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[24155] 【ネタ】頭の中の引越し
Name: v&w◆480fbd7e ID:915498b1
Date: 2016/06/18 22:59
2010/11/10 17:07
とにかく推敲を無視した走り書きたち。
プロット無し。
続く限り続きます。
修正が多いんでテストで調整してました。

追記2010/11/27 00:37
我が名はシン・アスカが2万字を超えてた。
どうしてこうなった?
これは長編扱いにしてもいいのだろうかと迷い始める。

追記2010/12/16 23:29
感想で指摘されましたので板を移りました。

追記2010/12/23 12:59
タイトル名を『頭の中の引越し』から『我が名はシン・アスカ他』に変更

2010/12/31 21:19
我が名はシン・アスカ完結

2010/12/31 23:41
タイトルを『【ネタ・かきなぐり】我が名はシン・アスカ(完結)+他』から『【ネタ・完結】我が名はシン・アスカ+他』へ変更

2011/01/09
その他版へ我が名はシン・アスカの改訂版を掲載。こちらは比較のため残します。

同日
自分でも意味が解らなくなってきたので我が名はシン・アスカを削除。
タイトルも変えました。

2011/08/15
ひさしぶりの更新

2016/06/18
リハビリスタート。
ネタで脳汁があふれだす歓び



[24155] tips
Name: v&w◆480fbd7e ID:915498b1
Date: 2010/11/29 21:21
デスティニーインパルス
兄貴
ストライク
女装
柔道
ヒャッハー
熱血バカ。
日輪の輝きを恐れぬのならかかってこい!

劇的ビフォーアフター。



[24155] TS探偵なんちゃら(形成編)
Name: v&w◆480fbd7e ID:915498b1
Date: 2010/11/11 23:37
モテたい。
誰もが一度は願ったことはないだろうか。

異性から持ち上げられ悪を善としてくれる。
あらゆる場所と機会においてモテるということは一つの能力ともいえる。

これは万人の願いを叶えられることを可能としてしまった一人の物語である。


都内某所。
名前だけなら一等地の場所。だが実際はギリギリ3等地レベルの場所に立つビルに看板は掲げられていた。

<探偵事務所>

ご時世のおかげか人探しから浮気調査まで多岐にわたり以来に事欠かなくなった。
一攫千金は無理でも食っているけるだけのことはできる。
そんな甘い考えを実行し運良く起動に乗った一人の男がそこにいた。
事務所と名をうっているものの実際の従業員は男一人である。
なにせ人件費を払えば赤字に転落するかもしれない程度の稼ぎしかないのだ。
夕方だというのに窓際の照明だけを付け薄暗い室内。
ソファーに腰かけてインスタントコーヒーと安い茶菓子に舌鼓を打って男は満足だった。

先月の依頼はふんだくったおかげであと2ヶ月は静かに暮らせる。
道楽家業で選んだ生き方。楽しければどうでもいい。

世の中をなめている考えである。
けれども男は能力はある。
最低でもそこそここなすだけの技量と度胸は兼ね備えているのだ。
が、彼の兄たちは才能に溢れていた。
普通は男の場合でも十分に優等生だと言えるのに兄たちは上をいった。いきすぎてしまったのだ。

あとは言うまでもない。

周りからの家族からの友達からの圧力に耐えきれず地方の大学に進学し今に至る。
男からしてみれば明日どうなるかもわからない現状のほうが不安がない実家より幸せだったというだけだった。

だから男は言い訳の聞く職業の一つとして探偵を選んだのだろう。

そんな世間から見ればダメ人間の男だが世の中捨てたものでもない。
大学時代に築きあげたコミュニティから仕事がちょくちょく入ってくるのだ。
ほとんどが依頼者の仕事の手伝いなり運転手なりというものばかり。探偵というよりもなんでも屋と片付けたほうが似合うほどの雑用っぷりだ。
繰り返しで申し訳なるが男はそういうほうが好みであり楽しいのでドンドン引き受けた。
体の良い雑用係と陰口を叩かれてるのは知ってたが気にしない男である。そのうち知り合いの知り合いへと口コミは広まり仕事をくれそうな相手にことかかなくなった。
つまりささやかな贅沢を出来る程度には稼げるようになったわけで。
それから男は後に尾を引かない程度に仕事を受けるようになった。

