<25>
ふ、ウフフフ。天罰の精霊さんったらお茶目なんだから♪
危うく……危うく死ぬところだっただろオオオオ!?
この精霊は何度僕を死にかけにすれば気がすむの!?
武器を掲げていたらダメとか、使用上の注意がありすぎるよ!
ちなみに、「天罰招来」、「祈り」、ともに精霊さんと会話が出来るわけではないようだ。
こっちが願い、あっちが答える。
基本的に、言って帰ってくるだけで終了だ。
文句なんか聞いてないんだろうなぁ……
ギチギチギチ!
お、ヤオザミが再起動したみたいだ。
そりゃあ行き成り自分に雷を落とす奴なんて「少し様子見るか」ってなるよね。
しかしヤオザミはもうこちらの行動は虚仮脅しと見切った! とばかりに攻撃してくるようだ。
シャカシャカと足を動かし、弓なりの軌跡を描いて詰め寄ってくるヤオザミ。
いくら痺れていると言っても、この程度避けれないほどではないんだよ!
サッと避けると、ヤオザミは地面を鋏で穿っていた。
敏捷高くなったから分かるけど、こいつの動きってとても直線的だよね。しかも振り向きとか極端に遅いし。
付け込む隙はたくさんあるな。
流石不器用モンスター。
という訳で、
「てい!」
ザクーン! とヤドを攻撃する。
ビーナスオブキャットの切れ味が凄いのか、僕の筋力が大きいのか、ヤドは一発で砕けた。
「ギィ!?」
そしてそのまま返す刃で弱点部位であろうコブをズバーンと攻撃。
「ギィイイイイ………」
ヤオザミはあっさり崩れ落ちる。
こんなに弱いのか……
≪魔物を撃退したことにより、経験値を10取得しました。≫
前倒した時と比べて、4分の一の経験値になっている。
こっちのレベルが高くなるたびに2分の一になってるのかな?
ブランゴ戦とか思い出しても、正しいような気がする。
これってレベル上げるには上のレベルの敵を倒すのが手っ取り早いってことだよね。
まぁその分だけ強いんだから、手っ取り早く行くかは分からないけど。
ところで、ヤオザミの死体の後には、今度は鋏(ハサミ)と金貨が残された。
鋏は50センチほどの腕も付いている。
あ、そうだ。
金貨はもう観察できるかも。
「観察眼」Lv5、発動!
と言っても手にとってよく見てるだけなんだけど。
≪対象の情報を取得することに成功しました。
【神金貨】:神様のダンジョンの中だけで使える、女神の顔を浮き彫りにした美しい金貨。持っておくと役に立つ。純金製。≫
ほほぅ。
集めておいて、損は無いってことだね?
純金製って、集めて現世に持って帰ったら左団扇で暮らせそうだ。
まぁ現世で暮らせるわけでもないから意味のない仮定だけど。
そして鋏。
持って行って武器に使ってもいいんだけど(その場合、鈍器扱い)、僕お腹空いてきてるんだよね。
この体ってエネルギー使うのか、やたらお腹が減るんだよね。
食べれるかな?
カニの鋏に拳落として割ってから、中にびっちり詰まっている身を取り出す。
薄茶色い身だ。
食欲がちょっぴり無くなるが、とりあえず一口。
うーむ。微妙。不味くはないかな。決して美味しいわけでもないけど。
でもまぁお腹は膨れるでしょう!
こんなに大きい(ハルマサの胴体くらいある)し。
ムシャームシャー! と食べてから、まだ少し湿っている服を着て、場所を移動することにした。
何時までも留まっているわけにはいかないんだ!
で、雪山に向けて、行軍を再開します。
サクサクと短い草原を踏み歩きながら、僕はこれからの敵について考える。
僕が今まで会った中で、一番強いのは(閻魔様除いて)恐らくイャンクックだ。
「観察眼」で名前を確認できるようになるのが、「観察眼」のレベルが対象のレベルマイナス2以上の時だということには気付いている。
詳しい情報が見れるのは、対象のレベルと同じ時だ。
という訳で、ヤオザミはレベル5。ランポスもレベル5。
ブランゴはレベル4で、ドスランポスやドスファンゴはレベル7。
イヤンクックは≪レベル7の「観察眼」もってこい≫って言われたから、レベル9だと予想できる。
レベルアップのシステムから、ドスランポスはランポスたちの4倍強い。
クック先生はなんと16倍。
実はクック先生がボスなのかな。あんなフラフラと飛び回ってたからそれはないか。
閻魔様は雑魚に比べて5レベル強いとおっしゃってたけど、どっちから5高いのか。
イャンクックからだと、もう絶望するしかないよ。
短期のクリアは諦めて、ドス系を狩りまくるしかないだろうね。
いずれにしても、これからの方針は、会うモンスター会うモンスター、倒して倒して倒しまくる!
これだね。
ボスに向かって少しでも自分を鍛えなきゃ。
殲滅者に、僕はなる!
