1・強行突破で最短距離を進みます!!
まあ、何はともあれ全員が納得行くや否や、次元の歪に存在する大きな橋に向かおうとしていた。
「ロックさんは必ず助けます!!だからこの橋は強行突破で最短距離を進みます!!」
ミクは即断し、そのままロックを背負い始める。
もとよりミクはただのボーカロイドであり、運搬用ロボではない。
ロックを背負うことでミクの積載量の限界をとうに超えていたのだが、それでもミクは、それを介することなく橋まで駆け出したのだ。
ランス、綴子はその鬼気迫る空気に一瞬たじろぐも、すぐにミクの後を追った。
そしてついに大きなアーチ型の橋に到着した。
この橋の先に、青子が用意した『デジョンゲート』が存在する。
ミクらは立ち止まることなく、そのまま橋に突入。
途中、レッドアリーマーもどきやりくぐんやモルポルみたいなものが出てくるも、それらを全て無視し2.7キロ程駆けたところで、ついには大きな門のところまで来ていた。
「こういうパターンだと、たいてい敵が出てくるものだけどな」
このランスの予言は現実のものとなる。
その門は自動的に開かれると、そこには見覚えのある黄金の英雄王がいた。
「この扉の裏でずっと待っていたぞ! 来なかったらどうしようかと不安になっていたところだ!いくぞ!!」
そして、この黄金の英雄王『ギルガメッシュ』は『王の財宝』を発動!!
問答無用で襲い掛かってきた!!
「バカね!あんたのその武器は、アタシには通じないってコト、もう忘れたの」
しかし、一度対処している相手だけに、綴子にとっては余裕の相手であった。
綴子の5本指から放たれる『対零体用機関銃』は火力、リロード、弾速、全てにおいてギルガメッシュの『王の財宝』による宝具の乱射を上回っている。
「す…すげえな、アンタ……」
弾幕はパワーとはまさにこのこと。
さしものランスも、この改造された綴子の火力には唖然としていた。
「我が悪かった……」
エルメスのくつ(○ヘイスト)
すると、ギルガメッシュにしては珍しく、神妙の顔つきでうなだれ始めた。
「4人でこられちゃ……」
プロテスドリンク(○プロテス)
「手も足も出ない……」
つめたがい(○シェル)
「……と言うのは嘘だがな!!」
ジャンプ
なんと、ギルガメッシュは降参するフリをしておきながら、アイテムで自身の能力を強化!!
そのまま次元の遥か上へと飛び立った!!!
「フン!所詮は雑種!この空からの距離なら貴様のその『機関銃』とやらの射程ではない!!しかし、我の『宝具』はこの上空から重力に乗って貴様らに雨霰となって襲い掛かる!!!」
「!!!!!!」
そのギルガメッシュの言葉に嘘偽りはなく、ギルガメッシュは綴子の機関銃からは完全に射程外であり、逆に相手の頭上を取ったギルガメッシュは完全に有利な形となった。
「チックショー!!卑怯だぞ!!降りてきやがれ!!!」
さらにいうならランスは剣士タイプであり、完全に射程圏外。
至近距離の白兵戦ならまだギルガメッシュと互角に戦えたであろうが、中・遠距離となればまったくの問題外である。
「フン、うるさい雑種だ。貴様から始末してやろう」
ギルガメッシュの『宝具』らの標的はランスとなった。
いかにランスが凄腕の剣士と言えども、その無数の『宝具』を叩き落せる道理などない。
それは綴子も同様である。
綴子ならその『宝具』を機関銃で駆逐は出来るであろう。
しかし、それが『弾』である以上は、当然弾切れという事象が発生する。
相手に制空権を渡した時点で、綴子もまた不利な状況へと誘われていったのだ。
しかし、武器と言うのは目に見えるものとは限らない。
――――――♪
――♪
――――――――――♪
「!!?」
どことなく聞こえてくるBGMに、一瞬たじろぐギルガメッシュ。
すると、機関銃とはまた違う、凄まじい音の弾幕がギルガメッシュに襲い掛かった!!!
「「「みっくみっくにしってやんよー♪」」」
なんと、ミクは「みくみくにしてあげる」を歌い始めた!!
――――――――♪
―――♪
――♪
「な!!なんだ!!!物理的ダメージは一切ないが……な、なんなのだ!!?」
その弾幕は『2,000,000』を凌駕する!!
ミクの歌の勢い、その背後にあるプレッシャーにギルガメッシュはまったく太刀打ちが出来ない!!
「な…なんだか力が抜ける……な」
「へ、平成の世ではこんな歌が持て囃されてるの…?」
無論、それは『音』であるがゆえに、ランス、綴子にも当然影響は出てくる。
ちなみにボーカロイドは、あくまで『ネット上で』持て囃されているわけであって、綴子はまた一つ、平成の世に対し誤解を持ってしまったようだ。
そして、結局ミクの音に対し対抗手段を持ち得なかったギルガメッシュは…
「うっ!急用を思いだしたようだ!!必ず戻って来るからなっ!」
…と言って、戦略的撤退を余儀なくされたのであった。
かくして、ミクたちは次元の歪よりの脱出に成功。
青子のデジョンによりえいえんの世界へと帰還した。
時空管理局の監視の任務は失敗に終わってしまったが、新たな敵『ギルガメッシュ』『謎の女』とも遭遇し、事態は急展開を迎えるのであった!!!
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と、いうわけで久瀬のパーティ選びです。
感想掲示板にて、ハルヒ・キョン・梓・イカ娘以外の二つのパーティを選んでいただければ幸いです。
ちなみに現在の仲間は『春原陽平』『ロックマン』『古手梨花』『キース』『斉藤一』『初音ミク』『ランス』の7人です。