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[14425] となりんちのナギくん
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2010/01/22 17:15
「まったくおまえらはなにをやっておるんじゃ!!」

「ごめんなさい」
「へっ!!」

俺の名前はダニエル、ダンと呼んでくれ。
目の前にいる校長の様子が物語るとおりにただいま絶賛説教中だ。
原因は俺の隣にいるナギ・スプリングフィールド。
馬鹿みたいな魔力を持っているくせに、ろくに勉強もしないから呪文もろくに覚えていないというふざけたやつ。
そして学校嫌いの不良生徒だ。
いつもいつも先生たちにイタズラばかりしている困ったやつで、お隣さんで昔からいつも一緒に遊んでいた俺を必ず巻き込むという超迷惑なやつである。

今日は先生の机の引き出しいっぱいにカエルをいれた。
そして驚いた先生に奇襲をかけてぼこぼこにした。
ちなみに、俺は昨日イタズラ用のカエルを捕まえるためにナギに一日中引っ張りまわされた。

まあ、そういうわけでなぜか俺もいつも一緒に怒られる。

「ナギ、お前は立派なマギステル・マギになれる素質を持っているというのに」
「俺はそんなもんなりたくねえ」

じゃあなにしに魔法学校来てるんだよ。
まあ、魔法使いの子供はなにか事情が無い限りとりあえず魔法学校に通わされるというのが通例だからなのだろう。
俺もマギステル・マギになりたいわけでもないのに通わされてるし。

「ダン、お前は普段は真面目なのになぜこんなことをするのじゃ」

勝手に巻き込まれるんです。
馬鹿魔力で身体強化してるこいつに引っ張られたら抵抗できません。

「大体あのやろうが気に食わなかったんだ。
なにが『呪文一つろくに覚えてない屑』だ!!」

「まあまあ、ナギも落ち着いて」

「お前は悔しくないのか!
あのやろうお前のことに『なにをやらせてもそつなくこなすが、何一つ秀でたもののないつまらんやつだ。所詮は凡人』とか言いやがったんだぞ!!」

「まあ、事実だしね。それは俺が一番良くわかってるよ」

この程度でキレるとは本当に困ったやつ・・・・困ったやつなんだけど・・基本は善人だ。
今回のことも自分のことは軽く流してた。
でも、先生が張り合い甲斐の無いナギから標的をいつも一緒にいる俺へと代えて暴言を吐いたから怒ったわけだ。

結局仲間思いなんだよなぁ。
まあ、こんなやつだから巻き込まれても嫌いになれずにいるんだろう。

「確かにあの先生にも悪い点があったのも事実じゃが、お前らも悪い。
お前らはいつもイタズラばかりしておったが、今回はまずい。
先生は顔面骨折しておったしの。おそらく停学処分になるじゃろう。」

普通は退学になってもおかしくないんだけどな。
どうやら魔法学校はナギを手放したくは無いみたいだ。
まあ、こんな才能のあるやつを手放すなんてもったいないんだろう。

「じゃが、次は無いぞ。次やったら退学じゃ」

「は「はっ、こんな学校こっちから願い下げだ。今すぐ退学してやるぜ!」い?」

なに言ってんだこいつ。

「なっ!ナギ、何をいっておるんじゃ」
「おい、ダン。行こうぜ、こんな学校通う意味なんてねえよ」

俺の手を引いてドアに向かうナギ。
あれ?これって俺もこいつと一緒に退学することになってるの?

「おい!ナギ!」

俺は退学するつもりなんかねえって
せっかく停学ですむんだからさ。

「わかってるって。俺が言わなくても一緒にやめてくれるつもりだったんだろ?
お前はいつもそうだったもんな。みんなから不良扱いされてる俺についてきてくれたのはいつもお前だった」

お前がいつも無理矢理引っ張ってったんだろ、事実を脚色するな。

そしてドアを開けて、ナギとナギに引っ張られてる俺は部屋を出た。

「じゃあなじいさん」

ナギは部屋に一言だけ置き去りにした。
「まつんじゃナギ!!」とか部屋から聞こえた。
俺の名前は無い。
どうやら別に俺はいらない子らしい。
まあ、所詮はナギのおまけ、いや、おまけにすらなれない抱き合わせ商品みたいなものだし俺もそれは理解してる・・・けど悲しい。









結局俺は近くの丘まで連れて来られてようやく解放された。
ナギがつかんでた腕に痣が残ってる。
この馬鹿力め。

そして、当の本人は丘からどこか遠くを見てる。

「さて、これからどうすっかな」

とりあえず校長に謝りに行かない?
そうすれば問題ないって。

「家に帰るのはダメだな。どうせ怒られた後に校長のところに謝りに行かされるだけだ」

「もうそれでいいじゃん。それがベストだって。
な、そうしよう?校長も今なら許してくれるって」

「・・・・・・・・そうだな、旅に出るか」

そうそうそれでいい・・・旅?!

「世界を自由に見て回るのもおもしろそうだ。よし、旅に出るか!」

「ナギ!!」

なに言ってんだよこいつ。
俺ら魔法学校を卒業すらしてないガキが二人で旅とか無理だろ。
魔法犯罪者とかに出会ったら確実に殺される。

魔力ならお前のほうがそこらの魔法犯罪者なんかより圧倒的に上だろうけど、お前アンチョコみないと魔法使えないだろ。
戦闘中にアンチョコ見てるやつなんか居たら一瞬で殺されるわ。

「わかってるって。お前もついてきてくれるんだろ?
本当にお前には迷惑ばっかりかけるな」

苦笑なんか浮かべなくていいから。
俺は絶対ごめんだから。

「さあ、行こうぜ。なに、俺とお前、二人でならなんだってできるさ」

無理、無理だから!!
まず俺ら金すら無いから明日のご飯も食べれないし。
だから腕引っ張るな。

「これからもよろしくな、相棒」







ふと書いてしまった。
しかし、ナギの過去の話とか仲間との出会いはよくわからないので続きが書ける自信が無い。
紅き翼のメンバーでも未だに名前と姿くらいしか出てない詳しいことのよく分からない人とかいるし。



[14425] とりあえず無理矢理だけど続けてみた。
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/02 22:30
最悪の目覚めだった。
ナギと旅に出ることになってしまった数年前の夢を見た。

結局あれからナギと旅をすることになっていろんなところに行って事件に巻き込まれ、たくさんの人に出会い事件に巻き込まれた。

そして現在は、なんだか戦争に巻き込まれてる。

俺の人生終わったな。

旅を続けるうちにナギ絡みでぽんぽんと仲間が増えて、仲間にも引っ張られて連れて行かれていろんなことに巻き込まれてるうちに、紅き翼のメンバーとして俺も世間に公認されてしまった。

いや、俺は化け物みたいな強さの仲間がある程度増えた時点で「足手まといになるから、ここでお別れだ」みたいなこと言って颯爽とナギ達と別れようとしたんだぞ?
そしたら、ナギのやつがまたいつもの調子でさ。
みんなもなんだかんだで俺のこと抜けさせてくれなったし。
むしろ、「俺たちが鍛えてやるから大丈夫」とか言ってきたし。


まあ、そこで強引にでも抜けなかったのが俺の最大の失敗だな。
今となっては紅き翼の一人として見られるようになったせいで、ナギ達と別れると紅き翼に恨みを持つやつら(めちゃくちゃいる)に狙われる。
これでナギからは逃げられなくなった。


あ、そうそう。
旅立ちと言ったら、結局俺たち出発から2日後に森の中で魔法犯罪者に出会ったんだよ。
しかも賞金が3万ドルくらいついてる大物。
それも咸卦法を使うようなやつに、まあ当時はそんな技術知らなかったから魔力による身体強化だと思ってたんだけど。

そいつと出会ったときは死ぬと思った。
3万ドルとかかなりの大物だぞ。
しかも賞金首になった理由は大量殺人だったらしい。
殺しが三度の飯より好きとか言う変態だった・・・・変態だったが強かった。

出会いがしらのそいつのパンチ一発でナギが吹っ飛ばされた。

吹き飛ばされたナギが木を数本へし折ってようやく止まったのを見て、さすがのナギでも死んだと思った。

しかし当のナギは「鼻血がでたじゃねえか!!」とか言いながら平然と起き上がった。
そしてナギは「しかしすげえパンチだな。ただの身体強化じゃないのか・・・確かこんな風にしてたな」とか言いながらあっさりと咸卦法を使った。
あれには賞金首も唖然としてた。

もちろん、そこからはスーパーナギタイムでずっとナギのターンだった。
俺?俺は木陰でぷるぷるしてたよ(笑)


まあ、こんな感じでナギと一緒にいれば危険なことに巻き込まれる頻度が異常なくらい高くなるんだけど、結局はナギが超人パワーでなんとかしてしまうので死ぬことは無かった。

でも、やっぱり死にそうな怪我をしたりすることはあるので(主に俺というか9割以上俺が)ナギは疫病神だ。

そんな俺の姿を見て、タカミチとかガトウさんとかは時々同情のこもった視線をくれる。

いつになったらナギから解放されるんだろう・・・。


「ダンーーーー!!」

おい、ドアは蹴破るものじゃないといつも言ってるだろ。

「で、今日はどんな厄介ごとだ?」

「ついにできたんだって!!」

「は?」

「お前の始動キーだって!!」

いや、俺の始動キーは『マキコマレ』だろ。
あっ、ちなみに始動キーは結構大切なものだ。
個人個人相性のいい言語体系や語幹なんかがあったりしてそれによって魔法自体の威力や精密さも変わってくる。
そして、長く作れば作るほどにその効果は増す。
まあその分、速射性が落ちるんだけどな。

え?どれでも変わらないなんてわけないだろ。
どれでも変わらないなら誰だって「あ」とか「い」とかみたいに可能な限り短くするだろ。

「少しでもお前のレベルアップの助けになろうと思って、ずっと前からアルと考えてたんだ」

アルとナギのコラボとか、どう考えてもいいこと無さそう・・・・

「いや、気持ちは嬉しいがえんr「わかってるって。変えたりするといざってときに前のやつと間違えるかもしれないってんだろ?そこも考えてるぜ!!」」

「いや、だから話を聴けと」

「アルに始動キー絶対固定化の魔法を作ってもらったんだ!
詠唱しようとすると勝手に固定した始動キーを言ってしまうらしいから間違える心配は無い!解除はできないけど、問題ないだろ」

「いや、問題しかない!!」

俺はナギを止めようと急いでナギに飛び掛った

「うんたらかんたら・・・・・・始動キー絶対固定化!!」

結果、間に合わなかった。
光に包まれた俺はなにかが作り変えられて固まるのを感じるのと同時に、非情に嫌な予感がしていた。

「さあ、さっそく試して見ようぜ!」

だから引っ張るな











外に出た俺たちはさっそく試しうちをしてみることに。

「なあ、ナギ。どんな始動キーなんだ?」

「覚えてないけど、アルが「完璧です。これなら彼との相性も抜群で、なによりお似合いです」とか言ってたから心配するな」

そこはかとない不安を感じながらも手を空に向ける。




「ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッ・ロリッ。光の一矢」


空に向けていつもより力強い一筋の光が伸びていく。

「おお!かなり強くなってるじゃねえか!」


「・・・・・・ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッ・ロリッ。闇の一矢」

「やっぱだいぶ違うなぁ」


「・・・・・・・・・・・ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッ・ロリッ。炎の一矢」

「ははっ、そんなに何度も試したくなるほど気に入ったのか?」



死にたい。

もう人前で詠唱魔法を使えなくなった。


「おいダン。もう部屋にもどるのか?」


とりあえず寝よう。





PS
一身上の都合により魔法がほぼ使えなくなったのでガトウさんに氣の使い方を教えてもらうことにした。



[14425] 料理人
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/03 12:43
今日は目的地に向かう途中でキャンプすることになった。

ちなみにキャンプ3日目。
保存食等無し。

いや、俺たちも持てるだけ保存食とか買ってから出発したぞ?
でもラカンとかナギとかラカンとかラカンが馬鹿みたいに食べるからすぐに無くなる。
タカミチとかは少年探偵団のほうの仕事でお留守番なのでいつもより減りは少ないはずなのに。

こういうときは自然にあるものでなんとかするんだけど、そういうときの食事係は俺か詠春さん。
まあ詠春さんは和食とか言う日本料理しかできないから、材料が揃ったときだけで基本は俺の仕事だ。

初めは当番制にしてたんだけど、ラカンとかナギが野生のイノシシやら熊を狩ってきて血抜きもせず内臓をとりだしもせずに丸焼きにするという激まず料理を作るので廃止になった。

「ダン~腹へった」

「もうちょっと待てって」

本日のメニューは川魚の香草焼きと天然の果物。

川魚は無詠唱で発動できる簡単な魔法の雷の一矢を川に叩き込めば簡単に取れる。
たまに魔物みたいなのが怒って出てきてびびるけど・・。
その魚を鱗を落として内蔵抜いたりして、あとはそのへんに生えてる匂いのいいハーブとか香草で包んで焼くというお手軽料理だ。
魚の臭みも取れてなかなかいける。

「できたぞ~」


最近俺の異名に『赤き翼の専属料理人』とか言うのが増えたらしい。

ちなみに、『赤き翼のダニエル氏監修 自然にあるものできるお手軽激うま料理 キャンプ編』13ドラクマでオスティア出版社から発売予定だから買ってくれよな。





「うま」

みんなで食事中なのだが、なぜかラカンがいない。
いつもなら凄いスピードで食べてるはずなのに。

「いや、本当にダンが居てくれてよかったな」

「詠春を除けば他に料理ができるやつがおらんので助かるの」

「まったくだな」

詠春さんにゼクトさん、それにガトウさんがしみじみと言った。
アルのやつはなんかニコニコしていてよくわからん。

時々、この人たちが俺を紅き翼から抜けさせなかったのは料理係が居なくなるからじゃないかと思うことがある。

一度そのことを聞いて見たのだが


ケース1 詠春の反応

「ははは、そ、そんなことあるわけないだろ」

冷汗だらだらでメガネがすこしずり落ちた

「あ、そうだ。今日は巫女さん通信の発売日だったんだ。すぐ買いに行かないと」

すごいスピードで走り去った


ケース2 ゼクトの反応

言った瞬間に瞬動で消えた

ケース3 ガトウの反応

「馬鹿なこと言ってんじゃねえ」

きっぱりと言ってタバコを吸おうとしてるが、咥えてるのが逆な上に手が震えてライターに火がつかない。

ケース4 アルの反応

「ふふふ」

ニコニコとしてるだけだった


いかん、このことは忘れよう。

「ナギ、そういえばラカンはどこにいるんだ?」

「あいつならメインディッシュを取ってくるとか言ってたぜ」

またクマでも狩ってくるつもりなんだろうか。
あんなにでかいと解体するのもめんどうだからやめろと言ってるのに。








結局ラカンが帰ってきたのは30分後だったのだが、狩ってきたのが竜だったのには驚いた。
軽く家より大きな竜を担いで帰ってきた返り血まみれのラカンは「大物だろ?ボリューム満点だな」と言って調理を俺に任せた。

流石に竜の調理法とか知らなかったので、とりあえず血抜きして内蔵取り出したあとに塩かけて丸焼きにした。

案外上手かったので、『自然にあるものできるお手軽激うま料理 キャンプ編』に超上級編というページを増やして竜の丸焼きを載せておいた。




PS ガトウさんの特訓を受けて一ヶ月ほど経ってようやく自分の中の氣の存在が感知できるようになった。
ガトウさん曰く「タカミチのほうがセンスがある」とのこと。
まだ氣を扱えるまでには至らない。








あとがき

人数増えると書き分けが難しい。

ゼクトとか未だに本編でも謎の人だからほとんど登場させれない、ちょい役くらい。



[14425] 魔眼
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/04 07:29
ようやく今回の目的地についた。

今回の目的地は研究所。
なんか悪の魔法使いたちが極悪非道な人体実験をしているとかで潰しにやってきたのだ。
人体実験に使われているのは攫われて連れて来られた子供たちらしい。

久しぶりに俺も料理以外のことをしないといけなくなった。
戦闘は嫌いなんだけどなぁ。


と、思っていた。
実際俺の出番は全く無かった。


まず、油断しているのか研究所から出てきてタバコを吸う魔法使いを発見。

ガトウさんが「この研究所も禁煙なのか、喫煙者に厳しい世の中になったもんだ」とか言いながら一瞬で魔法使いを気絶させて連れてくる。

アルがイノチノシヘンでそいつをコピー。
ラカンと言いアルと言い、こいつらは素で十分強いくせにアーティファクトも反則レベルだと思う。
ちなみに俺はナギと契約してない。
いや、だってあれって強制召喚みたいな昨日とかついてるんだぜ?
あんなのあったらナギから逃げられない。

そして、魔法使いの記憶をコピーしたアルが研究所に侵入。
捕まっていた子供たちをこっそりと連れ出す。

全員連れ出したところで、ラカンが「スーパーラカンビーム」とか叫んで目からビーム出して研究所を破壊。
あとは、生き残った半死半生の魔法使い達を「ラカン適当にラッシュ」とか言ってボコボコにして終了。

最後は、俺たちにこのことを依頼してきた魔法協会の人達が来たので報告と悪の魔法使いたちの引渡しと、子供たちを預けて終了。


いや、今回も俺の出番なし。
というか、戦闘に俺が直接参加することのほうが少ないんだけどな。
普段は避難する人の誘導とか怪我人の治療に当たっている。
おかげで治療魔法は経験値マックス。

でも、今の俺はその魔法がほとんど使えない。
無詠唱の練習もしているがなかなか上手くいかない。
未だ氣もろくに扱えないので戦闘力はただでさえ弱かった以前よりかなり落ちている。
戦闘なくてよかった。


「ダン~!!」

「ナギ、なんかあったのか?」

「これ飲め!!」

ナギはなんか怪しい緑色の液体の入った小瓶を差し出してきた。

「いやだ」

なんでも、この研究所で研究されていたのは魔眼で、研究所跡から見つけた資料によると小瓶の中の液体を飲めば、右目が際限無く魔力を溜め込めて好きに引き出せるという魔眼になるらしい。なんという卑怯臭い。

それならお前たちが飲んで無双やってろと言ったんだが「俺たちは元々最強だからこんなのいらねえ」ということらしい。

「いいから飲めって!」

「ちょっ!おま、やめろ!腕離せって、そんな悪の魔法使いが作ってた怪しいものいらねえよ」

「これでお前も強くなって一緒に戦えるぜ!!」

「やめろ!」

ぐいっと俺はそれを飲まされた。
超まずかった。
ドブの味と言ってもドブ水を飲んだことは無いが恐らくこんな味なのだろう。

「いってええええええ!」

突如右目に焼け付くような痛みが走った。
蹲る俺を見てナギが「パワーアップの前兆か、お約束だな」とか言ってる。
いつか殺す。


そして、痛みが引いたとき俺の右目は魔眼になったらしい。
らしいと言うのは見た目は変わっていないからだ。
しかし、現実としてなにかが変わったというのを感じる。

こうして俺は魔眼持ちになった。






PS 後でアルとゼクトさんが魔眼を使うなと言ってきた。
なぜかと聞くと、資料をじっくりと読んだところ魔眼は未完成の失敗作だったらしい。
確かに魔力も無尽蔵に溜め込めて好きな量を引き出せるのだが、なんか一度引き出すと右目がぷちゅっと潰れるらしい。
しかも、専門用語ばっかりで理由はよくわからなかったが、この魔眼が潰れると魔法でも再生できないとか。
なにそれ、これ魔眼(笑)だったのか。
ナギが「ドンマイドンマイ、次あるって」とか言ってきた。
現実の厳しさに俺は泣いた。
ガトウさんと詠春さんがすごくかわいそうなものを見るような目で見てきた。
ラカンは大爆笑だった。

こうして俺は魔眼(笑)持ちになった。










あとがき

そういえばゼクトは最後に敵っぽくなってましたね。
俺的にはあれは創造主が取り付いたと解釈してます。

流石にダンはラスボスにはなりませんって。


ちなみにどうでもいいことですが、俺は成長したテオドラがツボりました。



[14425] 修行
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2010/01/10 16:56
「わはははは、今日は特別に俺が修行をつけてやるぜ!」

「やだ」

ラカンとか使えん。
お前みたいなバグキャラから学べることなど無い。

「はは、そう言うなって今日は特別に無料でお前に必殺技を教えてやろう」

お前の必殺技って適当に出してるバグ技だろ?
あんなのできねえよ。
いつも思うんだが適当に右パンチで障壁を割るなって。
相手の努力とか一瞬で砕いてるぞ。

「よく見てろよ。グレートラカンパンチ!」

轟音を上げ暴風を巻き起こしたラカンの右腕は、軽く数百メートル先の木々まで消滅させた。
適当に右パンチとどこが違うんだろう。

「さあやってみろ」

「できるか!」

「ちっ、わがままなやつだな。なら、これはどうだ。滅殺羅漢爆裂脚!!」

今度はラカンの右足から放たれた普通の蹴りが数百メートル先のさっきとは別方向の木々を消滅させた。
俺はそれを遠い目をして見ていた。

あ、そう言えば俺の書いた料理本は大好評らしい。
冒険者とか傭兵が大量に買っていくとか。
あと、いくつかの騎士団とか軍隊でサバイバルの教本になったらしい。
おかげで俺は印税でがっぽりともうけてる。
ちなみにメンバーには内緒だ。
バレたら莫大な額の食費が俺の支払いになってしまうのが目に見えてる。

あと、すでに紅い翼の専属料理人シリーズ第二弾の発売も決定しているので執筆作業に入っている。
俺、戦争が終わったら印税生活するんだ・・・・。


「どうだ。これならできそうだろ」

「無理」

というか、どういう原理であんなパワーが出てるのかわからん。
流石はバグ。
誰かワクチン持ってきて。

「というか、ダン。お前実際どれくらい強いんだ?」

ああ、そういやラカンが近くに居るときに戦ったことは無かったな。

「まあ、例のラカン式強さ表だと200~300くらいだと思う」

「弱っ」

うるせえ。
これでも成長したんだよ。
みんなそんな平凡な魔力でここまでくるとは、とか言ってくれるんだぞ。
ここまでこれたのも、お前らのせいで死線を何度もくぐったからだし。
普通に魔法学校で生徒やってたらいいとこ100とかだろうな。


「お前、このままだと戦争で死ぬんじゃねえか?」

「そう思うなら、ずっと前に抜けさせてくれたらよかったのに」

「お前が強くなれば問題ない」

できないから言ってるんだろ。
まだ氣も上手く扱えないし。
タカミチとか既に居合い拳の練習してるのに、俺は未だに氣での身体強化の練習。

詠春さんに剣の扱い方も習って見たけど、未だに持つ手が左右逆とかたまに言われる。どうやらこっちも才能は皆無らしい。

アルの重力魔法もちんぷんかんぷんだった。

転移魔法も上手く使えない

やばい、強くなる前に戦争終了か人生終了の二択しか無い気がする。

「しかたねえな。お前に死なれちゃ困るから俺がとっておきを教えてやるよ」

それは食事事情的に困るんだよな。
あととっておきはいらん

「よく見てろよ。ラカンエクスプロージョン!!」

ラカンを中心に発生した謎のバグパワーは、半径数十メートルのものを破壊したらしい。

なぜ、らしいなのかって?


「はあっ、はあっ。どうだ、ちゃんと見てたか・・・・ってダンーーーー!!」

俺は吹き飛ばされて気絶していたからだよバカヤロ~。












PS 目が覚めた俺は、なぜかラカンが破壊しまくった木々のことで環境保護団体の人に怒られた。ラカンに言うのは怖いようだ。
そして説教で疲れた俺は、今度は警備隊の人に怒られた。敵襲かと思ったらしい。
真夜中まで怒られて宿に帰るとラカンたちは酒盛りをしていた。
ふて寝した。







あとがき

そういえば俺初めはシリアスものを書くつもりだったんだよな。

ダンが強さ的に途中からついていけなくなると思うという意見ですが、同意です。
どうするべきか・・・。

そして、ダンがナギの子供に転生という意見ですが、面白そうなんですがなんかネギとは違って戦争での実戦経験もあったりするぶん、ナギの血筋のチートと合わさって凄いことになりそう。



[14425] 王女様
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/05 19:20
俺たちは次の戦場を待ちながら、いや俺は全然待ってないけど、しばらく修行と休息で時間をつぶしていた。

そう言えば、ようやく氣を使った身体強化が合格点もらった。
次は瞬動の練習だ。
瞬動マスターすれば逃げるスピードがアップするからやる気が半端じゃない。

そして、ガトウさんとタカミチは調べごとがあるのでパーティーを離れていたのだが、なんか本国首都まで来いと言ってきたので仕方なく首都まで行くことになった。







そして、なんか王女のアリカ様を紹介された。
どうやら紅き翼の助けを求めているようだ。


「まあ、お姫様。俺たちに任しときゃあ問題ないさ、わはははは」

「気安く話しかけるな、下衆が」

ラカンが撃沈された、と思ったがラカンは下衆という単語が分からなかったらしく、アルに「下衆ってなんだ?」とか聞いているのであまりダメージは無いようだ。

俺も自己紹介位しようかと思っていたが、怖いから辞めた。

なんかナギとはけっこう普通に話してる。
どうやら、彼女の相手をするのはナギに任せることになりそうだ。

どうやら、昔会った黄昏の姫巫女とかいう子の姉のような感じなのだが、そのことを聞ける雰囲気では無かった。



その後、完全なる世界とかいう世界を裏で操ってるっぽい連中の話とかしたんだけど、ようするに正体不明の怪しいやつらということしかわかっていない。

そこからは情報収集に行くガトウたちや、休暇を楽しむラカン、お姫様の相手をするナギのようにみんなバラバラに行動することになったので、俺も休暇を楽しもうと思っていたのだが。

なんかナギに巻き込まれた。
「俺一人であんな女相手にできないぜ」とか。



そして、俺はナギと一緒にお姫様のお忍びの観光に付き合っているんだけど、やっていることはほとんど荷物持ち。

「あれはなんじゃ」

「知るか」

「あれは、こ「主には聞いておらん」そうですよね~」

なにこれ、泣いてもいい?

「そもそも主はなぜここにおる」

ナギに連れて来られたんだよちくしょう!!
俺だってラカンみたいに休暇を楽しみたかったのに。

「ダンと俺はいつも一緒なんだ」

俺は嬉しくないけどな。

「こんな弱そうなやつが、か?私でも簡単に倒せそうじゃぞ」

うるせ~な、そのとおりだよこのやろう!
こっちだって無理矢理連れて来られてるんだよ!

「ダンの料理はすげえ上手いんだぞ!」

ナギ、それ全然フォローになってないから。

「・・・・そういえば、紅き翼の専属料理人とかいうのを聞いたことがあったな。あの時はなんの冗談かと思っておったが、本当に居ようとは」

そんな目で見ないで!





そして、しばらくすると完全なる世界の下っ端みたいなやつらが王女様を狙ってきた。

「ようやく尻尾を出したな!姫さんはみんなのところに帰ってろ!」

そうだね。王女様は俺と一緒にみんなのところに帰ろっか。

「私も行こう」

馬鹿言うなよ!
あんたが怪我でもしたら俺たちの、いや、いつもの感じからすると俺の首が飛ぶだろ!

「いいぜ姫さん、ついてきな!」

・・・・もういい。
俺は一人でみんなのところに帰ってるよ。

「行くぜ、ダン!」

腕掴むな!
俺を連れてってどうすんだよ。





そして、今回も命からがら生き残った俺は王女様に「すがすがしいほどの逃げっぷりであったな。主は何をしに来たのだ」とか言われた。
だから無理矢理連れて来られてるんだって!





PS なんかいろいろとまずい事態になってきたらしい。
なんかここのナンバー2が裏切ってて完全なる世界の一員らしい。

あと、王女様に「紅き翼の専属料理人の力をみせてもらおう」とか言われて料理作らされた。
なんか料理が気に入ったらしく、毎日ご飯作らされるようになった。
俺としてはこのままここで料理人として雇って欲しい。



[14425] 拉致そして監禁
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/05 20:45
どうやら、例の裏切り者の証拠の裏を取ったり偽造されたものでないかを調べていたようだが、間違いなく本物であるということが判明し、今晩にでもそいつをぶっ飛ばすことにしたようだ。

そんなふうにみんなが頑張ってる間、俺はひたすら料理を作っていた。
王女様に呼び出されては料理をする俺を、クルトのやつが恨めしそうに見てきたがなんなら代われ。
あの王女様性格がキツイ。
下手なことを言おうものなら心をぐっさりとえぐるようなことを言ってくる。


「あんたもよくやるぜ。この戦火の中、こんなボロ舟で帝国の第三皇女に接触しに行こうってんだからな」

本当にそう思う。
俺の中の王女様のイメージでは王女様っていうのはもっとか弱い生き物だったんだが、最近そのイメージがガラガラと崩れていく。

「なんじゃ、心配しておるのか?」

「はっ、俺の片翼を貸してやるんだ。心配なんざいらねえよ」

そして、俺の首には魔法で作られた輪がかかっている。
しかもこれ、取れない。

「私は料理人として連れて行くだけなのだがな」

「ま、それならそれでいいさ。とにかく、あいつが居れば心配なんかする必要ないんだからな」

輪から伸びた魔力の紐を握っているのは王女様。

オーケー、理解した。

「それでは行くぞ料理人」

王女様が舟に向かって歩いていく。
俺は必死の抵抗を試みたのだが、どうやら王女様は身体強化をしているらしく抵抗空しく引きずられていく。

「ガトウさん!詠春さん!ゼクトさん!タカミチ!」

比較的まともなメンバーに助けを求めてみるものの、皆一様に顔を背ける。
いや、クルトだけは憤怒の形相で睨んできてる。
だから代われって。

クルトがなんか言ってる
既に離れてしまったため声が聞こえないが口の動きで大体分かる。

あ・な・た・だ・け・は・ぜ・っ・た・い・に・ゆ・る・さ・な・い

だから代われって。





こうして俺は舟に連れ込まれた。

なんか舟の中で王女様から聞いたんだが、元々俺を連れて行くつもりじゃなかったけど、ナギのやつが「ならあいつを連れて行け。なにかあってもあんたを助けてくれるさ」みたいなことを言ってきたので、せっかくだし道中に料理でもさせようと思って連れて行くことにしたとか。

ナギのやつ、悲しいことにこの王女様は俺より強いんだぜ。
強さ的に助けられるヒロインが俺だろ。

まあ、これはよく考えると良かったとも言える。
王女様のほうについていく方がナギみたいなトラブルメーカーについていくよりも危険度は低いと思う。








そう思っていた時期が俺にもありました。


出発して数時間後、十分首都から離れたところで乗組員が一斉に俺たちを取り囲んだ。

どうやら、こいつら全員完全なる世界の下っ端だったらしい。
頼みの綱の王女様もいきなり背後からの攻撃を受け一撃で気絶してしまった。

俺?俺は王女様がやられた瞬間降伏したよ。

やつらの手はここまで伸びているのか、とか思う暇も無く俺たちは縛り上げられて独房みたいなところに二人詰め込まれた。

なんでも第三皇女も既に捕まっているらしく、俺たちは夜の迷宮とかいう場所に幽閉されるとか。

まさか紅き翼の一人まで捕まえることができるとは僥倖、これでやつらの戦力を削ぐことができるとか言ってたけど。

ごめん、戦力に全く問題ないどころか足手まといが減ってパワーアップかもしれない。

明日の朝には夜の迷宮につくらしいので俺は寝ようとしたのだが、王女様が話しかけてきた。
こんなことになるとは思わなかったすまない、とかすごく悲痛な顔で言われた。
文句を言うつもりだったのだが、すごく言いづらくなった。

確かに常人なら文句の一つでも言いたくなるところだが、生憎俺はナギとの旅の中で敵に捕まることなど二桁を軽く越す勢いで経験して慣れている。
経験上、こんなときはおとなしくしていればナギが助けに来る。

そんなことを言うと捕虜になることに慣れているとは主は変態か、と笑われた。

それから、暇なので王女様と話をした。というか俺とナギのなれそめ(なんかこの言い方嫌だな)を聞かれたので魔法学校時代からの話をしていた。
今に至るまでを話し終えると、王女様がすごくかわいそうなものを見るような目で見てきた。ガトウさんたちに話した時もこんな目をされた。

俺だって逃げ出せるもんなら逃げ出してる。
でも逃げ出すと殺される、紅き翼に恨みのある連中に。

サウザンドマスターからは逃げられない。
突如そんなフレーズが俺の頭をよぎった。

「ナギが主だけは絶対に自分を裏切らないと言っておったな」

はた迷惑な話です。俺としてはさっさと隠居したい。

「それでもあいつは俺が友達だからってだけで俺についてきてくれるんだ、とも言っておったな」

というか、あいつから離れすぎると俺が殺されるルートしか残ってないんだって。
既に逃げ出す時期を逃してしまった俺の悲しみがわかるか。

「友達だから、か。ふふ、主は馬鹿じゃな。本当に・・・馬鹿・・・じゃ」

なんかすっごい失礼なことを言いながら王女様は眠りについた。

まあ、国のことやら現在の自分の状況やらで疲れてるんだろう。
俺もさっさと寝ることにした。



PS 次の日俺たちは無事?に夜の迷宮についた。
そこで牢屋に入れられたのだが、テオドラ(第三皇女のこと、堅苦しいのは嫌いだから名前で呼べと言われた。まあなんか威厳とかも感じない馬鹿っぽい子だったので特に気にせず了承)もおんなじ牢屋だった。
いろいろとお互いのことを話したりもしたのだが、暇だったので瞬動の練習をすることにした。
瞬動をした瞬間壁にぶつかって鼻血が出た。
テオドラが大爆笑してた。






あとがき

ダンが哀れという感想が非常に多い。俺自身なんとかしてダンを救いたい、だが手段が無い。いつかは見せ場をあげたい

あと、魔眼(笑)もいつか出番を作りたい。

ネギに転生とかも考えたけど、ダンはアスナのこととか知ってるので関わらないようにするだろうと考えると、その他にもいろいろとフラグ潰しそうで話が考えられなかった。



[14425] 料理人2
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/06 05:25
さて、現在進行形で捕虜をやっているわけなんだが。

知ってるか?最近の捕虜って料理つくるんだぜ。


「まずい」と王女様がここの牢屋で出されたものを食べて言った。
確かにまずかった。
いくら捕虜だからって扱いがひどくないかとも思ったが、捕虜だから仕方ないと諦めた。俺はな。

王女様は見張りの兵士にキレた。
こんなものは食い物じゃないとかなんとか。

「仕方ないだろ!俺たち下っ端だから料理人なんか雇えないんだよ!おんなじものを俺たちも食べてるんだ」とか下っ端の兵士が半泣きで叫んだ。
料理できるやつが居ないから当番制にして兵士たちが交代で料理をつくっているらしい。

すると王女様は言った。
「なら、こいつ(俺な)に作らせればいい」
そして、こっち来た時点で魔法とか封じられてるし、他にも逆らえなくする呪いとかかけられてるから問題ないと判断したのか、俺は料理をさせられることになった。兵士の分まで。

ここの隊長とかは「紅き翼の専属料理人のお手並み拝見とさせてもらおうか」とか言いながら貧乏ゆすりしながら食卓についていた。

よほど料理に不満があったのだろう。

まあ、こんな感じで今俺は兵士たちに料理を出している。

「これはまいった。紅き翼の専属料理人の力がこれほどとは。彼我の戦力差を完全に見誤っていたようだ」
隊長さんがピラフをものすごい勢いで口に運んでいる。

「おかわりならまだあるぞ」

「なんと!おかわりまでも!紅き翼の専属料理人は化け物か!」

おかわり~、と食堂のあちこちから聞こえてくる。
俺はお皿を持ってくる兵士たちにピラフを盛る。

「そもそも食事の質は戦場において極めて重要な・・・・・・」
隊長さんはぶつぶつとなんか言っているけどピラフを食べる手は止まらない。

そして、ピラフを追加で作っているときに思った。

ナギ、助けに来なくてもいいよ、って。
俺は元気にここでやっていきます。

あっ、そういえば王女様達にも持って行かないと。





「食事持ってきま「遅いのじゃ~!!」ぐふっ」

ドアを空けて入った瞬間に腹に鈍痛が走った。
テオドラが回転しながら突っ込んできたからだ。
ハリケーンミキサーとかテオドラが嬉しそうに言っていたけど冗談抜きで角が痛い。

とりあえずピラフを渡すと二人とも遅れたことに文句を言いながらも食べ始めた。

そういや、この二人と俺とでは重要度がかなり違うらしい。
俺は夜の迷宮から出たら感知魔法が脱走を告げるらしいけど、二人は牢屋から出た一歩でも出たら感知魔法が作動するらしい。

まあ、そのおかげで俺は料理をするときだけは牢屋からでることができる。

「それにしても、そなたの仲間たちはいつ助けに来るのじゃ!!」

別に助けに来なくてもいいんじゃない?とか言うとハリケーンミキサーをくらった。王女様にもビンタされた。
どうやら牢屋暮らしは退屈らしい。

これ以上めんどうごとや危険なことに巻き込まれないだけでも十分だと思うけどな。


まあ、こんな感じで俺は元気にやっているから助けに来なくてもいいよとナギに伝えたい。



PS 兵士の人達に聞いたんだが、紅き翼が反逆者として世界の敵になったらしい。正直わけがわからんが、どんどんとやばい方向に行っている気がする。
このままじゃ俺死ぬと思って牢屋の中でがんばって特訓してると、なんか王女様と組み手させられた。
お互い魔力封じられてるから氣か地力だけなんだけど、それでも負けた。
かなり落ち込んでいたら料理作ってるときに兵士の人達に慰められた。
久しぶりに人の温かさを感じた。






あとがき

先の展開はいろいろと考えているんですが、創造主戦が一番悩む。
今までのノリで行くか、シリアスにしてダンに熱い展開を作るか・・・・。

最強ハーレムオリ主(笑)になる日は永遠になさそうなという意見がありましたが、ナギルートのフラグは既に立っています。
でも、ダンが誰かと結婚とか想像できない。



[14425] カウントダウン
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/06 12:44
平和だ。

こんなにすがすがしい朝はナギと旅に出て以来無かった気がする。
捕虜三人組は見張りの兵士さんの差し入れの紅茶を飲みながら椅子に腰掛けて朝食を食べている。

初めはちゃんとした椅子とかテーブルとか無かったんだけど、王女様が兵士さんたちに命令して用意させた。
他にもいろいろと用意させて今では充実した部屋になってる。
兵士さん達も美人には弱いようだ。

ちなみにテオドラが兵士さんたちに言ったときは「何を言う、このちんくしゃが」とか言われていたので俺が爆笑しているとハリケーンミキサー。




「そう言えば、主はナギと契約しておらんのか」

してませんよ、と俺が答えると王女様は意外そうな顔をした。
なんでも、そんなに弱いのだからアーティファクトの力を求めて契約くらいはしていると思ったらしい。

いや、アーティファクトは確かに魅力的だけどナギから逃げられなくなるデメリットがでかいんだって。
それに、アーティファクトすらも雑魚アーティファクトだったら立ちなおれない。
昔、穴の開かない靴下とかいうアーティファクトを出した人がいるらしいし。


「まあ、いざとなればその魔眼を使えば一撃だけならナギを上回る力が出せるのじゃろう?」

ああ、この魔眼(笑)ですか。
使いません。
魔力を貯めてることは事実というか、寝る前に使ってない余剰魔力を勝手に喰っていってるから魔力は溜まってると思うけど、使うと俺の右目が死ぬ。
眼帯とかしてると、もし就職することになったら不利になりそうだし。

そういえば、大戦終わったら紅き翼のメンバーどうするんだろ?
ラカンとか就職できるのか?まあ、あいつなら闘技場ででも戦えば稼げるんだろう。

その辺を王女様に聞いてみるとラカンとかナギとかくらいになるとそんなことしなくても宣伝のCMみたいなのにちょっと出たりするだけで莫大な金が転がり込むとか。
どうやら理不尽なことに一番将来に不安があるのは俺のようだ。

いざとなればうちで雇ってやると王女さまとテオドラに言われたが丁重にお断り。
それくらいならどっかの食堂で働く、と言うと王女様からビンタを、テオドラからハリケーンミキサー(略してハリミキ)を受けた。
無礼な、とか言ってたけどどっちのところで働いても無駄に疲れそうだからごめんこうむる。

それにしても、テオドラの角がとがってて非情に痛いので角をちょっと削って丸くしてもいいかと聞くと、一族の誇りになにをするつもりじゃ、と怒られた。
今度寝てる間にこっそりと削っておこう。



昼になって、俺もお仕事の時間になった。
今日は何を作ろうかと悩んでいると「プリン、プリン」とテオドラがうるさかった。
お子様と言うと「妾たちは長寿じゃから実際の年齢は・・・」とかなんとか言っていたが、俺にとって大切なのは身体年齢である。
まあ、しかたないのでデザートにプリンを作ることにした。

今日は中辛カレーをつくることにした。
カレーを作って食堂に持って行くと、隊長さんがすごく落ち込んでた。
なんでもこんなところにずっといるせいで彼女に会えなくて、今日届いた手紙で彼女に振られたらしい。他に好きな人ができたとか書かれていたらしい。
こんなところにも戦争の被害者が。

大体上司の白髪のすかしたガキがむかつくんだよとか関係ないことにまで怒っていた。
隊長さんのカレーに大きな肉をいっぱい入れておいてあげた。



テオドラがカレーを食べて「辛いのじゃ~」とか言っていた。
やっぱりお子様だ。




PS なんかナギたちが凄い勢いでここを目掛けて進軍しているらしい。
立ちふさがるものを全てぶっとばして、通った後は荒野になっているらしいとか兵士さんが言ってた。
囚われのお姫様×2+俺を助けるためにすごい奮闘中らしい。
俺は、平穏が終わるカウントダウンが始まったのを感じた。





あとがき

ナギたちが出てこなかったらダンは基本平穏ということが判明。
しかし次の話くらいでナギ登場。

よく考えると、テオドラフラグ立ったとしてもダンが死ぬと意味が無い。
転生した後に、自分が生まれ変わりだと言わないとフラグが無駄になる。
でも、ダンが自分からそんなことを言うとは思えない。



[14425] 救出?
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/06 19:32
朝起きると兵士さんたちが大慌てだった。

隊長さんが牢屋に来て事情を説明してくれた
なんでもナギたちがやってきたらしい。
ついにきた・・・・。

正直勝てるとは思わないから降伏したほうがいいんじゃないですか?と隊長さんに言ってあげた。

すると、隊長さんはなんか自分が完全なる世界の一員になった理由について語り始めた。
なんでも、隊長さんは元々は帝国の軍人で、ナギと戦場で戦ったことがあるらしい。
部下や友人が目の前でいっぱい殺されて、隊長さんは怖くて逃げ出したのだとか。
敵前逃亡の罪で隊長さんは謹慎処分をうけたらしい。
そして仲間を見捨てて逃げ出したことを後悔しているところに、完全なる世界から声をかけられてナギともう一度戦えるのならと完全なる世界に加わったらしい。

「今でもあの日のことを夢に見る。

私は目の前で血を流し倒れる友人を、部下を見捨てて逃げ出したのだ。

息のある者もいた。しかし私は一人逃げ出した。

もし私が治療すれば、背負って逃げれば助かる者もいたかもしれない。

しかし私は一人逃げ出したのだ。

命を懸けて祖国のために戦う彼らを背に一人逃げ出したのだ。

戦争だ。あの男を恨んではいるが、悪だとは思っていない。

悪だったのは、卑怯だったのは私だ。

今の私の行動を意味の無いことだと思うかもしれない。私自身意味の無い行動だとはわかっている。

しかし私は、あの時彼らが感じた恐怖を感じないままではいられないのだ。

今一度、あの男の前に立つことができなくては、私は私を嫌いなまま生き続けなくてはならなくなる。

ダン、私はこれ以上私自身を嫌いになりたくないのだ」

そう言うと、隊長さんは俺たちにかかっていた魔法や呪いを解除してドアの前に建つと「ヘラス帝国に栄光あれ」と敬礼をして牢を出て行った。

「どうじゃダン、帝国兵は・・・強いじゃろう」
テオドラの言葉に俺は黙って頷いた。


しばらくすると、戦闘も終わったらしくナギが牢の壁を壊して入ってきた。

「待たせたな、ダン」

ヒロインは俺だった。

ナギの頬には切り傷があり、服もところどころ破けて火傷をしていた。

なんでもやけに気合の入ったやつが居て、そいつにやられたとか。










俺たちはオリンポス山にある秘密基地という名のボロ屋にきた。

どうやら俺たちはここにいるメンバーで世界と戦争をすることになったらしい。

どうやらこいつらには隠れ住むという選択肢は無いようだ。

俺多分死ぬわ。

「これで世界全てが我らの敵というわけじゃな。
じゃが、主と主の紅き翼は無敵なのじゃろ?

世界全てが敵、良いではないか。
こちらの兵はたったの9人。
じゃが、世界最強の8人と最高の料理人じゃ」

どうやら俺はもはや料理人として計算されているらしい。
そう思うなら戦場には出さないでくれよな、頼むぜ。

「ならば我らが世界を救おう。
我が騎士ナギよ。我が盾となり、剣となれ」

「いいぜ。俺の杖と翼、あんたに預けよう。
まかせな、俺たち9人がいればどんなやつが相手でも負けねえよ」

9人って、俺はもう料理人でいいから戦力に数えるな。

「それではダン、食事を作れ。
腹が減ってはなんとやらと言うじゃろう」

指名手配されてるから食材もろくに買いにいけないので自然にあるものを使うことにした。

大量の果物やら仕留めた動物やらを抱え込んで秘密基地に入ると床が抜けた。

そしてラカンが何歩か歩くたびに床に穴が開く。

明日からはまず秘密基地のリフォームをすることになった。



PS 王女様が「私は主を料理専門にしてやろうと思っておったのじゃが、ナギが・・・以下略」とか言うことで俺は戦場にでることになっているらしい。
王女様でもナギは止められなかったようだ。
命の危険を感じたので、とりあえず秘密基地から逃げようとしたんだけど王女様に捕まって「主がいなくなったら誰が料理をするのじゃ」って言われた。
どうしても逃げようとするのなら無理矢理契約して逃げても強制召喚するって言われて断念した。
そういや逃げようとしたけど、よく考えると俺ナギから離れたらダメなんだった。
逃げても死、逃げなくても死。
また牢屋に帰りたい。






あとがき

なんか隊長にドラマをつくってあげたかった。

またもネギに転生を考えて断念。
よく考えると、ダンがナギを探しに行くわけないから魔法界に行くことがない。
もはや転生自体無理なんじゃないかと。
生徒に転生してもネギが教師になった時点で転校とかして逃げそう。



[14425] 優しさ
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/07 09:40
世界全部を敵にまわすという絶望的な戦いを始めたはずの俺たち。

そう、絶望的なはずだった。

しかし、現実は非常識だった。

ナギたちは、正直これ勝てるんじゃね?というぐらい圧倒的な戦いをした。

確かに王女様達のおかげでこちら側に協力してくれる人も増えた。

しかしその人達の仕事は主に物資の支援や情報の提供、一般人の避難誘導や治療などが主で、戦いになるとナギ達を突っ込ませて暴れさせるのが一番効率が良かった。

俺?俺はもちろん連れていかれた。
避難誘導のほうに回してもらったけどな。

魔法の飛び交う中を逃げ遅れた人を探して飛び回る俺。
頬をかすめる魔法の感触は忘れられない。

そして今日も今日とて戦場。

あ、そういや完全なる世界の目的は世界を無に帰すとかいうことになるらしい。
さすがの俺もそいつはまずいと思ったのでナギ達にがんばってもらいたい。



どうやら、そうこうしているうちに戦いは終わったらしい。

ナギが帰ってきたのだがどうやら様子がおかしい。
いつものような元気がなく、腕に誰かを抱えている。

「ナギ・・・」

どうやら、その子はまだ小さな女の子のようだ。

ひどいケガをしているようだが、どう見ても既に息絶えている。

こういうことは珍しくはない。

これだけ大規模な戦闘になると、いくら避難誘導に人員を割いても巻き込まれる一般人が出てくることは当然と言ってもいい。

「また巻き込んじまったよ」

ナギはその子を抱く手に力を入れた。
俯いているせいで表情は見えないが、おそらくは泣きそうな顔をしているのだろう。

「わかっていたし、覚悟もしていたつもりだったんだけどな・・・。でも、やっぱりキツイな」

俺はナギの手からその子を受け取ると地面にそっと置いた。

ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッ・ロリッっとその子の傷だけでもと治癒呪文をかけた。

表面上の傷は治ったが、顔に血の色が戻ることはない。

「世界最強の紅き翼のサウザンドマスター。それでも、小さな女の子一人助けられなかったんだ。笑っちまうよな」

「それでもこの戦いは必要なものだし、やめるわけにもいかない。
命の重さを比べるわけじゃないけど、やらないと、明日にでも魔法世界に生きるすべての人が死ぬかもしれない」

「ちくしょう・・・ダン、世界は優しくねえよな」

ナギの握りしめた拳から血が滴り地面に落ちた。

俺は女の子を腕に抱いて立ち上がり、避難所に向けて歩き始めた。

せめてこの子を助かっているかもしれない両親に届けようと。

「そうだな・・・世界は優しくなんかない」

避難所の方から二人の男女が走ってくるのが見えた。

この子の両親だろうか。

二人とも怪我をして包帯を巻いていて血がにじんでいるが、気にも止めずに走ってくる。

「でも俺は、こんな糞ったれな世界だからこそ、この世界に生きる人たちの優しさだけは信じたい」

女の子を抱きかかえて泣き崩れる両親を見て俺は言った。











PS なんか俺の知らない間に王女様がクーデターとか起こして女王様にランクアップしていたらしい。
ただ、女王様というのは響きがあれなのでアリカ様と呼ぶことになった。
そして、近日中についに判明した連中の本拠地に突入することも決まった。
連合、帝国、アリアドネーの合同部隊というすごいことになっているらしい。
作戦としては合同部隊が雑魚敵(ナギたちにとっては)を引きつけている間に少数精鋭部隊(紅き翼)が敵の本丸に突撃するというものらしい。
そして、なんか俺も少数精鋭部隊に組み込まれていた。
いつものごとく俺の意見は聞いてもらえなかった。

どうやら、運良く続いてきた俺の人生にピリオドを打つときが来たようだ。









あとがき

このままだとナギがただのバカになりそうだったので救済措置。

そして、そろそろ始まる創造主戦もシリアスになると思う。
せっかくなのでダンに見せ場をあげようと思った。

でも第二部になるとまたいつもの感じに戻る、ダンもいつもの調子に。

次は決戦前夜~突撃までを書こうと思います。
突撃はだいたい考えてるので、決戦前夜をどんな感じに仕上げるか考えてきます。


あと、アリカルートをって書いてる人がいたけど、アリカルートはさすがにまずいんじゃないかと。

そういえば、アリカがアスナの姉ならアスナはネギのおばさんになるんだろうか。



[14425] 前夜、そして突撃
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/07 14:16
なんだかんだでもう最終決戦前夜になった。

俺たちはオスティア近くの要塞に混合部隊の人たちと泊まり込んでいる。

混合部隊のみんなは、明日で世界の命運が決まる大決戦ということで大切な人と過ごしたり仲間と酒を飲んだりしている。
流石にこんな空気で逃げることなどできるはずもなく、俺も酒を片手に黄昏中。

ナギはみんなと酒飲んで酔っ払って寝ている。

俺はというと、なんでこんなことになってるんだろう、とか俺の人生どこで間違ったんだろうとか考えながらちびちびと酒を飲んでいる。

「こんなところにおったのか」

アリカ様が声をかけてきたけど、相手をしてるような気分じゃない。

「なんじゃ、つまらん男じゃな。こんな美女が声をかけてきたんじゃ。
上等なワインの一つでも差し出すのが男の甲斐性じゃろうに」

明日死ぬかも知れないのに甲斐性とか気にしてる場合じゃない。

「ま、気持ちはわからんでもないがの。
なにしろ明日で世界が滅びるかどうかが決まるのじゃ。私とて平常ではおれん」

いつもどおりの平然とした顔でいわれても説得力はありません。
というか、作戦に参加するメンバーの中で俺が一番死にそうだし平然となんか出来るはずもない。

「飲め」

なんかワインを俺に勧めてきた。
俺も酔いたい気分だったので抵抗なく飲んだ。

それからアリカ様と話していたのだが、なんかすごい眠気が襲ってきた。

「すまんな。明日の作戦に参加すれば、主はおそらく死ぬじゃろう。
それはあまりにも忍びない。ナギには私から言っておこう。
・・・・・・料理でも作って私たちの帰ってくるのを待っておれ」

ちょっ、まさか睡眠薬かよ。
俺は既に声を出すこともできず深い眠りに落ちて行った。

ありがとう、とすごく感謝しながら。






次の日、俺が目を覚ますと誰もいなかった。

感動に打ち震えていた俺は、とりあえず料理の準備をしておこうと思って保存庫を開けたのだが、昨日みんなが食べてしまったらしく何も残っていなかった。

近くに街も無いので、仕方なく周囲の森からなんか採ってこようと思って箒に乗って森に向かった。



ある日、森の中、悪の魔法使いに出会った。

なんか俺が果物とか採っていると

「どうやらもう出発した後のようだ」

「くそっ、一歩遅かったか」

「奇襲をかければやつらの一人ぐらいはと思っていたのに」

「やはり、オスティアで待ち構えていた方がよかったのか」

という会話が聞こえてきた。

俺はまずい予感がびんびんだったので、こっそりと逃げようとした。

しかし、どうやら相手は偵察用の使い魔を放っていたらしくばっちりと見つかった。

「なんでこんなところにいるのかは知らんが、貴様らに殺された同胞の恨み!」と、俺は悪の魔法使い10人ほどに追いかけられだした。

箒に乗って全速力で逃げる俺の後ろから魔法がどんどんとやってくる。

戦争中にナギたちの異常な量の魔法を避けながら避難誘導とかしていたので、これなら逃げ切れるかもと思っていたのだが、どうやら別働隊もいたらしく俺はあっけなく挟み撃ちにされて囲まれた。


なんか周りを囲む敵に、紅き翼にしては手応えが無いとか言われている。
いや、俺は戦闘要員じゃないから。

「とりあえず、殺しておくか」

一人がそう発言した瞬間、俺ついに死ぬのかと思った。

「まあ待て、ただ殺すだけではつまらんし、同胞の無念も晴れまい。
今のオスティアは完全なる世界の配置した自動人形や召喚魔で地獄のようになっていることだ。こいつをそこに杖も無しで送り込むというのはどうだ?
さぞ苦しんで死んでくれることだろう」

他の一人がそう言ったとたんに全員が「それは名案だ」とか言い始めた。

俺は抵抗空しく、装備なしの状態で転移魔法を使われて、光に包まれた。

「あ、ちょっと送り先間違えたかも」とか聞こえてきた。




ここは最前線であり、最終防衛線でもあるという言葉から始まった混合部隊の隊長
の激励の言葉が終わり、全員が作戦開始を待っていた。

「不気味なくらい静かだな、奴ら」

「なめてんだろ、俺たちのこと。悪の組織なんてそんなもんだ。
でもナギ、お前はよかったのか?」

「ああ、話は聞いてる。正直残念だが、今回ばかりはあいつの命の保証が無いって姫さんにこっぴどく怒られちまったよ。いくら言っても聞いてもらえなくてな。
まあ、さっさと片付けて帰ってダンの料理でも食おうぜ」

そうだな、と全員が了承の意を返したときに、急にダンが目の前に現れた。






なんか目を開けるとナギがいた。

みんなびっくりしてるんだが、俺もびっくりだ。

とりあえず、ここはまだ地獄じゃないみたいなので帰りたい。

「ダン、お前どうして・・・・・・。
いや、そうだよな。俺たちはずっと一緒なんだったな!
悪かったなダン、俺が間違ってたぜ!さあ、お前ら行くぜ!」

なんかナギが俺の腕を掴み、空を飛んでオスティアに向かい始めた。

え?俺のことは置いといてくれるんじゃなかったの?

