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[36739] ジェダイ×ジェダイ(HUNTER×HUNTER オリ主)
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2020/08/05 04:44
初めましてメソ…と申します。

HUNTER×HUNTERとスターウォーズのクロス…では無く
念を使ってジェダイの能力を再現していこうという転生主人公の冒険を書いていこうと思います。
原作のように出来るだけご都合主義を廃して、人がごろごろ死ぬ話にしていこうと思うので、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
また作者は一応スターウォーズのシリーズはアニメを含めて全部見てますが、フォースの設定は登場人物によって言ってる事が違うので作者の独断で決めます

注意!

作者は旅団が嫌いです。
旅団は(どんなにイケメン集団でも)ただのあっぱらぴーな強盗虐殺集団です。
よって旅団と仲良くなるなど有り得ないのでそういうのを期待してる腐女子は帰ってくれ^^


8月13日追記
説明が遅れたのですが、俺は今年受験生なので当分更新ができません。
もうちょい余裕あるかと思ってたのですが、3月の初っ端の試験で死亡してから、Arcadia覗く暇もなかった感じです。
来年になったら再開するので、それまですいません。

あ、あとヒソカがいなくなったハンター試験を面白くするアイディアも募集してます。


2020年8月5日 追記
気づいたら7年もたってました。
スターウォーズもエピソードが3つも追加されてしまいましたね。
賛否両論ありますが、とりあえずカイロ・レンがエモい。

それに比べてハンターは7年前には始まっていた暗黒大陸編が、まだ暗黒大陸に上陸すらしていないというタイムカプセル状態で何だかほっこりします。

ということで(どういうことだ?)暇なのでまた書いてみたりします。
ただしハーメルンにですけどw



※この小説はハーメルンとのマルチ投稿でござる。




[36739] 1話 転生×始まり
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2013/10/08 18:40
その日は最高の日になるはずだった。
映画館でスターウォーズ全エピソード3D連続放映を行う先行プレミアに当選したのだ。
小説を除き基本エピソード6に加えアニメ映画「クローンウォーズ」、アニメシリーズ「クローンウォーズ」と全てを見てきた俺にとっては正月と誕生日とクリスマスが同時にやってきた気分だった。
ついに放映が始まり、大迫力のポッドレース、美しいナブーの風景を背後にしたアナキンとパドメの禁断の愛、闘技場でのドロイドとジェダイの白熱した戦い、そしてアナキン衝撃の変貌と虐殺を3Dの大画面で堪能した。
エピソード3が終わると30分の休憩時間となったので興奮冷め止まぬ中喫煙所に入りタバコを吸っていると映画館の隣に座ってた中年デブのおっさんがおっさん仲間が入ってきて駄弁り出した。

「ついにあの美しい姫が3Dで見れますな」
「いやぁ長生きはするものですねぇ」

正直色々と突っ込みたかったが、大人な俺は華麗にスルーして、言葉の代わりに紫煙を吐き出し喫煙所を後にした。
休憩をはさみエピソード4が始まりあの姫が登場した。そしてR2-D2にディスクを挿入する姫を見て俺は思わず

「レ○ア姫3Dで飛び出すブス過ぎワロタww」

と口走り、隣に居たおっさんに(ハンド)フォースグリップを掛けられ意識を失った。


中沢俊太郎 享年24歳 死因 絞殺


1話 転生×始まり


気が付くと俺は馬鹿みたいにでかく、また荘厳な門の前の籠の中で泣き叫んでいた。

「おぎゃーおぎゃーおぎゃー(ここどこ?なんで赤ん坊?てかまだエピソード5と6の3Dみてないんだけども!)」

籠の中でほとんど身動きを取る事が出来ず、ただでかい門を見ながら泣き叫ぶこと小一時間。
泣きながらも俺は自分の立ち位置を徐々に理解し始めていた。どうやら俺はブス専のおっさんに殺されて転生しさらに捨てられたらしいと。
さらに小一時間が過ぎ、そろそろ次の転生にいきますか!と諦めかけた頃、軋む様な音と共にでかい門が開いた。

「おや?この赤子は?ふむ可哀想に捨て子のようじゃな。ふむ、イニシャルはA.Aか、顔立ちからしてジャポン人では無さそうだな」
「おぎゃーおぎゃーおぎゃー(うわっ、なんかすげー悟ってる雰囲気のおじいさんだ。頭つるつるしてて坊主っぽいな)」

そのなにやら貫禄のある爺さんは、しばらくの間思慮に耽ると、俺の顔を覗き込み微笑みながら

「ここで出会ったのも何かの縁、ご両親に何があったのかは定かではないが、とりあえずうちの寺で預かるとしよう」

と言って、俺を抱きかかえて歩き出した。

「おぎゃーおぎゃーおぎゃー(AZUKARU?ああ、預かるか。おおなんてやさしい人なんだ、俺ラッキー)」



5年も暮らせばこの世界が俺が暮らしていた世界でない事に気づくのも当然だ。
とは言え最初のうち俺の暮らしているこの禅宗の寺があまりにも日本っぽいのでてっきり同じ国、同じ時代に転生したのだと思っていたのだが、ある時一人の青年修行僧が俺が見ていないと思ったのか木に引っかかったボールを取ろうと凄まじい高さまでジャンプしたのを目撃してしまった

「あれはまさか※フォース・ジャンプ!?」(※フォースの力で筋力を高める技のこと。よぼよぼヨーダはこれにより俊敏ヨーダにクラスチェンジする)

もしやと思い、俺をひろってくれた住職の富田爺ちゃんを探した。富田爺ちゃんはこの寺禅宗寺の住職で100人の修行僧たちの教師でもある。
禅宗寺では武術にも力を入れてて居て、その師匠でもあるじいちゃんは60歳という高齢でありながらその体は研ぎ澄まされていてはっきりって40歳位にしか見えない。
じいちゃんは俺のことを養子として役所に届けくれたのだが、とうちゃんと呼ばれるには年が行き過ぎてるわ、じいちゃんと呼べ、と言われている。

じいちゃんに世界地図が見たいと言うとすぐに持ってきてくれた。
そこには俺の知ってる大陸の位置ををだれかが福笑いで滅茶苦茶にしたような世界が広がっていた。
そして俺はこの世界が俺の暮らしていた世界ではなくスターウォーズの世界だと確信したのだった。
そもそも俺の名前がアキン・アースウォーカーだった時点で予測しておくべきだった!

「じいちゃん、ジェダイって知ってる?」
「なんじゃそら?わしは聞いた事ないのう」
「ジェダイって言うのはフォースって言う目に見えないエネルギーを操って戦う高潔な戦士の事だよ!」
「!?…知らんのう」

すぐじいちゃんにジェダイの事やフォースの事を聞くが、どうも知らない様子、ただなんとなく怪しい感じがしない事も無い。
そもそもフォース・ジャンプを弟子が使っていたのにその師匠のじいちゃんが知らないなんて有り得ない。
もしかしたらジェダイ評議会があるコルサントから遠く離れた惑星なのかもしれないなここは。場所によってはフォースという名前以外で
フォースが扱われているところがあっても不思議じゃない。むしろ広い宇宙ならそれは必然だ。
やはりこの寺はフォースを扱う僧侶が修行する場所なんだろう。ただフォースは別の名前として認知されているだけだ。
ならば俺がやる事は一つ。

「じいちゃん!俺も修行僧になって修行する!」

「ひょ!?」



[36739] 2話 修行×無の境地
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2013/02/21 19:35
じいちゃんは俺につらい修行をさせるのが嫌なのか、フォースを教えるのが嫌なのかは分からないが散々渋ってきた。
俺はそれでも子供らしくごり押し駄々こね戦法で押し捲り、あくまで消極的な反対だったじいちゃんは渋々ながら許可してくれた。

「修行を始めるのなら3つ約束事じゃ。1つ、修行の間はわしの事を師匠と呼び敬語で話す事。『じいちゃん』では周りに示しがつかんからな」
「はい!師匠!」
「2つ、修行を投げ出さず、どんなにつまらない修行でも真面目に真摯に取り組む事。」
「はい!師匠!」
「3つ、良いと言われるまで奥の道場には入らない事」
「廃止賞!」


なんか色々ジェダイ臭い事を言われたがとにかく修行できる権利を得たので文句は無い!
わくわくしながら次の日から始まる修行の事を思い床に就いた。

だが修行は正直退屈かつ厳しさを極めた。

まず4時に起床して朝課という朝の読経を行う。この時点で俺はドン引きである。
それが大体5時には終わり朝食を取る。
修行僧は肉類を取る事が出来ないのでベジタリアンな朝餉だ。ただ卵や牛乳はのめるので完全草食ビーガンレンジャーまではいかないのが救いではある。
6時からはお待ちかね朝の座禅タイム!これを2時間半ほど行う。最初はアホかと思ったね!というより最初は眠くなって、例の棒でぶったたかれた。
次に日点掃除、つまり境内の掃除、寺の廊下の雑巾がけと修行僧のテンプレ的な業務に励む。今までは他の15歳ぐらいの修行僧がやっていた一番しんどい寺の門の前にある100段もある階段の掃除は最年少がするというスーパー年功序列ルールが適応され俺一人上から下まで100段もある階段の掃き掃除をする。
正直毎日掃き掃除するぐらいなら階段周りの木を切り倒したほうが早いと思ってじいちゃんに聞いたらあたまたたかれちゃった。てへへ。
そして10時に昼飯でそのあとは16時半の夜ご飯まで自由時間。他の修行僧はなにやら奥の道場でやっているらしいが、じいちゃんとの約束により俺は華麗にスルーして、ぐだぐだしている。俺まだ5歳児だしね!
18時半からはお待ちかね夜の座禅、またしても2時間半コースである。それが終わって21時就寝。
これが日曜日を除いて永遠と続く、これを日常と書いてヘルと読む。即ち地獄である。
他の修行僧は日曜日もやってるらしいから恐れ入るぜ。
いつになったらフォースを学ぶ的な時間になるのでしょう?


そんな生活を五年もして10歳になると座禅の時間に己に課題を課す位には慣れる。
座禅の時間、俺は基本的に無を体現しようとしているのだが、無を成そうとすれば、その無を成そうとする意が無に入り込み邪魔をしてくる。
そもそも最初のうちは目を瞑むっても周りの修行僧の息づかいや身じろぎ、衣ずれの音を聞こえてしまい集中出来ずなかなか上手くいかなかった。
そこで俺は逆転の発想としてまずライトセーバーを頭に浮かべる事にした。ふざけているように思われるかもしれないが、この時ライトセーバーに集中しライトセーバー以外の全てを意識から締め出す。
どうしてもライトセーバーを思い浮かべるとそれに付随した情報が連鎖的に意にのぼろうととするが、ライトセーバーの形、それだけに集中する。
そのうちライトセーバーという名前も消えその形だけが意の中に存在するようになり、そこからそのライトセーバーを消していく段階に入った。
5年たってもまだ俺は完全にライトセーバーを消す事は出来ていない。

だがある日の事。いつものようにライトセーバーの形を消そうと意識せずせず消そうとしていると、スッという効果音がしそうなぐらいあっさりとライトセーバーが消えた。









無。









完全な無が訪れた瞬間、膨大な何かが俺の中に飛び込んできた。それは情報だった。
それはまるでコックピットから宇宙空間に吸い込まれる空気の様だった。完全な無の境地に至れば逆に全てを知る事が出来るのだ。
周りの様子が目で見るよりも詳細に、耳で聞くよりも明確に、鼻で嗅ぐよりも濃厚に、肌で触れるよりも確かに、舌で味わうよりも繊細に感じ取れた。
ふと目を開けてみると体から湯気のようなオーラが噴出していた。きっとこれがフォースなんだろう。だが俺にはどうすればいいのか無意識のうちに解っていた。座禅を組んだままそのまま無の状態になりフォースを体に留めた。
だが留めるまでに放出したフォースのせいかすこし体がぐらつく。

すると後ろから愛情や優しさに満ちた何かを感じ振り向くとじいちゃんが心配そうな、そして誇らしそうな顔して俺に言った。


「まさかその年齢で自力で念を開花させるとはな、それにしても見事な纏じゃ。」

「ありがとうじいちゃん。でももう一回言ってくれないかな?」

「まさかその年齢で自力で念を開花させるとはな、それにしても見事な纏じゃ。」

「NEN?TEN?なにそれ?」

「念とは念じるの念と書く。普通の人は体中にある精孔という穴が閉じている状態になっとるのじゃが、アキンのように修行し精孔を開けることでオーラを感じる事が出来るようになる。感じ取れればそれを操作する事も可能だ。ただこの時オーラが体中から吹き出してしまっての、その吹き出すオーラを体の表面にとどめる技術を纏うとかいて纏と言うのじゃ。」


ふぅ。やれやれ。




























ここHUNTER×HUNTERの世界かよおおおおおおおおおおお








いやいやいやいや。

違うね。違うもんね。

ここはあくまでスターウォーズの世界だもんね。

ただ宇宙は無限に広がってるからスターウォーズの物語の舞台とは遠く遠く遠く離れたこの星のフォースを扱う技術とその用語がたまたま、たまたま奇跡的な偶然によってHUNTER×HUNTERの世界と被ってるだけだもんね。
いやー偶然ってKOWAIねぇ。
無機物にオーラがついてないからこれはフォースじゃないって?
う、うるさい!
そうだ無や!無の境地に逃げ込むで!




後書き

感想ありがとうございます!
頑張ります!がんがん書きます!

ただプレビュー機能が使えなくて困ってるのですが、Choromeだと使えないのでしょうか?