という訳で「聞き耳」でモンスターを探索。強襲or待ち伏せ。殲滅!
出来る! 今、強くなった僕ならできる!
でもクック先生だけは勘弁な! 死んじゃうから!
と、その前に回復できるかな。
「祈り」を使ってみる。
(可愛らしい女神様! 回復していただけませんか!?)
【ふふ、貴様分かっておるのぅ! よかろう! 聞き届けてやる!】
女の子の声がとても上機嫌に答えてくれた。
【癒しよ、あれ!】
声と同時に、周りの草とかが一瞬にしてゴソッと枯れ果てて、僕の周囲はまるで放射能でも撒き散らされたみたいになった。
相変わらず自然に優しくない能力である。
【服の乾燥はサービスなのじゃ。】
(うぉおおおおお! 風が!)
ついでにまわりから風が吹き付けてきて、服が瞬く間に乾いていく。
この女の子多芸だなァ……。
≪――――――スキルの熟練度が180.0を越えました。レベルが上がりました。熟練に伴い精神力が上昇します。≫
なんかさっきより熟練度の上がり方が大きい。いや、減るよりはいいんだけど、不思議だな……。
そして精神力が500を越えてしまった。恐ろしい成長。
チートとかそういう次元を超えていない?
精神力を使う……魔法とかあったら威力高いだろうになぁ……
いや、待てよ! 精神力って集中力とかにも関係してるんじゃないだろうか。
集中しまくれば、思考が加速したりしないかな。
例えば……クロックアップとかかっこいいよね!
オメガトライブ読んでから憧れが半端なかったんだ。
なんか仮面ライダーも使える人がいるみたいだし!
超人的な精神力を持つ僕なら、出来てもおかしくないぜ!
正直何に集中すればいいか分からないけど、取りあえず叫んでみるよ!
「クロックア―――ップ!」
≪ポーン! 特技「加速」を使うには、耐久力が159,748足りません。持久力が159,698足りません。精神力が159,447足りません。スキル「風操作」Lv15「雷操作」Lv15を習得する必要があります。≫
(絶対無理だ――――――ッ!)
前の時はこんな露骨な言い方ではなかった。
「全然足りない」。そう言ってくれていたはずだ。だが今回の露骨な発言。
きっとシステムはこう言いたいのだろう。精神力500くらいで調子のんな、と。
マジでごめんなさい。
しかし、あと15万以上必要って、凄いな!
いつかそんなに高くなるのかな! 僕のステータス!
あと、やっぱり空気抵抗とかあるんだろうね。「風操作」がいるみたいだ。でも、レベル15って……。
これもまた最近分かったんだけど、スキルレベルって、僕の体自体のレベルと同じように、レベルが一つ上がると、レベルアップに必要な熟練度(経験値)が2倍になるんだよね。
すなわちレベル15ってすごく時間がかかると思われるわけですよ。数値とか計算したくないくらい。
「風操作」Lv1すら習得できていない僕には遠い話しすぎて、鬼が笑うどころか屁で茶が沸くよ。あ、違うヘソだ。
仕方ない、今はおいておこう。
取りあえず、今は目の前に出てきたモンスターを倒すだけだ!
むむッ! あっちにモンスターの、ランポスの反応ハケーン!
早速殲滅任務に移ります!
ハルマサは調子に乗りまくりながらモンスターの群れへと走った。
<つづけ>
レベル:6
耐久力:252
持久力:302
魔力 :178
筋力 :337→338
敏捷 :479
器用さ:217
精神力:453→554
経験値:338 あと300
スキル
両手剣術Lv4:87 →88
祈りLv5 :80 →180 ……Level up!
戦術思考Lv4:69 →70 ……Level up!
