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[6509] 【完結】金崎玄之丞の憂鬱(ブリーチ・オリ主モノ)
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/06/18 13:31
男もすなる日記というものを女もしてみんとてするなり。


昔々、そんな始まり方をした日本の歴史初のネカマの手記があったそーな。
それにあやかるわけではないが、生活も落ち着いたので日記でも書いてみようと筆を執った次第。
今、俺はまるでマンガのような日常を送っている。
まずは俺がこのような状況にある理由を回想してみたい。




始まりは何だったか、気がついたら俺は戦場にいた。
格好いい凄腕の傭兵や兵士が物心付いた時から戦場に居たんだぜみたいなニヒルな回想では当然ない。

本当に気がついたら戦場だったわけだ。
しかも、戦車や爆撃機が飛び回る近代的な戦場でもなく刀と銃で戦うような戦国時代ほど古くないが新しくもないそんな戦場だった。
多分、明治維新前後、戊辰戦争か西南戦争辺りだろうか?
服装からいって間違いないと思う。
そんな事を考える余裕がこの時の俺にはあったりする。
なるほどタイムスリップして未来知識で活躍フラグですね、分かります。
そんな現実逃避をする余裕もあった。
そう現実逃避だ。

だってさ、考えてもみてほしい、気がついたら明らかに過去っぽい場所、しかも戦場だよ?
その上、頭に銃弾を受けて(多分流れ弾)脳みそっぽいの垂れ流してる自分の上でふよふよ浮かんでたら現実逃避以外何すればいいんだと大いに言いたい。


確実に死んでます、ありがとうございました。


普通、タイムスリップと気がついたら戦場と幽霊になって自分を見下ろすなんて一生に一度あれば多すぎる位のイベントだと思うんだ。
それが全部いっぺんに来たとか、どんだけレア体験、宝籤の一等に当たるほうが余程簡単だと思う。
是非とも宝籤の方が来て欲しかったものだ。

しかし、当時は死んだら意識なんて消えるもんだと思っていたんだけど死後ってあったんだなぁと驚いたものだ。
霊能者とか絶対詐欺だと思ってたんだけどごめんなさい、何割かは本物とか居たのかも知れない。

戦場だけあって、俺のように死んで呆然としてる霊とか割りと沢山いた。
内臓をこぼしながらうーうー言ってる兵士とか、俺の死体みたいに頭を銃弾が撃ち抜いて血を流してる奴とか、なんか仮面を付けた化物に頭からばりばり食われてる奴とか……

そう、余裕があったとは言っても現実逃避してただけなので俺は違和感に気付かなかった。
いくらなんでも仮面付けた化物が人間を頭からばりばり食ってるのをスルーするのは無いわ。
何時回想しても、馬鹿だったなぁと思う。

ぼけーっとそれを見てると何時の間にか仮面付けた化物も増えていた。
しかも、何時の間にか黒い着物に剣を持った人間(?)も増えていた。
異能バトルみたいなのを繰り広げる化物と黒服に死後の世界スゲーとか思ってた。

そして気付けば黒服が勝利したようでそこら中の生き残った(?)霊に持ってた刀の柄を当て始める。
どんどん消えていく霊魂に俺はこの黒服は多分、死神なんだろうなとか思っていた。
まぁ、死にたく無いなぁとは思ってたが、あんな強そうな化物に勝つような人間から逃げ切れるとも思えなかった。
そうこうしてるうちに俺の番が来たようで刀の柄をぽんと額に当てられる。
短い人生だったなぁ、この時俺はそんな事を考えていた気がする。




三度、気がつけばなんか順番待ちの列に並んでいた。
列の整理をする例の黒服に、同じように並んでる人間達。
現状を理解する間も無く整理番号を渡され黒服に誘導されて村みたいな所に連れて行かれた。
訳の判らない俺に現状を教えてくれたのは村に住んでる村人だった。

どうやら、この世界は死後の世界って奴で『尸魂界(ソウル・ソサエティ)』といい、今居る場所は死神に連れてこられた死者の霊が暮らす場所『流魂街』、中でも西流魂街1地区『潤林安』という場所である事などを丁寧に教えてもらえた。
先ほどの黒服は死神で、仮面を付けた化物は虚(ホロウ)という事を教えてもらえたのもこの時だった。

しかし、見えてる限り昔の日本の農村って感じなんだが、何で英語なんだろうか?
もう、あの世で良いじゃん、尸魂界なんて凄く漫画チックすぎる。

まぁ、何はともあれ百聞は一見にしかずと言うし、今見てるのが死後の世界の真実なんだなぁ、色々地獄とか設定してた生前の宗教乙。

とまぁ、そんな感じで俺は死後の生活を送る事になった訳だ。
この生活は大体10年くらい続けた気がする。

驚く事に、死後の世界にも四季はあったし、死にはしないが腹も減る。
俺の暮らしていたこの地区は流魂街の中でも治安の良い所らしく大きな事件は無かったが、他の地区では食料の奪い合いや殺し合いも日常茶飯事の場所もあるとか。
死なないと言っても腹が減ると洒落にならない。
死なない分、飢餓がやばい所まで行く、調子に乗って半月ほどメシ食わなかったら幻覚が見えた、冗談ぬきで。

あぁ、あとひとつ、当時の俺には死んでから続く不思議な悩みがあった。
欲求不満なのか夢の中に全身を覆うほどの長い髪に血のような赤い唇の裸の少女が毎夜現れるという事。
髪の間から見える肌は目が痛くなるほど白く、髪があまりに長いので大事な部分は見えないが所々見える肌が扇情的だ。
強いて難を挙げるなら胸のサイズがささやかな所だろうか?
正直、自分が知らなかった性癖を突きつけられてるようで当時は凄く悩んだ。
年上萌えで巨乳萌えだったはずなんだがなぁ。
知り合いに相談したら年下の女の子から遠ざけられた。
思い出したら鬱だ、死のう……はいはい、死んでますね。

生活が安定してくると色々考え事も増えてくる。
死んだという事に驚きすぎて過去にいるという事を忘れていた俺(いや、ホント)。
今はまだ両親も生まれてないんだよなぁ。
そんな事を考えて十数年前(客観的には100年以上先の話だが)に死んだ曾祖母の事を思い出した。
俺の両親は忙しい人で、祖父母も農家をやってたので俺は実質曾祖母に育てられたようなものだ。
その曾祖母が病気で弱っていた時、反抗期だった俺は見舞いにも碌に行かず勝手気ままに生きていた。
それを後悔したのは曾祖母が死んでから、葬式の時だ。
俺は曾祖母が大好きだった、確かにしばらく会いに行かなかったがこんなに簡単に孝行する機会が無くなるなんて考えもしなかった。
葬式で泣きながら、この時俺は一生の傷を背負ったんだと思う。

そこで今の俺の状況がネックになるわけだ。
今死んでて過去にいる俺、頑張れば曾祖母の今わの際に立ち会う事くらい出来るかも知れない。
更にいえば、この流魂街で再び再会し一緒に暮らす事も出来るかも知れない。
そう、この時の俺はこの尸魂界で死神を目指そうと決意したわけだ。
立派な志なんて無い、特に秀でた事も無い、そんな俺だが人並みに家族を大切にしたいという意志はあった。
これから始まる死神への道、その第一歩を俺は踏み出した。


序章・完!


と言うわけで、今俺は真央霊術院の寮でこの日記を書いている。
いやぁ、わりと霊力があったのですんなり合格できました。
苦難の道とか試験の様子とか普通に書いて置こうかと思ったんだが、そのあれだ。
筆記試験とか、この時代の学力の平均と未来の学力の平均とか比べたらダメだよね。
簡単ではなかったけど、復習する程度の勉強で筆記のほうは問題なし。
実技というか霊力も平均以上あるんだとかですんなり合格しちゃって山も谷も無し。
俺の万難排すあの決意は何だったのか、少し納得行かない今日この頃。
うん、まぁ、これから頑張ろう。




金崎玄之丞 西暦不明(多分1870年前後) 卯月の頃の日記より




後書き
かっとなってやった。



[6509] 真央霊術院の日々の日記他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/11 19:38

卯月の上旬(晴れ)

死神になるための授業が真央霊術院で始まった。
ひとまずは基礎知識と言うことなのか座学中心の講義が多い。
何でも死神は斬魄刀という武器を持ちその武器を使って虚と戦ったり霊を成仏させたりするらしい。
そういえば死ぬ時にそんなことやってたのを見たなぁと思う。
化け物と戦うのは基本らしい、少し後悔。
喧嘩とかあんましたことないんだが、大丈夫だろうか?
やっぱ、あの剣に不思議パワーでもあって戦えるようになってるのかねぇ?
話を聞いてるとそれぞれ固有の特殊な能力があるんだと。
いい武器もらえると良いなぁ、エターナルフォースブリザード、食らうと死ぬみたいな?




卯月の上旬の弐(晴れ)

相変わらず座学。
どうやら支給される武器は能力を持たない浅打というものらしく特殊なのは自力で出せとか言われた。
自力で出せるんですかそうですか、不思議なことには大概なれたと思ったけど流石に体から剣が出せるとかないわぁ。
俺って過去でも死後でもなくてフィクションの世界にいるんじゃ無かろうか?
まぁ、考え過ぎか。
今日は鬼道のことを習った。
魔法ってあるんだね。
断然やる気が出てきました、魔法はロマン。




卯月の中旬(くもり)

変な奴に目を付けられた。
どこかの偉い貴族らしい。
死後の世界に貴族とか……
などと思う人もいるだろうけど、なんとこの死後の世界、子供が作れるらしい。
とことん何でもありだなぁ、不思議すぎる。
俺とか死んでから年とって無いんだが精神年齢で外見年齢でも決まるんだろうか?
その貴族だけど名前を朽木青春といい四大貴族の一員なんだとか。
家柄自慢とか権力闘争とかあるんだろうな、超関わりたくないです。
そんな事を思いながら過ごしてたんだが、あの日、目が合った瞬間跳び蹴り食らわされた。
青髪に小柄な体格の朽木青春さんですが体重の乗ったいい一撃です。
そして唐突に貧乳はステータスだ、希少価値だと涙目で説教されました。
貴様は泉こなたかと叫びたかったですが自重しました。
だって、泉こなたって誰だとか聞かれたら答えられません。
ちなみに朽木青春は小柄なお嬢さんです。
切れた理由は毎日俺が彼女を見るたびに胸とか見てため息付いたり鼻で笑ったりしてたからだとか。
夢の件とかあって反射的に貧乳とか見かけると巨乳を思い浮かべるようにしてたので顔に出てたみたいです、悪いことをしました。
正直に事情を話して謝罪したら蹴られました。
理不尽な。




卯月の中旬の弐(晴れ)

何故か朽木青春に気に入られました。
貴族と言うことで腫れ物にさわるような扱いばっかりだったらしく久し振りに家族以外からまともに扱われたと笑いながら言ってた。
なにこの生き物バカなの? 死ぬの?
いきなり蹴りかかってくるような貴族になんぞに関わりたくなかったのでそのままハッキリと言ったら、そこがいいとか言ってます。
オッケー分かった、ハイとイイエでハイ選ぶまで無限ループさせる気だなこの女。
俺の凡人レーダーがいっている、この女に関わるとなんかヤバいフラグが立つと。
玄之丞は逃げ出した、しかし回り込まれた、瞬間移動してやがる、ボスですねわかります。
なんか剣だしたハルバートに変わった、しかも雷が飛んできた。
お願いです、痺れて動けなくなった俺の上で白哉萌えとか平子×一護萌えとか攻めとか受けとか語らないでください。
誰だか知らないけど×で表されるのが不憫でしょうがないです。
仲良くするから勘弁してくれと謝ったら許してもらえました。
くそっ、幼女めとか思ってたら殴られた、どうも口に出してたらしい。
理不尽な。




卯月の中旬の参(くもりのち晴れ)

先日、青春の嬢ちゃんがやってた瞬間移動と武器変化はそれぞれ瞬歩と斬魄刀の始解と言うらしい。
死神の戦闘方法は斬拳走鬼の四種類あると言うことはすでに習った。
斬は斬魄刀の使い方、拳は斬魄刀なしでの格闘能力、走は身のこなし、鬼が鬼道すなわち魔法の上手さの事だ。
走だけ地味だよなみたいな話してたら瞬歩とか超重要だとか怒られた。
体育の時間に軽く素手の組み手やったら何度やっても瞬間移動で避けられて蹴られた。
ごめんなさい、もう地味とか言いません。
なんかコツとか教えてもらった、実は良い奴かもしれない。
いや、まて、雷喰らってぼこられたのを忘れるな、この女に気を許したらどんどん貧乏籤を引くと俺の中で何かが言っている。
そうそう、鬼道も使えるらしくコツとか教えてもらった。
手からビームでたよ、ビーム、鬼道すげー、魔法だ魔法。
ちょっとだけ、ちょっとだけだけど以前の仕打ちは忘れてやってもいいかもしれない。





卯月の下旬(くもりのち小雨)

今日から本格的な実習が始まる。
斬魄刀を使った戦闘訓練だ。
自分の刀を持ってる人間は自分のを出して素振りを始めている。
まだ持ってない人間用にと講師の死神が名無しの浅打の束を持ってきた。
斬魄刀は自分で出した分に限り名前を持っていてその名前を刀に教えてもらう事で特殊能力を使えるようになるそうな。
俺はまだ出せないので浅打を貰いに講師の所に行ったのだが、受け取った浅打を鞘から抜いた瞬間粉々に砕けた。
周囲の目が痛いです、何ゆえいきなり砕けるのでしょうか?
講師も首をかしげています、もう一本浅打を受け取り鞘から抜いてみますが再び粉々に砕けました。
呪われてるんでしょうか、なんかそこいらに幽霊でもいないか思わず探しましたが俺も死んでることを思い出して凹みました。
青春の嬢ちゃんとかメガ笑ってます、死ねばいいのに。
困り果てた俺を見かねたのか嬢ちゃんが寄ってきて、夢に見た奴を思い浮かべながら霊力を手に集中するように言ってきたのでその通りにやって見ました。
すると、時代劇でよく着物着たお嬢さんが敵討ちの時、敵に刺したりする短刀が出てきました。
霊力が強いとでっかい剣が出てくるという話を聞いた事があるんだが、これは要するにアレだろうか?
霊力が少なすぎて斬魄刀が小さいと言いたいと?
ちょっとは思ってたんだよね、俺TUEEEEって感じの未来もいいかなって。
この時俺は決意した、小市民で生きて行こうと。
青春の嬢ちゃんが何か言っていた気もするがどうでも良い事だと思うのでまぁ、ほんとどうでもいい。
鬱だ。




如月の下旬(晴れ)

色々あった気がするが無事、死神の基礎を学んで新人として護廷十三隊の配属される事が内定した。
相変わらず斬魄刀は使い辛いです、ていうか近接を斬魄刀でどうこうするのは諦めた。
幸い鬼道に適正があったのでそっちを磨きつつ、拳と走をサブに斬はサブのサブくらいの心持で鍛錬してます。
成績は鬼道が上の中位、拳と走はぎりぎり中の上、斬は意外だが上の下という事になった。
それは浅打を使う必要は無く自分の斬魄刀を出せたかららしい。
出せたら上は確定なんだとか、俺が思ってた以上に自分の斬魄刀持ってる奴は多くないみたいらしい。
講師の人にも努力すれば席官くらいにはなれるかもねと言われた。
まぁ、分相応って所だろうなぁ、席官狙えるだけでも驚きだよ俺。
青春の嬢ちゃんとはこのニ年近く、何だかんだ言いながらそれなりに仲良くしてた気がする。
これから護廷十三隊に配属されて、隊は離れるかもしれないがたまに出会った時位は、同級生として世間話のひとつでも出来る関係で居たいものだ。
こいつはきっと出世するだろうしなぁ、給料も良いだろうし、今度美味いもんでも奢って欲しい。
まぁ、何はともあれ死神としての第一歩を踏み出した俺の栄光の日々はこれから始まる……みたいな。
隊の人は良い人多いといいなぁ。




 金崎玄之丞 真央霊術院の日々の日記より一部抜粋









【朽木青春の憂鬱】


 私がそいつと出会ったのは真央霊術院に通うようになったことが切欠だった。
 朽木家の長女として生まれ、既に充分な死神としての技能を得ていた私は一応の決まりという事で院に通う事になっていた。
 正直、この体のスペックは特上だし、貴族だからといって敬遠されるのは判り切っていたので憂鬱だった。

 その男を最初に見たときも原作の主要キャラと比べて普通過ぎるくらい普通だったので気にも留めていなかった。
 髪の色も黒だし、目の色も別にオッドアイとかじゃないし、背は平均よりは高いけどモデル体型なんて事も無い。
 顔も悪くは無いけど良くも無い、本当に特徴の無い男だった。
 他のやつと同じように私から距離を取っていたし、私を見ての反応も溜息を付いたり鼻で笑ったりと、どうせ貴族の嬢ちゃんが見たいな視線だった。

 しかし、良く見てみると、他の人間とは微妙に着眼点が違う気がする。
 私が天啓を得たのはそんな日々がしばらく続いた後だった。

 なんともなしにこちらを見てるそいつを横目で見ていたんだが。
 そしたらそいつは私の全身を上下に見た後、某部位で視線を止めた後、何時もの様に鼻で笑ったのだ。
 私は切れた、大いにキレタ。
 貴族の作法とか、威厳とか、矜持とか全部飛んだ。
 むしろここで切れなかったら女としてのプライドが終わる、どうしようもなく。

 とりあえず蹴りかまして説教した後、弁解させてみた。

「いや、夢で胸の寂しいお嬢ちゃんを毎晩見るから自分の性癖に自信が無くなってな。
 胸の寂しい女性を見るとつい巨乳を思い浮かべるようになってしまったんだ。
 態度に出てたようで本当にすまん、悪気は無かった、今は反省している」

 真顔でそんな事を言うこの男、絶対反省してない。
 むかついたのでとりあえずもう一回蹴っておいた。
 誰も私を攻められないと思う、絶対。



 しかしまぁ、失礼な奴ではあるけど他の腫れ物を触るようにしか接してこない有象無象よりは全然マシだ。
 退屈だと思っていた院での生活はこの男で遊ぶ事で解消しようと思う。
 そしてもうひとつ、多分、あの男が見ている夢は斬魄刀の呼び声だと思う。
 原作では日番谷冬獅郎がそんな夢を見ていたとか言っていた。
 斬魄刀を呼び出す前からそういう夢を見ていたと言う事はかなり強い霊力を持ってるはず。
 案外、便利な奴かもしれない、とりあえず仲良くしてやる事にする。

「だが断る! 貴族とか権威とか権力闘争とか面倒なんでパス、仲良くしないで下さい」

 真顔でそんなこと言う男は殺して良いと思うんだ、この時私は青筋浮かべてたと思う。
 それでも笑顔でそういう歯に衣着せない人間は貴重よねぇと言ったら滅茶苦茶嫌そうな顔して逃げた。
 むかついたので瞬歩で回りこんで斬魄刀を始解して電撃を撃った。
 やりすぎたかもしれない、でも後悔はしていない。
 背中に乗ってブリーチのカップリング談義をしたら涙目で謝ってきたので寛大な私は許してやる事にする。

「何処の誰かは知らないけど、×でくっつけられるとは不憫な……おのれ、幼女め」

 とりあえず殴った、反省はしていない、してやるもんか。





 しかし、この男、妙に言動が今の時代にそぐわない。
 でも、ブリーチの事とか知らないみたいだし(カップリング談義の時に確認した)気にしすぎかも?
 まぁ、仮面の人等みたいに時代考証無視してる人とか多いし気にするだけ損かな?
 昨日は苛め過ぎて悪いと思ったので少しだけ瞬歩とか鬼道とかの勉強を見てやることにする。
 教えてみたら、わりと中の上くらいの才能はありそう。
 特に鬼道は相性が良いかもしれない、初日で破道の四とか威力は兎も角使えるようになるとはね、良い買い物だったかも。

 この男を見極める機会は割りと速くやってきた。
 斬魄刀を使った実習で手に取った浅打が粉々に砕けるという意味不明な現象が起こったのだ。
 全く、本当に退屈させない男だとつくづく思う。
 浅打が使えないなら自分のを使うしかない。
 私の勘が確かなら、こいつは自分の斬魄刀を持ってるはずだ。

 案の定、少しのアドバイスで自分の斬魄刀を抜く事が出来た。
 しかし私に、その斬魄刀が現れた瞬間、背筋に氷柱を入れられたような寒気が走った。
 咄嗟に頭に浮かんだのは嫉妬という言葉だった、もしかしてこれは嫉妬の視線じゃないだろうか?

「そうか……全く、嫉妬深い斬魄刀ね」

 これは女の勘って奴だけど、浅打が砕けたのは自分以外の刀を主に使わせたくないせいかな?
 斬魄刀の抜刀前から声を聞いていたわりに刀が小さいのは隊長格が斬魄刀のサイズを調節できるのと同じ要因なのかもしれない。
 無意識に霊力を抑えてるとしたらホントにいい買い物だ。
 見極める時間はあと一年以上あるし、使えるようなら使ってあげるのが粋ってもんでしょう。
 私は今の時点でお爺様の六番隊に入るのが内定してる。
 金崎玄之丞、この男も六番隊に推薦してみようかしらね、面白くなってきたわ。







 了


後書き
勘違いとトリッパーは流行りだから出した。
痛さが足りないと言われたが正直痛さに耐えられない。
次回にはオリキャラ以外も出て来ると思う。



[6509] 六番隊新入隊員の頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/12 19:45
卯月の頃(晴れ)

霊術院を二年で修了し、春から無事死神として働くことになった今日この頃、皆さんどうお過ごしでしょうか?
思わず手紙のように書いてますが日記です。
ブログとかあったら思い切り公開したいくらい嬉しいです。
ぶっちゃけ尸魂界では死神になると言うことはこの死後の世界において警察と軍と国家公務員とプロスポーツ選手を全部足して割らないような職業になるようなものなのです。
一般の死神でも流魂街での生活と比べたら月とすっぽんくらいの違いがあるほどの高給取りです。
俺とか贅沢する趣味とかもないし軽く試算する限り(とらぬ狸の皮算用)全く以って使い切れません。
折角なので山ほど菓子買って家族に報告に行きました。
家族といってもこっちに来てから一緒に暮らしてた人たちです。
顔を出したら我が事のように喜んでくれました。
家族って良いなぁ、曾婆ちゃん元気にしてるかなぁ。
はいはいまだ生まれてませんね、あと50年くらいしたら生まれてくるかなぁ。




卯月の頃2(晴れ)

今日は入隊式、院を修了してから会ってないが青春の嬢ちゃんもどこかで受けてるんだろうか?
ちなみに俺は六番隊に配属が決定された。
隊長は朽木銀嶺さんというお爺さん。
青春の嬢ちゃんの祖父らしいけど似ても似つかないこの落ち着きと威厳。
かっこいいお爺さんだなぁ。
年をとるならああいうお爺ちゃんになりたいものだ。
新入隊員は二人一組でコンビを組み先輩隊員の監督の元、研修を行うらしい。
今日は式典のみで任務は明日かららしい、相棒もその時顔合わせするんだとか、悪い奴じゃなければいいけどな、楽しみだ。




卯月の頃3(くもり)

隊に顔を出したら何処かで見た顔が茶を飲んでいた。
青髪で小柄で胸が寂しいバカ女だ。
先が予想できてムカついたので胸みて鼻で笑ってやったら湯のみを投げてきた。
予想通りだったので避けたら丁度部屋に入ってきた朽木銀嶺隊長が受け止めてた。
爆笑してる青春の嬢ちゃんを無理矢理頭下げさせて俺も頭下げて謝った。
もう、なにこの状況、誰が死んだら解決するんだ?
俺のオススメは大爆笑してる青髪の小娘なんだが、唐突に大虚(メノスグランデ)でも現れて殺してくれないだろうか。
ちなみに大虚ってのは虚の上位種みたいなものらしい、俺には全く関係ない。
出会ったら人生詰む的な意味で。
呆れ顔の銀嶺隊長が事情を説明してくれた。
まあ、薄々わかってはいたんだ、コンビ組む相棒がこの女だと言うことに。
しかし、しかしだ、監督官が隊長ってのはどうよ。
どう考えても職権乱用じゃないか、死ね。
昨日は似てないとか書いたけどバカみたいな無茶やるところとかそっくりだよこんちくしょー。
ちなみにこの日は隊長に稽古付けて貰った。
とりあえず色々ストレスたまってたので組み手中に詠唱破棄して破道撃ったら斬魄刀で切り飛ばされた。
まるでミストバーンにメドローア撃ったら無傷だった気分だ。
ズタボロにされました、レベル違いすぎて参考にならねーよ。




皐月の頃(小雨)

初任務、隊長が監督し(冗談だと思ってたらマジで着いて来てやがる)下界に降りる事になった。
そんなに隊長って暇なのだろうか?
そういえば副隊長が泣いて仕事してた気がする、これが世間で言う孫に激甘お爺ちゃんと言う奴だろう。
流石、干し柿より甘いだけの事はある。
良く見ると結構、いたる所に黒い服の死神が見える。
共同の研修でもあるんだろうなぁ、もしかして全体の責任者として着いて来たって事なのか?
だとしたら見当違いの想像して悪かったなぁと思う。
あ、遠くの方で大砲とか鉄砲の音とか聞える。
懐かしいな、どっかで戦争してるや、みたいな事を考えてた。
死んだ時も戦争してたよなぁ、懐かしいとか思えるとは俺も死人が板についてきたって事なんだろう。
戦争は人が死ぬ、それに紛れて虚も人間を食うらしい、下界に降りた後のブリーフィングでそんな事を聞かされた。
集まってきた虚を蹴散らして霊を成仏させる大規模作戦らしい。
研修にしてはハードそうに聞えるなぁ、死神って結構ハードって事なんだろう、なんせ給料良いしな。
持ち場に付いてしばらくすると案の定虚が現れた。
初実戦だが、こちらには六番隊隊長が付いている、余裕余裕。
とか思ってたら隊長は手を出さないらしい、研修だし当然だよねぇ、はぁ。
青春の嬢ちゃんは斬魄刀を解放して自分の身長よりでかいハルバートに変えていた。
見るのは二度目だ、始めて見たのは霊術院のあの時だけだ、どうやら院では出す予定は無かったとか。
だったら出すなよと大いに言いたいがあそこで出さなきゃ女がすたるとか言われた覚えがある。
すたるような女など何処にあるのかと言いたい(特に胸)。
嬢ちゃんと二人で組む時は俺は基本的にサポートに回る。
ハルバートでぶちのめした敵に止めさしたり縛道で許容範囲を超えた敵を減らしたりだ。
まぁ、嬢ちゃんの戦闘能力は霊術院でトップだったし、楽させてもらってます。
稀にお嬢ちゃんの不意打って攻撃して来るのは俺が縛道で拘束するし、俺を組し易しと感じて寄ってくる虚は嬢ちゃんが斬った。
初任務にしては上手く行ったんじゃなかろうか?
やっぱ、見てるだけとは言え、隊長格が後ろにいると安心できるね。
おかげで初陣にも関わらず安心して戦えました。
貴族の腰ぎんちゃくもこうしてみると悪くない道かもしれない。
うむ、我ながらなかなかのポジティブシンキングだ。
この調子でストレスとか無くなるといいな。
虚を狩り終ってからそこらの霊魂に魂葬しまくってきた。
戦争だけに数ばかり多くて虚との戦いよりこちらの方が疲れた気がする。
でもまぁ、命の危険が無い分、こっちの仕事の方が好きだけどな。
ちなみに、魂葬でも隊長は見てるだけでした。
ホントに何もしやがらねぇこの爺。
嬢ちゃんもこっそりサボってんじゃねぇ、脳みそとか出ててキモイ?
知るか!!





皐月の頃2(晴れ)

お偉いさんに関わる事で発生するメリットとデメリット。
デメリットが限りなくめんどくさいので俺は貴族に関わりたくなかった訳だ。
その最大のものとしてやっかみや嫉妬などがある。
ただの新入隊員が隊長に指導してもらってたり休暇とか融通してもらってたりしたらそりゃ気に食わない。
出身が貴族とかならどうこうされる事は無いが、流魂街出身の俺は違う。
まず間違いなく近いうちにやっかみとか受けるようになるだろうな。
その為の対策も欠かさないのが凡人クオリティ。
出来る事しか出来ない人間は早さが命。
初実戦が終わってから隊内の雑用は率先してやってたりする。
お茶汲みとか掃除とか書類整理とか備品整理とか。
上に媚びてやるんじゃなくてなるべく下を立てる形でやらないと逆効果だけどな。
便利な人間と思われたなら好都合、利用されるのが嫌でなければ平穏な生活を送る為には良い手だと思うわけだよ。
青春の嬢ちゃんの世話をするのも色々諦めてしまえば可愛いもんだ。
そこそこ便利な事務官みたいな位置付けで、便利なお人好しなキャラ付けを狙っていこう。
あわよくば席官補佐って感じで給料とか上がるかもしれんしな。






文月の頃(超晴れ)

事務官作戦は今の所上手く行っていたりする。
むしろ行き過ぎた、死神とか仕事の性質上、武闘派が多すぎる。
文官肌な奴等とか、みんな鬼道衆とか四番隊になってるとかありえんわ。
ちなみに、鬼道衆って言うのは鬼道の研究したり鬼道必須ミッション系の仕事したりする鬼道のスペシャリスト。
四番隊は救護班、後方支援部隊らしい、いいよね、後方、安全とかいい響き。
まぁ、うちの隊はまだマシな方だが、十一番隊とか酷いぞ、あそこは脳筋しかいねーよ。
書類とか届けに行ったら因縁つけられた、取りに行った時は全然やってなくて半分以上俺がやったし。
他の隊の仕事やるとかねーよ、馬鹿どもが、いっぺん死ね、氏ねじゃなくて死ね。
あと、下界任務が減りません、むしろ増えた、青春の嬢ちゃんと一緒に虚狩りまくってます。
流石に隊長は付いて来なくなったけどな、一応、新入りが外れたっぽい感じだ。
でも隊舎では稽古とかつけてくれます、事務仕事のジャマにならない範囲で、その配慮が辛い。
いっその事、止めてしまえば楽になるんだろうけど、六番隊の人間、超良い人ばっかなんですよね。
普通にしててもいじめとか受けるわけねーよ的な人ばっかです、俺もしかして人間不信入ってた?
世間的に、人間皆兄弟とかの方が正しかったりするのか?
好意の視線が痛い、俺頑張ってるの知ってるせいか書類仕事してたらお茶入れてくれた女の子の死神とかさりげなくお菓子とか置いてってくれるんですよ?
もう別の意味で事務官作戦やめられねー、平凡平穏で閑職とか理想だったんだが無理だ、何処で間違ったー!!





長月の頃(曇り)

今日は愚痴仲間が増えた。
なんか四大貴族の会議みたいなのがあるらしく銀嶺隊長に青春の嬢ちゃん込みでお供をおおせつかった。
会議というより懇親会で、嬢ちゃんの弟さんも来るらしい。
始めて会ったが、利発そうな少年で好感度大、あの姉には苦労してそうだなぁとか思った。
思ったので苦労してるだろうと聞いたら嬢ちゃんに蹴られた。
白哉君と言うらしいが苦笑して大丈夫ですかと手を差し出してくれた。
他にも貴族がどんどん来るのであまり話は出来なかったが良い子だった、是非とも朽木の血に負けずに素直な好青年に育って欲しい。
ツンデレ冷徹真面目人間とかになりそうな気がするけど、電波だろうか?
あと、二番隊の砕蜂(ソイフォン)って子と少し話した。
二番隊の隊長が四楓院夜一という人で四貴族の一員なんだとか。
その隊長のお供で来たらしいのだが滅茶苦茶夜一って人の事を尊敬というか崇拝してた百合でしょうか?
その反面、割といい加減な所がある夜一さんに日々ヤキモキしているらしく滅茶苦茶愚痴られた。
あ、白哉君が夜一さんに捕まってる、砕蜂が切れた、白哉君と二人して夜一さんを瞬歩で追いかけ始めた。
この後、追いかけっこ中の夜一さんに襟首捕まれて盾にされた。
どうやら青春の嬢ちゃんに俺の事聞いてたらしく面白そうだったから巻き込んでみたとか言われた。
あの女、案の定こっち見ながら笑ってやがる、ホントに碌なことしやがらねぇ!
でも、盾にされてた時一部分が触れて気持ちよかったです。
やっぱ、大は小を兼ねるってのは間違いないね、エクセレント。
この功績をたたえて、今回の事は水に流してやろうと思う。






長月の頃2(曇り)

青春の嬢ちゃんが唐突に始解の練習はしてるのかと聞いてきた。
何それ、美味しいの?
始解なんか出来ちゃったら今以上にハードな戦場に連れて行かれるじゃないか。
一般隊員でこのハードさ、席官待遇の戦場とか行ったら俺死ぬんじゃね?
そんな事を言ったら滅茶苦茶蹴られた、ぼこられた。
なんでも、既に席官レベルの戦場に行ってるんだとか?
聞いてないんだが、冗談ばっかとか思ってたら、嬢ちゃんが斬魄刀の始解をして見せた。
嬢ちゃんは普通に始解してましたねー、そう言えば……
ちょっと待て、席官レベルの戦場に一般隊員連れてくなよ、俺死ぬじゃん!
始解ってどうやるの、滝にでも打たれた方がいい? それとも崖から岩落とし?
パニクってたら、夢の中の奴に名前を聞けといわれた。
むしろ聞えてないなら努力が足りんとか言われた。
斬魄刀持って自分の精神世界にでも行って来い馬鹿とか言われた。
馬鹿に馬鹿とか言われると腹立つよね。
一般隊員に多くを求めすぎだこんちくしょー!
誰も彼もが席官とか隊長クラスに才能あるわけじゃないんだぞ!
しかし、まぁ、戦いで生き残る為には始解するしかないか。
謝っても絶対、居残り許してくれるわけ無いよなぁ。
このサド女め、百万回死んで来い、そして絵本になれ。






長月の頃3(晴れ)

今日から、始解の特訓を始める。
とりあえず、精神世界に入る訓練から。
斬魄刀に意思があると言う事なのでそれを核に精神集中してみる。
どうやったら良いか判らんので具現化方式で試してみる事にする。
斬魄刀を観察する、絵に描く、触る、舐める、握る、振る、手入れする。
隊舎でやってたらとうとう金崎が壊れたとか、玄之丞くん頑張りすぎだったんじゃない、とか聞えてきた。
恥ずかしくなったので半休取って流魂街の実家近くの広場までやってきた。
とりあえず座禅を組んで広い原っぱの真ん中で斬魄刀に触れていた。
一時間くらいそのままでいたら眠くなったようなそうでないような不思議な感覚を覚える。
気が付けば目の前に何時もの黒髪のお嬢ちゃんが立っていた。
髪が長くて口元以外の表情は見えない。
なんとなく野生動物と目が合ったぜ見たいな状況で困った。
そう言えば毎晩顔合わせてたけど、声とか聞いた事ないんだよな。
動いてる姿とかも見た事無いし。
喋れるかって聞いたら、やっと話し掛けてくれたって微笑まれた。
話し掛けたこと無かったっけ? そう言えば、無かったような気がします。
毎晩出て来るんなら話し掛けてくれれば良いのにと言ったら恥ずかしいしとか言われた。
どうやら、自分から話しかけるのが恥ずかしくてじっと見てるだけだったらしい。
どんだけ照れ屋だよ、俺も俺だ、一度も話しかけてねーとか無いわぁ。
流石に悪いなぁと思って、自己紹介した後、良ければ名前を教えて欲しいと言ったら教えてくれた。
その瞬間、目の前のお嬢ちゃんは消えていた。

『玄海』

それが彼女の名だった。
そう呼んだ瞬間に、短刀はバスケットボールより大きい位の真っ黒な玉に変化した。
空中に浮かんで俺の周りをクルクル回っていた。
なんとなく犬とかが散歩中に主人の周りをくるくる回ってるようで和んだ、正直最近ストレス溜まり過ぎだしな。
触ると柔らかくて弾力があったが、ちょっと力を込めるとするりと手が沈んだ。
うむ、相変わらず真っ当な武器じゃないことは把握した。
とりあえず折角休み取った訳だし、家族に挨拶してくるか。
この後、地獄蝶使ってしばらく修行してきますので休みますと伝言頼んで六番隊に届けた。
ちなみにこの後、三日遊んだ、四日目に青春の嬢ちゃんが来たので丁度今始解が出来るようになったぜ見たいな顔をして迎えた。
滅茶苦茶驚いてる、どうせ三日遊んでるんだろうとか思っていたに違いない。
残念ながら、俺は夏休みの宿題とか7月中にやるタイプでした。
おかげで丸々一ヶ月遊びまくって新学期始まったばかりの実力テストで惨敗してたがな。
なんにせよこれで戦闘とか楽になるよな?






 金崎玄之丞 六番隊新入隊員の頃の日記より一部抜粋











【朽木銀嶺の憂鬱】


 孫娘の青春が真央霊術院を出てワシの隊に入隊する事に決まった。
 死神としてのあれこれは既に叩き込んでおるし一年で終わるはずじゃったが何を思ってか更に一年の修学延期を言ってきた時はどうなることかと思ったがとりあえず一安心と言った所じゃろうか?
 なんでも、使えそうな死神見習いを見つけたから少し鍛えてみるので一年時間をくれじゃったか?
 色々問題のある孫娘じゃが、人を見る目は確かじゃ。
 以前も顔合わせさせた他の隊の隊長の実力も判っておったようじゃしの、末が楽しみと行ったところじゃの。

 その青年の第一印象は平凡そのものじゃった。
 ただ、真面目で優しそうな青年じゃったがの。
 いくら同期とは言え、ワシ等みたいな四貴族に対してああ言う事(頭掴んで謝らせるとかじゃ)が出来る人間は貴重じゃ、大切にせねばならん。
 そして、二年で霊術院を卒業する人間などそうはおらん。
 事前の訓練があった訳ではない流魂街出身者がそれをするのは驚異的じゃ。
 折角の有望株じゃし、少し腕を見てみるかのう。



「隊長格とかどれだけ強いんだよ、無理だ、勝てるわけねぇ……と見せかけて破道の三十一【赤火砲】」

 ふむ、確かに驚きじゃの。
 霊術院を終了したばかりのひよっこが威力は兎も角、三十番台の破道の詠唱破棄をやるとは。
 そういえば下界で戦争が始まるらしい、ワシが監督しておれば連れて行くのも一興か。

 しかし、鬼道を斬り飛ばしてから考え事しておったら手加減を間違ってしもうたらしい。
 大汗をかいて大の字になって倒れている青年を見て少しだけ後悔を覚えた。

「ね、お爺様、面白い奴でしょう?」

 得意顔の孫娘を見て、先ほど覚えた後悔はきれいに無くなったがの。
 青春にはまだまだ色恋は早いわい!



 下界での虚戦、なるほど、良く仕込まれておるのが判る。
 的確に孫娘を援護する姿を見てワシはそう判断した。

 おそらく本人は気付いていまい、こやつ、青春にそうなるように仕込まれておる。
 自分が苦手な分野を援護するように、得意な分野を増強するように、正に相棒となるように訓練をされておるようじゃ。
 なるほどのう、一年の猶予はこの為か、わが孫ながら末恐ろしいことじゃ。

 地上に連れて行った後もこの男は驚かせてくれた。
 戦闘だけでなく、率先して雑務をこなし書類整理などの事務仕事にもせいをだす姿も良く見るようになった訳じゃ。
 和を尊ぶ姿は今時の若い死神にしては珍しい。
 白哉とも悪くない対面をしたようじゃし、四楓院とこの嬢ちゃんにも気に入られたようじゃ。
 ふむ、今後の成長しだいじゃが、候補くらいには入れても構わんか。

 なかなか得がたい人材を手に入れたようで我が孫娘もなかなかやるわい。


「お爺様、玄之丞が始解おぼえたですって、今度からもっと厳しい場所に派遣しても大丈夫よ!」


 やれやれ、もう少し淑やかに育ってくれれば良かったものを、お転婆で困るのう。
 金崎玄之丞か、孫を任すに値する人物か、期待には答えてもらわねばな。






 了


後書き
豚もおだてりゃ木に登るって感じに更新して見ました。

ソウルソサエティでも人は死ぬという意見がありましたけど、何処かで、食べなくても死なないのに食べ物盗んでた矛盾はどういうことだろうとかって言う意見を見た気がします。
なのでお腹は減るけど死にはしないという設定で書かせてもらってます。
事故死、他殺、病死などはあるんだろうとは思うのでそのあたりは任意で補完お願いします。

斬魄刀の名前、田中太朗は思い浮かばなかったです。
普通か厨二っぽいかどっちかにしようと思ってました。
とりあえず能力は厨二っぽいかもしれません、黒とか玉とか浮かんでるとか。

感想沢山頂きありがとうございます。
頑張りますので生暖かく見守ってくださいませ。



[6509] 六番隊一般隊員の頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/13 18:32
長月の頃(晴れ)

先日、斬魄刀の始解が出来るようになった。
ちょろい、と言うのは嘘だが、むしろ始解出来る様になってからの方が大変だったりする。
何故なら、もうあの夢は見なくなるんだろうなと漠然と思っていたんだが超見てる。
その上、お喋り付きです、しかも体感時間としては寝てる時間とほぼ同じ時間くらいだろうか。
レム睡眠とかノンレム睡眠とかどうなってるんだろうか?
そのうち原因不明の過労とかで倒れたりしないだろうか、何時間寝なくて人間は生きていけるんだったっけ?
能力の方だが俺の周りをふよふよ飛び回る癒し系斬魄刀だと思ってたのでそう言ったら、そんな訳有るかと殴られた。
誰にとは言いません、そんなことする奴なんか一人だけだよ、馬鹿女め。
まぁ、それは兎も角、隊舎に帰って来てすぐに道場で色々実験とかをした。
斬魄刀の使い方は斬魄刀本人に聞くのが一番らしい。
だからと言って自分で調べないのは怠惰だと思うんだ。
そんな事を青春の嬢ちゃんが言ってたがあの好奇心に満ちた目、自分が弄りたいだけと見た。
色々試してみた結果、触れて柔らかいのは俺だけ、手が玉に潜っていくのも俺だけらしい。
他の人が触ってみると滅茶苦茶硬いみたいだ。
透明感は無く、黒と言っても光の反射――つまり光沢が無いので立体感が感じられません。
後、勝手に動く、自分で動かそうと思ったら玉が二つに分裂した。
体積は半分くらいになったようで片方は相変わらず俺の周りをふよふよと漂ってるだけだ。
まさか本当に癒し系斬魄刀なのか見たいな事を嬢ちゃんが言ってたので自分で半分の方を投げつけておいた。
ファンネルみたいな使い方が出来るみたいです、ちゃんと投げつけたあと自分で戻ってきました。
犬でも飼ってるみたいだ。





弥生の頃(くもり)

生前、タイムスリップする前の話だ。
とあるSF小説にアメーバ状の宇宙生物で宇宙刑事という滑稽な存在を主役とした物語があった。
人間の体の中に入り込んで共生する奴だ。
怪我とかすれば傷口を塞いでくれるんだが、傷口をアルコール消毒すれば嫌がって傷が開いて出血した見たいなエピソードを覚えている。
何でこんな話をするかと言うと、解放状態の玄海ちゃんが同じような事ができたからだったりする。
あの玉、どうやら水みたいなものらしく夢であれこれ話してたら教えてくれた。
とりあえず実験と言うことで大怪我して隊舎に戻ってきた同僚の死神に試してみた。
超びびられた、泣いた、お母さん助けてーとか泣き喚いた。
うん、俺も泣く、なんか黒いスライムみたいなのが傷口からじわじわと体の中に入ってきたら超泣く。
ちなみにきちんと傷は塞がりました。
ふさいだ上で鬼道で治療すると治りがめちゃ早いです。
骨折とかにはやらないよりマシ程度だけどな。
この能力は四番隊向きだよなとか誰かが言ってたので転属していいか聞くと断られた。
青春の嬢ちゃんにジョジョ風に、だが断るとか何とか、貴様はまだ平だろうが権限なんかねーよ。
そんなこと言ったらそろそろ席官に推薦されてるんだとか言っていた。
それはめでたい、主に二人組み解消的な意味で。







卯月の頃(晴れ)

青春の嬢ちゃんが席官になった、第三席らしい。
入隊一年で三席とか出世滅茶苦茶早いらしい。
俺はと言うとめでたくもコンビ解消です。
単独で下界任務とか請け負うようになりました。
おかしい、難易度が全然変わってない、前衛居なくなった分厳しくなったくらいだ。
要するにアレか?

