「ふわぁ~あ、やっと終わったか」
6時間目の授業が終わり、退屈そうにあくびをこらえながら、鞄を持って教室から出ようとする少年。
「おーい、平賀ぁ、これからゲーセン行くんだけど、つきあわね?」
「んーーー……わりぃけど、パス。今日は気分のんねぇし」
クラスメイトの誘いに、ちょっと考えるそぶりを見せたものの、そのまま少年──平賀才人は、教室をあとにした。
(今日は気分のんねぇ、か……)
学校からの帰宅途中に、人気の少ない児童公園でベンチに寝ころび、空を眺める。
先ほどの言葉は嘘ではない。が、同時に正確でもない。
ただしくは、「日本に帰って来てからずっと」才人のテンションは上がりきらないままなのだ。
普通の人間にとっては信じ難いことだろうが、彼はそう遠くない過去に、異世界に召喚され、半ば強制的にひとりの少女の「使い魔」として暮らしていたのだ。
* * *
「あんた、誰?」
出会いがしらのその言葉からして、彼女の当初の印象は最悪に近かったと言えるだろう。
修理したてのネットブックを抱え、秋葉原の街角をホクホク顔で歩いていた、当時17歳の才人は、注意散漫だったせいか突然道端に現れた銀色の鏡に、「アッ」と思う間もなく突っ込み、奇妙な空間へと引きずり込まれたのだ。
その挙句、近世ヨーロッパかと見まがうような異世界に有無を言わさず連れて来られただけでも、こちの心象は限りなくマイナス方向に振れているのだ。
たとえ、目の前にいるのが中学1、2年生くらいのかなり可愛い美少女であろうと、ロリコン趣味のない才人にとっては、さしてプラスにはならない。
しかも、「あ~、ハズレ引いたなぁ」という顔つきの少女が何やら呪文のようなものを唱えてキスした途端に、自分の姿が子犬に変わってしまったとあっては、なおさらだ。
少女の説明によると、ここは、地球の「鏡」をはさんで裏側の次元に存在するハルケギニアと呼ばれる異世界らしい。
「始まりの女王」と呼ばれた偉大なる魔女ブリミルの娘達が6000年前に建国した4つの王国と、幾つかの公国からなるこの世界は、魔法使いや妖精、精霊たちが実在するいわゆる「魔法の国」だとか。
地球に比べると人口は少なく、また文明や技術も決して進んでいるとは言えないが、この世界は数多の魔法使い達の手によって、人々には快適で平和な暮らしがもたらされている。
もっとも、ハルケギニアの住人全員が魔法を使えるというワケではない。むしろ、魔法使いと呼ばれる人材は希少で、それ故に人々から敬われ、感謝される存在らしい。
日本で例えるなら、医者や弁護士、大学教授くらいのステータスだろうか。それも、モラルが低下した21世紀現在ではなく、古き良き日本におけるそれだ。
また、魔法使いの9割以上は「高貴な血を引くうら若き女性」、つまり貴族の娘達にほぼ限られる。
男性や平民の中から魔法使いになる例も皆無ではないが、割合は少なく、またその力も魔法の道具製作や秘薬の調合などに適している者が大半だ。
(もっとも、逆にそれゆえに庶民──ハルケギニアでは平民と呼ばれることが多いが──の暮らしに密着し、感謝される機会も多いのだが)
一方、女性の魔法使いの中でも特に優れた者は、王宮から「魔法少女(メイデン・オブ・マジック/略してメイジ)」と認められる。メイジは、ただでさえ社会的地位の高い魔法使いたちの中でも花形とされ、多くの民衆からの崇敬と羨望を得るのだ。
