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[6961] この世界の女性はチートキャラです。習作[真・恋姫無双?太史慈 転生もの]更新
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/05/18 23:29
まえがき


この作品は若干主人公強めです。

勢いで書いたためかなり文章が荒いですから
細かいことは気にしないと言う方はどうぞ




[6961] 1話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/03/05 05:35
はい、交通事故で死にました。

いやー体飛ぶのをリアルに感じたよ。



痛いとか感じなかったね、衝撃の後は血が流れていって頭がボーっとして意識失いました。



というか歩道に突っ込んでくるってどうよ。



しかも引いた後そのまま逃げやがりましたよ。



飲酒でもしてたのか?



どっちにしても迷惑きわまりない。


まぁ生まれ変わったのが中国らしき所でしたよ。


三国志ですよ。


三国無双とか赤壁の戦いとかは知ってますがそんなに詳しくないですよ。


歴史の知識とかあくまで平均レベルでしか知らないよ。


しかも、知っているのは演義のほうがほとんどで実際の歴史とはマジでわかんです。



しかも、知ってる歴史と微妙に違っているし。


例えば年齢が歴史とずれているや、歴史ではここにいないはずの人がいたり。


まぁそれはいいのだ、平行世界とかのだったりしたらありえないことではないのだから。


でも「歴史上の主要人物が女性ってどういうことじゃー!!!」



びっくりですよ。


文献では項羽とかも女性でしたし、孫堅も女性でした。


「太史慈ー、どこにいったのー?」


村の子供達が呼んでいます。


今はお昼寝タイムなので無視だ無視、どうせ村長がなんか用事言ってきたのだろう。


「烈火さんが、30秒以内に来なかったら・・・って言ってたよー!」



っておい!!怖えぇよその言い方・・・の後何するつもりですか母さん。


一目散に家に向かって走り出す。


あの人は殺る時は殺る人だ。


最初はね、鍛錬って言うから剣道の素振りみたいなものかと思ったよ。


確かに素振りだったよ?ただし、およそ子供が持ち上げれないだろう重さの剣だっ
た。


しかも二本。


太史慈って名前だからこの体確かに子供にしては高スペックでしたよ?


でもそれは一般的にだよ?


「こんな重そうなの振れるわけないじゃん」


って言ったら笑顔で一言。


「やれ」


でしたよ。命令形でしたよ。


でもあんな殺気向けられたらやらざる終えないですよ。


そこからの幾年、鍛錬という名の地獄でした。イヤ現在進行形ですが。


あなた史実では普通の人でしょ?なんで覇王みたいな気を出してるんですか!?


むしろ俺ではなくあんたが武将になれと言いたいです。


家に着きました。


「はいはい、なんだ?母さん」


燃えるような赤い髪をした妙齢の女性。


烈火こと私の母君です。


「ちょっとお遣い頼もうと思って」


あぁなんか機嫌良さそうにしている


こういう場合は十中八九いいことではないんだよなぁ

「昔、孔 融って人に助けて貰ったことがあるの。その人黄巾のやつらに攻められて困ってるらしいから助けてあげて。
そうしたら、あなたは自分の使えるべき主を捜しなさい。
もう一人前なんだから鍛えてあげたその武を活かしなさい。」


マジですか?



[6961] 2話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/03/28 12:53
いきなり独り立ち宣言から三日。


さっそく旅の準備が整いましたよ。


何でも俺がその孔 融って人の所に行くことは知らせているらしい。



詳しい状況は分からないらしいが1人でも兵が欲しい状況らしいです。



村のみんなに挨拶をしてさっそく街へと向かいました。



孔 融さんってとっても美人でした。


なんか知的な感じで何で武闘派の母さんと知り合いなの?って聞きたいくらいです。



黄巾の兵は三千程度らしく街には五千以上の兵がいたらしいのだが、黄巾の数を大群と勘違いした文官や武将達が兵と逃げ出し残っているのは二千の兵。




守りに徹すれは防げるがそれを指揮する武将がいなくてほとほと困り果てていたら
しい。


出来れば殲滅したいとお願いされたしまった。


下手に逃がしたら近隣の村被害が出るかもしれないとのことらしい。


残念ながら劉備玄徳には会えなかった。


あの人ってここら辺で義勇軍を率いていたような記憶があるんだけどなぁ。


黄巾は攻城兵器をもたず門をこじ開けるように攻めてくるらしい。


せめて衝車ぐらい使おうよ、なんか黄巾の人たちがかわいそうになってきた。


街の人たちに弓の扱いがある程度出来る人を集めて貰い、五百人ほど集まった。


策とは言えないような作戦だが、相手はただ突っ込んでくる集団なので、矢を一斉総射して出鼻をくじき、ある程度混乱して貰い、指示を出している指揮官を
ねらい打ちすると言った感じだ。


弓が出来るのかって?イヤ意外に弓が出来るのよ俺。


どちらかと言えば弓の方が才能あるんじゃないって母さんにいったら、『だから、弓の鍛錬をしなくて剣の鍛錬をしてんじゃない。』とのことだった。



母さん曰く戦は弓だけでは勝てないからとりあえず才能が劣る剣を鍛えているらしい。



あと、母さんは弓が苦手なので教えることはないとのこと。



太史慈って弓が得意な人だったんだ~、と他人事のように感心したのは記憶に新し
い。




夜祝勝会として宴会を開いてくれました。


黄巾?さっきの作戦通り殲滅しましたよ?


だって、あの人達正直かなり弱いよ?数が多いからやっかいなだけで戦術なんて存在しないし。


そんなわけで宴会です。


褒賞としてお金かなり貰いましたし、重要な地図や台帳を譲って貰いました。その上お酒とか食べ物たくさん食べれるから、かなり満足ですよ?


そんでこれからのことなのだが、どこに行こうかねぇ。


孫策さんところか曹操さんなんだよねぇ。


劉備さんにも逢いたいけどどこにいるかわかんないし、下手に桃園の誓いとかに巻き込まれたらイヤなので遠慮する。



孫策さんはいま袁術とか言う武将の客将だった気がする。


袁家と関わり持つのいやだなぁ。


曹操さんはなんというかレズっ気があるらしいのでなんか客将にして貰っても居ずらそうだしなぁ。


どちらにしようか。



[6961] 3話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/03/01 16:42
華北に向かうことにした。

孫策さんに会いに行ってもよかったのだが、袁術の客将である孫策さんは今呉の復活で忙しいから呉が出来て落ち着いたら客将として雇って貰おう。

いや~、やってきましたよ。

洛陽。

難攻不落の虎牢関か~。

たしかにこれはなかなか落ちそうにないな。

少数で多数を相手取るのに最適な場所にある。

籠城すればかなりの時間が稼げるだろう。

そういや董 卓っていたな、あいつってどんな奴なんだろうか。

三国無双みたいなオッサンか?

いやいや、逆に妙齢の女性かもしれない。

呂布をもう養子にしたのかな?

そんな話は聞かないけど。

平和な町だな~。

董 卓って悪政しいて洛陽の民を苦しめたって歴史ではそうなっているけどこの世界は違うのか。

ドン!!

いきなり腰あたりに何かがぶつかる。

そこにいたのは、紫色の髪をした少女だった。

この場合は俺が悪いのか?まぁ謝っておくか。

「ごめんな、ボーっとしてたから」

と言って手を差し出すと

「い、いえ、わたしこそ、そのすみません」

おどおどしながらも許してくれたようだ。

よかった~この場で泣かれたら確実に俺が悪者決定になってた。

「月~!!どこにいるのー!!」

と言う声を聞いて少女はすみませんでしたと言って声の方へかけていった。

うむ、可憐だ。世の中の女性はああ、あってほしいものだ。

ってかこの時代の女性達みんな強すぎ。

精神力は女性が強いとは聞いたことがあるが、この時代の女性は肉体的にもチートっぽいです。特に俺の母親筆頭に。

全く世の男どもはいったい何をしているのだ。

あれか最近はやりの草食系男子ってやつですか。

だとしたら時代先取りしすぎだこの野郎。

しばらくぶらぶら観光をして曹操さんの居る県城に向かった。

まだ黄巾が各地で暴れている時なのにすでに曹操さんは結構大きな勢力です。


そんなことを考えながら旅をしていると曹操さんが居る街が見えてきた。

確か客将は試験を受けなきゃダメなんだったな。

試験って何やるんだろう?

三国無双風にいくと百人抜きとか?

案の定試験は複数の兵士相手にどれだけ戦えるかでした。

二十人程度と戦ったが、さすが魏。かなり練度が高い。

連携一つにおいてもかなり場慣れしている。

試験が終わるとなんか部屋で待たされました。

どうなるんだろう、失格だったら孫策さんの所か~、かなり遠いんだよな。

しばらく待つとなんか開けた部屋に連れてこられた。

そこにいたのは曹操とおぼしき少女と二人の武将。

おそらく、これが彼の有名な夏侯 惇と夏侯 淵か。

両目はあるのか、なんか三国無双だったら片目だった記憶があるが。

ついでに、曹操さんすっごくこっち眼見してます。

あれ?客将ってそんなに珍しかったけ?

いきなり打ち首とか言わないよな?。

なんだか不穏な空気が漂っているのだが。

「客将として雇ってあげる」

と言って政務があるからと言ってさっさと出て行かれました。

あれ?それだけ言いに来たの?


華琳サイド


客将自体は珍しくないけど、春蘭がかなり出来るとまで言うからにはかなりの実力だろう。

一目見ておくのもいいかもしれない。

そう思って合ってみたら、そこにいたのは七尺七寸の大きな体格をした武将だった。

それだけなら別にいいがそのとき魂の底からと言っていいのか、自然に思ってしまった。

『ほしい』と。

何の疑問も躊躇もなくただ目の前の武将を手元に置きたいと思ってしまった。

その武将にしばらく見入ってしまう。

正気に戻ったのは春蘭が嫉妬して太史慈に殺気を放っていることに気が付いたからだ。

我ながらどうかしている。

と思いながら客将として雇うとだけ伝え部屋から出て行った。



あとがき

今回の曹操の話しは正史において曹操は呉にいた太史慈を好待遇で向かい入れると打診して薬草を送るも、断られてしまうと言う話しから正史での曹操は太史慈をかなり評価していたのではというところから取りました。


項羽の件を指摘してくださった皆様本当にアリガトウございます。

戦闘などについても納得のいく物が書ければ書きたいと思います。



[6961] 4話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/03/03 11:03

さぁ今日から初仕事だ。今の俺はかなり機嫌がいい。なにしろ給料がかなりよかったからな。

別にお金が底をついたわけではないがあることにこしたことはないからな。

そして記念すべき初仕事は『不作になって困っている農村を見回って改善すべき点を調べてこい』とのお達しでしたよ。それってさ、はっきり言って文官のお仕事では?と聞くと鼻で笑いましたよ、あのチビ君主。

なによ、そんなこともできないの?、と目で語っていましたよ。

腹が立ったので

「調べるのはかまわんが、解決してしまってもかまわんのだろう?」

「ええ、遠慮はいらないわ」

あれこのネタ知ってたの?と思えるほどのいい返事を頂きました。

曹操さんはノリのいい人なんだぁ、と勝手に勘違いして農村の見回りに行く。




4話




とりあえず、被害のひどい所から見て回ることにした。

なんでも、最近になって曹操軍の勢力圏内になったところらしく。

何でも前の領主に男手は兵に取られて、盗賊には襲われるは重税は掛けられるはでもうボロボロらしい。

幾人か兵士に取られた男は帰ってきたが、不作が重なって苦しい状況らしい。


県城を発って数日、そろそろ村が見えてきました。

「太史慈様、前方で何者かが闘っています!」

報告にあった盗賊か?

だとしたら、誰が闘っているんだ?

何かの大きな布が舞っているように見える。

「・・・・もしかして人!?」

おいおい人を吹き飛ばすって家の母さんですか?

しかもよく見ると闘っているのは子供1人ですか。

この世界の女性はチート過ぎます。

ねぇ筋肉の仕組みって知ってる?人間ってそんな鉄球振り回せるような生き物じゃないんだよ?

とりあえず多勢に無勢だから加勢するけど。


「どぉりぁーー!!」

そのごっつい勢いで鉄球を振り回している少女に集中しすぎて背後ががら空きの盗賊達。

「侵し掠めること火の如く攻めよ!!突撃―!!」

せっかく馬に乗ってるんだからやってみたいよね。武田騎馬軍のマネ。時代的には先取りだけど。


もちろん自腹切って旗も作りましたよ『風林火山』と『其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山』の旗。意外と高かったがなんか強そうな気がするし個人的には後悔してません。

さすが魏の精兵。練度が違うね。突然の命令にも従ってくれます。
あっ偵察をつけて盗賊のアジト調べてるように言っておきました。

鉄球少女は突如現れた俺たちにびっくりしたしたのか呆然としている。


「兄ちゃん達何者?領主の軍?」

なんか睨まれてます。まぁ、前の領主のことを思えば仕方ないか

馬を下りて少女の前に行くと膝をつき目線を合わせ

「申し訳ありません、ここの近くの村から盗賊の討伐と不作による陳情が来たので参らせて頂きました。」

と言い頭を下げる。

兵と鉄球少女は息を呑んでいる。

でもさ、軍隊って公務員だから頭下げるのは当たり前だと思うわけよ。

そもそも盗賊とかから護るから税を納めて貰っているわけで。

しかも鉄球少女の怒りは正しいのだから話をうまく納めるには頭下げるのが一番だと判断した。

頭を下げることで頭が冷えたのか逆に恐縮されてしまった。

とりあえず村まで案内して貰いました。





許緒と言う名前らしい。

そりゃ怪力だよなぁ。正史では曹操の親衛として仕えて、彼が居たからこそ反乱ができなかった。なんて話しが残っているし。

「じゃあ許緒さん1人で村を護っていたんですか?」

「うん、僕が村で一番強かったからね。後、季衣でいいよ兄ちゃん。」

不作の原因は土地のやせ細りでした。そうだよねぇ肥料の作り方とか知らないよな普通。

灰だけじゃなくて腐葉土とか魚の骨とか動物の糞を混ぜた特製肥料の作り方を教えてあげました


そうしたら許緒さん、かなり懐いてくれました。

彼女は親がいないらしく村全体で親代わりをしていたらしい。

村長に『季衣を(武将として)一緒に魏に連れて行きたい』、と言ったらすごく喜んでました。

なんで?


【季衣サイド】


いつものように盗賊を追い払っていた。

「(ちょっと、数が多いかも)」

その数の多さに少し疲れ始めた。

そこに颯爽と現れたのが兄ちゃんだった。

はじめはいやな役人が来たのかと思ったけど兄ちゃんは馬を下りて頭を下げてくれた。

話しによると新しい領主の使いで来たって言ってた。

新しい領主は善政をしてるって言ってたからたぶん本当だったと思う

兄ちゃんは、ボクに『力を貸してくれ』って言った。

兄ちゃんはこの大陸の混乱を沈めてくれる主を捜しているんだって、だから今は曹操って人のところで客将をしているって言ってた。

話しが大きくてよくわかんないけど争いがなくなって平和になるのはいいことだって思ったから村長達に『兄ちゃんについて行く』っていった。

村長は
『お前の晴れ姿を見ることが出来るとはなぁ』って言ってた。

晴れ姿ってなんのことだろう?





おまけ

兄ちゃんはボクと腕相撲したんだけど、ボクが勝ってなんだか落ち込んでた。

「いや、わかってたんだよ?負けるのはさ。でも確実に体格で劣る子に負けるのって・・・隊を任されるくらいの武将なのに?俺生きていいのかな?」

なんかすごい勢いで落ち込んでいる兄ちゃんに部下の人たちは必死に「いや、あれは仕方ないですって!」「あの子は特別ですから!!」って必死で慰めていた。

軍ってもっと怖い感じを想像してたけど意外と仲良しなんだなぁ~。




PS、翌朝には元通りになってた。




[6961] 5話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/04/17 06:01

二ヶ月ほど季衣と村々を回って、やっと報告書が完成しました。

季衣ってすっごい食べる量が半端ありません。体のどこに入ってるの?って聞きたいくらいです。

なるほどあの怪力はこの食べる量から来てたのか。

季衣は戦力では申し分なく働いてくれたけど食べる量が多すぎるため食料を管理している奴に制限しなきゃ食糧が尽きると言われ最近は元気がないです。

横で腹の音がかなり鳴っています。それでも笑って大丈夫だよ、というからなんだかこちらが悪いような気がしてくる。

ということで最近は夜半になって狩りに出かけています。

鳥とか熊、卵などをとり、食料としてさにげなく補填してます。

食料係は「一廉の将が部下のためにそんなことをする人いませんよ」と呆れながら言ってきた。

いいじゃないかこれでみんな腹一杯食べれるんだから。熊鍋とか美味しかっただろ?

