<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[25513] 世界が終わる日 ~仮面ライダーと4人の救世主~ 
Name: 仮面の男◆2d160e8c ID:edac7a35
Date: 2011/01/19 04:53
仮面ライダーと他の特撮4人とのクロスオーバーです。



[25513] プロローグ
Name: 仮面の男◆2d160e8c ID:edac7a35
Date: 2011/01/19 23:54
街は崩れ人々は逃げ惑い雷が鳴り響き空は昼間だというのに夜のように暗い。
突如として現われた巨大な怪物。
鋭い角が二本生え真紅の目が光り身体の色は全身濃い緑色をしている。
その怪物が現われた途端、4人の若い男女は目の前が真っ白になった。
目の前が真っ白になったかと思えばそこは何もない真っ白く殺風景が広がる場所にいたのだ。

高校のブレザーを着た少年、白いロングコートを着た茶髪の青年、ベージュのコートに黒い手袋をした青年、どこかの国の民族衣装を着たような少女。
4人の男女は辺りをキョロキョロと見渡す。
4人ともまだ自分達がどういう状況に置かれているのか解っていない。
そんな4人の目の前に現われたのは全身真っ黒い服を着た茶髪の美青年だった。

ブレザーを着た少年がその美青年に言った。

「お前は誰だ!?俺達を元の場所へ戻せ!」

するとその美青年は4人の顔を一人ずつ確認するように見渡すと不気味な笑みを浮かべた。

今度は白いロングコートを着た青年が美青年に言った。

「何が可笑しい?目的は何だ?」

美青年は彼らの言葉を無視するように喋り始めた。

「あなた方は崩壊する地球を救わなければいけません」

そして美青年は一人一人の顔を見ながら彼らの名前を言い始めた。

「鳥羽甲平、最強の昆虫戦士・ビーファイターカブト……冴島鋼牙、魔戒騎士の最高位である黄金騎士・牙狼……結城凱、アウトローの鳥人戦士・ブラックコンドル……メイ、リシヤ族プリンセスにして愛の戦士・プテラレンジャー」

一人一人名前を言われて驚愕し言葉が出てこない4人。

「ある闇の者の侵略により歴史は変わったのです。あなたがたは仮面ライダーと言う戦士達を捜してください。解りましたね?」

そう言って美青年は跡形もなく煙のように消えてしまった。
4人は驚く暇もなく何かが爆発したような眩い光に包まれた。

つづく














[25513] 第1話 始まる旅 ~過去~
Name: 仮面の男◆2d160e8c ID:edac7a35
Date: 2011/01/19 23:46
「いったいどうなってんだよ……」

ブレザーを着た少年の名は鳥羽甲平。
彼はビーファイターカブトとして2億年の眠りから目覚めた悪の組織メルザードと戦っていた。
だが謎の美青年の力によって今までいた世界とは違う世界に来てしまったのである。
その世界は自分がいた世界とはそうは変わりない。
だが建物や人々の服装がどこか古臭く昭和チックなのだ。

「健吾……蘭……博士……先輩……ゆい……俺はこれからどうすりゃいいんだよ……」

そう彼は一度、コスモアカデミアというビーファイターのいわば本拠地へ行ってみた。
そこにはビーファイターとして共に戦った橘健吾、鮎川蘭、そして博士と慕うコスモアカデミアの日本支部長である小山内勝がいるからだ。
しかしその場所には仲間の姿どころかコスモアカデミアすらなかった。
自分の家にも行った。
しかしそこには最愛の妹である、ゆいの姿も自分の家もなかった。
甲平は失望感から途方に暮れて街中をフラフラと彷徨う。
しかし歩き疲れてその場のベンチに座り込んだ。
そこにガタイのよい男が通りかかった。
そのガタイのよい男は甲平を見て立ち止まるとゆっくりと甲平に近づき甲平の横に座った。
そのガタイのよい男は何の前触れもなくいきなり甲平に話し掛けた。