以前と同じ難易度の仕事+始解でパワーアップ-前衛=相変わらず変わらぬ危険度の仕事

って事なのか?
もしかして席官クラスの仕事単独でやってますか俺。
聞いてみたら「Exactry、その通りでございます。」とか言ってたので暴れた。
道場が半壊した。
嬢ちゃんと俺の給料も半壊した。






卯月の頃2(曇りのち雨)

後日、隊長に仲良く説教喰らってから、減給終わった後、昇給があると伝えられた。
本当は減給喰らってなければ以前の時点で昇給はちゃんとして貰えてたらしい。
席官には空きが無いので昇進は無いがとか言われましたが給料上がるなら面倒ごと増えるし昇進は要らんなぁ。
忙しすぎてその給料もあまり使い道無いんだがな。
休みごとにお菓子とか家族に持って帰ってたんだが使いきれないのでどんどん増えてった。
そしたらなんか食料の配給みたいになってしまった。
自分の所じゃ食いきれんとか言って近所にも配ってたらしい。
まぁ、やっかまれると大変だしね。
自分等ばかり悪いなぁとか言われたがえこひいきくらいするし、人間だから。
建前は正義の為でも平和の為でも世界の為でも言えるけど、人間なんて本音では色々順番つけて個を優先したりしてるものだ。
家族の為には戦える、まぁ、百歩譲って仲間の為にも戦える、後自分の為にも。
多くは望まないけど、平和に生きていたいなぁ。
その為にはとりあえずある程度強くなっておくにこしたことは無いよな。
玄海嬢ちゃんの特訓でもしようか。
あのふよふよ漂ってる方の玉、操作権とか斬魄刀本人にありましたよ。
色々頑張ってくれたら死角とか減って楽になると思うんだ。





神無月の頃(晴れ)

始解を覚えてから一年ちょい、玄海嬢ちゃんの訓練にメドが立ってきた。
要するにだ、嬢ちゃんが敵の攻撃を阻んでいる間に、俺が詠唱付きの鬼道を撃てば隙が無くなると言う事だ。
受け止める攻撃は早ければ早いほど、強ければ強いほど練習になって良い。
実戦+隊長と青春の嬢ちゃんとの模擬戦などで経験値の蓄積は徐々に彼女と俺を強くした。
って言うか、瞬歩な上に始解して本気で殴り掛かって来ないでください、流石に死にます、特に隊長とか剣速はえーよ、速過ぎだ、流石に時間を縮めすぎだろう。
元々が液体なので断ち割られても壊れるという事がないのは利点です。
そんなこと言ってるうちに当然割られた、じゃあ手加減は要らんのうとかもう勘弁。
受け流しを覚えるんだ、回転してそらせば割れない!
斬魄刀の残り半分を剣の形にして自分で振るえば攻撃も防御も出来てなかなか便利だしホント俺向きの斬魄刀だ。
あと、感覚の共有が出来るようになった、玄海嬢ちゃんが言うには心と心が触れ合う感じだとか。
何が言いたいかと言うと、二つに分けた斬魄刀を片方を受信に、片方をセンサー+送信として使う事が出来るということだ。
女風呂とか覗き放題だなぁとか思ってたら玄海嬢ちゃんが足の上に凄い勢いで落ちてきた。
どうやら男の浪漫は無理らしい、残念だ、凄まじく残念だ。
正直に俺がこの覗き能力を持ってる事を誰かに話したら人格を疑われて困るので内緒にしておく事にしよう。
出来ないのに覗き扱いされるとかデメリットしかねーよ。






如月の頃(くもり)

そろそろ六番隊に入って10年以上になる。
それなりに強くなったしそれなりに仕事も出来るようになった。
隊の中でも古参とはいえなくても中堅くらいに位置付けには居る。
相変わらず青春の嬢ちゃんにはこき使われてるし、隊の雑用は減りやしない。
席官にしなかったのは席官全員の雑用やらせるためじゃないのか?
だとしたら相変わらずふざけた脳みそしてるようなので技術開発局に寄って飲むと踊りたくなる薬でも貰ってこよう。
歌いたくなる薬とかでも可だが、とりあえず玉露に混入してくれるわ。
死神になってから、幾つかの隊の隊長や副隊長、席官の顔ぶれが結構変わった。
六番隊はそれほどでもないがどうもここしばらく入れ代わりが激しいらしい。
尸魂界にも世代交代ってのはあるんだな、青春の嬢ちゃんもその一人って奴だろう。
嬢ちゃんが隊長になって、俺が隊員としてサポートするって言うのも悪くない、本当に悪くないから腹が立つ。
もう少し嫌なやつなら純粋に嫌えたし、俺の精神衛生上よろしいんだがなぁ。
相変わらず、貴族の交流会にもお供する場合が多い、最近、白哉君が兄上とか言って来るんだが、懐かれて悪い気はしない。
弟とかいなかったしな、彼もあんな姉より兄が欲しかったんだろう、微妙に発音がおかしい気もするが気にしない……絶対、気にしない。
そして、砕蜂も相変わらず夜一さんに振り回されているらしい。
あ~、俺も夜一さんに振り回されて~、貧乳に振り回されるとかどんなだよ、俺。
そう言えば流魂街で服だけ残して魂魄が消滅する事件が起きている。
家族は大丈夫だろうか、九番隊が調査に赴くらしいという話を聞いた。
六車隊長なら、何とかしてくれると思う、ヤンキーだが実力は確かだ、ヤンキーだがな。
青春の嬢ちゃんが珍しく休暇の申請もしていた。
普段から仕事しねぇから正直申請要らないんじゃとか思う。
有給では無いので給料減るのでどんどん休みとか取るといいよ、主に俺が喜ぶ。
ただし、手続きとか俺がやらされなければの話だがな、他人の書類の申請とか本人やるより面倒なんだよ、全く困った奴だ。
しかし、下界はまだ明治時代くらいのはずだが、十三隊の隊長どもは時代考証とか無視してないか?
六車隊長の副官とか頭メガネとか付けてるし七番隊の愛川隊長なんてアフロだよアフロ。
全員、センスが未来予知過ぎるよ全くなぁ。





如月の頃2(くもり)

護廷十三隊十二番隊隊長『浦原喜助』と鬼道衆総帥大鬼道長『握菱鉄裁』が捕らえられたらしい。
平の隊員である俺には詳しい事情は聞こえてこない。
ただ判っているのは朽木青春が帰ってこないと言うことだけだ。
隊長は隊に顔を出す暇も無いらしく、青春が戻ってこなくなってから顔を見ていない。
二番隊、三番隊、五番隊、七番隊、十二番隊は何が起こっているのか酷い状態だ。
まるで蜂の巣を突いた様な騒ぎとでも言うべきだろうか、瀞霊廷内の空気が緊張している。
正直、俺にはまともに日記を書く暇も実は無かったりする、青春の事は祖父である銀嶺隊長がどうにかするだろう。
平の隊員に出来る事と言えば隊の仕事をきちんと回すことだけだ。
帰ってきたら徹底的に叱り倒してやる、あの馬鹿女が。





 金崎玄之丞 六番隊一般隊員の頃の日記より一部抜粋







 朽木青春の憂鬱


 この世界に生まれてもう30年くらいになる。
 気付けばブリーチの世界なんて、二次創作の中だけの事だと思っていたけど、事実は小説より奇なりとでも言うべき?
 むしろ私こそが二次創作の主人公とかそんな妄想すら日常だった。
 幸い、こちらの世界では家柄と才能があったので苦労はしなかったし、それなりに楽しい日々を送っていたと思う。
 ただ、こう言う日々が長く続かないのも知ってる。

 藍染惣右介、彼をどうにかしない限り平穏な生活は送れない。
 正直、弟になった白哉とか愛でてるだけで満足なんだけどなぁ。
 ついでに言えば平子さんとかも良いな。
 とりあえず実力を付ける所から始めよう、そう考えて頑張ってきた。

 でも、一人じゃ無理だ、無理だった。
 藍染惣右介、そもそも原作でのあの男の言いようから考えて死神として限界まで鍛えているはずだ。
 だからこそ、それ以上を求めての崩玉だし、虚化と言う事なんだと思う。
 打倒するにはタイミング的には一護達の尸魂界への突入、崩玉で破面が生まれてないその時に倒すしかない。
 大虚の反膜を防いで仮面の軍勢で囲む、それしかないと思う。
 原作で反膜は地面ごと何処かにという事ではなかったようだった。
 丘にまで出てきたのは光を遮るような場所では意味がないって事なんだと思う。
 私がするべきなのは、藍染惣右介を討てるだけの戦力を整える事、そして逃がさない為の場を用意する事。
 言い換えれば、尸魂界に協力者を残し罠を張る事、仮面の軍勢に協力者を用意しあの場に連れてくる事、一人では無理だ。
 だから、原作キャラでない、それでいて実力のある仲間を作れたのは幸運だった。
 誤算は、一番確実なこの手を使う事が心情的に難しくなった事。

 本当はさっきの作戦が一番確率が高い、私はそう思う。
 原作での魂魄消失事件は実験と、そして邪魔者の排除と言う側面があったように思える。
 不意討ちの清虫終式に対応して返り討ちに出来れば正攻法で藍染惣右介を追い詰める事ができるかもしれない。
 あの場には隊長格が数人、卍解だって使えるだろう、東仙要さえ撃退すれば……

 かもしれないばかり、現実的じゃないのは判ってる。
 それに、この計画だと虚化の危険性がある、果たして失敗した時、私は虚化に耐える事が出来るだろうか?
 ただ、尸魂界と連絡を取り合い仮面の軍勢と協力関係を取るだけなら、夜一さんや浦原さんと協力して彼等を救出すればいい。
 私は賭けに出ることが出来るのだろうか、もし最初の計画通りなら私か玄之丞は下界に行かないといけない。

 多分、下界に行くように私が本気で頼めば玄之丞はやってくれると思う。
 私は貴族としての家柄がある、玄之丞が尸魂界に残るよりずっと強固な罠が張れる、だから残るのは私がベスト。

 でも、今、決着さえ付ける事が出来たなら、私達は共に尸魂界に居る事が出来る。


「嬢ちゃん、窓辺で深窓の令嬢ごっこやってる暇があるなら働けや、書類が貯まってるんだよ」


 玄之丞が隊舎で黄昏ていた私を呆れた様な顔で見ている。
 口が悪いし、考えすぎるし、美形じゃないし、行動が優しくない。
 でも、凡人だからって努力して、人の嫌がる仕事も愚痴を言いながらも人一倍やって、何時までも家族を大切にする。
 昔の腐女子だった私は何処に行ったのか、ホント、馬鹿だ。
 もう、全然、頭悪くなってるじゃないか。
 どれもこれも全部玄之丞のせいだ、返ってきたら餡蜜奢らせてやる!


「玄之丞、明日からしばらく休暇取るから、手続きやっといてね」


 そう言って隊舎を出る。
 遠くで玄之丞の怒鳴り声が聞えてくる。
 いやな事はさっさと済ませてさっさと帰ってこよう、私はそんな事を考えていた。











「天声轟け、『春雷王』」








「予定に無い人間が居たが構わないだろう。
 実験材料は多くても困らない」








「……ごめん、玄之丞」







 了



後書き
原作イベント消化。
出てくると思ってたコメントが出ててニヤリ。
玄海師範は絶対言われると思ってた。



[6509] 六番隊第三席の頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/15 13:18
如月の頃(雨)

今日、護廷十三隊合同で隊葬が行われた。
浦原喜助と握菱鉄裁による裏切りによる死。
罪人二人は四楓院夜一の逃走幇助により逃走、行方が知れないらしい。
犠牲者は『平子真子』『愛川羅武』『鳳橋楼十郎』『六車拳西』『久南白』『矢胴丸リサ』『猿柿ひよ里』『有昭田鉢玄』他数名の隊士。
そして、『朽木青春』。
瀞霊廷には雨が降っていた。





如月の頃2(雨)

朽木銀嶺隊長に呼び出された。
ここ数日で一気に老け込んだ気がする。
俺はどうだろうか、正直、自分の気持ちが整理しきれていない。
俺にとって朽木青春は手の掛かる妹のような存在だったように思う。
わがままを言われても何故か許してしまう、そんな空気を持つ奴だった。
あれだけ俺の生活をかき回しておいて居なくなる、その事に怒りは感じる。
だが、その怒りを表に出す気力が湧かない。
隊長の用は俺に対して青春の死によって空いた第三席を継ぐようにとの要請だった。
青春が居たならそれにも意味があった気がする。
青春が隊長に、俺が副隊長に、そんな夢を見た覚えだって有る。
答えない俺に隊長は少し悩んだようだがある事実を語り始めた。





如月の頃3(くもり)

先日の隊長の語った話をようやく自分で消化できた気がする。
誰にも語らないし、誰にも知られたくないがこの日記に一つだけ決意を記しておきたい。
青春は死んでいないそうだ。
虚化と言うらしい、要するに青春はあの馬鹿みたいに明るくて我が儘で天真爛漫だった青春は人を喰らう化物に成り果てたそうだ。
そして、首謀者の浦原喜助に連れ去られた、そう言うことになるらしい。
今更、首謀者に復讐したとしても青春は戻らない、ただ、青春が虚として人を襲うのだけは見たくない。
今だから言う、本人の前で絶対に言わないし、誰かの前でも絶対に言わない。
妹みたいな悪友みたいな、色々複雑な感情はあるが、青春は親友だった、親友が間違えたなら正すそれが正しい親友って奴だろう。
もう、凡人だから普通でいいなんて言うのは止める事にする。
アイツの親友が凡人だなんて言わせはしない。
俺はこの手でアイツを止める。





如月の頃4(晴れ)

一晩空けて昨日の日記を読んだら死にたくなった。
なんだあの自己陶酔、恥ずかしすぎる、くそっ、これが黒歴史って奴か。
あれは気の迷いだ、友人が死んだかも知れないって事で気が弱ってたんだ。
消しゴムないのか消しゴム、墨は消しゴムじゃきえねーよ、くそっ。
俺はこの手でアイツを止める(キリッ)ですってよ、笑うわっ!
あぁ、もう、俺らしくない、俺らしくないのは良くない、強くなるのは悪くないけどそりゃ、曾婆ちゃんを看取る為だろうがよ。
悲しむのはいいさ、実際悲しい。
だけどよ、悲しいからって今までの俺じゃなくなったらそりゃ青春のせいで青春と友人だった俺が居なくなるってことじゃねぇか。
あいつはそんなこと望んじゃいねぇ、居ない奴の考えは判らない?
だったら居ない方が悪い、文句があるなら俺の前に出てきて直接言え。
兎に角だ、誰が変わろうと、何が変わろうと、俺だけはあいつのせいで変わってなんかやらねぇ。
平穏な生活も送る、曾婆ちゃんも看取る、あわよくば尸魂界で一緒に暮らす。
ついでに、あくまでついでにだ、青春の嬢ちゃんも止めてやらん事も無い。
明日からもう面倒だな、三席の件を受けて、隊長のサポートして、白哉君の様子も見に行って、夜一さんも居なくなったらしいしな、砕蜂の奴の愚痴も聞きに言ってやらんといけんな。
全く、時間がいくらあっても足らんわこんちくしょうが!





葉月の頃(晴れ)

久しぶりに日記を書く。
やる事多すぎて部屋に戻った途端寝るような日々が長い事続いていた。
第三席になった事での手続きのあれこれに、隊長が居なくなって指揮系統が混乱した隊などにはフォローの人員を送り、席官クラスは本来の担当地区に加えて空白地帯が出来ないように何時も以上の範囲で警戒体勢に就いた。
たまの休みには積極的に白哉君や砕蜂などに会いに行き様子を見てきたりもした。
俺達みたいな比較的混乱が少なかった部隊の努力により護廷十三隊は機能を取り戻しつつある。
全然役に立たなかった隊とかもあるけどな、十一番隊とか。
あんまり役に立たんのでどこぞの隊の席官が十一番隊の隊長に決闘挑んで剣八の名前受け継いで改革に励んだりなんて事もあった。
あそこ脳筋ばっかなので大変だろうなぁ、大変そうなんで技術開発局特製の栄養ドリンク送っておいた。
〇に涅というラベルの奴だ、滅茶苦茶効果あって三日は眠くならないので忙しい時は俺も愛飲している。
なんかやばい成分でも入ってんだろうか?
まぁ、あれだ背に腹は変えられんという奴だ、一応、効き過ぎて怖いので使用は自己責任でと書付も送った。
他の隊の面子も変わって少しだけ寂しくなった気もするが、白哉君も真央霊術院に入り春には六番隊に入隊する事だろう。
今はただ真面目に仕事をこなす事だけを考えておけばいい、そう思う。





長月の頃(晴れ)

仕事終わりに夜道を歩いていると砕蜂に捕まった。
こいつもストレスが溜まってるんだろう、だが、酒瓶をどんと置いて飲めは無いと思う飲めは。
正直な話、中学生くらいにしか見えん砕蜂に酒を勧められても違和感がなぁ。
尸魂界じゃ見た目と年齢が違う場合が多いなんてありがちなのは判ってるんだが……
それに何より、胸が寂しい、一緒に酒飲んでても楽しくない。
そんな事を思ってたら、膝がちくっとして何時の間にか蝶だか蜂だかの模様が付いていた。
あ、なんか懐かしい、砕蜂のこの目は次はコロスの目だ、青春の嬢ちゃんがよくしてたなぁ。
そんなこんなで色々話した、砕蜂の出が下級貴族だとか、夜一さんラブだとか、兄弟はみんな死んだとか、夜一さん超ラブだとか。
まぁ、意訳はあるが大体そんな感じ、俺としてはあの人は……正直よく判らん。
青春の嬢ちゃんをあんな事にした下手人を逃がした事を恨めばいいのか、それともあの胸を惜しめばいいのか。
冗談は兎も角、あの人だけを見る限りああいう陰湿な事に手を貸すような人間とは思えないんだよな。
砕蜂もだから、愚痴に見せかけて多少は事情を知る俺に一緒に連れて行って欲しかった、そういう心情を吐露してるんだろうよ。
本人的には気付いてないんだろうけど、じゃなけりゃ仮にも夜一さんの一味に友人を奪われた俺にこう言う事は言えんわなぁ。
ハイハイ、ツンデレツンデレ、まぁ、この様子見る限り、夜一さんも一緒に連れて行ってやれば良かったもんのをと思わなくも無い。
でも、まぁ、本題はこれじゃないのはいくら凡人で馬鹿な俺にだって判る。
砕蜂の本題は簡単に言えば協力要請という事になるのだろうか?
二番隊、そして隠密機動を掌握して夜一さんを探し、自らの手で捕らえたいらしい。
俺は青春の嬢ちゃんと親しかった関係で四貴族の朽木家とパイプがある。
下級貴族である砕蜂が権力を手にしようとしたらある段階で以前からある権力の後押し必要とか考えたんだろうな、個人的には無くてもやれるとは思うんだが。
ま、そう言う訳で俺に口を聞いて欲しい、そういう相談だ。
朽木家は家柄もそうだが実力主義な部分もある。
砕蜂に力と意思があれば俺が口を利くことで後ろ盾になってくれる可能性はある。
俺個人としては、こいつに協力するのは吝かではない。
口利きだけはしてやるとしよう、機会を生かせるかどうかは砕蜂次第だけどな。





卯月の頃(くもり)

いい加減、青春の嬢ちゃんと一緒に仕事してた時間よりずっと長い時間一人で仕事してる。
砕蜂は朽木家の援助もあり、二番隊の隊長、そして隠密機動総司令官に就任した。
実力も上がったし、威厳を見せると言う事にも馴れて来たらしく颯爽と瀞霊廷内を歩いてるのを見かける。
なかなか砕蜂を見る周囲の視線も熱いものが混ざっている、百合で夜一至上主義だと言う事も知らずになぁ、何故か人気あるんだよアイツ。
先日、我が隊である六番隊の副隊長が引退した。
それに伴い、朽木白哉が副隊長に就任する、俺としては正直やっとか、そう思っていたりする。
実の所、俺にも副隊長にならないかという打診はあった。
だが、そんな実力は俺にはないし、青春の嬢ちゃんに対するケジメを付けるまではせめて朽木の人間のサポートをしていたいと言う気持ちもある。
しかし、白哉くんは間違いなく朽木家の人間だわ、強いの何の、正直自信がなくなる。
鬼道では、まぁ俺の方が一日の長がある、しかし他の斬拳走に関しては青春の嬢ちゃん以上だ。
嬢ちゃんが居なくなって少しだけ笑顔が減った気がするけどな、まぁ、しょうがない事だろう。
そういえば夜一さんとも仲が良かったんだっけ、無理もないか。
なんにせよ、白哉くんが副隊長になった事で俺の仕事にも少し余裕が出来た。
そろそろ、俺も次のステップに進んでもいいんじゃないか、そう思う。




卯月の頃2(くもり)

斬魄刀と言うのは最初は封印状態にある。
名を呼ぶことで斬魄刀はより強い個性を持ち、特殊な固有の能力を発揮するようになる、これを尸魂界では始解と呼んでいる。
下級の死神は斬魄刀を持たず、浅打と言う名の無い斬魄刀を与えられる事になる。
ちなみに席官に任命されるには始解が最低条件になってたりもする。
だが、斬魄刀の封印は始解で全て解けているわけじゃない。
卍解というのが斬魄刀の戦力を完全に引き出す為の手段であり、隊長クラスはすべからくこれをマスターしてるそうな。
これをモノにすれば10倍くらい強くなるそうだ、と言うわけで今日は卍解の特訓をしてきた。
卍解する為には斬魄刀と現実世界で対話しないといけない、その為に斬魄刀を具象化し現実世界に呼び出さないといけない。
その上で、斬魄刀の望む形での試練に打ち勝ち屈服させれば卍解を得る事ができる。
斬魄刀の具象化、現実世界への呼び出し、この言葉を聞いて思い浮かぶ事が無いだろうか?
俺の斬魄刀、玄海嬢ちゃんは既にこちらの世界で限定的にだが意志を示す事が出来ている。
始解状態の黒玉、その操作は斬魄刀の意志で行われている。
これを取っ掛かりに具象化を実現しよう、そう考えている。




皐月の頃(くもり)

流魂街の外れで瞑想していたら白哉くんが現れた。
今日は任務も無かったはずだが、休日に瀞霊廷内から出るなど珍しいと思って見ていると、どうやら人と待ち合わせをしていたようだ。
驚く事に待ち合わせ相手は女性、しかも美少女、やばい、久しぶりに明るいネタ発見だな。
どうもここしばらくシリアス続きで精神的にすさみまくってたのからなぁ。
俺は神速で玄海嬢ちゃんを解放して細心の注意の元、センサー兼送信端末を近くまで飛ばした。
ちなみに端末の召喚から設置までの時間は0.5秒、最高新記録だ。
俺も成長と言うことさ、こんなんで成長とか実感したくないがなぁ。
それは兎も角、このお嬢さんと白哉君だが、どうやら流魂街での虚討伐の折知り合って、お礼がしたいのでという感じだ。
それをネタにデートにこぎつけたという感じだろうか?
真面目な顔してやる事やってるな、白哉君、君の事を見直した。
そうか怪我はないかとかぶっきらぼうに言ってますが頬が赤いのを隠せてません、くっ、砕蜂といい白哉くんといいツンデレばっかだよ俺の知り合いには。
しかし、会ってる嬢ちゃんの胸はかなりささやかだなぁ、青春の嬢ちゃんの影響かそういうのが趣味なんだろうか?
男なんだからもう少しこう、夢と理想を持ってても良いと思うんだが。
「それは夢でも理想でもないと思う」
いやいや、男にとって充分夢ですよ、あの中にはびっしり理想と夢がつまってるんだ。
「……無い」
大丈夫、成長するってそのうち。
とまぁ、こんな感じで具象化に成功しました。
と言うか、いくら俺でも流石にこれは無いと思うんだ。





皐月の頃2(晴れ)

酷く納得行かないが、具象化に成功した。
何であのタイミングと聞いたら、興味があったからとか言われた。
そんなこと言われてもなぁ。
しかし、この玄海嬢ちゃんが俺に与える試練ってのが想像付かん。
殴りあうのとか、無理じゃね、そもそも裸じゃねーかよ、某所が無さ過ぎて全然そういう感覚湧かないけどな。
一人で考えててもしょうがないので卍解とかやるための試練ってどんなのか直接聞いてみた。
その瞬間、黒い水、おそらく斬魄刀玄海そのものがドーム状に広がった。
ただ全部受け止めて受け入れるだけでいい、そう言って笑う嬢ちゃんが初めて背筋の冷える恐ろしい存在にこの時思えた。
試練には三日かかった。
俺はただ、感情の籠もった彼女自身(と言っても斬魄刀の黒いのの事だ、人格を疑われると困るのでここ重要)を受け止めるだけの三日間だった。
いや、世界が変わったね、玄海嬢ちゃん予想以上に怖いでヤンの。
具体的に言えば……
『うわきものうわきものうわきものうわきもの……』
だったり、
『あの女あの女あの女あの女……』
だったり、
『胸が大きいからって胸が大きいからって胸が大きいからって……』
だったりな、女の本音ってこえーよ怖すぎる。
こんなん、受け止めて受け入れるだけとか難しすぎだろうJK。
この三日、この三日はほんと受け入れる為の心の準備の期間でした。
全部終わった後、にっこり笑って言った言葉が忘れられねー。
『浮気したら相手の女殺します』
お願いです、照れくさそうにそんな初々しい恋人って感じの笑みで怖い事さらっと言わないで下さい。
なんか、卍解の契約(?)と結婚式の誓約とごっちゃにしてないか?
俺的にもう少し……なぁ?
しかし、このお嬢さん解放状態の斬魄刀の操作権半分持ってるんだよなぁ。
さっきの言葉とか、全然洒落になってねーよ、洒落……だよな?
俺はもしかしたら、一生結婚とか彼女とかと縁はないかもしれん。
斬魄刀を嫁に持つ男、二次元嫁とかわらねーよ、脳内彼女かよ、笑えねーよ、まんまじゃねーか。
力を得るために男は呪いを受けたとか字面だけだと厨ニ過ぎるわっ!
目が覚めたとき、何故か白哉くんが近くに居た。
何か恐ろしいものを見る目で見られた、もしかしたら全部悟られてるのかもしれない。
そりゃ、恐ろしいものを見る目で見られるか、まさに三十越えて魔法使えるようになった男とか思われてんだろうな。
自分で自分が恐ろしすぎる……








 金崎玄之丞 六番隊第三席の頃の日記より一部抜粋。










 朽木白哉の憂鬱



 私の姉は実に破天荒で、貴族や掟より、人や思いなどを大切にする人間だった。
 そしてその姉が選んだ人間は口が悪く、容姿も優れず、それでも人に垣根を作らない男だった。
 優秀な死神ではあるが流魂街の出身とあっては結ばれる事はない、掟ではそうなっている。
 だが、家族は皆、姉の破天荒さや心根を愛していた。
 お爺様は内々にその男、金崎玄之丞を一族に迎える為に骨を折っていた様だった。
 私も、あけすけな金崎玄之丞と言う男を気に入っていたのは間違いない。

 それまで、私達を見る目は恐怖や打算、そして畏怖ばかり、ああいう目で私たちを見る人間など家族か同格の家柄のもの以外では初めてだった。
 だから、私は彼を義兄と呼ぶのも吝かではない、そう思っていた。

 そんな折、姉上が死んだ。
 合同の隊葬で死体の無い棺を前にした義兄は普段通りの不機嫌な顔で、しかし姉上が最も好きだった目の光が失せていた。
 誰でも分け隔てなく見つめるあの目が好きだ、そう言っていた。
 それが失われていた。
 それに追い討ちをかけるかのように義兄が我が家の葬儀への参列を拒否されたと言う噂を聞いた。
 姉上が生きていたのなら我が家への関わりを認めるが、そうでないのなら無関係。
 そう言いたいのだろう。
 義兄はどれほど気落ちしているか、それを思うと申し訳なく、そして悔しく思う。

 しかし、義兄は私が思っていたよりずっと強かった。
 私より何倍も辛かったはずだったのにそれを全く見せず、前以上に仕事をこなしていると噂を聞いた。
 そして、以前よりずっと忙しいはずなのに時間を作って私の様子を見に来て、爺様の事を心配してあれこれ世話を焼いていると聞いている。
 私は不思議に思い、悲しくないのかと聞いた事もあった。
 そうしたら決まって……

「青春の嬢ちゃんの為に泣いてやる奴は沢山居るしな、そんなんだと嬢ちゃんもおちおちゆっくり休めないだろ? ま、俺一人分くらいはゆっくり休ませてやろうと思ってな。死んだ後も嬢ちゃんのフォローとは笑えねぇよ、全く」

 そう言って笑うのだ。
 強い人だ、純粋にそう思う。


 時が流れて私も死神として働くようになった。
 働いてみて初めて、義兄が仕事上の仲間として得がたい存在だという事がよくわかった。
 自分がやりやすいようにではなく、仲間がやりやすいように動く、そういう人間だ。
 戦いでも誰かの援護をするのが得意だと聞いている。
 爺様が言うには、姉上を援護するのが一番得意だったのだと、そう言っていた。

 当然、副隊長の席が空いた時、義兄がその座に就くのだと思っていた。
 しかし、義兄はそれを拒否し、私を推薦した。

「俺は嬢ちゃんに第三席の役を貰ったからな、もう充分だ。白哉君、君が副隊長になれ、そしたら俺もゆっくり出来るしな」

 義兄は姉上が大切にしていたものを同じように大切にしている。
 きっと私の事もそうなのだろう。
 いつか恩を返せればいい、そう思う。

 休日、義兄が流魂街へ出て行くのを見てつい、後をつけてしまった。
 追っている内に偶然、以前助けた緋真という女性と会った。
 見回りかと問われたのでついそうだと言ってしまった。
 その後、ついつい長話をしてしまった。
 全く、馴れない事をするからこんな事になる。
 結局、この日は義兄を見つけることは出来なかった。

 翌日、義兄が無断で仕事を休んだ。
 このような事は一度も無かった、何かあったのだろうか?
 そう思い、先日、兄を見失った所まで向かってみる事にする。
 向かった場所にあったのは光を飲み込む黒い巨大な半球の姿だった。
 肌に感じる霊圧は間違いなく義兄の、そして卍解特有のもの。
 何時の間にと言う思いがあり、やはりと言う思いもあった。

 しかし、そんな感傷はその半球に触れた瞬間に微塵に砕け散った。
 これはただの半球ではない、義兄の斬魄刀そのものだ。
 そして、この斬魄刀には担い手でない私にははっきりとした事を感じ取る事はできないが強い思念が込められていた。
 その思念が問題だ、この半球は拒絶の、負の感情によって支配されている事だけはわかる。
 呆然としているうちにそれは渦を巻くように一転に収束していく。
 収束する点、義兄はそれを身の内に全て飲み込みこちらを見た。
 あれを飲み干して、それでも苦笑とはいえ笑みを浮かべてこちらを見ることができる義兄。
 あの人は一体、何をしようとしているのだろうか?
 ただ、姉上の残したモノを蔑ろにする事だけはない、その事だけは確信していた。





 了


後書き
今更気付いたんですが主人公って結構ツンデレじゃないですか?
まぁ、どうでもいいんですけどね。
玄海の容姿=若玄海(幽遊)らしい、異論を認めないとか言われた。
異論は無いですが髪の色と長さは譲らない。
でっかい胸には夢と理想がつまってます。
ヴァイザードで藍染ふるぼっこしたいなぁ。
わりと駆け足ですけど日記形式なのでしょうがない所もあります。
時間の流れがこの形式だとわかりにくいので今度年表でも作ってみようかと。
今回も長月の頃(晴れ)と卯月の頃(くもり)の間には数十年のスパンが空いてたりします。
今後も頑張ります。

2/15 13時頃微修正(誤字直し程度加筆とかじゃないです)



[6509] 弟分の面倒を見てた頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/05/08 19:17
 皐月の頃(雨)

先日、俺はとうとう卍解を習得してしまった。
俺はなんて事をしてしまったんだろうか、これから先、俺はこの業を背負って生きなければいけない。
って感じに厨二っぽくまとめてみるとちょっとはかっこいいような気がしてくるから不思議だ。
実際は、浮気すると殺します(相手の女を)とか笑顔で言われてヤンデレ系のギャルゲモードです。
まぁ、これで某所が豊かで人間で美人なら喜んでとばかりにルパンダイブする所なんだが、そうは行かないのが困りモノ。
言っておくが、貧乳を馬鹿にしてるわけじゃないぞ、巨乳も並乳も貧乳も等しく乳には変わりない。
確かにだ順位を付けろと言われれば巨乳>並乳>>>>(越えられない壁)>>>>>貧乳と言う事は間違いない。
だからと言って貧乳のお嬢さんが恋愛対象にならないって訳じゃない、だが成り辛くあるのは否定しない!
でもな、俺としては子供の乳がダメなんです、ロリコン犯罪ダメゼッタイ!
老人に優しく、子供に優しくは人として正しい事だ、正しく子供好きであるというのに一部のダメ人間の性(誤字だ誤字だがそのままで良い気がするので直さない)で子供好き=ロリコンなどという世間の風潮に文句を言いたい。
従兄妹の子供の世話をして一緒に公園とかで遊んであげてたら職質は無いだろう職質は、公権力はここまで腐敗したか!!
一瞬トラウマスイッチが入ってしまった、で何の話だったか、そう卍解だ。
卍解を習得している所を白哉君に見られてしまった。
何故判ったのか聞いてみると、彼も使えるので霊圧で判ったんだとか。
やはり俺が副隊長になった方がとか言ってきたが却下した。
副隊長以上は下界でリミッターを掛けなければいけないらしいしな。
そんな事したら、虚とかと戦うのに俺TUEEEEが出来ないじゃないか。
馬鹿正直にそう言う事を言っても不許可なのは判っている、長く生きてればいくら俺でも建前の重要性くらい学習するのさ。
今の俺なら、青春の嬢ちゃんを見ても溜息とか付いたり鼻で笑ったりして刺激しない自信がある。
まぁ、あれをやらなきゃ良かったとは思ってないけどな。
とりあえず副隊長の件については言葉を濁しておこう、この三席には思い入れがあってなとかなんとか。
そう言ったらあっさり引き下がりましたよ、何故か沈痛な表情で……
そうか、卍解習得で永遠の独身貴族が決定した俺に気を使ってそっとして置いてくれるのか……
白哉君も気配り上手になって、兄貴分としては嬉しい限りだが、同情の視線が痛い。





 水無月の頃(晴れ)

休日にも関わらず白哉君が出かけません。
先日、美人のお嬢ちゃんとデートしてたはずなんだが会いに行かなくていいのだろうか?
見かけたのは確か南流魂街78地区の戌吊のあたりだったか?
ホームグラウンドの西流魂街で卍解の訓練が暴走とかしたら困るなぁと案内図見ながら別方面の出口から出たから間違いない。
多分、白哉君は奥手だし、何だかんだ言って積極的になれないのだろう。
いや、待てよ、もしや、俺のエターナル・シングル(結婚できない独身男のルビ)に遠慮して自分も女にうつつを抜かしてなんかいられないとか考えてるのか?
くっ、真面目そうな白哉君だ、そう考えるのも仕方ない事かもしれない。
確かに、永遠に独り身を運命付けられたせいで最初は世の恋人達を恨んで嫉妬団を結成しようと思いもした。
しかし、しかしだ、いざ現実的な問題として恋人が出来なくなった時、俺の心に浮かんだのは俺以外の誰もこんな状況にさせてはいけない、そういう決意と使命だ!
それに、白哉君は付き合いの長い弟分、真面目で融通が利かない多少孤高を好むシリアス系の美形青年……
なんかむかついてきたなんだこの出る作品間違えました見たいな超絶美形は。
なんかこー、俺とはジャンルが違うと言うか、少女マンガとかに紛れ込んだギャグ漫画日和の登場人物みたいな違和感感じるんだけど。
主に俺がギャグ漫画日和なあっちが少女マンガと、いやいやまてまて、そういう問題じゃない、あまりのスペックの違いに嫉妬してる場合じゃない。
兎も角だ、孤高で真面目すぎて彼女の出来ない白哉君に彼女を作ってやるのが正しい兄貴分だと思うわけよ。
何か作戦を考えねばならないなぁ。




 水無月の頃2(晴れ)

将を射んとすれば、まず馬からという格言がある。
まぁ、白哉君をけしかけて落ちない女子は居ないと思うが、あってたお嬢ちゃんを探してみるとしよう。
そう考えて以前二人が逢ってた所に行って見たら探すまでもなく居ました。
何か遠くを見る目、きょろきょろと辺りを見回す動作、そして溜息。
オッケー把握した、後は白哉君をどうにかするだけだ。
ちょうど休日だし、卍解の訓練を手伝えとでも言って連れ出してこよう。
善は急げと言うしな。






 文月の頃(くもり)

とりあえず、一般人が卍解の霊圧に晒されるとえらい事になるので訓練は人気のない奥地に行く事にする。
その代わり休憩と雑談(検討)の為に例の広場で時間を過ごすようにした。
何事も偶然を装った方が運命を感じてもらえると思うんだ。
ついでに卍解の訓練になって良いしな。
これを始めて程なくして例のお嬢ちゃんが広場に顔を出すようになった。
緋真と言う名前らしく、流魂街へは最近来たんだそうな。
どちらかと言えば陰のある守ってあげたいタイプの薄幸の美少女って感じの子だ。
基本的に貴族でお坊ちゃんな生活をしてきた白哉君にはこういう日々頑張って生きているお嬢さんが似合ってると思うんだよな。
何事も同じ価値観同士が固まってると良くないからな。
この訓練だけでなく、休みには緋真嬢ちゃんを誘って遊びに行って来たらどうだとか、訓練後にもう遅いから送って行ってあげなYOとばかりにダッシュで帰ったりと涙ぐましい努力をしてきた。
その甲斐あってか二人の仲は順調に進んでいる感じだ、時々こちらを申し訳無さそうに白哉君は見ているが、俺の事は気にするな。
俺はもう、男として終わってるんだ、お前まで終わる事なんかない……やべ、冗談抜きで泣きたくなってきた。





 霜月の頃(雪)

苦労した甲斐もあって、白哉君と緋真嬢ちゃんが本格的に付き合うようになったようだ。
しかし、その旨を俺に言って来るのはどう言う事だろうか?
いくら兄貴分とはいえ、先に家族に紹介する方が良いと思うんだけどなぁ、銀嶺隊長とか。
特に家柄良いからな、普通にしてると忘れるけど、色々古い家にありがちなしきたりとかで一般庶民との結婚は許さないざますみたいな。
聞いてみると、俺のおかげでそういう問題は改善されてきてるんだとか、何故俺のおかげかと思ったが俺は空気を読む人間なのでそうかとだけ言っておいた。
俺はダメだったが、お前は幸せになれよと言ったら、あの真面目人間白哉くんが少しだけ目じりに涙溜めてはいと力強く頷いてました。
ホント、良い奴だなぁ、こんな独身野郎に対しての気遣いも忘れない。
一緒に来た緋真嬢ちゃんも泣いてるし、いいなぁ、俺も彼女欲しい。
出来れば巨乳で、出来れば同い年か年上風の年代で。






 睦月の頃(晴れ)

結婚式には護廷十三隊の隊長格と六番隊の席官以上、あとは貴族の皆さんが参列した。
ウエディングドレスは着ない、和風です、流石上級貴族、飯が半端なく美味いです。
砕蜂も来てたので軽く酒を飲み交わしながらお前も夜一さんと結婚したかったよなぁとボソッと言ったら、そうだなと無意識に返事した。
その後、我に返って違う、違うんだとか顔を真っ赤にして否定してた、俺にくらいその気持ちとか隠さなくても良いのになぁ。
俺ってこう言っちゃ何だが百合とかに寛大よ、美人同士なら全然問題なし。
砕蜂もだいぶ大人っぽくなってきたしな、胸はまだまだだが、夜一さんとならバランス取れてて良し。
ちなみに一緒に付いて来てた二番隊の副隊長はスゲー勢いでメシ食ってた。
隠密とかどう考えても適さない体型なんだが大丈夫なんだろうか?
普段あんまり付き合いは無いんだが、他の隊の隊長とかもはたから見ると個性的過ぎるよな。
山本総隊長、卯ノ花隊長、京楽隊長、浮竹隊長とかは俺が護廷十三隊に入った時点で既に勤続100年とか越えてたらしい。
山本総隊長とかは2000歳越えてるとか、桁とか違いすぎる、何処の仙人だよ、俺も1000年レベルで長生きできるんだろうか?
彼女いないまま1000年とか生きたら大魔法使いとかになっちゃうんじゃねーの、ポップですね判ります。
卯ノ花隊長は若いよなぁ、あれで軽く150歳は越えてるらしいし、親愛込めて婆ちゃんと呼んでいいだろうか?
そう思った瞬間、ものっそい笑顔で会釈された、美人だなぁ、なんか空調おかしいのか寒くなってきたんだけど。
しかし、卯ノ花隊長もその副隊長の虎徹勇音ちゃんとかは実はかなりの巨乳。
自分で治癒とか出来るから正直四番隊と縁が無いんですが、今度、見舞いとか言って遊びに行こうかな、見てるだけなら浮気にはなんないと思うし。
あと、この人もあまり縁は無いんだが五番隊の藍染隊長、誰かに似てるんだよなぁ。
多分、生前の話だと思うんだが、母親が見てる映画に出てた気がする。
思い出せずにガン見してたら笑顔で寄ってきた。
うん、物腰柔らかくて外面良さそうな良い人だな。
俺には真似できんわ、俺ってどうしても顔が不機嫌に見えるらしいんだよな、作り自体は一般的らしいんだけど。
俺もこの人みたいなスマイル会得したらもうちょっとこう、ニコッ、ポッって感じにならんだろうか?
よし、今度からこの人は俺の中でスマイリー五ん様だ、なんとなく響きに覚えもあるしな。
そんな事を考えてたら超変な顔された、声が出てたらしいとりあえず謝ったらいいよいいよと去っていった、良い人だ。
とりあえず、貴族のお偉いさんへの挨拶回りが終わったようなので主賓の所に向かった。
ちょうど銀嶺隊長も居たが、少しだけ真面目な表情だ。
どうやら銀嶺隊長が引退して白哉君に隊長を譲ると言う話らしい。
結婚に隊長就任か、二倍にめでたいな、奥さん大事にしろよ、仕事も頑張れよ、俺も楽したいしな。
銀嶺元隊長もお疲れ様です、お茶とお茶菓子持って時々顔出します、また稽古付けてください。
青春の嬢ちゃんもこの場に居ればよかったのになぁと少しだけ思った今日この頃。
朽木家は悪い事続きだったからな、これで少しは明るくなるだろう、めでたしめでたしだ。






 金崎玄之丞 弟分の面倒を見てた頃の日記より一部抜粋。







 朽木緋真の憂鬱



 私は罪人です、自分可愛さにまだ小さい赤子の妹を捨てた。
 そんな私には当然の報いがあると、死の瞬間まで信じて疑わず。
 結果、こうして目の前の虚によって命の火が消えようとしています。

 しかし、こんな私にも、天は優しく、幸せを享受しろと救いの手を運んでくる。
 月の光の下、桜吹雪の中で佇む悲しげな瞳をしたあの人と出会ってしまった。

 その人は死神で流魂街の巡回任務の折に虚から私を守って頂いた。
 その時は名を教えては貰えず、分かれたのですが再び会う機会がありました。
 見回りの途中だったその人の名は朽木白哉様と言うそうで誠実そうな方でした。

 再び出会ったその場所で偶然何度も出会ううちに何時しか恋に落ちている自分に気付いてしまいました。
 その事を自覚したのは何度もであった後だったのですが、白哉様とよく一緒におられた金崎玄之丞様にはもっと前から判っていたのだとご本人から聞きました。
 孤高を好む白哉様を心配して私と会うように計らっていただいていたのだと。
 白哉様との逢瀬で舞い上がっていた当時の私は気付きませんでしたけど、私を送るように言ったり、休日に私と逢わせたりと白哉君は奥手で困るなぁと笑っておられました。

 白哉様にとって金崎様は亡き姉上様の良い人だったのだと、教えて頂きました。
 結ばれる前に死に別れたのだと、だから義兄なのだと。

 その事が切欠に私と白哉様は一緒になる事が出来たのです。
 その事を報告に行った時、少しだけ寂しそうに笑っておられました。

「俺はダメだったけど、白哉君は幸せになれ。緋真嬢ちゃんを大切にな」

 そう言って頂けたのです。

 私は白哉様に愛を、金崎様に真心を頂きました。
 これだけの事をしてもらって、私はまだお二人に甘えようとしています。
 この人たちならきっと、私が捨てた妹を、私の罪そのものを幸せにして貰える。
 私は我が儘です、私は身勝手です、それでも私は願わずにはいられないのです。
 妹にこそ、このような幸せがあるようにと。







 了





後書き

卍解について
2)他と隔絶した霊圧を産まれ持つ四大貴族ですら、到達できる者は数代に一人
これは知りませんでした、見逃したかなぁ。
とりあえず、三日でマスターしたのは具象化済んだ後の話ですので、大目に見ていただければなーと思います。
卍解が難しいのは具象化が難しいからって聞いた覚えがありますし、そこそこ才能がある主人公が50年ほど斬魄刀訓練してあの瞬間に具象化が出来るようになったと思っていただけたらさほど矛盾は無いかなぁと思うんですけどね、はい、私の描写力の無さが悪いですね。

あと、隊長の事ですが、他に成り手がいる状態なら無理にやらせられる事はないんじゃないでしょうか?
裏切りでいきなり三人欠落したから卍解覚えたばっかの割と新人が隊長に結果的になっただけでしょうし。
今の時点では普通に隊長の席は全部埋まってるって言う設定ですしね。

まぁ、ぶっちゃけそういう事は私が悪いと言うことで置いておいて貰って、個人的に是非とも弁解をしないといけないことがあります。
言っておきますが私は巨乳党ですよ?
貧乳好きとは失礼な、私が好きなのは巨乳好きの人間とそれに惚れた貧乳少女をはたから眺めるのが好きなだけで。
ああいう噛み合わなさが和むんですよね。
なので実は作者は貧乳好き疑惑は取り下げていただきたい。

でも、玄海人気過ぎですね、斬魄刀なのにw



[6509] 何故か十一番隊助っ人の頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/16 20:11
 如月の頃(晴れ)

先日、朽木白哉の六番隊隊長への就任が正式に発表された。
今まで通り、白哉君とは言えんなぁ、少なくとも公の場では。
なんだかんだ言って四貴族って言うのは体裁を大切にしないといけないらしい。
俺にとっちゃ面倒なんだが、特権には義務やら何やら面倒な事も付随するのが当然だと言うことらしい。
銀嶺元隊長も当主の座も隊長の座も白哉君に譲って気楽になったわとか笑っていた。
定年退職して暇になった銀嶺元隊長とは一緒に茶を飲みながらそんな話をしていたりする。
なんか老人と話してると落ち着くんだよね、時間がゆっくり流れてる気がして、速く仕事しろとかせかされないし。
やべぇ、入り浸りてぇ……
しかし、そろそろ曾婆ちゃんとか普通に生まれてるはずだよな。
当分、下界任務とか増やさせてもらおう、そろそろ居所くらい判明させとかないといざって時に困るしなぁ。
再び頼まれた副隊長の件も悪いけど三席据え置きって事にして置いてもらおうかな。
まぁ、実力に伴った義務がどうとか言われたけど、白哉君以外には卍解とか秘密にしてるし。
俺にとって死神は手段であって目的じゃないし、とりあえずやりたい事終わったらいくらでも働きますよと言っておいた。
我が儘言ってるのは判ってるんだけどな、これが俺だし諦めて貰おう。




 卯月の頃(曇り)

地上勤務増やしました。
一年間で尸魂界に居るのは一ヶ月もないくらいだったりする。
席官が一箇所に居続けるのは戦力の無駄遣いと言う奴だから、結構激戦区を盥回しにされる感じです。
正直、最初はちょっと後悔してたんだけど、地味に楽になってたり。
流石卍解、舐めてました、超舐めてました。
10倍強くなるとかマジですね、今までの相手とか白哉君の千本桜景厳ばっかだったので実感なかったんだよな。
超疲れるけど、結構持続時間とかも延びてきてるし、一度卍解達成したせいで始解もそこそこ強化されてきてるのがわかる。
やばい、俺の時代が来たかもしれない、心の片隅にいつでも仲良しだった俺TUEEEの夢が達成できるかもしれん。
大虚とかカモンカモン、ふっ、私の斬魄刀は卍解まであるぞー。





 長月の頃(雨)

尸魂界に戻ってる時に久しぶりに十一番隊の隊長に出会った。
この隊、基本的に脳筋ばっかで会話にならないんですが今の隊長は別です。
髭のオッサンですがお茶目な性格な割に仕事とか結構出来たりする。
50年ほど前のごたごたの時にあまりに働かない前隊長の剣八(でぶ)を切れてぶちのめしちゃったせいで隊長になったという異名付き。
実はここしばらく霊力が落ちてきているらしい。
なんでだろうなと話しながらちょっとだけ仕事手伝ってきた。
なんか部屋の隅に栄養ドリンクの山が出来てて苦労してるんだろうなぁという事がスゲー良く判ります。
昔は一本で三日働けたんだが、最近は一本で一晩しか持たないんだわとか言っていた。
帰り際、嫌な予感がしたのでビンを見てみたら〇に涅の栄養ドリンクでした。
以前、送ったあのドリンクまだ飲んでたんだなぁ。
俺とか技術開発局の局長兼十二番隊の隊長の姿見てから飲むの止めてたんだよな。
とりあえず、四番隊に連れて行った、連れて行ってる間に飲んでない栄養ドリンクは全部処分した。
何これ、俺が悪いの?