「そう言う意味で言ったのではないのですが・・」苦笑してました。





5話



あぁやっと帰って来れた。

陣留に帰ってきましたよ。いやーテンションあがるね。

「兄ちゃん、何か屋台で食べていこうよ。」

まぁ気持ちはわからんではないが、

「とりあえず曹操さんに報告書上げて、季衣のこと客将にしてもらったらな?」

そう季衣は客将になるのだという。別に季衣の実力なら正式に雇ってもらえるよ?と告げたところ兄ちゃんと一緒がいいと言ってくれました。

季衣が副官としてついてくれれば確かに楽だなぁ。何しろ単純な力比べだったら大陸一かもしれない。

曹操さんに報告書渡して季衣を紹介した。

「この子を客将にしろと?」

「かなりのお買い得だと思いますよ?単純な戦闘力では魏でもかなりいいとこいきどろうし、単純な力比べだと魏で一番じゃないですか?」

「へぇ。まぁいいわ。あなたがそこまで言うなら客将として雇ってもいいし、活躍次第では私の武将にしてあげる。」

まぁ、俺は孫策さんのところに一回は行っておきたいからそれまでは客将のままじゃなきゃいけないけど。


黄巾の襲撃を受け城はそれなりにあわただしいが武官である俺や季衣は命令がないかぎり国の政策などに関わる仕事などはしないため街で情報収集するぐらいしかない。


「なんにもないねー兄ちゃん」

「まぁ、そんな簡単にいい情報が転がり込むなんてことは滅多にないからな~。張角って首魁の名前が分かったってだけでも充分だろう」

腹も減りましたし何か食って帰りますか。


数日経つとそれなりに情報が集まったらしい。

なんでも張角らはあくまで旅芸人でその人気に集まってきた人たちが暴走したりしてこんな規模の反乱になったらしい。

なんともここまでくるともう歴史とか全く無視の方向だな。

でも、いろんな所に出現している分、張角の居所がつかめないから黄巾を完全に潰すことも難しい。


そうして部屋に戻ると竹巻の山がそびえていました。

そこには荀彧の嬢ちゃんがない胸を張って不機嫌そうな顔をしています。

「これはあんたが明日までに片づけて欲しい分よ」

いやいやそんないきなり言われても困りますよ?

「嬢ちゃん。俺の記憶では武官として必要な書類は全て片付けているはずだが?」

そうノルマはちゃんとこなしている。そういうのが苦手な季衣の分も一緒に出しているくらいだ。

「あなたが自分の分だけでなく許緒の分までやっているのは知ってるわ。後嬢ちゃんは止めなさい!」

「ではこの竹巻を俺が処理しなければいけない理由はなんだ?」

「無視!?まぁいいわ。今の魏は黄巾の連中が暴れ回っているせいでどこ手もいっぱいなの。だからあなたのようなネコの手も借りたいのよ。」

「ふむ、それはわかったが契約では武官の客将としての契約をしている。文官として働くのはいささか契約違反じゃないか?」

「問題ないわ。華琳様からあなたには武官の分と文官の分の二人分の給料が支払われるわ。」

一人で二人分の働きをしろとのことですか。

「まったくなんで華琳様はこんな男に頼むのかしら。」

「こらこら、声に出てるぞ嬢ちゃん。そういうのはせめて本人のいないところで言おうな?」

「いいのよ、聞こえるように言ってんだから」

相も変わらず口の悪い嬢ちゃんだ。

でもこの嬢ちゃんのことは気に入っている。

偉そうなことを言うだけの実績と努力をしているし、レズっ気のあるところ以外は普通の人だ。

普通って良い響きだ。怒っても剣は抜かないし、人は飛ばないし・・・

あれっ?目から水が出てきた。



【荀彧サイド】


あいつは気に入らないやつだった。

華琳様は暇を見つけるとよく演習場に出かける。

それはいい。兵の練度を見ておくのは上に立つ物として当然のことなのだから。

しかし、ある客将が訓練している場合だけ華琳様は通常より1刻ほど長く演習場にいる。

そのある客将のことは知っている。この前書庫の整理を手伝って貰った武将だ。

人のことは嬢ちゃんとか言って、頭はすぐ撫でるし、そのことで怒ると『そうだよな。いや嬢ちゃんの反応が久しく女性としての通常の反応だったからな』と再び撫でようとしてくる。

それから廊下で少しくらい話してる間でも髪を撫でてくるし、何回もやめろって言っても嬢ちゃんって呼ぶし。

それだけならまだしも華琳様に気に入られるなんて生意気すぎる!!

怒りのまなざしを向けていると

「なんだ嬢ちゃんまた徹夜明けか?飴でもやるからそう睨むな」

「いらないわよ!!」

そういって自室に戻るとそこには数個の飴とお菓子が置いてあった。

あいつはどこからともなくこうやって差し入れをもってくる。

しかも悔しいことに全部私好みで美味しいのばかりだ。

そう言う気配りは正直うれしい。




が、やっぱりなんか子供扱いしているようであいつは気に入らない。



[6961] 6話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/03/03 20:36


最近、夏候惇こと惇さんがしつこく勝負を挑んできます。

「勝負しろー!!太史慈!!」

いやいや、あなた自分で魏武って名乗ってるくせに一介の客将に勝負を挑むな。

見ろ!周りの武官や文官がまるで俺が強いように勘違いしてしまうだろうが!!

俺はあんたみたいなチートキャラじゃないんだ。

素手で飛んでくる弓矢を掴むとか、もはや人間業と思えないことする人と闘って勝てるとかそう言う問題じゃなく生きてられるかの問題だから。

夏候淵こと淵さんは姉者は楽しそうだな、と言うだけで助けてくれません。

曹操さんに相談しようかとも思ったが、あのチビ君主絶対面白がって勝負させようとする。

絶対サドだよ、あの人。人が苦しんでいるところ見て楽しむのが趣味とか言われてもやっぱりとしか思えないくらいサドっ気満々だもの。

元々の始まりはなんだったのだろうか。



6話


そうあれは確か季衣と一緒に城を歩いていたとき、季衣が

「魏で一番強いのって夏候惇って人なの?」

と聞いてきたから

「そうだな、あれはもう人間って枠組みをこえた何か新しい種族とさえ思うときがあるよ」

「でも頭は悪いんだよね~」

「書類整理が全く出来ないからな。むしろその方面でもある意味人間とは違うのかもしれないな」

「でも、兄ちゃんの方が強い気がするな~」

「まぁ、勝負をしたことがないからどうとも言えないがな」

と言う会話を惇さんが聞き付け、朝から晩まで追いかけてくる始末です。

てか仕事しろ、仕事。こっちは武官と文官の二足わらじで働いてるんだぞ。

おかげで給料あがっても使う暇がないよ。

趣味って聞かれたら『貯蓄』っていえるぐらい金があるのに使う暇がないのだもの。

そんなことで日々が過ぎていくと、気付いてしまいましたよあのチビ君主。

「なんだか大変なことになっているみたいね」

って言ってるけど『おもしろい物見つけたぁ~』って顔に出てますから。

むしろ隠そうとしてないだろ。

“第一回夏候惇対太史慈武闘対決”

そんな物が開かれてしまいました。

第一回か、生き残ったら2回3回もあるってこと?

ついでにこのお祭り騒ぎは何?文官、武官問わず見物に来てるよ?

この国の中枢を支える身でしょ?何でこんな所にいるの?馬鹿なの?死ぬの?

仕事しろ仕事!!ていうか賭け事をするなしかもほとんど夏候惇優勢じゃねぇか!!

死んだらその金で香典出しますって冗談にもならないこという人いましたよ?

チビ君主は

「娯楽よ娯楽。たまには楽しみも必要でしょ?」

俺は全く楽しくないですよ?

あぁ今日で俺の人生終わりかぁ~。

もう、いっそのこと開き直ろう。そう某錬鉄の騎士も言ってたじゃないか『勝てる自分を想像しろ』って勝てる自分か。

暗示だ暗示。俺は最強、俺は最強。

もう藁にも縋る勢いで自分に暗示を掛ける。

そうして夏候惇が舞台に上がる。

そこでお互いの口上を述べて試合開始だ。


【夏候惇サイド】

ついにあいつと試合ができると思うと高揚してくる。

舞台上にあがり、口上を言う。

「この夏候惇元譲、これより華琳様の御前にて我が武こそ魏の国一番と証明しよう!!」

その口上に会場はにわかに沸き立ち、耳が痛いくらいだ。

そして、皆の目が太史慈に向かう。

何も言わないために周りは不審がりざわざわしてくると。

バッと顔を上げた太史慈の顔に浮かんでいたのは穏やかに楽しそうな顔。

静かに二本の剣を取り出し、

「小便は済ませたか? 神様にお祈りは? 部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はいいか?」

しんと静まりかえる会場。

普段の太史慈のおよそ想像のつかないほどの濃密な闘気を放っている。

自然と笑みが浮かぶ、楽しい。こんな相手を待っていた。

魏の武の象徴になってから本気で剣を振るう相手がいなかった。

もてあました衝動が体を駆けめぐる。

合図もなにもなく、お互いに相手に向かって走り出す。

上段からの切り落としに太史慈は半身になりかわすと、左の剣を横になぎ払うように斬りつけようとする。

しかしそれを半歩さがり上半身を反らして紙一重によける。

そして下から切り上げるように振ると太史慈は両剣で受け止めるが、わたしはそのまま力任せに振り切る。

太史慈は自分から飛び、距離を取る。

おそらくこの一連の流れも常人にはまばたきしている間に起こっているためなんが起きたか分からないだろう。

だがそんなことはどうでもいい。今、心にあるのはなんでもない純粋な思い。

楽しい。ただ、ただ楽しいという思い。

太史慈はただこちらを射殺すようにじっと見ている。

心がふるえる。今奴の心をしめているのは私だけだ。

そして今私の心をしめているのは太史慈だけだ。

そこから激しい斬り合い。

一体何合打ち合ったのだろうか。

太史慈は満身創痍の様相だ。

傷だらけになり、もう限界だろう。

それでも、どうしてだろう求めてしまう。まだ何か見せてくれるはずだと。

「さぁどうする? 勝機はいくらだ。千に一つか万に一つか、億か兆かそれとも京か!」

「例えそれが那由他の彼方でも――――俺には充分過ぎる!!」

あぁ、その目だ。

この時がいつまでも続けばいい。いつまでこうしていたい気持ちがわく。

しかし、それ以上にお前の限界が見たい。

太史慈の一撃目は突きを繰り出し、そこからコマが舞うように連撃を放つ。

全ての力を振るっている攻撃に。防御するのに精一杯だ。

嵐のような剣の舞が止み、そこにいたのは力尽きて寝ている太史慈。


ここまで満足する。充実感のある戦いはもうないだろう。

今までの私ならあの連撃を受け流すことは出来なかっただろう。

私は今日自分の武の限界を超えられた気がする。

しかし、このやはり終わってしまったのは、なにか物寂しい。


【太史慈】

なんか自分に暗示掛けてハイになってたら、いつのまにか試合終わってました。

結果?そりゃもう完敗ですよ。勝てるわけがないじゃないですかあんな人外魔境に。

今生きていることに感謝感激ですよ。

世界が輝いて見えています。九死に一生を体験したら世界が変わって見えるっていうけれど、確かにそうでした。

あと惇さんと淵さんが見舞いに来てくれました。

惇さんは曹操さんにこっぴどく叱られたそうです。『誰が死闘をしないさいといったの!!』って。

というか惇さんやっぱり本気だったんですか、よく生きてたな俺!!えらいぞ俺!!

淵さんはすばらしい試合だったぞっていってくれました。

優しいなぁ淵さんは。

こんな一方的にボロボロにされている俺を慰めてくれるなんて。

ノリで「淵さんを嫁にください」といったら

全力で惇さんが「ダメだ!!」って剣を突きつけてきましたよ。

だからって、けが人に剣を向けないでくださいよ。

冗談なのに、帰るまでずっと「ほんとに冗談なんだな!!」って15秒置きに聞いてきましたよ。

惇さんは少しシスコン気味だね。なんていうか。

君主といい、軍師といい、武将といいなんか魏ってレズ集団になってるね。

最後に一言、この世界の女性はチートキャラです。





[6961] 7話 
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/04/17 06:03
城を散策していると、なにやら騒がしい声が聞こえていた。

「なんかあっちの方が騒がしいな」

今にして思う。なぜ放って置かなかったのか。


7話  松の廊下?



「貴様なんと言ったー!」

なにやら叫んでいる惇さん。

いや、8割あの人叫んだりしているけどね。

対するのは荀彧の嬢ちゃん。

「まったくこれだけ言ってもわかんないの?」

こちらもイライラしている。

いや、嬢ちゃんは普段からイライラしているけどね。

隣で静観している淵さんに尋ねてみると

「あぁ、それがな・・・」

聞いていれば分かると言った顔で二人に顔を向けている。

「だからあなたは馬鹿だって言うの」

「なにっ!もう一度言ってみろ!」

嬢ちゃんがなにやら惇さんに喧嘩を売っているらしい。
嬢ちゃんは軍師として優秀だから無意味に相手を貶めるようなことはしないだろう。

話を聞いていると嬢ちゃんは惇さんに『突撃ばかりするな猪』と言っているらしい。

まぁ、惇さんはその誰にも止められない突撃が売りだからなぁ。

そこを否定されたら痛いかも。

嬢ちゃんの持論は『相手の思考や心理を読んだ戦術、戦略による策を用いて予定調和により勝利する』だった。

まぁ、戦略や戦術はたしかに戦に勝つ上で重要だからなぁ。

惇さんは『戦は生き物だから思考の読み合いでは予定調和の勝利など存在しない』
と反論した。

まぁ、勝負は時の運とも言われるし、すべて予想道理には行かないし、策を使って逆に痛い目に遭うって話しは珍しくないからね~。

なんだか、二人の言い争いがだんだんヒートアップしてきた。

「それこそ視野の狭い脳みそ筋肉がいいそうなことね」

おぉ、ここまでいえるのは魏の中でも曹操さんかお前くらいだよ。

「だ、誰が脳筋かー!!」

ちょっと!!剣に手を掛けましたよ。武人が剣を抜くと言うことは闘うことを意味する。だからこそ武将は戦や訓練の時以外ではそうそう剣を抜くことは許されないのだが・・・

必死に惇さんを押さえに掛かる。

「惇さん!!殿中!!殿中でござるー!!」

気分は松の廊下である。そう言えばこの世界だと娯楽少ないのか。脚本とか小説書いたら売れるかも。

背中から押さえると惇さんはぴたりと動きを止めた。

あれ?いつのなら力ずくで振り払われるのに?

「いつまでそうしているのよ、変態!!」

嬢ちゃんが鬼の形相で怒鳴ってきました。

なんで?俺あなたが斬られそうになったから止めたのに、その人から怒鳴られるってどんな理不尽ですか?

「そ、そそ、そうだぞ!!まったくいらぬ横やりをいれおって!」

あれ?何で俺が怒られてるの?俺争いの仲裁に入っただけだよね。

でも、二人が怖かったから素直に謝ったけどな!!

ヘタレとか言うな!!あの二人を敵に回したら肉体的にも精神的にも殺されてしまうわ!!




