追うとすぐに戻って来た。ただし、チェーンソー型魔装錬器ミストルティンを手にして。
 そのことにますます首をかしげていると、ユーは俺にミストルティンを差し出して再び元の位置に座る。反射的にミストルティンを受け取ってしまったが、俺の中の混乱は時間を追うごとに増すばかり。
 そこに、再度テーブルを叩く音。

 『多分 歩はあの世界に行く』=「お願いおにーちゃん、あの子を助けてあげて」
 「マジかよ……つーか、このミストルティンは何だよ」
 『護身用』=「それでアニメ6話のごとく、ばっさりいっちゃえ!」
 「そうか、ありがとよ」

 ストーリー展開とか、これはあくまでアニメの中の話のはずなんだが、と思ったが俺はアレコレ考える事を放棄した。話が進まなくなるから。
 そういえば名乗りがまだだったな、相川歩です。俺ゾンビっす、あと魔装少女っす。それと、今から魔法少女の世界に行ってきます。



[26161] 第一話「これはこれゾンですか? いいえ、かゆうまアユムです」
Name: ムトナ◆ef51f0bf ID:3d06dbd3
Date: 2011/02/22 18:37

 第一話「これはこれゾンですか? いいえ、かゆうまアユムです」

 気がついたら俺は、ミストルティンを持ちとあるビルの中で立っていた。
 元々家の中に居たから靴なんか履いてるわけ無く、足の裏にはリノリウムの冷たい感触。
 一体ここは何処なのだろうかと周囲に目を向けて見ると、なんと目の前にボロボロの格好をした黒いレオタードにマントを羽織った格好の少女が居る。
 これはアレか、突如別の世界に飛ばされた俺を神が哀れんで与えたご褒美か。
 ……そんなわけ無いよな。たしか、この子は俺が最後に見たテレビの画面であの白い服を着た女の子を助けてた子の一人だったな。
 つまり俺はこの子も助けるべきなんだろうと、頭上に開いた大穴を見上げながら思う。

 「なんで一般人が、こんなところに」

 苦しそうに立ち上がる少女を慌てて支える。

 「まて、無理をするな」
 「大丈夫です。貴方こそ、早くここから離れて」

 天井をぶち抜いた割りにしっかりと立ち傍らに落ちていた柄の折れた斧を拾う彼女に、支えていた手を離す。
 だが事故とはいえ、俺は彼女達を助けるためにこの世界に来たようなものだし、おとなしく引き下がるのも後味が悪い。

 「フェイト、大丈夫!?」

 思考を巡らせているうちに、クリーム色した髪の男の子が駆け寄ってくる。とりあえず、この目の前のこの子の名前はフェイトか。

 「うん、私は平気。だけど、何故かここに一般人が……」
 「一般……人?」

 フェイトの言葉に少年が俺を見るが、語尾が少し怪しくなる。
 そりゃあ、チェーンソーを持った男を一般人と呼ぶにはおかしすぎるだろう。むしろ、何故フェイトはそこに疑問を抱かないのかが疑問だ。

 「え?……あ、そうだね」

 フェイトはユーノの懐疑的な口調と、ミストルティンに向けられる視線に初めてチェーンソーを持つ事の不自然さに気がついたかのように慌てだす。
 この子、ただの天然か!!
 とりあえず、お互いどうしたものかと考えていると、頭上――天井が無い真上の空間から気配を感じ、俺たち三人は空を見上げる。そこには大上段に剣を構えたセラライクな女性の姿。
 
 「はぁああ!!」
 
 気合一閃とばかりに振り下ろす剣に、俺は咄嗟に二人の前に出てミストルティンで受け止めるが、あっさり弾き飛ばされてしまう。

 「なっ!」
 「へっ?」
 「っ!?」

 三者三様、それこそ斬りかかった相手も俺の存在と、庇った割りにあっさりと弾き飛ばされる脆弱さに驚いている。
 派手に弾き飛ばされるも、生憎ゾンビの俺に痛覚が無いので問題にはならない。ただ、両腕がスプラッタな事になったり、そのくせミストルティンには傷一つ付いていない。
 俺、京子の魔装錬器片手で握りつぶしたんだけど、魔装錬器ってそんなに頑丈なものだったのか……

 「っ――なんだ、貴様」

 流石に両腕スプラッタになってるのに平気で立ち上がる相手の異様さに一歩引き下がり、剣を構えるポニーテールの剣士。
 意外と早く再生した両腕でミストルティンを構えて、俺はいつもの名乗りを上げる。