長月の頃2(くもり)

十一番隊の隊長は異常なしで退院してきた。
ホントに異常無いんだろうか?
十二番隊の隊長なら、異常が判る程度なら二流だヨとか言いそうです。
副隊長美人だけど、あの隊長の下で苦労して無いだろうか?
もう、色々突っ込みどころ多すぎて十二番隊には近寄りたくありません。
隊長とか霊力も落ちてるらしいし大丈夫かなぁ。





神無月の頃(晴れ)

地上勤務が終わって休暇で尸魂界に戻ってきた。
虫の知らせだろうか、六番隊の隊舎に戻る前に十一番隊の隊舎に寄って見た。
なにやら騒がしいのでそこらの一般隊員(名前はまきまきがどうとか)捕まえて事情を聞いてみる。
隊の新入りが隊長に決闘を挑んでるらしい。
ちょうど良いからとか言われて立会人を頼まれてしまった。
結論から言うと半端なかったっす。
最近霊力が落ちてるといってたとはいえ、新入りが隊長を一撃で倒すとかありえません。
隊長も卍解は使ってなかったんですがもしかしたら霊力が落ちてて使えなかったのかも知れない。
名を更木剣八と言うらしい、自分から剣八を名乗るとか正直お近づきになりたくない人種です。
隊長はまだ立っていて戦えそうですがこれ以上やると多分死ぬ。
咄嗟に割って入って決闘を止めたのは良いけどめっちゃ睨まれてますよ?
とりあえず玄海嬢ちゃんで隊長の方を治療して四番隊に運びました。
決闘は更木剣八の勝利になると思う、判例通りなら新入隊員が隊長になるって事になるが大丈夫だろうか?
また書類とか滞るだろうな、手当ての感触からして命に別状は無いけど、心配だ。



神無月の頃2(くもり)

どうやら、先日の決闘の件は正式なものとして認められたらしい。
入院中の元隊長に会いにいった。
どうやら本人的には随分前から引退を考えていたらしい。
卍解が使えなくなるほど霊力が落ちてるとなれば隊長は続けられない、そういうことらしい。
流石に新入隊員に決闘で負けるとは思えなかったがなと豪快に笑っていたのが印象的だった。
そうと決まったわけではないがあの栄養ドリンク飲むの途中でやめててよかった。
眠気と霊力消す栄養ドリンクとかホントにできるのか、技術開発局本気で侮れねぇ。
元隊長は本格的に霊力無くなって来てるらしく、休隊して西流魂街に移住するらしい。
あそこは良い所だから、ゆっくり休息を取って下さい、お疲れ様でした。
去り際に十一番隊の様子をちょくちょく見に行ってくれと頼まれた。
多分、滅茶苦茶嫌そうな顔をしたと思うんだが、向こうも向こうでそういえば栄養ドリンク勧めてくれたの君だったよねとかなんとか。
ハイハイ、拒否権ありませんね、なんかもうこう言う扱いなれました。



 

 神無月の頃3(曇り)

とりあえず、今回の休暇はこれで潰れそうだ。
他所の隊の手伝いをすると言う事で本隊である六番隊で白哉君の許可を貰って十一番隊に。
朝っぱらから道場でエライ騒ぎになってます、席官全員フルボッコとかないわぁ。
荒れくれものだけあって斬術とか白打とか強い奴多かったんだけどちょっとばかり桁が足りてないな。
なんというか、新入隊員の頃に銀嶺隊長にしごかれてた時を思いだすなぁ。
まぁ、折角なのでしばらく隅で見学でもする事にする。
しかし、この新しい剣八は凄いね、めっさ笑顔で大暴れ、技と言うか本能だなぁ、うちの白哉君とは間逆の斬術の達人だ。
見学してたら草鹿やちるちゃんと言うお嬢ちゃんと仲良くなった。
十一番隊の新人らしい、剣ちゃんって人についてきて入隊したんだとか、それって新しい剣八の人の事だよな?
もしかして子連れ狼的な人なのか?
実はいい人だったりするんだろうか、滅茶苦茶悪役顔だけどな。
全部終わった後(新隊長が全員吹き飛ばして満足した後)、割りと重症な人の治療をすることにした。
玄海嬢ちゃんで傷を塞いで治癒の鬼道で治療とか、久しぶりに悲鳴とか泣き声とかが心地いいなぁ。
最近、六番隊とか能力とか知れ渡ってて誰もビビッてくれないからなぁ。
治療してたら後ろから殴られた、玄海嬢ちゃんが止めてくれたけど。
振り向いたらちょっと嬉しそうににこっち見てる剣八の人発見。
バトルモードセット、ロックオンって感じでしょうか?
とりあえずこれだけは言って置かなければいけない。
こっちが負けたら書類仕事は全部やる、ただし、30分生き残ったらサインと判子は押せと。
長い30分でした、30分生き残ったけど一時間攻撃にさらされ続けました。
いやね、玄海嬢ちゃんの刃が通らないとかどういう身体してんでしょうか?
それこそ卍解でもしなきゃダメージ与えられる気がしません。
なんか無理ゲーやってる気分だ、怪我の治療しながら書類仕事なんていくら忙しくても初めてだよ。





 霜月の頃(晴れ)

色々手続きとか手伝ってるうちに、なんだかんだいってこの剣八って言う男は悪い人間じゃないんだなぁと言う事も判ってきた。
アウトローであるのは間違いないんだが、そうじゃなければやちる嬢ちゃんとかは懐かんだろう。
何だかんだ言いながら面倒見はいいし、盗賊の親分みたいな感じだ、あまりに合い過ぎて違和感ねぇよ。
とりあえず、組み手は全力防御に徹すれば時間稼ぎは出来るし、頑張れば逃げれる。
ただ、攻撃では鬼道以外ではちょっとダメージを与えられる手段が想像付かない。
これで斬魄刀の名前すら知らないと言うんだから頭が痛い。
とりあえず、勝つのは難しいが負けがないと言う事は理解したようでそう頻繁には組み手を頼まれなくなった。
書類仕事をやる気は無い様でどうやら休みの度に見に来ないとどうにもならないことは判った。
前隊長め、ろくでもない仕事を押し付けてきやがって、やちる嬢ちゃんが居なけりゃぶっちってるわ!
なんか、ロリっ子には相性が悪すぎる、こんな純真な目で見られると見捨てられない。
青春の嬢ちゃんとか玄海嬢ちゃんとはまた違った強敵だよ、悪意が無い分よっぽど性質悪いがな、文句言えない的な意味で。
なんか玄ちゃんとか言われた、やべぇ、超和む。
しかし、気が付いたらやちる嬢ちゃんが副隊長になってるし、しかも席官とか全員バトルジャンキーがふっ飛ばしたせいで仕事する奴居ないんだがどうよ。
白哉君とかに言ったら滅茶苦茶頭抱えて眉間にしわよせてたわ。
真面目だからなぁ、とりあえず、俺一人ではどうにもならん、山本総隊長に援軍要請だ。
十一番隊の担当地区とかどうするっちゅーねん。
悪い人間じゃないのは判った、しかしこの男、悪意とか無しに問題事起こすトラブルメイカーだ。
当分、地上勤務は無理っぽいなぁ。





 金崎玄之丞 何故か十一番隊助っ人の頃の日記より一部抜粋。









 荒巻真木造の憂鬱





 とんでもねぇ厄日があったもんだ。
 その日、いきなり俺らの隊の入隊試験で新人が隊長に向かって決闘を吹っかけやがった。
 左頬に刀傷のある人相の悪い餓鬼連れのボロを着た男だった。

「入隊試験を受けるまでもねぇ、一番強い奴をぶっ殺すのが一番簡単だ」

 そう言う男を最初俺らは馬鹿を見る目で見ていた。
 だって、考えても見ろよ、死神の護廷十三隊の隊長なんてもんは何万と言える死神の中で最強の十三人のことだ。
 それを死神になってもいねぇ入隊試験を受けに来たような奴が勝つなんてありえねぇ。
 そうやって、馬鹿な新入りが倒されるのを見るために隊舎裏の訓練場で隊員が集まっていた。
 そんな時だ、六番隊の隊章をつけた不機嫌そうな男が現れたのは。

 何度か十一番隊でも見た事のあるそいつはうちの隊長の個人的な友人だ。
 六番隊第三席の上位隊士さまってやつだ。
 話の流れから決闘の立会人に指名され、隊長と新入りの決闘が始まった。
 決闘は予想通り一瞬で終わり、予想を外れ一刀のうちに切り伏せられたのは隊長だった。
 どう考えても、後一撃喰らえば死ぬような怪我で隊長にもう一撃加えようと新入りが動いた。

 その瞬間、何時の間にか黒い玉を両手の先に浮かばせた立会人の男が新入りの剣と隊長の剣を受け止めていやがった。
 斬撃でたわわに歪んだ黒い玉だが、傍目にはゴムのような弾力で剣を弾き、それを横目に見ながらそいつは隊長の治療を始めた。

 隊長はそのまま四番隊に運ばれていき、上からの告知で十一番隊の隊長は例の新入り『更木剣八』が就く事になった。

 数日後、隊長就任の手続きと仕事の引継ぎの件でという名目で例の奴が十一番隊に顔を出した。
 よほどトラブルに好かれてるんだろうよ、そいつが来たとき、新隊長の剣八さんが道場で席官全員ぶっ飛ばしてる所だったんだからな。
 それを見て、そいつは溜息ひとつ付いて道場の隅に座って新隊長のツレの草鹿やちるって言うお嬢ちゃんと雑談を始めやがった。
 あらかた新隊長がぶちのめし終わった後(当然俺も瀕死で転がってたがな)にそいつは不機嫌そうな顔で重症の奴等に治療っぽい事を始めやがった。
 以前見せた黒っぽい玉がヘドロのように溶けて傷口にずぶずぶと入り込んでいくのは見ていて気持ちいいもんじゃねぇ。
 うっすら笑みまで浮かべてやがる、こいつは絶対サドだ、治療?を受けてる奴なんかマジ泣きしてやがるぜ。
 治療が終わってそいつが一息ついていたところでうちの隊長が動きやがった。
 後ろからとりあえず一撃斬魄刀でなで斬りにしやがった。
 後で聞いたんだが、ホントに撫でた程度でかなり手加減していたらしい。
 その後、なし崩し的に六番隊の野郎と新隊長の組み手が始まりやがった。
 十一番隊の席官を斬魄刀ごと膾切りにした新隊長の一撃を、例の黒い玉を使って、逸らし、受け止め、絡め取り、弾いて、また逸らした。
 そして何時の間にか手に取った全体が真っ黒な斬魄刀で、黒い玉で斬撃を逸らした反動で体が泳いだ隙を突き、一撃を浴びせる。
 そういう戦いをしていたらしい、らしいと言うのは俺には見えなかったからだ。
 倒れていた席官が退院後教えてくれた。
 組み手は大体一時間ほど続いた、最後は集中力が切れたのか逸らし損ねた新隊長の一撃で六番隊の野郎の敗北と言う形で蹴りが付いた。
 その後、自分で例の黒い玉を使って怪我を塞いで書類仕事してるとか人間業じゃねーよ。
 ちなみにあれだけ六番隊の野郎の剣を受けておきながら無傷の新隊長はありえねぇ。
 これを見た後じゃ、この更木剣八の新隊長就任に異論を挟む奴はいなかった。

 しかし、何でまだこの六番隊の野郎は居るんだろうか?
 スゲー勢いでなんか書いてるけどよ。
 隊長は好きにやらせとけ、好きでやってるんだからよとか言っていた。
 隊長にすりゃ、気が向いた時の暇潰しって所なんだろうなぁ。
 サドだと思ってたが、マゾでもあったのか、六番隊ってのは真面目な奴が多いって聞くけどよ。
 真面目な奴ほど裏で変態やってる場合も多いとか聞くからなぁ。
 全く、変な野郎だ。





 了


後書き

今回はマキマキの憂鬱でした。
誰だよこいつと言う人はコミック14巻辺り参照。
あと、あまりに玄之丞強いとか言われたので調子にのって俺TUEEE状態になりました。
俺の波動球は百八式まであるぞー的な。
多分言われそうな事、剣八と戦って1時間もつとかそれなんてチート。
ゴメン、ちょっとやりすぎた気がする。
まぁ、2対1って事で勘弁してください、斬魄刀の半分は玄海ちゃんが操ってますし。
おかしいなぁ、玄海は壊れない・補助・防御系とかがコンセプトだったはずなんですが。

追記、栄養ドリンクの複線回収完了(ぉ



[6509] 義兄妹の仲を取り持った頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/18 20:06
 如月の頃(晴れ)

先日、緋真の嬢ちゃんが亡くなった。
まったく、運命だか偶然だか知らないがそいつは余程朽木家の事が嫌いらしい。
馬鹿姉の青春の嬢ちゃんに続いて奥さんまでも白哉君から奪うとはな。
俺を過去に飛ばしたのもそいつだとしたらとんだ疫病神だ。
元々病弱な嬢ちゃんだったが、たった五年の結婚生活で居なくなるのは早すぎる。
葬儀で喪主を務める白哉君は毅然としていた、もう少し取り乱しても誰も責めないと言うのに真面目すぎる。
俺の所に来た時も自分の分も下界勤務と受けてもらって緋真嬢ちゃんとの生活も有意義に過ごせたとか言って礼を言いやがる。
全く、ホント世話の焼ける姉弟だ、第三者に促されないと泣けもしない、青春の嬢ちゃんとは別系統の世話焼かせって奴かよ。
埋葬が済んで解散した後、酒を持ってその夜は白哉君の部屋で過ごした。
お互い無言で酒を酌み交わし、ある程度酔いが回った所でポツリポツリと緋真嬢ちゃんの話を始めた。
緋真嬢ちゃんの生い立ちから、日々の生活の話、そして緋真嬢ちゃんには妹が一人居るらしいということ。
一緒に尸魂界に来たそうだが、戌吊での生活の苦しさから赤ん坊を捨ててしまったんだと。
自分が幸せになって、罪の意識なんかもあったんだろうな、白哉君に妹を探してくれと、妹を頼むと頼んで逝ったらしい。
探すなら戌吊かねぇ、とりあえず白哉君が落ち着くまでは地上任務は控えめで行くとするか。





 弥生の頃(くもり)

緋真嬢ちゃんの妹を探し始めて1年、その妹を真央霊術院で発見した。
ルキアと言う名で緋真嬢ちゃんに良く似た嬢ちゃんだ。
白哉君はさっそく養子に誘おうと朽木家の者を連れて霊術院に向かおうとした。
そりゃまた、悪目立ちしそうだな、とりあえず、友人関係くらい把握してフォローとか入れれりゃ良いんだが。
だけど、フォロー入れたとしてもだ、相手の友人に友人続ける気がなけりゃどうしようもない。
瀞霊廷で50年以上生きてきて思うが、尸魂界の人間にとって貴族ってのはそう軽いもんじゃないらしい。
青春の嬢ちゃんみたいな性格でも、貴族を意識せず付き合える人間なんかそう居はしなかったらしいしな。
ルキア嬢ちゃんが貴族ってのに潰されなきゃいいけど。




 弥生の頃2(くもり)

はいはい、案の定、友人に距離を置かれたらしいです。
何とかしたいのは山々だが正直、第三者が現れて貴族でも分け隔てなく付き合ってあげてなどと言われてどうにかなる話じゃないしなぁ。
手を打てないまま、嬢ちゃんは霊術院は即日修了、護廷十三隊に入隊らしい。
白哉君に六番隊で引き取るのかと聞いたら十三番隊らしい。
確かにあそこの浮竹隊長はおっとりしてて良い人だが、うちで引き取らない理由にはならないはずだが。
さては、距離測りかねてやがるな、全く何時までたっても困った坊ちゃんだ。
朽木家専門のトラブルバスター金崎玄之丞が一肌脱いでやると致しますか。




 卯月の頃(晴れ)

銀嶺元隊長の所に茶を飲みに行ったついでにルキア嬢ちゃんがここでどういう扱いなのか聞いてみた。
緋真嬢ちゃんに良く似たルキア嬢ちゃんを見かけて、それを気に入ったので引き取る事にしたという事になってるとか何とか。
それはあれでしょうか、義妹とイチャラブ姉妹丼ルートみたいな?
どうやら緋真嬢ちゃんが姉とは明かさないで欲しいとか言ってたらしい。
隠し事が在るから、白哉君も距離を縮められない、ルキア嬢ちゃんも貴族に引き取ってもらったという負い目が在るから尊敬と畏怖の目で兄を見るようになるとそう言う事か。
正直言わせてもらうが、そんなの家族とは言わねー。
むかついたので白哉君もルキア嬢ちゃんも朽木の家に居る事を良いことにちょっとばかり策を練るとする。
銀嶺元隊長にも協力を要請した、流石に年の功、暇な老人だけあって二つ返事だ。
作戦名「庭でルキア嬢ちゃんと話してるところに偶然現れた白哉君の本音の戦い」みたいな。
銀嶺元隊長には白哉君を庭にやる役目を頼んでおいた、俺はルキア嬢ちゃんを庭に足止めする役だ。
そういえば、きちんとルキア嬢ちゃんと話すのは初めてだなぁ。
庭で偶然出会った振りして色々と話を聞いてみた、始めは俺の事も貴族か何かだと思ってたらしく硬かったがそうでないと判ってからは割と気さくに話をしてくれた。
そもそも、俺を貴族と見間違えるとかねーわ、どう考えても貴族顔じゃねーしなぁ。
そう言ったら確かにとか言いやがったのでアイアンクローかましておいた、くっ、貧乳には優しさが足りなさ過ぎる。
そんな話をしてた時、こっそり仕込んでおいた玄海嬢ちゃんのセンサーに白哉君がかかったので作戦を始めた。
話は単純だ、奥さんの事を忘れられない白哉君がルキア嬢ちゃんの事を見初めて近くに置いたと、実はあまり話しかけて来ないのは子供が自分の好意を素直に表現できないで照れ隠ししてるだけだとか、ツンデレだからああ見えて好感度はマックスだとかある事無い事白哉君に聞えるように話した、話しまくった。
話してるうちに最初は半信半疑だったルキア嬢ちゃんも、徐々に頬を赤く染めて、まさか、とか、あれはそう言う事だったのかとかぶつぶつ言い出した。
結局、聞いてられなくなった白哉君が兄上と叫びながら現れたり、冷静さを失った義兄を呆然と見ている嬢ちゃんに実は冗談だと言ったら顔を真っ赤にして二人して追いかけてきた。
いやいや、雨降って地が固まるって言うけど、これがきっかけに少しは兄妹同士話をする様になると良いんだがな。
ただ、白哉君、いくら照れくさいからとかかっこつけたい兄心を粉砕したからといって千本桜を散らすのは勘弁。
あれ、攻撃範囲広すぎて玄海嬢ちゃんじゃ防げねぇーんだよ。
ま、仲良き事は良いことなりってか、久しぶりに朽木家に笑い声が響き渡った、って、良い所で締めたいんだが、普通に捕まって説教受けた、義兄妹にそろって。
君等実は仲良いだろう?




 卯月の頃2(晴れ)

とりあえず、今俺が出来ることはこれくらいだろう。
きっかけは用意した、後はなるようになるだろう、それくらいは弟分を信じていたい。
ま、一応、白哉君にもあの後、遠慮して付き合ってたら緋真嬢ちゃんの頼みの兄として妹を見守って欲しいを叶えるなんて無理だと言っておいたのでがんばるだろう。
これだけ背中押されてどうしようもならなかったら緋真嬢ちゃんの墓参りで無い事無い事報告するぞと脅しておいた。
掟がどうとか、貴族としての役割がどうとか言ってたが、妹と親しくしながら両方やればいいさ。
ルキア嬢ちゃんにも堅物で頑固で融通効かなくてツンデレな奴だが、義兄として支えてやってくれと言って置いた。
昨日よりずっと目に力が戻ってきているので大丈夫だろう、昨日会った時は何処のレイプ目だよと言いたいくらいどんよりしてたしなぁ。
明日からは再び地上勤務を増やしたし、また当分尸魂界には戻って来れないな、まぁ、二人で仲良くな。






 皐月の頃(晴れ)

再び地上での任務の日々が始まった。
そんな中、実は先日、うちの実家を発見した。
俺は生まれてないが曾婆ちゃんと爺ちゃん婆ちゃんと若い頃の母親を見た。
やっと、やっと戻ってきたんだなぁ、そんな感慨が胸に湧いて来る。
タイムスリップなんて誰も信じない出来事に、死後の世界、死神、以前の俺なら何一つ現実にあるなんて考えなかった。
俺が生まれるまであと少し、俺が過去に飛んで消えてなくなるまであと少し。
あと少しで目標に届くようになって俺は考えてしまう。
もしこの時代の俺が過去に飛ばなかったらどうしよう。
今の俺は過去に飛んだ結果ここにいる、飛んだなら良い、でも飛ばなかったら俺は消えるのだろうか?
消えなかったなら俺は一体なんなのか、パラレルワールドって事になるのかもしれない、そうなら曾婆ちゃんの孫は俺じゃない。
ま、消えるにしても長く生きたし正直かまわないような気もする、こりゃ、せめて看取るだけで一緒には暮らせないんだろうな。
そうなったらそうなったで自己満足と言われても構わんし、実際そうだし、援助くらいはさせてもらおう。
うむ、悲観的なのは俺には似合わん、特にこう言う時は、昔々生き(死にか逝きかもしれんけど)別れた人間が目の前に居たりとかな。
俺はこの日、ある再会をした、家族にではなく。
今はまだ自分の中で状況が消化出来ていない。








 金崎玄之丞 義兄妹の仲を取り持った頃の日記より一部抜粋。








 朽木青春の憂鬱2


 目の前に懐かしい人が立っている。
 相変わらずの平凡顔、不機嫌そうな口元、優しげな瞳、全然変わっていなかった。
 相手には私はどう写っているのか、変わってないだろうか、変わっただろうか?
 ただ、私はこれから玄之丞と戦わないといけない。

「なるほど、協力者か。死神は俺らのこと知ったら殺しに来るで。信用できて実力がある、そう証明できる奴がおるんか?」

 私達のリーダー格の平子真子はそう言ったし、ひよ里も虚化した私達を見捨てた死神を良く思っていない。
 私の協力者を作って藍染惣右介を追い込もうという話はあまり肯定的に受け取ってもらえはしなかった。
 だから彼等はひとつ条件を出した、浦原さんに霊圧をごまかしてもらい、ハッチさんの結界の中で実力と人柄を試すと。
 失敗したなら尸魂界にはもう関わらず、独自に藍染惣右介を追うと。

 これは賭けだ。
 私は取り戻す、自分の甘さとうかつさで失ったモノを、大切な時を。
 その決意でこの場に立っている。

 玄之丞は私の姿を見ると少しだけ驚いて、すぐに不機嫌そうな表情に戻った。

「ひさしぶり、玄之丞、元気だった?」
「まぁ、な。誰かさんが居なくなったから滅茶苦茶忙しくて何度も死ぬかと思ったがな」

 そう言って少しだけ笑った。

「全く、死にぞこないが生きてたのならさっさと顔出せ、貧乳過ぎてそこまで頭回らなかったのか馬鹿」
「あ、相変わらず一言多いわっ、もうちょっと再会を喜びなさいよ!」

 そういう私に肩をすくめて溜息を吐いた。

「喜んで良いのか? 解放状態の春雷王とか手に持ったままいわれても説得力ねーよ」
「相変わらず、可愛げが無いね、ツンばっかでデレが無いわよ、萌えキャラ失格だと思うな」
「俺が萌えキャラとかマジデ勘弁して欲しいんですけど、脳みそ沸いてないか、一辺死んどくといいよ」
「うん、相変わらずで安心した、だからさ、本気で来てね」

 そして私は雷を纏うハルバートを構え、彼は短刀を標準サイズの黒い斬魄刀と黒い玉に変えて構える。

「白哉君がな、結婚した」

 私の初撃を彼は黒い玉で受け流す。

「美人?」

 そのまま切りかかってくるのを体をそらして避ける。

「あぁ、美人だった。結婚してから六番隊の隊長にもなって幸せそうだったけどな、先日亡くなったよ」

 距離を取る私に、彼は無詠唱で破道の三十一『赤火砲』を撃ってくる、切り飛ばそうとするけど昔よりずっと威力が上がっていた。

「そっか、白哉はちゃんと泣けた?」

 火線を巻き込むように自分の得物を振り回して霊力を込める。

「葬儀では泣かなかったよ、だけどその日の晩にちゃんと泣かしておいた。全く、姉弟そろって世話が焼けやがる」

 蓄積する雷気をそのまま彼に向けて解き放つ。

「感謝してるわよ? 今は立ち直った?」

 それを縛道の三十九『円閘扇』で受け止め、手に持った黒い斬魄刀を槍の形にして投擲する。

「妹が出来てな、奥さんの緋真嬢ちゃんの妹のルキア嬢ちゃんだ。大切にしてる」

 その槍を私は春雷王で受ける。弾かれたそれは狙ったように彼の手に収まった。

「強くなったね、感じる霊圧も肌にぴりぴり感じるくらい」
「まぁな、何十年もやってりゃそれなりに強くなりもするだろうよ」

 私は春雷王を正眼に捧げ持つ。

「でも、それで限界? だったらちょっと過大評価だったかなって思うんだけど」

 彼は手元の槍をそのまま黒い玉に突き刺してひとつの玉にした後、右手を上に捧げて玄海に触れる。

「そっちこそ、ここ数十年サボってたんじゃないのか? その程度だとしたら俺の努力とか意味無しじゃねぇかよ」

 私と彼はお互いに笑みを浮かべた。

「「言ったな!」」




「天声遍く轟け!」
「全界遍く呑み干せ!」




「卍解『春雷青竜王』!!」
「卍解『北洋玄海』!!」






 了

後書き
と言うわけで、今回は青春の憂鬱でした。
リアルに原作通りにすすめると登場は何時になるやらです。
結果、わりと予定通りに近い状態で再登場と相成りました。
ホントは弟分の面倒とこの話は一緒にする予定だったんですが長くなりそうだったので。
十一番隊は幕間に近い形で間に挿入して今回の話になります。
ちょっとだけシリアスに、ちょっとだけ燃える展開を目指してみました。
戦闘シーンなどは心理描写や日記と違って文章力がモロに出てしまう分野なので不安ですが、よければ楽しんでくださいませ。

そろそろコメントが100越えそうなんですが、その他板に移動した方が良いかな?



[6509] 朽木青春と再会した頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/18 18:13

 金崎玄之丞の憂鬱






 全く何やってるんだかな。
 随分昔に行方不明になった馬鹿と再会したと思ったら、卍解まで使ってガチンコ勝負ってか?
 十一番隊の剣八のおっさんじゃあるまいし、何が楽しくてこんな事やらんといけんのか、バカバカしいったらありゃしない。
 こいつと関わるといっつもそうだ、久しぶりすぎて忘れてたけどな、全く、こう言う再会もらしいって言うのかね。

「やっぱり卍解覚えてたか、うん、良く出来たって褒めてあげる」

 巨大な青い竜を傍らに連れて青春の嬢ちゃんが不敵に笑みを浮かべている。
 白哉くんの斬魄刀もそうだが、貴族さんの斬魄刀ってのは見た目からして違うね。
 見た目の美しさと力強さを兼ね揃えてるっつーか、美しい死神戦士朽木みたいな。
 全く、嬢ちゃんの霊圧で空気がぴりぴりと震えているのがわかるしな。

「全く、簡単に言ってくれるよな。俺がどんだけこの卍解のおかげでストレスためてるか……」

 俺の愚痴に不思議そうな顔をする嬢ちゃん。

「なんで? 良い卍解じゃない」
「嬢ちゃんよ、浮気したら相手コロスとか言ってる斬魄刀の卍解を良い卍解とか普通は死んでもいわねぇよ」
「あぁ、なるほど、ゴメン、超納得。でもそっか、そんなこと言われてるって事は相変わらずお相手居ないんだ」

 妙に納得した上に嬉しそうな嬢ちゃんがむかつく。
 俺は上空に浮かぶ斬魄刀本体から剣を引き抜いた。

 俺の卍解は始解と比べて特に新しく出来るようになる事などは無かった。
 ただ圧倒的に質量が増えるだけだ、上空に浮かぶ半径数十メートルの真っ黒な球体そのものが斬魄刀ってだけだ。
 新しく出来る事は何もないけどな、質量が増えただけで使い勝手が圧倒的に変わる能力もそうないって自負くらいはしている。

「で、やるのか、やらねぇのか、やらねぇなら貧乳儚んで死んでくれ」
「やるわよ、やるけど貧乳関係ないじゃない、女の価値を胸で測るな!」

 怒りの咆哮と共に嬢ちゃん自身が右正面から突貫してくる。
 それに合わせて竜の方も左正面からタイミングを完璧に合わせて突貫する。

「君臨者よ! 血肉の仮面・万象・羽ばたき・ヒトの名を冠する者よ! 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!!」

 焦りはしない、今の俺は現世で一番安全な場所に居る。
 空中の黒球は崩れ、滝の様に空から降ってくる。
 そして、一人と一匹を遮るように黒い壁が生まれる。

 快音。

「何これ、滅茶苦茶硬いじゃない!」
「はっ、わりぃな、玄海の嬢ちゃんは身持ちが硬くてね、俺以外には体をゆるさねぇんだよ。喰らえよ、破道の三十三『蒼火墜』」

 詠唱を行い、充分に霊力を練りこまれ、術本来の威力を完全に発揮した蒼火墜が俺と竜を遮る壁に向かい走る。
 そして、術は壁に直撃……せずに竜へと収束した。

 咆哮。

「うわっ、何そのチート、何ですり抜けるの」
「俺以外には身持ちは固いけど、俺には二十四時間何時でもどうぞだってよ」
「何それ、セクハラトークとかやめなさい、てか、言ってて恥ずかしくない?」

 嬢ちゃんは呆れ顔だ、ゴメン、冷静になってみたら超恥ずかしいです。

「まっ、良い能力だけど、攻撃に鬼道頼ってるんなら上級鬼道でも持ってきなさい。中級鬼道程度が効くと思わない事ね」

 攻撃の煙が晴れた後、現れたのは完全に無傷の竜の姿だ。

「逆に効いたら笑うわ。ま、一応、不意討ちで倒して変な言い訳されても困るし、サービスって奴だよ。感謝してむせび泣けばいいよ主に巨乳に対して」
「だからなんで胸よ、いい加減理解すれば良いのよ、美乳の機能性と芸術性に!」

 再び突貫してくる嬢ちゃんと竜。
 今度は真逆方向からの挟撃、そして防壁の硬さを考慮してか、速度と回転を加えて充分に力の乗った一撃を放つ。

「微乳ねぇ、自覚があるのは良い事だが過信は良くねぇよ」

 再び壁が生まれるが今度は黒い水しぶきが上がり突破される。
 硬いと判ってれば突破してくるのは流石だ。

「微乳って言ったでしょ、微乳って言ったでしょ、歯、食いしばりなさい!!」
「ごめんこうむる!」

 上空の黒球が一点に向かって渦を巻いて収束する。
 俺を中心に竜巻のように流動して斧と爪を受け流す。

「大体何よ、巨乳巨乳ってむかしっからそれしか言えんのか!」
「黙れ、巨乳にはなぁ、男の夢と希望と癒しと理想とその他もろもろがつまってるんだよ!」

 詠唱破棄で破道の一『衝』を嬢ちゃんの肩、手、膝、頭を目標に四連射。
 嬢ちゃんを足止めして振り向きざまに黒い水流に逸らされた竜の横腹を手に持った剣で一薙ぎする。

 鮮血と咆哮。

「なっ、へなちょこ剣の癖に私の春雷に傷つけるとか!」
「何がへなちょこ剣か! この剣はなぁ、玄海嬢ちゃんの半分で出来てんだよ、舐めんな!」

 交差し、逸らし、鬼道で応戦し、電撃が束ねられ、剣を振るう。

「だいたいな、むかしっから出来るくせにサボりまくりやがって、自分の書類くらい自分でかたずけろ、この馬鹿チビ!」
「それを言うならそっちだって、平穏一番とか安全第一とか言いながら危ない仕事は私とか盾にしてこっそり手を抜いてるくせに、その分、他の仕事やるのは当然でしょうが!」

 黒い波濤が弾け、咆哮が響き渡り、怒声が舞い、剣閃が煌く。

 まっこと不本意だが一進一退の攻防(口喧嘩的な意味でも)は小一時間続いた。

「はぁ、はぁ、はぁ、全く、何でそこまで遊んでばっかで強いのか疑問でしょうがねぇーよ、ったく」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、そっちこそ、事前修行無しであっさり追いつかれそうになった私の気持ちくらい考えなさいよ」

 息も絶え絶えにお互い顔を見合わせる。
 むかつくなぁ、俺はこんだけしんどいのに、嬢ちゃんめ、笑ってやがる。
 あぁ、むかつくむかつく、多分、俺も笑ってるんだろうなぁ、あんだけ心配させられといて嬉しいとかどんだけマゾだよ俺。

「きりがないからでっかいの一発行くよ、死ぬ気で防がないと……死ぬからね」

 春雷王を天高く振りかぶり、竜は自らを電撃に変えて春雷王に絡みつく。
 そして片手で自分の顔をさらりと一撫ですると、まるで虚のような仮面が現れる。

 それを見た瞬間、どっと冷や汗が流れた。
 全く、全くだ、この馬鹿女、馬鹿女、くそっ、まったくもう、ホントいっぺん死ね!
 俺は平穏無事に裏方でもやってればそれで満足だったのによ。
 色んなしがらみ押し付けて、更にまだまだ面倒ごとを押し付けようとして。
 くそっ、ちょっとだけ頼られて嬉しいとか思わせられてよ。

「絶対、ぶん殴る! 歯、食いしばって待ってやがれよっ!!」
「うん、期待してる『虚閃・青竜哮破』」

 一瞬の閃光。

 俺は斬魄刀の全戦力を玄海嬢ちゃんに任せる。
 紡錘状に全戦力を集められた玄海に、縛道の八十一『断空』を重ねて尚、重い一撃。

「この、馬鹿おんなーーーーー!!!」

 実に腹立たしい事に防いだ後はホントに一発ぶん殴る力しか残らなかった。
 殴ったがな、超殴ったがな、大事な事なので二度言いました。
 ちなみに着弾の煙に紛れてな。

 全く、割にあわねーったら、もう二度とやりたくねー。





 了




 皐月の頃(晴れ)

色々あって青春の嬢ちゃんと再会した、昨日はホントもう超疲れた。
日記書いてそのままばたんきゅうとか、てかなんで日記なんぞ書いてるんだ、習性ってこえー。
兎も角だ、嬢ちゃんも生きてるなら生きてるでもっと速く顔出したら良かったのに50年とか音沙汰無しってどうよ。
大体からして普通なら一緒に過ごした時間の倍ほども離れてたら疎遠になるというのに、嬢ちゃんは相変わらずの気安さで接してくる。
嬢ちゃんはどうでも良いが、50年前に一緒に死んだとされてた隊長副隊長がみんな生きていたのには驚いた。
良く判らんが、虚化という病気みたいなものにかかって尸魂界から処分の判断下されて逃げたんだとか。
虚になるから虚化か、安直なネーミングだよな、正確には病気じゃないみてーだが。
最後に使ったあの仮面がそうなのかと聞くとそうだと言われた。
少し不安そうだったので全力でこピンかました後(当然やり返された)、虚になって正気は保てるのかと聞いて見た。
並の人間なら無理だが、浦原さんの助けも会って制御には成功したらしい。
50年前の事件の下手人は浦原さんでも握菱さんでも無いらしい。
真犯人を追い詰める為に信頼できて実力のある尸魂界である程度自由に動ける協力者が欲しかったんだと。
所属していた組織に殺されかけ、死神不信だった平子元隊長等は嬢ちゃん推薦の俺の実力を見て、人柄を探ろうと喧嘩を吹っかけてきたとそう言う事らしい。
何? そんな事で殺されかけたの俺、卍解した斬魄刀のあれだけの質量とか吹き飛ばしておいて試験とかありえねーんですけど。
メンゴメンゴって、平子元隊長、あんた全然悪いと思ってねーな。
まぁ、そんなこんなで平子元隊長……あぁ、もう、平子さんでいいや、平子さん等の試験は無事合格したらしい、うれしくねーよ。
人柄とかあれで何判るんだと言ったら、あんな痴話喧嘩聞かされたらなぁと言っていた、わけ判らんわ、しかも全員頷いてるし。
とりあえず詳しくは後日という事で今日は別れた。
俺も超眠いので一度下界の仮宿でゆっくり休む事にする。
追伸、愛川さんの頭がすごい事になっていた、星型アフロって何よ、新しすぎる。





 皐月の頃2(晴れ)

一晩寝たらとりあえずちょっとは霊力が回復して玄海嬢ちゃんも具象化できるくらいには復活したっぽい。
と言うかなんで具象化してるんだろう、首とかぶら下がれると重いんだけどなぁ。
なんともなしにそのままおんぶして青春の嬢ちゃんとの合流場所へ向かった。
長い事一緒に居て始めて気付いたけど、玄海嬢ちゃんの髪の毛ってうねうね動くんだな。
確かに夢の中じゃ動いてた気もするけどこっち出てきても動くのか、流石斬魄刀。
なるほど、動いてもちゃんと隠れてたのはこの能力のおかげか、これちょっとしたトリビア。
その玄海嬢ちゃんだが出会い頭で青春の嬢ちゃんに刃物(メイドイン玄海の黒い奴)を投げてたのが印象的だ。
昨日吹き飛ばされたのを根に持ってるのかねぇ、え、嫉妬、青春の嬢ちゃんに?
俺的にそれはないわぁ、喧嘩するほど仲が良いって格言もあることだしな。
はっはっは、仲良いな、もういい、俺は疲れてるんだ、突っ込まん。
ま、どうでも良い事は置いといて、話の続きなんだが、一場休んで空座町って所にある廃屋見たいな所で胡坐に円陣組んで話をした。
何故か玄海嬢ちゃんは膝の上だったがな、青春の嬢ちゃんは俺の近くに座ろうとすると玄海嬢ちゃんに刃物投げられるので正面に座ってます。
目とか超怖い、白黒反転した虚っぽい目でした、今日はノーモアツッコミで行きたいと思います。
で、その具体的な話だが今の所、俺が向こうで行動を起こす必要はほとんど無いらしい。
例の真犯人は知ってるそぶりを僅かでも見せたらまず間違いなく用意周到に消しにかかってくる可能性が高いらしい。
だから、相手に見えないところで相手に見えないように準備をして、最後の最後、最高の瞬間に一度だけ協力して事に当たる。
そう言う事らしい。
真犯人に言われたらしい、目に見える裏切りより、目に見えない裏切りこそが恐ろしいと。
なら自分達で目に見えない裏切りを演出してやるってことらしい。
素でそんなこと言ってくる犯人とかと超関わりたく無いですな、え、拒否権は無い?
んなこと青春の嬢ちゃんが関わってきた時点で諦めとるわ。
で、直前に話しても協力してくれそうな人と、事前に説得しておけば協力してくれそうな人は居ないかと聞かれた。
多分、権力とかある人間がいいだろうな、一般死神とか仲間にしてもデメリット変わらずにメリット激減するしな。
軽く頭働かしてみると前者も後者も一人ずついると思われるな。
後者は協力取り付けるならまず間違いなくある人の協力が居るけど。
名前を出してみたら大丈夫そうだったので後者の方をとりあえず巻き込む事にする。





 皐月の頃3(くもり)

浦原さんと握菱さんが会合場所にやって来た。
顔を合わせた途端、青春の嬢ちゃんを助けられなくてすみませんと謝られた。
それは俺に謝る事じゃないし、青春の嬢ちゃんが許してるのに俺が怒る必要も無い。
そもそも、悪いのはこの人らじゃないよな、それこそ筋合いじゃないのだ。
浦原さんは尸魂界に行けないらしいのでこっちから色々サポートするんだと。
その為に、ある条件に該当する人物に心当たりは無いかと聞かれた。
今、ここで心当たりが無かったらこの質問の事を絶対に忘れて欲しいとまで念を押された。
そこまで注意しないといけない犯人なのか、こりゃ誰が犯人か聞かないのは正解だな。
とりあえず、朽木家の人間と俺が特に親しくしてる人間が犯人じゃないと言う事だけ教えてもらった、とりあえず一安心。
心当たりの方だが、実は在る、その人物の名前と所在を教えたら、後はこちらで何とかしますと言っていた。
それと同時に、説得要員を指名したら面白そうだから誰を説得するかは言わないで言って貰おうと笑い合った。
やべぇ、浦原さん、滅茶苦茶こういう悪戯とか悪巧みとか好きそうだな。
今度酒持って来ます、一緒に飲みましょう、この人となら楽しい酒が飲めそうだ。
ま、あの人なら、アイツに個人的にはちょっとあつーく説得したら一発だと思うんだ、99%の確率で。
今は近所に居ないそうなので今度地上勤務になった時に一緒に連れて行こうと言う話になった。
ちなみに玄海嬢ちゃんと青春の嬢ちゃんがハッチさんの結界内で遊んでます。
仲いいなぁ、俺はつっこまないけどな、絶対。
あ、卍解した、がりがり霊力吸い取られてるんですが斬魄刀って勝手に卍解するの?
初めて知ったよ、おい。





 文月の頃(晴れ)

とりあえず、出張の期間は今日でおしまい。
青春の嬢ちゃんとは流石に見送りは出来ないと別れは昨日のうちに済ませておいた。
顔合わせるたびに模擬戦やって、玄海嬢ちゃんとは仲良くしていたようだ、俺はつっこまんけどな。
まぁ、やる事ないなら楽でいいやね、てきとーに働いて、てきとーに世話でも焼いてるか。
特に白哉君とルキア嬢ちゃんとかな、あの後、どうなったかね、仲良くしてりゃいいけど。
あ、そう言えば砕蜂とも最近、酒飲んでないからな、地上の酒でも土産に酒のあては砕蜂に出させて酒盛りでもするか。
それと多分、十一番隊は書類貯めてるだろうしちょっと手伝いにでも行ってやろうかね、行きたくねぇけど。
やちる嬢ちゃんは確か金平糖が好物って言ってたっけ、剣八のおっさんは……白哉君とか連れてったら喜びそうだよな。
絶対、ついて来てくれねーだろうけど。
しかし、なんと言うか、肩の荷が下りたと言うのかこの状況は、なんか久しぶりに楽だな、この感覚。
なんだかんだ言っても、張り詰めていたのかねぇ。








 金崎玄之丞 朽木青春と再会した頃の日記より一部抜粋。




後書き

前回の引きがあったので今回は憂鬱からの開始です。
あまり捻った能力じゃなくてすみません、始解で捻りすぎたので卍解はオーソドックスに行くべきかなと思ってあんな能力になりました。
ヴァイザードの仮面卍解攻撃防ぐとか原作見てたらありえないのは判ってますよ。
そこはほら、ノリとかお約束で実力差が上下する原作に忠実だからと言うことにして置いてください。
とりあえず、今回からその他板に移行する事にします。




[6509] 運命と出会った頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/19 19:36

 文月の頃(くもり)

数ヶ月ぶりに尸魂界に帰還したら六番隊の隊長室にカオスな水墨画がかかっていた。
なんと言うか、子供が書いたクマの頭に芋虫の胴体を持つクリーチャーの絵だ。
何、このカオス、俺って部屋間違えた?
呆然としていると白哉君が入ってきた、帰っていたのですかお疲れ様ですと労ってくれるのは良いが例の絵はスルー。
とりあえず帰還の挨拶と報告書の提出をした後、絵について聞いてみた。
なんか嬉しそうに判りますかとか言ってるんですが、気付いて無くてスルーしてる訳じゃなかったわけね。
どうも、ルキア嬢ちゃんが描いたものらしい、内容は兎も角、仲がいいのはいいことだよな、うん。
技術は荒いが良いセンスをしていると思いませんかとか言われた。
とりあえず、そうだなとか言って退室した。
六番隊の隊員に話を聞くと時々別の絵に変わるらしい、似たようなセンスで。
いや、付き合いも大概長いと思ってたが、あのセンスは無い。
私服とか着せたらどうなるんだ?
死神は服装のアレンジはあっても大きく変なのは無いからなぁ。
青春の嬢ちゃんは普通の格好してたからな、白哉君だけあんな感じなのだろうか、朽木家ってのは良くわからんな。




 葉月の頃(晴れ)

うーむ、これは燃え尽き症候群とでも言うべきか。
実家発見したし、青春の嬢ちゃんも見つけた。
正直、やる事が無い。
いや、仕事とかはあるんだが、それもまぁ、わんさか。
だけどこう言っちゃ何だが今更なんだよな。
手間が掛かるってだけで難しいわけじゃないし。
とりあえずしばらく十一番隊の様子でも見てくるか。





 葉月の頃2(晴れ)