「どうして君は何でそんなに悲しそうな顔をしているんだい?」

「どうしてって……どうせ言っても信じてもらえないよ」

確かに突如、巨大な怪物が現われたかと思うと光に包まれ長髪の美青年に「世界を救ってくれ」といわれ今度は自分が住んでいた世界とは違った場所へ来た……などといっても誰も信じてはくれないだろう……というか甲平本人が一番この現実を信じられないでいた。

俯きこの世の終わりのような顔をしている甲平を見てガタイのよい男は神妙な顔つきで喋った。

「君の気持ちが俺には痛いほど解る。誰にも話せず例えいっても信じてはもらえずその苦しみは自分にしか解らない。だが話せば楽になるぞ?俺はお前の事を必ず信じる」

その男の喋り方には一言一言に重みがあり彼自身もまた大きな悩みや苦しみを感じている事が甲平には何となくではあるが解った。

甲平は何故かは解らないがこの人になら変人と思われようが喋っても良いのではないかと思った。
甲平は一度頷き話す事を決心した。

「俺はビーファイターっていう戦士としてメールザードっていう地球を滅ぼそうとしてる組織と戦ってたんだ」

その話を聞きガタイのよい男の顔つきが真剣になる。

甲平は今まで自分に起こった出来事を全て喋った。

すると甲平の話を聞き終えたガタイのよい男は豪快に笑い出した。

「ハッハッハッハッハッ!」

それを見て甲平は悲しそうな顔して俯く。

「やっぱり信じてもらえないですよね……」

ガタイのよい男は甲平の肩をポンポンと叩いた。

「悪い悪い、信じるよ、その話」

甲平にとっては嘘であろうと「信じる」という言葉が何より嬉しかった。
例えそれが初めて会い名前の知らない人だったとしても。
ガタイのよい男は立ち上がるとその場を去ろうとした。

「ちょっと待ってよ!あんたの名前を聞かせてくれ」

その男は足を止めた。

「本郷猛……君とはまたすぐに会える気がする。それじゃあな」

ガタイのよい男は本郷猛と名乗った。
そして本郷と名乗る男は人込みの中に紛れ姿が見えなくなった。

「確かあの黒い服を着た男は、仮面ライダーとやらを捜せといってたな……よぉし!ウジウジしてても仕方ない!やってやるぜ!」

いつもの明るい甲平の顔に戻った。
そんな甲平のポケットから携帯電話のような物がポトリと落ちた。

「ん?何だこれ?電話?」

甲平はそれを拾い上げ携帯電話のような物を見つめる。
どこからどう見ても携帯電話だがボタンが3つしかない。
とりあえず①のボタンを押してみた。

つづく







[25513] 第2話 対なる二人の戦士 ~未来~
Name: 仮面の男◆2d160e8c ID:edac7a35
Date: 2011/01/20 16:39
「う~ん……」

眠りから覚めたようにメイはゆっくりと起き上がった。
メイが目を覚ました場所は廃墟の工場のような場所だった。

「私、いったい……」

ここがどこか解らずキョロキョロと辺りを見渡す。

メイの目の前に白いロングコートを着た青年が現われた。

「どうやら気づいたようだな」

その青年の喋り方はまるで感情がこもっていない。
良く言えばクール、悪く言えば冷徹といった感じだ。

メイはその青年に見覚えがあった。
そう、全身黒い服に身を包んだ長髪の美青年から地球を救う使命を言い渡された時、この青年もその場にいた。

「あなたは確か……」

「冴島鋼牙だ」

必死に青年の名前を思い出そうとしているメイに向かって青年は自分の名をぶっきら棒に名乗った。

「じゃあ呼び方は鋼牙でいいかしら?私はメイこれからよろしく!」

鋼牙と名乗る青年は鼻で笑うと冷たく言い放った。

「そんな事はどうでもいい。どうせお前とは二度と会うことはないからな」

そういうと鋼牙はそそくさと歩き出した。

「えっ!?ちょっと!」

メイにとっては心外だった。
鋼牙の反応はお互い、同じ境遇の人間として同じ世界を救う使命を託された人間として協力しあえるものだと思っていたからだ。
慌ててメイは立ち去ろうとする鋼牙を引き止めた。