 「俺か?……ゾンビっす!!」

 二二〇%の力で相手に詰め寄り、ミストルティンを振り下ろす。

 「くっ」

 ミストルティンを受けた事でがら空きになった相手の腹を、六〇〇%の力で蹴り飛ばす。
 そして折れる右足。
 だがひとつ気が付いた事がある。どうにも蹴った感触がおかしかった。
 いや、蹴った時だけではない。それこそ俺が攻撃した時だけでなく、相手のからのものですらあらゆる攻撃や衝撃が、なにかクッション越しの様に感じる。

 「なかなかやるっ」

 剣士が一気に近づいたかと思うと、一瞬で目の前から消えうせる。
 次の瞬間、俺は右から来る彼女の剣を右手で掴む。
 確かに早い……が、瞬間的な速さならセラの方がまだ早い。

 「おらぁ!」

 再度六〇〇%の力でミストルティンを振るい、剣でガードする相手ごと窓から相手を屋外へ追いやる。

 「す、すごい」
 「無茶苦茶だ……」
 
 俺の戦い呆然と見ていたフェイトの言葉に少年が続く。確かに、凄く無茶苦茶だろうし、子供にはあまりお勧めできない絵面だな。

 「って、フェイトそうじゃないよ!」
 「そ、そうだね。ユーノ!」

 どうやら正気を取り戻したフェイトと少年――ユーノ。

 「バルディッシュ」
 『Recovery』

 フェイトが語りかけると手に持っていた斧がなんと喋り出し、折れていた柄が伸びてゆく。

 「貴方はそこに居てください!ユーノ、私が前に出る。結界の突破と転送の準備を!」
 「わかった、やってみる」

 一度立て直してからは、フェイトの対応は早かった。テキパキと指示を出すと、さっき俺があの女剣士を吹き飛ばして出来た穴から飛び出し、ユーノもそれに続いていってしまった。
 「基本的に」空を飛ぶ事ができない俺は、そんな彼女たちを追うことが出来ない。
 しょうがないので身体が完治するのを待ってから、ボロボロになった屋上へと向かう。

 「なんだ、あれ……」

 しかし屋上へと出た俺が目にしたのは、そんな言葉が漏れてしまう驚きの光景だった。
 桜色に光る特大の球体と、その麓に居るテレビ画面越しに見ていた少女。
 そして彼女の胸元から伸びる、女性のものと思わしき手。
 真後ろに人が居るわけでも無いしどんな方法を使ったのかわからないが、尋常では無い事態と少女の苦しげな表情を見た瞬間、俺は隣接したビルに次々と飛び移り彼女の元へと駆けて行く。
 覚束ない足元と苦しそうに歪めた顔。しかし、彼女はその手に持った杖を桜色の球体に叩きつける。

 「す、スターライトォ、ブレイカァーアアア!!」
 
 遠くから聞こえる彼女の声。そして、杖を叩きつけられた球体は爆発的に膨れ上がり、一条の光となり天を貫いた。
 



[26161] 第二話 「あ、俺ゾンビっす」
Name: ムトナ◆ef51f0bf ID:3d06dbd3
Date: 2011/02/26 12:36
あれ、おかしい。変態主人公によるギャグコメディを目指してたはずなのに、ずっとシリアス(?)だ……
ちなみに、サブタイはこれゾン風に。べつにちょっと考えるのが面倒だったわけじゃないんだからね!


第二話「あ、俺ゾンビっす」

 次元空間航行戦艦アースラ、それが今俺が居る場所の名前。
 正確にはその艦橋に連れてこられているわけだが。
 そこには俺を連れてきたクロノと名乗った少年と一緒にここまでやってきたユーノ、コンソールには数人のスタッフが向かっており、階段状になっている造りの最上段に設けられた椅子に座っている女性、ポジション的には艦長だろうか?

 「ようこそ、私はアースラ艦長リンディ・ハラオンよ。貴方の名前を教えてもらってもいいかしら」

 そういってにこやかに右手を差し出して握手を求めてくる彼女に、俺も右腕を出し手を握る。

 「相川歩です。コイツの事は、ありがとうございます」

 そう言って、握手しているのとは反対の手に持つミストルティンを軽く掲げる。
 この艦に転移?された際に、流石にチェーンソーを持ち歩くのはまずいと出迎えたクロノに言われたが、だからといってミストルティンを易々と他人に預けるわけにはいかない。
コイツは今の俺にとっては命綱も当然である。だが、クロノの言い分ももっともなので状況が行き詰っていたところに、彼女が艦内通信越しに鶴の一声で許可したのだ。
流石にそのことにクロノはいい顔をせず、未だに俺を警戒するように睨み付けている。
まあ、抜き身の凶器を持ち歩いてるのも当然なので仕方が無いと諦める。