なんか変なのが増えていた。
ハゲとナルシスバカだ。
話を聞いてみると新入隊員でお笑いコンビ、剣八のおっさんの知り合いらしい。
と言うか殺しあった仲らしい、因縁付けられたので黙れハゲと言ったら喧嘩吹っかけられた。
やべぇなぁ、冗談抜きで癒しが足りない、どっかに巨乳落ちてないかなぁ。
夜一さんカムバック、最近圧倒的に巨乳分が足りない。
とりあえずハゲは適当な縛道で拘束してから椅子に座らせて判子押しさせた。
十一番隊は搦め手に弱いよな、ちょっと考えた方がいいよ。
まぁ、剣八のおっさんみたいに縛道で捕まえても力ずくで拘束破壊されたりしたら無理だが。
ちょっとだけ悔しかったのは秘密だ、鬼道には自信あったんだけどなぁ。
それは兎も角、ナルシスバカは馬鹿だが書類仕事が出来る馬鹿だった。
よし、バカは除けてナルシスにして置こう。
そう言えば、今気付いたが剣八のおっさんが眼帯を付けてる。
心なしかと言うかはっきりと霊圧とか弱まって過ごしやすくなってるなぁ、前までは凄い勢いで落ち着かなかったけど。
でも、これで長い時間楽しめるなとか言ってもの凄い笑顔で俺を見ないでください。
気付かない振りしてやちる嬢ちゃんに金平糖を一袋上げた。
一瞬の食われました、ざらーって感じで、ちゃんと礼を言われた、関心関心。
とか思ってたら、私は見てるだけで良いから剣ちゃんと遊んでていいよとか笑顔で言われた。
よし、じゃあ借りてくぜと襟を捕まれ裏の訓練場に、ブルータス、お前もかー。
結局、日が暮れるまでつき合わされました。
剣はほんとうっすら通るようになったし剣撃の威力も下がったけどさ、いくら切りつけてもめっさ笑顔でガンガン攻めてくるのはかえって怖いわ。
あと、一撃で致命傷とは行かないので一回の模擬戦がなかなか終わりません。
終わったら終わったで治療してもう一回とか無いわー、便利な救急箱兼玩具とか思われてるんじゃないだろうか?
何時の間にか、よっしゃ俺も俺もとか言いながら拘束が解けたハゲとナルシスが乱入してきたのでとりあえず盾にして剣八のおっさんと斬り合ってた。
あぁ、うん、無気力でも良いからスリルなんて求めず大人しくしてりゃ良かった。





神無月の頃(晴れ)

とりあえず白哉君と合わせて休暇をとって朽木家にお邪魔した。
何時も通り銀嶺元隊長の所でお茶をしようと思ったら山本総隊長が来ていた。
この爺さん、話を聞いてみると銀嶺元隊長が子供の頃、既に老人だったと言うから驚きだ。
俺が卒業した真央霊術院の創始者で最低でも2000歳ね、霊体って凄いよな、そんだけ生きても記憶容量とか大丈夫なんだろうか?
とりあえず一杯だけ茶をご馳走になって退席した、年の功だけあって美味かったです。
今度、一番隊の茶会に顔を出しなさいとか言われたので行ってみよう。
多分、美味い茶を飲ませてくれると思うしな、うん、気力が湧いてきた。
白哉君の所に顔を出すとすずりで墨を擦っていた。
これから水墨画を描くらしい、ルキア嬢ちゃんの水墨画が思いの他、創作意欲を刺激したんだとか。
正直、どんな(ゲテ)モノが出来るのか興味があったので縁側で茶を飲みながらぼけっとしていた。
しばらくぼけっとしていたら出来たと言うので見せてもらったら、朽木家の縁側に座るナマコの怪物みたいな絵だった。
ナマコ元帥らしい、俺の雰囲気を擬人化したとか何とか、ナマコは人じゃねぇよ。
がちゃんと何かが割れる音が聞えたので振り向いたらルキア嬢ちゃんが湯飲みを落としたのにも気付かず愕然としていた。
どうやら視線は絵に向いている、あまりの名状しがたさにSAN値でも下がったのだろうか?
ぶつぶつ言ってるので良く聞いてみると、素晴らしいだの、流石兄上だの、私も精進が足りないだのと聞えてきた。
白哉君もルキア嬢ちゃんに絵を見てやるからこちらに座りなさいとか言ってる。
異世界だなぁ、ルキア嬢ちゃんも筆を持つ手の上から白哉君に手を握られて頬を赤く染めてるんだが。
描いてるものがモノだからなぁ……
仲が良いのは良い事だ、とりあえず眠いので縁側で昼寝をする事にする。
ちなみに起きたらナマコ元帥が凄い事になっていた……SAN値とか大丈夫かなぁ俺。






 師走の頃(くもり)

さようなら無気力な俺、こんにちは充実した俺。
何を無気力ぶっていたのか、俺はバカだと大いに言いたい。
こんなにも身近に素晴らしい世界が広がっているかと思うと感激を禁じえない。
そう、隊の用事で十番隊にお邪魔した時の事だ。
俺は視覚に対する尸魂界最強の凶器に出会ってしまった。
とりあえず会った瞬間拝んだ、滅茶苦茶拝んだら変な顔された。
なんか、凶器過ぎて凄い勢いで無気力とかどっか飛んでったわ。
名前は松本乱菊と言うらしい。
とりあえず、少しだけ話した、くっ、斬魄刀の事さえ無ければ俺だけの理想郷になってくださいと凶器に向かってだいぶするのに。
十番隊に来る予定があったら積極的に引き受けよう。
とりあえず、話してたら寄ってきた九番隊の檜佐木修平君に同じ匂いを感じたので飲みに誘ってみた。
紆余曲折を経て九番隊の隊舎で飲む事に、一晩中おっぱいについて語りつくした気がする。
ふたりしてオッパイオッパイやってたら東仙九番隊隊長がやってきた。
お酒は程ほどにとか言われたけど気にせずオッパイオッパイやってた。
翌朝、頭痛の中、思いっきり説教を受けた。
だって、久しぶりにおっぱいについて語り合える戦友(とも)が出来たんではしゃいでも仕方ないじゃないですか。
最近貧乳ばっかで俺のアイデンティティが云々と語ったら滅茶苦茶複雑そうな顔していた。
何故だろうか?
十一番隊の射場さん(剣八のおっさんに吹き飛ばされた席官に居たらしい)もおっぱい仲間でライバルらしい。
今度、修平君と射場さんの三人で心行くまでおっぱいについて語り合いたいと思う、おっぱい。




 師走の頃2(晴れ)

あまりの巨乳に正気を失っていたようです。
玄海の嬢ちゃんに夢の中で滅茶苦茶怒られました。
しかし、あの破壊力はまさに凶器、枯渇状態にあった巨乳分が一気にオーバードライブでリミットブレイクするとはなぁ。
流石にあんなばっかだったら変質者扱いされるので虚乳分で相殺しておかないといけない。
ちょうど良いし砕蜂と酒でも飲みに行くとするかと考えたので、さっそく夜にお誘いに行った。
虚乳分で巨乳分相殺したいから一緒に酒でも飲もうぜと言ったらぶちのめされた。
一緒に酒は飲んだけどな、しかし、酒飲むたびに蝶だか蜂だかわからん模様が付くのは何でだと聞いたら練習だとか言われた。
何の練習か聞いたが教えてくれないので諦めた。
下界の酒もいい、尸魂界のツマミも美味い、流石隊長クラス良いもの食ってるな。
酒飲んでたら副隊長の大前田君もツマミの匂いにつられてやってきてた。
どうやら彼の夜食だったらしい、抗議に来たらしいが砕蜂に一睨みされてすごすごと帰っていった。
ちょっと不憫だったが、ツマミが美味いのでよしとする、見た感じ質より量っぽいので煎餅でも大量に送っといてあげよう。
たまには貧乳と飲む酒も悪くない、そんなこと思ってたらチクっとして模様が増えた。
だからなんでそういうことやってんだよ、秘密?
わけわからんなぁ。






 金崎玄之丞 運命と出会った頃の日記より一部抜粋。







 藍染惣右介の憂鬱




 それは本当に偶然だった。
 朽木家の新党首が流魂街出身者と結婚すると言うことで護廷十三隊の隊長格などを集めて披露宴をした時の話だ。
 こちらをじっと見つめる視線を感じた。
 不機嫌そうにこちらを見ていた男の顔に正直はっきりと見た覚えは無かった。
 特徴の無い男、ようやく思い出した、たしか六番隊の三席だったはず。
 護廷十三隊の隊長格を巻き込んだ実験の時に予定外に現れた女の恋人だった男のはずだ。
 もしかして何か聞いてるかもしれないと一時期探りを入れていたが特にそう言うそぶりを見せ無かった。
 孤高を保っている二番隊の隊長と親しく、彼女に朽木家の援助を取り付けたのは彼だと言う話だった。
 もしかして何かを掴んだのか勘か、まぁ、ここまで辿り着く事が出来るとは思えないが……

 軽く調べてみるが、確かに仕事は出来るが例の事件について調べているような事は無いようだ。
 どちらかと言えば事件の関係者のケアを重視してやってるように見える。
 口は悪いがお人好し、そう言う事だろうか?

 それからしばらくして、要が奇妙な表情で訪ねて来た。
 以前、彼には例の男、金崎玄之丞について話をした事があった。
 そんな彼が九番隊に現れて彼の部下と酒を飲んで管を巻いていたらしい。
 人は得てして酒を飲むと本性が現れる。
 果たして彼はどのような本性を隠しているのか、興味を持ったので詳しい話を聞いてみた。
 最初は渋っていたが、二度尋ねたらポツリポツリと話し始めた。

 これはどう言う意味だろうか?
 自分を怪しむ人間に対するブラフか、いや、要が部下だと言うことに気づかれたはずがない。
 じゃあ、本性か?
 しかし、本性と言うには、噂との齟齬が激しすぎる。
 まぁ、なんにせよ、計画の邪魔になるような男では無さそうだ。
 最低限、他の席官と同様に動向だけ把握しておけばいいだろう。
 優秀そうだが、手駒には向きそうも無さそうだ。

 さて、次の手は、何処にどう打つか。
 浦原喜助を取り逃がしたのは痛かった、崩玉さえ手に入れば手っ取り早かったものを。
 資料に寄ればそう簡単に破壊できる代物では無さそうだ、浦原喜助、彼ならばどうやって処分しようとするか……
 そう考えているうちにあの平凡な男の事は頭の片隅に押しやられた。







 了

後書き

みんなが貧乳貧乳言うからかっとなってやった。
別に後悔はしていない。
( ゚∀゚)o彡゜オッパイ!オッパイ!

藍染は人物鑑定を誤らない人だと思う。
彼は絶対に勘違いしないと思うんだ。
そう、物語のお約束を無視する男、ノットエアリーダー藍染惣右介。
彼だけが玄之丞個人を知らずに正確な評価を下せるのだ、みたいな。

そろそろ毎日更新で壊れてきた気がする。



[6509] 更なる運命に遭遇した頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/20 19:20

 如月の頃(雪)

修平君と射場さんと俺で男性死神登山愛好友の会を立ち上げた。
当然、言葉通りのモノじゃないのはおわかりかと思う。
組織名は修平君の案だ。
俺は大きいおっぱい愛好会で良いじゃんと言ったのだがさすがに体面が悪いと言うことで修平君が泣いて頼むし登山愛好友の会に決定された。
会長は修平君が会の名前を決めたので就任、副会長が射場さんで俺は会計だったりする。
そもそも何で会になったかというと三人で酒飲みながらおっぱいおっぱいやってたら気付けば日に日に人数が増えていったからだ。
活動内容は酒飲みながらおっぱいおっぱいやるだけ。
実は人数増えた頃には大分冷静になってたんだがこいつらほっといたらやばくねということになり結成と相成った。
ごめん、ちょっと嘘、かなり楽しい。
監視が3で楽しみが7くらいは楽しい。
しかし、おっぱい好きが集まると派閥も色々見えてきて面白い。
巨乳派と貧乳派に中庸派、見てるだけで満足だよ派に触っても見たいよ派などなど。
少数派の分派では乱菊さんに挟まれたいよ派に卯ノ花隊長に癒されたいよ派、やちるちゃんにハァハァするよ派にルキア嬢ちゃんを愛で尽くしたいよ派に雛森くんを育てたい派などなど、知らない子もいるがかなり多い。
取りあえず、やちる嬢ちゃん派とルキア嬢ちゃん派の奴はブラックリストに載せてそれぞれハゲと白哉君に渡しておいた。
適切な対応がなされることを期待したい。
ちなみに俺は巨乳派見てるだけで満足だよ派、手を出したらおっぱいが(物理的な意味で)無くなるので自然とそうなった。
修平君と射場さんは乱菊さんに挟まれたいよ派らしい。
しかし、知らないうちに俺らにコードネームがついていた。
オープンおっぱいにムッツリおっぱいにおっぱい若頭。
誰がどれかは言わないが言うまでもないな、おっぱい。




 弥生の頃(くもり)

久しぶりに下界勤務、浦原さんの所に酒持って行った。
ナイスタイミングで夜一さんが戻ってきてるらしいので勤務後に尸魂界で合流する事にした。
夜一さんは先に行って浦原さんの用事を終わらせておくとか。
しかし、あの人に何のようだろうか?
正直、伏線過ぎて意味が判らん、首を捻ってると判らない方が良いんですよ、出来れば一生。
とか言っていた、ふむ、まぁ、知らんで良いなら別に良いか、酒飲んでたり友人とバカやってたりする方が楽しいしな。
気にならないんですかと聞かれたので正直に答えたら青春の嬢ちゃんが俺に協力求めた理由が判ったとか言われた。
どう言う意味か聞いてみると、判らない問題を判らないまま放置する事が出来る才能があるとか言われた。
何それ、馬鹿にされてるんだろうか?
要するに、犯人かもしれない人間が居る事を知っていても自然体で行動できる事が凄いって事だと言われた。
んなこと言ったって、面倒だよなぁ、人疑ったりとか疲れるんだよ、疑えっつーなら疑うけど、必要ないなら考えるだけ面倒じゃないか。
そもそもだ、あの貧乳がそこまで考えて俺を協力者に選んだとか無いわ。
せいぜい、自分の無茶を聞く裏切らない友人くらいなもんだろう、凄まじく甘く見積もってそんな感じだと思う。
なんか微笑ましげに笑ってる握菱のおっさんがむかつくんですが。





 皐月の頃(晴れ)

適当に魂葬と俺TUEEEやってたら青春の嬢ちゃんから呼び出し喰らった。
何時もの廃屋にやってきたら何時も通り玄海嬢ちゃんが具象化した。
なんかリサちゃんがやってきて玄海嬢ちゃんの髪の下を見せてくれと言って来た。
へ、変態だぁぁぁ、とかやってたら興味津々なだけやとか言われた。
ちょっとだけ女の子同士だから良いんじゃないかなぁとか思ったが凄い嫌そうだった玄海嬢ちゃんは具象化といて逃げてった。
後ろの方で青春の嬢ちゃんがガッツポーズしてた、何、計画通り?
今言っちゃ意味無いと思うんですが。
案の定、すぐ出てきた、リサちゃんが寄ってきた、逃げた、寄ってきた、逃げた。
なんか遊んでるうちに青春の嬢ちゃんが話があると近寄ってきた。
どうやら真面目な話らしい。
話の内容は十三番隊の流魂街担当地区に現れる虚の討伐の話だとか。
死神が触れたら斬魄刀破壊してしかも体を乗っ取って内側から食うとかそれなんて遊星から来た物体X。
そんな虚が出たなんて話は聞いたこと無いんだが、なんせ青春の嬢ちゃんだしなぁ。
妄想乙とか言って慰めたら殴られた、ひでぇ。
事情も理由も聞かずに何とかして欲しいとか頼まれた。
要するに、姿を見せずに生身で触るれる距離まで近寄らずに倒せって事だよな?
確かに、俺向きっちゃ俺向きだが、まだ表れても無く、十三番隊に先立って倒せとかどう考えても現状じゃ無理だと思うんだよなぁ。
巣を作るタイプで頭が蛸みたいで志波海燕って人の奥さんが偵察隊として偵察に行く?
何でそんな事を知ってるんだよ、未来予知かっつーの……?
あ、これは、なんだ、む、もしかして嬢ちゃんもアレなのか?
俺は現世の未来からあの日のあの戦場に出た、嬢ちゃんは尸魂界の未来から過去に来たとかそんな感じなのか?
でも、朽木家の直系として生まれたのは間違いないっぽいし、生まれ変わりで前世の記憶が未来記憶とか訳の判らん状態なのか。
いやいや、まてまて、俺がそうだからって青春の嬢ちゃんまでそうだとか決め付けるのもなぁ。
一番、現実的なのはその状況が前もって決められているって可能性だよなぁ。
あぁ、止めた、下手な考え休むに似たりだ、それに何も聞かずに協力しろとか、全く、俺以外にはどう考えても通じねぇよ。
人を都合のいい人間みたいに扱き使いやがって、まさしくその通りじゃねぇか。
俺が子供の頼みを断れない大人と知っててやってるんじゃないだろうな?
くそっ、貧乳は汚い、年はそう変わらないくせに子供に頼まれてるような気分になるもんなぁ。
だから貧乳はきらいなんだ、全く。
アイツの協力が得られたなら出来なくも無いか、後は横槍入れた事に気付かれずに霊圧とか消して移動する手段とかあると助かるな。
明らかに普段と違う行動はするなとか平子さん等にも言われてるしなぁ。
痕跡消すアイテムとか浦原さんに頼んだら作ってくれるだろうか?
なんかあの人、ドラえもんっぽいから大丈夫な気がしてくるのが不思議だな。
何か理由があるんだろうが、そのうち話す気はあるかと聞いたら頷いていた。
今の所はそれで満足して置いてやるか、まずは説得頑張ろう。






 水無月の頃(晴れ)

霊圧の痕跡を消すアイテムと霊圧隠して移動するアイテムとか浦原さんが普通に出してきた。
基本ですよ、基本とか言っていたが何が基本なのか俺には判らない、流石浦原さん、俺たちに(ry
と言うわけで地上勤務は終了した。
下界の酒も持った、合流予定の算段もついた、準備は万端だ。
尸魂界に戻り、帰還の報告をして休暇に入る。
その日の夜、早速、砕蜂を飲みに誘った。
夜一さんを使って砕蜂の説得をしないといけない。
ちなみに夜一さんを使ってというのがミソ、正直、俺は何もしない。
むしろ、何もしなくて話す場さえ与えれば自動で夜一ラブモードになるのはコーラを飲めばげっぷが出るくらい当然の話だ。
きっと、私はこれだけ強くなったんだ、貴様を捕まえて実力を証明してやる→ずっと砕蜂のターン→実は夜一さんは砕蜂の上を行っていた→追い付けてなくて打ちひしがれる砕蜂→本音が出てしまう、私を如何して連れてってくれなかったのですか→デレ期突入。
とりあえずこんな感じになると思う。
何故そう思うかだと?
浦原さんと実力とか人柄でプロファイルして概ね正しいと太鼓判も貰ったからな。
実際、未だに酒飲むと言うからなぁ、夜一さんに連れてって欲しかったーとか。
とりあえず今日は朽木家で飲もうと誘った。
朽木家では空き部屋とか多いし、顔見知ってるから居留守とか頼みやすいんだよな。
仕事終わって夜、朽木家に集合して話を切り出した。
実は夜一の情報を持ってる奴と接触できそうだけど一緒に来るかと。
なんか一瞬の内にちくってして変な模様が現れた。
命拾いしたなとか何とか、黙って会ってたら殺す気でしたね、判ります。
浦原さんに貰った黒い外套(霊圧を隠す効果があるらしい)を二人で被り瀞霊廷を脱出して西流魂街に向かった。
人気の無い山奥の合流地点に着いたら、砕蜂は外套を着て隠れているから貴様が対応しろとか言われた。
自分が対応して情報が手に入らなかったら困るという判断らしい、絶対情報提供者を後でつける気だよなぁ。
しばらく待ってると黒猫が寄ってきた、あぁ、猫良いな、和むわぁとか思ってたら喋った。
尸魂界の猫って実は喋るのかと思ってたら、久しぶりじゃのとか言って裸の夜一さんになった。
裸の夜一さんになった、は・だ・かの夜一さんになった、重要すぎるので三回言いました!
やばい、やばい、なんだこれは、夢だな、絶対夢だな、夢なら何したって良いと思う、とりあえず。
「巨乳好きだ、愛してる!」
とか叫んでみた、蹴られた、後ろから思いっきり、貴様はぁとか砕蜂が滅茶苦茶怒ってる。
夜一さんも俺だけだと思ってたのか砕蜂とか居て驚いていた。
やべぇ、なんかもう説得とかどうでも良くなって来た、夜一さんぱねぇ。
さっさと着替えろとか言いながら律儀に着替え終わるのを待ってる砕蜂とか、シリアス展開とか何処いったんでしょうか?
とりあえず、もう一生消えないくらい記憶しました、なんか俺、初めて青春嬢ちゃんの我が儘聞いて良かったと心のそこから思ってる。
後の展開?
私はこれだけ強くなったんだ、貴様を捕まえて実力を証明してやる→ずっと砕蜂のターン→実は夜一さんは砕蜂の上を行っていた→追い付けてなくて打ちひしがれる砕蜂→本音が出てしまう、私を如何して連れてってくれなかったのですか→デレ期突入。
って感じになりました、詳しく描写しろ?
しるか、そんな重要でもない事、俺にとってこの事件は夜一さんのスッパで終わってんだよ、てか日記だよ、誰と話してるんだよ。
電波か、電波なのか、もういいよ、おっぱい。






 文月の頃(晴れ)

登山愛好友の会で生おっぱいについて熱く語った。
もう激しく、素晴らしく、おっぱいおっぱい。
実に有意義な会合だった事をここに記す、おっぱい。





 金崎玄之丞 更なる運命に遭遇した頃の日記より一部抜粋。










 砕蜂の憂鬱


 とりあえず、金崎玄之丞という男は馬鹿だ、馬鹿だが他よりマシな男であるのは間違いない。
 初めてあった頃は同じ四貴族付きの死神程度の認識だった。
 まぁ、それなりに互いの主の話や愚痴を話す程度には付き合いはあったがな。

 その認識が変わったのは魂魄消失事件に伴う一連の出来事の後だった。
 夜一に裏切られ、不安定になっていた私を気にして何度も会いに来たし姉を孫を失った朽木家の人間の世話も進んでやっていたそうだ。
 朽木家の長女、玄之丞の恋人を同じ事件で失っているにも関わらずだ。
 余裕が無かったこの頃の私はその事を気にしもしなかった、ただ、権力という名の力を得る為の糸口として利用しただけだ。
 こいつはそんな私の期待に答えた、答えすぎた。
 こいつが居なければ朽木家の協力は得られなくなる所か裏切れば敵に回すくらいに強固な繋がりをこいつと朽木家、いや朽木家の直系の人間達に対する個人的な友誼を結んでいたからだ。

 このせいで私はこの男を無視できなくなった、朽木家という名の後ろ盾を得てしまった結果、突き放せなくなってしまった訳だ。
 こいつには絶対言えないが、それで良かったと今なら思う、きっと、そうでなければこの男も切り捨てて孤独に何処までも追い詰められていただろうからな。
 そんな状況を知ってか知らずか……まぁ、知らないと言うのに財産賭けても良いが……こいつも忙しいだろうに時間を見つけては私を訪ねてきた。
 最初は嫌がらせに雀蜂の実験台にしていたんだが私を信頼しているのか何をされても気にしはしない。
 まぁ、間違いなくバカだから気付かなかっただけだろうがな。
 胸の大きさを気にしすぎると思えば、こちらを見て哀れだと言わんばかりの顔をして、何度殺そうと思った事か。
 しかし、こいつが来ないなら来ないで物足りない日々を送っていた事も確かだった。

 時々こいつは馬鹿だが予想も出来ないことをやってのける事がある。
 そう、長年探しても見つけられなかった夜一の痕跡を見つけたと、地上勤務が終わって私を訪ねてきて言った。
 信じられなかった、信じられなかったが、しかし、そんな意味の無い嫌がらせをするような男ではない。
 その位の事は長い間一緒に酒を飲んでいればわかることだ。
 やるなら嘘は言ってないがその範囲で悪戯を仕掛けるくらいのものだ。
 だから私はこの男の口車に乗り、西流魂街の一角に向かった。

 結果、待っていたのは夜一……いや、夜一様との再会と和解、そして過去の事件の真実の流れだった。
 夜一様の指示通り、真犯人を追い詰めるその瞬間まで明らかに違和感を与える行動と取らない。
 そう打ち合わせをして夜一様は去っていった。

 その時、この男は横でおっぱいおっぱい叫んでいた。
 確かに、時々予想できない事をする男だ、それだけは間違いない。
 だが、大部分の人間はこいつの事をどれだけ勘違いしている事か。
 とりあえず腹が立ったので蹴り飛ばした。
 全く、胸が大きいのの何が良いというんだ、馬鹿が。
 こんな男、ただのバカだ、ただの。





 了


後書き

( ゚∀゚)o彡゜オッパイ!オッパイ!

さくしゃはこんらんしている。



[6509] 平穏な日々を送ってた頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/21 17:59

 長月の頃(晴れ)

素晴らしく充実した日々を過ごしている気がする。
バリバリ仕事とかして、もう俺って企業戦士越えたね。
戦友と会合を開いて熱い会議を繰り広げ、一番隊と六番隊の連携を強める為にお互いの隊を行き来したりな。
ごめん、ちょっと嘘書いた。
ホントはおっぱいおっぱいやったり、山本総隊長の茶会に参加してまったりしてた。
若いの同士でバカやってるのも楽しいけど、年輩の人とゆっくりお話するのも癒されるんだよなぁ。
やっぱ、お祖母ちゃん子だった影響もあるんだろうけどな、茶会のついでに誘われて道場に寄ったら剣八のおっさんがいた。
なんか竹刀持ってるけど滅茶苦茶違和感があるなぁ。
取りあえず、一緒に居たやちるちゃんに茶会ででたお茶菓子を上げといた、和むわぁ。
その後、一番隊の隊員に混じって竹刀振ってさわやかな汗を流した。
剣八のおっさんと立ち会って怪我しないとか竹刀すげーよ、あっさりやられたけどな。
終始おっさんは怪訝そうな顔してたのが印象的だったなぁ。
あと山本総隊長とやちるちゃんとが一緒に居ると祖父と孫だな、超和むわぁ。
うん、平和な一日でした。





 神無月の頃(くもり)

今日は二番隊に遊びに行った。
正確にはちょっと違うが大差ないので気にしない。
しかし、今日はやたら工事の人を良く見るなぁとか思っていたら、二番隊の隊舎が何故か豪勢になっていた。
良く予算から改築費なんて出たなぁ、しかも無駄に細部が凝ってるし。
首を捻っているとご機嫌な砕蜂と何故かがっくりと肩を落とした大前田君が出てきた。
挨拶をした後、何で改築してるのかと聞いてみたら視線を逸らしながら老朽化してたからな思い切ってやってみたとか言ってる。
ピンと来たね、もう、びんびん来た、伊達にうん十年の付き合いじゃない、夜一さんの為だな?
俺がピンと来たのが判ったのか咳払いしてる。
まぁ、いいけどな、しかし、よくもまぁ予算付いたな、普通に改築するなら兎も角、こんだけ手間隙掛けてとか無いわ。
聞いてみたら、大前田君が何か言いたそうにしていたが途端青ざめて黙り込んだ。
砕蜂が言うには臨時の埋蔵金が見つかってなだと、なるほど、ポケットマネーという名の埋蔵金ですねわかります。
つーか、見えてるしな、大前田君に後ろ手に突きつけてるクナイとかな。
とりあえず、予定通り大前田君に持ってきた煎餅詰め合わせを渡しておいた。
前は夜食とってすまんね、砕蜂の相手は大変だろうけど頼むわ、みたいな。
大前田君に判ってるなら止めろよとか視線で言われた気がするけど気付かない振りをしとく。
おっぱいで忘れてたがニ撃必殺とかないわ、俺って地味に死亡フラグとか踏んでたのか。
くっ、恐るべし砕蜂、まさしくアサシンと言うしかない所業にチキンハートな俺は戦慄しているのだった。
そうそう、良い酒入ったんで飲もうぜーとお誘いしといた。
砕蜂の持ってくるツマミって美味いんだよな、多分、大前田君のだけどな。






如月の頃(雨)

六番隊で書類仕事をしてる時に白哉君に呼ばれた。
なんぞ急な任務でも入ったのだろうか?
隊長室に入ったら茶を出された、流石白哉君、良いお茶飲んでるなぁ。
で、その白哉君の話だが、要するにルキア嬢ちゃんの話題らしい。
十三番隊に尊敬できる先輩が出来たとか、修行を見てもらってるとか、始解の新技とか一緒に考えたとかそう言う話題が最近増えてきたんだそうな。
で、十三番隊の副隊長がルキアに対して気安いだとか、妻を持ってるのにまさか義妹に手を出そうとしてるんじゃないかとかそんな感じ。
うむ、良い感じにシスコンになってきてるなぁ、誘導した俺も驚きだよ。
俺としちゃ、ルキア嬢ちゃんのブラコン振りもリミットブレイクしてるから多分、他意はないと思うんだけどなぁ。
兄上の為に兄上の役に立つ為に私は強くなるとかそんな感じだと思う。
まぁ、要するに、俺に偵察してきて欲しいんだろうな、多分。
弟分の頼みだ、ちょっくら行って来るかねぇ。





如月の頃2(くもり)

と言うわけで、今俺は十三番隊に来ている。
今日は浮竹隊長の調子が良いそうでお邪魔したらまったりお茶とか飲んでいた。
ま、この人なら単刀直入で問題無いかなと思うので単刀直入にシスコン義兄の頼みでルキア嬢ちゃんの職場参観に来ましたと言ったら爆笑された。
四大貴族の朽木家の人間をそう言う風に言うのは君くらいだよとお茶とお茶菓子を出してもらった。
どうも、浮竹隊長もルキア嬢ちゃんと白哉君の関係は気になってたらしいんだが、やはり朽木家に口出しするのは問題があって強くいえなかったらしい。
まぁ、俺の場合は青春の嬢ちゃんに色々振り回されてる間にもうそんな感覚麻痺しちゃった感じだよな。
今更、改めろと言われてもぶっちゃけ無理だ。
それに、ルキア嬢ちゃんも白哉君も似たもの義兄妹で頑固だからな、多少空気読まないくらいに引っ掻き回した方がうまく行くもんだ。
浮竹隊長は納得顔で、なるほど、気難しい子達ばかり君の周りに集まるのはそう言う事かとか言ってた。
最近、とみに思うのだが、俺ってなんか過大評価されてね?
そんな上等な人間じゃないと思うんだがなぁ。
そうやってお茶飲んでまったりしてたらルキア嬢ちゃんが戻ってきた。
悪戯小僧をそのまま大人にしたような飄々とした兄ちゃんとお淑やかそうな女の人が一緒だ。
志波海燕副隊長と、お淑やかそうな方が志波都第三席かね?
俺が浮竹隊長の茶を飲んでるのを見てルキア嬢ちゃんが何故こちらに、仕事ですかと聞いてきた。
聞いてきたので、ルキア嬢ちゃんが十三番隊の副隊長と不倫してるって聞いたから様子見にとか言っておいた。
浮竹隊長が思いっきり茶を噴出した、汚いなぁ。
海燕さんはカクーンと口を空けて呆然とした後、ち、違うんだ都とかパニクリ出した。
都さんは、あらあらあらって感じでなんかどす黒いオーラみたいなのを出して上品そうに微笑んでた。
ルキア嬢ちゃんは二人を見てあわあわしてる。
ま、そう言うわけだからルキア嬢ちゃんをよろしく頼みますと浮竹隊長に言って退出した。
収拾を付けて行ってくれと浮竹隊長が叫んでいたが、まぁ、奥さんに意識させときゃ浮気なんかならんだろう。
なんか、最近、俺ってはっちゃけてないか?
もういい加減落ち着いてきたと思ってたんだが、まだまだ若いなぁ、俺。
帰り際に乱菊ちゃんと白髪の少年を見かけた。
何時見ても素晴らしいおっぱいだ、あ、少年が胸で窒息してる。
すげぇ、窒息おっぱいすげぇ、都市伝説だと思ってたわ。
今晩の議題は窒息するほどのおっぱいに対する考察で行こう。
修平君も射場さんも頑張らないとあの少年におっぱい取られるぞ。





 皐月の頃(晴れ)

隊舎でまったりしてると窓から砕蜂が入ってきた。
うむ、夜這いするならあと2カップ足りない、出直してくるといいよとか言ったら蹴り飛ばされた。
十三番隊の管轄地区に例の虚らしい奴の討伐命令が出たそうな。
志波都第三席を隊長に偵察部隊が準備してるらしい、夜明けと共に出撃だとか。
てか、本当に出てきたよ、まだその虚を確認して無いので確実かは判らんが、これで蛸仮面が居たらマジでどうなってるんだろうな?
とりあえず、砕蜂にも一緒に来るかと聞いたら行くそうな、物好きだと思う、わざわざ面倒な依頼を受けてもらったのに悪いね。
飲みに誘いに行くから朽木家で飲もうやと砕蜂に言ってから、出かける準備をする。
砕蜂も心得たもので、二番隊の隊首室にいるとだけ行って出て行った。
砕蜂には例の奇妙な依頼について大まかな概要を話して協力してもらった。
他の隊の情報を内密に得るなら隠密機動に頼るるのがベストだしな、砕蜂なら信用も出来るし確実だ。
以前、夜一さんに会いに行った要領で再び瀞霊廷を抜け出した。
連れて行かれたのは洞窟のような場所、外套を着てるから霊圧は漏れてないし気付かれては無いと思う。
巣を作るタイプで動物のように四足で歩き、仮面の上から髪の毛のように触腕が生えてる蛸モドキだったか?
どうやって狩るつもりだと砕蜂が聞いてくる。
まぁ、近接型で斬魄刀に頼るタイプだといくら強くても危険な能力持ってるからな。
特に、体とか乗っ取る能力は生身を晒す近接戦闘型っつーか、死神のほとんどに天敵だよな。
虚も特殊な進化でもしてるのかねぇ、抗生物質に適応し始める病原体みたいに、死神に適応する虚とか、そんな感じなのかもな。
とりあえず、居なければ意味が無いので玄海嬢ちゃんで偵察する。
幸運と言っていいのか、洞窟内に例の虚はちゃんと居るようだ。
砕蜂に内緒だから話すなよと釘だけ刺してさくっと卍解で倒す事にする。
改めて手元に玄海嬢ちゃんを引き寄せて卍解。
そのまま洞窟の入り口から隙間無く侵入させて絡め取って玄海嬢ちゃんで全身を包み込んで捕獲完了。
後は煮るなり焼くなりご馳走様と言う訳だ。
貴様、流石にそれはみもふたも無さ過ぎると驚いてるのか飽きれてるのか砕蜂が言っている。
まぁ、弱い相手なら俺TUEEEくらい出来るからな。
多分、砕蜂や白哉君だと瞬歩で捕まえられないだろうし、剣八のおっさんだったら捕まえた後、霊圧か何かで吹き飛ばして脱出しそうだ。
とりあえず、玄海嬢ちゃんがあまり触って居たくないと言うのでさくっと上級の破道で消し飛ばしておいた。
能力さえ割れてれば対策出来る能力と判っててもどうしようもない能力があってこいつは前者だってだけの話だ。
得てして本当に強いのは後者なんだよなぁ、白哉君しかり、剣八のおっさんしかり、砕蜂だってそうだ。
浦原えもん謹製の霊圧痕跡消える君で痕跡消して瀞霊廷に戻る事にする。
ま、有言実行、帰って酒飲もうぜと言ったら、もう貴様につっこみを入れるのは諦めた、さっさと帰るぞと先に行った。
霊圧痕跡消える君、時限式だったので放置してきたが背後から凄い爆音が聞えてきた。
霊圧消えるって爆弾かよ、霊圧以外にも色々消えたわっ!
浦原喜助、ひょうきんな顔してかなりのマッドだ、おそるべし。
後日、テロか虚の自爆かで十三番隊が慌しかった、しばらく近寄らないで置こう。







 金崎玄之丞 平穏な日々を送ってた頃の日記より一部抜粋。











 朽木ルキアの憂鬱



 私は捨て子だった。
 戌吊という治安の悪い地区に生まれ、同じような立場の子供同士で何とか生きてきた。
 しかし、子供だけで生きていくには厳しすぎる環境だったのだろう、一人、また一人と仲間は減っていった。
 最後に残った私と恋次は住み良い場所だという瀞霊廷に住む為に死神を目指した。

 真央霊術院に入り、無事死神になる為の技術を学んだ。
 しかし、私は何処か周りに馴染めず少し自信を無くしていた。
 そんな時だ、四大貴族の朽木家が私を養子にと言って来たのは。
 私の前に現れたのは怜悧な美貌を持った、朽木白哉と名乗る男性だった。

 不安ではあった、しかし、恋次はそれが良い事だと言った。
 あやつは粗雑ではあったがあやつなりに仲間想いの奴だということは良く判っている。
 きっと、不安だからとこの話を断るのは私の我が儘なのだろうな。

 そして私は朽木ルキアとなり、朽木家の一員となった。


 貴族になった事で、周囲との壁は一段と分厚くなり、人は腫れ物を触るように私に接するようになった。
 そして、兄となった人、白哉兄様。
 私は引き取って貰った恩に応える為にと余裕の無い日々を送っていた時、あの人は私の前に現れた。

 金崎玄之丞と名乗ったその人は、屋敷の庭にいきなり現れて話しかけてきた。
 最近、話した相手は皆、腫れ物に触るように接してくるものばかりで、自分が貴族だと意識させない会話は本当に久しぶりだった。
 日常会話から始まって身の上話、何時しか話は白哉兄様の話になっていた。
 どうやら兄様の事を良く知っているらしく、昔の出来事や、普段の事、そして色々な話をしてもらった。
 何時しか話は兄様が私を引き取った理由などに及び、後で冗談と判ったが兄様が最終的には私を娶るつもりだと言う話にまで進んでいた。
 本当にこの時の私には余裕が無かったのだろう、私は半ばこの話を信じてしまっていた。
 兄様は尊敬していたが、そのように考えた事はまったく無かった。
 そんな時、耳をうっすら赤く染めて駆け寄ってくるありえない姿の兄様がいた。
 義兄上、いい加減な事を言わないで下さい、そう言って現れた兄様は私が知っている兄様とは違っていて呆然としたのを覚えている。
 これが切っ掛けとなり、私は兄様とじっくりと話し合う機会を得ることが出来た。

 兄様の姉の青春様の事、その恋人だった玄之丞殿、兄様の奥様だった緋真様、そして、私を引き取った本当の理由。
 それらを話した後に、すまぬと、私の生きる道を歪めた事、そして距離を測りかねていたゆえに冷たく接した事を。
 私は、私達はこの時初めて兄妹になったのだと、私はそう思う。


 私と兄様が居て、時々、玄之丞殿が居る。
 疎遠になった友人は居る、だが、代わりに得たものもあった。
 きっと、私は幸せなのだと、そう思う。



 だがしかし、これはあんまりではないだろうか?
 海燕殿とその奥様の都様に訓練をつけて貰った後、隊舎に戻ってきた。
 そしたら何故か玄之丞殿が浮竹隊長と茶を飲んでいた、そこまでは良い。
 だが、いくらなんでも私と海燕殿が、ふ、不倫だとはあんまりではないか!
 ひたすら都様に謝り倒す海燕殿を見ながら私は途方にくれていた。

 私には未だあの人が何を考えているのか判らない。





 了


後書き

さくしゃはれいせいになった!

よって、おっぱい分が減量で通常営業と相成りました。
夜一さんは良いですよね、コミック読みながら素晴らしいお……げふんげふん、資料の確認が出来ました。

まぁ、ノリで書いてると色々問題は出てくるわけで、マキマキは勤続10年だと言うことが判明。
ぶっちゃけ、自分で白状しなければ誰も気付きそうに無い間違いですw

しかしまぁ、改めて、主人公チート乙。
何だ、この便利すぎる斬魄刀とか、邪気眼ですね判ります。
私が読者で最初から主人公がこんな能力もってたら切るね、途中から手に入れて俺TUEEし始めたら高確率で切るかもしれない。
これ書いててそこが一番不思議です。

追伸
おっぱいの食いつき良すぎで吹きました、普段の倍以上の感想とかないわw




[6509] 十一番隊の派遣を正式に命じられた頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/22 19:11

 卯月の頃(晴れ)

先日、十番隊の隊長が変わった。
なんでも、死神になって十年で卍解覚えて隊長に推挙されたらしい。
十年で卍解とかどんだけ天才やねんとか思ってお披露目に向かうと、何時ぞや見かけた白髪少年だった。
場所は隊長格が集められたお披露目会だが、第三席の俺が居るのは六番隊には今現在副隊長が居ないからだったりする。
副隊長代理と言うことになるわけだ、三席待遇で副隊長の仕事やってますよ俺。
近い内に、何処かの隊の有能な子でも見繕って副隊長に来て貰えたらいいんだけどなぁ。
修平君とか射場さんとかどうだろう、最近、射場さんは十一番隊に行ってる時に進んで書類仕事とか手伝ってくれるようになったからな。
ま、俺が決める事じゃないからどうしようもないか。
十番隊の副隊長には爆裂おっぱい事、松本乱菊ちゃんが同時に就任した。
相変わらず実にナイスおっぱい、夜一さんの生褐色おっぱいやってなければリミットブレイクする所だった。
でも、最近、少しだけ世代交代の波が来てる気がする。
三番隊は少し前に五番隊の副隊長をしていた市丸ギン君が就任したしな。
副隊長も引退間近の三番隊と七番隊と九番隊、隊長就任で空いた五番隊、そして長く空白が続いてる六番隊にポストがある。
十一番隊もそういう意味では少し前に入れ替わったばかりだな。
こうやって、隊の面子が入れ替わってるとあの時を思い出すなぁ。





 葉月の頃(くもり)

十一番隊にお邪魔した、最近は射場さんもナルシスも書類仕事頑張ってるしそろそろ手伝いは要らないかねぇ。
剣八のおっさんは他の隊に喧嘩を売るのに忙しいし、やちるちゃんもそれについてってるか他の隊に顔を出して可愛がられてるけどな。
前に山本総隊長のお茶会にいたのには驚いた、茶菓子だけ食って帰ったけどフリーダムだなぁ、和むわ。
山本総隊長で思い出した、剣八のおっさんは道場に通うの止めたらしい、礼儀とか決まりとかめんどくせぇとか言ってた。
でも、なんか知らんが鬼強くなってたんですが、霊圧下がって玄海嬢ちゃん切られる事も最近は無くなってたんだけどなぁ。
おい、玄之丞、知ってるか、剣は両手で握った方が強いんだぜとか言いながら一刀両断にされました。
久しぶりに重態です、今まで一度もお世話になった事のない四番隊にお世話になりました。
俺じゃなきゃ死んでたね、多分、切られて地面に倒れる前に昇天してた。
玉と剣と両方で防いだのに真っ二つとか、もう二度と両手持ちのおっさんとは戦いたくないです。
卯ノ花隊長、滅茶苦茶優しかったです、四番隊っていいなぁ、空気が良いし、隊長も副隊長も美人だしここに住みたい。






 皐月の頃(雨)

予想通りというかなんと言うか、九番隊と七番隊の副隊長にそれぞれ修平君と射場さんが就いた。
その内、うちの副隊長になって欲しかったんだけどなぁ。
お祝いを兼ねて登山愛好友の会……もうおっぱいの会でいいや……でおっぱいおっぱいしてきた。
折角なので射場さんと修平君に副隊長任せられる良さげな人材は居ないか聞いてみた。
射場さんはハゲかナルシスがいいんじゃないかーみたいな事を言ってたが要りません。
脳筋とか同じ隊にはいらねー、超いらねー。
ナルシスは射場さんが居なくなった十一番隊から取ったりしたら十一番隊終わるからなぁ。
やちるちゃんを今から少しずつ教育して隊の仕事任せられるように仕込むのとかどうだろう?
いやいや、子供は子供らしく遊んで育つのが良いと思う、仕事を教えるといってもまだまだ先の話だなぁ。
そういう話をしてたら、ホントお前は子供には甘いのうとか射場さんが笑っておりました。
ちっさい子供は甘やかして良いんだよ、俺だって曾祖母ちゃんに大切にして貰ったんだからな、その分、他の人に返すのは当たり前だ。
こんな事(おっぱいおっぱい)やってるのに時々玄之丞さんって真面目ですねと修平君も笑ってるし。
時々じゃない、常に真面目だ、おっぱいおっぱいやってる時も、仕事してる時も、俺TUEEEEやってる時もな。
キラッと歯を光らせてみた、何故か爆笑された、はいはい、似合いませんねー、俺だってニコポとか憧れてんだよー。
いじけてると、射場さんが自分と入れ替わりに五番隊から席官として新しく入る奴がいるから面倒見てやってくれと言われた。
なんか、俺、十一番隊から出て行く人間に頼みごとされる事多い気がするなぁ、二回目だけど。
前の十一番隊隊長元気してるかね、前に様子見に行ったら今度引っ越すとか言ってたが。
とりあえず、五番隊からの新席官なら脳筋って事は無いだろう、さっさと仕事仕込んで楽になるぞ。




 皐月の頃2(くもり)

脳筋でした。
ハゲとか剣八のおっさんと比べたらマシよ、自発的に判子押しくらいはやってくれるしな。
阿散井恋次って言う名のわりと実務能力は高めの少年だ。
まだ新人だし、事務仕事叩き込んだら多少は使えるようになるかねぇ。
とりあえず、今はハゲと喧嘩するのが楽しいみたいだけどな。
最近、尸魂界に居る時は週に一度は十一番隊来てるから、なんか妙に俺の机とか出来てたり、俺の机に書類山積みしてあったり、俺の机に隊の認印が置いてあったりするんだけど、本気で大丈夫か十一番隊、冗談抜きで最近心配です。
射場さんの抜けた穴はでかい、でかすぎる。
しかも、書類仕事終わった後、剣八のおっさんとかハゲとかと戦闘ばっかしてるから俺の防御スキルに一段と磨きがかかってしまった。
最近、白哉君の太刀筋とか見えてきたんだぜ、ありえねぇよ、相変わらず攻撃当たらないけどな。
努力次第で始解の千本桜なら卍解無しで防げるかもしれん……俺って成長してるなぁ、まさに(物理的に)血の滲む努力。
でも、白哉君、負けず嫌いだから防いだら意地でも当てれるように努力するからなぁ、だからといって手を抜くと怒るし。
それは兎も角、この恋次君、どっかで見たこと有るんだよな、直接じゃなくて多分書類かなんかで。
はて、多分、六番隊関係の報告書か何かじゃないかなと思うんだが、帰ったら調べてみるか。




 水無月の頃(晴れ)

報告書を調べてみた、なるほど、ルキア嬢ちゃんを引き取る時に白哉君に内緒で調べさせた交友データか。
戌吊の頃からの知り合いで貴族の家に養子になった事で疎遠になった子だった。
ふむ、兄妹関係も隊内関係も最近はホント充実してるみたいだからなぁ。
贅沢言えばルキア嬢ちゃんに以前の交友関係も何とかしてやりたい所だけど。
昔も似たような事を考えた気もするが友達関係は当人同士か共通する友人じゃないと口出しは難しいからな。
とりあえず書類仕事仕込もう、その合間に機会があれば本人の気持ちも聞けるだろうよ。





 神無月の頃(晴れ)