「何だ?」

面倒くさそうな顔をして立ち止まる鋼牙。

「私達はお互いに同じ使命を託されたのよ?ここは協力しあった方が得策じゃないかしら?」

「お前と組むなんて御免だね。俺には俺のやり方がある」

鋼牙はそう言い放つとその場を去った。

「何なの?あの人!感じ悪い」

そもそも鋼牙とメイは今までの生き方、そして戦い方が全く異なっている。
鋼牙には父である冴島大河が死んでからは家族といえる人間は執事の倉橋ゴンザただ一人しかいない。
そのゴンザでさえ血の繋がりはない。
守りし者として常に孤独の中で敵と戦ってきた。
一方のメイはリシヤ族のプリンセスとして愛に恵まれて育った。
そしてゲキ、ゴウシ、ダン、ボーイ、バーザといった仲間に恵まれ、恐竜戦隊ジュウレンジャーとして地球の平和を守ってきた。
孤独な戦士の鋼牙と愛に恵まれたメイ……対なる生き様の二人の考え方が違うのは当たり前でり反発しあうのは必然なのかもしれない。

「これからどうする鋼牙?」

鋼牙の左手の中指に嵌っている髑髏の指輪が声を発した。

「それはこっちが聞きたいくらいだよ、ザルバ」

この喋る髑髏の形をした指輪の名はザルバ。
闇に潜む魔獣・ホラーを探し出し戦いをサポートするパートナーである。
ザルバに何度も鋼牙は助けられてきた。
鋼牙は亡くなった父からこの指輪を譲り受け、そして彼と契約を結んだ。
この指輪はソウルメタルという特殊な金属で作られており指輪の他にもネックレスなどの種類があるが魔導輪と呼ばれるこの指輪を身に付けれるのは魔戒騎士の最高位で冴島鋼牙が変身する牙狼の称号を持つ者だけである。
ちなみにこの、ザルバという名は旧魔戒語で「友」を意味する。

今、鋼牙は街中を歩いているのだが確かに人間が歩いている。
しかしその人間達は生きているのか死んでいるのか解らない。
彼らには全くといっていいほど覇気がない。
鋼牙は歩いている目先に突如現われたあの怪物を模した銅像がありそれに近づいた。

「2014年だと!?そんなバカな!?まさかこれが2014年の地球の姿だというのか!?」

さすがの鋼牙も頭の中が混乱した。

「鋼牙、あれを見ろ!あの女が戦ってるぞ」

鋼牙が目を向けた先には先ほど、決別したメイが戦っている姿があった。
メイが戦っているのは黒い覆面を被った者達。
胸全面の白骨が「死の軍団」的恐怖をあたえる。

メイはその覆面の者達を次々と倒していく。
しかし覆面の者達は次から次へと現われる。
確かに一人一人の力は非力であるため単体ではあの覆面の者達はメイに勝ち目がないだろう。
だが常人以上の能力を有している事は鋼牙には一瞬にして解った。
常人以上の力を持つ者達が減ることなく次から次へと現われるのである。
実力ではメイが勝っていてもこのまま戦い続ければ彼女の体力はいつか底がくるはずでその時、彼女は覆面の者達にやられてしまうのは容易に想像できる。

「世話の焼ける奴だ」

鋼牙はメイを助けるべく覆面の者達を後ろから蹴り飛ばす。
メイは鋼牙の姿を見て驚いたのか目をパチパチさせている。

「イーッ!!お前ら公務執行妨害で逮捕だ!」

どこからどう見ても不審者にしか見えない覆面を被った者達が警察だというのだろうか。

「メイとかいったか?幾らなんでもこいつら数が多すぎる。とりあえず逃げるぞ」

「えっ!?」

鋼牙はメイの手を掴むとその場から逃げ出した。

「逃げたぞ!追えぇ!」

「イーッ!!」

追ってくる覆面の男達……鋼牙はメイを連れて細い路地裏に逃げ込んだ。
鋼牙は何も考えずに逃げているわけではない。
そこで鋼牙は立ち止まった。
そして下の落ちていた木の板のようなものを積み木のように重ね始めた。