なんかみんなも「へへ、このバカヤロウが」みたいな感じで俺のことを見てる。

混合部隊の人たちが足止めをしている間に、俺たちは猛スピードで本拠地に向かっていった。







あとがき

やっぱりシリアスは無理だという結論にたどり着いた。

あと、おそらくこのssでダンがまともに戦闘をすることは無いと思う。

次は創造主戦。ダンはもちろん戦わない予定。

そういや、オスティアって魔力で浮いてるんでしたっけ?
それが魔力を減衰させる力場かなんかで落ちる?
でも、反転術式で抑え込んだなら落ちないんじゃ・・・。
抑えこむ前に落ちたのかな?



[14425] 最終決戦
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/09 08:55
ふと気づいたんだが、タカミチとクルトとガトウさんがいない。

どうやら、あの三人はおいてきたようだ。
ガトウさんおいてくるくらいなら、俺のこともおいてきてくれよ。

「やあ、千の呪文の男、また会ったね」

なんか強そうな敵が出てきた。

もしかしてラスボスか?

杖すら無い俺はとりあえず神に祈ることにした。





神はいた。

ラッキーなことに敵の数は俺たちより一人少なかった。

いざ戦闘が始まると俺は除け者になった。
なんという僥倖。

しかしどいつもこいつも一生物としては考えられない力で戦っているため、流れ弾に当たる危険を感じた俺は柱の影に隠れることにした。

なんかフェイトとかいうやつが超強い。
ナギと互角にやりあえるやつがラカン以外に存在するとは。
おそらくあいつもバグってるんだろう。



それにしても、さっきから流れ弾、いや流れ魔法がいっぱい飛んでくる。

敵味方問わず、外れた魔法が俺のところにピンポイントで飛んでくる。

このままだと死ぬと思ったのでもっと離れようと思ったのだが、これ以上後ろに行くと自動人形や召喚魔のパラダイスにまで戻ってしまう。

しかしここに留まるのは無理。


そんなときに俺に天啓が舞い降りた。

俺はできるだけ端の目立たないところを通りつつ通路を一直線に進んだ。

ラスボスより先に敵を配置したりはしないだろうと考えた。

なんとか無事に通路を出ることができ、俺は生命の危機を乗り切ったことに安堵した。









なんか黒ずくめのやつがいた。

何も言わずそこに佇むそいつを見た瞬間、さっきの奴ら以上の危険があると俺の危険人物センサーがビンビンに反応し始めた。

中ボスの先に一人でいる、どう考えてもこいつがラスボスだった。

「こ、こんにちは」

魔法が飛んできた。

迫り来る魔法を見ていると、次第に今までの旅のことが脳裏に蘇ってきた。

ナギに無理矢理旅に連れてこられたこと。

ナギに巻き込まれて戦争に参加することになったこと。

ナギに引っ張られて戦場に連れて行かれたこと。

ナギに・・・・。ナギに・・・・。

よく考えなくてもろくな人生歩んじゃいねえなとか思っていたとき、俺に奇跡が起こった。

後ろから、おそらくは通路から飛んできた魔法が俺の近くに着弾した。

すると、あまりの威力に周囲の床が崩れて俺は下に落ちた。

墜落しつつ、俺が落ちた穴の上をバカでかい攻撃魔法が通過していくのを見て、もしかして今まで不幸だったぶん幸運が一気にやってきたのかと思った。










どうやら地下通路に落ちたらしいのだが、俺は着地した時の足の痛みに蹲っていた。

上では、ナギたちが黒ずくめと出会ったらしく。
すさまじい魔法の音が聞こえた。

それからしばらく静かだったので、まさかナギ達全滅?とも思ったのだが、しばらくするとナギの声が聞こえてきたので生きているようだ。

「ダンの仇」とか聞こえてきた気がする。

あれ?俺死んだ事になってるの?

そんなことを思っていると、上のほうから石とか落ちて来始めたので生き埋めはゴメンだと思い俺は地下通路を進んだ。

後ろのほうで轟音が聞こえた、どうやら移動して正解だったらしい。







なんか広いところに出たんだが、大きな光る石があった。

そういやアリカ様がオスティアを浮かべているのは魔力で、その魔力が込められている石があるとか言ってた。
迷路みたいになっている地下通路の先にその石を置いているとか。

どうやらそいつがこれのようだ。

とりあえず、ここは崩れる気配も無いので戦いが終わるまでここにいようと思った。

しばらくすると、戦いの音も聞こえなくなり、俺は生き残ったんだと歓喜の声を上げた。





しかし、現実はそう甘くなかった。

なんか魔力が奪われだした。

オスティアがグラグラと揺れ始めた。

ふと、アルが言っていた完全なる世界のやろうとしていることが広域魔力減衰現象とかいうことだということを思い出した。

どうやらそっちを止めるのは間に合わなかったようだ。

目の前にある石からも光が少しずつ失われている。

これって、オスティア落ちる前に脱出しないといけないんじゃとか思い、俺はすごいことに気づいた。

・俺、杖も箒も無い。

・ナギ達、俺が死んだと思っている。

・石から魔力なくなると、オスティア落ちて死ぬ。

・ここから脱出するにも地下通路は迷路になっているらしい。

俺はとりあえず、目の前の石に魔力を注ぎ込み始めた。

俺自身の魔力も失われていき、石の魔力も失われていく、どう考えてもヤバイ。

次第に俺の魔力も空になり、残っているのは魔眼(笑)だけになった。

このままだと落ちて死ぬんだが、こいつを使うと俺の右目はぷちゅっとなる。

俺は悩んだ。未だかつて無いほど。

この右目がなくなると、将来就職に困るかもしれない、恋人すらできないかもしれない。

しかし、死んだら意味がない。

悩んでいたのだが、オスティアがすごい勢いで落ち始めたのを感じて死ぬのは怖いという結論に達した。

意を決して魔眼(笑)の魔力を使い始めた。

ぷちゅっと聞こえた。

右目がスゴク痛いけど、魔力を注ぐのをやめると死ぬのでやめれない。

ナギに振り回されている間に大怪我をすることも何度もあったので、右目が潰れても気絶しなかったのはよかった。

流石は軽く1年以上溜め込み続けただけあって魔力はまだまだ無くなる気配が無い。





時間にして30分ほどだろうか、俺は魔力を注ぎ込んでいたがついに限界が来たらしく、意識を失った。













私は信じられない光景を目にしている。

「空中王宮の落下速度がどんどん減少しています!」

言わずともわかる。

目の前で空中王宮が落ちる速度がどんどんと緩やかになっている。

反転封印術式があるとはいえ、本来なら広域魔力減衰現象を押さえ込むまでに空中王宮を支える魔力が失われるはずだった。

そして、空中王宮は地に堕ち見るも無残に崩壊するはずだった。

「これは、誰かが魔力石に魔力を注ぎ込んでいるとみて間違いないでしょうな」

艦長がそう言った。

神の奇跡でも起きなければそれしか考えられない。

しかし、ナギ達はあそこにいるのが見えていて、魔力を注ぎ込めるはずも無い。

いったい誰が。

今あの場にいて、墜落を緩やかにするだけの魔力を持った人間。

考えども考えども該当者は無し。

やはり、神の奇跡でも起きたのかと私が思った時だった。

「うん?そういえば、ダニエル殿がいませんな」

艦長が言ったのでダニエルは置いてきた、と私が伝えると。

「それはおかしいですな。先程帰還した混合部隊の人間が、ダニエル殿は作戦開始寸前に転移魔法を使って現れ、ナギ殿達と共に墓守り人の宮殿に突入したと言っておりましたぞ」

まさか、そんなことが。

しかし、あいつがいるとすれば、あいつの持つ魔眼を考えると。

私は至急混合部隊の人間を呼び寄せて真偽を確かめた。

すると、間違いなく突入したと。

「あの大馬鹿者が。私のせっかくの好意を無駄にしおって」

自然と笑みがこぼれた。

だが、感謝しよう。

あのスピードなら空中王宮は地に堕ちようとも再生不能な打撃を受けることはない。

確かに、空中王宮が地に堕ちるという未来は変わらないだろう。

太古の昔よりオスティアの象徴である空中王宮。

それが堕ち、崩れ去るということが我がオスティアの民の心にどれだけ影響があるかなどわかりきっていた。

しかし、あれなら空中王宮は地に堕ちようとも生き残る。

空中王宮が生きてさえいるのなら、民の心は折れぬ。

この先、オスティアが滅ぶことがあろうとも民は希望を持つことができる。

いつかオスティアを復興させる希望を持つことができる。

「それにしても、主がそこにおっては誰が祝勝会の料理を用意するのじゃ」











「ナギ、気づいているか」

ラカンが声をかけてきたが、気づかないはずが無い。

オスティアの墜落スピードがどんどんと落ちていっている。

そして、今の状況でそんなことが可能なやつは一人しかいない。

ダン、生きていたのか。

「あいつ、最後の最後においしいところ全部持っていきやがって」

ラカンが苦笑を浮かべた。

「何言ってんだ。俺たちにはまだ、お姫様を助けるっておいしいところが残ってるだろ?」

さあ、姫子ちゃんを迎えに行かないとな。






あとがき


ダンは最後においしいところを全部持っていった。

単行本を読み直してもオスティア崩壊らへんはよくわからなかったので勝手に設定作ってしまった。問題ないだろうか。


そういえば、ゼクトが変なことになるのもこの時だったっけ?
もうちょっと後?

単行本にはまだ出て無いので思い出せない。

ダンは結局死なない。

あと、ダンは日本語を覚えない限り魔法世界編まで本編にかかわれないことに気づいた。



あとがき2

感想板に書いていただいた指摘に気づき、ネットを使って調べ直したところ、自身の勘違いが発覚。

単行本が基本となっていて、雑誌を読んだのはずいぶん前のことなので忘れていたようです。

構成を練り直して書きなおすか、うまく話をつなげようとしますので、それまではどうかご容赦ください。


あとがき3

とりあえず、オスティアでなく空中王宮に変えて話を続けてみることに。

原作では創造主戦のときは魔力の消失現象ではなく減衰現象と言われていたので苦しいオリ設定ですけど、創造主のときは魔力は減っていくけど使用はできるということで。原作の消失現象内でもナギクラスならギリギリ使用可能っていうのはわけがわからなかったので。




[14425] オスティア崩壊
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/09 09:42
なんか目が覚めるとすぐに記念式典とかいうのに出席させられた。

ちなみに右目はある程度の治療はされたようだが、やはり右目の復活はできなかったようで右目のところに包帯がぐるぐる巻かれている。

ラカンとか腕が無くなってたのには驚いた。
どうやらあの黒ずくめ(創造主とかいうらしい)の攻撃を受けずにすんだ俺は幸運だったようだ。俺なら多分塵ひとつ残らず消滅してる。

ゼクトさんは・・・・・・いなくなった。



メダルみたいなのもらって、みんなの拍手喝采を受けて舞い上がっていた俺だが、突如魔力が失われるのを感じた。
魔力減衰現象。いや、こっちのほうが強いのか、今のこの空間の中で魔力を扱える気がしない。

どうやら紅き翼は当然のことながら、観衆も気づいているようでパニックになっている。

非常事態とかなんとかで俺たちは特殊処理の施された船に乗り込むことになった。

そしてナギがアリカ様のところに行くと言っているところにアリカ様から通信が入った。

ナギはすぐに助けに行くと言ったのだが、アリカ様はそれを拒否。

救助の手助けを優先しろと言った。

ナギは苦虫を潰したような顔で救助の手助けに向かった。








オスティアが堕ちていく。

私の国が、愛する民が住む島が堕ちていく。

民は恨むじゃろうか。

国一つ守りきれない無力な女王を恨むじゃろうか。

恨まれてもよい。

ただ、生きていてさえくれれば。

希望を失わずにいてくれさえすれば。

希望は残っておる。

ダンが右目と引換に希望を残してくれた。

だから大丈夫じゃ。

オスティアはいつか再び浮かび上がる。






結局、オスティアは滅んだ。

アルが言うには黄昏の姫御子の力で。

そして王都から半径50キロは、以後二十年魔法を使えない不毛の大地になったらしい。

犠牲者は人口の3%を下回ったそうだが、それでもいっぱい死んだ。

しかし、いろいろと問題は残ったようだが戦争は終わった。

此処から先は政治家とか兵隊さんみたいな人たちの出番だ。

オスティアが滅んだのは悲しいが、全部終わってついに平穏な暮らしができると思ったのも事実だ。

とりあえず、今日はみんなホテルに泊まる事になった。





そりゃあホテルの受付のお姉さんにサインや握手を頼まれて調子に乗ってたことは事実だ。

しかし、これはあんまりなんじゃないかと思う。

俺は目が覚めると完全なる世界の残党が残っている地域に連れてこられていた。

ナギが「気持ちよさそうに寝てたから起こさないように運んでやったぜ」とサムズアップ。





PS どうやら戦争が終わった今となっては、ラカンとかみたいな直接的な戦闘力が求められるのは残党とかの相手とか、あとはせいぜい救助活動の力仕事くらいで。
俺みたいな避難誘導や治療(特にこれ)を専門にしていた人間のほうが仕事が多い。
毎日毎日けが人の治療に明け暮れています。
マギステル・マギに休日は無いようです。





あとがき

とりあえず、こんな感じになりました。

そういえば、時折ダンは男なのか女なのかという感想がありますが、ダンは男です。ナギルートには入りません。というか、ナギルートは書きたくないです。





[14425] ダニエル(笑)
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/09 12:59
なんか『紅き翼の伝説』とかいう映画がつくられたらしい。

魔法協会監修の大人気の全三部作の映画らしい。

今度小説になって、アニメ化もして漫画化もするということだからびっくりだ。

自分がどんなふうに映画になっているのか気になったので怖いもの見たさで見に行ってみた。




びっくりした。

なんかナギが魔法学校を主席で卒業したことになってた。

しかも卒業式での俺とナギの会話がすごかった。

ナギが「俺は、自分の力を世界中の救いを求める人々のために使いたい」とか言って

俺が「なら俺がお前の翼となり、救いを求める人々のもとへ誘おう」とか言ったことになっていた。
これが紅き『翼』の始まりだとか。

なにこのダニエル(笑)君。


俺が故・魔眼(笑)を手に入れるシーン

なんか、力不足によって目の前で守るべき人(一般人)を死なせてしまった俺が、悪の魔法使いの召喚した悪魔を倒した後に取引したことになってた。

「くくく、正義の魔法使いが悪魔の力を身に宿すと言うのか」

「この身が闇に染まろうと、地獄に堕ちることになろうと構わない!
それで一人でも多くの人を救うことができるというのなら、俺は喜んでこの身を差し出して見せる!!」

「・・・・よかろう。ならば闇の力を受け取るがいい」

「ぐあああああああ!!」

絶叫をあげて右目を抑えるダニエル(笑)

そして、しばらくすると痛みも収まったのか右目から手を離す。

すると、真っ赤になった右目があった。

「闇の力に耐えたか・・・・。
真実の強さを持った正義の魔法使いよ、その力で望みを叶えてみせよ!!」

そう言って悪魔が消え、一人佇む俺が「もう、誰も死なせない」と言ったらしい。


俺が捕虜になってたシーン

「なぜ、わざと捕まった」と隊長さんが言う。

「この右目が、お前の中に渦巻く悲しみを、怨嗟の声を届けてくれてな」と、ダニエル(笑)は右目から涙を流しながら言う。

そっからダニエル(笑)が復讐はいけない的な説教を続ける。

なぜか、それに感動した隊長さんが改心するという事になっていた。

かなりむかついた。


そして決戦前夜。

ナギと俺が会話したことになってた。
実際はナギが酔いつぶれていたので会話なし。

「明日で全てが終わるんだよな」とナギがダニエル(笑)に声を掛ける

「ああ」

「卒業式の日に俺とお前の二人で始まった紅き翼。
ただ始めはがむしゃらに助けてきただけだった、救えなかった命もある。
それが気づけばこんなところまで来ている、世界を救おうってところまでだ」

「そうだな、全てはあの日に始まったんだったな。
俺には、あの日がまるで昨日のように感じるよ」

「俺も同じだ。
なあ、俺たちは負けないよな」

「ふっ、当然だろ?
俺たちは負けない、そして明日世界は救われる。
俺たちだけじゃない、みんなの力でだ」

そう言って星を見ながらグラスを軽く打ち合わせて酒を飲む俺たち。



俺が置いていかれて目が覚めたシーン


悪の魔法使いたちが進軍するナギたちに奇襲をかけようとするのを見越して残っていたダニエル(笑)が止めに入る。

「貴様、まさか我らの奇襲を見越していたと言うのか」

「なに、嫌な予感がしただけだ」

「くっ、貴様一人で何が出来る!貴様を倒せばなんの問題も無い」

「ここは通さない、あそこにいるのは世界の希望だ。
それをお前たちのような連中に傷つけられては堪らないからな」

そして一人戦うダニエル(笑)。

もちろん奮闘して勝利。

そして転移魔法で合流。

どこに行ってたんだと問うナギ達に「なに、ちょっとした野暮用だ」と言う。



そして最終決戦。

悪の魔法使いの本拠地に乗り込んだ俺たち。

そこに出てくる敵たち。

全て倒しつつ進む俺たちだが、ラスボスを前に大変な事になる。

空中王宮が敵の策略で堕ちていく。

「ふはははは、オスティアの象徴である空中王宮を堕とせば民の希望は~~~~」とか親玉が言い始める。

親玉の相手をしないといけないのにどうすればいいんだと困惑する俺たち。

そして、ダニエル(笑)が魔法石のところに向かうことに。

魔法石を前に故・魔眼(笑)【赤目バージョン】を解放する俺。

「オスティアの人々の希望を壊させるわけにはいかない」とか言って、右目が力に耐えきれずに潰れるのも構わず魔力を注ぐ。

そして、空中宮殿は完全崩壊することはなく地面に降り立つ。

そして、それと同時にナギ達が親玉を倒す。

世界は救われた。ハッピーエンド。



こいつはフィクションだとかそんな甘っちょろいもんじゃ無かった。

他のみんなもあり得ないくらいカッコよかった。

まあ、ラカンが馬鹿なのは知られすぎてるから流石に修正入ってないけど、それでもかっこいいキャラになってた。

完全なる世界のこととかはいろいろと問題があるのか、敵は悪の魔法使いという設定で、世界征服が目的になってた。

他にもいっぱい修正があって、アリカ様とかの部分も削除してあったりした。
オスティアが滅んだのも悪の魔法使いと裏切り者のせいになってた。

頭をプロパガンダという言葉がよぎったが、難しいことはアル担当なので考えないことにした。



PS このことをみんなに話すと、ちょっと見てくると言ってみんな街に向かっていった。
帰ってくるとラカンが大爆笑。特に俺の部分で。
ナギは「そんなにダンのこと違ってたか?」とか言っていた。
こいつは記憶を改竄しているようだ。
アルと詠春さんなんかは難しい顔をして話し込んでいた。

それからというものの、下手に人のいるところに行くと勘違いしてる人たちに囲まれたりするので変身魔法の精度があがるまでは自重することにした。
しばらくすればここまでの熱狂は収まるだろうとアルが言っていた。

PS2 テオドラから手紙が届いた。
「映画マジ笑ったのじゃ」と書かれていた。
即刻破り捨てた。

PS3 両親からも手紙が来た。
「あなたは私たちの誇りよ」とか書かれていた。
実家にいた頃は俺には才能が無いとか言ってたし、俺が旅に出ても探してる気配すらなかった。
昔、一度手紙を出したのだが「お前みたいなのは息子じゃない」と書かれていたことがある。
俺は実家には二度と帰らないことに決めた。



[14425] 印税生活
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/10 07:18
それにしても、最近の俺のハードワークはひどいと思う。

6時 ナギに起こされる。朝食の準備開始。

6時半 朝食

7時 氣とか魔法の特訓

11時 昼食の準備

11時半 昼食

12時 ナギに連れられて人助けに出発(主に怪我人の治療)

20時 ナギに引っ張られて超特急で帰還(場合(残党の殲滅など)によっては一週間ほど帰ってこれない)。そして夕食の準備開始。

21時 夕飯

22時 締切の迫る原稿に向かい奮闘

24時 就寝

世のマギステル・マギ連中もびっくりのハードワークだ。

ちょっとこのハードワークに抗議をしようと思い、スケジュール管理係の詠春さんを探すことにした。




見つけたが、なんか巫女さん通信を読んでテンション上がってた。

かなり引いた。

ちょっと自重しろと言うと怒られた。

「お前巫女なめんなよ!!決めた、お前いつか日本に連れてって巫女の素晴らしさを叩き込んでやるからな!!」

そのために日本語を教えるとかいうことで、俺のスケジュールに日本語の授業が加わった。

ちなみに、俺も体力の限界でぶっ倒れるんじゃないかと言ったが、治療魔法でセルフリカバリーできる俺なら大丈夫だと言われた。



まあ、こんな生活の中での唯一の救いが紅き翼のネームバリューもあって俺の本バカ売れ状態だということだ。

出す本出す本全て増刷、印税がっぽがっぽ。

アホみたいな金額の印税が手元に入ってくる。

戦争中も暇を見ては書いていたが、最近では料理以外にも書いてる。

『命の危機的絶望級ピンチの乗り越え方』『辛い時に自分を慰める魔法の言葉』『始動キーはよく考えよう』などなど、どの本も読むとなんか異様にリアリティがあると評判だ。

オスティア出版の人たちもベストセラー続出で大喜びしていた。

そして俺も印税生活に向けての布石が整いつつあることで大喜び。

もう十分稼いでいるけど、今ならせっかくネームバリューが使えるんだし、稼げるだけ稼ごうと俺も必死に書いている。

オスティア出版に送られてくるファンレターの中に『料理本に竜の丸焼きなんていうジョークを混ぜるなんてwww』とかあったけど、事実です。

未だ超上級者編に挑むものは出てきていないようだ。

まあ、あんなのに挑むの我が家の生けるバグ共くらいだけどね。

竜とか普通の冒険者なら出会った瞬間死を覚悟するレベルだし。

そういや、竜に味を占めたラカンが戦争中に帝国の古龍相手に喧嘩を売ったこともあった。
より熟成された肉ならさらにうまいはずだとか言ってたが引き分けで終わったらしい。
しかも友情が芽生えたとか言っていた。
世界最強の種族の一つの種族の中でも上位にいる相手に互角ってどうよ。
多分ラカンは人間じゃなくてラカンっていう新しい種族に違いない。




話は本のことに戻るんだが、俺はオスティア出版から新しい本の執筆を依頼された。

タイトルは『サウザンドマスターの親友が語る友人の選び方』


友人の選び方・・・・。

俺が教えて欲しい。

俺の周り見てみろよ、悪い見本のオンパレードだぜ。

まあ俺の場合は、まず選択権が俺になかったんだけどな。

気づけばこんな人外魔境なことになってた。

そんな俺に教えられることなんて・・・・・。


いや、一つあったな。




「人の話を聞かない人は絶対ダメです・・・・・っと」

なあ、あんたもそう思うだろ?





PS 日本語マジ難しい。なんか微妙な表現やら独特な言い回しやら訳がわからん。
翻訳魔法とか誰か作ってくれよ。
あと、詠春さんが巫女さん通信を無理矢理読ませてくるのも・・・・いや、まあ巫女さんもなかなか悪くないよな。食わず嫌いは良くないって学校で先生も言ってたし。
なんか、こう、胸の奥から沸き上がってくるものがあるとか言ったらアルが「その感情を日本では萌えと呼び習わし、女性に対する最上級の褒め言葉であるそうです」とか言ってた。詠春さんが頷いていたけど、アルの言うことは基本的に信用しないのが俺のポリシー。
あと、アルがツンデレとかいうのについて語ってきた。
ツンツンしていて最後にデレッとなることらしい。アリカ様みたいなのだとか。
始めのツンツンがチクチクして痛そうなので俺はゴメンだ。

PS2 テオドラに詠春さんとの事の次第を手紙に書いて送ると「なるほど、つまり妾の場合は皇女萌えということになるわけじゃな」と返ってきた。
「ねーよw」と送り返してやった。

PS3 アリカ様に近況報告の手紙を書くのが俺の担当になっている(他のメンバーはまともに書きそうにない)ので、アルの変態考釈(公爵ではない)が大変困るということと、ツンデレ考釈のことについても書き足して送ると「なるほど、私はツンデレと呼ばれる分類に入るのか」と書かれて返ってきた。
「アリカ様の場合は始めのがツンツンではなくグサッグサッなので違うと思います。あと、デレッとしたとこ見たこと無いのでただグサグサ刺しているだけです」と返した。
「次に主と会う時が楽しみじゃ」と返ってきた。
俺は『命の危機的絶望級ピンチの乗り越え方』を開いた。





あとがき

深夜から朝にかけてのバイトが終わり、眠気にふらつきながら書いてみた。
ストーリー的なものを考えれそうになかったので小話をうとうとと。

体力的に余裕があればもう一話くらい今日中に上げれるかも。


あとがき追加

そろそろ赤松健板に移そうと思います。



[14425] 投獄
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/10 21:56
本日も絶好調に人助けをしている俺だが、アリカ様が投獄されたという報告を受けてびっくりした。

なんでも、戦争のこととか完全なる世界のこととかで濡れ衣を笑えるくらいに被せられたらしい。

メガロメセンブリアの老害共の仕業だとか言っていた。

2年後に処刑されるらしい。

アリカ様が奴隷公認法とかいう法律を決定したこともあって、民心はアリカ様を憎むほうに傾いているようだ。

まあ、あれは奴隷とは言っても過度の暴力とか危険な扱いは禁止されてるし最低限の人権もあるので、実質のところ借金の形になってしまったお手伝いさんと言ったところだろう。

この奴隷公認法も各国にすさまじい数の難民の受け入れを認めさせるために必要なもので、さらに奴隷の扱いについて奴隷とは言えないほどの条件で正式に条約まで結ぶことに成功したアリカ様はなかなかやり手だとアルが言っていた。

まあ、実際奴隷になった人からすればそんなもん知ったこっちゃないんだろう。

世界中に渦巻くやり場の無い憎しみに対する生贄とかアルが言っていたが、そんなこと言ってる場合じゃないだろうとナギを探しに出た。





ナギを見つけたのだが、ナギの眼前にはクルトからの通信映像が浮かび上がっていてナギに罵声を浴びせている。

話を聞く限り、ナギは今すぐにアリカ様を助けるための行動を起こそうとはしていないようだ。

クルトはそのことを怒っているみたいで、メガロメセンブリアの元老院を告発し、アリカ様を救出しなければと言っている。

濡れ衣とはいえ、公的には歴史的に希を見る大犯罪者のアリカ様を助けることは非常に危ない橋だ。

場合によっては、俺たち全員世界の敵に逆戻りになることも覚悟しないといけない。

このままアリカ様を見殺しにすれば、俺たちは英雄のままでいられて、俺も平穏無事に暮らせるようになるのかもしれないが、流石にそれは寝覚めが悪い。

英雄としての名誉と以前からの望みの平穏無事な生活よりも、アリカ様も含めた仲間たちと一緒に世界の敵をやってる方がいいと思うようになったあたり、ナギとかラカンの馬鹿が伝染したのかもしれないなと苦笑がこぼれた。

今回はその感染源のナギが柄にも無くいろいろと悩んでいるようだが、まあ、そっとしとけばそのうち俺の部屋のドアを蹴り破って、いつものように俺を無理矢理連れて助けに行くことになるんだろう。










「おや、ナギと話をしなかったのですか?」

そのまま戻ると、アルが話かけてきた。

「あなたの口から言えばナギはすぐにでも動き出すでしょうに」

「お前だって理由くらいわかってるだろ」

今回のことはナギ自身の決断が重要だ。
英雄が大犯罪者を助けたなんてことが公になると魔法世界に混乱が起きるだろう。
もしかすると、下手すると、またたくさん人が死ぬようなことになるかもしれない。
流石にこれは誰かの意見に身をまかせていいようなことじゃない。

「ふふ、まるで夫を見守る妻のようですね」

変態がきもいことを言うので俺はその場を去ろうとアルに背を向けた。

「それにしても、ナギが動くまで待つ、ですか。
しかし、今回、ナギは本当に必要ですか?」

俺は思わず足を止めた。

後ろからはアルが続けて声を発した。

「あなた自身が動いてみてはいかがですか?
もしあなたがそうすると言うのなら私は協力しますし、ラカンはどうだかわかりませんが、詠春も言いようによっては協力するでしょう、アリカ様を助けるともなればガトウも協力するでしょうし、ガトウが来るならタカミチも、もちろんクルトは喜び勇んで協力する。」

「今回の相手は完全なる世界ではありません。
今言ったメンバーなら、相手は所詮はただの軍隊。助けだせることはまず間違いありません」

「ほら、ナギがいなくても大丈夫」

「囚われのお姫様を助ける王子様になり、物語の主人公として舞台にあがってみてはいかがですか?
私の見る限り、あなたも彼女に少なからず好意を「馬鹿か」」

珍しく真面目な口調で急に何を言い出すのかと思えば、言ってることはいつもみたいな馬鹿話だった。

「王子様なんて柄じゃないのは、この世界の誰よりも俺自身が一番良くわかってる」

まあ、アリカ様に少し惹かれてるとこがあったのは否定しないけど。

始めはただの鉄面皮の唯我独尊な人かと思ってたら、攫われた時には弱々しい態度を見せるし、決戦前夜には俺を死なせないために行動してくれたしって、いろいろとイメージと違う側面見てるうちにな。

あとこれ重要なんだが、あの豊満なボディとかマジ半端無い破壊力。
昔アルが言ってた旧世界の名言の「美人はそれだけでいけない魔法ですな」ってのは真実だと思った。

「旧世界では、始めは情けない主人公が困難を乗り越えて成長するというストーリーはかなり人気があるそうですよ」

乗り越えたって言うよりは壁を破壊しながら進むやつに引きずられたって感じだけどな。

「じゃあ、俺もそろそろ怪我人の治療に戻るからお前も早く仕事に戻れよ」

俺が今度こそ歩き始めると、またもアルの声が届いた。

「私はそういうのもありなんじゃないかと思ったんですけどね」

俺は今度は足を止めること無く返した。

「ねーよ」






あとがき

流石にこの話で笑いをとるのは無理。
ダンに助けに行くのを嫌がらせるのも人道的にどうかと思った。

まあこれが現実なら、普通の人はこんな状況で助けに行くとかあり得ないってことになるんだろうけど、個人的にダンにはそういうキャラになって欲しくなかった。

あと、気づけばアルが悪者っぽくなってしまった。


最後に、もうすぐ20話なので赤松健板に移動することにします。



[14425] 停滞
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/11 16:29
結局あれから数カ月たったものの、ナギが動く様子はない。

いつもは元気なのだが、時折考えこむような表情をするところをみるとまだ悩んでいるようだ。

クルトは一月に一度はナギに発破をかけようとしている。

俺にも一度通信があったのだが、途中からクルトによるアリカ様の素晴らしさを伝える話になっていった。

そのときうっかりして、料理人として誘われたことがあるけど断ったことを言ってしまった。
めちゃくちゃ嫌味を言ってきた挙句に「ぼくだって言われた事ないのに」とか言ってた。
お前は料理できないだろという俺の言葉は無視された。



ガトウさんも独自に事態の調査に乗り出しているらしく、時折連絡が来るのだが、やはり民心は処刑に傾き、メガロメセンブリアの元老院が煽っているらしい。


そんなときに俺たち紅き翼は元気にマギステル・マギをやっている。

ナギは残党を退治するために飛び回ったり、人気を活かして地方を訪問してみんなを元気づけたりしていて、俺は怪我人の治療、アルや詠春さんは子どもたちに勉強を教えたりしている。

そして、当初ラカンは残党退治しか役に立たないと思っていたんだが、最近になって驚異的な働きを見せるようになった。
俺が力仕事でもやらせようと思い、戦争で壊れた畑を耕すのを手伝ってくるように言ったところ、なんとやつはアーティファクトを使った。
無数の剣が畑を耕すのを見たときは開いた口がふさがらなかった。
そのスピードはまさに神速で、瞬く間に畑は以前の倍ほどに耕された。

それ以来ラカンの仕事は畑を耕すことや、家を建てるための木材切りになった。

ラカン自身もみんなにちやほやされて今の仕事がけっこう気に入っているようだ。


まあ、今のところ一番の問題は治療の時の詠唱のせいで俺にロリコン疑惑が立ったりすることなんだけどな。
治療のたびに俺は誤解を解かないといけなくなっている。

小さな子供に「お兄ちゃんってロリコンなの?」と聞かれて、「ダメでしょ。そんな失礼なこと言っちゃ」とその子の親が言い、俺に謝りちょっと離れたところで「世界にはいろんな趣味の人がいるんですからね」と言っているのを聞いたときは泣いた。

アルにその後に「ロリコンでもいいじゃないですか」って言われて幼女について語られた。
詠春さんは「巫女なら幼女でもありだけどな」って言ってた。

テオドラに事情を説明して解決策を求めたところ『久々にワロタ。妾の一族なら同い年でも見た目は十分幼女じゃぞ』と書かれてたので手紙を破った。
テオドラは紅き翼と行動を共にしていたときにアルの影響を受けて変な言葉を使うようになった。

あんなのが皇女のヘラス帝国の未来が心配になった。





そういえば、ついに紅き翼のアニメが放送され始めた。
ダニエル(笑)も健在だった。

迫り来る敵を前に腕を組んで宙に浮かび「ふぅん」とか言って右目から光線出してなぎ払ってた。

そして、なんか強大な敵が近づいてくると右目を抑えて「くっ、この強大な魔力は!!」とか言ってた。

あと、時々右目が暴走しそうになって「俺から離れろ!!どうなっても知らんぞ」とかみんなに言い始めるらしい。



どんどんと現実からかけ離れていくダニエル(笑)に驚いた。
ファンクラブもできたらしいのだが、おそらくダニエル(笑)のファンクラブなのだろう。
ファンクラブのメンバーの人とは会いたくないです。





PS アニメの視聴率は平均30%と新聞に載っていた。
子どもがいる家庭では殆どのところが見ているらしい。
今週のアニメのあらすじが、『要塞に追い詰められた紅き翼。絶体絶命の危機に仲間のためにダニエルが自ら足止めを買ってでた』とあった。
気になって見てみると、ナギたちが「お前一人置いていけるか!!」とか言ってると、ダニエル(笑)は魔法で天井を崩しナギたちとの間に壁を作って自分ひとり残るということをしていた。

現実に俺がそんなことしたら時間稼ぐ前に死ぬよな。

あと、ファンクラブのメンバーの前で詠唱したらどんな顔するんだろうと思った。



[14425] 教導
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/11 22:48
今日はテオドラに頼まれて、戦争中の経験を活かして救助部隊に指導をしてくれと言われた。

給料良かったし詠唱をする必要もなさそうなので快く引き受けた



のだが、なんか部隊の人たちが俺を見てこそこそ話してる

「あれが『英雄の右腕』『戦場の料理人』『紅蓮の瞳(故)』・・・etcと異名をとる人か」

「ああ、パッと見では弱そうに見えるところが恐ろしいな」

「でもなんで救助がメインで行動してるんだろ」

「俺が聞いた話によると力が強すぎて逃げ遅れた人も巻き込んで殺しちゃうかららしいぞ」

「そうなのか!?ちなみに俺が聞いた話によると『戦場の料理人』っていうのは、戦場で料理をするかのごとく相手を殺すからだって聞いたぞ」

「そういえば、あの人が書いた料理本には竜の丸焼きとか載ってたしな」

「そのときの竜って古龍一歩手前くらいの強さだったらしいけど、あの人が無傷で仕留めたらしいぞ」

「もはや次元が違うな」

「しかし、守るために闇の力を身に宿すなんて俺たちには真似できないよな。力に耐え切れなかったら死ぬらしいし」

「ああ、それができるから英雄なんだろうよ」




なんだろう、この状況。

アニメや映画のせいで俺がラカンみたいな人外になってしまっている。

まさかここまでになっているとは。


結局その後ちゃんと指導は終えたのだが、サインをねだられたりしてびっくりした。


そして、今はテオドラとのんびりと話している。

「なんか俺のことが誤解されてた」

「当然じゃ。妾が広めたからな」

おまえか!!

無い胸を張るな!

「よいではないか、損するわけでもないのじゃから」

「ただでさえファンクラブとかできて困惑してるのに」

「それも妾が作ったのじゃ」

こっちもおまえか!!

なんでも他のメンバーにはあるのに俺のだけないから作ってやったとのこと。

できて一ヶ月ほどだが、既に会員は1000人を超えているらしい。

自己犠牲の精神とか、あえて闇の力を身に宿す心の強さとか、映画でダニエル(笑)が時折見せる憂いを帯びた瞳とかが人気らしい。

いい迷惑です、本当にありがとうございました。

「ちなみに、まほネットでスレ立てして自作自演で盛り上げたりしてるのも妾だったりするのじゃ」

氣で強化した腕で角をへし折ることにした。

「いたたた、痛いのじゃ~」

じたばたするものの、腕力なら流石に負けない。

魔力で強化とかされると負けるけどな。

しばらくがんばってみたものの、どうやら予想異常に頑丈なようで折れなかった。

「うう~このロリコンドSめ」

ワンモアセッ!!

「痛いのじゃ~」








「それで、まだナギのやつは動く様子はないのか?」

しばらくたってようやく本題に入ることができた。

もともとこっちの話が本来の用事で、指導はついでらしい。

「まったくあやつも何を迷っておるのじゃ」

ぶつぶつと愚痴を言われる。

みんな俺をナギのマネージャーかなにかと思っているんじゃないだろうか。

「タイムリミットは迫っておるということは忘れてはいかんぞ」

「わかってる」

いざとなればケツひっぱたかないといけないんだろうな。

まあ、ぎりぎりまでは放っておくさ。

「そういえばお腹空いたのじゃ~」

「はいはい、オムライスでいいんだろ?おとなしく待ってろよ」

近くにいたメイドに厨房の場所を案内してもらうことにした。

ここにアルがいたらメイドについて語りだすんだろうな。

しかし、ここのメイドは美人さんばかりなのはなぜなのだろうか。

失敗ばっかりしてる人や、転んでばっかの人もいれば、完璧な人もいる。

やはりメイドは美人しかなれない職種で、うっかり失敗したり転んだりするのも全然ありありなのだ、とアルが力説していたのは本当だったのかもしれない。

帰ったらアルに聞いてみよう。

「のじゃ~」

後ろから情けないテオドラの声が聞こえてきた。

あいつは本当に皇女なのだろうか。



PS 帰ってアルに聞いてみると、10時間に及ぶ萌えメイド講座を受けさせられた。
しかも、萌えメイド講座が終わったら詠春さんによる巫女講座が始まった。
詠春さんが、いつか巫女ばかりの楽園を築いてみせると言っていた。
なんか本当にやりそうで怖かった。
講座の最後の方は「なんで俺の実家は神社の隣じゃないんだ!!これじゃあ巫女さんが幼なじみにならないじゃないか!!しかもその巫女さんが姉妹だったりすればなお良し!!」とか叫んでいた。



[14425] 一斉蜂起
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/13 14:07
今日は大ピンチ。

各地に散らばった残党のいくつかの集団が裏で話をつけて一斉蜂起。

各地で暴れているので紅き翼も分散して対処することになった。

一番人数が多いところにナギ。

二番目に多いところがラカン。

残りの二箇所の内の一つをアル、もう一つを俺と詠春さんで対処することになった。




しかし、現場に来てみると聞いていたより遥かに敵が多かった。

どうやら残党はぎりぎりまで戦力を隠していたらしい。

「ふはははは、青山詠春!貴様もこれでおしまいだな」

残党のリーダーが言うとおりかなりマズイ状況だ。

襲われている村を守りつつ数十の残党を始末しないといけない。

詠春さんも奮闘しているが、住民のほうにも気を配らないといけないのでなかなか敵を倒せない。

俺?俺はほら、あれだよ。避難誘導。









しばらくして、ようやく避難誘導が終わると詠春さんが全力で戦えるようになり、残党も数を減らし始めた。

俺はおとなしく離れたところから観戦している。

このまま勝てるかに思えたが、敵も最悪の手段をとることにためらいはなかった。

敵は人質をとろうとして、避難した住民に向けて数人が向かっていった。

「卑怯な!」

「我々は俗に言う悪の魔法使いだからな」

それもそうだ。



「ちっ、ダン!俺は住民の方に向かう!足止めを任せた!!」

えっ?

ちょっ、ちょっと待ってよ。

相手がまだ十人くらい残ってるのに。

「頼めるな」

詠春さんが真剣な顔で俺に言った。

流石に住民を放っておく訳にもいかない。

しかし、俺も死にたくはない。

「足止めをしろと言いましたが・・・・別に逃げてしまっても構わないんですよね?」

俺の言葉を聞く前に詠春さんは走り去っていった。





俺は必死に逃げた。

すると、なぜか敵は全員で俺を追ってきたので足止めとしては成功なのだろう。

でも俺の命の危険は増大中。

「このままでは埒があかない、全員一斉に攻撃を仕掛けろ!!」

「ちょっと、それタンマ!!」

敵の魔法が一斉に後方から迫ってきて、どうも避けれそうも無い。

俺死んだな。

そう思った時だった。

敵の魔法の前に誰かが踊り出てはじき飛ばした。

「ダン、待たせたな!」

ナギだった。

どうやら、ナギの方はすぐに終わったのだろう。

しかし、どうしてこっちに来たのか分からない。

連絡をとったわけでもない。

しかし、とにかく俺の命は助かった。

目の前では残党が蹂躙されていた。





あとでナギに話を聞いてみると「なんかダンがピンチな気がした」とのこと。

こいつにはセンサーでもついているのか。

もしかすると、俺がどっかで隠居生活を始めてもセンサーで居場所を突き止めたりするのだろうか。

恐ろしい話だ。









PS 残党の始末も終わり村に戻ると住民にめちゃくちゃ感謝された。
俺も逃げてただけだが、それを見ていない住民からすれば自らの身をかえりみず一人足止めに残ってくれた人らしい。
「映画やアニメのとおりの立派な人」とか言われた。

あと、詠春さんがファンだったとかいう女性に告白されてた。
美人で巨乳な人だったのですごく妬ましかった。
しかし、詠春さんは拒否した。
まあ、初めて会った人だから拒否するのはおかしくないけど、全く興味もなさそうな感じだったので聞いてみると。
「あの子は巫女さんじゃないだろ」と言っていた。
その時の顔が、こいつなに当たり前のこと聞いてくるんだみたいな感じだった。

激しくむかついたので巫女さん通信のバックナンバーをこっそり捨てて置いた。
三日くらい部屋から出てこなかった。




あとがき

詠春はもうだめです。
というか、紅き翼がダメです。


このころはまだネギが先生になる20年くらい前じゃなかったっけ?
ネットで年表とかあったの見るとそうなってた。



あと、最近やる夫にハマッた。
やる夫が~~~のようですとかそういうやる夫の話がおもしろい。



[14425] 二ヶ月前
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/13 14:07
アリカ様の処刑の日まで二ヶ月になった。

そんなときに何をしているのかと言うと。

「詠春の住む国ではサクラと言う花を満開、もしくは散り始めに皆で眺めるそうです。

しかし、花というものは満開もしくは散る姿のみが美しいわけではありません。

まだ蕾のものや芽が出たばかりのもの、それぞれに美しさがあります。

花を咲かせようと必死に育つ姿はたとえどんな花であろうと美しいものです。

そして、その姿を眺めているうちに愛しさが湧いてくる。

そういうのも一つの花の楽しみ方です。

つまり、私が何を言いたいのかと言うと、ロリコンも立派な一つの愛の形だと言うことです」

アルによるロリコン講義だった。

既に講義開始から2時間が経過している。

「確かにな。
まだ幼い巫女さんの卵が一人前になろうと必死に努力する姿もそそるものがある」

詠春さんはなにかに納得したように頷いている。

なんで俺こんなことに巻き込まれてるんだろう。

俺はロリコンでも無ければ、詠春さんみたいに特定職ならほとんどの年齢がカバーできるわけでもない。

「いやはや、アル、いつもながらお前の講義は真理をついているよ」

「いえいえ、詠春こそ特定職における見識は私など足元にも及びません」

がっしりと握手を交わす二人。

誇らしげな顔が腹立たしい。

「おっと、そうだ。今日は巫女さん通信の発売日だったんだ」

「そういえば、私もまだ今週のロリっこ通信を4回しか読んでいないんでした」








俺が嘆息しながら部屋に戻ろうとすると、なんか大きなダンボールと手紙が届いていた。

手紙を見てみるとオスティア出版の編集さんからだった。

『先日の倉庫整理で激レアの品を発見しました。
しかし、当編集部にはその属性持ちはいませんでしたので作家の先生方にプレゼントいたします。
個人で楽しむか、知人の属性持ちの方に差し上げてください。
編集部よりの日頃からのお礼です』

属性持ちってなに?

魔法の属性のことか?

なんかよくわからんが、激レアなら悪いものじゃないんだろう。

呪いの一品じゃないといいなあっとダンボールを開封した。

『巫女さん通信 魔法世界ver』と書かれた雑誌が大量に詰め込まれていた。

俺は即座に燃やそうと思い杖を持った。

ロリ・ロリ・ロリータ「ただいま~って、ダン何やってるんだ?杖なんか持って、待て!!!!」

詠春さんが俺の前に飛び出てダンボールを抱き抱えた。

しかし俺の魔法は止まらない。

ロリッ・ロリッ、炎の一矢

炎の矢がダンボールを抱える詠春さんに当たり、詠春さんに火がついた。

「ぐぬぅぅぉおおおおお!やらせはせん!やらせはせん!やらせはせんぞぉぉ!」

自分が燃えててもダンボールを手放さず守り続ける詠春さんに引いた。

「たかが一人の非属性に巫女さん属性の栄光をやらせはせんぞ!!」

結局詠春さんはダンボールを守りきった。

一応治療はしてあげた。




どうやらこれは昔魔法世界で旧世界ブームが起こったころのものだとか。

雑誌の表紙では、魔法世界の様々な種族の様々な年齢の女性が巫女の服装をしている。

しかもこれはかなり古く、販売部数も少なかったので現存しているものが元々少なかった上に大戦のせいでさらに少なくなって、今ではこれみたいに全部数揃っているのは奇跡と言えるレベルだとか。

その筋のオークションにかければ100万ドラクマはくだらないらしい。

その筋がどの筋だかは知らないが、とりあえず貴重なものらしい。

「燃やすくらいなら俺にくれ!いや、どうか私にお譲りください!」

そう言って、恥も外聞も無く即座に日本の伝統の土下座を見せてくれた。

その姿に鬼気迫るものがあったのであげることにした。

すると、すごく感謝されて「いつか俺が巫女さんの理想郷にたどり着いたときはお前にも一人おすそ分けしてやるよ」とかいうわけのわからんことを言われた。


その後、守りぬいた雑誌を読み、鼻血を一筋流しながら恍惚の笑みを浮かべて「これはいいものだ」と言う詠春さんがいた。

詠春さんから話を聞いたアルが『ロリっこ通信 魔法世界エディション』は残っていないのかと聞いてきたので編集部に問い合わせてみた。

後日『英雄色を好むと言いますが、先生もなかなか守備範囲がお広いお方ですね』という手紙と共に届けられた。手紙は破った。

「いつか私がロリっこの(ry」






PS 最近、ラカンがまともに思えてきたから困る。





あとがき

詠春を青山に修正しました。

原作ではアリカを助ける時点で近衛になっていたけど、この作品では現時点では青山と言うことにします。
理由は詠春の趣味のおかげで結婚が遠のいたということで此処は一つお願いします。



[14425] 救出作戦
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/23 16:31
ついにアリカ様の処刑日になった。

みんなも人助けに行かず部屋に集まっている。

さて、どうしたものか。

本気で動かないつもりなのか。

「ダン、あのときの話はまだ有効ですよ」

アル、それは前にも断っただろ。

とは言っても、本気でナギが動かないなら俺たちだけで行くことになるだろう。

なんせあのラカンすらもこうして動くのを待っている。

あと30分。

30分待ってナギが動かなかったら、俺たちだけで行くように提案しよう。

「ナギ・・・・・・」

かちこちと時計の立てる音だけが部屋に響く。

時間の流れるのがひどくゆっくりに感じる。

5分、10分と時間が経つにつれて杖を握る手の力が強くなっていく。

15分、20分。

誰一人何も言わない。

30分が経ち、もう限界だと思い立ち上がった時だった。

「おい、おまえら行くぞ!」

バーンとドアを勢い良く開けてナギが部屋に入ってきた。

おうっとみんなが立ち上がった。

「おせえよ」

でも、これで大丈夫。

アリカ様はより良い方法で助けられる。










処刑場所にたどり着くと、そこは元老院のメンバーと兵隊たちに埋め尽くされていた。

俺たちが着くと同時にアリカ様が谷底に落とされた。

しかし、そこは既に想定の範囲内で、ナギは俺たちとは別行動で救出に向かっている。
俺たちの仕事は兵隊を戦闘不能にして、元老院を捕らえること。
そして、そこから先はガトウさん達にまかせる。
交渉事ならあの人が一番だ。


そして、戦闘が始まった。

まっさきに狙ったのは元老院だった。

まずは元老院を逃げれないように気絶させることが重要だった。

紅き翼の登場に気づいた元老院はすぐに逃げようとしたのだが、アルの重力魔法によって地に伏せることになり為す術も無く意識を刈り取られた。

俺の仕事は元老院のメンバーが逃げ出さないよう杖を奪い縛り上げて見はっておくこと。

それくらいなら任せとけと言ったのだが、考えが甘かった。

元老院のメンバーを助けだそうと兵隊たちが群がってくる。

俺は元老院のメンバーを置いて逃げることもできないのであっさりと囲まれた。

「て、抵抗しなければ命までは奪わない」

しかし、囲んだ後は誰も俺に襲いかからない。

なんでだろうと思っていると、兵隊たちの会話が聞こえてきた。

「お、おまえちょっと攻撃してこいよ」

「ちょっ、ふざけるなよ。俺が殺されるだろうが。お前が行け」

「馬鹿!あいつの持ってる悪魔の力でやられると治療すらできないらしいんだぞ」

どうやら、この兵隊たちもダニエル(笑)を信じているらしい。

なんで元老院の連中も誤解を解いとかないんだろうと思ったけど、よく考えると仕方ないのかも。

結局のところ、これから先も俺たちをプロパガンダに使うつもりで、俺たちが救出に来るとは思ってもみなかったんだろう。

これは今の俺にとっては惟一の命綱。

これを使うことでしか俺が助かる道はない。

現に時々眼帯に手を掛けるだけで兵たちはびくっとしている。

ちょっとおもしろい。

数分間こんなやりとりが続いた。




「な、なら合図で全員突撃だぞ」

「お、おう。相手は一人だ。全員で行けば・・・」

相手もついに突撃を決意したらしい。

「1、2の・・・」

だが残念。


「さ・・あべしっ!」

既に時間稼ぎは十分。
こんだけ時間があれば誰かが来る。

今回はラカンが来てくれたらしく、右パンチで兵隊をたたきつぶした。

回りを見わたせば、既に戦闘は終了していた。



空を見上げれば、アリカ様とナギが飛んでいる。

そして二人はキスをした。

「よかったんですか?」

「アル・・・」

「あのナギがいる場所に、あなたがいる。そんな未来を選ぶこともできました」

いいんだって。

だって、どう見てもあれがハッピーエンドだろ。

「ふふ、そうですね。でも、あなたがそんな人間だからこそ私はあなたを主人公にしてみたかったんですがね」

「ただでさえ、英雄なんてやらされてるんだ。これ以上は勘弁してくれ」

離れたところでクルトがタカミチに怒鳴っていた。

なんか気に入らんことがある様だ。

まあ、あいつは頭いいから他の方法でも考えてたのかもしれない。

俺みたいな凡人からすればこれで十分なんだけどな。

とにかく、これでひとまずはハッピーエンドってことでいいのかな。




PS ガトウさんの交渉で、アリカ様が生きているということが民衆にバレ無い限りは、元老院のほうからアリカ様に手をだすことはないという魔法の契約を執り行った。
こいつらブッ殺したほうがいいんじゃないかとラカンが言ったが、戦争があって荒れている世界に混乱を起こさないためにもそうすべきではなく、こいつらが魔法世界の運営に一役買っていることも事実ということらしい。

難しいことはよくわからなかったが、全部終わったし、俺もようやく一息ついて休めるってことかな。
家に帰ってゆっくりと眠りたい。
明後日が原稿の締切だ。






あとがき

とりあえず、話ができているところまで投稿。
次の話で紅き翼編終了予定。

その後原作編に続くかは未定。


この戦いでダンの仕事をどうするのかが決まらなかったので、ダニエル(笑)に活躍してもらった。



[14425] 旅の終わり
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/24 15:01
「俺の人生、本当に波乱万丈だよな」

今までつけてきた日記を読み返してみるとしみじみとそう思う。

すでに紅き翼のメンバーも散り散りになり、俺も田舎に引っ込んでのんびりと暮らしているんだが、ここにたどり着くまではいろいろとあった。

アリカ様を助け出したところで終わりかと思っていたらそうじゃなかったしな。

姫御子のアスナちゃんを助け出したり、京都ででっかい鬼を封印したり、ナギに惚れた幼女の吸血鬼に呪いをかけたり。

そして、アスナちゃんを日本に送るときにガトウさんが死んだ。

まさかあの人がやられるとは思っていなかったので、ひどく驚いて悲しんだ。

ガトウさんの忘れ形見とも言えるアスナちゃんは、記憶を消して無事日本に送り届けられたらしいので幸せに暮らして欲しい。
まあタカミチが傍にいるし、それなりに腕利きの魔法使いのいる学園にいるらしいから危険はないだろう。
学園では魔法の存在を認識阻害の魔法で隠しているらしいので、もう二度と魔法と関わることも無いはずだ。

京都の鬼?もマジびびった。
あれ絶対古龍レベルだろ。
俺にできることは無かったので、怪我した人の治療をしていた。
全部終わった後に、詠春さんが綺麗な巫女さんとうまいことやっていた。
今では関西呪術協会の長になっているらしい。


幼女の吸血鬼もやばかった。
半端じゃなく強かった。
正面からぶつかり合ったらナギと互角のレベルはあったはずだ。
まあ、落とし穴に落ちて負けたけど。
ちなみに穴を掘るのも手伝わされたし、にんにくとかの買出しに行ったのも俺。


その後しばらくして紅き翼は解散した。
ナギも流石に新婚さんなので俺を引っ張りまわすことは無かった。
まあ、本当はこれからも一緒だ、とか言ってたんだけどアリカ様に怒られてヤメになった。アリカ様ありがとう。

今では、みんながどこにいるのかもわからない。
居場所がわかっているのは詠春さんくらいだろう、みんなどこかに行ってしまった。

少し寂しさも覚えたが、すぐに俺は狂喜乱舞した。

誰にも言わずに田舎に引っ込んだ。
ここ数年は執筆作業もしていない。

お金はあるのだが、田舎なので、というか周りには誰も住んでいないので使う機会があまり無い。
ほとんど自給自足の生活だ。

田舎の村でも紅き翼は有名なので目立つことに気づいた。
目立つ→話が広まる→恨みのある悪の魔法使い襲来というコンボを食らわないためにも人と関わるのは危険。
まあ、死ぬのが怖いから今でも一応修行はやってるけどね。


最近は、あと2年で30になるんだなぁとしみじみと思いながら畑を耕している。
結婚とかすることはないんだろうな。
会う人会う人みんなが紅き翼として見てくるから正直疲れるしやってられない。
未だに変身魔法が使えないのが辛い。多分相性が悪い。
せいぜい数分が限度だ。

旧世界に行くことも考えたが、旧世界の戸籍管理の厳重性を考えるとそっちから居場所がバレる危険性が高くなるのでやめて置いた。








そういや、何年か前にナギが死んだって噂が流れたな。
今では死んだっていう見方が強いし、実際目撃情報なんかも全く無い。

ま、死んでないんだろうけどな。
あれが死ぬとは思えないし、殺せるヤツとかいないだろ。

今でもいつあいつがやってくるかとドキドキしているくらいだ。

「ダン・・・・」

ほら、こんなふうに突然・・・・

「うおっ!ナギ!」

ナギが目の前に浮いている。

どうでもいいが、こいつ全然変わってないな。年取ってんのか?