毎週恒例の十一番隊事務業務ですよっと。
山本総隊長に事務仕事できる人を派遣してくださいと茶会でお願いしたら思いっきり顔を逸らされた今日この頃。
なんか、派遣するたびに泣きながら配置換えを陳情しに来るんだとか、しらなんだわ。
どうも、俺が長期で尸魂界を離れる時に仕方なく派遣してたようです。
腕っ節が強くない人は十一番隊の下っ端に苛められて、腕っ節が強かったら剣八のおっさんの餌食なんだとか。
うん、それ無理、俺も無理だからもう行かなくて良いですかと聞いたら、総隊長命令で尸魂界に居る間は週一で出向命令とか出された。
やぶ蛇ですね、手当てはだいぶ出してもらえました、そろそろ瀞霊廷に家が建ちそうです、使う暇はないけどな。
最近、砕蜂との飲み会の酒の質がうなぎ登りです、ツマミの質もうなぎ登りです、大前田君、すまない。
十一番隊でもよく酒とか飲んでるがぶっちゃけ金は一銭も出してないがな、酒代くらい出せと大いに言いたい。
何時も通り書類整理終わって、何時も通り隊舎の裏山奥地で喧嘩……もとい訓練というよりはやっぱ喧嘩をしていた。
恋次君も結構強いね、この部隊、脳筋ばっかだがガチンコだと他の隊の平均より結構上なのは間違いないよな。
斬魄刀も直接攻撃系マンセー、鬼道系ってダサいよね、見たいな奴ばっか。
俺の斬魄刀も鬼道系?だけどさ、戦闘に関しては直接攻撃系+αみたいなもんだからそれほど風当たりは強くない。
そもそもだ、搦め手に弱くてガチンコ馬鹿ばっかだからなぁ、あっさり罠にかかって負けてる以上負け犬の遠吠えって奴だ。
文句があるなら『六杖光牢』から一瞬で脱出してみろ、力づくで。
剣八のおっさんのずるい所はそこなんだよなぁ、最近はこのおっさん、大分切り合いが出来るようになったじゃねぇかとか嬉しそうなんだが。
もう、切り合いながら使える縛道でどうこうできないと諦めてるだけなんだがね、人生諦めが肝心よ。
兎も角、この日はハゲと酒飲んでナルシスと恋次君の喧嘩を眺めてた。
そしたらハゲがルキア嬢ちゃんの話題を振ってきた。
なんか、ナルシスと喧嘩しながらチラチラ恋次君がこっちを見ている。
ははぁん、なれねぇ事してるなハゲ、にあわねぇよもっとはっきり聞け馬鹿、とか言っておいた。
そしたら、よっしゃ上等だ、何時も何時も鬼道でどうこうなるとか思うなよとか言いながら喧嘩吹っかけてきた。
ふっ、俺の防御能力と鬼道の腕を舐めるなよ、剣八のおっさんには無理だがハゲ程度簡単に俺TUEEEしてやんよ。
そう思ってた時期が俺にもありました。
このハゲ、よほど腹に据えかねてたのか卍解覚えて切りかかってきやがった。
流石に卍解使ってる奴相手に無詠唱縛道とか足止めにもなりません。
どうしようもなくて俺も卍解とか使わされました、だってよ、あんな攻撃喰らったら即死するっちゅうねん。
がっつんがっつん玄海嬢ちゃんの盾とか直接攻撃系で吹き飛ばされるとか無いわぁ。
なんかだんだん竜の模様が赤くなって威力上がってくるしさ。
結局、決着は付きませんでした、ハゲの癖に生意気な。
恋次君にはさっさと素直になって仲直りしろよ、あと、ルキア嬢ちゃん嫁に欲しいなら白哉君より強くならんとダメだと思うぜと言って置いた。
白哉君とか、総合能力的に俺より全然強いからな、勝ってるのは防御力くらいじゃね?
最近、白哉君の鬼道の腕も上がって追いつかれそうだしなぁ。
くわばらくわばら、ルキア嬢ちゃんも好きな人呼ぶのも大変だなぁ、もういっそ白哉君とくっつけばいいのに。
卍解の事は誰にも言うなよとかハゲが言うので、俺のもなーと言って帰宅した。
全く、十一番隊来ると疲れていかんなぁ、どっかに夜一さんの褐色生おっぱい落ちてねぇかなぁ。






 金崎玄之丞 十一番隊の派遣を正式に命じられた頃の日記より一部抜粋。









 阿散井恋次の憂鬱




 俺にはひとつ後悔がある。
 それはひいてはならねぇ時にビビッて引いちまった事だ。
 俺はそれ以来、ただ只管自分をいじめ鍛え続けた、あの男に、朽木白哉に勝ちてぇ、その思いだけが支えだった。

 席官になり、戦いじゃ一番だと評判の十一番隊の席官にもなれた。
 そこで俺は奇妙な男とであった。

 十一番隊でもねぇのにうちで仕事をしている六番隊の第三席、そんな意味不明な男だ。
 六番隊、俺が目標とする男、朽木白哉が隊長をしてる隊の実質的なナンバー2。
 そして、四大貴族である朽木白哉が唯一認めてる流魂街出身者。

 弓親さんが手伝ってはいるが、実質、十一番隊の事務を重要なものだけとはいえほぼ一人でこなし、隊長である更木剣八と真剣を使って何度も立会い未だに命があるという事。
 朽木白哉はこの男より尚、上に居る。

「玄之丞か、結構斬りがいがあって良いね、最近、また硬くなりやがった」

「玄ちゃん? 剣ちゃんの友達だよ、剣ちゃんが楽しそうだから私も好きだよ、お菓子も一杯くれるし」

「あ、あいつか? まぁ、つえぇな、ウチの隊長とやりあってあんだけ生き残れりゃ充分すぎらぁ。ま、人の事、ハゲハゲうるせぇけど」

「あぁ、彼かい? あれで美しかったら最高に僕のお気に入りだったんだけどねぇ。でも、生き方は美しいね、平凡な顔に生まれてもああやって美しく生きてる人間は嫌いじゃないよ」

 実力こそが判断基準の十一番隊でこの評価は破格だ。
 そして、この男はルキアとの交流も持ってるらしいと風の噂で聞いた。

 今更、どんな顔してルキアの事を聞くって言うんだよ。
 そうやって悩んでる俺に、事情を知ってる一角さんが俺が聞いてやると言ってきた。

 多分、そんな事、この人には重々承知だったんだろう。
 気付けば、一角さんとの戦闘が始まっていた。
 そこで俺は初めて卍解と言うものを見た。

 凄まじい霊圧に息をする事も忘れ、この場に居るだけで冷や汗が滝のように流れた。
 しかしそいつはそんな一角さんの卍解を見て汗ひとつ流さずに避けている。

 だが、何時かは捉えられる、そう思った瞬間に馬鹿でかい霊圧が一つから二つへと増えていた。
 真っ黒で巨大な球体、それが一角さんの卍解を悉く遮り防いだ。

 結局、霊力切れで二人してぶっ倒れるまで戦いは続いた。

「恋次君よ、うじうじ悩むくらいならさっさと仲直りしとけよ。あと、白哉君は俺より強いからな。ルキア嬢ちゃんを嫁に欲しけりゃ、白哉君に勝てるぐらい強くなった方がいいぞ。全く、貴族だなんだとめんどくせーな」

 そう言って帰って行った。

 べ、別に俺はルキアを嫁に貰いたくて朽木白哉に勝ちたかったわけじゃねーよ。
 一角さん、弓親さんもなーんだそういうことか見たいな顔しないで下さい。
 あぁ、せめて副隊長くらいにならねぇと貴族になんてまともに話しかけれねぇよ、あの人ホントすげぇや。







 了

後書き
ハゲつえぇとか言われたので言い訳考えてました。
防御主体のカウンター型の主人公と直接攻撃主体のハゲ。
訓練だから致命的な破道をひかえたから無傷で引き分けとかなんとか。
だけどですね。

>玄海って嫉妬パワーで能力上下するんじゃね?

とか言われて、あまりの説得力に思わず納得した。
なので玄海嬢ちゃんのパワーはテンションと嫉妬心で上下するという能力が追加されました。



[6509] なんか色々ぶっちゃけた頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/23 20:09

 睦月の頃(晴れ)

休みが出来たので久しぶりに尸魂界の実家に里帰りしてみる事にする。
それと言うのも、十番隊の隊長が同じ所出身だったからそういえば最近帰ってないなぁとか思ったからだ。
数年ぶりなので大きくなってる奴は結構でかくなってたな。
帰ってない間も仕送りと手紙のやりとりはしてたから意外と言うわけではなかったけど。
とりあえず一晩泊まって大人連中と酒飲んで騒いで子供の相手をしてから瀞霊廷に帰還した。
最近、慌しかったからかなりリフレッシュになったなぁ。
帰還途中で例の白髪の新人隊長と五の副官章をつけた黒髪のお嬢ちゃんが一緒に歩いてるのを見かけた。
向こうもこちらに気付いたのか、近寄ってきたので軽く挨拶、いやいやちみっこいね、この年でで卍解覚えてるんだから凄いやね。
聞いた話に寄れば尸魂界に来てまだ20年経ってないとか、いやもうホント若いわ。
俺がこっち来て20年つったら、始解覚えて青春の嬢ちゃんとコンビ組んでた頃かぁ、俺も年を取ったもんだなぁ。
休みの日にデートかと聞いてみたらどうも幼馴染らしい、普通にクールに返されてつまらん。
このお子様隊長、他がギャグやってるとき一人でクールやってたりして空気読まないキャラだ、絶対な。
もう片方は焦って、違いますよぉ、とか言ってて面白かったのに。
しかし、そっか、五番隊も副隊長変わったんだな、名前を聞いたら雛森桃と言うらしい。
少し話してみたら恋次君の同期生らしい、不思議な縁だなぁ。
それ以外にもどっかで聞いた覚えがするなぁ、仕事以外で。
今日は乱菊ちゃんと一緒じゃないのかと聞いたら、私用だから連れてきてないんだと。
つまらんなぁ、爆裂おっぱいは今日は無しかぁ。
とりあえず、乱菊ちゃんのおっぱいに顔埋めるのも程ほどにしないと修平君に刺されるぞとか忠告しておいた。
うん、実に親切だ、俺って、射場さんは大人だけど修平君はまだまだ青いからなぁ。
後ろの方でちょ、おまっ、まて、ちょっと、訂正して行けとか聞こえた気がする。
多分気のせいだろう、あ、そうだ、雛森っていったらおっぱいの会で少数ながらファンが付いてる子じゃないか。
確かに、もう少し育ってくれた方がいいなぁ、俺がおっぱいおっぱいするには3カップほど足りない。





 睦月の頃2(晴れ)

今日の男性死神登山愛好友の会。
みんなでおっぱいおっぱいやってたら白髪少年隊長と目が合った。
目を逸らしたら寄って来たのでとりあえずこんばんはと挨拶をしておいた。
はい、滅茶苦茶文句言われました、あの後、雛森ちゃんの誤解を解くのが大変だったらしい。
はっはっは、ラッキースケベは地獄に落ちるといいよ、俺とか触ったらおっぱいが無くなる呪いがかかっているというのに。
折角なので一緒におっぱいおっぱいやって行きますかと聞いたら滅茶苦茶怪訝な顔してた。
まだまだ子供だなぁ、白髪少年隊長は、素直に雛森ちゃんでおっぱいおっぱいしていけばいいのに。
同じ雛森ちゃんでおっぱいおっぱいやってる仲間も居ますヨーと言ったらほぅとか言って頬をひく付かせてた。
あぁ、これはルキア嬢ちゃんに悪い虫がついた(当然勘違い)時の白哉君の目だ。
おk、把握。
とりあえず、常備してる会員名簿(趣味趣向別)の分類「雛森桃」をブラックリストに追加っと。
要りますと聞いたら貰ってくとか言ってました。
翌日、雛森くんを育てたいよ派の中心メンバーが謎の突発的局地的な吹雪で凍死寸前まで行ったらしい。
何故だろうか、まぁ、俺には関係ないから良いか。






 葉月の頃(くもり)

地上勤務、実は俺が生まれました、すげぇよ、俺爆誕みたいな。
ゴメン、実は結構へこんだ、そっかぁ、後20年程度で曾祖母ちゃん死んで、俺もタイムスリップするかもしれんのか。
なんか生まれたばかりの俺見てスゲー嬉しそうな両親と祖父母と曾祖母とか見てると来るものあるなぁ。
なんとか自己満足でも良いからタイムスリップしないように出来ねぇかな?
なんかさ、最近ちょっとだけ、この人達は良く似てるだけで俺の本当の両親じゃないんじゃないかって思えてきたんだよな。
別に血が繋がってないとかそんな意味じゃない、そうじゃなくて、俺は平行世界って奴から来たんじゃないかって思うんだ。
だってよ、死神って霊力ある人間なら見る事が出来るんだよ、虚も、霊も。
だとしたらさ、ある程度、霊ってものに規則性が出ると思うんだよな、俺は。
だけど、俺が生きていた頃、噂のレベルでも黒い着物に刀を持った霊とか、仮面を被った化物とかの噂は一度として聞いた事がないんだ。
今でこそ、俺は一度死んで霊になって死神になって虚と戦ってる。
この考えは実は感傷って奴なのかもしれない。
だからあんま難しい事考えるのはやめようかと思う。
今更、今の生活捨てるのやだし、だからといって昔の俺が馬鹿な事やるのを見るのも、俺が居なくなって悲しむ家族の顔を見るのも嫌だ。
だからちょっとばかし、自己満足ってのをやってみようかね。
よしっ、困った時の浦原えもんだ、ちょっと相談に乗ってもらおうかね。





 葉月の頃2(くもり)

結論から言うと、時空の歪みで過去に行く場合はあるらしい。
相談しておいてなんだが驚きだよ、おい。
穿界門を地獄蝶無しで通ると時々事故で尸魂界と現世で数日ほど時差が出来る場合があるらしい。
基本的に時間が同調してるはずなのに数日前の尸魂界に現れるとかそんな感じだ。
だから俺が過去に飛んだという可能性もゼロじゃありませんねと笑っていた。
その証明は、最近生まれた俺と今の俺の霊力を調べて確認したとか何とか。
正直、目がマッドサイエンティストの目になってないか、こえぇよ。
で、タイムスリップを止める為の研究はしても構いませんけどあなたが消えた時の覚悟は出来てるんでしょうねと言って来た。
浦原えもん、曰く、誰も証明できてないがフィクション的な説だと、平行世界が生まれるかタイムパラドックスが起きるのどちらかになるんじゃないかと。
平行世界が出来るならいい、タイムパラドックスが起きた場合、最悪、俺が消えて俺が居なかった歴史が再構築されるかもとか、結局どうしようもないかもとか、まぁ、判断できないらしい。
ま、四方山話ですけどねーとか浦原さんは言っていた。
どう頑張っても阻止できないなら諦めるしかないし、止めた結果俺が消える、つまり歴史が変わるって言うなら、それ以前に『今の俺』の『記憶には無い』が『記憶に残らないはずが無い出来事』を『現代の俺』に経験させる事ができれば、逆説的に歴史が変わらないって事になるんじゃないだろうか?
その努力をする事を決めておいて、実際その為の行動を起こす。
タイムスリップする時までに現代の俺と今の俺の経験と記憶に齟齬があるなら阻止して、齟齬が無いなら諦める。
そうすれば、まぁ、大丈夫じゃないかなぁと思うわけだ。
無い頭使って考えた割には良い考えだと思うんだよな。
流石に自己満足で今の自分と今の自分がやってきた事を台無しには出来ねぇしなぁ。
矛盾が出るように行動して行動させて、タイムスリップする前に矛盾が無ければ諦める。
とりあえずそう言う事にして思考停止する、俺馬鹿だしな。





 葉月の頃3(晴れ)

青春の嬢ちゃんが尋ねて来た。
どうやら浦原さんに俺の事を聞いてきたらしい。
結界とか無しで俺と一緒に居て尸魂界にばれないのかと聞いたら、特別製の義骸だから大丈夫なんだと。
俺の素性を聞いて、何か話したい事があるらしい。
実は予想ついてたりする、嬢ちゃんも未来から来たんだろ?
そう聞いたら、奇妙な顔をした、外れたのか?
多分、尸魂界の未来から過去に来たんじゃねぇのかなと思ったんだが、外れか?
例の蛸みてーな虚とかの話聞いててそう思ってたんだが……
なんか微妙に見当違いだったらしい、いやぁ、結構シリアスに出来たと思ってたんだがきまらねぇなぁ。
で、ぽつりぽつりと話してくれた所によるとだ。
この世界の事が尸魂界を中心に物語になってる世界から来たんだと、なるほどフィクションねぇ。
ジャンプはあるけど、結構ラインナップが変わってるとか、ドン観音寺が居ないとか、つか微妙にコアな線付くな、ドン観音寺って確かにいたわ、居たけど俺、今の今まで忘れてたよ、一瞬誰だそれとか思ったっつーの。
じゃあ、あれかね、俺とかもやっぱ登場キャラとして色々活躍してたのか、個人的には脇を張る燻銀な活躍とかしてると思うんだが。
え、出て来ない、ゴメン、ちょっとへこんだ。
普通は、フィクションのキャラって言われて怒ったり信じられないとか言ったりするもんじゃないのかと言われたがな。
昔のえらい人が言いました、我思う故に我ありとかなんとか、俺は馬鹿だからなぁ、今俺が居るからそれで良いじゃんよ。
それに嬢ちゃんが言う事が本当なら平行世界はあるって事になる、じゃあ、俺が何したって今居る俺が消える事がない。
安心して俺がタイムスリップしないように頑張れるから、逆に教えてくれて助かった、そう言ったら少しだけほっとしてたっけな。
どうも嬢ちゃんは、フィクションに居たキャラに囲まれて、フィクション通りに話が進んで、ホント言うと怖かったんだとよ。
自分が都合のいい夢を見てる気がしてとか、繊細だなぁ、俺とは大違いだわ。
で、全然物語に出てこなかった俺と出会って、俺がどんどん力付けてって、俺が居ることで物語の筋が変わってんだと。
だから、俺と出会ったからこの世界が現実だって信じられたそうな。
全く、これだから子供だって言うんだよ、子供は大人に甘えてりゃいいんだ。
そう言うのをな、厨二病つってな、思春期が掛かる麻疹みてーなもんなんだよ、厨ニ病卒業乙。
思いっきり蹴られた、蹴られた後、なんか腕にくっつかれた。
ま、たまには好きにさせといてやるか、全然楽しくないけどな、胸無いし。
具象化した玄海嬢ちゃんが現れた、俺を中心に幼女が二人睨み合っている。
玄海嬢ちゃんは、今日だけですからといって右手にくっついてる。
青春の嬢ちゃんは、別に許可とか要らないけどねとか言ってたよ。
あぁ、酒のみてぇ、尸魂界に帰ったら砕蜂の所にでも飲みに行くか。
え? 他の女の事を考えるな? 貧乳は女じゃありません子供です。
いてーよ、抓るなよ、全く、やってらんね、シリアスとかだいきれーだ。








 金崎玄之丞 なんか色々ぶっちゃけた頃の日記より一部抜粋。








 浦原喜助の憂鬱。




 タイムスリップなんて事象がこの世にあるとは、いやはや世界は不思議に満ちてまスね。
 何の四方山とか思いましたが、力強さは別として同じ波長の霊力と霊圧を見せられたら信じざるをえません。
 しかし、タイムスリップだけなら兎も角、飛んだ先が戦場で、しかも流れ弾に当たってご臨終とは、麻雀で天和九蓮宝燈で上がるようなもんですね。
 本当に、面白い人だ。

 面白いと言えばもう一人、朽木青春サンも面白い。
 失礼だと思いましたが、以前の玄之丞サンへのお願い事も聞かせてもらいました。
 未だ現れてない虚の存在を、能力を、出現場所を指定しての討伐依頼。
 それこそ、何か重要な計画を知ってるのかと邪推してしまいましたからね。
 それが、自分はフィクションの世界に居るですか。

「何もかも物語で見たキャラが動いて、物語通りに話が進んで、ただの夢じゃないのかってずっと疑ってた。何時まで経っても醒めない悪夢の類かって思ってた。だから、物語に居なかった玄之丞の横にいると落ち着いたし、この世界がフィクションに良く似た現実だって信じられたの」

 なるほど、青春サンが玄之丞サンに拘ったのはそういう理由もあったんでスね。
 どうです、平子サン、真実の判った感想は?

「別に、藍染のスパイやなかったらええねん。そない、小器用な奴と違うんはわかっとったしな。99%が100%信じられるようになったくらいのもんや」

 では、青春サンの計画は、ちゃんと進めてもかまいませんね?

「あぁ、ついでにもうちょっと詳しく聞いて細部煮詰めといたほうがええかも知れんな」

 しかし、フィクションですか、どうです感想は?

「別に、玄之丞が言っとった通りや、青春にとってフィクションやろうがなんやろうが、俺にとっては違う、そんだけやな。青春にしたって玄之丞がおる限り、大丈夫やろ、ちゃんと現実を見つめとると思うで」

 そうですね、では、計画通りに、あ、そうそう、デバガメはほどほどに。

「お前が言うなや」

 ごもっともで。
 やれやれ、忙しくなりますね。

 藍染さんの言ってた見えない裏切者ですか、まさに、あの二人のような人を言うのかもしれませんね。
 きっと、あの二人が切っ掛けになって藍染惣右介は失敗する、そう思うんですが……
 アタシの願望が入ってるんですかね、これは。



 了


後書き

小難しい事を考えてますが簡単に言えば、適当にやってやばそうならやめるってだけの話です。
あと、青春フラグがひとつONになったようです。
一応、念の為、穿界門の設定はブリーチ公式です、後先考えずにつけた設定っぽいですよね、あれって。



[6509] 身内に重大な問題が起こった頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/24 22:49

 葉月の頃(晴れ)

青春の嬢ちゃんに色々ぶっちゃけられたのは良いが、フィクションね。
まぁ、簡単に言えば漫画だが、どう言う理屈で異世界でこの世界の事が漫画化されてるんだろうな。
簡単に、この世界が漫画の世界だと考えるにはちょっと非現実的だな、少なくとも、俺主観ではここは漫画の世界じゃないわけだし。
心読んだり出来ないから青春の嬢ちゃんを信じる事は出来ても知ることは出来ない。
だから、極論、実は嬢ちゃんは未来予知能力者で、知った事を漫画と理解してるだけだったりするんじゃね?
まぁ、少なくとも本人が信じてるのは判ったけどな。
結局、あの後、詳しいその物語のあらすじとかは聞かなかった。
あらすじを知るって事は、真犯人を知るって事だしな、多分、知らないほうがうまく行くだろう。
ま、青春嬢ちゃんの事情を知ろうが知るまいが俺のやる事って何一つ変わんないんだよな。
ただ、意味不明な依頼でも根拠があるんだなって実感が出来てるか出来てないかってだけの違いだろう。
何かあるなら、夜一さんが協力を仰ぎに来るって事だけは決めた。
まぁ、まったりすごすかね、する事無い訳だし。



 長月の頃(くもり)

先日、曾祖母ちゃんが死んだ。
ちょっとだけ無理言って、この時期にこの場所で地上勤務をやれるように調整した。
隊の書類をちょいちょいっと改竄したが、大目に見てもらいたい。
これだけは外せなかったんだ。
現世の俺には夢枕に立って曾祖母ちゃんがもうすぐ死ぬという事を教えておいた。
翌朝、慌てて大学を休んで実家に戻っていった、どうやらこの時代……いや、この世界の俺は曾祖母ちゃんの死に目に会えたみたいだ。
俺が曾孫だと言い出しても困惑するだけだろう、なるべく痛くないよう魂葬した。
そして、少しだけ席官の地位を利用して曾祖母ちゃんが西流魂街一地区の「潤林安」に行けるように取り計らった。
このせいで多分、誰かが治安の悪い地区にいく事になったんだろうな、だからと言って後悔はしてない。
俺はこの為に死神になったんだからな、後は俺のタイムスリップと青春嬢ちゃんの用事だけだな。
とりあえず、流魂街の家族に、出来れば世話を焼いてくれと頼んでおいた。
仲良くやってくれると良いな。



 皐月の頃(雨)

青春の嬢ちゃんにぶっちゃけられてもう結構経つんだが、まだなのかねぇ、原作開始と言う奴は。
関係あるっぽいのは8年ほど前の依頼で提灯アンコウみたいな虚、確か名前はグランドフィッシャーってのを倒したくらいだしな。
そういえば、とうとう、ウチの隊に副隊長が来る事になった。
十一番隊で色々可愛がられてる恋次君だ。
苦労の甲斐あって事務仕事をそれなりに仕込んだから結構使えるようになったから俺も楽になるわ。
少し白哉君が気に入らなさそうだったが五番隊のゴン様こと藍染隊長の推挙もあったし結局はうちに来てもらう事になったというわけだ。
恋次君もルキア嬢ちゃんを嫁に貰うなら白哉君を超えないといけないわけだし近くにいて損はないよな。
俺がなるべきだとか言って少し渋ってたけど、俺は俺で三席に居座る理由があるからなぁ、俺TUEEEする為と言う立派な理由が。
俺には三席にいる理由があるんだよと言ったら、はっと何かに気付いた顔をして、すみませんと謝られた。
割と良くある反応です、もう馴れましたよっと。
実は最近ちょっと気付いてる、俺が青春嬢ちゃんを思って三席に居座ってるという噂があるって。
何で俺こんなに美化されてんの、アホじゃないかと思うんだ。
今更、副隊長になったらリミッター付いて下界で弱くなるから嫌なんて理由いえねーよ。
そんなどうでも良い事は置いといて、恋次君も嫁取りの準備が着々と進んでる訳だ、めでたいめでたい。
ま、その前にルキア嬢ちゃんと仲直りしないとダメだがな。
そのルキア嬢ちゃんだが、単独の地上任務で恋次君の副隊長就任と同時に尸魂界から居なくなったりする。
出かける前に白哉君と一緒に見送りに行った、表面上はクールに見せてたけど心配そうだったから少し吹いたけどな。
同じく見送りに来ていた海燕さんが俺と白哉君をみてげっとか言ってたのが印象的だ。
てか、おいおい白哉君、千本桜に手を掛けるのやめようや、ルキア嬢ちゃん見てるから。
見て無かったら良いのかよとか言ってる海燕さんだが、良いに決まってるじゃないかと言っておいた。
そんな遣り取りしてる間にも、ルキア嬢ちゃんと白哉君は見詰め合って、行って参りますとか、少しだけ笑って気を付けて行って来いとかすとろべりってた。
さて、一ヶ月か、白哉君は過保護だからなぁ、ちょっとだけ仕事の効率とか落ちるかもしれんね、たまには良いけど。





 皐月の頃(雨)

ルキア嬢ちゃんが下界で行方不明になったらしい。
十三番隊から嬢ちゃんからの連絡が途絶えたと連絡があったそうな。
その連絡を聞いた白哉君と恋次君がかなり動揺してたりする、全然似てない二人だが嬢ちゃんが大切なのは変わらんみたいだな。
青春の嬢ちゃんから特に話は聞いてない、まぁ、そういう事で原作とやらの出来事なのかイレギュラーな出来事なのか判断がつかんな。
十三番隊でも独自に捜索してるらしい、六番隊は管轄外という関係もあって今の所手は出せない。
出せないが、動かなくて良いというわけじゃない。
実際、霊力が弱まって補足出来ないほど弱ってるとなると発見は早ければ早い方が良い。
担当地区は空座町か、浦原さんの店が近かったから、最悪の展開はないと見ていいか。
尸魂界から浦原商店に連絡を取るわけには流石に行かんからなぁ。
念の為、砕蜂に隠密機動でルキア嬢ちゃんを探すようにも頼んでおこう。
俺の方は白哉君と恋次君のケアって所かね、とりあえず道場で剣でも振らせれば多少は落ち着くだろう。
しかし、行方不明ね、任務で向かった地区も霊圧の波長も判ってるのに行方不明。
普通なら死亡したって取る所だが、浦原さんの管轄だからな、死神の動向を把握してるだろうしルキア嬢ちゃんの話もした事だってある。
だったら、むざむざ死なせたりはしないだろう、信じてるからな、全く、朽木のお嬢さんは行方不明になる呪いでも掛かってるのかね。





 文月の頃(晴れ)

三ヶ月、ルキア嬢ちゃんが行方不明になって三ヶ月。
方々手を尽くしたが発見できず、浦原商店からも連絡が無い。
そんな状況が続いて三ヶ月、空座町に大虚が出現して、現地の死神らしき人物によって撃退されたと一報があった。
幸い出現したのは下級大虚、いや、幸いと言うには大虚は洒落になってないがな。
その時、下界の映像を撮っていた映像庁が義骸に入ったルキア嬢ちゃんらしき人物を発見。
状況をかんがみてルキア嬢ちゃんは自分の死神能力を他者に譲渡し力を失い義骸に入ってると判断された。
参ったね、四十六室からウチにルキア嬢ちゃんの捕縛命令が出された。
生きてたのは嬉しいが、ちょっとややこしい事になったな。
死神能力の譲渡は下手すれば死罪クラスだったか、いっその事、青春嬢ちゃんに託して逃がすべきか。
白哉君は恋次君を連れて捕らえに行くと言っている、裁きは受けないといけない、受けた上で助命嘆願する気だろう。
ルキア嬢ちゃんを可愛がっている白哉君だが、朽木家の掟を破り緋真嬢ちゃんとルキア嬢ちゃんを受け入れたという負い目があるからな。
誇り高い白哉君じゃ、ルキア嬢ちゃんを逃がしたりは出来んか、そうだな、逃がすにしろまだチャンスはあるか。
俺が行った方が穏便に済むと思うんだが、頑固者の白哉君と、単細胞の恋次君じゃ、安全確実って訳にはいかんよな。
しかし、四十六室も何を考えてるんだか、いくら身内とはいえ、隊長と副隊長を一般隊士の捕縛に向かわせるとか。
もしかしてこれが時期なのか?
あんまシリアスとかしたくねぇな、ルキア嬢ちゃんの助命嘆願とか手伝ってくれそうな人に挨拶回りでもしとこうかね。





 文月の頃2(くもり)

助命嘆願ね、とりあえず、十三番隊は鉄板で、二番隊は頼めば砕蜂個人なら協力してくれるかもしれんが無理は言えんなぁ。
総隊長は身内でも四十六室の決定なら涙を呑んで切るだろうし、七番隊も同様だろ、一応、射場さんには頼むけどな。
多分、八番隊の京楽隊長は浮竹隊長の親友らしいから手伝ってくれそうだ。
五番隊の藍染隊長は人良さそうだし頼めば協力してくれるかね、十一と十二は論外、興味無いで終わるな。
十一は恋次君連れてって一緒に土下座したらやってくれんだろうか……やってくれんだろうなぁ。
九番隊の東仙隊長は決まりごとを重視するタイプだからちょっと厳しいな、修平君に念の為声掛けとこう。
後は三番隊と四番隊と十番隊だけど、親しい付き合いが無いからなぁ、厳しいか。
五、六、八、十三の連名なら、減刑くらい引き出せると良いんだがな。




 文月の頃3(はれ)

白哉君と恋次君が帰還した。
当然、ルキア嬢ちゃんを連れてだ、全く空気が重い。
白哉君は一段と寡黙だし、恋次君は空元気なのが見え見えだ。
全くどうしたもんかねぇ。
白哉君に助命嘆願の嘆願書を渡す。
二と五と八と九と十三の連名だ。
砕蜂と修平君には無理させた、無理はさせたが助かった、後でルキア嬢ちゃんを連れて礼に行かんといけんな。
礼を言いに連れて行く為にも、何とかしてやらんといけん。
白哉君はお気持ちは嬉しいですが裁決は覆らぬでしょう、なら最後の時を心静に過ごさせてやるために突き放してやるのがせめて肉親の務めです。
そう言って受け取らなかった、全く、本当に頑固でいけんなこの男は、なぁ、白哉君よ、好きな人が何処か遠くで生きてるだけでも、お前は幸せか?
そう言ったら、私には答える資格がない、そう言って背を向けた。
この兄妹を引き離すのは堪えるな、ぎりぎりまで正攻法で頑張ってみるか、全く、予定通りなのかイレギュラーなのか判らんが面倒な事件だな。



 文月の頃4(晴れ)

牢内のルキア嬢ちゃんに会ってきた。
白哉君は尸魂界に戻ってから一度も会いに着てないらしい。
すまんね、不器用な奴でと言ったら、少しだけ寂しそうにわかってますと言って笑った。
色々な話を聞いた、下界じゃ黒崎と言う一家にお邪魔していたとか、死神の力を得たのは一護と言う少年らしい。
海燕さんに似てるらしい、まっすぐな良い奴だったと言っていた。
話を聞く限り、確実に事故だな、これなら死刑は無さそうだと安心した。
しかし、白哉君もシスコンだな、ルキア嬢ちゃんが止めなければ相手の首を一瞬で落としてたかもと言うことらしい。
まぁ、事故とはいえ、そいつのせいでルキア嬢ちゃんが面倒な事になってるんだ、気持ちは判らんでもない。
つーか、あまりの白哉君の速さに恋次君とか見てるだけとか無いわw
ぎりぎりルキア嬢ちゃんの制止が間に合って、命だけは助けて欲しいと言うことで死神としての力だけ奪ったとか。
まぁ、心配するなと言うのは酷だろうが、俺や白哉君が嬢ちゃんの無事を諦めて無いって事だけは知っててくれよ。
そう言って牢の前から去ろうとした時、俺は最悪の報告を聞く事になった。
朽木ルキアが25日後、極刑に処されると言う事を直接白哉君から聞かされた。
何もかも現実を受け止めたうえで透明に微笑んだルキア嬢ちゃんが緋真嬢ちゃんとそっくりでぞっとした。
こりゃ、白哉君のためにもなんとしてもルキア嬢ちゃんを助けんといかんな。
嬢ちゃんまで亡くしたらあまりにも白哉君が不憫すぎる。









 金崎玄之丞 身内に重大な問題が起こった頃の日記より一部抜粋。








 朽木ルキアの憂鬱



 初めての単独での下界勤務、兄様に海燕殿に玄之丞殿が見送りに来て貰った。
 見送りと言うのは心配されてるようでくすぐったくもあり、期待されてるようでそれに答えようと決意も湧いてくる。
 隊を出る時、浮竹隊長も私なら出来ると言って下さった。
 私は私を大切にしてくれる人の為にも頑張りたい、そう思っていた。

 しかし、霊力の強い人間に姿を見られ、そやつを守る為に失策を犯し死神としての力を失った。
 尸魂界と連絡を取ろうにも何故か通信は出来ず、力を失い消滅しようかとしていた時、浦原喜助と名乗る男に救われた。
 彼の好意により義骸を与えられた私は、黒崎一護と言う名の少年を代理として責務だけは果そうと虚を狩っていった。

 海燕殿に何処か似たその少年と過ごした日々は楽しかった。
 しかし、滅却師を巡るある事件により、私の所在が判明し尸魂界からの迎えが来た。
 当然だろう、大虚まで現れたのだ、調査隊が来る事は判っていたし、場合によってはその者達に接触して尸魂界と連絡を取ろうとも思っていた。

 私が死神能力の人間への譲渡などの罪で何らかの刑に掛けられたのは判っていた。
 しかし、尸魂界から逃げてまで自らを生き永らえさせる意味は無い。
 私は、私を大切に慈しんで下さった兄様の為にも朽木家の人間として相応しく振舞わねばならぬ。
 きっと、兄様は悲しむだろう、玄之丞殿は私の減刑の為に全力で動いてくれるだろう。
 それだけで私は報われる、そう思うのだ。

 ただ、一つだけ心残りがあるとすれば、あの海燕殿に似た少年、黒崎一護が処分されなければ良い、そう思う。

 私は黙って出頭する為、尸魂界からの人間を待った。
 捕縛に現れた白哉兄様と、懐かしい男の阿散井恋次だった。
 そうか恋次は副隊長になったか、せめて兄様の力になってくれ、切にそう思う。

 私を守ろうとして戦った滅却師の石田雨竜と、駆けつけてきた一護にも感謝を。
 私の為に傷付けてしまってすまない、せめて拾った命を末永く大切に使って欲しい。
 私を心配し怒りを見せた兄様にせめて命だけは拾ってやって欲しいと願い、受け入れてもらった。

 白哉兄様、私は貴方の妹として相応しい振る舞いが出来ているでしょうか?
 どうか、例えどのような結果になったとて悲しまないで下さい。

 恋次、副隊長就任おめでとう、その力で兄様を助けてやって欲しい。

 玄之丞殿、兄様も恋次も意地を張る所がある、どうか二人を支えてやって欲しい。

 兄様に直接、四十六室からの決定を伝えられた。
 極刑、それが私の受ける刑罰の名だった。
 兄様の握り締められたその手を見ただけで私はもう満足です。

 せめて末永く壮健でありますよう。






 了

後書き
おっぱいが足りないギャグが足りない、睡眠もちょっと足りない。
シリアス(笑)って感じの展開です。
玄の字は一体何処までシリアス(笑)を続ける気なのか。
とりあえず、今の今まで寝てました。
更新遅れて申し訳なかとです。
しかも、歴代最高に面白くない展開、やっぱおっぱい不足か。



[6509] 旅禍が尸魂界にやってきた頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/02/26 19:35

 旅禍侵入9日前(くもり)

と言うわけで、私こと金崎玄之丞は十三番隊の隊舎に来てルキア嬢ちゃん救出会議をやっております。
不機嫌そうな海燕さんや、奥さんの都さん、四席兼五席の虎徹清音ちゃんと小椿仙太郎も一緒です。
何でお前が要るんだよ見たいな目で見られてますが、良いじゃん、六番隊じゃ救出とか無理そうだしな。
お前が来ると碌な事にならないんだよなぁとは海燕さん、以前の愛人騒ぎのせいか実は嫌われてたりする。
まぁまぁ、愛しのルキア嬢ちゃんを助けるんだから協力した方が得だと思うんだ。
愛しのとか言うなと睨まれた、後ろめたくないなら堂々としてりゃいいのにな。
ちなみに、浮竹隊長は調子が悪いので寝てます、男の病弱キャラとかうぜーとか言ったら清音ちゃんと仙太郎に怒られた。
ドンだけ浮竹隊長が好きだよ、あと仙太郎は声でけーよ自重しろ。
海燕さんが牢破って逃がしたら良いんじゃねとか、むしろ俺が逃がすとか言っております、脳筋乙。
本妻の都さんとか置いて愛人と逃げるんですねわかりますとか言ったら都さん超怖いんですが。
いや、待て、都、俺が愛してるのはお前だけだとか、部下を救いたいだけなんだーとかやってます。
はっはっは、胸的にあんま羨ましくないけど幸せ者とか死ねばいいよ、そろそろ大魔法使い越えて超魔法使いとかになりそうな勢い。
本気で俺って結婚とかできんのかねぇ、夜一さんとかプロポーズ受けてくれんかな、砕蜂に刺されそうだからしないけど。
え? シリアスはどうした? いや、シリアス飽きた。
てか、方針はどうにかしてルキア嬢ちゃんを助ける以外の選択肢無いし、余裕は必要だと思うんだ。
妹助けるのに兄貴はどうしたよとか言ってきますが、まぁ、白哉君はね。
そんな話をしてたら、出待ちしてたかのごとく浮竹隊長が現れた。
白哉にとっては妹も、朽木と言う家も守らなきゃいけないものだから板ばさみになってるんだ察してやってくれ。
そんなこと言ってましたが、出待ちですね、判ります、話の前振り聞いてなきゃその返しは出来ん。
しかし、双極なんて使われたの見た事無いんだが、具体的にどういう感じになるのやら。
まぁ、折角、護廷十三隊の大先輩がいるんで説明してもらうとしよう、知っているのか雷電みたいな。
雷電は知らないがと前置きして(律儀だなぁ)、浮竹隊長に双極について教えてもらった。
斬魄刀百万本分の防御力と破壊力を持つ張り付け台と矛で罪人を焼却する刑らしい。
矛は火の鳥になるそうな、科学忍法火の鳥ってのは古いか?
しかしまぁ、百万本分か、青春嬢ちゃんの一撃とどっちがでかいかねぇ。
大雑把過ぎて威力が想像付かんのだがな。
浮竹隊長は、兎も角、軽率な真似はしてくれるなよと言って話を締めた。
四十六室に掛け合っては見るがなとかまぁ、最悪の状況を考えて刑が執行されそうになった場合どうこうできる手段はあるのだろうか?
あるけど解放に手間取るんだよとか言われた、四大貴族の四楓院家の道具らしいのでホントは四楓院の者じゃないと正規に持ち出せないらしい。
じゃあ、そちらは任せて、白哉君のフォローでもしておくかね。



 旅禍侵入5日前(晴れ)

隊首室がカオスです誰か助けてください。
白哉君が物憂げに仕事してるのは良いんだよ、しかし、ルキア嬢ちゃんを思ってか、例のクリーチャー水墨画が増殖しております。
スゲー勢いでSAN値が下がっていくんだがふんぐるい。
オーイ、恋次君よ、いあいあとかはすたぁとか言ってないで手を動かせー。
下界行ってた時の報告書が出てないんだよ、さっさと書けや。
う、すんませんと言ってしぶしぶ筆を動かしてる恋次君が、白哉君に聞えないように小声で俺に話しかけてきた。
ルキアが心配じゃないのかとか何とか、まぁ、あれだ、浮竹隊長が中心になって四十六室に掛け合ってるから大丈夫だ。
ダメでも何とかするさ、そう言った瞬間、ピクリと反応する白哉君、恋次君は気付いてないみたいだがな、ルキア嬢ちゃんの事となるとホント地獄耳だね。
そうっすか、別に心配してるわけじゃないですけど、まぁ、一応、ルキアの事たのんますとかさぁ、恋次君ほんとツンデレ乙だよなぁ。
そうそう、ルキア嬢ちゃんが地上でどんな生活してたか興味ないかとか言ってちょっとだけルキア嬢ちゃんに聞いた地上の話をしてやった。
泊まる所が無かったから押入れで寝泊りしてたとか、住んでた所の妹が可愛かったとか、まぁそんな感じのことを色々。
奥で白哉君があの男、やはり殺しておけばとか言ってるなぁ、俺としてはもっと素直にお前を助けるとか言ってルキア嬢ちゃんを攫っていっても良いと思うんだがなぁ、四大貴族ってのは面倒だね。
恋次君は割りと素直に、ルキアと同じ部屋で、あの野郎……とかぶつぶつ言ってる、はっはっは、結構むっつり少年だわ、今度、白哉君に内緒でおっぱいの会に連れて行ってやるか。
いざとなったら強行でルキア嬢ちゃん攫って行かんといけんからな、ルキア嬢ちゃんの好感度を高めておけば追っ手の追撃も鈍るってもんよ。
てな感じで地味にルキア嬢ちゃんに対する好感度を上げて救出の成功率を高める作戦、計画通り!