また、メイジは見目麗しい少女がほとんど(というかほぼ全員)なため、地球でいうアイドルなぞメじゃない人気を得、ファンがつくことも多い。もっとも、華やかな見かけに反して、じつは意外に危険を伴う任務も多いのだが……。
そして、ここ「王立トリステイン魔法少女学院」は、そんな魔法少女(メイジ)を育てることを目的とした国立の学府だ。
卒業生の95パーセントが優秀な魔法使いとなり、さらにそのうちの約3割が魔法少女の資格を得ているエリート校だ。
名前に「少女」とはついているものの、一応男女共学。とは言え、前述のような理由から、全校生徒200人足らずのうち、男子はせいぜい十数人しかいない。
入学資格は満12歳から14歳。大半の生徒は13歳で入学することが多いようだ。
教育課程は3年間で全寮制。ただし、2年生の進級時に大事な「ある試験」があり、これに合格できなければ落第、たいていの落第生は留年することなく自主退学していく。
その「昇級試験」とは──魔女少女につきものの「お供の小動物」を見つけること。いわゆる「使い魔の召喚と契約」だ。「お供」がいてこそ、魔法少女は万全の力を発揮できる。それはブリミルが定めたもうたハルケギニアの大法則であった。
ちなみに、3年時のカリキュラムは、ハルケギニアと表裏一体の関係にある地球へと1年間赴き、そこで「魔法少女見習い」として実習に励むこと。
とは言え、細かい判断は現場に任され、要は「周囲の人たちに多くの夢と希望を与える」ことができれば合格となる。これは、地球の人間の心が豊かになることにシンクロして、ハルケギニア住人の魔力も強まるかららしい。
実習に合格すれば晴れてメイジとして認定され、ハルケギニア中を飛び回って、さまざまな役目を果たすことになるのだ。
……と、そんな内容を、少女は目の前のイスの上にチョコンとお座りした仔犬(言うまでもなく才人だ)に語った。
「──それで、今、俺がこんなところにいてこんな格好してるのと、そのヨタ話にどう関係があるんだ?」
普段なら眉唾物と一蹴するような話だが、現在進行中で我が身に起こっている異変と考え合わせると、ある程度は納得せざるを得ない。
それでも、才人はあくまでうさん臭そうな表情を浮かべて、そう言い返した。
「呆れた。今の話を聞いて理解できないの? まさか、脳味噌まで本物のイヌ並なんじゃないでしょうね?」
「うるせー、ほっとけ!」
体つきの関係か、いつもより声が甲高いのが情けない。
「つまり、アレだろ。俺に、そのお供だか使い魔だかをやってくれってことか」
「そ」
きわめてそっけなく肯定した少女は、だが一瞬後にニヤリとたちの悪い笑みを浮かべた。
「ああ、ひとつ訂正ね。「やってくれ」じゃなくて「やりなさい」、これは命令よ。あなたに選択権は事実上無し」
「な……」
そんなフザケた話があるか、と抗議しかけた才人だが。
「けど、もしわたしの使い魔にならないなら、あなた、どうやってココで暮らして行くつもりなのかしら?
トリステインは他の王国と比べても割とのんびりしたお国柄だけど、身分保障も常識も、おまけに知恵も力もなさそうな異邦人が、独力で暮らしていくのは結構大変だと思うわ」
などと、目の前の性悪娘は、トンデモないことを言い出すではないか!