なにやら城があわただしいです。

何か朝廷から黄巾を討つように言ってきたらしいですが、朝廷はどんだけ事態に把握が遅いんですか?そりゃ滅びるはずだわ。

しかし、これで大手を振って大規模な軍を動かせるらしい。

会議してたら嬢ちゃんが慌てて中に入ってきた。

まぁ、この場合十中八九悪い知らせと決まっているけどな。

「今までにない規模の黄巾が現れたとのことです!!」

やっぱりなぁ。

しかも、聞いた規模の大きさから察するにそれを纏めれる指揮官クラスの奴がいるってことか。

しかも間の悪いことに、最後の物資搬入が終わるのは明日の払暁、兵達には休むように言ってあるから本隊がすぐに動くことは不可能か。

「今すぐ動かせる隊は?」

そうするしかないよなぁ。

「当直の隊と最終確認のために残っている隊はいるはずです」

「秋蘭、それらを率いて、すぐに先遣隊として出発なさい」

「それとその補佐に太史慈と許緒が着きなさい」

まぁ、妥当な人選か。惇さんは護る戦は苦手だからなぁ。

「「「了解」」」

「後発部隊もすぐ送るから撤退の判断は任せるわ。春蘭、明日の払暁には発てるように準備なさい。」

ここら辺の指示と決断の早さはさすが曹操さんだな。

では、出発の準備でもしますか。




向かった街にはすでに義勇軍が柵を作り戦の準備をしていた。

その義勇軍のリーダーらしき3人がこちらに挨拶してきた。

「我らは大梁義勇軍。黄巾の横暴と闘うために立ち上がりました。」

なにやらすごく真面目オーラを出している子が挨拶してきた。

何でも楽進、李典、于禁という名前らしい。
そろいも揃って魏の優将ばかりがこうして揃う踏みしていると、なんだかこう。激しく自分が場違いな気がしてくるのは気のせいでしょうか。

なんか出番を間違えた俳優の気分です。

この三人組簡単に言うと、武士、ドリル、ギャル。と言う感じでイメージしてくれるとわかりやすい。

後、李典。『天を突くドリル』ってそれは穴掘ったりする方達のセリフですから。1800年ほど先取りしてますよ。

楽進は俺の『風林火山』の旗に見とれながら、部下にしてください!!って跪かれました。何か心響く物があったらしい。

于禁はなぜか語尾の『~なの』は妙に感にさわったのでアイアンクローで寝かしました。いたらイライラして作業が進まん。

そんなこんなで夜を徹して5段重ねの防柵を作りました。

おそらく春蘭のことだから急いでくるだろうが半日はもたさなきゃダメだな。

伝令に余力を残してこいと言って走らせる。

どうやら張角はいないようだ。少し残念だがいたらいたらでこれ以上の数にふくれあがって手がつけられないしな。

俺の役目は前線にいる小隊や中隊規模の指揮官を見つけ出し狙撃すること。

なにしろ数ではこちらが圧倒的に不利だ。だとしたら指揮官クラスを倒し、前線で混乱して貰おうというわけだ。

混乱すれば敵の行動は味方同士で邪魔になり、動きが鈍る。

今の敵は黄巾ではなく時間だ。

時間さえ稼げば勝ちはこちらに舞い込んでくる。

しかし、数に押されてだんだん柵が壊され始めている。

兵を走らせ逃走の経路だけは確保するように命じる。

楽進が単身で突っ込もうとするのを諫めたり、こちらも急場しのぎの連携にズレが生じてきた。

「もし最後の柵までたどり着かれたら、わたし、楽進、李典、于禁は自分の隊を連れて撤退。殿は太史慈隊と許緒隊に任せる」

淵さんの発言に楽進たちは反対している。『自分たちも戦える』『自分たちだけ逃げることは出来ない』とまぁこんな感じだ。

うむ、若いなぁ。はっきり言って客将は傭兵と同じような物なのだからやばくなったら殿や足止めは普通なんだけどねぇ。

淵さんも淵さんで申し訳なさそうに見てくるし、人がよすぎるって言うのも損だなぁ。

「はいはい。口論はおいといて、ここでの最高指揮官は淵さんなんだから指示に従いなさい。義勇軍とはいえ軍隊なら命令を聞くのが仕事だって分かってるだろ?」

全くそろいも揃って殿をつとめたら死ぬみたいな目で見るなっつの。

それに
「救援が来たみたいだから大丈夫だろ?」

喧噪の中にかすかに鳴り響く銅鑼の音。

さすが曹操さん。まるで謀ったのようなタイミング。

ついでに救援隊より飛び出して一騎駆けしてくる馬鹿は間違いなく惇さんだろう。

敵の本隊を一騎駆けで抜けてくるなんて普通は無理だと思うけど、やるんだろうなぁ。

リアル三国無双。

人ごみに埋もれてもどこにいるか分かるよ。だってそこだけ人が飛んでるもの。

なんですかあの戦略兵器。

ほんとにここまで抜けてきましたよ。

前より数段強くなってるように感じます。

「無事か!秋蘭、太史慈!!」

心配してくれるのはありがたいのだけど、その返り血で汚れた姿はある意味味方の志気にも関わるから着替えような。

外の黄巾も先ほどの惇さんの一騎駆けで総崩れになったのかあっさり勝てました。

ゴチン!!

「馬鹿ですかあんた!!救援隊を率いているのに自分1人で一騎駆けするなんて魏の将軍としての自覚を持て、この大馬鹿者!!!」

絶賛おしかり中です。いや助けてくれたのはうれしいのだけれどあんな無茶されたらこちらの心臓に悪すぎる。もし万が一討ち取られてでも見ろ。せっかく勝ちの見えた戦いが台無しになってしまう。

チートなのは分かったから、もう少しこちらのこととか考えて欲しい物だ。



1刻後・・・・

やばいです。絶賛後悔中です。

拳骨入れちゃいましたよ、あの惇さんに。首とかはねられるかも。逃げる準備とかしたほうがいいかな。

「そんなことをすれば、それこそ姉者は地の果てまでお前を追うだろう?」

え、淵さん!!

もう藁にも縋る思いだ。

「助けて淵さん!!今度何かおごるから!!」

「まぁ、仕方がないな。ついでに姉者は何か燃え尽きたように真っ白になって『燃え尽きた・・なにもかも真っ白に』と放心していたぞ。」

うわー、これは元に戻ったら戻ったで怖いな。

「まぁ、まかせておけ」

と頼もしい笑みを浮かべた淵さん。

もう神に祈るしかないよ。


1刻後

曹操さんから集合の命令が来ました。どうしよう。いきなり斬りかかられるかも。

もしくは、曹操さんに首を刎ねられるかも。

しかしそこのにいたのは、何故か顔を赤くした惇さんでした。

なんで?と思い淵さんをみるとニヤッて笑いましたよ!ニヤッて!!

こう何か悪い企み事がうまくいった時に人間が見せる笑みでしたよ。一体惇さんに何吹き込んだんですか!?

嬢ちゃんも惇さんを見て何かイライラしてるし、曹操さんも詳しくは言われなかったけど『何したんだ?テメェ』って目で睨まれました。

俺頑張ったよね?今日、殿を勤めようとしたり、楽進諫めたり、八面六臂の活躍だったはずだよ?

なんかギズギズした空気が漂ってます。

ついでに、例の3人組は暫定的に俺の部下になりました。


おまけ
【夏候惇】

太史慈に怒られてしまった。失望されてしまったのだろうか。

どうしよう。謝ればいいのか、しかしそれで許してくれなかったら?

頭の中が混乱してきた。

思い悩んでいると秋蘭が入ってきた。

「太史慈は姉者が大切だからこそあれほどまでに怒ったのだ。太史慈もやりすぎたと反省しているし、許してやらないか?」

太史慈が・・大切・・・。

その言葉を聞くとなぜだか顔が赤くなる。

うぅ、どうしてしまったのだ私は。




[6961] 8話 
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/03/05 20:41


今回は珍しく嬢ちゃんと一緒に黄巾の討伐に向かったのだが・・・

嬢ちゃんがなんか機嫌が良いです。

何かいつも難しい顔しているだけに、怖いです。

部下とか何か信じられない物を見るような顔をしています。

ただ1人嬢ちゃんの補佐官のみが呆れた顔をして俺を見てきます。

なんでだ?


8話

どうしようか?

黄巾の軍勢に接敵するのにも時間があるし。

弓の調整をしていると嬢ちゃんが入ってきた。

「準備はできた?」

「一応は出来てはいるが、時間があるから再確認中だな」

答えながら弓の調整をしていると

「貴方の使っている弓は秋蘭の使っている物とは少し違うね。何と言うか堅そうね」

さすが軍師というか。良い着眼点をしてるなぁ。

堅いというのは言い得て妙だな。

秋蘭の弓はあくまで後方支援を想定して作られているが、俺の弓は単独行動を前提に作られているから、接近戦になっても相手を弓で殴り跳ばせるぐらいの頑丈さを持ち合わせている。

「というわけだ」

「なるほどね。それなら多少大きくなっても頑丈なほうが使い勝手が良いのね」

ふあぁ~。と大きなあくびをする嬢ちゃん。

「な、何よ仕方ないじゃない。ここ最近きちんと寝てないんだから!!」

いやいや、そんなに怒らんでも。

「ご、ごほん。な、何なら貴方の膝を借りてあげても良いわよ?」

いやまぁ、貸すのは別に良いのだが、何か話しの流れが無理矢理過ぎないか?

「ど、どど、どうなのよ。何とか言いなさいよ!!」

「?、まぁ別に良いが一刻半ぐらいは寝れるからそのくらいに起こせばいいんだな?」

「そ、それで良いわ」

嬢ちゃんが膝の上に頭を置く。

いつものように頭を撫でる。

びくっと体が震えたが、慣れたのか落ち着いて来た。


【荀彧サイド】

あいつは頭を撫でながら不思議な歌を歌っている。

思えばおかしなことになってしまったものだ。

男なんて嫌いだったのに、触られるだけで拒絶反応が出るほどだったのに。

何故かこの男だけは大丈夫だった。

こいつと春蘭と話したり、一緒にいるだけでイライラしていしまうのはつまりはそういうことだと思う。

本で知ってはいたが、まさか自分が、しかも男にそんな気持ちを抱くとは思ってもいなかった。



優しい夢を見た。

少し先の未来の夢で、大好きな主とあいつとであわただしい毎日を送っていた。

あいつはいつものように頭を撫でながら苦笑しながら私の話を聞く。

そんな夢。

「おい嬢ちゃんそろそろ時間だぞ?」

その声で起こされる。

目を開けるといつもの少し困った顔のあいつがいた。

暖かい気持ちになるが、そこから軍師として気持ちを入れ替える。

「じゃあ、作戦の指示を頼むぜ嬢ちゃん」

あの夢が正夢かどうかは分からない。

しかしそんなことは関係ない。例え不可能と言われていることでも可能にしてみせるのが軍師の仕事なのだから。

だからこそ私はこう答える。





「任せなさい。私の作戦で死ねるなんて甘いことは思わないことね」




[6961] 書き直しのお知らせ
Name: 明日◆54a15597 ID:7091f24a
Date: 2009/03/07 17:21
呉編を書くにしても急ぎ過ぎたのでもう少し納得のいく物を書きたいので更新速度は遅くなります。




[6961] 9話
Name: 明日◆54a15597 ID:7091f24a
Date: 2009/03/08 20:33

最近武官としての仕事より文官の仕事の方が多い気がするこの頃。

まぁ、自分の部隊の調練は季衣に、新兵の訓練は楽進達三人に任せているため、様子を見に行くことはあるが、一日のほとんどが文官の仕事です。

文官の仕事も本来はそんなに多いわけではないんですが、嬢ちゃんのサポートと言うことで毎日竹巻の山と格闘しています。



九話

最近書いた小説が波紋を呼んでいます。

その題名は『天の御遣い少女なのは』シリーズです。

いや、この世界は魔法とかを妖術と受け取る人が多いので、天の力を使うという設定にしました。

かなりおふざけで書いた作品なのだが、先日、本屋に立ち寄ると売り切れていました。しかも、予約でいっぱいだそうです。

           
いや、たしかに中国風な都市名とか雰囲気を出しましたよ?キャラの名前はあえて弄らなかったけど。

曹操さんが読んでいたのには、びっくりしました。

イラストを描いたら、すごい高値になりました。

この世界って娯楽用品が少ないからねぇ。


そんなわけでいつのまにか成金になってしまいました。

このままためようとも思わないでもないですが、お金を過度に貯め込む行為は経済活動に支障を来すとのことなので、狼が旅をするアニメを参考に商業組合を作りました。

何というかこのまま商人になろうかと思ってもしまう今日この頃です。

さて先日のリアル三国無双事件から一ヶ月経つのですが、惇さんの様子が変というか避けられている感があったのですが、ある日を境に元に戻りました。

なにか女性陣だけの会議が行われたようで、それにより惇さんの様子が元に戻りました。

その後何故か宣言されました。

「私は誰にも負けない!!」

え、不敗宣言?

まぁ、惇さんに勝てる人がそういないと思うけどねぇ。




【夏候惇サイド】


いつから、あいつに対してこのような気持ちを抱くようになったのだろう?

最初にあったときは客将として華琳様にあった時だ。

あの時、華琳様があいつに見入ったことに嫉妬してあいつに殺気を向けた。

そしてある時、自分と私のどちらが強いか、闘ってみなければ分からないという話しを聞いたときは怒りと言うより歓喜の方が強かったのかもしれない。

魏武を名乗ってから盗賊などの討伐はするも、誠の武人との勝負など久しくしたことがない。

ただ確かめたかったのかもしれない。敬愛する主が注目する武将の力を。

だが、いざ戦いになるとそこにあったのは武人としての戦い以上のものだった。

思えばあの時かもしれないこの焦げ付くようなこの気持ちを抱いたのは。

華琳様にさえ抱いたことのない独占欲にかられたのは。

あいつの心を独占できる喜びを知ったのは。

この気持ちを知ったのであれば後は簡単だ。

私はもとより駆け引きなど得意ではない。

例えそこに罠があろうとそれごと食い破るのが私の戦い方だ。

だからこそ、今気に入らない軍師と敬愛する主、そして掛け替えのない義妹の前に宣言する。

誰にも負けないと。



[6961] 10話
Name: 明日◆54a15597 ID:7091f24a
Date: 2009/03/09 08:50
呉の孫策、この名前は歴史置いて有名だがこの世界に置いて今現在はあまり名が知られていない。

それもそのはず呉という国はなく、孫策は袁術の客将に成り下がっている。

そんなおり、魏と袁術の領地の境で山賊の本拠地があるということで、共同作戦をとることになりました。

孫策さんと黄蓋さんが袁術軍の代表として、俺と嬢ちゃんとが曹操軍として集まってきています。

山賊の砦の前に陣を構えます。

テントを貼ると孫策さんが尋ねてきました。

俺は一目見て分かった。

呉の服はエロいです。

ガス!!

い、痛っ!!嬢ちゃんが睨んできてます。

そんな目で見るなよ、男は少なからず狼ですよ?

とりあえず、孫策さん達と仲良くなっておく必要があるので、弾はたくさん用意しています。

そもそも、あまり仲がよくない二勢力がうまく運営するには、変な話しだがこのような事はしておいて損はないのだ。もちろんこれは俺の自腹になってはいるが。

「このお酒美味しいわねぇ~」

「ありがとうございます。この酒は北方より取り寄せた酒なんですよ?」

指揮官同士が仲良くしておいて損はないのだ。

いやだからね、嬢ちゃんもそう事前に説明したよね。

「・・少し胸が大きいからって、そんなに大きくても邪魔になるだけじゃない!」

まぁ嬢ちゃんはこれからが成長期じゃないか。

ついでに嬢ちゃんは孫策さん達が来てから俺の膝の上に座る。

最近ストレスが貯まると嬢ちゃんはよくこうする。移動なども馬に一緒に乗せるように行ってくる。

まぁ嬢ちゃんは文官だから馬での行軍はそれなりにつらいだろう。

孫策さんがそんな嬢ちゃんをみてからかっている。



敵の前面に陣を配置してその出方を待つ。

敵が砦の上に立ちなにやら孫策さんを侮辱する発言をしたらしい。

孫策さんの兵は怒り、今にも暴走しそうです。

ここで暴走されても迷惑なため、嬢ちゃんが策を一つくれました。


【桂花サイド】

あいつに言い渡したのは、至極簡単な策だった。 

乳女の軍の暴走も食い止め、なおかつ魏の名を知らしめる事。

普通の将なら出来ないだろう。だが、私は知っているこいつは弓に掛けては天才を上回る鬼才に近いのだと。

あいつはいつものように弓を構え、一拍おいて放つ。

その矢は、孫策に侮辱を言い放っていた男の手を砦の梁ごと射抜いた。

これをやってのける者が一体この大陸に何人いるだろう。


そういえば、弓をいるときなんで『とれーすおん』って言ってるんだろう?

【太史慈】 

よかった~。

これでもし外したら絶対笑い者だよ!!

曹操さんに魏の顔に泥を塗ったとか言って首を刎ねられる可能性もなきにしもあらずだった。

どうやら孫策さん所の兵隊達も落ちつてくれたようです。

黄蓋さんに「化け物か!」って感じのこと言われました。

いやいや、黄蓋さんこの世界は惇さんを初めにチートキャラがたくさんいるんだから。そんなことで驚かれても。ついでに惇さんは飛んで来る弓矢を素手で取ることが出来る人です。あれにはビックリしました。

山賊たちは火矢によるあぶり出しで殲滅しました。

孫策さんも惇さんまで行かなくてもかなりチートっぽい人です。一騎打ちしても負けないかもしれないけど勝つのは難しいといった感じです。だってあの人敵を斬り殺せば殺すほど、剣が鋭くなってます。なにそれ、この世界って経験値とかあるの?ってつっこみたいです。闘うほど強くなるとかどこのサイヤ人ですか、あなた。

ついでに目が血走って怖いです。しかも辺り構わず殺気振り向いてます。

殺気に当てられたのか。嬢ちゃんは青い顔をしています。

孫策さんはバーサーカーと名付けよう。


あとがき

太史慈を調べてみると、演義ではない方の三国志によると黄忠をおさえて弓の名手として出てくるらしいです。彼の有名な黄忠は演義のみ弓の名手らしいです。とりあえず上げてみました。










[6961] 11話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/03/11 12:54
11話



楽進が黄巾党の伝令を捕らえたところ、本拠地の場所が記してあったそうな。

これを逃すとまたどこかに雲隠れされる可能性が高いため決戦をするらしいです。

兵数20万で実戦力3万って。

次々に入ってくる情報を聞くかぎり、こりゃあ、本格的に張3姉妹はこの騒動に巻き込まれた可能性が高そうだなぁ。

でも殺すのかなぁ。一応名目上でも首謀者だからなぁ。

この時代、怪しいからとか確かな証拠がなくても罪を着せられ殺されていく時代だから。

一応生きて捕らえろとは言われているが、その後のことは聞いてないから、朝廷に引き渡すか、民衆の前で処刑にするか。

どちらにしても、曹操さんの考え次第ってことです。

黄巾党の陣に火が放たれています。

おもしろいほど混乱してます。

ジャーンジャーン!!

後は銅鑼をならしまくって矢を浴びせてれば、勝手に自滅してくれました。

それでも、混乱を沈めようとしている指揮官は気の毒だけど矢で射殺しました。

AMEN。

キリスト教ではないのだけど何となく言ってみました。アンデルセン神父は好きなキャラです。


張三姉妹が見つかったようです。


どうやら曹操さんは殺さない方向にするそうです。

顔が割れていないとはいえリスクを犯す必要はない。

確かに、兵を集めるのには役立つだろうが、それでもリターンよりリスクの方が高い。

曹操さんもなんだかんだで甘いなぁ、いやこの場合優しいで良いのかな?