 旅禍侵入当日昼(晴れ)

六番隊の隊舎で恋次君とお茶飲んでたら警鐘が鳴った。
なにやら地獄蝶を伴わない穿界門の突破があり、瀞霊壁が下ろされたらしい。
何者かは西流魂街に落ちたとか、とりあえず手は空いてるので見に行こう、命令は来てないけど。
恋次君も行くつもりらしく斬魄刀を探している。
なんか隊士の理吉少年が俺らのお茶のあてタクアン切ってたらしくて包丁見当たらなんだから手元にあった恋次君の蛇尾丸を使っちゃたらしい。
この少年、地味に物怖じしないなぁ、まだ新入りだし事務仕事仕込んだら良い感じに恋次君の秘書って感じになれるかも。
とりあえず、ルキア嬢ちゃん連れて逃げるなら事務仕事の引継ぎ書とか作っておいた方がいいな、今度作っておこう。
西の門に辿り着いたら既に三番と五番の隊が集まりかけていた。
丁度、オレンジの髪の死神の少年が市丸隊長に吹っ飛ばされてくシーンだった。
恋次君があの野郎とか言ってたし、知り合いだろうか?
もしかしたら、ルキア嬢ちゃんの死神能力を奪ったって言う人間かねぇ。
吹っ飛ばされたって事は防いだって事だから、まぁ、命に別状は無いだろうけど。
もしかして、仲が良かったらしいから助けに来たのか?
穿界門とかどうやって準備したんだろうな、滅茶苦茶浦原えもんくせぇわ。
こりゃ、ますますそのつもりで動いてた方が良いかもしれんな。
ここの警備は五番と三番がするようなのでうちはまだ少しだけ暇だろう。
とりあえず、砕蜂にあの騒ぎは浦原さんとこが関わってるかもしれんから何かあったら遊びに行くわと伝えとく。
砕蜂と顔近づけて内緒話してたら通りすがりの変な髪形の奴に睨まれた、始めてみる顔だが何処の誰だ?
うーん、怪しまれたって事かねぇ? ま、大丈夫だと思うが、一応、頭の片隅にでも入れとこうか。





 旅禍侵入当日夜(晴れ)

と言うわけで、再び十三番隊隊舎で晩飯食ってます金崎玄之丞です。
やっぱ、みんなで食うなら鍋だよね、夏だけど、いやいや清音ちゃんも仙太郎もそこで見てないで一緒に食おうぜ。
つかなんで居るんだよテメーという目で海燕さんが見てます、でも浮竹隊長と都さんの許可貰ったしなぁ。
あの二人は四十六室への働きかけの為に忙しいから今居ないけど、馬鹿な事しないように海燕さん見張っとけって言う事なんでひとつ。
あはははは、見抜かれてますねーとは清音ちゃん、俺らが付いてるんで大丈夫ですとは仙太郎、あと仙太郎声大きい。
ちぇ、餓鬼じゃねぇんだよとか言ってますが脳筋はガキと同じだと俺は思うんだ。
恋次君に確認したんだが、例の旅禍は下界でルキア嬢ちゃんの死神パワー奪った子らしい。
多分、嬢ちゃん助けに来たんだろうと言う事なんでバカじゃなければ瀞霊廷内に侵入くらいできるかもしれんね。
そうなったら、瀞霊廷は混乱するだろうからその隙に連れだしゃ良いんじゃないかって思うんだよね。
そう言ったら、海燕さんはそう言う事なら空鶴に手助けでも頼むかとか言ってる。
個人的に、浦原さん関係なら言わんでもどうにかすると思うけどなぁ。
よっしゃ、じゃあひとっ走り実家に戻って来るわとか、馬鹿なの死ぬの、とりあえず玄海嬢ちゃんで足を捕まえる。
直接行くな直接、ほんともう見張っといてくれこのナマモノ。
メシ食い終わってから、念入りに清音ちゃんと仙太郎に頼んでおいた、本気で心配だ。





 旅禍侵入翌日(晴れ)

ルキア嬢ちゃんが懺罪宮に移送される事になった。
先導は恋次君、白哉君は見送りに来なかった、まぁ、仕方ないか。
憔悴したルキア嬢ちゃんと目が合った、どういう結果になるかは判らんが任せろ。
そういった意味を込めて頷く、ルキア嬢ちゃんも白哉兄様をお願いしますと言って懺罪宮に向かっていった。
この後、隊首会があり、副隊長はそのまま瀞霊廷内に待機と言う事になるらしい。
あちこちに飛んでいた隊長・副隊長はこの日の昼には瀞霊廷に帰って来ていたようだ。
午後に警鐘が鳴り旅禍侵入との連絡がうちにも回ってきた。
滅茶苦茶楽しそうに走り回ってる剣八のおっさんとか見かけたんだが、旅禍に同情を禁じえないなぁ。
せめて、おっさんにだけは捕まらないといいんだが。
結局、この日は旅禍は発見されなかった、いっその事、海燕さんとか野に放つか、都さんとか居なけりゃそうしてたものを。
全く、ゆっくり休める日は何時来るやら、全くもって面倒だな。







 金崎玄之丞 旅禍が尸魂界にやってきた頃の日記より一部抜粋。









 円乗寺辰房の憂鬱





 我輩は護廷十三隊八番隊第三席副長補佐、円乗寺辰房である。
 剣技は無双にして、敵は無し、隊長・副隊長の信頼厚く部下の尊敬を一身に集める男、それが我輩である。
 しかし、我輩には気に入らない男が居る。
 護廷十三隊六番隊第三席副長補佐の金崎玄之丞の事だ。

 その男、己の領分も弁えず複数の隊を渡り歩き、目上である隊長・副隊長への敬意を見せない。
 しかもだ、他の隊の仕事にまで横入りしているそうではないか。
 他隊の仕事、それすなわち機密の塊、その機密にあろう事かどうどうと振れお咎めすらない。

 朽木家の権力を笠に着た虎の威を借る狐とはまさにあやつの事を言うのだろう。
 全く以って、気に入らぬ事甚だしい。

 一度、あやつとは剣を交え己が分というものを判らせねばならぬ、そう我輩は思うのだ。

 そう、未だ一度として破れた事のないこの円乗寺辰房の剣技『崩山剣舞』にてな。

 そして、分を判らせた暁には、我輩こそが砕蜂隊長に頼りにされるに相応しい人間となるのだ。

 先日も、砕蜂隊長と人目のある所で顔を寄せ合いおって、うらやま……ごほん、けしからん。
 我輩も、砕蜂隊長にぶたれた……げふんげふん、あの男より頼りになると知って貰いたいものだ。


 ふん、こたびの旅禍に対する警戒令、まさに好都合。
 旅禍よ、我輩が本気になった時に現れるとは不運よ、我輩の斬魄刀、崩山の錆びにしてくれるわ。

 さあ、恐れおののき逃げ隠れるがいい、何処に隠れようと見つけ出し我輩の手柄としてやろう。

 ふっ、金崎玄之丞よ、好き勝手出来るのは今だけだと言う事を心して置くのだな、ふ、ふははは、ふははははははははははははは。





 了

後書き
カラブリ+買いました。
凄い勢いで円乗寺辰房の好感度アップしました。
頭悪くて好きだ。

展開速いとか言われてますが、玄之丞の日記じゃ、関わらない所はスルーなので必然的に。
あっさりルキアとか見つけたら凄い勢いで話が終わりますしねぇ。



[6509] 旅禍が暴れまわってた頃の日記
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/03/01 18:39
 旅禍侵入二日目朝(晴れ)

旅禍を探して一晩中瀞霊廷内を走り回ってました、超眠い。
いや、別に交代で休んでも良かったんだけどね、剣八のおっさんとやちるちゃんに捕まってた。
あの人等元気良すぎだ、市丸隊長が迎撃して殺せなかった奴=強いみたいな脳内方程式で動いてるらしい。
今、六番隊の隊舎には隊長と副隊長も居ないし、他の隊員の皆はちゃんと仕事してるかなぁ。
ほんとは俺がどうこうしないといけんのだが不可抗力ってのがあるよね。
十一番隊は元気だよな、喧嘩の機会はのがさねぇ的な、ハゲとナルシスは見かけてないけどどっかでサボってんのかね。
あ、俺は別に連れまわされるばかりでサボってたわけじゃねーよ?
ちゃんと玄海嬢ちゃん飛ばして情報収集に励んでるからな。
効率は一人で二人分だ倍だな、倍。
なんか微妙に凄くなさそうだけどな、俺の遠隔操作だとファンネルとかみたいに思考分割で広範囲の端末操るとか無理だしな。
本体疎かになって良いなら玄海嬢ちゃんと俺の分で二つは飛ばせるけど。
流石に一晩走り回って見つからないなら諦めが付いたのかおっさんは隊を解散させて戻る気らしい。
ふぅ、やっと仮眠取れるわ、なんて思っていたら事件が起こるわけで。
空中から旅禍が侵入してきた、どうも四箇所に分かれて飛び散ったらしい。
おっさんとやちるちゃんは嬉々としてそのうちの一つを追いかけていった、俺、もう帰っていいかな?
一応、他の三つのうちどちらかを申し訳程度に探してみるとするかね。





 旅禍侵入二日目昼(晴れ)

こっちの方に飛んで来たっけなぁと探してたら、見覚えのある美猫を発見。
夜一さんでした、おお丁度良い所にと声を掛けられたわけだ、やっぱ、浦原えもん関係の事件だったか。
もしかして計画通りですかと聞くと、うむ、ワシはとりあえずねぐらを確保するから青春たち全員分の地獄蝶を確保して置いてくれ。
と言う事らしい、まぁ、地獄蝶の確保くらいなら書類をちょちょいと弄ったらこっそり出来ん事は無いな。
むしろ、書類整理を一手に引き受けている俺なら余裕だね。
寝床ってのは何処かって聞いたら双極の丘の地下だとか、昔、浦原さんと二人で作った隠し訓練場らしい。
温泉もあるぞと言っていた、混浴ですかと聞いたら混浴だと返ってきた。
おk、仕事終わったら一緒に入りましょうと滅茶苦茶良い笑顔で言っておいた。
ふむ良かろう、とりあえず場所は教えておくといってクールに去っていきました。
……良かろう、良かろうとはどういう意味だと思いますか?
OK、了承、快諾、了解、イエスだね、ラーサ、イー、デュワ、色々あるけど要するに一緒にお風呂に入ろうという事ですね。
多分、書類改竄速度とその緻密さと地獄蝶を用意する手順と部屋戻って例の外套取って来る速度は尸魂界最高新記録を更新した自信がある。
え、玄海嬢ちゃん?
はっはっは、なんか色々言ってる気がするけどシリアスシーンだから嫉妬ギャクとか無いわぁ。
今、俺、超シリアスにおっぱいしたい。
玄海嬢ちゃんが凄い勢いで飛んできました、良いじゃん、目の保養くらい、エロスが足りない。





 旅禍侵入二日目昼2(晴れ)

急いで戻ってせっせと隊舎で書類改竄してたら玄海嬢ちゃんから偵察情報が来た。
なんかハゲがオレンジ髪の旅禍死神と滅茶苦茶楽しそうに喧嘩してる映像です。
ハゲが居るって事はナルシスも居るよな?
玄海嬢ちゃんが言うにはゴリラ見たいなのと戦いながら場所を変えたとか。
兄貴に鍛えられてんだ、死神とはいえ簡単に負けねぇ、とか叫びながら戦ってたらしい。
誰だよ兄貴って、しらねぇよ、ゴリラっぽい兄貴なんだろうか?
で、肝心のハゲ対オレンジ君だが、相変わらず防御考えてないハゲと結構互角に戦ってるオレンジ君。
若干、ハゲ優勢だなぁ、また攻撃の威力が上がってる気がする。
ハゲって馬鹿だよなぁ、防御が突破できないなら普通は防御の隙間を狙ったりするもんだが、防御を抜く為に攻撃力を上げりゃいいとか言って、攻撃力を上げるような工夫ばっかしてくるだからなぁ。
オレンジ君が受け止めきれなくてぽんぽん飛んでる、南無としか言いようが無い光景です。
そうこうしてるうちに、オレンジ君が満身創痍で剣を振り上げたかと思うとなんか恐ろしい威力の斬撃を飛ばしてた。
ありゃ、霊圧を斬撃にして飛ばしてるのか、応用力は低いけど戦闘的な意味じゃ地味に使えるなぁ。
感心してたらうちの玄海嬢ちゃんがいじけるので嬢ちゃんが一番だよとか言っておいた、何時まで経っても子供だな。
しかし、あの威力は無いわ、防御は苦手とは言っても真っ当な席官と比べたら充分硬いのにハゲが奇麗に吹き飛んで気絶してる。
オレンジ君はなんか治療したいらしいが、ハゲの薬で自分の治療して余りでハゲの治療しようとしたら薬が全然足りなくて焦ってやがる。
まぁ、あの出血じゃさすがにほっといたら死ぬなぁ、寝覚めが悪いんで助けてやるとしよう。
ふわふわとオレンジ君の目の前まで飛んでいってどろどろとスライムみたいにハゲの傷口から体内に入って傷を塞いでおく。
おまっ、ちょっと待て、それやべぇだろ、なんだこの生き物、尸魂界半端ねぇ、見たいな事を話してパニクってたのが印象的だ。
ま、いきなりジャンルバトルアクションがジャンルホラーになったら驚くだろう、ゴメン、そういう顔見るの大好きです。
とりあえず傷が塞がって目覚めたハゲとオレンジ君が色々話してからそのままオレンジ君は去っていった。
まぁ、ほったらかしも悪いしハゲを迎えに行くか、ちなみに行く途中でナルシスも拾った、アフロだったけど。
どうやったらそこまで見事にアフロになるんだよ、笑わせるなぁ。
とりあえず、二人を四番隊の隊舎まで引き摺って行った。
全く、世話が焼ける。






 旅禍侵入二日目夜(晴れ)

とりあえず風呂の準備して例の隠れ家とやらにやってきた。
ついでに夕方頃の話だが恋次君がやっぱり旅禍にやられて重症らしい。
あのオレンジ君、正直アホかというくらいチート臭かった。
あれで死神になって三ヶ月と言うんだから嫌になる、ハゲと戦ってる間にも霊圧とか上がってたしな。
なんか臨時の副隊長控え室を脱出してオレンジ君一味を迎え撃ったらしいんだがね、負けちゃったから白哉君がおかんむりで牢に入れたようだ。
一人で敵に挑むという事は敗北は許されんと言う事だ、それすら判らん愚か者に用は無いとか何とか。
妹好きの怒りですね判ります、意訳するとこんな感じだと思う。
ルキアがあんな目に合ってる元凶と戦って負けるだと、貴様には失望した、旅禍は私が直々に滅ぼしてくれる。
的な感じかな、妹(私情)込みだから怒りもひとしおって奴だなぁ。
しかし、恋次君に勝てるとは少なくとも副隊長並に強いわけかオレンジ君恐るべし。
他にも射場さん所の第四席が旅禍の弓使いにやられたとか、十一番隊も大柄な旅禍とかに吹き飛ばされてほぼ壊滅らしいとかなにやら盛大にやられてる的な報告ばっかりだねぇ。
死人は出てないがなんか想像よりえらく旅禍が強い。
しかも見た目からして20才くらいなのばっかだろ、生きてる人間で修行もろくにしてないのにこれだけ強かったら死神涙目だよな、天才ってのは何処にでもいるもんだな。
もしかするともしかするかも、このまま旅禍達が頑張ってルキア嬢ちゃん助けてくれれば楽だよな。
隊長クラスが出てこなければと注釈入れないといけないけど、このまま楽して終わるって事は無いか、面倒だ。
話は変わるが日中に一応、砕蜂に会いに行ったが連絡が付かなかった。
黒猫便が届いたけどどうするって感じで伝言残しといたから後で会いに来るだろう。
それより今は温泉だ、正座して待ってたら夜一さんが来た。
黒くてつややかな肌、金色の美しい瞳、そして猫科の猛獣を思わせるボディライン。
はい、猫のままですね、猫のままでしたね、判ってた、超判ってました、俺にはおっぱいに縁がないって。
一緒に入りはした、入りはしたがこの虚しさは一体何だろう?
別にわしはかまんのじゃがな、青春嬢に釘を刺されておってのとは夜一さんの言。
ジャーン ジャーン ジャーン ヌヌ・・・ 貧乳の罠か?! おのれ、青春嬢ちゃん!
この場に居らずにこの金崎玄之丞を走らせるとは恐るべし。
ちなみに温泉は気持ちよかったです。
風呂上りほくほくしながら夜一さんに話を聞いた。
この地獄蝶を使って秘密裏に青春嬢ちゃん達をこっちに連れて来るそうな。
なるほどなー、で、そろそろ犯人を教えてくれるんだろうか?
個人的に涅マユリとか超怪しいんだけどな、あいつ霊力とか減らす栄養ドリンクとか作ってるしな。
次点で、キツネ目の市丸君とかも怪しいよな、白哉君にもさんざん嫌味言ってたみたいだし。
夜一さんは少し考えてから、ここまで来たらもう最悪でも相手の企みは破綻させたようなものじゃからな。
そう言って、色々ぶっちゃけて貰った、藍染隊長主犯で東仙隊長と市丸隊長が従犯らしい。
つか、ゴン様は無い、滅茶苦茶良い人だと思ってたんだがな、あの人黒幕とか無いわぁ。
しかも、正義マニアの東仙さんもとか、修兵君とか悲しみそうだな。
あ、市丸君は予想通り、予想通り過ぎて意外性がない、いっそ浮竹隊長とかだったら存分になんだってーが出来たんだが。
しかし、隊長格三人が同時に裏切りとかヤバイなぁ、予想以上に面倒な事件じゃないか。
当面はルキア嬢ちゃんの救出に全力を尽くすそうな、救出するのが作戦の第一段階だとか。
じゃあ、予定通り動いてて良いわけだな。
とりあえず、聞かんといけん事は聞いたので隊舎の自室に戻って寝る。





 旅禍侵入二日目深夜(晴れ)

夜中に伝言を聞いた砕蜂が腹にニードロップかましてきた。
鬼ですね、夜一さんの隠れ家の場所とか吐かされました。
温泉あったから一緒に入ってくるといいよと言ったら、貴様、まさか夜一様と一緒に温泉とか入ってないだろうなとか言ってきた。
なんだこの鋭さ、夜一さん関係だと超人超えるなこの嬢ちゃん。
まぁ、猫状態と一緒だったから隠すことないし、猫な夜一さんと入ったぜーと言ったら斬魄刀雀蜂を俺の首筋に当てながら命拾いしたなみたいな、くっ、私も猫状態の夜一様と一緒に温泉入りたいとか言ってた。
折角なので例の外套を貸しておいた、後で行って来ると良いよ。
良いから貴様も来いと言われて一緒に行くことに、俺眠いんだけどなぁ。
二人で外套かぶって隠れ家に行ったら何故か話の流れで三人で風呂に入った、夜一さん猫だけど。
夜一さんが妙に砕蜂からかって挑発して懐柔して気付いたらそうなってた、何でこっち見てニヤリって笑ってんだよ、嬉しくねーよ。
そもそも、振り向くなとか言われても、もう少しボリューム無いと振り向く気も起きんわなぁ。
夜一さんの我が儘もなんか久しぶりだなぁ、砕蜂が二番隊にも温泉掘ろうとか言ってたよ、大前田君涙目フラグですね。
全く、夜一さんも大爆笑とかするんじゃねーよ、するくらいなら人型でおっぱい見せてください、泣いて喜びます俺が。
そんな事を考えてたら砕蜂がジト目で、刑戦装束に何故背中と両肩の布が無いか教えてやろうかとか言ってます。
トリビアですか、別に興味ないなぁ、てか、電波で受信したけどそれ、砕蜂の台詞じゃない気がするぜ。
とりあえず、しばらく風呂はいって温まって今度こそ隊舎に帰って寝る。
昨日は徹夜して眠いんだよ、俺は、まったく碌なおっぱいも無いのに徹夜とかないわぁ。






 旅禍侵入三日目朝(晴れ)

五番隊隊長の藍染惣右介が東大聖壁で張り付けにして殺されてるのが発見された。
それに伴い、五番隊副隊長の雛森桃が錯乱、三番隊副隊長の吉良イヅルと交戦し捕らえられる。
藍染隊長の死か、これが本当に例の完全催眠と言う奴なのだろうか?
俺はこれから、牢に居る恋次君の代わりに副隊長代理として行動する事になる。
聞いた通りならもう刑の延期ないし中止は無い。
浮竹隊長に双極破壊の手段を早めに出すように頼みに行くとするか。








 金崎玄之丞 旅禍が暴れまわってた頃の日記より一部抜粋。



後書き
ぐっと来るキャラがいなかったので今回は憂鬱無しです。
個人的に一護って、究極のチートキャラだと思います。
正直言って、こちらがいくら強くなっても彼は乗り越える気がする。
何・・・だと・・・?
とか言いながら。
主人公ですしね、挫折も克服前提みたいな。



[6509] 運命に癒された頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/03/09 20:20
 旅禍侵入四日目・朝

藍染隊長が磔になってから瀞霊廷内は更なる戒厳令が発せられた。
しかし、誰かに成りすましてるのかどっかに隠れてるか知らないがこの状況見てほくそ笑んでるんだろうかあのゴン様は。
滅茶苦茶趣味悪いと思うんだがなぁ。
吉良君はおっぱいの会の熱心な会員で雛森君ファンだというのに。
この二人、見事なまでに敵対して遣り合ったとか、真面目だねぇ。
まぁ、本当の事を知ってるからこうやって余裕を持っていられるけど彼等には辛い出来事だったようだな。
吉良君はあのダウナー系の性格で今頃滅茶苦茶へこんでると思う、多分。
酒飲むと割と人格変わるけど普段は結構ネガティブだからなぁ。
とりあえず、昨日の夜、夜一さんに渡された四楓院の秘伝っぽい何かを浮竹隊長に渡しに行った。
双極を破壊する道具の封印を解く為のあれこれとかなんとか、刑執行された時の準備を浮竹隊長がしてると言ったらさらさらっとメモしてもらった。
これですぐに封印解除できるじゃろうとかなんとか、なるほど、手間が省けて助かります。
でも、これを渡したら夜一さんの事とかばれるんじゃね?
まぁ、浮竹にならかまわんじゃろうとか、俺もそう思う、やっぱあの人は護廷十三隊で一番人が良さそうな顔してるしな。
十三番隊の隊舎に行くと浮竹隊長まだ寝てるとか、連日陳情とかあれやらこれやらで若干体調不良っぽい。
海燕さんはなんかイライラと妻の出産を廊下で待つ夫みたいに落ち着きが無い。
都さん居なかったら馬鹿みたいに懺罪宮に突貫してルキア嬢ちゃんとか救出しに行ってたろうなぁ。
しばらく都さんに入れてもらったお茶を飲んでくつろいだ、顔見知りには個人ごとにお茶の種類違うんだよね、この人。
浮竹隊長は玉露で海燕さんは番茶だっけ?
この差は何だろう、もしかして仲良いと見せかけて海燕さんと都さんの間は冷え切ってるのか、地味に怖いな、おい。
ちなみに俺のお茶は来客用のそこそこ良いお茶、お茶の細かい良し悪しって判んないんだよな、高いのが美味いのは何となく判るけど。
最高級でなく、安物ではないこの値段設定、地味にシビアだよこの人、敵に回すと怖そうだ。
こうやって茶を飲んでまったりしてると普通に十三隊の人間みたいだよなぁ。
あ、浮竹隊長おはようございます、とかそうやって挨拶したらいらっしゃいじゃ無く、おはよう、今日も早いなとかだったしな。
アットホーム過ぎてルキア嬢ちゃんが気に入るの判るわ。
とりあえずメモ渡して懺罪宮に向かう事にする、あそこで待ってたら旅禍とかも来るだろうし、ルキア嬢ちゃんの救出のチャンスもあるかもしれんしな。
メモを受け取った浮竹隊長が、おい、玄之丞、これは何処でとか言ってたので、昔なじみに会ったのでそいつからの言付けですと。
それだけである程度把握したのか、そう言う事か、じゃあありがたく使わせてもらうとか、説明要らないと楽だね、頭の良い人は。
海燕さんがじっとしてても落ちつかえねぇ、俺も行くわと付いて来た。
海燕さんが仲間になった、弾除け(前衛)が付いた魔法使いは無敵だぜ、玄海嬢ちゃん居るからあんま意味無いけどな。






 旅禍侵入四日目・昼

玄海嬢ちゃんに瀞霊廷内の偵察を頼んで海燕さんと二人で懺罪宮に向かった。
嬢ちゃんに空中から偵察してもらって判ったんだが、どうも海燕さんは旅禍を避けるような道を通ってる気がする。
まぁ、避けるといっても霊圧が乱れてたり戦ってたりしてる所を通らない様にしてる感じだ。
聞いてみたら、変な所で鋭いなとか言って説明してもらった。
どうも、実家から弟が旅禍に協力して瀞霊廷について来てるとか聞いたらしい。
なるほど、ルキア嬢ちゃんを助けようとしてる旅禍に協力してここに入ってくるとは良く似てますね、無謀さとかお馬鹿な所とかが。
そう言ったら、うるせーよとか言いながらちょっと嬉しそうだ。
手助けはしないのかと聞いたらやわな鍛え方してねーよ、あいつはあいつの意志で来たんだ、兄貴がしゃしゃり出るもんじゃねぇ。
俺は俺で浮竹隊長とルキアを助ける為に、あいつはあいつで旅禍の手助けする為にやるべき事をやりゃいいんだ、と言うことらしい。
うむ、こう言うかっこつけが似合ってて妬ましい、妬ましいので今度酒でも奢ってもらおう、弟が来てる事の口止め料で。
お前なぁ、そこは信頼して話してるんだから流しとけよとか、はっきり言うが、男の信頼とか要らん。
夜一さんと乱菊ちゃんと卯ノ花隊長の信頼なら欲しいけどな。
懺罪宮に着いたら外で洒落にならない霊圧が生まれた、なんか問答無用で強かったらズンバラリンされそうな霊圧なので剣八のおっさんだな。
とりあえず、本当に弟の助けに行かなくていいのか聞いたら、あいつに狙われるほど強くねぇしなぁとか。
なんつーか地味に扱い悪いな、弟君。
まぁ、弟君は兎も角、旅禍はいると思うので顔見てこよう。
剣八のおっさんがやりすぎてしなれると寝覚め悪いしルキア嬢ちゃんも悲しむだろうしな。



 旅禍侵入四日目・昼2

いや、ほんと、天才って言うのは居る所には居るもんだ。
眼帯付けてない剣八のおっさんとまともにやってるとかどんだけだよ。
高い所から見学してるやちるちゃんに並んで見学しながらとりあえずそんな事を考えてた。
てか、普通にこんな喧嘩に横槍入れたくねーよ、予想外だよ、剣八のおっさんに互角とか。
やちるちゃんが滅茶苦茶嬉しそうなんだが、やちるちゃんも大概、おっさん好きすぎだよなぁ。
海燕さんはルキア嬢ちゃんの様子を見に行くとかで懺罪宮に先に行った、俺も行っとけば良かったよ、居心地悪い。
オレンジ君は、俺は一人で戦ってるんじゃねー、斬魄刀と一緒に戦ってるから強くなるんだーとか叫んでる。
おっさんはおっさんで、斬魄刀は道具だ、道具と一緒に戦うとか弱い奴の戯言だーとかまぁ、あれだ。
俺に言わせて貰えりゃ、斬魄刀と心通わせて強くなるのは判る、本体が強ければ強いってのもわかる。
でもよ、剣八のおっさんは斬魄刀と連携したからって半端な強さで勝てる相手じゃねぇよ。
俺が何回、玄海嬢ちゃん共々切り捨てられたと思ってやがる。
俺と玄海嬢ちゃんの絆を舐めるなよ、なんせ親子並の信頼関係だからな。
え? 恋人か夫婦? 何を仰る玄海さん、俺が父親で嬢ちゃんが娘だろ?
誰だ、信頼関係ちぐはぐとか、諦めて貧乳を受け入れろとか言ってる奴、死ね、俺は巨乳好きだと言ってるだろうが。
最近、本気で巨乳と縁無いからおっぱいなら何でもいいんじゃねとか思えてきた、これで良いのか俺?
そんな葛藤してるうちに戦闘が終わってたようで、やちるちゃんがおっさん連れて治してーとか笑顔で言って来た、和む。
オレンジ君も治してやらんとなと思ってそっち見たら夜一さん(猫)がオレンジ君を咥えて走っていった。
シュール(笑)、まぁ、夜一さんが来たなら安心だ、安心しておっさんを玄海嬢ちゃんとか使って治療した。
治療したあと、やちる嬢ちゃんとおっさんが強くなりてぇ、一緒に強くなろうとかストロベリってた。
犯罪チックだけど、なんかこの二人は和む、もういいよ、やちるちゃんはおっさんの嫁で、今度、おっぱいの会でやちるちゃんファンは埋めておこう、ハゲだけじゃ心配だしな。




 旅禍侵入四日目・昼過ぎ

最近、本気で巨乳と縁無いからおっぱいなら何でもいいんじゃね……とか思ってたが全然そんな事は無かったぜ!
あの後、海燕さんも行ったことだし懺罪宮に旅禍が行っても死ぬ事は無いだろうと玄海嬢ちゃんの報告で他の旅禍を探しに来た。
なにやら倉庫の中に二人組の旅禍が入って行ったらしい。
そろそろ旅禍と連携してルキア嬢ちゃんを非正規に助け出す算段とか付ける時期だと思うんだよな。
実際、夜一さんからはルキア嬢ちゃんの処刑が正規の手順で止まる事は無いという青春嬢ちゃんからの伝言も受け取った。
まぁ、両手を挙げて降参ポーズしてたらいきなり攻撃される事は無いだろうと言う事で倉庫にお邪魔した。
お邪魔したらぶらじゃーおっぱいだった。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
おれは旅禍の居る倉庫の扉を開けた……と思ったらいつのまにかおっぱいおっぱいしていた
な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
ご都合主義の妄想だとか超ラッキーだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
ちなみに気が付いたらおっぱいおっぱいしながら名前と住所と趣味と生年月日と好きな人の有無とバストサイズを聞いていた。
全部教えてもらった、なんだこの癒し系、ありえん、織姫ちゃん、好きだ愛してる結婚してくれ。
好きな人居るんだ、そうですか、でもおっぱいに罪は無いよな?
メガネの兄ちゃんがなんか言ってた気がするが今の俺には織姫ちゃんの言葉以外聞えねぇ。
玄海嬢ちゃんに具象化してしかられた、正座で、ごめんなさいごめんなさい、真面目にやります。
とりあえず、織姫ちゃんが傍にいれば二十四時間働けます。
玄海嬢ちゃんがぼそっとこの泥棒猫とかなんとか言ってた気がする、気のせいだよね?
しかし、おっぱいにも関わらず癒し系とか完璧超人過ぎる、今度の議題は癒し系おっぱいに決まりだな、おっぱい。




 旅禍侵入四日目・昼過ぎ2

とりあえず争う気は無いと言ってから話し合いに入った、第一印象が悪すぎたのかメガネ君に滅茶苦茶睨まれたけどな。
かくかくしかじかでルキア嬢ちゃんの兄貴の兄貴分だから俺も兄貴みたいなものだと言ったら織姫ちゃんは感心してた。
メガネ君の不信の目は一段と深まったがな、あの男の兄貴分、どう考えても系統が……とか聞こえた気がする、失礼な奴だな。
ああ見えて滅茶苦茶シスコンだからな、あれこれと、うれしはずかしストロベリーな朽木兄妹エピソードを話してやったら織姫ちゃんが喜んだ。
メガネ君がなんか戦慄してるんだが白哉君と会った事でもあるんだろうか、ああ見えて白哉君は愉快な奴なんだけどな。
とりあえず、あれこれ話して一緒に懺罪宮に向かう事になったが相変わらずメガネ君に睨まれてるな、気持ちは判らんでもない。
途中色々と出会ったが特に問題なし、涅マユリと出会う前はな。
なんか、凄い良い笑顔で近寄ってきた爽やかイケメンズとか死ねば良いのにと思ったら爆発した、俺のせいじゃねぇよな?
そこで出てきたのは涅マユリ、隊長とか付けるのスゲー嫌なので呼び捨てで良いや、冗談ぬきで人間爆弾とかマジ引くわ。
やだなぁ、こいつ、正直碌な噂聞かないんだよな、ホントに黒幕じゃないんだろうか?
メガネ君の技とかを見て、クインシーか面白くないネとか言って嬉々として解剖がどうとか死神に金を握らせてどうとか語りだした。
マッドだマッドだと思ってたが、ここまでマッドだったとは、なんでこれが隊長してるのか理解できん。
しかし、こいつ等にこの二人引き渡したら確実に碌な未来は待ってないよな、どうせルキア嬢ちゃんの件で運が悪けりゃ尸魂界には今後居られなくなる公算は高いし、仕方がないか。
二人に懺罪宮にはひとまず向かわず、十三番隊の浮竹隊長に俺の名前を出して頼れと耳打ちして逃がす事にする。
織姫ちゃんは俺のことが心配なのかなかなか逃げ出すそぶりも無い、メガネ君はうつむいて何かを考えてるようだった。
で、そんなこんなしてたら涅とメガネ君が言い争いを始めて俺と織姫ちゃんが一緒に逃げる事になっていた。
因縁があるのか、頼む、あいつとは僕が決着を付けないといけないんだとか必死でメガネ君が懇願してきた。
あんたは死神だ、だけど頼む朽木さんの兄貴分と言うなら妹分の朽木さんの友達を守ってくれと言った。
正直、無茶だと思うんだが、思うんだがな、ホント、ああいう奴はこっちが言っても聞かないんだよな。
死ななかったらルキア嬢ちゃんと一緒に助け出してやるからあっさり死ぬなよ、メガネ君。
そう言って織姫ちゃんを担いで逃げた、生身ロケットパンチとか最悪だ、あの男。






 金崎玄之丞 運命に癒された頃の日記より一部抜粋






 石田雨竜の憂鬱


 尸魂界にやってきて4日目、瀞霊廷に入って二日目の事だった。
 伏線も、前振りも全く無く、唐突に僕と井上さんが潜んでいた倉庫にそいつが現れたのは。

 金崎玄之丞と名乗ったその男は潜んでいた倉庫で着替え中の井上さんに出くわした。
 荷物と荷物の間の狭い空間で着替えていた僕はこの時、後悔していた。
 無理を言ってでも入り口近くに居るべきだった、井上さんを矢面に立たせなければよかったと。

 慌てて外に出てきて目に映った光景は、死神の黒い着物を着かけて下着姿で固まってる井上さんとその前で正座して黒髪の少女に叱られている死神の姿だった。

 そのシュールな光景とは裏腹にその死神から感じる霊圧は抑えられているが強く、まともに戦えば僕でも危ない、それほどの実力者だと感じられた。
 これまで上手く強者に出会わないよう気を使ってきたがこれまでか、そう思っていた。

「君等、ルキア嬢ちゃんの友達だろ? 信じられないかもしれんが嬢ちゃんを救い出すのに協力したい、いや、して欲しい」

 そう言って、尸魂界での彼女の状況と彼女が置かれた立場、そして明らかに規則的にありえない上からの命令、それらについて教えてくれた。
 一方的に伝えられた情報を何処まで信じていいのか、井上さんはこの人は良い人だと思うから大丈夫だよと言って居たが僕には判断が付かない。
 この男ほどの実力があればこのような搦め手を使わなくても僕達を捕らえることが不可能じゃない、そう感じられる分、完全に疑いきれもしない。

 実際、何度か遭遇した死神たちを上手くあしらって僕達を先導しながら懺罪宮とやらに向かう姿にも違和感は感じなかった。
 そして、人通りが絶えた辺りで数人の死神がこちらに近寄ってきた。
 そいつらは金崎さんにに話しかけ、一言二言話したと思ったら突然爆発した。

 先導があった事で油断していたのかもしれない。
 この時僕は、少しだけこの死神を信用できるかもしれないと思い始めていた。
 内情に詳しい死神の協力者が現れ、何人もの死神を実際にごまかして貰った。
 だから僕のこの疑いは杞憂で、上手く連携できれば朽木さんを助けられる可能性が上がるんじゃないか。
 そんな事を考えていたんだ。

 これを仕掛けた相手は同じ死神の仲間である金崎さんごと、僕達を消し去ろうとしたんだろう。
 僕の警戒が緩んでいたあの瞬間、僕の行動も、井上さんの盾も、全く間に合わなかった。
 だから本来なら、あの瞬間、僕達は確実に死んでいたはずだった。

 だけどそうはならなかった、気付いた時、黒いドームのようなもので僕達は守られていた。
 傍らには険しい表情の金崎さん、片手に黒い斬魄刀を持ち、見ているうちに黒いドームは収縮してバスケットボールサイズの球体に変わった。

「全く、くそ趣味が悪いな、最悪だ、涅マユリかよ」

 ぼそっと呟く金崎さんの視線の先には異様な男とそれに付き従う女性の姿があった。
 男は十二番隊隊長涅マユリと名乗り、六番隊の第三席が何故旅禍と共に居る、これは死刑に値するネ。
 そう言っていやらしい笑みを浮かべ霊圧を高め金崎さんに向き合っていた。

「最悪だ、最悪すぎるわ、運悪いったらありゃしねぇ。織姫ちゃんにメガネ君、月並みでわりぃが二人で逃げろ。俺の名前出して十三番隊の浮竹隊長に頼れ、悪くはしないはずだから」

 彼はそう耳打ちして、改めて涅マユリと向かい合った。
 死神は嫌いだが少なくとも彼が僕達を案じてる事は判る、だから僕も戦おう、そう思い弓を生み出し僕も敵と向かい合った。

「ホウ、クインシーか、懐かしいネ。未だに若い固体が生き残ってるとは普通の魂魄を解剖するよりはマシかもしれんネ。君、これから私に解剖される気はないかネ?」

 そいつはまるで舐るような目でこちらを見据えてくる。

「既にクインシーについての研究は終えているのだがネ。最後に研究したのは老いた魂魄であった事だしネ。成長過程のクインシーを調べてみるのも一興かもしれんネ」

 老いた魂魄、それを聞いた瞬間、一瞬、お爺ちゃんの顔が浮かんだ。
 そして男は興が乗ったようで以前解剖したと言うクインシーについて語り続ける、そしてソイツは最後に一枚の写真を取り出した。
 そう、ほとんど元型を残していないお爺ちゃんの写真を。

「おい、捕まると解剖とかされてどうなるか判らんからさっさと逃げろと言うのにチンタラするな!」

 心配そうに、切羽詰った様子で僕達を心配している金崎さんには悪いが、この敵は僕の敵だ、僕が打倒しなければいけない敵だ。
 死神にも、最低最悪の奴がいる、あなたみたいに他人を心配して必死になれる人もいる。
 お願いだ、井上さんを守って、朽木さんを助けて、無事に現世に戻してやって欲しい。
 僕はこんな奴の為に死ぬつもりなんか無い、ないけど頼む。

 涅マユリ、お爺ちゃんのカタキは絶対に取る!




 了

後書き
玄海嬢ちゃんのイラストを頂きました。
エロいね、エロすぎる、こんなのが玄の字の首に腕を回してすがり付いてるんだなぁ。
巨乳は好きだが流石にくらっと来ました。
いい加減、玄の字は誰かに刺されて良いと思うな。



[6509] 色々暗躍を始めた頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/05/08 19:18
 旅禍侵入四日目・昼過ぎ

織姫ちゃんを担いで瀞霊廷を色々迷走しながら逃げた。
とりあえず目標は十三番隊隊舎でいいかと思う、個人的にはもういっそぶっちゃけて全面的に協力要請したい。
一応、メガネ君をほおって置くわけにもいかず、玄海嬢ちゃんに監視とやばくなった時の救出を任せておいた。
とりあえず織姫ちゃんが暴れるわ噛み付くわでかなり大変だったが、気付けば静かになっていた。
やっぱ、瀞霊廷に入って緊張しっぱなしで疲れたんだろうなぁ、うんうん、か弱い女の子だし、なんかこういう普通っぽい子は貴重だと思うんだ。
『ねぇ、玄ちゃん、次はどこ行くの?』
とりあえずそろそろまいたと思うし十三番隊に行って都さんにお茶を入れてもらうとするわ。
『お茶菓子出るかな?』
出るんじゃないかな、浮竹隊長お菓子持ち歩く癖が在るからな、白髪少年にしょっちゅうお菓子上げてたし。
『わーい』
しかし、何時から俺の背中に乗ってるんだろう、やちるちゃん。
正直気付かんかったわ、なんか織姫ちゃんが首筋に衝撃受けて目をぐるぐる回しながら気絶したっぽい感じになってる。
『いっちーに良く似た霊圧だったからきちゃった、なんで玄ちゃんが旅禍と一緒に居るの?』
大人には色々事情があるんです、まぁ、折角だし一緒に行くか、十一番隊も巻き込んじまえ、陽動とかさせたら良さそうだしな。
『ま、いっかー、あ、後で剣ちゃんが用があるって』
何の用だろうか、どうせさっさと怪我の治療しやがれ旅禍と戦えねぇだろうがよみたいな感じと見た。
あー、うん、十一番隊ってシンプルで良いよな、謀略とかドロドロって正直向いてないと思うんだ、俺。




 旅禍侵入四日目・夕刻

感覚同調して監視結果を玄海嬢ちゃんに送ってもらった。
どうやら、メガネ君は生きて東仙隊長に確保されたらしい。
てか、どうやってマッド涅を撃退したんだろうか、え、副隊長のネムちゃん口説いて解毒薬貰ってた?
なかなか手が早いね、メガネ君、流石美形。
巨乳フラグが羨ましくないかって? なんかネムちゃんはあれだ、ケミカル的な感じがするんだよな。
巨乳だがなんと言うかそう、人工的なんだよ、俺の巨乳センサーが反応しなかったときは病気かと思ったんだが織姫ちゃんとか乱菊ちゃんには反応するしなぁ。
多分、手を出したら相手が死ぬ的な俺の特性(涙)とは関係ない所で俺が手を出したら俺が死ぬ的な地雷臭がするんです。
きっと、毒とか仕込まれてんだぜ、涅(変態)の手で、何とかしてやりたい気もするが俺には無理だ。
良い子そうなんだけどなぁ、きっとウツボカズラ的なもんだろう多分……とか言ったら失礼だろうか?
それは兎も角、涅(変態)の卍解が致死性の毒撒き散らすとかどう考えても真っ当な死神じゃ勝てません、剣八のおっさんなら多分、あの霊圧で無理やり無効化とかしそうだがな。
俺だったら逃げるね、超逃げる、どう考えても無理っちゅうねん、王様も英雄も一般人も毒には弱いんです……おっさんは英雄系かって?
んなもん、魔王系に決まってるじゃないか、毒とか効かないんだぜ、多分混乱とかもしねぇと思う。
あー、都さんの茶がうめー、あ、織姫ちゃん、お茶菓子あるよ、やちるちゃんもたんと食べるがいいさって感じにまったりしてます。
織姫ちゃんは丁度さっき意識を取り戻したのでメガネ君が生きたまま捕まったよ、さっきの人(変態)以外にと言っておいた。
とりあえずあの人なら解剖とか無いから一安心と言うとそうですか良かったとちょっと笑顔に、うん癒される。
こういう普通なお嬢さんは貴重だよなぁ、死神の女性はキャラが濃すぎると思うんだ、いきなり二回攻撃すると死ぬ技使ってきたりしないからな、あとほぼ初対面で飛び蹴りとかしてこない……思い出したら腹が立ってきた、青春、氏ねばいいのに。
そうこうしてたら浮竹隊長が戻ってきた、なんか頭痛を堪える様子で…事件でもあったんだろうか?
聞いてみると、海燕さんが白哉君に喧嘩売って取り押さえられたらしい、別に大怪我はしなかったとか。
都さんが心配そうに続きを促すと、色々話してくれた。
なんでも、ルキア嬢ちゃんを助ける為に海燕さんの弟君が懺罪宮に侵入したんだとか(知ってたけど)。
で、ルキア嬢ちゃんを助け出した所に白哉君登場、ルキア嬢ちゃんを弟君が逃がそうと喧嘩を売って切り捨てられそうになった瞬間に俺と別れた海燕さんが登場したらしい。
そこでルキア嬢ちゃんを助ける気はないのかとか、死神の規範となるべくある貴族であった者がそのくらい判らんのかだから落ちぶれるんだとか、冷静なその面が気にいらねぇとか、だいたい貴様はルキアに馴れ馴れしすぎるとか、テメーの方こそウチの隊長呼び捨てにしてんじゃねぇよ生意気小僧とか言いながら斬り合いを始めたんだと。
そこに浮竹隊長がやってきたのは良いけど、頭に血が上ってる二人は全く話を聞きはしない。
その上、なんでか旅禍のオレンジ君が現れて成り行きで海燕さんに協力して白哉君と喧嘩を始めたとか。
もうカオス過ぎる、ちなみに二対一で白哉君は始解もしてないのに全然互角以上だったとかやっぱ白哉君は強いね、きっと今の彼は妹パワーとか上乗せされてると思う。
ちなみに弟君、兄貴助太刀するぜとか言って乱入してきたは良いが完全に頭に血が上った二人に巻き込まれて(海燕さんの捩花の余波に)吹き飛ばされて頭打って気絶したとか、なんかすげー不憫だ。
不憫だが自業自得だよな、強い奴等の喧嘩に一般人が手出し口出ししたらいけません、これ一般人の常識です、ここテストに出ますよー、みたいな。
収拾は夜一さんが付けたらしい、オレンジ君を攫って瞬歩で逃げたらしい。
海燕さんは浮竹隊長にとりあえず押さえられて白哉君は興味が失せたとか言って浮竹隊長に全部丸投げして去って行ったとか。
俺がどれだけ面倒な手続きしてきたかと頭抱えてました。
ちなみに、旅禍は牢に、海燕さんは十三番隊に連れ帰られて謹慎だそうだ、今は十三番隊の座敷牢に入ってるらしい。
それを聞いた都さんがもう、あの人ったらとか言って怒りながら牢に向かって行った、南無。
浮竹隊長は一口お茶を飲んで一息付いた所で、そちらのお嬢さんは君の所の子かいと聞かれた。
いや、旅禍です、拾いましたと言って置いた。
そうか、ふぅお茶が美味い……って何だってー(ブフゥ)といった感じにお茶を噴出された。
汚いなぁ。




 旅禍侵入四日目・夜

かくかくしかじかで織姫ちゃんの事を説明した。
流石に唖然としている浮竹隊長が印象的だ。
あれを渡された時から夜一と君に繋がりがあると思ってたが、あんまり堂々とこういう事はしないで欲しいな。
と、まぁ、困り顔、言いたい事は判るが、正直、そろそろルキア嬢ちゃんを救出する為に連携しないといけない時だと思うんだよな。
とりあえず、ルキア嬢ちゃんの処刑がおかしいという事には既に同意して貰ってるし、聞いた所によると京楽隊長も同意見らしい。
それに、もし処刑が実際に執行される事になったら双極を破壊してでも刑は止めると言うことらしいし、まぁかまわんと思うんだよ。
と言うわけで、夜一さんはこの事件の真相を知ってそれを元に真犯人をあぶりだす為に行動してるという事を説明した。
まぁ、あれだ、正直にぶっちゃけた、もういちいち自分であれこれ考えるの真面目に面倒だったしなぁ、考えてねぇだろとか言われそうだがな。
そもそも俺一人でどうにか出来る訳がない、俺に言うってことは俺に好きにやれって事だと認識した、認識したので好きにやる。
全部秘密とか背負って一人で頑張るとか馬鹿だと思うんだよ、信じられないかもしれないとかさ考える前にぶっちゃけてみりゃいい、ダメならその時考えりゃいいし、一人でやるより分担してやった方が楽だしな。
青春嬢ちゃんとか夜一さんに怒られても俺を買いかぶりすぎたそっちが悪いっちゅうねん。
ま、色々書いたが簡単にまとめれば、難しい事は全部浮竹隊長に投げれば楽だと思うんだ、それに尽きる。
と言うわけで、藍染さんの事やら完全催眠の事やらも説明した、完璧ぶっちゃけた、東仙さんと市丸君の事も一緒に。
一応、青春嬢ちゃん達が生きてることや、平子さんの証言とかも合わせてな。
なん…だと…とか言って戦慄してます、しかし、なんだね、死神って何故か驚く時はこんな感じに驚いてるイメージ、伝統なんだろうか?
俺も驚いたら言おう、なん…だと…的に。
浮竹隊長は話を聞いて、じゃあ、四十六室は…とか、完全催眠、自分自身が出てくる気にならなければ例え調べても意味が無いと言う事か…とか言ってる。
勝手に悩んで勝手に解決してる感じ。
頭良い人は話が早いね、俺が特に考えてもない事まであれこれ推測してくれるしさ。
しかしなぁ、四十六室とか言ってるがあれもグルなんだろうか?
藍染さんもどうやって根回ししてるんだろう、結構審査基準とか厳しいって聞くけどなぁ、内通者とか作れるんだろうか?
そうしてる内に、こうしちゃいられない、とか言って浮竹隊長が慌てて立ち上がった。
俺はすぐに例のモノの封印を解く、京楽には封印の解放の後に俺から連絡しておくが、玄之丞、君はどうする?
じゃあ、俺は陽動の算段でも付けてくるかねぇ、双極破壊するなら処刑場に少しでも人数少ない方が良いと思うしな。
やちるちゃん、織姫ちゃん一緒に十一番隊に行こうか?
おっけーと元気に駆け出すやちるちゃん、織姫ちゃんも俺らの話を聞いてたのか真剣な表情で頷いて付いてくる。
まぁ、十一番隊を説得するのはある意味楽かもしれんがある意味面倒だなぁ。





 旅禍侵入四日目・夜2

おう、いいぜ。
とりあえず、織姫ちゃんを連れて牢に捕まってる旅禍を救出して処刑当日に目立つように双極目指してくださいと言ったら速攻OKが出ました、理由も聞かず。
なんか、阻止に来る同僚とおおっぴらに戦えるのが良いらしいと言うか、言われなくても処刑に乱入してオレンジ君ともう一度殺り合うために色々するつもりだったらしい。
俺が言うのもなんだが本気で護廷十三隊を相手にこう思いっきり喧嘩を売れるこの人たちは結局の所、剣八のおっさんと愉快な仲間達でしかないんだろうな。
ハゲもナルシスも異存は無いらしい、俺はどうするんだと聞かれたのでやる事があるので一緒には行動できんと言っておく。
と言うか、涅に見られてるので手配されてる可能性があるのではっきりとした事が判るまで夜一さんの隠れ家に厄介になる予定だ。
外の様子は玄海嬢ちゃんを飛ばして見ておけば良いと思うしな、頼りにしてます。
織姫ちゃんとはまっこと残念だが、本当に残念だがここで一時お別れと言う事に。
とりあえず、全部終わったら下界に遊び行くので一緒に遊びに行こうぜと言ってキラリと歯を光らせておいた。
全然似合ってないとか周囲の反応が芳しくない、織姫ちゃんは色々お世話になりましたと言って笑顔でお礼を言ってもらった。
やばい、マジで織姫ちゃんはありえないくらい高スペック過ぎる。
とりあえず織姫ちゃん怪我させたらナルシスの髪とか剃ってやる、ハゲは剃るとこないので眉毛でいっか。
ちょ、おまっとか言ってるがまぁ、どうでも良い、名残惜しいなぁ、あのおっぱい。