「ちょっ、おま……責任とって、俺を地球に……元の世界に戻せよ!」
「無理ね。異世界への転移なんて高度な魔法は、まだ習ってないし、そもそも学生がチキュウに行けるのは、3年生の実習の時だけって決められてるしね。
もし、あなたが使い魔にならないなら、わたしは落第して2年生にもなれないし……そうなったら学院を辞めて故郷に帰るわ」
気のない素振りでそう告げる少女。
もっとも、後日聞いたところによると、平然と居丈高に振る舞いつつも、内心はハラハラものだったらしい。なぜなら、使い魔の契約は双方向性。つまり、才人からの了解を得なければ、正式に契約締結をできないからだ。
姉ふたりの雪辱を果たすために、ぜひとも魔法少女になることを切望している自分にとって、最初の最初で躓くワケにはいかないから、ちょっと無茶しちゃったのよ。ゴメンね~、というのが本人の談。
そのころにはある程度親しくもなっていたので、才人も苦笑して許したのだが、この場で怒り心頭といった状態だった。
「くぬぅ……」
柴犬の子が眉をしかめて考え込んでいる様子ははたから見ていればなかなかラブリーではあったが、今の才人は、そんな自分の姿に気づく余裕はない。
「……確認するけど、3年生になったら、つまり1年後には地球に行けるんだな?」
「ええ。言ったでしょ、見習い魔法少女として地球で実習するって」
「当然、お供も連れて行く?」
「当たり前よ。お供の小動物のいない魔法少女なんて、クックベリー抜きのパイみたいなものだわ」
澄ました顔でのたまう少女の顔を、しばらくニラみつけた後、才人は唸るように口から言葉を押し出した。
「……った」
「──え?」
「わかった! 使い魔だかお供だか知んないけど、やってやるって、言ってるんだよ!」
彼が、そう叫んだ瞬間。
ピカ~~ンと桃色の光が、少女の体から漏れ出して、子犬に降り注ぐ。
やがて光が収まったとき、イスの上には人間の姿に戻った才人が、ブスッとした顔つきで胡坐をかいて座っていた。
「じゃ、これで契約成立ね。長……くなるかはわからないけど、ま、当分よろしく」
出会ってから初めて無邪気な満面の笑顔を向けてくる少女に、才人は、ちょっと(あくまで、ほんのちょっぴり、だ)ドキリとする。
「あ、あぁ……その、よろしく。えっと……その、なんて呼べばいいんだ? あ、俺は才人、平賀才人」
「あら、コントラクトの時に名乗ったと思ったけど……ま、いいわ」
自分の椅子からスルリと滑り下りた少女は、ゴスロリ風のフリルの多いドレスの裾を翻して、優雅に一礼した。
「ようこそ、ハルケギニアへ、我が戦友にして相棒たる使い魔サイト。
あなたの主人の御名を、その心にしかと刻みなさい。
我が名は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。ヴァリエール公爵家の三女にして、未来の大魔法少女(アークメイジ)よ!」
ないムネを張って、そう言い放つルイズだったが、当の才人は話半分に聞き流している。
「ふぃーーっ、ようやっと人間の姿に戻れたぜ」
椅子から降りて、肩をクキクキと回す才人の姿に、ちょっとムッとしたルイズだったが、いきなり犬にしてしまったのは自分なので、ここは癇癪を堪える。
「ふーん、よかったわね。じゃ、さっそくだけど、こっちへいらっしゃい」
ルイズは自室のドアを開けると、ズンズンと廊下を進んで学生寮の外に出ていってしまった。
「え? お、おい、ちょをっと待てよ!」
こんな女だらけのところにひとり放置されてはたまらない。
無論、才人とて年頃の男の子だから、女の子に興味はあるが、さすがにこんな勝手のわからぬ異郷の地の(しかも、いわゆる魔法使いの卵らしい)女の子たちに、ちょっかい出す気にはなれない。
何より……聞いた話によれば、この学院は、日本でいえば中学校に相当する年齢の子が集まるらしい。一応高校2年生の健全なる男子としては、女子中学生に手を出すのは、何となく犯罪ちっくではばかられる。
「はぁはぁ……お前、足速いな」