「ダン、ネギを頼む・・・・・」

ネギ?

ネギなら外の畑で栽培してるから持っていけよ。

なんならキャベツもやるぞ。

ええい、このさい人参もつけてやるから帰れ。

「すまないな。お前にはいつも迷惑ばかり掛ける」

わかってるならちょっとは控えろよ。

さっさとネギとって帰れ。

今年はけっこういい出来だからうまいぞ。

「俺はもう行かないといけない。詳しいことはメルディアナの校長に聞いてくれ」

詳しいことって、ネギはネギだろ。

そんな専門的な知識は俺にはいらねえよ。

ていうか、お前もしかしてあのへんに住んでるのか。

「ダン、ネギを・・・頼む」

ナギはそう言うと消えた。

あいつネギ持って来いってことか?

俺は宅配業者じゃないんだぞ。

旧世界まで配達なんて馬鹿だろ。





まあ、今回は命の危険は無さそうでよかった。





・・・・・・・仕方ない、ネギ持っていってやるか。









あとがき

これで紅き翼編は終了。
アスナ助けるとかその辺の時系列とか詳しいことがわからなかったのでこういう書き方になった。

ここから先続けるかは未定なので続けることもできる終わり方に。





あと、ネギという日本名を知っているのは詠春から日本語を学んだ時と、京都に行ったときのどっちかで知ったということで。
たぶん京都では日本料理くらいは食べてると思うし。
ダンは今魔法世界に居る。

感想にフォークランド紛争と書いてあるのを見て、アスナはその紛争のことを知っているのかを疑問に思った。バカレンジャーだし。



[14425] 異伝 デビルサバイバー 注・意味不明
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/19 20:38
ある日、俺が家で朝食を食べていると足元に魔法陣が展開された。

「え、これ召喚の魔法?」

慌てて杖を持つと同時に俺は光りに包まれた。
人間を召喚できるとかわけがわからん。



俺が目を覚ますとそこは明らかに魔法世界ではなく旧世界の都市だった。

しかも俺の危険センサーがビンビンに反応してる。

横を見ると血まみれのぐちゃぐちゃになって死んでる変なローブみたいなのに体を包んだ人。
こんなスプラッタな死体を見るのも戦争以来だ。

そして、その横にはよく分からない羽の生えた生き物。
妖精?にしては顔が怖い。
俺の知ってる妖精はこんな顔をしていない。

なんで旧世界にこんなのがいるんだろう。

俺が途方にくれているとなぜか妖精?が氷結魔法を使ってきた。
しかし弱い。
俺の障壁でも余裕で防げるとは、少なくとも俺の知っている妖精はもっと強い。

その後も魔法使ってきたので氣で強化した腕で頭を殴ると気絶した。

「人間なのか・・・・しかしなぜ余命が無い」

それが俺と、横に変な悪魔を従えた危険人物センサーにビンビン反応する男ナオヤとの出会いだった。



悪魔を連れてるから魔法世界の人間かと思い、ナオヤに事情を説明したんだが、話の結果どうやらここは魔法世界でも旧世界でもないらしい。
悪魔とか天使を機械で召喚できるとか魔法使いの苦労を返せ。
あと、日本の東京であることはわかった。
詠春さんに教わった日本語が役に立った。

ナオヤが言うには召喚事故らしい、考え込むナオヤが「運命に縛られない人間・・・・使えるかもしれん」とか言ってたのが気になったが、現実問題ナオヤ以外頼れる相手がいないので聞かなかったことにした。

その後、ナオヤからCOMPとかいう機械をもらい使い方を教えてもらったあとに何体か仲魔をもらった。
しかし、その後「自分で生き抜いてみせろ」とか行っておいていかれた。
ちなみに東京は封鎖されているので出たら社会的に生きていけないやばいことになるらしい。

今まで引っ張りまわされてきたので新鮮な感覚だった。


一日目は特に何もなかった。
でも、変なメールがきた。

二日目に問題があった。

公園を悪魔が集団で取り囲んで人間を襲おうとしているのを見つけた。
どうやらCOMPを持っている人が何人かいるけど、多勢に無勢で押されている。

そいつらからも大した魔力は感じられなかった。
ナオヤが言うには日が経つにつれて出てくる悪魔はどんどん強くなっていくらしい。
3日目越すと大悪魔みたいなのも出てくるらしい。
聞いたことある名前とかいたので、そいつらには出会いたくないと思った。

でも、この程度ならまだ助けられるので見殺しにするのもどうかと思って助けにいった。

せっかく助けにいったのに「なんで余命がないんだ」とか言われた。
流石に、俺がこの世界の人間じゃないからだよというのはキチガイにしか思えないので「俺は死なないからさ」と言って置いた。

ナオヤからもらった天使っぽいのを出して悪魔を排除した。
どうやらナオヤからもらった天使はこいつらより断トツにレベルが高いようで苦戦することはなかった。

助けた後にCOMP持ちの中でリーダーっぽい人が「余命が無いということは死なない。しかし彼以外にはそんな人はいない。
つまり、彼だけがこの封鎖された東京と言う名の地獄での唯一の希望」とか言い始めた。

なんかわけのわからないうちに集団のリーダーにされた。
集団の名前はみんなの話し合いで「救世会」になった。
カルト宗教?

3日目

いつのまにか救世会のCOMP持ちメンバーが10人くらいになってた。
あと、COMP無くても持ってる人の近くにいれば悪魔とも戦えるので、腕に自身のある人も戦いに参加するらしい。

なんかみんなが勝手に集団の目的を民間人を助けることにした。
まあ、出来る範囲でならいいかと思って俺も放っておいた。

リーダーは本部から動かないものなので危険はない。
危険も無く、みんなが食料とかは調達してきてくれるからリーダー最高。
そう思って俺はリーダーのままでいたんだが、どうやら俺の考えは甘かったらしく俺はパトロールに無理矢理連れていかれた。

なんか野外音楽堂とか言う場所で悪魔の集団に女性が襲われていた。
とりあえず女性が囲まれているままだとまずいので転移魔法で女性の隣に転移。
いきなり現れた俺に女性が慌てているのを無視して女性を救世会のところに転移。
そして俺も転移というコンボで救出。

俺は魔力を使いすぎて死にそうに疲れた。

あとは救世会のメンバーと遅れてやってきた見知らぬ少年たちが逆に包囲してフルボッコ。
悪魔って合体しまくったらすぐに強くなるからすごいよね。

助けた女性が「なんで助けたんだ」みたいなことを言ってきた。
なんでも自分のせいで東京は悪魔だらけになったとか。
完全なる世界の創造主じゃあるまいし、人間のしかも魔法使いでも無い人にそんなことはできるはずがない。
なんかすごい欝な状態で自殺しそうな雰囲気だったので、悪魔について俺の知る限り語って、君じゃ無理ということについて懇切丁寧に語ってあげた。

2時間に及ぶ苦闘の末にようやく理解してもらえた。
その後は吹っ切れた顔で「精一杯生きてみる」とか言ってた。
ちなみにハルとかいう名前らしい。

なんか少年たちにも感謝された。
余命が無いことも聞かれたけど、詳しいことはナオヤとか言う人探して聞けというと驚いていた。

どうやら少年たちとハルは一緒に行くらしいので、あの実力なら心配ないだろうけど一応救世会の活動場所教えておいた。

メンバーの人が「瞬間移動・・・救世の御業か」とか言っていた。


四日目

メンバーが加速度的に増えていく。

なんか翔門会とかいうところの巫女さんが来た。
髪が花みたいになってて驚いた。

「あなたたちも救いを求めるのなら翔門会の同志となるべきです」とか言われた。
怪しいので断った。
すると、俺の余命にようやく気づいたらしく問いただされた。
副リーダー(前リーダー)が「彼は救いの御子なのだから当然だ」とか言った。

なんか性格が急変した巫女さんに「救いは神の子が・・・」とか語られた。
なんでも救いは神の子とかいうやつがやってくれるから俺にすることはないらしい。やった。
しかし、その後神の子に世界は統治されるとか。
独裁政治?

そして、その後は一切の汚れも無い世界になるとか。
ちなみに日がな一日惰眠を貪ていたりしてもアウトらしい、裁きが下るって言われた。冗談じゃない。
「俺はそんな世界は認めない」って言っておいた。
「汚れをも受け入れる・・・なんとも度量の広いお方だ」とか副リーダーが言っていた。


五日目

悪魔が洒落にならないくらい強くなってきた。
こっちも合体を繰り返して戦力を強化している。

ナオヤがやってきた。
なんか、あいつがうまくいきそうだから不確定要素を消しておこうと思ったが、お前は放っておけば関わろうとしない性質の人間だから別にいいかとか言ってきた。
まずあいつが誰なのかが分からない。

七日目に世界の運命が決まるとか言っていた。


六日目

何時もどうりパトロールして襲われてる人を数の暴力で助ける一日だった。
空がやばい。
危険センサーが爆発しそうだ。

七日目

もはや人間の住む世界じゃなくなった気がする。

しばらくするとナオヤが来て「失敗した」とか言った。
なんでも、神の子候補が封鎖を無理矢理突破して逃亡したらしい。

これで世界は悪魔のものか、悪魔を駆逐して神が支配するものになるとか。
どっちも勘弁。
ナオヤはどっかにいった。

いろいろと考えたかったが、正直それどころじゃなくなった。

救世会のメンバーもみんな人助けで出払っているが抑えきれていない。

悪魔の王と仲間たちみたいなのが暴れていて手のつけようも無い。
あんなのに勝てるはずが無い。
かく言う俺も囲まれて死にそう。
さっきハルが「あいつらにはついて行けなくなった」とか言って救援に来てくれたが状況は好転していない。
ちょっとして髪が花みたいな巫女さんも「彼は真の救い手ではなかったようです」って来てくれたけどそれでも無理。

「こんな時にお前の出番だろうがナギ!」って叫ぶと、「任せろ!」とか聞き覚えのある声が聞こえて俺のCOMPが光り始めた。

なんかCOMPから紅き翼のメンバーが出てきた。
「なんでお前来れるんだよ!!」って言うと「ダンの呼ぶ声が聞こえたからラカンに言うとなんとかしてくれた」とか。
ラカンが空間を引き裂いて俺のいるところに来ようとしてみるとできたらしい。
わけがわからん。

COMPを見てみると全員レベルMAXだった。
もちろんそっからはこっちのターン。

王も仲間もナギたちが倒して、今は残りの悪魔を駆逐している。
こんな展開はありなのかと思ったが、もう諦めた。

すると、俺の前に偉そうなのが出てきて「神の子でも無いものが悪魔の王を倒す・・・これが人の力だと言うのか。
私は早まったのかもしれない。人の子よ、いましばらく私はお前たちを見守ることにしよう」とか言って悪魔の出てくるところを塞いで帰っていった。


その日の内に東京から悪魔はいなくなった。

ナギは「あ、早く帰らないとアリカに怒られる」とか言ってみんなと帰っていった。
帰りたくなったら呼べとのこと。
もうどうだっていい。

とりあえず、目の前で「真の救い手よ。どうか我らをお導きください」とか言って跪いてる花の子と救世会の人たち、そしてそれに続く民衆をどうにかして欲しい。

ハルが「なんだか、おもしろいことになってるじゃないか」と言った。




PS この世界では魔法を一般人に隠すとか考えなくてもいいので怪我人を治療して回っていると「救いの御業・・・・温かい・・・これが愛」とかみんなが言い出してますます傾倒が強くなった。

PS2 俺の戸籍とかは東京が壊滅的打撃を受けてぐちゃぐちゃになっているどさくさに紛れて、元から東京在住ということにすればなんとかなったらしい。

PS3 後日、俺の知らない内に宗教法人・救世会が誕生した。
なんか花の子が巫女さんのポジションにちゃっかりいた。
ハルは救世の歌い手とか恥ずかしい名前で呼ばれてた。
俺は教祖にされていた。
たまにカンペ見ながら集会で話すだけでいいらしい。
とても元の世界に帰れる雰囲気じゃない。

PS4 たまにCOMP(当然ながら、俺以外のは没収されて破壊することになった。俺が所持するのはなんかゴリ押しでなんとかさせたとか)からナギたちが遊びに来るようになった。








あとがき

リアルの方がリアル忙しい。
死ぬほどキツイ。

詳しく考えてる暇がなかったので、なんとなくこんなのを書いてしまった。
特にストーリー考えてないからむちゃくちゃに。
デビルサバイバー知ってる人いるのかな。


落ち着いたらちゃんと投稿します。



[14425] 異伝 デビルサバイバー 後日談1
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/20 07:56
あれから数カ月が経ったんだが、未だに教祖やってる。

そういや、あの事件以来悪魔が日本にちょくちょく出てくるようになった。
なんでも、一度あれだけ魔界と繋がってしまったら閉じても境界が緩くなるとか。
あれだけの事件だったから悪魔のことも隠しきれなくて結局公表することになった。


そこで人を襲う悪魔に対向するべく再びCOMPの出番になった。
しかし、再生産されたCOMPには悪魔召喚の機能はついていなくてハーモナイザーと悪魔の情報を見るだけになっている。
流石に悪魔が召喚できると人間同士の争いになったときにヤバそうだから、自衛隊や警官にハーモナイザーを持たせて戦わせるらしい。
その辺の悪魔ならハーモナイザー持って近代兵器持った自衛隊とかで十分倒せる。
おかげで最近明確に働きが見え出した自衛隊の評判は鰻登りだとか。

いずれは全国民にハーモナイザーを持たせようとして生産しているらしい。

救世会も貴重な悪魔退治のベテランとか言うことで協力要請が来たりする。
もちろんハーモナイザーは与えられている。

しかし、問題はたまに出てくる大悪魔。
国の方でも対悪魔兵器を研究しているらしいけど、まだ完成していないので俺たちが駆り出されることになっている。
俺たちって言うのは救世会の中でも信用できる人間。
救世会の中でも信用できる人間には悪魔召喚機能のついた新型COMPが持たされている。
事件の時のことが評価された結果らしい。
危機管理上、一応そのCOMPは政府の持つスイッチひとつで機能が停止できるようになっている。俺の旧型には関係ないけどな。

俺のCOMPにはいつの間にか天使が勝手に登録されてた、偉そうなやつの仕業か。

まあ、危ないときはナギとかに頼んだらなんとかなっている。

京都が大悪魔に襲われた時とかは、俺がまだなんもしてないのに詠春さんが出てきて「俺は三千世界の巫女さんを守る一振りの剣」とかなんとか言って片付けてた。
自衛隊の人たちが俺を見て「あれが救いの御手の力なのか」とか言ってた。

まあ、最近はそんな毎日を過ごしてる。






*月*日

「というか、高校通え」

アマネに前から思っていたことを言った。
こいつ学校に通ってないんだ。
就職は救世会になるんだろうが、同じ年頃の子とも接するべきだろうとハルと話しあった結果通わせることにした。

渋っていたけど無理矢理高校に通わせることにした。

すると、神の子候補だったとかいう子とその仲間たちを連れて家(本部)に帰ってきた。

なんでも、神の子候補は逃げたことを後悔しているらしい。
それで、事件を解決した?俺のところに相談に来たとか。

正直、学生に「あなたは世界を救わないといけません」って言うのが無茶だと思うのは俺だけだろうか。それどこのゲームの話だよ。
俺が気するなと慰めていると「俺は今度こそ守りたい」とか言って仲間たちと一緒に救世会にはいることになった。

あと、ハル達の知り合いのジンとかいう人が自衛隊に入ったらしい。


*月*日

今日はアマネの高校の参観日。

事件の時に親が死んだらしいので代わりに俺とハルが行くことになった。
誰かが参観日に来てくれるのは初めてらしくて、いつもどうり無表情だがちょっと張り切ってるように見えた。

まあ、行ったら騒ぎになったけどな。
事件のこととかのせいで、こっちの世界でもいつの間にか有名人になっていたらしい。

あと、事件後の悪魔との戦いが生中継されているのを初めて知った。
報道の自由って怖いな。



*月*日

ついに、ハルとアマネに俺が別世界の人間だということを打ち明けた。
けっこう勇気を出して言ったんだけど、わりとあっさりと受け入れられた。
アマネは、そんなことどうだっていいって感じで
ハルは、救世主が現れたと言うよりは信憑性があるとのこと。

「じゃあ俺そろそろ帰っていい?」って聞くと却下された。
多分編集さんが泣いてる気がする、原稿的な意味で。


*月*日

神の子候補にナオヤ元気してる?って聞いてみると、あの事件以来引き篭っているらしい。
ドアの前にご飯置いとくとしばらくしたら空になっているから生きてはいるとのこと。
ナオヤ強く生きろよ。


*月*日

俺、帰れるのかな・・・・。




あとがき

こういうネタ作品は考えずに書いて大丈夫だから時間が無くても少しあいた時間で書ける。
意外とデビルサバイバー知っている人がいて驚いた。

本当にデビルサバイバーは巨乳が多いと思う。
ドリーとかアマネ、15であれは無いだろう。特にドリー。

よくない評判も聞くけど、俺はけっこう好きだった。おっぱい的な意味で。

おっぱいサバイバー




[14425] 異伝 ARIA ~水の惑星~
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/23 15:09
朝起きると、見知らぬ部屋にいた。
ベットに寝ているようだが、ここはどこなのだろう。

「ぷいにゅ~」

おかしいな。
なんか見知らぬ生物がいる。

魔法界でも旧世界でも見たことも聞いたこと無い。

頭の上によじ登ってくる不可思議生命体をどうしたものかと思っているとドアが開いた。

「あ、起きてる!アリシアさ~ん、男の人が目を覚ましました~!」

はひ~と慌ててるんだが、俺の方が慌てたいくらいだ。




下の階に降りると、いっぱい人がいた。
なんか、アリシアとかいう人から話を聞いておもしろそうということで人が集まったらしい。

なんで女の人ばっかりなんだろう。


「・・・・・つまり、俺は昨日この会社の前の海に浮かんでいたと。
ついでに、ここはネオヴェネチアということですか」

そういうことらしい。

昨日は普通に生活してたハズなんだが・・・・・いや、待て

たしか、アルが新しい転移魔法を開発したとかで実験に協力させられて、それから・・・・・・記憶が無い。

答 アルのせい

これからどうしよう・・・・・。
話を聞く限り、ここは旧世界でも無い別世界。
理由としては、まず時代が違うし、違う星に移住なんて聞いたことも無い。

あと、あの不可思議生命体(火星猫というらしい)なんて聞いたことも無い。

唯一の救いは杖も持ってきているということくらいだろう。

「それで、どうしてあんなところに浮いていたんですか」

まあ、別世界だし魔法の秘匿とかは気にしなくてもいいだろう。
誰にもバレないし、むしろ嘘をつくにしても上手い嘘が思い浮かばない。

俺は魔法使いで、仲間の魔法が失敗した影響で別世界からやってきましたと正直に言ってみた。

「すわっ!!嘘をつくならもう少しマシな嘘をつけ!」

ですよね。

「それが嘘じゃないんですよ。ほら」

杖に跨って空を飛んで部屋を飛び回ってみるとみんな驚いてた。

「でっかいびっくりです」

「はひ~、なら料理を出したりもできるんですか?」

どうやら、こっちの世界の魔法使いのイメージは旧世界の絵本とかに出てくる魔法使いのようだ。

「いや、そんな魔法はないなぁ。炎の矢を飛ばしたり、瞬間移動?みたいなのとか怪我の治療とかならできるんだけど」

「炎の矢とはずいぶん物騒だな」

「まあ、俺の世界はつい最近まで戦争中でしたしね。俺も参加してましたし。
それに戦争が無くても魔法使い同士がどこかで戦ってるのが普通でした」

魔法世界の予想外の状況にみんな驚いていた。
魔法世界にメルヘンはありません。リアルのドラゴンとかは会っただけで死亡物です。妖精だって戦います。
スプラッタならご期待に答えられます。

「あらあら、でもどうしてあなたは戦争に参加していたのかしら。
そんなことを進んでやるような人には見えないんだけど」

よくぞ聞いてくれました。

ナギとの出会いから、戦争が終わって英雄扱いされるまでを語った。

すると、ず~んって音がしそうなくらいみんなが落ち込み空気が重くなった。
さっきまで笑顔を絶やさなかったアリシアさんからも笑顔が消えて、顔を俯かせて重い空気を背負っている。

「まあ、その、なんだ・・・元気出せ。今度クルミパンやるから」

晃さんに慰められて、その後もみんなに慰められた。

魔法世界とは違って、ここの人は優しいです。

その後、これからのことが決まるまではARIAカンパニーでお世話になる事になった。
紅き翼の専属料理人の力を見せるときが来たようだ。


それから、一ヶ月くらいARIAカンパニーの料理人として生活をした。
みんな料理を褒めてくれた。別世界の料理をなかなか気に入ったらしい。
他の会社の人も時々食べに来る。

それからさらに一ヶ月くらいしてグランマに出会って、グランマに料理を食べてもらったところ、グランマの出資で料理の店を出すことになった。
ヒモ生活に終止符を打ててよかった。

喫茶ダニエル開店。





店を開いてしばらく経ったが、別世界の料理は好評で店も儲かっている。

アリシアさん達もよく食べに来てくれる常連さんになった。

魔法?杖は倉庫で埃かぶってるよ。

料理は魔法より強し。これネオヴェネツィアでの常識。

「それにしても、ダニエルくんの喫茶店も人気になったわね」

そうですね、これもグランマとグランマに紹介してくれたアリシアさんのおかげ。

「あらあら、まあまあ、そんなことないわ。
お店が成功したのも、この街に馴染んだのも全部ダニエルくんの力よ」

街に馴染んだというか、俺が今まであの殺伐とした世界で生きてきたのがおかしかったんだよな。

「いや、ほんとこの街はいいですね。平和だし、街並みも綺麗で」

「そうね、私もこの街が大好きよ」

「ぷいにゅ~」

店にアリア社長が現れて、俺の体をよじ登り肩に足をかけ、頭に手を置いた。

「あらあら」

「時々現れては俺の頭を占領するんですけど・・・」

「よっぽど気に入られたみたいね」

しかしアリア社長重い。痩せろ。
むちむちぽんぽんとか言ってる場合じゃない。
首が折れる。


そういえば、暁くんって子が時々食べにくるようになった。
本人はアリシアさん目当てのようだが、よく灯里ちゃんにいじわるしてるのを端から見ていると灯里ちゃんと仲良しにしか見えない。
あれか、好きな子にはいじわるしたくなるってやつ。

明日はボッコロの日だ。

*月*日
ボッコロの日の薔薇はアリシアさんに送った。
一番の常連さんへの感謝は忘れてはいけない。
灯里ちゃんは暁くんにもらったらしい。
暁くんは素直じゃない。ツンデレ?


*月*日
ナギ達がやってきた。
アルが転移魔法を完成させて、ラカンが転移時に気合を入れたらこっちに来れるようになったらしい。
俺は店まで出してしまったのでこっちに残ることにしたが、時々こっちに来てもらって編集さんに原稿を届けてもらうことにした。
しばらくはこっちの世界で学んだ料理で本が書ける。
でもあっちで金稼いでても意味ないよな。


*月*日
三大妖精と灯里ちゃんたちがグランマと一緒にやってきた。
料理が美味しいって言ってもらえてよかった。

*月*日
暁くんが来た。
アリシアさんはいないよと言うと落ち込んでいた。
モミ子をからかってくるって言っていた。
やっぱりツンデレ

*月*日
アリシアさんが来た。
灯里ちゃんの成長が嬉しいみたいなことを言っていた。
しかし、時折沈んだ顔をしていた。

*月*日
灯里ちゃんが友達と一緒に来た。
友達が一人前になったお祝いらしい。
サービスで新作の料理を出すと喜んでいた。

*月*日
晃さんとアテナさんが来た。
アリシアが最近元気ないけど、なにか知らないかと聞かれた。
元気ないのは知ってるけど、理由はわからないと言うと、そうかと言って落ちこんでいた。

*月*日
アリシアさんが来た。
溜息ばっかりついていたので、どうしたのかと聞くとぽつぽつと語り始めた。
灯里ちゃんが一人前になれる能力はあるけど、もう少し一緒に居たいと思って決断できない。こんなのいけないことなのに、と言っていた。
俺が「ちょっとくらいわがまま言っててもいいと思う。
灯里ちゃんならそれくらいで怒るとは思わないし、灯里ちゃんが一人前になったことを心から祝福できるようになったときにした方が喜ぶと思う」みたいなことを言うと、お礼を言われた。
元気が出たみたいでよかった。

*月*日
ネオ・ヴェネツィアの観光ガイドにうちの店が載るらしい。
『喫茶ダニエル
ここでしか食べられない料理が数多くあり、地元の人達にも評判のお店。
モーニングセットにランチセットもあります。
水の3大妖精も利用しているそうです。
ネオ・ヴェネツィアに来たらぜひ行ってみてはいかがでしょうか』みたいなことが書かれてて、食事に来る観光客が増えた。

*月*日
ウッディーくんとアルくんが来た。
アルくんは名前がちょっと苦手。

*月*日
明日は海との結婚とか言う日らしい。
暁君が言うには、男がウンディーネに指輪を贈る日らしい。
日本で言うと逆バレンタインか。

アリシアさんが来た。
ウンディーネは海との結婚のときに指輪を海に投げ込まないといけないらしく、指輪をもらっておく必要があるらしい。
俺のでよければ送らせてもらいますと言うと、本気でOKされた。
どうせくれる人いっぱいいるだろうから、冗談のつもりだったんだが。

女性に送る指輪を選ぶのは初めてなのでドキドキした。

*月*日
海との結婚の日。
アリシアさんに指輪を渡した。
左手の薬指にはめてたので驚いたが、そういう決まりらしい。

海にウンディーネの漕ぐゴンドラが並んだ光景は壮観だった。

*月*日
店に来た暁君が落ち込んでた。
理由を聞くと、アリシアさんに指輪を渡そうとしたら既に誰かから貰っていたらしい。
それ俺だ、と言うと首をつかまれてガクガクと揺らされた。


*月*日
今日は新年を迎える日
みんなに誘われたので一緒に行くことに。

お祭り騒ぎでおもしろかった。
最後に新年を迎えるときに何かを投げるのがお決まりらしいので、倉庫で埃をかぶってた杖を投げることにした。

アウグーリオ・ボナーノ!!






あとがき

本編の方はクライマックスをどう書くかで悩み中。
少しずつ草案はまとまってきているので近日中にクライマックスが書けそう。
しかし、戦闘メインの話とかはダンをどう書くかが難しくて困る。
特にアリカ救出のところはナギ以外の参加メンバーは戦っているだけなのでダンが書きづらい。


今回のはふと、ダンが幸せに暮らせるのはARIAみたいな世界くらいじゃないかと思って書いてみた。
アリシアさん達とほのぼのしてるのがしっくりきた。
おそらくダンは生まれる世界を間違えた。



[14425] 異伝 ARIA~その魔法使いの大魔法~
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/23 15:09
まえがき

今回の話は時系列的には海との結婚あたりになります。






ネオ・ヴェネツィアに春が来た。

天気もよくぽかぽかと暖かい今日みたいな日は、通りを歩く人たちも元気が良く笑顔を浮かべている。

「はひ~、今日も疲れました」

灯里ちゃん達が練習の後にここで休憩していくのも見慣れた光景。

そんないつも通りの一日のことだった。


モーニングタイムも終わり、一旦店から客がいなくなった時だった。

カランカランとドアに付いたベルが音を鳴らして来客を告げた。

「いらっしゃいませ・・・アリシアさん」

お客さんはアリシアさんだったのだが、人目でわかるくらい元気が無かった。

「とりあえず、お席にどうぞ」

「ありがとうございます・・・」

ささっと紅茶を入れて出したのだが、飲む様子が無い。

俺は、店のドアに臨時休業の札を掛けてアリシアさんの前の席に座った。

「それで、今日はどうしたんですか?」

「・・・・・できないんです、決断」

ああ、そういえば前にそういう話をしたな。

あれからしばらく経ったけど、まだ灯里ちゃんは片手に手袋をしたままだ。

「ずっと考えてたのに。何度も、何度も灯里ちゃんに言おうと思ったのに。
でも、今が・・・今がとても楽しくて心地よくて。
ずっと今日のままならいいのにって・・・・そう思ってしまって」

アリシアさんはそう言うとギュッと口をつぐんでうなだれた。

俺は、黙って席を立ち倉庫に行き埃をかぶった杖を持ち出した。

久々の感触。

「アリシアさん、ちょっとついてきてくれませんか」

「え?」

俺が店のドアを開けて外に出ると、アリシアさんも少し慌ただしく席を立ち俺に続いた。

荷物を運ぶのに便利だからと購入し、練習したゴンドラに乗り込む。

流石にウンディーネのように綺麗には無理だが、移動するのに問題ない程度にはこげるようになった。

「あの、どこに?」

「・・・アリシアさんに、魔法を見てもらいたくて」

「魔法を?」

「はい」

ゴンドラはゆっくりと海を進み始めた。




ゴンドラを漕いでいる間はお互い無言だった。

波の音と、オールが水をかき分ける音だけが聞こえる。

そうしてしばらく漕いでいると、ようやく目的地にたどり着いた。

「降りてください。ここから少し歩きます」



以前何度か一人で来た道を歩く。

「あっ、ここは」

アリシアさんもようやく気づいたようだ。

ここは前にアリシアさんから聞いた場所。

いつかみんなで来れると良いなと思って何度か下調べをしていた。

草原の丘の上にある一本の桜の木と壊れたバス。

「ここで魔法を?」

「はい、魔法使いダニエルの一世一代の大魔法です」

俺は杖で飛び、バスの上に乗り杖を構えた。

ずっと魔法なんか使っていなかった。

でも、どうやらありがたい事に俺もまだ魔法使いのようで、体が魔法を使う感覚を覚えている。

桜の木に向かって呪文を唱えた。

「吹け 一陣の風 風花 風塵乱舞」

詠唱はいらない。

おそらくそれでちょうどいいくらいの風が吹くはず。



ビュオオと音を立てて強風が起こった。

桜の花びらが舞う。

まるで雪のように舞い落ちる。

「まあ!」

ひらひらと舞い落ちる花びら。

それを見て、アリシアさんは目を輝かせて走り出した。

舞い落ちる花びらの中で踊るようにくるくると回る。

その幻想的な光景を見て、妖精とはよく言ったものだと思った。




しばらくして、ようやく花びらが舞うのが収まった。

「ちょっと前に、毎日が楽しそうな灯里ちゃんを見て、ふと聞いたことがあるんです。
『どの季節が一番好きなのか』って」

-全部です。春はお花が綺麗で、夏は花火が、秋は紅葉が、冬は雪が。
そんなときはいつも、毎日が今日だったらって思いますけど、毎日が今日だと他の季節の楽しさにも、その先にある楽しいことにも出会えなくなっちゃいます。

-だから、私は毎日が大好きなんです。

-季節が過ぎ去るのは悲しいけど、その先にある楽しいことを楽しみにできるから

「そう言ってました」

「そう・・・・その先にある楽しいこと・・・そうね。
ずっと同じところに止まっていたら、その先の楽しいことには出会えないのよね」

アリシアさんはようやくいつものような笑顔を浮かべた。

うん、あれなら大丈夫。

そう確信が持てた。



-それで、俺の魔法はどうでしたか?



-ふふ、素敵な魔法をありがとう。魔法使いさん





あとがき

ようやく7割ほど草案ができた。
感想の中に原作編にはいかないのかというものがありましたが、今は考え中。
原作はキャラが多くて(特にネギのクラス)書き分けが難しい。



それにしても本当に異伝は書きやすい。
すでに主人公のキャラが本編で固まっているからだろうか。



ARIAの中ではアリシアさんが最高だと思う。
しかし、ARIAの二次創作が少ないという現実が残念。
なんでだろう?
ARIAおもしろいよね。



[14425] 英雄の息子
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/26 21:42
久しぶりに旧世界に帰ってきた。

それにしても、ゲートポートでは流石に偽名とか使えないので大変だった。

まあ、受付の女性達にちやほやされるのは悪い気分では無かったが。

サインとか書くのも久しぶりだった。




「校長、ダニエルですけど」

「おお、ダニエルか。待っておったぞ。入れ」

ここに来るのもかなり久しぶりだ。

昔はナギとしょっちゅう連れてこられていたが、もうずいぶんと来ていない。

ドアを開けて中に入ると校長と女性がいた。

「ご無沙汰してます」

「本当にそうじゃのう。もう20年近く前になるか、お前達が魔法学校をやめて旅に出たとき以来じゃ。

そして、その20年近くの間にお前達は数々の功績を上げて英雄になった。

わしはお前たちの活躍を耳にする度に誇らしく思ったものじゃ。

そして、お前たちは大きなことを成し遂げると信じておったぞ」


嘘つくな。

俺たちが中退するときナギの名前しか呼ばなかっただろうが。


「して、その手に持っておるものはなんじゃ?」

「ネギ」












「まったくお前は相変わらず落ち着きが無い。
ネギを頼むと言われて旧世界までネギを届けに来るやつがあるか」

いや、だってナギの子どもがネギって名前だなんて知らなかったし。

ナギもネギなんて名前つけるなよ。

日本に行ったら笑われるぞ。

「ふふふ」

「えっと、校長。俺を笑っているそちらの女性は」

彼女の名前はマクギネスさんというらしく校長の秘書をやっているらしい。

このエロ校長、ちゃっかり美人を秘書にしてやがる。

老人よりも女っ気ない生活送ってる俺ってどうなんだろう。

「すみません、どうにもイメージと違ったので」

イメージ?

ああ、ダニエル(笑)ね。

あれ9割方フィクションだから。

「それで校長。ナギから校長に話を聞けって言われてるんですが」

「おお、そうじゃ。ナギからは手紙を預かっておるんじゃ。ほれ、これじゃ」

校長のところにもナギが現れて手紙を置いて消えたらしい。

とりあえず手紙を読んでみるか。

「・・・・・・・・・・・・あいつ何考えてんだ」

手紙にはネギが魔法学校を卒業するまで面倒を見てやってくれと書かれていた。

とりあえず校長に抗議した。

「なるほどのぉ。よいではないか」

よくねえよ。

ナギの息子なんかと関わってたら命がいくつあっても足りない。

「あの子は本当に不幸な子なんじゃ・・・・」

ネギは住んでいた村が悪魔の大群に襲われたらしい。

そして村人はネギと親戚の姉(とはいってもまだ子供)を残して石化。

しかもその石化は高位悪魔によるもので解ける人間が居ない。

俺も石化なら治療できるが、高位悪魔の石化は人間のものとはレベルが違うので無理。

おそらくは馬鹿みたいな魔力、ナギみたいなやつじゃないと無理だけど、ナギは治療魔法なんて知らない。

そういうわけで、今はウェールズで生き残りの二人で生活しているらしい。

「じゃから、頼めんかの?」

「はいはい、わかったよ」

ここで断ったら俺が悪者みたいじゃないか。

ああ、俺の平穏な農夫生活よ。さようなら

「でも、俺子供の育て方なんか知らないぞ」

ずっと戦争やってたんだ、子供の相手なんかした事はほとんどない。

「それもそうじゃのう・・・・。
片親だけで育てるのはできるだけ避けるのが子供のためじゃし、ネカネ君もまだまだ子供じゃ。
・・・・・マクギネス君、どうじゃ?君がネギ君の母親がわりになってやらんか?
なに、ネギ君が魔法学校を卒業するまでじゃ」

マクギネスさんか、まあ俺一人よりはずっといいだろうし女性のほうが子育ては上手いだろう。

「俺からもお願いできますか?」

マクギネスさんががんばってくれたら俺はできるだけナギの息子と関わらなくてよくなる。

スプリングフィールドの一族は俺にとって鬼門。

「え、あっはい!私でよければ」

まあ、初対面の男と暮らすっていうのも嫌だろうから俺は別の家に住むから。

いや、スプリングフィールドと関わるのが嫌なわけじゃないよ?

勘違いしないでね。

とりあえず俺の家は隣にしとくから。

イギリスの隣だからベルギーね。

あ、家に行く時にはワッフル持っていくから。

「いえ、同じ家で平気ですよ」

いや、そういうわけにもいかないでしょ。

ベルギーがダメならアイルランドにしとくよ。

ちょっと寒いけど暖房つけてたら大丈夫だろうし。

「ダニエル、一緒に住まんと意味が無いじゃろう」

くそ・・・・・。

とりあえず、俺の部屋には結界貼らないと。

「あと問題があるとすれば生活費じゃのう」

ああ、そういえばナギはマギステル・マギって名前のニートだったから蓄えなんかないのか。

まあ、そっちのほうは俺が出すから良いや。

魔法世界の貯金をこっちの通貨に換えれば豪邸建てて使用人雇うくらいなら余裕。

「そういえば、本をかなり出版して稼いでおったな。
じゃが、使用人を雇って面倒を見させるのはダメじゃぞ」

読まれてるか。

「ちゃんと料理もお前たちで作ってやるんじゃぞ」

料理なら任せてもらって大丈夫。

魔法の指導とかは無理だけど。

指導とかしたら特訓中に俺が撃墜されそう。

「それじゃあ、二人ともよろしく頼むぞ」

「はい」

「・・・・はい」

スプリングフィールドから逃げられる日は来るのだろうか。

憂鬱だ。












その日マクギネスさんが友人に送ったメール


キターッ!!

まさかダニエルさんと同棲する日が来るとは・・・・・なんという僥倖。

これはきっと神様がファンクラブ会員NO8の私にくれたプレゼントに違いありません。

今日からネギ君が卒業するまで夫婦のような生活。

ダニエルさんは料理が得意だというのは本も全部持っているからわかっているから、私は他の家事を担当。

つまり毎日ダニエルさんの手料理が食べられる!

圧倒的幸福!

天の意志が私にこのまま結婚まで持っていけと告げている!

神よ、もっと私を祝福しなさい!












あとがき

なんだこれは・・・・。

風邪で頭がぼーっとしてるところに書いてみるとマクギネスさんがひどいことになってた。

まあ、マクギネスさんとくっつくことは無いと思うし、いいか。


おそらくエヴァとくっつくことも無い。

ダンにエヴァみたいな真祖に近づく度胸はない。


ちなみに、麻帆良で俺が好きなキャラは刹那と木乃香としずな先生と柿崎と那波、朝倉に千雨に大河内に裕奈に茶々丸と盛りだくさん。

誰かと絡ませてみたいけど、今のところそんな予定はない。

麻帆良に深く関わらせたりすると書き分け難しくて大変。

タカミチとかアルとの絡みはあると思う。

あと、ダンは千雨みたいな比較的一般的な感性の持ち主と仲良くなれそう。



[14425] 偽物疑惑
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/27 14:47
「俺はダニエル、君のお父さんの友達?だ」

「私はマクギネスよ。よろしくねネギ君」

「は、はい!僕はネギ・スプリングフィールドです!よろしくお願いします」

あれ?

こいつ偽物か。

ナギとアリカ様の息子がこんなに礼儀正しいはずがない。

出会い頭に魔法の射手くらいは覚悟して障壁張る準備してるんだけど。

でも、見た感じは小さい頃のナギにそっくりだ。

マクギネスさんにこっそりと聞いてみるとナギの息子で間違いないという。

そして俺は閃いた。

ナギとアリカ様の強烈な遺伝子が混ざり合って化学反応を起こしたに違いないと。

そしてさらに閃いた。

このままきちんと育てればいい子のままに違いない。

ちょっとやる気出てきた。

「私はネカネです。ご迷惑をおかけしますがどうぞよろしくお願いします」

二人ともまともなようで安心した。

「本当、ダニエルさんみたいな有名な人に私たちの面倒を見てもらうなんて恐縮です。
それに、生活費まで・・・・・」

この子もダニエル(笑)のほうのイメージなんだろうなぁ。

「生活費はナギの責任だから二人が気にする必要は無いって。

それに、あのまま魔法世界にいても使うことが無かったしね。

街とか出るとおちおち買い物もできなくて」

「確かに有名ですからね。魔法関係者では知らない人などいないでしょう。
まあ、それは有名税というものですよ」

ならマクギネスさんも味わってみると良い。

あんな税を納めるくらいなら、貯金も全部募金するしネームバリューも消え去っても良い。

屋台で買い物しようとするだけで「ひえ~。うちではあなたのようなお方に差し出せるほどの上等なものを扱っておりません」とか言われるんだぞ。

ラカンとかは普通に屋台とかでも違和感が無いのか、一度だけ遠目にラカンが屋台で酒を飲ん出るのを見たことがある。見つかる前にダッシュで逃げたが。

やっぱりダニエル(笑)のイメージか。








ネギ達と話していると、やはりナギは優秀な生徒だったというのがネギの考えらしい。

まあ、中退とか言ってしまうと父親に憧れているらしいネギが同じ道を辿るといけないので黙っておいた。

あと、魔法を教えてくれと頼まれたので断ろうと思ったのだが、どうやら基本魔法を覚えたばかりで魔法の射手には未挑戦らしい。

それにしてもその年で基本魔法を覚えている時点で驚きだ。

俺はこの年では基本魔法をせいぜい2つくらい(しかも練度が低い)しか使えなかった。

まあ、一矢くらいなら俺にも教えられるので、とりあえずアドバイスをした後に試してみるように言ってみた。

3回目で成功した。吹き出した。

俺一矢出せるようになるまでに3ヶ月くらいかかったんだけどな。

やっぱりこいつはナギの息子のようだ。魔力もナギほどじゃないが尋常じゃないレベルに多い。

もう魔法を教えるのはマクギネスさんに任せることにした。

魔法学校に務めている人のほうがが教えるのは上手いからと言っておいたが、実際はこれ以上ネギとナギがかぶるところを見るのが怖かったから。

対してネカネの方は優秀ではあるものの常識の範囲内だったので凄く落ち着いた。

これでネカネまでネギみたいだったら俺は初日に家出をしていた。




「ダニエルさんはすごい魔法が使えるんですよね」

ごめんネギ、俺この数年間ずっと転移魔法の練習しかしてないんだ。

あれ逃げるときに便利なんだよ。

おかげで自分を短距離転移させるのなら無詠唱でできるようになったけど、攻撃力は平均以下なんだ。

絶対マクギネスさんの方が数段上の攻撃力だと思う。

逃げと治療なら任せてくれ。



その後俺は「あ、魔法の射手二つ出せた!」とネギの喜ぶ声を聞いて、部屋にこもって寝ることを決めた。




PS マクギネスさんに、仮にも父親の役目をする人が働いていないのは教育に悪そうと言われた。
まあ、作家の仕事も旧世界に住むんだったらしばらくは休業するつもりだったしな。原稿届けれないし。

そして、それをマクギネスさんから聞いた校長に勝手にNGO入りを決められた。
人助けの一環として悪の魔法使いも相手にするところらしい。
もちろん抗議をしたがノークレームノーリターンでと断られた。

なにが悲しくてただ働きしないといけないんだ。
そんなのマギステル・マギに任せとけよと言うと「お前がマギステル・マギの代表のようなものじゃろう」と言われた。それは俺じゃなくて(笑)の方だ。
「確かに、あのころとは違い、今のお前にとってはその辺の悪の魔法使いなんぞ物足りないのはわかっておる」って、物足りないどころか十分危険だって。

来週からさっそく仕事があるらしい。
しかも初仕事が悪の魔法使いのアジトを潰しに行くとのこと。







あとがき

今日はなんとなく感想板より

>何処え行ったエヴァフラグ!?

どこも何も俺の中ではエヴァフラグ?それおいしいの?って状態だった。
理由は俺が、幼女より大人っぽい方が好きだから。エヴァの大人ボディは幻術だから不可。
ただそれだけの理由。

>作者は鬼か

この感想によってエヴァと多く絡ませておきながら、あえて最後に違う人とくっつけるという流れが思い浮かんだ。

>ダンのヒロインは誰になるんですか?

そもそも前提が間違っていたりする。
ダンがヒロイン。



[14425] 鈍器コング
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/28 16:27
まえがき

今回はなんというかカオスです。







いってらっしゃいとネギたちに見送られて初出勤。

校長に転移魔法で合流地点まで送ってもらったのだが。

ドドドドド

チュイン

頬が裂け、血がでた。

なんか既にドンパチをやらかしていた。

しかも明らかに悪の魔法使いって感じのやつがいるところと、NGOらしき人達がいるところの間に俺が立っている。

しかも悪の魔法使いは銃を装備している。

NGO?の人たちは物陰に隠れて隙を見ては魔法の射手を打っている。

これ以上ここにいるのは危険だと思い、急いで短距離転移でNGOらしき人たちのところに向かった。









やはりNGOの人たちだったらしい。

そして、事情を聞くと悪の魔法使いたちがNGOの動きを知り先手を打ってキャンプに奇襲を仕掛けてきたらしい。

もちろんそれで簡単にやられるわけも無く交戦していたのだが、やつらは銃を装備しているので近寄ることができなくて戦況は芳しくないとか。

銃は本当に怖い。

魔法みたいに詠唱もいらないから速射性は銃の方が上、連射性もあっちが上、威力も申し分ない。
しかも魔法より速い。
魔法の射手とかだとがんばったら避けれるけど銃の弾はまず見えない。

旧世界の兵器は本当に恐ろしいと思う。

「だが、ダニエル殿が来てくれたのです。
あんな連中を蹴散らす事など赤子の手をひねるようなもの!」

いや、無理。

あんな弾幕張られてたらどうしようもないだろ。

あれ絶対マシンガンとかもあるぞ。

こっちには銃は無いのかよ。

「我々正義の魔法使いはあのような野蛮なものには頼らないのです!!」

あれが野蛮だというのならその手に持ったモーニングスターはなんだ。

中世かここは!

「これでやつらに正義の鉄槌を味合わせることこそ私の至上の喜びであり、生きがいです」

中世の棘付き棍棒VSマシンガン

やばい、勝てる気がしない。

いや、まだ他のメンバーがいるはず。

かすかな希望を持って他のメンバーを見てみた。

その結果他のメンバーも杖以外には、似たりよったりな中世よろしく的な武器しか持っていないということがわかった。

詰んだ。




「ダニエル殿、どうかご指示を!!」

この状況で?

とりあえず退却しようよ。

「正義が悪に背を向けて逃げるなど言語道断です!」

じゃあ、もう突撃でもしてきたら?

正義の魔法使いには悪の魔法使いの銃弾なんか当たらないでしょ。

「なるほど、それは名案です!

全員魔法の射手一斉射の後突撃だ!!」

おおーっとみんなが声を上げた。

ここはいつの時代の戦いをしているんだ。

校長、せめて現代的な場所を選んでくれ。



「放てーーーー!!」という声と共に打ち出した魔法の射手は敵を一瞬ひるませた。

その隙に全員(俺を除く)が物陰から飛び出し敵に向かって走り出した。

杖で空をとぶことすらしない。

もちろん敵もすぐに足並みを揃え直して弾幕を貼り直した。

しかし突撃は止まらなかった。

「正義である我々にこのようなものが当たるはずは無い!!」

リーダーが先頭を突っ走る。

あ、足に弾が当たった。

「ぐっ、我々に当たるはずはない。だからこれは気のせいだ!!」

しかし止まらなかった。

気のせいってなんだよ。

血が出てるし、ズボンが赤く染まりだした。

「おお、燃え盛るような我が魂に当てられて衣類まで赤くなり始めたぞ!!」

だからそれは血だって。

他のメンバーも似たり寄ったりなようで、気のせいとか言う声が聞こえてくる。

悪の魔法使いのほうを見てみると凄く困惑していた。

気持ちはわかる。

こいつらどこの原始人だよ。

「捉えた!!くらえ正義の鉄槌!」

結局最後まで止まることの無かった原始人達の武器は悪の魔法使いたちの脳天に振り下ろされた。










「それにしても、ダニエル殿が来てくださって助かりましたな」

いや、俺なにもしてないぞ。

「ダニエル殿の言うとおり、我々には銃弾なんぞ一つもかすりもしませんでした」

かするどころか直撃してたぞ。

ほら、その足とか・・・・ってうおおお!!