黄巾の本隊を壊滅させたと言うことで、その褒賞を言い渡しに何進の名代として来たのは張 遼さんと陳宮、そして三国最強として一騎当千の代名詞である呂布である。

あれは無理。惇さん以外は勝ち目なし。闘うという選択肢はない。勝つのは絶対無理。あれ相手にするなら、それこそ、万の敵と対峙した方がマシです。

武の化身とはこのことを言うのかと思い知りました。


でも、それよりも重要なのは曹操さんがかなり怒っています。

そうだよなぁ。朝廷は何もしなかったくせに偉そうな態度を取り、尚かつ難癖つけたんだから曹操さんからしたらもう腸煮えくりかえってるだろう。

ああなったら一晩は経たなければ機嫌は直らないだろう。

触らぬ神に祟りなしと言うし、近づかないで置こう。

その後は、季衣と嬢ちゃんと楽進達で飲み屋を貸し切って宴会をしました。

俺の商会の店なので遅くまで騒げるのは良いですが、楽進達は飲み代を踏み倒す気満々ですよ。季衣は妹分なので俺が出しても良いですが、あの三人組は部下ってだけですから飲み代はしっかり払って貰います。まぁ、三人の給料から引けばすむことなのだが。



「わたしだってねぇ~」

嬢ちゃんは酔うと絡み酒のようです。

「あんたはねぇ、いつも誰のおかげで戦えてると思うのよ~」

「はいはい、嬢ちゃんにはいつも感謝してますよ」

まぁ、事実、補給から人員の配置までこの嬢ちゃんが取り仕切っているんだからある意味嬢ちゃんもだいぶんチートだな。

その働きぶりはさすが、王佐の才と称揚された荀文若と言えるだろう。

あるべき所に食料、武器、人員がなければ軍は成り立たない。

その判断をこの嬢ちゃんがすべて決定している。

食料の計算、武器の損傷具合、落伍兵や負傷兵の人員の減少、これらを全てを計算予測し、配置するのをこの嬢ちゃん決めているのだからまさに文官筆頭の名にはじない働きぶりである。

「なら~感謝の気持ちを示しなさいよ~!!」

んな、急にむちゃくちゃな。

いや、酔っぱらいに何を言ってもどうにもならんか。

なにか嬢ちゃんにやる物があったかな~

「じゃあ嬢ちゃんこの前異国から流れてきた物なんだが、これをやろう」

質流れ品らしく二束三文で売り出されていた物を買い取ったのだ。

その品はエメラルドの石をはめた首飾りだった。

「ふ、ふ~ん。ま、まぁこれで勘弁してあげるわ!」

かなり気に入ったらしい。頬が緩んでいるぞ嬢ちゃん。

三人組はなにやらブーブー言ってたが、お前らに借りはない上、どちらかと言ったら俺が迷惑かけられているから。

そういえば淵さんにも世話になってるから何か送らなきゃな~。

酒で良いかな。武将は基本的に体を動かすのに邪魔な物はつけたがらないからな。

基本的に食べ物を送ったりしたほうが喜ばれる。




後日談

なぜか食料を淵さんに付け届けたのだけれど不機嫌でした。

なんでさ?





[6961] 12話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/04/17 06:04
ある晴れた日の午後。


「太史慈!!これはどういう事だ!!」

「や、そんな主語すっ飛ばして質問されても分からないのですが?」

「なぜ、桂花と秋蘭には贈り物をして私には何もないんだ!?」

いやいや、あんたどちらかと言えば面倒起こす側の人でしょうに。

俺は世話になるどころか世話してる側の人間ですよ?

と言いたいがそんなことを言えばさすがに泣くだろうなぁ。

泣かれたら十中八九俺が悪者になってしまうだろう。

何か贈り物ねぇ。

食料は・・・淵さんに送ったばかりだし、しかもまた不機嫌になられたらイヤだし、ボツ。

とすると何かの装飾品か。あまり動くのに邪魔にならない程度の物となると・・

「じゃあこれを惇さんにあげるよ」

「髪留めか?」

「惇さんの髪は長いから闘うときに髪を纏めれたら便利じゃないかなぁ」

あまり細かい装飾を入れていない。シンプルな赤い髪留め。

商会で取り扱うかまだ決めていない商品だが我ながらなかなかの良いチョイスのようだ。

惇さんは満足したのかしたのかいそいそと立ち去っていきました。


12話



さて、商会の情報によると孫策さんは最近黄巾と盗賊などの討伐で名を上げているらしいです。

果たしてこの世界の孫策さんは呉を立ち上げる力と運があるのか。

いや、袁術は倒せるかもしれないけどそこから一大勢力になれるかは微妙だなぁ。

まず、圧倒的に人材不足だな。たしかに呉の旧臣たちはみな優秀だそうだが、圧倒的に人数が足らないだろう。

そして、兵力不足もあるうえ、金も潤沢といえるほどはないだろう。

だとすると、袁術を倒した後、うまく領地を治めれるかに掛かってくるだろう。

いや、他にも問題は山積みだがとりあえず足場をちゃんと固めないことにはどうにもならないわけで。

とりあえず、返事はがんばれとしか書けませんでしたが。





ついに来てしまいましたよ。

反董卓連合。

董卓さんが都で権力を握っているのが面白くないらしい袁紹が各勢力に檄文を送り董卓さんを討つ腹づもりらしい。

ゲスな奴だな。だから袁家の奴らは嫌いだ。何回かスカウトに来ていたが、袁家になんか仕えたくないので全て断った。

メンバーは、袁家の他に馬騰、劉備に孫策などの有名所がいっぱいだ。

確かに名を上げるのには格好の場だろう。


劉備さんの所にはすでに孔明がいるそうです。

三顧の礼イベントはなかったのか~。


と言う感想はいいのだが慌ただしく出兵の準備をしている。

なにしろ、大規模な遠征をするのだからそれだけ準備も大変になる。

大陸中が注目する戦のため、太史慈隊の装備も新調しました。

もちろん赤備えの甲冑ですよ。

曹操軍は基本的に黒を基調とした鎧を着ているので進軍中めちゃくちゃ目立ちます。

合流した所でも他の諸侯たちにどこかの新興勢力と勘違いされました。

軍議が行われるそうですが基本的に客将である俺は参加しません。


【諸侯のとある兵士】

北方から大規模な軍団が近づいてきた。

あれが黄巾と大将を討ち取った曹操の軍だろう。

そこまではよかったんだ。大規模とはいえここには袁家をはじめ少なからず大軍がいるのだから別段珍しいわけではない。

ただその曹操軍のなかに一際異質な隊がいた。


黒を基調にした曹操軍の中でその隊は燃えるような赤を基調にした甲冑を纏い、顔を半分隠れるような面を着けている。その隊が掲げているのは『風林火山』。


そんな風変わりな旗を掲げているのはこの大陸で1人しかいない。


仁にとみ、文においては肥料などを開発し、武においては魏の武神である夏候惇と死闘を演じ、半里も離れた敵の手を打ち抜ける弓の名手。


民に慕われる魏の客将。民は彼をこう呼ぶ『国士無双』と。

通常騎馬隊は神速を尊び、軽装でその機動力を活かした戦法を使うのが普通だ。


だがあいつらは違う。


一目で分かる。あいつらの戦い方はその重厚な装備で相手を押しつぶし、踏み倒す突撃に重きを置いた軍だと。

その凶悪さは西方から来た馬超の兵達の顔を見れば分かるだろう。

彼らは騎馬による戦いに長けた軍だけにその凶悪さがよりわかるのだろう。

馬とは本来臆病な生き物なのだ。

それを敵を押しつぶして戦えるようになるまで調教するのは並大抵のことではない。


その上、馬上で戦える物などごく少数なのだ。それらを全て解決したあの集団は一騎当千の軍団だと言うことだ。



【太史慈】

なにか変な勘違いをされた気がする。

この世界って鐙が開発されてないんだよ。あれがあるのとないとじゃ、かなりちがうよ?

鐙のおかげで家の軍が武田騎馬隊っぽくなれた。この世界って騎馬隊は機動力メインらしいので最初は驚かれました。

曹操さんから自分の部隊(いままでは曹操さんの軍の人を間借りしていた)を作ることを許可して貰い、自腹切って作り上げましたよ騎馬隊三千。


軽く1万の兵を集められる金がかかりました。


まぁ、そのぐらいの価値はあります。足の速さより頑丈さのある馬を買い、その調教をして、兵も一から調練して朝から晩まで訓練の毎日をし続けてやりましたよ。


練習量だったら旧日本帝国陸軍より多くしてやるって感じです。

そして先日出来たのが太史慈隊なわけです。


正直やりすぎた感ありまくりです。

みんな歴戦の兵士みたいな空気出してるよ?

ほらまだ洛陽までの道のりは長いんだからもう少し気楽にしてもいいんだよ?


そしたら


「ハッ!!お心使いありがとうございます。しかし我らの標語は【唯一安らかなる日は、過ぎ去った昨日のみ】であります。常在戦場の心構えで常におりますから心配はありません!!」

ってどこかの軍隊のようでしたよ。

標語?うん何かつけた方がいいかなって思ってつけてみました。確かどっかの特殊部隊の標語だった気がします。


「そ、そうですか。じゃあ適度に休憩は取るようにね?」と言うのが精一杯でした。



【孫権】

その軍は一際目立っていた。

燃えるような赤の甲冑を纏う騎馬兵。

彼らの顔には口元を隠すように面が装備されているため表情は読めないが、纏う空気は歴戦の兵士そのもの。


それを従えるのは七尺七寸の巨漢。

弓の名手であり、剣においては夏候惇と死闘を演じられるほどの達人。

あの他者に対しても自身に対しても厳しい思春が尊敬する人物。


掲げられている旗は、孫子の風林火山。

人は彼をこう呼ぶ『国士無双』。

国に二人といない、得難い人材。

姉様は言っていた。

彼は必ずわたし達の元へ一度来る。


その時に彼をいかに呉に取り入れるかで、呉の将来は決まるかもしれない、と。

根拠はない。ただの勘だ。

しかしその勘がいままで当たってきているだけに馬鹿に出来ない。

もし彼が私の前に立つとき私は彼を次代の呉の王として認めさせることが出来るだろうか。






[6961] 13話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/04/17 06:05

劉備さんの陣に招かれました。

いや、いろいろな人たちに招かれてはいたのですが、みんなそろいも揃って家に士官しないか?と言う話しでしたので断りました。

劉玄徳。

徳と仁を持って義勇軍から一大勢力までのし上がった漢の末裔。

現在は平原の相になっている。

彼女の元にはすでに、関羽、張飛、超雲、孔明と言う三国志を語る上で欠かせない人物達が集まっている。

一応招かれている身とはいえ一客将であるから手みやげを持っていきました。

その手みやげとは、武器と食料です。

今現在の彼らの武器は黄巾との戦いで修復はしているが限界のようなので幾ばくかの装備を持っていきました。

食料も明らかに足りないので分けてあげました。

これには打算もあり、彼女が一大勢力となったとき、何らかの形で借りを返してくれるかなぁと思ったからです。



まぁ、実際は困っている姿を見て放っておけなかったって言うのが本音ですが・・




13話



そんなこんなで今劉備さんと謁見しています。

「曹操軍の客将をしています。太史慈 子義といいます。」

「平原群の相をしています。劉備 玄徳です」

と言った感じで自己紹介を済ましました。

関羽と張飛。

その姿形は変えても、放っている気は一騎当千の物です。

彼らは一万の兵に等しいといわれくらいですから、まぁ当然かもしれませんが。

って言うか一万ってどんだけ化け物ですか。

惇さんと同じぐらい化け物だね。

それより一番化け物じみているのは孔明だろう。

こちらを注意深く観察してきています。

なるほど確かに希代の名軍師と呼ばれるわけだわ。

たかが一群の相にしては人材が集まりすぎている。

劉備の人徳もあるのだろうが、ここまでの人材が集まるのはまさしく天運だろう。

そのあとは酒を飲みながら軽い宴会でした。

いやいや、この世界の武将にしろ文官にしろ美人が多くてかなり役得です。

しかも彼の有名な人たちに酌をしてもらえるのだから、最高でしたよ?

孔明さんがありがとうございましたと言ってくれたが、むしろこっちが頭下げたいくらいです。

孔明さんは真面目な子だなぁ。

【孔明サイド】

今日彼が来る。

民から慕われる魏の客将。彼は一体何者だろう。

文においても武においても優れ、あの赤い騎馬隊を作り出す指揮能力。

まるで物語に出てくる人物のようだ。

しかもこちらの備蓄がないことを悟って他の諸侯に気付かれないように武器と食
料を送り届けれる手腕。



実際食料が足らなくなった場合は他の諸侯を当てにするしかないのだが、その場合軍議などで無理を言われてしまう可能性があり、最悪軍議に出席できないこともあり得る。


確かに助かったのだが、私はその裏に何かあるのではないかと疑った。


しかし彼は礼を言う桃香様に「いつか返せるときにこの借りを返してくれればいい」と言うだけでした。

その顔を見て分かりました。


彼はただ食料も武器も頼りないわたし達を助けただけで大して見返りを求めていない。

そこで再度思い出しました。


彼は肥料を開発した後、無料で民にその製法を教えたと。

つまり彼はそういう人なのだろう。


謀略でもなく策でもない。


それはただの善意だった。

私は彼の善意を疑い、尚かつうまくいけば利用してやろうと考えていました。

彼はそのまま武器や食料のことは何も言わず、陣を去っていきました。

去り際、私は彼にただ万感の思いを込めて「ありがとうございます」といいました。

それで、全て伝わったのでしょう。

彼は、少し苦笑して「いやいやこちらも話せて楽しかったよ」と言いただ笑いながら去っていきました。



おまけ

劉備の陣で宴会したこといったら、なぜか惇さん淵さん曹操さんに殴られた上、嬢ちゃんにその日一日馬を取り上げられて徒歩で行軍させられました。


ただ一言、美人と呑む酒は最高です。と言っただけなのに。


男だったら一度は憧れる場面ですよ!?





注:文章が少なかったので追加です






袁紹は馬鹿だと認定しました。

難攻不落と言われている要塞にただ突っ込めって何考えているんだ?

そんなに突っ込みたいなら自分1人で行け。

皇帝が力を失っている今、名家にどれほどの価値があるというのだ。

守りに入っている20万の敵に15万で挑むのだから何かしらの策を使わなければどうにもならないだろう。

兵法の基本は相手より多くの兵を集めること。

そして、城にこもった敵を攻略するには相手より3倍の兵を用意する。

この前提が覆っている時点で、正攻法に攻めたところで勝ち目なし。

しかも敵は汜水関と虎牢関という難攻不落の要塞で守りを固めている。

それを率いるのは呂布などの優将。

何か考えるだけで頭痛がしてきました。

劉備さんは先陣を命じられていました。

華雄将軍は武においては優将だが、武人として誇り高いが故に挑発に乗りやすい。

孔明さんはそこを利用するつもりらしい。

でも仮にも守備を任されいる将軍がそう簡単に挑発に・・・・乗ってきましたね。

華雄将軍は惇さん以上の猪ですか。よくそんなで将軍やってられるな。

そして張遼に連れられて撤退しました。

何というか。呆気にとられています。なんと虎牢関でも同じコトしてくれましたよ、あの将軍。

華雄将軍って実は味方じゃないの?って言いたいくらいです。

その後、関に撤退したのは良いのだけれどなぜか外から見るに人っ子1人見あたりません。

何か内輪もめが起こったのか、何かの罠か?と各陣営が動かないでいると。

袁紹が突っ込んできましたよ、そりゃもう意気揚々にある意味勇ましく。


罠って可能性を考えなかったのか、それとも総大将としての献身の行動なのか。まぁ間違いなく前者に全財産賭けるが。

それにしても関羽さんや張飛さんはすごいね。彼女らは人間という種族じゃないね。きっとどこか違う星の人だよ。

一振りで5人一発に斬ったり、人が面白いように舞ってました。

人って飛べる生き物じゃないんだよ?何で軽く2,30m飛んでるのかな。トラックに正面衝突でもしない限り人はそんなに飛びません。

惇さんが「私だったらもっと飛ばせるぞ!!」って胸張って言いましたがスルーです。

最近ね、ちょっとは自信出てきてたんだよ?でも、無理だったんだね。

ついでに気になってたんですがさっきから横にいる浅グロの少女は誰?