 旅禍侵入四日目・深夜

とりあえず部屋に追手が居ない事を確認して霊圧隠しの外套を引っ張り出しておく。
そして、判りやすい所に仕事の引継ぎ用の書類を置いておく、これで何かあった時、帰って来れなくても何とかなるだろう。
まぁ、こんな書きかたしてると死亡フラグ乙とか言われそうだが別に死ぬ気は無い。
やばくなったら逃げれば良いしな、浦原えもんの所に転がり込んで雑用とかするのも悪くないよなとか思う。
そのまま夜一さんの隠れ家に、入るとオレンジ君の治療中でした。
浮竹隊長に全部ぶっちゃけてきましたと言ったら、お主は時々こちらの考え付かん事をするのと苦笑してた。
一応、信じて貰えたみたいだし構わないと思うんだがね。
まぁ、青春嬢ちゃんが居なけりゃ誰が本当の藍染さんの協力者かわからないと言うことで死神に協力者を求めようと言う風には考えられなかったかも知れんけど。
そんな事を言うと、そういう意味じゃないと言われた。
平子さんとか、浦原さんとかも結果的に死神と言う存在から裏切られたようなものだから死神に対して不信感ってのがあったんだとか、特に平子さん等に。
青春嬢ちゃんが死神に協力してもらおうと言った時もほとんど嬢ちゃん以外には賛同者が居なかったみたいだ。
で、俺が嬢ちゃんと下界でやった大喧嘩(夜一さんは痴話喧嘩とか言ってる、勘弁してくれ)を見て、他の死神は兎も角、俺ならまぁ、裏切られないかとか思ったらしい、と言うか毒気を抜かれたとかそんなニュアンスだったみたいだ。
二人の愛の勝利じゃのとか笑ってる、そんな関係じゃないんだがなぁ、ほら、玄海嬢ちゃんが不機嫌に具象化したじゃないか。
睨む玄海嬢ちゃんにすまんすまん、お主の旦那を取ったりはせんから安心せいとか言ってる。
猫みたいに顔を摺り寄せてくる玄海嬢ちゃん、全く、困ったもんだなぁ。
とりあえず、オレンジ君の治療でも手伝う事にする。
何時も通り、玄海嬢ちゃんで傷をドロドロって感じに塞いで治癒鬼道でぴぴるぴ~的な。
初見だったらしく、夜一さんの目が点になってた、少しすっきり、便利だけど見た目は悪いからなぁ。
夜一さんが言うにはそろそろ門を通って青春嬢ちゃんが来るらしい。
西流魂街に出るとか、地獄蝶付きだから旅禍達が来た時みたいに派手なことにはならんとは言っていた。
通行書が必要だから迎えに行けと、夜一さんはしばらくオレンジ君を鍛えるとか。
じゃあ、一晩眠ってから迎えに行くとしますかね。
ちなみに夜中に砕蜂が来たので軽く打ち合わせをした。
どうも俺の部屋に寄ってきたらしく、貴様、すべてが終わったらここから去る気じゃないだろうなとか言われた。
ん~、最悪そうなるかも知れんけどと言ったら怒られた。
仕方ないと思うんだがなぁ、俺も長いこと続けた仕事だし愛着はあるけど、俺個人の感情とかと関係の無い所で進退が決まるなんていくらでもあることだしな。
不機嫌そうに最悪落ち着き先が決まったら連絡しろとか言われた。
貴様みたいな奴でも良い酒を持ってくるからな居ないと酒が不味くなる、みたいな。
へいへい、判りましたよっと、しかしまぁ、なかなか濃い一日だったなぁ。





 金崎玄之丞 色々暗躍を始めた頃の日記より一部抜粋





 志波海燕の憂鬱





「志波海燕、何のつもりだ?」

 玄之丞と一緒に懺罪宮に向かい分かれた後の事だ、この気に食わない状況に俺が遭遇したのは。
 六番隊の隊長、朽木白哉は自分の妹を救おうとした人間に向かって斬魄刀の解放を行おうとしていた。

 もともと何かと俺を目の敵にしてくる上に同じ隊長とはいえ浮竹隊長を呼び捨てにするこいつが気に入らなかった。
 今回の事件でも、ルキアを助けるそぶりを見せず、逆に妹を救いに来た人間を切り捨てようとする始末だ。
 玄之丞は人をからかう上に口も悪いがルキアを助けようとあれこれ奔走している。
 その玄之丞もルキアもこの冷徹な男を悪く言ったことは無い、逆に気に入らないと文句と付けるたびに苦笑しながらあいつのフォローをしてくるくらいだ。
 だから、俺はあいつが表面上は冷たいフリをしていても玄之丞やルキアみたいな身内相手だったら違うんじゃねーかと思っていた。
 いや、思い込もうとしていた。

 それが良く判った。

「何のつもりだ、じゃねぇ。仮にも自分の妹を助けに来た奴を捕らえもせず斬り付けるとか、何のつもりだとは俺が聞きたいくらいだ」

「あ、兄貴……」
「海燕殿……」

 切られる寸前に助けられた岩鷲とルキアが驚愕の声を上げる。
 別に切り捨てられかけたのが弟の岩鷲だから怒ってるわけじゃねぇ。
 ただ、肉親への情けを欠片も見せようとしないこの男が気に入らなかった。

「何のつもりだだと? それくらいの事も判らぬから兄等は貴族の一員でありながら落ちぶれたのだ。そこをどけ、志波海燕、今なら義兄上の顔を立て見逃してやる」

「ふざけるな、俺も大概、我慢してたけどよ、もう我慢ならねぇ。岩鷲、お前はそこでルキアを守って隙があったら逃げろ!」
「おい、兄貴はどうするんだよ、あいつ半端ねぇぜ」
「妹が処刑されるかもしれねぇってのに澄ました面しやがって気にいらねぇ、だからぶっ飛ばす!」

「海燕殿っ!」

 ルキアの制止の声も無視して戦いは始まった。
 確かにこの男は強い、強いがそれだけだ、仲間を守ろうともしない奴に俺が負けるわけがねぇ。

 数合剣を合わせ、浮竹隊長も現れ制止するが俺も白哉も止まらなかった。
 それはオレンジ色の髪の旅禍が現れてからも変わらない。

「ちょっとお前、良い所に来た! ちょっと、付き合え!」
「え、お、朽木白哉にアンタは一体?」
「いいから黙って手を動かせ!」
「お、おう……」

 二対一で全く苦も無く二人の攻撃を裁ききる白哉は確かにつえぇ。
 だが、ルキアを逃がす時間くらいは稼げたはずだ、岩鷲の奴は上手く逃げただろうか?
 そう思い、ちらりと岩鷲の方を見ると欄干に頭をぶつけて目を回してる姿が目に入る。
 あの馬鹿が、今度帰ったら鍛えなおしだそんな事を考えながら斬り結んでいると事態が動いた。

 たしか四楓院夜一と言ったと思う、そいつが現れオレンジ髪の旅禍を連れて去っていった。
 白哉の奴も逃がさないように動いたが捕らえきれず逃げられる、ざまぁみやがれ。

 続きを始めようと白哉に向かうがあいつは興味が失せたといって背を向けた。
 残されたのは気を失った岩鷲と俺、浮竹隊長にルキアに四番隊らしい死神。

「このままルキア逃がしちゃだめっすかね?」
「いいわけないだろう、とりあえず海燕、今の所はうちの隊舎の座敷牢に入って謹慎してろ。おーい、清音、仙太郎、居るんだろう?」

 そう言って、呼んで現れた二人にルキアと他二名が運ばれていった。
 全く、何とかしねぇといけねぇのに、やってらんねぇぜ。

 その日の夜、俺は重要な話を隊長から聞く事になった。
 難しい事はともかく、全力でルキアを助け出せる、俺にとって重要なのはそれだけだ。
 ついでに白哉の奴もぶん殴ってやるがな、待ってやがれよ!





 了


後書き

とことんヒーロー的行動が似合わない主人公とか好きです。
僕に任せて先に行けとか、危険だから僕一人で行く的な事より……
私も連れてってください、いいよーただし自己責任なとか、あれとあれとあれは任せた、お前も働け的な雰囲気が好きです。
そんなどうでも良い事は置いといて、玄之丞はスキル:直感(おっぱい)/Aを手に入れた。
玄之丞は地雷を回避した!



[6509] トライアングルアタックを喰らった日の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/04/08 19:54
 旅禍侵入五日目・早朝

朝、悪夢にうなされた目が覚めた、大虚に踏み潰される夢だ。
いやいや、普通に尸魂界でごたごたが起きてるときにこんな夢を見ると不安になるんだが、何かの前触れじゃなかろうな。
目が覚めたら玄海嬢ちゃんが具現化していた、準備OKとか訳判らん。
なんかシャドーボクシングしてるんだが、何かあるんだろうか?
しかも、かぶってた毛布が外れてるし、何か体の節々が痛い、寝違えたのだろうか?
夜一さんがニヤニヤしていた、オレンジ君は起きましたかと聞いたらまだらしい。
相変わらずニヤニヤしながら夜一さんは、つくづく規格外な奴じゃな、普通の斬魄刀はそこまで自分を主張したりはせんのじゃがとか。
そんなこと言われても、俺は玄海嬢ちゃんしか知らんしな、俺にとってはこれが普通だしなぁ。
何時までも首捻っててもしょうがない、とりあえずそろそろ西流魂街に向かおう、大体の場所聞いたし、迎えに出ないとどやされそうだ。
横目で見てみると玄海嬢ちゃんが妙に気合入ってる。
あぁ、なるほど、青春の嬢ちゃんが来るからか、納得した。
何だかんだ言いながらライバルなんだよなぁ、あの二人(?)。
青嬢ちゃんと黒嬢ちゃん、二人はプリキュアみたいな。
若干、色のコントラストがかみ合ってないところがこの二人らしい。
とりあえず、玄海嬢ちゃんは移動中も消えずにふよふよと右斜め上後方に浮かんで飛んで付いてきていた。
別に具現化してるのは良いんだが、見つかったりしたら困るので外套の中に手招きした。
一緒に外套かぶって瀞霊廷を抜けたんだが、人気が無くなっても今度は逆に外套から出てきてくれなくなった。
何か見せ付けてやるとか、私のとかぶつぶつ言ってたのが印象的だったなぁ。
うん、まぁ、好かれてるのは判ってるんだがなぁ……
死神としては喜ぶべきなんだろうな、うん。






 旅禍侵入五日目・朝

遅いんじゃボケェとか言いながらひよりちゃんに蹴られた。
どうやら昨日の夜の時点で着いてたらしい、そんな事言われても知らんがな、その頃はオレンジ君の治療中だったんじゃねぇかな。
他の連中は思い思いにくつろいでた、カオス過ぎる、どうやって持ち込んだんだよジャンプとか。
呆れて周囲を見回してると出迎えご苦労、とか言いながら青春嬢ちゃんが突貫してきた。
多分だが駆け寄ってきてジャンプして抱きつきたかったらしい。
が、そうは問屋がおろさないという感じに青春嬢ちゃんの目の前に玄海嬢ちゃんの黒玉が跳んできたのは俺のせいじゃないから。
涙目で睨まないでほしい、玄海嬢ちゃんも勝ち誇った顔で外套から顔を出さない、青春嬢ちゃんが青筋浮かべてるだろうが。
平子さんが相変わらず仲がええなとか、まぁ、正直めんどい。
とりあえず隠れ家に案内するか、浦原さんから霊圧隠しの外套とか預かってないかと聞いたら義骸があるから大丈夫とか言われた。
以前、青春嬢ちゃんが言ってた霊圧隠せる義骸という奴だろうか?
玄海嬢ちゃんと右と左で睨み合ってる青春嬢ちゃんに聞いてみた。
浦原えもん謹製の霊圧を完全に遮断するモノらしい、弱った霊体を入れると回復できずに死神でも一般の人間と同じ魂魄になるんだとか。
弱った霊体の回復用である義骸としてはどう考えても失敗作だが、その代わり中に入った霊体の霊圧が探知できず潜伏用には最適ってわけか追放受けた上に逃走して潜伏できてたわけだ。
別の使い道も有ったけどねとか意味深に笑ってるんだが、思い浮かんだのはルキア嬢ちゃんの事。
もしかしてこの一連の事件は計画通りって奴なのだろうか?
ルキア嬢ちゃんはおとりかぁ、ホンキで双極かけられたらどうするつもりだ?
そんな事したら白哉君今度こそ感情なくなるぞ、ただでさえ最近仏頂面が偉いことになってるというのに。
少し怒ってそう言ったら、玄之丞なら止めてくれると信じてるよと言ってにっこり笑われた。
昔から、ホント、腹立つ女だな、こいつは。
その顔でそう言われたら俺がちょっとだけ許しても良いかなぁ的な事を考えるのがわかっててこういう事するんだからな。
後で白哉君に顔出して謝っとけよ、ルキア嬢ちゃんにもな。
そう言って明後日の方向を向いたら、はいはいツンデレツンデレとかアホな事言い出した。
誰がツンデレだ、このチビ死ねばいいのに。
玄海嬢ちゃんも信じるな、つねるな、手元で黒玉を包丁に変えない、青春嬢ちゃんを刺そうとしない。
全く、やっとれんわ、てかリサちゃん、興味心身にこちらを見ない!
てか、みんなも見てるのかよ、こっち見んな!





 旅禍侵入五日目・昼

とりあえず大過無く隠れ家まで到達できた。
確かに、他の連中もこの人等の霊圧に全然気付かない、青春嬢ちゃんが真上に居てもこっち見なかったら気付かれないよとか言ってる。
本気で浦原さんってのは凄い人なんだな、嬢ちゃんは割とマッドだけどねとか言ってるが、涅と比べたらマシだろう。
ハッチさんと平子さんはちょっと仕込みしてくるわとか言って隠れ家の入り口まで案内してからフラッと何処かに行ってしまった。
なんでも、鬼道使っても発見できない特殊な結界を双極近辺に作ってくるとか。
それって、俺も気付けないよな、青春嬢ちゃんは私がずっと一緒に居るから大丈夫だと言ってる。
いや、俺、どうも涅にちくられて無いみたいだから隊に戻って仕事しようかと思ってたんだが。
そういったら、大丈夫、大丈夫、とか言いながら義骸から抜けて久しぶりに見る黒い着物、死覇装姿になった。
ついて来る気満々ですね、判ります。
まだ嬢ちゃんの事とか知ってる隊員とかも居るんだがなぁ。
なんか髪の毛染める道具を借りてきたらしい、気付いたら一瞬で青い髪が黒髪になった、もう何でもありだな浦原えもん。
後は義骸を隠れ家に置いてくれば良いねらしい。
隠れ家に入ったら辺り中に剣が刺さっててびびった。
固有結界に入ったのか俺、何処にエミヤが居るんだろうか?
あー、この世界にもそれあるんだー、とか嬢ちゃんが呆れ顔。
中では変なおっさんとオレンジ君が戦闘中、誰だあのおっさん。
しかし、この秘密基地も人口密度増えたなぁ、ついてきた人等は早くも思い思いにくつろぎ始めた。
オレンジ君がうお、なんだこいつ等とか叫んで、隙を見せるなとか変なおっさんに言われて剣を砕かれていた。
今砕けたのはどうでも良い事に対してオーバーに驚きすぎると言う心の欠片の剣だとかなんとか。
卍解訓練中かぁ、他の人の訓練ってこんなんなのか、そこまで細かい心の欠片とかが剣になるんだな。
玄海嬢ちゃんは嫉妬心と独占欲をさらけ出して来てたし斬魄刀って、割に変なのばっかだよ。
青春嬢ちゃんは青春嬢ちゃんで私のは充電だったなぁと懐かしそうに言っていた。
なんでも、雷を制してこそ我を従わせる資格があるとか言いながら延々と電撃を喰らって斬魄刀に蓄積続けたらしい。
ふむ、俺ってもしかして割と苦労してないのか、玄海嬢ちゃんを見たらニコニコ笑みを浮かべていた。
流石に隊舎に戻って玄海嬢ちゃんが出てたら問題なのでしばらく戻っておいて貰おう。
一瞬だけ青春嬢ちゃんを睨んでから消えた。
じゃあ、行こうかと言って、嬢ちゃんに手を引かれて俺は秘密基地を出て行った。





 旅禍侵入五日目・夜

隊の仕事を済ませ、情報収集に励んでみる。
青春嬢ちゃんは久しぶりの隊舎に懐かしいなぁとかこういうの出来てるんだとかちょこまかと動き回ってる。
とりあえず、旅禍は四番隊の地下牢に入ってるらしい、後で織姫ちゃんに教えておこう。
こういう地道な所で好感度アップを狙っていかないとな。
ちなみに目標は織姫ちゃん他、巨乳隊の皆で泳ぎに行くぞオフをおっぱいの会主催で開催する事だ。
乱菊ちゃんに卯ノ花隊長とかの隠れてない巨乳&隠れ巨乳コンビにも来て貰いたい、出来ればカモフラージュに他のささやか組みも呼んでおくべきか。
織姫ちゃん呼ぶならやっぱ、下界か?
だとしたら義骸がいるから予算はこれくらいで、浦原商店タイアップ企画で何か催し物を開催してスポンサーになって貰えば多少は……
待てよ、ルキア嬢ちゃんを餌にすれば白哉君が釣れる、となると朽木家の財力が美味い、旅館と料理はとりあえず数ランク上げれるな。
ふ、夢が広がるな、完璧じゃないか我が軍は、待ってろよ修兵君、君を鼻血の海で溺死させてやるからな。
ふと気付けば青春嬢ちゃんが、真面目に仕事してるねとか言いながらこっちを見てた。
ソウデスネ、俺今超頑張ッテマス。
茶々も入ったし大体やる事やったのでそろそろ秘密基地に行くかね。
終わった書類をかたずけて、隊舎を出る。
色々と慌しい瀞霊廷内を嬢ちゃんを二人で歩いた。
なんか凄く久しぶりな気がするね、実際、一緒に瀞霊廷を歩くとか100年ぶりくらいになるわけだが。
思えば遠くに来たもんだ、生きてた頃は自分の意識が150年以上も続くとか考えた事も無かったわ。
自称、漫画世界にやってきた現実の少女Aとか言ってる愉快な生き物にも会ったし波乱万丈だ。
死神なんていう存在にもなったし、うん、実に感慨深いな、そんな事を思って秘密基地までやってきた。
こう言う感傷が俺には似合わないのは良く判る、良く判るが、この状況が似合うとは思いたくないなぁ。
何故か俺の腕に自分の腕を絡ませてくる青春嬢ちゃんと丁度秘密基地にやってきた砕蜂が睨み合っている。
なんなんだろうこの状況は、なんか妙に胃が痛いなぁ、あはははは……はぁ。




 旅禍侵入五日目・深夜

地下空間の中で何故か砕蜂と具象化した玄海嬢ちゃんと青春嬢ちゃんで酒を飲んでいる。
位置関係は砕蜂が正面、青春嬢ちゃんが左、玄海嬢ちゃんが右。
平子さん等は俺らを遠巻きにして近寄って来ないし、夜一さんとオレンジ君は温泉に行ってるらしい。
なんだか滅茶苦茶ぎすぎすしてねーかい?
『生きていたのか、朽木青春。』『えーっと、会った事あったっけかな二番隊の隊長さん?』『夜一様の付き添いで何度か会合でな。』『ふーん、多分、小さいから目に入ってなかったんだね。』『貴様の話は玄之丞から聞いていた、随分迷惑をかけられたと愚痴を聞いたりな。』『へぇ、玄之丞が私の事話題に出してくれてたんだ、貴方の事は聞いた事無いけどね。』『そうだろうな、私と玄之丞は私的な付き合いしかした事は無いから、ただの仕事仲間同士じゃ話題に出なかったのも頷ける。』『そうね、ただの私的な友人じゃ大切な秘密を聞かされたりはしないでしょうね、私が生きてたみたいな。』・・・とかまぁ。
あー、玄海嬢ちゃん、酒はまだ早いぞ見た目的に、え、そんなに飲みたいって? 仕方ないなぁ、一口だけだぞ。そんなに焦るなって、ホラ。
あぁ、平和だな、うん、酒が美味いぜ、味なんか感じないけど。
とりあえず平子さんと目が合ったのでこっち来て一緒に酒のもうZEとかアイコンタクト送ってみた。
だが断ると返されたような気がする、薄情モノめ。
くっ、夜一さんは何処行ったんだ、あのおっぱいがあれば俺はまだ戦えるというのに。
この胃が痛い飲み会は深夜を回るまで続けられた、酔いも回らないし、全然飲んだ気がしねぇ。
これでは藍染隊長とかを何とかする前に俺が何とかなってしまう。
俺は何でこんな状況になってるんだろうか、マジで誰か教えてくれ。
俺は巨乳を見ているだけで幸せなんだがなぁ。








 金崎玄之丞 トライアングルアタックを喰らった日の日記より一部抜粋。








【玄海の憂鬱】



 私のご主人様、玄之丞は正直もてる。
 特に子供とか子供っぽい人とかが沢山寄ってくる。
 流魂街の実家に戻ると沢山の子供たちが玄之丞に寄って来てお菓子を受け取ったり一緒に遊んでもらったりしてる。
 そういう時、何時も額に浮かんでる眉間の皺が薄くなってとてもいい笑顔。
 そう言うのを見てると何処かに玄之丞を閉じ込めて私だけにその笑顔を見せてくれるようにしたくなる。

 玄之丞が子供に好かれるのは多分、玄之丞のお婆ちゃんのおかげ。
 自分より小さい子は大事にしてあげなさい、そういって育てられたからだって言ってた。
 だから玄之丞は子供に優しくするし、子供だなと思う人に悪意を持てない人間なんだろう、そう思う。
 別に私なら何時でも良いのに、それも出来ないんだね、ちょっと残念。

 私はずっと玄之丞の中にいたけど、私がちゃんと玄之丞の事を良く判るようになったのは玄之丞が死んでから。
 玄之丞を育てたお婆ちゃんはとても良い人だったんだろうな。
 でも、みんなに優しい玄之丞より、私だけに優しい玄之丞にしてくれてればよかったのに。

 私は玄之丞のモノで、玄之丞も私のモノ。
 これだけは何があっても変わらないけど、余計なものがついてきて困る。
 青いのとか凄く邪魔なので今度死んだら良いなと思う。
 きっと玄之丞は悲しむので思いっきり優しくしてあげようかな。

 時々、一緒にお酒飲んでる小さい人とはあまり仲良くないみたい。
 いっつも喧嘩してるし、いっつも斬魄刀で攻撃されてる。
 戦ったら絶対私の方が強いので玄之丞はきちんと守ってあげよう。
 ただ、青いのと仲が悪いみたいだから相打ちになれば良いと思う。

 胸が大きい人が好きみたいだけど、玄之丞は胸が大きい人にはもてないから別に良い。
 とりあえず今度成長してみようと思う。
 胸とか大きくなるかな、どうやって成長できるのか判らないので浦原えもんって人に聞いてみよう。
 玄之丞が困った時は浦原えもんだと言ってたし。
 毒とかもくれないかな、証拠が残らない奴だといいな。

「嬢ちゃん、酒は美味いか?」

 うん、美味しい、えっと、何考えてたんだっけ?
 そう、玄之丞がもてる話だった。

 私のご主人様、玄之丞は正直もてる。




 了(以下エンドレス)



後書き

どうも修羅場がご希望らしいので修羅場ってみた。
更新遅れてすみません、春先はどうしても花粉が酷いのでやる気無くって遊んでました、超申し訳ないです。
ちゃんと完結はさせるので見捨てないで頂けると助かります。
花粉とかあっても良いけど出来れば一生関わりたくない。



[6509] 佳境に入ってきた頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/05/08 19:20
 旅禍侵入六日目・早朝

この日の朝は最悪の目覚めだった。
それもこれも不機嫌の砕蜂が思いっきり腹を踏みつけてくれやがったからな訳だが、俺なんかしたか?
すまんな、隊舎に戻ろうと思ったらでかいのが邪魔でつい踏んでしまった……とかなんとか。
こんだけ広い状況で邪魔とかありえんわ、全く、なんで不機嫌なんだコイツ、アレか青春嬢ちゃんの事は話してなかったからか?
とりあえず、百歩譲ってなんだかんだで身内にツンデレな砕蜂だ(恐るべき事に本人は気付いてないかもしれんが大前田君にもツンデレだからな)、俺が青春嬢ちゃんの事を黙ってた事で水臭いとか思ったって所だろう。
そう当たりをつけたのはいいが言って無かったっけなぁ?
夜一さんと和解したときに一緒に話してそうなもんだが、あの時の事はまっぱでボインの事しか覚えてないし、言い忘れてたんだろうな。
わりぃ、巨乳に夢中で忘れてたわと思いっきりぶっちゃけたら瞬歩で距離詰められて白打で浮かされた。
いや、まてまて、昨日の酒がリバースするだろうが、辛うじて防御が間に合ってなかったら朝っぱらからエライ惨事になる所だった。
口元をひくつかせながら別にどうでも良いが貴様はもう少し言葉を選べとか言ってるが、言ってるのが砕蜂じゃ全然説得力ありません。
その後すぐにきびすを返して、今回の件のサポートはしてやる、精々キチンと準備しておく事だなと、そう言って去ってく砕蜂だった。
ハイハイ、ツンデレツンデレ。
ちなみに振り返ったら青春嬢ちゃんが後ろに居た。
滅茶苦茶笑顔で青筋浮かべてるんだが、コイツ大丈夫だろうか、何かの病気か?
思った事がそのまま口から出てたらしいのだが、ちょっとお酒飲みすぎたかもねと相変わらず笑顔で気持ち悪い。
そう言えば、尸魂界で合流してから妙に大人しい、偽物だろうか?
まぁ、正直、物足りない気もするが楽だし、変な顔で面白いのでしばらく放置して観察しとくと良いかもしれん。
適当に隠れ家でメシ食って平子さん等と午前中はオレンジ君の訓練眺めてたんだが。
何ぞ青春嬢ちゃんと何人かが円陣組んで相談してるようなのでこっそり玄海嬢ちゃんで話を聞いてみた。
鈍感な異性の落し方とか、デレたら良いんじゃねとか、ギャップ萌えってどうよとか、さっさと押し倒せとかまぁ、色々。
青春嬢ちゃん、誰か好きなやつでもいるのかねぇ……いや、判ってるんだが、知らない振りくらいさせてくれ。
嬢ちゃんは嫌いじゃないんだが、俺の心情的に胸部が足りない、もう少し、こう、アレだ、ボリュームがな?
もし手を出すとしたら、それこそモラルブレイク並みの衝撃が必要だよなぁ……ロリ巨乳ならなんとか……なるか?
アフロの人が言いました、でも既にフラグ立ってんだろお前らとかなんとか。
現実にフラグなんてありませんから、だからこの戦いが終わったら俺、婆ちゃんに会いに行こうと思うんだとか言えちゃうぜ。
フラグがなんだってんだ、現実は非情なのだよ。



 旅禍侵入六日目・昼

とりあえず、何か進展が無いかと隊舎に戻ることにする。
この隠れ家にもハッチさんが妙な結界張ってるので俺も外に出ると戻って来れないらしい。
何が言いたいかと言うと、相変わらず嬢ちゃんがついてくるって事と、あと何故か外でうろうろしてる恋次君を発見した。
とりあえず面白いので少し観察してみたんだが、独り言を聞く限りオレンジ君の霊圧の残り香を辿ってここまで来たけど結界のせいで発見できなくて困ってるらしい。
嬢ちゃんが、そういえばこんなイベントあったあったとか頷いてるんだが、どうしたものか。
とりあえず、ほったらかしにするのも可哀想なので顔を出してみることにする。
顔を出したら、もう追手がとか言って臨戦態勢を取られた。
いや、違うから、ただの通りすがりです。
大体、ルキア嬢ちゃん助ける為に動く気があるなら手助けしても邪魔する気は無いからなぁ。
どう考えても隠し事とか苦手そう(偏見)だから特に何も言わなかったけどな。
折角なんで、現状を聞いてみたんだが、ルキア嬢ちゃんの処刑が明日に変更になって焦ってるようだ。
邪魔するなら、金崎さん、アンタでも……
とか滅茶苦茶シリアスしてたので、じゃあ邪魔しないからどうぞどうぞと言ってとりあえず去ってみた。
オレンジ君を探してるならついでにルキア嬢ちゃんの情報とかちゃんと伝えておくから好きにしていいよとか言って。
そう言ったら、知ってるんすか! とか驚かれたので軽く事情を説明してみた、旅禍匿ったりしてるとか。
説明の後、そうか、金崎さんは旅禍を支援してたのか、それを俺は……
とか言って、なんか少しだけ申し訳なさそうな顔をしていた。
これはアレか、ルキア嬢ちゃんの処刑に何の動きも見せないから少しだけ見損なってたとかそういう話か。
しかも、そうじゃないと言う事が判明して、見損なって多分のプラス補正ですねわかります。
間違っては居ないんだが、まぁ、あれだ、一瞬なんか嫌だなぁとか思ったんだが、正直、別に支障ないよな?
青春嬢ちゃんもなんか変な誤解されてないとか言いながら暑苦しいなぁと言わんばかりの顔をしてる。
いやいや、笑顔で青筋浮かべてるよりずっとマシですから、思わず口に出た言葉にまた奇妙な百面相をしている、面白いなぁ。
これからどうするのかと聞いてみたら、もう少しで何かが掴める気がするので何処か人気のない広い場所を探してるんだと。
オレンジ君が諦めるわけないからあいつもどっかで修行してるはずだ、だからルキア嬢ちゃんの事を伝えるついでにオレンジ君の霊圧を追えば隠れて修行出来る場所も見つかって一石二鳥とか考えて追ってたとかそんな話らしい。
なんか、通じ合ってるなぁ、君等……確かに系統同じだしな熱血バカ×2って感じで、正にその通りだったわけだ。
状況も判ったし、隠れ家に連れて帰るかね、平子さん等の事は大丈夫かと聞いてみたら想定内らしい。
俺らが出た後は結界の中にもう一個結界張ってそっちに籠もってるんだと。
そう言うわけで、恋次君を隠れ家に連れて行った。
経緯は省くが、オレンジ君のやる気アップ、恋次君の修行開始と相成りましたっと。





 旅禍侵入六日目・昼過ぎ

ルキア嬢ちゃんの処刑が明日となって、何時までも隠れ家に籠もってるわけには行かなくなった。
青春嬢ちゃんは、予定通りだからこっちはどうとでもなるけどと言ってるので任せて置いていいだろう。
とりあえず、浮竹隊長と打ち合わせくらいはやって置いた方が良いだろうなと言う事で、十三番隊の隊舎の方にやってきた。
中に入ると、浮竹隊長と海燕さんと都さん、京楽隊長と、卯ノ花隊長が揃ってた。
そうそうたるメンバーでそのまま回れ右したくなったが浮竹隊長に丁度良い所にと手招きされたので自分で座布団をひいて座った。
ちなみに、青春嬢ちゃんは流石に呆然としてたが、すぐに俺に習って座り込んだ。
嬢ちゃんの顔を見て、髪の色変わってても流石に判るのか浮竹隊長が話に聞いてたけど、無事なのかとか嬢ちゃんに聞いてきた。
やはり、朽木家の一員で席官にもなったわけだから普通にこの三人と面識はあるよなぁ。
京楽隊長はしきりにリサちゃんの事を聞いてきた、昔の部下だったらしい。
後でゆっくり話がしたいねぇとか言ってる姿をみると、なんだかんだいってこの人が隊員に好かれてるのは良く判るなぁ。
ちなみに、君の所、何か面白い事やってるみたいだね、今度僕も混ぜてくれないかい? と聞かれたので全力で頷いておいた。
会長・副会長・会計とあるので、役職は名誉顧問でどうだろうか?
卯ノ花隊長はそんな俺等を見て上品な笑顔でお茶をすすってた。
この人はホントに傍に居て落ち着くなぁ、茶室の銀嶺元隊長とか山本総隊長とか髣髴とさせるわ。
そんなこんなで、色々と積る話を小一時間した後、明日の話になった。
なんと言うか、さすが護廷十三隊の中でも特に経験豊富な人たちだけの事はある。
卯ノ花隊長はなんと、浮竹隊長が藍染隊長の情報を伝える前から死体が偽物だろうとほぼ確信してたらしい。
ほんの僅かな違和感から、この死体は間違いなく藍染隊長の死体だが、何故か勘か何かで違う事を確信したとか、経験って奴だろうか?
京楽隊長は元々、浮竹隊長と協力して四十六室の命令をおかしいと考えてて、護廷十三隊の中の誰が怪しいかを内偵してたらしい。
浮竹隊長は隊長でいざと言う時の双極の破壊と、四十六室に対する支持撤回の働きかけをしていたと言うことだからなぁ、三人が三人とも打ち合わせ無しでこの連携に役割分担、本気で驚きだわ。
しかも、京楽隊長とか100年前から藍染隊長を怪しんでたとかどんだけだよ。
あの時、隊舎に居たのは彼の斬魄刀の能力だったんだねぇ、そう言って昔の事件では手を貸せなくてすまないねと嬢ちゃんに謝って居たのが印象的だった。
経験と直感と能力と人柄から真犯人に迫り、その邪魔をしてた人たちが、実際に詳しい事情を知る青春嬢ちゃんの情報を手に入れた。
そのおかげで現在の状況が在るというわけで、もしかして俺が何もしなくても何とかなったんじゃないか?
これだけ情報が揃えば、あの頑固一徹の山本総隊長を動かせるかもとか話している。
卯ノ花隊長は四十六室に向かい、最悪の事態に備え真犯人の動きが確認できたら全隊長格に連絡を取ることになり、三人の連名で前もって、死体が偽物で裏切者藍染惣右介を罠にかける計画を卯ノ花隊長の診断書付きで総隊長に伝えに行く事になったらしい。
青春嬢ちゃんの情報提供で判明した敵の目的がルキア嬢ちゃんであると言う情報(彼女の霊体の中に何かあるらしい)を元に、双極を破壊すれば確実に首魁が動くという事に確信を持てたのが良かったらしい、トントン拍子に話が決まっていって正直することが無い。
やっぱ、俺って正しかったなぁ、うん、困った時は相談する、これが一番だな。
ちなみに、俺も見てるだけと言うわけには行かないらしい。
恋次君に代わり、白哉君に就いて戦力を消耗しない程度に双極の丘から目を逸らすという役目を貰った。
で、青春嬢ちゃん他が例の結界(丘に直接張った奴)に待機して、主犯をタイミングを見計らって空間切断系の結界に捕らえるという形になった。
決戦は明日って言う事だな、とりあえず、俺が旅禍と組んだと言う情報は死神側には全然伝わってないそうなので(研究馬鹿のマッドに感謝するべきかな、忘れてるだけのような気もするが)隊舎に戻り白哉君の双極での付き人として処刑に立ち会おうかね。
それぞれ役割を決めた後、帰路に着く。
今日は隠れ家には戻らないので、全部終わったらまたなと青春嬢ちゃんと別れる。
とりあえず、背中に向かって、変な顔してないで何時も通りにすると良いぜ、百面相も面白かったけどなと声掛けておいた。
玄之丞のバカーとか叫び声が聞えたが前向きってのは振り向かない事さとさっさと帰った。





 旅禍侵入六日目・夜

隊舎に戻り、白哉君の執務室に向かった。
静かに佇む白哉君に明日の嬢ちゃんの処刑には恋次君の代わりに俺が付いて行くよと伝えた。
白哉君はそれに一度だけ頷いて、ルキアは……そう言い掛けて止めた。
まぁ、あれだ、なんだかんだ言って、話せない事も多いが、ちょっと位、白哉君の傍に居てやっても良いかなと思う。
もう、俺の出来る事は無いしな、後は出来るだけ長く、この不器用な青年の傍に居るとしよう。
とりあえず、一番良いお茶と取って置きの茶菓子でも出してくるか。
伊達に銀嶺元隊長とか山本総隊長の茶席にしょっちゅう顔出してるわけじゃないぜ。
茶と茶菓子を出して、俺もそのまま部屋の隅で茶を頂いた。
これで少しだけでも、肩の力でも抜けりゃいいんだけどなぁ。








 金崎玄之丞 佳境に入ってきた頃の日記より一部抜粋









 【京楽春水の憂鬱】



 京楽、そう叫びながら浮竹が八番隊の隊舎に駆け込んできた。
 ルキアちゃんの事だろうけど、これだけ焦って飛び込んでくるのは珍しいねぇ。
 そう思って居た僕は、落ち着くように浮竹に声を掛けて奥の座敷に向かった。
 だけど、彼が持ってきた情報はアレだけ焦る気持ちが判るくらい、重要な情報だった。

 その時、僕の心によぎったのはやはりだったのかまさかだったのか……
 そして何より、リサちゃんが正気を失わず今も生きている。
 これはきっと朗報なんだろうね、彼女にすれば僕は彼女を守れなかったダメ隊長って事になるんだろうけど。
 100年前の事件の顛末はこっそり卯ノ花隊長から聞いている。
 リサちゃんたちに治療を試みたのは彼女だったからね。
 虚化、治療法はなく、このまま殺さず放置したとして、正気を保てる可能性は現状ゼロ。
 それが彼女の下した結論だった。

 それを受けて、四十六室は彼女達の処分を決定し、山じいはそれを執行した。
 そして僕はそれを仕方ないと受け入れてしまった。
 彼女達は僕の僕たちのことを恨んでいるだろうか?

 恨んでいるんだろうな、それでも、協力を申し出たと言う事は、誰かまだ死神にも彼女達の信頼を受けている人間が居るという事だろうか?
 浮竹は、玄之丞の事だなと言い、彼の話をしてくれた。
 六番隊の第三席か、そういえば噂を聞いたことがあるね。
 うちの円乗寺君も噂していたし。

 登山愛好友の会、そんな楽しそうな会の噂も聞くし、僕も少しお邪魔させてもらえるかな?
 うん、七緒ちゃんの胸の話とか、色々彼とは話し合ってみたいものだね。

 兎に角、彼には感謝すべきなんだろうね。
 出来ればそんな彼の力になってあげたいものだけど、どうなるかねぇ。




 了




あとがき

随分お待たせしました。
花粉の季節も終わり、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
こちらは奏楽のレギオスが面白すぎたのでレギオスのSSを書いたり、PSP買ってジルオールをプレイしたり、フレアとかかなり良いよねとかジルオールのキャラに萌えたりしておりました。
なんとなく、次回辺りで本編が終わり、その次にエピローグがありそうな感じです。
次はもう少し速く更新したいものです、いや、もう、ホント遅くなってすみませんorz



[6509] 色々決着が付いた日の日記
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/06/18 13:29
 処刑当日 早朝

本日は晴天なり、俺としては何時も通りの六番隊での目覚めだが、白哉君はどうも一睡もしていないらしい。
まぁ、割と霊力が充実してたら多少睡眠取らなくても大丈夫な不思議生物(?)が死神だからなぁ。
肉体的には特に問題ないとはいえ、緋真の嬢ちゃん遺影の前で無言で佇んでるのは精神衛生上良くは無い。
部屋の外で適当に過ごしてたら何時の間にか眠って朝だった俺はもう少し緊張感とか持った方が良いような気もする。
まぁ、もう数時間すれば双極の丘に向かわないといけない訳だから暫くそっとしておいたほうが良いだろうな。
出発までの間、剣八のおっさんは大丈夫かねぇとか、織姫ちゃんのおっぱいは癒されるなぁとかそんな事をつらつら考えておいた。
そうしてるうちにうちの隊員がやってきて双極に向かう準備をって事を伝えに来た。
と言うわけで出発します、白哉君無口だしあんま日記に書くこと無いなぁ。





 処刑当日 昼前

処刑開始まであと僅か、予定通りだとそろそろ騒ぎが起こるはずなので少しだけ霊圧を感じ取る為に意識を集中する。
ついでに玄海嬢ちゃんも偵察にまわしてみる。
そうしていると移動中の剣八のおっさんを発見した。
なんかPTが増えてるようなので旅禍の救出に成功したんだろうなぁ。
移動方向に隊長クラスと副隊長クラスの霊圧が計4つ感じるのでおとり作戦成功って事で良いのだろうか?
織姫ちゃんは無事だといいなぁ、あとやちるちゃんも。
ハゲとナルシスはまぁ、それなりに何とかなるだろう、馬鹿だし。
剣八のおっさんなら、うん、負けてる姿とか全然想像できねぇ。
それだけにオレンジ君が剣八のおっさんに勝ったとか信じられないんだがどうやったんだ?
でもまぁ、サイヤ人みたいなもんだからなぁ、剣八のおっさん、死に掛けたから今頃レベルアップしてるな絶対。
片目を視覚共有してうんうん唸ってたら白哉君にばれた。
どうですかと聞かれたので、結構順調だよっつったら、義兄上には何時も世話をかけますとか言われた。
そう言う風にしか行動できない不器用な弟分の手助けをするのは兄貴分の務めだからなぁ。
ついでに、恋次君の足止めとかしておくかと聞いたら、副隊長の暴走を止めるのは隊長の役目だと言った。
しかしまぁ、あれだね、死神とかエライ奴ってのは高い所が好きだよなぁ。
遠くからこっちにやってくる恋次君を見ながらそんな事を思った。
まぁ、その仲間入りするようになるとは、まだ生きてる俺は考えもしてないだろうねぇ。
うん、ヤバイ、結構楽しいな、これ。
ドドドドドドドドドとかゴォとか効果音流れてそうな顔で恋次君がこっち見上げてくるのを見てそう思った。





 処刑当日 昼前2

ドカッ・バキッ・恋次君は死んだ・スイーツ(笑)
いや、流石にこれは酷いか、と言うか、白哉君つえーなぁ。
ズタボロになった恋次君を治療しつつ、そんな事を考えてた。
俺相手だと相性が良いから何とか形にはなるけど、全周囲攻撃とか玄海嬢ちゃん以外じゃ防げないっちゅうねん。
思わず関西弁っぽくなるほど驚いたわ。
まぁ、あれだ、恋次君にあんたが何でそこにいるんだよとか、ルキアを助ける為に色々やってたんじゃねぇのかとか文句つけられた。
別方向からルキア奪還する為に双極の丘を目指してると思ってたらしい。
オレンジ君ならそう言う行動取ると思うけど、そこはほら、人任せに定評のある俺な訳だしな。
やる事やったんでもう俺がする事無いんだよ的な事言ったら、諦めたのかよとか文句言われました。
超ゴメン、諦めたより性質悪いのは自覚してる。
人任せだもんなぁ、見る人が見れば他人に泥を被せて自分だけ罪を逃れようとしてるように見えるのは当然だ。
隠し事出来そうに無いからってハブって置いて文句言うのは筋違いだろう。
恋次君の意見にごもっともでと思ったので、白哉君の後方で大人しくしてたら戦闘が始まった。
恋次君が卍解覚えてたり、白哉君が秘儀・卍解返しとかしたりととりあえず端折る。
ハゲとか恋次君とか、十一番隊はこっそり卍解とかはやってるんだろうか、そういえば俺も人の事言えないな。
もしかして、十一番隊の仕事とかやってるし俺も十一番隊集合に組み込まれてたりするんだろうか?
そんなこんなで恋次君(重症)+白哉君(無傷)=俺治療係と相成ったわけだ。
なんか、ボソッと義兄上の気持ちも知らずに勝手な事をとか白哉君が口走ってた気がするが、もしかしておれって白哉君にデレられてるのか、いや、まぁ、他の奴が言うほど付き合いにくいキャラじゃないよなぁとは思ってたんだが。
治療して追いかけるからと白哉君を先に行かせて現在に至ると、まぁ、そんな感じ。
治療完了して意識が戻るのを待つばかりと言う所で、うちの若い衆が来た。
理吉君って言ったっけなぁ、恋次君に憧れてるらしく額に刺青を彫ってる子だ。
恋次君が起きたらすぐ治療したから出血はそれほどじゃないけど霊力消耗してるから無理しないようにと伝えるよう伝言し双極に向かうことにする。




 処刑当日 正午

治療が済んで双極に向かっていたら丘の上に火の鳥が現れた。
とりあえず、玄海嬢ちゃん飛ばした方が早いから先に行って貰う事にする。
どうも双極での処刑には山本総隊長、砕蜂、京楽隊長、白哉君、浮竹隊長の五人。
それと副隊長と席官クラスで、ちょび髭の人、大前田君、眼鏡委員長、都さんが出席してるらしい。
浮竹隊長が居るって事は準備完了って事だなと、安心して見てたら双極の結界(ハッチさん謹製)に隠れてたらしい海燕さんと十三番隊お騒がせコンビが盾みたいなのを手に持って飛び出してきた。
その盾から拘束用と思われる紐が伸びて火の鳥を捕まえた、アレが例の双極破壊兵器って奴か?
この後の展開はスペクタクルと言うか、中々の見ものだったわけだ。
出てきた火の鳥は海燕さんと都さんが盾に斬魄刀を突き立てたら崩壊するわ、出番待ちとばかりに飛び出てきたオレンジ君は双極の磔架を破壊するわで、うん、王道的展開ですねぇ、リアル出待ちとか。
この後は打ち合わせなし、被害を抑えつつここを空にするには……
多分、オレンジ君が出てきたって事は夜一さんも傍に居るから砕蜂と夜一さんが二人して消えるってのは打ち合わせ通り。
性格的に白哉君はオレンジ君に行くと、浮竹隊長と京楽隊長は話しが上手く行っても行かなくても山本総隊長を抑えるって話。
ならばと、玄海嬢ちゃんを極小モードにして海燕さんの耳元に寄せてこっそり打ち合わせ。
不意を打てば多分、副隊長一人と席官四人は無力化できるよな、多分、都さん辺りは合わせてくれると思うし。
と言うわけで、即席コンビネーション活劇とか、ちょっとやってみるかね。
てな訳で大まかな流れを書いて置きましょうか、海燕さんは斬魄刀解放して大量の水を召喚、丘って事を良い事にちょび髭さんと大前田君を巻き込んで崖下に押し流した。
それを俺がと言うか玄海嬢ちゃんがキャッチ、崖の下に無事お届けした後、そのまま紐状に変化して拘束しておく。
俺の方は丘の上に到着する直前に、斬魄刀のもう半分を地面に突き刺して、地中から八割を京楽隊長の所の眼鏡委員長に、残りの二割で都さん&十三番隊お騒がせコンビを触手的に拘束。
で、俺とは逆、わざわざ崖を登ってやってきた恋次君がルキア嬢ちゃんを受け取って逃げて、そのままオレンジ君は斬りかかって来た白哉君と戦闘に入り、海燕さんを取り押さえようと動いた砕蜂は夜一さんが攫って言って、何時の間にか逃げてた京楽隊長と浮竹隊長を追って山本総隊長が消えたと、うん、一気に書くにはなかなか動きが激しい展開だなぁ、漫画にすれば単行本一冊分かもしれん。
海燕さん以外は俺が捕まえた人しか居ない双極の丘。
とりあえず捕まえた人は縛道の九十九【禁】で拘束しておいた。
ナイムネは拘束しても面白くないなぁ。
そんな事考えてたら京楽隊長の所の眼鏡委員長にめっさ睨まれた、こえーよ。