こいつらいつの間にか傷ふさがってる!

銃で打たれた傷が治療魔法無しに1時間もたたないうちに治るってどうよ。

「我々正義の魔法使いが負けるはずが無いと言うことですな」

正義の魔法使いって、お前ら魔法じゃなくてほとんど武器で直接攻撃してただろ。

正義の鈍器使いくらいにしとけって。

あと、縛り上げてる悪の魔法使いたちが頭から血流しながらびくんびくん跳ねるように痙攣してるぞ。

「やつらは心を入れ直しているところなのでしょう」

心入れなおす前に死にそうなんだが。

ちょっと治療魔法かけてくる。

「おお、なんという慈悲深さ!

はずかしながら我々のメンバーは攻撃魔法以外使えない者ばかりなのです」

防御魔法も使えないのかよ!


「私は元々魔法使いとしては落ちこぼれでして、マギステル・マギなんぞ到底目指せるものでもないと思い、仕方なくただひたすらとモーニングスターを振る日々を送っていました。
あの頃はなんで自分はこんな無駄なことをやっているんだろうと思ってばかりいました」

なんでマギステル・マギが目指せなかったら、仕方なくモーニングスターを振ることになるんだ。

無駄だと思うならそこでやめろよ。

「しかし、ふとしたことからNGOに入ってからは、このモーニングスターも振りどころを見つけることができたのであの日々は無駄ではありませんでした」

とりあえず、せめて魔法使おうぜ。

鈍器を使って撲殺する正義の味方とかいないって。

ビジュアル的にまずいものがある。



「ところで、ダニエル殿はどのような鈍器がお好みですか?

うちにはいろいろな種類の鈍器があるので、きっと希望に答えられると思います」

俺はいらないって。

うわ、モーニングスター持たせるな!

返り血がまだべっとりとついてるだろ。

みんなも自分の鈍器とお揃いにしようとか言うな。

そこの女の子、ペア鈍器ってなんだよ!





PS 鈍器からはなんとか解放された。
疲れたので家に帰ることにした。

家に帰ると、ネギが「魔法の射手4本できました」って言ってきた。
笑顔で頭を撫でてあげた。

そしてふて寝した。







あとがき

感想を見ていて、そういやダンのフルネームってなんだっけと自分でも思ったが、よく考えると元から存在してなかった。
まあ、今更だしても仕方ないのであくまでダニエルで。




[14425] 赤紙?
Name: 七星◆ab5dd278 ID:61aaa80b
Date: 2009/12/29 11:16
今日はネギの入学式だった。

もちろんスーツ着て出席。

マクギネスさんも校長から保護者として出席していいと言われたらしく俺の横に座っている。

しかし、予想していたことなのだがひどく注目されている。

「なんでダニエル様がいるのかしら」

「なんでもナギのかわりにネギ君を育てているらしいぞ」

「まあ、それは素晴らしい。きっとネギ君は立派なマギステル・マギになるわね」

「それはともかく後でサインでももらえないものかな」

「そうね。できれば握手とかも」

非常に肩身が狭い。

その後もひそひそと聞こえてくる声を聞きながら入学式は終わった。





家に帰ってみるとネカネが、がくがくと震えていた。

「だ、ダニエルさん!こ、これ・・・・」

ネカネが差し出してきたのは手紙だった。

これがどうかしたのか?

差出人は・・・・テオドラか。

「テオドラって、あのヘラス帝国のテオドラ様ですよね?」

うん、そうだよ。

もう何年も会ってないけどなんでここにいるのがわかったんだろう?

まあ、普通にここで生活してるし、話が広まっていてもおかしくないか。

魔法協会とかは絶対知ってるだろうし。

でも、なんのようなんだ?

『ちょっと来てくれ』

これだけかよ!!

もうちょっと理由とか書けよ。

仕方ない、ちょっと行ってくるわ。

「は、はい・・・・お気をつけて」

いや、なにも赤紙もらって戦争行くわけじゃないんだからさ。

じゃあ、みんなには言っておいて。









「呼んでみただけ~なのじゃ」

頭をぶん殴ってやった。

なんでも漫画で呼んでみただけというのがあってやってみたとか。

それは名前を呼ぶんだよ!

こんな長距離をいたずらで呼ぶな!

お前マジ角へし折るぞ。

チェーンソーとか使えば流石に切れるだろう。

旧世界の農作業具なめるなよ。

「いや、ここ数年行方不明だった主が急に発見されて、しかもナギの息子を育てていると知ってな。
どんな愉快なことになっているのか聞いてみようと思ったのじゃ」

ああ、ネギね。

あれマジでナギの息子なのかってくらい礼儀正しいぞ。

「・・・・・それは・・・釣りか?」

いや、ガチリアルに真実。

しかも魔法の練習もマジメでいつも自分で練習してる。

やっぱり才能の方はナギ譲りで半端じゃないわ。

「あれの息子が真面目とは、生命の神秘じゃな」

いやまったく。

まあナギがすごくマジメで優秀な魔法使いだと思っているみたいで、ナギに憧れてナギみたいになりたいと思っているみたいだけどな。

「真実を知った時が空恐ろしい。
本当にナギのようになったりするとどうなるのじゃ」

だから今はナギのことをひた隠しにして真面目なままでいてもらってる。

あと、ナギからの手紙に自分たちのことを話さないようにって書いてあったし。

「ダニエル、一人の立派なマギステル・マギが誕生するか、魔王が誕生するか。
魔法世界の運命は再び主の手にあるようじゃぞ」

そいつは責任重大だな。

まあ、ネギのほうは流石にナギレベルまでの魔力とか持ってなさそうだし。

もし戦うことになってもベテランを数人ぶつければ十分やりあえると思うぞ。

戦争時代と違って今の時代だと実戦経験とかあんまり詰めないだろうから、その辺突いていけばなんとかなる。

というか、多分あれだ。

ネギ絶対に人とか殺せないタイプ。

「まあ、旧世界ではそれが普通じゃろう。
むしろ主らのように13などという年で戦争に参加する方がおかしいのじゃ」

俺は巻き込まれただけなんだけどね。

まああっちではそれが普通ってのは同意。

俺も人殺すのとかすごい抵抗あったし。

実際戦争やってるとそんなこと言ってる余裕なかったけどな。

治療魔法使いとか真っ先に狙われるから死なないためには殺さないといけない場面もあったし。

「まあ、13才の主の場合はまず戦闘力では周囲と比べると遥かに劣るからのぅ。
殺す殺さないなどといったことはそれに見合う実力をもってからの問題じゃ」

まあ、戦闘力が周りの一般魔法使いにも劣ってたから奇襲とかみたいに裏をかく以外ではまず勝てなかったけどな。

「まあ、その話は置いといてじゃ。
ダニエル、主は結局結婚はしなかったんじゃの」

相手が居ないということを答える悲しみがわかるか?

「あの詠春ですら結婚したというのに」

まて、ラカンとかアルもしてないはずだろ。

「ラカンはほら、あれじゃし。アルは好みの人が結婚可能年齢外じゃぞ」

そういえばそうだったな。

あいつらって今はどうしてるんだ?

「二人とも行方知れずじゃ。どこでなにしているのやら。

それにしても、主が結婚をしてないから魔法協会がどこかの名家の娘と結婚させた上で協会の名誉職につけて広告塔にしようという案も出てたんじゃぞ」

なにそれ怖い。

でてたってことはもう消えたんだよね?

「当然妾が潰してやった」

流石テオドラ。

今なら角をチョコでコーティングしてやっても良い。

「ナギ×ダニエルが鉄板じゃからな」

やっぱりその角折るわ。

ちょっと角貸せ。

「やめるのじゃ~」

くそ、やっぱり固いな。

今度来るときはチェーンソーも持ってくるか。

「それでこれが一番大切なことなんじゃが・・・チャーハンが食べたい」

はいはい、半球型に盛って旗立ててるやつだよな

「のじゃ~」




PS 知らないメイドさんが増えていた。
俺がいきなり調理場に行くと以前からいる人以外はかなり驚いていた。

まあ、その人達からすれば英雄がいきなり厨房に来てチャーハンを作り始めたわけだから仕方ない。

なんでか福神漬があることに驚いた。
チャーハンの横にセットしておいてやったが、福神漬にまぎれて同じような形に切った唐辛子をまぜてやった。

案の定「辛いのじゃ~」と言ってコップに手を伸ばし勢い良く飲み始めたが、残念それは酢だった。
ぶはーっと酢を勢い良く吹き出した後に水を求めてテオドラは「のじゃ~」と言いながら走り去って行った。




あとがき

マジックモーニングスターおはようマイマザー一番星君グレートとか出したらやべえ。

あと、ふとペルソナ3が思い浮かんで、ダンの場合はもう一人の自分って絶対ダニエル(笑)がでてくるよなぁと思った。絶対ニュクスとかにも負けない。
書いてみたいとも思ったけど、ストーリーあんまり詳しく知らないから諦めた。
アイギスかわいいです。なるほどな~(棒読み)


あと、エンディングの曲がよかった。「キミの記憶」最高。

化物語の「君の知らない物語」って曲も良かった。千石かわいかった。



[14425] 紅翼無双
Name: 七星◆54cd1b68 ID:7142eb7a
Date: 2009/12/30 11:41
「そういえば、ネギの村が悪魔に襲われたという事件じゃが・・・・元老院が怪しいかもしれん」

テオドラからはかなり不安にさせるようなことを言われた。

確かにナギとアリカ様の息子がいるなんて言う事実は元老院からしたら殺してでも消しさりたいくらいのものだろう。

「まあ、今は考えても詮なきことじゃ。
とりあえず、最近発売されたこのゲームでもしてみんか」

『紅翼無双』

これなんて地雷ゲー?

テオドラと二人プレイしてみることにした。

キャラクターは紅き翼のメンバーから選べるようなのでテオドラはナギを、俺はダニエル(笑)を選んでやってみた。





だが、これはひどい。

ザコキャラの攻撃とかいくらくらっても体力ゲージが1ミリくらいも減らない。

こっちの攻撃一発で攻撃の射線上にいる敵は全滅。

なんという糞ゲーだと思っているとボスが出てきた。

流石にボスの能力は高く設定されているらしく体力ゲージがガンガンと減っていく。

あ、ダニエル(笑)死んだ。




「まだだ!俺たちは負けるわけにはいかないんだ!!」



体力ゲージがマックスまで復活。

こいつ死なないんだけど。

ナギの方も死んだが、やはり復活。

ボスの体力ゲージはまだ半分以上残っている。

すると、俺の方の無双ゲージが貯まったので無双を使ってみた。

「今こそ目覚めろ、俺の中に眠る悪魔の力よ!」

ダニエル(笑)の体を黒い影のようなものが覆い、翼や角が構成されていった。

こいつまんま悪魔だろ!

「くらえ!」

ダニエル(笑)の腕から放たれた光線でボスは一撃で死んだ。




「・・・・・なあ、他のゲームにしよう」

「そうじゃな」

結局ぷよぽよとかやった。

テオドラの13連鎖は反則過ぎる。


テオドラとゲームとかして1週間ほど滞在した。

そろそろ帰らないとまずいかなと思いテオドラに別れを告げて家に帰ることにした。

お土産もいっぱい買って帰ることにした。



家に着くとネカネが超驚いてた。

死んだかと思ったって半泣きだった。

いや、久しぶりに昔の友達に会ってただけだから。

俺のいない間にタカミチが訪ねてきたらしい。

目的はネギだったようだから俺はいなくても大丈夫だったようだ。

あいつもネギのことを心配してるんだな。


ネギは最近仲良くなったアーニャという子と魔法の練習をしていた。

アーニャにネギのことよろしくねと言っておいた。



PS マクギネスさんが仕事から帰ってきて、俺がいるのを見ると驚いていた。
どこに行っていたんですかとか言われたので、昔の友達のところって言うと、女ですかと言われた。
一応女と言うと不倫だとかなんとか言われた。
不倫ってなにさ。



あとがき

本編始まらないとすごい書くことが無いので次の話で唐突にネギが卒業することになりそう。

というか、ネギが本編に入らないとダンらしさが出せない。

おはようマイマザー一番星君グレートの影響で久しぶりにバスタードを読みなおした。

やっぱりDS半端じゃないな。

もはやわけがわからんくらいにぶっ飛んでいる。

1巻と26巻とか画力がまるで違う。

早く続きを書いて欲しいと思う。



[14425] そうだ、京都に行こう
Name: 七星◆54cd1b68 ID:d640353c
Date: 2009/12/31 11:19
時は過ぎ、ついにネギが卒業した。

本当はもっと長いはずなのだが、ネギは飛び級して卒業してしまった。

どれだけ優秀なんだ。

もうすでに上級魔法を使えるようにもなっている。

いや、ほんと卒業するまではいろいろとあった。

ネギがエロオコジョを拾ってきて、サバイバル精神旺盛な俺が食料と間違えて鍋に放り込んでしまったり。

ネギの魔法の練習を見ていたらこっちに向かって千の雷が飛んできたから必死で逃げたり。

マクギネスさんが背中を流すとか言って風呂に乱入してきたり。

マクギネスさんが・・・ネギが・・・マクギネスさんが・・・ネギが・・・・。

しかし、そんな毎日とも今日でおさらば。

あとはネギと最後にお別れしておしまい。

俺は晴れて自由の身となる。

「ダニエルさ~ん、僕日本で先生やることになりました~」

日本で先生?!

労働基準法はどうした!

卒業試験ってそんなのなの?

もっと魔法でマギステル・マギ的なものを用意しろよ。

NGOで一年間働いてくるとか。

で、日本のどこ?

「麻帆良学園とかいうところらしいです」

は?

いや、そこはダメだろ。

アスナちゃんいるし。

ナギの息子とアスナちゃん接触させるつもりかよ。

なんかの拍子で記憶が戻ったりしたら目も当てられないぞ。

ガトウさんのやったことが無駄になるだろうが。

まあ、流石に同じクラスにするような馬鹿はやらないだろうけど。

タカミチとかいるし、あいつがなんとか上手いことやってくれるよな。

そうだよ、あとは全部タカミチに任せよう。


ネギは数ヶ月後、日本に旅立った。

俺もしばらくはすることも決まっていないし、ネカネが自分の家のように思ってくれと言ってきたのでまだこの家に滞在している。

NGOもやめたので、絶賛ニート。

ごろごろとして過ごしていたのだが、どうにもすることが無くて暇なのでそろそろ魔法世界に帰ろうかと思ったのがネギが旅立って数カ月が経った頃。

でも、せっかく旧世界に帰ってきたんだし居場所が分かってる詠春さんに挨拶でもしておこうと思って、京都に向かうことにした。

そして、数日後ネカネに別れを告げて京都に向かった。







京都に着いたわけなんだが、なんだか空気が嫌な感じだ。

ピリピリとしていて戦争を思い出させる。

さっさと安全な詠春さんのところに行こう。

呪術協会の場所は魔法協会に尋ねたらあっさりと教えてもらえた。

まあ、俺が詠春さんの仲間だって分かってるからだと思うけど、それにしてもあっさりと教えすぎだ。

それにしてもこの階段しんどいな、エスカレーターつけてくれるように詠春さんに言っておこう。



門のところにも誰もいない。

ひょっとして留守なのかなぁと思いつつもお邪魔させてもらって中を探索して、一番偉い人がいそうな部屋を見つけた。

ふすまを開けて驚いた。

「詠春さんと巫女さんが石化してる」

なにがおこっとるんだ!!





あとがき

ダンがけっこう強いと言われ始めた。

実際普通に考えると優秀だとは思う。

まあ、ラカン戦のネギとはやりあえる気はしないが。

そんなこと考えていると、魔法世界行く直前にネギとダンがまともに戦うというシーンが思い浮かんだ。

もし書くことになればおそらくダン初のまともな戦闘シーンを書くことになるはず。



いきなり京都編なのでエヴァ編あっさりとすら書かれず終了。

もともとエヴァ編を書く気は無かった。



[14425] 再会
Name: 七星◆54cd1b68 ID:d640353c
Date: 2010/01/04 21:57
なんで詠春さんが石化してるんだ?

とりあえず解除した方が良いんだろうけど、これかけた相手誰だよ。

詠春さん相手に石化の魔法をこんなに完全な状態でかけれるやつとか一握りもいないはず。

まだ近くにそんなやつがいるかもしれないのか。

これは早く解除しないとまずい事態になりそうだな。

ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッ・ロリッ

よし、なんとか一発で成功した。

「・・・・ん?石化が解けた・・・いったい誰が・・・ダン!」

ああ、目が覚めましたか。

で、なにがあったんですか?

「そうだ!こんなこと言ってる場合じゃなかった!ダン、行きましょう!!」

ちょっと、手を離して。

あと、口調変わってるけどどうしたんですか?

俺は詠春さんと違って浮遊術とか使えないから杖なしで飛ぶのに慣れてないんだから、もっとゆっくり飛んで。




詠春さんに引っ張られて空を飛んでいると、未覚えのある巨体が見えてきた。

「ちょっ!なんでスクナが復活してるんですか」

「それを説明してる暇はありません。今はあれを再び封印するのが先です」

無理だって!

あれ紅き翼が全員でかかって封印した化物なのに、俺と詠春さんだけじゃ。


「それでもやらないといけません。あそこには攫われた私の娘がいます。

それに、ネギ君が、ネギ君と彼の生徒たちが戦っているんです。

それを放っておくわけにはいかないでしょう」


なんでネギがこんなところに。

あいつは麻帆良学園にいるはずだろ?

どうして・・・。


ええい、わけがわからんけど、とにかくあれを止めないといけないってことか。

ネギを見殺しにしたりしたらアリカ様に殺されてしまいますしね。

それで、増援の予定は?

「ありません。そして、石化していた呪術協会の人間を元に戻してもおそらくは大した戦力にはなりません」

それはかなり絶望的ですね。

増援の期待も持てず、以前の半分の戦力も無し、おまけにネギや生徒たちを守らないといけないって俺たちここで死ぬんじゃないですか?

「そうかもしれませんね。でも、死ぬにしてもせめて子どもたちの安全を確保してからですよ」

詠春さんに挨拶して行こうとか考えるんじゃなかった。

まさか京都がこんなことになっているとは。


「私はあなたが来てくれなかったら石になったまま何もできませんでしたけどね。

・・・それにしてもあなたと共に戦うのも久しぶりですね。

共に戦ったあの頃がとても懐かしい。

不謹慎ですが、この状況にどこか嬉しさすら感じていますよ」

俺にとっては毎日が命の危険を感じるような地獄の日々でしたけどね。

それでもまあ、たまに会うくらいなら良いかもしれませんね。

あくまで会うだけで、こんなハプニングはいりませんけど。

「まあまあ、ちょっとした同窓会だと思ってください」

鬼神と戦うのが同窓会ですか?

なら、今度はナギとかラカンやアルも集めて古龍相手に同窓会ですか?

間違いなく戦争になりますけどね。


「・・・・それもいいかもしれませんね。

呪術協会の長というのもなかなかめんどうなことが多くて、隣にいる相手が信用できるかすらわからない政治の場での戦いばかりです。

あの頃のように、無条件で信じられる仲間と一緒ならまた世界を敵にまわすのも悪くないと思う自分が居ます」

それはずいぶんと病んでますね。

まあ、あのメンバーなら世界相手でも勝っちゃいそうですけど。

それに少なくとも退屈はしませんね。

俺はいつ死ぬか恐れる日々になりそうですけど。


「はは、確かにあなたは私たちの中では一際劣っていましたね。

でも、ダン。

昔から、なんだかあなたが死ぬところは想像できないんですよ」


俺はラカンとかナギが死ぬ方が想像できませんけどね。

ラカンとか魔法が直撃してもピンピンしてましたし。

ナギも死んだとか言われてますけど、ネギも俺もあいつに会いましたしね。

「そうですね。彼は負けませんよ、誰にも。

本当に紅き翼は、非常識で、暴れん坊で、こっちを困らせるようなことばかりするメンバーばかりでしたが。

それでも、やはり私はあそこにもう一度帰りたい」

いつか、いつかきっとそんな日が来ます。

ナギだってどっかからひょっこりと出てきて。

ラカンも魔法世界の山奥にでも引っ込ん出るんだろうから連れ出して。

アルもどっかにいるのを引っ張り出して。

そうやって、またみんなで旅をする、そんな日が来ます。

「そうですね・・・・そうだったらどんなにいいか。

おっと、そろそろ着きます。それでは、これを」

これは、小刀ですか。

俺は剣の心得はありませんよ?

「護刀です。あって困るものではないでしょう」

まあそうですけどね。

一応もらっておきますけど、これが形見になるなんてことはやめてくださいよ。

「当たり前です。まだ私だって死ぬつもりはありません。

それでは、いきます!」







よっと、なんとか上手く着地できたな。

「ダニエルさん!」

よう、ネギ。

再会を喜びたいところだけど、そうもいかないみたいだな。

お互いそんな時間もなさそうだ。

詠春さんの娘さんを助けるためにも、さっさと目の前の相手を倒さないといけないな。

「そういうことだろ、アーウェルンクス」

まったく、なんでこいつがここにいるんだよ。

あのときナギに殺されたはずじゃないのか。

見た目幼くなってはいるけど、あの未覚えのある顔は間違いない。

「近衛詠春に、ダニエル。

久しぶりだね。戦争以来になるのかな」






あとがき

紅白見ながら書いた。

水樹奈々見たぜ!あと2ch重過ぎw



ダニエルがちょっとはスクナ戦で戦うことになるかも。



>今更だけど、ダンに魔眼復活フラグは立たないかな?

考えてはいるけど、まずは始動キーを何とかする方が先決になると思う。


大晦日に卵かけご飯。

あと、昼にラーメン食ってるときにくしゃみしたら鼻からメンマが出た。



[14425] 鬼神消滅
Name: 七星◆54cd1b68 ID:692525a6
Date: 2010/01/05 06:51
それにしても、アーウェルンクスとスクナの両方を相手にしないといけないのかよ。

しかも、アーウェルンクスを足止めか倒すかしないとスクナの方まで手が回りそうにないし。

これは本気で生徒たちを逃がすだけで精一杯かもな。

「ダニエルさん!」

「ネギ、お前は生徒たちを連れて早く逃げろ。

出来る限り遠くまで、できる事なら日本から離れろ。

それが無理でも、最悪でも京都からは逃げろ」

「そんなことできません!」

だから、子守しながら戦える相手じゃないんだって。

頼むから分かってくれ。

お前の才能が俺よりも遥かに上なのはわかるし、下手な魔法使いなら今のお前でも十分倒せる。

でも、あれは別物だ。

あいつはお前の親父が全力でなんとか封印できたってくらいの化物だ。

それに、アーウェルンクスの方は、才能もさることながら、実戦経験が違う。

今のお前じゃ経験の差で振り回されるだけだ。

「ダン、ネギ君に少し任せてみませんか?

どうやら、スクナは封印が解けたばかりでまるで調子が出ていない上に操っている術者が上手く扱えていないおかげで、あのときよりも遥かに下の力しか出ていないようです。

それでも、正直今の私ではスクナの相手で精一杯。娘の救出にまでは手が回らないでしょう。

ネギ君では、スクナの相手をするのは無理でも、私が戦っている時に上手く隙を見つけて立ち回れば囚われている私の娘を助けだすことくらいはできるかもしれない」

娘、ですか。

そのためにネギを死地に置いて、そこまでしてでも助けたいんですね。

「自分でも人として最悪なことを言っているのはわかっています。

でも、私は他の何を犠牲にしてでも娘を、木乃香を助けたい」

・・・・ネギ。

どうする。

お前が決めろ。

ただ、あれに向かっていくのならお前は十中八九死ぬ。

一人、数多くいる生徒の中からたった一人を見捨てれば他の生徒が助かる確率は遥かに高くなる。

「僕は・・・行きます。

絶対に、見捨てたりしません。僕の生徒です、僕は絶対に見捨てません!!」

お前、親父に似て頑固だな。

やっぱり、お前ナギの息子だ。

「兄貴、パクティオーカードの力を。姐さん達に力を借りるしか!」

なんだ、お前もう仮契約までしたのか。

女にモテるところまでナギ譲りか。

「・・・・・うん、わかった」

そうだ。

借りれる力は全部借りとけ。

生徒を巻き込んで後悔するかもしれないけど、お前が助けるって決めた以上はそうするしかない。

ただ、絶対に守れ。誰一人死なせるな。

死にそうになったら生徒を連れて逃げろ。

なに、あとのことは俺たちがなんとかする。

俺たちはあの紅き翼なんだぞ。お前らなんかいなくたって大丈夫だ。

「はい、わかりました。絶対に誰も死なせません。

召喚!ネギの従者 神楽坂明日菜、桜咲刹那!」

アスナ・・・・。

「ネギ!」

「ネギ先生!」

アスナちゃん・・・・。

どうして君が。

「ダン、言いたいことはよくわかっています。

しかし、彼女のあの力があれば・・・」

ああ、そうですね。

今はそんなことを言ってる場合じゃない。

確かに、あの力は強い。きちんと使えば理不尽なまでに強い。

「お、長!どうして」

「戦友が助けてくれました。

刹那君・・・・木乃香を、木乃香を助けてください。

私に、力を貸してください」

「戦友・・・紅き翼の・・。

わかりました。もとより私もそのつもりです」

じゃあ、決まりだな。

俺の相手はアーウェルンクスか。

正直逃げ出したいくらいだけど。

ネギ君に続きアスナちゃんまで来たんじゃ、逃げたらガトウさんにまで怒られる。


『坊や、一分半持ちこたえろ!そうすれば私が片付けてやる!』

この声は、エヴァか。

どうしてお前がネギに協力するのかも、学園から出れるのかもわからないけど凄く心強いな。

『ダニエル、なぜお前がいるのかは知らんがいるならちょうどいい。

坊やに力を貸せ。あれらの相手はまだ坊やでは荷が重すぎる』

まあ、そのつもりだったけどね。








「これが私の正体です」

白い翼・・・っとそんなこと言ってる場合じゃなかったな。

「もういいのかい?」

ああ、準備は万端だ。

お前も律儀に待ってくれたよな。

「別に時間を稼ぐのが仕事だからね。こっちから無理に仕掛ける必要が無かっただけさ」

いいのか?

詠春さん達までスクナの方に行ってしまったぞ?

「別に、スクナが相手なら今の彼では役者不足だから倒せはしない」

そっか、こいつにはエヴァの一分半が聞こえてないのか。

あえてエヴァがこいつは対象から外したんだろうけど、そのことだけが今はこっちが切れる惟一のカードってことか。

「それじゃあいくよ」

それにしても一分半か。長いな。





瞬間、足元の地面がわずかに盛り上がった。

慌ててバックステップをすると同時に石でできた槍がさっきまで俺のいた所を貫いた。

石の槍、こんなものを無詠唱で使えるのか。

「この化け物が!」

無詠唱・雷の一矢

ノータイムで打ち出された矢はやや下降気味にアーウェルンクスに向かう。

アーウェルンクスも障壁を張ろうと片手を差し出した。

しかし、足元。

俺の雷の一矢が当たった先はアーウェルンクスの足元。

地面は小規模な爆発を起こし土煙を巻き上げる。

一帯が土煙に覆われ、1メートル先さえ見えない。

倒す必要は無い、ただ時間稼ぎに徹する。

「なるほど、確かに見えない。

なら、全方位に攻撃をすれば良いだけの話だよ」

アーウェルンクスが言うやいなや、前、横、後ろ、視認出来る限りありとあらゆる地面から石の槍が生まれた。

「っぐ」

流石に避け切ることもできず、体の数カ所が引き裂かれた。

右腕と、右足、それに横腹もか。

「ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッロリッ」

治療魔法使いをなめるなよ。

このくらいの怪我ならいくらでも治して見せる。

すぐに治療魔法で傷を防いだが、流石に体力までは元通りとは行かない。

まだ30秒も経っていないか。

「ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッロリッ。風精召喚」

土煙が晴れる前に何か手をを打たないといけない。





「うおぉぉぉ」

アーウェルンクスの正面の土煙の中から俺が飛び出した。

ただ一直線にアーウェルンクスに向かう。

アーウェルンクスは驚く素振りも見せず即座に石の槍を放った。

石の槍は一直線に俺に向かうが、俺は避ける素振りも見せない。

「これは風精か。なら、常套手段としては後ろ」

アーウェルンクスが後ろを向くと、そこには声を出さずに一直線に向かってくる俺の姿。

またも石の槍を飛ばす。

石の槍は俺の中心を貫いた。

そして石の槍が俺を貫くと同時に俺の姿は掻き消えた。

「最後は上空からの奇襲かい?」

上を見上げると墜落のスピードを氣をまとった拳に乗せている俺の姿。

「残念だけど、これでチェックメイトだ」

一際大きな石の槍の隆起が起こり俺を貫いた。

しかし、またも俺の姿は掻き消えた。

「っ!!これも風精。なら、本体は!」

ばっと、後ろを振り返るがもう遅い。

そこには腕から血を流しながらも射程範囲まで近寄った俺がいる。

「最初の一体目が本体だったのか」

まあ、代わりに腕がちぎれかけちゃってるけどな。

残念だけど、これで本当にチェックメイトだ。

戒めの風矢

魔法障壁を張る時間は与えなかった。

風の鎖はアーウェルンクスを縛り上げる。

「確かに、この一手は見事だったけどまだチェックメイトではないようだね。

こんなものすぐに外せる」

確かに、10秒も持てば良い方だろうけど。

それは単体の話だろ?

無詠唱・戒めの風矢

「なっ、重ねがけ!」

まあ、練度の低い無詠唱でやると効果時間も短くなるし馬鹿みたいに魔力を食うけど。

残りの一分弱くらいは持たせてみせるさ。

無詠唱・戒めの風矢

無詠唱・戒めの風矢

ただただ打ち続けた。

やばいな。

血も足りなくなってきた上に魔力まで空になりそうだ。

あと何秒だ。

俺はあと何発打てば良い。

目眩までしてきた。

無詠唱・戒めの風矢

しかし、魔法が発動することは無かった。

「どうやら魔力切れのようだね」

アーウェルンクスは即座に戒めを引きちぎった。

「これで本当にチェックメイトだ」

アーウェルンクスの拳が迫ってきた。

あれに当たれば終わりだろう。

ただ、一つだけ確信があった。

「昔なじみが世話になったみたいだな」

一分半、もう経ったんだよ。

俺に当たる直前で、アーウェルンクスの拳は止められた。

そして、代わりに振り抜かれた拳でアーウェルンクスは吹き飛ばされた。

「ダニエル、一分半よく持たせたな。褒めてやっても良いぞ」

ばーか、こんなの楽勝だって。

お前こそ、鈍ってたりしてスクナを仕留め損なったりするなよ。

「ふん、誰に言っているんだ。お前はそこで見ていると良い」


エヴァは、昔と変わらない絶大な魔力でスクナ(解放直後で弱め)を倒した。

どうやら、ネギたちも無事に生きていたようだ。

しかし、その一瞬の油断を突いたアーウェルンクスにネギは石化させられた。

「わ、私は治療魔法は苦手なんだ。ダニエル、お前は治療魔法が得意だったはずだろ!」

おいおい、俺の姿を見てから言えよ。

自分の治療すらできてないんだぞ。腕なんかちぎれかけだし。

魔力なんてもう残ってない。

やばい、そろそろ死にそう。

「私も治療魔法は・・・」

そういや、詠春さんも治療魔法は全然でしたね。


くそ、結局ネギも俺も死ぬのかよ。


すみません・・・アリカ様・・・悪いな・・・ナギ・・・。


薄れゆく意識の中、俺は暖かい何かに包まれるのを感じた。









あとがき

戦闘描写は苦手なので一話で終わらせた。

戦闘描写のヘタさ加減は許してほしい。

次は会話がメインになると思う。

会話がメインのほうがやりやすくて嬉しい。


いずれこの後の話でオリキャラ出そうかとも思ったけど、それだと話がすごいことになりそうだと思った。



[14425] わがまま
Name: 七星◆54cd1b68 ID:201cf51c
Date: 2010/01/05 08:27
朝、普通に目が覚めた。

どうやら俺は死ななかったようだ。右腕も治っている。

俺の隣には巫女さんが待機していて、目が覚めたなら詠春さんが呼んでいるから来てくれと言われた。




詠春さんと話をしていると、どうやら詠春さんの娘の木乃香ちゃんが治したということが分かった。

どうやら、あの子の魔力はナギを超えるほどで、ネギと仮契約することで強制的に力を目覚めさせたとか。

なんというバグキャラ。

まさか、あの年でここまでの治療魔法を使えるとは。

まあ、多分魔力任せの治療だから無駄な魔力とかバリバリ使いまくってるんだろうけど。

「それにしても、あなたには本当に助けられました」

いや、アーウェルンクスは本当に足止めで精一杯でしたよ。

命をかけても足止めが精一杯なんて情けない話ですけどね。

「そんなことはありません。彼を相手に足止めができるものなどそう多くはいません」

現役の頃のあなたなら足止めどころか倒してしまいかねませんけどね。

まあ、なんとかなった。

今はそれだけで十分じゃないですか。

それより、アーウェルンクスのことはネギには言ったんですか?

「いえ、それはどうしたものかと悩んで言っていません」

まあそうでしょうね。

あれのことを話していると芋づる式にいらないことまで喋る必要も出てきそうですし。

なにより、あいつがナギの敵だったなんて言うとネギがどういう反応するかが怖い。

ナギについてなにか聞くために、あれに積極的に関わっていくことになりかねない。

あれは俺たちの残してしまった旧時代の大火の燃えカスです。

いずれ俺たちの手でケリをつけるべきでしょう。

「ええ、そうですね。私の方で情報を集めておきます。なにか分かったら連絡をいれます」

そのときは流石に散らばったメンバー全員に招集をかけたいですね。

きっと今は強くなっているであろうタカミチやクルトの力も借りたいところです。

「それはそうと、刹那君の話なんですが」

刹那?

ああ、ネギの仮契約者の羽の生えていた子ですか。

あの子がどうかしたんですか?

「あなたは、あの子の羽についてどう思いましたか」

半人半魔とかそんな類の人間ですよね。

まあ、別にどうといったことは無いんじゃないんですか?

「あの子の羽根について、特に思うことは無いと」

だって、テオドラとか常時角生えてるんですよ?

「・・・・・・・それもそうでしたね」

魔法世界じゃあんなの珍しくもなんとも無いですって。

獣人とかいっぱいいますし。

みんなオープンに自分の姿出してるじゃないですか。

こっちの世界じゃそういうわけにもいかないんでしょうが、それでも隠せるのなら問題はないでしょう。

それともやっぱり、差別とかあるんですか?

「ええ、こっちではあるんです。そして、彼女はそれを人一倍気にしています」

もしそうなら、あの子には魔法世界の方が住みやすいのかもしれませんね。

あっちなら羽なんて、むしろ空を飛べるという利点にしかなりませんし。

「私もそう思ったことはあります。ただ、彼女自身がそれを望まないでしょう。

今の彼女は木乃香を守るために生きているようなものです」

まるで騎士の体現ですね。

あの子の年ならまだまだ遊んでいたいでしょうに。

「遊んでいたいって・・・あなたがそれを言いますか。

あのくらいの年にはもう戦争に参加していたというのに」

あれはもはや天災に巻き込まれたようなものですよ。

正直自分が生きていることにびっくりです。

「そうですね。あの戦争はひどかった。

力あるものが次々と死に、世界中のあらゆる恐怖が凝縮されたようなそんな世界でした」

俺たちは生き残りましたけどね、それでもやっぱりたまに夢に見ますよ。

みんな死んでいくんです。

目の前で、差し伸べた手も届かず、ただ蹂躙されて、殺されていく。

「私も同じです。本当に後味の悪い戦いだった。

・・・・ダン、一つお願いしても良いですか。

刹那君にあなたから話をしてあげてほしいんです。

きっと彼女は、正体を見せたことでネギ君達の前から姿を消そうとするでしょうから」











や、刹那ちゃん・・・だったよね。

「ダニエル殿!この度はお力を貸していただき・・」

いや、あれはかなりの偶然だったから感謝しなくても良いよ。

それに、足止めしただけで死にかけちゃった情けないおじさんだしね。

「そんなこと!あれを相手に戦えた、それだけでも十分すぎるほどにすごいと思います。

事実、私たちは彼にあしらわれているだけなのですから」

うん、まあそのへんは年の功ってやつだよ。

無駄に年だけは食ってるしね。

刹那ちゃん達もその年であれだけの力があれば十分すごい。

俺なんか君たちくらいの年だと何もできなかったよ。

「ご冗談を、あの戦争の英雄が・・・」

英雄なんてね、なりたかったわけでも、なろうとしていたわけでもないよ。

ただ、必死に生きた。

地べたに這いつくばってでも生きて、泥水をすすってでも生きて、生きて生き抜いていたら気づいたら英雄なんて呼ばれてただけ。

俺より強いひとなんて腐るほどいた。

でもみんな死んで、人々の記憶にも残ることも無く死んで、忘れられた。

本当、あの戦争に参加するんじゃなかったって真実そう思うことがある。

「しかし、あなた達がいなければ」

その時は誰かが代わりをしてたんじゃないかな。

少なくとも、俺みたいに魔法学校を中退したようなやつより優秀な人なんてそこら中にいるんだしさ。

「中退!それは本当なのですか」

うん。

友達がやめるときに一緒にやめさせられちゃってさ。

いやでも学校はちゃんと行っておいた方が良いよ、経験者は語るから。

「学校ですか・・・そうですね。卒業まで通って、そのあとは高校に入って、大学に入って・・・そうやれたら・・・きっと楽しいのでしょうね」

そうだよ。

それはきっと楽しい。

俺は経験者じゃないからなんとも言えないけど、学校をやめないほうがいいってことは言えるよ。

羽なんてさ、こっちの世界では気にすることかもしれないけど魔法世界じゃ珍しくもなんとも無いんだし、ネギたちはきっと気にしない。

「それでも、私の体には妖怪の血が!」

俺の友人にさ、角生えてるやつがいるんだ。

昔、そいつの角でつつかれて痛かったから角を丸く削って良いかって聞いたんだ。

一族の誇りに何をするつもりだって怒られたよ。

多分、刹那ちゃんの話を聞くと、あいつなら誇りを持てって怒るよ。

「誇り・・・一族の誇り・・・」

俺には半人半魔の身がどれくらい重いものなのか、どんな差別を受けて、どんな気持ちになったのか、そんなことはわからないよ。

君が、どれくらいその体に流れる血を忌み嫌っているのかもわからない。

でも、俺にとって君のその翼は、大切な友人の何よりも大切な娘を助けてくれたものでしかない。

だから、君がその翼を嫌い、それを理由に皆の前から去ろうとするのが嫌だ。

「嫌・・・ですか。ふふっ、それではまるで子供のわがままではないですか」

そうだよ。

俺のわがままだよ。

俺だってわがままの一つくらい言うさ。

だから、君には行って欲しくない。

「本当に・・・わがままですね。でも、その言葉、もっとはやく聞きたかった」

・・・・じゃあ、最後に一つだけ、たった一つでいいからお願いを聞いて欲しい。

一つでいいんだ、お願い聞いてもらえるかな。

「・・・はい。ありがたいお話のお礼です。なんでも言ってください」

俺さ、言った通り中退なんだ。

だから、学校生活がどんなに楽しいのかは知っていても、卒業したことは無い。

刹那ちゃんには、学校を卒業したあと、どんな気持ちなのか、今までを振り返ってどんなに楽しかったのかを教えて欲しい。

「なっ!それは卑怯ですよ!」

大人っていうのは卑怯なものだよ。

まさか、誇り高い神鳴流の剣士が約束を破るなんてことはしないよね。

「撤回です!前言撤回します」

あーあー聞こえない。

どうやらまだ体が本調子じゃないみたいだから聞こえない。

「・・・・本当にわがままな人です。

約束もしてしまったし、天下の紅き翼の英雄ダニエル殿にそこまで言われては断れないじゃないですか」

その天下とか英雄って言うのやめて。

なんかすごい恥ずかしい。

「嫌です。なんと言われようとも、絶対にずっと言い続けます」

それは、君のわがままかな。

「はい、私のわがままです」

わがままか、それなら仕方ない。

昔から、俺は誰かのわがままには勝てないようだからね。

「はい、天下の紅き翼の英雄ダニエル殿」

でもやっぱりやめて。

「嫌です」

くそ、いつかその羽で羽毛布団を作ってやる。

きっとふかふかな布団ができるはずだ。

「やめてください!」

「刹那さん!!」

おお、ネギ。

ちょっと寝坊だぞ。

「どこへ行っちゃうんですか!このかさんはどーするつもりなんですか」

「ご心配なく。もうどこかに行くつもりはありません」

約束だしね。

「ええ、そうですね。天下の紅き翼の英雄ダニエル殿」

だからそれはやめてって。

もっとダニエルさんとかでいいからさ。

「せっちゃんせっちゃん!ん?おじさんはお父様の友達の」

ああ、君が木乃香ちゃんか。

はじめまして、君のお父さんの友人のダニエルだ。

助けるつもりがどうやら助けられたみたいだけどね。

「んーん。そんなことない、うちのためにあんなになるまでがんばってくれたんやもん」

そっか。

そう言えば、なにか急いでたんじゃ無かったの?

「そうやった!」

「刹那さん!身代わりに置いてきた私たちの式神がなんか大暴れしてるらしいの!」

「えええー!!それは早く行かないと」

慌ただしいなー。

それにしても、アスナちゃんずいぶんと表情が豊かになったな。

日本に送って本当に良かった。















それで、詠春さん。

あの反逆者の術者はどうするんですか。

妥当なところで言うと死刑になるでしょうけど。

「処刑はしませんよ」

まあ、話を聞く限り事情もあるみたいだし、なによりアーウェルンクスが関わっている時点で正直俺はあいつ以外はどうだっていいんですけど。

でも、いろいろとうるさいんじゃないですか?

「ええ、でも・・・・彼女は巫女さんですから」

・・・・そうですか。

やっぱり巫女さんだからですか。

もっと違う言葉を期待していました。

一応聞いておきますが、もし、彼女が巫女さんじゃなかったら?

「断固処刑です」

・・・そういえば、この屋敷って巫女さんばかりなんですが、男はいないんですか?

「巫女さんがいれば他のものは余計でしょう」

「し、失礼します」

「どうかしましたか?」

「えっと、その・・・実はみんながダニエル様にお会いしたいと・・・それと、サインとか握手とか写真も・・・」

ああ、ダニエル(笑)ですね。わかります。

「そうですか。彼なら断りはしないでしょうし好きにしなさい」

「ありがとうございます!」

いや、それはいいんだけどね。

詠春さん、その血が滴るまで握りしめた拳をどうにかしてください。




「あ、あの次は私と!」

これでもう30枚は写真撮った気がする。

しかも、時間が経つにつれて胸がすごい痛み出したんだけど。

これは、まさか。






「ちくしょう!あのやろう、俺の巫女さんにーーーー!!!」

ちょっ!詠春さん、その釘と藁人形はなんですか!

ぐはっ、超いてえ。

「死ね、死ね、しねええええ!!」










あとがき

俺も詠唱がやばいと思った。

いつか詠唱改善フラグを。

ダイジェストみたいじゃなく、戦闘シーンを書く場合は真面目な感じになると思う。


あと、エヴァとダンはしばらくするときちんとした絡みがでてくる。





まあ、くっつくことは無いけどな(=゚ω゚)ノ





[14425] マスターダニエル
Name: 七星◆54cd1b68 ID:44614d41
Date: 2010/01/06 13:32
結局呪いのせいで1週間ほど寝込むことになり、その間関西呪術協会に留まることになった。

まあ、その間にもあれやこれやと世話をやこうとする巫女さん達、それを見て呪いをかけようとする詠春さんがいて死にそうになった。

体が治った瞬間に出発を決めた。

巫女さんはもっといてくれと言っていたが、いつ呪いをかけられるかわからないというのは非常に怖い。

見送りの時に詠春さんがすごく晴れ晴れとした顔をしていたのが印象的だった。

すごく機嫌が良くて、土産に生八つ橋やら漬物やらを持ち切れないほどに渡された。

なんだか、関東魔法協会の理事長が今回の件で礼を言いたいとか言っているらしいので麻帆良に行くことになった。


本当はこっちに会いに来ると言っていたが、ネギの職場やアスナちゃんのことも気になったのでこっちから行くことにした。

タカミチ元気にしてるかなぁ。








麻帆良学園でかっ!

聞いてはいたけど、ここまででかいとは。

しかも確かに結界やら認識阻害やらかかっているみたいだな。

どんな魔法要塞だよ。

一つの街が学園になってるのか。

「ああ、そんなに慌てなくても」

あれ?まだ体が本調子じゃないのかな?

あきらかにロボットが猫に餌をあげてるように見えた。

いや、ちょっと疲れたんだよな。

気にせず行こう。

「にゃー」

うわ、お前ら寄ってくるなって!


「新作のロボットが!」

なにあのロボット!

魔法世界でも見たことないくらい凄いんだけど。

街中でレーザーとか打つなって。

「またあいつらのロボットかー」

またってよくあることなのか?!

ここ本当に旧世界なのか?

認識阻害にも程があるだろ。

全員頭が馬鹿になってるだけじゃないのか。

うおお、レーザーが飛んで来た!!



「全員まとめてかかってくるといいネ」

「うおおおお!」

「あいや~!」

「うわ~!つええ」

俺は何も見て無い。

何も見ていない。

早く魔法世界に帰りたい・・・。







「ほっほっほ、それはそれは。この学園の生徒達は個性にあふれる子たちばかりじゃからのう」

個性ってレベルじゃないです。

ここは本当に旧世界何ですか。

スクナの復活にも巻き込まれるし、日本に来てからろくなことが無い。

「今回の事件のような厄介ごとに巻き込まれるところはあなたも昔から変わっていませんね」

そうなんだよな。

とりあえず誰かと関わると厄介ごとに巻き込まれてる気がする。

あ、タカミチそのひげってガトウさんのまね?

けっこう似合ってるよ。

それにしても、ネギもすごいところで働いてるもんだ。

俺ならストレスで胃に穴が開いて入院しそうだ。

「あなたなら自分ですぐに治療できるじゃないですか」

そうだった。

俺は入院して休むということもできないのか。

治療魔法使い廃業しようかな。

「それは困るのう。ほれ、これを見てくれ」

やたら後頭部の長い学園長から手紙を渡された。

詠春さんからだった。

それを読んでみると

・今回の件で木乃香ちゃんの安全にもっと気を配るべきだと実感した
そこで偶然再会した俺を麻帆良学園に置いておけばいいんじゃないかと思った。
しかも定職にもついていないからちょうどいい。

・そして、今回の件で魔法のことを知った木乃香ちゃんが魔法を学びたいといいだすかもしれない。
止めたいが、無理矢理やめさせて娘に嫌われたくないので止められない。
そこで俺にその役を押し付けようと思った。名案だと思ったらしい
一応俺に魔法を学ばせるのかの最終的な判断は任せるとか。

・ただし、学ばせる場合は俺が責任持って指導しろと。
適性を見ると治療魔法使いになるだろうから、教師としてはうってつけだと気づいた。
学ばせるなら治療のことと生き残る手段なら俺に任せるのが一番と判断したらしい。

・娘に手を出したらマジで殺す。

こんな感じのことが書いてあった。

「タカミチ、俺魔法世界に帰っていいかな。

なんかすっごく魔法世界で就活がしたくなった。

どこかの会社の面接でも受けてくるよ」

特技は治療魔法と料理です。

「ダメです。ほら、こんなものまで届いたんですから」

またもや手紙を差し出された。

今度はテオドラからタカミチにあてたものだった。

「驚きましたよ。まさかあの人から手紙が来るとは思ってませんでしたしね」

『仕事がめんどくさいのじゃ~。誰か代わってくれ~。

そして、妾がこんなに大変な仕事をしているというのに、ダンのやつは職にもつかず暮らしているのじゃ。

まったくもってけしからん。

そういうわけじゃから、ダンのやつが旧世界に行くらしいからお前ちょっと職見つけてやれ。

妾だけがこんなに苦しいことをしているなど許せるはずも無いからの』

あいつ、今度会ったら覚えてろよ。

「そういうわけですから」

そういうわけも何もないだろ。

俺は帰るぞ!

「はあっ!!」

ごうっと風が起こり、俺の後ろの壁に穴が開いた。

こいつ、居合い拳をマスターしてやがる。

「帰るんですか?」

いや、よく考えると俺もいい年だし無職はまずいかな。

やっぱり就職しちゃおっかな。

「そうですか、それはよかった。

・・・僕だって、この学園の生徒を毎日相手にするのは大変なんです。

仲間だったら、苦しみは分かち合うものでしょう?」

お前なんかもう仲間じゃねえよ!

「そうと決まれば、どんな仕事にしますか」

「うむ、教師の枠はもう空いておらんしの。

空いておれば教員免許なんぞ無くともねじ込めるのじゃが。

おお、そういえば生徒たちから喫茶店を新しく作って欲しいという要望があったの」

「ああ、そういえば最近喫茶店のマスターが病気でやめたんでしたね。

この学園は休日になるとどこの店も混んでいますからね。

彼なら料理もできるしうってつけですよ」

「そうじゃのう、店は残っているものを使えばよいし。なら、喫茶店のマスターでもやってもらおうかの」

まだ教師じゃなかっただけマシってことか。

「それにしても、紅き翼のダニエルが喫茶店のマスターをしているだなんて魔法世界の人間が知ったらどんな顔をするんでしょうね」

「それは見物じゃのう。学園でも高音君あたりが騒ぎそうじゃな。

ああ、壁の修理代は君の給料から引いておくぞ」

「ええっ!」

いや当然だろう。

俺を職につけた罰だ。

それにしてもこの年になって就職するとは思わなかった。

ああ、タカミチちょっといいか。

話があるんだ。

「なんですか?」

アスナちゃんのことでちょっとな。

「・・・・わかりました」







あとがき

とりあえず喫茶店のマスターにしておいた。

いずれ高音との絡みもでてくるはず、脱げは無しで。

次はタカミチとの会話。

話し考えてる時間が無かったら異伝になるかも。

まあ、大筋は考えてるので大丈夫だろう。


それにしても、みんなの詠春への食いつきに驚いた。

幼女趣味はしばらく出てこないかも。




[14425] 逃げ
Name: 七星◆54cd1b68 ID:44614d41
Date: 2010/01/07 09:53
タカミチに連れられて人気の無い屋上にやってきた。


タカミチ、まずは感謝しておく。

アスナちゃん、ずいぶんと表情が豊かになっていたよ。

「僕が何をしたというわけでもないんですけどね。

でも、やはりここに連れてきたのは正解だったと思いますよ。」

ああ、そうだな。

でもな、俺は一つだけ不信に思って・・・いや納得できないことがあるんだ。

なんで、ネギとアスナちゃんを関わらせた。

「ネギ君はまだまだ子供で、魔法使いとしても未熟です。

そのため、彼が魔法関係で失敗するとも考えると、関係者ないしなにかしらの非一般人が多くいるあのクラスが最適だと学園長が判断されたんです。

でも、僕はそれを止めることはしませんでした」

なぜ。

お前なら、あの二人を出会わせるべきではないということもわかっていただろうに。

現に、アスナちゃんはこちら側の世界に再び足を踏み込もうとしている。

本人はそれがどれだけ危険なことかも、自分自身の重要性もなにも理解はしてないみたいだがな。

「ダン、今まで生きてきた記憶の全てを失い生きることというのは、そこに笑顔があったとしても果たして真実に幸せと言えるものなのでしょうか」

さあ、な。

俺にはわからないよ。

多分その答えに結論が出るとすれば、万が一アスナちゃんが記憶を取り戻したときに彼女が出すものなんだろうよ。

でも、俺はそのときが来ない方がいいと思っている。

「僕は、彼女が記憶を取り戻した方がいいと思いました。

いえ、違いますね。

彼女に早く記憶を取り戻して欲しかったんです。

そして・・・・・あのころの彼女に笑顔をあげたかった」

でも、アスナちゃんが背負っているもの。

あれは子どもが背負うにはちょっと重すぎるものだ。

それに、あのころの記憶はちょっと辛いものが多すぎるだろ。

「それでも、記憶を消すという行為は今までの彼女自身の人生を否定し、逃げるということです!」

そうだよ。

俺たちは逃げたかったんだ、彼女から。

お前なら言えるか?