それが一息ついて帰り支度を始めた男の現在である。



さあ帰ろうかとドアノブに手をかけた瞬間だった。
旧式の電話が甲高く鳴り響く。
無駄に音だけはデカイ電話。
気分を害された男は出るか出ないか迷った。
外を見れば少し日が高い。
だから男は電話を取ることに決めた。
依頼を聞いて男は後悔する。


次の日の10時。事務所のドアが叩かれた。
どうぞ。声をかけると友人と見知らぬ男性が入ってきた。
冴えなさでは自分とどっこいの友人と比べ男性はオーラのようなものがあった。
さりげなく固めた装飾品が見るからに高そうなスーツと相まって爽やかな印象を与えてくる。それでいてキザったらしくないのが同じ男として悔しかった。

「はじめまして。どうぞおかけください」

にこやかに言い放つと用意してあったアイスコーヒーを机の上に並べる。数分ほどたち空気が僅かに緩んだのを感じ男は聞いた。

「今回の依頼内容を確認します。娘さんが不審な行動をしている。私は娘さんのことを1週間ほど調査しあなたに全て伝える。これでいいですね?」
「はい。間違いありません」
「渡辺さん彼は優秀です。心配いりませんよ」
「ありがとう佐藤さん」

男性、渡辺は演技がかった仕草で佐藤にお礼の言葉を伝えた。
すこしばかり癇に障るが飯の種である。無碍に扱えない。
朝一番に作り上げた契約書と料金を確認し滞りなく全てが終わると二人はさっさと帰った。
正直な話、追跡調査は嫌いだ。
それでも1週間で30万である。
ボッタクリか安すぎかは知ったことじゃない。
相手が了承したのだからいいのだ。
さっそく準備を始めるため男はスーパーに向かうのだった。



[24155] TS探偵なんちゃら(かきかけ1.4)
Name: v&w◆480fbd7e ID:915498b1
Date: 2010/11/23 14:07
これをするたびに男は人体の不思議を感じる。
世の中でも自分ひとりだけだと思う能力はSFやファンタジーより使い勝手が悪い。

けども探偵という家業の補助として頼りになる能力。
トランスセクシャルは今思えば天啓のように得難いものであり大好きなものになっていた。

クーラーと空気清浄機2台をフル稼働させた部屋の真ん中にベッドがあった。
見た目と造りが素っ気無い安物のベッド。
部屋にはそれだけしかなかった。
テレビも冷蔵庫も洗濯機も。

監禁部屋のような空間は一面の壁の上方にある小窓とひとつだけの扉が部屋と外をつないでいた。

腹をぽっこり膨らませ男がやってきた。
既に可動させた電化製品のおかげで快適な温度に保たれている。
ベッドの傍で衣服を全て脱ぎ捨て男はベッドに倒れこむ。
ボーッと遠くを見つめ焦点のあってない目。
ゆっくりと男の体から汗が流れ、勢いを増していく。
エアコンは全力で可動し空気清浄機も脱臭のために動く。

3時間がたった。
髪の毛の焦げた匂いが充満していた。
吐き気さえする部屋の中央。
ベッドのシーツはすっかり変色し使いものにならないほどだ。
しかし、そこに横たわっていたはずの男の姿がない。
正確に言えば男の代わりに少女が眠っていた。

全身汗まみれで寝苦しそうにしている。
黄金比のように見事なまでに均整のとれた体つきは見た目の年齢層の中でも群を抜いていると断言できる。

なにかに突き動かされたように跳ね起きる。
荒い呼吸を抑えるよう胸元に手をやり暫しそのままだった。
ある程度落ち着きを取り戻すと肩口までの髪に滴る汗をうっとうしそうに払いあげ裸のままシャワーへ向かった。




[24155] なのは×クウガ
Name: v&w◆480fbd7e ID:915498b1
Date: 2010/12/01 01:42
光に包まれた。
覚えているのはそこまで。