[36739] 3話 フォースと×共にあれ
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2013/02/25 10:04
俺はじいちゃんに四大行と六性図、水見式について教わった。
いやぁー何事もなかったぁ。
突然頭を抱えてぶつぶつ言い始めた挙句、座禅を組みだした俺をじいちゃんが残念なうんこでも見るような視線を向けて来るのが感じられてとても恥ずかしかった様な気もするがそれは気のせいだろう。
それにしても精孔が開いてからどんどん感覚が鋭くなってきてる気がするんだけど、念ってすごいな。
四大行のうち練はすぐに習得できたが、絶はあまり上手くいかなかった。とはいえじいちゃんに言わせると最初はそんなもんらしいので修行あるのみだ。
あと半年ぐらいは今までのように座禅を組むのに加えて、練と絶の練習をしなさいと言われたので寝る前にまず絶の練習、次に限界まで練の練習を行って気絶するように寝る、という生活を続けていった。
そして4ヵ月後。ついに水見式を行う日がやってきた。
本当はあと2ヶ月は基礎トレをやる予定だったのだが、俺が早く自分の系統を知りたくて我慢できなくなりじいちゃんにおねだりしてしまった。
なんだかんだでじいちゃんは俺に甘い。
しかたないのぅ、といいながらじいちゃんは葉っぱと水の入ったグラスを持ってきた。
ちなみにこの家でグラスを見たのはこれが初めてであり、後で聞いた話だがじいちゃん曰く最初は湯のみを使っていたのだが放出系の場合色がどのように変わったのか解りにくすぎて不便だったから水見式用に買ってきたのだそうだ。当たり前だな。

「じゃあグラスにオーラを込めてみろ」
「はい!」

そう言われて渾身の練を行うが見た感じ変化が無い。まだ系統によってどのように変化するのか聞いていないので、捨てられたチワワ見たいな瞳でじいちゃんを見つめる。
じいちゃんはそんな俺をみて苦笑しながら

「そんな目でわしをみるでない。ほれ、水を舐めてみよ」

と言った。言われるがまま水に指を付けて舐めてみると微妙な味がした。
じいちゃんにも味わってもらおう。

「……師匠もどうぞ」

じいちゃんに向けてコップをずらす。じいちゃんは俺の顔からその微妙な感じを読み取ったのか、おそるおそる水を舐めた。

「ポップコーン味…」
「……」

変化系の水の味って甘いとか辛いとかそんなのだと思ってたわ。油断したわ!

「何はともあれ水の味が変わるのは変化系の証じゃな」

じいちゃんは微妙な空気を変えるようにそう言った。

それから一月ぐらいの間俺は修行の合間にどんな念能力にするか悩んでいた。
そんなある日の事俺に閃きが訪れる。
変化系かぁ。どうしようかなぁ、結局念とフォースって別物っぽいしなぁ、フォース使いたかったなぁ…ってそれやぁああああ!
って言うか俺の感覚が強化されたのもそういう理由か。
なるほど変化系の念ってどうやって作るのかと思ったけど、気づいたら出来てるっていうのがその答えっぽいな。
ふふふ、これでジェダイになるための第一段階は終了したと言っても過言ではない。




【フォースと共にあれ】
・変化系能力

修行の間の思い込みと短い間なら無の境地に至れるアキンが半分無意識のうちに生み出した念能力。
アキンの全オーラがフォース的な性質を得て感応力、共感力、直感力、反射神経、筋力、念動力が飛躍的に強化される。
オーラに対する感応力により、相手のオーラから相手の次の動きを予知したり単純な感情程度なら読み取れるようになる。
逆に対オーラの攻防力の効率が著しく低下する。




つまり身体能力や感覚を向上させる代わりに対オーラの能力を捨てたわけだ。
これにより相手の体だけでなくオーラ動きも先読みできるのとは言え、「フォースと共にあれ」によって俺の攻防力はとてもしょぼい事になっている。
じいちゃんに能力の詳細を話さず俺の練を見てそれに合わせて威力弱めで念弾を撃ってもらい、それを練をしながら受けてみたのだが、大ダメージを負ってしまった。
4日間地獄の苦しみを味わったあとじいちゃんに詳しく聞いてみると
じいちゃん曰く

「すまんのう。だがオーラを見て予想した功防力と実際の功防力に差がありすぎるわい」

との事。
俺の堅の基本功防力は普通の人の半分以下。こんな能力で素手で戦うのは脳みそお花畑なやつだけだ。
そしてジェダイ騎士を目指す俺の武器といったらこれだ!

「ライトセイバーでござる」

今俺はブォンブォンといういい音を鳴らしながら緑に光るライトセーバーを振っている。
ライトセーバーの具現化は簡単だった。当然実物を見た事は無いが、何せ5年間毎日5時間はライトセーバーに集中していたのだ、具現化ぐらい容易い。
だが今はAOP(顕在オーラ量)もMOP(潜在オーラ最大容量)も少ないのでライトセーバーの柄を具現化するのにMOPの半分を使い光刃を出すのにさらに四分の一が消費されてしまう。
また光刃がでてる状態を15分続けるだけで残りの四分の一を使いきってぶっ倒れてしまった。
たぶんこの能力の燃費が悪いのは、「フォースと共にあれ」で変化したオーラを元のオーラに戻してからライトセーバーに具現化、光刃へ変化、をしているからだな。
ぐぬぬこれから鍛えていくにせよコストパフォーマンスが悪すぎるな。何か考えなければ。




【ライトセーバー】
・具現化系・変化系能力

起動すると超高温の熱エネルギーを持つ光の刃がでる柄を具現化する。
普段から腰につけておくことでオーラを溜めていく事ができ、溜めたオーラで光刃の生成、維持が出来る。
一度柄の具現化を解くと溜めていたオーラは消失する。
念弾に干渉し弾道を逸らす事も可能となっている。




これからは寝る直前に大量のオーラをライトセーバーに込めて寝れば、すぐ寝れて、ライトセーバーにオーラが貯蔵され、AOPとMOPの量も増えるという一石三鳥が狙える。



そして「フォースと共にあれ」で折角強化したのだから念動力の能力も作らなければ。やはりジェダイにテレキネスは欠かせないだろう。
パドメが切ろうとしていた果実をアナキンがテレキネスで手元に呼び寄せて代わりに切ってあげて、またパドメのもとにぷかぷか戻す、と言うのが、オサレなテレキネスの使い方ランキング(俺調べ)で堂々の1位を獲得している。
ちなみに凄いテレキネスの使い方ランキングの一位はメイス・ウィンドゥが数百体のスーパー・バトル・ドロイドに囲まれたときにその全てをテレキネスで吹き飛ばしたシーン(ただしアニメ)
そんなわけで作ってみた。

【テレキネス 操作系能力】

あらゆる物体を直接触れる事無く操作できる。
操作重量、操作精度、操作距離は反比例の関係にある。


一応俺のオーラは「フォースと共にあれ」の効果で念動力との相性はいいが、根本的に操作系能力は変化系能力者と相性が悪いのでいまいちな威力となっている。
今のところ至近距離なら10KG位の物体を持ち上げる事が出来る。だが少しでも距離が離れるとへにょりだしてしまう。
オーラの功防力を犠牲にしてテレキネスの威力を底上げしているのにこれでは使い物にならない
これはもう鍛えるしかない。
あまり深く考えず3つの能力を作ったのだが、それをじいちゃんに話したら怒られた。なんでも能力をいっぱい作りすぎると
それぞれの能力の発動効率が落ちる事があるらしい。
ま、鍛えれば何とかなるでしょう。



後書き

読んでいただいてありがとうございます。
若干駆け足気味なのですが、修行編は時間が飛びまくります。
あと一話の分量は修行編が終わるともっと増えます。



【フォースと共にあれ】

隠し制約

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[36739] 4話 能力説明×これから
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2013/02/27 18:55
俺が3つの念能力を習得してから5年がたち俺は15歳となった。

奥の道場に入る許可が出たので組み手を行ったり、じっちゃんから剣術を教わったり出来るようになった結果、俺の念能力の性能が見えてきた。
まず近接戦闘では余程鍛えこんだ強化系能力者で無い限り俺には勝てないだろうと言う結論をじっちゃんが出した。
人間は相手の動きを見てから反応するのに大体0.18秒~0.2秒程度かかるそうだ。
それに対して俺は相手が動く0.3秒ぐらい前に相手の動きを予知して、0.1秒程度時間をかけて反応している。
つまり相手が動く0.2秒前にすでに相手の行動を知った上で反撃できるわけだ。
しかも俺の手にはライトセーバーがある。さらにどうしても相手の攻撃がよけれない場合は、相手が攻撃してくるであろう場所に硬でオーラを集めておく事である程度対処できる。
よってここに肉弾戦(?)最強の漢が誕生した。どやぁ…。

逆に呪いをかけるような操作系、具現化系能力には非常に脆弱だと思われる。
物理的な何かを対象に刺すタイプの操作系能力に対処するのは近接戦闘の部類に入るので簡単だが、例えば対象の髪の毛を藁人形に編みこんでそれに釘をトンカチで打ちこむ事で相手にダメージを与える様なタイプの操作系能力はオーラに対する脆弱性から致命傷になりかねない。
視界に入った対象の動きを遅くする、みたいな通常の念能力者に対してはよほどの制約と誓約をしない限りあまり効果が無さそうな能力も俺の場合下手したら心臓まで止まってしまいかねない。

これに対する対処法はただ一つ普段からジェダイっぽいフードを目深く被り、俺に関する情報を遮断し、体毛、ふけなどDNAが得られそうな物質を一切残さ無いようにする。これだけ!
あとはフォースを信じるのみ。ぶっちゃけ敵意や殺意を感知した瞬間ばっくれればある程度はなんとかなるだろう。
だが俺が普段からフードを目深く被って行動していると、ただでさえ年齢に見合わない言動を繰り返し10歳では有り得ないほど複雑な念能力を開発して気味悪がられてる俺である。
あれ?今までと変わらないじゃん。やっぱり問題なし。そもそも割と排他的な人種であるジャポンの寺に一人だけ外人面の餓鬼がいる時点で
仲間外れにされてしまうのは仕方ないのだ。オウ、スキヤキ、スシ、テンプゥーラ。
じっちゃんはかなり早い段階で俺の個性に関して理解するのを諦めて、ただ受け入れてくれるので俺は安心してフードを被っていられる。
そんなわけで鍛錬をするかじっちゃんと話すか、義務教育の通信教材をちゃかちゃか片付ける以外やる事がないのだ。
その他はたまにじっちゃんにつれられてなにやらひどくパチモノ臭のする大仏を見に行ったり、自殺者多発樹海でキャンプというなのサバイバルをしたりする程度である。
そんな鍛錬漬けの末、MOPが3倍位増えてきた事でライトセーバーの柄を具現化して光刃を出しすまでしても半分以下のオーラで済むようになった。
ただそもそも柄は常に具現化していて常にオーラを溜め込んでいるので、戦闘時にライトセーバーを使う場合俺のPOPからオーラが消費される事はまず無い。【天上不知唯我独損(ハコワレ)】涙目。
テレキネスも順調に成長してきている。筋トレみたいに毎日鍛える事で徐々に性能があがってきていて、今ではそれなりの距離から乗用車一台(1000kg位)をゆっくりとだが浮かせる事が出来るようになった。
とは言え念をつかわずに平然と16tのドアをあける事が出来る子供がいる世界である。実際そこまで大したことは無いのだ。
またこれによってぶっちゃけた話、放出系の能力を持ってないやつは適当に浮かせて、ライトセーバーでぶった切れば勝てる、と思われるかもしれないが、俺のオーラに対する脆弱性がここでも祟り、精孔が開いている相手は相性が悪いのか一瞬程度しか浮かせる事が出来なかった。
ただそれでも一瞬だけ力を加える事で相手を吹き飛ばす事は出来る。
つまりダースベイダーよろしくフォース・グリップで首を絞められる相手は非念能力者限定なのである。とは言えはったりにはぴったりなのでテンプレチンピラ相手に何時か使ってやろうと企んでいる。

そんなある日の事。
俺はこれからどうしようかと珍しく真面目に悩んでいた。
俺が手に入れたこのそこそこ強い力を使ってこの世界に下手に関わる事で本来上手くいくはずだった出来事が悲惨な結末を迎えるのではないか?
…なぁんて事を俺が悩むといつから錯覚していた?
はっきり言って原作についてはそもそもゴンとナックルが戦ってた辺りまでしか読んでいない。
念に関する知識は10歳の頃から書きとめていたから覚えているが、ヨーダの失敗からユニファイング・フォース(フォースによる未来のビジョンを重視する概念)ではなく、リビングフォース(自分の周りのフォースを感じ取りながら今この瞬間を生きる事を重視する概念)の信奉者である俺にとって未来の情報など心を惑わすモノに過ぎずほとんど忘れている。
ただ1999年のハンター試験の内容だけは受けるつもりだったのでので書き留めてある。
これは未来の知識ではなく、ただのカンニングなのでまったく問題は無い。
そもそも下手な選択によって悲惨な結果を生むかもしれないのは、未来を知っていようが知らないだろうが同じ事である。
リビングフォースでも自分たちの行動が導く結果を常に心に留めておくように説いている。

御託を並べてしまったが、俺の悩みとは念動力を鍛えるためにゾルディック家の試しの門を利用したら怒られちゃうかなー?である。
ぶっちゃけ「フォースと共にあれ」と「ライトセイバー」は寺でも修行できるのだが、「テレキネス」はもう付加をかけられる物体が存在しない事態になってしまった。
自動車も実はじっちゃんの愛車でこの前こっそり浮かせていたら、バレてしまい、信じられないほど怒られてしまったのだ。
もうこうなると試しの門しかないだろう。確か試しの門は最大で256トンぐらいあったと思う。
あれを念動力で開ける事が出来れば相手が念能力者でもフォース・グリップれるぐらいになるはずだ。
主人公たちがあの門で修行していたが、理由は覚えてないがそれが主人公達だった許された出来た事だろう。
人の家の門の前でふらっと現れた俺がむむむ、とか言いながら門をギシギシさせていたらパンピーでも怒るだろう。
それが暗殺一家の家の門だったら恐ろしい事になってしかるべきだ。
でもよくよく考えてみればあの門の名前は「試しの門」だ。試しの門に俺のテレキネスを試して怒られる事なんてありえないだろう。
よし早速行くことにしよう。
ゾルディック家が住むクルルーマウンテンはパドキア共和国に存在する。ジャポンとパドキア共和国の位置関係は日本とオーストラリアのそれに近い。
だがこの世界には飛行機が存在せず、飛行船でぷらぷらいくしかないので大体二日位で試しの門に到達できるはずだ。

じいちゃんは俺が出発する瀬戸際までゾルディック家の危険性について滔々と語っていたがそれを気にする俺ではないのであった。


だが門を出て階段を降り切った瞬間、どこか遠くでオーラの喪失と乱れを感じ、思わず胸を押さえて蹲ってしまった。
苦痛と喪失。愉悦と殺意。
そのおぞましい感覚が遠く離れた俺の元まで届いてくる。
一体何が?と思ったがその感覚は手から零れ落ちるように失われてしまった。
何か悲しい事が起きたのだろう。悲劇が起きたのであろう。
だが今の自分ではどう仕様も無い事だと、自分に言い聞かせつつ俺は目的地に向けて歩き出した。



飛行船に揺られバスに揺られてやって来ました試しの門。
左腰にライトセーバー、左手にはお土産のスズメサブレ。その身に纏うはフォースとフード。そして俺はあの男と対峙する。

次回を待て!