[6961] 14話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/04/17 06:06
「た、太、太史慈殿でございますか!?」

「は、はい、太史慈ですが?」

この少女は何者だろう?肌色から察するに孫策さんの所の人か。

「私は、甘寧と申します」

甘寧ってあの鈴の甘寧ですか!?でも鈴はつけてないのか。

「その孫策様より今夜来て欲しいとのことです」

孫策さんが?まぁ、来いと言うなら行くけども。んじゃご苦労さん。

って言ったけど甘寧さんはもじもじしています。

「まだ何かご用でも?」

「あ、あの『忠臣蔵』読みました!!」

あぁ、確かに書きました。売れるかなって思って出した時代劇シリーズ。

聞くところによると義理とか忠誠心に感動したらしい。

所謂ファンと言う奴ですか。握手でもすればいいのかな。

「あ、あのよろしければ握手して貰ってもかまいませんか!」

そのまま、握手すると「もう一生何も握りません!!」って洗わないじゃなく握らないなんだ。それじゃ戦えないんじゃ?、と聞くと「足でなぎ払います!!」と言い切りましたよこのお嬢さん。

「いやいや、握手ぐらいならいつでもするから普通に戦おうな?」

と、どこか幼くも見えてしまって頭を撫でてしまうと。

「一生洗いません!!」

いやいやそれは洗わないとまずいでしょうよ。





「何か良い策ちょーだい」

いやいや、かわいらしく言ってもあんたの隣にいる人がどなたかお忘れですか?

周公勤ですよ。

孔明と同じく名軍師ともてはやさせた人ですよ。ついでに美人さんですよ。

「国士無双とか言われてるんだから何か良い策くれても良いじゃない?」

何ですかその国士無双って、俺が国士無双だったら惇さん筆頭に人外の皆さんは何ですか?あっ!逆にたくさんいるから国士無双にはならないか。

そんな身の丈に合わない噂はおいといて、まさか本当にそんなこと聞きに来た訳じゃないんでしょ。

「まあね、早速本題だけどあたし達が独立したら客将としてきてくれるのね?」

「期限付きですが、そうしたいと思っています。」

「わかったわ。わたし達はその期限で貴方を認めさせれるかって事よね」

「ええ、試すようなことをして申し訳ないと思うけど、俺としてはこの乱世をより良い形で治めてくれる人につきたい。」

それさえ終われば片田舎に引っ込んでも良いと思っています。楽隠居とか最高です。

せっかく商会をつくったのだからシルクロードを渡ってヨーロッパの方に行くのも悪くないなぁ。後はきれいな嫁さん貰ったら最高ですね。

まぁ、今のところは妄想でしかないのだけれど。

その後は孫策さんから孫権さんを紹介されて、軽く宴会をしてお暇しました。あまり飲み過ぎるとこの前みたいに怒られるからね。今回はほとんど呑んでないし怒られないぞ!!



次の日は馬どころか鎧も一般兵と同じ物に変えられて一日雑用に使われました。

何が行けなかったのか。ちゃんと事前に宴会に行くことを伝えていたはずなのに・・・。

呉の服はエロい、呉の胸は化け物か!!と言ったのが悪かったのか。

いや、だから嬢ちゃんも曹操さんもこれからでしょうに。

嬢ちゃんに「おっきいのと小さいのどっちがいいの!?」と聞かれましたが、男は総じて大きい物に弱いです、と伝えました。嬢ちゃん、男ってのはそんなもんだぜ。いや小さいのが好きって言う人もいるけどね

男にとって女性の胸には夢とか妄想とかいろいろ大切な物が詰まっているんです!!

その上、呉の服を見てください。あんなヘソ出しで胸を強調する服は反則だと思うわけです。








久々にやってきました洛陽です。

いくらほとんど損害もなしにここまで来れたと言っても向こうは10万はいるだろうから数で勝っているとはいえ安易に攻めるのは危険だ。

なにしろ洛陽は漢王朝の首都だけにその城壁は高く頑丈に作られている。しかもこちらは一軍ではなく連合。連携など元から考えない奴らも多い。そのうえ遠征で来ているのだから、時間が経てば経つほど兵の志気が下がっていく。

嬢ちゃん達軍師も連日のように頭を悩ませているようだ。

ところで嬢ちゃん。考えるのは良いのだが俺は椅子ではないんだよ?

「いいじゃない、城攻めに騎馬隊は必要ないから、暇でしょ?」

いやまぁそうなんだが・・・俺も一様城攻めには参加しているんだけどなぁ。


曹操さんが策を出してくれました。

何でも分担をして一日中攻め続ける作戦だそうです。まぁこれなら数が勝っている今の内にしとけば相手の志気はボロボロになるだろう。

なんでも、商会で創った24時間営業の薬屋からヒントを得たらしいです。

一日を6等分して攻撃するから一つあたり4時間か。

相手の精神力を削るには確かに効果的かも。


2日後

野戦を挑むようです。

そうだよなぁ。このままだったら下手したら自滅するから、殲滅はしなくても一当てして敵の数を減らせればこの作戦は使えないからそこを狙うのは当たり前か。


張遼さんを仲間にしたいとのことなので、捕獲に惇さん、呂布を押さえるのに淵さんと季衣、華雄将軍を討ち取るのに俺が任命されました。


両軍の先陣がぶつかりました。

突破力のある俺と隊と惇さんの隊が魏軍の先陣としてぶつかり合います。

惇さんは張遼さんを俺は華雄を見つけそれぞれに向かいます。

華雄もこちらを見つけたのかこちらに向かってきます。

華雄は戦斧を振りかざし突っ込んでくる。

「うおぉーー!!」

将を討つならまず馬からってね。

戦斧の一撃をかわしつつ華雄の馬を斬りつける。

華雄は馬から飛び降りすかさず戦斧をふりまわす。さすがに将軍と言われる事はありそこらの武将より強い。

(惇さん以上の化け物でない限り何とかなる!!)

あの惇さんと稽古をしているのだから少しくらい強くなってなきゃ嘘ですよ?

華雄は強いがその攻撃は惇さんより遥かに読みやすい。

何しろ惇さんは本能と勘で闘う人ですから、攻撃が普通の人より遥かに読みづらいのです。


戦斧の上段からの一撃をかわし、1撃2撃3撃。

舞うように斬って斬って斬りまくる。

勝負は一瞬、華雄は大量の血を吐き倒れる。

その姿に動揺する華雄軍。

すまんな。後ろに控えていた騎馬隊に突撃を命じる。その姿はなんと言えばいいだろう。兵が騎馬によって飲み込まれていく。敵を踏み倒しながら進んでいく姿はまさしく敵にとって恐怖そのものだろう。


まさに、侵略すること火の如し。

愛馬である黒雲にのり、惇さんを見つけました。

キンッ!!ガン!!

と何合も打ち合ってます。さすがチート筆頭。楽しそうな顔して打ち合ってますよ。笑いながら闘うその姿はまさに狂戦士。

人外にもほどがあります。

そこで見つけたのは、弓で惇さんを狙う兵士。

おいおい、一騎打ちの最中にそれはないだろよ!!

弓を構える時間はない。だとすると道は一つ。惇さんと弓を構える兵士の間にはいるしかない


【夏候惇サイド】

その時私は張遼との勝負に集中はしていた。しかし普段なら弓に気付けたはずだった。

一騎打ちの最中とはいえ戦場だ。そのような不意打ちは珍しくはない。特に負けているときはそのような行動に走る輩はどこにでもいるものだ。

なのにその時に限って気付けなかった。あいつが華雄を討ち取ったと聞いて少し浮き足立ってしまったのかもしれない。

気付いたのはあいつが馬で倒れながら私を狙っていたらしい弓兵の放った矢を受けた後だった。

「太史慈!!」

太史慈は、矢を肩に受け馬から転げ落ちる。だがすぐ立ち上がり肩の弓矢を引き抜きその矢を弓兵に向け放つ。

その時思ったのは太史慈が致命傷を負っていないという安堵と弓を引くその姿に対する一種の感動だった。

まるで名刀に出会ったときのような感動を抱いた。それは弓を扱う物にとって理想の構えなのだと感じた。


【太史慈サイド】

痛いです。

て言うか肩が熱いです。

あれだね、今はアドレナリンで痛みを感じていないだけで、それが引いたらかなり痛いだろうなぁ。

「惇さん、後頼んます」

とりあえず手当てしなきゃいけないし、血がかなり出てるからけっこうやばいかも。



曹操軍本陣


嬢ちゃん。仮にもけが人なんだから少し優しくしてくれ。っていうか包帯を巻くだけとはいえちゃんとした医者にして貰った方が良いじゃないか?

「うるさいわね!!あたしがわざわざ看病してあげているのよ。何か問題ある!?」
イヤまぁありがたいのはありがたいのだが四六時中看病しなくても良いのでは?


あとがき

難産でした。何とかどんな形でも完結までは書きたいので応援よろしくお願いします



[6961] 15話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/03/31 21:22
「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

なんか沈黙が包んでいます。怪我はたいしたことはないらしく二、三日動かさなければ歩き回っても問題ないらしいです。

案外軽傷でよかったと思ってたのですが、そのあと曹操さんと惇さん、嬢ちゃんがテントに入ってきた後、何故か沈黙が続いています。

「あの~・・」

「なによ」

「なんだ」

「なに」

誰かこの空気何とかして~!!何かのイジメですか。病人ですよ?華雄だって討ち取った功績もあるのに何ですか、この扱い。

淵さんがくるまで一刻の間、見舞いという名の拷問が行われました。



一五話




洛陽では炊き出しが行われています。劉備さんところも炊き出しをやっているようですが太史慈隊の炊き出しが人気です。何故かって?それは炊き出しがカレーですから。日本人で嫌いな人はいないという定番の料理です。ここは中国だけど。

初めは見た目で敬遠されていましたがうまいという評判が出回ると大人気になりました。

劉備さんの所に以前洛陽でぶつかった少女がいました。なんでもこの混乱に巻き込まれたらしく劉備さんの所に身を寄せているようです。どこぞの弱小貴族さんらしい。あまりにも不運だから『とりあえず困ったことがあったらおいちゃんに相談しな』といって物資(金と食料)あげました。聞くところによるとやっぱり董卓は悪人ではないらしい。ということは結局の所悪いのは連合ということです。少女の友達の眼鏡ッ子にも恨み言を言われました。

『あんた達のせいでこんな事になった』

正直この言葉はこたえたね。分かっていたこととはいえ被害者に真っ正面に言われると頭を下げるしかないからね。一軍の将でしかない俺にはそれしかできない。


街を歩いていると若者達は眼鏡ッ子と同じく恨み言を言い殴りかかってきました。正直素人相手とはいえ殴られるのは痛い。でも、家や家族を失った者からしたら正当な怒りだと思う。だからこそ剣を抜こうとした部下も止めて下がらせました。

リアルにこの惨状を生み出した一員となると被害者に殴られるのは仕方ないかなとも思ってしまうわけですよ。

半時間ぐらいしたら若者達も去っていきました。部下達は総じて唇をかんで、堪えていました。なかなか忠誠心のある部下を持ちました。

しかし本陣に帰ったら、医者に怒られ、そこから伝わったのか嬢ちゃんには怒りながら泣かれ、曹操さんは何があったのか察して「・・善人め」と一言残していきました。季衣と惇さん淵さんは怒りどこの誰がやったと騒いでいました。

とりあえず、もし今後殴られることがあったら怪我が治るまで監禁すると脅されました。まぁ、いつまでも悔やんでいても仕方ないですから今回のようなことないようにしたいです。

張遼さんは関西弁をしゃべってました。友好の証として酒を送ったら喜んでくれました。朝まで呑んで騒いで気が付いたら寝ていました。

後日
会議の場にて「張遼さんが一晩を一緒に寝た仲やんか~」と言う発言で修羅場が発生したのはまたのお話。



孔融さんから手紙を貰いました。何でも優秀な人物がいるので部下にしてみないか?という内容と困ったことがあれば頼ってくれて良いという内容でした。紹介状を書いたのでその内会いに来るらしい。
孔融さんは孔子の20世の孫で、人脈が豊富で何かとお世話になってます。ただ手紙のやりとりで必ずウチの娘の婿にならないかと誘われています。




袁紹が河北四州を占領したらしい。曹操さんの読みではこのあとこちらに攻めてくるらしいです。なんでも小さい宝箱と大きい宝箱だと必ず大きい方を選ぶ人だからだそうです。

「嬢ちゃんはいつも大変だな~」

嬢ちゃんは袁紹に対しても劉備さんに対しても警戒しなきゃいけないからまさしく死力を尽くすって感じだな。こりゃ体を壊す前に無理矢理にでも寝かしに行くべきか。

嬢ちゃんは以前5日寝ないで仕事をするというナポレオンもビックリなことをしていたため。部屋に呼び出し無理矢理寝かしつけたことがありました。最近も無理をしているようなのでまたそれをする必要がありそうです。



袁紹が国境を越えてきたようです。

しかも奇襲ではなく力の誇示だけに3万もの大軍勢を引き連れて。一体それだけの軍を動かすのにどれだけの金が掛かるか小一時間問いつめたいです。

ただの馬鹿なら良いのだが、下手に力を持っているのだから始末に負えない。

さて、その情報をくれた城の兵はというと。

「七百程度だそうだ」

な、七百ですか。さすがに袁紹相手とはいえそれでは勝ち目はないな。

嬢ちゃんの計算では半日以内では二千が限界だそうだ。もう半日あれば2万に届くらしいが、それでは手遅れだろう。

二千では、3万の敵を防ぐのは厳しい。曹操さんは親衛隊を入れて計算してもいいと言いました。普通親衛隊は曹操さんの警護を目的に創られているのですから戦にでてもそれは曹操さんが直接でるときだけです。つまり、曹操さんは自分の警護の人員を外すということです。曹操さんは一大勢力で暗殺の危険も常について回っています。それらの危険から護る盾を外すというのだからここら辺の決断力はさすがです。

だが、それでも七千の兵しか集まらないため、戦うには厳しい。

さてさてどうしたものか。と思い悩んでいたらなんと報告のあった城から援軍の拒否が来ました。

玉砕でもやらかすつもりですか。

「わかったわ。ならば増援は送らない」

おいおい。マジですか。何か秘策でもあるのか?3万に七百では策ではどうにもならない気がするが・・。

城の指揮官は程立と郭 嘉らしいです。

魏を代表する軍師がなんでそんなところにいるの!?

両方とも優れた軍師として逸話が残っているぐらいの人です。三国無双ではちょい役でしたが。

彼らがあまり目立たなかったのはひとえに曹操の人材マニアぶりのせいだと思います。

とにかく、そのぐらいの名軍師二人がいらないというぐらいですから。何か策があるのだと思います。

曹操さんはそこまで見抜いた上で増援を送らないと言ったのか?だとしたら本当に化け物じみてるなぁ。

曹操さんは袁紹が去った後、二人を呼び出すことと、勝手に軍を動かさないことと言って解散を命じました。


「本隊止まれ!!止まれー!!」

なにやら中庭が騒がしいと思ってきてみたら、惇さんが自分の部隊を引き連れて出て行こうとしてます。

あちゃー、そうだった。ウチには1人問題児がいたわ。とりあえず太史慈隊に門を閉じて誰もとさないようにと命令しました。

曹操さんを呼びに行かなきゃいけないし、最近暇がないな~。孔融さんの紹介してくれた人材が早く来ないかな~。

曹操さんは意外に惇さんが行くことを認めました。ただし三百の兵だけで行けとのことです。曹操さんが惇さんをみすみす死地に送り出すことはしないと思うので何か絡繰りがあるのかもしれない。

「よし!!では太史慈来い!!」

はいはい。・・・はい!!?