「何してるの?そんな事をしてもすぐに追いつかれるわ」

「いいから見てろ」

そして全ての積み木を積み終わった。
メイには鋼牙の行動の意味がさっぱり理解できなかった。
まぁ、メイでなくとも解らないだろうが。

「お前の持っている弓を貸してくれ」

「プテラアローを!?」

メイは自分専用の武器であるプテラアローを貸せといわれ戸惑った。

「何を迷っている!早くこっちに!」

「でも……」

「ここは俺を信じてくれ!頼むメイ!」

いきなり会って間もない人間に自分の武器を貸せといわれても普通は貸せないだろう。
しかもメイの鋼牙に対する第一印象は最悪である。
しかしメイは鋼牙の眼を見て信じてみる事に決めた。
何故なら鋼牙の眼差しは最初に会った時のような、凍てつくような、冷たい眼差しではなく厳しい眼差しの中にも熱くそして優しさが滲み出ていたからだ。
少なくともメイはそう感じたのだ
メイはプテラアローを鋼牙に渡した。

「いたぞ!」

覆面の者達が走ってこちらに向かってくる。

鋼牙はライターのような物を取り出し矢に引火させた。
そして覆面の男達が先ほど、鋼牙が積み重ねた木の板の手前まで来たところで矢を放った。
しかし矢を放った先は覆面の者達ではなく木の板に向けてだった。
鋼牙の放った矢は木の板に突き刺さると緑色の炎が瞬く間に広がった。

「アッチー!!」

覆面の者達は通る事が出来ず地団駄を踏んでいる。

「これで大丈夫だ。この弓は返す」

鋼牙はプテラアローを手渡しでメイに返した。

そして二人は覆面の者達が地団駄を踏んでいる間にその場から逃げ去った。



「鋼牙、危ないところを助けてくれてありがとう」

「いや……お前こそあの時、会って間もない俺を信じてくれた。礼をいう」

そうこうしているうちに目的の場所へと辿り着いた。

「ここは?」

大きな建物が建っている。

「ここは俺の家だ」

そうここは鋼牙の住んでいる家である。
2014年になっても一応残っているようだ。
それに手入れがしてありどうやら人が住んでいるようだ。
鋼牙はカオルとゴンザが出迎えてくれる事を信じてゆっくりと玄関の扉を開けた。

「ゴンザ!カオル!今、帰った!」

「人の家で大声出して何の用ですか?」

「お前……誰だ!?何故ここにいる!?」

鋼牙は失望した。
出迎えたのはカオルでもゴンザでもなく全く見知らぬ人だったからだ。


つづく





















[25513] 第3話 都市伝説から現実へ ~現在~
Name: 仮面の男◆2d160e8c ID:edac7a35
Date: 2011/01/22 03:05
建物は崩れ空は赤く染まっており人っ子一人おらずまるで大地震でも起きたかのように破壊された街を気取りながら歩く男の名は結城凱。
鳥人戦隊ジェットマンのブラックコンドルとして次元戦団・バイラムと戦った男だ。
バイラム……裏次元を滅亡させたのち、表次元に相当する地球を掌中に治めんと次元を超えて攻めて来た武装集団。
地球人を愚かな者達と侮蔑し、巨大魔城バイロックを拠点に、地球人征服の計画を企てた恐ろしい組織である。

「そもそも何で俺は生きてるんだ?」

実は凱は一度死んでいるのだ。
それはバイラムが滅びた3年後だった。
竜と香の結婚式当日、花屋で花束を購入する最中に目撃した女性のバックを盗んだ引ったくり犯の男を追跡し叩きのめすが、逆上した男に腹を刺され、竜と香の結婚式に辿り着くも、二人の幸せそうな笑顔を見届けながら凱は逝った。