 「いいえ、それよりこんな所でごめんなさい。本当はゆっくり腰を落ち着けてお茶でも出してあげたいのだけれど、なのはさんを早くちゃんとした所で診せてあげたいから、私がここを離れるわけにはいかないの」
 「いえ、かまいません。それと、なのはってあの白い服を着た子ですよね、あの子は大丈夫なんですか?」

 あの後すぐに倒れて意識を失ってしまった彼女にユーノが必死に治療魔法とやらを掛けていたが、医療班とやらが連れて行くまで彼女の意識が戻る事はなかった。

 「えぇ、外の方は大した事は無いけれど、内側の消耗が激しくてね……それでも、安静にしていればすぐに回復するはずよ」
 「そうですか、ならよかった」
 「それでは相川歩、そろそろ質問をしてもかまわないか?」
「あぁ、答えられる範囲でならな……といっても、俺も聞きたい事も山ほどあるんだが?」

 顔はクロノに向けるが、視線はリンディさんへ向ける。この中で一番強い決定権があるのは彼女だろう。

 「えぇそうね、それじゃあ情報交換といきましょうか」
 「ちょ、かあさ……艦長!」

 俺の視線に気づいたリンディさんはにっこりと笑ってあっさり了承するが、案の定クロノは声をあげる。
 執務官という聞きなれない単語であったが、クロノのノリが刑事ドラマに出てくるような人間であった事から、捜査官的なものかと当たりをつけていたが、どうやら正解だったようだ。
まぁクロノからしてみれば、不審者である俺への尋問を兼ねた質疑応答のつもりだったのだろう。

 「まあまあいいじゃない、相川さんには説明しなければならないこともあるし」
 「……わかりました。それじゃあ、もう一度名前と年齢、職業を聞かせてもらおうか」
 「相川歩、17歳。高校生っす」
 
あと、この世界の人間じゃないっす……とは言わない。
まさかこの世界が俺にとってはアニメの世界だと言うわけにもいかないし……

 「えーっと、知り合いの女の子の事故、というより天災に巻き込まれてあの場所に飛ばされたはずなんすよ。俺」

 とりあえず、一部分だけを抜粋して本当のことを話してみる。更に駄目押しで「細かい事は俺もよくわかりませんが」と付け加える。

 「次に……」
 「その前に一つ」
 「なんだ?」
 「そもそも、あんたら時空管理局って何?」

 そこからか、とため息をつくクロノ。んー、なんか俺コイツからの好感度低すぎやしねえ?
 それはそれとして、クロノとリンディさんの説明によって、概ねのところは理解できた。

 「では改めて相川歩、貴方は一体何者だ?」
 「何者も何も、さっき言った通りただの高校生だよ」
 「流石にそれを鵜呑みには出来ないよ。結界の中で何が起きていたのかは、ユーノとフェイトから聞いているからね」

 ですよねー。ユーノたちの前で思いっきりゾンビって言っちゃったし。

 「じゃあ聞いてると思うが、俺はゾンビだ」
 「ゾンビ……?」
 「あぁ、俺はもう死んだ人間だ。だけど知り合いのネクロマンサーによって甦った」
 「馬鹿な!死者の蘇生なんて出来るわけが無い!!」
 「だろうな。俺もこんな身体になるまではそう思っていた。でも、世界は不思議で満ち溢れている。ただ、多くの人がそれを知らないだけで。なら、多くの世界を管理しているあんた達が知らない事だってそこには存在するはずだろ?まあ、見てろ」

 そう言って俺はミストルティンを壁に立てかけ、周りの人間に見せ付けるように左腕を上げ右手で握ると、力を篭める。
 ベキリ。と、乾いた木の枝を折るような音が響くと左手で握った先の右腕が関節に逆らい、重力に従って、力なく垂れ下がる。
 その光景に皆息を飲む。だが俺はお構い無しに折れた左腕の位置を調節して抑えていると、あっという間に骨がくっ付き掌を数回握ったり開いたりしながら具合を確かめる。
 ちなみに、この間も周囲は絶句しっぱなし。ユーノに至っては凄く痛そうな顔をしている。

 「ま、こんな感じで痛覚も何も無いし放っとけば身体の傷もすぐに治るんすよ」

 ただし、何故かこの世界に来てから修復するのが早くなっているのが少々気になるが。

 「とりあえず、君は彼女達の目に触れている。希望があれば局の方で保護するが」

 どうにか正気を取り戻したクロノの提案。
 だけどここで放り出す……分けにはいかないだろう。なにより、あんな小さい子が大変な目にあってるのに俺がのほほんとしていいのであろうか?いや、いい訳が無い。反語。

 「俺は……」


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