「俺も行くの!?何故に!?」

ビックリですよ。そんないきなり言われても・・

「何だ?・・来てはくれないのか?」

そ、そんな泣きそうな顔で見られても・・。何この空気、周りから白い目で見られてます。

「なんで、太史慈もつれいくのよ!!あんたには自分の隊があるでしょうが!!」

嬢ちゃんが助け船を出してくれました。

「1人でも優秀な兵を連れて行きたいのは将として当然だろう!!」

「太史慈は客将とはいえ一軍の将よ、その彼を一兵士のように扱うのはおかしいでしょ!!」

こんな感じで言い争いが続いてます。本当にこの二人は仲悪いなぁ。

「いい加減にしなさい!!太史慈は春蘭と一緒に行きなさい」

曹操さんの一言で行くことに決まってしまいました。


次回予告

「いえいえ、曹操さんじゃなくてですね。お兄さんですよ?」

突然の宣告

「太史慈。傷薬の貯蔵は十分か?」

訓練という名の私刑

「あんたのここはあたしの特等席でしょ!!?」

訳のわからん八つ当たり


感想

感想が200に届きそうです。まさかここまで感想をくれるとは思っていなかったので、作者としては感無量です。これからもよろしくお願いします



[6961] 閑話 ネタ?
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/04/24 21:48

朝、太史慈は顔を洗い朝ご飯の準備をする。



太史慈が住んでいるのは平屋建ての日本家屋である。大工に無理を言って作ったものだ。

妹分の季衣と一緒に住んでいる。


季衣は1人で寝るのは嫌らしいので一緒に寝ている。



その場面を見て曹操さん以下が不機嫌になることがあったがそれはまた別のお話。



その後、季衣を起こし朝食に取る。



「「いただきまーす」」



「ふぉこふぉで・・」



「ちゃんと食べてから言いなさい」



「んぐ・・・。ところで兄ちゃん今日は休みなの?」



「いや、商会の方にも顔出さないといけないからそこそこ忙しいな」



「じゃあさ、今度の休みの日にお花見行こうよ!!すごくきれいな場所があるって教えて貰ったんだ」



「そうだな、嬢ちゃん達も連れて一緒に行くか」




太史慈の家には町民や子供もよく訪れる。



「太史慈さま、ウチの馬鹿亭主またツケで呑んでくるんです」



「太史慈様、何か料理教えてください」



「子義―。新しい小説まだー」



「シギシギ、何でここにいるの?お仕事は~?」





「今度店の大将にツケで呑ませるなって言っておきます」



「また今度な。来週あたりに教えるから」



「新刊は半年後って言っただろうが」



「今日は非番だがいろいろ用事があって忙しいんだ。っていうか一応この国の武将なんだから頼むからあだ名はヤメテ」


とこんなどうでも良い相談(?)から街の治安の問題から民の不満や川の治水問題などの重要な相談も持ってくる。



これらの相談は実際に反映されている。



他の地方から職を探しに来た人たちに職を紹介する現代で言うところのハローワークを設立し、職業の斡旋を積極に行うことで街の治安にも貢献した。



その後は商会などに行き様々な商品の相場などを確認等の仕事をした後、華琳に呼ばれ城に向かう。


華琳はたびたびお茶会に太史慈を呼んだりしている。



まぁ、たいていは何故か春蘭や桂花が、どこから嗅ぎつけてきたのか強制参加しているのだが・・・。

華琳とのお茶会を終えた後、桂花の仕事の手伝いをする。


この仕事中は特に会話をしないのだが桂花にとっては一番の楽しみになっている。


また休憩中は太史慈の膝を占領しているが、その姿は恋人というより親子の方が似合ってしまう。


桂花としてはそこら辺のことも気にしているが、このひとときの間は誰も見たことがないほど表情が緩んでいる。


余りに居心地が良いのかこのまま寝てしまうことも多い。


太史慈としては休んで貰いたいがために最近は膝に乗られることに関して何も言わなくなってる。

その後太史慈騎馬隊の調練である。


騎馬隊であるのだから馬の扱いは上手くなくては話しにならない。


騎馬による密集陣形や陣形から陣形への移動を素早く可能にするための反復練習。


馬上での戦いの練習。突撃しながらの射撃や対矢戦防御。


これも太史慈の発案だが一般の兵では馬上で弓を扱うのは難しいため撃ちやすいボウガンを装備している。


この時代においては最先端の技術力をフルに使った軍隊である。


その分、金は一人の兵士を作るのに三人分以上かかると言われている。

だからこそわずか三千の兵力なのだが・・・。

その攻撃力、機動性、どれをとっても一級品。


それこそ袁紹や袁術などの馬鹿に指揮されない限り倍の相手にでも勝つことが出来るだろう。



太史慈自身としては『それなんて厨二病?』な集団を率いることになるとは思っても見なかったため「何でこんな事に・・」と背中に影を背負ってる姿が目撃されている。


晩ご飯なのだが、この頃は春蘭と桂花は毎日のように食べに来ている。


「ちょっと春蘭。肉取り過ぎよ!!」


「ははは、この世は弱肉強食だぞ!!」


「や、惇サンそんな誇らしげに言われても・・」


鍋を挟んで口論している。季衣は無視して鍋に集中している。



この後酒が入り宴会のようになり、結局泊まっていくことが多いため二人の布団と寝間着は完備済みだったりする。



太史慈評価


雪蓮・・・お酒をくれる人。イイ奴だけど、それを抜きにして戦では戦いたくない相手。乱世を治める役目は自分だが、その後は蓮華に任せるため太史慈には自分ではなく蓮華を見て評価して欲しいと思っている。




冥琳・・・太史慈に対しては高い評価をしている。呉の中で一番太史慈に期待している。が同時に危険視もしている。太史慈の発言に嘘偽りがあるとは思っていないが、もし魏に付いた場合呉一国で防ぐのは不可能だと思っている。




蓮華・・・自身に王としての器があるのか悩んでいるため太史慈の前に立つ勇気がない。その考え自体が王としてはダメなのでは・・、とネガティブ思考に陥っている。



思春・・・すでに二人の子供の名前まで考えてしまっている妄想族。原作ではなかった少しアレな子。
キャラがちげぇとか思ったしてもスルーの方向で。




桃香・・食料や武器を分けてくれたことに恩義を感じている。何とかして借りを返したいと思ってはいる。



もしかしたらこんな展開も?シリーズ(ネタです)


「は、早く逃げなきゃいけないのに何で立ち止まるの!?」



少し調子の外れた震えた声で蓮華が声を掛ける。



「悪り、ここまでみたいだ」



太史慈は片手を顔の前に出して、血だらけの体で少し待ち合わせに遅れた時のように軽く謝る。



「それにしてもここは合肥じゃないのになぁ~。淵さんが待ち伏せとは運のない。」



「何言ってるの?この先の森に入れば逃げ切れるわ!!」



「あれだけの軍勢に捜索されたらさすがに無理でしょ。」



「じゃぁ、どうするの!?」



「ここで残りの兵で足止めをする。ちょうどに谷のように一本道だからな。50騎いれば十分だ」



確かに、太史慈と太史慈隊の騎馬であるなら足止めは可能だろう。しかし、それは・・



「死ぬって事じゃない!!」



「わかっているだろ。今の状態がどんなものか。俺は放っておいても1刻もすれば死ぬ。」


「ッ!!」


明確な死の宣告だった。


「蓮華、お前は王だ。民を導き護るのがお前の仕事だ。


そして俺たちは兵であり武将だ。戦場で戦い死んでいくのが仕事だ。


孫策さん亡き後、蓮華が死んだら呉は終わってしまう。


小連では幼すぎるしな。曹操さんに対抗するのは難しい」



「それは・・・」



事実だった。蓮華がいても不利な状態なのだ。



「冥琳達も探しているはずだ。蓮華が救援を呼べればもしかしたら何とかなるかもしれないだろ?」



そんな可能性はない。


よしんばあったとしても援軍を送るような余裕はない。


そんなことは太史慈もじゅうぶん承知している



太史慈は試してもいるのだ。この後どのように王として振る舞うことが出来るかを。



「・・わかった。太史慈よ。これよりここに留まり敵を足止めしろ」


絞り出すような声だった。


初めて自分の家臣に死ねと命令したのだ。


泣き叫びたい気持ちだった。


なんでと。


死んで欲しくないと。


しかし太史慈はそんなことを望んでなんかいない。


太史慈はいつかのように笑いながら、



「了解した。・・・あぁ、そうだ足止めと言ったが倒してしまってもかまわんのだろう?」



血だらけの体でいたずらっぽく笑いながら太史慈は言う。不可能だ。そんなこと出来ないと普通は思う。


でも、この男ならば出来るかもしれない、と思ってしまう。


「ええ、遠慮はいらないわ。」


「了解した。我が王」



あとがき

遅くなってすみません。友達からは『もう忘れられてるんじゃね?』と言われました。今後の構想でいくつかアイデアは浮かんだんですが上手くまとまらず今回とりあえず閑話を入れさせて頂きました。

とりあえず、完成させることは諦めないので長い目でよろしくお願いします。


あと誤字の修正の指摘ありがとうございます。




[6961] 16話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/04/25 17:00
ただ今、300騎の兵と行軍中です。


ことの発端の惇さんなのですが、太史慈隊の準備してたら「遅いから先に行く」と言って先に行ってしまいました。

いやいや、1人でどうすんの?


万が一惇さんが死なれたら首が飛ぶよ?


主に俺のが物理的に。


まぁ、あのチート筆頭がそう簡単に死なないとは思うが。


惇さんは曹操さんの愛人だからなぁ。

傷一つでもつけたらあのS君主に折檻されそうで怖いです。


この時代って同性愛に寛容みたいです。


まぁ、日本でも昔は男色とかはそれなりに盛んだったそうなので有りと言えばあり何でしょうけど。


でも、曹操さんは王なんだからいつか後継者を作らないといけないんじゃ?と言うと『心配ないわよ。当てはあるから』っていってました。


まぁ、そうだろうなぁ今曹操さんが死ぬと魏は崩壊するのは本人が一番知っているだろうし。後継者は養子でも取るのかな?



よく考えたら嬢ちゃんもその愛人ズのメンバーなんだよなぁ。


魏ってもしかして普通に百合の園ってやつですか?


城の中の侍女だけでなく武官や文官の大半が女性というのはつまり魏はレズの国。


そう考えると俺ってかなり肩身狭いような気がしてくるなぁ。


まぁ本来は呉の武将のはずだから違和感あるのは当たり前かもしれないけどさ。


その呉は呉でいろいろ大変らしい。


文官も武官も旧臣派と老臣派で内部分裂しそうな状況らしいです。


今は袁術という共通の敵がいるから良い物のそれを倒した後は一波乱も起きるかもしれないそうです。


ついでに旧臣派とは周喩さん筆頭に若い武官や文官たちで孫策さんの側近。


老臣派は旧臣派に王の側近の立場を追われた人たちが中心。


孫策さんはこの老臣派と折り合いが悪く、袁術という共通の敵がいなければ内乱の一つや二つ起きる可能性が高いのである。


あっ、そろそろ城が見えてきました。





16話     曹操さんに「貧乳」って言葉を吐いたら泣くまで殴られましたorz BY太史慈




かいもーん!!って感じで入ったら惇さんと見知らぬ二人組がなにやら言い争っています。


「私にわかるように説明しろ!!」



「ですから、何度も言っているのに何で理解できないんですか貴方は」



「まぁまぁ、稟ちゃん。人に物事を伝えるのは・・ぐぅー」


「セリフの途中に寝るなぁー!!」


「おぉ!!寝ていませんよ?一瞬意識が飛んだだけですよ?」


「風、それを人は寝たというと思いますが・・」


あぁ、何とも面倒臭い事になってます。

関わりたくないなぁ。


とりあえず自体が落ち着くまで静観するということに・・ガシッ!!


はいはい、わかりましたよ。


行けばいいでしょ行けば。

だから惇さん手を握りつぶすほど強く握らなくてもイイですよ、と言うか離してください。


もしくは力抜いてください。骨がミシミシ鳴ってますから!!お願いします。


10メートルは離れてたのに一瞬で踏破するとは、やっぱりこの人は人外だと思う。


「う、うむ分かればいいんだ、分かれば」


握力とかどのぐらいあるんだろう、いつかのボブサップみたいにリンゴ片手で握りつぶしそうだな。



郭 嘉・・中国後漢末期に曹操に仕えた謀臣。神算鬼謀の代名詞。曹操に「郭 嘉がいれば赤壁の戦いで負けなかった」と言ったほどの軍師



程 昱・・
呂布に敗れた曹操が弱気になって袁紹と同盟しようとしたときに止めたり、曹操と曹丕の仲を取り持ったした。こちらも歴史に残る名軍師。



郭嘉に関しては、まぁイメージ道りというか、真面目な感じの子です。


うん、どんな人かと思ったけど普通そうな人でよかった。


問題はその横にいる頭の上に太陽の塔?みたいなのを頭に乗せた少女。


こちら見てニヤ~ってみてます。


なんだろうあの目すごく嫌な予感がしまくりです。


ネコが獲物見つけたときと同じ感じです。


「お兄さん、お兄さん」


「な、なんですか?」


「お兄さんの名前は太史慈ですか?」


「そ、そうですが。なにか?」


「はい、お手紙ですよ。お義母さんから預かってきましたよ~」


母さんから?なんだろうなぁ~。


って言うか母さんからの手紙ってすごく嫌な予感しかしないですけど。


みなかったこと・・・にはできないよなぁ。


手紙は最近の出来事や知恵を貸せというようなこと等で問題はなかった。


そう問題はないはずだったのに最後の数行が大問題だった。


『酒屋で知り合って気に入ったから許嫁にしておきました。


かわいい子だからって獣のように襲いかかちゃダメよ?


本人は乗り気なので気に入ったら嫁にしてあげたら?』


マジですか母さん。


婚約者ですか?


イヤ確かにかわいい子だとは思うがこの子に手を出したら児童なんたら法で捕まりそうなんですが?


「そゆことで、よろしくお願いしますね~」


「とりあえずこの話は嘘って事になりませんか!?なりませんよね?そうですか。
もう犯罪者決定ですか?あははは・・・」


「太史慈。ど、どうしたんだ?」


といって惇さんが手紙を横から読んで。


「太史慈。いや子義。少しお話ししようか?具体的には拳で」


えぇー!!!何ですかその理不尽!!!もう俺のライフはゼロよ!!?






鄄城防衛戦

袁紹軍 3万

武将  袁紹、顔良、文 醜

負傷者  ゼロ

戦果  地形の把握





曹操軍  700+300

武将  郭嘉、程 昱、夏候惇、太史慈

負傷者 1名 頭部を中心に殴打。

戦果  夏候惇 武将一名撃破



あとがき

風の扱いこんな感じになってしまいました。少しはオリキャラ書いたら?と言われたので挑戦しようと思います。



[6961] 17話 書き直しました
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/05/09 01:01

目が覚めると何故かボコボコになってました。



あの後修練場に強制連行された後の記憶がありません。


あれですか。


人間極度の恐怖や痛みを感じると自分を護るために記憶を失うというやつですか。


しかも、ここ俺の部屋です。


モゾモゾ。



どうやら誰かがここまで運んでくれたようです。


もうそろそろ明け方かぁ。


でも、怪我してるからしばらくお休み貰おう。



スリスリ。





・・・・・・・・・・・・・・



スマン。現実を認めよう。


そしてこの現状を叫びたいと思う。


「何で、俺の布団の中にいるのーー!!!!」



そう。俺の布団の中にいて抱きついて寝ているのは何を隠そう自称婚約者である少女。



「な、なんだ!!今の叫び声は」


「太史慈の寝室からよ!!」


惇さんと嬢ちゃんの声が聞こえる。


今日お泊まりしてたのか。


バタバタ。


・・・バン!!



「太史慈!!一体どう・・し・・」



「子義!!何があ・・た・・」


いや、賊とかではないけどね。


この子が布団の中にいたから。つい


「ほぅ、なぜそいつがお前の布団の中にいる?」



「そうね、それも聞きたいし、ついでに何で春蘭がいきなり子義って呼び出したのかも気になるし。少しお話ししましょう」



・・・俺もうゴールしても良いよね



17話  24時間寝たら逆に体調崩れた




曹操さんから1ヶ月間のお休みを頂きました。



オーバーワークしすぎだそうです。


新しい文官が育たないからしばらく休んで良いとのことです。


『自分から仕事押しつけといてどんだけ我が儘だよ。袁紹並じゃねぇ』って言ったら首に鎌を突きつけられました。



さて、いきなり押しかけてきた自称婚約者なのだが、長時間における交渉の末友達からと言うことになりました。


交渉は連日連夜に渡り行われ、キューバ危機並み精神力を使った。


惇さんによる『太史慈撲殺未遂事件~乙女燎乱☆私の拳がお前を倒せと轟き叫ぶ事件』による肉体的疲労も立ってか交渉後、高熱を出し倒れる。


で、目を覚ましたら曹操さんからの強制休暇宣言と相成りました。


なにしようかな~。


新刊の「A○R」の原稿はもうできあがったし、なんだか暇をもてあましてます。


で思いついたのが近所限定の試験的な寺子屋経営です。


基本的に読み書きと簡単な計算を昼は子供、夜は大人に教える体制で開きました。


この時代字を読めない人や計算が出来ない人も多いので教えようとしたのですが、時間がないや子供達も家の手伝いなどで忙しいらしいです。


と言うことで実施したのが給食制度。


昼ご飯と晩ご飯の炊き出しを行うことによりご飯代が浮くと言うことで近所に限りだがなかなか盛況になった。


で、近所のほとんどがウチに集まると言うことで近々『呉に引っ越すから』というとパニックが起こりました。


近所のおばさんは真っ白に燃え尽きた感じになったり、お年寄りの中には膝をついて残ってくれと頼んできた人もいました。子供は泣き出すわ。あたりは騒然とした騒ぎになってしまいました。



で、翌日城に呼び出されたのですが、嬢ちゃんと惇さんに至っては掴みかからんばかりに怒り、張遼は淵さんは静かに怒り、風(交渉により真名で呼ぶ事になりました。)はいつものように寝ていて、郭嘉は何か変な妄想をしたのか鼻血吹いて寝てます。