五代雄介が感覚を取り戻したのは雪の降る静かな街の真ん中だった。
まだふらつく足に喝を入れて立ち上がり周りを見渡す。
雪原での死闘。
そこで自分は戦い、決着をつけたのだと、思う。

とにかく体がだるい。
近くにあった新聞紙とダンボールで即席の寝床を作り体を丸めて―――意識は途絶えた。


五代雄介が再び目を覚ます切っ掛けになったのは雷鳴のような轟音によるものだ。
起き上がるとあまりの寒さに身震いした。
震える体は暖を取れと命令する。
抑えこんで路地裏から表通りを覗くと、誰もいない。

異常だ。
寝る前には確かにたくさんの人の気配を感じ取っていた。
なのに誰も、そう誰もいない?
慌てて街中に飛び出し、走る。


なんとか人を見つけた。
女の子が二人、地面に座り込み空をみあげている。
声をかけようとしたそのとき。

黒い閃光が二人を襲う。
慌てて返信しようとするが間に合わない。
それでも走る、走る!

二人の前に桃色の壁が立ちはだかった。
先の少女たちを同年代の茶色い髪をした少女だ。

わけがわからないが止めなくては。


「……超変身!」

掛け声が響く。
その場にいた誰もが声の主を探し、見つけた。

それは異形だった。
金の角に大きな二つの赤い目。
赤くみっちりとした胴体から生えた黒い手足。
そして腰にあるベルト。

それは唐突に少女たちの元へ近づいてく。
少女たちは恐怖にすくみ、一人が前に出る。
威嚇するように手に持っていた杖をそれに向けた。
それはゆっくりと手を前に出し、三人の横を素通りし先程の黒い光を受け止めていた場所より少し離れて止まった。


「離れて……」

一言つぶやくと突然だった。
あっという間に地面を走り黒い光を放った人物の元へ迫る。

人物、黒い翼を生やした女性は眉ひとつピクリとも動かさず自身の周りに球体を発生させ、それに放った。

それは手近にあった標識を無造作にへし折り握りしめる。
すると赤だった体が紫になり、見た目も変化した。
肉食動物のような肉体は重厚な鎧のようになり目も紫に。

球体はそれに命中した。
しかしそれは止まらない。

何度、何十、何百受けようがスピードは落とすものの止まらない。



[24155] 楔だった人
Name: v&w◆480fbd7e ID:915498b1
Date: 2011/04/18 23:06
街中が熱気に包まれていた。

訂正しよう、包み込んでいるのは狂気だ。
大人の誰もが血眼で口角から泡を飛ばしている。
子ども女も老人も犬畜生も、誰もかれも何もかもが一つの場所を目指して叫んでいた。

ひし形の城壁で囲まれた大型都市の真ん中に立つ三つの巨大な城郭。
中央の尖った屋根の先からは一筋の光が天へと立ち上る。
両脇にある二つには巨大でなにやら複雑な模様が書きこまれた幕がかけられている。

上空から見た三つの塔の真ん中は小さな広場がある。
芝生が整えられ、小さな木々と沼が美しい場所で一人の男が磔にされていた。

両手足は見るからに頑丈そうな大小のたくさんの鎖でガチガチに固められ、頭など白と赤黒い包帯でぐるぐる巻きだ。




[24155] 少年はそうして大人になった。
Name: v&w◆480fbd7e ID:0bde93d4
Date: 2011/08/22 02:26
狭い空間は十分に空調がきいている。
常に搭乗者の体調は本部に送られモニタリングも可能だ。
仮に血反吐を吐いたとしても直ちに救急隊が駆けつけ迅速で完璧な治療をしてくれる手はずになっている。

やたらひっかかる右人差し指。
くらくらする視界。

もどかしさを感じつつ、けれど彼はやめることはない。

誰にも譲ることはできない理由が生まれてしまって。
だから彼はトリガーを引いた。







野口実、彼は泣いていた。
どうしようもなく涙が溢れて止まらない。
幸い、早く帰ってきたおかげで家には両親も妹もいなかった。
漏れる声はただただ悲しみに彩られている。