 処刑当日 正午2

うん、オレンジ君半端ないわぁ。
現在、双極の丘の下で上空で繰り広げられてる白哉君vsオレンジ君の戦いを観戦してたりする。
丘の上で海燕さんとここじゃ白哉君の戦いの邪魔になる、移動しないか、良いだろう、ルキアが逃げるだけの時間は稼がせてもらう。
そんな感じのやりとりした後、拘束した四人を連れて丘の下の大前田君とちょび髭さんを捕まえてる場所まで移動した。
ちなみに、その後は四人の拘束解いて逆にちょび髭さんと大前田君を【禁】で拘束しておく。
ムームー言いながら芋虫みたいに悶えてるけど気にしない。
で、かくかくしかじかで事情を眼鏡委員長ちゃんに説明して観戦モードと相成ったわけだ。
京楽隊長を追いかけたそうにしてたけど正直な話、山本総隊長と浮竹&京楽両隊長の戦いに紛れ込んだら副隊長クラスだったら死ぬし。
隊長クラスでも、下手すりゃ余波で死ぬ、山本総隊長半端ない。
普段は半分ボケ老人なんだけどなぁ。
霊圧だけで呼吸困難とか普通にアリです、俺も昔一度やられた。
以前、お茶会で総隊長のお気に入りの茶碗割った馬鹿が居て、かまわんよ形あるものはいずれは滅ぶものじゃとか好々爺っぽく返したくせにだだ漏れの霊圧を殺気付きで茶碗壊した奴が受けて一瞬で気絶した。
うん、ありゃ無理だ、あの人にだけは喧嘩売ったらあかん。
そうこうしてると、隣に何時の間にか青春嬢ちゃんが来てた。
よっと片手を上げて挨拶したら殴られた、別れ際の発言に怒っての事らしい、根に持つなぁ。
警戒する何人かに仲間だと説明して観戦を続ける。
うーん、原作再現、感動ねとかうんうん青春嬢ちゃんが頷いてる。
どっち勝つと思うとか聞いたらオレンジ君とか言ってる、弟なんだから応援しろと言ったら、なんだか仲良いねとか言われた。
まぁ、青春嬢ちゃんより、ずっと付き合い長いからなぁ、白哉君とは。
特になんも考えずそう言ったら、そっか、白哉もライバルかとかなんか黒いふいんき(何故か変換できない)出してた。
いやいや、流石にBLとか無いから、そういえば昔、白哉萌えとか平子×一護萌えとか言ってたよな、この嬢ちゃん。
その事を指摘したら、やめてー、それは私の黒歴史ーとか叫んで転がった、ヤバイ、面白いな、このネタ。
嬢ちゃんからかって遊んでたら戦闘は終わってた。
なんか回りにジト目で睨まれてる気がするが、気にしないでおこう。
オレンジ君は双極の丘までやってきてた織姫ちゃんチームが回収してった。
うん、無事でよろしい、白哉君も瞬歩で移動したのが見えたから海燕さんにちょび髭の人と大前田君を任せて青春嬢ちゃんと白哉君を追った。







 処刑当日 昼過ぎ

感動の再会とか、まぁ、そんな感じかねぇ。
とりあえず、オレンジ君と戦い終わって隊舎に戻った白哉君と合流して、おつかれと傷の治療を始めた。
うにょうにょと傷口を玄海嬢ちゃんで塞ぎつつ、治癒鬼道で、HPを回復する。
で、俺の傍に立ってる髪の毛染めた青春嬢ちゃんを見て、白哉君は呆然としてる。
嬢ちゃんは白哉の頭をなでながら強くなったねと笑顔だ。
とりあえず邪魔せずに無言で治療を続ける俺。
白哉君は目を丸くして俺と嬢ちゃんを交互に見て、一息ついてからそうですか、生きてたのですか姉上と一言呟いた。
死んだと聞きました、むかつく奴に嵌められてね、義兄上は最初から知ってたのですか、それは結構最近かな?
と言った感じに割りと言葉少なめにお互いの近況を話しあっていた。
治療が一段落着いて、ラストバトルが待ってるよと双極の丘に向かう。
丘に向かう途中、卯ノ花隊長の所の副官から護廷十三隊の席官クラス及び旅禍に対して連絡があった。
なるほど、ついに動いた訳だ、青春嬢ちゃんと白哉君と顔を見合わせ、一度頷いてから双極の丘へ駆け上がった。
そこに居たのは片手に手の平サイズの結界に包まれた石のようなものを持った藍染惣右介と大怪我をして倒れ伏すオレンジ君と恋次君。
そして、今正にルキア嬢ちゃんと貫こうと斬魄刀を解放した市丸ギンの姿。
白哉君がルキア嬢ちゃんを庇うように抱きしめ、青春嬢ちゃんは瞬歩でオレンジ君と恋次君を回収する。
俺は解放した玄海嬢ちゃんを盾にルキア嬢ちゃんと白哉君の前に飛び出した。
市丸ギンの斬魄刀を受け止め、ルキア嬢ちゃんを回収して、恋次君とオレンジ君をこの場から離した。
藍染にやられたのか狛村隊長が倒れてるが若干、距離がある。
少し意外そうな顔をしたが、俺らを排除しようと藍染は刀に手を掛ける。
あ、こいつに刀抜かれたらヤバイな、と一瞬脳裏によぎったが、その予測は実現しなかった。

「悪いけどな、後は俺等の仕切りやで」

その一言と共に俺らと藍染を遮るように結界が張られ、莫大な霊圧が丘を覆い尽くした。
虚の仮面を付けたハッチさんが結界を作り出したのが辛うじて目に入ったが、そのすぐ後で何重にも黒い結界が張り巡らされその姿は見えなくなった。
後は、俺らは俺らの仕事をするだけだ。
続々と集まっている隊長格、事情を知る者に知らぬ者。
それらが全員、この双極の丘へと集まった。
居ないのは結界に呑まれた藍染・市丸・東仙の三人。
副隊長格では藍染と市丸の所の副隊長は現れなかった。
そんな中、西以外の瀞霊廷の門番が現れ結界を破壊しようとしたがこの早々たるメンバー相手にどうにかなるわけではなく、西の門番とボインの姐さん系の人の協力もあって鎮圧される。
はてさて、このまま楽できると良いけど、そう言うわけには行かんだろうなぁ。






 処刑当日 昼過ぎ2

狛村隊長の治療を卯ノ花隊長と副隊長の虎徹勇音ちゃんと三人がかりで終わらせる。
最初は後回しで良いと固辞したが、この後の事を考えると先にやって置いてもらわないと困る。
その後はオレンジ君と恋次君だけどな。
青春嬢ちゃんは浮竹隊長や京楽隊長、山本総隊長等の手が空いてる隊長を相手に現状の説明を。
それぞれの副隊長は隊に連絡して警戒態勢を取らせていた。
砕蜂も隠密機動に指示を飛ばしている。
時間にして、数分だったろうか、狛村隊長の治療が終わり、他の怪我人、オレンジ君達は織姫ちゃんに治療してもらっている。
そんな最中、空が割れ、空間の裂け目から大虚の大軍が現れた。
藍染達を探しているのか、目をぎょろぎょろさせて尸魂界を見回していたが、見えないと判ると叫び声を上げて大量に空から降ってくる。
全く、出来れば一生、大虚なんて奴に会いたくは無かったんだがなぁ。
双極の丘に立つ隊長・副隊長達はそれぞれ特に巨大な霊圧に向かい丘を飛び立つ。
総隊長は丘の上で檄を飛ばし、俺も迎撃に向かう為に丘を飛び立った。

「さてと、最後の大仕事ね、玄之丞、死んだら許さないからね」

俺の右手側で青春嬢ちゃんが斬魄刀を解放し、斧槍を振り回しながら言った。

「私は霍乱に回る、玄之丞、足を引っ張るなよ」

砕蜂は俺の左手側に現れて、それだけ言って隠密機動を率いて大虚に向かっていく。
俺は首に絡む細い手の感触を感じながら、もう、責任を負うのが面倒とか、危険を避けるとか逃げ道を作るのはやめようなんて似合わないことを考えている。
今回の事件は、色んな人に助けてもらったからなぁ、もう少し真面目にがんばろうか、そんな事を思っていた訳だ。
とりあえず、最初にするのは卍解の事を隠すのは止めようとかそんな事。
俺の実力を考えると、大虚を相手にするにはどっちにしろ卍解あった方が確実だしな。

「さてと、行こうか玄海、青春嬢ちゃんも、砕蜂も、あー、うん、なんだ、ちょっとばかり真面目にやろうと思うんだがどうよ?」

「ふんだ、前から言いたかったけどね、玄之丞、卍解できて第三席とかサボりすぎ、真面目にやるのが当たり前ってもんよ、ちゃんとやんなさい」

「はいはい、それじゃ行こうか」

「おっけー、じゃあ始めよう」




「全界遍く、呑み干せ『北洋玄海』!!」
「全天遍く、轟け『春雷青龍王』!!」







 あとがき

 もうちょっと続きます。



[6509] エピローグ『金崎玄之丞の憂鬱』
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/06/18 13:34

『金崎玄之丞の憂鬱』






 尸魂界の大虚襲撃事件から数ヶ月の月日が経った。
 なんと言うか、正に総力戦といった戦いで、割りと多くの死神が死んだし、席官も数人亡くなった。
 公式では、副隊長の死者は無し、藍染惣右介、市丸ギン、東仙要の三人の隊長が最大級大虚(ヴァストローデ)と戦い命を落とした事になっている。
 なっていると言う事は事実とは違うわけで、どう言う経緯かは判らないが、ハッチさんが張った結界の中で平子さん等に倒されたようだ。
 後で、聞いた話によると、ルキア嬢ちゃんの体の中から取り出された石みたいなのは藍染が欲しがってるものじゃなかったようだ。
 浦原さん謹製の特定の霊圧を感知して暫くすると所持者の霊体を分解する一種のトラップの類だったらしい。
 特定の霊圧って言うのがルキア嬢ちゃんから石を摘出する為に使った道具の操作霊圧だって言うから驚きだ。
 罠が発動して腕がドンドン崩壊していく藍染を見て。

「そう言えば昔に言っとったなぁ、見える裏切りより、見えへん裏切りの方が怖いて。俺も言っとくわ、見えへん反撃を受けた気分はどうや?」

 とか、まぁ、そんな事を言ってやったらしい。
 よっぽど頭に来てたんだろうなぁ、当然だとは思うけど、うん、人に恨まれないように生きていこうと思う。

 双極の丘の結界が解かれたのは大虚を撃退してからだいたい一日後。
 殆んどが満身創痍だったが一人も死者は出なかったそうな。

 彼等は数日の間、尸魂界に滞在して皆現世へ帰っていった。
 多分、四十六室が生き残ってたら彼等は全部処刑せよとかそんな命令が出てたんだろうけどな。
 その命令を出す四十六室は既に無く、その権限を一時的に受け継いだ山本総隊長は彼等の助力と尸魂界に現れたと言う事実を無かった事にした。
 つまり、旅禍に偽装した虚の先遣隊が瀞霊廷で暴れて、後続の大虚を先遣隊ともども護廷十三隊で撃破したとかそんな感じの筋書きになった。
 結果、彼等には恩賞も罰も共になし傷を治した後、極秘裏に現世へと追い出される事になったわけだ。

 ただ、浦原さんと尸魂界の繋がりが再び結ばれたらしいので、虚化の治療が出来たなら尸魂界への帰還は許す事になった。
 京楽隊長たちみたいに、平子さんたちと個人的な友誼があった人間が色々と取り成すように努力した結果らしい。
 リサちゃんと沢山話をしていた京楽隊長と副隊長の眼鏡委員長ちゃんが印象的だった。
 あと、何故か修兵君が六車ヤンキーさんに懐いてた、向こうは誰だっけ的な顔してたんだが、修兵君、ビジュアルに似合わず結構影薄いからなぁ。

 青春嬢ちゃんは朽木家に戻って、白哉君、銀嶺元隊長、ルキア嬢ちゃん、そして何故か俺で色々長い話をした。
 嬢ちゃんの扱いも平子さん等と同じ扱いな訳で、数日後には尸魂界から出て行かないといけない。
 白哉君と銀嶺元隊長にちゃんと戻って来いよと言われていたし、ルキア嬢ちゃんも姉上の帰還、お待ちしています、そう言って友好関係を築いているようだ。



 旅禍達も無事に現世へと戻っていった。
 戦闘馬鹿繋がりでオレンジ君は十一番隊と仲良くしてたなぁ。
 剣八のおっさんの機嫌が滅茶苦茶良かった、矛先が他所向いてると安心できて良いね。

 織姫ちゃんには尸魂界に居る間に写真を大量に撮らせて貰った。
 うん、撮った写真は登山の会の会報に載せたんだが、エライ反響だったなぁ。
 企画予定の現世の空座町ツアーへの予約申し込みがひっきりなしだ。
 京楽名誉顧問も加えて、登山の会はますます盛況だったりする、おっぱい。

 そう言えば京楽名誉顧問の所の第三席がここの事を聞きつけてちっぱいちっぱいとか叫んでる。
 砕蜂萌えとか無謀すぎると思うんだけどなぁ、そのうち弐撃結殺とかされるんじゃなかろうか?
 彼の冥福を祈る、いや、死んでないって?
 時間の問題だと思うんだがなぁ……



 旅禍と言えば、一つだけ、驚きの事実が判明した。
 事件の後、任務で俺が現世に行った時、義骸に入って青春嬢ちゃんと一緒に空座町をうろうろしてたんだが、最近見かけない知り合いを見かけた。
 十一番隊の元隊長、涅印の栄養ドリンクのせいで霊力を失ったあの人が町を歩いていたんだよ。
 何で居るのか判らないが、声を掛けると正に本人、人間と全く代わらない義骸に入って第二の人生をエンジョイしてるらしい。
 これって良いのかと思ったが、思いっきり違法だけどばれなきゃいいんだよとか言ってるよこの髭達磨。
 医者をやってるとか、本気で似合わないなぁ。
 でもまぁ、このおっさんには世話になったし、絶対ばれるなよと念を押してからその場は別れた。
 ちなみに話してる間中、青春嬢ちゃんはぽかーーんとしていた。

「玄之丞、なんで一心さんと知り合いなのよ」

 とか叫ばれてもなぁ、おっさんが十一番隊の元隊長で剣八のおっさんの前任者だと説明したら意外すぎる繋がりとか呆れていた。
 こんな所で正体判明するとか、流石の私でも意外だわとかなんとか。
 この後、おっさんがオレンジ君の父親だと言う話を聞いた、奥さんが美人だと言う事も。
 遠くから見てみたら、マジデ美人過ぎる、なんと言う美女と野獣とか唖然とした。
 顔は母親の血で見れるけど、中身はまんま父親似立ったわけだ、オレンジ君は、そりゃ十一番隊と肌が合うわけだなぁ、納得。
 しかしまぁ、変な所で変な縁があったもんだわ。



 あぁ、それと、とうとう俺がタイムスリップした原因がわかった。
 事件が全部終わって、俺のタイムスリップの原因を探る為に一時期、地上勤務をしていた訳だが、過去に飛んだはずの時期になっても一向に飛ぶ気配が無い。
 困った時の浦原えもん、青春嬢ちゃんを伴って相談に行った。

 飛ぶ直前に何処に居たか、何時の時期か、何か代わった事は無かったかと色々話をしていたんだがどうもよく判らない。
 そんな中、青春嬢ちゃんがもしかしてと思い当たる所があったそうな。
 原作とやらに関わる話らしい。
 俺が過去に飛んだのは藍染の事件があった数ヵ月後、場所は空座町に用事があってたまたまそこに行ってた時の話だった。
 ちゃんと俺は空座町に訪れてたし、用事を済ませて無事に出て行った。
 この話を聞いて、青春嬢ちゃんはもしかして断界で拘突に巻き込まれたんじゃないかって推理した。
 確かに無理やり尸魂界に行こうとすれば時々過去や未来の尸魂界に辿り着く場合がある。
 だが生身の人間が、更に過去に100年単位で飛ぶとかありえないと思うんだがなぁ。
 そう言ったら、原作とやらで町ごと尸魂界に避難させるって言う事件があったんだそうな。
 個人で行くよりよっぽど安定しないだろうし、尸魂界から現世に戻る時に人間一人が過去に飛ぶ事だってあるんじゃないかって。
 それを聞いた浦原さんがその可能性はゼロじゃありませんねと言って青春嬢ちゃんの意見を肯定して見せた。

 なるほど、じゃあ、その事件が無かったから無事過去に飛ばなかったわけだと、一応納得。
 しかしその事件、藍染関係の事件らしい、つまり奴のせいで俺は過去に飛んで死んだのか。
 知らずに自分の敵討ちの手伝いをしてたんだなぁ、我ながら驚きだ。
 これで、俺の問題はひとまず完全解決って事だなと、安心した。




 そう言えば、白髪少年とか卯ノ花隊長が何してたかに触れてなかったっけなぁ。
 簡単に言えば、白髪少年は市丸が怪しいと睨んで色々調べてたらしい。
 で、藍染の策略手紙に踊らされて五番隊の副隊長である雛森ちゃんとあれこればとったりしてたようだ。
 その流れで、四十六室が怪しいと処刑当日に其処に向かって生きてた藍染に手玉に取られて雛森ちゃんは刺されて、自分も危なく切り捨てられるところだったらしい。
 そこでたまたま、浮竹隊長と京楽隊長の要請で卯ノ花隊長が調査にやってきて、間一髪、藍染の一撃を卯ノ花隊長が防いだんだとか。
 その後、空間転移で藍染は去り、雛森ちゃんを治療しつつ、双極の丘に白髪少年と卯ノ花隊長はやってきたと、そういう流れだったらしい。
 そういえば、この事件の間、全く白髪少年とグレートおっぱいを見かけないなぁと思ってたら見事なまでに全然別の所で頑張ってた見たいだなぁ。





 うん、これでこの事件の事後処理関係の話は終わりだ。
 まぁ、色々大変だったけど、なかなか有意義な百年だったと思うよ。
 え、俺がどうなったかって?
 別に聞いても楽しい事じゃないと思うんだがなぁ。

 あの後、隊長が三人死に、新たに隊長を選ぶ事になったわけだ。
 白哉君に卍解を見せてどうどうと瀞霊廷内で暴れた恋次君は見事に候補に選ばれた。
 当然、大虚相手に卍解を見せた俺も砕蜂に浮竹隊長、京楽隊長に剣八のおっさん、白哉君に卯ノ花隊長にまで推薦を受けた。
 流石にここまで来たら第三席が良いとか言ってる場合じゃ無いわなぁ。
 隊長になるのはしょうがないとしても、出来れば九番隊辺りで修兵君とおっぱいおっぱいやっていたかったんだがなぁ。
 わりと隊長への忠誠心が強かった三番隊と五番隊から優先して個人の影響を取り除きたい、そんな思惑があったらしい。
 恋次君は三番隊の隊長に、俺は五番隊の隊長に任命されてしまった。
 副隊長は据え置き、当人である雛森ちゃんは、まだ藍染の事が好きらしい。
 好きな人に裏切られたのは辛いんだろうな、俺の周りにはなんだかんだで良い奴ばっかだったから気持ちが判るとは言えんけど。
 とりあえず、ゆっくり傷を治すといいんじゃないかねぇ、白髪少年も何度も足を運んでくるし、俺としてはおっぱい乱菊ちゃんが一緒に顔出してくれてバンバンザイなわけだが、うん、案外五番隊も悪くない。



「おい、そろそろ行かないと隊首会に遅れるぞ」

 あぁ、もうそんな時間か、面倒だなぁ。

「ふん、相変わらず貴様はだらけきっているな」

 そうでもないよ、割りと仕事はちゃんとしてるはずだけど。

「そうだな、だらけきっているのは貴様の顔だったな」

 ひでぇ、ひでぇよ、もう少し言葉をオブラードに包んで欲しいなぁ。

「そう言えば……朽木青春とは会ってるのか?」

 現世に降りた時は大体会ってるなぁ、仲良く玄海嬢ちゃんと遊んでるよ。

「そうか、虚化は治りそうか?」

 浦原さんが何かいい案が出来たそうな、尸魂界に戻ったら、また一から死神として再スタートするとか言ってたっけなぁ。

「まぁ、そんな事はどうでも良い。今晩は何か酒が飲みたい気分だ」

 おーけー、良い酒持ってくよ。

「そうか、じゃあ、私は先に行く」

 ういういっと、じゃ、そろそろ俺も準備しますかね。




 そう言えば、日記も大量に溜まったなぁ。
 これって、青春嬢ちゃんとか砕蜂に読まれたら俺死ぬんじゃね?
 こっそり燃やしといた方が良いかもな。
 ん? どうした玄海嬢ちゃん、いきなり具象化して。

「……砕蜂と青春は好き?」

 あー、その話題かぁ、難しい問題だなぁ。
 砕蜂は飲み友達って感じかな、青春嬢ちゃんはどうだろう。

「青春は玄之丞の事が好き」

 それは、一応判ってるんだけどな。
 ずっと、なんと言うか、妹分って感覚だったからなぁ、恋愛対象として見るのが酷く難しいんだわ。

「うん、判る。それって私の事もだよね?」

 あぁ、そうだな、そんな感じ。
 てか、やっぱ、冗談抜きで本気なんだよな?

「うん、そうだよ、でも、別に急がないけど」

 そうなん?

「だって、玄之丞と私は死ぬまで一緒だし」

 それは確かにその通りだなぁ。

「だから死ぬまでに絶対私の玄之丞になってね?」

 あぁ、考えとくよ。






 そんな会話が有ってから数日後。
 なんとなく地上で青春嬢ちゃんと会話をした。

「そろそろ尸魂界に戻れそうよ」

 おぉ、そりゃめでたいな、平子さん達はどうするんだ?

「リサちゃんは京楽隊長の家に転がり込むんだって、七緒ちゃんが本妻であたしが愛人やとか言ってたけど、本気かな?」

 七緒ちゃんかぁ、眼鏡委員長の子だな、真面目そうだからリサちゃんの良い玩具になりそうな気がする。
 なんと言うかご愁傷様かなぁ、傍から見てて京楽隊長ラブだし、素直になればいいのに。

「それを玄之丞が言う? 私が言うのもなんだけど、多分、私が尸魂界に戻ったら墓場行きになるよ?」

 あぁ、やっぱり?
 白哉君とか、銀嶺隊長とか、ルキア嬢ちゃんとか滅茶苦茶乗り気なんだよなぁ。
 隊長にまで上り詰めたなら朽木家の婿として相応しいですなとか家令の爺ちゃんとかがボソッと言うんだぜ。

「別に嫌なら、私がなんとか言ってあげても良いけど……え~っと、あの、どうする?」

 お前なぁ、嫌なら嬢ちゃんの前でわざわざ悩むかよ。
 俺って、巨乳とか本気で好きなんだけどなぁ、なんで青春嬢ちゃんが嫌じゃないのか謎過ぎる。

「……なんか、大いに不満があるけど、まぁ、言いたい事は判ったつもり、勘違いしてないよね?」

 まぁ、してないんじゃないか?
 多分、色々大変だと思うけどな、具体的に言えば玄海嬢ちゃんとか玄海嬢ちゃんとか、玄海嬢ちゃんとかな。

「大丈夫よ、ぶっ飛ばしてから何とかするし」

 頼もしいこって、じゃあ、さっさと虚化治療して尸魂界に戻って来いよ?

「りょーかい、首を洗って待っときなさいよ?」

 へいへい、あーあ、とりあえずもう暫くは楽しい楽しい独身生活をエンジョイさせてもらうとするかねぇ。
 登山愛好友の会の会合も出治めかー。

「登山とかするんだ、知らなかったなぁ、ちゃんと健全な趣味あるんじゃない」

 おう、健全健全、男として生まれたからには山を愛さない奴の方が不健全って奴だ。

「良く判んないけど、別に止めなくていいよ? 私が趣味とかにまでいちいち口出しとかする面倒な奴に見える?」

 お、マジで、そりゃ助かる。
 そっか、公認なら安心できるなぁ、よし、登山の会、超頑張りますか!




 とまぁ、こんな所で俺の死神ライフはまだまだ続くわけだがひとまずの区切りを迎えたわけだ。
 ちなみにこの後、登山の会の活動内容がばれて春雷王を振り回しす青春嬢ちゃんから逃げ回るなんて事もあったりした。

 玄海嬢ちゃんは相変わらず、気まぐれに具象化して気まぐれに俺にまとわり付いてくる。
 特に青春嬢ちゃんと一緒の時には確実に出てきて喧嘩になったりするのが日常風景ってのは悲しむべき事だと思うんだがなぁ。

 砕蜂とは相変わらず酒飲み仲間だ。
 酔っ払ってごろ寝して翌朝なんでか寝ぼけた砕蜂に関節技を掛けられて目を覚ましたり、それを青春嬢ちゃんに目撃されたりなんて事もあったが概ね良い友人関係を結べていると思う。
 友人、友人だ、本当に友人だって、落ち着け、青春嬢ちゃん。

 うん、まぁ、あれだ、色々気苦労が耐えない憂鬱な日々だけど、わりとそれが気に入ってるんだよなぁ。

 よし、今日も登山の会に顔出して( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!してくるか!




 ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!





 金崎玄之丞の憂鬱 完



 後書き

 とりあえず完結です。
 スイマセン、超お待たせしました。
 当初のペースなら4月には終わってても不思議じゃなかったんですけどね。
 某SS書きの人には玄之丞より先に完結するとは思わなかったと言われてリアルに凹んだりしましたしorz
 とりあえず、色々微妙に張ってた伏線は一応、回収したつもりです。
 長らくお付き合い頂き、ありがとうございました。



[6509] 判りにくい日記の時系列を解説してみた&質問に答えてみた。 5/7 追加
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f
Date: 2009/05/07 19:57
本編のネタバレとかあるので読了後推奨です。














































原作130年ほど前
 金崎玄之丞 タイムスリップ&死亡 西流魂街1地区『潤林安』にて生活が始まる。

原作120年ほど前
 金崎玄之丞&朽木青春 真央霊術院にて死神見習いになる。

上記より2年後
 金崎玄之丞&朽木青春 真央霊術院での全過程終了。

同年4月
 金崎玄之丞&朽木青春 六番隊に入隊コンビを組む。

同年9月
 金崎玄之丞 斬魄刀の始解に成功。

上記の翌年の4月
 朽木青春 六番隊第三席就任。

原作より101年前
 魂魄消失事件 朽木青春 虚化そして行方不明に。

同年春頃
 金崎玄之丞 六番隊第三席就任。

翌年春頃
 朽木白哉 六番隊入隊

原作100年前~原作60年前の間
 朽木白哉 六番隊副隊長就任

原作55年ほど前
 朽木白哉 緋真と出会う。

同年5月
 金崎玄之丞 卍解習得、本人的に致命的な業を背負う。

原作55年前
 朽木白哉 緋真と結婚。

原作55年前~50年前の間
 十一番隊隊長 決闘により更木剣八が就任。
 十一番隊副隊長 草鹿やちるが就任。
 十一番隊席官 全滅&入院により隊機能激減。

原作54年程前
 ルキア、阿散井恋次、雛森桃、吉良イヅル 真央霊術院に入学。

原作50年前の初春
 朽木緋真 死去。

原作49年前
 ルキア 朽木家の養子となる。

同年春
 朽木ルキア 護廷十三隊十三番隊入隊。

原作48年ほど前
 雛森桃、阿散井恋次、吉良イヅル 真央霊術院修了。
 雛森桃、阿散井恋次、吉良イヅル 護廷十三隊五番隊入隊

原作45年ほど前
 金崎玄之丞 朽木青春と再会。
 金崎玄之丞 仮面の軍勢&浦原商店と協力関係を結ぶ。

同年冬
 金崎玄之丞 運命と遭遇(おっぱい)

原作44年ほど前
 金崎玄之丞 射場鉄左衛門、檜佐木修兵と共に男性死神登山愛好友の会を発足(おっぱい)。
 金崎玄之丞 開眼、生褐色の魅力に堕ちる(おっぱい)。



※特殊な出来事には(おっぱい)の注釈が付きます。




卍解習得は大体、死神になって65年ほど経ってから。
才能がある人が10年修行とか言ってたのでそれほど早くは無いと思うのですが。

2009/02/17
年表追加、それだけじゃ寂しいので感想の質問に答えてみる。

>主人公の外見年齢
100年前の時点で大体20代前半。
現時点では25~28歳くらいかな?
どんどん、玄海との年の差が犯罪染みてきてますなぁ。

>玄之丞って斬撃よりも鬼道の方が得意
そうですね、どちらかと言えば。
原作で言う、副隊長向きな能力してます、素で。
鬼>斬>走>拳の順で得意。
鬼なら白哉より得意ですね。

>青春以降も全く女縁が無い
勘違いと卍解と顔と口の悪さのせい。
砕蜂とは一部の交友関係を知ってる人には邪推されてるくらい。
飲み友達とはいっても店とかで酒を飲むタイプじゃないかなぁ。

>さり気にお菓子をおいてってくれる娘が気になる。
同僚です、背景です、技術開発局のお嬢ちゃんとか十三番隊で浮竹とか海燕やらにお茶入れてるお嬢さん的な背景によく居る人な位置づけ。

これくらいかな?

追記
>青春の呼び方。
そのままですね、せいしゅんで、イントネーションは青春時代のせいしゅんじゃなくて、頭を上げる感じで、「せい↑しゅん↓」かな。

2009/02/17・夜追加
年表と質問への回答を追加します。

>卍解のサイズ
次回をお楽しみに。

>外見年齢について
決まる要因は個人的には精神年齢とか活力とかかなぁと思ってます。
時を重ねて落ち着いてきたら壮年に近付いてって、夢とか希望に溢れてたら若々しくみたいな。
まぁ、そう簡単に年をとらないと言う意見ももっともですから25歳位を公式回答にさせて頂きます。

2009/02/18
斬魄刀の能力とか載せて欲しいと言うことなので載せてみます。

斬魄刀名:『玄海』
所有者:金崎玄之丞
形状:短刀、握りの部分は黒く派手さはない。
始解:鬼道系?/形状変化系。黒いバスケットボールサイズの球体に変化する。固体に見えて実は液体で形状は自在。強固さと柔軟さを併せ持っていて防御力は通常の斬魄刀と桁違い、破壊されたとしても液体なので形が変わっただけ。反面、攻撃力としては通常の斬魄刀並み刀や槍には形状変化出来るが特筆した攻撃能力は持たない。体積の全てないし半分を斬魄刀の意志が、残り半分を所有者が操作する事ができる。液体という性質を利用して人体の内部に入り外傷を塞ぐ事ができるが、あくまで塞ぐだけなのでその上で治療の鬼道などを使わないと怪我は治らない。斬魄刀の意志と感覚を共有させる事で遠くに移動させた斬魄刀を使っての偵察みたいな事が可能。所有者はこの斬魄刀に触れない事ができる。
卍解『北洋玄海』:巨大化系。解放の掛け声は「全界遍く呑み干せ~」。始解の能力そのままに体積・質量が圧倒的に増える。所有者の上空に浮かぶ球形で現れる場合が多い。半分を自動防御の防御壁として、半分を圧縮して武器として使う場合が多い。剣は白哉の『千本桜景厳終景・白帝剣』のようなもの(と言うかぱくった)で卍解戦力の半分を剣一つに圧縮することで攻撃力の不足を補っている。全てを防御に回すことでかなり強固な守りとなる。所有者の鬼道、攻撃などは斬魄刀本体を素通りする。
※戦力は斬魄刀の意思により上下する、具体的には嫉妬パワーとか持ち主の危機とか。所有者はこの事に気付いていない。


斬魄刀名:『春雷王』
所有者:朽木青春
形状:打刀、通常サイズの日本刀。柄色は青で装飾は華麗。
始解:鬼道系・雷撃系・形状変化系。解放の掛け声は『天声轟け~』。鞘を柄に、本体を斧に変える鬼灯丸と同じような変化をするハルバート。柄色は青で斧には竜の模様が描かれている。頑丈さと破壊力、刀身に帯びた雷撃で攻撃する。回転などのタメを行う事で電撃を蓄積して破壊力を増す。
卍解『春雷青竜王』:召喚系。青い竜(東洋の竜)を召喚する。竜は雷撃を操り、自分自身の意志で行動する。自分自身を電撃に変え自らを砲弾とすることが可能。


2009/02/19
今日の質問に回答。
>玄海嬢ちゃんに全部やってもらったほうが強くね?
防御専念と攻撃専念は他がおろそかになる分その分野に関しては凄いですよね。
斬魄刀玄海を二つに分けて攻撃専念と防御専念することで分割思考モドキしてるので超天才の皆さんに対抗できてるんじゃないでしょうか。

>青竜王は鬼道だから断空が効いたのか?
イエスです、と言うか鬼道系の斬魄刀なので電撃が鬼道なんでしょう。
青竜の特徴は実体と電撃を任意で切り替えられるところなので状況に応じてどちらにもなるのが利点かな?
あの技は複数属性を持ってるので単一の防御じゃ防ぎづらいがコンセプトかな。

>玄海とか硬すぎないか?
尸魂界でNo.1かはまだまだ出てない斬魄刀とかあるし不明です。
とりあえず、分厚い・硬い・壊れない(壊れても直る)ので……何このチート。
とりあえず硬いと思っていてください。

>我愛羅そっくり。
元ネタのひとつです。

>玄海の技色々
とりあえず分裂はしません、主人公が攻撃力は鬼道で充分と考えてるからです。
攻撃に体積を使えばその分防御が薄くなりますしね。
一種のはぐれメタルだと思ってください。
体の中に侵入して破壊とか涅マユリじゃあるまいしw
侵入した分に意識を裂かないといけないので非効率かと。
とりあえず、剣を突き刺したら剣が体内で無数のトゲに変化して内側から突き破るくらいはしそうですが。

2009/02/20
>主人公、ウルキオラに勝てない?
流石に倒せないと思う、多分、間違いなく攻撃力が足りない。
てか、そこまでチートと思われてるのか主人公w

>運命=オッパイ?
( ゚∀゚)o彡゜オッパイ!オッパイ!

>蜂紋華って消えるの?
うちでは始解解くと消えると言う設定です。
ちなみに、主人公で練習してるので既に完成しています、ニ撃必殺!


2009/02/21
>白哉の絵ネタ
実は割りと公式です、絵とか描かなかったけど砂の像で似たようなのコミックで作ってます。
水墨画にしたのは書道教室開いてるそうなのでありそうだなって感じで。

>我愛羅の砂漠葬送とか出来るんじゃない?
今回、似たような事やってます。
でも、きっと鬼道の方が破壊力大きいと思う。

>二撃必殺ってあるけど弐撃結殺じゃね?
その通りでした、でもまぁ本人が言ってる訳じゃないので主人公が勘違いして覚えてるでFAと言う事にしたいと思います。
コミックで確認しましたが、あの模様って砕蜂が消そうと思わない限り消えないそうです、昔は時間が経つと消えてたみたいですが。
そういう意味ではマーキングと言うのは正しい、見えないところで消えずに残ってると思います、背中とか。

>TV版のオリジナル話
黒歴史って事でひとつ、コミックとWiki準拠で行きたいと思います。

>青春嬢は主人公をどう思っているのか?
あのまま時が流れて銀嶺さんにお膳立てされたら、ま、それもいっかで許容するくらい?
主人公は逃げる、夜一さんとか乱菊さんの巨乳に、でも捕まって俺は巨乳がすきなんだとか言いながら披露宴?

>砕蜂は俺の嫁
じゃあ、夜一さんは俺の嫁……あれ? なんだこの模様?

>いきなり隊長格の霊圧が消えたら逆に不審に思われそうな気が。
普段からある程度、霊圧は垂れ流してないと判断しました。
じゃないと隊長格の周りでは一般死神がパタパタ倒れる謎現象が……
警戒をすり抜けるために抑えた霊圧を完全に隠すアイテムが欲しかったからあんなんなりました。

>おっぱいはみんな等しくおっぱいなんだよ派に移行してほしい
きっと、どうしようもなくなってひんぬーに手を出す羽目にならない限り無理だと思う。
それでも、巨乳>並乳>>>貧乳くらいかな?
越えられない壁は撤去されますた……みたいな?

>海燕助けたらルキアのイチゴフラグ消えますぜ。
イチゴフラグなど既にありませんがなにか?
ブラコンルートに突入しております。
死神能力譲渡フラグは地上勤務がなくなるわけじゃないので消えないと思うんです。

>オリの名前とか技名とかの読み方がよくわかりません
朽木青春(くちきせいしゅん)、金崎玄之丞(かなざきげんのじょう)、虚閃・青竜哮破(きょせん・せいりゅうこうは)。

>雛森「くん」を育てたい派は誰なんだろう
吉良イヅルです、彼は雛森桃の呼び方が実は安定してないので雛森くんとも、雛森さんとも呼んでます。
余裕無くなった時に呼んでたほうが雛森くんだったので多分、霊術院の頃はそう呼んでたんじゃないでしょうか?

>( ゚∀゚)o彡゜オッパイ!オッパイ!
( ゚∀゚)o彡゜オッパイ!オッパイ!

感想多すぎてガクブルしてます、やばい、これはよほどきちんと終わらせないとカミソリコメントとか来る。

2009/02/22
>( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい!
( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい!

2009/02/23
>恋次君はおっぱいの会に入る予定あります?
入った瞬間、白哉に粛清されると思います、玄の字にちくられて。

>玄海嬢の能力上限の基準って?
巨乳・上昇、女・上昇、命の危機・上昇、敵・上昇、主人公が仲の良い女性・更に上昇、こんな感じじゃないかな?

>鬼道が得意+夜一と砕蜂と仲がいい=瞬閧が使える?
ないない、どんだけ主人公をチートにしたら気が済みますかw

>形が自由に変わるんなら擬似「BIG-O」が創れるんじゃないかっ!!?
絵心無いので難しいなぁ……リアルに答えてみる。

>玄海嬢ちゃんの球体の中に飛び込んだら嬢ちゃんのテンション急上昇→無敵防御化フラグ
死神って呼吸してますよね、多分。
きっと、玄海嬢ちゃんの愛に溺れるかと……物理的に。

>この時点で一角が卍解使えたらソウルソサエティ編で一護負けるんじゃね?
尸魂界編でも使えてたんじゃないかな、瀞霊廷内で使ったらばれるんだよ多分。

>主人公は鬼道使わないと一角と互角って事?
>でも一角って他の隊だと副隊長レベルなんだっけ?
>つまり本気を出した主人公は…
相性の問題もあるんじゃないかな、始解の時は単体物理攻撃に強いし。
よほど実力差が無ければ引き分けに持ち込む男とか?

>主人公の黒いあれを使えば触手プレイができるはず
考えなかったとでも思ってるのか、自重しましたw

2008/02/24
>グランドフィッシャー倒したら真咲さんは存命?
青春嬢ちゃんが頑張りました、とある事情から浦原さんも。

>おっぱいの会は男性死神協会と関係が?
一応別組織、カラブリ+を持ってないので一応スルーしてます。

>主人公の斬魄刀の映像イメージ。
特に無いですね、普通に装飾の全く無い真っ黒な玉なんでそのまんまで想像してもらえたら。

>一角が卍解を易々と他人に見せるのに違和感
弓親だけが知ってるんなら身内以外に見せないで良いと思うんですが、弟子の恋次も知ってるので一緒に頻繁に訓練してて言い含めておけば人に話す事は無いし他の隊に推挙もそうはしない人間なら状況次第で教える事もあるかなーと判断してああなりました。

>前六番隊副隊長ってカラブリに出てきた眼鏡屋の女性のじーさんじゃね?
存在は知ってましたがカラブリ+持ってないので軽く匂わせた程度で。
白哉君と主人公が居たので世代交代かなみたいな感じで原作より早く引退してるかも。

>青春はまだ幼女?
主人公の照れ隠し的な嫌味です。
身長低くて胸が無い合法ロリな青春嬢ちゃん。
どう頑張っても中学生にしかみえ……ん? 季節はずれの雷か?

2009/02/26
>主人公はNO4のウルキオラには勝てなくても、巨乳、敵、女と玄海の能力上昇の条件を満たしまくっているNO3のハリベルには勝てるような気が・・・。
時間稼ぎくらいなら出来るかも?

>青春嬢の義骸が特別製の義骸とありますが、原作でルキアが入っていた義骸ですか?
おそらくですが仮面の皆さんが着てる義骸と同じものです。
尸魂界脱出の時に浦原さんが頑張って作った奴ですね。
探知できない代わりに回復できない義骸でしたっけ、着たり脱いだりしてるんだと判断して隠密行動用にも使えるみたいな扱いにしてます。

>そういえばグランドフィッシャーを玄之丞が過去に倒したなら真咲さんも存命なのでしょうか?
生きてるんじゃないでしょうか、多分。
今の所ははっきりと判明しませんが。


2009/03/01
>空鶴おっぱい
海燕さんが教えてくれない気がします。
事件が終わって出てきたらチェック入れると思うけど。
実家に戻ったらなんでお前が居る的な。

>玄海を玄ノ丞の体内に入れて戦えば
玄海が身もだえして喜びそうな技ですね、一心同体、うふふふふ的な。

>ここの海燕は脳筋なんですね
いくら優秀とか言われても一護そっくりとか言われた時点で脳筋にしか見えない海燕さんが素敵。

>オッパイグラサン
そこはかとなくシースルーでおっぱいが見えるんですねおっぱいにガラス的な。

>都さんって、お茶飲んでるときに隊長に玉露、副隊長に安っい番茶上げた人だと思ってる
採用、以後都さんはあのビジュアルと設定で脳内再構成するとします。

2009/03/09
>別にわしはかまんのじゃがなの部分
かまわんのじゃがな、ですね、夜一さんにカマンとか言われたい。

>おp好きはマザコン
男はみんなマザコンだよ!=(意訳)=男はみんな巨乳好きだよ!

>早く織姫のおっぱいぶんを!!
玄の字はぶらじゃーおっぱいに遭遇した。
そろそろ玄の字は死んで良い。

>今、俺、超シリアスにおっぱいしたい。
誰だ、捜索掲示板で晒した奴はっ!w

2009/03/15

>斬魄刀の読み方
げんかいです、捻りも何も無し!

>干し柿よりも甘いお爺ちゃんとかコーラを飲めばげっぷが出るとか
元ネタ判る判らないに関わらずなんとなく耳にした覚えのあるネタは入れてますw
かきみーらは素晴らしくナイスなネーミングだと常々。

>巨乳溺れてで溺死しろ
よろこんで!

>水を圧縮し、レーザーのように
出来なくは無いかもしれませんがそこまで考えてないのは間違いない。
玄海を武器で使うより鬼道使った方が手っ取り早いとか考えてる気がします。

>海燕とオレンジ(笑)が遭遇したらどうなるんだろう?
こうなりました、主人公属性は海燕さんが持ってった、あれ?

>ノイトラの鋼皮と玄海嬢ちゃんどっちが硬いのか?
純粋な硬さ・・・ノイトラ>玄海
厚みと性質を込みで考えた防御力・・・玄海>ノイトラ
とかだと言いすぎかなぁ、まぁ、適当に聞き流して置いてください。

>玄之丞vs女性
玄海嬢ちゃんは頑張るけど玄之丞は貧乳相手だと攻撃力が落ちそうな気が……
巨乳相手だと逆に集中力が半分くらいになりそうです。
とある部分に最低半分は持って行かれる的に…

2009/04/08

>玄の字はこのままチート化せず行って欲しい
あれ? 玄の字ってチートだと思ってた。
まぁ、ヴァイザード化はしませんのでご安心をw

>アニメの次回予告
すみません、アニメは見ない人なので知識はコミックと雑誌分だけです。
なので青春も雑誌とコミック知識しかありません。

>円乗寺はやっぱりワンパン
メメタァ的にワンパン、走馬灯のように砕蜂が出て来たのは良いが何故か玄之丞とラブラブしてた、再起不能!

>玄海嬢は育つのだろうか?
育つ決意はしたようです、でもどうなるかは不明。

>白哉とか
何故か一護はライバルの座を奪われ、海燕とルキアを取り合う白哉。
ルキアと白哉は着々と近親・姉妹丼フラグを立てている。

>『幼女ほいほいを使う伝説級の魔法使いww』
全然嬉しくないのでボンキュバンになった頃にもう一度お願いしますみたいな。

>砕蜂フラグ
地味に立ってる砕蜂フラグ、書いてる人間も意外すぎて首捻ってます。
朽木⇒貴族⇒四楓院夜一⇒砕蜂って感じの連想ゲームで出番を増やしただけなんだけどなぁ?

>巨乳センサー
欲求不満に伴い、どんどん精度が上がっております。


2009/05/07
>ロリ巨乳という言葉をどう思う
最近、少しだけ認められるようになったようです(本編最新話参照)

>海燕がいきてるって事はアーロニーロいなの?
アーロニーロは居ますけど、海燕と海燕を原作で食った虚は食ってないので多分十刃にはなってないと思われます。

>子供+巨乳=ネリエル。
ふむ……なるほど、全然問題ない気がしてきた。
でも悲しいけど、この作品、尸魂界で完結なのよね。

>トライアングルアタック…とらいあんぐるハートな関係、第一期の事ですね
むしろファイアーエムブレムのトライアングルアタックじゃね?
玄海・青春・砕蜂の貧乳トライアングルアタック…一部の人にはご褒美だw

>砕蜂ルートについて
正直、なんで原作キャラとの絡みがここまで許容されたのかがわからないw
まぁ、行かなくても外伝(別ルートエンディング)とか書くかも?
まぁ、まずは完結ですね。


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