「──ルイズよ」
「は?」
「だから、わたしの名前。お前じゃなくて、ルイズと呼びなさい。
感謝してよね、名前を呼び捨てすることを許すなんて、普通の平民にはないことなんだから」
ほんの少しだけ頬を染めてそう言うルイズを不覚にも可愛いと思いながら、才人は、「こいつもしかして俺に……」とヘンな妄想のスイッチが入りかけた。
「……何か勘違いしてるみたいだけど、わたしがあなたに名前を呼び捨てることを許したのは、それが魔法少女とお供のあいだにおける不文律だからよ」
デレッと鼻の下が伸びた才人の顔を見て、おおよその意図を察したのか、軽蔑したような呆れたような目で、ルイズは鼻をならした。
「フブンリツ?」
「そ。いい? 魔法少女、いえすべての魔法使いにとって、使い魔ってのは生涯の大事な相棒(パートナー)なの。
まして、重要任務に就く機会も多い魔法少女にとっては、使い魔=お供とは、ただの従者じゃない。戦いにおいては自らの背中を守る盾ないしアドバイザー、冒険においては苦楽をともにする戦友なのよ。
命の危険が迫っている時に、「●●お嬢様、危うございます。3時の方向にお逃げください」なんて、まどろっこしくて言ってらんないでしょ。
だから、どんなに位の高い魔法使いであっても、その使い魔だけは、対等な口をきくことが許されてるわけ。それが偉大なる「始まりの女王」ブリミル様の定められた決まりなの」
「ふーん。魔法少女とかって、もっとファンシーでリリカルでメルヘンチックなものだと思ってたぜ」
平和な日本で生きてきた才人にとっては「戦う」だの「命の危険」だのは縁の遠い言葉だったが、どうやら「魔法少女のお供」とは予想外に大変な仕事らしい。
内心ビビりながらも、才人は軽口を叩く。
「まぁ、確かに歴代魔法少女の中には、戦闘がそれほど得意ではない人もいることはいたみたいね。でも、わたしのお母様は、あの「ウィンディ・カリン」、当然その跡を継ぐ以上、そんなこと言ってらんないわ!」
「ゲッ……」
生粋のアキバ系というわけではないが、多少はアニメに詳しい才人には、ルイズが口にした名前に心当たりがあった。
もう10年くらい前だろうか。夕方のテレビで再放送しているのを母が懐かしそうに見ていた番組のタイトルが、たしか『魔法のつむじ風☆ウィンディ・カリンちゃん』だった気がする。
彼が生まれるより前に放映されたアニメとは思えぬほど、女の子たちの造形は可愛かったが、物語中で繰り広げられるのは、ミラクルとかファンタジーという言葉とは無縁な、ガチの魔力(ちから)のぶつけあいだった。
──まぁ、ある意味、(個人の戦闘能力とは思えぬほど)奇跡的(ミラクル)であり、(指輪物語やロードス的な意味で)ファンタジーではあったが。
そう言われてみれば、眼前の桃色の髪の少女には、どことなくあのヒロイン「カリンちゃん」の面影があるような……。
(魔女っ子アニメって絵空事だと思ってたけど、もしかして全部実在のモデルがいるのか? ……いや、まさかね)
一瞬、そんな考えが浮かんで、才人はあわてて否定するが、実はそっちが正解だったりする。
──ちなみに、肖像権その他の権利にまつわる収入は、後輩の魔法少女見習いが地球に滞在する際の費用として積み立てられているらしい。
その話を聞いたとき、あまりの世知辛さに才人は思わず涙したものだ。。
「さ、着いたわ。ここよ」
考え事をしているあいだに、どうやらルイズの目的地に着いたようだ。
「こりゃ、また、ボロ…あ、いや、由緒ありそうな建物だな、おい」
もっぱら貴族の子女(女性の方が圧倒的に多い)が通う学校だけあって、現代人の才人の目から見てさえ、豪華で清潔そうな建物ばかりが目につくこのトリステイン魔法少女学院だったが、目の前の建物だけは別だった。
木造二階建てなのはともかく、その壁の作りがきわめて簡素だ。防水防腐用に最低限のニス程度は塗ってあるようだが、装飾らしい装飾もなく、何よりかなりの年月を経ていることがわかる。