観察眼Lv5 :161→163
<26>
次のレベルアップに必要な経験値は、300。
ランポスを倒して得られる経験値は、10。
30匹も何処にいるんだよ!と色々噴出しそうになった僕だったが、聞き耳の範囲(半径2キロくらい)に20匹は居るんだし、しかもリポップするであろうことを考えると、それほど悲観することでもなかった。
まぁ、モスみたいな速度でリポップすることはないだろうけど(あれは恐らく悪辣な罠だ)、少し待てばわらわら湧いてくるでしょ。
別に雪山に進んでもいいしね。
と、楽観しつつ、僕はランポスを狩っていた。
最早作業になりつつある。
モンハンでもランポス20匹討伐とかあったなァ……あれは面倒くさかった……
今? 今はどちらかと言うと爽快です。僕TUEEEE状態だからね。
「はッ!」
「ギャバア!」
体を切断することはまだ出来ず、弾き飛ばすようにランポスを切り捨てる。
返り血を浴びない倒し方すらマスターしつつあるハルマサである。
後ろに下がりつつ横薙ぎに振るとか、突きとか、「太刀」の技なんかを有効に使い、次々とランポスを屠っていく。
突きの時は特技が発動して、ランポスが酷いことになった。
プリンにフォーク刺すぐらいの感蝕しか感じなかった割に、大剣は硬いランポスの鱗を切断し、幅広の大剣だからランポスは真っ二つ。
貫通属性って馬鹿にできないと強く感じた。
でも、いつかこんな特技に頼らず通り過ぎた後で、モンスターの上半身と下半身がズルリとずれて、血が噴出す、とかかっこいい倒し方をしてみたいもんだね。
今は完全に力任せの戦い方だからまだまだ遠いけど。
でも、上手く斬ろうと努力すると、熟練度の上がりは少し早くなる。
もうちょっとで両手剣術の熟練度が100超えそうだよ。
ちなみに筋力が上がった今、崩拳を使ったら食らわせたランポスが何故かその場で上空に飛び上がってパーンってなりました。
横から殴ったのに意味不明。
物理学とか分からないから何ともいえないけど、リアル「キタネェ花火だぜ」になってしまい被害は甚大だった。
顔も体も血でベッタベタ。
なんで体は消えるのに、奴らの血糊は消えないんだろう。
神様がものぐさだから、というのに僕は一票だね。
ランポスの皮など、残った素材は使い道がないのでほとんど放置。
金貨のみしっかり確保する。
ポーチにはまだ余裕があるからいいけど、これ以上拾ったら溢れちゃう。
どうしようか。
最初に遭遇したランポスを速攻で撃破し、次の群れへと向けて移動している最中につらつらと考えにふけっていたハルマサは、不意に足を止めた。
(雪山の方から……なんか来る!)
「聞き耳」が拾うのは、大勢の獣の足音である。
ハルマサはこの足音に記憶があった。
「……そうか。リポップしたんだね。ブランゴが。」
ドドドドドドド――――――!
ブランゴたちは一心不乱に走っている。
一時期大幅に数を減らした獣たちは、一匹また一匹と何処からともなく姿を表し、瞬く間に50を越える大群となった。
ダンジョンのシステムがモンスター間のバランスが崩れると判断した結果、ブランゴたちはにわかに数が増えたのだ。
数が増えたブランゴたちは、わずかな時間でイノシシの群れに奪われていた雪山での支配権を取り返し、次に森丘へと繰り出してきたのだ。
ブランゴの群れの先頭には、一際大きな獣が走っている。
その姿は威風堂々。10メートルを越える巨体をしなやかに動かし群れを率いるモンスターは、ドドブランゴと呼ばれるブランゴの上位種だった。
白い体毛に包まれる体には、先ほど行われたドドファンゴとの死闘で傷を負っていたが驚異的な回復力で流血は既に治まりつつある。
ドドブランゴは口元を彩る豊かなヒゲを震わせ、牙を剥いて走る。
獣は怒っていた。
傷つき、眠っている間に自分の眷属が大量に数を減らされたことを。そのため雪山の支配すら奪われかけた。
憎き敵は、密林にいる。
何故かこの地域を支配していた青い魔物が減っていることは、獣にとって幸運だった。
彼は全ての眷属を率い、森丘を通過しようとしていた。
――――――とかだったら、良いのになァ……)
樹の上に上り、「鷹の目」で明らかに怒りながら走っているドドブランゴを見つつ、ハルマサは一人ごちる。
あ、長々と妄想してすいませんでした。
そうだったら、このままやり過ごせるかなとか考えていただけで他意はないです。
ブランゴが50匹くらいで群れているのと、それをドドブランゴが率いているのは本当です。
ドドがケガをしているのも本当です。
ドドブランゴ大きいよね。
普通に強そうだし。「観察眼」だと……≪Lv8が必要です。≫……ですよねー。
………レベル10なの!?
勝てるかーッ!
ボスじゃない!? ねぇあいつボスじゃない!?
僕の(だいたい)16倍強いボスじゃない!?
ていうかあいつがボスじゃなかったら、僕は……!
僕が戸惑っているうちに、ブランゴの群れはすぐ近くまでやってきている。
僕は動けない。逃げる機を逃したともいえるが、何より「穏行術」が発動し始めたので、そのまま隠れることにしたのだ。
何故なら、今居る場所は大樹の上、地上12メートルくらい。
ドドブランゴが腕を振り上げたら余裕で攻撃されるが、比較的安全でしかも敵に近いというこれから行うステルス作戦には欠かせない場所なのだ。
そして安全な場所にいる僕は願う。
(ドドブランゴに天罰いっちゃってー!)
そう、これぞ鉄板のステルスアタック!
敵はこっちの姿が見えないのに、こっちは好き勝手攻撃し放題という素晴らしい戦法なのだ!!!!
ちなみに願いを捧げたのは五回目である。精霊さんは四回連続で拒否ってくれた。
早くしないと群れがここを通り過ぎちゃうんだけど。
だが今回こそは―――
【いぃいいいだろぉおおおおおお!】
(よしキタ!)
野太い声が諾の返事を返してくれる。
【天罰ぅ、てきめぇえええええええん!】
なんか掛け声変わってるけど、何でもいいからやっちゃって!