彼がなく理由は簡単だ。

失恋。

誰もが通る道。
漢字2文字で終わる言葉。

それなのにこれほど辛いものもないだろう。
なにせ好いている相手が幸せそうにキスするシーンを目撃した。
相手が自分の一番の友だちだったのも哭いている原因の一貫ではある。



泣き疲れ果て、目が覚めるとすでに時間は6時を回っていた。
外は薄暗く明け方のようでもある。

実はのろのろと起き上がった。
ゾンビのような足取りで台所へたどり着くと流し台からコップを取り出し水道水を飲みだす。
頭の痛さも喉の渇きも洗い流すかのような勢いで3杯も飲み終わりひとごこちついた。

そうやって落ち着いくると実は自分が空腹なことに初めて気づいた。
冷蔵庫を開けてみるが目ぼしいものはなく、仕方ないのでスーパーで適当にパンでも買うことにした。

そうと決めると顔を洗い、薄い財布をポケットに詰めて商店街へと足を向けた。



すっかり暗くなった道。
味気のない安売りしてた菓子パンをお茶で流し込み実は一息ついた気がした。
まだ心のなかの虚無感と苛立ちが混じった感情はくすぶり続けている。
けど眠るまで泣き続けたおかげで気持ちは多少はスッキリさせられていた。



鬱屈する気持ちも少しは萎えてきた。
ただ、誰かと顔を合わせるのは嫌だった。
幸いにも財布の中身は余裕がある。
と、待ってましたとばかりに自己主張しているゲームセンターが目に入ってきた。
輝くネオンが腫れぼったい目に痛む。



[24155] ≒25億4千万
Name: v&w◆480fbd7e ID:915498b1
Date: 2011/11/26 21:04
あなたが力を使うときは気を付けない。
使い方を間違ってはいけません。


世界中で怪物が暴れ始め、早いもので20年余りが過ぎていた。
大都市と呼べる場所に現れる怪物たちは多種多様の姿で人を襲い、操り、ときには同族にしてしまう。

アメリカ一個師団でやっと1匹を仕留めることが出来た。
豊富な武器弾薬を雨あられと使用してである。
主要な戦力の展開が遅い国では多くの被害が出た。

初めて怪物が日本を襲った火、死者200人を超える大惨事だった。
防衛大臣、首相、関連部署の連携が遅いため厚木基地近くであったにも関わらず部隊の展開が遅れたためだった。

金網越しに殺戮されていく人を支援できなかった自衛官の50人以上がPTSDのため暫くの通院が必要だった。


これを受け当時の内閣は総辞職。
責任の重さから与党と野党が政権を結び憲法改正に翻弄した。
わずか2ヶ月で警察の装備を大幅に強化。
並びに自衛隊への予算も前年度の3倍近くまで跳ね上がった。

悲劇の7月14日からわずか3ヶ月の9月12日。2体目の怪物が出現。またもや厚木基地近辺。

通報から1時間後、怪物は完膚なきまで殲滅された。
狙撃手50名の交代制によるライフルの一斉射撃と5発の対戦車ミサイルの直撃での結果だった。


怪物たちは現れ続ける。
現代兵器の効果がゆっくりと薄れ続けていき、じわりじわりと出血を強いられる世界中の軍隊。
このままでは核の使用を。

世界中の人々がそこまで思い立った日のことだった。

突如、世界中の怪物に相対する者が現れた。

全身を更迭の鎧に包んだ、目元だけ、あるいは顔を全て隠した人型たち。

そんな人たちが怪物を一蹴していく。
彼らの拳はライフル弾を弾く怪物の装甲をたやすく砕く。
彼らの蹴りは戦車すら止める怪物のの体を数百メートル飛ばす。
彼らの目は暗闇の中、高速で移動する怪物を捉える。
彼らの足はビル間をバッタのように渡っていく。

誰かを救い、無言で立ち去っていく彼ら。
人々は畏怖と敬意を込めてこういった。

英雄たちと。



目的もなく暴れていた怪物を統率する者たちが現れた。
組織的な行動を取る敵に英雄たちは次第に押され始める。
対抗するため彼らも共同戦線を貼り始め、事態はまたもや均衡する。