これから君は別人として生きないといけない。

これまでの人生も家族関係も全て無かったものとして、嘘偽りの経歴で生きないといけない。

どんなに誰かと仲良くなろうとも、誰かを愛し、誰かに愛されたとしても、決して真実を語ることは許されない。

これから出会う全ての人に嘘をつき続け、虚構と欺瞞で構成される人間として生きないといけない。

そんなこと俺には言えなかったし、きっと誰にも言えなかった。

封印されていた彼女を解放したという点では後悔はしていない。

ただ、時間が無かったとは言えその後のことを考えていなかったのがいけなかった。

気づけば彼女を取り巻く状況はより深刻なものになり、旧世界に逃げ、隠れ住むしか彼女が生きる道は無かった。

その時に、俺たちが選んだ手段がこれだ。

逃げたんだよ、俺たちは。

「っ・・・・・そうでしたね。

弱い僕たちには彼女と最後まで向きあうことができず、逃げることしかできなかった。

だから、せめて僕は新しい彼女の傍で彼女を守り続けようと思ったんです。

でも、つらかったんです。

彼女が僕を見る目が。

記憶が無いと言うのはわかっていますが、僕を通して彼女は明らかにガトウさんを見ていた。

もういないガトウさんのことを、何年も、何年も・・・・・。

あのころの彼女に笑顔をあげたい。

この気持ちは本当です。

でも、そのことよりもなによりも。

僕は、彼女の瞳から逃げたかったんです。

だから、記憶を取り戻せばそんなことも無くなると思ったんです。

そして、ネギ君に期待をした。

あのナギの息子のネギ君なら、彼女を取り巻く事情もなにもかも壊して、ハッピーエンドを作ってくれるんじゃないかって。

そんな身勝手な期待をしてしまったんです」

逃げたと言う点では俺も同じだ。

彼女に一度も会いに来なかった、怖くてな。

だから、お前が逃げようがどうしようが非難できるはずも無い。

でも、ネギは関係ないだろう。

あいつは結局のところただの子供だ。

ナギ譲りの才能を持っていて、魔力も俺なんかより段違いに多いけど、やっぱりただの子供だ。

こんな大人でも耐えられないような重荷を背負わせるわけにはいかない。

「・・・・僕は、どうすればいいんでしょうか。

いったい、僕はどうすれば・・・」

もう一度、彼女の魔法に関する記憶を消すということもできる。

けど、俺はもうあんな思いをするのはごめんだ。

お前もそうだろう。

だから、彼女の判断に任せよう。

ただし、今度は逃げない。

もしも彼女が魔法に関わることを決めたら絶対に守る。

もしも彼女が記憶を取り戻したら、今度こそアスナちゃんに笑顔をあげよう。

「・・・・・ははっ、結局大事なところは彼女任せじゃないですか」

だよな。

まあ、そこはアスナちゃんが戻って来たときにひたすら謝り倒すしか無いな。

「怒られるでしょうね。

もしかしたら、咸卦法した上で殴られるかも」

あ、それ俺死ぬわ。

アスナちゃんが相手だと魔法で防御もできんし。

英雄ダニエル、旧世界の女子の拳で死亡って感じで魔法世界でビッグニュースになりそうだな。

これでも、魔法世界では英雄扱いだからな。

それにしても、たった一人の女の子も救えない英雄か・・・。

英雄ってなんなんだろうな。


「きっと、嘘で塗り固められた、弱いただの人間なんじゃないですか?」





あとがき

ダニエルが、ダニエルが帰ってくる。

次の話からはしばらく喫茶店なんかの話がメインになるからネギのエヴァへの弟子入りまではいつものダンが帰ってくる。




[14425] 開店
Name: 七星◆54cd1b68 ID:fb605a92
Date: 2010/01/08 05:43
今日から喫茶店の開店だ。

流石は麻帆良学園と言うべきか、喫茶店に必要なものは数日で揃えられていた。

カランカラン

おっ、早速客だ。

いらっしゃいませ~

「ほう、本当にお前がマスターをやっているのだな」

ぶっ、エヴァ!

なんでお前がここに。

あと、この前のロボットまで。

「タカミチから話を聞いてな。

ああ、こいつは私の従者の茶々丸だ。

見ての通りロボットだ」

タカミチのやつ、なんか俺に恨みでもあんのかよ。

あと、ロボットが従者って魔法史上初じゃないか?

「それでは記念すべき客第一号としてもてなしてもらおうか」

はいはい。

それではご注文は?

「新鮮な血液、もちろんナチュラルテイスト製法でな」

・・・・・・トマトジュースで手を打たないか?









結局紅茶で手を打ってもらえた。

「それにしても、まさか貴様が京都にいるとは思わなかった」

俺も京都があんなことになっているとは思わなかった。

ちょっと詠春さんに挨拶しに行っただけなのに。

それにしてもなんでお前学園の外に出れたんだ?

「なに、ちょっとじじいに頑張らせただけだ。

しかし、なぜ貴様はこの学園に留まることにしたんだ?」

いや、まあいろいろと事情があって。

簡単に言うと無理矢理就職させられた。

「わけがわからん」

だろうな。

まあ、詠春さんからの頼みごともあるしね。

「あいつから、となると近衛木乃香か」

うん。

なんか今回のことをきっかけに魔法に関わるようになるんじゃないかって心配しててさ。

ボディガードも兼ねていろいろと面倒を押し付けられた。

「まあ、確かにあいつはおよそ争いごとには向いていないな。

魔法を学ぶ以上戦いは必然とも言ってもいい」

まあ、魔法に関わらせるかの最終的な判断は俺に任されたわけなんだけど。

関わることを決めた場合、俺が魔法を教えてやれって言われてさ。

「なるほどな。

確かにあの時のことを考えるとあいつの適正は治療魔法にあるだろう。

となると、貴様が適任か。

関西呪術協会の秘蔵っ子を指導するとなると責任重大だな」

そんなにプレッシャーをかけないでくれ。

俺としては誰かに代わってもらいたいんだけどな。

「無理だろうな。

ここには治療魔法に特化した者はいない」

それは残念だ。

そういや、結局あの呪いは解けないのか?

「ああ、口惜しいがな。

私は治療や呪いの解除といった魔法は苦手だから手のつけようも無い」

まあ、不死だから治療とか必要ないしね。

まずエヴァに呪いをかけることのできるやつを探す方が難しいだろうし。

「それにしても、あの馬鹿げた魔力の持ち主がお前の技術を学ぶか。

一体どんな怪物が誕生するのやら」

そういや、あの子の魔力には驚いたな。

意識を失う瞬間に感じただけでもナギと同等かそれ以上あるだろ。

もしかすると、あの子がきちんと魔法使いとして成長すればナギの呪いをおんなじ力技で破ったりできるんじゃないか?

「・・・・・おい、あれを一流止まりなどにしたら貴様を殺すからな」

教育に命がかかった!

「教育とは命がけでやるものだ」

俺みたいに明確に命がかかっているやつはいないと思うぞ。

そういえばさ、ネギってどうなの?

「む、まあ教師としてはやはり子供ということでいろいろと考えの及ばないこともあるようだが、一応努力をしてそれなりにやっているぞ。

魔法使いとしてはまだまだ甘ったれの小僧だがな」

よかった、教師はなんとかなっているんだな。

魔法の方は仕方ないだろ、才能があるとはいってもまだあいつは子供だぞ?

ナギと一緒にしちゃかわいそうだ。

「心の方の問題だ。

覚悟ができていないとでも言うべきか、現実が見えていないと言うべきか、あれもまだまだ戦う者ではないな」

まあ、そのへんはおいおいなんとかするだろ。

大戦期じゃないんだ、今回みたいな危険なことに巻き込まれる方がおかしい。

あいつはまだ子供なんだから時間はたっぷりあるさ。

「子供だからと言うのは・・・ん?茶々丸、お前さっきから何を考えているんだ」

「実は、喫茶店の店主は一般的にマスターと呼ばれますが、私は既にマスターのことをマスターと呼んでいますので、なんとお呼びすればいいのかと」

「なんだそんなことか。

こいつのことは木偶の坊とでも呼んでやればいい」

いや、流石にそれはやめてくれ。

茶々丸ちゃんだったよね。

普通に名前で呼んでくれればいいから。

「はい、わかりました。では、ダニエルさんと呼ばせていただきます」

「ちっ、こいつなんぞ木偶の坊で十分なものを。

ちなみに一応聞いておくが、貴様はナギに関する情報を持っているか」

いや、ネギと同じくらいしか無い。

エヴァだったらどうせネギからは生きているって聞いてるんだろ?

「ああ。

その話を聞いたせいで、最近私に呪いをかけられた時の夢をみることが多くなった」

ああ、あの時の夢ね。

確かにあれは悲惨だったな。

俺もあのときは穴ほったり、にんにくとか買いに行くの大変だった。

「・・・・待て、あの穴をほったのも、にんにくを買いに行ったのも貴様だったのか」

・・・・まさか知らなかったの?

いっいや、でも、穴も俺は手伝わされただけだし、にんにくなんかもお使いみたいなものであって。

「おい、追加注文だ。やはり新鮮な血液が欲しくなった」

そっそれは・・。

すぐに病院に行って輸血パックもらってくるから!

「そんなの待てんし、なにより新鮮じゃない。

ちょうど目の前に血液タンクがあるんだ。

そこから勝手にいただくことにするから心配するな」

よせ。

よせって。

お、俺に近寄るなー!!

アーーーーーッ!!








そのころの明日菜と木乃香の会話


「う~~ん」

「どしたん?なんや最近悩んどることが多いみたいやけど」

「いや、京都にいたダニエルさんとかいう人の事なんだけどね」

「ああ、あの人か~。

でも、あの人がどうかしたん?

好みのタイプだったとか?」

「いや、渋さが足りなかったからそれはないわ。

でさ、あの人ってこの学園にいたこととか無いわよね」

「う~ん、うちは見たことあらへんな~」


「じゃあやっぱり気のせいだったのかも。



いやね、あの人を見たときなんだけど。



なんでか、どこか懐かしい感じがしたのよね」






あとがき

次かその次あたりで脱げ女が脱げ無しで登場。

脱げの無い脱げ女、乞うご期待。

いつかガンドルフィーニ先生とか刀子先生も来る予定。

木乃香は方言が難しいのであまり出したくない。




[14425] 中華来襲
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/09 11:15
「ここが最近できた喫茶店アルか」

なんかエセ中国人な女の子が来た。

中国人って本当にアルとか言うんだな。

でも、アルってなんか嫌なやつ思い出すからやめてほしい。

「なかなか店の雰囲気は良しっと」

あの、なんで店のチェックを始めてるの?

「おお、そうだたネ。自己紹介が遅れたョ。

私は超鈴音と言う者ネ。

実は私も友人と料理店を開いているものだから、新しく店ができたとあっては敵情視察に行かないわけには行かないアル」

なに、同業者だと。

中華料理店か。

中華料理店と喫茶店って張り合うジャンルが違わないか?

「ふっ、そんな甘い考えだとこの学園では生き残れないネ。

料理の世界も弱肉強食アル」

ぬ・・・お前、できるな。

「お褒めに預かり光栄ネ」

でも、俺の喫茶店は負けないぞ。

本場イギリスの紅茶が飲めるんだ。

客もガンガン来るはずだ。

「しかし、イギリスの料理は世界一まずいと言うヨ。

そんな料理では中国四千年の歴史に勝てるはずが無いネ」

四千年の歴史だかなんだかは知らないが、結論を出すのはこの紅茶とケーキを食べてからにしてもらおうか。

代金はいらないぞ。

「その挑戦受けて立つヨ」

パクッ

「こ、これは!」

もぐもぐゴクッ

「・・・・・・なかなかやるアルネ」

イギリスの力をなめるなよ。

俺たちは戦場でもティータイムをかかさないんだ。

紅茶とケーキにかけては右にでるものなど居ない。

「なるほど、これは確かに認識を改めざるをえないネ。

喫茶ダニエル、なかなかの強敵のようアル」

わかってもらえてなによりだ。

「今度は私の店に来るといいネ。

中国四千年の料理で敗北の味を教えてあげるヨ」

ほう、それは楽しみだ。

ぜひとも今度行かせてもらおう。

「それにしても、この店客が来ないアルネ」

開店したばっかりだから仕方ないんだよ!

これから知名度が上がっていくはずだ!

「まあ、それもそうカ。

紅茶とケーキの礼、それと好敵手出現の祝いということでクラスメイトに話をしておいてあげるヨ」

マジか。

いいやつだな中華。

「中華じゃなくて超鈴音ネ。中華だとキャラが被るのがクラスに居るヨ」

お前のクラス留学生が二人もいるのか。

珍しいクラスだな。

「他にもいろいろと変なのがいるヨ。

本当に騒がしいクラスアル」

まあ、あまり静かなのもあれだけどな。

学校ではバカ騒ぎして遊んでるくらいで丁度いいんじゃないか?

もちろん勉強とかはしないといけないけどな。

「勉強のことなら心配は要らないネ、私に限っては。

クラスのバカレンジャーあたりはもはや手遅れアルが」

なにそのバカレンジャーって。

学園の平和を守ってるのか?

学園の平和を乱すやつらは俺たちが許さないってやつか。

すごく頼りなさそうな名前だけどな。

「ただのクラスで最も馬鹿な連中の呼称ネ」

この学園ではそんな呼び名をつけられるのか。

明日菜ちゃんは勉強できてるのかな。

まあ、アスナちゃんは頭よかったから大丈夫だろう。

「それじゃあ、そろそろお暇させていただくヨ」

おう、じゃあみんなにちゃんと広めておいてね。

「・・・・・・マスター、一つ聞いてもいいカ?」

うん?

なに?

「もし、もしもどうしても認めたくない、許せない、変えたい、辛い辛い過去、事件があったとして。

自分がその時に戻れるとしたらマスターならどうするカ?」

どうするんだろうな~。

場合によっては過去を変えるためにがんばるかもな。

「過去を変えることがいけないことだとは思わないアルカ?」

まあ、抵抗感が無いと言えば嘘になるけど。

それでも変えたいものっていうのもきっとあるだろ。

だから、俺はもちろん事情にもよるけど、過去を変えようとする人を完全否定することはできないと思う。

悲しい事件をなかったことにするように過去を変えられるかもしれない。

そんな力を持った人がいれば、その人は過去を変えないと、それに巻き込まれた人達を見捨てたかのような罪悪感を抱くことになるのかもしれない。

過去を変えなかった罪悪感か、過去を変えた罪悪感か、どちらを選ぶかはそれぞれだよ。

「そうアルカ・・・」

ん、もういいのか?

「ああ、貴重な意見を聞かせてもらったネ」

何を悩ん出るんだかは知らないけど、後悔が無いようにしろよ。

大切な問題から逃げると後でずっと後悔し続けるからな。

「謝謝」








「紅き翼のダニエル・・・・なんとかこちらに引き込めないものカ。

・・・・私は、絶対に後悔はしないアル。

やらないと、変えないと私は絶対に後悔するネ。

あんなこと、絶対に私は認めないヨ」







あとがき

次はついに脱げ女と思っていたが、やっぱりアルになった。

脱げはその次。

そろそろ千雨が登場する。






[14425] おかえり
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/10 04:17
店を閉めて、自分で入れた紅茶を飲みながらテレビを見ているとドアがノックされた。

誰だろうと思い開けてみると

「お久しぶりです」

なんだいたずらか。

変態がいた気がしたがそんなことは無かった。

ドアを閉めた。

やれやれ、紅茶が冷めてしまうじゃないか。

「ああ、相変わらずあなたの作るものはおいしいですね」

なんでお前が俺の紅茶を飲ん出るんだよ!

まず不法侵入に転移魔法を使うな。

「いやはや、本当に懐かしい」

大体なんでお前がこの学園にいるんだよ。

テオドラが行方不明とか言ってたぞ。

「少々事情があって姿を隠させてもらっているんですよ」

ここには女子初等部があるからじゃないよな。

「・・・・・・・・もちろん違います」

エヴァとかもお前がここに居ること知ってるのか?

「いえ、知りませんよ。

ひたすらに隠し続けて何年も、登場するいいタイミングを探しているんです。

ああ、その時のキティはきっと素晴らしい反応をしてくれるんでしょうね。

あふぅん」

帰れ。

体を抱きかかえて身悶えするな。

「冗談ですよ。

私がそんな幼女のことしか考えていないような変態に見えますか?」

ああ、掛け値なしに。

むしろお前から幼女と変態をとれば・・・・・・・あれ、すっごくいいやつじゃん。

お前ちょっと自分の育ちに絶望して生まれ変わってこいよ。

「ふふ、幼女でない人になじられても嬉しく有りませんよ?」

もういやだ。

誰か警察呼んでくれ。

「それにしてもあなたも変わっていないようで安心しましたよ。

関西呪術協会のお膝元の京都であんなことに巻き込まれるとはあなたらしい」

お前知ってたんなら助けに来いよ。

「いえいえ、私が知ったのはことが終わったあとですから。

そのときはちょうど研究の真っ最中でして、集中しないといけなかったので外部から連絡が取れないようにしてたんです」

研究って幼女か?

「実は、これです」

なにこの変な液体の入ったビン。

「これはあなたにかけられた始動キー絶対固定化を解くための魔法薬です」

即効飲んだ。

おお、なんか自分が解放された感じがする。

「しかし、実はこれは未完成品でして。

これを飲むと副作用が・・・あれ、飲んでしまったんですか」

なんだと・・・・・。

ぐおおおおおおおお!

目が!

目がああああ!

なんだか覚えのある感覚だった。











なんでも、半ば呪いと化している始動キー絶対固定化を解くための魔法薬は未完成品だったらしい。

ナギの馬鹿魔力でかけられたんじゃなかったらこれで解けるはずだったらしい。

呪いの力を操作して極めて害の無いように持っていくのが狙いだったらしいが、この魔法薬では呪いの力が目に集まってしまうらしく。

その呪いの力によって目が作り替えられて魔眼になってしまうとか。

しかも研究の結果、なんという偶然か魔眼の機能は基本的には以前の魔眼と同じらしいということがわかったとか。

以前のものと違う点は、以前のものは一度使うと目が潰れたが、今回のものは何がおこるかわからないということくらいだ。

まあ、使わないから関係ないな。

・・・・おかえり魔眼(笑)よ。

「まあ、その魔眼は使いさえしなければいいわけですし」

そうだな!

使わなければ始動キー絶対固定化が解けただけで済むってことだしな。

結果オーライ。

って、ぐおおおおおおおお!

目が!

目がああああああ!!

なんか目が痛み始めた。




PS アルに検査してもらったところ、目が痛むのは呪いの力が原因で時々起こるものと判明した。

古傷が痛むのと同じようなものだと考えろと言われた。

別に何かの接近に反応して痛むとかいうわけではないし、機関に狙われたりもしないから安心してくれと言われた。

いや、もともとそんなピンポイントなこと考えてなかったからな。

それより、始動キーなににしようかなぁ。


あとがき

なんか原作は魔法世界の次はザジがメインの魔界とかいう噂が立っているけど、この作品は魔法世界で終わらせる予定。

魔界まで書いてたら何時まで経っても終わらない。

大体最後の終わらせ方はおおまかに考えてある。




[14425] 脱ぎません
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/10 17:12
「・・・・まさか本当だったなんて」

お客さんが来店と同時にがっくりとうなだれた。

あれ、俺なんかした?

そういや、それ麻帆良学園の制服じゃないよね。

ここ一応麻帆良の女子中等部の敷地なんだけど。









「なぜ、あなたのような方がこんなことをしているんですか」

高音・D・グッドマンと名乗った少女に怒られた。

魔法生徒らしい。

いや、なんでって言われても就職したから働かないと。

「名高い紅き翼のダニエル様が喫茶店のマスターなんて仕事を・・・」

高音さん、マスターをなめちゃあいけないよ。

こう見えてもなかなか奥の深い仕事なんだ。

紅茶の入れ方一つとってもまだまだ精進しないと。

魔法を練習する前に紅茶の入れ方の練習だね。

「ああ、なんということでしょう・・・」

よよよと泣き崩れられても困る。

文句を言うならタカミチに言ってくれ。

まあ紅茶でも飲んで落ち着きなよ、サービスだから。

「うう・・・・・あ、おいしい」

それで、高音さんだったっけ。

それ、麻帆良の制服じゃないけど。

「あ、私はウルスラ女学院の方に所属しております」

ああ、女子高ね。

なんか君お姉さまとか呼ばれていそうだね、話し方的に。

「な、なぜそれを」

あ、当たってたんだ。

そういえばさ、この学園って魔法生徒って多いの?

「いえ、数はそう多くありませんわ。

この学園では時折やってくる襲撃者を追い払う仕事を魔法教師と魔法生徒で行っておりますので、ある程度実力を見て学園に所属させる魔法関係者を選んでいるようです」

そうなんだ~。

この学園もけっこう危険なんだな。

でも、俺は参加しなくてよかったの?

いや、参加したくはないけどさ。

「この仕事は魔法生徒の実戦訓練も兼ねておりますので、ダニエル様に動いていただくと私たちの実力を上げることができませんわ。

それに、大体仕事の時には腕に覚えのある魔法先生が担当としてついてくれますのでそこまでの危険はありません」

じゃあ、ネギとかもその仕事やってるの?

「いえ、ネギ先生はまだ教師としての仕事で精一杯だろうという理由で話をされておりません」

まあまだ子供だしね。

教師の仕事だけでひーひー言ってるだろうさ。

それにしても、高音さんもまだ学生なのに実戦とかすごいね。

魔法とかも凄いんだろうね。

どんな魔法使ってるの?

「え、えっと・・・それは・・・」

あ、言いたくないなら言わなくてもいいよ。

自分の戦力を隠すのは当然だし。

「あっいえ、そういうことではなくて・・・実は、影魔法なんです」

影魔法って、あの影を操るやつ?

「は、はい・・・」

あれって火とか水とかと違って適性無いといくら努力しても使えない属性だよな。

いいな~

「え?」

ん?どうしたの?

「・・・影魔法が使えることが羨ましいんですか?」

え、普通でしょ?

だって適性無かったらいくら頑張っても使えないんだよ。

「でも、影魔法って地味ですし、それにあまり威力もありませんし・・・なんだか、イメージ的に闇の魔法みたいで」

いや、影魔法を悪く言っちゃいけないよ。

昔大戦の頃にさ、相手に影魔法の使い手がいたんだけどさ。

その人が強いのなんのって。

影で作った槍みたいなのを何十と言わず出して自在に操ってさ。

こっちの味方がどんどんとやられていって、あれには心底恐怖したよ。

あとで他の兵隊さんに聞いたらカゲタロウって人だったらしいんだけどさ。

あの人は影魔法の極みに最も近い人だと思うよ。

断言しても言いけど、間違いなく影魔法は強いよ。

それと、闇の魔法はもっとやばいものだよ。

大きな代償とか支払うこともあるくらいだから、それに比例して威力も強く、なにより怖い。

俺には影魔法なんて全然闇の魔法には見えないよ。

しかも闇の魔法が嫌だとか言ってたら俺なんて魔眼(笑)持ちだぞ?

「影魔法が、そんなに凄かったんですか?」

ああ、あれはもう二度と出会いたくないと思ったよ。

あの人とまともにに戦ったら勝てる気がしない。

「まさか、そんな・・・」

あの人の影魔法は恐怖のおかげで印象に残ったからね、まだまだ鮮明に覚えてるよ。

俺もあの人のを参考にしたりもしたし。

もしよかったら時間がある時にでもどんなのだったか教えようか?

「はい、ぜひ!」

まあ、俺は影魔法を使えないから、カゲタロウさんのこと話すだけだけどさ。

のんびり紅茶でも飲みながら

「まさか、ダニエル様に師事できるなんて・・・」

いや、師事とかじゃなくてただのお話だから。

「ああ、お父様お母様。

私は麻帆良で素晴らしき師に出会うことができました」

いや、ちょっと話を聞いて。

「ああ、こんなことしてる場合じゃありませんわ。

早くお父様達に手紙を書かないと。

お父様達、きっと驚くにちがいありませんわ」

だからね、高音さん。

「それではダニエル様、私は一刻も早く手紙を書かないといけないので今日はここで失礼させていただきます。

これからはダニエル様の弟子として精一杯努力させていただきますのでよろしくお願いします。

では、私はこれで」

あ、待って!

ちょっと高音さん!

ああ・・・・。

「なんだか高音君が凄いスピードで走り去って行ったけどどうしたんですか?」

ああ、タカミチ。

いやね、もう俺にもなにがなんだか・・・。

とりあえず、飲みに行こう。

なんだか浴びるように酒が飲みたい気分なんだ。

「ええ、まあ僕も仕事は終わりましたしかまいませんけど」






「はは、そんなことがあったんですか」

いや、笑い事じゃないよ。

俺にどうしろって言うんだよ。

「いいじゃないですか。

高音君が以前から影魔法に引け目を抱いていたのは周知の事実でしたし。

どうせ既に一人弟子入りは決まっていることなんですから、ついでということで」

ああ、なんで魔法のこと聞いちゃったんだろ。

タカミチ、お前が居合い拳でも教えてやれよ。

「無理ですよ。

彼女はマギステル・マギを目指しているんですからまずは魔法を学ぼうとするでしょう」

ちくしょう・・・おやじ、酒。

「旦那、ちょっと飲みすぎだぜ」

このまま酔って嫌なことも全部忘れたいんだ・・・。

「まあ、そんな時もあるわな。

これは俺からのサービスだ、飲んで全部忘れちまいな」

おやじ・・・・・。



PS 後日、高音さんの家から手紙が届いた。
なんか、俺のことをべた褒めする文章と娘をよろしくお願いしますということが書いてあった。
ちょうど手紙を読んでいるところにエヴァがやってきて手紙を見られた。
お前、実は弟子が欲しかったのかとか言われたがそんなことはない。
あとエヴァ、前にも言ったがここでは血液は取り扱っていないから。




あとがき

残念ながら新魔眼(笑)には邪気眼のような機能はなく、あれはただ肉体的に痛いだけ。

やっと高音だせた。

巨乳は正義。



あとがき追加

感想を見て、ダンに影の適正があったのを思い出した。

しかし、ダンが影まで使えるようになると今よりも強くなりそうなので、影に適正があったと言う描写のほうを修正して消去。

ダンには悪いけど弱くなってもらった。



さらにあとがき追加

>最後の巨乳正義って作者はロリじゃ…

俺はロリじゃない!巨乳バンザイ!

おっぱいおっぱい


どうやら俺の描写が足りなかったみたいというか書いていなかった。

ダンの転移魔法の媒介は雷。

なんか水とか火も考えたけど、水とかはフェイトを見ていると沈んでいくような感じだったので、ダンだと沈んでいる間に攻撃されそうでかわいそうと思って、シュバッと転移出来そうな雷。

火だと転移に失敗して媒介の火で燃えるというのが浮かんで却下した。

雷だったらあっても痺れるだけだろうと。

影に関しては完璧に忘れていた。

がっかりさせて申し訳ない。



[14425] メガネっ子
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/11 12:11
「あ~、なんでこう疲れることばっかりなんだよ」

人気の無い店内で千雨ちゃんという子がテーブルにうなだれている。

今日の出来事をダイジェストに紹介するとこんな感じだった。


・店内に一人だけいる客が溜息ばかりついていたのでどうしたのかと聞いてみた。

・なんでも、クラスがありえんらしい。子どもが先生になっているとか。

・ネギのことだと判明したので、俺の知り合いだと言った。

・俺も教師をすると聞いたときは驚いたが別に止めはしなかったと言った。

・なんで止めなかったんだとガクガク揺さぶられて怒られた。この時に本性発覚。

・バレちまってはしょうがねえということらしいが、学校では隠してるから誰にも言うなと言われた。

いや、まあネギが教師してるのは俺もどうかと思うけどね。

せめて魔法生徒として通わせろよ。


まあ、その疲れることが後でいい思い出になるかもしれないよ?

「ありえねえ。このままだと胃に穴が開いた上にゲシュタルト崩壊起こしそうだ」

一緒になって騒いだらいいのに。

まあ、限度ってモノもあるけどね。

「クラスメイトにやけに留学生が多いのは、まあまだ我慢できる。

でも、ガキが担任とかロボットまでいるってのはありえねえだろ」

ロボット・・・・・麻帆良って不思議な場所だよね。

「ああ、私は普通のクラスが良かった」

あの科学部のロボットとか初めて見た時さ。

日本の科学技術ってレベル高いな~とか思ったけど、あれって異常なんだよね?

「ああ、NASAでもあんな技術は持ってねえよ」

しかもあのロボットたち暴走する度にいつも俺のいるところにピンポイントで攻撃してくるんだけど。

「あんたも苦労してるんだな」

周りの人達もお祭り騒ぎで助けてくれなくて困るよ。

「ここの連中はおかしいことだとか、異常なことだとは思わないんだ。

なんでだよ、どう考えてもおかしなことだらけだろ」

ああ、多分それ学園にかけられている認識阻害の魔法のせいだ。

あの科学部も魔法関係者なんだろうと思う。

それにしても、この子は他の子に比べて魔法に対する耐性が強いのかもしれないな。

流石に魔法のせいで学校が楽しめないというのはかわいそうだし、こっちとしても責任を感じないでも無いから今度学園長に相談してみよう。


まあ、千雨ちゃん。

ほら、ケーキでも食べなよサービスしとくから。

「ああ、ありがとう・・・・・うまい」

それはよかった。

実はそれは今度新メニューにしようと思ってる試作品でさ。

誰かの感想が聞きたかったんだ。

「マスターは、普通に生きるってどう思う?」

素晴らしいね。

一日のんびりと過ごして、たまにうまいもの食べて、そんなふうに暮らせたら最高だろ。

「だよな~」

まあこの学園は普通って言葉をどこか遠い次元の彼方に置き忘れてるみたいだからね。

千雨ちゃんみたいな子にはちょっと暮らしづらいかもしれないけど。

疲れることがあったらここに来なよ。

ケーキと紅茶でリフレッシュすれば明日もがんばれるさ。

「ああ、ぜひそうさせてもらう。

じゃあ、私はそろそろ帰る」

うん、まあ頑張ってね。





PS エヴァがやってきた。
なんか俺に言い忘れてたことがあるらしい。
「そう言えば、ちょっと前から坊やが私に弟子入りしたんだが」
紅茶を吹き出した。
エヴァにかかって血を吸われた。
ネギ、なにやってんの!
「いや、なんでも私の火力に惚れたとか」
確かにあれはすごいけどさ。
お前、修行でネギを殺すなよ。
「まあ、善処はする」
ナギ、ネギはもうだめかもしれない。
すまん、俺の力が及ばなかったばかりに。
「ずいぶんな言い草だな。
それより、坊やの弟子入りの時に近衛木乃香もやってきてな。
どうやら魔法に関わりたそうだったが、お前が判断すると聞いていたので、そのことを言って帰らせておいた」
関わることにしたのか。
どうしたものかな。
「まあ、才能はケタ外れで、桜咲刹那というそこそこ優秀な前衛もついているんだから教えても構わんと私は思うがな。
というより、私の呪いを解くためにも絶対教えろ」
でもな~。
やっぱり危険なものは危険なんだよ。
自分には力があるからってだけで関わってもろくなことにはならないし。
そのへんは話を聞いてみないことには判断できないなぁ。
「まあ、とりあえず明日私の家に来い。
近衛木乃香も呼び出している。
そのときに話をつけろ」
わかったよ。
「あと、ついでにグッドマンも連れてきたらどうだ?
私の持つ別荘は修業をするには持ってこいの場所だしな。
なにより、いつかお前の弟子と私の弟子で戦わせてみたい」
高音さんか~。
まあ、一応声はかけてみるよ。





あとがき

ダンはなにかあったらケーキを出す。
ケーキポ?



久々にdies iraeをやった。

完全版欲しい。

しかし、エリールートがないことに絶望。

俺の中ではエリーが一番だったのに・・・・・。

こんなに悲しいのは、聖なるかなにエヴォリア、タリア、フィロメーラ、ユーフォリアのルートがなかった事に気づいたとき以来だ。

俺はロリではないが、ユーフォリアはありだと思うんだ。
あれだな、幼女を好きになったんじゃなくて好きになった子がたまたま幼女だったというやつ。




[14425] 高評価
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/12 11:50
タカミチを通じて高音さんを呼び出してもらった後、エヴァの家まで地図をもらい高音さんと向かうことにした。

「ほ、本当に大丈夫なんでしょうか?」

どうやら高音さんはエヴァが怖いらしい。

一応学園に縛り付けられて力も封印されていることは知っているらしい。

まあ、学園の警備も担当しているらしいし。

それでも、やはり闇の福音の名前は恐怖の対象なのだろう。

「それにしてもネギ先生がエヴァンジェリンさんに弟子入りとは・・・」

いや、まあエヴァは指導者としてどうかは知らないけど、魔法使いとしてはとびきり優秀だしね。

「しかし、仮にもあのサウザンドマスターの息子が」

親は関係ないって。

ネギはネギで自分が強くなるために指導者を見つけたんだって。

誰に教わろうが力は力だよ。

そこからどういう風に力を使うかが問題であって、エヴァに教わると言うのは間違った選択じゃないと思うよ。

それに、エヴァは女子供には甘いしね。

もともと襲撃者にしか手を出さなかったわけだし。

「それは理解しているのですが、やはり私たちにとって闇の福音の名前は」

まあ昔からそういうふうに教えられてるわけだしね。

少しずつ慣れていけばいいよ。

「それにしても、やはりダニエル様は闇の福音の名にも怯えることはないんですね」

いや、これだけ力の差がはっきりしてるとね。

あっちがその気ならいつでも俺を殺せるわけだし。

びびってても仕方ないよ。

「あ、つきましたわ」

おお、なんというログハウス。







そして、茶々丸ちゃんにエヴァの別荘に案内された。

それにしてもこの別荘すごいな。

場所もとらないし最高じゃないか。

俺ならここで引きこもライフに専念するんだけど。

「うわああああああ!!」

ズドーンとネギが吹っ飛んできた。

「ね、ネギ先生!!」

おお、かなりスパルタにやってるな。

実戦形式か。

まあ、ネギに足りないのは魔法よりも経験のほうだしな。

「どうした坊や、その程度か。

ん?ダニエルもう来たのか。

ならちょうどいい。坊や、休憩だ」

はい~とネギがふらふらしながら答える。

頑張れネギ。





というわけで、木乃香ちゃんと対面しているわけなんですが。

なんで生徒たちがいっぱいいるの?

え、この子達に魔法を教えるかどうかも決めろって?

そんな無責任な。

それにしてもこの子達全員魔法を知ってるのか。

ネギ、お前オコジョにされるんじゃないか?

「そ、それは困ります!!」

「まあまあ、おじさんも落ち着いてさ。

私たちは記憶も消さずに自分から関わるって決めたんだから」

いや、そうは言うけどね。

やっぱり戦う力も持って無い人間が関わるって言うには危険が大きいんだよ。

「だから、私も魔法を学びたいです」

いや、なにもただの生徒の君が自分から危険に顔突っ込まなくてもさ。

「ウチも学びたい。ウチには力があるんやろ?やったら・・・」

木乃香ちゃん、君には確かにすごい力があるよ。

それだけの魔力があれば、もしかするといつかナギと同等になるかもしれない。

でも、俺にはそこまで君が辿りつける気がしない。

それどころかその前に殺されるとしか思わない。

君はただでさえ危険な立場なんだ。

下手に力を持って危険なことに首をつっこむのはおすすめできない。

「死ぬってそんな大げさな・・・」

いや、本当に危険な世界なんだよ。

あんな京都みたいなことはそうは無いけど、それでもやっぱり危険は多い。

「ダニエル、結局そいつらは何もわかっていないんだ」

いや、何もわからんままが一番危ないだろう。

「それに、危険なことなら知っています。

ネギ先生の、過去を見ましたから・・・・」

ああ、村が悪魔に襲われたやつね。

「はっ、あんなもの所詮はお涙頂戴の三文芝居にすぎん。

ダニエル、ここはお前の過去でも見せてやればどうだ?」

いや。

いろいろと見られたくないこともあるし。

「なに、危険が多いことを教えたいのなら戦争のときの記憶を見せれば十分だろう。

ほら、さっさとするぞ。

リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」

うわ、やめろ!

ぬお、くそおおおおお!!











まず真っ先に目に映ったのは赤色。

血と炎の色だった。

ああ、これ俺が初めて戦場に行った時じゃないか。

まだ13歳だった俺は、覚えたての治療魔法だけを頼りに治療部隊の一員として必死に走り回っていたんだ。

目の前で一人味方が燃やされた。

俺は気持ちが悪くなって、敵が近くにいるというのに吐きだしている。

今見ると、こんな状況で吐くとか考えられないな。

すると、敵も味方に撃墜されて死んだ。



俺は逃げ遅れた一般人を探して走り回っている。

そして、見つけた。

一般人の女の子だった。

見覚えのある子だった。

この子は街を守るためにいた俺たちの駐留場所に何どもサンドイッチを持ってきてくれていたんだ。

人懐っこい笑みを浮かべていたのがひどく印象的だった。

サンドイッチはあまり上手では無かったが、みんな温和な彼女を見ておいしいおいしいとそう言っていた。

しかし、その子は今燃え盛る街に倒れている。

間違いなく、敵の奇襲を許した俺たちの責任だ。

その子のケガはひどくて、血が溢れ出している。

俺は急いで治療魔法をかけた。

だんだんと傷が塞がっていく。

「ああ、ダニエルさんですか。私、このまま死ぬんでしょうか」

「大丈夫です。傷はちゃんと塞がり始めています」

治っている。

傷は治っていっているはずなのにどうも嫌な予感がぬぐえなかった。

「そうですか・・・・。

なら・・・・大丈夫ですね。

家で犬を飼っているから、散歩をしてあげないと・・・」

治れ、治れ、もっと早く!

ひたすらとそう念じ続けた。

「ねえ、ダニエルさん。

サンドイッチ・・・・おいしかったですか?」

「ええ、とても。

何度でも食べたいと、そう思いました」

そう言うと彼女は人懐っこい、あの笑顔を浮かべた。

「じゃあ・・・また・・・持っていきますね。

ふふ・・兵隊さん達は、みんなよく食べるから・・・

いっぱい・・・つくらないと・・・」

彼女は目を閉じた。

俺はひたすらに魔法をかけ続けた。






「坊主、なにをしている」

「部隊長、傷が、傷が治っているのに目を覚まさないんです!!」

それから十分ほど治療魔法をかけ続けても彼女は目を覚まさなかった。

部隊長は彼女の脈を測り、首を振った。

「手遅れだ」

「だって、傷が治っているのに!!」

「傷が治れば生き返るんなら死人はでねえ。

外見だけ取り繕えばいいってもんじゃねえんだよ」

未熟な俺の治療魔法ではそれが精一杯だった。

彼女は死んだ。

未熟な俺の得た結果がそれだった。

「でも、でも・・・・」

「行くぞ。

お前のカスみたいな治療魔法でも必要としている人間はまだまだいる。

立て。これ以上、俺たちの街の人間を殺させてたまるか」

俺は、しばらくして立ち上がり部隊長に続いた。

その後、ナギや他の兵隊の奮闘もあり敵は撤退した。

しかし、街は燃え崩れて放棄せざるを得なくなっていた。

敗北、俺たちの初陣は敗北に終わった。





その後もいろんな場面に切り替わった。

何十を超えて駆け抜けた戦場。

俺の治療魔法も必死に練習した成果もあって少しずつ上達した。

しかし、どうやっても直せない人たちも多くいて、死ぬ人も数え切れなかった。

切り替わる場面では、たくさんの人が死んでいった。

手が吹き飛んだ人。

塵ひとつ残さず消滅した人。

まっぷたつに斬られて上半身と下半身が分かれた人。

俺も殺していた。

逃げながらも、隙を見つけては敵を殺した。

治し、逃げ、殺す。

それからも、ただそれだけを続ける日々が続いた。










お、もう終わりか。

えっと、どうだった?

「・・・・・・・・」

やっぱりトラウマとかになりそう?

だったら記憶消すけど。

「あれが、魔法の世界なんですか!!」

うん、まあね。

「あんなの、あんなのは嘘です!

私が、私が思っていた世界は・・・・」

それはメルヘンチックな夢と希望の世界かな?

残念ながら、魔法の世界はそれに近いかもしれないが本質は対極にある。

「ウチ・・・どうしたらええんやろ。

あんなん、ウチ想像もしてへんかった。

ただ、ネギ君のお父さん探すんを手伝えたらええなあって・・」

ネギのことをそこまで心配してくれてるのには感謝する。

でも、きちんと考えた方がいい。

戦争はもう終わったけど、魔法の世界はまだまだ危険が多い。

戦争が終わっても、火種はまだくすぶっているようだし。

いつそれが炎になるのかわかったもんじゃない。

「だからダニエルさんは、みんなに魔法と関わって欲しくないんですね。

そして、おそらくは僕がお父さんを探しに行くことも・・・・」

ああ、反対だ。

あいつが何年も姿をくらましているってことはそれだけ危険なことに巻き込まれているんだろう。

俺は、ネギ、お前を頼むとあいつに言われたんだ。

だから、お前に危険なことをさせたくない。

「でも、僕は・・・・」

なあネギ。

ナギがてこずっているようなことにお前が首を突っ込んでなんになる。

少なくとも、エヴァに認められるくらいの力が無ければ俺は認めることができない。

「ダニエル、言っておくが私の採点は厳しいぞ」

だからいいんだって。

この件に関しては採点が厳しいに越したしたことはない。



結局、その日はみんな考える時間がいるだろうということで別荘に泊まった。

まあ、みんな話したいこともあるんだろうし。

俺はそうそうに眠ることにした。







明日菜たちの会話



「でも、あの人の記憶ではずいぶんと幼かった頃もあったけどいつからあんなことしてたのかしら」

「ダニエルのことか?

あいつはたしか13歳のころから戦争をしていたはずだぞ」

「13!?私たちよりも年下じゃない!」

「そうだな」

「そうだなって。なんで13のころから戦争なんかしてるのよ!」

「私に聞くな。まあ、それでも生き抜くことができたというのもあいつが有名になった理由の一つなのだろうな」

「ほえ~、すごい人なのね」

「ただ凄いだけではありませんわ!」

「えっと、高音さんだったっけ?」

「ええ。

それはそうとダニエル様のことですが。

ダニエル様はサウザンドマスターが旅を始めた当初からの仲間で、いわば紅き翼の最古参の一人。

そして、サウザンドマスターに勝さるとも劣らない功績をあげ、多くの人を救っているのです。

今でも、多くの敵を倒して人を救ったサウザンドマスターよりも、多くの人を治療することに重きをおいたダニエル様のほうがマギステル・マギの理想の形なのではないかと言う人も数多く居ます。

そして、ダニエル様達は映画はもちろんのことアニメやゲーム、漫画や小説、劇、教科書など様々なことで題材にされているほどです」

「まるで歴史の偉人みたいね」

「いえ、偉人と言う点では同じですが。

例えば織田信長やエジソンなども小さな子供は知らなかったりするでしょう。

しかし、ダニエル様達は赤子に語り聞かせる童話や、子供を寝かしつけるときのお話などにもされていますから魔法関係者で知らない物などいませんわ。

だから知名度で言えば上を行くでしょう」

「まるで奇跡の人なのね」

「その言い方はよせ。

奇跡などという天から降って湧いた幸運なんて言い方は、あいつが乗り越えたものや、覚悟、努力などを侮辱する言い方だ。

それに、あいつはナギと違って始めから強かったわけではない。

13のあいつなんぞ今のお前にも負けるほどの力しかないだろう」

「は?ならなんであんなことやって生きていられるのよ!」

「それは多少の運もあっただろうが、ただひたすらに積み上げてきた努力の賜物としか言いようが無いな。

私はあいつのことを高く評価している。

あいつはな、才能で言えばネギはもとより、グッドマン、お前にも遠く及ばない。

あいつが持っている魔力や才能なんぞ魔法使いの平均程度でしかない」

「え?そ、そんなまさか・・・」

「事実だ。

しかし、あいつはそこから努力を続けてあのナギたちと並び称されるまでに至ったのだ。

その努力は計り知れんほどだろう。

だが、逆に言えば魔法使いのほとんどはナギのようにはなるのは不可能だが、ダニエルのようにはなることができる可能性を持っているのだ。

だから、ある種魔法使いの理想形の一つがあいつなのだろうな。

私は努力を重ねてあの高みにまで昇ったあいつを高く評価している」

「私は、ずっと凄い天才でなんでもできる人だと思っていました」

「天才という言葉とはおよそ正反対の人間だな。

凡人だよ、あいつは。

そういえば、お前はあいつに弟子入りしたんだったな。

喜べ、グッドマン。

お前は幸運だ。

優秀だが、天才では無く凡人の範疇に含まれるお前なら、あいつの教えを受け、あいつの形を正しく受け継ぐことができるだろう。

それは、天才のネギの坊やなどには無理なことだ。

凡人のお前が高みを目指すのならあいつの教えを受ける事ができるのはまぎれもなく僥倖というものだ」

「はい」





あとがき

エヴァには正しく高評価をもらうダン。

実際このくらいが正しい評価だろう。

ちなみに、魔眼は残っていた目が変化したもの。
片方は潰れたまま。

使うとどうなるかは秘密。
ただ、今度は潰れる予定はない。



それにしても、3作目はユーフィーがヒロインか。
テンション上がってきた!!
これでご飯3倍はいける。


だが、俺が許す幼女はユーフィーだけだ。

それでも俺をロリだと言うのなら俺も言おう。

俺はエヴァには萌えたことが無い。

あくまでユーフィーのみ。

誰か俺をエターナルにしてくれ。

あと、俺も原作よりThe foolのほうが好き。

ユーフィー最後のほうかわいかったし、特に別れの時とか。

エヴォリアが生き残ったのも大きいな。

精霊天翔?

ユーフィーでないなら別にいいよ。

・・・・・・まあ、ちょっとプレイするくらいなら、ほら、一応シリーズは全部やっておきたいし。







ふうっ、これで俺がロリでは無いとわかってもらえただろう。



[14425] 悪魔襲来
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/13 14:36
次の日、やはりと言うべきか答えを出せている子はいなかった。

まああんな映像見せられちゃあしばらくはまともに飯も食えんだろうし仕方ないか。

ただ、誰一人記憶を消してくれと言うことが無く、青ざめた顔だが、もう少し時間をくださいと言われた。

これから命も、人生までもかかってくることだからゆっくりと悩みなさいとだけ言い別れた。

しかし、その夜のことだった。

彼女たちに追い打ちを掛けるような事件が起こったのは。

高位悪魔の襲来。

喫茶店にいたとき、なんだか嫌な感じがするなぁとカップを磨いていると、タカミチから連絡が入った。

どうやら、他の魔法教師や魔法生徒は高位悪魔を使役する相手が放った他の悪魔が暴れているのを抑えるのに精一杯で、誰一人動ける状態じゃないらしい。

しかも、魔法で学園全体を見渡し指揮をとる学園長の監視魔法が捉えた情報によるとネギが生徒を攫われて、高位悪魔のところに向かったと言う。

俺はそれを聞いて急いで杖を手にその場所に向かった。








流石に高位悪魔はまずいだろ。

戦争中も召喚されてたけど、あいつらの力は半端じゃない。

ネギ、死ぬなよ。




ここか。

杖の上からステージを見下ろしてみると、ネギと、少年が高位悪魔と戦っていた。

確かに生徒たちも結界の中に囚われているようだ。

「なんだ、ダニエル来たのか」

エヴァ?!

なんでお前が、いやお前が気づかないはずも無いか。

なにここで見てるんだよ。

「ネギを助けに来たのか」

当然だろ。

あんなもんガキが戦う相手じゃない。

俺だって、一対一で戦うと正直負ける算段のほうが大きいと思うくらいだ。

「助けることは許さんぞ。

あれは、坊やの相手だ」

何言ってんだよ。

高位悪魔の力はお前も知ってるだろう。

「ああ、だからこそだ。

いつか坊やはナギを探しに行くだろう、お前の静止を降りきってでも。それもそう遠くないうちにな。

そうすれば、必ず道は魔法世界にたどり着く。

なら、あの程度の相手をどうにかできないでどうする。

ナギ絡みの事件に高位悪魔にも勝てないような人間が関わったところで死ぬだけだ」

それはそうだろうけど・・・。

でも、まだ早いだろ。

確かにネギは凄い、俺なんか比べものにならないくらいの才能を持っている。

でもまだあいつは10やそこらの子供なんだぞ。

どこにそんな年で高位悪魔とやりあうやつがいるよ。

「ああ、それもわかっている。

だが、坊やが道を決めている以上は力を得る機会、経験を得る機会は多いに越したことは無い。

高位悪魔を相手にする機会なんぞ滅多にあることではないからな。

この経験は坊やにとって大きな糧になる」

・・・・お前、ネギを死なせたくないから出来る限りの経験を積ませておきたいって素直に言ったら?

「な!そ、そういうわけじゃない!私はだなぁ!」

まあ、どちらにせよ。せめてあの生徒たちは助けてくるぞ。

あの子たちが捕まってるからネギ頭に血が昇ってるみたいだし。

ネギのほうも、本気でヤバそうだったら手助けはするけどな。

「ふん、好きにしろ」

お前なりに弟子のことを考えての行動なんだろうけど、今回ばかりは流石に命の危険もあるからな。

経験も何も死んでしまったら意味が無いだろ。

お前だってそのつもりだったんだろうしな。

茶々丸ちゃんに撮らせた映像記録でもなんでも戦いを見ることくらいはできるのに、こんなところで見ているってことはいざとなったら助けるつもりだったんだろ?

なんか茶々丸ちゃんライフルみたいなの持ってるし。

「違う、これはだな!」

「まあまあ、エヴァンジェリン殿もその辺にしておくでござるよ」

誰?ござる?

「長瀬楓か。坊や達を助けに来たのか」

「そのつもりだったのでござるがな。

失礼ながら二人の会話を聞かせてもらったら、そういうわけにもいかなくなったでごあるよ。にんにん」

えっと、エヴァ。

この子誰?

「坊やの生徒の一人だ。ちなみに魔法関係者ではないが、裏の世界の人間と同等の力を持っている忍者だ」

「忍者とはなんのことでござるかな?」

忍者ってまだ日本に残ってたんだ。

イギリスでやってた映画でしか見たこと無かったよ。

まあそれはともかく、ちょっと行ってくるよ。

「それならこれを持っていくでござる」 

バスタオルがいっぱい?

「彼女たちも流石にあの姿では乙女としてまずいでござるよ。

急いで取りに行ってきたでござる」

ああ、そう言えば裸だね。

じゃあ、ありがたくもらっていくよ。

今度喫茶店に来てくれたらこのお礼でもするから。

「あいわかった」

この距離ならまだ短距離転移でなんとかなるな。

じゃあ、行ってくるよ。

「消えた。瞬間移動でござるか?」

「まあ似たようなものだ」









よっと。

あれ?なんで封魔の瓶がこんなところに。

まああのスライム達封じるのに使えそうだしもらっておくか。

「何だテメーハ!」

「ダニエルさん!」

あそこで戦っているネギの保護者みたいなものだ。

どうやら彼女たちが捕まっているせいでネギがまともに戦闘に集中できていないんでね。

君たち封印させてもらうよ。

封魔の瓶!

あれ?弾かれた?

「明日菜の力を利用して魔法を無効化しているです!ペンダントを取らないと」

うわ、魔法無効化か。

ならとりあえずペンダントを取らないと。

「そうはさせネエゼ」

スライムか。

無詠唱火の一矢!

「魔法は効かねえッテ」

俺の火の一矢は例のごとく足元にあたり土煙を巻き上げた。

「くそ、見えネエ」

「相手の狙いはペンダントデス。なら狙いハ!」

三体のスライムはどうやら明日菜ちゃんのほうに向かったようだ。

「いねエ!」

そんな正直に一直線に向かうはずもないだろう。

「ナッ!」

氣で強化した蹴りで三体のスライムを後ろから蹴り飛ばした。

流石にこれ一撃で倒すと言うことはできなかったが、距離は十分にとれた。

明日菜ちゃん、ペンダント取るよ。

「はい!」

よし、これで大丈夫。

「クソ!」

じゃあ、今度こそ封印させてもらう。

封魔の瓶!

「ちくしょーこんなあッさりト!」

どうやら術者が封印されたから結界も解けたみたいだし、これでネギの方も少しは落ち着くだろ。

「困ったことをしてくれたものだね」

人質なんて趣味の悪いことしてるんじゃねえよ。

「私としても不本意ではあったのだがね。これも目的のためならいたしかたないというわけだ」

「ダニエルさん!」

ネギ、エヴァがそいつはお前が倒せだと。

「なに言ってんのよ!」

いや明日菜ちゃん、俺に怒られても。

で、どうするネギ。

お前が無理だと言うのなら、俺も力を貸す。

「・・・・・いえ、大丈夫です」

本当にいいのか?

何も恥ずかしいことじゃない。

お前の年でそこまでやれただけでも十分にすごいよ。

「それでも、僕は自分の力でやりたいんです」

・・・・俺が本気でやばいと思ったら勝手に手助けするからな。




「ダニエルさん」

みんな、ごめん。

なんだか巻き込まれてしまったみたいだね。

「いえ、ダニエルさんのせいではありませんから・・・」

これ、バスタオル。

とりあえず体に巻いておくといいよ。

「ありがとうございます」

それにしても、死人が出なくてよかったよ。

「・・・・私たちは、魔法の世界のことを勘違いしていたようです。

こんな、こんな世界だとは思わなかった・・・・」

それに気づくのが誰かが死んだ後じゃなかったのは幸運だよ。

魔法の世界ではね、誰かが死ぬっていうのはこっちの世界よりもずっと身近にあることなんだ。

そのことを踏まえた上で考えて欲しい。

そして、できるなら記憶を消して以前の生活に戻って欲しい。

「・・・・まだわからないです。

どうしたいのか、私には私自身のことすらも・・・」

ゆっくりと悩めばいい。

落ち着いて考えて、そうして結論を出さないと。

きっと後悔するから。

「はい・・・でも、あの時、ネギ先生の過去を見たとき。

ネギ先生の力になりたいと思った。

そのことだけは私の本当の気持ちです」

そっか、ありがとう。

それじゃあ、俺はあそこで眠っている二人の様子を見に行ってくるけど、一人は刹那ちゃんだけど、もう一人は?