(ニュースでやってた京大吉田寮とか、こんな感じだったような……)
嫌な予感に冷や汗が止まらない。
「ふふん……”ボロい”と言わなかった心遣いは褒めてあげる。でも、そんな遠慮は無用よ。
トリステイン魔法少女学院・男子寮ウルカヌス。今日から、あなたはココで暮らすんだから」
「や、やっぱり、そうくるか……」
ガックリと地面にorzの姿勢で膝をつく才人。
ルイズが扉の外に備えつけられた紐をグイッと引くと、頭上でカランカランと意外に澄んだ鐘の音がして、入口のドアが開かれた。
「おや、ミス・ヴァリエールじゃないか。意外に早かったね」
中から顔を見せたのは、パッと見、男か女か判別しづらい優男(もっとも、シャツの胸元をはだけているので、乳房がないことがわかったが)だった。
「ええ、素直というか考えなしと言うか……いずれにせよ、物分かりのいい使い魔で助かったわ」
そう言うと、ルイズはいまいち事態を把握していない才人の腕を引っ張った。
「ほら、いくら平民でも、初対面の人への挨拶くらいはできるんでしょ?」
「あ、ああ。えーと、初めまして、日本から来ました平賀才人です」
言いながら、「なんで異世界人に転校生みたいな挨拶してるんだ、俺は」とげんなりする。
しかし、最初に顔を見せた少年その他の反応は予想外のものだった。
「なんと! 名前からもしやとは思っていたが……サイトくん、君は日本人なのかね?」
「あ、アキハバラとか行ったこと、あるかい?」
「最近の日本のアニメで好きなのは何?」
「携帯ゲーム機とかノーパソ、持ってきてない?」
次々に玄関から顔を出すここの住人と思しき男子生徒達の迫力にたじろぎつつ、才人は答える。
「その通り、日本人だ。アキバは月1くらいで行く。最近のマイブームは『けいおん』。リュックの中には修理したてのネットブックが入ってる」
律儀に全部の質問に答えたのち、どうしたものかと傍らのルイズを見……ようとしたところで、彼女がスタスタと来た道を帰ろうとしているのに気がついた。
「ちょっ、おま…じゃなくて、ルイズ、どこ行くんだよ?」
「どこって……帰るのよ、自分の部屋に。今日はいろいろあって早く寝たいし」
振り向いて不思議そうな顔をするルイズに駆け寄り、肩に手を……やろうとしてかろうじて思い留まる。
3つも年下の女の子にすがりつくというのは、さすがにカッコ悪く思えたからだ。
「いやいや、だから。俺はどうすればいいんだ?」
「言ったでしょ、この男子寮で暮らしなさいって。心配しなくてもいいわよ。ウチの男子連中は、ちょっと変わり者が多いけど、基本的には気のいい人ばかりだから。それともまさか、あなた、女子寮で暮らすつもりなのかしら?」
マイナス273度の視線に「この変態、ド変態、大変態」という侮蔑の色を乗せて、ルイズが才人を睨んでくる。
「ち、違うって。そのぅ……夜はここで寝るとして、朝になったら俺、どうしたらいいんだ?」
チラリとそんなことを考えないでもなかったのだが、慌てて否定しつつ、才人は別の疑問を口にする。
「ああ、なるほど。そうね……男子寮の早起き組がいるはずだから、その人達と一緒に起床して、そのあとすぐにわたしを起こしに来なさい」
げぇ~、お嬢様付きの執事みてぇだな、と思いつつ、ハイハイと安請け合いする。
「じゃあ、頼んだわよ?」
ルイズは、多少うさん臭げな視線を向けつつも、自分の部屋に帰っていった。
「はぁ……それじゃ、俺もココに世話になるか」
夕闇とともに、あたかも戦前の廃病院か旧校舎のような趣きをかもしだす古びた男子寮に視線を向けながら、才人は男子寮生とおぼしき少年たちのもとに足を向けるのだった。
-つづく-
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はい、「こんなのゼロ魔じゃねぇーー!」と感じたお方は、素直にここで読むのをやめて、回れ右してください。
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