後書き


なんか会話のない説明回になってしまった。
オリキャラを膨らませ始めると書くのが大変すぎて更新が止まりそうなので、原作キャラ以外はシカトでいきます^^




とかいいつつおまけ




side じっちゃん


私は、意気揚々と旅路に出る我が息子アキン・アースウォーカーの後ろ姿を見送った数日後複雑な思いに駆られていた。
正直言ってアキンの身についてはあまり心配していない。アキンの念能力は危機を回避すると言う点でもすばらしい性能を持っているし、息子の性格からして彼の身にどんな危機がおそいかかっても飄々とくぐり抜けるだろうと思う。
ただ我が息子ながらアキンは純真に育ってくれた。
もちろん風変わりな部分もあったが、彼は人の善なる部分を深い部分で信じきっている。
修行僧たちがアキンを囲んでいじめようとしたとした時も、それをひょいひょい避けながら彼らの排斥を受け入れ、きっと自分に原因があるのだろうと彼らの悪意を信じようとはしなかった。修行僧たちがアキンを虐めようとしたのは向上心から来る醜い嫉妬心からだが、いずれ自分たちの行動を心から悔いる日が来るだろし、実際あやつらは善人の類といえよう。
だがこの世には確かに存在するのだ。純粋な悪が。
相手に共感する能力が一切欠如し、ただただ己の望むまま悪を生きる邪悪なニンゲンが。
だから私は心配するのだ。
もしアキンがその善なる部分を一切持たない純粋な邪悪にであった時、彼の世界が崩壊してしまうのではないかと私はアキンの心を心配している。
こんな新聞を見ると特にそう思う。


『少数民族クルタ族虐殺。A級犯罪組織幻影旅団の仕業か?』




[36739] 5話 試しの門×ゼノ・ゾルディックとの邂逅
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2013/02/24 16:14
目では追いきれないほどの数の手刀が俺に向かって音も無く繰り出されるが、俺はそれをなんなくかわしてその辺で落ちている木の枝を拾い周で強化して叩きつける。
だがライトセーバーの光刃とは違って、そのオーラはフォースの性質を帯びているので例によってその攻防力は脆弱の一言に尽きる。
よって相手にとってこんにゃくよりも弱い棒は相手に叩きつけた瞬間木っ端微塵に砕け散る。砕けた木片を目隠しに後ろを取られるが、目だけを頼って戦闘をしていない俺には目隠しの効果は薄い。すぐさま前方に身を投げ出し、後頭部を狙った相手の手刀を避けきった。そもそも目隠しとかフード深く被ってほとんど前が見えてない俺には意味が無いんや!
そんな俺を見た相手が間を外すようにスタスタと歩き出した、と思ったら突然残像が生まれ始め俺の周りを取り囲んだ。残像にはオーラが残留していて意を掴みにくくどこにいるのか、どれが本体なのかは掴めなかったが、攻撃に至る過程で生じる相手の意を捉える事は出来る。しかし残像のオーラに一瞬気を取られたせいで、心臓を狙ったその一突きを回避するには脚力だけでなく念動力も使う羽目になった。
俺は今ゼノ・ゾルディックという圧倒的強者と戦っていた。
特殊な歩法によって残像を残そうがどんなに動きが速かろうが意を読んで動きを予知して避ける事に集中すれば攻撃が当たることがまず無い俺だったが、万が一ゼノを殺してしまった場合が恐ろしすぎてライトセーバーを使う事が出来ない。
さらにゼノほどの使い手相手に不用意に素手で攻撃した場合俺の功防力では逆にダメージを受けかねないので、俺はただひたすら相手にほとんど干渉する事無く避け続けて相手の体力切れを待っていた。
なぜかゼノから殺意は感じられないのが唯一の救いなんだが…。
まぁ脚力では負けてないのでとっとと逃げればいいのかもしれないが、これほどの使い手(殺意無し)を相手に戦える機会はそうはないだろし、まだ念動力の修行を終えていない。それに何より逃げるのは癪だ。


どうしてこうなった!


かを語るには半年程話を遡る必要がある。






茶色のフードを目深く被って現れた俺を、守衛(笑)であるゼブロさんはド迫力のアホみたいにデカイ扉をバックに怪しいうんこを見るような目で見てきたのを俺のフォースは明確に感じ取った。
ゾルディック家の門番に俺の顔という情報を渡してもいいかと逡巡した俺だったが、やはりこれから修行させてもらう以上顔を見せないと失礼だなと思い直し、フードを外してぶっちゃけ青年期のアナキンにくりそつな俺の顔をゼブロさんに見せて言った。

「この試しの門で修行させてもらえませんか?」
「……ゑ?」





「今まで多くの命知らずの馬鹿を見てきたけど、君はその中でも飛び切りの変り種だね」

とりあえず守衛室に入れてくれたゼブロさんは俺のお土産であるスズメサブレを食べながら呆れたようにと言ってきた。

「へへ、よく言われます。」
「自覚してるなら世話ないね。」
「自覚の塊の様な男なんです俺は。」
「・・・・・・そうなんだ。」
「・・・それで修行しても大丈夫ですかね?」
「うーん、基本的に試しの門から入ったらな敷地内のある一線を越えなければ、執事達もゾルディック家の方達も基本的に何も言ってこないとは思うよ。ただ当然敷地内にいる時点で執事達の監視は始まるし、あまり派手な事をすれば命を失うだろうね。」
「と言う事は門のところでうろちょろしていてゾルディック家の方の邪魔になったりしたらまずいでしょうか?」
「いやゾルディック家の方達は基本的にこの門じゃなくて飛行船で出入りしているからね。邪魔になる事は無いと思うよ」
「なるほど…。」

そのあと親切なゼブラさんが一応執事に電話をかけて確認を取ってくれたところ

「敷地内の一線を越えなければこちらは一切関知しない。」

との事。正直守衛室で寝泊りさせてもらおうと企んでいた俺にとっては僥倖だった。
しかし一線を越えなきゃ関知しないって案外ゆるゆるだなゾルディック家。
今度一線を越えないようにここでロックフェスティバルを開催してやろうか?
…そこまでしたら殺されるだろうな流石に。ロックフェスティバルの開催は別の意味での一線を越えてしまうだろう。
まぁそんなこんなで、家事を手伝う事を条件に使用人の家に泊めてもらう事を許してくれたゼブロさんは、俺が素手でこの門を開けれるようになるための修行をしにきたのだと勘違いして門を代わりに開けてくれようとしたので俺は


「ゼブロさん。俺がこの門を開けられないといつから錯覚していた?(意訳)」


と言いつつ亀仙人みたいにバンプアップしたゼブロさんを止めて代わりに門を開ける事にした。
実はオーラ込みの素手でどこまで開けられるのか一度試してみたかったのだ。何せ筋力の増強に関しては俺のフォースは一級品だ。じっちゃんの愛車を右手で持ちながら左手のひとさし指で逆立ちしてさらにそこから腕立て伏せできるぐらいの筋力はある。
つまり俺の筋力を試せる物体は基本存在しない、それはつまり普段は纏だけで十分なほど強化されているので堅をする必要が無い事を意味するのだが、7の門を開けるにはやはり纏だけでは足りないだろう。

「『堅』!」
「!?」

馬鹿でかい門を一瞥し、気合を入れなおすと堅を発動し一気に力を込めて門を押し始める。凝で腕と足にオーラを集めればいいと思うかもしれないが、それだとバランスが悪くなるし、何より強化が弱まった背骨とかが折れる危険があるし却下。
力を込めていくと、俺の力を判定しているのか門の中で小さくカチリ、カチリ、カチリという音が聞こえてきて最後のカチリの後六の門がゆっくりと動き出した。
総重量百二十八tなり。純粋な対物理攻撃力で俺に勝てる奴は・・・まぁ結構いそうだけどね。少なくとも同世代では最強と自認してもいいはず。
「こりゃまた驚いたな~。念能力者だとは思っていたが、まさかここまで強いとは思って無かったよ」
「ほんとは七の門を狙ってたんですけどね・・・。まぁ結構強いんです俺は。」

ゼブロさんが素直に驚いているのを見てちょっとうれしくなった俺だったが流石に限界に近いので急いで門の中に入ってもらった。




ゼブロさんはその後ゼブロさん達が住んでるウッディーなログハウスに連れて行ってくれた。
そこで丁度交代の時間で家から出てきたところだったシークアントさんにも紹介してもらってシークアントさんと入れ替わりににその家に入った。
ドアが予想よりも重くて顔面を強打したのは苦い思い出となった。
家に入りスリッパ、湯飲み、椅子、さらにはティッシュペーパーまで重いこの家が最高の環境であると感動しつつ、ゼブロさんと話を始めた。
自分が何の修行をしにきたのかを話すとゼブロさんは思いの外ぐいぐい食いついて来た。

「なるほど念動力の修行か。操作系のオーソドックスな能力なんだね。ってことは君は操作系能力者なのかな?」
「当たり前じゃないですか。もしこれで俺が変化系能力者だったら馬鹿すぎますよ」
「・・・それにしては力が強すぎるような気がするけどね」
「・・・・・・・」
「ははは、冗談だよ。自分の系統の情報は能力者の肝だしね。話す必要ないよ。さて明日からはどうするのかな?」
「この家の物って良い感じに全部重たいので、家事の手伝いは基本的に念動力を使って操作性を鍛えようと思います。それで家事が終わったら試しの門で操作重量を鍛える感じで」
「なるほどね、じゃあこの重しつきの服使うるかい?」
「その福で一番重いのってどのくらいですか?」
「上下で1000kgが最大だよ。」
「じゃあそれ貸してください」

1000kgなら堅を使わずなくても着れるだろう、いやー来てよかったなぁ。
それから半年の間は家事の間重しをつけた状態で手足を動かすところから食器洗い、料理、薪割り、洗濯すべてを念動力ですることにしたんだけど、ただでさえ上手くない俺の料理スキルはさらに低下して最初のうちは漢の肉料理しか作れず、シークアントさんに怒られてしまった。
そのほかの時間は当初の目的どおり試しの門をぎしぎし揺らす事に当てていたのだが、さすがにずっと同じ事をしているのは飽きるので大自然の中で座禅を組んで過ごしていた。こうしていると何となく「フォースと共にあれ」が強化されるような気がするのだよね。
ジャポンでも樹海キャンプをした事があるが、あそこは生き物の活気で満ち溢れていた。
だがこの森の雰囲気は、静寂そのものだ。生き物が何かに遠慮しているかのように大人しい。やはりここの縄張りのボスであるゾルディック家の影響だろうなぁ。怖い怖い。
俺も目を付けられないようにしたいものなのだが、俺は普段絶をする事が出来ない。
なぜなら絶を行うと、腰につけたライトセーバーを維持する事が不可能になり、折角ためたオーラごとライトセーバーが消えてしまうのだ。
そこで俺は普段から隠の訓練を行う事で隠を絶の代わりに利用している。
そもそも絶を行ってしまうと、感応力の強化が消えてしまって本末転倒な感じになってしまうのも理由の一つだ。
自分の全オーラを隠で隠そうとする奴なんて俺以外そうは存在しないだろう。
それにライトセーバーの光刃を起動するのと同時に隠を解除する事で一気に存在感が増して凄くかっこいい感じになる事にも気づいていた。
俺が隠の訓練に夢中になって周りへの注意がおろそかになったその瞬間。




俺はゼノ・ゾルディックの襲撃を受けたのだ。





さて、かれこれ1時間ぐらい戦闘を続けて、さすがに俺もゼノの攻撃を避けるのにも慣れてきた頃、相手も俺が本気を出す気が無いのを理解したようで、攻撃をとめて話しかけてきた。

「こんなに攻撃して当たる気配もしないのは初めてじゃ。なかなかの使い手のようじゃな」
「・・・・・・」
声という情報を与えたくないのでとりあえず黙っておく俺。そんな俺を興味深そうにゼノ・ゾルディックは見つめて、ニヤリと楽しそうに笑うと

「だが、素手の戦闘では埒が明かないの、では念能力者らしく・・・。」

そう言って凄まじい量のオーラを手に集中させドラゴンっぽい形を作り出した。
俺の苦手分野!中距離からオーラぶつけてくるタイプの使い手か!
てか変化系くさい能力だけど、どんな性質に変化させてるんだろう?まさかそのままドラゴンだったりして・・・。
さぁてと、そろそろ逃げる覚悟を決めないとね。
そう思い、重心を若干後ろ向きにした瞬間。ゼノは詰まらなそうな顔をしてオーラを消してしまった。

「ふん、やめじゃやめじゃ。いきなり逃げ出そうとするからに。お主名前をなんと言う?」
「・・・アキン・アースウォーカーです。」
「年はいくつじゃ?」
「15です。」

ここで教えないと戦闘が終わりそうに無いし、ゼノから悪意を感じる事も無かったので名前と年齢を教えることにした。すると

「どうじゃお主、うちで執事として働いてみないか?」
「いえ俺はジェダイの騎士を目指してるので、暗殺者の執事はちょっと無理です。」

いきなりダークサイドへの勧誘がきたああああ。だが俺はそんな誘いには乗らん!
だがゼノさんーそう呼べと言われたーも本気で勧誘したわけではないみたいで、敷地の一線を越えず、そこまで自然破壊をしなければ好きなだけ滞在して良いと言う正式許可をもらった。
ただまた遊びに来るそうで去り際に