「あの人は、魔法のことも知らないクラスメイトです」

わかった。







どうやら眠っているだけみたいだな。

あの悪魔も人質を全く傷つけないとは変なところで紳士的だな。

「ん・・・・あら?私は、小太郎君が、あのおかしな人に・・・」

この子も見てしまっているのか。

どうしたものかな。

「あなたはどなたかしら?」

ただの喫茶店のマスターだよ。

「そのマスターさんがどうしてここに?」

ちょっと心配な子がいてね。

危なっかしい子ってどうにも放っておけないからさ。

「それは私もです。小太郎君も、とても元気が良くて、元気が良すぎて・・・・」

眠ったか。

まあ、まだ魔法が少し残っているみたいだしな。

さて、記憶を消すかどうかは学園長の判断に任せないといけないな。

でも、あれだけネギが魔法のことがバレてるのに気づかない人でも無いだろうし。

もしかすると、この子も消さずに放置ってことになるんじゃないか?







「ふはははは!ネギ君、君はとんだお人好しだなぁ!やはり戦いには向かんよ」

ネギ、勝ったみたいだな。

「はい」

よくやった。

本当に、よくやった。

「ダニエル・・・紅き翼のダニエル」

知ってたのか。

「知らぬはずも無いだろう。

私もあの戦争では何度も召喚されたことがあるのだ」

なら、何度か戦場で顔を合わせたこともあるのかもな。

あの戦争で見た悪魔の数なんかいちいち憶えてないけど。

「私は、見たことがある。

あの戦場で、必死に生きようとする幼かった君の姿は輝いていたよ」

あんたに見つかってよく死ななかったものだ。

「そのまえにサウザンドマスターにやられてしまったからね」

あいつ、俺の知らないところで。

「だが君はもう成長してしまったようだ。私の食指は動かないな」

それはありがたい。

あんたみたいなのと殺り合いたいとは俺も思わないんでね。

「私の召喚主からも話は聞いてあるよ。

戦闘経験の豊富な優秀な治療魔法使いが麻帆良にいるとね。

しかし、どうやら君でもネギ君の村の人間にかけた私の石化は解けなかったようだね」

ああ、残念ながら魔力が全然足りなくてな。

というか、あれはあんたがかけたのか。

「コノエコノカ嬢。

おそらくは極東最大の魔力を持ち、修練次第では、良き師に巡りあえば、世界屈指の、いや世界最高の治療魔法使いになれるだろう。

そうなった彼女ならば、私の石化を解けるかもしれないな。

そして、師は今ここにいる」

まずは木乃香ちゃんを魔法に関わらせるかを決めないと話にならないけどな。

俺としては反対なんだよ。

「魔法使いの君が、優秀な才能を咲かせること無く、潰えさせようと言うのかい?」

別におかしなことでもなんでもないだろ。

魔法に関われば、多かれ少なかれ戦いに巻き込まれる。

戦いなんて経験せずに済むならそれに越したことは無い。

「君はどうやら戦いが嫌いなようだね」

俺は毎日のんびりと過ごせたらそれでいいよ。

戦いなんてしたいと思ったことは一度も無い。

「そうか、どうやら君も戦いには向かないようだ。

どうして、私が目をつけた人間はこうも戦いに向かないものばかりなのか」

知るかよ。

「ネギ君、君には礼を言っておこう。

いずれまた、成長した君を見る日を楽しみにしておこう。

私を失望させてくれるなよ、少年。

ダニエル君、ぜひともその日が来るまでネギ君が死ぬことが無いように頼むよ!

ふふふ、はははははははは!!」

お前に言われなくても。

こっちはとっくにナギからネギを任されてるんだよ。

それに、ガトウさんが命に代えて守りぬいたアスナちゃんに、詠春さんの一人娘の木乃香ちゃんか。



・・・ちょっと、俺には重すぎるよ。



なあナギ、お前今なにしてるんだよ。



早く帰ってこいよ、バカヤロウ。






あとがき

スライムとの戦いでダン無双みたいになってるけど、原作でものどかたちでなんとかなったくらいだし、正直雑魚だろうと思い、このくらいあっさりと勝たせておいた。

スライムって基本的に雑魚だよね?



とりあえず、昨日は久しぶりにセーブに残しておいた文化祭のユーフィー達のところをプレイした。

やっぱり最高だわ。

ちょっと神剣宇宙に行ってくる。





[14425] 緊急事態
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/13 23:41
緊急事態発生と詠春さんから手紙が届いた。

俺としても今回の事件のことに木乃香ちゃんが巻き込まれたことなどを報告しておくべきだろうと思っていたので、学園長に長距離転移魔法で至急京都に送ってもらうことになった。

そう言えば、あの巻き込まれた無関係の女の子は記憶を消すことまではしなかったらしい。

記憶を消すと一日分の空白が生まれ、いろいろと面倒なことになるので極力消さない方がいいのは確かなのだが。

一応学園長があの悪魔との戦いを見たあたりは魔法で記憶をぼかしておいたらしい。

なにかあったのは覚えているが、なにがあったかは覚えていないし、それをそこまで疑問には思わないという超高度な魔法を使っていた。

ネギと一緒にいた男の子のことは覚えているらしい。

まあそれでも魔法関係者に繋がる部分はぼかしていたけど。

まあそんな魔法をかけたのなら問題はないはずだ。

そう言えば、アルが学園長に俺宛の手紙を渡していた。

『京都に行くなら、ロリっ子巫女天国京都限定版を買ってきてください』

まああいつも人知れず悪魔の撃退を手伝ってくれていたらしいから、このくらいはやってもいいけど、俺が買うのかよ。











「そんなことが・・・」

相手はネギと明日菜ちゃんが目当てだったらしいですけど。

一応伝えておくべきかと思って。

「感謝します。それで、木乃香はどちらを選びそうですか?」

まだわかりませんね。

一応魔法の世界の危険は教えておきましたけど。

「その件に関してはあなたに一任します。

あなたが判断してください。

私には、どうすればいいのかわからない。

どちらにせよ危険な立場にあるんです。

自衛の手段の一つでも持っておくべきなのかもしれません。

ただ、やはり関わる危険を考えると」

誰も彼もみんな俺に押し付けてくれますね。

俺はそんなに全てを背負えるほど立派な人間じゃないというのに。

「すみません・・・」

それはそうとして、いいんですか?

俺が教えることになったとしても、俺は東洋の魔法は教えれませんよ。

関西呪術協会の娘としてそれは大丈夫なんですか?

「はい。

こちらの術に関しては、いずれ木乃香が戻ってきたときに教えることにしています。

関わることになったのなら、あの子には東洋と西洋の魔法を覚えて、西と東の架け橋になってもらうことになっています」

あの子も余計なもの背負ってるんですね。

「不憫には思いますが、長の娘に生まれてしまった以上は仕方ないとしか言いようがありません。

そのため、木乃香の婿になる人間を西洋の魔法を使う者にするという意見も出ています」

西と東の平和と友好のために、ですか。

今の時代に自由恋愛すら許されないとはね・・。

大人にできなかったことのしわ寄せが子供に行くというのも、どうにも歯がゆいものですね。

「それも木乃香が関わることを決めた場合です。

関わらなければそんなことにはなりません。

それに、私は、私は木乃香を嫁になんぞ・・・・」

ちょ、そんな唇を噛み締めなくても。

血が出てますって。

どちらにせよ、木乃香ちゃんくらいの美人ならいつかは誰かと結婚するでしょうに。

「私は認めない!」

いや、認めないと嫌われるんじゃないですか?

「くっ・・・・」

それで、木乃香ちゃんはそのことは

「もちろん知りません。

せめて、何も知らずに、関わることも無くいてくれればと思い・・・。

そうすればあの子を普通の女の子として生きさせるために、何をなげうってでも、そうするつもりだったのに・・・」

関わることを決めた場合は、そのことを教えますか?

「いえ、せめて学生の間は、普通に、出来る限り普通に女の子でいさせてあげたいんです。

それに、もしかすると案外ネギ君とでもくっついてくれるかもしれませんしね」

ネギですか?

あいつはまだ10のガキですよ。

「まあもしもの話です。

それに、ネギ君ならネームバリューを考えても十分です」

流石に今のアイツが恋愛のことを考えるとかは無いと思いますけどね。

「でも、いつか木乃香に伝える時がくれば、私は恨まれるんでしょうね・・・」

ほ、ほら元気出してくださいって。

そう言えば緊急事態とか言ってたじゃないですか。

「そうだった!ダン、急ぎましょう!」

どこにですか!

ちょっと手を離してください。

「実は、最近京都に巫女喫茶というものができたんです」

え?なにそれ、緊急事態?

「普通なら、所詮はまがい物の巫女さんなんぞと見向きもしないことなのですが。

なんと、その喫茶店で働いているのは、各地の神社から引き抜かれてきた現役の巫女さんらしいんです!」

だから、そこに行ってみたいけど一人じゃ恥ずかしいから俺を呼んだってわけですか?

「もしかすると、これはアーウェルンクスか、どこかの悪の魔法使いの仕業ではないのかと私は考えています」

なにをどう考えたらそうなるんですか。

「現役の巫女さんがちやほやしてくれる。

そんな夢のような喫茶店があったとすれば、正常な男ならば必ずや骨抜きにされてしまうでしょう。

そうして、まずは京都の男たちを意のままに操り、あわよくば我々関西呪術協会の人間すらも操り、京都を支配しようとしているのではないかと考えたわけです」

いや、それはちょっと。

どう考えても、あのアーウェルンクスが巫女喫茶なんて経営している姿が想像できないんですけど。

「それが既にやつの術中なのです!

さあ、京都を守るために行きますよ」






店の前に着くと、純和風な建物の入り口を巫女さんが箒で掃除していた。

「あら、御参拝ですか?」

「ぬぐっふぁあああ!!」

どうしたんですか詠春さん!

「まさか、こんな王道且つ破壊力が抜群なものを初っ端から出してくるとは。

始めからクライマックスだとでも言うのですか・・・・。

危うくやられてしまうところでした」

いや、俺はなんとも無いんですけど。

「それでも男か!」

もう中に入らなくてもよくないですか?

どう見てもただの一般人の経営してる店ですって。

それに昔の口調に戻ってますよ。

「何を言う!

これはぜひ中を見てみなくては、視察が必要だ」





「この八百万饅頭と、巫女萌え緑茶を」

俺は緑茶だけで。

どう見ても普通?の店なんだけどな。

「ぬおおおおお!!」

店のカレンダー見て叫ばないでくださいよ。

「なんと!毎週水曜日は巫女巫女ジャンケンデーで、勝ったら好きな巫女さんと握手ができるだと!

金曜日にはビンゴ大会まであるのか!

しかも一等の景品は巫女さんとの一日デート券だと!

くっ・・・・なんという卑劣な作戦だ!!」

全部どうでもいいんですが。

「なんだと!さらには店で値段に応じてのポイント制を採用していて、それにも豪華景品がつくだと!!

アーウェルンクスめ、どこまでやるつもりだ!!

くそ!

店のメニュー上から下まで全部!」

「ありがとうございます!」

ああ、この人にこの作戦使えば確かに京都簡単に堕ちそうだ。

「あやしいな、あやしいんだが確証が持てなくては手が出せん。

ここは定期的な視察が必要だな。

しかし、アーウェルンクスが相手となっては他のものには任せられん、ここは俺自身がやるしかないか」

いや、詠春さんが一番任せられないですよ。

「あ、あの」

ん?

あれだけ注文していたのにもうできたんですか?

「い、いえそうでは無く・・・ダニエル様ですよね?」

え?

俺のこと知ってるんですか?

「実は・・・私以前は関西呪術協会に所属しておりましたが、先日の一件で石化させられたことで、魔法がトラウマになって魔法に関わることをやめたんです」

詠春さんもそう言えば、この子見たことがあるなと言っている。

あれだけ綺麗に石化させられたらトラウマになる人もいるか。

「それで、ぶしつけで失礼なんですが。

最後の思い出に、握手していただけませんか?

ずっとファンだったんです」

え、まあいいですけど。

「ありがとうございます!」

まあ、君みたいな子なら魔法の世界から抜ければ危険な目に会うことも無いと思うから平和に暮らしてね。

「ああ、なんと優しいお言葉。

私、今日のこと一生忘れません」

その子は頭を下げるとそそくさと店の奥に引っ込んで言った。

詠春さん、あの子も魔法から離れて平和に暮らせると言いですね。

流石にあんな利用価値も無い子を狙うやつはいないだろうし。

ってなんですかその小刀は!!

「ダニエル、どうやらお前はアーウェルンクスの術にかかってしまったようだな。

早急に術を解かないといけない」

術なんてかかってませんって!

「殺人犯も窃盗犯もみんなそう言うんだ。

なに、神鳴流は魔を断つ剣。

お前に取り付いた魔だけを絶ち切ってやろう」

ちょっと、こんな町中で!!

やめて、やめてください!!

アーーーーーーーーッ!









ひどい目にあった。

「今日は非常に有意義な一日でしたね」

俺は後半はいらなかったと思うんですが。

あ、そう言えばなんかアルがロリっ子巫女さん天国京都限定版とか言うのを買ってきてくれとか言ってたんですが。

「ああ、あれなら発行部数も少なかった限定物でしたからもう残っていないでしょう」

ああ~・・・。

まあ、アルのだしいいか。

「心配には及びません。私が5冊ほど持っていますので1冊あげましょう」

なんで5冊も持ってるんですか。

「なぜって、観賞用に保存用、携帯用に、枕の下に敷く用、さらに厳重保存用で5冊ですが」

そんな何言ってるんだみたいな目で見ないでくださいよ。

おかしいのは絶対詠春さんですから。






その日のうちに学園に戻ったのだが、喫茶店に戻った瞬間にアルが転移してきた。

そして、俺から例のブツを受け取ると狂喜乱舞して俺に土下座せんばかりに礼を言って転移していった。

あいつなんであんなジャストタイミングで来るんだよ。

どっかに監視カメラでも設置してるんじゃないよな。







あとがき

やっぱり紅き翼のメンバーは扱い易い。

書きやすくていい。

流石に学園生徒にこんなのはいないからなあ。



ネギパーティーから離脱者を出すにしても、抜けても支障の無いメンバーとかいるんだろうか。

別にパルとか朝倉、さよなんかはいなくても原作見てても問題ないんじゃないかとも思ったけど、メンバー抜けさせて続きが上手く書けるかな。



それにしてもロリ・エターナルか。

尋常じゃない数の仲間がいそうだと思った。

ロリ・エターナル集合とかなったらどれくらい集まるんだろうか。


THE FOOL読んでて、ダンが聖なるかなに行ったらどうなるかと考えたけど、どう考えても神剣使い相手だと瞬殺される。

せいぜい短距離転移で逃げ続けるしかない。

魔力切れた時点で死亡。

となりんちの望くん・・・・流石に始まらないな。



[14425] 嘘予告 dies irae 閉じた運命の輪の来訪者
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/15 06:41
注・これはけっこうかっこいいダニエルの話です。







「よう、もう起きてたのか」

朝起きると知らない街の路地裏で目を覚ました。

杖もどこかに行ってしまったらしく、金がないから帰ることもできない。

それどころかどうやら警察にかけあってみたわけなんだが、俺の身元が確認できないとかで捕まりそうになった。

まあ、そこからいろいろとあって司狼に拾われて一緒に行動してるわけなんだけど、最近この街は物騒だ。

なんでも殺人事件が多発しているらしい。

しかもこの馬鹿はなんでかそれに積極的に関わろうとしている。

「ほら起きてるなら行くぞ」

え~。

別に殺人事件とか調査しなくてもいいじゃん。

というか、俺がついて行く必要ないよね?

俺のことは放って置いてくれてもいいからさ。

留守番してるよ。

「駄目だ。お前がいないと意味がねえ」

なんでだよ。

「なんというかな。

お前と居ると何もかも新鮮って言うのか?

経験したことが無いことばかりに感じるんだよ」

そりゃあ経験したことがあったらびっくりだ。

俺たちつい最近会ったばかりだし。

「そういう意味じゃねえ。

まあいい。ついてこい」

あー!

腕引っ張るなって!

「そろそろダニエルも諦めたら?」

エリーちゃんも止めて!

「嫌。私も最近楽しいんだから」

「もっとだ。

せっかく生まれて初めて、初めての経験ができてるんだ。

もっと、もっと楽しい、最高にスリルのある経験をしようぜ」

いや、スリルとかいらんから。

ほら、朝ごはん作るよ?

今日もダニエル特製の朝ごはんだ。

「・・・・・食ってから行くか」

「司狼餌付けされちゃったわね」

「うるせえ。こいつの料理も初めて食べるように感じるんだ。

・・・・こんなに飯が上手いと思ったのも初めてなんだよ」

材料何があったかな?

とりあえず、汁物から準備しとくか。








それからさらにいろいろとあってなんだか俺もやばい連中の戦いに巻き込まれた。

「どうした劣等!その程度か!」

杖も無しじゃどうにもならないって!

なんなんだよこいつらは!!






「私は大きな罪を犯したのです」

いや、俺に懺悔されても困るよ神父さん。

「罪を償うために罪を犯し、その罪を償うためにさらに罪を犯す。

そうして私は永遠に罪を償い続ける!」

だから俺はそんなん知らんって。

でもさ、あんたが狂ってるってことくらいはわかるよ。

「何も心配はいりません。

あなたもいずれ生き返らせてあげますから」

生き返らすとかさ。

そんな簡単に言うなよ。

こっちだって何度も目の前で、たくさん、たくさん人が死んでいったんだよ!







「なんだあれは、私は、あれを知らない」

なんということか。

まさか、まさか。

「あれはなんだ」

知らない。

あんな者、私は知らない。

「ふふ・・・ふはは・・ふははははは!!」

知らない知らない私はあれを知らない。

初めてだ。

こんな、こんな楽しい気分になれたのは。

「神よ。よもやこれもお前の運命の輪の中だとは言うまいな」

特異点。

運命の輪の中に突如現れた異常。

壊れたのか?

運命の輪はこれで。

計画とはずいぶん違うが構わない。

私は解放されたのだ。

「もっとだ。もっと見せてくれ」

あれはどんな顔で笑う。

あれはどんな顔で哭く。

「ああ、会いに行こう今すぐに」

愛しい。

たまらなく愛しい。

触れてみたい、話してみたい、壊してみたい。

なにをすればどんな反応をするのか。

触れてみよう。

話してみよう。

壊してみよう。

全部だ。

全部試してみよう。

それはきっとどれも初めてなのだから。





司狼side

「無駄だよ。どんなに頑張っても僕の攻撃のほうが速いんだ!」

「ちっ」

「だから無駄だって」

「・・・前の俺なら、初めての経験をするためならここで死んでも構わないとか言ったんだろうな」

「何言ってるの?」

「でも、今は毎日が初めてばかりでよ。

すっげえ楽しいから、死ぬなんかまっぴらごめんだぜ」

「でも君はここで死ぬんだ!」

「はっ!てめえだけ死にな!」


蓮side


「どけ!もはや貴様に用など無いのだ!!」

だが蓮は引かない。

強大な相手を目の前に一歩も退くこと無く対峙する。

「私は、彼に会いに行かねばならないのだ!!」

柄にも無く黄金の獣は焦っていた。

自分がすでに計画を放棄したことに気づいているであろう副首領がどういった行動を取るか想像出来ていたから。

「時よ止まれ。お前は美しい」

一瞬すらもない時。

瞬きする暇も無いが、長い、長い戦いが始まった。



ダニエルside


戦場と化した街。

この世の地獄と化した街。

その街の教会で俺は杖を見つけた。

なんでこれがここに。

ぎゅっと握り締める。

間違いなく俺の杖。

「それはあなたのものだったのですね」

神父・・・・。

「あの方は既に目的を果たしたようですが、私はまだこれで終わるわけにはいかないのです。

償わないと、償わなければならないんです」

あんたがどれだけ苦しんだのか後悔したのかは知らないよ。

でもさ、やっぱりそれはいけないよ。

普段なら、俺の知らないところでやるんなら、俺も放っておいたと思うよ。

でも、関わってしまったんだ。

司狼、エリーちゃん、蓮くん、マリーちゃん、香純ちゃん、蛍ちゃん、玲愛ちゃん・・・・いろんな人に出会った。

いろいろと事情がある子ばかりだけど、結局はみんな良い子だったよ。

この街も、すごくいいところだった。

だからさ、あんたがここを壊すって言うのは駄目だ。

もう俺はあんな思いをするのも、あんな光景を見るのもごめんなんだよ!




既に壊れてしまった運命の輪。

故にこの先は未定。

誰にも先を予測することなどできない。








あとがき

本編の方がうまくいかない。

どうしようか。



赤松さんは体調がやばいらしいが大丈夫なんだろうか。


これ書いてたら頭の中がエリー一色になった。

エリーいいよ。エリー。



ふと思うと、聖なるかなだと魔力とマナが互換性があるとか、同じようなものと言う設定にすれば、最後にマナを失って体を乗っとられたエヴォリアを仮契約で魔力供給とかでなんとかできそうとか思った。



[14425] 失態
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/15 11:56
「ダニエル君、ネギ君の生徒たちに魔法を教えてやってはくれんか」

学園長に呼び出されて真っ先に言われたことはそれだった。

は?

「君も聞いておるじゃろう。

あの悪魔の目的はネギ君と明日菜君が召喚主の敵となりうるかどうかを確かめることじゃった」

まあそれは聞いていますし、一度話しましたよね。

「そうじゃ。

そしてネギ君はあの悪魔を倒した。

十分脅威となりうる存在として認識されたじゃろう。

つまり、そやつはネギ君を排除しに来る可能性がある」

はい、わかっています。

あそこでネギにやらせたのは俺の失態でした。

「そして、ネギ君を排除したいのなら話は簡単じゃ。

今回のように生徒を人質にとれば良い。

このことを考えるとこれからも生徒に危害が及ぶ危険がある。

特別措置としてネギ君を教師をやめさせて本国に送還するということも考えたが、ネギ君の性格を考えると退職した後であろうとも教え子達は十分に人質としての価値がある。

相手もそれくらいのことはわかっておるじゃろう」

そのことも以前話しました。

だから学園の警備体制を強化し、足りない人材を補うために協会に要請を行い・・・

「おらんのじゃよ。

高位悪魔を使役するほどの魔法使いを相手にできるものがな、そう多くはないのじゃ。

ダニエル君、かつて君がいた環境とは違うのじゃ。

こちらの世界には君たちのような豊富な経験を持つものも、君の仲間たちのような類まれな力を持つ者もな。

実際、こちらの状況を告げただけで震え上がる者ばかりで、義憤に溢れたほんの数人しか送られてこんかったよ。

その者達も実力を考えればこっちの魔法先生には及ばない。

事実、麻帆良の魔法使いの質はこちらの世界では屈指のものなのじゃ。

それに並ぶものとしては京都があるが、あそこも先日の事件でまだまだ荒れておる。

こちらに戦力を送る余裕なんぞ無いじゃろう」

なら、魔法世界に要請を。

「ネギ君が元老院に借りを作る形は、君としても好ましくは無い。

違うかね?

あちらの世界の戦力を、あの元老院を全く通さずに送ることは不可能に近い。

NGOや傭兵なんぞもってのほかじゃ、どこに敵が紛れ込んでおるのか知れたものじゃない」

くっ・・・・他に何か方法は無いんですか。

「残念ながらの。

この麻帆良の人員では現時点で魔法のことを知らない生徒たちを守りきれるかも怪しいのじゃ。

じゃから、せめてあの子達には自分の身を守るほどとは言わぬが、せめて救援が駆けつけるまでの時間を稼げるだけの時間。

障壁の一つでも張れるようになってもらわねばならんのじゃ」

・・・わかりました。

「君があの子達を魔法の世界に関わらせたくないと思っておるのはもちろん知っておる。

わしもその意見には賛同しておるし、君がそう思ってくれておることに感謝もしておる。

しかし、もはやそんなことを言っておる状況では無いのじゃということをどうか理解してもらいたい」

はい。

命と引き換えにできるものなんて、そう多くはないですから。

「すまぬ・・・・」

いえ。

・・・学園長、魔法の世界っていうのはどこまでも薄汚いものですね。

いっそ、世界が魔法のことを知って全ての人が魔法のことを知り、幼い頃から魔法を学ぶようになれば、今頃あの子達も自分の身を守るくらいの力を手にしていたかもしれません。

「わしも昔はそう考えたこともある。

もちろん、そうなれば本来は失われうはずだった者が救われることも数多くあるじゃろう。

しかし、それに比例して魔法犯罪者や魔法による事件も増える。

どちらにせよ、魔法による被害者が出ることには変わりはないじゃろう」

魔法がある限り、ですか。

「そうじゃ。

魔法は今まで多くの人の命を奪ってきた。

それはこれからも変わらんじゃろう。

じゃが、魔法で救うことのできる人間も居る。

そのことは君もよく知っておるじゃろう」

そうですね。

俺の失態であの子達を巻き込んでしまったんです。

・・・せめて、あの子達の命くらいは守って見せないといけませんね。

「ほっほっほ。

君も背負うものがどんどんと増えていくのう。

本当に損な性分じゃて」

誰か代わりに背負ってくれる人がいればいいんですけどね。

「どれもこれもそこらの者には背負えぬものばかりじゃ。

きっとナギも、婿殿も、君ならと思ったのじゃろうて。

それに、明日菜君のことに関しては結局は君の心の問題じゃろう」

まあそうなんですけどね。

まったく、ナギも詠春さんも勝手なことばかりしてくれますよ。

「ほっほ。

それはそうと、君は高音君も弟子に取るようじゃし、木乃香のこともじゃろう。

初めて弟子を取るとなっては君一人であの人数を教えることは無理じゃろう。

エヴァがあの子らにもきちんと教えるとは思えんしの。

こっちからも一人魔法先生を付けるということにしておいたからの。

せめてこれくらいはせんとのう」

ありがとうございます。

で、その先生は?

「ほれ、ガンドルフィーニ先生」

「はい」

あ、どうもダニエルです。

ガンドルフィーニ先生ですよね。

「はじめまして、あなたの御高名は常々聞いています」

いや、そんなかしこまらないでください。

人に教える立場としてはこっちのほうが後輩になるんですから。

でも、よかったんですか?

あの子達に教えるということは少なからずエヴァとも関わることになるってことですよ。

「正直に言うと、私としても彼女には思うところが無いわけではありません。

しかし、生徒の命がかかっているとなれば話は別です」

そうですか。

じゃあ、よろしくお願いします。

「はい。この学園の生徒達のために共に力を尽くしましょう」











あとがき


この作品ではガンドルはかっこいいGANDORUにする予定。

しかしGANDORU無双は流石に起こらない。

次の話はGANDORUとの話。




それにしてもエリーはそんなに人気が無いんだろうか。

俺としてはエリーは登場した瞬間ヒロインだったのに。

dies iraeは正直設定とか難しくて書ける自信が無い。

ダンが副首領に勝てる気もしないし。

もし書くなら、パラレルダニエルで無詠唱短距離転移ありで、さらに魔眼(笑)持ち状態で行かせるしかない。

もしくは杖が聖遺物化してるとかいう設定で、形成したら魔眼(笑)だったとか。

その場合、誰がヒロインになるのか。

俺としてはエリーにしたいが、やっぱりダンになるのか。

すまんエリー。

司狼のヒロインはダンのようだ。

でもやっぱりエリーはいい。

リザもいい。

螢もいいし、玲愛もいいし、新キャラだとベアトリスも。

ルサルカ?絶対キルデレだろ。

香純とマリーは別にいいや。

あと、俺にはエレオノールがバラライカさんにしか見えない。


電波を受信した。

・ナギがダンを助けにやって来る。
・ダンを連れて帰ろうとする。
・連れて帰らせないと首領や司狼がナギと戦う。
・ダン争奪戦。



スライムそんなに強かったのか。

ドラクエイメージしか無かった。

スライム恐るべし。




ダンはファイアーエムブレムで言えば、最初に一体だけ居るパラディンみたいな感じ。

最初は強いけど、伸び幅が無いから最終的には育てた他のキャラのほうが強いみたいな。




[14425] GANDORUの憂鬱
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/16 00:54
あれから、指導方針を話しあうためにガンドルフィーニ先生とうちの喫茶店に来た。

ガンドルフィーニ先生は俺はまだ弟子二人で精一杯だろうから、基本的にはその二人に専念してくれればいいと言ってくれた。

正直そのとおりなのでそこは甘えることにした。

木乃香ちゃんも始めの内は他の生徒と同じ練習になるのでガンドルフィーニ先生が担当してくれるらしい。

俺の仕事は戦闘技術を教えること。

他の生徒達が戦闘訓練をするようになってからが俺の出番になる。

しばらくは高音さんを教えることに集中するか。

彼女にも学園を守ってもらうことになるらしいので力をつけてもらわないといけない。






「英雄の息子・・・ですか」

ネギのことですか?

「ええ。

英雄の息子って一体なんなんでしょうか。

どうにも私はその肩書が必要以上の意味を持ちすぎているように感じるんです」


まあ、確かに魔法の世界の人間はその嫌いがありますね。

彼らはネギに期待をかけすぎている。


「私も同感です。

彼は確かに優秀な魔法使いになると思います。

しかし、彼はまだまだ子供だ。

その期待を背負うには若すぎる」


せめてもの救いは、あいつがその期待を好意的にしか受け取っていないということですね。

もしも、あいつが本当に挫折をした時に、何か大きな失敗をした時に、その期待が失望に変われば、そしてあいつがそのことに気づけば、あいつは潰れてしまうかもしれない。

ただでさえ、ここまで本当に上手く行き過ぎているくらいに優秀な魔法使いとしての道を歩んできたあいつです。

その分、これまで応援してきてくれた人が手のひらを返すように非難を浴びせたりすれば受けるダメージも、失敗のショックも相まって大きなものになるでしょう。


「そもそもの話。

私は魔法学校に飛び級精度ができたことも疑問に思ってたんです。

彼は確かに優秀だったんでしょう。

それこそ、もはや魔法学校の教師では魔法を教えることができないくらいだったのかもしれません。

しかし、彼が学ぶべきことはそれだけでは無かったはずです。

魔法の世界の危険性、杖を振るうことの意味。

どれも魔法を使う人間が知っていなくてはいけないことです。

しかし、まだ幼いうちに魔法学校を卒業してしまった彼にはそれを十分に学ぶ時間が無かった。

そのことが、魔法に関わってしまった彼の生徒達の中の数人の人生を狂わせるという結果を生み出しました。

使う魔法が強力であればいいと言う訳では無いのに。

多くの魔法を使えればいいという訳では無いのに。

マギステル・マギを目指す子供に、本当に教えなくてはいけないことを教えないままにしてしまっている。

今の教師たちはそれを忘れてしまっている」


優秀な魔法使いに年齢は関係ないというのが一般的な常識として染み付いてしまいましたからね。

口惜しいですが、俺やナギのせいで。

俺たちがなまじ幼い年で戦争に参加して、英雄なんてものになってしまったために、マギステル・マギに年齢は関係ないという風潮が生まれ、飛び級制度までできてしまいました。


「それに、ネギ君を教師にする必要なんて無かったんです。

ここが修行場所に選ばれたのはわかります。

ここは優秀な才能を持つ者の修練場のようなものですから。

でも、魔法生徒として通うだけでよかったはずです。

なにも教師にする必要なんか無かった。

そんな、さらにネギ君に何かを背負わせるような真似なんて・・・。

彼らからすれば、教師という責任ある立場を経験させることで、そうして生徒たちと接することでネギ君を成長させて、より立派なマギステル・マギにしようと思ったんでしょうよ。

あなた達のようなマギステル・マギに。

それは、ひどく、ひどく残酷なことです。

彼には、ネギ君にはあなた達のような経験も、実績もあるわけではないというのに。

彼らはネギ君にあなた達の、在りし日のサウザンドマスターの姿を求めている」


俺だって、旅に出た頃、戦争に参加したばかりの頃は何も知らない、何もできないガキでしたよ。

いろんな人に出会い、いろんなことを経験して、少しずつ学んだんです。

だから、ネギにも生徒たちにも教えましょう。

遅いのかもしれませんけど、先のために、これから先のために。

俺たちのように、俺やナギが後悔してきたことのような思いをさせないためにも。

これ以上、誰かを傷つけることも、巻き込むことも無いように。

俺たちのようにならないためにも。


「そうですね。

生徒たちにもまずは、杖を振ることに意味から教えることにしましょうか」




それにしても、ネギと明日菜ちゃんを狙うやつか。

明日菜ちゃんのことまで知ってるということは、大戦の関係者。

それもかなり深いところまで知っているやつということになる。

一番怪しいのはアーウェルンクスってことになるけど。

もしかすると、元老院あたりにも気を付けておかないといけないのかもしれないな。






あとがき

GANDORU登場。


>ファイアーエムブレムの例えに折角京都で買った茶わらび餅を吹いたw

俺は生八つ橋のほうが好きw


>やべぇダンの創造見てみたいw

創造まで考えてなかった・・・・。
魔眼(笑)の上とか思いつかない。


>螢は俺の嫁。

よし、ならエリーは俺の嫁な。


>マーカスを最後まで使っていた俺に謝れwww

ごめん俺マーカスは初期位置から動かさなかった。


>エリールートw要らないww

完全版で追加されると儚くも信じ続けた俺に謝って欲しい。


>エリーが一番好きなんだけどなー

同志よ。ただしエリーは俺の嫁。
もう一度言おう。エリーは俺の嫁。

>どうせなら本編はしばらく休載してDies irae編をお願いしますwww

あんな難しそうなのとクロスさせるのは技量的に無理っぽい。

しかも細かいところ思い出すのために、書くのと同時にゲームをプレイしないといけないというめんどくささ。

セーブを超こまめにしないといけないし。

なによりエリールートが無い悲しさをもう一度味わえと?

エリールートが原作に誕生したら書く。

俺はまだエリーのヒロイン化を信じ続ける。

真・完全版を出してくれ。

あれはまだ未完成だ。





嘘予告をAS使ってつくれないかなーと思ったが、作り方を見て頭がパンクしそうになって断念した。

あんなの理解できねえ。

あと、どうせならエリー寄りにしたかったけどエリーとダンがどうやったらそんなことになるのか想像できなかった。




[14425] IF END  もしかするとありえたかもしれない結末
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/16 16:29
ネギが魔法学校を卒業して、俺は晴れて自由の身となった。

これからなにをしようかと心を踊らせていたのだが、よく考えると特にすることも無かった。

詠春さんに会いに京都に行ってみようと思い、空港まで行ったのだが、唐突に嫌な予感がして京都行きをやめた。

この町の人とも仲良くなれたし、しばらくはここに住んでみるのもいいかもと思い借家を借りることにした。

ネカネちゃんは家に住んだままでもいいと言ってくれたが、彼女も大人になったのでそういうわけにもいかないだろう。

しかし、これが俺の人生の中でも大きな転機になるとは思ってなかった。



ある日、俺が帰ってきているということを誰かから聞いたマクギネスさんがやってきて食事に誘われたので食事をした。

それからマクギネスさんとはなぜか出会うことが多くなっていったようにも感じる。

気づけば、マクギネスさんが俺の家にやってきて掃除や洗濯をして帰っていくということがしばしばあるようになった。

気づけば、マクギネスさんがうちで朝食をとるようになっていた。

気づけば、マクギネスさんが夕食もうちで食べるようになっていた。

気づけば、マクギネスさんの食器が家に置かれていた。

気づけば、マクギネスさんがしばしば泊まっていくようになった。

気づけば、洗面台のところにマクギネスさんの歯ブラシがあった。

気づけば、マクギネスさんの服も何着か置かれているようになった。

気づけば、マクギネスさんが空いている部屋に自分の荷物を運び込んでいた。

気づけば、マクギネスさんが家に住んでいた。

気づけば、近所の人達に夫婦仲がいいと言われるようになっていた。

気づけば、マクギネスさんが俺をあなたと呼ぶようになっていた。

気づけば、籍を入れていた。


ありのままに起こったことを話すと、気づけばマクギネスさんと本当の夫婦になっていた。

わけがわからなかった。

恋だとか愛だなんてそんないいもんじゃあ断じてない。

もっと恐ろしいものの片鱗を味わっている。



「ほら、あなた。早くしないとNGOの仕事に遅れるわよ」

あ、もうそんな時間?

早くしないと。

「杖とお弁当は玄関に置いてるわよ」

ああ、ありがとう。

今回はちょっとめんどくさそうな仕事なんだよな。

「そうなの?大丈夫?危ないこととかじゃないの」

いや、危ないのはむしろ相手の方だよ。

あいつら鈍器持って突撃して行くからさ。

あとで治療魔法を相手にも味方にも何度も使わないといけないんだよ。

「あら。それは確かに大変そうね」

まあ最近はそんなのにも慣れてきたけどね。

そういえば、ドネットさんはそろそろ出張があるんだったっけ?

「ええ、校長先生の出張についていかないといけないの」

俺も今度の仕事は1週間くらいは帰ってこれそうにないんだ。

だから出張に行く時は戸締まりとかしっかりとしておいてね。

「わかったわ」

あ、じゃあ俺そろそろ行くから。

「ええ、行ってらっしゃい。あなた」

やばい遅刻する!!

転移転移!






あとがき

ふと浮かんだので書いてみた。

美人秘書は最高だと思う。




あと、生徒たち全員がついていくようになることは無い。

まああんなに大人数を書き分けれないからというのが理由なんだけど。

今考えている話だと、下手すると原作とは全然違った流れになるかもしれないくらい。


そう言えば、アルって原作で麻帆良にいるのは結局ネギをナギの記憶的なもの?に会わせるためだったんだろうか。

もしそうなら、今は完全にやることが無い人?



[14425] IF END  もしかするとありえたかもしれない結末 アリカver
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/17 17:29
ついにアリカ様の処刑日になった。

みんなも人助けに行かず部屋に集まっている。

さて、どうしたものか。

本気で動かないつもりなのか。

「ダン、あのときの話はまだ有効ですよ」

アル、それは前にも断っただろ。

とは言っても、本気でナギが動かないなら俺たちだけで行くことになるだろう。

なんせあのラカンすらもこうして動くのを待っている。

あと30分。

30分待ってナギが動かなかったら、俺たちだけで行くように提案しよう。

「ナギ・・・・・・」

かちこちと時計の立てる音だけが部屋に響く。

時間の流れるのがひどくゆっくりに感じる。

5分、10分と時間が経つにつれて杖を握る手の力が強くなっていく。

15分、20分。

誰一人何も言わない。

30分が経ち、もう限界だと思い立ち上がった。

ナギはまだ来ない。

行こう。

「ダン・・・・」

仕方ないだろ。

もう時間が無いんだ。

処刑されてからじゃ遅いんだよ。

「ようやく決意しましたか」

アル・・・。

できればこんな方法は取りたくなかったんだけどな。

「仕方ありません。事実こうするほか術はないのですから」

みんな、力を貸して欲しい。

アリカ様を助けたいんだ。

「・・・・お前には『巫女さん通信 魔法世界ver』の借りがあるしな」

詠春さん・・・ありがとうございます。

「へっ。まあ貸し一つってことにしといてやるよ。

今度、なんかうまいもん作れよ」

ああ、任せとけ。

未だかつて無いくらいのご馳走を食わせてやるよ。

「もちろん私も協力しますよ」

なんか、お前の言ったとおりの展開になってしまったな。

「なら、ガトウ達にも私の方から連絡を入れておきましょう。

必ず協力してくれるはずです」

任せた。

俺は、ナギに置き手紙でも書いておくよ。

あいつなら遅れてでもきっと来てくれるさ。








処刑場所にたどり着くと、そこは元老院のメンバーと兵隊たちに埋め尽くされていた。

俺はみんなとは別行動でタイミングを見計らっている。

アリカ様は一歩一歩谷に向かい歩みを進めて行く。

そして、アリカ様が谷底に落ちようとした瞬間に俺は箒に乗って飛び出した。

それと同時に離れたところからアリカ様を見張る兵隊たちのほうから爆音が聞こえた。

詠春さん達の起こした騒ぎに兵隊や元老院が目を取られている隙に、アリカ様が谷底に落ちる前に助けないといけない。

谷底に落ちてしまえば俺では魔法は使えない。

全ての魔力を箒にまわした。

ぐんぐんと距離が詰まる。

アリカ様っ!!

俺の叫びに気付いたアリカ様は目を見開いた。

「ダニエル!?」

必死に手を伸ばした。

アリカ様はもう死ぬつもりだったのだろう。

助けを求めるつもりも無かったのだろう。

ただの条件反射。

必死に手を伸ばす俺に思わず自分も手を伸ばしてしまった。

そして、手は繋がった。

ぐんっと落下速度もプラスされて腕にかかる重み。

思わず離してしまいそうになる手にしっかりと力を込める。

なんとか落下は止まった。


「ダニエル、主、どうして!」

ちょっと待ってください。

そう長くふたり分の重さを支えきれそうにないんです。

だから、せめて対岸に。

若干ふらふらとしながらも向こう岸を目指して箒を進めた。

しかし、このとき俺は油断していた。

「ダニエル!!」

詠春さんの叫び声を聞くまで、後ろから迫る魔法の射手に気づかないくらいに。

後ろを振り返ったとき、それはすでに目の前に迫っていた。

障壁を張る時間も無い。

はは、やっぱり俺じゃあ上手くいかないか。

そういうのが似合うキャラじゃないもんな。

アリカ様、すみません。

ぎゅっと目を閉じた。




しかし、何時まで待っても痛みは来なかった。

そっと目を開いた。

「なんとか間に合ったな」

ナギ!

「悪いな、ダン。遅くなってよ」

・・・・お前、遅刻だぞ。

魔法学校ならまた校長先生に怒られてるところだ。

「ああ、説教ならあとでいくらでも聞いてやるよ。

でもその前に、あいつらにお仕置きしてやらねえとな。

俺の親友になにしてくれてんだ!!」

ナギは一直線に兵隊たちに向かっていった。

その後、俺たちは攻撃を受けることも無く対岸にたどり着くことができた。









「ダニエル、なぜこんなことをした」

なんでってそりゃあ助けたかったからに決まってるじゃないですか。

「だからって主・・・・」

まあ、アルの言葉を借りて言うなら、たった一度くらい王子様になってみたかったのかもしれませんね。

「王子様?主がか?

・・・ぷっくく・・・主は王子様などではなく料理人じゃろうに」

いや、まあおっしゃるとおりなんですけどね。

柄じゃ無いことは俺もよく分かってますし。

でも、料理人だって夢をみるんですよ。

「夢・・・か。私は今こうして生きていることがまるで夢のようじゃ」

そいつは夢じゃなくて現実ですよ。

あなたは今こうして生きている。

「私は死ぬつもりでおった。

私がこの世界の全ての憎しみを一身に受けて死ねば、少しでも人々の心が救われると言うのなら本望じゃった」

残念ながら失敗に終わりましたけどね。

「それは主らのせいじゃろう」

そうですね。

俺たちのわがままでアリカ様の計画は失敗に終わりました。

でも、アリカ様には今まで何度もわがまま聞かされてきたんですから、たった一度くらい俺たちのわがままも聞いてもらわないと。

「私が生きていて喜ぶ者なんぞおるまいよ」

そんなことないですって。

少なくとも、俺はアリカ様が生きていて嬉しいですから。

「ダニエル・・・」

ん?アルのやつが口パクでなにか言ってるな。

『今です!そこで一気に攻め込むのです!』

ぶはっ。

あいつ馬鹿か。

何言ってんだよ。



でも、まあ・・・




「アリカ様、俺は・・・・・」




たまには柄じゃないことをするのも悪くないかもな。









あとがき

久しぶりにアリカ様を書きたくなった。

アリカ様のナイスバディはかなりの破壊力。




>最近のダンは凡人どころか「努力の天才という設定」になってしまっていますね。
何か無闇矢鱈とかっこよくなってますし。
これも一種の中二病、ダニエル(笑)と大差ないような気がしますが、作者さんは同お考えでしょうか。

書いてるうちに感情移入してしまい、ダン=自分、かっこよくしなければ、とでもお思いになったのでしょうか。
批判的な感想は全てスルーなさっているのでこれもスルーされるのかな。



ダニエルがかっこよくなるというか、精神的に大人になるというのは原作編を書くことに決めたときに決めていた。

最近魔法の世界に関わったばかりの子どもが命かけてるところで、30くらいのいい年した大人、しかも戦争まで経験してるベテランが必死に逃げようとしたりしてるのは流石にどうかと思ったから。

あと、努力の天才というのは考えてなかった。
あくまで、努力したうえに経験のあるベテランくらいの考えだった。
強さも、経験なんかを除いたスペックとしてみればネギの方がだいぶ上だろうから、一年戦争末期のカイ・シデン(小説版ではない)が乗っているガンキャノンが新米ジオン兵の乗っている、ガンダムと同等かそれ以上の能力を持つというゲルググと戦うくらいの考えで書いていた。

中二かどうかは自分では判断できないと思うのでそちらの判断に任せるしかない。

それと、批判的な意見に対してはどう返していいのかがわからない。
例えば最近つまらんという感想もあったけど

>最近つまらん。

申し訳ない。これからおもしろくなるように努力しようと思う。

こう返すのもどうかと思って返さなかった。

最後に理解してもらいたいのは、全体の感想を見ても、多分今まで返事をしたのは一割に届いていないと思うから、割合的に見て批判とそうでないのとでは批判のほうに返信を返す確率のほうがだいぶ低いと思う。

おそらく、原作編を読んで不快感を感じたんだろうと思うけど、そういった意見がこれからもどんどんと増えても、こちらが示せる誠意の見せ方は当初の終了予定だった過去篇以降の話を消して完結させるという方法しかないと思うのは許してもらいたい。

流石に原作編を全部書き直す気力はない。



>最初のころに比べて一話一話の内容が薄くなってる気がします。

多分俺が上手くシリアスをかけていないということだと思う。
ほとんどノリで書いてたギャグの頃と違って出来る限り頭をひねっているけど、まだまだ精進が足りないということが再確認できたので感謝。

>あと、最近のダニエルの言ってることが自分で散々揶揄してきたダニエル(笑)と大差がなくなってきてる気がする。正直、今のダニエルはダニエル(笑)のことをどうこう言えないと思う。

俺もその辺の書き分けに頭を悩ましているが上手くできていない。
これからも出来る限り書き分けれるように努力する。
指摘感謝。

>我ながら酷い意見だと思うけどダンは赤い翼のメンバーに振り回されてるべき。そんな中でたまに真面目なトコをちょろっと見せてくれるダンのおかげでこの作品を好きになったので、また初期のようなノリバンバンやらないかなと密かに地味にこっそり期待してたりします

言峰風に言うと。
喜べ、君の望みはようやく叶う。
まああくまで今のところの予定だけど。
まだ微妙なところ。


久々にハルヒを見ていたら

ハルヒ「ただの人間に興味はありません。
 この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら
 あたしのところに来なさい。 以上!」

ダン「あの、別世界から来た魔法使いなんですが・・・」

という電波を受信した。

まあハルヒの世界に行っても特にやることが無いとは思うが。





[14425] 特訓開始
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/18 15:01
すまない、とまずは集まった生徒たちに頭を下げた。

そして、どういうことなのかわかっていない生徒たちに事情を説明した。

一つ一つ丁寧に、自分たちが置かれた状況が正確に理解できるように。



「つまり、もはや選択することはできないということですか」

うん。

君たちには魔法を覚えてもらわないといけないことになった。

あれだけ関わるなと言っておいてと思うだろうけど、どうか協力してもらいたい。

正直な話、そうしないと君たちにまで戦力を割かないといけなくなって、他のところが手薄になるんだ。

脅しになるみたいだけど、君たちのクラスメイトが危険な目に合う確率があがるというのが真実だ。

「・・・本当に選択の余地は無いようですね」

「それは、お嬢様も含めて魔法を学ばせるということでしょうか」

ああ、木乃香ちゃんもだ。

もう学ぶとか、学ばせないとか言っていられる段階じゃないんだ。

「・・・そうですか」

すまない。

君たちにはいくら謝っても足りない。

「そ、そんなふうに謝らないでよ、おじさん。

結局は、私たちが勝手に首を突っ込んだせいでもあるんだからさ」

「そのとおりだな。貴様が謝るようなことではない。

魔法の世界をよく知りもせず、興味本位で覚悟も無く首を突っ込んだ結果だ」

「だからさ、私たちも流石に死にたくはないから、魔法、教えてよ」

ああ、そうだね。

俺にできることはせめてそれくらいだから。

君たちが生き残るために、俺の持つ生きる方法を出来る限り教えるよ。





これが君たちの杖だ。

まあ練習用のだけど、しばらくはこれでも十分だ。

「魔法の杖・・・・・。

これ一振りで、誰かを傷つけることも、殺すこともできてしまう。

少し前までは、あんなに憧れていたのに・・・今は」

できる事なら、その気持ちを忘れないで欲しい。

魔法は簡単に誰かを傷つけることができる。

一番簡単な攻撃魔法の魔法の射手でも、一般人なら簡単に殺せてしまう。

「魔法は、人殺しの道具ですか」

一昔前の戦争時代はそう言ってもよかったかもしれないね。

でも、魔法は上手く使えば誰かを助けることもできる。

その人の使い方次第でその色をがらりと変える道具だよ。

ただ、今の君達に必要なのは誰かを傷つける力でも誰かを助ける力でも無い。

自分を守る力を手にいれることが目標だ。

防ぐことと、逃げること。

その二つが基本になる。

なに、俺は逃げることに関しては定評があるからね。

君たちにも逃げ方を教えるよ。

「それはわかったけど。

おじさんがここにいる全員に魔法を教えるの?」

いや、実は俺は誰かに教えるということの経験が殆どないからね。

君たちはしばらくはガンドルフィーニ先生に教えてもらうことになる。

まずは自分の魔力を認識することから。

そこから魔法の練習が始まる。

俺が教え始めるのは魔法の練習がある程度終わって、みんなが実践訓練とかをするようになってからかな。

ただ、木乃香ちゃんは別だ。

元々木乃香ちゃんのことは詠春さんから頼まれているからね。

木乃香ちゃんには実践訓練と並行して俺が治療魔法を教えることになる。

「うちが?」

「近衛木乃香、貴様の適正はどう考えても治療魔法にある。

治療魔法は専門にしている者が少ないため、教えられる人間がほとんどいない。

教えられる人間が少ないということが治療魔法を学ぶ者を減らしている一因で、悪循環の原因だ。

だが、ダニエルは本来治療魔法が専門だ。

こいつほどの経験を持つ治療魔法使いはそうはいないだろう。

こいつから学べ。

そうすればおそらく貴様は稀代の治療魔法使いになれるだろう」

まあ、誰が教えてもこの子くらいの才能があれば1級品になるだろうけどね。

出来る限り俺の持つ技術を伝えさせてもらうよ。

「わかった。ほな、よろしくお願いします」

「ダニエル殿」

うん?

「古菲や明日菜さんは魔法より氣のほうを教えた方がいいと思うんですが」

ああ、そのことに関しては話をつけてきたよ。

刀子先生が、警備の担当が終わった後に時間を割いて訓練を見てくれる。

刹那ちゃんにも神鳴流の特訓をつけてくれるらしいよ。

刀子先生がいない間は、刹那ちゃんが二人の訓練を見ていてくれるかな。

あと、殿って言うのやめて。

「はい、特訓に関してはわかりました」

やっぱりやめてくれないのか・・・。

「あの、ダニエルさん・・・僕は」

ネギ、お前はエヴァと修行を続けているんだ。

お前ももっと力をつけないといけない。

相手の狙いがお前にある以上はな。

生徒たちのことは俺たちに任せておけ。

「・・・はい」

「話は終わりましたか?」

あ、ガンドルフィーニ先生に高音さん。

今丁度終わったところです。

「そうですか。

なら、早速始めましょうか。

今この状況下では時間は1秒たりとも無駄にできません」

そうですね。

みんな、がんばってね。

じゃあ高音さんは俺と修行だね。

「はい!この学園を守る一人として私ももっと力をつけないといけませんわ」

じゃあ、とりあえずは戦い方を見てみないといけないからあっちの方で模擬戦ね。

「坊やも私と修行だ」

「はい!」




「さて、何をするにもまずは準備運動からだな。

全員10キロランニング!」

あの、ガンドルフィーニ先生。

いきなりそれはキツすぎるんじゃないでしょうか。





そのころの詠春さん

「お客様、ポイントのほうが貯まりましたので、好きな巫女と写真を撮ることができます」

「キターーーーー!!!

これも、忙しい中時間を割いて最低でも週5で通うようにした成果か。

カメラの方も準備はオッケー。

1台数十万した一眼レフ、ついに出番がきたな。

パーフェクトだ・・・・・・」

「では、巫女をお選びください」

「ど・の・み・こ・さ・ん・に・し・よ・う・か・なーっと」

「ああ、詠春様。

すでに協会を抜けた私を心配して、何度も足を運んでいただけるなんて」

物陰から詠春を見る彼女。

「・・・・・くそっ!!