現れては消える怪人と英雄たち。
戦いにより破壊される物と人。

そんな日々が当たり前になったころのお話。



『本日、北区3丁目に怪人警報が発令されました。区画内の住人の方々は速やかに避難して下さい。繰り返します。本日……』

――― 今月は多いな
――― いまは怪人が増えやすい年なんだっけ?
――― こっちでやれよ。そうしたら学校休みなのに。

声が聞こえる。
俺のまわりからたくさんの声が聞こえてくる。

遠くじゃサイレンの音が響いてくる。だというのにちょっと離れると誰も何もなかった。


誰もが当たり前の光景として、日常のヒトコマの形に見送った内容は、当事者になればわかるのだが、悲惨で無残で地獄なのだ。
現場では警察官や武装隊がパトカーを壁に必死になって銃弾を打ち込んでいるだろう。
崩れた建物や車に取り残された、恐怖で動けない人を助けるために誰かがめまぐるしく動いているだろう。
運悪く怪人の出現地帯の近くにいた人は死んでいるかもしれないし、イルカが仲間をリンチようになぶられ続けているかもしれない。



[24155] ネタ 「ご指名ありがとうございます、キラ・ヒビキです」
Name: v&w◆480fbd7e ID:1d8eb060
Date: 2012/04/19 23:34
コロニーと呼ばれる建物がある。
数億の人を収容できるほど巨大なソレは宇宙の海に浮かび、せわしなくコマのように回転したりする。

人が集まれば経済が周る。
貧富の差も生まれるのだが、金持ちだろうが貧乏だろうが欲望の形は似ているものだ。

おいしいものを食べたい、長生きしたい、性欲を満たしたい。

美形に囲まれてチヤホヤされたい。

これは自らの容姿を武器に生活する一人の若者の物語である。



繰り返すがヘリオポリスはコロニーである。
しかも中立という珍しい部類の。

世ではコーディネーターとナチュラルに人類を二分して戦争しまくっている。
当たり前だがどちらかの陣営についたほうが旨みというものがありやすい。
だというのにこのコロニーは頑なに「絶対に中立バンザーイ!」という姿勢を崩さない。
おかげでこの世界では稀有な戦争している人種が争わないで暮らせるコロニーとなっていた。

これだけ聞くならいいことのようだが、世の中うまく行かないもの。
どこかでコーディネーターはナチュラルを見下して商品を得らなかったり入店を拒否したりする。
こうなるとナチュラルも地球産の新鮮な食材をナチュラル中心に分配しよとしたり。

なんとか管理してるオーブのおかげでイザコザで終わらせている現状だ。
また、職にあぶれた連中がスラムもどきを作ったり風俗街を仕切りだしている。
スラムはともかく、風俗は形だけの検査で終わらせていた。
不思議な事に風俗街が仕切られてからというもの、犯罪率が右肩下がり。

そうすると手頃なホストやホステスも現れだして、コロニーの寂れ果てた一角は不夜城へと進化していった。

その不夜城の一部である店舗「スーパーストライク」。
頭の悪そうな名前の店舗だが人気は高い。
理由はーーー。

「また来てくれたんだね、とっても嬉しいよ」
「キラちゃん! 約束通り迎えてくれたのね♪」

スーパーホストであるキラ・ヒビキがいるからである。

どこか虚ろな目でミカさん(42)をお姫様の如くやさしく相手する彼を他の店員は「パネェっす」と尊敬の眼差しで見つめていた。
開店時間にやってきた彼女は素晴らしい金づ、もとい金k、ではなくお得意様でキラの容姿・声・知性のメロメロ(笑)にメロメロなのである。
事情のためなかなか店にれ来ないキラとの逢瀬を楽しみにしているのだ。
やっときたこの日のために塗りたくった化粧の匂いと香水を振りまきながらキラに彼女のごとくよりかかる。

「前のキラちゃんに言われたとおり、運用先を変えといて正解だったわ~。おかげで損しなかったのよ~。ウフ」
「HAHA、素人の僕の考えを信じてくれたミカさんに神様が答えてくれたんですよ」
「そうかしら?」
「もちろん、僕も信じていましたよ。ミカさんが僕を信じてくれるって」
「―――キラちゃん!」