「だいたい仮面ライダーなんか本当にいるのか?」

凱は仮面ライダーの姿など一度も見たことは無い。
しかし都市伝説で「仮面ライダー」という存在は耳にしていた。
人知れず悪の組織と戦い人々を守る仮面ライダー。
しかし凱はそんな噂話を信じてはいない。
何故なら仮面ライダーに纏わる噂は数知れずあるからだ。
「緑色の仮面に赤い複眼にバッタの力を模した改造人間」「少林拳を使う銀色の仮面ライダー」「実は仮面ライダーは鬼」「実は仮面ライダーは吸血鬼」など凱が聞いただけでも仮面ライダーの噂は結構ある。
凱が仮面ライダーの存在を信じられない理由はもう一つある。
同じジェットマンのメンバーであるアコから聞いた話によれば悪の組織や異形のモンスターと戦い人々を守るという話ばかりだからだ。
もしそれが本当なら自分達がバイラムと戦っていた時、いったい何をしていたのだろう。
自分達がピンチの時、仮面ライダーは現われ助けてくれただろうか?
何度もバイラムに人間は襲われそうになったがその時、天下の仮面ライダーとやらは人々を助けたのか?
そんな事から凱は心の中で仮面ライダーの存在を否定し続けた。

凱は次から次へと疑問なのか愚痴なのか解らない事をブツブツといいながら崩壊した街中を歩く。

「しかも何で俺を選んだんだ?」

確かに他にも正義感の強いジェットマンのリーダーである天堂竜や心優しいジェットマンの怪力自慢である大石雷太など他にも適任者はいるはずである。

「第一……俺は何処へ向かえばいいんだ?……」

適当に歩いていた事に気づき立ち止まる凱。
そしてため息をつく。
凱が顔を上げると目の前で割れたガラスの前に立っている男がいる。
その男は長髪で青いジャンバーを着ている。
凱達に仮面ライダーを捜せなど地球を救えなど唐突に言い渡したあの長髪の美青年に何処となく似ている。
凱はもしかしたらその男は長髪の美青年と関係があるのかもしれないと思い話し掛けるべく歩き出した。
だが凱は次の瞬間、信じられない光景を目の当たりにした。
その男は少し大きめのガラスの破片の前で左手を突き出し右手を左斜めに伸ばした。

「変身!!」

するとその男は銀色のボディーに真っ赤な手足、そして真紅の複眼の西洋の騎士を彷彿とさせる異形の者へと姿を変えた。

「!?」

凱はその姿を見て驚きのあまり立ち止まってしまった。

「っしゃあ!」

その異形の者は気合を入れるとガラスの破片の中へ飛び込んだ。

「赤い複眼……もしやあいつが仮面ライダーなのか!?仮面ライダーは人間だったのか!」

確かに聞いてたのと若干イメージは違うし鏡の中に入る仮面ライダーの噂など聞いたことがない。
しかし自分が聞かされていた仮面ライダーはあくまで噂話。
さっき見た姿が仮面ライダーの本当の姿なのだろう。
凱はそう思ったがまだ確証は持てない。
凱は仮面ライダーと思わしき者の入った少々大きめのガラスの破片ををまじまじと見つめる。
しかしそのガラスの破片を調べたが特に怪しいところはない。
ガラスの中に入り込むなど物理的に有り得ない……待てよ?もしかしたら有り得るかもしれない……いやそもそも本当に異形の者なんていたのだろうか……もしかしたら幻覚ではないか。
凱は考えれば考えるほど頭が混乱してきた。
とりあえず落ち着いてその場で異形の者が現われるのを待つ事にした。
もうその場に現われない可能性もなくはないが闇雲に捜すよりも一番確実で現実的な方法である。

凱はその場で煙草を吸いながら異形の者が出てくるのを待った。
その時、凱のポケットからピーピーと音が鳴った。
凱がポケットの中を探ってみると携帯電話のような物が入っていた。

「ん?俺こんな物持ってたってけなぁ?」

①、②、③とボタンがあり①のボタンが赤く点滅している。
凱はとりえず①のボタンを押した。
すると三つのボタンの上にある黒いモニターのようなところに人の顔が映し出される。

「あなたは確か結城さんでしたっけ?」

「誰だお前?俺はお前みたいな奴……ん?こいつどこかで……」

しかしよく見るとどこかで見た顔だ。
初めて見る顔ではない。
凱は必死に記憶を遡るとあるところで走馬灯は停止した。
それはあの長髪の美青年に会った時だ。
あの時、自分以外に三人の男女がいた。
その中の一人に彼がいた事を思い出した。
あの時は頭が混乱しており何があったのかを全て憶えているわけではない。
しかし、部分では憶えている。
確か、この少年はビー……ビー……ビーから先が思い出しない