選べない、俺には無理だ。

どの巫女さんにもそれぞれ良さがあって、巫女さんと言うのはそれだけで素晴らしいものだ。

だから、俺にはこんな巫女さんを一人だけ選ぶようなことはできない・・・。

俺は巫女さん全員が好きなんだ!!」

詠春は椅子から立ち上がり天に向かって叫んだ。

「お、お客様?」

パチパチと店のあちこちから拍手の音が聞こえてくる。

ガタガタっと店内に居る客が立ち上がり、詠春を見て拍手をしながらいい笑顔で涙を流している。

「あんた、漢だよ」

「・・・そうだよな。

巫女さんは、どの巫女さんでも素晴らしい。

そこに差なんてつけようも無いし、一人を選ぶなんてできっこない。

俺たちはどうやら大切なことを忘れていたようだ」

「なあ、あんたの名前を聞かせてくれないか」

詠春、近衛詠春。

人呼んで巫女さんマスター。

詠春はそう答えた。


その日、関西巫女さん協会が発足した。

後に関東ロリっ子協会と覇権を争うことになる、漢たちの組織の誕生だった。



あとがき

チラリズムとはスバラシイと思う。

まあ、要するに高音は脱げない。

おそらく永遠に。

さよならヌギステル・マギ。




>それとハルヒは是非ともやってほしいなwww

俺のハルヒ知識が少ない上に、ダンが行ってもマジでやることなさそうだから実現しないと思う。


>できれば、ARIAも書いていただけませんか?

ARIAは次を書くとしたらダンとアリシアさんがくっつきそうだからなぁ。

ARIA的にそういった場面の話はどうだろうかと思って書くのをやめていた。

書くとしても、結婚後か、結婚式の話になると思う。



>ここはぜひともIFのテオドラエンドを

テオドラは書くとしても完結した後になると思う。

過去編では幼女だから、ロのつかないことに定評のある俺では書く気がおきない。

成長したテオドラはテンションが上がってくる。

登場の時のあの服は反則だと思うんだ。


>もし出来たらですが、『今日の~さん』とか『そのころの~さん』って感じで
何かしらのギャグを作ってもらえないでしょうか?

ちょっとやってみた


>それとかナギとダンの幼少期のどたばたとかもどうだろう?

ありだと思う。

ただ、ダンがかわいそうになることは必然だな。



[14425] スレ
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/19 12:58
高音さんとの特訓はかなり驚かされた。

あの自動防御ってなんだよ・・・。

「あれが私の自慢の魔法ですわ」

ただ、相手の攻撃の方が強ければ砕けるのは当然だけど、連続使用時間が短いのが問題だね。

「それは・・・」

まああれだけ高度な魔法だと仕方ないよ。

あれは常時展開しておくんじゃなくて、使いどころを選ぶと凄く強力だよ。

例えば、あれを展開して相手に接近攻撃を仕掛ければカウンターを直接受ける心配が無いからね。

その他にも、相手の攻撃がどこから来るかわからない状況とかだね。

短期決戦を挑むんなら常時展開してても大丈夫だけど。

「なるほど・・・・」

その場合はある程度は自分自身も鍛えておかないといけないから、これからがんばろうね。

あと、高音さんの性格がそうしてるんだろうけど、攻撃が正直すぎるから凄く読みやすい。

あの影人形に頼りすぎているところもあるしね。

「はい」

そして、最後に一番言いたいことがあるんだけど、なんでスカートなの?

戦うのにスカートって・・。

正直、時々下着見えてたよ?

「え?!」

いや、スカートで激しい動きしたら見えるって。

「い、いえ、これは考えがあって!

学園で緊急事態が起こったときは、私はおそらく制服でいる可能性が高いので。

だから出来る限り実戦に近い服装にしておこうと・・・」

だったらせめて刹那ちゃんみたいにスパッツ履いておけば?

「はっ!その考えはありませんでしたわ!」







そうして訓練も終わり喫茶店に帰ってきた。

それにしても、アーウェルンクスか。

なんか情報ないかな・・・。

まほネットでも見てみようか。

まあ、あるわけないけど一応ね。







とんでもないものを発見してしまった。

【真紅の】ダニエルについて語るスレ【魔眼】その324

なんなんだこれは・・・。

ちょっと気になるんだが、嫌な予感しかしない。

一応クリックしてみた。



1 :ハリケーンミキサー:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

ここはあの紅き翼のダニエルについて語るスレなのじゃ!



2 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

ダニエル氏と言えばやっぱり魔眼ですよね。
今は無くなってるって噂ですけど。

3 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

素でもサウザンドマスターと互角の実力らしいぞ

4 :とある元ヘラス兵:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

一時は紅き翼の敵側で戦争に参加してた俺が通りますよっと。
素の戦闘力がどうかは知らんがあの治療魔法はやばかった。
こっちが殺したと思った敵兵が、あの人に治療されてまた元気いっぱいに攻撃してきた。
治療魔法使いとか真っ先に狙われるのに、戦場に半ば住んでるってくらい出撃して生き残ったのは正直化物としか言えない。

5 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

俺が聞いた話だと、敵軍ではダニエル氏が味方の有力な魔法使いを治療し続けたせいで、いくら撃墜しても戦力がなかなか低下しないからダニエル氏の首にサウザンドマスターと同じくらいの賞金がついたとか。

6 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

いくらなんでもそれは無いだろjk
紅き翼にはサウザンドマスター以外にも化物がいた、というか全員化物。
そんな中で治療魔法使いにトップクラスの賞金がつくはずない。
真っ先に狙われるけど、戦闘能力低いから治療魔法使いにつく賞金は低いのが鉄板。

7 :とある元ヘラス兵:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

流石にサウザンドマスターと同じくらいまでは行かなかったが、治療魔法使いとしては破格の賞金がついたのは事実。
200万ドラクマはあったはず。

8 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

パネえなw
治療魔法使い一人に200万ドラクマとか流石ヘラス帝国w
よほど殺したかったんだな。

9 :とあるヘラス兵:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

殺したかったのは間違いない。
お前ら考えてみろ。
こっちが数十人の犠牲を出してようやく撃墜した一流魔法使いが、あの人が近くに居るとちょちょいと治療されてその場で戦闘に復帰するんだぞ。

10 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

それはひどいw

11 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

それなんて無理ゲー?

12 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

ていうか、それだけ賞金つけたら普通は殺されるだろ

13 :とあるヘラス兵:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

俺もそのへんはよくわからんが、なぜか生き残っている。
だからこそ化物なんだよ。
一説では紅き翼のメンバーが常に誰かついていて護衛していたとか。
大挙して殺しに行った奴らに聞けたら話は早いんだろうけど、そいつら帰ってこなかったし。

14 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

つまり、ダニエル氏を殺すには護衛と合わせて二人の紅き翼を倒さないといけないと。
む・りw
でもまあ、治療中は無防備だからそれくらいしないとな。

15 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

みんなが守ってくれる。
つまりはダニエルハーレムということか。

16 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

しかも、一人の力で墓守り人の宮殿を不時着させたんだろ?
どんな化物w

17 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

しかしそんなダニエル氏も最近は表舞台に出てこないな。
死んだのか?

18 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

死んではないだろ。
そういや、俺の聞いた噂では宮殿を不時着させたときに魔眼を使って、代償として魔眼と本人の力の大部分を失ったとか。

19 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

俺が聞いた噂だと、ダニエル氏は死んだと言われているサウザンドマスターの生存を信じて世界を探し回っているとか

20 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

素晴らしき友情に全俺が泣いた!

21 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

ついでに俺も泣いた!

そういや、あの人料理の本とかいろいろと本出してるよな。
金もたんまりあるだろうしひきこもってるんじゃねwww

22 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

それはないわ。
ダニエル氏がそんなことするようには思えない。
あの人は高潔な精神の持ち主だろう。

23 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

料理もできるんなら、意表をついてどっかで料理屋でもしてるとか

24 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

そんな料理屋があったら食い逃げしたら殺されそうだなw

25 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

とりあえず魔法世界にはいないんじゃないかと思う。
魔法世界でこんな長期間全くの目撃情報無しとか無理だろ
旧世界ならけっこう隠れられそう。

26 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

だよな~。
ラカン氏とかは極稀に目撃情報あるし。
誰かダニエル氏の目撃情報を頼む!

27 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

ていうかダニエルは俺の嫁

28 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

俺のだろjk

29 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

お前ら・・・・・みんなで仲良くわけわけしないか?

というか、優秀な治療魔法使いで料理ができるし文学系ってダニエル氏が女だったらマジ即告白ものだな。
誰か性転換魔法使えない?

30 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

もちつけおまいら。
よく考えろ。
もしそうだとしても、娘さんをくださいって両親に言った後、おそらく紅き翼にも報告に行くことになるんだぞ。

31 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

そいつは無理だw
ていうか、もしダニエル氏が女ならマジ紅き翼でダニエルハーレムができていそう。

32 :名無しさん:XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXXXXXX

つ【メシ】もしもダニエル氏が女性だったら【ウマ】

スレ立てしてきた






なんだこれは・・・。

しかも、けっこう真実に近いものがあるし。

駄目だ。

何も見なかった事にしよう・・・・。







あとがき

はいパンチラ終了。

しかし高音はかわいい、というか胸。

そろそろ千鶴やら他の人をだそうか。

俺の好みの順にな!

散歩部の双子はいらん。

気が向けば千草復活するかも。


>この作品を読んでいて女性なのに男脳になりそうになった読者です。

チラリズムは最高だと思います!
スリットからのぞく太もも!巫女服のチラリズムもよい!
・・・私を元に戻して・・・・。


元に戻すも何も、あなたはそれが元なのだということに早く気づくべきだ。



>ちょっ高音が脱がないとか牛丼の肉抜きみたいな鬼のような所業をやるんですか・・・


それはただのライスではないだろうか?





[14425] スイーツw
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/20 02:25
カランカラン

ああ、いらっしゃい。

「あら?」

店を訪れたのは悪魔との戦いに巻き込まれた女の子だった。

「えっとあなたは前に会った・・・・あら?

・・・会ったはずなのに思い出せない」

まあ席に座りなよ。

どうやら学園長の魔法は上手くいってるみたいだな。






「ええ、超さんが」

あの中華、ちゃんと紹介してくれてたんだな。

そのうち店に行かないと。

「それにしても、本当にどこで会ったんでしょう」

まあ覚えてないってことは大した出会いでもなかったんでしょ。

事実お互いの名前も知らないくらいだしね。

「そうですわね。では、私は那波千鶴、麻帆良学園女子中等部の生徒です」

ああ、俺はダニエル。

しがない喫茶店のマスターだよ。

「ダニエルさん、先日はありがとうございました」

え、なにが?

「いえ、なぜかお礼を言わないといけない気がしたんです」

そっか・・・。

まさかこの子も魔法にある程度耐性があるとかか?

「それにしても、この紅茶おいしいですね」

紅茶はイギリス人の魂だからね。

こればっかりは負けていられないよ。

「でも、相当練習したんじゃないですか?」

まあね。

料理も紅茶の入れ方も何度も練習したよ。

「こんなにおいしい紅茶を努力も無しに煎れられるわけありません」

昔の知り合いにわがままな王女様達がいたからね。

まずい紅茶でも煎れたりしたらどうなるか分かったものじゃない。

「ふふ、王女様ですか?」

急に俺を料理人として雇おうとしたりしてさ。

もうやること成すこと突拍子も無かったよ。

「あらあら、ずいぶんとお転婆な人たちだったんですね」

ああ、本当にひどいじゃじゃ馬だったよ。

一人とは今でもたまに会うことがあるんだけどさ。

もう一人は、もうずっと、ずっと会ってないな。

・・・・・もう一度会いたいな。

「好きだったんですか?その人のこと」

え?

「いえ、なんとなくそんな感じがしたものですから。

すみません。気を悪くされましたか?」

ううん、別に気にしなくてもいいよ。

・・・・そうだね。

好きだったんだと思う。

初めて会ったときは性格きつくて出来る限り関わりたくないって感じだったんだけどな~。

それでもなんだかんだで関わることになって・・・いろんな一面を見て・・・・・それでね。

まあ、その人は俺の親友と結婚しちゃったんだけどさ。

でも俺は、きっと誰よりもそのことを祝福している。

「・・・強いのですね」

全然強く何かないよ。

正直、気持ちを今でも引きずっているとは思うしね。

でもさ、二人が一緒に居るところを見ると「ああ、これなんだな」って納得しちゃったからさ。

だから、俺は二人を祝福できたんだと思う。

「・・・・月並みな言葉ですが、いつかあなたにも素敵な人が現れます」

もう30過ぎたおじさんだよ?

今更恋なんて始めるような年じゃないよ。

そういうのはもっと若い子たちに任せておくよ。

「いいえ。きっと現れます。

だって、あなたみたいに優しい人がいつまでも放って置かれるなんてことありえませんもの」

はは、どうだろうね。

そんなことがあればいいんだけどね。

「ふふ、私が保証します。

それでは、そろそろ帰ります」

ああ、女の子は早く帰らないと危ないからね。

「また来ます」

ああ、またの来店を待っているよ。













そのころのテオドラ

「おお、今日もダニエルスレはよく伸びておるのじゃ」

「テオドラ様。ご公務の方が溜まっております」

「おお!!なんと【メシ】もしもダニエル氏が女性だったら【ウマ】じゃと!

これはなんとも香ばしい良スレの香り・・・・」

「て、テオドラ様・・・・」

「さっそくレスしておかねばならんのじゃ」

「あ、あのテオドラ様ご公務が・・・」

「ぷぷっ、なんじゃこのダニエル祭りは。

久々にワロタのじゃ」

「テオドラ様!」

「プギャー!

ナギ×女ダニエル派と女ダニエルは俺の嫁派が争っておるのじゃ。

ここは妾が詠春×女ダニエル派を立ち上げて一石を投じるしかないのお。

まずは自作自演で盛り上げるのじゃ!」

「テオドラ様!」

「それにしてもスレ内での女ダニエルが、メシウマ、文学系、印税で金持ちの白衣の天使的治療魔法使いで幼なじみ属性とは、どんな廃スペックじゃ!」

「テオドラ様ーーーーー!!」

「プギャー!暇人どもが釣れおるわ。入れ食いじゃ。

それにしてもこやつら、平日の昼間からこんなところにレスしておるとは、よほどのダメ人間なんじゃの」







あとがき

30過ぎのおっさんの恋話とか誰か得したんだろうか。




>アンチヘイト発言とは珍しい。

というよりは幼女に興味なし。
許す幼女はユーフィーのみ。




嘘予告書いてからエリー分が足りなくなった。

だれかエリーヒロインのssを知らないのか!?
というか存在するのか?

みんなエリーのどこが不満なんだよ・・・・。
おっぱいおっぱい!


友人が星間飛行中毒になったとか言ってたから、30回くらいリピートしたけど全然中毒にはならなかった。キラッ☆

次は誰を出すかな。キラッ☆



あとがき2

千鶴の言葉遣いを修正したけど、言葉遣いが難しい。

未だによくわからん


そして、千鶴とアリシアさんが被る。

しかし年の差が・・・・・・

2倍以上だしね。




[14425] 小刀
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/21 11:33
「なんだダニエル。まだいたのか。

もうあいつらは帰ったぞ」

まあちょっとね。

自分の修行をしようと思って。

「貴様が修行か?」

ああ。

ちょっと自分の修行をして地力を上げておかないと厄介な相手が居るんだ。

「厄介な相手か・・・あの白髪のガキか」

うん。

今の俺の力じゃあいつには勝てないから、少しでも手数を増やしておきたいんだ。

「確かにあれは相当な実力者だが、またやりあうことになりそうなのか」

ああ、確実にね。

あいつの方から来なくても、いつかは俺、いや紅き翼で相手にしないといけないやつだ。

「貴様らの敵・・・・戦争時代の相手か。

そうなると、敵軍にいた相手となるが・・・・まさか、完全なる世界か」

あいつらのこと知ってたのか。

「私とて、裏の世界のさらに裏の部分に生きていたんだ。

その名前を知らぬはずもないだろう。

まあ、知っていることは世界を裏から操って滅ぼそうとしたというくらいのものだがな」

まっ、それはそうだな。

でも、ネギには話すなよ。

「わかっている。坊やにはまだ裏のさらに奥深くの世界は早い。

それにしても、なるほどな。

確かに完全なる世界が相手となると今のお前では厳しいな」

ああ、だからこうして修行をしているんだ。

あいつから攻めて来ることが無くても、必ずあれは倒さないといけない。

あいつの存在は危険だ。

「・・・・今のお前には何が出来る。

私が知る限りでは、治療魔法以外では、短距離転移と魔法の射手、あとは氣くらいしか知らないぞ。

瞬動や咸卦法は使えるのか?それと、魔法はどこまで使える」

瞬動は使えないことは無いんだけど、あれって直線軌道しかできないだろ?

カウンターのこと考えると、正直短距離転移のほうが使い勝手がいいんだよ。

咸卦法は使えないし、あれは俺には必要ない。

あんなふうに維持してるだけでも魔力を使うような技は、俺のスタイルとはあわない。

魔法の方は一番強いのが雷の暴風なんだけど、あんなの使ったら一気に魔力が9割くらい持っていかれる。

相手が一人ならまだ使えるかもしれないけど、複数人を相手にしたり、長期戦になる場合には魔力が厳しくて使えないよ。

魔法の射手が使用魔力も少ない上に応用も効くしで使い勝手がいいからな。あれは全然使わない。

「なるほどな・・・・。

だが、なにを練習するつもりなんだ?」

いや、俺って近接の対抗手段が少ないだろ?

京都で詠春さんから小刀もらったから、それを少しでも使えるようにしておけばある程度弱点が埋まるかなと思って。

だから、ここ貸してもらえないかな?

俺が喫茶店を開いている間以外の時間が大体平日で14時間ほどある。

その内の1時間は生徒たちの修行で使うから、あと3時間くらいはここで使おうかなと思って。

「それは構わんが、誰か修行を見てくれる相手はいるのか?

小刀の扱いなんぞした事ないだろう」

それが問題なんだよな~。

刀子先生とかは忙しくて頼めないし。

刹那ちゃんも自分の修行で精一杯。

「・・・仕方ない。

私も修行に付き合ってやろう。

そうすればチャチャゼロが動ける。

あいつはナイフや小刀の扱いに長けているからあいつに教われ」

え?いいの?

「なに、ただの酔狂だ。

それに、私としても完全なる世界は好きではないからな。

あいつらのやり方は私の悪の美学に反している」

ああ、ありがとうな。

ちょっとでもいいから強くならないと。

あいつと戦うんなら力はいくらあっても多すぎることはない。

「それにしても、完全なる世界とまた戦うか。

ダニエル、お前はまた世界を救おうとでも思っているのか?」

世界を救うだなんてだいそれたことは思ってないし、そんなこと俺にはできないよ。

ただ、あいつらは俺たちのやり残したことなんだ。

自分のケツくらい自分で拭かないとな。

「ふん。

おいチャチャゼロ!」

「ケケケ、呼ンダカ御主人」

おお、なんかこいつ見るのも久しぶりだな。

「こいつに小刀の使い方を教えてやれ」

「イイノカ?思ワズ斬ッチマウカモ知レナイゼ」

いや、思わず斬るってどんなんだよ。

「構わん。

こいつは殺しさえしなければ自分で治療する。

多少斬ったところで問題ない」

おい!何言ってるんだ!

問題あるから!!

「ケケケ!ソイツハ楽シソウダナ」

チャチャゼロも嬉しそうに小刀を出すな!

なにその切れ味良さそうな小刀。

それ怖い。

「ケケケ斬ルゼ斬ルゼー!!」

ちょっ、おまっ!

うぎゃーーーーーーーー!!






そのころのアル

「ロッリロッリにしてあげる~・・・・っ!」

パソコンの前で陽気に歌っていたのだが、ある物をみた瞬間その歌を止めた。

「こ、このスレは!!」

【メシ】もしもダニエル氏が女性だったら【ウマ】

仲間がネットでどうやらすごいことになっているようだと思い、スレを見てみることにした。

「・・・・・・・・・キタコレーーーーー!!

これにロリ属性もつければ勝つる!!」

さっそくレスをしたのだが、どうやら住民たちはロリにあまりいい反応を返さない。

どうしたものかと悩んでいたところにふと妙案が浮かんだ。

832 :とあるロリコン:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:loliloliloli

考えてみなさい。

こっそりとご飯に若返り薬を混ぜる。

するともちろん若返る。

そこで幼い頃まで戻すと「なにこれ~!う~、服がぶかぶかだよ~」となります。

ずり落ちそうな服を抑えて、涙目になりながらこっちを見てくる女ダニエル。

どうですか?

ロリの素晴らしさが少しはわかったでしょう。

833 :名無しさん:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXX

あなたが神だったのか・・・・・・。

834 :名無しさん:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXX

神レスキター!!

835 :名無しさん:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXXX

俺たちが間違っていた!

ジークロリータ!
ジークダニエル(幼女)!



「ふふふ、どうやらみなさんなかなか素養はあるようですね」





あとがき

みんなそんなにTSダニエルが好きなのか・・・・。

俺がどう考えてみても夢小説レベルにスイーツな話が浮かぶんだが・・・。

それ以前にいいのか?

俺はTSだろうが構わず書いちまう男なんだぜ。

ナギとTSダニエルのスイーツな話なら浮かんだ。


>千鶴とのフラグか……どちらかと言うと、もっと幼女分を…

残念ながら幼女分はこの作品では摂取できない。
そこはなんとかロリ好きな作者を探してくれとしか・・・・。




おそらくは誰も詠春からもらった小刀のことを覚えていなかっただろう。
俺も忘れていた。

始めはメルキセデクの書を使ってなんかやろうかとも思ったけど自重した。




あとがき2

いや、まあ書くとしても過去編のダニエルが女だったらだけどな。

流石に俺も三十路のTSはやばいと思う。




あとがき3


>それに維持するってダンの性格上ならちょっとの間でも使って相手のタイミングをずらすとか
瞬間的に使ってインパクトの瞬間に爆発させるとかもやりそうな気がしたんだが。

俺も始めは瞬間的にとか考えたんだが、それやると毎回攻撃や防御のたびに魔力と氣の融合で両手を合わせるということをしないといけなくなるから致命的な隙になるんじゃないかと思い断念した。


>きずいたのですが、雷の移転術って雷速瞬動の上位版でわ・・・・・

おそらくそうはならないと思う。
確かに移動スピードはかなり早いかもしれないが、能力が強化されてるわけでもないので移動してからの攻撃自体のスピードが遅いと思う。


>ちょっとまった!!
アリシアさんてARIAのアリシアさんですか?
あの人、一応20才位なはずですけど。

正直千鶴が中学生ということを信じられない。
20くらいいっていてもおかしくないというか、外見上既に大人にしか見えない。
胸とか胸。



>さて、ダニエルさん。原作のネギみたいに仮契約乱舞とはいかくてもいいけど、誰かと仮契約するの見てみたいな。

これが微妙なところで悩んでいる。
ダニエルに仮契約までさせたら魔力供給やアーティファクトによる強化で強さのバランスが崩れてしまいそう。
テオドラ相手だと政治的な問題もありそうだし。
ダニエル自身も名声はあるからいろんな厄介ごとが起こりそう。
例・紅き翼に恨みを持つ連中が人質にしようとパートナーを狙ってくる。
他にも紅き翼くらいになるといろいろと面倒事がありそう。





今、IFで戦争中の女ダニエルとナギの話を書いているんだが非常にスイーツな話になってきている。
糖尿の人や甘いものが苦手な人は気を付けてくれ。
ここで一番の問題なんだが、胸の大きさの描写はしないからそれぞれ好きな胸の大きさをイメージしてくれ!



[14425] IF TSダニエル
Name: 七星◆ab5dd278 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/22 17:02
注意 これはスイーツなのでご飯を食べてから。









はい、これで治療は終わりましたよ。

「ダニエル様にこんなご迷惑をおかけするなんて・・」

いえ、私にはこれくらいしかできることがありませんから。

兵士のみなさんは前線に出て戦っているんです。

これくらいのことはさせてもらわないと。

「ありがとうございます!」

でも、あんまりひどい怪我をしてしまうと治療しきれないかもしれないので気をつけてくださいね。

「はい!」




「お~い、ダン~。治療してくれ~!」

ナギ君!

そんなにひどい怪我してどうしたの?!

「へへっ、ちょっと油断しちまってよ」

ああもう!

ほら、早くそこに座って。

「ああ、わかった」



ねえ、ナギ君。

「ん?」

今日もいっぱい味方の人が死んだよ。

そんなの見ると、やっぱりここは戦場なんだなって思って。

旅に出てから、ずいぶんと遠くまで、こんなところまで来ちゃったね。

「・・・・すまねえな。

お前までこんな戦争に巻き込んじまってよ」

そんなの気にしなくていいよ。

ねえ、知ってる?

ナギ君ってさ、昔からいつも無茶ばっかりしてるから、見てると危なっかしくて凄く心配になるんだよ?

私はそんなナギ君を放っておけなくて、見ていられなかったから魔法学校までやめてついて来たんだから。

だからさ、あんまり無理しないでね。

「ああ」

約束だからね。

こうして兵士の人たちを治療していても、凄く心配になるんだから。

ナギ君が強いのは知ってるけど、もしかすると・・って。

・・・・待つのも辛いんだよ。

「でも俺は・・・・」

うん、わかってる。

助けを求めている人が、ナギ君のことを待っている人達がいるんだもんね。

ナギ君は優しいからね。

そんな人達を放っておけないでしょ?

それに、私は待つことができるけど、その人達は待っていられないから。

「ダン・・・」

だから、約束して。

絶対帰ってくるって。

絶対死なないって。

そう約束してくれれば、私はいつまでだって待てるから。

「おう、任せとけ!

絶対帰ってくるから待っててくれ」

うん!

・・・はいっ、治療終わり。

どう?ちゃんと治療できてる?

「おう!完璧だぜ。

流石俺の相棒だな」

ふふ、おだてても何も出ないからね。

じゃあ、私は他の人の治療に行ってくるから。

・・・今日もごはん作って、待ってるね。

「ダンのメシはうまいからな。ラカン達もいつも楽しみにしてるぜ。

もちろん俺もな。

じゃあ、行って来るな」

うん、いってらっしゃい。








あとがき

youtubeで見た、なのはのEinsatzのMADがかっこよかった。

最近なのはのMADにはまってきた


>ところで作者に問いたい。もし永遠神剣シリーズ次回作でユーフィーが成長してても作者の愛は変わらないのだろうか・・・?

当然。
俺は幼女を愛したのではなくユーフィーを愛したのだから。



そして唐突に、真名の異空弾倉を見て俺が思いついたかっこいい杖。

『ツンデレのクルトがダニエルのために魔法科学技術の粋を尽くして開発した杖。

本体である杖と、異空間から先端をのぞかせる5つの杖のワンセット。

5つの杖を敵を囲むように配置して、計六本の杖のどれからでも魔法を放つことができる。

その気になれば全ての杖から同時攻撃も可。

もちろん敵が杖を攻撃しようとしたら杖を転移させて回避させたり、敵が逃げても杖を転移させて追撃できる。

言ってしまえばファンネル。

杖にはオスティアの島々を浮遊させていた魔石の小型のものが埋め込まれているため魔力を貯めることができる上に、島々を浮遊させていた応用で浮遊術を使えない人間も飛ばせることもできる』

どうだ?かっこいいだろ

へへ、これで俺の黒歴史のページがまた一つ埋まったぜ。





あとがき2


次回「嘘予告 リリカルなのはstrikers~遥か遠い次元世界からの来訪者~」




[14425] 嘘予告 リリカルなのはstrikers~遥か遠い次元世界からの来訪者~
Name: 七星◆ab5dd278 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/23 03:24
注意 これはかっこいいパラレルダニエル。初代魔眼(笑)を持っている状態でトリップ。
詳しく説明すると、最終決戦ではナギたちと一緒に創造主と戦うことになり、魔眼を使うことにはならなかった世界のダニエル。





遥か遠く。

ミッドチルダの遥か遠くに位置する次元世界の一つからこの世界に突如出現した男は、翼をもがれ地に堕ちた少女に出会った。

「ああ、そこのお嬢さん。悪いんだが、ここがどこだか教えてもらえないかな?」

「・・・え?」

彼女たちの持つ魔法とは異なった形態の魔法を持つ男。

とある次元世界の英雄とエース・オブ・エースの邂逅だった。





自らの知る魔法の世界とは異なった形で、異なった道を歩んだこの世界に戸惑いを感じながらも、次第に世界に順応して行く男。

「次元漂流者保護法か。俺の世界はまだ発見されてないのか・・・。

この世界のことはよくわからんが、住む場所くれて仕事を紹介してくれるなら別にいいか」

「おい、新入り!注文の料理さっさと作らねえか!」

「わかりました~」





ただ、残酷にも運命は男を舞台に上げることに決めた。

「シャッハ、これを見てください」

「これは・・・・」

-遥か遠き世界より来訪者現わる。異なった系譜の力を持つ男は希望でも絶望でも無く無色の可能性。

「この男を、見つけるつもりですか?」

「はい。

この予言の男が無色の可能性だと言うのなら、最悪でも絶望の色に染まることの無いようにこちらで確保しておく必要があります。

そして、あわよくばミッドチルダを襲う脅威に対する希望となれば・・・」

「そうですね。

異なった系譜・・・・もしかするとAMFと関係の無い力という可能性も・・・」




世界は廻る。





黒い狂気が襲うミッドチルダに取り込まれて行く男。

「ダニエルさん、ようこそ機動六課へ」

「なんだか、また厄介ごとに巻き込まれた気がする・・・・」

男は狂気を肌で感じ取っていた。



そして男は魔王に出会う。

「うおおおおおお!!」

「ダニエルさん、模擬戦なんですから逃げてばっかりしないでください!」

「そんなの当たったら死ぬって。

なのはちゃん、自分の魔法よく見てみなよ!」

「ああ、もう!なんで当たらないの!!

そのヒュンヒュン転移するのやめて下さい!!」

「無茶言うな!!この砲撃魔王!

うおおおお!バインド!?」

「ダニエルさん、少しお話しましょうか」

「それは絶対お話じゃな、うぎゃーーーー!」


つかの間の平穏

「ほら、できたぞ」

「「やったー!」」

「エリオ君もスバルちゃんもよく食べるね。

どこにあんなに入ってるんだろう?」

「はい、私もそれが凄く不思議で・・・」

「ダニエルさん、おかわり!!」

「はいはい!」


襲いかかる魔の手

「なんでですか!!」

「いや、なにが?」

「なんで二人が、特にエリオがダニエルさんにあんなに懐いてるんですか!!」

「まあ男同士の方が話しやすいところはあるしね。

あとは・・・・餌付け?」

「納得いかない~!!!」

「いや、まあ落ち着きなよ」

「こうなったら仕方ありません、エリオの親の座をかけて模擬戦で勝負しましょう!」

「なんでそうなるの?」




人々を襲う機械兵器。

「ガジェット!?」

「お前の出番だな。ダニエル、行け」

「ちょっ!シグナムさん!なんで俺だけなんですか」

「お前の魔法にはAMFが効かないから当然だろう」

「AMF効いててもシグナムさんの方が絶対強いですって!」

「聞こえんな」

「理不尽だ!」



高く飛びたいと精一杯羽ばたく雛鳥

「や、ティアナちゃん。

ずいぶんとこっぴどくやられちゃったみたいだね」

「ダニエルさん・・・」

男が語るのは、どこまでも弱かった過去の自分。





この世に蘇った幼き王

「なのはちゃん、その子が?」

「はい・・・・」

「おじちゃんだれ?」

「お、おじ・・・・」




黒い狂気との邂逅。

「お前がスカリエッティか」

「そう言う、君がダニエルかい?

別の次元世界の異なった魔法を使うイレギュラー。

まさかAMFの効かない相手がいるとは思ってなかったよ。

君の魔法は実に興味深い。

是非とも研究してみたいものだ」

「一応聞いておく。止める気はないんだな」

「少なくとも、私の欲望が満たされない限りはね。

ただ、私はアンリミテッドデザイア、無限の欲望だ。

欲望そのものである私の欲が満たされるなど想像もできないがね」




姿を見せた襲撃者

「なぜ、スカリエッティに協力する」

「・・・ルーテシアのためだ」

「あんな小さな子供一人のためか」

「おかしいか」

「いや・・・最高だよ。

できれば、あなたとはもっと違う形で会いたかった」

「いくら言おうと栓の無いことだ。

行くぞ、別世界の魔導師!!」




ナンバーズと呼ばれる戦闘機人達

「・・・まだ立つのか」

「当然、だろ。こんなの、全く、効いてないし、なっ!!」

「トーレ姉!私たちも手を貸すよ!」

「ウェンディとディードか・・・。

一人に対し複数で当たるのはあまり好きでは無いが、ドクターの命令を優先しなければならないか。

気をつけろ。

相手は治療魔法のエキスパートのようだ。

少しでも隙を与えるとそれまでに与えたダメージを回復する。追撃の手を緩めるな。

ただし、ドクターの命令は捕獲だ。

間違っても殺すな」

「わかった!」

「おいおい、まだ増えるのかよ・・・。

ここが踏ん張りどきだな。

さて、救援が来るまであと何分だ?」




武器を捨てた戦士

「ダニエルの旦那。

旦那なら、もし自分の失敗で誰かが死んだら。

自分の失敗で誰かを殺してしまったらどうする」

「失敗か・・・・多分もう数え切れないくらいやってるだろうな。

それに巻き込まれて死んだ人もいる。

一人や二人じゃなくて、もっとずっと多く・・・」

「なら、旦那はどうして今も武器を手に取れる!」

「・・・・・それでも、こんな俺にもまだできることが残っているから、かな」

「自分に、できること・・・・・」





そして、最終決戦。

「来ないで!」

「ヴィヴィオ!!」

「なのはちゃん!・・・なんとか間にあったか」

「ダニエルさん!」

「おじ・・・ちゃん?」

「だからおじちゃんは勘弁してくれ。

・・・・なのはちゃん、助けたいんだね」

「はい」

「仕方ないか。なら、俺もサポートくらいはやらせてもらうよ。

そして、君の全力全開を叩き込め」







「なのはちゃん、八神部隊長、ダニエルさんの脱出が完了しました!」

「待ってください!ゆりかごが墜落を始めています!

損傷が大きすぎたようです!」

「軌道計算!

・・・っ!このままだと市街地に落ちます!」







「ゆりかごが・・・・」

「あかん、あれを壊すには時間が足りん・・・・」

「私たち、結局守りきれなかったんだね」





「ここまでやって、ハッピーエンドで終わらないというのも納得できないな」

解放される魔眼。

溢れ出る魔力の奔流。

「すごい・・・」

「なんて、魔力や」

そして潰れる右目。

「つうっ!!」

「ダニエルさん、目が!!」

「いや、覚悟はしていたけど、思っていたより痛かったよ。

心配するな。

目が一つ潰れたくらいじゃ死なないさ。

治療魔法使いの俺が言うんだから間違いない」

「でも!」

「あれを跡形もなく壊せばいいんだろ?

なに、やってみせるさ。

俺の親友なら、この程度のことあっさりとやってのけるだろうしね」





精密な構成。

純粋に破壊にのみ指向を向ける。

溢れでる魔力を一切の無駄なく収束。



そして、魔法が完成する。



「雷の暴風!!」





その瞬間、無色の可能性が色を持った。








あとがき

リリなのには素晴らしきおっぱいの持ち主が多い。

特にシグナムとフェイトはやばい。

おっぱいおっぱい。



女ダニエルはしばらく書かないな。
スイーツは食べ過ぎると太るし。


そろそろ試験が始まる。

単位が取れるかどうかの瀬戸際。

今回のように嘘予告や異伝でつなぐことも増えるだろうけど、更新ペースはできるだけ落とさないようにしたい。

狂気の沙汰ほど面白いからな。



あとがき2

スペルミスを教えてもらった。

sirikersってなんだよ・・・


あとがき3

>ここの紹介文レベルで「Arcadiaにも投稿している旨」明示が無いと
トラブルの元ですと言う事です

トラブルになる前に教えてもらって感謝。

至らぬ点があれば、またご指摘いただきたい。


あとがき4

>「ここの紹介文レベルで」とは

「幼なじみのナギに巻き込まれて一緒に旅に出ることになったオリ主の話。」
の部分に、それだけでなく「Arcadiaにも投稿している旨」まで明示する必要があると言う事ですよ
ここに書いておけば投稿一覧からも読めるのでこれ以上無い「明示」になります
各話冒頭もしくは後書きに一々書いてるようでは、それすら読まずに火病って「盗作だ」と突貫する考え無しも居ますし
一々書き入れてると先行き非常に鬱陶しい事になりますからね

たびたびの御指摘に感謝。




[14425] 魔眼s
Name: 七星◆ab5dd278 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/23 19:10
カランカラン

いらっしゃい。

「やあ、久しぶりだね」

ああ、お前か。

とりあえず席に座るといい。

「そうさせてもらうよ」




「それにしても、こんな場所であなたと再会することになるとはね」

本当だよな。

俺も学園長から魔法関係者の名簿見せてもらったときに驚いたし。

「まあ、ここでは私も純然な学生だ。

こうして放課後にここを訪れることもあるだろうからよろしく頼むよ」

純然な生徒は銃を持っていたりしないものなんだけどな。

俺としてはお前の射程内にはちょっと近寄りたくないんだけど。

「それは学園の外にいないといけないということだよ?」

ああ、そうだったな・・・。

お前物陰に隠れても跳弾とかで平気で攻撃できるからなー。

それ以前に、俺はお前の銃がトラウマになりかけている。

「あれはあなたが悪い」

いや、他の組織との合同任務の時に子供がいたらどうしたのかなって思うのが普通だろ。

お嬢ちゃん、どうしたの?パパとママは?って聞いたら俺の頬を銃弾がかすめていったのは今でもはっきりと思い出せるぞ・・・。

「些細なことを気にする男はモテないよ」

その後の合同任務でも何故かちょくちょく後方にいる味方の方から銃弾が飛んできたわけなんだが、これは些細なことだと思うか?

「その全てをかすめる程度で許してあげたことに感謝して欲しいくらいだ」

そのかすめた銃弾のいくらかは俺のとこのNGOのメンバーに当たってたぞ。

「いや、あれは私も誤算だったから驚いたよ。

でも、彼らがそれを気のせいだと言って構わず走っているのを見たときはもっと驚いたけどね」

あいつら馬鹿だから・・・・。

武器もなぜか鈍器だし。

「ああ、気持ちはわかる。

私も彼らの戦いを見たときは、なぜ魔法をほとんど使わず鈍器で戦っているのかと不思議でならなかったからね。

あれは原始人の戦い方だよ」

基本が鈍器で殴ることだからな。

正直あいつらと戦う相手が哀れでならない。

お前でもあいつらと戦いたくないだろ。

「銃弾が直撃しても気のせいで済ませるような原始人の相手はいくら私でも御免被るよ」

だよな~。

頭に当たっても普通に起き上がりそうだし。

「それ以前に今の私は傭兵だ。報酬をもらわないことにはどんな相手とも戦うつもりはない」

ああ、今傭兵やってるんだ。

NGOやめても結局こっちの世界からは抜けないか・・・。

「止めないんだね」

いや、お前が普通の子供だったら止めるだろうけど、幼い頃からこっち側で生きているようなやつに今更裏のことを忘れて一般人として生きろとか言えないだろ。

それでも実力的に問題があるとかだったら話は別なんだろうけど、お前は十分にこっち側で生きられる力を持っているしな。

それに、誰かを殺すこともできる。

そんなやつを子供扱いできないさ。

「褒め言葉として受け取っておくよ」

まあできる事なら平穏に暮らすっていうのが一番だってことは間違いないんだぞ。

あんまり無茶をしすぎるなよ。

「わかっているさ。いくら金があっても死んだら意味が無いからね。

それよりも、なんだか私の魔眼がうずくんだが、もしかすると魔眼持ちになったのかい?」

うん、まあね・・・。

いろいろと、そう、いろいろとあってね。

「・・・理由は聞かないでおくよ」

ありがとう・・・。

「それにしても魔眼持ちが二人揃うというのも珍しい。

どうだい?

これを機にコンビとしてやってみるというのは」

いや、お前とコンビ組んだら戦いばかりの毎日になりそうだからやだ。

俺はここで一日でも長くただの喫茶店のマスターとして働ければそれでいいよ。

「そうか・・・・便利な救急箱が手に入ると思ったんだが残念だ」

それは地味に傷つくぞ。

「まあ何か困ったことがあったら言ってくれ。

昔なじみのよしみで格安で引き受けさせてもらうよ」

できれば頼ることが無いように祈っているよ。

お前に頼ることになるくらいの面倒事が起きるのは勘弁して欲しいからな。

それでも、まあ、もしかすると頼ることになるかもしれないな・・・。

でも、その場合はかなりやばい相手になるぞ。

「私は働きに見合った報酬さえもらえるのなら構わないさ。

それじゃあ私は帰るよ」

ああ、じゃあな。







それにしても、あいつのパートナーが死んでもう二年になるのか。

いいやつだったのに、やるせないよなぁ。









あとがき

テストが近づいて恐怖。

このままだと目の前が真っ白になりそう。



>Fate編もやってほしいなぁ…

FATEは設定とかややこしすぎて書けない。

というか、魔法世界が無いから英霊にしても知名度0で補正無いし、まず英霊になれない。
しかし素のままだと瞬殺される。
キャスターの方が断然強いし・・・。
宝具は間違いなく魔眼(笑)になるんだろうけど、一回しか使えない。
というわけで死亡エンド以外浮かばないので無理。


>本編はどうした。

テスト近づいてるから、時間がない。
本編の方は後々の話とのつながりとか整合性も考えないといけないから時間がかかる。
というわけで本編の方は今回なんとかやってみたけど現状はかなり厳しい。
あとは原作に追いつく前に時間が稼げる最後の場所がここというわけでしばらくは学園祭に突入しないかも。
まだ設定とか不明な点が多いから、少しでも時間を稼いでおかないと原作と全くおんなじ展開にしないと書けなくなるからネギパ全員突撃ということになりそう。







次回『脱げ女襲来』

この次も、サ~ビスサ~ビス~




[14425] 脱げ女襲来
Name: 七星◆ab5dd278 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/24 20:09
うん。

あれだね、高音さん転移魔法とか覚えてみない?

俺は高音さんの実力を見た次の日にそう言った。

影を媒介とする転移魔法。

逃げに良し回避に良し攻撃に良しと非常に使い勝手のいい魔法。

それを覚えればずいぶんと戦術の幅も広がるはずだと思い、俺は転移魔法を教えることにした。

高音さんは影に適正がある。

俺は治療魔法が適正だったため雷を媒介にした転移魔法を覚えるまではずいぶんと時間がかかった。

自分の適性属性の魔法である上に,俺と違って指導者も居る以上は俺よりもずっと早く転移魔法を覚えるだろうとは思っていたが、まさかこんなに早く実際に試せる段階に至るとは思っていなかった。

まあまだ理論や構成を覚えただけで、詠唱も必要なのだが。

それでも俺の何倍も早い。




「それでは、いきます」

うん、まあ初挑戦だから失敗しても構わないからね。

まずは1メートルくらい転移してみようか。

「はい」

詠唱が始まった。

さて、まあ始めてだから失敗してもしょうがないけど、どうにも成功しそうな雰囲気だな。

「転移!」

おお!

高音さんは足元の影にすーっと入っていった。






服だけを残して。






そして、あられもない姿で1m先に出現した。

いや、もう下着とかそんなレベルじゃ無かった。

どうだと言わんばかりにポーズつけてるから、つまり全てまるみ(ry

「成功したっ!!・・・・・・・・・キャーーー-!!」

今更隠しても遅いって・・・。

どうやったらそんなことになるの?





「うう・・・・・失敗しましたわ」

一応転移自体はできてたんだけどね。

正直なんであんなことになったのかさっぱりわからない。

とりあえず数をこなすしかないのかな。

「くじけませんわ」




その後、通算50回目の転移でようやく服が脱げないようになった。

しかしなんで服が脱げたんだろう。

それに、反省点とか探すために毎回俺も見ていないといけないというのが辛かった。

端から見たら女の子に服ぬがせてるセクハラおやじにしか見えないんじゃないだろうか。

「ようやく成功しましたわ・・・・・。

でも、ダニエル様に何度もはしたない姿を・・・」

いや眼福、違った。

気にしないでいいよ。

まあ、魔法を学ぶ上では不慮の事故とかもあるもんだよ。

・・・流石にこんなケースは聞いた事ないけど。

とりあえずは最終的には無詠唱での短距離転移が目標だから。

これからは転移の練習と模擬戦の二つに重点を置いての特訓になるから。

きちんと体調管理だけはして置いてね

「はい!」








「ん?ダニエル今日のグッドマンの特訓は終わったのか?」

ああ。

なあエヴァ。

転移魔法って失敗したら服だけ脱げたりするのか?

「は?」

いや、実はさ・・・。




「グッドマン・・・脱衣の神にでも愛されているのかもしれんな」

一瞬、脱げ女って言葉が頭をよぎったよ。

あの子模擬戦しててもやたらと服だけ破れていったりするんだよ。

「グッドマン恐るべしか。

正直そんな転移使うやつとは戦いたくないな。

マギステル・マギではなくヌギステル・マギになるつもりではないのか?」

ちょっと上手いこと言ったな。

それに、正直他の人に見られたら俺が服を狙って攻撃してるんじゃないかと思われるくらいに服が破れるからな。

「・・・・・・・だ、だがそれにしてもずいぶんと早い成長じゃないか」

そこは俺も素直に驚いた。

もっと時間がかかるものだと思っていたんだけどな。

まあ、俺が休日に喫茶店とかやってる間にもここに入り浸って自主訓練してるみたいだし。

この分だと下手すると学園祭までに無詠唱での短距離転移を覚えるかもしれない。

やっぱり適性っていうのもあるんだろうけど、根が真っ直ぐな子だからね

こっちの言うことを素直に聞くと言うのも大きい。

あの子は強くなるよ。

「いずれ坊やと戦わせてみるのもおもしろいかもしれんな」

まだまだ先の話だよ。

戦術面をもっと鍛えておかないと火力の差で押し切られる。

「まあ火力で押しきれるのも今のうちだけだろう。

火力なんぞ当たらなければ意味がない。

特に単体同士での戦いではな。

一対一の戦いでは最終的にはどちらが先に、より多くを当てるかということが問題になってくるんだ。

100のダメージで撃墜出来る相手に1000の攻撃をしようが100の攻撃をしようが、結局は一撃当てれば倒せるのだからな。

魔法使いが大火力の砲台として求められるのは従者などを含めた集団戦だ」

まあネギに関してはエヴァに任せるよ。

あんなでかい火力の扱い方は俺には経験が無いから教えられん。

「まあ、立派な悪の魔法使いにしあげてやるさ。

それよりも、チャチャゼロが待っているぞ」

「ケケケ」

いや、チャチャゼロ。

もっと切れ味の悪そうな刃物にしてくれないか?







そのころの詠春さん



先日事件が起きた。

激萌えロリ巫女通信という雑誌が創刊されたのだ。

そこで、これはどちらの領分なのかということで関東と関西で争いになったのだ。

決して後世に語られることはない大戦の始まりだった。

「大丈夫ですか!?」

「あ、ああ・・・会長。

お、俺はもうダメです・・・」

今もまた一人の若者が倒れた。

関東ロリっ子協会の繰り出すロリ-タ神拳にやられてしまったのだ。

「う、ああああ。

ロリっ子が、ロリっ子が・・・・。

俺の、俺の巫女さんを侵食していく・・・」

「気を強く持ちなさい。

ほら、巫女さん通信の最新号です」

「こ、これは・・・・・・・・・

み・な・ぎ・っ・て・きたーーーーーー!!!」

これで大丈夫だ。

しかし詠春に止まっている暇は無かった。

今もなおこの戦場のどこかで倒れている漢がいる。

「そろそろ、私も巫女巫女雀拳の封印を解かなくてはなりませんか」

こんなにも空気の張り詰めた戦場はあの大戦以来だ。

思わず巫女さん通信を持つ手にも力が入る。

さあ行こう。

今私の肩には日本中の巫女萌え達の命運がかかっているのだ。

詠春は漢達の戦場に繰り出した。






あとがき


おっぱい分が足りなくなったから補充。

俺の半分はおっぱい分でできている。



>Fateに関してだが
例えばFateゼロのライダーは宝具として戦車を引く雄牛や共に戦場を駆けた戦友達を召喚することができるんだ、そう『仲間』を
そして、ナギは英霊として召喚されるのに十分な実力を持っている。
だから仮にナギが召喚されたとして、さらに彼の宝具に苦楽を共にした『仲間』を召喚する技能に目覚めたとしたら。
そして『仲間』の中でも特に信頼を置いた『友』が居たとしたら
その『友』が巻き込まれスキルEX保持者だったなら


後は・・・分かるな?




つまりは、結局死亡というわけだな。

あの世界はマジ半端じゃない。

ダニエルみたいな異世界の人間が行ったら、世界の意思とか何とかでアルクが動いちゃうんじゃないか?

惟一の頼みの士郎も、ダニエルが戦争で人を助けるために人を殺したとかで相容れそうにないし。




あとがき2

>脱げ女は、脱衣関係の魔法をメインに習得していったら最強なんじゃないだろうか?
 短所は同時に長所であるっていう理屈で。
 彼女の武装解除に抵抗できる人はいないのでは?
 きっと固有結界「無限の脱衣」とか習得してくれるはず。


武装解除で脱がされる前に自分で脱ぐわけだな。

ネギ「風花武装解除!」

脱げ「残念ですが、既に脱いでいますわ」




[14425] 麻雀
Name: 七星◆ab5dd278 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/25 13:09
学園長、千雨ちゃんって子知ってますか?

「おお、知っておるよ。

ネギ君のクラスの生徒じゃろう」

あの子、どうやら魔法にある程度の耐性があるみたいで、この学園の異常性に気づいていますよ?

本人は至って普通の感性をしているせいでいろいろと悩んでいるみたいです。

「ほう・・・・」

かなり思いつめている、というかストレスがたまっているみたいでしたね。

「そうじゃったのか」

学園の認識阻害の魔法の強化とかできないんですか?

魔法のこととか知ればある程度は吹っ切れるかも知れませんけど、流石にそれはできませんからね。

現状だと、学園生活をあまり楽しめていないようなので。

「認識阻害の強化・・・。

残念じゃがそれはできんのぅ。

今でもかなり危ういレベルなのじゃよ。

これ以上強化してしまうと、もしも、一般生徒が何か危険なことに巻き込まれそうになった時も認識阻害が不必要に働き、それが危険なことではないと判断してしまうようになる恐れがあるんじゃ」

そうですか。

「じゃが、わしとしても生徒が学園生活を楽しめていないというのは大問題じゃからのぉ。

何か手は無いか考えてみるが、それまでは現状に耐えてもらうしかないのぅ」

まあいざとなったら、無理矢理ネギのクラスから他のクラスに変えるだけでもだいぶ違うと思いますから。













いや、なんでこんなことになった。

「さて、どうするカ」

ちょっと時間があったので、前に言っていた中華の店に訪れてみたんだが。

なんかメンツが足りなかったとかで麻雀に参加させられることになった。

俺は当然素人。

一時間ほど説明書を呼んだが、今も説明書を片手に麻雀をしている。

メンツは、中華、俺、龍宮、忍者。

「ダニエルさん、あなたの番だよ」

え、もう?

なんかいいの引けないかな

こ、これは!

リーチの予感!

「リーチ「ロン」っ!!」

な、なん・・・だと。

起死回生、ようやくつかんだ女神の手、ぬるりと反撃するはず・・・

「ダニエルさん、あなた背中が煤けてるヨ」




リーチ!

今度こそかかった。

ここだ、ここから始まる。

天の意思、そうこれは天の意志が俺に

「ツモ」

なん・・・だと。

「悪いね。

私の銃は狙った的を外さない」




くっ、リーチすらかけれない。

龍宮と中華はリーチを既にかけている。

ここはなんとか乗り切る。

俺は今勝負の大海を漂っている・・。

これだ、これは安牌のはず。

「ロンでござる」

忍者!?

お、おまえリーチをかけていないというのに・・・・。

「忍者とは忍ぶ者でござるよ」

やっぱり忍者だったのかよ・・・。

違うでござるって、もう遅い。

ハコテン。

そう、持ち点が0になった。

「まだネ。まだまだ終わらせないヨ。

地獄の淵が見えるまで!!」

「倍プッシュだよ」

鬼畜か!

「おやおや、意外と臆病でござるなダニエル殿」

なんだ・・・・・・?  なんなんだこのガキどもは・・・・・・・・!

          考えられないっ・・・・・・・・・・・・!  極悪っ・・・・・・!

       どこまで悪魔なんだっ・・・・・・!?

         空っとぼけて・・・・・・・・・! 無為無策を装って・・・

                狙っていた・・・!


          俺の金を・・・・・・!

「いく時なんだよ今は・・・・・・!    勝って・・・・・・  
                                勝って勝って   勝ちつくす・・・・・・!

               絞り取る・・・!  生き血のように・・・   金を・・・!

         最後の一滴まで・・・!」

龍宮、お前!

「勝負は続行ネ」

どいつも こいつも・・・

                  地獄へ堕ちやがれっ・・・・・・・・・!






結果、むしり取られた。

ホクホク顔で帰っていく龍宮が恨めしかった。

突っ伏している俺に、五月ちゃんって子が肉まんをそっと差出してくれた。

人の温かさに涙が出そうになった。

こ、これは。

う・ま・い・ぞーーーー!!!