「次はその左腰に付いた獲物を抜けよ、まったく舐めた餓鬼じゃ」

と言って一瞬でこの場から離脱した。
す、すげぇ!あのじいさんライトセイバーに気づいてたのか!、折角隠で隠してたのになぁ。伊達に年は食ってないらしい。

そんなこんなで翌日俺は、とりあえず敷地の一線とやらを見に行ってみた。

とことこと使用人の家から歩いて40分ほど。なにやら試しの門とは比べ物にならないほど小さな門の前に、試しの門よりも厳しい障害があった。
それは何やら敵意むき出しの男女が2人の事だ。
一人は黒スーツの眼鏡男で、ギロリという擬音がふさわしいぐらい視線をこちらに向けてきていて両手にコインを大量に隠し持っている。おそらく指弾使いだろう。たぶん強化系か放出系。操作系の線もあるけどコインの操作をわざわざ念で行うぐらいならもっと別の能力にすると思われる。大穴で具現化系、妙な効果があるコインを具現化して飛ばしまくってくるかもしれない。
もう一人はの黒人系の女で髪の毛を海老天の様にまとめたドレッドヘアーをしている。その手には「私これで殴りますよ」と主張しているかのように先っぽがごついステッキが握り締められていて、やはりその視線は俺を射抜いている。
ゼノさんは俺が敷地の一線を越える事に関しては禁じたが、執事に対する攻撃についてはノータッチだった。というよりも訓練相手にしていいとも(目で)言ってたので、折角だしお付き合い願おうか。
ちょうど目をつぶって飛来物をライトセーバーで防ぐ訓練をしたかったところだったし。
俺のオーラに対する脆弱性を考えると、感応、直感能力のみで攻撃を感じ取る訓練は必要不可欠だと思う。感知できない効果を持った念が怖すぎる。
じいちゃんとも似たような訓練をしていたが、目を瞑っている俺に対して本気で念弾をうちこむのはじいちゃんには無理だったので、指弾を使う術者を相手に出来るのは行幸である。まぁ一応日常的にフードによって視界の一部を制限はしているのだけど。
さて俺が一線を越えずに彼らと戦うには彼らがこっち側に来る必要がある。だが何も知らない彼らに向かって「おい、ちょっとこっちに来いよ」と言ってもシカトされてしまうだろう。
つまり念動力でこっちに引っ張ってくるしかない!まだ1の門が少し動くぐらいまでしか鍛えられてないが、一瞬しか干渉できなくてもこちらに引っ張り込む事ぐらいは出来るのだ。
相手に手を向けてくいっと引っ張るかのようにテレキネスを発動したところ

「へぶっ。」
「きゃっ。」
「・・・・・・・。」

俺が突然念動力を仕掛けてくるとはゾルディック家の執事でも予想できなかったようで、『一線』を越えて地面に顔面で受身を取るように倒れこんでいった。無様だな。
俺としてはちょっとつんのめさせるぐらいを想定していたのだが、案外こいつら弱いっぽいなと、とどめとしてフードの奥でニヤニヤしてみせると、憤怒の表情で襲い掛かってきた。いえい釣れたぜ。
それじゃあ暗闇デスマッチ(俺限定)としゃれこみますか!




後書き

ゾルディック家の訪問とゼノ・ゾルディックとの邂逅編でした。
つ、つかれた。
次回はsideを変えてお送りします。ええしますとも


※感想で『主人公が予知できるのはおかしくね?』との指摘を受けたので、主人公の「フォースと共にあれ」で強化するものに「直観力」を付け加えました。
あといっぱい感想もらって大喜びしてるのですが、チラ裏からH×H板に移っても大丈夫だと思いますか?
H×H板って更新してる作品も少ないし、いけそうな気がしない事もないのですが→来ちゃった♪



[36739] 6話 ゼノ×見習い執事
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2013/03/05 13:48
最初にわしがアキン・アースウォーカーの事を知ったのは、「怪しげな人物がいる」という執事からの報告があがってきた時じゃ。
質素な茶色のクローク羽織り、常にその素顔をフードの奥に隠す、いかにも怪しげな風貌の男じゃが、流石に家の中ではフードを取っており
、すぐに身元の確認が出来た。
ジャポンにあるそこそこ有名な念を扱う宗派のトップの養子だそうで、10歳ぐらいの時から常にあの格好をしているそうじゃ、なるほどただのアホじゃな、もしくは念能力の制約か…なんとなくただアホなだけな気がするのう。
なんでも試しの門で念動力の研鑽をする為にここまで来たそうじゃ。
ゾルディック家の本拠地にやってくる奴は、わしらの首にかかった賞金を狙う身の程知らずの賞金稼ぎに復讐しに来た過去の仕事で暗殺した者の縁者と相場が決まっておる。
そんな中わしらの事など眼中に無く、ただ試しの門での修行を目的にやってきて、自分で言うのもなんだが、伝説の暗殺者一家の敷地に住み着く馬鹿に対するマニュアルなど存在せず、掃除夫の手伝いをしながら修行を続ける男を執事達はただ監視しておったようじゃ。
確かに怪しい男だが、毒にも薬にもならない上(若干目障りじゃが)ある意味掃除夫の業務を無償で行っている。
ならばわざわざ殺す事も無いとシルバも苦笑しながら言っておった。

報告から半年程経ちわしがアキンの事などすっかり忘れておったある日の事、わしはペットのドラゴン達に餌をやりがてら敷地内の散歩をする事にしたのじゃ。2時間ほどで敷地中を歩き回り、最後に試しの門の方に足を伸ばした。
すると茶色い物体を発見した。よく見ると茶色いフードを目深く被った信じられないほど怪しい人物で、余りの怪しさに一瞬殺気が漏れかけたのじゃが、次の瞬間ここに修行に来たという少年がいた事を思い出しなんとか殺気を押し留めた。
どうやら座禅を組んだまま変わった感じを覚えるそのオーラ全てを隠で隠そうと試行錯誤しているらしく、わしはそのおかしさに疑問を持った。
なぜなら全オーラの隠など戦闘時には効率が悪すぎてほとんど意味が無く、非戦闘時なら絶を使えばいいからじゃ。
そんな色々おかしな男にわしは気まぐれに近い好奇心を覚え少しの間観察する事にしたのじゃ。しかしそのフードのせいであまり情報は得られない。
オーラは量は15歳にしてはかなり多いが、わしが同じ年頃の時にはもっと多くのオーラ量があったと思う。
だが彼のオーラは今まで見たことが無いほど力強く、魅力的な印象をわしに与えた。
ここ何十年か仕事以外では沸かなかった戦闘欲を感じたわしは、ちょいとこやつの力を試しがてら奇襲を仕掛けてみる事にしたのじゃ。
隙だらけに見えてもそのオーラに見張られているような気がして、なかなかタイミングが掴めなかったのじゃが、そやつが左腰に具現化し隠で隠しておる妙な筒を撫でながら悦に入った瞬間をねらい奇襲をしかけた。

絶から堅に移行しながらの奇襲は常人には気付かれる事の無い必殺の一撃。さらに今回の場合殺意も込めてないため、余程の熟練者以外には
避けるどころか当たるまで気付かれる事もないじゃろうと思いつつ、わしはこやつがこの一撃を避ける事を予感しておった。
だがその予感をさらに超えわしが絶を解除していない、堅に移る前にアキンはわしの攻撃を察知したらしく、視線をこちらに向ける事無くその場から一瞬で離れ、わしの方をフードで隠れた瞳で見つめてきた。
これは予想より楽しめそうじゃと最初はその風変わりなオーラからどんな念能力を繰り出してくるのかと思ったが、あくまで素手での戦闘に徹するようで、それにしてはわしとの接触を必要以上に恐れているようじゃった。
なんらかの制約なんじゃろうか?
腰に下げた筒も位置から考えて飛び道具ではなく接近戦の獲物だと思うのじゃが、それも抜かん。
それどころかどこかわしを傷つけない様に気を使っている節すらあった。
そんな相手にも関わらずわしの攻撃がアキンに当たる気配はない。本気を出してたとしても素手じゃ当たらんじゃろうなきっと。
徐々に慣れてきたのか、余裕を持って、そしてどこか楽しみながらわしの一撃を避け始めたアキンを見て、仕切りなおしがてら声をかけたのじゃが、一切の返答はなし。
格好通り自分の情報に関してセキュリティーが堅いらしい。すでに素性どころか経歴まで知っておるわしにはまったく意味は無いがの。
殺す気などまるでないが、ゾルディック家前当主のわし相手に手加減をするなどわしのそこまで高くも無いプライドもそれなりに傷付く。
せめて念能力だけでも見てやろうと挑発がてら【龍頭戯画】を発動した瞬間、今まで奴に多少なりともあった戦意が一気に無くなり逃げ出そうとしたので、毒気を抜かれてしまった。
なぜならその逃走は臆病さから来るように見えるが実際のところわしを傷つける事への恐れからきているようだったからじゃ。
なるほどまだ処女のようじゃな。
逃げそうになるアキンを止めその警戒を解け、という思いを込めて少しの間とりとめの無い雑談を交わした。
話してみると普通の15歳の餓鬼じゃな。じゃがゾルディック家相手に普通に話すのは普通でないと言うのが現実じゃ。
シルバの意向で才能あふれるキルアの育成が出来ん事じゃし、少しこいつを育ててみるのも面白いと思い、正式な滞在許可を言い渡した後、最後に年長者として少し釘を刺してからわしは散歩の続きを再開した。


@@@@@@@@@


私は真っ先にその柄で鳩尾を打たれ動けなくなっていた。


半年前から使用人の家に住み着いたその男は毎日飽きもせず勤勉に修行に励んでおり、多少ではあるが警戒レベルも下げられていたが、それなりの使い手であることは間違いなく依然として警戒、監視対象であった。
さらに昨日はゼノ様と戦い、本気ではなかったとは言え、ゼノ様の攻撃を全て避けきり戦闘を終えたそうだ。
ゼノ様はその男を気に入った様子で敷地の一線を越えない限り滞在を許可する、と正式に客として扱うように我々に言いつけた。
次の日私がいつものように一線の門の前を守っているとゴトーがやってきて私に告げた。

「アキン・アースウォーカーがどうやらこの門をめざして歩いてきているらしい、気を引き締めろ」
「はい!」

久々の実戦に緊張とやりがいを覚えていた私だったがすぐに後悔する事になった。



念動力を使う事は知っていたが、まさか念能力者相手に念動力を発動できるとは思えず、油断したところを引っ張られゴトーと二人そろって地面とキスしてしまった。
すぐに体を起こして奴の様子を伺うと奴はニヤリと笑っていた。
その口元のゆがみを見た私たちは激情にかられ男に襲い掛かって行った。今思えばあの男の思う壺である。
一瞬で私は鳩尾を強打され行動不能。
ゴトーのコインによる弾幕も突然現れた光り輝く剣が全て防いでいる。
あの光の剣は凄まじい熱量を持っているようで、ゴトーが周をかけて打ち出しているコインは一瞬のうちに炭化してしまってようだ。
威力を上げるために放った回転重視のコインなどスピードが落ちたからわざわざ切る意味も無いと避けられてしまっている。
そしてゴトーの虎の子であるバトルオリンピア記念硬貨による攻撃に至っては炭化しないのをいい事になんと剣ではじき返してくる始末だ。
しかもそのすべての動作をフードを目深く被り纏のまま、どうやら目や円にたよらないでその攻防を行っているらしい。
さすがゼノ様でも攻撃が当たらなかっただけの事はある。
そもそも私達をつんのめらせた念動力から操作系かと思っていたのだが、あの光の剣はあきらかに変化系と具現化系の複合能力。
そしてあの光刃メインの能力を考えるに変化系能力者なのはほぼ間違いない。操作系との相性は最悪のはずだ。
それであの威力とは恐ろしいまでの使い手だ。
だが見習いとは言え私にもゾルディック家執事としての矜持がある。無様に倒れているわけにはいかない。
そう思い立ち上がろうと思った瞬間。後頭部に衝撃が走り気を失ってしまった。
後頭部の暖かさに気付いて目を覚ますと、それなりに整った心配そうな男の顔がどアップで移った。
ひ、膝枕をされていたらしい…。
すぐに起き上がり距離をとると、大量のコインによってなぎ倒された木々と気絶したゴトーを見つける。
ゴトーはオーラを使い切り、膝を突くと、そのまま意識を失ってしまったようだ。
屈辱だ。もし奴がゾルディック家を標的にした賞金稼ぎだったら私とゴトーの命はすでになく、それどころか敷地の一線を悠々と越えられていただろう。
こんな事が二度と無い様に強くなり、もし次来るような事があったら、必ず撃退してやる!
そう強く誓った………のだが、

次の日。


「今時間大丈夫ですか?」


2日後。


「今日もよろしくお願いします!」



10日後。


「やっぽーまた来ちゃった。」


一ヶ月後。


「あ、昨日のコインがなんかポッケに入ってたから返すわ。これ記念硬貨だろ?ちゃんとしまっときなよ。」



私的にはもうちょっと訓練期間を置いてから、奴との相対を想定したのだが、奴は嫌がらせのように毎日私たちの前に現れた。
そして私を念動力でぼこり、ゴトーのコインをオーラが尽きるかコインがなくなるまで避け続け、私を膝枕し私の目が覚めると帰る。
これを毎日、永遠と繰り返してくる。く、屈辱だ!
どうやら時既に遅くアキンの修行パターンに私たちは組み込まれてしまったようだ。
しかも一線を守る責務を受け持った私はアキンの襲撃から逃れる事は出来ない。ゴトーの職務はそれだけでないのでたまにこれない日があが、ゴトーも悔しいのかこれる時は必ず来るようにしている。
そのおかげで私もゴトーも少しずつ強くなってきていて、少しの時間ではあるがゴトーの援護とステッキに強めの周をかけることであのライトセーバーという光刃と切り結ぶ事も出来るようになってきた。
そう、だから明日!明日こそは!





私はアキンを倒し、膝枕してあげるんだ!





…あれ?





後書き

sideゼノを書いてて思ったのは、二度手間感の半端なさ。
俺はsideが多用された小説にそこまでアレルギーはないのですが、違うsideで同じ文章が出てくると読む気がしゅるるるーんとなるので、出来る限り違う感じで書きました…書けてるといいなぁ。
ちなみに主人公がカナリアを膝枕したのは、なんとなくそうしたほうがいいと思ったからです。

疲れ果てたので感想返しは少しお待ちを!
あと誤字、脱字報告待ってます!



[36739] 7話 やれば出来るマインドトリック講座×いざ天空闘技場へ
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2013/02/25 14:38
流石に3ヶ月の間毎日使っているとライトセーバーのオーラが切れるので、一週間ほどオーラを溜める事に集中する事にした俺は一度じっちゃんに会いに寺に戻る事にした。
じっちゃんにお土産のゾルディック饅頭を渡しつつ現状を説明するとなにやら安心した様子。なんでも怪しげな執事服の連中が寺の周りでうろちょろして俺の事を尋ねて周っていたらしい。
なんというか調査の時ぐらいスーツ脱げよゾルディック家執事よ!
そして俺の素性はすでにバレバレだったのか。わざわざフードを被ったままゼノさんとの戦いに挑み「声という情報を与えたくないのでとりあえず黙っておくキリ」とか言ってた俺が恥ずかしいわ!


