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[1327] LIGHTNING DANCER
Name: 鯖缶
Date: 2005/12/21 01:48
これは、ある少年の物語

人非ざるモノと共闘し、人非ざるモノを屠る

雷光の様に戦場を駆け、稲妻の様に戦場を舞う

共に駆けるは二本の剣、共に舞うは紫電の刃

共に駆けるは妖かしの娘、共に舞うは影繰りし姫

邪を破り、魔を討つために、少年は舞い続ける

数え切れない屍を積み、屍の数だけ血の華を咲かせながら

終わりなき舞を舞い続ける

これは、そんな少年の物語



[1327] ACT:01『破邪討魔の舞い手』
Name: 鯖缶
Date: 2005/12/21 01:58
駆ける、駆ける駆ける駆ける駆ける駆ける駆ける駆ける駆ける駆ける駆ける。
唯ひたすらに夜の闇の中を駆ける。
駆けるモノは人に非ず。
其れは人型の異形。
人非ざるモノ。
人外の怪性。
人にとっては恐怖の具現。
妖魔。
其れが今、恐怖に駆られて、転がるように駆けている。
妖魔は震える。
先の光景を思い出し。
仲間達が、成すすべもなく皆殺しにされた光景を。
紫電を纏い、双剣を手に、舞うように剣を振るう殺戮者を。

ずしゃぁ
足が縺れ、無様に転がる。
すぐに立ち上がろうとするが、
「よぉ。ずいぶん遠くまで逃げたものだな」



LIGHTNING DANCER



ACT:01『破邪討魔の舞い手』



声に反応し、前を見る。
其処には、17程度の、朱いコートに身を包んだ黒髪の少年がいた。
両手には、紫電を纏う古代剣。
女性と見紛う程の端正な顔を皮肉げに歪め、金色の瞳は妖魔を見据えている。
立ち上がることも忘れ、妖魔の体が震える。
追いつかれたのだ、あの殺戮者に。
紫電を纏いし、双剣の舞い手に。
自分に、死を齎すものに。
「さて…………祈る神がいるなら祈っておけ。届くかどうかは知らんがな」
皮肉げな顔そのままに、一片の慈悲もなく、剣を妖魔に振り落ろした。








「ふふ、妖魔30体を一人で屠るとは……相変わらず良い腕をしているな」
最後の一体を殺した直後に声をかけられる。
少年は、声のした方へ振り向く。
小柄な美しい少女が、薄く微笑みながら立っていた。
風に靡く、絹糸の如き金の髪。
妖しく光る翡翠の瞳。
夜の闇の中でも其れらは輝きを失わず、幻想的な美しさをもっている。


「ただ飯食らいがなんのようだ?」
少年がにやり、と笑いながら言った言葉に、
「なっ!!誰がただ飯食らいか!?」
少女は顔を朱に染め、頬を膨らませて抗議する。
この瞬間、少女の美しさは可愛らしさに変わっていた。
「ほ~う。今回お前が働いたとこを見ていないのだがな」
にやりとした笑顔を崩さぬまま言う。
「はんっ!あんな雑魚、私が相手をするまでもない」
少女は鼻をならしながら言い放つ。
「………日本には良い諺があるのだが知っているか?」
その問いに、少女は頭に???を浮かべる。
「働かざる者、食うべからずってな」
少年の口が意地悪く吊り上る。
「うぐ……………………私が悪かった」
「ふっ、やはり食べ物の力は偉大だな」
少年の勝ち誇った顔を、少女は恨みがましく睨んだ。
「さて、任務は完了、小うるさい上司殿がお待ちだ、さっさと戻ろうか」
少女の返答を待たずに歩き出す。
少女はその背中を見つめ、思い出す。
先刻の、美しい舞を。










少女は見ていた……見惚れていた。
少年の舞に。
紫電の光りに照らされて、血潮の華を背景に舞う少年の姿に。
あるモノは紫電の稲妻に討たれ、あるモノは舞う様に振るわれる剣に切り裂かれる。
それはまさに、殺戮の舞。
だが、それは同時に、見るものを魅了する美しき舞。
剣を振るう度に咲く血の華。
同時に生まれる魂無き骸。
それすらも、美しく感じさせる魔性の舞。
実のところ、じっくり鑑賞したいがために、少女はさぼりを決め込んだのだった。










「お~い。妄想に耽ってないでさっさと来い」
その声に……美しき舞い手の声で我に返る。
さっきと同じ、意地悪な顔で笑っている。
「妄想になど耽ってない!!」
綺麗な顔で、ああいう顔をされると余計に腹立たしいのか、少女は噛み付く様に言う。
「はは、今夜は少し気合を入れて美味しいものを作るから、機嫌を直してもらえないかな?我が姫君よ」
少年はおどけた感じで言う。
「……………お前、私をなんだと……まぁ、いいか。では宜しく頼むぞ、【破邪討魔の舞い手】殿」
最初は憮然としていたが、少女も笑顔で、おどけた感じで返した。
















あとがき
主人公とヒロインの名前がでていません。
二人の名前、その他の設定は次回で明らかになる予定です。
二次創作は何度か書いたことがあるのですが、オリジナルは初めてです。
よって、いたらないところが多々あると思います。
更新は………かなり遅めですが完結はさせるつもりなのでがんばります。
以上、鯖缶でした。


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