ヒィィィィン――――――どぶぉおおおおッ!!
(あれ? 火の玉!?)
なぜか天から高速で炎の塊が落下して、ブランゴを直撃した。ドドブランゴではなくその後ろのブランゴにである。
「グぉあああああああ!」
「ガゥ!?」
「グぉ!?」
(ちょ、外れてません!?)
【ぬぅううう! すばしっこいのぅううう!】
今そんなに早く動いていないでしょう……。天罰なのに誤爆が多すぎると思うんだ。
……あ、でもめっちゃ効いてる。他の奴にも飛び火してるし。さらに群れは先頭に火の玉が落ちたことで、団子になってるし。
でも、後数秒天罰が発動するの遅かったら、ブランゴたちがこの木の下に来ていて、僕も確実に火達磨だよね?
そういうのってどうなの!? 毎回スキルに殺されそうになる僕って何なの!?
悲しむハルマサはさておき、「天罰」の効果は劇的だった。
着弾直後に、榴弾のように四方八方に炎を撒き散らしたのだ。
中心にいたブランゴは火達磨になり、カチカチ山状態になったブランゴは多数。
弱点属性であった火属性の攻撃であったことも大きいだろう。
ちなみにケツに火が飛んだドドブランゴは、驚異的な身のこなしで回避した。
やはり直接狙わないと難しそうだ。
と、そこでファンファーレ。
≪「天罰招来」スキルの発動に成功しました。熟練度が122.0を越えました。熟練に伴い魔力にボーナスが付きます。≫
よし、こうやって魔力が回復するから、「天罰」スキルって使い放題で本当にチート!
ちなみに消費魔力は発動成功時に10。
成功すればするほど、ドンドン魔力が増えていくというチートなスキルだよ!
(とにかくまだまだァ! さらに天罰を!)
【ことわるぅううううううう!】
(ちょ、空気読んで!? ドドブランゴに天罰をぉおおお!)
【こォォとォォわァァるゥううううう!】
(うわぁムカつく言い回し! そういうのいいから、ホントお願いしまぁあす! ドドブランゴに雷をぉおおおお!)
【………。いぃいいだろおおおおおおおお! お主の願い聞き届けたりぃいいいいいい!】
ゴロゴロゴロ……
(え、なに? 雲!?)
やっと聞いてもらえたと喜んでいたハルマサだったが、にわかに曇り始めた空に驚く。
遠くからすべるように雲が集まり、一気に天は曇り空へ。
雲間に眩い雷光が集まり、ついに天罰が下される。
【死ねぇええええええええええええええ!】
(死ねってw ……ってすげぇ嫌な予感がする――――――トーゥッ!)
ビシャアアアアアアアアアアン! バリバリバリバリッ!
天罰は下った。
その威力は絶大。
天地を繋いだ黄色い閃光は、対象を一瞬にして焼き尽くす。
対象になったのはこの辺りで一番高かった―――つまりハルマサが潜んでいた―――大樹だったが。
【ぬぅうううう、避雷針があったかぁあああああ! ざぁんねんじゃあああああ!】
(う、嘘つけぇええええ! 声が若干満足そうなんだよぉおおおおお!)
間一髪、空中へ飛び出したハルマサはまさにファインプレーだった。
危険察知能力がスキルとは別に成長しているのかもしれない。
穏行は解け、雷を受けた大木を背景にハリウッドダイブする姿はすごく目立ったが、攻撃を余波だけしか食らわなかったのは大きい。
ただし、今回の天罰の威力は馬鹿みたいに高く、余波だけでハルマサは死にそうになっていた。
そして、当然だが、ハルマサの姿は、最強の敵ドドブランゴにも丸見えになっているのだ。
ハルマサは今、最強の敵と向き合うこととなった。
耐久力が2の状態で。
<つづく>
今回はステなし。
代わりにドドブランゴの。
レベル:10
耐久力:12192
持久力:3217
魔力 :1288
筋力 :6721
敏捷 :3030
器用さ:2963
精神力:3801
攻撃パターン
咆哮
かがやくいき(?)
岩投げ
突進
眷属召喚
<27>
花は桜木、人は武士。
未練のない潔さこそが最上であるという格言である。
しかし、ハルマサはそうは思わない。
例え死んでしまうとしても、最後の最後まで足掻いてやる!
泥を啜ろうとも生き残り、一秒でも早く現世に戻ってエ○本を処分してやる!
ぶっちゃけ死んでも○ロ本処理が遅れるだけって言っちゃダメだよ!? 頑張る気が薄れちゃうからね!
「グゥオオオオオオオオオオオ!」
ヒゲをワサワサ震わせながら、ドドブランゴはこちらを威嚇する。
正直、かなり恐ろしい。
目の前にしてみると、その威風堂々たる大きさと威圧感に心胆から震え上がるようだ。
白い毛を汚す赤い血が、歴戦の勇士を連想させる。
まさに戦士。まさに王。
その威容に比べて僕はどうか。
威厳なんてかけらもない。
精神も体も借り物の力で強化された、システムにおんぶ抱っこのくだらない人間!