そのころの詠春さん


戦場を駆ける。

かつての大戦、あのころの俺に戻っているのを感じる。

「あれは関西巫女さん協会の会長!」

「やつを討ち取れ!!」

ざっと数十人。

ずいぶんと俺もなめられたものだ。

巫女さんマスターと言われた俺相手に数十人で足りると思っているのだろうか。

「巫っ女巫女にしてやる!!」



その日の戦闘は両者痛み分けと言う形で終わった。



詠春side


「被害は甚大です。

既に百人近い巫女萌えが・・・

それに拠点もいくつか」

「わかりやすく、どれくらい大変なのか説明してくれないか」

「はっ!わかりやすく言うと、362ミコモエくらいのヤバさです」

「それほどか・・・・」



??side

「報告します!

被害は甚大!

既に100名近いロリコンが・・・

それに拠点も」

「わかりやすく説明してください」

「はっ!

361ロリータくらいのヤバさです」

「それほどまでに・・・」







あとがき

テスト?なにそれ怖い


>武装解除ってあれホントは杖とか魔法の発動体や魔法耐性のある防具を弾き飛ばすの目的だから。
決して。決して!服脱がすのが目的じゃないから!!
武装解除前に脱いでも結局は相手の目標は達してるから!


え?脱がすのが目的じゃなかったの?
着衣解除!!


>IFでサクラ大戦とか見てみたいです。

サクラ大戦はあまりよく知らない・・・・





おそらく高音は学園祭までには強化されている。

高音の無限の脱衣・・・


故に我が戦闘に服は要らず・・・・




最近なのはのss読んでるけど、やっぱりスカさんやレジアスが好き。
もちろんおっぱいには敵わないがな。

機動六課に行きたいです・・・・

俺、テストを乗り切ったら( ゚∀゚)o彡゚ おっぱい!おっぱい! ってするんだ・・・





[14425] ガンドル
Name: 七星◆ab5dd278 ID:8e58ac88
Date: 2010/01/26 23:20
ガンドルフィーニ先生が、生徒たちに基礎魔法(火よ灯れなど)を教え終わったらしいので、俺もそろそろ木乃香ちゃんに治療魔法を教えるようになりそうだ。

まあ、その前にガンドルフィーニ先生に障壁とかの防御魔法教わってからだけどな。

刹那ちゃん達も刀子先生がしっかりと指導してくれてるみたいだし。

ネギはエヴァに修行見てもらってるし。

とりあえずは順調だな。


「あ、ダニエルさん」

ガンドルフィーニ先生、お疲れ様です。

「いえ、私も指導するのは嫌いではありませんから」

生徒たちは順調みたいですね。

ネギも順調そうだし、ネギの修行見ましたか?

「はい。正直驚きました。

ネギ君の才能もですが、なにより彼女がまともに指導しているとは」

なんだかんだ言っても女子供には甘いですから。

まあ、ネギのことが気に入ったっていうのもあるんでしょうけどね。

「まあ善悪を問わずに言えば優秀な魔法使いであることは間違いありませんしね」

何百年も命を狙ってくる人間と戦ってきた経験値は伊達じゃないってことですよ。

正直戦闘経験であいつに適うヤツなんて人間にはいないでしょう。

ネギもそんなあいつに指導されてるんです。

きっと今よりもずっと強くなります。

「はは、これは私もうかうかして居られませんね」

俺だってそうですよ。

経験の差が埋まればネギに勝てるはずがないんですから。

まあ、ネギにとってはそれも通過点ですよ。

あいつが目指す目標はナギですから。

「サウザンドマスター、ですか。

私は実際に見たこと無いんですが、どれくらい強かったんですか?」

竜を相手にガチンコの殴り合いであっさりと勝つくらいですね。

「そ、それはなんとも・・・」

ラカンと二人揃ったときはもう最悪ですね。

どうやっても倒せる気がしませんよ。

「そ、そういえば彼女もずいぶんと成長しているみたいじゃないですか」

ああ、高音さんですか。

まあ元がかなり優秀ですしね。

飲み込みも早いから教えるこっちも楽しいですよ。

「それはよかった。

それで、具体的にはどれくらい強くなりましたか?」

まあ、現状ではネギや刹那ちゃんには届かないですね。

明日菜ちゃんは相性の問題があるというか、あの子魔法使いの天敵だし・・・。

いまいち位置づけが難しいですね。

強くなっていることは確かなんですが。

「流石にその二人にこの短期間で勝てるようになっていたら驚きますよ。

でも彼女今学園の魔法関係者の中ではちょっとした有名人になってますよ」

え?

まさかあの脱衣転移が・・・・

「だついてんい?よくわかりませんが違います。

あなたに指導を受けていると言うことを聞いた関係者達が、ダニエル氏の後継者かとか、いずれ誕生する新生紅き翼のメンバーかとか騒い出るんですよ」

そんなことになってたんですか・・・。

まあどっちもあり得ないことですね。

俺の本分は治療魔法ですから。

戦闘技術を教えているだけですよ。

それに、紅き翼はいずれ消えていく前時代の遺物です。

あんなものを次の時代に受け継がないといけないような世の中になったらそれこそおしまいですよ。


「・・・・まあ、それもそうかもしれませんね」










そのころの詠春さん


「くっそーーーー!!

なんなんだこのゲームは!!」

詠春はコントローラーを投げた。

「『巫女萌え天国!!12人の巫女さんと僕とパスタ』ってタイトルに惹かれて初回限定版を本体ごと買ったのに全然クリアできないじゃないか!!」

ぶつぶつと言いながら、ゲームを再開。

『あ、初めまして。

私は御子萌子と言います』

 ・どうも、僕は〇〇です。

 ・今日のパスタは塩辛かった。

→ ・結婚を前提にお付き合いしてください。

ピッ

『えっ?!

きゅ、急に何を言うんですか!

私、あなたがそんな軽薄な人だなんて思っていませんでした!

失礼します!!』

『怒りながら去っていく彼女の背中を見ながら僕は思った。

明日はペペロンチーノにしよう。』

『ゲームオーバー』

「なんでだーーーー!!

巫女さんに出会ったらまずは告白!

これが基本!紳士的な対応!最低限の礼儀だろうが!!」

結局、その後詠春は12人の巫女さん全員に振られた。






あとがき

飲み会で日本酒1リットルくらいとビールをジョッキで5杯くらい一気飲みしてきた。
正直頭がぼーっとする。
テスト直前になにやってんだろう・・・。



>過去編のときはダニエルと周りの赤い翼とのギャップが面白かったんですが、原作ルートに入ってからなぜダニエルが原作勢に混ざっているのか、というよりどこを楽しめばいいのか良く分かりません
周りからの評価が物凄い高いわりに原作と展開が変わってるわけでも無いですし、対応も常識的でかつ方針も基本防衛であまり話の主筋に積極的に関与してるわけでも無いですし、笑いどころもダニエルに関する部分は過去編の延長で原作とは余り関係の無いところですし
巫女ロリのほうは楽しいんですが、詠春の嫁はどんな巫女だったんだろう


正直俺も魔法世界編まではそんなに変わらない気がする。
俺が言うのもどうかと思うけど、現状でこのssを一番楽しめる読み方は過去編の最終話『旅の終わり』で読者の方で完結と考えて読むのを止めることだと個人的には思っている。
原作編もできるだけ面白くしたいと思っているが、なかなか上手くいかない。


>俺は関東に住んでるんだが関西巫女さん協会にはどうやれば入れるんだ?

関西巫女さん協会の支部は、巫女さんを愛する全ての人の心の中に一つずつある。




次回『ガンドルフィーニは熟女萌え!?』




まあ嘘だけど



[14425] 初めての治療魔法講義
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/03/17 15:04
簡単な障壁を張れるようになったと、木乃香ちゃんが嬉しそうに言ってきた。

やはり優秀なようで、思ったよりも早く治療魔法にとりかかることができるようになった。

「なあなあ、まずはなにをするん?」

ん?勉強。

図書館島から本をどっさりと借りてきたからみっちりと授業だよ。

「え~。もっとこう、ぱぱあって感じに魔法使うんやないん?」

それはまだ先だね。

まずは人体について勉強しておいた方が後々効率がいいし。

木乃香ちゃんくらいに魔力があれば問題ないかも知れないけど、集団で行動している時は多くの人を何度も治療することになって魔力切れを起こすことがあるからね。

必要最低限の治療魔法だけかけて次の人にとりかからないと魔力が持たなかったりするし、全員を完全に治療してると時間がかかりすぎて他の人が手遅れになるケースもある。

だから治療魔法使いはペース配分の仕方と、怪我の具合を見て治療の優先順位を決めたりしないといけないから勉強は必要だよ。

「は~、けっこう大変なんや」

まあ正直、木乃香ちゃんは魔力切れの心配は無いと思うから人体の急所とか怪我してるとまずい部分を覚えて優先順位を決めれるようになることかな。

それをある程度勉強したら魔法の実践に移れるよ。

被験体には現在進行形でエヴァにボコボコにされてるネギがいるしね。



「ふはははは、どうした坊や!もうおしまいか?」

「ま、まだです!ラス・テル・マ・スキル・マギステr・・」

「遅いわ!闇の一矢!」

「無詠唱!?うわあああ!」

「詠唱が必要なほど大きな魔法を簡単に使わせてもらえると思うな!
相手の隙を突いたり、行動の自由を奪ってからではないとそんなもの通用しない!
普段は神楽坂明日菜のような前衛がいるから話は別だが、今のような一対一ではな」


おお、エヴァもやってるなあ。

ネギのポジションが昔の俺だったらすぐに逃げ出してるな。

真祖の吸血鬼なんて伝説級の存在と修行とは言え戦うとかあり得ないし。

しかもこの空間では全力出せるんだろ?ありえないな。

テオドラならまほネットに『知人が真祖の吸血鬼と戦うことになったんだが』とかスレ立てしそうだな。

「おい、坊や聞いてるのか?
・・・・ダニエル!」

ん、なに?

「ちょっと力加減間違えた。坊や息してない」

ちょ、おま!

なにやってんだよ。

「いや、全力出す機会なんかずいぶんと無かったからな。
時々力加減がわからなくなるんだ」

ネギ、大丈夫か!

痙攣してる・・・。

「ね、ネギ君が泡吹いとる~!」

「いや失敗失敗。次はもっと気を付ける」

このポンコツ吸血鬼~。

しっかりしろネギ!

傷はあさ・・・深いぞ!

「ああ!ネギ君の顔が土気色になっとる~!」

ネギーーーーー!!

「茶々丸、喉が乾いた。紅茶を用意しろ」

「はい、マスター」






そのころのアル


最近はなにやらきな臭い感じがすることが多いですが、どうやらダンががんばっているようですし。

私の出番は無いですね

ダンが頑張っているおかげで、こうやって私は散歩を楽しむことができると思えば本当にダニエル様様ですね。

あ、もちろん姿を見られるのは困るので魔法で変装はしてますよ。

それにしても、初等部の敷地は本当に心が和みます。

散歩にはうってつけですね。

最近は警備の人たちがちらちらとこっちを見てくるのですけど、どこか変装魔法に不手際でもあるのでしょうか。

「じゃあみんな、運動会の練習の時間ですよ」

「は~い先生~」

さて、カメラカメラ。

位置取りは・・・お、あそことかよさそうですね。

「それじゃあみんなラジオ体操始めましょうね。
一、二、三、四。一、二、三、四」

パシャ、パシャ。

いや、本当に心が洗われるような感じがします。

幼女は天が生み出した最高傑作ですね。

パシャ、パシャ。




「あの、すみません」

おや、警備のお兄さん。

どうかしましたか?

「最近、この近辺で変質者が出ると初等部の生徒から報告を受けているんですよ。
なんでも物陰からじっと見てたりするとか、カメラで撮影してたりするとか。
初等部の生徒がとても怖がっていまして」

なんと、それは許せませんね。

幼女を困らせるなど許されないことです。

「はい。それで、もしよろしければ捜査にご協力願いたいのでご同行願えますか?」

もちろんです。

私が幼女の助けになるのならいくらでも協力しますとも。

「それではついてきてください」

はい、それでは行きますか。

ダン・・・幼女は、私が守ってみせます。

こっちのことは任せておいてください。

「あー、こちら警備部。パトロール中に例の容疑者を確保しました」

おや?




あとがき

久々に更新。
現実が忙しいです。
テストとかマジワロスw
テスト勉強で徹夜したらギリギリで寝てしまってテスト受けれなかったしw

RPGツクールVXとRPGツクールDSをゲット。
なんかつくってみようかとも思ったが、俺にそんな製作技術がないことに気づいた。
DSとかwifi使えないしw
宝の持ち腐れw

二ヶ月ほどアルカディアに来てなかったから読んでない作品がたまってそうでwktkしてる。

春休みになった途端に二日間ぶっつづけの徹夜パーティーとかマジサークル狂ってるわ。
飲んで騒ぐパーティーを48時間ぶっ通しw
死人続出。
部屋酒臭い。

明日も飲み会だわ、死んでくる。

最近北斗の拳とか花の慶次にハマってる



[14425] 追憶
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/03/26 15:17
「おい、居たぞ!前方500メートルの地点を走っている!」

「了解!動けるやつは全員向かえ!逃がすなよ」




こいつはやばいですね。

どうやら見つかったみたいです。

どんどんと距離を詰められてます。

「ああ、そうだな・・・っと!」

ガトウさんの居合拳が上空から偵察をしていた敵の魔法使いをたたき落とした。

まさか、こんなところで仕掛けてくるとは予想外でしたね。

元老院か、それとも・・・。

「まあ、俺たちに恨み持ってるやつは数え切れねえし、なにより嬢ちゃんがいるんだ。
ここまで多いと誰の手先かなんてわからねえよ」

ナギ達がいたらこれくらいの人数・・・。

「ガトーさん・・・ダニエル・・・」

ああ、アスナちゃんは何も心配する必要はないよ。

大丈夫。絶対守るから。

傷一つでもつけたらアリカ様に怒られるしね。

「でも、ダニエル・・・私より弱いのに・・・」

うっ、痛いところつくなぁ。

「おいおいダニエル。正論で返されてるじゃねえか」

ガトウさんまで・・・。

一応これでも昔よりは強くなったとは思うんですけど。

「まあ昔よりはな。あのころはひどかった・・・・。
まああの連中のことは俺たちにまかせときな。
タカミチ、お前は絶対に嬢ちゃんを守れよ」

「はい!」








「よぉタカミチ、火ぃくれねえか。
最後の一服・・・ってやつだぜ」

ガトウさん・・・。

「・・・・はい」

きっとタカミチもわかっているんだろう。

もうガトウさんは助かりようもないってことが。

「・・・あー、うめえ。
さあ、行けや。ここは俺がなんとかしておく」

魔力さえ残っていればこんな怪我くらい・・・・。

「無いもんねだっても仕方ねえ。
雀の涙みたいなお前の魔力でここまでもっただけでも上出来だ」

そう言ってもらえると助かります。

でも・・・俺にも、ナギ達みたいな魔力があったら。

「ガトーさん・・・」

アスナちゃん・・・涙が・・・。

アスナちゃんは、以前と比べると表情の豊かになったが、涙を見るのは初めてだった。

「・・・なんだよ嬢ちゃん。泣いてんのかい?
涙見せるのは・・・初めてだな。
へへ・・・嬉しいねえ」

ガトウさんはいつもと変わらない不敵な笑みを見せた。

きっと、しゃべるのも苦痛に違いないのに。

少しでも心配をかけないようにって。

すごく、すごく痛々しく感じた。

「師匠・・・」

この音、追手が近づいてきてる。

あと数分ってところか。

「タカミチ・・・記憶のことだけどよ。
俺のとこだけ念入りに消しといてくれねえか」

「なに言ってんスか!」

「これからの嬢ちゃんには必要のないもんだ」

「でも!」

タカミチ・・・・ガトウさんの言うとおりにしておいてくれ。

アスナちゃんは、これからただの女の子に、ただの女の子になるんだ。

誰かが死ぬ記憶なんて・・・必要ない。

「ダン!」

「やだ・・・よ。
ナギがいなくなって、・・・おじさんまで・・・」

ガトウさんは震える手をそっとアスナちゃんの頭にのせた。

「幸せになりな嬢ちゃん。あんたにはその権利がある」

「ダメ!ガトーさんっ!いなくなっちゃやだ!」

タカミチ!

もう時間がない。すぐに動け!

「はっはい!」

タカミチは暴れるアスナちゃんを小脇に抱えると、ガトウさんに頭を下げて走り出した。

「ガトーさん!ダニエル!」

アスナちゃん!元気でな!




「・・・なんだよダニエル。嬢ちゃん達についていかなかったのか」

まあ、ここを切り抜けたら後は心配ないですしね。

俺がついて行く必要はないですよ。

「このくらい俺一人で十分なのによ。
魔力の切れたお前がいてどうするよ」

忘れたんですか。

俺も昔ガトウさんに氣の使い方を教わった弟子の一人ですよ。

まだ、戦う術は残っていますって。

「ああ、そうだったな・・・。
お前は本当にできの悪い弟子だった。
タカミチよりも全然才能がなかったしな」

いや、あれはあいつが凄すぎるだけでしょう。

それにしても、ガトウさんこそ大丈夫なんですか。

ボロボロじゃないですか。

大人しく寝ていた方がいいんじゃないですか?

「馬鹿言うな。これくらいならお前よりは全然動ける」

「おい、いたぞ!ガトウとダニエルだ!」

「相手は死に体だ!さっさと片付けて逃げたやつを追うぞ!」

残り4人ですか。

なんとかなりますかね。

「自信がないなら引っ込んでな」

ちゃんとやりますって。

「かかれ!」






なんとかなりましたね。

「・・・ああ」

俺も流石に限界ですよ。

今日はこのままここから動けそうにないです。

魔法生物とかに狙われないといいんですけど。

まあ、あんだけ暴れればしばらくは寄ってこないでしょう。

「なあ・・・ダニエル」

なんですか?

タバコなら持ってませんよ。

あれは健康に悪いですから、治療魔法使いとしてはタブーです。

「そんなことじゃねえよ・・・嬢ちゃんのことだ」

アスナちゃんですか。

大丈夫です。

一人も抜かせませんでしたし、今頃は安全な場所についてますよ。

「これから、先・・・嬢ちゃんは・・・ただのガキになる。
まあ、それでも・・いろいろと問題もあるだろうが・・・送った先の連中が・・大抵のことは・・・なんとかしてくれる。
タカミチもついてるしな・・・」

それなら俺も安心です。

アスナちゃんには、幸せに、幸せになってもらわないと。

「ああ・・・。
それでも・・・なんかあったときは・・・頼む」

・・・はい。

任せてください。

師匠の頼みですからね。

「師匠、か。
ダニエル・・・戦争は終わった。
お前も・・・そろそろ・・幸せに・・・普通に・・・」

幸せに、普通に、ですか。

それもいいですね。

ようやく長い、長かった戦争が終わったんです。

なにをしようかな。

家に帰るのは無しですね。

あのバカ親共は本当に・・。

そうですね・・・本でも書きながら畑でも耕して、のんびり暮らすのとかいいと思いませんか?


「・・・・」


・・・・・・・・・ガトウさん?




あとがき


>だってキティちゃんのボーイフレンドはダニエル君ですよ(サンリオ的にw)

なんだその理屈w





そろそろ春休みがおわる・・・。




[14425] 異伝 High school of the dead
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/05/23 02:23
昼寝して起きると見知らぬ橋の下にいた。

箒と道具袋があったのは幸いだが、わけがわからん。

なんかいろんなところから、うーあーと声が聞こえてきた。

様子を見に行こうとすると、橋の下にゾンビが現れた。

あせって炎の矢を打つと死んだ。

ゾンビが居るってことは近くに術者がいるのかもと思い、箒に乗って空に上がった。

空を飛んでいるので遠くまでよく見えるけどいろんなところから煙が上がっていた。

しばらく飛び回っていて看板の文字などからここが日本ということが分かった。

ついでに、日本が超ピンチだってことも。

なんでゾンビがいっぱいなんだよ・・・・。




なんで日本にいるのかもわからんが、ゾンビでいっぱいなのはもっと訳が分からん。

十中八九悪の魔法使いの仕業なんだろうけど、うろついているゾンビを見る限り出来は悪い。

試してみたところ俺の炎の矢一発で死ぬ程度のゾンビだ。

この程度のゾンビしか作れないようなヤツなら、ここまで被害が拡大する前に関西呪術協会か関東魔法協会が始末しているはずだ。

なにがおこってるんだかわからないが、とりあえず誰かに事情を聞きたいところだ。

なんらかの事情で協会が動けなくなっているんなら、人道的に考えて多分俺がなんとかしないといけないんだろう。

でもどこに術者が居るのかとかさっぱりわからないしなぁ。

アルとかなら、ゾンビから魔力を辿ったりして見つけられるんだろうけど俺には出来そうも無い。

とりあえずは誰か生きてる人を見つけるか。




それからさらにしばらく飛んでいると、かなりヤバイ状況に出くわした。

なんか豪邸の庭に人がいっぱい集まっているんだけど、ゾンビの大群に今にも門が破られそう。

人助けと情報収集が同時にできるし、あの人達に話を聞くことにしようか。

あ、門が破られた。

俺は予備の小さな杖を取り出し、急いで門に向かって急降下。

そして、紅き焔を使いゾンビの大群の先頭集団を焼き払った、








なにが起こった。

門が持たないのは目にみえていた。

私は既に覚悟を決めていた。

娘たちを逃がし、ここで打ち果てるつもりだった。

しかし、門が破られた瞬間。

ゾンビたちが燃えた。

なにかトラップをしかけていたわけでもない。

誰かが火をつけたわけでもない。

炎は上空から飛んできたように見えた。

バッと上空を見上げると男が箒に乗って飛んでいた。

周囲の者も皆空を見上げている。

男が、そのまま残っているゾンビに向かってなにかを叫んだ。

すると、ゾンビが燃えた。

男は箒に乗ったまま周囲を確認すると、地面に降りてきて口を開いた。

「あ、すみません。なにがおこってるのか教えてくれませんか」

教えて欲しいのは我々の方だ。










「・・・・というわけだ」

ここのリーダーの人に話を聞いてみたところ、どうやら魔法使いの仕業っぽくないというか、別世界ということが判明してしまった。

なんか、こっちの世界の地図を見ると細部が違っていたりした。

しかしなるほど、だからここまでゾンビが放置されたのか。

俺どうやったら帰れるんだろう。

緊急事態なので魔法を見せたりして魔法使いということを信用してもらうことはなんとかなった。

まあ魔法協会が無い・・・と思うから問題は無いんだろう。

理由がなんなのかは分からないが、魔法使いの仕業じゃない以上は俺にできることは少なそうだ。

「ダニエル君だったな。君はこれからどうするつもりだ?」

ああ~・・・どうしましょう。

生きてくだけなら問題なさそうなんですけどね。

「よければ、ここで生活しないか?こちらとしても君がいてくれるとありがたいんだが」

あ、じゃあそれで。

とりあえず、寝床と食事があるならありがたいですし。

あのゾンビなら俺でも相手にできるでしょうし、怪我人の治療とかもなんとかなると思います。

ゾンビ化は魔法が関わってないなら、どうすればいいのかわからないので流石にどうにもなりそうもないですけど。

「ほう、それは助かる。それで、相談があるんだが。
あのゾンビに対する有効的な対処法とかはないのだろうか」

なにが原因なのかがわかりませんから、根本的に解決することは難しそうです。

とりあえずは、この敷地に結界を張ってゾンビの侵入を防ごうと思っているんですけど。

「そんなことができるのか!」

ええ、俺の力というよりは仲間の作った道具の力を借りれば大丈夫だと思います。

俺の道具袋には、俺の力不足を補うためにアルに作ってもらった魔法薬が入っていたはずだからなんとかなるだろう。

「それでは早速頼めるだろうか」

あ、はい。

じゃあちょっと行ってきます。

「ああ、ダニエル君あと一つ。君は、人を殺したことがあるな。
目を見れば分かる」

・・・・・ええ、多分、あなたが思っているよりも遥かに多く、ずっと幼い頃から。

「そうか。魔法の世界というのも夢や希望に溢れているわけではないのだな」

メルヘンって言葉に喧嘩を売っているような時代でしたよ。

今は多分、そこそこ平和なはずです。

まあ日本の治安なんかとは雲泥の差ですけどね。

魔法が使えるって言っても結局は人間なんだからどこもそう変わりませんよ。

「人間である以上争いは避けられない・・か。人の抱える業だな」

まあ、だからといって人間に絶望するとかいうことはないですけどね。

いいやつはどこにでもいるし、悪いやつもどこにでもいるってことでしょう。

俺たちの世界は持ってる力が大きいから、必然的に争いも大きくなるってだけですよ。






アルの作った魔法薬を使って一日かけて頑張って結界を張った。

これでゾンビの心配はないんだけど。

なんか周りの俺を見る視線が冷たい。

まあ、得体の知れないやつだし仕方ないか。





?月?日

屋敷に保管されていた野菜の種とか見つけたので畑を作ることにした。

せっせと畑を耕す俺を奇妙なものを見るように皆が見て行く。


?月?日

今日も今日とて畑を耕していた。

ゾンビが入ってこようとしていたが結界に弾かれてひっくり返っていた。


?月?日

少しずつ皆が話しかけてくれるようになった。

どうやら少しは信用してくれだしたらしい。


?月?日

食料がやばくなるかも知れないので、どこかのスーパーとかに行って集めてこようということになった。

ゾンビ襲撃の危険がなくなったから人員が割けるようになったとか。

まあ、野菜もまだまだ収穫出来そうにないしね。

近くに大型スーパーがあるらしい。

明日出発。

もちろん俺も参加。


?月?日

参加メンバーは、リーダーの壮一郎さんと俺、刀持った女の子、銃を持った太った男の子、子供グループのリーダーの男の子、女の子、あとは数人の壮一郎さんの部下の人達ってことになった。

子どもがいるってどうなんだろうと思っていると、なんか刀の子と銃の子は集団の中でも強い方らしい。

リーダーの男の子は仲間が参加するから責任感的な感じでついてきたとか。

女の子はリーダーっぽい子についてきたらしい。

ゾンビを蹴散らしながら車でデパートに着くと生き残っている人たちがいた。

その人達も救助するついでに食べ物集めを手伝ってもらった。

その後、大量に食べ物があったので賞味期限の近いものを中心に何往復もした。

日持ちがするものはまたそのうち取りに来るらしい。

帰りもゾンビを倒しながら帰った

なんか刀を持ってない方の女の子がじーっとこっちを見ていた。


?月?日

自称天才の女の子に魔法について聞かれた。

説明したり実践すると非科学的だと怒られた。

だって魔法だし。


?月?日

天才の子がバリアーとかできるのかって聞いてきたからできるよって言うと

「じゃあ、バリアー張ったあんたを車の前に縛り付けてゾンビ跳ね飛ばしてたら捕まらないわね」って言った。

この子鬼畜だ。


?月?日

今日は怪我人の治療の手伝い。

まあ、怪我人って言っても屋敷内での作業中に怪我した人たちとか。

魔法使ってたら保健の先生に仕事がとられたって言われた。

スーパーまで箒で飛んで行ってお酒とってきてあげると感謝された。


?月?日

例の刀じゃないほうの女の子に迫られた。

女は生々しいとか、そうしないと生き残れないとかなんとか言ってた。

短距離転移で脱出。

あの子怖い。

でもちょっとドキドキした。


?月?日

刀の子と話した。

詠春さんのこととか話すとすごい興味を持っていた。

「そのような達人が居るとは、そちらの世界にも行ってみたいものです」とか言ってたのでやめといたほうがいいとだけは言っておいた。

型を見せてもらったら、なんか殺したことがある人間の雰囲気がした。

まあ、色々事情があるのかも知れないから聞くのはやめておいた。


?月?日

刀じゃない子が獲物を見るような目で見てくる。


?月?日

太った子と話した。

正直、初めての実戦ということを考えるとここの子どもたちは凄いと思う。

この子も銃の扱いとか上手いし。


?月?日

壮一郎さんと将棋をした。

将棋は初挑戦だった。

え、将棋って取ったコマ使えるの?


?月?日

壮一郎さんの奥さんが紅茶を出してくれた。


?月?日

今日は俺の料理を振舞ってみた。

ここには料理人はいないので俺が一番料理上手。

みんな褒めてくれた。

結果、俺の仕事に料理が追加された。

かなり忙しくなってしまった。

だが、天才少女とかは「なに今まで隠してんのよ」とか言ってきた。


?月?日

今日は空から生存者を探した。

見つからなかった。

野菜がだんだん育ってきてる。


?月?日

生存者の探索なども行っているおかげで人も少しずつ増えてきている。

部屋に戻ると例の子が待ち構えていた。

短距離転移で逃げた。


?月?日

もうそろそろ帰ることは諦めてきた。












こっちに来てから数年。

俺たちは今日も生き残っている。

数年前に壮一郎さんが生存権の拡大を提案し、屋敷から少しずつテリトリーを広げていった。

その過程で生き残った自衛隊の人と合流したり、生存者を救出したりした。

運に恵まれ、技術者や医者とかも確保できたのは奇跡だった。

今となっては町一つからゾンビを駆逐してテリトリーに収めた。

俺ゾンビ退治頑張ったよ。

町では武器の製造とかもされだしたし、自給自足もできるようになった。

技術面では天才少女がすごい活躍を見せている。

太った子は男連中に銃の使い方を、刀の子は剣術を教えている。

リーダーっぽい子はテリトリーの防衛戦を守る指揮をしている。

ちなみに、太った子と天才少女、リーダーっぽい子と刀の子は結婚した。

町はベビーブームです。

町のリーダーの壮一郎さんは今はこの町が限界だけど、代を重ねていつかは日本全土からゾンビを駆逐する計画を建てている。

そして俺はと言うと




「ねえ、今日はどこまで行くの?」

今日は隣の県まで行ってくるよ。

俺は定期的にいろんなところに飛んで行き、捜索部隊の行けない遠く離れた町などにこの街のことを書いた張り紙などを大量に貼ってきてる。

ついでに運べるだけの水と保存食もおいてきたりする。

おかげで、生存者の方から頑張って町までやってくるようになった。

人口はベビーブームも相まって増加中です。

「じゃあ帰りは遅くなるのね」

うん、多分夜になると思う。

「お弁当これから作るからちょっと待っててね」

ああ、じゃあ運びやすいもので頼むよ。

「はーい」

うん、まあ、なんだ。

結局押し切られた。

肉欲に敗れた俺を笑ってくれ。

本当にこんなつもりはなかったんだけどなぁ。



でも

「だ~」

まあ

「あ、起きちゃった?」

こんな風に我が子をあやしながら朝を過ごし

働いて帰ってきたら寝ずに待っていた妻が迎えてくれ

眠る我が子を見ながら眠りにつき

休日には家族で一家団欒を過ごす

こんな日々も悪くないんじゃないかと思う

明日も知れぬ世界だけど

俺たちは生きているんだと

そう実感できるから

「はい、お弁当」

始まりは恋でも愛でもなかったけど

今こうして感じている安らぎ

寂しいから

不安だから

一人で生きるにはこの世界は冷たすぎるから

求めるんだろう

寄り添いあうんだろう

「ほら、パパがお仕事に行くからお見送りしようね」

それでも不安だから

一人になるのが怖いから

言うんだろう

「行ってらっしゃい」

行ってきます





あとがき

ゾンビ世界なおっぱい漫画を久しぶりに読み直した。

最近ネギまが超展開過ぎてついていけなくなってきた。

設定とかがはっきりとわかるまでうかつに書けそうにない。

それにしてもやはりおっぱいは最高だな。

おっぱいは全て素晴らしい。

貧乳はgoodだ。

微乳もgoodだ。

凡乳もgoodだ。

だが、巨乳はbestだ。

さて、久しぶりにおっぱいサバイバーでもやってariaを読みなおすか。

working!がおもしろす。

店長がいい



ps 最近の走るゾンビは反則だと思う



[14425] 異伝 デビルサバイバー 後日談2
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/05/25 05:07
*月*日

今日は大阪にベヒモスが出現したと報告を受けて急遽出動した。
とりあえず、ラカンを呼んだ。
ラカンは3分ほどベヒモス相手に戦いベヒモスを倒した。
帰りに3万円くらいのお酒をお礼としてあげると喜んでいた。
ベヒモス撃退の報酬として考えるとめちゃくちゃ安上がりだと思った。
救世会が国から貰った今回の報酬は1000万だ。
交通費や宿泊費はあっちもちなので手取り997万が救世会の懐に入った。
アルや詠春さんは二人の好きな系統の雑誌一冊でOK。
ナギは基本無料だが、あんまりナギを呼びすぎていてアリカ様がやってきて怒られたので自重中。

*月*日

なんか天使さん(メタトロンという名前らしい)がやってきて怒られた。
なんでもせっかくCOMPに登録しておいた(俺に無断で)のに呼ばないとは何事かということらしい。
天使さんは民衆の前で悪魔と戦って信心を得たいらしい。
「最近は信仰心の無い者が増えてきたから困る。これだから文明人は(ry」と正座で2時間ほど説教された。
足がしびれて立てない俺をアマネが興味深そうに見た後、足をつつき始めた。
陸に上がった魚のようにビクビクする俺をしばらく無言でつつき続けていた。
最近はアマネも年相応の感情が見えてきだした。
時折笑顔も見るようになったのはいい傾向だ。
高校に行かせたのと、ハルの情操教育の成果かもしれない。

*月*日

今日は集会があった。
昨日ハルに見張られながら徹夜で覚えこまされた台本を思い出しながら演説。
演説が終わったと思うと天使さん(今度はレミエルという人)が光と共に現れた。
光は俺をスポットライトのように照らしていて、まるで前にアマネとハルと一緒に見たフランダースの犬の最期のようだと思った。
天使さんはふわーっと降りてきて俺を背後から首に手をまわすように抱擁すると、そのまますーっと消えた。
演説を聞いていた人たちの歓声がうるさかった。
撮影に来ていたテレビ局のビデオカメラにもばっちり映っていたらしく、その日の特番で流れていた。
後でCOMPから呼び出して天使さんに聞いてみると、信心を得るためのちょっとしたパフォーマンスだとか。
けっこう効果があったらしく、天使さんはご機嫌だった。
それ以来イベントなどで俺が何かする度に色んな天使さんが交代でやってくるようになった。
光がまぶしいからやめてくれと言うと、天使さんとアマネに怒られた。

*月*日

俺の知らない間に救世会の海外の支部ができていたらしい。
俺がトップのはずなのに知らされていなかったとハルに愚痴を言うと
「前にアタシが書類持っていったら、もう何でもOKとか言ってハンコ押してたじゃないか」と言われた。
そんなことは日常茶飯事なので覚えていない。
まあよく考えると海外支部があろうがなかろうが問題ないと思って忘れることにした。
そんなことより、俺もそろそろホームシックにかかってもいい頃なんじゃないかと言うと
自分の家で暮らしていてホームシックになるやつはいないと言われた。
俺の家は魔法世界にあるんですよ。
とりあえずそろそろ誰かにトップを譲りたいと思ったので天使さんを呼んで聞いてみた。
後継者は血縁者じゃないと認めないらしい。
魔法世界から両親でも連れてきてやろうかと思った。

*月*日

もうすぐ、あの東京の魔界化から一年が経つということで雑誌のインタビューを受けた。

Qあの東京で何を思って行動を起こしたんですか。
Aなにか良く解らんうちにあんなことになってた。

Qあれから一年が経とうとしている今の心境は。
Aとりあえず早く引退したい。

雑誌に掲載されたインタビュー

Qあの東京で(ry
A自分でもよくわからなかったとでも言いましょうか。
何をするべきなのか。それを考えるより早く体が動き、助けを求める人々の下に向かっていました。

Qあれから一年が(ry
Aあの時の東京では多くの人々が犠牲になり、同様に多くの仲間達が助けを求める人々を救うために帰らぬ人となりました。
私が今この場にこうしているのも、みなさんが無事でいられるのも彼らの犠牲があってのことだと思います。
ですから、私はそんな彼らの犠牲を無駄にしないためにも、私がいつ引退をしてもいいような、そんな世界をみなさんと築き上げていきたいです。

編集者ってすごいなあと思った。
これを読んでハルが腹を抱えて大爆笑していた。
アマネは雑誌を読み、チラッと俺の顔を見て、また雑誌
を読んで、俺をチラッと見るという動作を繰り返した後、怪訝そうに首をかしげていた。

例の神の子仲良し三人組はキラキラとした目で俺を見ていた。
そんな目で汚れた俺を見ないでくれ。

*月*日

今日はパーティーだった。
俺も料理を作った。
厨房の人たちが恐れ多いとか言っていたけど気にせず作った。
パーティー会場にはなぜかナギ達や天使さんまでスーツを着て混じっていた。
ハルに政治家の人やら、企業の人やらいろんな人のところに挨拶に引きずき回された。
挨拶が終わり戻ってくると、ナギ達は既に出来上がっていて絡まれた。
ハルが呼んだらしく、自衛隊のジンとかいう人も来ていて少し話した。
あいつのことをよろしく頼むと言われたが、むしろ俺がお世話されています。
パーティーも終わり、ナギ達が帰ろうとしていたので、そこにしれっと混ざっているとハルに襟首つかまれて引きずり戻された。
薄情にもナギ達は俺をおいて帰っていった。
後でハルにお説教された。

*月*日

なんか九州で悪魔がバーゲンセールのようにいっぱい暴れていると言われて出動した。
せっかくだから天使さんを呼んであげたら、天使さんが10人以上出てきて驚いた。
みんな張り切ってくれたので夜までには片付いた。
九州まで来たので、ハルとアマネと大分で旅館に泊まって温泉に入って帰った。

*月*日

最近表情も豊かになってきたうちのアマネが学校で男子生徒に告白されたらしい。
安心してください、もちろん断りましたと言っていた。
何を安心しろと言うのか。子供らしく甘酸っぱい青春送っていればいいのにと思ったが、こういうのは本人の気持ちを尊重するべきだな。
せめて悪魔と戦って勝てるくらいの人じゃないと、欲をいうなら世界を救うくらいの人ということらしい。
アマネ、いくらなんでもそれはハードルが高すぎるぞ。
この話をした後、ハルとアマネがしばらくにらみ合っていた。

*月*日

書類が片付かなすぎてペン回しをしていると、ペンが飛んで行ったので慌てて手を伸ばすと書類が崩れた。
終わった書類と終わってないのが混ざってしまったのでハルに分けるのを手伝ってもらった。
もちろん怒られた。

*月*日

ラカンがテオドラからの手紙を持ってきた。
なんでも、旧世界のゲームの『ラブプラスプラス二乗もう一つおまけにプラスMarkⅡDXハイパー』とかいうのにハマっているらしい。
ご当地システムとかいうのがさらに進化して、ワールドワイド女の子がいるらしい。
普通の子から米軍基地娘、原住民の子までよりどりみどりようしになっとけというだとか。
未だ誰も実践したことはないが、ホワイトハウス限定の子もいるらしい。
匿名掲示板では、現在ホワイトハウス突撃部隊のメンバー募集のスレが立っているとかいないとか。
テオドラは部下にその突撃部隊に参加して限定娘を入手してこいと言うつもりらしい。
お前はきちんと仕事しろと。

*月*日

アマネを正式に養子にするべきかどうかでハルと話しあった。
やっぱり親がいるべきなのかどうかというのが気になった。
ハルは全面的に賛成だったので当の本人であるアマネに聞いてみることにした。
猛反対された。
ちょっと凹んだ。
まあ、無理矢理するべきものじゃないので、大人しく引き下がって部屋に戻った。
その後しばらく、養子になっておけと言うハルと嫌だと言うアマネの喧嘩が聞こえていた。

*月*日

昨日酒飲んで酔って調子に乗って杖に乗って夜空をかけめぐってしまった。
今朝、夜空を駆ける未確認の悪魔というニュースになっていたのを見てあわあわしているとハルに問いただされた。
罰として正座1時間の後、今日の仕事量が二倍になった。
もうこんな失敗をしないように、杖は段ボールにしまってガムテープで閉じて倉庫に入れておいた。



あとがき

おかしいな。
もうこれだけ待っているのに。
なんでDiesiraeのエリールートが追加された完全版が発売されないんだろう。
あと、ユーフォリアルートのある永遠神剣シリーズも。
俺はまだDiesiraeを、lightの底力を信じている。



[14425] 満を持してのテオドラエンド・・・だったらよかったのにな
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/06/10 18:24
戦争も終わり、魔法世界にもひとまず平穏が訪れた。

まあ、平和になったとはいってもやらないといけないことは沢山ある。

復興作業などはその最たる例だ。

おかげで政治家や王族はもう仕事ばかりで休む暇もなくなっている。

「のじゃ~」

そう、ここで机に突っ伏しているテオドラのように。

外見は幼いとは言え、実際そこそこの年齢で頭もいいので仕事を任されているのだ。

そして、俺は監視役になっている。

流石に平和になったし就職しないといけないよなーとか思ってたら、テオドラにヘラス帝国まで連行されたんだ。

どうせ働くなら妾が雇ってやろうとか言い出した。

もちろん拒否して一般企業を受けるって言ったんだけど、だったら仕事をサボってやるとか言われて

そしたら大臣なんかも半泣きでお願いしてきたから、仕方なくな。

まあ、給料はいいし、復興が終わるまではこのままでもいいかもしれない。

ほら、テオドラ。

さっさと手を動かせ。

「鬼~」

お前の方が角とか生えてて鬼みたいだろうが。




もちろん、食事も一緒に取る。

ヘラス帝国はアットホームな場所で、大臣たちも一緒に会食を行うことが頻繁にある。

料理を作るのはもちろん王宮専属のコックさん。

俺もたまには作るけど、やりすぎるとコックさん達の仕事がなくなっちゃうから普段はコックさんに任せている。

「ほう、つまりは戦争で国民が疲弊しておると言う事なのじゃな?」

「はい、復興の方はなんとかなるのでしょうが。

いかんせん、国民の気持ちまでは・・・」

仕事の時間だけでは時間がたりないため、会食の場でも話し合いが行われていたりもする。

難しい話もよくしているので、俺はおいてきぼり。

「なにか、めでたいことでもあればいいのじゃがな・・・。

ダニエル、何かいい考えはないか?」

うん?

めでたいことって言ったら、祭りとか誰かの結婚とか?

「それですぞ!!姫様、この私めが妙案を思いつきました!!」

バンっと机を叩いて大臣の一人が立ち上がった。

「なんじゃ?」

「ずばり、両方やってしまおうということです!!

祭りを行うのに合わせて、王族の方の結婚を行う!これで勝つる!!」

誰に勝つんだよ・・・。

「ふむ、ダニエル。どう思う」

いいんじゃない?

とりあえず、祭りはおもしろそうだし王族の結婚にでもなったら国一番の吉事だろ。

みんな喜び楽しんでくれるさ。

で、誰が結婚するの?

「・・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・」

ん?

なんで俺の方見るの?

「ダニエル・・・」

「ダニエル様とテオドラ様ですぞ」

ふ~ん・・・・え?

何言ってるの?ばかじゃない?

「いや、他におらんじゃろう。

妾としては、別にどこぞの貴族階級の輩と結婚することになっても仕方の無いことじゃとは思うのじゃが。

どこぞの貴族階級の男と、世界を救った紅き翼の人間。

どう考えても、国民は後者の方がめでたいと思うじゃろう。

主の名声もナギほどでは無いが、十分に高いし人気もある」

いや、でも・・・やっぱ王族はもっと地位の高い人と結婚するの方が政治的にもいいんじゃないか?

「まあ、妾は第三皇女じゃからな。そこまで厳格に政治的な配慮をせねばならんというわけでもないのじゃ」

いや、でもやっぱさ・・・

「話は聴かせていただきました!!」

ドアを思い切り開いてアルが現れた。

なんでお前がここにいるんだよ!!

「いえ、退屈だったのでちょっと様子を見に来たのですが

なにやらおもしろ・・・愉快なことになっているようなので助太刀に参りました」

帰れ!

お前が関わったら絶対に碌な事にならんだろうが。

「いかし、二人が結婚とはめでたいことです。

早速私も仲間や知人たちに報告をした後に、市井に噂を流してきましょう」

だから、それが余計なことだと・・・。

アルは俺の方に歩み寄り、肩に手を載せてぼそっとつぶやいた。

「このロ・リ・コ・ン」

俺は絶望した。

そして、すぐにアルを止めようと掴みかかったのだが

「それでは、式の日取りが決まり次第お知らせください。はははは」

アルは転移魔法を使い、その場から消え去っていった。

逃げられた。

俺は床に手と膝をつき、悲しみ嘆いた。

「ダニエル様、泣いてはいけません。

男たるもの泣いていいのは、親が死んだときと黒歴史を他人に知られた時だけです」










リンゴーン。リンゴーン。

教会の鐘の音があたりに響きわたっている。

まあ、結局結婚することになったわけだ。

あれから二人で何度も話し合って納得した上での結婚だ。

後悔はしてないつもりだ。

教会から一歩外に出ると、そこには一面の人海があった。

ナギ達や両親などの他にも、国民たちが押しかけていてすごいことになっている。

みんなの暖かな視線が突き刺さる。

国民の祝福の声が遠くに聞こえる。

アルの姿を見つけると、やつは見知らぬ人と一緒に旗を掲げていた。

『Yes lolita.You touch』

涙が出てきた。

「へへ、ダンが結婚するなんてめでたいな」

ありがとうナギ・・・

「あのちんくしゃが相手ってところが引っかかるが祝福してやるよ」

ありがとうラカン・・・

「まあ、祝福してやっても良いぞ」

ありがとうございますアリカ様・・・

「相手が巫女さんじゃないのが気にかかるが、おめでとう」

ありがとうございます詠春さん・・・

「おめでとう、ダン」

ありがとうタカミチ・・・

「まあ、一応祝ってあげます」

ありがとうクルト・・・

なんかもう、色んな意味で涙が止まらない。

遠くではアルがにこやかに旗を振っていて殺意が沸いた。

俺はずいぶん遠いところまで来てしまったようだ。

あの旅立ちの時から、どんな道を通ってきてしまったんだろう。

ここが俺の旅の終着点なのか・・・・。

「それより、ダニエル。

さっきから、妾のほうをちっとも向いておらん上に大事なことを忘れておらんか?」

俺の横からテオドラの声が聞こえてくる。

横を見ると、純白のウェディングドレスを着たテオドラの姿がある。

まだまだ俺よりは小さいが、これから少しずつ成長していくのだろう。

まあ、のんびり二人で生きていけたらいいな。

「ああ、テオドラ。もちろん、きれ・・・・」






ハッ!!!

俺はいつものように自分の部屋で目を覚ました。

なんだ、夢か・・・・。

危ないところだった。

あと少しで取り返しの付かないことになっていたな。

こんな夢を見ることになったのは、あれが原因だろう。

俺は部屋の机に置いてある写真を手にとった。

つい先日テオドラから届いた『また身長が伸びていた。妾もずいぶん成長したじゃろう』という手紙に同封されていた写真だ。

わかりやすいように戦争時代の写真とセットで送られてきた。

確かに、こうしてみるとずいぶんと成長しているのが分かる。

今まではちょくちょく会うこともあったからよくわからなかったけどな。

それにしても、テオドラのせいで悪夢を見た。

あいつも碌な事をしないやつだ。

俺は、成長したテオドラの写真にヒゲを書いて送り返すことにした。






あとがき

最近暑すぎる。

死にそう・・・溶けそう・・・・

そろそろdies iraeの真の完全版は発売中止になったんじゃないかと不安になってきた。

いや、まだだ。まだおわらんよ!

あれだよな。

デバッグ作業とかが思ったより時間掛かっているとか、エリーが可愛すぎて作るのが辛いって状況になって遅れてるだけだよな。

よい、もうちょい待ってみるか。

みんなも一緒に待とうぜ。

怒りの日はまだ訪れていないんだ。

もしエリールートの入った完全版が発売中止だったりしたら、俺の怒りの日が訪れるけどな。




あと、やっと小説家になろうのほうで連載しているとなりんちのナギくんが原作に突入。

あっちでは原作前と変わらないダニエルで書いていっているので、以前のダニエルの方が好きだったという人はあっちの方をよろしく。



[14425]
Name: 七星◆54cd1b68 ID:8e58ac88
Date: 2010/08/01 20:21
「それにしても、意外ですね」

アルがそんなことを言った。

閉店時間になったので店を閉めて食器を洗っているとアルがやってきたので、のんびりと紅茶を飲みながら話をしている最中のことだ。

なにが意外なんだよ?

「いえ、貴方がここまであの子たちに関わるとは思っていなかったものですから」

まあ、俺としても想定外と言えば想定外だよ。

始めはちょっと詠春さんに挨拶に行こうとしただけなのに、厄介ごとは盛りだくさん。

まさかスクナとか高位悪魔、それにアーウェルンクス・・・

あんなのとまた出会うことになるとは思ってもいなかった。

大戦でもあるまいし、もっと平和に過ごしたいもんだな。

「そうですね。私もゆっくりと幼女を眺めて暮らせれば、それが一番だとは思います。

でも、あなたは抱え込んだものを放りだすつもりはないんでしょう?」

まあな。

ネギもこれまで面倒みてきて情が沸いたってのもあるし。

なにより、ナギとアリカ様の子供だしな。

しかもガトウさんが命と引換えに救った明日菜ちゃんもいる。

放り出しようがないよ。

「アリカ様・・・ですか。

相変わらずですね、あなたは」

人間そうそう変わるもんじゃないさ。

そんなことよりも、お前も手を貸してくれたらだいぶ楽になるんだけど。

というか貸せ。

「ふふ、必要とされるのは嬉しいのですがこれでも忙しい身なんです。

どうしようもなくなりそうだったら喜んで手を貸しますよ。

私にとってもあの子たち二人は失いたくない存在ですから」

まあそれならいいんだけどさ。

正直そろそろ俺やタカミチ、学園の魔法使いだけじゃ厳しいと思うぞ。

大戦時のオスティアみたいに、アーウェルンクス達の召喚した悪魔軍団で一斉攻撃でもされたらどうしようもないしな。

詠春さんは立場上無理だとしても、ラカンなんとかならないかなぁ。

「ラカンの場合、まず居場所を特定するのが難しいですからね」

だよなぁ。

まあ当分はなんとか踏ん張るしかないか。

ラカンの方の捜索はテオドラにでも頼んどくか。





「それで、魔眼の調子はどうですか?」

前とそう変わらないな。

普通に生活してたらたまに痛んだり疼く以外では問題ない。

また魔力をバクバクと溜め込んでるみたいだけどな。

「まあ、魔力を貯めこむのはいいじゃないですか。

備えあればと言いますよ」

いや、流石に俺の体に何が起こるか分からんようなものを使う気にはなれない。

もう1つしか残ってないこの目まで潰れたりしたら最悪だしな。

真面目に修行して地力を上げるよ。

氣の修行とか最近疎かにしてたし。

「ああ、そういえばあなたもガトウの弟子ということになるんでしたね。

どうもガトウの弟子といえばタカミチの方が印象が強くて」

ええ、ええ、どうせタカミチに才能で惨敗してますよ。

あいつ居合い拳まで使えるようになってたし。

ああ~頑張って修行しとかないと俺も死にそうだな。

「あなたがまともに戦うなんて昔は想像もできなかったんですけどね」

俺も本当にそう思うよ。

あの頃は直接戦闘では全く役に立てなかったからな。

「治療では一番だったじゃないですか」

お前ら基本的に怪我とかしないから、一緒に行動してるときに使うこと殆ど無かったけどな。

しかも、まともに戦えるようになったって言ってもお前らの足元にも及ばないし。

・・・まあ、それでもやれることはある。

少なくとも、ネギと明日菜ちゃんを守り切るくらいはやってやるさ。

ああ、木乃香ちゃんも守らないと詠春さんに殺されるな。

「ふふ、頼もしくなりましたね。

まるで羽化したようですよ」

人を虫扱いするな。

でも羽化した・・・か。

俺を虫に例えるなら多分蝉だな。

長い間不遇な地中生活を送って、ついに空を飛べるようになったって感じか。

そう考えると、あの辛かったお前らとの日々も輝いて見え・・・・・やっぱり普通に辛かった。

「酷い言い草ですね」

いや、あれは辛かったぞ。

俺はよく耐えてたと思う。

あれだけ超弩級な変態たちに囲まれていたというのに。

ん?もうこんな時間になったのか。

じゃあ俺は片付けの続きやるから飲み終わったらそこにカップ置いといてくれたらいいから。

「ええ、わかりました」







ダニエルが食器を洗いに戻るのを見て、アルはカップに口をつけた。

長い間話していたため、紅茶はかなりぬるくなっており香りも飛んでしまっている。

「蝉・・・ですか」

ため息をついた。

「蝉は、羽化してから一週間という短い間しか生きられません。

蝉のように最後に輝いてあなたまで死ぬなんていうのはごめんですよ。

ただでさえ私は友人が少ないんですから、これ以上は・・・・」

空になったカップを音を立てないように置き、椅子から立ち上がった。

すぐ傍の壁に立てかけてあった杖を手に取ると、アルは姿を消した。







あとがき

ネギまでまさかの生徒の中に敵が居たりしてわけわかめ。

見切り発車してたら今頃死んでたわ。

本編がどうなるかがわからないと続きが書けない。

エピローグでの締め方はもう決まってるし

変更せざるをえなくならない限りはこれでっていうのを書いてあるのに



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