その後ゆっくりと寺での滞在を終えゾルディック家に帰ってきた俺は久々に敷地の一線の門に遊びに(修行に)行く事にした。
するとカナリアちゃんは珍しく一人で待ち構えながら相変わらず嫌そうな顔で見つめてきた…が俺のフォースは彼女からどこかか拗ねたような俺との再会を喜んでいるような感情を感じ取った。
あれ?ひょっとしてこいつチョロインじゃね?と思いなんとなくフォースを集中させ、ひらりと掌をかざしながら

「俺はそこを通ってもいい。」

と言うと

「あなたはここを通ってもいい。」

カナリアちゃんはそう復唱して、俺に道を譲るかのように一歩脇にどいた。「かのように」と言うか完全に道を譲ってるけどな!
ち、ちょろい。ちょろ過ぎるよカナリアちゃん!これでいいのかゾルディック家!




【マインド・トリック】
・操作系能力
相手に自分の考えを植えつける事が出来る。

相手が強固な意志を持っていると通用しない。
つまりちょろい奴や対象にとって重要でない事でないと操作できない。
また操作系能力者には効きにくい。




さて、道を譲ってもらったのはいいが、俺にはゼノさんの言いつけを破ってまで、この一線を越える理由が無いので


「カナリアちゃんはもの凄い勢いでぐるぐるステッキを100回したくなる」
「私はもの凄い勢いでぐるぐるステッキを100回したくなる」


そして俺はぶっ倒れた彼女を膝枕で介抱してあげたのだ。至福!
あ、ゲロるのはやめて!






ゼノさんの【龍頭戯画】のドラゴンランスをライトセイバーで防ぎつつ次の一手を考える。
だが思考のプロセスが混じるだけで反応が遅れてしまう。考えるな、感じるんだ。フォースの直観力に全てを乗せ、思考を消していく。
これは昔やった座禅でライトセーバーの形だけをイメージする作業に似ているな。
ライトセーバーで防いでいたドラゴンが光刃に噛み付き火花のような干渉現象と共にライトセーバーを捻じり取ろうとするが、ライトセーバーのスイッチを切る事でそれをすかす。それにより一瞬ドラゴンの挙動が止まるので、その隙にゼノさんに詰め寄ろうとしたところ、ドラゴンの胴体部分がうねり弧を描きながらこちらに向かってきた。俺のオーラに対する脆弱性は会って2回目の戦いの際に看破されてしまっている。
胴体をライトセーバーで防ごうとすると、後ろからドラゴンの顔がこちらに向かってくるのを察知、作戦を変更し防ぐのでなくしゃがむことで回避する。
これにより胴体が壁となってドラゴンの顔の進行を妨げる。さらに前に進みゼノさんに攻撃を仕掛けようとするが、ゼノさんは【龍頭戯画】を解除し手にオーラを集中、念弾でなくあえて収束しない形でオーラを放射してくる。これはライトセーバーで防げないので、後ろにとって下がる…というのが今までのパターンだったが、2年も同じことをやってれば対策ぐらい思いつく。
半身になり左手に凝でフォースを集めオーラを振り払い多少のダメージを覚悟しながらライトセーバーを振り下ろす、
がその時にはすでにゼノさんの左手には信じがたい量のオーラが集まりなんなくライトセーバーを受け止めていた。
まぁ何度も素手で受け止められてるのでそこまで驚かないがやはり攻撃が当たらないなぁ。

結論。ゼノさんの流の速さが半端なさす。

俺は流を鍛える意味が皆無なので後回しにしているが、とっさに攻撃を体で受けざるを得なくなった場合流があると命拾いするかもしれない。
こんな具合に

「ぐふっ」
「ふむ、ここまでじゃな」

俺は吐血してしまった。
俺は振り払ったとは言え、ゼノさんのオーラの放射をモロでうけたので結構きついダメージを負ってしまっていたのだ。
一応凝でオーラが直撃する部分にフォースを集めておいたので重症とまではいかない。

「相変わらずおぬしのオーラに対する惰弱性はひど過ぎる。わしの牽制でそれだけ食らっとるようじゃいつか命取りになるじゃろう」
「俺も色々考えてはいるんですけどね」

一応ヨーダよろしく相手のオーラを掌握したり、受け流したりしようとしているのだが、そもそもオーラに対する干渉力の低さが問題なので
どうしようもないのだ。
防御の際だけフォースをオーラに戻す、という試みも行っているのだが全く上手くいかない。
ライトセーバーは純粋なオーラで構成されているので出来ない事もないはずなのだが、出来るイメージも全く沸かないため今のところ断念している。

「とは言えわしを相手にまともに戦えるのなら余程の相手で無い限り死ぬ事もないじゃろ。とりあえず合格じゃな」
「ありがとうございました!」


今日はゼノさんによる卒業(?)試験(?)の日だ。
家事による念動力の操作性向上、試しの門による念動力と筋力の増強、
ゴトーさんのコイン弾幕とカナリアとの戦闘による目に頼らない戦闘の完熟訓練、たまにやってくるゼノさんという格上との色々アドバイスを受けながら組み手をしながら
そんなこんなで2年も滞在する事になってしまった。
流石にそろそろ飽きてきたし念動力で5の門64tまで、纏の状態の素手でも余裕で7の門256tまで開けられる様になったので、そろそろいいかなぁと思ったのだ。
腕試しを兼ねてハンター試験を受けようと思うのだが、金が無く路銭も装備も整えられないのでとりあえず本格的にバイトでもしようかと思い悩んでいたところゼノさんに天空闘技場を教えてもらう。
そういえば近くにそんなのあったなと俺は天空闘技場に行く事にしたのだが、ゼノさんがそれなら最後にわしと本気で戦えと、要求(脅迫)された訳だ。
結果は引き分け。ほとんど負けたようなものだが、それはゼノさんからの餞別がわりなんだろう。
ゼノさんは暗殺者だ。人を殺し金を貰う薄汚い家業。
だがゼノさんのオーラからは欲望や殺意で濁ったオーラを感じる事が無く、逆にそのオーラは常に落ち着いていて俺はどうしても嫌いになる事が出来なかった。
暗殺者なんて絶対にダークサイドのはずなのになんでなんだろうな?

そんなこんなでゾルディック家を発つ日がやってきた。
寂しそうなカナリアちゃん、いまだに俺に対して敵意むんむんのゴトーさん、そして2年間寝食を共にしたゼブロさん、シークアントさんに別れを告げ、最後にゼノさんから名刺を貰い試しの門を開ける。
俺は背後で試しの門が重厚な音を立て閉まるのを感じながらゾルディック家を後にした。





さて妙な形の飛行船にのりやってきました天空闘技場!ぶっちゃけ雰囲気はラスベガスみたいだ(行った事無かったけど)
歓楽街の中、空高くつき上がった塔の前にむさ苦しい男共がずらずらと長蛇の列を成している。
金を稼ぎたいもの、フロアマスターを目指すもの、己の武がどこまで通用するのか試しに来たもの、そんな欲望、夢、戦意がフォースにより
ひしひしと伝わってくる。
そんな君達にお兄さんから一つ質問。『体を洗う』という概念がこの世には存在してるんだけど知ってるかな?
寺の修行僧達だって夜には必ず風呂に入ってたのに、これだからヨーロピアン系のやつらは!
しかもここの男達はせめて香水で体臭を隠すというエチケットすら行っていない。
俺のフォースは嗅覚も強化するんだよ!鼻の部分だけ器用に絶をする事は可能だが、五感全てで奴らの汚さが分かるので気分が悪い。
俺はそんな悪臭の列に並ぶのがだるくなり、ついつい掌をかざしずる込みしてしまったのだが、だれをそれが責められようか!
なんだよ4時間待ちって、地獄か。


一階は参加者のレベルの判断の意味合いが大きいため、1つのフロアに16のリング、試合時間も3分と流れ作業のように試合が進んでいく。
受付を済ませ、番号札を貰い待つ事30分。俺の天空闘技場初戦の時がやってた。
相手はその巨躯につめこめるだけ筋肉を搭載したようなダルマ男。身長は2mを軽く超えるだろう。俺よりも40cm近くでかい。
会場は満場一致で俺の負けを予想しているようで、俺に対する暴言がひどい。それに対して普段ならプンスカしてしまうお茶目な俺だが、
それよりも奴の悪臭がひどすぎて全く気にならない。見るからに風呂に入っていなそうな垢まみれの体にもじゃもじゃで食べかす、よだれだらけの髭、そして蝋でコーティングしたようにテカついている髪の毛。

うん…さっさと片付けるに限るな。そう思い開始の合図とともに会場の誰もが感知不能な速度で相手の背に回りこんだその瞬間、

「実も出ただろ!」というほど凄まじい音でなされた屁を身長差によりでダイレクトに顔面で受けた俺は余りの臭さに失神してしまった。


「勝者!バクテリアン!」






後書き

天空闘技場の一階で負けたオリ主は多分世界初。

プロットに無かった念能力を習得してしまいました汗
なんかカナリアちゃんには使えそうだったし!
まぁシリアスな場面での使い道が無いので良いのですが…


普通の念能力者は「こういう念能力にしよう」と思って作ろうとしても「こんなの出来るわけが無い」という疑念が入ると作れなかったりすると思うのですが、アキンの場合…



[36739] 8話 天空闘技場×パダワン
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2013/03/07 23:31
屈辱の敗戦から19日後、俺はようやく200階に到達していた。
今まで俺は負けた相手には今度は勝つ!という精神で望んできたのだが、バクテリアンとはもう二度と戦いたくない。
心が完全に折れてしまった。俺の若干天狗だった鼻も折れた。
どうやらまだ50階あたりでくすぶっている(奴が燻るとか字面が悪夢のようだ)ようなので、彼が200階にまで上がってこない事をただただ祈る事にしよう。
二度と会いたくないのは勿論だがもし奴が200階に来て念能力を開発したらきっとこんなのになるはず。

【意思持つ臭気】
・操作系能力
自身が放つ臭気や汚物を凝縮しオーラを核にそれらを人形として操作する
その人形が何をするかは考えたくもない


【拡散する悪意】
・放出系能力
当たった対象から自身と同じだけの臭気が発生する念弾を作ることができる
当たっても悪夢、外れても悪夢。リングという限られた空間においては無敵に近い。


他の系統については夢に出てきそうなので割愛する。
最近は悪の芽は早めに摘んでおくかとゼノさんの名刺を見つめている自分に気付く事が多くなってきた。

閑話休題。
何はともあれ毎日一勝ずつこつこつ進め200階に到達した。今までは念を使えない雑魚ばかりだったが…雑魚ばっかりだったんだが!
この階では念能力の習得が前提となっているようで、一応選手はみんな纏を纏っている。
が、ほんとんどの奴らは200階に来て始めて念能力を習得したような奴ばかり、つまり200階到達と同時に手痛い歓迎を受け、念の開眼と共に体に致命的な損傷を受けたり、そもそも念を開眼しても大抵は四大行練と纏と発だけしか出来ず。六性図にいたっては存在も知らないような残念な集団のようだ。
どおりで糞みたいな纏なわけだ。今まで出会った念能力者って何気にみんなエリート集団だったからなぁ。こういうのは始めてみた。
だからこの有様も当たり前だな。まぁ変化系能力者の癖に操作系の技を2個も持ってる俺が言って良い事じゃないんだけどな!
そんなへなちょこ念能力者達は俺が隠でオーラを隠しているのに気付かないのか、先を争って俺との対戦を望んできた。
どうやら談合のような制度も生まれているらしく突然じゃんけん大会を始め、そして勝ったサダソという隻腕の男と勝負する事になった。

リングにあがり試合が始まるが彼の念【レフトハンド】(俺命名)はもし腕を切り落す事を制約に念能力の強化を狙ったのなら恐ろしい左手になっていたと思われるが、そんなわけも無く纏状態の俺が喰らっても無傷ですみそうだ。食らってあげる義理も無いので後頭部に華麗にチョップを決めてKO。
すでにファイトマネーだけで3億、今回のサダソ戦で俺のオッズが割と高かったので自分にオールインでさらに7億、合計10億十分すぎるほど稼いだ、あまり強い奴も居ないしもうここには用は無いかなぁと思い、去る事に決めたのだがキモイ奴に出会ってしまった。

「ククク、君はなかなか美味しそうだね❤」
「そういうあなたはかなり気持ち悪いですね」

このキモピエロの事は流石に俺も覚えていた、キャラが立ってるし割とメインの登場人物だったな。
そのオーラは気持ち悪いの一言。自己愛に発する歪んだ他者に対する感情が伝わってくる、とは言えそこまで強そうではないな。
もちろん俺よりはオーラの総量が多いし経験も豊富っぽいけど、その自信過剰さからくる油断、慢心を付けば俺でも初戦なら楽に勝てると思う。
慢心なしでも五分ってところだろう。あとはこいつの念能力次第だけどどんな能力だったかな?
こんな事なら主要キャラの念能力ぐらい書き留めて置けばよかった。
それにしてもこの獲物を前に舌なめずりをしたようなオーラは、ちょっとむかつくかも。俺の事を完全に弱いと思ってやがるなこのピエロ。
普段からライトセーバーにオーラを注いでいる所為で、オーラが乱れているように、またMOPもAOPも少ないように見えるのかゼノさん曰く俺をオーラから判断すると実力がかなり下に見えるそうだ。
今なら勝てると思うし、まだ人殺しする勇気の無い俺でもこういう殺人鬼の四肢を撥ねる事に罪悪感を覚える事はない。
あれ?それで良くないか?こいつをぶちのめした後ブラックリストハンターに通報すれば終わりな気がする。他のハンターとは違って
ブラックリストハンターの連絡先はネットに載ってるしね。よし…

「つれないなぁ♠今度ボクとヤろうよ❤君はなかなか美味しそうだ❤」
「え?いいんですか?俺ここに修行で来てて、強い人と戦いたいなぁ、と思ってたんです!でもここに居る奴らみんな雑魚ばっかで…」
「お、いける口だね♠場所、日時はいつにするかい?❤」
「じゃあ明後日でいいですか?」
「オーケイ♦楽しみにしてるよ❤」







『アキン選手VSヒソカ選手!! 注目の試合が始まろうとしています!ご存知ヒソカ選手は4勝0敗、その勝ちは全て相手の死を意味するまさに死神です!
対する常にフードを目深く被った怪しげなアキン選手は1勝0敗、ですが200階に到達するまで一階での一敗を除き19日19試合連続勝利を決めており、その全試合時間の合計はなんと19秒、1試合平均時間1秒という前人未到の記録を打ち立てました。なお彼の戦績に傷をつけたのは、例のバクテリアン選手ということで…』