でも、今ハルマサは蹲っていない。
借り物の力とは言え、彼はそれを用い、死線を潜り抜けてきたのだ。
その力は既に彼の物となりつつある。
(だから、恐れるな! 立ち向かうんだ!)
歯の根の合わない奥歯を噛み締め、ハルマサはビーナスオブキャットを握る。
耐久力は2。
例え攻撃を避けても、ドドブランゴが攻撃した地面から弾き飛ばされた飛礫ですら、ハルマサにとっては致命打になりうる。
まさに絶体絶命だった。
だが、ハルマサの中で、唸りを上げつつ変わるものもある。
スキルの熟練度が、上がるのだ。
≪「天罰招来」スキルの発動に成功しまし―――(略)―――魔力にボーナスが付きます。≫
≪「姿勢制御」の熟練度が――――――
≪「跳躍術」の熟練度が――――――
≪「撹乱術」の熟練度が――――――
持久力が、魔力が、敏捷が、器用さが上昇し、
≪雷属性の攻撃を、一定量以上受けたことにより、スキル「雷操作」を習得しました。「雷操作」の熟練度が218.0を越えました。レベルが上がりました。熟練に伴い器用さにボーナスが付きます。≫
新しいスキルが―――――――
(って、操作系スキルこうやって手に入れるんか―――――――い!)
まさか属性攻撃を受けることだったなんて。
というか218て。
なに? そんなにドドブランゴが脅威なの? それともさっきギリギリ避けた雷の威力が半端なかったって言うの!?
それに「器用さ」って僕のステータスの中で一番低い数値だったのに、アホみたいに上がってない!?
いや、嬉しいんだけどさ!
それよりどうする? この状況で僕に何ができる!? 生き残るために、何が!
ドドブランゴの後ろには未だ火に苦しむブランゴや、雷の衝撃に距離をとっているブランゴ、こいつらは無視していい!
目の前の王に集中しろ!
今目の前では、ドドブランゴが―――体を沈め―――地を蹴り―――飛び掛ってきた!
その一連の動作、実に0.05秒(くらい。もっと短いかも)!
だめだ! 考えが浮かばな――――――
その時ハルマサの頭に電撃のようなものが走った。
一瞬に凝縮された映像の群れ。
それは走馬灯と呼ばれる物。生き残りの手段を記憶をさらうことで見つけ出す、人間の体の神秘。
最後の希望として、ある手段が浮かんだのは幸運以外の何物でもなかっただろう。
何しろ、行動をしていては間に合わない状況なのだから。
「グゥオオ――――!」
ドドブランゴの凶悪に尖った爪が、ハルマサに届こうとする一瞬前、ハルマサは願う。
天への祈りを―――敵を退ける力を!
(―――――――――――女神様ッ!!)
果たして。
【仕方ないのう。】
願いは届いた。
一瞬にして彼我の距離を詰めたドドブランゴの、凶悪な爪が振り切られる。
ハルマサの体に触れんとした爪は、その1cm前で生じた壁に阻まれ――――――壁ごとハルマサを弾き飛ばした。
ガキィイイイイイン!
爪と壁がぶつかり、硬質な音が響く。
ハルマサは地面と平行に後ろに吹っ飛び、雷が落ちてボロボロの大樹をへし折った。
大樹を突き破った後もさらに20メートルもの距離を転がったハルマサだが、体に傷はなかった。
(これは……シールド!?)
体がぼんやりと緑色の膜に包まれている。そしてハルマサの立っている地面は見る見る荒廃していく。
【ふん。植物が少なくて10秒しか持たんぞ。いいか、普通ならこんなことはせんのじゃぞ? 特別なんじゃからな!?】
(10秒……きついけど、助かります女神様!)
女神なる少女(顔は知らないが)のことがすごくいい女に思えて仕方がない!
ありがとう女神様! 戦いが終わったら祠を作るよ! 崇め奉るよ!
≪「祈り」スキルの発動に成功しました。熟練度が300.0を越えました。熟練度が150.0を越えたことによりレベルが上がります。熟練に伴い精神力にボーナスが付きます。≫
ぐ、と体に力を入れて、立ち上がる。いや飛び退く。
一瞬前まで居た場所に、轟音と共に岩が突き立つ。
破片が飛び散るのを咄嗟にビーナスで防御する。シールドで勝手に阻まれるが、「防御術」は上がった!
≪「姿勢制御」の熟練度が――――――
≪「撤退術」の熟練度が――――――
≪「跳躍術」の――――――
≪「撹乱術」の熟練―――
≪「防御術」の熟練が――――――レベルが上がり――――――
行動するたびに凄い勢いでスキルは上がる。
でもまるで勝てる気がしない!逃げるのだって無理だ! 動きが速過ぎる!
違う、単純なステータスで勝てるわけがないんだ!
考え方を変えろ! からめ手を考えるんだ!
姿を隠すとか――――――「穏行」だ!
