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[43649] 知りたくなかった恋を君は
Name: 美園 聖子◆624dc5ca ID:a629aa31
Date: 2020/08/22 00:36
恋を知らなかった君


知らない恋を知った君


この果実は食べるには酸っぱすぎる


けれど、食べてしまうのだ



[43649] 数mmの隙間
Name: 美園 聖子◆624dc5ca ID:a629aa31
Date: 2020/08/22 19:26
「無理…私にこんなの無理だ…!」

散らかした化粧品の中から口紅を手に取り、蓋を外す。艶めいた薄桃色の中身を伸ばした。

震える手で唇へと近づける。
そこで止まった。
たった数mmの間が、とてつもなく分厚い壁になっていた。心の中で憧れの自分と今の自分を遠く離す壁だった。

止まった口紅を下げ、顔を出していた中身を折って床に落とした。

たったちょっとの間が苦しくて、元々嫌いだった自分をさらに嫌に感じた。



「行ってきます」

なにも手をかけない素顔のまま、恋果は家を出た。

_隠したくても隠せない_

_大嫌いなのに_

_こんなんじゃ楽しい恋なんて_

いつまでも嫌いな自分のまま止まった時を、自身の手では動かせずここまで来ていた。

恋を知っていてもそれは実ることがなかった。
実ってもそれは凄く苦くて、小さい私には美味しくなくて。

これは私がなりたい私になって、新しくてやっぱり酸っぱい恋を知る、ちょっとしたお話だ。



[43649] 私の疑問
Name: 美園 聖子◆624dc5ca ID:a629aa31
Date: 2020/08/22 19:26
「はぁ?意味わかんないんだけど!」

肩と耳でスマートフォンを挟み、誰かと電話をしていた。
愛実の声色は強く怒りが含まれ、スマートフォン越しの男の声は面倒くさそうに言い訳をする声が聞こえた。

ポーチを漁って口紅を取りだし、ローテーブルに乗っている鏡に向かい口紅を塗る。
その行動の最中も喧嘩は続き、愛実は一方的に捲し立てていた。

「もういい!!」

強く言い捨て、通話終了ボタンを押してスマートフォンをベッドに投げた。
ヘアアイロンで茶色に染まっている髪を柔らかく巻き、前髪を整える。
コンセントからアイロンのコードを抜いて、鏡と一緒に雑に片付けた。

「マジで最悪」



「行ってきまぁす」

「行ってらっしゃ~い」

綺麗にイマドキらしく着飾った顔で家を出た。

_あーは言ったけど本当は別に怒ってなかった_

_私なんでアイツと付き合ってるんだろう_

_好きってなんなんだろ_

恋なんて知らない。昔も今も。
今付き合ってる彼も、正直なんで付き合ってるのかわからない。
朝は喧嘩してたけど普通に優しいし、かっこいいと思うこともある。
けど、これが恋とか好きとか言われるとよくわからない。

これは恋を知らない私が初めて知った、酸っぱくて苦い恋のちょっとしたお話だ。


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