感極まって抱きついてくるミカ(バツイチ)を優しく抱擁するキラ。

めっちゃ目が死んでる。

超絶イケメンは目が死んでいてもイケメンのようだ。



さて、実は学生の彼がどうしてこのような職についているか説明しよう。
両親とともにヘリオポリスに移住してきたキラ。
仕事の都合上ということでいきなり一人暮らしを命じられた。

これ幸いにと自由を満喫しようと考え、さっそく趣味に走ろうとしたのだが。
その彼の趣味の一つであるパソコンを始めとする電子機械類の購入がきっかけとなる。

しつこく説明するが、宇宙の島であるヘリオポリスは流通に順序がる。
どうしても生活必需品が優先であるため、趣味類の中身は少ない。
あのブラックキャット運送会社ですらなかなか届けに来てくれないのだ。
個人で購入することもできなくないが、送料がべらぼうに高い。

最新機器を手に入れるためにキラはバイトを探した。
だが、学生の身分でできるバイトは少ないし、競争率も高い。
黄昏てベンチに座るキラを偶然見つけたのが、今の店長であるオン・ナスキーさんであった。

『ちょっと人の話を聞いてお酒や食べ物を運ぶバイトだよ。ちょっとやってみない?』
『場所が遠くないですか? それともう少し具体的な内『時給はこれくらい』やらせていただきます』

もっと中身を知るべきだった。

契約書にサインし、中身を確認したキラはその夜、枕を濡らした。

期間は最低半年とあった。
違約した場合の支払いなんてできるわけないし、親にバレたら勘当ものである。

はじめは先輩方からの教育と言う名のイビリがまっていたが、持ち前の忍耐力でイラつく相手を一人ひとり片付けていき、今ではすっかり平和だ。
後輩や同僚も親切にしてくれるのでノウハウを教えるキラとしても密かに楽しいとか思っちゃったりしてる。

実際、キラは温和で教えを請うてもきちんと筋道をたてて教えてくれるから中退した人たちがこっそり勉強を習ってるくらいである。
ちなみにキラの勉強への熱意は今後、同じような目にあったとしても騙されず、騙されても結果を覆せるだけの力が欲しいという願いから生まれている。


3時間ほどべったりとミカ(おととい誕生日)を能面のような笑顔で見送ると、一目散にシャワー室に飛び込む。
手慣れた様子でブランド物のスーツからラフな格好と早変わりしカバンを担ぐ。
片付けをしてる仲間に挨拶もそこそこに早朝の道に飛び出す。
途中のコンビニで弁当と飲み物を買い近くアパートで朝食を食べ、歯磨きして就寝。
ねぼけ頭を覚醒させるシャワーを浴び、身だしなみと部屋の掃除を終え、学校へと向かう。

キラ・ヒビキもといキラ・ヤマトのバイトの日の生活はこんなものであった。


学校の気の合う仲間たちと笑い、喧嘩する日常。
ホストという世間から冷たい目で見られる職業に内緒で働いているキラにとって、学校はやすらぎの場である。


しかし日常は突然壊されることになる。





[24155] 立ち向かう人/00:始まり
Name: v&w◆480fbd7e ID:1d8eb060
Date: 2012/04/22 01:40
「どうか、どうかとどいてくれ」

満身創痍の男は落ちてくる星を見上げながら願った。
こうなる結果は知らされていて、そのための時間もあったのに気づくことはできなかった。
漫画でしか見たことのない血反吐を吐き、両足にどれだけ力を込めても立ち上がれない。

周囲には累々と瓦礫になったビルやアスファルト、くず鉄になった車両に重機が散々に果てなく広がって。
道があった場所にはちらほらと人肌と服のが乱れて重なりあいつまれていた。

もはや世界で生かされているのは自分だけである。
四肢を子鹿の如く必死に震わせ、なんとか立ち上がる。が、すぐ近くにある崩れたブロック塀に腰掛けてしまった。
目を開けるのも億劫だが最後に止めをさす相手を心の臓が続く限り目に焼き付けようと空を見上げた。