「これはどういう事なのだ子義!!」


「どうもこうも、元より俺は呉に行く予定だったから。曹操さんともそう契約してたし」


「何故わざわざ魏をでて出来たばかりの呉になんか行く必要がある」


そう、先日孫策さんからの手紙により知ったことだがクーデターを起こし袁術の土地を乗っ取り呉を建立した。



しかし、呉に反抗する豪族達も多いため完璧に袁術の勢力圏を手中に落とすことは出来なかったらしい。


夏候惇の質問はある意味誰しもが思った疑問だった。


魏は今では大陸一の勢力を誇り、国土から国力に至るまで他国とは一線を画す存在。



その国の客将とはいえ側近の武将扱いで自らの軍を持つ将軍がその椅子を蹴って弱小の新興国に行こうというのだから狂気の沙汰としか思えないのである。



確かに孫策は江東の小覇王と呼ばれるほどの王だが、華琳に対抗できるほどの王とは思えない。


内部に至ってもあまり上手く纏めれているとは言い難い。


「や、だってそう約束したし」

太史慈からしたらこの言葉どおりだ。


直接会い会話して王の器があると判断したからこそ約束を交わしたわけである。



太史慈からすれば弱小や新興国というのはすでに織り込み済みであり、その上で一度仕えてみたいと思ったから呉に客将として仕官するわけである。



まぁ正史においては呉の武将だった事も関係している。



それでも納得しないのが嬢ちゃんこと桂花と春蘭である。


この二人の説得という名の脅迫から拷問、拉致監禁レベルまでシフトしようか言うとき。


王座に座る曹操こと華琳が立ち上がり。


「別に行くのなら行ってもかまわないわ。私は無理には止めはしない。


私の元から去りたい者は去ってもかまわないわ。


・・・でも、覚えておきなさい。


私は手に入れたい物は手に入れてきた。だからあなたも手に入れる」


それは魏という国を統べる王としての宣言。


この瞬間、魏の太史慈に対する方針は決まった。




とりあえず、曹操さんの鶴の一声で解放されました。


嬢ちゃんや惇さん達との会議があるそうなので先に返されました。




【華琳サイド】

「華琳様!!私はまだ納得してません。


今からでも追いかけて話せば(某魔王的な意味)心変わり(強制的に)しましょう」

「私も納得してません。


孫策は敵です(胸的な意味で)。


そんなところにみすみす行かせてしまえば太史慈が、いえ子義がどうなってしまうか分かりません(浮気的な意味で)!!」


なんというか、あなた達の考えがすごく見えてしまう。


春蘭はいいとして桂花。


貴方、軍師なのにそんなわかりやすいのは問題なのだと思うのだけれど。



「はぁ、まぁ落ち着きなさい。無理矢理引き留めようとしても無駄よ。」


そう太史慈が本当に引き留めて留まるのならいくらでも説得しようとする。

普段はヘタレな所もあり、あまり知られてはいないが太史慈は義理堅い人間なのだ。


約束した限りは出来うる限り護るだろうし、例え負け戦でも裏切ったりはしない。


もし無理矢理引き留めようとすれば逆に去ってしまう可能性がある。


太史慈は呉に行った後も客将として仕え、その後どちらの王に仕えるか決めるそうだ。


太史慈との契約にもそう交わされている。


つまり、呉に仕えるとは決まっていない。


そして万が一、呉に付いたのであれば力尽くで私を王と認めさせて連れ戻すまでだ。


「風?さっきから黙っているけどあなたは何か言うことないの?」


「お兄さんと私は確かに許婚ですがお兄さんにはお兄さんの道があるのです、そして風にも。



お兄さんがどの道を行こうとも風の気持ちに変わりはないのですよ。・・ぐぅー」


もう話すことはないと言うように狸寝入りをする風。


まったく、春蘭を筆頭にこれだけの部下を骨抜きにされるなんて思ってもいなかった。


しかも本人は乱世が終わったら「楽隠居するか、商人になろうかなぁ」なんていうのだから。


まぁ、いい。どちらにしてもあれは私が手に入れると決めたのだ。


ならば、それに向かって突き進むのみだ。



















あいつがいないと後継者が作れないじゃない。












もしかしたらこんな展開も?シリーズ2(ネタです)前回の続き




呉の孫権を追撃していた。


先遣として500の兵を先行させて定期的に報告をしてきていた。


先ほどの報告では50の兵が足止めをしているらしい。


その50騎を率いているのは太史慈。


かつては魏においてその人物有りと言われていた客将。


仁にとみ、人々にも慕われていた。


彼が死ねば華琳様だけではなく姉者も悲しむ。


だから先遣の兵達には出来るだけ生きて捕らえろと命令した。


こちらは10倍の戦力が有り、後方には私の本隊5000名、更に本陣には20万もの兵が控えている。


さすがにこの兵力差ではあいつも投降するだろう。


もうそろそろ先遣隊が見えてくるはずだ。



ザァァーー


雨が強くなってきた。


しかしそんなことを気にする余裕はない。


皆、目の前の光景を目の当たりにして硬直してしまっていた。


あるものは何十本もの矢に貫かれて、ある者は体を真っ二つにされ死んでいた。


先遣隊200人は魏より連れてきた精鋭たちだ。


それが十分の一の相手にやられるとは。


先遣隊の亡骸の向こうに見えるのは赤揃えの鎧を纏い、大陸に名をはせる騎馬隊。


その先頭に立っているのはあの頃のつい1年前まで仲間であった人物。


全身に傷を負い、血を滝のように流している。


しかし目はかつてないほどギラ付いておりまさしくその姿はまさに修羅を思わせる。


「太史慈投降しろ!!」


太史慈は双剣を構え交差させ叫ぶ。

「五月蝿い!!貴様らの剣が、槍が、弓が、我が王の元に襲い掛かろうとする者を、俺が、太史慈隊が許すと思っているのか!!」


そしてさもそれが当然のようにすさまじい闘気を放ちながら言い放つ。



「貴様らは震えながらではなく 藁のように死ぬのだ」




あとがき

そろそろ呉に行こうかなと思い書きました。

今後は呉の話しを入れて行こうと思います。

その後太史慈が呉に残るか魏に戻るのかは決めてません。

もしかしたら両方書こうかなとも思っています。

みなさんの感想をお待ちしています



[6961] 18話 呉が魏に勝っているところ?そりゃ、巨乳率とエロさだろうBY太史慈 追加
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/05/14 23:33
太史慈隊は太史慈と季衣を入れて3000人である。

しかし、今から旅立とうと言うときその数は3001名になっていた。

その一名は誰か?

まぁいわなくても分かると思うが先日公式に許嫁(仮)になってしまった程イクさんです。

まぁなんというか曹操さんを説得して付いてくることになりました。

惇さんや嬢ちゃんとなにやら協定を結んだとか、言ってました。

また何か妨害工作をする気だろうか。

惇さんは「呉がなくなれば子義は行かなくてすむのでは?」と考え本気で呉に派兵する準備をしたり、嬢ちゃんは工作員を使って内部分裂をするような工作を企てたり、とその余りあるバイタリティを駆使しようとしてました。

曹操さんからは「行かせてあげるから1年でケリをつけなさい」とのことでした。

どうやらどこの勢力も内政に力を注いでいるらしく1年は大きな戦はないらしいです。



18話 呉が魏に勝っているところ?そりゃ、巨乳率とエロさだろう  BY太史慈



あ~やっと呉にいける。

我ながらよく頑張ったよ。惇さんと嬢ちゃんの妨害によく耐えた。

呉までの道のりは長いため、暇だから歌を歌ったりして気を紛らわしました。

ジブリ系とかマクロ○とか狼と香辛○とかの歌はなにげに人気でした。

道中はそんなことをしながら比較的にのんびりした旅でした。

風はやっぱり文官だからか、嬢ちゃんと同じように同じ馬に乗らせるよう言ってきました。

確かにそのちっこい体で長旅は疲れるからなぁ




一方呉では軽い混乱状態が起きていた。

大国である魏の側近として仕えていた武将が呉に来るのである。

老臣達の一部は魏が大事な武将を引き抜いたとして呉に侵攻してくるのではないかという不安に駆られ今からでも追い返すべきだという者やうまく取り入りこちらの派閥に取り込めないかと画策する者、排斥しようとする者。




旧臣派に至っては受け入れ態勢が整っているため落ち着いてはいるがその態度が余計に老臣達の疑心暗鬼の助けとなってしまった。


狼狽する老臣達を情けないと思い見下す者もおり、新たな軋轢を生んでいた。

逆に民衆や商人達は太史慈の来訪を心待ちにしていた。


民衆の声を聞き、分け隔てなく接し、商人としても大規模商会を持つ会長。


その存在は呉に住む者にとって対して大きな恩恵をもたらすものになるからだ。

建業が見えてきました。


しかし何故か門は閉じられ城壁には兵が整列しています。

不穏な空気が流れているため、風は後方に下がって貰い、一応応戦できるようにしておきます。


指示を出すまでもなく兵達は鎧を纏い、面を装着しいつでも動けるように陣形を組んでいます。


戦場特有のピリピリした空気が流れています。






【とある呉の城壁の兵士】




緊急の呼集がかけられた。

なにやら城門で問題が起きたと先に来ていた兵舎に来ていた新米が言った。

話を聞くとなにやら3千の敵が城門に近づいて来たらしい。



一体どこの馬鹿だ?


ここは呉の首都だぞ。


三千ぽっちじゃ脅してやれば逃げ出すな。


全くはた迷惑な奴らだ。


そう思っていた。


その中に立っていた旗を見るまでは。


翻る旗は紫衣の牙門旗に金字で


「其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山』文字。


城壁に兵を並べるのは敵対の意思表示と取られても仕方がない上に城門まで閉じちまってやがる。


これじゃあ喧嘩を売っているのと同じだ。


大陸にその人有りなんて言われている奴の率いる軍を敵に回す何で冗談きついぜ。


濃厚な殺気が充満して肌がピリピリして痛いし、冷や汗も止まらねぇ。


新兵の中には殺気を当てられて失神しそうな奴もいる。


話しを聞いただけなら例え戦ったところでたかだか三千の兵という奴らもいるかもしれない。


そんな奴がいたらここに連れてきてやるこの殺気を当てられてみろ。


確かに呉という国は負けないかもしれないが前線に立っている俺たちが生き残れるかと言われれば、否だ。






【孫権】



「いいから門を開けろ!!太史慈殿は呉の客人として正式に招いたのだぞ!!」


私は声を張り上げるが城門の警備隊長は


「しかし危のう御座います!!


孫権様は次代の呉王を継ぐ御方。


事態は緊迫しております。


もしヘタに城門を開いたりしたら怒りに駆られた太史慈殿が攻め入らないとは限りません!!」


「貴様は太史慈殿の名声を聞いたうえでそのような事を言っているのか!?


ならば城門の上からでもかまわん。


そこから交渉しよう。


そこを通せ!!」


押し通ろうとした先にいたのは老臣派の幹部の1人だった。

「いけませんなぁ、孫権様。


太史慈殿は弓の名手ですぞ。


城門の上とはいえ射られる可能性のあるところに行かせるわけにはいきません」



「・・・そうか、今回の騒動は貴様らが仕組んだのだな!!」


「そのような人聞きの悪いことをおっしゃらないで頂きたい。


今回の事態を招いたのは情報の伝達がうまくいかなかっただけのことです。


・・不運な事故ですよ」



貼り付けた笑みでいってくる。


証拠がないことをいいことに現場への責任転換。


ここで怒りに身を任せて斬り殺せればどんなに楽だろうか。


しかし、ここでこいつを斬り殺せば姉様達の立場が悪くなって呉は内部分裂してしまう可能性すらある。


私が斬れないことを知っているからこその、この余裕なのだろう。


これほど力がない自分を情けなく思ったときはなかった。









《ある日魏の日常》


はぁ~。


会議中からため息がずっと付いている。


さすがにここまで来ると怒るより呆れの方が強くなる。


「姉者。もう会議は終わったぞ」


「ん?あ、ああ、分かった。・・・・・はぁ~」


「なぁ秋蘭?」


「なんだ姉者」


「もうそろそろ帰ってくかな?」


「昨日もいったがまだ子義が発って1ヶ月も経ってないぞ?」


「そうなのかぁ。・・もう十年くらい経ってるかと思った」


いくら何でもそれはないだろう。


これがどんな名医にも治せないといわれている難病か


旅だった姉の思い人を思いながら。


(早く帰ってきてくれないと姉者が暴走してしまう)


ただでさえ暇を見つけては呉の国境に出かけているのだから。


そのうち呉に単身乗り込むかも。


「はは・・そんなまさか・・・な?」


そんな未来を想像して笑い飛ばせないことに顔を引きつらせる夏候淵だった





もしかしたらこんな展開もシリーズ?(ネタです☆)


「押し込めー!!相手はたった五十だぞ!!」

兵をそういって鼓舞するが反応は鈍い。

近づこうとすれば連弩という兵器でねらい打ちにされる。

もう幾たびも突撃を掛けているのに全て防がれてしまった。細い一本道は味方の死体により地面が見えなくなっているほどだ。

しかし、太史慈達も矢がつき始めだんだんその数を減らしていく。

人も馬も皆力尽きるまで戦い、致命傷を受けながらも戦い続けるその姿はまさに一騎当千の兵の姿だった。

ついに、生き残ったのは太史慈1人になった。

全身に矢を受け、いくつもの傷を負いながら立ち続けている。

「秋蘭!!」

華琳様がやってきた。

華琳様は馬を下り、1人太史慈の前に歩いていく。

「華琳様近づいてはいけません!!」

もう太史慈は仲間ではないのだそのことは彼女自身もよく分かっているはず。

「大丈夫だから下っていいわ」

そう言われ秋蘭はさがる。

「久しぶりね太史慈。これだけの兵でこの数の魏の精兵を足止めするなんてさすが国士無双と呼ばれただけはあるわね」

「そんなことを言いに来た訳じゃないんでしょう?」

「えぇ、此度の戦で呉の敗戦は確定的になったわ。だから、我が軍門に下りなさい」

呉の戦力の4割をこの戦いで失い、更に最大戦力の太史慈隊の壊滅。それに対して魏は1割程度である。

「条件があります」

「言ってみなさい」

「江東六群を孫権を筆頭に治めさせることが条件です」

つまりは呉をそのままにして治めさせることを条件に出した。

「いいわ、その条件を呑みましょう。ただし降伏した場合のみにかぎりだけどね」

「するさ、呉の民をいたずらに苦しめるのは本望じゃないはずだ」

太史慈は勝ち誇った笑みを浮かべ、そして崩れ落ちる。

その体を華琳が正面から抱き止める。

華琳は太史慈の体を抱きしめ、雨で目を濡らしながら

「私は貴方を手に入れたわ。・・・でも死んだら意味ないじゃない。私もいつか逝くからそれまで待ってなさい。それが最後の命令よ」






あとがき

私に文才はないと悟りました。


ストーリーの大筋が出来ても文章化がうまくいきませんでした。

今回はかなり難産になりました。

オリキャラは一時停止とさせてください。


風の扱いで自分も違和感を覚えたため書き直してみました。

これからも書き直すことが多いと思いますが今後ともよろしくお願いします。


ネタシリーズでこんなの書いて欲しいなどの要望がありましたら参考程度にですが作者の中で話しができあがったら書きたいと思います。


感想よろしくお願いします。


最後になりましたが感想が300に達しました。

この作品は当初ここまで書くつもりもなく書きはじめた物でした。

みなさんのご声援のおかげでここまで書けたと思います。

ありがとうございました。






[6961] 19話  書き直し 追加
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/05/19 17:16
ここで一つ語っておきたいのは老臣派の一部が太史慈を追い返すと判断したのは呉に害するのを目的とする物ではなく(結果はおいとくとして)呉のためにした行為であった。



呉という国は江東という広大な地域を勢力に治めようとしているが首都に近い曹操や袁紹の領地に比べればインフラ整備が行き届いていない辺境である。



それ故に今で言うGDPは広大な領地があっても低い物であった。


広大であってもそれを活かしきれていない。


今の呉はまさしく弱小の新興国であり経済未発達地である。


そのような国が群雄割拠の時代の中で一際輝きを放っている魏と関わり合いを積極に持つのははっきり言えば恐怖なのである。


ヘタに繋がり作るより門前払いして江東に引きこもりたい、と言った感じだ。


辺境であるが故に逆に他国に攻められないといった地形を活かし密かに国力の増強をしていきたいと主張していた矢先に現れたのが太史慈であった。


老臣派はパニックに陥った。


何が目的でどうするべきか右往左往してしまい、今回のような行動に走ってしまう者がでた。






19話 太史慈、必殺の一撃を食らう







さて一時避難するため城門から3キロほど離れた位置に移動しました。


「風、どうすればいいと思う?」

「恐らくここまでわたし達をコケにする行動を取ってしまったから向こうも引くに引けない状況なんだと思いますよ~。」


国対個人だからな。


ここまで大々的な事を起こしたら引けないのは分かるが



ふむ、ここは日本式外交手段を執ろうか。


「手紙出すから使者送る準備しておいて」


と言っておき早速手紙を書きます。



内容的にはこんな感じである。


「何があったが知らないけれど門開けてくれなきゃ入れないから開けてください。


とりあえず今回のことはなかったって事にして置きます。


何か問題がある場合は時間をおき段階的な話し合いを持って解決を模索しましょう」



まぁ所謂玉虫色の解決というか水に流す感じである。


弱腰外交とも言われるがこの方法と日本は空気を読めるスキルを駆使して近隣諸国と紛争を避けてきたのだから使いどころによっては便利な手法なのである。



ただし、多用すると相手から見下される可能性もあるが・・・。







一方呉では緊急会議が行われていた。

城門の兵達に事情を聞いても今日、太史慈が来るなんて連絡は受けていないとのことだった。

また、混乱に乗じて「敵だ」と誰かが吹き込んだらしい。


その言葉により城門は閉じられ、兵士に緊急呼集が掛かったのだ。


この最初に「敵だ」と叫んだどこかの兵がおそらく老臣派の手の者だろう。


議会は紛糾した。


誰を処罰する、誰が責任を取る、誰が頭を下げる、いやそもそも謝る必要はない。



こんな意見が取り留めもなく会議場を満たす。


旧臣派は「頭を下げて謝る」か「責任者(老臣派の幹部)を処罰する」と言う主張をした。


老臣派は「このまま魏に帰って貰う」か「現場の責任者を処罰する」という意見を主張した。


どちらの意見も平行線をたどり、結論は見えないまま混沌とした空気が会議場を包み込む。





(蓮華)


その様子は過去にも見た物だった。


呉の江東の虎と言われた孫堅。


彼女が亡くなったときもこのように意見がまとまらず袁術の客将まで身を堕としたのだ。


今回もそのようなことになってしまうのだろうか。


かつて幼心に抱いたどこまでも堕ちていく恐怖心に自然と身が震える。


そこに届けられたのはまさに事件の中心人物である太史慈からであった。


皆、息を呑みながら孫策が文を読むのを見守る。

そこに書かれていた文は要約すれば水に流すという物であった。

普通であれば怒りをぶつけるところを彼はなかったことにするという。

ある意味彼という人物を知らない人間には懐疑の目でそれを見るだろう。


または腰抜けで誇りのない者と言うものもいるだろう。


しかし彼は民のために様々な行いをやってきた。


彼が目指す物は大陸の平穏。


それを治める者に彼は執着しない。


民が今日と同じ明日を歩める世界が彼の彼らの目的だ。


誇りがないわけではない誇りのあり方が違うのだ。


屈辱を感じたはずだ。

無礼だと思ったはずだ。


しかしいたずらに民を戦に巻き込むことを嫌いこのような文をよこしたのだろう。


これほどの人物を呉が使いこなせるのだろうか。


敬愛する姉もだが次代の呉を継ぐ自分もそれだけの力量が持てるだろうか。


(太史慈)

ようやく入れるようです。


まぁ、これからが大変そうですが。


まず、どんなやっかいな仕事を押しつけられるのやら。


孫策さん、俺のことどこか22世紀から来たネコ型ロボットみたく何とかするだろう的な見方をしてるからなぁ。


そりゃ~、あんな美人で巨乳でエロイ服着てて、しかも巨乳な人から頼られるのは嬉しいよ?