「もしかしてビーなんちゃらとかいう奴か?」

するとモニターに映し出された少年はクスッと笑った。

「ビーファイターです。ビーファイターカブトです。で俺の名前は鳥羽甲平です」

そういえばそんな名前だった。
ビーファイターカブトか……俺が死んだ後、こいつがビーファイターカブトとやらになり地球の平和を守っていたのか。
いや感心する。
どこからどう見たって高校生だ。
凱は女子高校生ながらジェットマンのブルースワローとして共に戦った仲間である早坂アコを思い出しながら甲平の話を聞いた。

「結城さん、どっかで落ち合いませんか?一人より二人の方が効率高いし」

「あぁ、いいぜ。でもな仮面ライダーらしき奴を見つけたんだ。だから俺はここを動く事は出来ない」

「仮面ライダーを見つけたぁ!?いったい何処で!?今から俺がそっちへ、向かいます!場所は何処です?」

「商店街の先にある大きいビルが倒れているところだ」

しかしそれだけではあまりに漠然としている。
凱は何か他に目印になるものはないかと辺りを見渡した。
しかし目印になるようなものはない。
そこでこの場所に辿り着くまでの記憶を遡る。

「確か商店街に入る前の場所に変な銅像があったな」

「銅像ですか?……もしかしてその銅像って河童の銅像ですか?」

そういわれてみればそんな気がする。

「何でお前、知ってんだよ?」

「目の前に河童の銅像があるからです」

ということは自分と甲平がいる場所は近いということになる。

「どうやら俺がいるのはお前の目と鼻の先らしいな」

「ですね。急いでそっちに向かいます」

そして通信は途切れた。

「一人より二人か……俺も随分変わっちまったな」

元々、凱は不良気質で一匹狼的なところがあり、あまり集団で行動するのが得意ではなかった。
しかしジェットマンの一員として戦っていくうちに人としても成長しジェットマンのリーダーである竜が不在の時は残りのメンバーを纏めて戦うまでになった。
その時、またも携帯電話のような音が鳴った。


つづく










[25513] 第4話 戦意喪失!? ~未来~
Name: 仮面の男◆2d160e8c ID:edac7a35
Date: 2011/01/23 05:16
「何故って……前の持ち主がここに住んでって頼まれたからです。もしかして冴島鋼牙さんですか!?私、風祭真魚って言いいます」

意外だった。
何故、この女性は自分の名前を知っているのだろう。
しかも何を言っているんだ?
ゴンザがこんな見ず知らずの女性に冴島家を渡すはずがない。

「嘘ならもっとマシな嘘をつくんだな!」

「いや……嘘じゃありませんって。ちょっと待っててください」

真魚と呼ばれる女性に暫く待てと言われたので暫く待つと真魚と名乗る女性は一通の手紙を持ってきた。
鋼牙はその手紙を真魚から渡されると内容をすぐさま確認する。
その書いてある内容に鋼牙は愕然とした。

「冴島家はあなたに託します。必ず冴島鋼牙と言う男性がこの家にやってきます。
その男性は世界を救うお人です。どうかそれまで冴島家をよろしくお願いします」
と記してありさらには冴島家の地図が書いてあり最後に倉橋ゴンザと記してある。

しかし何故、ゴンザはこんな見ず知らずの女性にこの家を託したのか?
真魚は鋼牙の心の疑問を読んでいたかのように喋った。

「この人達は魔帝に連れて行かれたんです……その時に敵に気づかれないよう私に……」

ゴンザとカオルが魔帝に連れて行かれただと!?
鋼牙は拳を握り締めた。
自分が側に居ればカオルもゴンザも連れて行かれることはなかったはずだ。
そんな後悔の念ばかりが込み上げる。
こんな見ず知らずの女性に家を託すほど余裕がなかったのか?
いやゴンザは自分達が狙われている事に気づいていた……だからこの手紙を渡したのだろう。
何故、逃げなかったのか?
それは二人共、鋼牙の帰りを必死に待っていたからだろう。
それしか考えられない。
鋼牙は手紙をグシャグシャに丸めると地面に勢いよく投げつけた。
その表情は怒りに満ちている。