ドドブランゴの意識をこっちから離れさせることが出来れば―――
(天罰を!)
【ことわるぅうううううう!】
「くッ!」
「グォアアアアアアアアア!」
またしても霞むような速度で、突撃してきた雪山の王に叩き飛ばされる。ガードすら間に合わない!
バキィイイイイイイン!
またシールドが金属音を響かせる。
サッカーボールのように吹っ飛んで、さらに転がる。
そうそう上手く行かないか! っていうかいい加減イラつくなあの精霊!
く、もう10秒か、シールドが……!
待てよ、この精霊が必ず天罰を落とす時はなかったか!?
例えば何だかやたらと僕に雷を落としたがって――――――そうか! 今なら!
(僕に雷の天罰を!)
【いいぃいだろぉおおおおおお!】
目の前で、ドドブランゴは息を大きく吸い――――――ゲームで知っている、これは雪を吐き出す前動作!?
数秒続くであろう攻撃はガードなんか確実に吹き飛ばし、必ず僕を殺すだろう。
「回避眼」に映る攻撃予知線、いや線じゃない、バカみたいに広い範囲の攻撃だ。
必死に横に跳ぶが、僕の敏捷で避けるなんて、出来るとも思わない。
だが、死の奔流が吐き出される一瞬前!
【お主の願い聞き届けたりぃいいいいいい!】
(間に合った――――――「雷操作」ぁッ!)
何度雷を受けたと思う! タイミングなんか知り尽くしているとも!
「雷操作」を使う。
そう思った僕の体は自然と腕を挙げ、指の先から熱を持つ透明な波動を放出する。
上空から瞬間的に降り注ぐ雷は、僕の体から流れ出る波動――――なんだこれは魔力か?―――に導かれ、僕に向かう途中で軌跡を変更し、一瞬にしてドドブランゴに到達する。
雷は雪山の王の動きを一挙動、止めることに成功した。
成功すると思っていたよ! 雷の痺れる感じは強烈だからね!
そうして稼いだ一瞬で、僕は何とか「回避眼」に示されていた攻撃予知戦を超える。
直後ドドブランゴから吐き出される、白の暴力。
まわりの空気が瞬時に冷え、草木が凍りつくような絶対零度の中、跳びながら僕は熟練度アップの音を聞く。
「姿勢制御」「跳躍術」「撤退術」「撹乱術」「戦術思考」「回避眼」「観察眼」「空間把握」etc……
スキルの熟練度がグイグイと上がる。
しかし、全然足りない! 今は、避け続けろ!
よく見るんだ! ドドブランゴがかすかに示す、投擲の前の腕の引きを、突進の前の重心の移動を! 「回避眼」を使いこなせ!
(僕に天罰をおとして! 今すぐに!)
【天罰ぅうううううう!】
雷操作――――――コツは掴んだ!
指先から流れる魔力が雪山の王へと黄色の奔流を運ぶ。
バチバチバチバチィ!
「グ、ゥウオオオオオオ!」
電撃が当たっても行動が止まるのはほんの一瞬。
こわばりをすぐにいなし、ドドブランゴは跳びかかってくる。
体の横を通りすぎる豪腕の一撃一撃が、掠っただけで僕を殺す威力を持つ。
しかし、僕は死んでない。
まだ生きている!
ハルマサはギリギリのところで、死地を生き抜く事が出来ているのだった。
≪「雷操作」が規定のレベルに達したことにより、スキル「魔力放出」Lv1を習得しました――――――
<続く>
<28>
死地の中で、ファンファーレがなる。
引っ切り無しに頭で述べられるナレーションの中で、僕の直感が一つのナレーションを拾い上げる。
≪「姿勢制御」の熟練度が310.0を超えました。レベルが上がりました。「姿勢制御」が規定のレベルに達したことにより、スキル「姿勢制御」はスキル「身体制御」に昇華します。熟練に伴い持久力、器用さにボーナスが付きます。昇華に伴い、器用さにボーナスが付きます。≫
――――――スキル「戦術思考」が言う。考えろ。冷静に、生き残る道を考えろ!
どこか引っかかったのだ。もちろんただの直感だ。だけどそれを無視するほど、僕には余裕がないんだ。
――――――考えろ!
「身体制御」自体は、体をより効率的に動かせるようになるという、こう言ってはなんだが、大したことの無いスキルだ。
では何に引っかかった? このスキルは、「姿勢制御」から昇華して――――――そう昇華!
レベル6にスキルを持っていけば、上位スキルがあるスキルは昇華する!
直後、さらにもう一つのスキルが昇華する。僕は考えながらも動き続けている。そうでなければ死んでいる。
≪スキル「跳躍術」はスキル「空中着地」に昇華しま――――――
空で着地できるスキル。
求めていたのは「空中着地」か? いや違う。避ける際の選択肢は増えたが、これでは状況を打開できない。
昇華させたいのは――――――そうだ、「穏行術」!
上位スキルは「暗殺術」だ!