ぶっちゃけ絶世の美女にお近づきになれただけでも舞い上がるのが男として正しい反応だと思います。



反論は受け付けません。



これは世界の真理です。


これを否定する奴は一部の特殊なツワモノ(変態)だけです。


あのヘソ出して乳が半分しか隠れなくて背中がガバーって開いてる服を美人が着てるんだよ?


ここで盛り上がらない奴は男として認めません。


孫権さんにしても周喩さんにしても美人で巨乳なのだからもう「お金払わなきゃ」って思うくらいだね。


と言うわけで今俺のテンションはうなぎ登りですよ。

隣でジト目で見てくる軍師の視線なんて気になりませんよ。


今の俺は最強です!!









「・・・これは華琳様と春蘭さんと桂花ちゃんに報告ですね」






すみませんごめんなさい勘弁してください。


とくに嬢ちゃんと曹操さんはやばいです。


マジでしゃれにならないですよ!?


殺されるっていうかこの世から消し去られます。


あ、あれですよ?こう手の平に余る感じもそれはそれでな感じでありますよ!?





この後幼女に土下座する太史慈がいるのだがその姿を記した文献は未だ発見されていない





(風の話し)

「風の今までの経緯が知りたい」ですか?

まぁ、いいですけど。


風はですね。


実家もそこそこ大きな家だったので許嫁もいたのですよ。


でも、風は変わり者だったので親族からは煙たがれてました。


風の許嫁は自尊心の強い人で自慢げに己の知識を自慢するのに間違いを指摘すると怒ってしまうそんな器の小さい男でした。


別に頭が良くなくちゃダメなんて言うことは求めてません。


だた、隣にいて風の事を見てくれる、包んでくれる人を望んでいたのです。


そんな日々を過ごしていると実家は旅に出て見聞を広めてこいと言いました。


これは所謂絶縁状に近い物です。


これは風にしても好都合でした。

家に縛られることのなく好きなことが出来るのだから。


もちろん、苦労はしましたよ~。


最初は右も左も分からない状態でしたし。


そして旅をしている途中にあったのが烈火さんでした。


一緒にお酒を飲んで話していると彼女はあの太史慈の母親と言うからビックリしました。


その場の酒の勢いで許嫁になりましたが、冗談半分でした。


イヤなら断ればいいと烈火さんも言ってましたし、そのときは有名人に会える機会が持てた、とぐらいしか思ってませんでした。


初めてあったときは冗談半分にからかいましたが、婚約交渉の時にいろいろ話しました。


変わり者の風が言うのも何ですがお兄さんはすごい独特な価値観を持った人です。


これは軍師としてかそれとも女としてかは分かりませんが風は思ってしまったのです。


「この人のことをもっと知りたい」と。


どうやらお兄さんは風みたいな体型の女性には興味が薄い人のようなのでいろいろ策を試したいと思います。


風は軍師ですから、軍師は白を時には黒に染めることが仕事なのですよ。




もしかしたらこんな展開も?(新ネタです☆)このネタ分かるかな?



今洛陽を取り囲んでいるのは北方の異民族と五胡、そして西方より来たペルシア軍。


総勢15万もの大勢力だ。


大地はその軍勢に呑まれ洛陽を取り囲むように布陣している。


対する洛陽に立てこもる曹操軍は8万弱。


主だった将が揃ってはいるが兵の数をそろえるのが遅れたのは致命的だった。


魏の総戦力は25万である。


しかしその軍勢を集結させるのは時間が掛かりすぎる。


そして、敵は15万の後方にさらに20万もの軍勢を連れている。


その戦いは壮絶を極めた。


多くの新兵器を使い、精強で知られる魏の兵だからこそ3日経っても城壁を維持しつつけていた。


しかし、その圧倒的ともいえる兵力差に押され始める。


降伏の使者は言った。


「我らが兵は鉄の盾すら貫く、降伏すれば命だけは保証しよう」

魏の王、華琳は答える。


「人より簡単な物を貫くことを何を自慢げに語っている。


私を屈服させたいのであれば力ずく引きずり出す事ね」


しかし、兵力の差が圧倒的に違うため城壁はもう持たないと思われたその時



夜明け前の東の丘に大軍が現れる旗は曹の文字と風林火山の文字。


荒野に並ぶのは太史慈の呼びかけにより集まった騎兵の軍勢。


そこから見えるのは圧倒的な敵の軍勢。


それはまさしく死の門だろう。


しかし誰1人恐れは見せない。

太史慈はそこから少し前に出て自身の軍勢に呼びかける。


「いつの日にか、この国は滅びるかもしれない、だが今日ではない!


人の心は失われ再び大陸は絶望に染まるかもしれない、だが今日ではない!!


今日は皆で勝利を祝う日だ!!


敵を砕き夜明けの前に野を赤く染めろ!!!」




あとがき

なんとか書けました。学校が休みなので今週中にもう一話ぐらい更新したいと思います。
応援よろしくお願いします。



[6961] 20話 書き直し
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/07/05 02:17
孫策さんと謁見出来るようです。

部屋にはいるとそこには次代の王、孫権。呉の代表する周喩。呉の宿将黄蓋。

そして、江東の小覇王孫策。

三国志のビックネームが勢揃いです。

こんな人たちに比べたら太史慈なんて武将は霞んじゃうと思うんですが・・・

まぁ、このままひっそり目立たない生涯を送るのはむしろバッチコーイな感じです。

なんか、皆さん消耗しているなぁ。過労ですか?

「手短に言うわよ?貴方にやって貰いたいことがあるの」

来ましたよ。何言われるんだろ?魏に侵攻しろとかはなしにしてほしいなぁ。

惇さんと嬢ちゃんを相手に戦うなんて悪夢以外の何物でもないし、あの二人相手にするなら即座に逃げることを選択するね。

「今回のことで分かったと思うけど呉は一枚岩じゃないわ。このままいけば内部から崩壊して行きかねないの。だから、裏切り者または裏切りそうな者を調べて欲しいの」

諜報活動ですか。

まぁウチにはそう言うのを専門に訓練した兵はいますが・・・。

もっと平和な仕事がしたかったなぁ~。

呉は史実的にはホームのはずなのにアウェーな空気だし。

というか孫策さんって誰かに呪い殺されたはずじゃなかったっけ。

たしか何かの術師を殺したときに呪いを受けたとか『一騎当千』で読んだ気がする。

アレ話しは面白いけど無駄にエロ過ぎだと思ったのは俺だけだろうか。

まぁその話しは置いとくとして、そのイベントは起きるのか?まぁやるだけのことはやるが・・・。



20話


呉は海に面しているため塩の製造に力を入れようと思います。

本来塩の製造は王朝の管理の元で行っていましたが官が腐り王朝の権威も無くなった今作るのを咎める人はいないので塩の製造に乗り出しました。

後もう一つは南国の気候を活かしたサトウキビ畑を作りました。

塩と砂糖は内陸部に持ち込めばかなり利益を上げることが出来ます。

これだと俺が儲けるだけなんじゃと思うかもしれないがそのもうけは街道の整備や治水などに使われるため純利益の半分はそちらに回ります。

1人が儲けすぎると恨まれる可能性高いですし、慈善事業は優良企業の基本ですよ?

呉の財政は厳しい状態でしたのでこれは喜ばれました。

なんでも袁術の国庫が予想より少ない状態で金欠状態だそうです。

商会はほとんど部下がやってくれているので時々決済を確認するだけです。

ここで呉の考察なんですが、孫家はやはり江東では民衆から多大な支持を得ているようです。

地盤がしっかりしているという点に置いては魏よりも上かもしれません。

しかし、袁術の支配を受けていたため袁家ゆかりの商人から豪族が多く存在するため、火種は常に残っている。

孫策さんは一見革新的なイメージが強いですが、権力のあり方などの考えがやはり保守的です。

先日あったときに寺子屋経営をやることで少し口論になりました。

識字率の低いこの時代に読み書きそろばんが出来る人材は貴重です。孫策さんの言うには『優秀な人物ならいずれ放って置いても頭角を現す』とのことです。確かにそうかもしれませんが国家を運営するに当たって必要なのは一定以上の能力を持つ役人たちなのだ。

呉という国は小国です。小国が力をつけるには人材に育成が必要不可欠なのです。

いらない知恵をつけて反乱を犯すかもしれませんが反乱が起きても名君であれば規模も小さいしすぐ治められる。まず自身が名君足らんと努力しなければいくら孫家といえど民は離れていく。君主政治は君主が名君なら有能な制度ですが、暗君であった場合民にとっては悪夢ですから。民衆に知識をつけられて反乱を起こされて国が倒れるとしたらそれは国が背負う業という物でしょう。

と言った感じです。

実際このセリフ言ったとき呉を追い出されるかもと思いましたが、意外に怒られませんでした。

なにやら孫策さんの方も思うところがあったようです。まぁ寺子屋に関してはとりあえず置いておくことになりました。

その後、孫権さんと話したのですが最初は固くなり過ぎていてギクシャクしてましたが、お菓子とお茶を間に入れることによりいろいろ話せました。

孫策さんは王という器では孫権さんの方が上と言った意味が分かりました。

この子、人の意見を上手く聞き分けています。盲目的に言われたことを信じるのではなく疑問に感じたことや理解できないことはすぐに聞き、意見を全て受け容れるのではなく自分の中で飲み込んで選別してます。そして、それを全て理解していきます。

人材を用いるのに長けた人物とは言われていたが確かに逸材といっても過言ではないだろう。自身の足りないところを分析し補おうとしている。

しかも人材を見抜く力も持ってる。

こりゃ、この子もチート集団の仲間入り決定ですね。

今更ながら思うが世の男どもは一体何をしてるのだろうか?この分だと日本の天皇陛下も女性中心とかになりそうだなぁ。

戦国時代だと武田信玄が女性化ってどんなキャラになるんだろう。逆に見てみたい気もするが。

どうせならそっちの方が良いかもなぁ。山本勘助とか上杉謙信とかそっちの方が三国志より詳しいんだけどなぁ。

あの記憶の向こうの遠きに日本はどうなってんだろ?





「やっと・・見つけた・・・」




【蓮華】

・・・なんだかいろんな事を喋ってしまった。

うぅ、太史慈殿と話すことに最初は緊張してたのに、他愛のない世間話から始まって、いつの間にか自身の悩みなども話してしまった。

彼と一緒にいると安らげるというか、安心できるのだ。

例えるなら、大きな木に身を預けている感覚が近いかもしれない。

彼は、どんな質問も嫌な顔をせずに全て答え、誤りを誠実に指摘してくれる。そして自身の考えを人に押しつけたりはしない。

「私塾でも経営したら?」というと「それもいいなぁ」と冗談とも本気とも取れる発言をした。

しかし彼は、この乱世が終わっても普通の生活など送れないだろう。どこかの勢力に仕え、誰か高い身分の女性と一緒になるだろう。

そう思うと何故かもやもやした物が胸に宿る。





あとがき

余り書き直しなどはしない方が良いと言うことなので、できるだけ書き直しはしなようにしたいと思います



[6961] 21話
Name: 明日◆b6f92a13 ID:7091f24a
Date: 2009/07/05 02:23

徐 庶と言う人物をご存じだろうか。うん、俺も聞いたことはあっても余り記憶にないがなかなか優秀な人物だったらしい。ついでに彼の有名な三顧の礼の仕掛け人。

で今目の前にいる少女はその徐 庶らしい。

え~と、文官としてきたと言いましたがとりあえずそのモンスターハ○ターに出てくるような大剣は少なくとも文官が背負う物じゃないですよ?


この世界はアレか?


ギャップ萌えとか言う法則に支配されているのか?

というか、いまさらですが歴史上の重要人物がほとんど女性なのは肩身せまいっすよ。


そりゃあ、女性に囲まれての生活は華やかですよ?


でもさぁ、こう男同士の話しとかさぁ。


気楽にちょっと遊びに行こうとしても色町には行けないし正直キツイッス。


例えるならクラスの三分の二が女子の高校の教室みたいな感じです。


あれリアルにきついですよ。


男の肩身かなり狭いです。


と言うか何で女子ってあんなに息が合うんだろう?


何か特殊はテレパシーでも飛んでいるのだろうか。


そんなに溜まっているなら風とヤッテしまえって?


いや風のあの獲物を見つめる獣の目を見たときに走った恐怖感。


あと、あの見た目が俺の欲望に歯止めを掛けているわけですよ。



話しがずれましたね。

え~と、この子はとりあえず雇うことにしました。

だって孔融さんのお墨付きだって貰っているし、きっと優秀なはずです。

「・・そんな簡単に決めるべきではない」

「う~ん。でも孔融さんからの推薦状を貰ってるから問題ないと思うのだけど」

「私が偽物を所持している可能性も考慮すべき」

「何というか勘ですよ。優秀な感じはしますし、何より嘘を言う人は嘘を付いている可能性を指摘しないと思うし」

「・・・勘という概念は理解できない。でもあなたの言うことは理解した。」

「んじゃ、明日仕事の説明して貰うからよろしくな~」

徐庶はコクっと頷き、

「私の真名は咲」

21話


ここで少し暗い話題だが、太史慈隊の創設から今までの殉職者は五二人。


戦闘による行方不明は七四人にのぼる。


激戦をくぐり抜けてこの数は信じられないほど低い物だ。


太史慈隊の強さは部下とその後に残る者達に対する誠実な態度であろう。



戦死をした家族に直接訃報を伝え、この家族に対し遺族年金と二階級特進による殉職手立てを行い、率先してその家族の働き口やすむ場所を世話をする。


もし孤児が出た場合は太史慈自ら預かり、商会などの手伝いをさせて生きていくのに困らないよう手配をした。


この時代であればあり得ないことであった。


戦に出て死ねば死体も帰ってこず、手足を失えば軍から放り出される。


軍人になるのはこの時代であれば一種の口減らしの意味さえあった。


太史慈からすれば


「『死ぬ気で戦え』って言って死んだら『じゃぁ、さよならは』人としてどうよ?」


と言う考えから遺族などの面倒を見ることになった。


戦えなくなった者も何かと仕事を紹介し面倒をみた。


兵の中には女性も、もちろんいるため、もし結婚し子供が出来ても大丈夫なように託児所を設け、育児休暇も多く取らせ、退職も認めている。


このあり得ないほどの厚遇が太史慈への忠誠心を抱かせることになった。


太史慈隊はもし太史慈に死ねと命令されれば喜んで死地に向かう、相手がどこの誰であろうと太史慈に仇なす存在は例え皇帝であろうとも殺す覚悟が出来てしまっている。


だから先日の呉の態度は太史慈隊のとってけして許せる物ではなかった。


しかし彼らは太史慈に対して忠誠心からの暴走をすることはなかった。


自分たちは太史慈の剣であり盾である。


勝手に動く剣や盾はいかな名作であろうと使えない。

彼らはそのことを知っているため太史慈の命令なしには勝手な行動はしない。


太史慈は「人は石垣、人は城」の考えで太史慈隊を作った。


どんなに優れた城壁も城もそこを守ろうとする人がいなければ何の役にも立たない。


人こそが最高の城塞であり、剣でもあるのだ。


あとがき
何か久しぶりです。
相変わらずの駄文ですがよろしくお願いします


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