あーあー聞こえなーい。バクテリアンに負けた後は慢心を一切捨てかなりマジで戦ってきたのでこんな事になってしまった。
大観衆の中俺とヒソカはリングに入場し、アナウンサーの紹介を聞いている。
ヒソカは嬉しくてたまらないのか、ニヤニヤ笑いと共にズボンの上から分かる程度に半勃ちしていてとにかく気持ち悪い。
野次もかなりひどいな。この会場のほとんどが俺の残虐な死に大金を賭けているようだ。
俺はギャンブルは嫌いなので、自分に3億だけ賭けておいた。倍率5倍だしこれで十分だろう。
ちなみにサダソ戦の時は自分の勝ちを客観的に確信していたので全財産オールインしてもそれは賭けではないのだ。
これが金持ちが金を持っている理由だと思う。



10分後会場のボルテージが最高潮に達した時、時間が来て審判が舞台の俺たちに宣言した。

「ポイント制&KO制、時間無制限!!始め!」

試合開始と共に俺はヒソカに向かって一気に突撃するが奴は俺の初撃を足を動かさずに受けようとしているらしい、そのオーラからは避けよう、防ごう、反撃しようという積極的な意図が全く感じられない。ヒソカは品定めする事しか考えていないらしい。
アホやな…。
まぁゆるゆるの俺はヒソカを殺す気が全く無いので当然俺のフォースには殺気が全く篭ってないからそのせいもあるのだろうけどね。
とは言え勝負の最中油断しているような奴を見逃すほど俺は甘ちゃんではない。
直前で急加速を行いライトセーバーの間合いに入った瞬間ライトセーバーの隠を解くと同時に起動、ブォンという爽快な音と共に一閃した。

「右足戴きます。」
「ぐぅ…?」
「クリーンヒット&ダウン!」


奴の右足を焼ききってやった。苦し紛れかそこら中にオーラを飛ばしてくるがそれもバレバレな上に激痛のせいか非常に稚拙な攻撃だ。
あっさりと避けてみせる。


『おーっと!!、先制攻撃を決めたのはアキン選手!私には何があったのか全く見えませんでした!気付いたらヒソカ選手の脚が切断されているというまさに速攻!』


普通の人間はここで「油断したなキリ」とか言って相手の回復を待つのかもしれないが、俺はさらに畳み掛ける。
予想通り異常なメンタル力により既にクラウチングスタートの様なかっこうでなんとか体制を整え終わったヒソカの後ろに回りさらに左足を切断しようとする、がヒソカは離れた場所まで伸ばしたオーラに引っ張られてゆき外してしまった。なるほどさっきオーラを適当に飛ばしたと思ったのは、機動力の確保のためだったのか。あの土壇場ですごいな、割と本気モードになってきたようだ。
それからも攻撃をしかけなんとか意をつかもうとするが、オーラが収縮しているらしくなかなか攻撃を当てる事が出来ない。
そんな事を繰り返しつつそのまま戦いは持久戦の様相を呈してきたが、持久戦ならこちらに分がある。どうやらオーラによって止血をしているようだが、完全に止める事は出来ていないし、いくら変態でも足を切断されるのは精神的にかなりきているはずだ…きっと。
それに気付いたのかヒソカは天井ににオーラを飛ばしそれを収縮させものすごい勢いで上昇、スパイダーマンよろしく天井に張り付いてしまった。
それにしてもアホみたいに高い天井だなぁ、よくオーラが届いたもんだ。

「逃げるなんてあなたらしくなさそうですけど」
「くっくっく、流石に左足まであげたらボクが負けちゃうからね❤」

そういうとヒソカは天井でニヤニヤ笑いながら作戦タイムに入ったようだ。あそこまでジャンプして攻撃してもまたスパイダーマン避けをやられるか、カウンターを食らうだけだな。
公衆の面前で念動力まで披露するのは避けたいし、ヒソカは休憩タイムのようなので、攻撃に時間をかけても問題ない…とも思ったが、出し惜しみは慢心の始まりである。ここでヒソカを確保しておかないと後々の悔恨になりかねないし、俺の念動力って解ってても対処法があるタイプの能力でもないのでもう一気に攻撃に出る事にした。
ライトセーバーを腰に戻し、俺はリングの中央に立ち精神を集中させ、両手を徐々に上げていく

『なんとぉオオオオ、アキン選手の周りでリングの石版が30枚近く浮き上がっています!さらに回転し始めたぞおおおお!。』

これだけ多くの物体をそれぞれ別の操作をする事はできないが、同じように操作する事は出来る。浮いている石版に回転をかけどんどん回転数を上げていく。遠くになればなるほど操作精度がにぶるので近い位置にある時の準備が重要なのだ。
そして回転数が十分になったので石版をヒソカに向けてはなつ。
ちょっとパルパティーン的な絵面になるがいたしかたない。俺の唯一の遠距離攻撃技だからなこれが。

『大量の石版がヒソカ選手に殺到します!これは避けれないヒソカ選手!』

石版は堅で防げば致命傷にはならないが、全方位から来るので凝によって功防力をあげる事は出来ない、よって衝撃を全て殺す事は無理。
念動力でヒソカに石版を飛ばし始めた直後、ライトセーバーを抜き俺もヒソカに向かってジャンプする。そして石版が砕けた事で生まれた粉塵を目隠しに、石版のダメージを隠し切れないヒソカの左足をとどめとして切り飛ばし--これによってさすがの変態ヒソカも苦しむかと思ったが、なぜか大喜びしている--まだ余裕そうなので、俺の全フォースを込めた念動力で地面へ叩き落してやった。
さて俺も降りるか、と思った瞬間ヒソカの左足が俺の顔面に向かって飛んできた。文字通りの意味で。
く、今度は俺の油断か!すでにヒソカの意は途切れ失神してたから全く警戒していなかった!
無意識で俺にオーラを貼るとは伊達に戦闘狂じゃないみたいだ。
とっさに腕でガードするが、それなりのオーラが篭っており右腕に凄まじい激痛が走る。激痛により着地を誤りかけるが念動力により体制を調整し
なんとか上手く着地した。
俺の右腕が折れてしまったが、ヒソカはすでに両足を失い失神している。

「KO!勝者アキン選手!」


ここで審判によるKOのコールと共に俺の勝ちとなった。
基本的にいい感じで試合を進められたのに、詰めを誤まったなぁ。
まぁこの腕もこの感じならただ綺麗に折れているだけっぽいので大丈夫だろう。開放骨折や粉砕骨折じゃなくて良かった!


『結局何がなんだかわかりませんでした。ヒソカ選手両足、意識を絶たれ完全に戦闘不能!前評判を覆し「バクテリアンのうんこ」こと
アキン・アースウォーカー選手の勝利です!』

俺が余りにも速くバクテリアンの後ろに回り込んだせいで、屁と共に俺が気絶した時観客のほとんどが俺がバクテリアンのお尻から突然現れたように見えたらしい。その後俺の強さとバクテリアンがあれな感じなのでこんな2つ名になってしまった。

まぁ何はともあれ…ゼノさんの名刺はどこだあああああ。ぐすん、ごめんじいちゃん。俺穢れちゃった。

俺が頭を抱えていると舞台の上に5人の男達が現れる。どうやら俺が連絡しておいたブラックリストハンターブシドラ=アンビシャスとその
仲間のようだ。
ヒソカと約束をした2日の間にブラックリストハンターのブシドラさんと連絡を取ったところ、ヒソカの名前は知られていたなかったが、顔と通り名「ピエロの殺人鬼」として30億Jの賞金がかけられている事が判明した。別に賞金はいらないので厳重に捕まえといて欲しいと言うと
すぐに来てくれた。俺が勝っても負けてもヒソカ確保に動くそうだが、
というか最初は子供にあんな危険人物と戦わせるわけにはいかないと俺を止めて来たぐらいだ。
でもこの人がヒソカと戦ったら死んじゃうだろうなぁ。
ブシドラさんからは濁った欲望はあまり感じずまともなブラックリストハンターなのが分かるので死んで欲しくないと今回俺らしくもなく本気の本気を出し足を切り飛ばして勝つことにしたのだ。
ブシドラさんの仲間がオリのようなものを具現化しヒソカは連行されていった。足は牢獄にて完全に拘束できたら治療してあげるそうだ。
最後にブシドラさんは俺にプライベート用の番号を手渡しながら

「よくやったアキン。しかしお前かなりの凄腕だな!ブラックリストハンターとして役立てるべきだ!」

と熱く語り始めて若干うざかった、まぁ俺もジェダイを目指す身としてそんな道も悪くないかとも思ったし、元々ハンター試験を受けるつもりだったので、試験を受ける時には必ず連絡する事を約束した。
なんでもナビゲーターを紹介してくれるらしい。ありがたい!
仲間に急かされるように会場を後にするブシドラさんを見送り俺はリングを後にした。
しかし今回の件で俺の念能力についての情報はかなり漏れてしまうだろうなぁ。
とは言え一番重要なオーラに対する脆弱性は多分露見していないはず、いやもしかしたら最後のヒソカの最後っ屁を受けた俺をみて気付いた奴がいるかもしれないな。
これが強い人が天空闘技場にいない一番の理由なんだろう。
天空闘技場に全てをかけるならまだしもここで洩れた情報が何時か命取りになるなるかもしれないリスクとフロアマスターの名誉だったら俺はリスクを回避したいと思う。そもそもフロアマスターになりたいとも思わないしね。

そんな考えもあり、さらに路銭も十分稼いたし、インタビューとか色々めんどくさくなってきた俺は天空闘技場を去ろうかと思っていたのだが、あまりにも新人達が可哀想だったので200階に上がりたての奴らの精孔を開けてあげたり、洗礼によって中途半端に精孔の開いた奴の矯正とか色々していたら50人近い人間が集まってきてしまった。
だがどいつもこいつも醜い欲望でオーラが濁っており、こいつらに六性図と水見式を教えてもろくな事にならないと直感的に分かるので、あくまで纏と練と堅だけ教えておいた。まぁ基礎だけなら問題あるまい。
だが半年ぐらい教えてもなかなか上手にならないのこの子達。
座禅を教えても集中力すぐ切れるし、基礎トレをしろという俺の言葉をシカトして遊んでたりして真面目にやる気も見えない。
まぁ俺だって結構長い間真面目に修行して今に至るしこんなので簡単に上達する訳ないわな。
そんなこんなで俺の教える気が急低下していたある日のこと。
最近では受付の人も新人が来るととりあえず俺のところに案内するという風潮が出来てしまい、これにより俺がはさらに天空闘技場から離れられずらくなってしまっているのだが、ある時カストロという新人が俺の部屋にやってきた。

「始めまして、カストロと申します。ここに来ないと200階での試合の準備が終わらないと受付の人に言われてきたのですが」
「準備が終わらないというか、その状態で試合に臨むとひどい目にあうという事ですよ」

カストロのオーラは垂れ流しの状態ではあるが、とても穏やかで凛としたオーラを感じた。
すでに俺とヒソカの試合を見ていたらしく、俺に対してどこか尊敬のまなざしを向けてくるし、俺の念に関する説明も素直に聞いてくれる。
なんかこのピュアな視線は俺の心のどこかをくすぐるな。だが次の一言はもっとすごかった。
俺が念についての説明を終えとりあえず座禅を組んでみてと言うと

「わかりました師匠(マスター)」
「!?」

つ、ついに俺がマスターと呼ばれる日が来るとは!
この一言により俺のやる気は天空闘技場を越えクルルーマウンテンよりも高くなった。
将来有望そうなこの青年を育てるのはジェダイ・マスターとしての義務かもしれないな!

「カストロよ、俺の修行は長く退屈で険しい、それでも最後までついてこれれば、一端のジェダイとなれるだろう…。俺のパダワンになる気はあるか?」
「イエス、マイマスター。」


最初は無理やり起こそうと考えていた俺だったが、普段からしているらしい堂に入った座禅を組むカストロを見て、これなら無理やり起こさなくても付きっ切りで教えれば、準備期間の90日以内には精孔を自力で開く事が出来るだろうと思い、今まで教えてきた、50人ぐらいいる弟子(?)を一堂に集め彼らにに向かって掌をかざし

「俺が今まで教えたように、真面目に修行していなさい」

と、指示(マインド・トリック)を与え、カストロの修行に専念する事となった。

精孔が開くまでは座禅と基礎トレーニングを繰り返す毎日を過ごす。
カストロと組み手を行ったが彼の虎を模した象形拳である虎咬拳はかなりすばらしく、非念能力者の世界ではおそらくトップクラスに入るだろう。
そもそも下手な念能力者なら倒せるかもしれない。
と言うかフォースの強化が無かったら絶対に勝てないしなんか師匠としてはずいわ。
座禅は俺のライトセーバー式座禅法を採用する事にした。

「パダワンよ。お前には何か好きなものがあるか?形のあるものがいいのだが」
「そうですね。やはり虎が好きです」
「よしならば座禅の時は常に虎の形のみを思い浮かべる事を心がけよ」
「分かりましたマスター」

カストロが使うのは象形拳だし、上手くシナジーしてる感じがあっていいな。
23日目でカストロは精孔を開け、あっさりと纏をこなしてみせた。練、絶の習得にはさらに15日ほどかかった。
比較的早く終わったのは、練と絶が武道家の訓練の延長線上にあるから勝手知ったると言った具合だ。
水見式で彼の系統が強化系であることもわかり、六性図と発の最大習得率の事も伝えた。
俺の考えでは強化系で虎咬拳の威力の増強を、変化系でオーラに切断力を、放出系で虎咬拳で届かない遠距離への念弾をが有効だと思うが、自分の念能力は自分で考えないと全く意味が無い。
彼が系統別の修行や堅の持続時間の延長などオーラに関する修行をこなしている間、俺はそれにアドバイスを出しながら、今後パダワン教えるためにあまり使わない流の練習をしたり教える事をメインとして自身の修行を行っていた。

だが俺はライトセーバー式座禅法の欠点を忘れていた。

一年後
パダワンに呼ばれ、彼の部屋にやってきた俺はとんでもないものを見た。
巨躯に太い前足、ふわふわの体毛につぶらな瞳、唸り声を上げる喉。

「マ、マスター!見てください!ついに完成しました。」
『グルルルルル』


パダワンが虎を具現化しやがった!