姿を消したまま、移動できそうな雰囲気がプンプンするだろ!?
(だとすれば、どうにか相手の動きを止めたい! あ、やばッ! 雷を落としてくれ、僕に!)
【天罰ぅうううううう!】
(操作ァアアアア!)
バチィ!
ドドブランゴの猛攻はこちらが動かなければ、避けられない。しかも雷の痺れを利用した上でだ。
だが、雷で動きは一瞬止まる。
「穏行術」を昇華させるには……?
――――――足を止めて「天罰招来」と「雷操作」の連続使用。
これしか思いつかない。
「天罰招来」の熟練度アップのファンファーレがなる前に、魔力が切れるかもしれない。
雷に痺れながらも、ドドブランゴは僕を叩き潰すかもしれない。
だが、やらなくても、このままだとジリ貧だ。
こちらの持久力が切れるほうが早い!
行くぞ!
「僕に雷を落とせぇえええええええええええ!」
【いぃいいいいいいだろぉオオオオオ!!!!!】
足を止めて、手をドドブランゴに向けた僕に、巨大な獣は駆けてくる。
戦いの中、上昇した敏捷が何とか奴の足元には届いているようで姿を見失うことはないが、やはり疾い!
ここからが勝負、大博打だ!
「天罰招来!天罰招来! 招来!招来!招来!しょう、ライッ!」
【ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!】
「グ、ォ、オ、オ、オ、オ、オ、オ、オ、オ……!」
バチバチバチバチバチバチバチバチッ!
天から出でて、宙を滑り、視界を埋める黄金の輝き。
止まることのない電流は、ドドブランゴの毛を逆立てる。
その中で、ドドブランゴの腕は、脚は、体はガクンガクンと動き続ける。
表情は烈火の如く噴出す怒りに歪められている。
やがて、「穏行術」が発動。僕の体がすぅ……と透明になっていく。
次の瞬間、
≪チャラチャ―― ≪チャラチ―― ≪チャラ― ≪チャ― ≪チャ――― ≪チャラチャンチャ―― ≪チャラチャンチャンチャンチャラチャーン! 「穏行術」の熟練度が――――――
凄まじい速度で熟練度が上がりだす。ドスランポスの時と比べて数倍疾い上昇速度。
しかし間に合うか!? 僕は血を吐く思いで、必死に一つの言葉を繰り返す。
バカみたい? バカで結構! 生き残れればそれでいいッ!
「招来、招来、招来、招来招来招来招来招来招来招来招来招来ッ!」
「グ、オ、オ、オ、オ、オ、オ……!」
ドドブランゴは僕の位置を見失っていない!
ジリジリと詰め寄り、高く、12メートルも上に掲げられたその豪腕は、振り下ろせばもう僕の位置!
やがて限界はやってくる。
「―――――――しょうらぃいいいッ!」
≪ポーン! スキル「天罰招来」を使用するには魔力が――――――
「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
――――――魔力……切れ?
間に合わなかったのか!?
最後の足掻きとビーナスを掲げようとし――――――
ゴォ、と空を裂き、迫る死の豪腕。
だが、またもやその一瞬前。死を前にして、奇妙なほどにゆっくりとそのナレーションは流れた。
≪――――――スキル「穏行術」はスキル「暗殺術」に昇華――――――≫
≪スキル「暗殺術」が発動――――――スキル発動限界まで――――――残り18秒です。≫
――――――ッ!!
(うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!)
即座に後ろに向かって全力で跳ぶ。
間に合うわけがない、すぐに―――あいつの爪が―――――防御しろ!
――――――ガギャン!
ビーナスが、体の前に掲げていた唯一の盾が、剛爪の前に一瞬で砕け散る。
真っ二つに折れ、飛び散る黄金の飛沫。
ビーナスはその身を用い、黄金にも勝る一瞬を稼いでくれた。
腕を震わせる衝撃を「身体制御」で上手く吸収し、ビーナスを破壊することで少し速度の鈍った、振り下ろされる爪を蹴る。
そして僕は空中へと飛び上がる。
姿が見えない僕の行方を、爪に感じた反動で知ったのか、ドドブランゴは逆の腕を振り上げる。
怒涛の連撃。どうやったって僕の敏捷では避けれない。だが――――――
「天罰招来!」
【おぉおおおおおおおおお!】
ファンファーレが追いついた! 僕の魔力は回復している!
バチィ!
一瞬止まる腕、だが、またもやその一瞬で僕にとっては十分だった。
何故なら僕には、――――――「空中着地」がある!
僕は『空』を蹴り、斜め下へと急降下する。頭上で、豪腕が暴風を巻き起こす。
地面をへこませないよう軽やかに着地、次いで、すぐさま走り出す。
もちろんドドブランゴとは逆に!
(に、げ、ろォオオオオオオオオオ!)