立ち向かった。必死になって死に物狂いで。
仲間をティッシュのように使い捨てて抗い続けて。
ようやくたどり着いた。仲間は残り少ない。
気に食わない相手からの力も借り受けて戻れないところまで自身も改造した。

……ついに奴を仕留めたぞ。凱旋だ。
嗚呼。清々しい気分だ。
遠くに見えるのは俺が惚れた女。
ひと目も憚らず近寄ってきて、俺も思わずかけ出して。
二人は衆人たちの祝福を受けて抱きあうのさ。

「―――三流小説のハッピーエンドでしたってか。やべ、寝てたわ」

夢のような光景は所詮夢だった。
好意を抱いていた相手は最初の戦闘際、避難が間に合わず余波に巻き込まれてあっさり死んだらしい。
葬式で見た遺族たちと彼氏らしき男の悔しくてたまらないという泣き顔が頭に焼き付いた。
浮かれ気分だった自分に冷水を浴びせられた気分だった。
しばらくの間、遮二無二になって戦っていたらしい話を仲間から聞いた。
記憶はなかった。

「俺ぁ、勝てなかったなぁ。ヒーローさんよぉ」

恋愛でも行動でも。
件の彼氏は大学を中退し、戦うための力をつけ超人的な活躍をし、最後の戦いのための道を切り開いてくれた。
すべてが終わり迎えに行けば右腕だけが転がっていた。
固く握られた拳の中の女物のペンダントはひしゃげ開けることができなくなっていた。

「悔しい、な。見てろよ、お前が羨ましがる、ほどの美人を嫁にし、てやるからな」

うつろな眼差しは敵でなく別の何かを確かに捉えていたように思う。


一つの命は終わった。



[24155] リハビリ)絶対に提督に負けたりしないんだから!
Name: v&w◆480fbd7e ID:04af6918
Date: 2016/06/22 20:08
目の前の書類を睨む。

自宅に郵送された小説のように分厚い解説書を綺麗にまとめたかのような文章だった。

手元の解説書と比較しすでに1時間が過ぎていた。

カラカラに乾いた喉とじっとり湿ったシャツが彼に自身が緊張しているのだと教えてくれた。


書類の内容は、小難しい説明が随所に散りばめられているが、一言に集約できる。

『提督になりませんか?』

これだけだ。

書類の内容が嘘でなければ長くて3年で退役できるとある。

いや、嘘ではないと彼はわかっていた。

事実、周りに居た友の幾人が【提督】という存在へなったと教えてもらっている。

才能による特殊な職業のため成り手は少ない。宝くじの1等をひくくらいの運がいる。が、効果は絶大であり才能が確実にあるとお墨付きをもらえれば当人への日常生活へありとあらゆる支援が行われる。

だからこそいろんな人達にとって花型の職業である【提督】は羨望と妬みを一心に受けるプラチナチケットなのだ。


普通の人なら才能があるとわかった時点で喜んで軍へ連絡し受け入れてもらえるのだが。


彼が躊躇するのに理由があった。


それは大学2回生のバレンタインの日のこと。

「リア充氏すべし、慈悲はない」の聖句を彼と唱えていた友が提督になると教えてくれた。


「不安だけどさ、がんばるよ。たまには連絡する」

これっぽっちも不安な顔を見せない友が目の前で嬉しそうに笑顔でいる、
友人の隣には控えめに行っても美少女が寄り添う。
どうやら美少女と一緒に提督として戦うと決めたそうだ。
大学は軍が管理する別の大学へ転籍するので最終学歴は大卒は維持できる。
学費も安くなり仕事の成果によっては報酬ももらえる。

いたれりつくせりである。

彼は必死に激情で震える両コブシを抑え、笑顔を作り、友人として言葉を贈る。

「月のない夜は覚悟しとけ」(おめでとう! よかったなぁ)




家へ帰り、枕に顔を埋めて彼は泣いた。


---彼はミ○ドでおかわりしたコーヒーを飲みながら回想するのだ。




しばらく後、憎しみと哀しみと敗北感が浄化されることを知った。


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