後書き
ヒソヒソが一話しか登場しないハンターハンター二次小説を書く世界初の小説を目指します。
世界最強クラスのネテロですらゴンの予想外の跳躍力にびびってたので
調子に乗って油断してるヒソカなんてこんなもんだろ、と思いヒソカ逮捕!
両足無いので脱獄は多分無理ですが、その辺はヒソカの頑張りと牢獄の重厚さ次第!どうなるか作者も知りません!
なんにせよこれにより主人公の原作における自由度がかなり上がり、正直作者的にホクホクですわ^^
とは言え今回の話は賛否両論がありそうですね…。感想待ってます。
あと皆さんに質問なのですが、幻影旅団編を書くに当たって映画を見てきたほうがいいですかね?
新事実発覚とか、旅団の見方が変わるとかだったら見に行かないといけないのですが。
カストロの修行編が適当すぎるので改訂するかもです。


おまけ


Side マチ

ふん、ヒソカの奴あっさりやられちまったね。
あいつ助けてやる義理もないし、なによりあのアキンとかいう奴がやばい。あの光の剣と私の糸の相性は最悪といってもいいだろう。
それに奴とは関わらないほうがいいと私の良く当たるカンも告げている。
とりあえず団長に報告かな…。



[36739] 9話 カストロの能力!×マラソン×まさかのアレ
Name: メソ…◆b8a34349 ID:a2d0dc53
Date: 2013/10/08 18:41
とりあえずカストロをライトセーバーの柄でぶん殴った俺を責める奴はいないと思う。
これは体罰じゃない!ただの怒りの暴力だ!
まぁ作ってしまったものは仕方が無い

「パダワンよ、強化系能力者の癖に虎を具現化したのはまぁいいだろう、ではその虎にどんな能力を付加するつもりなのだ?」
「??虎と一緒に戦えばいいのではないですか?」
「!?」

このお馬鹿ちゃんなパダワンは、自分で戦いながら虎を操作しての連携を考えていたようだが…、お前は強化系だろうがああああ!
具現化してしまったものはしかたないが、それをさらに操作とかお馬鹿!
だがどんなに俺が言ってもアーアーキコエナーイ状態で俺の案は全部却下された。
ち、念能力はフィーリングが大事だ、自分の考えで作れとは言ったがここまで頑固で馬鹿だったとは…。
…念獣憑依とか虎を装備するとか絶対かっこいいのになぁ。
だが彼がここまで言っているのに俺が無理やり強いても仕方が無いし、よくよく考えるとここで合体だの装備だのさらに具現化系の能力を
作ったら本末転倒な気もするな。
オート型の能力にする事と必ず制限や条件を設けて能力の強化を目指す事を約束させてもう念能力に関しては放って置く事にした。

1週間後

眼をキラキラさせてカストロが能力を完成させたので、試してみたいと言ってきたので組み手を行う事とした。
ハンデとして俺はライトセーバー未使用で行く。

俺とカストロが向き合い試合を開始した瞬間、俺の後ろにオーラの集合を感じ振り向くと、トラ(カストロによってトラと名づけられた念獣)
がかわいらしく伏せの状態で具現化されていた。
だがそのまま見つめてもいつまでたっても動く気配は無い、さらに俺が後ろを向いている隙にカストロが接近を仕掛けてきたので
カストロの方を向くが、その瞬間俺は後ろから接近してくるトラの気配を感じた。カストロの攻撃を避けながら後ろをチラ見すると
トラは立ち上がり先ほどよりこちらに近づいてきているがまた微動だにしない。
俺が視線をはずしたその隙にカストロが攻撃してきたためまたカストロの方を向くが、するとまたトラが接近をはじめついに攻撃範囲に入り、
右前足を振りあげる気配を感じた。
俺がカストロの攻撃をいなしながら後ろを向くと右前足を振り上げて攻撃する寸前で硬直したトラがいた。
思わず蹴り飛ばすとトラは吹き飛んだが、その後トラは恐ろしい咆哮と共に体を巨大化させこちらに襲い掛かってくる。
元々その体高は俺の胸ぐらいまであったのが、今では俺の身長を軽く超えている…おいおい。
最初は回避だけ続けてカストロのオーラ切れまで待つつもりだったが、巨大化したトラは速くまたかなりのオーラをまとっていたので
うかつに素手で攻撃する事も出来ず、さらに前からはカストロも攻めてくるのでつい二人共テレキネスで吹き飛ばしてしまった。
二人とも同じ方向に吹き飛ばされたカストロとトラが起き上がり攻撃を仕掛けてくるが、俺に近づく途中でトラの強化が解除され、
俺の見ている中硬直して動かなくなってしまった。それを見たカストロは自分とトラの間に俺が来るように回り込みながら攻撃を仕掛けてくる。
それにより俺は当然カストロの方を見るのだが、その瞬間またしてもトラは動き始める。
なるほど、だいたい読めてきた。いやーなかなかいい能力だな。




【後門の虎は転ばない】
・具現化系・放出系・強化系能力
能力発動と共に対象の10M後ろに虎を具現化する。
この虎は対象の視界に入っていない時だけ行動する。相手の視界に入ると停止し、相手の視界から外れるとまた動き出す。
停止状態の虎に相手が接触、攻撃した場合、虎から20M以上逃亡した場合虎は激情し強化された状態で30秒間制限無く相手を攻撃する。



虎が獲物を襲う場合必ず相手の背後から襲うという習性と子供の遊びであるだるまさんが転んだを混ぜたなかなか理にかなった能力である。
もし相手に「見ていれば動かないという」特性がバレてもその分カストロに対する注意が散漫になるのでカストロの攻撃がとおりやすくなるし、「見ていないと攻撃される」という情報は心理的にかなり重い。
ならばと停止状態の虎に向かって攻撃を仕掛けて来た場合、虎から逃げていく場合それは、「達磨さんが転んだ」というゲームにおいては言語道断の反則であるため相手にペナルティが与えられる。
つまり虎を倒すには視界に入っていない、動いている状態の時に攻撃するしかないのだ。
さらにトラは激情すると強化とともにダメージの治癒も行うらしく結構しんどい。
まだ修行不足でコンビネーションやトラの強度そのものが甘いのでライトセーバーなら一撃で(やっては無いが)倒せるし、後ろか来るトラをテレキネスで吹き飛ばしている隙にカストロと戦えばいいが、修行を積めばかなりいやらしい能力になるだろう。
弱点はあからさまに集団戦だな、というよりもサシ専用の能力というのが正しいかな。

さてカストロもなかなかいい感じに乗ってきているし、それにそろそろ俺のメモにある1999年のハンター試験が始まる。
別に今となってはとる必要はあまり無いのだが、特典がかなり豪華で持っているとかなり便利な事も分かり受ける事にした。
立ち入り禁止区域に入れるのはなかなか楽しそうだ。
カストロに一緒に受けるかと尋ねるとトラとの連携に時間をかけたいとの事だったので、とりあえず200階で【後門の虎は転ばない】との連携を重視して2勝しておく事を課題として言い渡し、俺はハンター試験へと出発する事にした。


ブシドラさんに電話してハンター試験の会場と合言葉を教えてもらった俺は飛行船とタクシーでらくらくと定食屋さんに到着、おっちゃんに合言葉を言うと店員の女の子が奥のエレベータに案内してくれた。その中で合言葉通りの定食を食べているのだが…

「弱火でじっくり焼いた肉がこんなに硬くておいしくないとは…。」

硬い肉、既に抜け出てしまった肉汁…確かにこれを頼むような奴は居ないな!でなければ合言葉にならないんだろうね。
そんなこんなで薄暗い地下に到着した俺は、豆を擬人化したようなクオリティの高い念獣から44番のプレートを受け取り、開始時間を待つ事にした。
俺がおとなしく隅っこで座っているとなにやら悪意に満ちたおっさんが俺のほうに近づいてきた。
そのトンパという男は10歳のころから35年連続で試験を受けている腐れニートらしく色々と必要も無い情報を俺に教えてくれた。
そうしているうちに俺にジュースをくれた。
俺が10歳のころに書いたメモを確認すると「新人潰しのトンパ、下剤入りジュース」だそうだ。
俺に毒物を盛ろうとは、なんて悪辣な男だろうか!このメモが無かったらちょうど喉も渇いていたしこのジュースを飲んでいたかも
知れないじゃないか!…まぁ悪意を察知してたから流石に飲まないかな。
なんにせよちょっとイラついた俺は割と強めにトンパ後頭部を強打し俺の横に座らせて置いた。
だが少し早くつきすぎてしまったなぁ。俺の番号は44番でメモによると400人近くこの試験に参加するらしい、あのエレベーターは
往復約10分程度かかるから最大で後3560分、つまり2日以上待たないといけない。
もちろんまとめて乗ってくる事もあるだろうから多めに4分の1して約15時間待つ計算だ。流石にきびしいなぁ。
第一次試験はマラソンらしいし先に走っていってもいいんだけど、流石にそれは失格になるだろ。
最近瞑想に長い時間取れなかったし、いい機会だから座禅組んで待つとしますか。そう思い俺は座禅を組んで瞑想状態に入った。


「ちょっと、お兄さん試験始まっちゃうよ!」
「おいゴン、そんな怪しいやつ起すな、ほっとけばライバルがへるだろうが!」

体が揺すられるのを察知して意識を浮き上がらせ眼を開く、腹の減り加減からして十数時間は経ってるな、てかこのツンツン頭の少年は?
うわもうみんな走り出してる!やばす!なるほど起してくれたのか、優しい子だ!

「ありがとう、少年。助かったよ!ちょっと深い瞑想状態に入っててね、始まったのに気付かなかったんだ。」
「ううん、いんだ、オレはゴン!お兄さんは?」
「っ!?…俺の名前はアキンって言うんだ、よろしくな。」
「アキンだね。よろしく!それで隣の人はアキンの友達なの?」

ゴンは優しい事にトンパにまで気を使っているらしい。

「ああそうなんだけどね、なんだか体の調子が悪いらしくて今回の試験はパスするって言ってたからこいつの事は気にしなくていいよ。」
「ゴンもう試験は始まっているのだよ」
「分かったクラピカ!」

そう言って走り出したゴンについて行く。
そうか思い出したぞ、この子が主人公のゴンか、なんか純真な子だなぁ。オーラも透き通っているイメージを受ける。
きっとこの後ゴン君にはつらくて厳しい道が待っているのだろう。だが果たしてそこに俺の出る幕はあるのかな?
まぁ何はともあれ1次試験が始まったのだが、このむさくて臭い集団の中で走るのは嫌過ぎる。
それを避けるには二つ方法がある、最初に突っ切るか、最後尾に居て最後に突っ切るかだ。だが最後に突っ切るのはタイミングがリスキーだし、何より長時間走り続けるのだから汚い話ヘンゼルとグレーテルよろしく汚物が落ちている可能性がある。
汗とか唾とか痰とか吐瀉物とか糞とか、NO MORE BACUTERIAN!!つまり俺に取れる選択肢はただ一つ。

「ゴン君、起してもらって悪いけど俺は先に行ってるね、縁が合ったらまた会おう」
「え?アキン?」

フォースを若干脚に集中させて、かなり本気で走り始めた。壁を。さすがにこのスピードで受験生達の真ん中を通っていったら死人が出る
からね。テレキネスを足場のようにして利用すれば空中走りも出来るのだが、そこまで悪目立ちするのもあれだし。
先頭まで一気にたどり着くと、一番前に試験官臭い念能力者がいたので、ちょっとおしゃべりする事にした。
少し聞きたい事もあったしね。
この人も足に凝でオーラを集めているようで、競歩なのになんか気持ちのスピードで前進している。
受験生の心を折るためなんだろうか?


「ども!」
「おや先ほど座禅を組んでいた人ですか。あの目覚ましに気付かないとはとはかなり深くまで瞑想していたのですね。」

どうも試験官には見られていたらしい。なんか恥ずかしいな。だけど12時間も普通に待っているのは辛かったんだよ!
まぁ気付かなかったのは事実なのでそれを華麗にスルーしてとりあえず聞きたい事をオーラで字を書く事で聞いてみる。

『この試験って念能力について何か制限とかあるんですか?』
『いいえ、基本的に自由ですが、あまりに説明不能な発は避けていただけると幸いです。とは言え命の危機が訪れた時使わない人
は皆無でしょうからこれはあくまでお願いに過ぎません』
『了解です』

なるほどそこまで禁止しているわけでは無いのか、なら念能力者はこの試験でかなり有利といっていいだろう。でも念能力者なら受かると言う
試験は若干問題があるような気もするが。
念能力者の俺に若干興味を持ってくれたのかサトツさんと呼んで良いと言う試験官の人とおしゃべりしながら俺も真似して競歩をしながら階段を駆け上って(?)いると後ろからゴンと銀髪の少年がやってきた。

「あ、アキンだ!」
「おお、ゴンじゃないか前に来れたんだね、良かった良かった」
「アキンがものすごい勢いで走って行っちゃったからびっくりしたよ!」
「ゴン、この怪しいやつと知り合いなのかよ?」
「うん、ほらさっきキルアも言ってたじゃん、すごく脚の速い人がいたって」
「へぇさっきのはアンタか、アンタなかなかやるじゃん」
「ありがとうキルア君。」

なんか生意気なお子ちゃまも一緒に来たらしいが俺もいい加減大人だ、よくよく計算するとすでに精神年齢は40歳を超えてるしね。
それにしても脚運びからして尋常なお子ちゃまでは無いのが良く分かる。
キルア、キルアか、そういえばキルアって原作で主役の一人でゾルディック家の子供だったな、この脚さばきで思い出したわ。こんなに近くにいるのに足音が聞こえないとは恐るべきお子ちゃまである。
そんな怖いもの知らずなゾルディック家の御曹司は試験官であるサトツさんの目の前で試験がちょろくてつまらないと舐めた事を言い始め、俺は大人としてハラハラしたり、ゴンが親父に憧れてハンターを目指していると言う子供らしい純粋な目的にほんわかしたりしいていると、今度はゴンが俺にハンターになりたい理由を聞いてきた。

「アキンはなんでハンターになりたいの?」
「うーん、入れる場所が増えるって言うのもあるけど、俺は一応ブラックリストハンター志望だからかな。」
「クラピカと一緒なんだね!」
「世の中には悪い奴がいっぱい居るからね、ブラックリストハンターを目指す人も多いんだよ」
「ふーん、アンタにそんな事出来るのかな?」
「キルアもあんまりお痛をしてると捕まえちゃうゾ☆ノ」
「っ!?へぇアンタがオレをね。」