その時、真魚の後ろから長身のでスラッとした体型の男が現われた。

「あれ?真魚ちゃん。お客さん?どうも初めまして、津上翔一です」

その男は非常に人懐っこい爽やかな笑顔を見せている。
こんな時に、しかしこの状況の中であんなに爽やかだとかえって場の空気を悪くする。
そう思ったメイは話題を変えることにした。

「私達、仮面ライダーっていうのを捜してるんです。心当たりありませんか?」

その質問に翔一は満面の笑みを見せてその質問に応えた。

「俺が悪と戦う正義の味方、仮面ライダーです!仮面ライダーアギトです!」

まさかの応えに鋼牙とメイは凌愕する。

鋼牙は不機嫌そうな顔になり翔一に言い放った。

「お前……いったい何をしている!?」

鋼牙は掴みかかりそうな勢いだが翔一はキョトンとしている。

「何って……ここで暮らしてるだけですけど?何か?」

翔一の人をおちょくったような言い方に爆発寸前の鋼牙。

「そんな事を訊いてるんじゃない!俺が訊きたいのは何故、戦わないかだ!この世界はもう地球ではない!魔帝に支配され魔界も同然になっている!これを見て何とも思わないのかぁぁぁぁぁぁっ!?」

「戦う?無理ですよ……力が違いすぎます。僕達、仮面ライダーは必死に戦いました。でも……負けました。殆どの仮面ライダーは死んでしまい中には敵側の仲間になったライダーもいます。魔帝には勝てませんよ」

鋼牙は翔一を殴りたい気持ちを押さえこの屋敷を後にしようと振り向く

「これが俺達の捜してた仮面ライダーか。こんな臆病者だっとはガッカリだ。行くぞメイ。こんな奴らに頼らなくても俺たちだけで魔帝を倒しに行くぞ」

「ちょっと鋼牙!」

メイの声を振り切り屋敷の外に出る鋼牙。
その時、後ろから翔一の声が聞こえた。

「俺は臆病者なんかじゃありませんよ?少なくともあなたよりは強いはずです!」

鋼牙はそれを鼻で笑うと冷静に言葉を返す。

「口だけじゃ何とでも言えるからな。全く説得力がない」

「じゃあ試して見ますか?」

すると鋼牙は後ろをゆっくり振り返った。

翔一の顔つきが真剣になっている。
今までのおちゃらけた雰囲気は一切ない。
独特のポーズをとると翔一の腰にベルトが現われる。
そしてゆっくりと右手を前に突き出た。

「変身!!」

そして翔一はベルトの両端にあるベルトを押した。
すると赤い複眼に金色の角のようなものが生えており胴体が金色で手足は黒い。
これが仮面ライダーアギトである。

「それがお前の姿か。行くぞ!」

鋼牙は頭上に剣を振り上げ、その先端で円を描いた。
空間に円形の裂け目が生まれ、向こう側から眩い黄金の光が差し込む。
鋼牙が相手を睨むように俯くと黄金の鎧が装着される。
そして目は鮮やかな緑色に光っている。
まるでその姿は金色の狼を髣髴とさせる。
ガロの咆哮が四方に響き渡る。
これが冴島鋼牙が変身する黄金騎士ガロの姿である。

ガロは魔戒剣から変化した黄金に満ちた牙狼剣を構えた。

その時、アギトが咄嗟に言い出した言葉はガロを呆れさせた。

「ちょっとタイム。剣を使うなんて卑怯ですよね?男なら正々堂々、拳でぶつかり合いましょう!」

「貴様、敵にも同じセリフを言うつもりか?」

「敵には言いませんがそもそも俺とあなたは敵同士じゃないし、どっちかというと悪を憎んでんだから味方同士でしょ?」

「クッ……いいだろう!屁理屈だけは一人前だな」

そう言うとガロは地面に剣を突き刺す。

「かかって来い」

「じゃあ行きますよぉ!」

この瞬間、ガロとアギトの力比べが始まった。


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.015058994293213