僕は脱兎の如く、その場を去るのだった。
18秒。それは長く、そして酷く短い。
結局僕は密林まで逃げ切れなかった。
潜んだのは森丘フィールドの森の中だ。
だが、ドドブランゴの鼻や耳から逃れることは出来たらしい。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
よく、生きていた。
死んでも全然おかしくなかった。
スキルを限界まで行使し、何度も分の悪い賭けを打ち、その結果何とか生を拾った。
「はぁ……はぁ……。はは……今さら……はぁ……震えが……ははは。」
膝には力が抜けて力が入らない。
いや、全身から力が抜けていた。
もう、立つことなんかできそうにない。
「疲れちゃった……。」
少し、眠りたい。
その時ファンファーレが鳴る。
今さら何? と思うハルマサの頭に響いたのは――――――
≪一定以上の脈拍を一定時間以上維持し、直後に睡眠に入ろうとしたことにより、特性「桃色トーク」を―――
桃色特性の取得を知らせるナレーションだった。
「桃、色………。」
桃色、桃色ねぇ………何もこんな時に、ねぇ?
「ふ…………ふふ。ッフフ、アハハッ」
何とも力が抜ける。こんな脱力感、今までなかった。 ダメだ。もう無理。
相変わらずの雰囲気台無しなナレーションが、可笑しくて、可笑しくて仕方がない。
ハルマサはこみ上げてくる笑いを我慢できなかった。
「……フゥ、涙出てきたよ。フフフ。」
涙を拭っていると、ナレーションはちょうど終わるところだったようだ。
―――送ります。幸せになれよー!≫
ナレーションのお姉さんの声は、とても陽気。
じんわりと、心に染み入るものがある。
―――うん。ありがとう。
自然と感謝が口からこぼれた。
どうもありがとう。
ハルマサはどこか幸せな気持ちで、眠りに付くのだった。
<つづく>
ステータス
ステータス
佐藤ハルマサ(18♂)
レベル:6
耐久力:252→367
持久力:302→616
魔力 :178→1,414
筋力 :337→344
敏捷 :479→1,091
器用さ:217→1,012
精神力:453→856
経験値:388 あと250
特性
桃色トーク
昇華スキル
姿勢制御Lv4:117 →身体制御Lv6:362……New!
穏行術Lv5 :234 →暗殺術Lv6 :389……New!
跳躍術Lv4 :105 →空中着地Lv6:377……New!
スキル
両手剣術Lv4:87 →94
突進術Lv4 :119→121
撹乱術Lv6 :130→382 ……Level up!
走破術Lv3 :26 →77 ……Level up!
撤退術Lv5 :114→287
防御術Lv5 :87 →201
天罰招来Lv7:102→1072 ……Level up!
祈りLv5 :180→300 ……Level up!
雷操作Lv7 :0 →646 ……New! Level up!
魔法放出Lv5:0 →266 ……New! Level up!
戦術思考Lv5:69 →275 ……Level up!
回避眼Lv6 :151→424 ……Level up!
観察眼Lv5 :161→302
鷹の目Lv3 :14 →32 ……Level up!
聞き耳Lv5 :190→299
的中術Lv4 :77 →82
空間把握Lv6:86 →334 ……Level up!
□「桃色トーク」
異性を魅了する語り口。あなたが語る物語は、異性の興味を引き付けます。くだらない話でも問題なし! 異性はあなたにメッロメロだぜぇー! ※同種の生物にしか効きません。
(一定以上の脈拍を一定時間以上維持し、直後に睡眠に入ろうとしたことにより、特性「桃色トーク」を取得しました。終わった後、すぐ寝るなんて許しません! イチャイチャしながら素敵な話をして欲しい! 寝付きの良すぎるあなたにこの特性を送ります。幸せになれよー!)
※色々台無しなので本文ではボカしたんだぜ!
■「雷操作」
雷を制御する技術。魔力を用いて、外界の雷を制御する。熟練に伴い、器用さにプラスの修正。スキルレベル上昇に伴い、制御可能量(規模)が増加する。
■「魔法放出」
魔法を体外へと送り出す技術。全ての魔術特技に通じる基礎。熟練に伴い、魔力にプラスの修正。熟練者は、手足など末端から魔力を放出することで、体の動きを加速、減速する事が可能となる。
■「身体制御」
「姿勢制御」の上位スキル。体の動きの制御に加え、衝撃の吸収を行える。熟練に伴い、器用さにプラスの修正。スキルレベル上昇に伴い、一定時間に衝撃を吸収できる量が増加する。状態異常「よろめき」に耐性が付く。
■「暗殺術」
「穏行術」の上位スキル。持久力を消費することで移動時にも透明化を保つことが可能となる。非移動時でも持久力を消費する。熟練に伴い、持久力にプラスの修正。[持久力/(30-(スキルレベル))]秒、スキルは持続する。発動していた時間に応じた持久力が消費される。※発動継続時間は(持久力の数値)秒以上にはならない。
■「空中着地」
「跳躍術」の上位スキル。気体に対して任意の場所を、一度踏むまで足場にする事が可能となる。熟練に伴い、敏捷にプラスの修正。レベルの数だけ空中に足場を作れる。