ふふふ、びびってるびびってる。どうもこのキルア君はゾルディック家の御曹司ながら念能力者ではないようで、俺が冗談で若干錬でフォースを増やしながら言うとかなりびびった、まぁゴンも少し戸惑っていたけど。
こんな稚気も込めていないオーラに反応できるとはなかなかの感受性だな。その後も好きなお菓子の話とかで盛り上がっているとようやく出口に着いた。

どうもここからは詐欺師の塒と言う場所を通過するらしく、その名に恥じぬ詐欺師じみた生物ばかりが生息しているそうだ。
サトツさんが詐欺師に注意と言う意味があるのか微妙な注意を促していると男が現れた。
なんでも男曰くサトツさんは実は人面猿が化けた偽者で自分こそ実の試験官だと言う。
サトツさんは纏を纏っており明らかに念能力者なのに対してその男は垂れ流し状態、そしてそのオーラからは俺たちを騙してやろうという悪意しか感じない。そもそも試験会場を選んだハンターがそこの生き物にやられるなんてありえないだろう。つまりこいつも人面猿だな、手に持った死体も普通に生きてるし。
あからさまに嘘をついている猿が色々主張する事を真に受けた奴らがサトツさんに疑惑の目を向け始め、場が混沌としてきたのがめんどくさくなった俺は軽くフォース・グリップでぎゃーぎゃー主張している猿と死んだ振りしてる猿の喉を締め上げてやるとびっくりして逃げていった。
ほとんどの受験生達はその猿が実は生きていた事にびっくりしていきなり猿が首を押さえて苦しみだすという現象を流してくれたが、一部の受験生は気付いていて不思議がっていたし、サトツさんは当然しっかり俺がやったことだと気付いており、ちょっと怖い顔をして

『先ほども言いましたが…』

と、ちょっと怖い顔をしながら念文字で注意してきた。もう一人針が体中に突き刺さった気持ち悪い男も気付いているようだ。
この人も念能力者なのか…、だが逆に受かればかなりの特典があるハンター試験に2人しか念能力者がいないとは意外と少ないなと俺は思った。

その後は脚を取られる沼を先ほどの現象を不思議がるゴンとキルアとしゃべりながら試験管について走っていたのだけど、俺は先ほどから嫌な気配を感じていた。
ゴンとキルアは気付いていないようだ。

「ゴン、キルアもっと前に出よう」
「うん、試験官を見失うと大変だからね」
「そんな事よりあの男から離れた方がいい。」
「?」
「何でだよ?別に強そうな男じゃないぜ。」
「あいつがうんこをしたくてウズウズしてるからさ」
「!」
「!?」
「霧に乗じてかなりやるぞ」

ゴンとキルアがうぇって顔をして件の男の方を見ている。

「なんでそんな事わかるのって顔をしてるな、何故なら俺も同類だから匂いで分かるのさ」
「同類…?あの人と?そんな風には見えないよ」
「それは俺が我慢してるからだよ、そのうち分かるさ」
「こいつアホだな。」

心なしかサトツさんもスピードをあげ後ろの受験生達はひぃひぃ言いながらついてきている。
まぁ冗談はさておきそんな感じで順調に進んでいたマラソンなんだが後ろで割とでかいオーラを感じた。
詐欺師の塒の生き物は悪意に満ちてはいるが、それらのオーラからは獰猛というより狡猾なイメージを受ける。
だが後方に現れたデカイオーラからは獰猛で傲慢なオーラを感じる。おそらく生態系のトップに君臨する小細工不要の生き物のものだろう。
後ろから聞こえる悲鳴の数々にキルアがなにやらゴンに意地悪な事を言っているとキルアの予想通りかレオリオの叫び声が聞こえてきた。
レオリオの叫び声が聞こえた瞬間、キルアが止めるのも聞かずゴンは声の聞こえた方へ走り出してしまった。
原作なんて知った事ではないが、ここはキルアが追いかけてゴンとの友情を深めるフラグなのかと思いキルアの方を見るが、キルアはなにやら
拗ねたような、怒っているようなオーラを発しながらイライラ、もじもじしていた。なんとなくそのオーラに異物が混じっているような
違和感を覚えた俺だったがとりあえずキルアに突っ込んでみた。

「そんなに気になるならゴンの後を追えばいいんじゃない?」
「けっ、そういうアンタが行けばいいだろ?」
「うん―――そのつもりだよ。」



@@@@@@@@@


その化け物の胴体は甲羅で覆われ、6本の足が生えており、それぞれに強力な鉤爪が有る。
特に前の二つの爪を振り下ろすように攻撃しており、その長い脚に目を付け、その死角から潜り抜けようとした奴も見えているかのように
刻まれている。多分あの脚の感覚毛がかなり発達しているのだろう。
さらにその口はするどい歯で覆われていて、切り刻まれた受験生達は半分生きた状態で食われていく。
ハンター試験受験生はもう私とレオリオ、そして76番しか生き残っていない。
死んだ受験生を咀嚼し終わったこの化け物は最後に残った我々3人の恐怖の表情を楽しんでいるかのようにこちらをニヤニヤ笑いながら
こちらを見ている。それはネコが鼠をいたぶる様に似ている。
そのすばやさからして背を向けた瞬間に殺されているのは明白だ。そして何よりその化け物からくるおぞましいまでのプレッシャーは
我々の対抗心を刈り取ってゆく。
我々の諦念を見て取ったのかついにその鋭い爪を振りかざして襲い掛かってきた。
必死に避けるも、その敏捷性、力強さによりあっと言う間に間合いを詰められ必殺の爪がこちらに振りおろされる。
もはやここまでか、最後に思うのは、憎しみと悲しみ。同胞を皆殺しにした幻影旅団と亡き同胞の空虚な眼だけだった。

だが、私に爪が当たる瞬間何かが化け物の顔に命中した。糸に繋がったブイは紛れも無く釣竿のそれだ。
ゴンだ、ゴンが助けに来てくれたようだ。
その攻撃はその化け物のプライドを傷つけたようで、私達を無視してゴンに向かって突き進んで攻撃を仕掛けていく。
それをゴンはとても12歳の少年とは思えない動きで攻撃を避けているが、攻撃が余りにも早く、ゴンが何度か隙を見て行った攻撃もその化け物には全く通用していないようだ。攻撃手段が無い以上ジリ貧である。それでもゴンは十分近くその化け物の攻撃を避け続けていた。
その隙に76番の男は逃げていったが、私とレオリオは助けに来てくれたゴンを見捨てる事も、その凄まじい攻防を助ける事もできず、ただこの極限状態の中その天性のバネが生み出す動きに見惚れて居る事しか出来なかった。だがついにゴンの回避にも破綻がやってきた。
ゴンは前後左右に避ける事適わず、化け物の長い脚を潜ろうとしていたがその鋭い勘で足元の危険性を察知したのか、一瞬動きを止めてしまったのだ。
私とレオリオが我に返り、助けに行こうとするが間に合わない。
化け物はその一瞬の硬直を見逃さず喜び勇んでおぞましい爪を振り下ろし、そのするどい爪がゴンに当たろうとした瞬間、

その化け物は何の脈絡もなく吹き飛んでいった。


@@@@@@@@@


うぁーアクレイだよ。なんでこいつもいるんだろう?ここに来る途中にネクスーも居て時間を食ってしまったし。
やはりこの世界はスターウォーズの世界なんだろうか?俺はまだ希望を持っていていいのだろうか?
ネクスーもそうだったがこのアクレイも恐ろしい事に念能力獣でさらに『纏』を通り越して『堅』状態なので、テレキネスでは吹き飛ばす事しか出来なかった。
こんな生物が居るところを試験会場にするとはハンター協会もかなりタチが悪いな、いや今までみてきた生態系からしてこいつは流れ者だな。
吹き飛ばされたアクレイは何が起こったのかまだわかっていないようだが、野生の獣として俺の危険性を察知したのか、こちらに襲い掛かってきた。
こいつ相手に素手は危険すぎるな…仕方が無い。
アクレイが甲高い警戒音を発しながらこちらの様子を伺っているが、いかにオーラを纏おうと所詮は理性無き獣の技である。
俺は一瞬で接近するとライトセーバーを抜き、振り下ろされた爪を避けつつ、一刀でもってアクレイの首を刎ねた。
ライトセーバーの光刃を解除、腰に戻し後ろのゴンたちの様子を見てみた。
ゴンは緊張が解けたのか尻餅をついて荒い息を吐いている、その周りには試験開始の時に見た2人の仲間が集まっている。
俺がネクスーと戦っていた10分の間に彼らを庇って戦っていたのだろう、よく無事だったものだ。

「よく頑張ったねゴン」
「―――――アキン…すごいや!」

ゴンは恐怖と喜びの混じった感情のままそう叫んだ。
プライドも何も無くどこまでも真っ直ぐなゴンについ笑みを溢しながら俺は

「ジェダイ・マスターならこのぐらいは容易いのだよ。」

とすまして言っておいた。


※※※※※※※※※


「ねぇーアキンさっきあの怪獣を吹き飛ばしたのってどうやってやったの?」
「あれはね、大人になれば誰にでも出来るようになる事なんだよ。」
「へぇそうなんだ!凄いね!」
「嘘付け!」
「いやゴン、あからさまにはぐらかされているぞ。」

その後少しの休憩時間をはさんで走り出した俺達だったが、サトツさんは既に俺の知覚範囲を超えた所にいるのか、その気配を感じ取る事は出来無かった。
しかしゴンによるとサトツさんは紳士らしくコロンを纏っていたので、その匂いを辿る事が可能らしい、君はホントに念能力者じゃないの?俺のお株が取られてしまったよ。
俺の嗅覚も強化されているが、嗅ぎ分けるという訓練は行っていなかったので、俺では追跡する事はできない。
そんな感じでゴンの後をついて走っていたのだが、当然の様に先ほどの現象についてゴンはこちらの様子を探る事無く馬鹿正直に、クラピカとレオリオはやんのやんの言ってくる。
しかし今の状態で念能力について伝えても余り意味が無いので

「うーん。じゃあハンター試験に合格したら教えてあげるよ」

と言ってお茶を濁しておいた。

ようやくサトツさんに追いつくと、キルアが喜びの感情を爆発させながらゴンの元にやって来た。
それを見てほっこりした俺がニヤニヤしていたのをみてキルアが蹴りを入れてきたが、それはあからさまな照れ隠しだったので、その行為は俺のニヤニヤを増やすだけだった。



第二次試験は料理の試験らしく凄まじい巨漢の男が出した第一課題は、豚の丸焼きだった。
死んだ豚の体表からダニが逃げ出していくのが気持ち悪かったがそれ以外に思うところはない。
第二課題はメンチという綺麗で活発そうな女の人が出したスシで、当然俺は知っていたのだが俺と同郷の忍者らしき男がスシのつくり方を暴露した事でメンチが暴走を始めてしまった。
そのままメンチの欲望のまま試験は進行していって結局合格者0。今は全く悪びれもせず合格者0と宣言したメンチを受験生達が囲んでいるシーンだ。
俺も流石に理不尽すぎるメンチの態度にイライラしていたのだが、俺のカンペによるとこのまま放っておいて問題が無いらしい。
そんな中ブチ切れた受験生255番がメンチにおそいかかるがブラハさんの凄まじい張り手(without オーラ)で場外ホームランされていった。
顔は悪人面だが正直同情する、これは完全に試験官側の不備だろう。
そもそも敷居もない広い会場で作っているのに作り方がバレたも糞もないと思う。
ブラハさんの張り手にビビリながらも納得できない受験生達となぜかドヤ顔を決めて美食ハンターの強さを自慢しているメンチのにらみ合いが続いていたのだが、上空から声が聞こえてきてメンチの顔色が変わった。
その声の主であるネテロ会長と言う老人が上空から降りてきた、あきらかに念能力者だが、そのオーラからはなんの感情も伝わってこない―――どころか、オーラを探ろうとした俺に何故か気付いたらしいネテロ会長は一瞬ニヤりとしてこちらを見て来たのを俺は確かに見た。
うわー流石はハンター協会会長、その肩書きは伊達ではないようだ。

その後急にしおらしくなったメンチにネテロ会長が追試を提案し、メンチはそれを受け追試の課題はゆで卵となった。
飛行船に揺られついた崖の下には独自の進化を遂げ崖の間に張られた糸に卵をぶら下げる事で卵を守ると言う独特の生態を持つクモワシの巣があった。
なぜかクラピカは蜘蛛鷲という名前を聞いて一瞬オーラを乱していたが、その卵を取って来るのが課題だと知ってゴンたちが大喜びしながら飛び降りていくのに続いて飛び降りていった。
そんな中俺は悩んでいた。
わざわざ降りなくてもテレキネスで取るのが一番楽でいいのだが、やはりここは伝統芸のアレを使うべきだ。
それにあまり大勢の前で自分の念能力を披露するのもアレだしね。
俺は糸に向かって飛び降りあえて卵から若干遠いところにぶら下がった。

俺はフォースを集中させテレキネスで卵を引きちぎりながら一気に崖の上に飛び上がり着地、

「ブラ=サガリ!」

と叫んだ。分からない人は分からないままで結構だ!


その後ゆで卵を食べて驚く255番とそれを見てドヤ顔をするメンチの間で感動のシーンがあったのだが、なんかさっきかなり本気で殺そうとした相手に良い事言ってるのとか俺としてはちょっとなんだかなーと思うのだが、お互いに納得しているのならば俺が口を挟むだけ野暮なんだろう。


第二次試験 後半 メンチのメニュー 42名合格!


後書き

カストロの念能力はこんなのになりました。
合体とか憑依とかはかなり作者の心をくすぐったのですが複雑すぎて強化系のカストロとは相性がひどいので知恵を絞ってそれっぽい
能力を作りました。「なんでカストロがだるまさんが転んだ知ってんだよJK」という意見は受け付けません!
ただ他にオート型で面白いのがあったら感想でよろしく!こっそり入れ替えます。
てか感想でのカストロの念の力への期待がでかすぎて、こんなしょぼい能力で許されるのか不安です!

あと今回原作の台詞を流用したくだらない場面があるのですが、これはいわゆる原作丸パクリとという事になるのでしょうか?
駄目なら速攻で消します。

さらに一気に書き上げたのでちょっと誤字脱字が多いかもです汗


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